JP2003324090A - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP2003324090A JP2002126946A JP2002126946A JP2003324090A JP 2003324090 A JP2003324090 A JP 2003324090A JP 2002126946 A JP2002126946 A JP 2002126946A JP 2002126946 A JP2002126946 A JP 2002126946A JP 2003324090 A JP2003324090 A JP 2003324090A
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勝彦 宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板を回転させながら基板の一方面に処理液を
供給して処理を行う場合に、基板の他方面への処理液ミ
ストの巻き込みを効果的に防止でき、処理液の回り込み
を確実に制御できる基板処理装置を提供する。 【解決手段】基板Wは、ベルヌーイ効果を利用すること
によって、雰囲気遮蔽部60により、上面側から保持さ
れる。雰囲気遮蔽部60の遮蔽面61からは、この雰囲
気遮蔽部60の回転を基板Wに伝達する回転伝達部材6
8Aと、基板Wの水平方向への飛び出しを規制する位置
規制部材とが突出している。回転伝達部材68および位
置規制部材は、遮蔽面61の周縁部において、雰囲気遮
蔽部60の回転方向に関して間隔を開けて設けられてい
る。回転伝達部材68は、基板Wの上面の周縁部に対向
し、位置規制部材は基板Wの周端面に対向する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板を鉛直方向
に沿う軸線まわりに回転させながら、基板の表面に対す
るエッチング処理、洗浄処理または乾燥処理等の所要の
処理を施すための基板処理装置に関する。処理対象の基
板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラ
ス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、光ディス
ク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基
板、およびフォトマスク用基板等が含まれる。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハの処理工程や液晶表示装置
用ガラス基板の処理工程では、これらの基板を水平に保
持して鉛直軸線回りに回転させながら、エッチング液等
の処理液を基板の下面へ供給して基板を処理する基板処
理装置が用いられる場合がある。このような基板処理装
置では、処理中に飛散した処理液のミストが基板の上面
側に巻き込まれて基板の上面に付着したり、基板の下面
に供給された処理液が基板の周縁から基板の上面側へ回
り込んだりする。
【0003】このような不具合を解消するために、たと
えば特開平11−176795号公報等において、基板
の上面に近接して遮蔽板を配置し、基板の上面側の空間
を制限するとともに、この制限された空間に窒素ガス等
の不活性ガスを導入する構成が開示されている。これに
より、基板の上面側への処理液ミストの巻き込みや処理
液の回り込みの防止が図られている。このような基板処
理装置を用いて、いわゆるベベルエッチングと呼ばれる
基板処理を行うこともできる。すなわち、基板の下面に
供給された処理液は、遠心力によって中心部から周縁部
に向けて基板の下面を伝わり、基板の外周端面を回り込
んで基板の上面の周縁部へと至る。そこで、基板の回転
速度、処理液の供給量および基板と遮蔽板との間に供給
される窒素ガスの流量を適切に調整することによって、
基板上面の周縁部の所定幅(たとえば1〜7mm)の領
域を選択的にエッチング処理することができる。具体的
には、上面全体に銅メッキが施された基板の下面にエッ
チング液を供給することによって、基板下面全体、基板
の外周端面、および基板上面の周縁部の所定幅の領域に
関して、銅メッキ膜または銅イオンを除去する処理を施
すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成にお
いて、基板の上面に処理液ミストの巻き込みや、処理液
の回り込みを効果的に防止するためには、遮蔽板を基板
の上面に対して可能な限り近接させる必要がある。しか
し、遮蔽板の機械的精度から、回転中の基板に接触する
ことなく遮蔽板を基板の上面に近接させ得る距離には限
界がある。そのため、基板の上面側への処理液ミストの
巻き込みや、処理液の回り込みを防止したり、処理液の
回り込み量を精度良く制御したりすることができない。
【0005】特に、大型の基板を処理する場合には、基
板の下面のほぼ中央に処理液を供給すると、処理液の噴
出圧で、基板の中央部位が凸状に盛り上がってしまう。
この処理中の基板の変形が、基板と遮蔽板との近接をさ
らに困難にしている。一方、基板の下面中央に向けて処
理液を供給するためには、基板を保持して回転するスピ
ンチャックには、真空吸着式のチャック(バキュームチ
ャック)を用いることはできず、いわゆるメカニカルチ
ャックを用いる必要がある。メカニカルチャックは、基
板の下方に位置する回転ベース部材上に、基板の外周端
面に沿って間隔を開けて配置した複数の保持ピンを設
け、これらの保持ピンによって基板の外周端面を挟持す
る構成となっている。
