JP2004093954A - 反射型投射表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の色分解及び色合成用光学ブロックの熱膨張の影響を軽減する。
【解決手段】白色光を出射する光源部10と、白色光を複数の色光に色分解し且つ複数の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bからの各色光を色合成するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロック31〜34を少なくとも備えた色分解及び色合成光学系30Bと、色合成光を投射する投射光学系40とで構成した反射型投射表示装置1Bにおいて、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとなる第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34を接着剤S,Sを用いて第1,第2取り付け部材51,52に一体的に接着し、第1取り付け部材51側を装置1B内のベース台に固定する際に、第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定した。
【選択図】 図4
【解決手段】白色光を出射する光源部10と、白色光を複数の色光に色分解し且つ複数の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bからの各色光を色合成するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロック31〜34を少なくとも備えた色分解及び色合成光学系30Bと、色合成光を投射する投射光学系40とで構成した反射型投射表示装置1Bにおいて、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとなる第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34を接着剤S,Sを用いて第1,第2取り付け部材51,52に一体的に接着し、第1取り付け部材51側を装置1B内のベース台に固定する際に、第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定した。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備え、且つ、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、取り付け部材の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定することで、色分解及び色合成光学系の熱膨張に起因して発生する色分解及び色合成用光学ブロックの剥離とか画像のレジズレなどを抑制できる反射型投射表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を投射する投射表示装置は、光源部から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光を対応色の空間光変調素子に導き、更に、各色の空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成してスクリーン上に投射し、カラー画像を表示させるものである。
【0003】
上記したようにカラー画像を投射する投射表示装置は、透過型空間光変調素子を適用したものと、反射型空間光変調素子を適用したものとに大別できる。
【0004】
透過型空間光変調素子を用いた透過型投射表示装置は、光学構成が比較的簡単にできるために小型化が容易であるものの高解像度化に難がある。一方、反射型空間光変調素子を用いた反射型投射表示装置は、高解像度化に有利であるものの光学構成が複雑となるために小型化に難がある。
【0005】
とくに、反射型投射表示装置は、反射型空間光変調素子に照射するための入射光と当該反射型空間光変調素子で変調された反射光とを分離するために、色分解及び色合成光学系内に光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを必要とする。この際、高コントラストのカラー画像を得るためには一つの反射型空間光変調素子に対して、通常2個以上の色分解及び色合成用光学ブロックを作用させるために、これが反射型投射表示装置の光学構成を複雑にしていた。
【0006】
このような反射型空間光変調素子を用いた反射型投射表示装置において、光学構成の課題を解決した色分解及び色合成光学系が、最近、米国のカラーリンク社(Colorlink inc.)から開示されている。
【0007】
図1はカラーリンク社から開示された従来例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【0008】
図1に示した従来例の反射型投射表示装置1Aは、カラーリンク社から文献{(Michael G.Robinson et.”High Contrast Color Splitting Architecture Using Color Polaraization Filters”,SID 00 DIGEST ,92−95(2000) }に紹介されているものである。
【0009】
上記した従来例の反射型投射表示装置1Aでは、白色光を出射する光源部10と、この光源部10から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光をR,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子20R,20G,20Bに導き、更に、各色の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bで映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして例えば複数の偏光ビームスプリッタ31〜34及び所定の色光の偏波面を90°回転させる複数の波長選択性偏光変換板35〜38をそれぞれ所定の位置に配置した色分解及び色合成光学系30Aと、この色分解及び色合成光学系30Aから出射された色合成光を投射する投射光学系40とで構成されている。
【0010】
より具体的に説明すると、上記した光源部10は、反射面鏡11と、白色光を出射するためにメタルハライドランプ,キセノンランプ,ハロゲンランプなどを用いた光源12と、光源12の前方に設けられて白色光のs偏光光のみを透過させるように透過軸を選択した第1偏光板13とで構成されている。
【0011】
従って、光源12からの白色光が第1偏光板13を通過すると、R,G,Bにそれぞれ対応した3色のRs光,Gs光,Bs光が、光源部10と投射光学系40との間に設けた色分解及び色合成光学系30Aに入射される。
【0012】
尚、以下の説明において、3色のRs光,Gs光,Bs光はR,G,Bにそれぞれ対応したs偏光光を示し、一方、後述する3色のRp光,Gp光,Bp光はR,G,Bにそれぞれ対応したp偏光光を示すものとする。この際、p偏光光及びs偏光光は、直線偏光の偏波面と、それが入射する偏光ビームスプリッタの偏光分離面との相対関係で決まり、紙面に平行である場合にはp偏光光と言い、このp偏光光に対して直交する光をs偏光光と言う。
【0013】
また、R,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子20R,20G,20Bは反射型液晶パネルなどを用いており、3つの反射型空間光変調素子(以下、反射型液晶パネルと記す)20R,20G,20Bの各前面に1/4波長板21〜23が一体的に取付けられている。この際、上記した各1/4波長板21〜23は、各反射型液晶パネル20R,20G,20Bに表示された各色の画像のコントラスト比を向上させるものである。
【0014】
また、図1中に破線で囲んだ色分解及び色合成光学系30Aは、略同一外形寸法で直方体状(立方体状も含む)に形成された4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34と、板状に形成された4枚の第1〜第4波長選択性偏光変換板35〜38とで構成されている。
【0015】
即ち、上記した色分解及び色合成光学系30A内には、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が光源部10と投射光学系40との間で左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0016】
これら4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34それぞれは、複屈折が少ない光学ガラスを用いて形成した二等辺三角プリズムを2つ用いて接合して直方体状に形成する際に、2つの二等辺三角プリズムのうちで一方の二等辺三角三角プリズムの一つの面にp偏光光を透過し且つs偏光光を反射する半透過反射膜を成膜して、この半透過反射膜上に光透過性接着剤を用いて他方の二等辺三角プリズムを接着することで、各半透過反射膜により各偏光分離面31a〜34aが各対角線に沿って形成されている。
【0017】
そして、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34に形成した各偏光分離面31a〜34aが平面的に見て略X字状に交差するように第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0018】
また、図示右下方の第2偏光ビームスプリッタ32の右側面側には1/4波長板22を取り付けたG用の反射型液晶パネル20Gが対向して設置され、且つ、図示左上方の第3偏光ビームスプリッタ33の上側面側には1/4波長板21を取り付けたR用の反射型液晶パネル20Rが対向して設置され、且つ、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面側には1/4波長板23を取り付けたB用の反射型液晶パネル20Bが対向して設置されている。
【0019】
従って、上記の色分解及び色合成光学系30Aにおいては、第1偏光ビームスプリッタ31が光入射側の部材となり、また、その対角に位置する第4偏光ビームスプリッタ34が光出射側の部材となる。また、その中間位置に配置された第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は、各反射型液晶パネル20R,20G,20Bに照射する入射光と各反射型液晶パネル20R,20G,20Bで変調された反射光とを分離するための部材となる。
