JP2004116270A - 剪断補強構造を有する鋼管およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柱である鋼管と梁との柱梁接合部の付近において、柱である鋼管の剪断補強を高めることを目的とする。
【解決手段】閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を当接し、溶接で固定されていることを特徴とする剪断補強構造を有する角鋼管1。
【選択図】 図1
【解決手段】閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を当接し、溶接で固定されていることを特徴とする剪断補強構造を有する角鋼管1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、鉄骨である梁を接合する柱である鋼管およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は、一例として、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と、鉄骨材からなる梁9との柱梁接合の前に、柱である、断面略4角形の角鋼管1、あるいは断面略円形の丸鋼管6をいったん切断してプレート板10をはめ込み、接合後溶接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と、鉄骨材からなる梁9との柱梁接合の前に、柱である、断面略4角形の角鋼管1、あるいは断面略円形の丸鋼管6をいったん切断して、プレート板10をとりつけて溶接し、再度組み合わせる方法(図面3および図面4参照)は、コストがかかり、かつまた鉄骨工場の現場で施工するので、精度が落ち、ゆがんだりずれたりした鋼管柱になりやすい。本発明は、従来の問題点を解決するために提案されたもので、柱である角鋼管1、あるいは丸鋼管6の、剪断力に対する補強を効果的に行うことができる。なお断面略4角形の鋼管は角パイプとかコラムとも呼ばれ、断面略円形の鋼管は丸パイプとも呼ばれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を当接して、溶接で固定されていることを特徴とする、剪断補強構造を有する角鋼管1である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を当接して、溶接で固定されていることを特徴とする、剪断補強構造を有する丸鋼管6である。
【0006】
請求項3に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする角鋼管1の第1の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を載置して溶接で固定し、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
【0007】
請求項4に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする丸鋼管6の第1の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を載置して溶接で固定し、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
【0008】
請求項5に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする角鋼管1の第2の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略4角形の角鋼管1の端の中空部20から、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、角鋼管1に、角組み立て剪断補強セット2を固定する工程からなる角鋼管1の製造方法。
【0009】
請求項6に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする丸鋼管6の第2の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略円形の丸鋼管6の端の中空部20から、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、丸組み立て剪断補強セット7を固定する工程。
【0010】
【実施例】
以下に、剪断補強構造を有する角鋼管に関する本発明の実施の形態を添付図面の図1、図3、図5、図8に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の角鋼管1の要部の斜視図である。図3は従来の角鋼管1と梁9との接合部の斜視図である。図5は本発明の角鋼管1と梁9との接合部の斜視図である。建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である角鋼管1と梁9となる鉄骨材の接合部近傍の、柱の角鋼管1の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体の角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に当接して溶接固定した角鋼管1に、梁9を接合し、梁9からの剪断力およびモーメント等の応力を、梁9を構成する上フランジ11、下フランジ13およびウェブ12を通じて速やかにかつ確実に柱である角鋼管1に伝え、かつまた角組み立て剪断補強セット2を当接していることにより、剪断力およびモーメント等の応力に対して角鋼管1が補強されるのである。
【0012】
