JP4347613B2 - ノズル装置及び基板の処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は処理液を基板に向けて噴射させるノズル装置及びそのノズル装置を用いて基板を処理する処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶表示装置などを製造する場合、半導体ウエハやガラス基板などの基板に回路パタ−ンを形成するリソグラフィプロセスがある。このリソグラフィプロセスは、周知のように上記基板にレジストを塗布し、このレジストに回路パタ−ンが形成されたマスクを介して光を照射する。ついで、レジストの光が照射されない部分あるいは光が照射された部分を除去し、除去された部分をエッチングするなどの一連の工程を複数回繰り返すことで、上記基板に回路パタ−ンを形成するものである。
【0003】
上記一連の各工程において、上記基板が汚染されていると回路パタ−ンを精密に形成することができなくなり、不良品の発生原因となる。したがって、それぞれの工程で回路パタ−ンを形成する際には、レジストや塵埃などの微粒子が残留しない清浄な状態に上記基板を洗浄処理するということが行われている。
【0004】
基板に洗浄或いは洗浄以外の処理をする場合、その処理目的に応じて異なる種類の処理液が用いられる。処理液としてはフッ酸を純水で希釈した処理液や、高濃度のアンモニアガスを純水に溶解して希釈した処理液などのように、添加流体を希釈流体で希釈した処理液が用いられている。
【0005】
一方、基板を処理液で処理する場合、その処理液を窒素ガスなどの不活性ガスからなる加圧気体で加圧して噴射させるようにしている。それによって、基板の処理効果の向上を図ったり、処理液の使用量の減少を図るようにしている。
【0006】
処理液を加圧気体で加圧して噴射する場合、ノズル装置が用いられている。このノズル装置は上記処理液と加圧気体とが供給される一対の供給部を有する。一方の供給部からは処理液が供給され、他方の供給部からは加圧気体が供給される。それによって、処理液は加圧気体で加圧され基板に向かって噴射される。
【0007】
基板を処理液によって処理する処理装置としては、基板を回転させながら処理液を噴射するとともに、処理液による処理が終了したならば、基板を処理液による処理時よりも高速度で回転させて乾燥処理するスピン処理装置が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、加圧気体によって加圧された処理液をノズル装置から基板に向けて噴射すると、基板に勢いよく衝突した処理液の一部はミストとなって周囲に飛散し易くなる。そのため、ミスト状の処理液がスピン処理装置のカップ体の内周面に付着したり、カップ体内を浮遊することになる。
【0009】
処理液によって処理された基板は高速回転させて乾燥処理される。基板を乾燥処理する際、カップ体内を浮遊するミストが基板に付着したり、カップ体の内周面に付着したミストが飛散して基板に付着することがあり、それらのことによって基板が汚染されるということがある。したがって、基板の処理時には、ノズル体か噴射される処理液によって発生するミストを周囲に拡散させないようにすることが望まれる。
【0010】
この発明は、加圧気体によって加圧されて基板に噴射された処理液の一部がミストとなって飛散しても、そのミストが周囲に拡散するのを制限することで、基板が汚染されるのを防止できるようにしたノズル装置及び基板の処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板に向けて処理液を噴射するノズル装置において、
ノズル本体と、
このノズル本体に設けられた混合室と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室に連通した噴射部と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室に希釈用流体を供給するための第1の供給管と、
上記ノズル本体に設けられ上記希釈用流体によって希釈される添加流体を供給するための第2の供給管と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室で上記添加用流体を上記希釈用流体で希釈して作られた上記処理液を加圧して上記噴射部から噴射させる加圧気体を供給する気体供給部と、
