JP6045849B2 - 混合ノズルを用いた洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェハを洗浄で洗浄する洗浄装置に関する。
近年、この種の洗浄装置が用いられる半導体デバイスの製造ラインは、広大なクリーンルーム内に、同種機能の処理装置を纏めたベイと呼ばれるユニットを複数備え、そのベイ間を搬送ロボットやベルトコンベアで接続するジョブショップ方式を採用したレイアウトが主流になっている。また、そのような製造ラインで処理されるワークには、12インチなどの大口径のウェハが使用され、1枚のウェハから数千個の半導体チップが製造される生産システムとされている。
ところがこのジョブショップ方式では、複数の似たような処理工程を繰り返す場合には、ベイ内での搬送やベイ間での搬送距離が大幅に伸びるとともに、待機時間も増加するため、製造時間が増大し、仕掛品の増大を招くなどコストアップの要因となり、ワークを大量生産する製造ラインとしては、生産性の低さが問題となる場合が生じる。そこで、従来のジョブショップ方式の製造ラインに代え、半導体処理装置を処理工程順に配置したフローショップ方式による製造ラインも提案されている。
一方、このようなフローショップ方式による製造ラインは、単一の製品を大量に製造する場合には最適であるが、製造品を変えることで製造手順(レシピ)を変えなければならない場合には、製造ラインでの各半導体処理装置の設置をワークの処理フロー順に並べ替えることが必要となる。しかしながら、製品が変わるたびにそのような並び替えを行うのは、再配置のための手間と時間を考慮すると、現実的ではない。特に、クリーンルームという閉鎖空間内に巨大な半導体処理装置が固定配置されている現状では、その半導体処理装置をその都度再配置することは、現実的には不可能である。
また、エンジニアサンプルやユビキタスセンサー用など、製造単位数が数個〜数百個というような超少量の半導体を製造するニーズも存在する。しかしながら、上述したジョブショップ方式やフローシップ方式による巨大な製造ラインでは、超少量の半導体を製造すると、コストパフォーマンスが極端に悪くなってしまうため、その製造ラインに他の品種を流さざるを得ないこととなる。
ところが、そのように多品種を同時に投入して混流生産をするとなると、製造ラインの生産性は品種数の増大ととともに一層低下することとなるので、結局のところ、このような巨大な製造ラインでは、超少量生産でかつ多品種生産に適切に対応できない。
また、この種の製造ラインに用いられる洗浄装置としては、被洗浄物への汚れの再付着を防止できるとともに洗浄物の使用量を少量にできる構成として、被洗浄物に超音波振動を与える従来技術が特許文献1に開示されている。この特許文献1においては、洗浄液供給装置から供給される洗浄液(洗浄物)をノズルから噴出させ、超音波発生部の振動部材と被洗浄物との間の微小間隙に洗浄液を供給する構成とされている。
さらに、この種の超音波振動を用いた洗浄装置としては、超音波振動子自体に洗浄液供給孔が設けられた従来技術が特許文献2に開示されている。そして、この特許文献2においては、超音波振動子をウェハ(被洗浄物)に近接させた状態で超音波振動子にて超音波振動させた洗浄液(洗浄物)をウェハに吹き付けて洗浄する構成とされている。
特開2002−233837号公報 特開昭55−1114号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来技術においては、洗浄液供給装置から洗浄液がノズルへ供給される構成であるため、例えば、この洗浄液がオゾン水の場合には、オゾン自身の分解によって、オゾン水の精製箇所からノズルまでの距離や、オゾン水の精製時からの時間に比例して、オゾン水中のオゾンの濃度が低下してしまう。よって、洗浄液供給装置からノズルへと供給される間に、洗浄液による洗浄力を低下させてしまうおそれがある。このため、オゾン水等の分解しやすい洗浄液の場合においては、洗浄力の低下を防止することを目的とし、如何にして洗浄液の使用箇所の直近、かつ使用までの時間を少なくするかが問題となっている。また、上述した特許文献2に開示された従来技術においては、超音波振動子をウェハ(被洗浄物)に近接させて洗浄液を吹き付ける構成とされているものの、洗浄液の製造ポイントについては何ら考慮されていない。よって、この洗浄液がオゾン水等の分解しやすい液体の場合には、上記特許文献に開示された従来技術と同様に、超音波振動子から洗浄液を噴出させるまでの間に、洗浄液の洗浄力を低下させてしまうおそれがあるから、洗浄液にて効率よくウェハを洗浄することが容易でない。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、洗浄にて効率良くウェハを洗浄することができる洗浄装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、第1物質と、この第1物質とは異なる第2物質とを混合させた洗浄効果を有する洗浄ウェハを洗浄する洗浄装置であって、前記ウェハが設置されるステージと、前記ステージに設置された前記ウェハに対向させて設けられ、前記洗浄を前記ウェハへ送る混合ノズルと、を備え、この混合ノズルは、送出口を有し、前記混合ノズルと前記ウェハとの間の空間に表面張力にて前記洗浄液の液膜が形成されるように前記送出口を前記ウェハに近接させて取り付けられ、外部から供給される前記第1物質と、外部から供給される前記第2物質とを前記送出口近傍で混合させることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明によれば、ステージに設置されたウェハに混合ノズルの送出口を近接させた状態で、外部から供給される第1物質と第2物質とを混合ノズルの送付口付近で混合させて洗浄とし、この洗浄を送出口からウェハへ送って、このウェハを洗浄する。よって、分解しやすい第1物質を用いた洗浄であっても、ウェハに送る直前の位置で混合させ、この洗浄ウェハに送られるまでの間の第1物質の分解を少なくできる。したがって、混合ノズルの送出口から送られる洗浄にて効率良くウェハを洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記混合ノズルは、混合部と、この混合部に連続した複数の供給口とを有し、これら供給口のいずれかから供給された前記第1物質と前記第2物質とを前記混合部にて混合させて前記送出口から送出させることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、混合ノズルの複数の供給口のいずれかから供給されてくる第1物質と第2物質とを、この混合ノズルの混合部にて混合し送出口からウェハへ送る。このため、分解しやすい第1物質を用いた洗浄の場合においては、ウェハへ送られる直前の混合部にて第1物質を第2物質に混合でき、洗浄が送出口からウェハへ送られるまでの間の第1物質の分解を少なくできる。したがって、混合ノズルの送出口から送られる洗浄にて効率良くウェハを洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記混合ノズルは、前記混合部の下方に前記送出口が設けられ、前記混合部の側方に前記複数の供給口が離間されて設けられていることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、混合ノズルの混合部の側方に離間されて設けられた複数の供給口のいずれかから供給される第1物質と第2物質とが、混合部にて混合されてから、この混合部の下方に設けられた送出口から送られる。よって、ステージに設置されたウェハ上に送出口を位置させて洗浄を送ることにより、この洗浄ウェハ上に送り出すことができ、このウェハを洗浄することができる。したがって、少ない流量の洗浄ウェハを効率よく洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記ステージは、このステージに設置された前記ウェハを水平方向に回転可能に構成され、前記混合ノズルは、前記ステージに設置された前記ウェハの上方に位置し昇降可能に取り付けられていることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、混合ノズルを下降させて、この混合ノズルの送出口を、ステージに設置されたウェハに近接させた状態で、この混合ノズルの送出口から洗浄を送ることによって、ウェハ上に送り出された洗浄にてウェハを効率よく洗浄でき、比較的少ない流量の洗浄ウェハを洗浄することができる。