【0020】
また更に、光源部10と第1偏光ビームスプリッタ31の左側面側との間には、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35が設置されている。また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側と第3偏光ビームスプリッタ33の下側面側との間には、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36が設置されている。また、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側と第4偏光ビームスプリッタ34の左側面側との間にも、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37が設置されている。また、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面側と投射光学系40との間にも、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38が設置されている。
【0021】
また、上記した投射光学系40は、色分解及び色合成光学系30A内に設置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38の後段に設けられており、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aに対してp偏光の関係を有する直線偏光のみを透過させるように透過軸を選択した第2偏光板41と、カラーの画像光を拡大投射する投射レンズ42とで構成されている。
【0022】
ここで、上記構成による従来例の反射型投射表示装置1Aの動作を説明する。
【0023】
まず、光源部10内の光源12から出射した不定偏光の白色光は第1偏光板13に入射し、この第1偏光板13でs偏光光のみが透過して、R,G,Bにそれぞれ対応したs偏光光のRs光,Gs光,Bs光が色分解及び色合成光学系30A内の第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35に入射する。
【0024】
この際、第1波長選択性偏光変換板35は前述したようにG光のみの偏波面を90°回転させるG用位相板であるため、s偏光光のGs光が第1波長選択性偏光変換板35を透過するとp偏光光のGp光に偏光変換される。また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35はs偏光光のRs光及びBs光に対して何ら作用しないため、Rs光及びBs光はそのまま第1波長選択性偏光変換板35を透過する。
【0025】
そして、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35により偏光変換されたGp光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aを透過直進して第2偏光ビームスプリッタ32に入り、この後、第2偏光ビームスプリッタ32の偏光分離面32aを透過直進して、第2偏光ビームスプリッタ32の右側面と対向した1/4波長板22を有するG用の反射型液晶パネル20Gに入射する。更に、第2偏光ビームスプリッタ32からのGp光は、G用の反射型液晶パネル20GでG対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したs偏光成分のGs光となって反射型液晶パネル20Gから出射される。この後、反射型液晶パネル20GからのGs光は、第2,第4偏光ビームスプリッタ32,34の偏光分離面32a,34aで順に反射され、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38に入射する。ここで、第4波長選択性偏光変換板38は前述したようにG光に係る偏波面を90°回転させる機能を有するG用位相板であるので、s偏光光のGs光は第4波長選択性偏光変換板38によってp偏光光のGp光に偏光変換されて、投射光学系40側に出射される。
【0026】
また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を透過したs偏光光のRs光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aで反射されて第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に設置した第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36に入射する。ここで、第2波長選択性偏光変換板36はR光の偏波面を90°回転させるR用位相板であるため、s偏光光のRs光からp偏光光のRp光に偏光変換されて、図示上方の第3偏光ビームスプリッタ33に入射する。この後、Rp光は第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aを直進透過して、第3偏光ビームスプリッタ33の上側面と対向した1/4波長板21を有するR用の反射型液晶パネル20Rに入射する。更に、第3偏光ビームスプリッタ33からのRp光は、R用の反射型液晶パネル20RでR対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したs偏光成分のRs光となって反射型液晶パネル20Rから出射される。この後、反射型液晶パネル20RからのRs光は、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aで反射されて、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に設置した第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37に入射する。ここで、第3波長選択性偏光変換板37は前述したようにR用位相板であるため、s偏光光のRs光からp偏光光のRp光に偏光変換されて第4偏光ビームスプリッタ34に入射する。更に、Rp光は、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aを透過直進して、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38に入射する。ここで、第4の波長選択性偏光変換板38は前述したようにG用位相板であるためRp光に対して何ら作用せず、Rp光はそのまま投射光学系40側に出射される。
【0027】
また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を透過したs偏光光のBs光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aで反射されて第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に設置した第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36に入射する。ここで、第2波長選択性偏光変換36は前述したようにR用位相板であるためBs光に対して何ら作用せず、Bs光はそのまま第3偏光ビームスプリッタ33に入射する。更に、Bs光は第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33で反射されて、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面と対向した1/4波長板23を有するB用の反射型液晶パネル20Bに入射する。更に、第3偏光ビームスプリッタ33からのBs光は、B用の反射型液晶パネル20BでB対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したp偏光成分のBp光となって反射型液晶パネル20Bから出射される。この後、反射型液晶パネル20BからのBp光は、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aを透過直進して、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に配置した第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37に入射する。ここで、第3波長選択性偏光変換板37は前述したようにR用位相板であるためBp光に対して何ら作用せず、Bp光はそのまま第4偏光ビームスプリッタ34に入射する。更に、Bp光は、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aを透過直進して、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(R用位相板)38に入射する。ここで、第4波長選択性偏光変換板38は前述したようにG用位相板であるためBp光に対して何ら作用せず、Bp光はそのまま投射光学系40側に出射される。
【0028】
そして、第4波長選択性偏光変換板38からRp光,Gp光,Bp光が偏波面をp偏光光に揃えられて出射され、この後、Rp光,Gp光,Bp光を色合成した色合成光が投射光学系40内の第2偏光板41と投射レンズ42とを順に介して図示せぬスクリーン上にカラー画像として拡大表示されている。
【0029】
以上説明したように、従来例の反射型投射表示装置1Aによれば、比較的簡易な光学構成とすることができ、図示せぬスクリーン上に高コントラストなカラー画像が得られるものである。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来例の反射型投射表示装置1Aでは図示せぬスクリーン上に高コントラストなカラー画像が得られるものの、色分解及び色合成光学系30Aを反射型投射表示装置1A内に取り付ける際に、装置1A内の環境温度とか、装置1Aの周辺の環境温度などを十分考慮する必要がある。
【0031】
とくに、反射型投射表示装置1A内では白色光を出射する光源部10の近傍が高温になるために、光源部10と対向して配置された色分解及び色合成光学系30Aは光源部10からの熱により複数の偏光ビームスプリッタ31〜34や複数の波長選択性偏光変換板35〜38が加熱されると共に、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34を装置1A内に一体的に取り付ける取り付け部材(図示せず)も加熱される。