上記気体供給部に上記混合室内に突出して設けられ外周面に上記第1の供給管からの希釈用流体と上記第2の供給管からの添加用流体を混合する周回溝が形成されこの周回溝で混合されて上記噴射部に流れる上記処理液に向かって上記加圧気体を噴射するノズル部を有する接続口体と、
上記ノズル本体に設けられ上記加圧気体に加圧されて上記噴射部から上記基板に向けて噴射された液体のうち、上記ノズル本体の周囲に飛散した液体を除去する飛散防止手段と、
を具備したことを特徴とするノズル装置にある。
【0012】
上記飛散防止手段は、上記ノズル本体の外周を囲んで設けられたカバー体と、このカバー体に接続され上記ノズル本体の周囲に飛散した液体を上記カバー体を通じて吸引排出する排出管とから構成されていることが好ましい。
【0013】
上記噴射部は、上記混合室に連通した一端から上記ノズル本体の先端面に開口した他端に向かって漸次拡径する円錐状に形成されていることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、加圧気体によって加圧されてノズル本体から噴射された液体の一部がミストとなって周囲に拡散しようとしても、そのミストは飛散防止手段によって除去されるため、基板に付着して汚染の原因になるのが防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1はこの発明の一実施の形態に係るスピンタイプの処理装置を示し、この処理装置はカップ体1を有する。このカップ体1は処理槽の底板2(処理槽は底板のみ図示)上に設けられた下カップ3と、この下カップ3の上側に図示しない上下駆動機構によって上下駆動可能に設けられた上カップ4とからなる。
【0017】
上記下カップ3の底壁の中心部と底板2とにはこれらを貫通する通孔5が形成されており、また上記下カップ3の周壁3aには上記上カップ4の二重構造の周壁4aがスライド自在に嵌挿され、これら周壁によってラビリンス構造をなしている。
【0018】
上記上カップ4の上面は開口していて、この上カップ4が下降方向に駆動されることで、後述するようにカップ体1内でたとえば洗浄及び乾燥の処理が行われた半導体ウエハなどの基板Wを図示しないロボットによって取出したり、未処理の基板Wを供給できるようになっている。
【0019】
上記下カップ3の底壁には周方向に所定間隔で複数の排出管6の一端が接続され、他端は図示しない吸引ポンプに連通している。それによって、上記基板Wを洗浄処理した処理液や洗浄処理後の乾燥処理時に上記基板Wから飛散する洗浄液が上記排出管6を通じて排出されるようになっている。
【0020】
上記底板2の下方にはベ−ス7が配置されている。このベ−ス7には上記カップ体1の通孔5と対応する位置に取付け孔8が形成されている。この取付け孔8には駆動手段を構成するパルス制御モ−タ9の固定子9aの上端部が嵌入固定されている。
【0021】
上記固定子9aは筒状をなしていて、その内部には同じく筒状の回転子9bが回転自在に嵌挿されている。この回転子9bの上端面には筒状の連結体11が下端面を接合させて一体的に固定されている。この連結体11の下端面には上記固定子9aの内径寸法よりも大径な鍔部11aが形成されている。この鍔部11aは上記固定子9aの上端面に摺動可能に接しており、それによって回転子9bの回転を阻止することなく、この回転子9bが固定子9aから抜け落ちるのを規制している。
【0022】
上記連結体11は上記カップ体1の通孔5から内部に突出し、上端面には円板状の回転体12が取付け固定されている。この回転体12の上面の周辺部には周方向に所定間隔で複数、この実施の形態では60度間隔で6本の保持部材13(2つのみ図示)が回転可能に設けられている。この保持部材13の上面には中心部に円錐状の支持ピン14が突設され、中心から偏心した位置に逆テ−パ状のロックピン15が設けられている。
【0023】
上記基板Wは図示しないロボットによって上記カップ体1内に供給される。カップ体1内に供給された基板Wは、周辺部の下面が上記支持ピン14に支持される。その状態で上記保持部材13が回転してロックピン15が偏心回転することで、基板Wの外周面に係合する。それによって、基板Wは回転体12に保持される。
【0024】