またこの状態で、ステージに設置されたウェハを水平方向に回転させることによって、このウェハ上に送り出された洗浄を吹き飛ばすことができるため、ウェハから洗浄を効率よく取り除くことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、昇降可能に構成され、搬送される前記ウェハを授受する授受部を備え、前記ステージは、前記授受部の下方に位置し、この授受部にて授受した前記ウェハが設置され、周方向に回転可能に構成されたチャック部であり、前記混合ノズルは、前記チャック部の回転中心軸上に昇降可能に取り付けられ、このチャック部上に設置された前記ウェハ前記洗浄を送ることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、チャック部の回転中心軸上に昇降可能に混合ノズルが取り付けられている。このため、授受部にて授受したウェハをチャック部上に設置させてから混合ノズルを下降させ、この混合ノズルからウェハに洗浄を送ることにより、このウェハの中心位置に洗浄が送られる。よって、チャック部を回転させることなく、チャック部上に設置したウェハを効率よく洗浄にて洗浄することができ、この洗浄にて洗浄する際にウェハを回転させることによって生じる遠心力による洗浄ウェハからのこぼれを少なくできる。また、洗浄にて洗浄した後のウェハを、チャック部にて周方向に回転させることにより、このウェハ上の洗浄を吹き飛ばし、このウェハを乾燥させることができる。よって、より少ない量の洗浄で効率よく確実にウェハを洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記チャック部の周囲を覆うチャンバを備え、このチャンバの上部には、前記ウェハを前記チャック部に設置させる際に前記授受部が嵌合し前記チャック部の周囲を覆う授受嵌合部が設けられていることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、授受部にて授受したウェハをチャック部上に設置させる際に、この授受部がチャンバの授受嵌合部に嵌合し、これらチャンバおよび授受部にてチャック部の周囲が覆われる。このため、この状態で混合ノズルを下降させ、チャンバ上のウェハに洗浄を送ることにより、このウェハを洗浄できる。さらに、この洗浄後のウェハをチャック部にて回転させた際に、このウェハから吹き飛ばされる洗浄がチャンバおよび授受部にて受け止められる。よって、チャック部にウェハを設置させた後に授受部を退避させることなく、このウェハを洗浄および乾燥させることができ、このウェハを乾燥させる際に、このウェハから吹き飛ばされる洗浄の外部への吹きこぼれを防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記混合ノズルの中心部には、前記洗浄が通過する配管部が設けられ、この配管部を覆って超音波振動子が取り付けられていることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、混合ノズルの洗浄が通過する配管部を覆って超音波振動子が取り付けられているため、この混合ノズルの配管部を通過する際に超音波振動子にて洗浄が超音波振動され、この超音波振動された洗浄を混合ノズルからウェハへ送ることができる。よって、この混合ノズルの配管部を通過する洗浄をより効率よく確実に超音波振動させることができ、より少ない量の洗浄ウェハを効率よく確実に洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記混合ノズルの混合部は、前記配管部の上流側に設けられていることを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、混合ノズルの配管部の上流側に混合部が設けられているため、この混合ノズルの混合部にて第1物質を第2物質に混合させてから、この第1物質を第2物質に混合させた洗浄が配管部を通過し、この配管部を通過する際に超音波振動子にて洗浄が超音波振動される。このため、分解しやすい第1物質を用いた洗浄の場合であっても、ウェハへ送られる直前の混合部にて第1物質を第2物質に混合でき、この第1物質を第2物質に混合させた直後の洗浄を超音波振動させることができる。よって、洗浄ウェハへ送られるまでの間の第1物質の分解を少なくでき、効率よく超音波振動させることができるから、ノズルから送られる洗浄にて効率良くウェハを洗浄することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、前記ウェハは、所定サイズの平板状であり、前記第2物質は、水で、前記第1物質は、オゾンガスで、このオゾンガスが充填されたガスボンベから供給される
ことを特徴とする洗浄装置とした。
このように構成された本発明は、オゾンガスが充填されたガスボンベから供給されるオゾンガスを混合ノズルへ供給し水と混合させたオゾン水を、平板状のウェハ上に送る。このため、例えば小さなサイズのウェハの場合においては、オゾンガスの使用量を少なくでき、比較的大型のオゾンガス生成装置を取り付ける等する必要がない。よって、洗浄装置の小型化が可能となる。
本発明によれば、ステージに設置されたウェハに混合ノズルの送出口を近接させた状態で、外部から供給される第1物質と第2物質とを混合ノズルの送付口付近で混合させて洗浄とし、この洗浄を送出口からウェハへ送って洗浄する。この結果、分解しやすい第1物質を用いた洗浄であっても、これら第1物質と第2物質とを混合させた洗浄ウェハに送る直前の位置で第1物質と第2物質とを混合できる。よって、洗浄ウェハへ送るまでの間の第1物質の分解を少なくできるから、洗浄にて効率良くウェハを洗浄することができる。
本発明の第1実施形態に係る洗浄装置を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。 上記洗浄装置を示す内装図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。 上記洗浄装置の一部を示す概略説明図である。 上記洗浄装置の洗浄ユニットを示す説明断面図である。 上記洗浄装置の混合ノズルの一部を示す平面図で、(a)はエアオペレート弁の配置を示す図、(b)は供給管部の構造を示す図である。 上記洗浄装置の洗浄工程を示す斜視図で、(a)はウェハの搬送状態の図、(b)はウェハをチャック部に設置した状態の図、(c)はチャンバにノズルを嵌合させた状態の図である。 上記洗浄装置の洗浄工程を示す断面図で、(a)はウェハの搬送状態の図、(b)はチャンバにノズルを嵌合させた状態の図である。 本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の一部を示す説明断面図である。 上記洗浄装置のノズルの一部を示す平面図で、(a)はエアオペレート弁の配置を示す図、(b)は供給管部の構造を示す図である。 上記洗浄装置の搬入工程を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。 本発明の第4実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。 本発明の第5実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明の第6実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。 本発明の第7実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置を示す外観図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。また、図2は、洗浄装置を示す内装図で、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。さらに、図3は洗浄装置の一部を示す概略説明図で、図4は浄装置の洗浄ユニットを示す説明断面図である。また、図5は、洗浄装置の混合ノズルの一部を示す平面図で、(a)はエアオペレート弁の配置を示す図、(b)は供給管部の構造を示す図である。
