JP2004098192A - 自動液体塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】塗油時に加工品の塗油面と含油パッドの面の接触状態が均−に保たれ、また含油パッドから染み出した切削油が意図しないところに付着することの無い自動液体塗布装置を提供する。
【構成】含液パッドに液体を供給する機構と、加工品と該含液パッドを接触させる機構と、含液パッドを該加工品の液体塗布面にその姿勢を合致させて液体塗布面全面に渡って含液パッドと液体塗布面の均−な接触状態をつくり出すために含液パッドを揺動自在に支持する機構とを設ける。
【選択図】 図1
【構成】含液パッドに液体を供給する機構と、加工品と該含液パッドを接触させる機構と、含液パッドを該加工品の液体塗布面にその姿勢を合致させて液体塗布面全面に渡って含液パッドと液体塗布面の均−な接触状態をつくり出すために含液パッドを揺動自在に支持する機構とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工品への塗液技術分野に属し、主として機械加工品に自動的に塗液を行なう技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加工物への塗装に関しては下記の特許文献1に記載の、円筒状形状物への塗油技術が開示されている。
【特許文献1】
実願平6−81664号公報
実用新案登録の請求の範囲および図1を参照されたい。
また、図2に液体塗布の対象となる切削加工品1の斜視図を示す。従来人手によってコロコンベア上を搬送される加工品1はその塗油される部分2に切削油のはけ塗りが行われていた。コロコンベアでは加工品の底面が略平らであることが搬送上要求され、また塗油される部分が上向きであることが塗布作業上要求される。このような場合、人手によって塗油するときは作業者の熟練によって塗油量が適正に調整され、油垂れなどの不具合は少なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
切削油塗布の自動化に当たって、上記搬送上の要求から、塗油されるべき部分を上向きに載置された加工品に対し、油を下向きに塗油しなければならず、多くの場合、単に油を蓄えた含油パッド下面を軽く加工品に押し当てると、油の塗りむらが発生することが多く、切削油の塗りむらは切削刃具寿命を縮め、加工コストを増大させることとなる.これは、含油パッドと加工品の塗油面が均−に接触しないことが原因であって、単に含油パッドを強く加工品に押付けるだけでは塗りむらは無くならないばかりか、含油パッドが圧搾されて染み出した油が加工品や搬送装置、作業場の床に飛散し付着して搬送設備上での加工品のスリップによる搬送不良や作業環境の悪化を招くといった問題が発生した。
【0004】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解決し、塗油時に加工品の塗油面と含油パッドの面の接触状態が均−に保たれ、また含油パッドから染み出した切削油が意図しないところに付着することの無い自動液体塗布装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明においては含液パッドに液体を供給する機構と、加工品と該含液パッドを接触させる機構と、該含液パッドを該加工品の液体塗布面にその姿勢を合致させて該液体塗布面全面に渡って該含液パッドと該液体塗布面の均−な接触状態をつくり出すために該含液パッドを揺動自在に支持する機構とを有する自動液体塗布装置を構成する。またその装置において、該含液パッドヘの該液体供給量が消費量を上回り、該液体が該含液パッドの含液許容量を上回り、該加工品や該自動液体塗布装置やその他の装置などに付着してスリップなどの機能不良や環境劣化を起こさないために該含液パッドの下方に位置し、該含液パッドと該加工品が接触する際、液の降下に従ってその接触部分よりも低い位置でかつ含液パッドに接離する加工品との干渉を避けるため、その接触部分から離れた位置に該含液パッドからしみ出た液を導き、下方に滴下させる液滴下部分を備え、一定の量の液を一時収容するために、該液滴下部分の下方に液受け部分を備えたことを特徴とする自動液体塗布装置を構成する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以上のように横成した塗液装置を作動させるに当たっては、含油パッドには油の蓄積量に制限があるので、一定時間自動で液を補給するには容量の大きい液タンクを備える必要がある。あらかじめ液を満たした液タンクから液配管および流量を制御する電磁弁よりなる液の供給機構によって液を含液パッドに供給し、パッドに適量の液を蓄える。一方、加工品を搬送装置により塗液工程に搬入し、位置決め・停止機構にて塗液装置の直下に位置させる。その後、加工品と含液パッドを接触させる機構が必要であり、加工品の昇降機構により加工品を含液パッドに向かって上昇させ、その塗液されるべき部分を含液パッドに押付ける。