上記連結体11の外周面には付勢ばね16が設けられている。この付勢ばね16は、上記回転体12の下面側に、この回転体12に対して回転可能に設けられた親歯車(図示せず)を所定の回転方向に付勢している。この親歯車には子歯車(図示せず)が噛合しており、この子歯車は上記保持部材13の上記回転体12の下面側に突出した下端部に設けられている。それによって、上記保持部材13は上記付勢ばね16によりロックピン15が基板Wの外周面に係合するロック方向に付勢されている。
【0025】
上記ロックピン15による基板Wのロック状態の解除は解除機構17によって行われる。この解除機構17は解除シリンダ18と、この解除シリンダ18によって駆動されるア−ム19と、このア−ム19の上端に設けられた解除ピン21とからなる。
【0026】
上記解除シリンダ18が作動して解除ピン21が上記親歯車の回転を阻止した状態で、上記回転体12がパルス制御モ−タ9により上記付勢ばね16の付勢力に抗して所定角度回転駆動されることで、上記保持部材13が回転されて上記ロックピン15による基板Wのロック状態が解除されるようになっている。
【0027】
上記回転体12の中心部には通孔12aが形成されている。上記回転子9bには中空状の固定軸22が通され、この固定軸22の上端部は上記回転体12の通孔12a内に位置している。固定軸22の上端にはノズルヘッド23が設けられている。このノズルヘッド23には上記回転体12に保持された基板Wの下面に向けて洗浄液を噴射する複数の下部ノズル体24が設けられている。
【0028】
上記回転体12の上面側は乱流防止カバ−29によって覆われている。この乱流防止カバ−29には上記ノズルヘッド23を露出させる開口部29aと、上記保持部材13を露出させる開口部29bとが形成されている。この乱流防止カバ−29の上面は、上記支持ピン14に支持された基板Wの下面にわずかな間隔で離間しており、回転体12の回転にともない基板Wの下面側に乱流が生じるのを防止している。
【0029】
上記カップ体1内に保持された基板Wの上面側には、ノズル装置31が基板Wの径方向に沿って往復動可能に設けられている。このノズル装置31からは処理液が噴射され、この処理液によって上記基板Wの上面にたとえば洗浄などの処理を行うようになっている。
【0030】
上記ノズル装置31は、図1に示すように垂直部42と水平部43とによってほぼ逆L字状をなした取付け部材としてのア−ム体41の、上記水平部43の先端部に形成された取付け部43aに軸線をほぼ垂直して取付けられている。
【0031】
上記ア−ム体41の垂直部42は上記ベ−ス7に形成された挿通孔47を通され、このア−ム体41を所定の角度内で揺動駆動する中空軸モ−タからなる第1の駆動源48の図示しない回転子に連結されている。この第1の駆動源48は可動板49に取付けられている。この可動板49は上記ベ−ス7に垂設された固定板51に図示しないリニアガイドによって上下方向にスライド可能に設けられている。
【0032】
上記固定板51には第2の駆動源52が設けられている。この第2の駆動源52の駆動軸52aには図示しないボ−ルねじが連結されている。このボ−ルねじは上記可動板49に設けられた図示しないナット体に螺合されている。したがって、第2の駆動源52が作動してボ−ルねじが回転駆動されれば、上記可動板49が矢印で示す上下方向に駆動されることになる。
【0033】
つまり、上記ノズル装置31は、第1の駆動源48によってカップ体1内に保持された基板Wの上方で、この基板Wの径方向に沿って揺動駆動されるとともに、第2の駆動源52によって上下方向に駆動され、所定の高さ位置で保持されるようになっている。
【0034】
上記ノズル装置31は、図2乃至図4に示すようにノズル本体61を有する。このノズル本体61は塩化ビニールや弗素系の樹脂などの耐薬品性を有する合成樹脂によって成形されている。ノズル本体61を成形するとき、このノズル本体61内には導電性部材として互いに電気的に接続された多数の金属ワイヤ62が埋設される。そのうちの1本の金属ワイヤ62の一端部はノズル本体61の外部に導出されたアース部63となっている。このアース部63は、上記アーム体41を介してアースされる。
【0035】
上記ノズル本体61は円柱状に形成されていて、その中途部には断面形状が矩形状の矩形部64が形成されている。この矩形部64の一側面64aには第1の液体供給部としての第1の接続孔65が開口形成されている。第1の接続孔65が形成された一側面64aに対向する他側面64bには第2の液体供給部としての第2の接続孔66が開口形成されている。さらに、上記ノズル本体61の上端面には気体供給部としての第3の接続孔67が開口形成されている。