<全体構造>
本発明の第1実施形態に係る洗浄装置であるウェハ洗浄機1は、図1および図2に示すように、予め規格された大きさの筐体2内に収容されたミニマルファブ(minimal fabrication)構想に基づくミニマル洗浄装置である。ここで、このミニマルファブ構想とは、多品種少量という半導体製造市場に最適なもので、省資源・省エネルギ・省投資・高性能な多様なファブに対応でき、例えば特開2012−54414号公報に記載の生産をミニマル化させるミニマル生産システムを実現させるものである。
また、ウェハ洗浄機1の筐体2は、上下方向に長手方向を有する略直方体状に形成されており、内部への微粒子およびガス分子のそれぞれを遮断する構造とされている。そして、この筐体2の上側の装置上部2a内には、被洗浄物としてのウェハWを洗浄するため洗浄ユニット3が収容されている。ここで、洗浄ユニット3による洗浄としては、ウェハW上のレジスト除去、エッチング、付着している残渣等を取り除く等を目的としたものを含むものとする。そして、この洗浄ユニット3より下方の装置上部2a内には、この洗浄ユニット3での洗浄にて用いられた後の廃液を貯留させるための廃液タンク2aaと、この洗浄ユニット3での洗浄に用いられる薬液、例えばフッ酸(HF)等が貯留された薬液タンク2abとがそれぞれ取り付けられている。
さらに、筐体2の下側には、装置上部2aに対する原料供給系や排気系、制御装置等を内蔵させるための装置下部2bが設けられている。そして、この装置下部2bの前側の内部には、洗浄ユニット3にてウェハWを洗浄する際に用いられる第1物質としてのオゾンガス(O)が加圧充填されたオゾンガスボンベ2baが取り付けられている。また、この装置下部2bの内部には、オゾンガスを混合させてオゾン水にするための第2物質としての液体である超純水(DIW:Deionized water)が充填されたDIWタンク2bbが取り付けられている。すなわち、ウェハWの洗浄に用いられるオゾン水は、洗浄主物質であるオゾンガスと、洗浄補助物質である超純水とを混合させることによって洗浄効果を発揮させた洗浄液である。なお、オゾンガスに混合させてオゾン水にするための液体としては、超純水(水)のほか、その他の物質が混合された水混合液等であってもよい。
また、筐体2の装置上部2aの上下方向の中間部には、この筐体2の正面側を側面視凹状に窪ませた凹状部2cが形成されており、この凹状部2cの下側の部分が、ウェハWを筐体2内に搬入させるための前室2dとされている。そして、この前室2dの上面の略中央部には、搬送容器としてのミニマルシャトル(図示せず)を設置するためのシャトル収容部としての略円形状のドッキングポート2eが設けられている。ここで、この前室2dは、筐体2内への微粒子およびガス分子のそれぞれを遮断する構成とされている。すなわち、この前室2dは、搬送容器内に収容されているウェハWを外気に曝す等することなく筐体2内へ出し入れできるようにするためのPLAD(Particle Lock Air-tight Docking)システムとされている。
そして、この前室2d内には、ドッキングポート2eから搬入されてくるウェハWを洗浄ユニット3の所定位置へ搬送するとともに、この洗浄ユニット3にて洗浄された後のウェハWをドッキングポート2eへ搬出するための搬送装置4が収容されている。この搬送装置4は、例えば特開2011−96942号公報に記載のワーク搬送装置等が用いられる。具体的に、この搬送装置4は、複数本の細長棒状の機体4aを順次延出させたり退出させたりし、これら機体4aの先端に設けられている平面視コ字状の保持部4bにて保持したウェハWを搬送するスライド式の伸縮アクチュエータ(図示せず)が用いられている。
<洗浄ユニット>
次いで、洗浄ユニット3は、筐体2内の前室2dの後側上部のウェハ処理室2f内に収容されている。そして、この洗浄ユニット3にて洗浄するウェハWは、所定の大きさ、例えば直径12.5mm(ハーフインチサイズ)の円形状の表面を有する円盤状に形成されている。そして、このウェハWには、予め所定のパターンが形成され洗浄前の状態とされている。なお、このウェハWとしては、フォトレジスト膜が除去されたベアシリコンウェハ等であっても用いることができる。
そして、洗浄ユニット3は、図3および図4に示すように、有底筒状のチャンバ5と、このチャンバ5の底面部5aの中心位置に回転可能に取り付けられたバックチャックノズル6と、このバックチャックノズル6上にウェハWを搬送するための授受ハンド7と、バックチャックノズル6上に設置されたウェハWに洗浄物、すなわち洗浄液を供給するための複合ノズル8とを備えている。
<チャンバ>
具体的に、チャンバ5は、底面部5aの外周を覆うように壁面部5bが形成されている。この壁面部5bは、内面側が平面視円形状に形成され、外面側が平面視正方形状に形成されている。そして、このチャンバ5の底面部5aの上側の中央部には、平面視円形状である断面凹状のウェハ収容凹部5cが設けられている。このウェハ収容凹部5cは、ウェハWの外形寸法より大きな内径寸法に形成されている。そして、このウェハ収容凹部5cの一側縁には、このウェハ収容凹部5cの中心方向に突出した係止片部5dが設けられている。この係止片部5dには、ウェハWの外形寸法より大きな内径寸法の断面凹状の凹状片部5eの内径側に、ウェハWの外形寸法より小さな内径寸法の断面凹状の挿通片部5fが同心状に設けられて構成されている。
さらに、チャンバ5のウェハ収容凹部5cの中心には、ノズル挿通孔5gが設けられている。このノズル挿通孔5gは、チャンバ5の底面部5aを上下方向に貫通しており、このノズル挿通孔5gの下方からバックチャックノズル6が挿入可能な構成とされている。
また、チャンバ5のウェハ収容凹部5cの係止片部5dに対向する側には、授受ハンド7が嵌合可能な授受嵌合部としてのハンド嵌合部5hが設けられている。このハンド嵌合部5hは、チャンバ5の中心位置から、このチャンバ5の径方向に向けて設けられており、授受ハンド7の形状に適合させた断面凹状に形成されている。具体的に、このハンド嵌合部5hは、チャンバ5の中心に同心状に設けられた連通部5iと、この連通部5iから径方向に連続した断面凹状の基端部5jとで構成されている。
さらに、チャンバ5のウェハ収容凹部5cの下方には、バックチャックノズル6を回転支持するための回転支持部5kが設けられている。そして、この回転支持部5kとウェハ収容凹部5cとの間には、このウェハ収容凹部5cから排出されてくる洗浄液等の廃液を排出させるためのドレイン部5mが設けられている。このドレイン部5mには、このドレイン部5mへと排出された廃液をチャンバ5外へ排出させるための略管状の排出部5nが設けられている。
そして、このドレイン部5mの上側部には、ノズル挿通孔5gを覆うように略円筒状の支持片部5pが設けられている。この支持片部5pは、ノズル挿通孔5gの内径寸法に等しい内径寸法に形成されており、この支持片部5pの上端側は、内径側から外径側に進むに連れて下方に向かう傾斜面5qとされている。さらに、この傾斜面5qの先端部には、上方に向けて延出する円筒状の係合片部5rが設けられている。
<バックチャックノズル>
次いで、バックチャックノズル6は、略円筒状の回転軸6aを有している。この回転軸6aは、ウェハWの外形寸法より小さな外径寸法に形成されている。そして、この回転軸6aは、上端側をチャンバ5のノズル挿通孔5gに挿通させ、この回転軸6aの上端側の面が平坦なチャック部としてのチャック面6bとされ、このチャック面6bをチャンバ5のウェハ収容凹部5c内に水平に位置させた状態として取り付けられている。ここで、このチャック面6bは、ウェハWが設置されるステージとして機能し、このウェハWが同心状に設置され、このウェハWを水平方向に回転可能な構成とされている。