高層建造物の場合は、躯体である角鋼管1の内部にコンクリートを充填するので、図8の(イ)に記載のとおり貫通孔3ある角組み立て剪断補強セット2が必要である。しかし低層建造物の場合は、角鋼管1の内部にコンクリートを充填することが少ないので、コンクリートを充填しない場合は、角組み立て剪断補強セット2は、変形例として、図8の(ロ)に記載の、貫通孔3のない2枚の縦プレート4と複数の横プレート5とで形成される角組み立て剪断補強セット2、図8の(ハ)に記載の、複数の横プレート5のみで形成する角組み立て剪断補強プレート2、図8の(ニ)に記載のように、2枚の縦プレート4の中央部近傍に横プレート5を固定して、略H字形の断面形状をした角組み立て剪断補強セット2でもよい。
【00013】
次に、本発明の角鋼管1の第1の製造方法について説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に向くよう載置し、溶接で帯状鋼板に固定し、図示しない多段ロールにより断面略4角形の管状体17に成形する工程。
(c)トップローラー15とサイドローラー16により突き合わされた、前記管状体17のエッジ部を溶接する工程。
以上の工程により、角鋼管1を製造するのである。
【0014】
本発明の角鋼管1の第2の製造方法について説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略4角形の角鋼管1の端の中空部20から、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4の面から挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、角鋼管1に、角組み立て剪断補強セット2を固定する工程。
以上の工程により、角鋼管1を製造するのである。
【0015】
角組み立て剪断補強セット2は、使用により、各種の種類が検討される。図8には、一実施例および変形例を掲げている。角鋼管1の1本につき、複数の角組み立て剪断補強セット2が設置されてもよい。角組み立て剪断補強セット2と他の角組み立て剪断補強セット2間の長さは、建物の階高にあわせればよい。閉鎖柱である角鋼管1のどの位置に、角組み立て剪断補強セット2があるか、外観上すぐさま判明できるよう、角組み立て剪断補強セット2が位置する、角鋼管1の表面上にペンキ等のマークをつけると、現場における梁9との接合作業はスムーズにはかどる。
【0016】
剪断補強構造を有する丸鋼管6に関する本発明の実施の形態を添付図面の図2、図4、図6、図7、図9に基づいて説明する。
図2は本発明の丸鋼管6の要部の斜視図である。図4は従来の丸鋼管6と梁9との接合部の斜視図である。図6は本発明の丸鋼管6と梁9との接合部の要部の斜視図である。図7は本発明の丸鋼管6と梁9との接合部の一部欠損した要部の斜視図である。建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である丸鋼管6と梁9となる鉄骨材の接合部近傍の、柱の丸鋼管6の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体の丸組み立て剪断補強セット7を当接して溶接固定した丸鋼管6に梁9を接合し、梁9から剪断力およびモーメント等の応力を、梁9を構成する上フランジ11、下フランジ13およびウェブ12を通じて速やかにかつ確実に柱である丸鋼管6に伝え、また、剪断力に対して丸組み立て剪断補強セット7により丸鋼管6が補強されるのである。
【0017】
高層建造物の場合は、躯体である丸鋼管6の内部にコンクリートを充填するので、図9の(イ)に記載のとおり貫通孔3ある丸組み立て剪断補強セット7が必要である。しかし低層建造物の場合は、丸鋼管6の内部にコンクリートを充填しないので、丸組み立て剪断補強セット7は変形例として、図9の(ロ)に記載の、貫通孔3のない2枚の縦プレート4と円周板8とで形成される丸組み立て剪断補強セット7、図9の(ハ)に記載の、円周板8のみで形成する丸組み立て剪断補強セット7、図9の(ニ)に記載の、2枚の縦プレート4の中央部近傍に横プレート5を固定して、略H字形の断面形状をした丸組み立て剪断補強セット7でもよい。
【0018】
次に、本発明の丸鋼管6の第1の製造方法について説明する。図10はごく簡略した丸鋼管6の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に向くよう載置し、溶接で帯状鋼板に固定し、図示しない多段ロールにより断面略円形の管状体17に成形する工程。
(c)トップローラー15とサイドローラー16により突き合わされた、前記管状体17のエッジ部を溶接する工程。
以上の工程により丸鋼管6を製造する。
丸角組み立て剪断補強セット7は、図9に一実施例、変形例として記載のものを適宜使用してよい。
【0019】
本発明の丸鋼管6の第2の製造方法について、図11に基づいて説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略円形の丸鋼管6の端の中空部20から、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を、貫通孔3を有する縦プレート4の面から挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、丸鋼管6に、丸組み立て剪断補強セット7を固定する工程。
以上の工程により丸鋼管6を製造する。
【0020】
【発明の効果】
この発明は以上のとおりであり、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と梁9を接合するのに、柱となる角鋼管1や丸鋼管6を、一旦切断して再度接合する必要がない。角鋼管1や丸鋼管6と、梁9との組み立てが省力化され、精度の確保を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角鋼管1の要部の斜視図である。
【図2】本発明の丸鋼管6の要部の斜視図である。
【図3】従来の角鋼管1と梁9との接合部の要部の斜視図である。