【0036】
上記第1乃至第3の接続孔65〜67は上記ノズル本体61の矩形部64の中心部に形成された混合室68に連通している。この混合室68には噴射部69の一端が連通している。この噴射部69の他端はノズル本体61の先端面に開口している。なお、噴射部69は、混合室68に連通した一端からノズル本体61の先端面に開口した他端にゆくにつれて漸次拡径する円錐形状をなしている。
【0037】
上記第1、第2の接続孔65,66には、図3に鎖線で示す第1、第2の供給管71,72がそれぞれ一端部を接続して設けられる。第1の供給管71から上記混合室68にはたとえば純水などの希釈用流体が供給されるようになっている。
【0038】
上記第2の供給管72から上記混合室68には上記希釈用流体によって希釈される添加流体として、たとえばアンモニア水、塩酸、過酸化水素水、オゾン水などの液体、或いはオゾン、窒素、酸素、水素、二酸化炭素などの気体が供給されるようになっている。それによって、上記混合室68では上記希釈用流体と添加流体とが混合された処理液が作られる。
【0039】
上記第3の接続孔67には接続口体73が接続されている。この接続口体73には後端面に開口した接続部74が形成されている。この接続部74には、所定の圧力に加圧された窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを上記混合室68に供給する第3の供給管75が接続されている。
なお、上記第1乃至第3の供給管71、72、75は上記アーム体41を通されて他端がそれぞれ図示しない供給源に接続されている。
【0040】
上記接続口体73の先端部には、上記混合室68内に位置するノズル部76が設けられている。このノズル部76は、外形寸法が上記混合室68の内径寸法よりもわずかに小さく形成されている。ノズル部76の外周面には周回溝77が形成され、先端には上記接続部74に連通するノズル孔78が開口形成されている。このノズル孔78からは上記噴射部69の一端に向かって加圧気体を噴射するようになっている。
【0041】
上記第1の供給管71と第2の供給管72とからは、希釈用流体と添加流体がそれぞれ上記混合室68内に位置する上記ノズル部76の外周面の上記周回溝77に向かって供給される。そのため、希釈用流体と添加流体とは、周回溝77に沿って流れながら混合されるから、混合室68で十分に混合された処理液となってから噴射部69に流れることになる。
【0042】
混合室68で混合されて噴射部69に流れる処理液は、上記ノズル孔78から噴射される加圧気体によって加圧される。そのため、処理液は粒子状となって上記噴射部69の先端から基板Wに向かって噴射する。
【0043】
上記噴射部69は円錐形状に形成されている。そのため、処理液は加圧気体に加圧されて粒子状となっても、上記噴射部69の形状によって基板Wへの噴射形状が円錐形状に規定されるため、周囲に拡散し難い。つまり、基板Wへの処理液の噴射形状が一定に保たれる。それによって、基板Wは上記噴射部69の先端開口に対向する部位が処理液によって確実に処理されることになる。
【0044】
上記ノズル本体61の上記矩形部64の下側の部分の外周面は下端面が開口した円筒状のカバー体81によって覆われている。このカバー体81の内径寸法は、上記ノズル本体61の円柱部分の外形寸法よりも大径に形成されている。それによって、カバー体81とノズル本体61の外周面との間には空間部82が形成されている。さらに、カバー体81の下端面は、上記ノズル本体61の下端面とほぼ同じ高さに設定されていて、その下端には径方向外方に突出した鍔83が設けられている。
【0045】
上記カバー体81の周壁には排出管84の一端が接続されている。この排出管84は上記アーム体41内を通され、他端は図示しない吸引ポンプに接続されている。吸引ポンプを作動させることで、排出管84を介して上記カバー体81の空間部82を負圧にできるようになっている。
【0046】
上記構成の処理装置によれば、回転体12に保持された基板Wに処理液を供給するノズル装置31は、そのノズル本体61に希釈用流体を供給する第1の供給管71、添加流体を供給する第2の供給管72及び加圧気体を供給する第3の供給管75が接続されている。
【0047】