【0032】
この際、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34と、これら複数の偏光ビームスプリッタ31〜34を取り付ける取り付け部材とは互いに材料が異なるために、両者の熱膨張係数に差が生じ、これに伴って、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34のいずれかが位置ずれとか取り付け不良を起こしてスクリーン上に投射されたカラー画像に対してレジズレが発生したり、更に、ひどい時には複数の偏光ビームスプリッタ31〜34のいずれかが剥離するとかあるいは割れるなどの現象が生じることがあり問題となっている。
【0033】
勿論、反射型投射表示装置1Aの内部温度だけでなく、装置1Aの周辺の環境温度が高くなれば上記した問題点が更に加速される。
【0034】
尚、ここでの図示を省略するものの、従来の反射型投射表示装置の色分解及び色合成光学系において、光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを用いて白色光を複数の色光に色分解し且つ複数の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bからの各色光を色合成する際に、例えば特開平10−253922号公報には複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと2個のダイクロイックプリズムを用いた場合が開示されており、また、例えばUS6,183,091B1号公報には複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと1個のダイクロイックプリズムと1個の光学ガラスブロックとを用いた場合が開示されており、これらの各公報に開示された色分解及び色合成光学系を装置に取り付ける場合にも上記した従来例と同様に複数の色分解及び色合成用光学ブロックと、これら複数の色分解及び色合成用光学ブロックを取り付ける取り付け部材とは互いに材料が異なるために、両者の熱膨張係数に差が生じ、上記と略同じ問題が生じるものである。
【0035】
そこで、本発明では、色分解及び色合成光学系内で光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を反射型投射表示装置に取り付ける際に、色分解及び色合成光学系を構成する複数の色分解及び色合成用光学ブロックの熱膨張の影響を軽減して、投射したカラー画像に対してレジズレの発生を抑制できる反射型投射表示装置が望まれている。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記取り付け部材の熱膨張係数を前記光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定したことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0037】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付けたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0038】
また、第3の発明は、上記した第2の発明の反射型投射表示装置において、
一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0039】
更に、第4の発明は、白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る反射型投射表示装置を図2乃至図16を参照して<第1実施例>,<第2実施例>の順に詳細に説明する。
【0041】
<第1実施例>
図2は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図、
図3は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に設けた波長選択性偏光変換板を説明するための斜視図であり、(a)は2枚の光学板ガラス基板間にポリカーボネイトラミネイト体をサンドイッチした形態を示し、(b)はポリカーボネイトラミネイト体だけの形態を示した図、図4は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図、
図5は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、2つの二等辺三角プリズムを接着して偏光ビームスプリッタを作製した際に2つの二等辺三角プリズムの奥行き方向の位置ズレを示した斜視図、
図6は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、偏光ビームスプリッタ中の2つの二等辺三角プリズムが奥行き方向に位置ズレた状態で偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した断面図、
図7は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図、
図8は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【0042】
図2に示した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bは、先に図1を用いて説明した従来例の反射型投射表示装置1Aに対して色分解及び色合成光学系の装置への取り付けを改良したものであり、説明の便宜上、先に従来例で示した構成部材と同一機能を備えた構成部材に対しては同一の符号を付して適宜説明し、且つ、従来例と異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0043】
図2に示した如く、本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bでは、白色光を出射する光源部10と、この光源部10から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光をR,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子(以下、反射型液晶パネルと記す)20R,20G,20Bに導き、更に、各色の反射型液晶パネル20R,20G,20Bで映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして例えば複数の偏光ビームスプリッタ31〜34及び所定の色光の偏波面を90°回転させる複数の波長選択性偏光変換板35〜38をそれぞれ所定の位置に配置した色分解及び色合成光学系30Bと、この色分解及び色合成光学系30Bから出射された色合成光を投射する投射光学系40とで構成されており、反射面鏡11,光源12,第1偏光板13を備えた光源部10及び第2偏光板41,投射レンズ42を備えた投射光学系40は図1に示した従来例と全く同じであるので詳細な説明を省略する。
【0044】
また、上記した色分解及び色合成光学系30Bも光源部10と投射光学系40との間に設けられており、この色分解及び色合成光学系30Bでは、図2中に破線で囲んだ枠内に、直方体状(立方体状を含む)に形成した4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34と、板状に形成した4枚の第1〜第4波長選択性偏光変換板35〜38と、新たに追加した直方体状の1個の光学ガラススペーサ39とが設けられている。
【0045】
また、上記した色分解及び色合成光学系30Bにおいて、光源部10と対向して第1偏光ビームスプリッタ31が配置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の右側面側に第2偏光ビームスプリッタ32が配置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に第3偏光ビームスプリッタ33が配置され、また、第2偏光ビームスプリッタ32の上側面側で且つ第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に第4偏光ビームスプリッタ34が投射光学系40と対向して配置されている点は図1に示した従来例と同じである。
【0046】
また更に、光源部10と第1偏光ビームスプリッタ31の左側面側との間に、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35が設置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側と第3偏光ビームスプリッタ33の下側面側との間に、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36が設置され、また、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側と第4偏光ビームスプリッタ34の左側面側との間にも、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37が設置され、また、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面側と投射光学系40との間にも、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38が設置されている点も図1に示した従来例と同じである。
【0047】
ここで、上記した色分解及び色合成光学系30Bにおいて、図1に示した従来例に対して異なる点を説明すると、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34それぞれは、熱膨張係数が(8.1〜8.4)×10−6/°Cの光学ガラスを用いた2つの二等辺三角プリズム同士を接合して直方体状に作製している。この際、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34は、2つの二等辺三角プリズムのうちで一方の二等辺三角三角プリズムの一つの面にp偏光光を透過し且つs偏光光を反射する半透過反射膜を成膜して、この半透過反射膜上に光透過性接着剤を用いて他方の二等辺三角プリズムを接着することで、各半透過反射膜により各偏光分離面31a〜34aが各対角線に沿って形成されている。
【0048】