【0007】
このとき、加工品の塗液されるべき部分の姿勢が含液パッドの下面の姿勢と一致している場合は、塗液されるべき部分全面が含液パッドの下面に接触し塗液は完了する。そうでない場合は加工品の塗液されるべき部分の一部がまず含液パッドの対向する部分に接触し、さらに加工品の上昇と共に含液パッドが揺勤して塗液されるべき部分の姿勢に沿い、塗液されるべき部分の全面が含液パッドに接触して塗液は完了する。
【0008】
加工品への塗液の完了後、加工品は昇降機構により塗液位置から搬送位置に降下され、予め搬送機構下部に降下され、格納された加工品の位置決め・停止機構上を搬送されて次工程に搬出される。
【0009】
しかし、このような塗液を繰返し多数の加工品に行なう場合、液の供給量の調整によっては余剰の液が含液パッドから染み出す場合がある。この場合、含液パッドから染み出した余剰の液は、塗液部分を除いて含液パッドの左右下面を支える含液パッド保持治具に伝わり、該保持治具最下部である液滴下位置からその下方に設置された液受けに滴下されて回収される。含油パッドに含まれる液が不足して塗油されない部分が発生しないために、液の供給量は消費量を上回るように液の供給量を調整する。
【0010】
【実施例】
以下、図にもとづいて本発明の実施例を詳細に説明する。図2は実施例の対象とした加工品1の斜視図であり、図中の斜線部は塗液されるべき部分2である。本実施例では塗液されるべき部分2には本発明の塗液装置により切削油が塗布され、該塗油工程の直後に図示しない切削工程が設けられ、加工品1の塗油されるべき部分2は塗油された後に切削工程にて切削される。
【0011】
図1は自動塗油装置の正面図、図3は側面図である。塗油装置3に設置された油タンク4から配設された油配管5は電磁弁6に接続され、油配管はさらに30mmの厚さを有するフェルトからなる厚手の含油パッド7の上方に固定された給油ノズル8まで延びる。含油パッド7の下方には上下面がそれぞれ円筒状のライナー9が含油パッド7の下面中央部を除いて設けられ、さらに含油パッド7とライナー9の外側両側面と、その下面を囲み、これらを保持する含油パッド保持治具10が設けられている。
【0012】
図4は塗油機構12を説明する側面図であり、図5は含油パッドの揺動機構を説明する塗油機構12の正面図で、図5(a)は加工品の塗油されるべき部分2の一部が含油パッド7に接触した状態、図5(b)は塗油されるべき部分2の全面が含油パッド7に接触した状態を示す。
【0013】
ライナー9の上面の円筒形状は加工品1の塗油されるべき部分2と同じ曲率を有するように加工する。ライナー9の下面の円筒形状は緩やかな曲率を設定しており、この曲率により含油パッド保持治具10の中でライナー9と含油パッド7は揺動自由に支持される。さらに、含油パッド7上にパンチプレート11が載置されている。
【0014】
塗油機構12の下部には搬送装置13が設置され、その搬送経路上に格納式の位置決め・停止機構14とその上に加工品位置検出器15を設け、またその搬送経路下部に加工品の昇降機構16を備える。
【0015】
以上のように構成した本発明の塗油装置3の作用を以下に説明する。油タンク4にはあらかじめ切削油を満たし、電磁弁6を所要回数作動させて油配管5、給油ノズル8を経て油を含油パッド7上に積層したパンチプレート11上に滴下することによって含油パッド7は適切な量の切削油を蓄える。
【0016】
搬送装置13で加工品1を搬送し、撒送経路上に上昇した位置決め・停止機構14に加工品1が当接すると、加工品位置検出器15が加工品1を検出し、信号を発する。この信号により、昇降機構16が駆動され、加工品1を搬送機構13から塗油機構12に向かって上昇させる。加工品1の塗油されるべき部分2は含油パッド保持治具10およびライナー9の下面中央に設けられた開口部を通って含油パッド7下面に接触すべく上昇する。
【0017】
含油パッド7の下面はライナー9の上面の円筒形状に沿うように、加工品1の塗油されるべき部分2に対応する曲率が成形されているが、相互の曲率の差異とは別に、切削前の加工品1には許容範囲内の変形があり、これは塗油されるべき部分2の上面と含油パッド7の下面の相対的姿勢に影響を与え、これらの面は平行にならない場合がある。
【0018】