さらに、回転軸6aの中間部には、歯車6cが同心状に取り付けられている。この歯車6cには、回転駆動手段としてのサーボモータ9の回転軸9aに取り付けられた歯車9bとの間にベルト9cが巻回され、このサーボモータ9にて回転駆動される構成とされている。なお、このサーボモータ9については、回転軸6aを回転駆動可能な、例えばACモータ、ステッピングモータ等の回転駆動手段とすることもできる。また、回転軸6aの下端部は、吸気装置(図示せず)に接続されている。したがって、この回転軸6aは、吸気装置による吸気によって、この回転軸6aのチャック面6b上に同心状に設置されたウェハWを、このチャック面6bに吸着させてチャックする構成とされている。
また、回転軸6aの先端寄りの位置には、この回転軸6aの径方向に同心状に拡径した嵌合片部6dが設けられている。この嵌合片部6dの上端側は、下方に傾斜したテーパ状に形成されている。また、この嵌合片部6dの外周縁には、下方に突出した円筒状の周縁部6eが設けられている。そして、この嵌合片部6dは、この嵌合片部6dの周縁部をチャンバ5の支持片部5pの係片部5rに外嵌合させた状態で、このチャンバ5のドレイン部5mに収容されて取り付けられている。
<授受ハンド>
次いで、授受ハンド7は、搬送装置4にて搬送されてくるウェハWを授受し、このウェハWをバックチャックノズル6のチャック面6b上に設置させるためのものである。具体的に、この授受ハンド7は、チャンバ5の上側に昇降可能に取り付けられており、略細長矩形平板状の支持部7aと、この支持部7aの先端側に設けられウェハWを授受するハンド部7bとで構成されている。そして、支持部7aは、授受ハンド7をチャンバ5のハンド嵌合部5hに嵌合させた際に、このハンド嵌合部5hの基端部に嵌合し、この支持部7aの上端面をチャンバ5の上側面と面一にさせる構成とされている。また、ハンド部7bは、先端部が拡開されて拡開部7cが設けられた略円環状に形成されており、このハンド部7bの中心部には、バックチャックノズル6の回転軸6aの上端部が挿通可能な大きさの挿通孔7dが設けられている。そして、この挿通孔7dの上側の開口縁には、ウェハWの外形寸法より大きな内径寸法を有する平面視円環状の凹状部7eが、この挿通孔7dの同心状に設けられている。
さらに、授受ハンド7のハンド部7bは、この授受ハンド7をチャンバ5のハンド嵌合部5hに嵌合させた際に、このハンド嵌合部5hの連通部5iに嵌合する。この場合に、チャンバ5の係止片部5dにハンド部7bの拡開部7cが嵌合し、このハンド部7bの挿通孔7dとチャンバ5の係止片部5dの挿通片部5fとにより、回転軸6aの上端部が挿通される軸挿通孔7fが形成される。さらに、このハンド部7bの凹状部7eとチャンバ5の係止片部5dの凹状片部5eとにより、回転軸6aのチャック面6bにウェハWを設置してチャックさせた状態で、このウェハWの外周を覆う周壁部7gが形成される。
<混合ノズル>
次いで、複合ノズル8は、種々の液体や気体を混合させる機能を有する混合ノズルであって、図3および図4に示すように、授受ハンド7の上方に昇降可能、すなわち上下動可能に取り付けられている。よって、この複合ノズル8は、バックチャックノズル6の回転軸6aの中心軸上に昇降可能とされており、このバックチャックノズル6のチャック面6bに設置されたウェハWに対向する位置に取り付けられている。
そして、この複合ノズル8は、チャンバ5の壁面部5b内に昇降可能に嵌合される円柱状の本体部8aと、この本体部8aの下方に同心状に設けられチャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合可能な径寸法を有する円柱状の供給部8bとで構成されている。そして、この供給部8bの下端側である先端側の中心部には、送出口8cが開口されており、この送出口8cの基端側、すなわち上端側には、洗浄液が通過する円筒状の配管部8dが設けられている。
ここで、この配管部8dの基端側は本体部8a内に連通しており、この配管部8dの中間部には、供給されてくる洗浄主物質や液体等を混合させるための混合部8eが設けられている。この混合部8eは、配管部8dと同心状に形成された略円柱状の空間に形成されており、この混合部8eの側方の周面部には、複数、例えば5本の供給口8fが開口されている。これら供給口8fは、混合部8eの周方向に向けて互いに離間されて設けられている。そして、これら各供給口8fには、図5(b)に示すように、これら供給口8fから混合部8eへ所定の液体や気体を流入させるための複数、例えば5つの供給部8gが設けられている。これら供給管部8gは、混合部8eの外周と、この混合部8eの上端部のそれぞれに設けられている。さらに、これら各供給管部8gには、図5(a)に示すように、これら供給管部8gを開閉制御するための制御手段としてのエアオペレート弁8hがそれぞれ取り付けられている。
さらに、複合ノズル8のいずれか一つの供給管部8gは、オゾンガスボンベ2baに接続され、このオゾンガスボンベ2baに充填されたオゾンガスが供給される構成とされている。また、このオゾンガスボンベ2baに接続された供給管部8gを除く、いずれか一つの供給管部8gは、DIWタンク2bbに接続され、このDIWタンク2bbに充填された超純水が供給可能な構成とされている。
さらに、これらオゾンガスボンベ2baおよびDIWタンク2bbに接続された供給管部8gを除く、いずれか一つの供給管部8gには、スピンドライ時に吹き付ける所定の気体、例えば窒素ガス(N)が供給可能な窒素ガス生成装置(図示せず)に接続されており、この窒素ガス生成装置から窒素ガスが供給可能な構成とされている。さらに、これら供給管部8gを除く、いずれかの供給管部8gには、洗浄時に用いる薬液、例えば硫酸(HSO)、過酸化水素(H)、水酸化カリウム(KOH)、フッ酸(HF)等が充填された薬液タンク2ab等に接続されており、この薬液タンク2ab等から薬液が供給される構成とされている。なお、これら供給管部8gから供給される洗浄液としては、オゾン水とフッ酸との混合液、硫酸と過酸化水素水との混合液、加熱させた水酸化カリウム液等を用いることもできる。
また、複合ノズル8の配管部8dには、この配管部8dの下流側を覆うように円環状の超音波振動子(PZT)11が取り付けられている。この超音波振動子11は、この配管部8dの外形寸法より若干大きな内径寸法を有する円筒状に形成されており、この配管部8dの同心状に取り付けられている。そして、この超音波振動子11は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間の空間に供給された洗浄液に超音波振動を与え、この超音波振動させた洗浄液によるウェハW上の洗浄力を向上させるものである。よって、この超音波振動子11は、混合部8eにて混合され複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間に供給された層状の洗浄液を超音波振動させる構成とされている。
次に、上記第1実施形態のウェハ洗浄機1を用いた洗浄方法について図6および図7を参照しながら説明する。
ここで、図6は、洗浄装置の洗浄工程を示す斜視図で、(a)はウェハの搬送状態の図、(b)はウェハをチャック部に設置した状態の図、(c)はチャンバにノズルを嵌合させた状態の図である。また、図7は、洗浄装置の洗浄工程を示す断面図で、(a)はウェハの搬送状態の図、(b)はチャンバにノズルを嵌合させた状態の図である。
<搬入工程>
まず、洗浄が必要なウェハWが収容されたミニマルシャトルを、ウェハ洗浄機1の前室2dのドッキングポート2eに嵌合させて設置する。この状態で、ウェハ洗浄機1の所定位置に設けられているスタートスイッチ(図示せず)を押す。
すると、ドッキングポート2eに設置されたミニマルシャトルが開放され、このミニマルシャトル内に収容されているウェハWが、搬送装置4の保持部4bにて保持される。この後、図6(a)に示すように、この搬送装置4の機体4aが延出していき、この搬送装置4の保持部4bにて保持されているウェハWが、授受ハンド7のハンド部7b上へ搬送され、このハンド部7bの凹状部7e上に設置される。このとき、図7(a)に示すように、この授受ハンド7のハンド部7bの凹状部7e内にウェハWが同心状に嵌合し授受された状態となる。