そして、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34に形成した各偏光分離面31a〜34aが平面的に見て略X字状に交差するように第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0049】
また、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで光入射側の第1偏光ビームスプリッタ31及び光出射側の第4偏光ビームスプリッタ34は従来例と同じサイズで大型に形成されており、具体的には2つの二等辺三角プリズム同士を突き合わせて縦×横×奥行き=27mm×27mm×34mmで直方体状に形成されている。一方、G用の反射型液晶パネル20Gが対向する第2偏光ビームスプリッタ32及びR用,B用の反射型液晶パネル20R,20Bが対向する第3偏光ビームスプリッタ33は第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34よりも小型サイズに形成されており、具体的には2つの二等辺三角プリズム同士を突き合わせて縦×横×奥行き=22mm×22mm×28mmで直方体状に形成されている。
【0050】
上記に伴って、第2偏光ビームスプリッタ32の右側面に対向させて配置したG用の反射型液晶パネル20Gと、第3偏光ビームスプリッタ33の上側面に対向させて配置したR用の反射型液晶パネル20Rと、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面に対向させて配置したB用の反射型液晶パネル20Bとが点線で示した色分解及び色合成光学系30Bの枠外に大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の外形枠の延長線上に沿ってスペース効率良く設置できるので、図1に示した従来例よりも反射型投射表示装置1Bが小型化されている。
【0051】
また、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1偏光ビームスプリッタ31は、光源部10からの光入射側となる左側面に第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を僅かな空隙を隔てて光透過性接着剤Sにより接着し且つ光出射側となる上側面に第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36を僅かな空隙を隔て光透過性接着剤Sにより接着した状態で、他の第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34から分離して、図4にも示したように独立した状態で設けられている。
【0052】
これに対して、第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34は一体化されており、具体的には、第2偏光ビームスプリッタ32と第4偏光ビームスプリッタ34との間に光学ガラススペーサ39を密着させて、第4偏光ビームスプリッタ34に対して第2偏光ビームスプリッタ32を光学ガラススペーサ39を介して不図示の光透過性接着剤により接着して片持ち状態で支持し、且つ、第3偏光ビームスプリッタ33と第4偏光ビームスプリッタ34との間に第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37を密着させて、第4偏光ビームスプリッタ34に対して第3偏光ビームスプリッタ33を第3波長選択性偏光変換板37を介して不図示の光透過性接着剤により接着して片持ち状態で支持し、更に、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面に第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38を密着させて不図示の光透過性接着剤により接着して、図4にも示したように第2〜第4偏光ビームスプリッタ34の一体化を図ることで、カラー画像のレジズレ等に対して安定化を図っている。
【0053】
この際、小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ32の上側面は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の下側面に対して両者の中心位置が一致するように光学ガラススペーサ39を介して接着され、また、小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ32の右側面は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の左側面に対して両者の中心位置が一致するように第3波長選択性偏光変換板37を介して接着されているので、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の接着面の内側で上下左右にそれぞれ段差を持って取り付けられている。
【0054】
ここで、上記した第1,第3,第4波長選択性偏光変換板35,37,38は、図3(a)に示したように、透明なポリカーボネイトなどの有機フィルムを10層程度に亘ってそれぞれ位相を違えてラミネイト(積層)して、厚みが1mm程度のポリカーボネイトラミネイト体PLを第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34の外形形状にそれぞれ合わせて板状に形成し、更に、ポリカーボネイトラミネイト体PLの前後面に厚みが0.5mm程度の光学板ガラス基板G,Gを密着させて不図示の光透過性接着剤により接着することで、2枚の光学板ガラス基板G,G間にポリカーボネイトラミネイト体PLをサンドイッチした一例の構造形態を取っている。
【0055】
この際、ポリカーボネイトラミネイト体PLに用いた有機フィルムの積層状態に応じてR光の偏波面又はG光の偏波面を90°回転させる機能が得られる。また、第1,第3,第4波長選択性偏光変換板35,37,38を第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34にそれぞれ接着する際に、ポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張係数が第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34に対して異なることから、ポリカーボネイトラミネイト体PLの前後面に光学板ガラス基板G,Gを接着することで、2枚の光学板ガラス基板G,Gがポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張に対する緩衝材となっている。尚、ポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張係数は67×10−6/°C程度であり、また、光透過性接着剤の熱膨張係数は300×10−6/°C程度であるので、両者の熱膨張係数は前記した第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の熱膨張係数(8.1〜8.4)×10−6/°Cよりも格段に大きな値となっている。
【0056】
一方、上記した第2波長選択性偏光変換板36は、図3(b)に示したように、ポリカーボネイトラミネイト体PLだけで形成されているものであり、この場合にはポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張を吸収し易い単品構造を取っている。即ち、ポリカーボネイトラミネイト体PLだけの場合には、前後面に光学板ガラス基板G,Gを接着していないために、熱応力が発生した場合でもポリカーボネイトラミネイト体PL自体が自由に伸縮するので、ポリカーボネイトラミネイト体PLの中心部と周辺部とで熱応力差が少なくなり、上記した2枚の光学板ガラス基板G,G間にポリカーボネイトラミネイト体PLをサンドイッチした構造形態よりも熱膨張を吸収し易くなっている。
【0057】
そして、第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34を一体化して、第1偏光ビームスプリッタ31から分離することで、第1偏光ビームスプリッタ31側に接着した第1,第2波長選択性偏光変換板35,36に性能不良が万一生じた場合には、第1偏光ビームスプリッタ31側のみを部品交換することができるので、高価な光学ガラスによる二等辺三角プリズムなどを用いて一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34に何らの支障もなく、サービスコストが安価となると共に、第1偏光ビームスプリッタ31側だけでも光学特性を予め測定することができる。
【0058】
更に、図4に示したように、独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、本発明の要部となる第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着することで、色分解及び色合成光学系30Bを第1,第2取り付け部材51,52に一体的に接着した状態で、第1取り付け部材51側を反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に固定することができる。この際、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34より一段引っ込んで第4偏光ビームスプリッタ34に片持ち状態で接合しているために、第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33を第1,第2取り付け部材51,52に接着していない。
【0059】
また、大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31は、前述したように、2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を接合して接合部位に偏光分離面31aを形成し、同様に、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34も2つの二等辺三角プリズム34A,34B同士を接合して接合部位に偏光分離面34aを形成しているものであるが、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34を第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着する場合に、第1偏光ビームスプリッタ31の2つの二等辺辺三角プリズム31A,31Bの組みと、第4偏光ビームスプリッタ34の2つの二等辺三角プリズム34A,34Bの組みは、各組みごとにいずれか一方の二等辺三角プリズムのみを接着しており、且つ、接着側となる二等辺三角プリズムの奥行き方向の互いに対向する端面を第1,第2取り付け部材51,52で両側から挟み込んで接着している。