【図4】従来の丸鋼管6と梁9との接合部の要部の斜視図である。
【図5】本発明の角鋼管1と梁9とを接合した場合の接合部の要部の斜視図である。
【図6】本発明の丸鋼管6と梁9とを接合した場合の接合部の要部の斜視図である。
【図7】本発明の丸鋼管6と梁9とを接合した場合の接合部の要部の一部欠損した斜視図である。
【図8】角組み立て剪断補強セット2の実施例、変形例の斜視図である。
【図9】丸組み立て剪断補強セット7の実施例、変形例の斜視図である。
【図10】本発明の丸鋼管6の第1の製造の簡略化した斜視図である。
【図11】本発明の丸鋼管6の第2の製造の簡略化した斜視図である。
【符号の説明】
1 角鋼管
2 角組み立て剪断補強セット
3 貫通孔
4 縦プレート
5 横プレート
6 丸鋼管
7 丸組み立て剪断補強セット
8 円周板
9 梁
10 プレート板
11 上フランジ
12 ウエブ
13 下フランジ
14 内周面
15 トップローラー
16 サイドローラー
17 管状体
18 プレスのアーム
19 溶接孔
20 中空部
【産業上の利用分野】
本発明は、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、鉄骨である梁を接合する柱である鋼管およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術は、一例として、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と、鉄骨材からなる梁9との柱梁接合の前に、柱である、断面略4角形の角鋼管1、あるいは断面略円形の丸鋼管6をいったん切断してプレート板10をはめ込み、接合後溶接している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と、鉄骨材からなる梁9との柱梁接合の前に、柱である、断面略4角形の角鋼管1、あるいは断面略円形の丸鋼管6をいったん切断して、プレート板10をとりつけて溶接し、再度組み合わせる方法(図面3および図面4参照)は、コストがかかり、かつまた鉄骨工場の現場で施工するので、精度が落ち、ゆがんだりずれたりした鋼管柱になりやすい。本発明は、従来の問題点を解決するために提案されたもので、柱である角鋼管1、あるいは丸鋼管6の、剪断力に対する補強を効果的に行うことができる。なお断面略4角形の鋼管は角パイプとかコラムとも呼ばれ、断面略円形の鋼管は丸パイプとも呼ばれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を当接して、溶接で固定されていることを特徴とする、剪断補強構造を有する角鋼管1である。
【0005】
請求項2に記載の発明は、閉鎖断面の柱の内周面14に、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を当接して、溶接で固定されていることを特徴とする、剪断補強構造を有する丸鋼管6である。
【0006】
請求項3に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする角鋼管1の第1の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を載置して溶接で固定し、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
【0007】
請求項4に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする丸鋼管6の第1の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を載置して溶接で固定し、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
【0008】
請求項5に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする角鋼管1の第2の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略4角形の角鋼管1の端の中空部20から、貫通孔3を有する縦プレート4と、横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、角鋼管1に、角組み立て剪断補強セット2を固定する工程からなる角鋼管1の製造方法。
【0009】
請求項6に記載の発明は、下記工程からなることを特徴とする丸鋼管6の第2の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略円形の丸鋼管6の端の中空部20から、貫通孔3を有する縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、丸組み立て剪断補強セット7を固定する工程。
【0010】
【実施例】
以下に、剪断補強構造を有する角鋼管に関する本発明の実施の形態を添付図面の図1、図3、図5、図8に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の角鋼管1の要部の斜視図である。図3は従来の角鋼管1と梁9との接合部の斜視図である。図5は本発明の角鋼管1と梁9との接合部の斜視図である。建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である角鋼管1と梁9となる鉄骨材の接合部近傍の、柱の角鋼管1の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体の角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に当接して溶接固定した角鋼管1に、梁9を接合し、梁9からの剪断力およびモーメント等の応力を、梁9を構成する上フランジ11、下フランジ13およびウェブ12を通じて速やかにかつ確実に柱である角鋼管1に伝え、かつまた角組み立て剪断補強セット2を当接していることにより、剪断力およびモーメント等の応力に対して角鋼管1が補強されるのである。