このような場合、図5の(a)に示すように塗油されるべき部分2の一部が先に含油パッド7の対向する部分に接触する。このパッドの接触部は圧搾され、余剰の切削油を生じるが、これは圧搾されていない含油パッド7の他の部分に吸収されて、加工品1や搬送装置13上への油の滴下が防がれる。加工品1はさらに昇降機構16の作動により上昇を続け、加工品1の含油パッド7に接触した塗油されるべき部分2は、含油パッド7とライナー9、含油パッド上のパンチプレート11を一体として揺動させ、最終的には塗油されるべき部分2と含油パッド7下面の姿勢が一致して双方は向かい合う面全面で接触し、含油パッド7に含まれる切削油は加工品1の塗油されるべき部分(塗油面)2の上面全面に塗布される。この塗油作用時には加工品1と含油パッド7の位置関係、姿勢の関係を問わず、始終含油パッド7が適度な圧力で加工品1に押付けられるよう、含油パッド7上に載置されたパンチプレート11の重量が調整されている。
【0019】
図6は揺動機構をさらに詳細に説明するために含油パッドとライナーを拡大して示す概略斜視図である。含油パッド7の下面7aは加工品1の塗油面2の湾曲面とほぼ同一の曲率で形成されており、一方ライナー9の下面は逆向きに(すなわち、下方に突出するように)加工品1の塗油面2の湾曲面とほぼ同一の曲率で形成されている。加工品1が塗油のために2つのライナー9の間を上昇されるとき、搬送装置13がコロコンベアであるため、加工品1の一方の端部が先に上昇して含油パッドの一方の端部に先に接触して更に上昇することがある。この場合、ライナー9の下面9aが下方に突出するように湾曲しているので、含油パッド7、ライナー9等は揺動することになり、この結果、含油パッド7の下面と加工品1の塗油面全体がほぼ均一の荷重で接触することになる。
【0020】
切削油の塗布が完了した加工品1は昇降機構16の作動により搬送機構13上に降下する。これに先立ち、位置決め・停止機構14は搬送機構13下に降下、格納されており、搬送機構13上に降下した加工品1は位置決め・停止機構14の上方を通過して次工程である切削工程に搬出される。
【0021】
含油パッド7は厚手のものを選ぶことでその体積当たりに保持できる油の量の範囲を広く取ることが出来、圧搾を受けたときに排出する油量を少なくできる。また硬い含油パッドは容易に圧縮されず、圧搾によって蓄積した油を滴下、排出することが少ない点では優れているが、概して柔軟性に欠け加工品の塗油される部分2の形状のばらつきに適合しづらいといった短所がある。含油パッドの硬度は加工品の塗油される部分2の上面の面積と、重りとなるパンチプレート11および含油パッド7の重量によって決まる相互の接触圧力との関係で選択した。
【0022】
以上に説明した塗油機構の発明により加工品の塗油されるべき部分と含油パッドの形状の差異とそのばらつき、及び塗油されるべき部分と含油パッド下面の姿勢の差異とそのばらつきが生じて、最初は加工品の塗油されるべき部分が含油パッドに不均−に接触したとしても、これは徐々に均一化され、余剰の油は最小限となるので加工品に過剰に付着する、もしくは下方に落下するといった不具合が無くなった。
【0023】
一方、使用状況により変動する油の消費量に対し、油タンク4からの油の供給量の制御は電磁弁6による簡素な機構を採用しており、需給量を長期間に渡って正確にバランスさせることは困難であり、加工品1への油の供給不足を避ける為、供給量が消費量を僅かに上回るように設定する。これによって含油パッド7は時間と共に過剰な油を排出することとなる。含油パッドから染み出したこの余剰の油は、図4に示す塗油機構の構成により、含油パッド7の下面からライナー9をつたい含油パッド保持治具10に伝わり、該保持治具最下部である油分滴下位置17からその下方に設置された油受け18に滴下して回収され、再利用される。
【0024】
したがって、過剰の油は加工品1の塗油されるべき部分2以外の部分や搬送装置13などに滴下・付着して装置の作動不良や環境悪化、油の浪費を招くことが無い。
【0025】
なお、上記実施例では加工品の塗油されるべき部分が円筒状であり、これに合わせてライナー上面をも円筒状に加工したが、本発明はこの形状に限らず多様な形状の加工品に適用できるものである。また塗布液として切削油を用いているが、水溶性の液体や防錆油、着色塗料など多様な液体に適用できる。さらに含油パッドを加工品の塗油されるべき部分の姿勢に応じて揺動させる機構の一例として円筒状の下面を有するライナーを用いたが、これに代わり含油パッドを一つの軸の周りに回動させる機構あるいは多間接リンクで含油パッドを揺動自在に懸架するなど本発明の趣旨、技術思想を逸脱しない範囲で種々の機構が採用され、実施例の機構に限定されるものではない。
【0026】
