JP2004119854A - スピン処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は乾燥処理時に半導体ウエハの下面に残留処理液が付着するのを防止できるようにしたスピン処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】回転駆動される回転体12と、この回転体に設けられ半導体ウエハを着脱可能に保持する保持部材17と、この保持部材によって保持される半導体ウエハの下面に対向して配置され上面に凹部51が開放して形成されこの凹部51に上記基板の下面に向けて処理液及び気体を噴射するノズルが開口したノズルヘッド46と、上記保持部材に保持された半導体ウエハの下面側に位置し上記回転体の上面側のほぼ全体を覆うとともに上記ノズルヘッドの凹部に対応する部分に開口部が形成されこの開口部の内周面よりも所定寸法径方向外方に上記凹部内に入り込む遮蔽部69が設けられた乱流防止カバー66とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】回転駆動される回転体12と、この回転体に設けられ半導体ウエハを着脱可能に保持する保持部材17と、この保持部材によって保持される半導体ウエハの下面に対向して配置され上面に凹部51が開放して形成されこの凹部51に上記基板の下面に向けて処理液及び気体を噴射するノズルが開口したノズルヘッド46と、上記保持部材に保持された半導体ウエハの下面側に位置し上記回転体の上面側のほぼ全体を覆うとともに上記ノズルヘッドの凹部に対応する部分に開口部が形成されこの開口部の内周面よりも所定寸法径方向外方に上記凹部内に入り込む遮蔽部69が設けられた乱流防止カバー66とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は基板を回転させて処理液を噴射することで洗浄などの処理をするスピン処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体装置や液晶表示装置の製造過程においては、基板としての半導体ウエハやガラス基板に回路パタ−ンを形成するための成膜プロセスやフォトプロセスがある。これらのプロセスでは、上記基板に対して成膜処理、洗浄処理及び乾燥処理が繰り返し行われる。
【0003】
上記基板の洗浄処理及び洗浄後の乾燥処理を行うためにはスピン処理装置が用いられる。このスピン処理装置はカップ体を有し、このカップ体内には回転駆動される回転体が設けられている。この回転体には保持機構が設けられ、この保持機構には基板が着脱可能に保持される。
【0004】
上記保持機構に保持された基板には、回路パターンが形成される上面に向けて上部処理液用ノズルから処理液が噴射される。また、基板は上面だけでなく、下面の清浄度が要求されることもあるので、そのような場合には基板の下面に向けて処理液を噴射する下部処理液用ノズルが配置される。
【0005】
上記基板の下面側に下部処理液用ノズルを配置する場合、上記カップ体内にノズルヘッドを設け、このノズルヘッドに下部処理液用ノズルや基板の下面を洗浄処理した後に乾燥処理するために気体を噴射する気体用ノズル等を設けるようにしている。
【0006】
基板の下面を処理することができるスピン処理装置においては、下部処理液用ノズルから噴射された処理液の一部が基板の下面で反射し、上記ノズルヘッドの上面に滴下残留する。
【0007】
一方、基板の乾燥処理時には、回転体の上面が凹凸形状であるため、この回転体を高速度で回転させることで、その上面に乱流が発生する。そのため、回転体の回転によって生じる乱気流によって、処理液による処理時にノズルヘッドの上面に滴下して残留した処理液が飛散し、洗浄された基板の下面に付着して汚染の原因になるということがある。
【0008】
基板の乾燥処理時に回転体の上面側で乱流が発生するのを防止するため、上記回転体の上面側を乱流防止カバーで覆うということが行われている。この乱流防止カバーには、上記ノズルヘッドのノズルから基板の下面に処理液や気体を噴射可能とするための開口部が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
回転体に乱流防止カバーを設けることで、回転体の回転時に、この回転体の上面側に乱流が発生するのを抑制することができる。しかしながら、上記ノズルヘッドの下部処理液用ノズルから基板に向けて噴射された処理液の一部はノズルヘッドの上面と乱流防止カバーの下面との隙間に入り込み、この乱流防止カバーの下面に付着残留することがある。その場合、基板を乾燥処理するときに、乱流防止カバーに付着残留した処理液が舞い上がり、基板の下面に付着して汚れの原因になるということがあった。
【0010】
この発明は、基板の乾燥処理時に、乱流防止カバーに付着残留した処理液が舞い上がり、基板に付着して汚れの原因になるのを防止したスピン処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板を回転させながらこの基板の下面を処理液及び気体によって順次処理するスピン処理装置において、
回転駆動される回転体と、
この回転体に設けられ上記基板を着脱可能に保持する保持機構と、
この保持機構によって保持される上記基板の下面に対向して配置され上面に凹部が開口形成されるとともにこの凹部に上記基板の下面に処理液及び気体を噴射するノズルが設けられたノズルヘッドと、