【0012】
高層建造物の場合は、躯体である角鋼管1の内部にコンクリートを充填するので、図8の(イ)に記載のとおり貫通孔3ある角組み立て剪断補強セット2が必要である。しかし低層建造物の場合は、角鋼管1の内部にコンクリートを充填することが少ないので、コンクリートを充填しない場合は、角組み立て剪断補強セット2は、変形例として、図8の(ロ)に記載の、貫通孔3のない2枚の縦プレート4と複数の横プレート5とで形成される角組み立て剪断補強セット2、図8の(ハ)に記載の、複数の横プレート5のみで形成する角組み立て剪断補強プレート2、図8の(ニ)に記載のように、2枚の縦プレート4の中央部近傍に横プレート5を固定して、略H字形の断面形状をした角組み立て剪断補強セット2でもよい。
【00013】
次に、本発明の角鋼管1の第1の製造方法について説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に向くよう載置し、溶接で帯状鋼板に固定し、図示しない多段ロールにより断面略4角形の管状体17に成形する工程。
(c)トップローラー15とサイドローラー16により突き合わされた、前記管状体17のエッジ部を溶接する工程。
以上の工程により、角鋼管1を製造するのである。
【0014】
本発明の角鋼管1の第2の製造方法について説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略4角形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略4角形の角鋼管1の端の中空部20から、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、複数の横プレート5とで形成される直方体である角組み立て剪断補強セット2を、貫通孔3を有する縦プレート4の面から挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、角鋼管1に、角組み立て剪断補強セット2を固定する工程。
以上の工程により、角鋼管1を製造するのである。
【0015】
角組み立て剪断補強セット2は、使用により、各種の種類が検討される。図8には、一実施例および変形例を掲げている。角鋼管1の1本につき、複数の角組み立て剪断補強セット2が設置されてもよい。角組み立て剪断補強セット2と他の角組み立て剪断補強セット2間の長さは、建物の階高にあわせればよい。閉鎖柱である角鋼管1のどの位置に、角組み立て剪断補強セット2があるか、外観上すぐさま判明できるよう、角組み立て剪断補強セット2が位置する、角鋼管1の表面上にペンキ等のマークをつけると、現場における梁9との接合作業はスムーズにはかどる。
【0016】
剪断補強構造を有する丸鋼管6に関する本発明の実施の形態を添付図面の図2、図4、図6、図7、図9に基づいて説明する。
図2は本発明の丸鋼管6の要部の斜視図である。図4は従来の丸鋼管6と梁9との接合部の斜視図である。図6は本発明の丸鋼管6と梁9との接合部の要部の斜視図である。図7は本発明の丸鋼管6と梁9との接合部の一部欠損した要部の斜視図である。建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である丸鋼管6と梁9となる鉄骨材の接合部近傍の、柱の丸鋼管6の内周面14に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体の丸組み立て剪断補強セット7を当接して溶接固定した丸鋼管6に梁9を接合し、梁9から剪断力およびモーメント等の応力を、梁9を構成する上フランジ11、下フランジ13およびウェブ12を通じて速やかにかつ確実に柱である丸鋼管6に伝え、また、剪断力に対して丸組み立て剪断補強セット7により丸鋼管6が補強されるのである。
【0017】
高層建造物の場合は、躯体である丸鋼管6の内部にコンクリートを充填するので、図9の(イ)に記載のとおり貫通孔3ある丸組み立て剪断補強セット7が必要である。しかし低層建造物の場合は、丸鋼管6の内部にコンクリートを充填しないので、丸組み立て剪断補強セット7は変形例として、図9の(ロ)に記載の、貫通孔3のない2枚の縦プレート4と円周板8とで形成される丸組み立て剪断補強セット7、図9の(ハ)に記載の、円周板8のみで形成する丸組み立て剪断補強セット7、図9の(ニ)に記載の、2枚の縦プレート4の中央部近傍に横プレート5を固定して、略H字形の断面形状をした丸組み立て剪断補強セット7でもよい。
【0018】
次に、本発明の丸鋼管6の第1の製造方法について説明する。図10はごく簡略した丸鋼管6の製造方法である。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を、貫通孔3を有する縦プレート4を長手方向に向くよう載置し、溶接で帯状鋼板に固定し、図示しない多段ロールにより断面略円形の管状体17に成形する工程。
(c)トップローラー15とサイドローラー16により突き合わされた、前記管状体17のエッジ部を溶接する工程。
以上の工程により丸鋼管6を製造する。
丸角組み立て剪断補強セット7は、図9に一実施例、変形例として記載のものを適宜使用してよい。
【0019】
本発明の丸鋼管6の第2の製造方法について、図11に基づいて説明する。
(a)図示しない帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略円形の管状体17を成形する工程。