【0006】したがって、メカニカルチャックを用いて
ベベルエッチング処理を行う場合には、保持ピンによっ
て保持されている基板の外周端面の部位には、エッチン
グ液が到達しない。したがって、基板の外周端面および
上面の周縁部に対する処理が不均一になる。回転ベース
部材に、保持ピンによる基板の挟持を一時的に解除する
解除機構を設けることによって、上記の問題は幾分緩和
される。しかし、解除機構は、基板の処理中に大量の処
理液を浴びることになるから、解除機構が早期に腐食
し、動作不良を引き起こすという問題がある。
【0007】そこで、この発明の目的は、基板を回転さ
せながら基板の一方面に処理液を供給して処理を行う場
合に、基板の他方面への処理液ミストの巻き込みを効果
的に防止できる基板処理装置を提供することである。ま
た、この発明の他の目的は、基板を回転させながらその
一方面に処理液を供給して処理を行う場合に、基板の他
方面側への処理液の回り込みを確実に制御することがで
きる基板処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板
(W)を回転させながら基板に処理液を供給して処理を
行う基板処理装置(100)であって、基板に対向する
支持面(601)に設けられたガス噴出口(604)か
らガスを噴出することによってベルヌーイ効果を利用し
て基板を上記支持面へと吸引して保持する吸引保持手段
(60,605〜607)と、この吸引保持手段を鉛直
軸線まわりに回転させる回転手段(64)と、上記吸引
保持手段の支持面から突出して設けられ、上記ベルヌー
イ効果によって上記支持面へと吸引される基板の上記支
持面に対向する表面に当接して、上記回転手段の駆動力
を当該基板に伝達する回転伝達部材(68A)と、上記
吸引保持手段の回転方向に関して上記回転伝達部材とは
異なる位置において上記支持面から突出するとともに、
この吸引保持手段に吸引保持される基板の周端面に対向
するように配置され、当該基板の水平位置を規制する位
置規制部材(68B)と、上記吸引保持手段に保持され
て回転されている基板に処理液を供給する処理液供給手
段(7,8,9,10)とを含むことを特徴とする基板
処理装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形
態における対応構成要素等を表す。以下、この項におい
て同じ。
【0009】この構成によれば、基板に吸引保持手段を
近づけ、この吸引保持手段から基板の対向面側へ向かっ
て、全周にわたって、かつ外向きに気体を噴き出させる
と、ベルヌーイの原理により、基板を支持面へと吸引す
る力が作用する。これにより、基板は、吸引保持手段に
吸い寄せられて、吸引保持手段の支持面に近接して保持
される。吸引保持手段の支持面からは、回転伝達部材が
突出していて、この回転伝達部材は、吸引保持手段の支
持面方向への基板の移動を規制するように基板の表面に
当接する。こうして、基板が吸引保持手段の支持面に近
接した状態で位置決めされ、基板の表面が遮蔽される。
気体の噴き出し量が充分に多ければ、基板は、回転伝達
部材に押し付けられることになるから、回転手段によっ
て吸引保持手段を鉛直軸線回りに回転させることによ
り、基板を鉛直軸線回りに回転させることができる。
【0010】一方、基板の水平位置は、位置規制部材に
よって規制されるようになっているので、基板がその回
転中に回転半径方向へと飛び出してしまうことがない。
基板の回転中に、この基板に対して処理液を供給する
と、基板表面の処理を行うことができる。基板は吸引保
持手段の支持面にごく近接した状態(たとえば0.4m
m程度まで近接した状態)で安定に保持することができ
るので、吸引保持手段に対向する基板表面には、処理液
ミストが導かれることがない。
【0011】また、基板に対して吸引保持手段の支持面
とは反対側の表面に処理液を供給する場合に、この処理
液が基板の支持面側の表面へと回り込むことを防止した
り、この回り込み量を高精度で制御して基板の上記支持
面側の表面における周縁部を選択的に処理したりするこ
とができる。基板には、吸引保持手段による吸引力によ
って、この吸引保持手段の支持面に向かう吸引力が作用
するから、回転伝達部材の位置においては、支持面と基
板との間の距離は、この回転伝達部材の上記支持面から
の突出量に等しくなる。一方、この回転伝達部材の配置
箇所以外の部位においては、吸引保持手段の支持面と基
板との間の距離は、回転伝達部材の上記突出量よりも短
くなる。
【0012】この発明では、回転伝達部材と位置規制部
材とは吸引保持手段の回転方向に関して異なる位置にお
いて、上記支持面から突出している。したがって、基板
の表面を伝って回転半径方向へと向かう処理液がぶつか
って処理液ミストの発生源となる位置規制部材の近傍に
おいては、吸引保持手段の支持面と基板との間の距離が
極めて短くなっている。したがって、処理液ミストが基
板の上記支持面に対向する表面に再付着することを確実
に防止できる。それとともに、上記支持面とは反対側の
基板表面に向けて処理液を供給する場合に、基板の支持
面側表面への処理液の回り込みを確実に防止したり、ま
たこの回り込み量を高精度で制御したりすることができ
るようになる。
【0013】さらに、回転伝達部材および位置規制部材
が別部材となっているので、これらはそれぞれ小型に構
成することができる。これによって、回転伝達部材や位
置規制部材における処理液のはね返りを抑制することが
できるから、これによっても、処理液の再付着による基
板の汚染を効果的に防止することができる。また、回転
伝達部材および位置規制部材を別部材とすることによ