この後、この授受ハンド7にてウェハWを授受した状態で、この授受ハンド7が下降していき、図7(b)に示すように、チャンバ5のハンド嵌合部5hに嵌合し、バックチャックノズル6のチャック面6b上にウェハWが受け渡されて同心状に設置される。この結果、図6(b)に示すように、授受ハンド7のハンド部7bの挿通孔7dとチャンバ5の係止片部5dの挿通片部5fとによって、バックチャックノズル6の回転軸6aの上端部が挿通される軸挿通孔7fが形成される。また同時に、これら授受ハンド7のハンド部7bの凹状部7eとチャンバ5の係止片部5dの凹状片部5eとによって、バックチャックノズル6の回転軸6aのチャック面6b上に設置されたウェハWの周面部を覆う周壁部7gが形成される。
この状態で、バックチャックノズル6の回転軸6aの下端側が吸気装置にて吸気され、この回転軸6aのチャック面6b上に設置されているウェハWが吸着固定、すなわち、このチャック面6bにウェハWがバキュームチャックされた状態とされる。
この後、複合ノズル8が下降していき、図6(c)に示すように、この複合ノズル8の供給部8bが、チャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合した状態となる。このとき、この複合ノズル8の供給部8bとウェハWとの間に、オゾン水の液膜が形成可能な隙間空間が形成されるとともに、チャンバ5のウェハ収容部5cの上側が複合ノズル8の供給部8bにて覆われて閉塞された状態となる。
<洗浄工程>
この状態で、この複合ノズル8の所定のエアオペレート弁8hが開閉動作され、オゾンガスボンベ2baに充填されている所定量のオゾンガスがいずれか1つの供給管部8gへと送られていくとともに、DIWタンク2bbに充填された所定量の超純水がいずれか他の供給管部8gへと送られていく。そして、これら供給管部8gに送られたオゾンガスと超純水とは、複合ノズル8の混合部8eへと送られ、この混合部8eへ送られた際に気液混合されて洗浄液としてのオゾン水とされる。
そして、このオゾン水は、複合ノズル8の混合部8eから配管部8d内へと流れていき、この複合ノズル8の送出口8cからウェハWと複合ノズル8の供給部8bの下面8baとの間の隙間空間に供給され、このオゾン水の表面張力によって、これらウェハWと複合ノズル8の供給部8bの下面8baとの間の隙間空間にオゾン水の液膜を形成させる。
この状態で、複合ノズル8の超音波振動子11によって、この複合ノズル8の供給部8bとウェハWとの間のオゾン水の液膜に超音波振動が与えられ、この超音波振動が与えられたオゾン水にてウェハWが洗浄される。
<乾燥工程>
この後、サーボモータ9を駆動させてバックチャックノズル6の回転軸6aを回転させ、この回転軸6aのチャック面6b上のウェハWを水平方向に回転させる。また同時に、複合ノズル8の所定のエアオペレート弁8hを開動作させ、窒素ガスボンベからいずれかの供給管部8gへ窒素ガスを送り、この窒素ガスを複合ノズル8の送出口8cから噴出させて、ウェハW上のオゾン水を吹き飛ばし、このウェハWをスピンドライさせる。
このとき、図4に示すように、複合ノズル8の供給部8bがチャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合され密閉されている。このため、ウェハWから吹き飛ばされたオゾン水は、チャンバ5のウェハ収容凹部5cから、このチャンバ5の軸挿通孔7fと回転軸6aとの間を通って、このチャンバ5のドレイン部5mへと流れていき、このドレイン部5mの排出部5nからチャンバ5外へと排出され廃液として廃液タンク2aaへ送られる。
<搬出工程>
そして、ウェハWのスピンドライが完了した後には、サーボモータ9の駆動が停止されるとともに、図6(b)に示すように、複合ノズル8が上昇してから、授受ハンド7が上昇し、この授受ハンド7のハンド部7bの凹状部7eによってウェハWが上方へ移動されて、このウェハWが引き渡し位置へ移動される。
次いで、授受ハンド7の凹状部7eに設置されたウェハWが搬送装置にて引き戻し動作されてミニマルシャトル上に設置されてから、このミニマルシャトルが閉操作されてウェハWが収容される。そして、このウェハWが収容されたミニマルシャトルを、前室2のドッキングポート2から取り外すことによって、ウェハ洗浄機1からウェハWが搬出される。
<作用効果>
上述のように、上記第1実施形態のウェハ洗浄機1においては、複合ノズル8の供給部8bをチャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合させて、バックチャックノズル6のチャック面6bにてチャックしたウェハWに、複合ノズル8の供給部8bの下面iを近接させた。そして、この状態で、この複合ノズル8の送出口8cの直前の混合部8eにてオゾンガスと超純水とを混合させてオゾン水とし、このオゾン水を複合ノズル8の送出口8cから送出させ、この複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間の空間にオゾン水の液膜を形成させ、このオゾン水の液膜にてウェハWを洗浄する構成とした。
この結果、オゾン自身の分解によってオゾンの濃度が低下してしまうオゾン水を用いてウェハWを洗浄する場合であっても、このオゾン水をウェハWに送る直前の位置の混合部8eにてオゾンガスを超純水に混合させる。よって、オゾン水の使用箇所の直近で、オゾンガスを超純水に混合させており、このオゾン水の使用までの時間を少なくでき、このオゾン水が、ウェハWと複合ノズル8との間に送られるまでの間でのオゾンの分解量を少なくできる。よって、この複合ノズル8の送出口8cからウェハW上へ送られるオゾン水にて効率よく、このウェハWを洗浄することができる。
また、複合ノズル8の供給部8bをチャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合させて、バックチャックノズル6のチャック面6b上のウェハWに、複合ノズル8の供給部8bの下面8baを近接させた。そして、この状態で、これら複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間の空間に、表面張力にてオゾン水の液膜を形成させ、このオゾン水の液膜にてウェハWを洗浄する構成とした。この結果、オゾン水をウェハWに吹き付け続ける等して洗浄する場合に比べ、少ない量のオゾン水で、効率よくウェハWを洗浄することができる。
またさらに、複合ノズル8の混合部8eの周面部に設けられたいずれかの供給管部8gからオゾンガスや超純水が供給され、これら供給管部8gに供給されたオゾンガスと超純水とを混合部8eにて混合させ配管部8dを介して送出口8cからウェハW上に送り出す。このため、これらオゾンガスと超純水とを混合させた後のオゾン水が通過する配管部8dの流路を短くでき、このオゾン水が通過する距離を短くできる。よって、特にミニマルファブ構想に適合させたハーフインチサイズのウェハWの場合においては、このウェハWの洗浄に必要となるオゾンガスの使用量を少なくできる。したがって、オゾンガスボンベ2baに充填されたオゾンガスを複合ノズル8に供給する構成にすることによって、比較的大型で重量のあるオゾンガス生成装置を取り付ける等することなく不要にできるから、ウェハ洗浄機1の大幅な小型化が可能となる。
さらに、バックチャックノズル6の回転軸6aの回転中心軸上に複合ノズル8の送出口8cを位置させて上下方向に昇降可能とさせた。この結果、授受ハンド7にて授受したウェハWをバックチャックノズル6のチャック面6b上に設置させてチャックさせてから、複合ノズル8を下降させ、この複合ノズル8からオゾン水をウェハW上に送ることにより、このウェハWの中心位置にオゾン水を送ることができる。よって、このウェハWと複合ノズル8の供給部8bの下面8baとの間に適切にオゾン水の液膜を介在させることができる。したがって、このバックチャックノズル6にてウェハWを回転等させることなく、このウェハWを効率よく確実にオゾン水にて洗浄でき、ウェハWを回転させることによって生じる遠心力によるオゾン水のウェハW上からのこぼれ落ちを無くすことができる。