(c)前記管状体17の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略円形の丸鋼管6の端の中空部20から、貫通孔3を有する2枚の縦プレート4と、円周板8とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セット7を、貫通孔3を有する縦プレート4の面から挿入し、プレスのアーム18で、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔19を溶接して、丸鋼管6に、丸組み立て剪断補強セット7を固定する工程。
以上の工程により丸鋼管6を製造する。
【0020】
【発明の効果】
この発明は以上のとおりであり、建築物の躯体である鉄骨鉄筋コンクリートもしくは鉄骨コンクリートにおいて、柱である鋼管と梁9を接合するのに、柱となる角鋼管1や丸鋼管6を、一旦切断して再度接合する必要がない。角鋼管1や丸鋼管6と、梁9との組み立てが省力化され、精度の確保を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角鋼管1の要部の斜視図である。
【図2】本発明の丸鋼管6の要部の斜視図である。
【図3】従来の角鋼管1と梁9との接合部の要部の斜視図である。
【図4】従来の丸鋼管6と梁9との接合部の要部の斜視図である。
【図5】本発明の角鋼管1と梁9とを接合した場合の接合部の要部の斜視図である。
【図6】本発明の丸鋼管6と梁9とを接合した場合の接合部の要部の斜視図である。
【図7】本発明の丸鋼管6と梁9とを接合した場合の接合部の要部の一部欠損した斜視図である。
【図8】角組み立て剪断補強セット2の実施例、変形例の斜視図である。
【図9】丸組み立て剪断補強セット7の実施例、変形例の斜視図である。
【図10】本発明の丸鋼管6の第1の製造の簡略化した斜視図である。
【図11】本発明の丸鋼管6の第2の製造の簡略化した斜視図である。
【符号の説明】
1 角鋼管
2 角組み立て剪断補強セット
3 貫通孔
4 縦プレート
5 横プレート
6 丸鋼管
7 丸組み立て剪断補強セット
8 円周板
9 梁
10 プレート板
11 上フランジ
12 ウエブ
13 下フランジ
14 内周面
15 トップローラー
16 サイドローラー
17 管状体
18 プレスのアーム
19 溶接孔
20 中空部
Claims (6)
- 閉鎖断面の柱の内周面に、貫通孔を有する縦プレートと、横プレートとで形成される直方体である角組み立て剪断補強セットを当接し、溶接で固定されていることを特徴とする剪断補強構造を有する角鋼管。
- 閉鎖断面の柱の内周面に、貫通孔を有する縦プレートと、円周板とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セットを当接し、溶接で固定されていることを特徴とする剪断補強構造を有する丸鋼管。
- 下記工程からなることを特徴とする、角鋼管の製造方法。
(a)帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔を有する縦プレートと、横プレートとで形成される直方体である角組み立て剪断補強セットを載置して溶接で固定し、断面略4角形の管状体を成形する工程。
(c)前記管状体の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。 - 下記工程からなることを特徴とする、丸鋼管の製造方法。
(a)帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板の所定の位置に、貫通孔を有する縦プレートと、円周板とで形成される円柱体の丸組み立て剪断補強セットを載置して溶接で固定し、断面略円形の管状体を成形する工程。
(c)前記管状体の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。 - 下記工程からなることを特徴とする、角鋼管の製造方法。
(a)帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略4角形の管状体に成形する工程。
(c)前記管状体の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略4角形の角鋼管の端の中空部から、貫通孔を有する縦プレートと、横プレートとで形成される直方体である角組み立て剪断補強セットを挿入し、プレスのアームで、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔を溶接して、角組み立て剪断補強セットを固定する工程。 - 下記工程からなることを特徴とする、丸鋼管の製造方法。
(a)帯状鋼板を用意する工程。
(b)前記帯状鋼板を、断面略円形の管状体を成形する工程。
(c)前記管状体の突き合わされたエッジ部を溶接する工程。
(d)前記断面略円形の丸鋼管の端の中空部から、貫通孔を有する縦プレートと、円周板とで形成される円柱体である丸組み立て剪断補強セットを挿入し、プレスのアームで、所定の位置に押しこむ工程。
(e)溶接孔を溶接して、丸組み立て剪断補強セットを固定する工程。
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CN107190965A (zh) * | 2017-05-31 | 2017-09-22 | 广西互恒建筑材料有限公司 | 上吊点支架结构 |
CN108951858A (zh) * | 2018-08-15 | 2018-12-07 | 中建钢构武汉有限公司 | 一种空间异形圆管节点及其加工工艺 |
CN117484040A (zh) * | 2023-12-26 | 2024-02-02 | 天津尼凯斯电器设备股份有限公司 | 一种柜体框架焊接装置及焊接工艺 |
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2002
- 2002-09-24 JP JP2002316861A patent/JP2004116270A/ja active Pending
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