本発明の明細書で用いた加工品とは、本発明の自動塗液装置による塗液後にさらに加工がなされるものだけでなく、該塗液前に既に他の加工を終えたものをも含む。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡素な機構で所要の液を所要の個所に自動的に供給でき、塗布すべき液の不足はもとより、過剰な液が不要な場所に落下、付着することがないので、以降の工程の円滑な操業が図れるだけでなく、操業環境を良好に維持し、液の浪費をなくすといった多くの効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の自動塗油装置の正面図である。
【図2】図2は本発明の塗油対象とした切削加工品を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の自動塗油装置の側面図である。
【図4】図4は塗油機構の詳細を示す正面図である。
【図5】図5は含油パッド7の揺動機構の作用を説明する塗油機構の側面図であって(a)は加工品の塗油されるべき部分2の一部が含油パッドに接触した状態を示す図であり、(b)は塗油されるべき部分の全面が含油パッド7に接触した状態を示す図である。
【図6】図6は揺動機構をさらに詳細に説明するために含油パッドとライナーを拡大して示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 加工品
2 塗油されるべき部分
3 塗油装置
4 油タンク
5 油配管
6 電磁弁
7 含油パッド
8 給油ノズル
9 ライナー
10 含油パッド保持治具
11 パンチプレート
12 塗油機構
13 搬送装置
14 位置決め・停止機構
15 加工品位置検出器
16 昇降機構
17 油分滴下位置
18 油受け
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工品への塗液技術分野に属し、主として機械加工品に自動的に塗液を行なう技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加工物への塗装に関しては下記の特許文献1に記載の、円筒状形状物への塗油技術が開示されている。
【特許文献1】
実願平6−81664号公報
実用新案登録の請求の範囲および図1を参照されたい。
また、図2に液体塗布の対象となる切削加工品1の斜視図を示す。従来人手によってコロコンベア上を搬送される加工品1はその塗油される部分2に切削油のはけ塗りが行われていた。コロコンベアでは加工品の底面が略平らであることが搬送上要求され、また塗油される部分が上向きであることが塗布作業上要求される。このような場合、人手によって塗油するときは作業者の熟練によって塗油量が適正に調整され、油垂れなどの不具合は少なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
切削油塗布の自動化に当たって、上記搬送上の要求から、塗油されるべき部分を上向きに載置された加工品に対し、油を下向きに塗油しなければならず、多くの場合、単に油を蓄えた含油パッド下面を軽く加工品に押し当てると、油の塗りむらが発生することが多く、切削油の塗りむらは切削刃具寿命を縮め、加工コストを増大させることとなる.これは、含油パッドと加工品の塗油面が均−に接触しないことが原因であって、単に含油パッドを強く加工品に押付けるだけでは塗りむらは無くならないばかりか、含油パッドが圧搾されて染み出した油が加工品や搬送装置、作業場の床に飛散し付着して搬送設備上での加工品のスリップによる搬送不良や作業環境の悪化を招くといった問題が発生した。
【0004】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解決し、塗油時に加工品の塗油面と含油パッドの面の接触状態が均−に保たれ、また含油パッドから染み出した切削油が意図しないところに付着することの無い自動液体塗布装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する為に、本発明においては含液パッドに液体を供給する機構と、加工品と該含液パッドを接触させる機構と、該含液パッドを該加工品の液体塗布面にその姿勢を合致させて該液体塗布面全面に渡って該含液パッドと該液体塗布面の均−な接触状態をつくり出すために該含液パッドを揺動自在に支持する機構とを有する自動液体塗布装置を構成する。