また、バックチャックノズル6の回転軸6aのチャック面6b上にチャックさせたウェハWをオゾン水にて洗浄した後に、このバックチャックノズル6の回転軸6aをサーボモータ9にて回転させる。この結果、この回転軸6aのチャック面6b上のウェハWを水平に回転でき、このウェハW上に付着しているイオン水を、遠心力で吹き飛ばすことができる。よって、このウェハWからオゾン水を効率よく取り除き、このウェハWを乾燥させることができる。したがって、より少ない量のオゾン水で効率よく確実にウェハWを洗浄することができる。
次いで、複合ノズル8の供給部8の下面8baに沿って超音波振動子11が取り付けられている。このため、バックチャックノズル6のチャック面6bにウェハWをチャックさせた状態で、複合ノズル8を下降させ、この複合ノズル8をウェハWに近接させてから、これら複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間の空間にオゾン水を液膜状に介在させる。この結果、このオゾン水を超音波振動子11にて効率よく超音波振動させることができる。またこのとき、複合ノズル8の配管部8dの同心状に超音波振動子11が取り付けられているため、この複合ノズル8の配管部8dを通過する際のオゾン水を超音波振動させることができる。したがって、ウェハWへと送られたオゾン水を効率よくかつ確実に超音波振動子11にて超音波振動させることができるから、このウェハをWより確実かつ効率よく洗浄することができる。
さらに、授受ハンド7にて授受したウェハWをバックチャックノズル6のチャック面6bに設置させる際に、この授受ハンド7を降下させて、この授受ハンド7をチャンバ5のハンド嵌合部5hに嵌合させる。この結果、授受ハンド7の挿通孔7dとチャンバ5の挿通片部5fとによって、バックチャックノズル6の回転軸6aを覆う軸挿通孔7fが形成され、これら授受ハンド7の凹状部7eとチャンバ5の凹状片部5eとによって、ウェハWの周面部を覆う周壁部7gが形成される。さらに、この状態で複合ノズル8を下降させ、この複合ノズル8の供給部8bをチャンバ5のウェハ収容凹部5cに嵌合させることにより、このウェハ収容凹部5cに収容されたウェハWの上側が複合ノズル8の供給部8bの下面8baにて閉塞される。
この結果、この複合ノズル8からオゾン水を送ってウェハWを洗浄した後の状態で、バックチャックノズル6を回転させてウェハWをスピンドライさせた際に、このウェハWから吹き飛ばされるオゾン水が、複合ノズル8の供給部8bの下面8ba、チャンバ5のウェハ収容凹部5c、およびこれらチャンバ5および授受ハンド7にて形成された周壁部7gにて受け止めることができ、チャンバ5からのオゾン水の漏れを防止できる。よって、バックチャックノズル6のチャック面6bにウェハWを設置させた後の状態で、授受ハンド7を引く等して退避させることなく、このウェハWの洗浄および乾燥ができ、このウェハWを乾燥させる際に、このウェハWから吹き飛ばされるオゾン水の外部への吹きこぼれや漏れを防止できる。
さらに、バックチャックノズル6の回転軸6aを回転させて、この回転軸6aのチャック面6b上のウェハWを回転させ、このウェハWをスピンドライさせた場合には、図4に示すように、複合ノズル8の供給部8bがチャンバ5のウェハ収容凹部5cにて密閉される。このため、ウェハW上から吹き飛ばされたオゾン水が、チャンバ5のウェハ収容凹部5cから軸挿通孔7fと回転軸6aとの間を通ってドレイン部5mへと流れ、このドレイン部5mの排出部5nからチャンバ5外へと排出され廃液として廃液タンク2aaへ送られる。したがって、ウェハWをスピンドライさせて乾燥させる際に排出される廃液を、洗浄ユニット3外へ無作為に排出させることなく廃液タンク2aaへと確実に排出させることができる。
ここで、ウェハWの大きさをハーフインチサイズ(直径12.5mm)としたミニマルファブ構想に基づくウェハ洗浄機1としたことにより、このウェハWを授受して洗浄および乾燥を行うチャンバ5を小さくでき、このチャンバ5を筐体2のウェハ処理室2fに収容させることができる。また、ウェハ洗浄機1のチャンバ5内をクリーン化することによって、このチャンバ5内のクリーンな1つの雰囲気でウェハWを洗浄および乾燥させることができるから、このウェハWの洗浄処理を高速かつ適切に行うことができる。
さらに、ウェハ洗浄機1にて洗浄処理するウェハWをハーフインチサイズとしたことにより、ウェハWと複合ノズル8の供給8bの下面8aとの間に形成させる液膜状の洗浄液の大きさを小さくできる。よって、これらウェハWと複合ノズル8の供給8bとの間に供給される洗浄液の表面張力を安定させて、これらウェハWと複合ノズル8の供給8bとの間に液膜状の洗浄液を介在させることができる。このため、この洗浄液等の使用量を大幅に少なくでき削減することができるから、このウェハWの洗浄をより歩留まりおよび生産性良く行うことができる。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の一部を示す説明断面図である。また、図9は、洗浄装置のノズルの一部を示す平面図で、(a)はエアオペレート弁の配置を示す図、(b)は供給管部の構造を示す図である。
そして、本発明の第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、複合ノズル8に超音波振動子11が取り付けられた構成であるのに対し、第2実施形態は、複合ノズル8の中心部にCCDカメラ21が取り付けられた構成である。すなわち、第2実施形態に係るウェハ洗浄機1においては、複合ノズル8の混合部8eの上方に撮影手段としてのCCDカメラ21が取り付けられており、このCCDカメラ21にて、ウェハWを洗浄する際のレジストの変化、洗浄液の有無および流量等を視覚にて確認可能とさせたものである。また、この複合ノズル8の混合部8eの下端側が送出口8cとされており、この混合部8eにて混合された洗浄液が送出口8cからウェハW上に供給される構成とされている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
さらに、複合ノズル8は、この複合ノズル8の混合部8eの上方に円筒状の収容凹部22が設けられており、この収容凹部22にCCDカメラ21が挿入されて取り付けられている。そして、この収容凹部22は、複合ノズル8の中心位置に上下方向に沿って設けられており、混合部8eにて洗浄液が混合される状態を撮影でき、この撮影状態を視覚にて確認できる構成とされている。
また、複合ノズル8は、高い粘性を有する高粘度流体のミキシングに適した構成とされており、この複合ノズル8の混合部8eは、下方に向けて開口した平面視円形凹状に形成され、この混合部8eの上側に円筒状の旋回流形成部8eaが形成されている。この旋回流形成部8eaは、混合部8eを上方に延出させた同心円状に形成されている。そして、この旋回流形成部8eaの上端側には、複数、例えば4つの供給管部8gが設けられている。これら供給管部8gは、図9(b)に示すように、旋回流形成部8ea外周面の周方向に向けて等間隔に離間された位置に設けられ、この旋回流形成部8eaの外周面の接線方向に沿って設けられている。さらに、これら各供給管部8gの上流側には、図9(a)に示すように、エアオペレート弁8hがそれぞれ取り付けられている。
このように構成した本発明の第2実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、複合ノズル8から洗浄液をウェハWへ送り、このウェハWを洗浄する状態をCCDカメラ21にて確認でき、このウェハWを洗浄する際のレジストの変化や洗浄液の有無、流量等を視覚にて確認することができる。よって、この複合ノズル8から送る洗浄液にてウェハWを確実かつ効率よく洗浄することができる。