【0060】
上記のように、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34の各2つの二等辺三角プリズム(31A,31B),(34A,34B)の組みうちで各組みごとにいずれか一方の二等辺三角プリズムのみを接着する理由について図5及び図6を用いて以下説明する。
【0061】
図5に示したように、例えば第1偏光ビームスプリッタ31を作製するにあたって、2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を偏光分離面31aを介して接合した時に、両プリズム31A,31B間で奥行き方向に僅かなズレ量δが発生する場合があり、この場合、奥行き方向の図示下側の端面31A−1と端面31B−1との間及び奥行き方向の図示上側の端面31A−2と端面31B−2との間にズレ量δに相当する段差が生じるために、奥行き方向に位置ズレした2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を第1,第2取り付け部材51,52に良好に接着することができない場合が起きる。勿論、第4偏光ビームスプリッタ34を作製する際にも上記と同じ現象が発生する場合もある。
【0062】
そこで、図6に示したように、第1,第2取り付け部材51,52に例えば第1偏光ビームスプリッタ31を接着する際に、第1,第2取り付け部材51,52は、接着側の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1,31A−2と対向した接着面51a,52aをそれぞれ平坦に形成して二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1,31A−2を光透過性接着剤S,Sを用いて接着すると共に、非接着側の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1,31B−2と対向して接着面51a,52aより一段引っ込んだ段差面51b,52bを形成して二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1,31B−2を段差面51b,52bから浮かしている。
【0063】
尚、例えば第1偏光ビームスプリッタ31の作製時に、二等辺三角プリズム31Aと二等辺三角プリズム31Bとの間に生じる奥行き方向のズレ量δ(図5)は一つの方向だけであるので、段差面は第1,第2取り付け部材51,52のいずれか一方の取り付け部材だけに形成しても良い。
【0064】
勿論、二等辺三角プリズム31Aと二等辺三角プリズム31Bとの間に奥行き方向のズレ量δ(図5)が全く生じることなく第1偏光ビームスプリッタ31を作製できれば、第1,第2取り付け部材51,52に段差面を形成する必要はない。
【0065】
図4に戻り、この第1実施例では、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31A側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着し、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム31B側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着することで、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の各偏光分離面31a〜34aをX字状にクロスさせた場合の対角に位置している二等辺三角プリズム31A,34Bを接着することになる。
【0066】
ここで、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34は、前述したように熱膨張係数が(8.1〜8.4)×10−6/°Cの光学ガラスを用いて作製されているので、本発明の要部となる第1,第2取り付け部材51,52も光学ガラスと略同等の熱膨張係数を有する素材を適用しており、具体的には第1,第2取り付け部材51,52として熱膨張係数が8.1×10−6/°C程度のセラミックスを適用している。
【0067】
また、図示奥側に配置した第1取り付け部材51は、平板状のセラミックスを用いて、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1を接着するための接着面51aと、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1と対向して接着面51aより一段引っ込んだ段差面51bと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Bの端面34B−1を接着するための接着面51cと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Aの端面34A−1と対向して接着面51a,51cより一段引っ込んだ段差面51dと、接着面51a,51cと段差面51b,51dとが交差する部位を逃げるための中央逃げ孔51eと、反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に取り付けるための取り付け孔51f1〜51h1をそれぞれ貫通して穿設した取り付け部51f〜51hとで形成されている。
【0068】
また、図示手前側に配置した第2取り付け部材52は、平板状のセラミックスを用いて、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−2を接着するための接着面52aと、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−2と対向して接着面52aより一段引っ込んだ段差面52bと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Bの端面34B−2を接着するための接着面52cと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Aの端面34A−2と対向して接着面52a,52cより一段引っ込んだ段差面52dと、接着面52a,52cと段差面52b,52dとが交差する部位を逃げるための中央逃げ孔52eとで形成されており、この第2取り付け部材52は反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に取り付けていない。
【0069】
そして、図4に示した状態から、色分解及び色合成光学系30B内で独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着することで、図7に示した如くになる。この際、第1,第2取り付け部材51,52に貫通して穿設した中央逃げ孔51e,52eは、接着面と段差面とがクロスした時に切削加工を容易にする逃げ孔の機能の他に、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の配置関係が正しいかを各偏光ビームスプリッタごとに印した各マーカーMを臨む孔でもある。
【0070】
この後、図8に示した如く、反射型液晶パネル20R,(20G…図示せず),20Bを板金ブラケット53〜55にそれぞれ取り付けている。
【0071】
そして、板金ブラケット53に取り付けたR用の反射型液晶パネル20Rを小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の上側面に対向させ、且つ、板金ブラケット53を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル20Rは第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離された状態である。
【0072】
また、板金ブラケット54に取り付けたG用の反射型液晶パネル(20G)を小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ(32…図示せず)の右側面に対向させ、且つ、板金ブラケット54を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル(20G)も第2偏光ビームスプリッタ(32)に対して切り離された状態である。
【0073】
更に、板金ブラケット55に取り付けたB用の反射型液晶パネル20Bを小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の左側面に対向させ、且つ、板金ブラケット55を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル20Bも第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離された状態である。
【0074】
具体的に説明すると、板金ブラケット53〜55は、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bの各画面と対応する部位に図示しない矩形孔がそれぞれ貫通して穿設されており、且つ、第1,第2取り付け部材51,52側に向かって各両側に曲げ加工が施されている。一方、第1,第2取り付け部材51,52はセラミックスを用いているために半田が付かないので、第1,第2取り付け部材51,52の表面に薄い金属板56〜58(手前側の図示)を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53〜55の各曲げ加工部位を第1,第2取り付け部材51,52上の金属板56〜58にそれぞれ半田付けすることで、色分解及び色合成光学系30Bの組み立てが完了する。尚、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53〜55を第1,第2取り付け部材51,52に接着剤を用いて直接着した場合には、薄い金属板56〜58を第1,第2取り付け部材51,52上に接着する必要がない。
【0075】