またその装置において、該含液パッドヘの該液体供給量が消費量を上回り、該液体が該含液パッドの含液許容量を上回り、該加工品や該自動液体塗布装置やその他の装置などに付着してスリップなどの機能不良や環境劣化を起こさないために該含液パッドの下方に位置し、該含液パッドと該加工品が接触する際、液の降下に従ってその接触部分よりも低い位置でかつ含液パッドに接離する加工品との干渉を避けるため、その接触部分から離れた位置に該含液パッドからしみ出た液を導き、下方に滴下させる液滴下部分を備え、一定の量の液を一時収容するために、該液滴下部分の下方に液受け部分を備えたことを特徴とする自動液体塗布装置を構成する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以上のように横成した塗液装置を作動させるに当たっては、含油パッドには油の蓄積量に制限があるので、一定時間自動で液を補給するには容量の大きい液タンクを備える必要がある。あらかじめ液を満たした液タンクから液配管および流量を制御する電磁弁よりなる液の供給機構によって液を含液パッドに供給し、パッドに適量の液を蓄える。一方、加工品を搬送装置により塗液工程に搬入し、位置決め・停止機構にて塗液装置の直下に位置させる。その後、加工品と含液パッドを接触させる機構が必要であり、加工品の昇降機構により加工品を含液パッドに向かって上昇させ、その塗液されるべき部分を含液パッドに押付ける。
【0007】
このとき、加工品の塗液されるべき部分の姿勢が含液パッドの下面の姿勢と一致している場合は、塗液されるべき部分全面が含液パッドの下面に接触し塗液は完了する。そうでない場合は加工品の塗液されるべき部分の一部がまず含液パッドの対向する部分に接触し、さらに加工品の上昇と共に含液パッドが揺勤して塗液されるべき部分の姿勢に沿い、塗液されるべき部分の全面が含液パッドに接触して塗液は完了する。
【0008】
加工品への塗液の完了後、加工品は昇降機構により塗液位置から搬送位置に降下され、予め搬送機構下部に降下され、格納された加工品の位置決め・停止機構上を搬送されて次工程に搬出される。
【0009】
しかし、このような塗液を繰返し多数の加工品に行なう場合、液の供給量の調整によっては余剰の液が含液パッドから染み出す場合がある。この場合、含液パッドから染み出した余剰の液は、塗液部分を除いて含液パッドの左右下面を支える含液パッド保持治具に伝わり、該保持治具最下部である液滴下位置からその下方に設置された液受けに滴下されて回収される。含油パッドに含まれる液が不足して塗油されない部分が発生しないために、液の供給量は消費量を上回るように液の供給量を調整する。
【0010】
【実施例】
以下、図にもとづいて本発明の実施例を詳細に説明する。図2は実施例の対象とした加工品1の斜視図であり、図中の斜線部は塗液されるべき部分2である。本実施例では塗液されるべき部分2には本発明の塗液装置により切削油が塗布され、該塗油工程の直後に図示しない切削工程が設けられ、加工品1の塗油されるべき部分2は塗油された後に切削工程にて切削される。
【0011】
図1は自動塗油装置の正面図、図3は側面図である。塗油装置3に設置された油タンク4から配設された油配管5は電磁弁6に接続され、油配管はさらに30mmの厚さを有するフェルトからなる厚手の含油パッド7の上方に固定された給油ノズル8まで延びる。含油パッド7の下方には上下面がそれぞれ円筒状のライナー9が含油パッド7の下面中央部を除いて設けられ、さらに含油パッド7とライナー9の外側両側面と、その下面を囲み、これらを保持する含油パッド保持治具10が設けられている。
【0012】
図4は塗油機構12を説明する側面図であり、図5は含油パッドの揺動機構を説明する塗油機構12の正面図で、図5(a)は加工品の塗油されるべき部分2の一部が含油パッド7に接触した状態、図5(b)は塗油されるべき部分2の全面が含油パッド7に接触した状態を示す。
【0013】
ライナー9の上面の円筒形状は加工品1の塗油されるべき部分2と同じ曲率を有するように加工する。ライナー9の下面の円筒形状は緩やかな曲率を設定しており、この曲率により含油パッド保持治具10の中でライナー9と含油パッド7は揺動自由に支持される。さらに、含油パッド7上にパンチプレート11が載置されている。
【0014】
塗油機構12の下部には搬送装置13が設置され、その搬送経路上に格納式の位置決め・停止機構14とその上に加工品位置検出器15を設け、またその搬送経路下部に加工品の昇降機構16を備える。
【0015】
以上のように構成した本発明の塗油装置3の作用を以下に説明する。油タンク4にはあらかじめ切削油を満たし、電磁弁6を所要回数作動させて油配管5、給油ノズル8を経て油を含油パッド7上に積層したパンチプレート11上に滴下することによって含油パッド7は適切な量の切削油を蓄える。
【0016】
搬送装置13で加工品1を搬送し、撒送経路上に上昇した位置決め・停止機構14に加工品1が当接すると、加工品位置検出器15が加工品1を検出し、信号を発する。この信号により、昇降機構16が駆動され、加工品1を搬送機構13から塗油機構12に向かって上昇させる。加工品1の塗油されるべき部分2は含油パッド保持治具10およびライナー9の下面中央に設けられた開口部を通って含油パッド7下面に接触すべく上昇する。