また、複合ノズル8の旋回流形成部8eaの外周面に、この外周面の接線方向に沿わせて供給管部8gを設けられている。この結果、これら供給管部8gから供給される洗浄主物質や液体等は、これら供給管部8gから旋回流形成部8eaへ送られる際に、この旋回流形成部8eaの外周面に沿って旋回しながら流入していき、この外周面に沿った旋回流となって下降していく。そして、この旋回流形成部8eaでの旋回により、この旋回流形成部8eaおよび混合部8eにて混合される洗浄主物質と液体との速度および粘性の相違に基づく撹拌効果によって、これら洗浄主物質と液体とを混合しながら混合部8eへ送ることができる。さらに、この旋回流の中心にて発生する負圧効果によって、旋回流形成部8eaの内側に位置する円筒状部分の下端側の中心に向けて積極的に洗浄主物質および液体が流れ込んでいく。したがって、この旋回流形成部8eaを用いた洗浄液の混合は、高い粘性を有する洗浄主物質の混合に適しており、例えば硫酸と過酸化水素とを複合ノズル8の混合部8eにて混合させて洗浄液とし、この洗浄液にて露光後のウェハW上のレジストを溶解させて除去する洗浄に適している。
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。
そして、本発明の第3実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baに沿って超音波振動子11が取り付けられた構成であるのに対し、第3実施形態は、複合ノズル8の配管部8dの外周に超音波振動子11の内周面を接触させて取り付けられた構成とされている。すなわち、第3実施形態に係る複合ノズル8において、超音波振動子11は、複合ノズル8の配管部8dの外径寸法に等しい内径寸法の円環状に形成されている。さらに、この超音波振動子11は、この超音波振動子11の内周面を、複合ノズル8の配管部8dの外周面に周方向に亘って面接触させた状態とされて取り付けられている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このように構成した本発明の第3実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、円環状の超音波振動子11を複合ノズル8の配管部8dの外周面に面接接触させつつ同心状に取り付けたことにより、この複合ノズル8の供給部8bの下面に加え、超音波振動子11の縦振動を複合ノズル8の配管部8d内へ伝えることができる。よって、この配管部8d内を通過する洗浄液に対し、この配管部8dの周方向に亘って均等に超音波振動を与えることができるから、ウェハWへ送られるオゾン水等の洗浄液を効率よくかつ確実に超音波振動させることができ、このウェハWをより効率よく確実に洗浄することができる。
[第4実施形態]
図12は、本発明の第4実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。
そして、本発明の第4実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baに沿って超音波振動子11が取り付けられた構成であるのに対し、第4実施形態は、複合ノズルの配管部8dの下流側の外側に形成されたテーパ部41に接触させて超音波振動子11が取り付けられた構成とされている。すなわち、第4実施形態に係る複合ノズル8においては、この複合ノズル8の配管部8dの下流側の外側に、この配管部8dの下流側、すなわち送出口8c側に向けて径方向に拡開したテーパ状のテーパ部41が形成されている。
また、超音波振動子11の一方、すなわち下方側の開口縁には、複合ノズル8のテーパ部1に適合させたテーパ状のテーパ面42が形成されている。そして、この超音波振動子11は、この超音波振動子11のテーパ面42を配管部8dのテーパ部41に面接触させつつ、この超音波振動子11の下面を複合ノズル8の供給部8bの下面8baに沿わせた状態とされて取り付けられている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このように構成した本発明の第4実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、複合ノズル8の配管部8dの下流側の外側に設けられたテーパ部41に面接触させて超音波振動子11を取り付けられている。このため、この超音波振動子11による超音波振動の振動照射成分を配管部8dの上流側に向けることができ、この超音波振動子11による超音波振動を複合ノズル8の配管部8dのより上流側へ伝えることができる。したがって、この配管部8dを通過する直前の位置で、オゾン水等の洗浄液を効率よく超音波振動させることができるから、この配管部8dを通過する洗浄液をより効率よく確実に超音波振動させることができ、ウェハWをより効率よく確実に洗浄することができる。
[第5実施形態]
図13は、本発明の第5実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は断面図である。
そして、本発明の第5実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、円環状の超音波振動子11を複合ノズル8の配管部8dの同心状に取り付けた構成であるのに対し、第5実施形態は、互いに径寸法が異なる複数の円環状の振動子51を同心状に配置させて構成された超音波振動子11を取り付けた構成である。すなわち、第5実施形態に係る複合ノズル8において、超音波振動子11は、等しい間隔を介して段階的に径寸法が異なる円環状の複数の振動子51にて構成され、これら複数の振動子51を、径寸法が小さい順に中心位置から径方向に同心状に並べられた構成とされている。さらに、これら複数の振動子51は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baに沿わせて取り付けられている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このように構成した本発明の第5実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、互いに径寸法が異なる円環状の複数の振動子51を同心状に並べた超音波振動子11とされている。このため、これら振動子51の超音波振動のタイミングをずらして、超音波振動の伝播波に位相差を生じさせ、これら位相差を生じさせた超音波振動を干渉させることによって、複合ノズル8からウェハWへと送られる洗浄液をより確実に超音波振動させることができるから、このウェハWをより効率よく確実に洗浄することができる。
[第6実施形態]
図14は、本発明の第6実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。
そして、本発明の第6実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baと配管部8dとが等しい密度に構成されているのに対し、第6実施形態は、複合ノズル8の供給部8の下面8baと、配管部8dとが異なる密度であって、異なる固有振動数の部材にて構成されている。すなわち、第6実施形態に係る複合ノズル8においては、この複合ノズル8の送出口8cの外側に、下流側に向けて拡開した端面部61が形成されており、この端面部61より外側に位置する下面8baと、この端面部61より内側に位置する送出口8cおよび配管部8dとが、異なる密度の部材にて形成されている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このように構成した本発明の第6実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、複合ノズル8の送出口8cおよび配管部8dと、この複合ノズル8の供給部8bの下面8baとを異なる密度に構成されている。この結果、これら配管部8dと複合ノズル8の下面8baとの境界である端面部61において、超音波振動子11からの超音波振動が反射したり屈折したりする。したがって、この超音波振動子11自体による超音波振動に加え、これら配管部8dと複合ノズル8の下面8baとの間の端面部61での反射や屈折にて発生した超音波振動を洗浄液に与えることができるから、複合ノズル8からウェハWへ送る洗浄液をより確実に超音波振動させることができ、このウェハWをより効率よく確実に洗浄することができる。
[第7実施形態]
図15は、本発明の第7実施形態に係る洗浄装置のノズルの一部を示す説明断面図である。