上記保持機構に保持された基板の下面側に位置し上記回転体の上面側のほぼ全体を覆うとともに上記ノズルヘッドの凹部に対応する部分に開口部が形成されこの開口部の内周面よりも所定寸法径方向外方の位置に上記凹部内に入り込む遮蔽部が設けられた乱流防止カバーと、
を具備したことを特徴とするスピン処理装置にある。
【0012】
請求項2の発明は、上記乱流防止カバーに形成された開口部の内周面は、径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置にある。
【0013】
請求項3の発明は、上記遮蔽部は、上記乱流防止カバーの下面に対してほぼ垂直に設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置にある。
【0014】
この発明によれば、ノズルヘッドの凹部内に入り込む遮蔽部を乱流防止カバーの開口部の内周面から所定寸法径方向外方に設けたため、この遮蔽部によってノズルヘッドのノズルから噴射された処理液が乱流防止カバーの下面側に入り込むのを防止でき、さらに遮蔽部の内周面に処理液が付着残留していても、その処理液が乾燥処理時に舞い上がるのが乱流防止カバーの遮蔽部の内周面よりも径方向内方に突出した部分によって阻止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図2に示すこの発明のスピン処理装置はカップ体1を有する。このカップ体1は載置板2上に設けられた下カップ3と、この下カップ3の上側に図示しない上下駆動機構によって上下駆動自在に設けられた上カップ4とからなる。
【0017】
上記下カップ3の底壁の中心部と載置板2とにはこれらを貫通する通孔5が形成されており、また上記下カップ3の周壁3aは上記上カップ4の二重構造の周壁4aにスライド自在に嵌挿し、これら周壁によってラビリンス構造をなしている。
【0018】
上記上カップ4の上面は開口していて、この上カップ4が下降方向に駆動されることで、カップ体1内で処理された基板としてのたとえば半導体ウエハUを取り出したり、未処理の半導体ウエハUを供給できるようになっている。さらに、上記下カップ3の底壁には周方向に所定間隔で複数の排出管6が接続され、この排出管6は図示しない吸引ポンプに連通している。それによって、上記半導体ウエハUを洗浄処理したり、乾燥処理することで上記カップ体1内を浮遊する処理液が排出されるようになっている。
【0019】
上記カップ体1の下面側には板状のベ−ス7が配置されている。このベ−ス7には上記カップ体1の通孔5と対応する位置に取付孔8が形成されていて、この取付孔8には駆動手段を構成するパルス制御モ−タ9の固定子9aの上端部が嵌入固定されている。
【0020】
上記固定子9aは筒状をなしていて、その内部には同じく筒状の回転子9bが回転自在に嵌挿されている。この回転子9bの上端面には筒状の連結体11が下端面を接合させて一体的に固定されている。この連結体11の下端面には上記固定子9aの内径寸法よりも大径な鍔部11aが形成されている。この鍔部11aは上記固定子9aの上端面に摺動自在に接触しており、それによって回転子9bの回転を阻止することなく、この回転子9aが固定子9bから抜け落ちるのを阻止している。
【0021】
上記連結体11は上記カップ体1の通孔5からその内部に突出し、上端面には円板状の回転体12が取付け固定されている。この回転体12は図1に示すように下板13aと上板13bとを接合させた二重板構造をなしていて、その中心部には通孔14が形成されている。
【0022】
図2に示すように、上記下カップ3の通孔5の周辺部には環状壁3bが突設され、上記回転体12の外周面には上記環状壁3bの外周面に内周面を対向させた環状壁12bが垂設されている。これら環状壁3b、12bによって処理液が回転体12の下面側に回り込むのを防止するラビリンス構造をなしている。
【0023】
上記回転体12の上面には周方向に所定間隔、この実施の形態では60度間隔で6つのボス部15(図1に2つだけ示す)が突設されている。このボス部15には滑り軸受16が外嵌されていて、この滑り軸受16には保持部材17が回転可能に挿入支持されている。
【0024】
上記保持部材17は、図1に示すように上部が上記ボス部15の外径寸法とほぼ同径の大径部18に形成され、この大径部18の下面に上記滑り軸受16に支持される軸部19が一体形成されてなる。上記大径部18の上面には中心部に円錐状の支持ピン21が突設され、径方向周辺部である偏心位置には逆テ−パ状のロックピン22が突設されている。
【0025】
上記6本の保持部材17の支持ピン21上には上記半導体ウエハUが下面を支持されて載置される。その状態で上記保持部材17が回転して上記ロックピン22が半導体ウエハUの外周面に当接することで、その半導体ウエハUは回転体12と一体的に保持されるようになっている。
【0026】
図1に示すように、上記保持部材17の各軸部19の下端部は回転体12の下面から突出し、その下端部にはセクタギヤからなる子歯車23が嵌合固定されている。各子歯車23は上記連結体11の外周面に軸受24によって回転自在に設けられた平歯車からなる親歯車25に噛合している。
【0027】