り、それらの構成が簡単になるから、基板処理装置のコ
ストを低減できる。
【0014】なお、吸引保持手段は、支持面を下方に向
けて、基板を上面側から支持するものであってもよい。
請求項2記載の発明は、上記回転伝達部材が、基板の周
縁部に当接可能な位置に配置されていることを特徴とす
る請求項1記載の基板処理装置である。この構成によれ
ば、回転伝達部材が基板の周縁部に当接可能な位置に配
置されているから、基板に対する回転の伝達を良好に行
うことができる。上記のとおり、回転伝達部材は、吸引
保持手段の回転方向に関して位置規制部材とは異なる位
置に配置されているから、回転伝達部材の近傍において
基板と支持面との間の間隔が最も大きくなるが、この部
分からの処理液ミストの侵入を確実に防止することがで
きる。
【0015】吸引保持手段が、支持面を下方に向けて、
基板を上面側から支持するものである場合において、基
板の上面の周縁部に対して処理を施すときには、ガス噴
出口からのガスの噴出量を制御することによってベルヌ
ーイ効果による基板の吸引力を弱め、基板に対する位置
規制部材の当接位置を変化させることが好ましい。すな
わち、ガス噴出量を一時的に弱めることによって、ベル
ヌーイ効果による吸引力と基板に働く重力とを均衡させ
ると、位置規制部材上で基板が滑り出す。この状態で
は、基板の端面が位置規制部材に当たることによって、
この位置規制部材から基板に対して回転力が伝達される
ことになる。
【0016】上記のような滑り出しが生じる状態と、ガ
ス噴出口から充分な流量のガスを吐出させて基板が吸引
保持手段の支持面に吸着保持される状態とを繰り返すこ
とによって、基板上面の周縁部に対して隈無く処理液を
供給することができるから、良好な処理を実現できる。
請求項3記載の発明は、上記回転伝達部材および上記位
置規制部材は、上記吸引保持手段の回転方向に関して交
互に配置された状態でそれぞれ複数個設けられているこ
とを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置で
ある。
【0017】この構成により、基板に対して回転力を確
実に伝達することができるとともに、基板の回転半径方
向への飛び出しを確実に防止できる。請求項4記載の発
明は、上記回転伝達部材とこれに隣接する上記位置規制
部材との間隔が30mm以上であることを特徴とする請
求項3記載の基板処理装置である。この構成によって、
位置規制部材の近傍において基板と支持面とを充分に近
接させることができるので、位置規制部材における処理
液のはね返りに起因する処理液ミストが、回転伝達部材
の近傍から吸引保持手段の支持面と基板との間の空間に
入り込むことを確実に防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す縦断
面図である。この基板処理装置100は、処理対象の基
板W(この実施形態では半導体ウエハ等の円形基板)
に、処理液(薬液または純水)を用いた処理を行うため
の装置である。この基板処理装置100は、基板Wを、
ほぼ水平な姿勢で鉛直軸線J回りに回転させながら、こ
の基板Wの表面に化学薬品または有機溶剤等の薬液や純
水を供給することによって、基板Wの表面に対する処理
を行う。この基板処理装置100においては、基板Wの
下面に対して処理液を供給して、この基板Wの下面の処
理を行うことができ、基板Wの下面に処理液を供給する
ことにより、この基板Wの下面から基板Wの周端面を伝
ってその上面に処理液を回り込ませて基板Wの上面の周
縁部の処理(ベベル処理)を行うことができ、さらに、
基板Wの上面に対して処理液を供給し、この上面の処理
を行うことができる。
【0019】この基板処理装置100は、基板Wを下方
から保持して鉛直軸線回りに回転するスピンチャック1
と、このスピンチャック1に対向して配置され、基板W
の上面側の雰囲気を遮蔽するための雰囲気遮蔽部60と
を備えている。この雰囲気遮蔽部60は、ベルヌーイ効
果によって、基板Wを上面側からほぼ水平に吸引保持す
ることができ、かつこの水平に保持された基板Wを鉛直
軸線J回りに回転させることができるようになってい
る。
【0020】基板Wの上面に対する処理を施すときに
は、基板Wはスピンチャック1に保持されて回転され、
一方、基板Wの下面の処理および/またはその上面の周
縁部に対するベベル処理を行うときには、基板Wは雰囲
気遮蔽部60に保持されて鉛直軸線J回りに回転される
ことになる。図1には、基板処理装置100が基板Wの
下面または上面の周縁部に対する処理を行う場合の様子
が示されていて、基板Wは雰囲気遮蔽部60によって上
面側から保持されている。基板Wは、雰囲気遮蔽部60
がスピンチャック1から上方に離間した退避位置に退避
した状態で、図示しない基板搬送ロボットによってスピ
ンチャック1に受け渡される。その後、雰囲気遮蔽部6
0が、基板Wに近接するように下方へと移動し、それと
ともに、雰囲気遮蔽部60から、基板Wの外周側に向け
て、窒素ガス等の不活性ガス(以下単に「ガス」とい
う。)が噴出される。基板Wは、ガスの流れにより生じ
るベルヌーイ効果によって、雰囲気遮蔽部60にごく近
接した状態で吸引保持される。
【0021】その後、雰囲気遮蔽部60が微小距離だけ
上方へと移動されることによって、図1に示された状態
となる。図2に拡大して示すように、スピンチャック1
は、鉛直方向に沿って配置された回転軸2の上端に一体
回転可能に取り付けられた回転支持板としての板状のス
ピンベース3と、このスピンベース3の上面において基
板Wの外周端縁に対応する複数箇所(この実施形態では