この際、第1偏光ビームスプリッタ31の左側面に固着させた波長選択性偏光変換板35側が光入射側となり、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面に固着させた波長選択性偏光変換板38側が光出射側となり、この光出射側に投射光学系40を構成する投射レンズ42がレンズ保持枠43に支持されている。上記のように構成した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bでは、とくに、色分解及び色合成光学系30Bにおいて、独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて取り付ける際に、第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数を第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の熱膨張係数と略同じ値に設定しているために、色分解及び色合成光学系30Bの熱膨張により第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34が第1,第2取り付け部材51,52から剥離することもなく、また、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34が割れることもなく、更に、熱応力による複屈折が生じたりすることを防ぐことができるので、不図示のスクリーン上に高コントラストでレジズレのないカラー画像を投射することができる。
【0076】
上記のように構成した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bの動作は、各構成部材の機能が図1に示した従来例と全く同じ動作であるので、図2中ではR,G,Bの各色光に対する光路図を示し、詳細な説明は図1に示した従来例での説明を参照されたい。
【0077】
<第2実施例>
図9は色分解及び色合成光学系を第1,第2取り付け部材に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象を説明するための平面図、
図10は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図、
図11は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図、
図12は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【0078】
図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cは、先に図2〜図8を用いて説明した第1実施例の反射型投射表示装置1Bに対して反射型液晶パネル20R,20G,20Bの色分解及び色合成光学系30Bへの取り付けを更に改良したものであり、説明の便宜上、従来例及び第1実施例で示した構成部材と同一機能を備えた構成部材に対しては同一の符号を付して適宜説明し、且つ、従来例及び第1実施例と異なる構成部材に新たな符号を付して、ここでは従来例及び第1実施例と異なる点を中心にして説明する。
【0079】
図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cを説明する前に、先に第1実施例で説明した色分解及び色合成光学系30Bを第1,第2取り付け部材51,52に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系30B内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象について図9を用いて説明する。
【0080】
図9に示した如く、先に第1実施例で説明した色分解及び色合成光学系30Bでは、例えば大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34を、これと略同じ値の熱膨脹係数を有するセラミックスを用いて形成した第1,第2取り付け部材51,52に接着し、且つ、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に第3波長選択性偏光変換板37を介して小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33を片持ち状態で支持させし、更に、小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の上側面及び左側面に反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bを対向させて、反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bを第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離して設置した場合に、色分解及び色合成光学系30Bの近傍の温度上昇が大きい場合に色分解及び色合成光学系30内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす場合がある。
【0081】
即ち、前述したように、第3,第4偏光ビームスプリッタ33,34の熱膨張係数(8.1〜8.4)×10−6/°C及びこれと略同等の第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数に対して、第3波長選択性偏光変換板37内のポリカーボネイトラミネイト体PL{図3(a)}の熱膨張係数は67×10−6/°C程度であり、また、第3波長選択性偏光変換板37を第3,第4偏光ビームスプリッタ33,34に接着するための不図示の光透過性接着剤の熱膨張係数は300×10−6/°C程度であるので、第3波長選択性偏光変換板37及び不図示の光透過性接着剤の熱膨張により第3偏光ビームスプリッタ33全体が矢印X方向に変位して偏光分離面33aにズレ量γが発生する。これに伴って、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aで反射されるRs光及びBs光が位置ズレを起こすので、第3偏光ビームスプリッタ33から切り離された反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bに対して画素ズレが発生することになる。
【0082】
そこで、図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cでは、第1実施例の技術的思想を適用しながら、更に、反射型液晶パネル20R,(20G…図示せず),20Bと対向する第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33が温度上昇に伴って位置ズレを起こしても画素ズレを発生させないように第1実施例に対して更に改良を図っている。
【0083】
より具体的に説明すると、図10に示した如く、第2実施例では、色分解及び色合成光学系30B内で独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着する際に、第1取り付け部材51,52は、反射型液晶パネル(20R,20G,20B…図示せず)と対応する部位を予め切り欠いており、即ち、第1取り付け部材51に切欠部51i,51jを形成し、且つ、第2取り付け部材52に切欠部52f,52gを形成している。尚、図10中で先に第1実施例で用いた図4と同じ符番を付した部位は第1実施例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0084】
そして、第2実施例では、第1実施例と同様な方法により、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31A側のみを第1,第2取り付け部材51,52の接着面51a,52aに接着し、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34B側のみを第1,第2取り付け部材51,52の接着面51c,52cに接着することで、図11に示した如くになり、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51i,52fから第2偏光ビームスプリッタ32の奥行き方向の両端面の一部が臨め、且つ、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51j,52gから第3偏光ビームスプリッタ33の奥行き方向の両端面の一部が臨めることになる。尚、図11中で先に第1実施例で用いた図7と同じ符番を付した部位は第1実施例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0085】
この後、図12に示した如く、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51i,52fから臨んだ第2偏光ビームスプリッタ(32…図示せず)の奥行き方向の両端面に、セラックスを用いて矩形状に形成した矩形状ブロック61(手前側のみ図示)を接着剤により接着し、更に、矩形状ブロック61の表面に薄い金属板63を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル(20G…図示せず)を取り付けた板金ブラケット54の曲げ加工部位を金属板63に半田付けすることで、反射型液晶パネル(20G)が第2偏光ビームスプリッタ(32)に一体的に固着される。
【0086】
また、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51j,52gから臨んだ第3偏光ビームスプリッタ33の奥行き方向の両端面に、セラックスを用いてL字状に形成したL字状ブロック62(手前側のみ図示)を接着剤により接着し、更に、L字状ブロック62の表面に薄い金属板64,65を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル20R,20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53,55の各曲げ加工部位を金属板64,65にそれぞれ半田付けすることで、反射型液晶パネル20R,20Bが第3偏光ビームスプリッタ33に一体的に固着される。
【0087】