上記連結体11の外周面には付勢手段としての捩じりコイルばね26が装着されている。この捩じりコイルばね26は一端を上記連結体11に係合させ、他端を上記親歯車25に係合させることで、上記親歯車25を所定の回転方向(たとえば反時計方向とする)に付勢している。それによって、上記子歯車23は時計方向に付勢されるから、この子歯車23の回転に保持部材17が連動し、上記ロックピン22が回転体12の中心方向へ偏心回転して半導体ウエハUの外周面に当接するようになっている。
【0028】
上記ロックピン22による半導体ウエハUのロック状態の解除は、図示しない解除機構によって上記親歯車25を上記ねじりコイルばね26の付勢力に抗して回転させることで行うことができる。
【0029】
上記回転子9bの内部には中空状の固定軸41が挿通されている。この固定軸41の下端部は上記パルス制御モ−タ9の下方に配置された支持部材42の取付孔42aに嵌入固定されている。
【0030】
図1に示すように、上記固定軸41の上端部は上記回転体12の通孔14に対向位置する。この固定軸41の上端にはノズルヘッド46が嵌入固定されている。このノズルヘッド46は回転体12の上面側に突出していて、その外周部には上記通孔14の周辺部に突設された環状壁47を内部に収容する環状溝48が下面に開放して形成されている。つまり、環状壁47と環状溝48とでラビリンス構造を形成しており、回転体12の上面側で飛散する処理液が通孔14を通り、固定軸41に沿ってカップ体1の外部へ流出するのを阻止している。
【0031】
上記ノズルヘッド46には上面に開放した凹部51が形成されている。この凹部51は上部から下部にゆくにつれて小径となる円錐形状に形成されている。ノズルヘッド46の上面の上記凹部51の周辺部は径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面52に形成されている。
【0032】
上記凹部51の底部には排液部を形成する排液孔53の一端が開口している。この排液孔53の他端には排液管54(図1に示す)の一端が接続されている。この排液管54の他端は上記排出管6と同様、図示しない吸引ポンプに接続されている。
【0033】
上記ノズルヘッド46には、先端を上記凹部51の内面に開口させた下部処理液用ノズル55と、下部気体用ノズル56とが周方向に所定間隔で形成されている。各ノズル55,56の基端は上記ノズルヘッド46の下面に開口して設けられた第1、第2の接続孔57,58にそれぞれ連通している。第1の接続孔57には図1に示すように処理液供給管59が接続され、第2の接続孔58には気体供給管61が接続されている。
【0034】
下部処理液用ノズル55からは、処理液供給管59を通じて洗浄処理時に純水、過酸化水素水、フッ酸などの処理液が保持部材17に保持された半導体ウエハUの下面に向けて噴射され、下部気体用ノズル56からは気体供給管61を通じて乾燥処理時に窒素などの気体が噴射されるようになっている。
【0035】
各ノズル55,56の噴射方向はノズルヘッド46の軸線に対して所定角度傾斜している。すなわち、下部処理液用ノズル55は、保持部材17に保持された半導体ウエハUの回転中心に向けて処理液を噴射するようになっている。また、下部気体用ノズル56からの気体も半導体ウエハUの径方向中心部、つまり回転中心に向けて噴射されるようになっている。
【0036】
それによって、処理液は回転する半導体ウエハUの遠心力によって下面のほぼ全体に分散するとともに、半導体ウエハUで反射した処理液のほとんどが凹部51内に滴下することになり、また気体も半導体ウエハUの下面ほぼ全体に作用することになる。
【0037】
なお、処理液は半導体ウエハUの回転中心からわずかにずれた位置に向けて噴射するようにしてもよく、その場合半導体ウエハUの下面で反射した処理液が凹部51内に滴下する角度で処理液を噴射することが好ましい。同様に、気体も半導体ウエハUの回転中心からわずかにずれた位置に向けて噴射するようにしてもよい。
【0038】
上記回転体12の上面側には乱流防止カバ−66が設けられている。この乱流防止カバ−66は上記保持部材17に保持された半導体ウエハUの下面側に位置し、周辺部には上記保持部材17の上部を露出させる第1の開口部67が形成され、中心部には上記ノズルヘッド46の凹部51を半導体ウエハUの下面に向けて開放する第2の開口部68が形成されている。
【0039】
図3に示すように、上記乱流防止カバー66の下面には、第2の開口部68の内周面から所定寸法径方向外方の位置に、上記凹部51内に入り込む環状の遮蔽部69が乱流防止カバー66の下面に対してほぼ垂直に設けられている。
【0040】
乱流防止カバー66の下面に遮蔽部69を設けることで、第2の開口部67の周辺部は、遮蔽部69の内周面よりも径方向内方に突出した鍔部70となっている。なお、遮蔽部69の下端は上記凹部51の内面と非接触となっている。
【0041】
上記第2の開口部68の内周面、つまり鍔部70の内周面は、乱流防止カバー66の径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面68aに形成されている。この傾斜面68aによって上記鍔部70の先端はエッジ状となっている。
【0042】
この実施の形態では、上記傾斜面68aは平面となっているが、凸状或いは凹状の曲面であっても差し支えなく、さらに先端部をアール状にしてもよい。
【0043】
このように、回転体12の凹凸状の上面が上記乱流防止カバ−66によって覆われることで、回転体12の回転に伴う乱流の発生が抑制される。それによって、半導体ウエハUの上面を洗浄した塵埃を含む処理液がたとえば半導体ウエハUの下面側に舞い込んで付着するのが防止される。とくに、上記乱流防止カバ−66の上面と半導体ウエハUの下面との隙間を所定の間隔に設定すると、乱流の抑制効果が高くなる。