3箇所)に、スピンベース3の周縁に沿って等間隔で立
設された複数本(この実施形態では3本)の保持ピン4
とを備えている。各保持ピン4は、基板Wの外周端縁を
下方から支持する支持部4aと、支持部4aに支持され
た基板Wの外周端面に当接して基板Wを挟持する立ち上
がり部4bとを備えている。
【0022】回転軸2の下端付近には、ベルト伝動機構
5などによって、電動モータ6が連動連結されており、
この電動モータ6を駆動することによって、回転軸2お
よびスピンチャック1を鉛直軸線J回りに回転させるこ
とができる。回転軸2は、中空軸とされていて、この回
転軸2内に処理液供給管7が貫通して設けられている。
この処理液供給管7の上端部の処理液供給部7aから、
雰囲気遮蔽部60に保持された基板Wの下面の回転中心
付近に処理液を供給することができる。
【0023】処理液供給管7は、配管8(図1参照)に
連通接続されている。この配管8は、基端部において分
岐されており、一方の分岐配管8aには薬液供給源9が
接続され、他方の分岐配管8bには純水供給源10が接
続されている。各分岐配管8a,8bには開閉バルブ1
1a,11bが介装されており、これらの開閉バルブ1
1a,11bの開閉を切り換えることによって、処理液
供給部7aから薬液と純水とを選択的に切り換えて基板
Wの下面中央へと供給することができる。
【0024】回転軸2の内壁面と処理液供給管7の外壁
面との間の隙間は、気体供給路12となっている。この
気体供給路12は、気体供給源15から、開閉バルブ1
3および配管14を介して清浄な空気や清浄な不活性ガ
ス(窒素ガス等)等の清浄な気体が供給されるようにな
っている。気体供給路12の上端部12aは、処理液供
給部7aの周囲において開口していて、基板Wの下面と
スピンベース3との間の空間に、清浄な気体を供給する
ことができるようになっている。
【0025】回転軸2、ベルト伝動機構5および電動モ
ータ6などは、ベース部材20上に設けられた円筒状の
ケーシング16内に収容されている。このケーシング1
6の周囲には、受け部材21がベース部材20上に固定
されている。受け部材21の内部には、円筒状の仕切り
部材22a、22b,22cが立設されていて、これら
の仕切り部材22a,22b,22cとケーシング16
の外壁面とによって、内側から順に、排気槽23、第1
の排液槽24a、第2の排液槽24bが形成されてい
る。
【0026】排気槽23の底部には排気ダクト25に連
通接続された排気口26が形成されており、排気口26
から排気槽23内の気体が吸引されるようになってい
る。また、第1の排液槽24aの底部には回収ドレン管
27に連通接続された第1の排液口28aが設けられて
おり、第2の排液槽24bの底部には廃液ドレン管29
に連通接続された第2の排液口28bが形成されてい
る。第1および第2の排液槽24a,24bの上方に
は、スピンチャック1および雰囲気遮蔽部60の周囲を
包囲するように筒状の案内部材30が昇降自在に設けら
れている。この案内部材30には、上方に向かうほど径
が小さくなる一対の傾斜部31a,31bが互いに間隔
をあけて同心状に配置されている。内側の傾斜部31a
の下端部には、一対の筒状垂直部33,34aが連なっ
ており、外側の傾斜部31bの下端部には筒状垂直部3
4bが連なっている。傾斜部31a,31bは、垂直部
34a,34bを介して連結されており、この連結部分
には、排液案内流路を形成する多数の開口35が円周方
向に沿って穿設されている。また、案内部材30には、
垂直部33と垂直部34aとの間に円環状の溝36が形
成されている。この溝36が、中間の仕切り部材22b
に嵌入されるとともに、垂直部34a,34bが第2の
排液槽24b内に嵌入されるように、案内部材30が昇
降可能に配置されている。
【0027】案内部材30は、支持部材41を介して昇
降機構40に連結されている。この昇降機構40は、図
示しないモータ等を含み、このモータを駆動することに
よって、支持部材41を介して、案内部材30を昇降さ
せる。案内部材30を昇降させることによって、この案
内部材30とスピンチャック1または基板Wとの相対位
置関係を変更することができる。処理液供給管7の上端
の処理液供給部7aから薬液を吐出するときは、案内部
材30は、図1に示された高さ位置に制御される。この
とき、基板Wの周端面は内側の傾斜部31aの内面に対
向している。したがって、遠心力によって基板Wから飛
び出した薬液は、傾斜部31aにぶつかってその下方の
第1の排液槽24aへと導かれ、排液口28aから回収
ドレン管27を経て図示しない回収タンクへと導かれ
る。この回収タンクに回収された薬液は、薬液供給源9
に供給されて、再利用される。
【0028】一方、処理液供給部7aから純水を吐出す
るときは、案内部材30は、雰囲気遮蔽部60に保持さ
れた基板Wの周端面に外側の傾斜部31bの内面が対向
する高さ(図1の状態よりも低い高さ)に制御される。
これにより、基板Wから遠心力を受けて回転半径方向外
方へと飛び出した純水は、傾斜部31bの内面によっ
て、その下方の第2排液槽24bへと導かれ、第2の排
液口28bから廃液ドレン管29を経て廃液されること
になる。
【0029】スピンチャック1と図示しない基板搬送ロ
ボットとの間で基板の受け渡しを行うときには、案内部
材30は、その上端がスピンチャック1の下方に退避し
た状態とされる。この状態で、スピンチャック1に対し
て基板搬送ロボットから基板が受け渡され、また、処理
後の基板Wがスピンチャック1から基板搬送ロボットへ
と受け渡されることになる。処理後の基板Wの搬出に先