上記により、第2実施例の反射型投射表示装置1Cの色分解及び色合成光学系30B内では、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の下側面に光学ガラススペーサ(39)を介して小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ(32)を片持ち状態で支持し、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の左側面に第3波長選択性偏光変換板37を介して小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33を片持ち状態で支持した際に、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bを第1,第2取り付け部材51,52に固定せずに、反射型液晶パネル(20G)を第2偏光ビームスプリッタ(32)の右側面側に一体的に固定し、且つ、反射型液晶パネル20R,20Bを第3偏光ビームスプリッタ33の上側面側,左側面側に一体的に固定することで、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33が不図示の光透過性接着剤とか第3波長選択性偏光変換板37の熱膨張により位置ズレを起こしても、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bが第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33と一体に移動することにより画素ズレが発生しないので、画素ズレのない良好なカラー画像を不図示のスクリーン上に投射できる。
【0088】
次に、上記した第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例について、図13〜図16を用いて第2実施例に対して異なる部位のみ簡略に説明する。
【0089】
図13は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置の使用形態を説明するための図であり、(a)は床置き状態を示し、(b)は天吊り状態を示した図、図14は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例1を示した斜視図、
図15は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例2を示した斜視図、
図16は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例3を示した斜視図である。
【0090】
まず、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを使用するにあたって、図13(a)に示したように反射型投射表示装置1Cを床上に載置する使用形態と、図13(b)に示したように反射型投射表示装置1Cを天井に吊す使用形態とがあり、両使用形態で投射された各カラー画像は図示しないアオリ機構により図示のようにアオリをかけられてスクリーン70に投射される。この際、反射型投射表示装置1Cは、図13(a)に示した床置き状態と、図13(b)に示した天吊り状態とで装置1Cの上下が反転するために、カラー画像に対してスイッチのオン・オフ動作により電気的に上下を反転させているものの、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に対して光学ガラススペーサ(39)を介して片持ち状態で支持した第2偏光ビームスプリッタ(32)に一体的に固着させた反射型液晶パネル(20G)の重量により光学ガラススペーサ(39)が変形して第2偏光ビームスプリッタ(32)に位置ズレが発生したり、あるいは、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に対して第3波長選択性偏光変換板37を介して片持ち状態で支持した第3偏光ビームスプリッタ(33)に一体的に固着させた反射型液晶パネル(20R,20B)の重量により第3波長選択性偏光変換板37が変形して第3偏光ビームスプリッタ(33)に位置ズレが発生し、この状態でレジズレを調整しても、装置1Cの使用形態によって装置1Cの上下を反転させるとレジズレが生じてしまう。即ち、第2,第3偏光ビームスプリッタ(32,33)は、図13(a),(b)に示した使用態様に応じた上下反転に伴って重力よる影響が発生し易くなる。
【0091】
そこで、図14に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1の反射型投射表示装置1Dでは、第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33側と、図示手前側の第2取り付け部材52との間に、平板状の補強プレート71,72を略直交して掛け渡している。
【0092】
上記した補強プレート71,72は、例えばガラスやセラミックスを用いた場合に第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34及び第1,第2取り付け部材51,52と熱膨脹係数が同じであるのでレジズレを防ぐことができ、一方、金属板などを用いた場合にはバネ性を持たせることができ対衝撃性に優れるために設置場所を頻繁に移動する装置に適している。
【0093】
そして、例えばバネ性を有した平板状の補強プレート71の一端を第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定し、且つ、補強プレート71の他端を第2偏光ビームスプリッタ(32)に矩形状ブロック61を介して接着した金属板63に半田付け又は接着している。また、補強プレート71に対して略直交して配置し、且つ、例えばバネ性を有した平板状の補強プレート72の一端を第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定し、且つ、補強プレート72の他端を第3偏光ビームスプリッタ33にL字状ブロック62を介して接着した金属板64に半田付け又は接着している。
【0094】
これにより、装置1Dの床置き形態又は天吊り状態により装置1Dの上下を反転させた場合に、第4偏光ビームスプリッタ34に片持ち状態で支持した第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33が周囲の温度上昇などによりそれぞれ矢印方向に変位しても補強プレート71,72のバネ性により歪みを解消すると共に、第3波長選択性偏光変換板37によって第3偏光ビームスプリッタ33が重力方向に倒れても第3偏光ビームスプリッタ33を重力方向に対して補正できるので、カラー画像を不図示のスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0095】
尚、図14では図示奥側の第1取り付け部材51に対しても同様に補強プレート71,72を取り付けているものである。
【0096】
上記により、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1の反射型投射表示装置1Dでは、装置1Dの床置き形態又は天吊り状態により装置1Dの上下を反転させた場合でも補強プレート71,72によって重力方向の影響を緩和できるので、カラー画像を図示しないスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0097】
次に、図15に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例2の反射型投射表示装置1Eでは、変形例1の反射型投射表示装置1Cで用いた補強プレート71,72の各一端側を接合して一体化して補強プレート73を形成したものであり、この補強プレート73のうちでアーム部73aとアーム部73bとが直交した部位を図示手前側の第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定すると共に、且つ、アーム部73aの先端を第2偏光ビームスプリッタ(32)に矩形状ブロック61を介して接着した金属板63に半田付け又は接着し、且つ、アーム部73bの先端を第3偏光ビームスプリッタ33にL字状ブロック62を介して接着した金属板64に半田付け又は接着している。
【0098】
従って、変形例2の反射型投射表示装置1Eも、変形例1の反射型投射表示装置1Dと略同様の効果が得られる。
【0099】
次に、図16に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例3の反射型投射表示装置1Fでは、変形例2の反射型投射表示装置1Eで用いた補強プレート73に対してよりバネ性を考慮して改良を図って補強プレート74を形成したたものである。
【0100】
即ち、上記した補強プレート74は、アーム部74aとアーム部74bとが直交した部位の間に固定部74cを形成し、且つ、この固定部74cにスリット74c1を形成して、両アーム部74a,74bのバネ性を高めることで、変形例1及び変形例2よりも第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33の位置ずれに対してより追従性を高めたものである。
【0101】
尚、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1〜3の反射型投射表示装置1D〜1Fは、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bと対向する色分解及び色合成用光学ブロック(第2,第3偏光ビームスプリッタ)32,33を、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bと対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロック(第1,第4偏光ビームスプリッタ)31,34よりも小型に形成して他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、他の色分解及び色合成用光学ブロック31,34側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着すると共に、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bを他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック32,33側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、反射型投射表示装置1D〜1Fを床置き状態又は天吊り形態に応じて上下を反転させる場合に対応して、一端を第1,第2取り付け部材51,51に固着させ、且つ、他端を他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック32,33側に固着させた補強プレート71,72(又は73もしくは74)を備えた構造形態であれば良く、この構造形態の場合に第1,第2取り付け部材51,52は光学ガラスと同じ値の熱膨張係数を有するセラミックスを用いない場合でも構わない。