第1の供給管71から上記ノズル本体61の混合室68に供給された希釈用流体と、第2の供給管72から上記混合室68に供給された添加流体は、上記混合室で混合されて処理液となる。
【0048】
上記混合室68で作られた処理液は、第3の供給管75から供給されて接続口体73のノズル部76のノズル孔78から噴射される加圧気体によって加圧される。そのため、処理液は加圧気体の作用によって粒子状となって上記混合室68に一端を連通させた噴射部69の他端から基板Wの上面に向かって噴射されるから、基板Wの上面が処理液によって処理されることになる。
【0049】
つまり、ノズル装置31のノズル本体61の下端面を回転体12に保持された基板Wの上面に所定の間隔で離間対向させ、アーム体41を作動させて上記ノズル装置31を基板Wの径方向に沿って往復動させながら、噴射部69から加圧気体によって加圧された処理液を噴射させる。それによって、基板Wの上面が処理液によって処理されることになる。
【0050】
上記構成のノズル装置によれば、希釈用流体と添加流体とをノズル装置31の混合室68で混合することができる。そのため、希釈用流体と添加流体とを予め混合して供給する従来のように、ノズル装置31の上流側に混合タンクを設けずにすむから、その分、コストの低減や構成の簡略化を図ることができる。
【0051】
上記混合室68で作られた処理液は加圧気体によって加圧されて噴射部69から噴射する。そのため、処理液は圧力が上昇し、しかも粒子状となって基板Wに作用するから、基板Wに対する処理効果を向上させることができる。しかも、処理液を加圧気体によって加圧するため、処理液を加圧して基板Wに供給する場合に比べて処理液の使用量を少なくすることができる。
【0052】
混合室68に供給される希釈用流体と添加流体は、ともに混合室68内に突出したノズル部76の外周面に形成された周回溝77に向かって供給される。そのため、この周回溝77に沿って流れながら十分に混合されてから噴射部69に流れるから、噴射部69から基板Wに向かって噴射される処理液の希釈用流体と添加流体との混合が不十分となることがない。つまり、混合室68から噴射部69には希釈用流体と添加流体が十分に混合された均質な処理液が供給される。
【0053】
上記混合室68で混合され加圧気体によって加圧されて噴射部69から基板Wに噴射される処理液は、その噴射形状が噴射部69の形状に対応する円錐形状に規定される。そのため、処理液は、噴射部69によって拡散が抑制されながら基板Wに噴射されるから、粒子状の処理液が基板Wの上面に衝突することで発生するミストがノズル本体61の周囲に拡散するのも抑制することができる。
【0054】
上記噴射部69を円錐形状とすることで、処理液の噴射形状が規定されてミストの拡散が抑制されるものの、ミストの一部はノズル本体61の下端面を通って周囲に拡散することがある。
【0055】
しかしながら、ノズル本体61の外周にはカバー体81が設けられている。このカバー体81の空間部82は排出管84を介して図示しない真空ポンプにより減圧されている。そのため、ミストがノズル本体61の下端面を通って周囲に拡散しようとしても、そのミストはカバー体81内に吸引されて排出管84から排出されるため、周囲に拡散するのが防止される。
【0056】
仮に、ミストが周囲に拡散すると、そのミストはカップ体1内を浮遊したり、カップ体1の内周面に付着する。そのため、基板Wを処理液によって処理してから乾燥処理する時に、カップ体1内を浮遊するミストやカップ体1の内面から飛散したミストが基板Wに付着して汚染の原因になることがある。
【0057】
しかしながら、上述したように、基板Wを処理液によって処理する際に、ミストが周囲に拡散するのが防止されるため、乾燥処理時に基板Wにミストが付着して汚染の原因になるのを防止することができる。
【0058】
上記ノズル装置31のノズル本体61は、処理液に対する耐蝕性などを持たせるために、合成樹脂によって作られている。その場合、ノズル本体61内を処理液が流れることで、摩擦抵抗によって静電気が発生する。処理液の比抵抗値が高い場合、静電気が処理液に帯電してしまうため、基板Wに形成された回路パターンが静電気によって破壊される虞がある。
【0059】
しかしながら、ノズル装置31は、合成樹脂製のノズル本体61に金属ワイヤ62を埋設し、その一部を外部に出してアース部63とし、そのアース部63をアーム体41を介してアースするようにした。そのため、処理液に静電気が帯電することがないから、処理液によって処理される基板Wが静電気によって損傷するのを防止することができる。