立ち、雰囲気遮蔽部60における不活性ガスの吐出が停
止され、これによって、ベルヌーイ効果による吸引力が
失われて、基板Wが雰囲気遮蔽部60からスピンチャッ
ク1へと受け渡される。
【0030】図3は、雰囲気遮蔽部60の底面図であ
る。上述の図2には、図3の切断面線II−IIでとった切
断面が表わされている。雰囲気遮蔽部60は、筒状の中
空回転軸61の下端部に一体回転可能に取り付けられて
いる。雰囲気遮蔽部60の下面には、基板Wの周縁部に
対応する位置に、複数の回転伝達部材68Aが、回転軸
線Jを中心に等角度間隔で設けられている。この実施形
態では、6個の回転伝達部材68Aが、雰囲気遮蔽部6
0の下面である遮蔽面601から微小距離(たとえば
0.4mm程度)だけ突出して設けられており、これら
の回転伝達部材68Aが等角度間隔(すなわち60度間
隔)で回転軸線Jを中心に放射状に配置されている。
【0031】雰囲気遮蔽部60の遮蔽面601からは、
さらに、複数の位置規制部材68Bが突出している。こ
れらの複数の位置規制部材68Bは、この実施形態では
6個設けられていて、隣接する回転伝達部材68Aの中
間位置にそれぞれ1つずつ位置規制部材68Bが設けら
れている。すなわち、6個の位置規制部材68Bが回転
軸線Jを中心として60度ずつの等角度間隔で放射状に
配置されている。このようにして6個ずつの回転伝達部
材68Aおよび位置規制部材68Bが、遮蔽面601の
周方向に沿って交互に配置されている。
【0032】回転伝達部材68Aは、雰囲気遮蔽部60
の遮蔽面601に吸引保持される基板Wの周縁部におい
て、この基板Wの上面に当接する位置に配置されてい
る。これに対して、位置規制部材68Bは、雰囲気遮蔽
部60の遮蔽面601に吸引保持される基板Wの周端面
に対向するように配置されている。これにより、回転伝
達部材68Aは、雰囲気遮蔽部60の回転を基板Wに伝
達し、位置規制部材68Bは、基板Wが回転半径方向外
方へと飛び出すことを防止する。
【0033】回転伝達部材68Aおよび位置規制部材6
8Bよりも回転半径方向内方側には、回転軸線Jを中心
とする円周に沿って、複数のガス噴出口604が等間隔
で配列されて形成されている。これらのガス噴出口60
4は、雰囲気遮蔽部60の内部のガス流通空間60aに
連通している。雰囲気遮蔽部60は、基板Wの上面に対
向する支持面としての遮蔽面601を有する遮蔽部材6
02と、この遮蔽部材602の上部を覆う蓋部材603
とを備えている。遮蔽部材602は、内方に凹所を有す
る皿形状を有していて、この遮蔽部材602に蓋部材6
03を嵌め合わせることによって、雰囲気遮蔽部60の
内部にガス流通空間60aが形成されている。
【0034】このガス流通空間60aにガスを供給する
ために、雰囲気遮蔽部60の上部には、流路部材605
およびガス供給ポート606が設けられている。ガス供
給ポート606には、ガス供給部607から、チューブ
608を介して、ガスが供給される。流路部材605は
回転軸61に取り付けられていて、ガス供給ポート60
6は流路部材605の外周を覆う形状となっている。流
路部材605とガス供給ポート606との間には僅かな
隙間が形成されている。
【0035】このような構造によって、回転軸61およ
び流路部材605を回転させる一方で、固定設置された
ガス供給ポート606から流路部材605内の流路に向
けてガスを連続供給することができる。このようにし
て、ガス供給手段が構成されている。遮蔽面601に形
成された多数のガス噴出口604は、雰囲気遮蔽部60
の内部のガス流通空間60aから遮蔽面601に向かう
通路内における断面が直径0.3〜1mm程度の円形と
なるように形成されていて、遮蔽面601においては、
雰囲気遮蔽部60の回転半径方向に長い楕円形状を有し
ている。ガス噴出口604は、遮蔽面601に対して角
度α(好ましくは20度〜40度)の角度をなして、基
板Wの外縁に向かってガスを噴出するように形成されて
いる。このガスの噴出によって、ベルヌーイ効果によ
り、基板Wが遮蔽面601に吸引される。よって、この
遮蔽面601が基板Wの支持面として機能する。
【0036】このとき、基板Wのデバイスが形成される
上面の周縁部、すなわちデバイス形成領域以外の周縁部
において、基板Wの上面が回転伝達部材68Aに当接す
るまでこの基板Wが遮蔽面601に吸引されることにな
る。その結果、基板Wは遮蔽面601から所定の微小距
離(たとえば、0.4mm程度)離れた状態で上方から
支持されることになる。遮蔽部材602は、処理液に対
する耐腐食性を有する樹脂により一体成形される。好ま
しくは、PVC(ポリ塩化ビニル)や、硬めのフッ素樹
脂としてPCTFE(ポリクロロフルオロエチレン)
や、フッ素樹脂よりも機械強度が高いPEEK(ポリエ
ーテルエーテルケトン)により一体成形される。ガス噴
出口604は一体成形時に形成されてもよく、遮蔽部材
602の原型に対してドリルを用いて形成されてもよ
い。いずれの手法を用いても精度の良いガス噴出口60
4を有する遮蔽部材602を容易に作製することができ
る。
【0037】上述の雰囲気遮蔽部60および上記ガス供
給手段が、この発明の吸引保持手段を構成する。図1に
示すように、回転軸61は、支持アーム62に回転自在
に支持されている。回転軸61には従動プーリ63が一
体回転可能に取り付けられている。この従動プーリ63
と、モータ64の駆動軸に連結された主動プーリ65と
の間に無端ベルト66が架け渡されていて、モータ64
を駆動することにより、回転軸61とともに雰囲気遮蔽
部60が鉛直軸線J回りに回転されるようになってい