【0017】
含油パッド7の下面はライナー9の上面の円筒形状に沿うように、加工品1の塗油されるべき部分2に対応する曲率が成形されているが、相互の曲率の差異とは別に、切削前の加工品1には許容範囲内の変形があり、これは塗油されるべき部分2の上面と含油パッド7の下面の相対的姿勢に影響を与え、これらの面は平行にならない場合がある。
【0018】
このような場合、図5の(a)に示すように塗油されるべき部分2の一部が先に含油パッド7の対向する部分に接触する。このパッドの接触部は圧搾され、余剰の切削油を生じるが、これは圧搾されていない含油パッド7の他の部分に吸収されて、加工品1や搬送装置13上への油の滴下が防がれる。加工品1はさらに昇降機構16の作動により上昇を続け、加工品1の含油パッド7に接触した塗油されるべき部分2は、含油パッド7とライナー9、含油パッド上のパンチプレート11を一体として揺動させ、最終的には塗油されるべき部分2と含油パッド7下面の姿勢が一致して双方は向かい合う面全面で接触し、含油パッド7に含まれる切削油は加工品1の塗油されるべき部分(塗油面)2の上面全面に塗布される。この塗油作用時には加工品1と含油パッド7の位置関係、姿勢の関係を問わず、始終含油パッド7が適度な圧力で加工品1に押付けられるよう、含油パッド7上に載置されたパンチプレート11の重量が調整されている。
【0019】
図6は揺動機構をさらに詳細に説明するために含油パッドとライナーを拡大して示す概略斜視図である。含油パッド7の下面7aは加工品1の塗油面2の湾曲面とほぼ同一の曲率で形成されており、一方ライナー9の下面は逆向きに(すなわち、下方に突出するように)加工品1の塗油面2の湾曲面とほぼ同一の曲率で形成されている。加工品1が塗油のために2つのライナー9の間を上昇されるとき、搬送装置13がコロコンベアであるため、加工品1の一方の端部が先に上昇して含油パッドの一方の端部に先に接触して更に上昇することがある。この場合、ライナー9の下面9aが下方に突出するように湾曲しているので、含油パッド7、ライナー9等は揺動することになり、この結果、含油パッド7の下面と加工品1の塗油面全体がほぼ均一の荷重で接触することになる。
【0020】
切削油の塗布が完了した加工品1は昇降機構16の作動により搬送機構13上に降下する。これに先立ち、位置決め・停止機構14は搬送機構13下に降下、格納されており、搬送機構13上に降下した加工品1は位置決め・停止機構14の上方を通過して次工程である切削工程に搬出される。
【0021】
含油パッド7は厚手のものを選ぶことでその体積当たりに保持できる油の量の範囲を広く取ることが出来、圧搾を受けたときに排出する油量を少なくできる。また硬い含油パッドは容易に圧縮されず、圧搾によって蓄積した油を滴下、排出することが少ない点では優れているが、概して柔軟性に欠け加工品の塗油される部分2の形状のばらつきに適合しづらいといった短所がある。含油パッドの硬度は加工品の塗油される部分2の上面の面積と、重りとなるパンチプレート11および含油パッド7の重量によって決まる相互の接触圧力との関係で選択した。
【0022】
以上に説明した塗油機構の発明により加工品の塗油されるべき部分と含油パッドの形状の差異とそのばらつき、及び塗油されるべき部分と含油パッド下面の姿勢の差異とそのばらつきが生じて、最初は加工品の塗油されるべき部分が含油パッドに不均−に接触したとしても、これは徐々に均一化され、余剰の油は最小限となるので加工品に過剰に付着する、もしくは下方に落下するといった不具合が無くなった。
【0023】
一方、使用状況により変動する油の消費量に対し、油タンク4からの油の供給量の制御は電磁弁6による簡素な機構を採用しており、需給量を長期間に渡って正確にバランスさせることは困難であり、加工品1への油の供給不足を避ける為、供給量が消費量を僅かに上回るように設定する。これによって含油パッド7は時間と共に過剰な油を排出することとなる。含油パッドから染み出したこの余剰の油は、図4に示す塗油機構の構成により、含油パッド7の下面からライナー9をつたい含油パッド保持治具10に伝わり、該保持治具最下部である油分滴下位置17からその下方に設置された油受け18に滴下して回収され、再利用される。
【0024】
したがって、過剰の油は加工品1の塗油されるべき部分2以外の部分や搬送装置13などに滴下・付着して装置の作動不良や環境悪化、油の浪費を招くことが無い。
【0025】