【0044】
さらに、乱流防止カバー66に遮蔽部69を形成し、この遮蔽部69をノズルヘッド46の凹部51内に入り込ませたことで、第2の開口部68に開放したノズルヘッド46の上面と乱流防止カバー66の下面との隙間が閉塞される。
【0045】
それによって、半導体ウエハU下面の洗浄処理時に処理液が乱流防止カバー66の下面側に入り込むことがないから、乾燥処理時に乱流防止カバー66の下面側から処理液が舞い上がることもない。そのため、乾燥処理時に半導体ウエハUの下面に処理液が付着するのを防止することができる。
【0046】
回転体12の保持部材22によって保持された半導体ウエハUの上方には、上部処理液用ノズル71及び上部気体用ノズル72が配置されている。上部処理液用ノズル71からは上記半導体ウエハUの上面に向けて処理液が噴射され、上部気体用ノズル72からは窒素などの乾燥用の気体が噴射されるようになっている。
【0047】
上記構成のスピン処理装置において、回転体12に保持された半導体ウエハUは、処理液による洗浄処理が上面と下面とで同時に行われる。ついで、半導体ウエハUの上下面には気体が噴射され、乾燥処理が行われる。
【0048】
半導体ウエハUの下面を処理する場合、まず、下部処理液用ノズル55から回転する半導体ウエハUの下面に処理液が噴射される。それによって、半導体ウエハUの下面が処理液によってたとえば洗浄などの処理が行われる。
【0049】
下部処理液用ノズル55から半導体ウエハUの下面に噴射された処理液の一部は、乱流防止カバー66の下面とノズルヘッド46の上面との隙間に入り込み、乱流防止カバー66の下面やノズルヘッド46の上面に付着残留する虞がある。
【0050】
しかしながら、乱流防止カバー66には、第2の開口部68の内周面から所定寸法径方向内方の位置に環状の遮蔽部69が設けられている。そのため、上記乱流防止カバー66の下面と、ノズルヘッド46の上面との隙間が第2の開口部68に開放せず、上記遮蔽部69によって閉塞されるから、その隙間に処理液が入り込むのを防止することができる。
【0051】
したがって、半導体ウエハUを洗浄処理してから乾燥処理する際に、乱流防止カバー66の下面やノズルヘッド46の上面から処理液が舞い上がり、半導体ウエハUの下面に付着して汚れの原因になるということがない。
【0052】
一方、乱流防止カバー66に遮蔽部69を設けたことで、この遮蔽部69の内周面に処理液が付着残留し、乾燥処理時に舞い上がって半導体ウエハUの下面に付着する虞がある。
【0053】
しかしながら、上記遮蔽部69を、第2の開口部68の内周面よりも、所定寸法径方向外方に設けたことで、遮蔽部69の内周面の上端、つまり乱流防止カバー66の第2の開口部68を囲む部分が鍔部70となって遮蔽部69の内周面から径方向内方に突出している。
【0054】
そのため、上記遮蔽部69の内周面に付着残留した処理液は、半導体ウエハUの乾燥処理時に上記鍔部70に衝突して舞い上がるのが阻止されるから、半導体ウエハUの下面に付着して汚れの原因になるということがない。
【0055】
遮蔽部69の内周面と同様、第2の開口部68の内周面にも、処理液が付着残留し、乾燥処理時に舞い上がる虞がある。しかしながら、第2の開口部68の内周面を傾斜面68aに形成した。そのため、この傾斜面68aには処理液が付着残留することがほとんどないから、そのことによっても乾燥処理時に半導体ウエハUの下面が汚染されるのを防止できる。
【0056】
さらに、上記遮蔽部69は、乱流防止カバー66の下面に対してほぼ垂直に設けるようにした。そのため、この遮蔽部69の内周面に付着した処理液は、この内周面から自然落下し易いから、遮蔽部69の内周面に付着残留する処理液の量が少なくなる。その結果、乾燥処理時に遮蔽部69の内周面から飛散する処理液の量も少なくなるから、そのことによっても半導体ウエハUの下面に処理液が付着し難くなる。
【0057】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。たとえば、基板としては半導体ウエハに限られず、液晶表示装置用のガラス基板であってもよく、要は高精度に洗浄処理することが要求される基板であれば、この発明を適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、遮蔽部によってノズルヘッドのノズルから噴射された処理液が乱流防止カバーの下面側に入り込むのを防止でき、さらに遮蔽部の内周面に処理液が付着残留していても、その処理液が乾燥処理時に舞い上がるのが乱流防止カバーの遮蔽部の内周面よりも径方向内方に突出した部分によって阻止することができる。
【0059】
そのため、基板の下面を処理液によって処理してから、乾燥処理する場合、乾燥処理時に基板の下面が処理液によって汚されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示すスピン処理装置の回転体の部分の拡大断面図。
【図2】スピン処理装置の全体構成を示す縦断面図。
【図3】乱流防止カバ−の一部分を拡大した断面図。
【符号の説明】
12…回転体
17…保持部材(保持機構)
46…ノズルヘッド
51…凹部
55…下部処理液用ノズル
56…下部気体用ノズル