る。このようにして、この発明における回転手段が構成
されている。
【0038】さらに、支持アーム62は、昇降駆動機構
67によって昇降され、この支持アーム62の昇降によ
って、スピンチャック1に対して雰囲気遮蔽部60が接
離されるようになっている。この基板処理装置100で
は、雰囲気遮蔽部60がスピンチャック1に保持された
基板Wを吸引する近接位置と、雰囲気遮蔽部60が基板
Wを吸引保持してスピンチャック1より上方にわずかに
離れた処理位置と、さらに雰囲気遮蔽部60がスピンチ
ャック1の上方に大きく離れた上方位置との3段階の位
置の間で雰囲気遮蔽部60を昇降することができる。こ
のような接離動作を実現する昇降駆動機構67は、ボー
ルねじ機構やエアシリンダ等で構成することができる。
【0039】雰囲気遮蔽部60の中心の開口および回転
軸61の中空部には、処理液供給管70が貫通され、ス
ピンチャック1に保持された基板Wの上面を処理する場
合には、この下端部の処理液供給部70aから、基板W
の回転中心付近に処理液を供給することができる。処理
液供給管70は、配管71に連通接続されている。この
配管71の基端部は分岐されていて、一方の分岐配管7
1aには薬液供給源9が連通接続され、他方の分岐配管
71bには純水供給源10が連通接続されている。各分
岐配管71a,71bには、開閉バルブ72a,72b
が介装されていて、これらの開閉バルブ72a,72b
の開閉を切り換えることによって、処理液供給部70a
から、薬液と純水とを選択的に切り換えて基板Wの上面
に供給することができる。
【0040】さらに、雰囲気遮蔽部60の中心の開口の
内壁面および回転軸61の中空部の内壁面と、処理液供
給管70の外壁面との間の隙間は、気体供給路73を形
成している。この気体供給路73は、開閉バルブ74が
設けられた配管75を介して気体供給源15に連通接続
されていて、気体供給路73の下端部の気体供給部73
aから、雰囲気遮蔽部60と基板Wの上面との間の空間
に、清浄な気体(空気または不活性ガス)を供給できる
ようになっている。
【0041】図4(a)は、回転伝達部材68Aの取り付
け構造を示す部分断面図であり、図4(b)は、回転伝達
部材68Aの斜視図である。回転伝達部材68Aは、基
板Wの上面の周縁部に対向して当接する円柱状の基板当
接ピン681を下端部に有し、この基板当接ピン681
の上端部に結合され、基板当接ピン681よりも大径の
円柱状に形成されているとともに、その外表面にねじが
形成されたねじ軸部682とを備えている。このねじ軸
部682の上端面にはドライバによるトルクを受ける溝
部683が形成されている。
【0042】一方、遮蔽部材602において、基板Wの
外周縁部に対向する所定位置には、回転伝達部材68A
が螺合されるねじ孔684が形成されている。このねじ
孔684に回転伝達部材68Aのねじ軸部682をねじ
込み、遮蔽部材602の上面側からロックナット685
を締め付けることによって、回転伝達部材68Aを遮蔽
部材602に固定することができる。ねじ孔684に対
する回転伝達部材68Aのねじ込み量を調整することに
よって、基板当接ピン681の遮蔽面601からの突出
量を微調整することができる。
【0043】図5(a)は、位置規制部材68Bの遮蔽部
材602に対する取り付け構造を示す部分拡大断面図で
あり、図5(b)は、位置規制部材68Bの斜視図であ
る。位置規制部材68Bは、基板Wの周端面に対向し
て、この基板Wの水平移動を規制する規制面686を有
する基板規制部687と、この基板規制部687の上部
に結合され、遮蔽部材602の所定位置に形成された嵌
合凹所688に嵌合される取り付け部689とを有して
いる。取り付け部689は、断面形状が長円の棒状体で
あって、その長手方向に沿うねじ孔がほぼ軸心部に形成
されている。取り付け部689を嵌合凹所688に嵌合
させた状態で、ボルト671を、遮蔽部材602の上面
側から挿通孔672を挿通させて、ねじ孔670に螺着
することによって、位置規制部材68Bを遮蔽部材60
2に取り付けることができる。位置規制部材68Bが遮
蔽部材602に取り付けられた状態では、位置規制部材
68Bは、規制面686が回転軸線Jに対向した姿勢で
固定される。
【0044】基板規制部687において規制面686の
下方側には、下方に向かうに従って回転軸線Jから離反
するように傾斜した案内面673が形成されている。こ
の案内面673の働きにより、スピンチャック1から雰
囲気遮蔽部60へと基板Wが吸引される際に、基板W
は、規制面686よりも内方の領域へと案内されること
になる。基板Wに対する処理を行うときは、雰囲気遮蔽
部60のガス供給部607から所定流量のガスを供給
し、ベルヌーイ効果によって、遮蔽面601に基板Wを
吸引させる。このとき、基板Wは、その周縁部の上面が
回転伝達部材68Aに当接するとともに、その水平方向
の移動が位置規制部材68Bによって規制された状態と
なる。さらに、基板Wの上面は、遮蔽部材602によっ
て塞がれることになる。雰囲気遮蔽部60は、スピンチ
ャック1から上方にわずかに離れた処理位置において、
モータ64等によって回転駆動される。このとき、モー
タ6もまた付勢されて、スピンチャック1および雰囲気
遮蔽部60は、同じ方向に同期回転させられる。雰囲気
遮蔽部60から基板Wへの回転の伝達は、基板Wが回転
伝達部材68Aに当接することによって達成される。
【0045】この状態で、開閉バルブ11aが開成され
ることによって、処理液供給部7aから基板Wの下面に
薬液(たとえばエッチング液)が供給される。これによ