なお、上記実施例では加工品の塗油されるべき部分が円筒状であり、これに合わせてライナー上面をも円筒状に加工したが、本発明はこの形状に限らず多様な形状の加工品に適用できるものである。また塗布液として切削油を用いているが、水溶性の液体や防錆油、着色塗料など多様な液体に適用できる。さらに含油パッドを加工品の塗油されるべき部分の姿勢に応じて揺動させる機構の一例として円筒状の下面を有するライナーを用いたが、これに代わり含油パッドを一つの軸の周りに回動させる機構あるいは多間接リンクで含油パッドを揺動自在に懸架するなど本発明の趣旨、技術思想を逸脱しない範囲で種々の機構が採用され、実施例の機構に限定されるものではない。
【0026】
本発明の明細書で用いた加工品とは、本発明の自動塗液装置による塗液後にさらに加工がなされるものだけでなく、該塗液前に既に他の加工を終えたものをも含む。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、簡素な機構で所要の液を所要の個所に自動的に供給でき、塗布すべき液の不足はもとより、過剰な液が不要な場所に落下、付着することがないので、以降の工程の円滑な操業が図れるだけでなく、操業環境を良好に維持し、液の浪費をなくすといった多くの効果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の自動塗油装置の正面図である。
【図2】図2は本発明の塗油対象とした切削加工品を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の自動塗油装置の側面図である。
【図4】図4は塗油機構の詳細を示す正面図である。
【図5】図5は含油パッド7の揺動機構の作用を説明する塗油機構の側面図であって(a)は加工品の塗油されるべき部分2の一部が含油パッドに接触した状態を示す図であり、(b)は塗油されるべき部分の全面が含油パッド7に接触した状態を示す図である。
【図6】図6は揺動機構をさらに詳細に説明するために含油パッドとライナーを拡大して示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 加工品
2 塗油されるべき部分
3 塗油装置
4 油タンク
5 油配管
6 電磁弁
7 含油パッド
8 給油ノズル
9 ライナー
10 含油パッド保持治具
11 パンチプレート
12 塗油機構
13 搬送装置
14 位置決め・停止機構
15 加工品位置検出器
16 昇降機構
17 油分滴下位置
18 油受け
Claims (2)
- 含液パッドに液体を供給する機構と、加工品と該含液パッドを接触させる機構と、該含液パッドを該加工品の液体塗布面にその姿勢を合致させて該液体塗布面全面に渡って該含液パッドと該液体塗布面の均−な接触状態をつくり出すために該含液パッドを揺動自在に支持する機構とを有する自動液体塗布装置。
- 請求項1記載の装置において、該含液パッドヘの該液体供給量が消費量を上回り、該液体が該含液パッドの含液許容量を上回り、該加工品や該自動液体塗布装置やその他の装置などに付着してスリップなどの機能不良や環境劣化を起こさないために該含液パッドの下方に位置し、該含液パッドと該加工品が接触する際、液の降下に従ってその接触部分よりも低い位置でかつ含液パッドに接離する加工品との干渉を避けるため、その接触部分から離れた位置に該含液パッドからしみ出た液を導き、下方に滴下させる液滴下部分を備え、−定の量の液を一時収容するために、該液滴下部分の下方に液受け部分を備えたことを特徴とする自動液体塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260959A JP2004098192A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 自動液体塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004098192A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100948661B1 (ko) * | 2008-04-14 | 2010-03-18 | 전주대학교 산학협력단 | 차량용 필터 캡의 접착제 도포장치 |
CN103331230A (zh) * | 2013-07-19 | 2013-10-02 | 安徽建鑫新型墙材科技有限公司 | 用于加气砌块生产的侧板自动刷油装置 |
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-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002260959A patent/JP2004098192A/ja active Pending
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