66…乱流防止カバ−
68…第2の開口部
68a…傾斜面
69…遮蔽部
70…鍔部
【発明の属する技術分野】
この発明は基板を回転させて処理液を噴射することで洗浄などの処理をするスピン処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体装置や液晶表示装置の製造過程においては、基板としての半導体ウエハやガラス基板に回路パタ−ンを形成するための成膜プロセスやフォトプロセスがある。これらのプロセスでは、上記基板に対して成膜処理、洗浄処理及び乾燥処理が繰り返し行われる。
【0003】
上記基板の洗浄処理及び洗浄後の乾燥処理を行うためにはスピン処理装置が用いられる。このスピン処理装置はカップ体を有し、このカップ体内には回転駆動される回転体が設けられている。この回転体には保持機構が設けられ、この保持機構には基板が着脱可能に保持される。
【0004】
上記保持機構に保持された基板には、回路パターンが形成される上面に向けて上部処理液用ノズルから処理液が噴射される。また、基板は上面だけでなく、下面の清浄度が要求されることもあるので、そのような場合には基板の下面に向けて処理液を噴射する下部処理液用ノズルが配置される。
【0005】
上記基板の下面側に下部処理液用ノズルを配置する場合、上記カップ体内にノズルヘッドを設け、このノズルヘッドに下部処理液用ノズルや基板の下面を洗浄処理した後に乾燥処理するために気体を噴射する気体用ノズル等を設けるようにしている。
【0006】
基板の下面を処理することができるスピン処理装置においては、下部処理液用ノズルから噴射された処理液の一部が基板の下面で反射し、上記ノズルヘッドの上面に滴下残留する。
【0007】
一方、基板の乾燥処理時には、回転体の上面が凹凸形状であるため、この回転体を高速度で回転させることで、その上面に乱流が発生する。そのため、回転体の回転によって生じる乱気流によって、処理液による処理時にノズルヘッドの上面に滴下して残留した処理液が飛散し、洗浄された基板の下面に付着して汚染の原因になるということがある。
【0008】
基板の乾燥処理時に回転体の上面側で乱流が発生するのを防止するため、上記回転体の上面側を乱流防止カバーで覆うということが行われている。この乱流防止カバーには、上記ノズルヘッドのノズルから基板の下面に処理液や気体を噴射可能とするための開口部が形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
回転体に乱流防止カバーを設けることで、回転体の回転時に、この回転体の上面側に乱流が発生するのを抑制することができる。しかしながら、上記ノズルヘッドの下部処理液用ノズルから基板に向けて噴射された処理液の一部はノズルヘッドの上面と乱流防止カバーの下面との隙間に入り込み、この乱流防止カバーの下面に付着残留することがある。その場合、基板を乾燥処理するときに、乱流防止カバーに付着残留した処理液が舞い上がり、基板の下面に付着して汚れの原因になるということがあった。
【0010】
この発明は、基板の乾燥処理時に、乱流防止カバーに付着残留した処理液が舞い上がり、基板に付着して汚れの原因になるのを防止したスピン処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、基板を回転させながらこの基板の下面を処理液及び気体によって順次処理するスピン処理装置において、
回転駆動される回転体と、
この回転体に設けられ上記基板を着脱可能に保持する保持機構と、
この保持機構によって保持される上記基板の下面に対向して配置され上面に凹部が開口形成されるとともにこの凹部に上記基板の下面に処理液及び気体を噴射するノズルが設けられたノズルヘッドと、
上記保持機構に保持された基板の下面側に位置し上記回転体の上面側のほぼ全体を覆うとともに上記ノズルヘッドの凹部に対応する部分に開口部が形成されこの開口部の内周面よりも所定寸法径方向外方の位置に上記凹部内に入り込む遮蔽部が設けられた乱流防止カバーと、
を具備したことを特徴とするスピン処理装置にある。
【0012】
請求項2の発明は、上記乱流防止カバーに形成された開口部の内周面は、径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置にある。
【0013】
請求項3の発明は、上記遮蔽部は、上記乱流防止カバーの下面に対してほぼ垂直に設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置にある。
【0014】
この発明によれば、ノズルヘッドの凹部内に入り込む遮蔽部を乱流防止カバーの開口部の内周面から所定寸法径方向外方に設けたため、この遮蔽部によってノズルヘッドのノズルから噴射された処理液が乱流防止カバーの下面側に入り込むのを防止でき、さらに遮蔽部の内周面に処理液が付着残留していても、その処理液が乾燥処理時に舞い上がるのが乱流防止カバーの遮蔽部の内周面よりも径方向内方に突出した部分によって阻止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図2に示すこの発明のスピン処理装置はカップ体1を有する。このカップ体1は載置板2上に設けられた下カップ3と、この下カップ3の上側に図示しない上下駆動機構によって上下駆動自在に設けられた上カップ4とからなる。
【0017】