【0060】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、たとえばミストが周囲に飛散するのを防止する飛散防止手段としてはノズル本体にカバー体を設け、このカバー体内を減圧するようにしたが、それに代わってノズル本体の周囲に複数の吸引管を設け、これら吸引管によってノズル本体の噴射部から周囲に拡散するミストを吸引排出するようにしてもよい。
【0061】
また、ノズル本体に円錐状の噴射部が形成されていない場合であっても、この発明の飛散防止手段を設けることで、処理液によって基板を処理するときに、ミストが周囲に拡散するのを防止することができる。
【0062】
また、ノズル本体は2つの液体を混合して処理液とし、その処理液を加圧気体で加圧するようにしたが、処理液を形成する液体は2種類に限られず、1種類或いは3種類以上であっても差し支えなく、要は処理液を加圧気体で加圧して噴射するノズル体であればよい。
【0063】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、加圧気体によって加圧されてノズル本体から噴射された液体の一部がミストとなって周囲に拡散しようとしても、そのミストは飛散防止手段によって除去されるから、拡散することがない。
【0064】
そのため、基板を処理液で処理してから乾燥処理する際に、基板にミストが付着して汚染の原因になるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る処理装置の概略的構成を示す断面図。
【図2】ノズル装置の側面図。
【図3】ノズル装置のカバー体を除去した縦断面図。
【図4】ノズル装置の平面図。
【符号の説明】
61…ノズル本体、65…第1の接続孔(第1の液体供給部)、66…第2の接続孔(第2の液体供給部)、67…第3の接続孔(気体供給部)、68…混合室、69…噴射部、カバー体81、84…排出管。
Claims (4)
- 基板に向けて処理液を噴射するノズル装置において、
ノズル本体と、
このノズル本体に設けられた混合室と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室に連通した噴射部と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室に希釈用流体を供給するための第1の供給管と、
上記ノズル本体に設けられ上記希釈用流体によって希釈される添加流体を供給するための第2の供給管と、
上記ノズル本体に設けられ上記混合室で上記添加用流体を上記希釈用流体で希釈して作られた上記処理液を加圧して上記噴射部から噴射させる加圧気体を供給する気体供給部と、
上記気体供給部に上記混合室内に突出して設けられ外周面に上記第1の供給管からの希釈用流体と上記第2の供給管からの添加用流体を混合する周回溝が形成されこの周回溝で混合されて上記噴射部に流れる上記処理液に向かって上記加圧気体を噴射するノズル部を有する接続口体と、
上記ノズル本体に設けられ上記加圧気体に加圧されて上記噴射部から上記基板に向けて噴射された液体のうち、上記ノズル本体の周囲に飛散した液体を除去する飛散防止手段と、
を具備したことを特徴とするノズル装置。 - 上記飛散防止手段は、上記ノズル本体の外周を囲んで設けられたカバー体と、このカバー体に接続され上記ノズル本体の周囲に飛散した液体を上記カバー体を通じて吸引排出する排出管とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のノズル装置。
- 上記噴射部は、上記混合室に連通した一端から上記ノズル本体の先端面に開口した他端に向かって漸次拡径する円錐状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のノズル装置。
- 基板を処理液によって処理する処理装置において、
基板をほぼ水平に支持して回転駆動する回転体と、
この回転体に支持された上記基板に対向して配置され基板の径方向に駆動可能に設けられたノズル装置とを具備し、
上記ノズル装置は請求項1に記載された構成であることを特徴とする基板の処理装置。
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