そして、本発明の第7実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baが平坦な構成であるのに対し、第7実施形態は、複合ノズル8の供給部8bの下面8baの中央部に、逆ホーン型の凹状部71が設けられた構成である。すなわち、第6実施形態に係る複合ノズル8においては、この複合ノズル8の供給部8bの下面8baの外側に、周面部がテーパ状に拡開した凹状部71が形成されている。そして、この凹状部71は、複合ノズル8の送出口8cの同心状に形成されており、この送出口8c下流側の開口縁を拡開させた形状とされている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じであり、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
このように構成した本発明の第7実施形態は、上述した第1実施形態と同様の効果が得られるほか、複合ノズル8の配管部8dの下流側の外側に、この配管部8dと同心状の逆ホーン型の凹状部71を設けたことにより、超音波振動子11による超音波振動を凹状部71にて屈折させて送出口8c寄りの配管部8dの中心側へ伝えることができる。よって、複合ノズル8の配管部8dを通過し、送出口8cからウェハWへ送られる洗浄液をより確実かつ効率よく超音波振動させることができるから、このウェハWをより効率よく確実に洗浄することができる。
[その他]
なお、上記各実施形態においては、ウェハWの洗浄時にバックチャックノズル6の回転軸6aを回転させない構成とした。ところが、本発明はこれに限定されることはなく、このウェハWの洗浄時にバックチャックノズル6の回転軸6aを回転させることもできる。
この場合においては、複合ノズル8の供給部8bの下面8baとウェハWとの間の空間に形成された洗浄液の液膜がくずれたりこぼれたりしない程度の回転速度でバックチャックノズル6の回転軸6aを回転させることにより、洗浄液の使用量を少なくできる。
また、例えばレジストマスク等のウェハW以外の被洗浄物を洗浄する構成にすることもできる。さらに、洗浄液としては、洗浄主物質であるオゾンガスと洗浄補助物質である超純水とを混合させたオゾン水のほか、複数の洗浄主物質を混合させた洗浄液、例えば、硫酸と過酸化水素水との混合液や、水酸化カリウム以外のものであっても、対応させて用いることができる。
さらに、合ノズル8としては、洗浄液、すなわち液体を供給する一流体ノズルのほか、この合ノズル8から気体と液体とを同時に吐出させてミスト状の液成分を吹き付けて供給する、いわゆる微小液滴噴霧用の二液体ノズルとして用いることもできる。この場合においては、合ノズル8から吐出させる流体の流量と圧力とを調整することによって、ミスト状の液成分の粒径を、例えば3μm〜100μm程度にコントロールすることができる。
また、この複合ノズル8としては、例えばトリクロロシラン(HSiCl)および水素ガス(H2)や、シラン系および窒化系等の複数種の気体を洗浄物として同時に吹き付けて供給する構成とすることもできる。
さらに、上記第2実施形態においては、合ノズル8の中心部にCCDカメラ21を取り付けたが、例えば洗浄液として水酸化カリウム(KOH)を用いる場合等においては、このCCDカメラ21の変わりにヒータ(図示せず)を設置し、合ノズル8の混合部8eにて混合される洗浄液をヒータにて加熱する構成とすることもできる。
1 ウェハ洗浄機
2 筐体
2a 装置上部
2aa 廃液タンク
2ab 薬液タンク
2b 装置下部
2ba オゾンガスボンベ
2bb DIWタンク
2c 凹状部
2d 前室
2e ドッキングポート
2f ウェハ処理室
3 洗浄ユニット
4 搬送装置
4a 機体
4b 保持部
5 チャンバ
5a 底面部
5b 壁面部
5c ウェハ収容凹部
5d 係止片部
5e 凹状片部
5f 挿通片部
5g ノズル挿通孔
5h ハンド嵌合部
5i 連通部
5j 基端部
5k 回転支持部
5m ドレイン部
5n 排出部
5p 支持片部
5q 傾斜面
5r 係合片部
6 バックチャックノズル
6a 回転軸
6b チャック面
6c 歯車
6d 嵌合片部
6e 周縁部
7 授受ハンド
7a 支持部
7b ハンド部
7c 拡開部
7d 挿通孔
7e 凹状部
7f 軸挿通孔
7g 周壁部
8 複合ノズル(混合ノズル)
8a 本体部
8b 供給部
8ba 下面
8c 送出口
8d 配管部
8e 混合部
8ea 旋回流形成部
8f 供給口
8g 供給筒部
8h エアオペレート弁
9 サーボモータ
9a 回転軸
9b 歯車
9c ベルト
11 超音波振動子
21 CCDカメラ
22 収容凹部
41 テーパ部
42 テーパ面
51 振動子
61 端面部
71 凹状部
W ウェハ

Claims (9)

  1. 第1物質と、この第1物質とは異なる第2物質とを混合させた洗浄効果を有する洗浄ウェハを洗浄する洗浄装置であって、
    前記ウェハが設置されるステージと、
    前記ステージに設置された前記ウェハに対向させて設けられ、前記洗浄を前記ウェハへ送る混合ノズルと、を備え、
    この混合ノズルは、送出口を有し、前記混合ノズルと前記ウェハとの間の空間に表面張力にて前記洗浄液の液膜が形成されるように前記送出口を前記ウェハに近接させて取り付けられ、外部から供給される前記第1物質と、外部から供給される前記第2物質とを前記送出口近傍で混合させる
    ことを特徴とする洗浄装置。
  2. 請求項1記載の洗浄装置において、
    前記混合ノズルは、混合部と、この混合部に連続した複数の供給口とを有し、これら供給口のいずれかから供給された前記第1物質と前記第2物質とを前記混合部にて混合させて前記送出口から送出させる
    ことを特徴とする洗浄装置。
  3. 請求項2記載の洗浄装置において、
    前記混合ノズルは、前記混合部の下方に前記送出口が設けられ、前記混合部の側方に前記複数の供給口が離間されて設けられている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか一項に記載の洗浄装置において、
    前記ステージは、このステージに設置された前記ウェハを水平方向に回転可能に構成され、
    前記混合ノズルは、前記ステージに設置された前記ウェハの上方に位置し昇降可能に取り付けられている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか一項に記載の洗浄装置において、
    昇降可能に構成され、搬送される前記ウェハを授受する授受部を備え、
    前記ステージは、前記授受部の下方に位置し、この授受部にて授受した前記ウェハが設置され、周方向に回転可能に構成されたチャック部であり、
    前記混合ノズルは、前記チャック部の回転中心軸上に昇降可能に取り付けられ、このチャック部上に設置された前記ウェハ前記洗浄を送る
    ことを特徴とする洗浄装置。
  6. 請求項記載の洗浄装置において、
    前記チャック部の周囲を覆うチャンバを備え、
    このチャンバの上部には、前記ウェハを前記チャック部に設置させる際に前記授受部が嵌合し前記チャック部の周囲を覆う授受嵌合部が設けられている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか一項に記載の洗浄装置において、
    前記混合ノズルの中心部には、前記洗浄が通過する配管部が設けられ、
    この配管部を覆って超音波振動子が取り付けられている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  8. 請求項7記載の洗浄装置において、
    前記混合ノズルの混合部は、前記配管部の上流側に設けられている
    ことを特徴とする洗浄装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか一項に記載の洗浄装置において、
    前記ウェハは、所定サイズの平板状であり、
    前記第2物質は、水で、
    前記第1物質は、オゾンガスで、このオゾンガスが充填されたガスボンベから供給される
    ことを特徴とする洗浄装置。
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