上記下カップ3の底壁の中心部と載置板2とにはこれらを貫通する通孔5が形成されており、また上記下カップ3の周壁3aは上記上カップ4の二重構造の周壁4aにスライド自在に嵌挿し、これら周壁によってラビリンス構造をなしている。
【0018】
上記上カップ4の上面は開口していて、この上カップ4が下降方向に駆動されることで、カップ体1内で処理された基板としてのたとえば半導体ウエハUを取り出したり、未処理の半導体ウエハUを供給できるようになっている。さらに、上記下カップ3の底壁には周方向に所定間隔で複数の排出管6が接続され、この排出管6は図示しない吸引ポンプに連通している。それによって、上記半導体ウエハUを洗浄処理したり、乾燥処理することで上記カップ体1内を浮遊する処理液が排出されるようになっている。
【0019】
上記カップ体1の下面側には板状のベ−ス7が配置されている。このベ−ス7には上記カップ体1の通孔5と対応する位置に取付孔8が形成されていて、この取付孔8には駆動手段を構成するパルス制御モ−タ9の固定子9aの上端部が嵌入固定されている。
【0020】
上記固定子9aは筒状をなしていて、その内部には同じく筒状の回転子9bが回転自在に嵌挿されている。この回転子9bの上端面には筒状の連結体11が下端面を接合させて一体的に固定されている。この連結体11の下端面には上記固定子9aの内径寸法よりも大径な鍔部11aが形成されている。この鍔部11aは上記固定子9aの上端面に摺動自在に接触しており、それによって回転子9bの回転を阻止することなく、この回転子9aが固定子9bから抜け落ちるのを阻止している。
【0021】
上記連結体11は上記カップ体1の通孔5からその内部に突出し、上端面には円板状の回転体12が取付け固定されている。この回転体12は図1に示すように下板13aと上板13bとを接合させた二重板構造をなしていて、その中心部には通孔14が形成されている。
【0022】
図2に示すように、上記下カップ3の通孔5の周辺部には環状壁3bが突設され、上記回転体12の外周面には上記環状壁3bの外周面に内周面を対向させた環状壁12bが垂設されている。これら環状壁3b、12bによって処理液が回転体12の下面側に回り込むのを防止するラビリンス構造をなしている。
【0023】
上記回転体12の上面には周方向に所定間隔、この実施の形態では60度間隔で6つのボス部15(図1に2つだけ示す)が突設されている。このボス部15には滑り軸受16が外嵌されていて、この滑り軸受16には保持部材17が回転可能に挿入支持されている。
【0024】
上記保持部材17は、図1に示すように上部が上記ボス部15の外径寸法とほぼ同径の大径部18に形成され、この大径部18の下面に上記滑り軸受16に支持される軸部19が一体形成されてなる。上記大径部18の上面には中心部に円錐状の支持ピン21が突設され、径方向周辺部である偏心位置には逆テ−パ状のロックピン22が突設されている。
【0025】
上記6本の保持部材17の支持ピン21上には上記半導体ウエハUが下面を支持されて載置される。その状態で上記保持部材17が回転して上記ロックピン22が半導体ウエハUの外周面に当接することで、その半導体ウエハUは回転体12と一体的に保持されるようになっている。
【0026】
図1に示すように、上記保持部材17の各軸部19の下端部は回転体12の下面から突出し、その下端部にはセクタギヤからなる子歯車23が嵌合固定されている。各子歯車23は上記連結体11の外周面に軸受24によって回転自在に設けられた平歯車からなる親歯車25に噛合している。
【0027】
上記連結体11の外周面には付勢手段としての捩じりコイルばね26が装着されている。この捩じりコイルばね26は一端を上記連結体11に係合させ、他端を上記親歯車25に係合させることで、上記親歯車25を所定の回転方向(たとえば反時計方向とする)に付勢している。それによって、上記子歯車23は時計方向に付勢されるから、この子歯車23の回転に保持部材17が連動し、上記ロックピン22が回転体12の中心方向へ偏心回転して半導体ウエハUの外周面に当接するようになっている。
【0028】
上記ロックピン22による半導体ウエハUのロック状態の解除は、図示しない解除機構によって上記親歯車25を上記ねじりコイルばね26の付勢力に抗して回転させることで行うことができる。
【0029】
上記回転子9bの内部には中空状の固定軸41が挿通されている。この固定軸41の下端部は上記パルス制御モ−タ9の下方に配置された支持部材42の取付孔42aに嵌入固定されている。
【0030】
図1に示すように、上記固定軸41の上端部は上記回転体12の通孔14に対向位置する。この固定軸41の上端にはノズルヘッド46が嵌入固定されている。このノズルヘッド46は回転体12の上面側に突出していて、その外周部には上記通孔14の周辺部に突設された環状壁47を内部に収容する環状溝48が下面に開放して形成されている。つまり、環状壁47と環状溝48とでラビリンス構造を形成しており、回転体12の上面側で飛散する処理液が通孔14を通り、固定軸41に沿ってカップ体1の外部へ流出するのを阻止している。
【0031】
上記ノズルヘッド46には上面に開放した凹部51が形成されている。この凹部51は上部から下部にゆくにつれて小径となる円錐形状に形成されている。ノズルヘッド46の上面の上記凹部51の周辺部は径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面52に形成されている。
【0032】