り、基板Wの下面の中央に向けてエッチング液が至近距
離から供給される。この供給されたエッチング液は、基
板Wの回転に伴う遠心力によって回転半径方向外方側へ
と導かれる。これにより、基板Wの下面全域に対してく
まなく薬液洗浄処理を行うことができる。
【0046】基板Wは、上面の有効領域(デバイス形成
領域)が、非接触状態で遮蔽されているとともに、周辺
部は位置規制部材68Bによって位置決めされている。
したがって、下面から処理液を噴射しても基板Wが凸状
に湾曲することがなく、基板Wと遮蔽部材602との隙
間を維持することができる。なお、基板Wの中心部で処
理液の噴射圧力に対抗させるために、気体供給路73か
らもガスを供給しながらベルヌーイ効果を発生させるよ
うにしてもよい。
【0047】基板Wの上面の周縁部に対してベベルエッ
チング処理を行うときには、ガス供給部607からのガ
ス供給量が減少させられて、ガス噴出口604からのガ
ス噴出量が減少させられる。その結果、ベルヌーイ効果
による吸引力が弱まり、基板Wの上面と遮蔽面601と
の間隔が広くなる。これにより、基板Wは、回転伝達部
材68Aと非接触状態の近接吸着状態となる。よって、
処理液供給部7aからのエッチング液が、回転している
基板Wの下面に触れることによって回転抵抗効果を生
じ、遮蔽部材602に吸引保持されている基板Wは雰囲
気遮蔽部60の回転に対して遅れて回転することにな
る。すなわち、基板Wは、位置規制部材68Bの作用で
飛び出しが防止されるとともに、基板Wの周端面がこの
位置規制部材68Bに突き当たることによって、雰囲気
遮蔽部60からの回転力が基板Wに伝達される。こうし
て、基板Wは、雰囲気遮蔽部60の回転数よりも低い回
転数で回転する。
【0048】基板Wと雰囲気遮蔽部60の回転数に差が
生じると、基板Wが滑り出す。基板Wの雰囲気遮蔽部6
0に対する吸着と上述の滑り出しとを繰返すことによっ
て、基板Wの下面を伝って下面周縁部に向かったエッチ
ング液が基板Wの周端面を伝って上面にはい上がり、こ
の基板Wの上面の周縁部をくまなくエッチングすること
になる。このようにして、基板Wの周端面の保持に起因
する処理むらを防止できる。
【0049】薬液供給源9から基板Wに供給されるエッ
チング液としては、たとえば、HF、BHF(バッファ
ードフッ酸)、H3PO4、HNO3、HF+H22(フ
ッ酸過酸化水素水混合液)、H3PO4+H22(リン酸
過酸化水素水混合液)、H2SO4+H22(硫酸過酸化
水素水混合液)、HCL+H22+H2O(塩酸過酸化
水素水混合液)、NH4OH+H22+H2O(アンモニ
ア過酸化水素水混合液)、H3PO4+CH3COOH+
HNO3、ヨウ素+ヨウ化アンモニウム、しゅう酸系や
クエン酸系の有機酸、TMAH(テトラ・メチル・アン
モニウム・ハイドロオキサイド)やコリンなどの有機ア
ルカリを例示することができる。
【0050】基板Wの下面を伝って基板の回転半径方向
外方側へ向かった処理液は、基板Wの下面よりもさらに
下方に突出している位置規制部材68Bにぶつかり、は
ね返りを生じる。しかし、位置規制部材68Bは、基板
Wと遮蔽面601との間隔を規制する回転伝達部材68
Aから離れて(たとえば30mm以上離れて)配置され
ていて、この位置規制部材68Bの近傍では、基板W
は、ベルヌーイ効果による吸引作用のために、その周縁
部が遮蔽面601に著しく近接した状態にある。そのた
め、位置規制部材68Bにおいて処理液が飛び散って
も、処理液のミストが基板Wと遮蔽面601との間の空
間に入り込んで、基板Wに再付着することがない。
【0051】また、基板Wから回転半径方向外方に延び
出して案内部材30にぶつかって処理液のミストが生じ
ても、基板Wは遮蔽面601に著しく近接しているか
ら、基板Wの上面に処理液ミストが再付着することはな
い。さらに、ベルヌーイ効果を利用することによって、
遮蔽面601にごく近接した位置に基板Wを位置させた
状態で、基板Wの上面の周縁部に対する処理(ベベル処
理)を行うことができるから、処理液の回り込み量を高
精度で制御することができ、良好なベベル処理を実現す
ることができる。
【0052】予め定めた一定時間だけエッチング液が供
給された後、開閉バルブ11aが閉成されて薬液処理工
程が終了させられ、代わって、開閉バルブ11bが開成
される。これによって、処理液供給部7aから、リンス
液(純水、オゾン水、電解イオン水等)が、基板Wの下
面の中央に向けて供給されることになる。この状態で、
処理液供給部7aからリンス液を基板Wの下面に供給し
て、基板Wに付着している薬液を純水で洗い落とすリン
ス処理が行われる。このリンス処理の間も、基板Wの吸
着と滑り出しとを交互に繰り返しながら処理を行うこと
によって、薬液処理工程の後の基板Wの下面および基板
Wの上面の周縁部に存在するエッチング液を洗い流すこ
とができる。
【0053】その後一定時間が経過すると、開閉バルブ
11bが閉成されてリンス工程が終了する。次に、モー
タ6,64が高速回転させられて、基板Wの回転が加速
され、その表面の液成分が遠心力によって振り切られ
る。こうして、乾燥工程が行われる。このとき、基板W
は、ガス供給部607のガス供給量を増加させて、基板
Wの周縁部を回転伝達部材68Aに当接させることによ
って、確実に保持される。
【0054】この乾燥工程の後、ガス供給部607への
ガスの供給が停止され、これによって、基板Wは、雰囲
気遮蔽部60からスピンチャック1へと受け渡される。
その後、雰囲気遮蔽部60は、昇降駆動機構67によっ
て上方位置に上昇させられ、その後、基板搬送ロボット