上記凹部51の底部には排液部を形成する排液孔53の一端が開口している。この排液孔53の他端には排液管54(図1に示す)の一端が接続されている。この排液管54の他端は上記排出管6と同様、図示しない吸引ポンプに接続されている。
【0033】
上記ノズルヘッド46には、先端を上記凹部51の内面に開口させた下部処理液用ノズル55と、下部気体用ノズル56とが周方向に所定間隔で形成されている。各ノズル55,56の基端は上記ノズルヘッド46の下面に開口して設けられた第1、第2の接続孔57,58にそれぞれ連通している。第1の接続孔57には図1に示すように処理液供給管59が接続され、第2の接続孔58には気体供給管61が接続されている。
【0034】
下部処理液用ノズル55からは、処理液供給管59を通じて洗浄処理時に純水、過酸化水素水、フッ酸などの処理液が保持部材17に保持された半導体ウエハUの下面に向けて噴射され、下部気体用ノズル56からは気体供給管61を通じて乾燥処理時に窒素などの気体が噴射されるようになっている。
【0035】
各ノズル55,56の噴射方向はノズルヘッド46の軸線に対して所定角度傾斜している。すなわち、下部処理液用ノズル55は、保持部材17に保持された半導体ウエハUの回転中心に向けて処理液を噴射するようになっている。また、下部気体用ノズル56からの気体も半導体ウエハUの径方向中心部、つまり回転中心に向けて噴射されるようになっている。
【0036】
それによって、処理液は回転する半導体ウエハUの遠心力によって下面のほぼ全体に分散するとともに、半導体ウエハUで反射した処理液のほとんどが凹部51内に滴下することになり、また気体も半導体ウエハUの下面ほぼ全体に作用することになる。
【0037】
なお、処理液は半導体ウエハUの回転中心からわずかにずれた位置に向けて噴射するようにしてもよく、その場合半導体ウエハUの下面で反射した処理液が凹部51内に滴下する角度で処理液を噴射することが好ましい。同様に、気体も半導体ウエハUの回転中心からわずかにずれた位置に向けて噴射するようにしてもよい。
【0038】
上記回転体12の上面側には乱流防止カバ−66が設けられている。この乱流防止カバ−66は上記保持部材17に保持された半導体ウエハUの下面側に位置し、周辺部には上記保持部材17の上部を露出させる第1の開口部67が形成され、中心部には上記ノズルヘッド46の凹部51を半導体ウエハUの下面に向けて開放する第2の開口部68が形成されている。
【0039】
図3に示すように、上記乱流防止カバー66の下面には、第2の開口部68の内周面から所定寸法径方向外方の位置に、上記凹部51内に入り込む環状の遮蔽部69が乱流防止カバー66の下面に対してほぼ垂直に設けられている。
【0040】
乱流防止カバー66の下面に遮蔽部69を設けることで、第2の開口部67の周辺部は、遮蔽部69の内周面よりも径方向内方に突出した鍔部70となっている。なお、遮蔽部69の下端は上記凹部51の内面と非接触となっている。
【0041】
上記第2の開口部68の内周面、つまり鍔部70の内周面は、乱流防止カバー66の径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面68aに形成されている。この傾斜面68aによって上記鍔部70の先端はエッジ状となっている。
【0042】
この実施の形態では、上記傾斜面68aは平面となっているが、凸状或いは凹状の曲面であっても差し支えなく、さらに先端部をアール状にしてもよい。
【0043】
このように、回転体12の凹凸状の上面が上記乱流防止カバ−66によって覆われることで、回転体12の回転に伴う乱流の発生が抑制される。それによって、半導体ウエハUの上面を洗浄した塵埃を含む処理液がたとえば半導体ウエハUの下面側に舞い込んで付着するのが防止される。とくに、上記乱流防止カバ−66の上面と半導体ウエハUの下面との隙間を所定の間隔に設定すると、乱流の抑制効果が高くなる。
【0044】
さらに、乱流防止カバー66に遮蔽部69を形成し、この遮蔽部69をノズルヘッド46の凹部51内に入り込ませたことで、第2の開口部68に開放したノズルヘッド46の上面と乱流防止カバー66の下面との隙間が閉塞される。
【0045】
それによって、半導体ウエハU下面の洗浄処理時に処理液が乱流防止カバー66の下面側に入り込むことがないから、乾燥処理時に乱流防止カバー66の下面側から処理液が舞い上がることもない。そのため、乾燥処理時に半導体ウエハUの下面に処理液が付着するのを防止することができる。
【0046】
回転体12の保持部材22によって保持された半導体ウエハUの上方には、上部処理液用ノズル71及び上部気体用ノズル72が配置されている。上部処理液用ノズル71からは上記半導体ウエハUの上面に向けて処理液が噴射され、上部気体用ノズル72からは窒素などの乾燥用の気体が噴射されるようになっている。
【0047】
上記構成のスピン処理装置において、回転体12に保持された半導体ウエハUは、処理液による洗浄処理が上面と下面とで同時に行われる。ついで、半導体ウエハUの上下面には気体が噴射され、乾燥処理が行われる。
【0048】
半導体ウエハUの下面を処理する場合、まず、下部処理液用ノズル55から回転する半導体ウエハUの下面に処理液が噴射される。それによって、半導体ウエハUの下面が処理液によってたとえば洗浄などの処理が行われる。
【0049】
下部処理液用ノズル55から半導体ウエハUの下面に噴射された処理液の一部は、乱流防止カバー66の下面とノズルヘッド46の上面との隙間に入り込み、乱流防止カバー66の下面やノズルヘッド46の上面に付着残留する虞がある。
【0050】
しかしながら、乱流防止カバー66には、第2の開口部68の内周面から所定寸法径方向内方の位置に環状の遮蔽部69が設けられている。そのため、上記乱流防止カバー66の下面と、ノズルヘッド46の上面との隙間が第2の開口部68に開放せず、上記遮蔽部69によって閉塞されるから、その隙間に処理液が入り込むのを防止することができる。
【0051】
したがって、半導体ウエハUを洗浄処理してから乾燥処理する際に、乱流防止カバー66の下面やノズルヘッド46の上面から処理液が舞い上がり、半導体ウエハUの下面に付着して汚れの原因になるということがない。
【0052】
一方、乱流防止カバー66に遮蔽部69を設けたことで、この遮蔽部69の内周面に処理液が付着残留し、乾燥処理時に舞い上がって半導体ウエハUの下面に付着する虞がある。
【0053】
しかしながら、上記遮蔽部69を、第2の開口部68の内周面よりも、所定寸法径方向外方に設けたことで、遮蔽部69の内周面の上端、つまり乱流防止カバー66の第2の開口部68を囲む部分が鍔部70となって遮蔽部69の内周面から径方向内方に突出している。
【0054】
そのため、上記遮蔽部69の内周面に付着残留した処理液は、半導体ウエハUの乾燥処理時に上記鍔部70に衝突して舞い上がるのが阻止されるから、半導体ウエハUの下面に付着して汚れの原因になるということがない。
【0055】
遮蔽部69の内周面と同様、第2の開口部68の内周面にも、処理液が付着残留し、乾燥処理時に舞い上がる虞がある。しかしながら、第2の開口部68の内周面を傾斜面68aに形成した。そのため、この傾斜面68aには処理液が付着残留することがほとんどないから、そのことによっても乾燥処理時に半導体ウエハUの下面が汚染されるのを防止できる。
【0056】
さらに、上記遮蔽部69は、乱流防止カバー66の下面に対してほぼ垂直に設けるようにした。そのため、この遮蔽部69の内周面に付着した処理液は、この内周面から自然落下し易いから、遮蔽部69の内周面に付着残留する処理液の量が少なくなる。その結果、乾燥処理時に遮蔽部69の内周面から飛散する処理液の量も少なくなるから、そのことによっても半導体ウエハUの下面に処理液が付着し難くなる。
【0057】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。たとえば、基板としては半導体ウエハに限られず、液晶表示装置用のガラス基板であってもよく、要は高精度に洗浄処理することが要求される基板であれば、この発明を適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、遮蔽部によってノズルヘッドのノズルから噴射された処理液が乱流防止カバーの下面側に入り込むのを防止でき、さらに遮蔽部の内周面に処理液が付着残留していても、その処理液が乾燥処理時に舞い上がるのが乱流防止カバーの遮蔽部の内周面よりも径方向内方に突出した部分によって阻止することができる。
【0059】
そのため、基板の下面を処理液によって処理してから、乾燥処理する場合、乾燥処理時に基板の下面が処理液によって汚されるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示すスピン処理装置の回転体の部分の拡大断面図。
【図2】スピン処理装置の全体構成を示す縦断面図。
【図3】乱流防止カバ−の一部分を拡大した断面図。
【符号の説明】
12…回転体
17…保持部材(保持機構)
46…ノズルヘッド
51…凹部
55…下部処理液用ノズル
56…下部気体用ノズル
66…乱流防止カバ−
68…第2の開口部
68a…傾斜面
69…遮蔽部
70…鍔部
Claims (3)
- 基板を回転させながらこの基板の下面を処理液及び気体によって順次処理するスピン処理装置において、
回転駆動される回転体と、
この回転体に設けられ上記基板を着脱可能に保持する保持機構と、
この保持機構によって保持される上記基板の下面に対向して配置され上面に凹部が開口形成されるとともにこの凹部に上記基板の下面に処理液及び気体を噴射するノズルが設けられたノズルヘッドと、
上記保持機構に保持された基板の下面側に位置し上記回転体の上面側のほぼ全体を覆うとともに上記ノズルヘッドの凹部に対応する部分に開口部が形成されこの開口部の内周面よりも所定寸法径方向外方の位置に上記凹部内に入り込む遮蔽部が設けられた乱流防止カバーと、
を具備したことを特徴とするスピン処理装置。 - 上記乱流防止カバーに形成された開口部の内周面は、径方向外方に向かって低く傾斜した傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置。
- 上記遮蔽部は、上記乱流防止カバーの下面に対してほぼ垂直に設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置。
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2002
- 2002-09-27 JP JP2002283906A patent/JP2004119854A/ja active Pending
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