によって、処理済の基板Wがスピンチャック1から搬出
されることになる。以上のように、この実施形態によれ
ば、雰囲気遮蔽部60から基板Wに回転力を伝達する回
転伝達部材68Aと、回転半径方向外方へと基板Wが飛
び出すことを防止する位置規制部材68Bとが別部材で
構成され、これらが基板Wの周縁部に沿って交互に間隔
をあけて異なる位置に配置されている。これによって、
回転伝達部材68Aおよび位置規制部材68Bをそれぞ
れ小型に構成することができるうえ、位置規制部材68
Bにおいて飛び散った処理液が、回転伝達部材68Aの
近傍における基板Wと遮蔽面601との間から基板Wの
上面側の空間へと入り込むことを効果的に防止できる。
こうして、処理液の再付着を効果的に防止できるから、
基板Wのリンス時間を短縮することができ、生産性を向
上することができる。
【0055】以上、この発明の一実施形態について説明
したが、この発明は他の形態で実施することができる。
たとえば、上述の実施形態では、回転伝達部材68Aお
よび位置規制部材68Bが、それぞれ6個ずつ設けられ
ている例について説明したが、回転伝達部材68Aおよ
び位置規制部材68Bは、それぞれ少なくとも1つずつ
設けられていればよく、また、それらの数が同数である
必要もない。その他、特許請求の範囲に記載された事項
の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構
成を示す縦断面図である。
【図2】雰囲気遮蔽部の近傍の構成を拡大して示す断面
図である。
【図3】雰囲気遮蔽部の底面図である。
【図4】(a)は回転伝達部材の取り付け構造を示す部分
断面図であり、(b)は回転伝達部材の拡大斜視図であ
る。
【図5】(a)は位置規制部材の遮蔽部材に対する取り付
け構造を示す部分断面図であり、(b)は位置規制部材の
拡大斜視図である。
【符号の説明】
7 処理液供給管 7a 処理液供給部 8 配管 8a 分岐配管 8b 分岐配管 9 薬液供給源 10 純水供給源 11a 開閉バルブ 11b 開閉バルブ 12 気体供給路 13 開閉バルブ 14 配管 15 気体供給源 60 雰囲気遮蔽部 60a ガス流通空間 61 回転軸 62 支持アーム 63 従動プーリ 64 モータ 65 主動プーリ 66 無端ベルト 67 昇降駆動機構 68A 回転伝達部材 68B 位置規制部材 70 処理液供給管 70a 処理液供給部 71 配管 71a 分岐配管 71b 分岐配管 72a 開閉バルブ 73 気体供給路 73a 気体供給部 74 開閉バルブ 75 配管 100 基板処理装置 601 遮蔽面 602 遮蔽部材 603 蓋部材 604 ガス噴出口 605 流路部材 606 ガス供給ポート 607 ガス供給部 608 チューブ 670 ねじ孔 671 ボルト 672 挿通孔 673 案内面 681 基板当接ピン 682 ねじ軸部 683 溝部 684 ねじ孔 685 ロックナット 686 規制面 687 基板規制部 688 嵌合凹所 689 取り付け部 J 回転軸線 W 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶野 一樹 京都府京都市上京区堀川通寺之内上る4丁 目天神北町1番地の1 大日本スクリーン 製造株式会社内 Fターム(参考) 5F031 CA01 CA02 CA05 CA07 HA13 HA24 HA27 HA29 HA59 HA80 LA07 LA13 MA23 MA24 NA04 NA15 NA16 5F043 EE08 EE35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板を回転させながら基板に処理液を供給
    して処理を行う基板処理装置であって、 基板に対向する支持面に設けられたガス噴出口からガス
    を噴出することによってベルヌーイ効果を利用して基板
    を上記支持面へと吸引して保持する吸引保持手段と、 この吸引保持手段を鉛直軸線まわりに回転させる回転手
    段と、 上記吸引保持手段の支持面から突出して設けられ、上記
    ベルヌーイ効果によって上記支持面へと吸引される基板
    の上記支持面に対向する表面に当接して、上記回転手段
    の駆動力を当該基板に伝達する回転伝達部材と、 上記吸引保持手段の回転方向に関して上記回転伝達部材
    とは異なる位置において上記支持面から突出するととも
    に、この吸引保持手段に吸引保持される基板の周端面に
    対向するように配置され、当該基板の水平位置を規制す
    る位置規制部材と、 上記吸引保持手段に保持されて回転されている基板に処
    理液を供給する処理液供給手段とを含むことを特徴とす
    る基板処理装置。
  2. 【請求項2】上記回転伝達部材が、基板の周縁部に当接
    可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1
    記載の基板処理装置。
  3. 【請求項3】上記回転伝達部材および上記位置規制部材
    は、上記吸引保持手段の回転方向に関して交互に配置さ
    れた状態でそれぞれ複数個設けられていることを特徴と
    する請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 【請求項4】上記回転伝達部材とこれに隣接する上記位
    置規制部材との間隔が30mm以上であることを特徴と
    する請求項3記載の基板処理装置。
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