【0102】
以上詳述した本発明に係る第1,第2実施例の反射型投射表示装置1B〜1Fでは、光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射する色分解及び色合成光学系30B内に設けた複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の各偏光分離面31a〜34aを平面的に見て略X字状に交差するように配置し、且つ、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34をこれと略同じ値の熱膨張係数を有する第1,第2取り付け部材51,52に接着することで、色分解及び色合成光学系30Bを接着した第1取り付け部材51側を反射型投射表示装置1B〜1F内に固定させた場合を説明したが、これに限らず、発明が解決しようとする課題でも説明したように、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと2個のダイクロイックプリズムを用いた場合(特開平10−253922号公報)とか、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと1個のダイクロイックプリズムと1個の光学ガラスブロックとを用いた場合(US6,183,091B1号公報)でも、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを一体的に固着するための取り付け部材の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定すれば良いものである。
【0103】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る色分解及び色合成光学系において、請求項1記載によると、白色光を出射する光源部と、前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記取り付け部材の熱膨張係数を前記光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定したため、色分解及び色合成光学系の熱膨張により複数の色分解及び色合成用光学ブロックが取り付け部材から剥離することもなく、また、複数の色分解及び色合成用光学ブロックが割れることもなく、更に、熱応力による複屈折が生じたりすることを防ぐことができるので、不図示のスクリーン上に高コントラストでレジズレのないカラー画像を投射することができる。
【0104】
また、請求項2記載によると、上記した請求項1記載の反射型投射表示装置において、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付けたため、色分解及び色合成光学系の熱膨張により他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック側が位置ズレを起こしても、複数の反射型空間光変調素子それぞれが対向する色分解及び色合成用光学ブロックと一体に移動することにより画素ズレが発生しないので、画素ズレのない良好な画像をスクリーン上に投射できる。
【0105】
また、請求項3記載によると、上記した請求項2記載の反射型投射表示装置において、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたため、温度上昇による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレとか、反射型投射表示装置を床置き状態又は天吊り形態で使用する使用形態による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレに対して補強プレートで補正できるので、カラー画像をスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0106】
更に、請求項4記載によると、とくに、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたため、温度上昇による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレとか、反射型投射表示装置を床置き状態又は天吊り形態で使用する使用形態による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレに対して補強プレートで補正できるので、カラー画像をスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーリンク社から開示された従来例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に設けた波長選択性偏光変換板を説明するための斜視図であり、(a)は2枚の光学板ガラス基板間にポリカーボネイトラミネイト体をサンドイッチした形態を示し、(b)はポリカーボネイトラミネイト体だけの形態を示した図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図である。
【図5】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、2つの二等辺三角プリズムを接着して偏光ビームスプリッタを作製した際に2つの二等辺三角プリズムの奥行き方向の位置ズレを示した斜視図である。
【図6】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、偏光ビームスプリッタ中の2つの二等辺三角プリズムが奥行き方向に位置ズレた状態で偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した断面図である。
【図7】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図である。
【図8】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【図9】色分解及び色合成光学系を第1,第2取り付け部材に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象を説明するための平面図である。
【図10】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図である。
【図11】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図である。
【図12】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【図13】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置の使用形態を説明するための図であり、(a)は床置き状態を示し、(b)は天吊り状態を示した図である。
【図14】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例1を示した斜視図である。
【図15】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例2を示した斜視図である。
【図16】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例3を示した斜視図である。
【符号の説明】
1B…第1実施例の反射型投射表示装置、
1C…第2実施例の反射型投射表示装置、
1D…第2実施例を一部変形させた変形例1の反射型投射表示装置、
1E…第2実施例を一部変形させた変形例2の反射型投射表示装置、
1F…第2実施例を一部変形させた変形例3の反射型投射表示装置、
10…光源部、11…反射面鏡、12…光源、13…第1偏光板、
20R,20G,20B…反射型空間光変調素子(反射型液晶パネル)、
21〜23…1/4波長板、
30B…第1,第2実施例の色分解及び色合成光学系、
31〜34…複数の色分解及び色合成用光学ブロック(第1〜第4偏光ビームスプリッタ)、31a〜34a…偏光分離面、
35〜38…第1〜第4波長選択性偏光変換板、39…光学ガラススペーサ、
40…投射光学系、41…第2偏光板、42…投射レンズ、
51…第1取り付け部材、
51a…接着面、51b…段差面、51c…接着面、51d…段差面、
51f〜51h…取り付け部、
52…第2取り付け部材、
52a…接着面、52b…段差面、52c…接着面、52d…段差面、
71〜73…補強プレート、
Rs光,Gs光,Bs光…s偏光光、
Rp光,Gp光,Bp光…p偏光光、
S…光透過性接着剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備え、且つ、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、取り付け部材の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定することで、色分解及び色合成光学系の熱膨張に起因して発生する色分解及び色合成用光学ブロックの剥離とか画像のレジズレなどを抑制できる反射型投射表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を投射する投射表示装置は、光源部から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光を対応色の空間光変調素子に導き、更に、各色の空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成してスクリーン上に投射し、カラー画像を表示させるものである。
【0003】
上記したようにカラー画像を投射する投射表示装置は、透過型空間光変調素子を適用したものと、反射型空間光変調素子を適用したものとに大別できる。
【0004】
透過型空間光変調素子を用いた透過型投射表示装置は、光学構成が比較的簡単にできるために小型化が容易であるものの高解像度化に難がある。一方、反射型空間光変調素子を用いた反射型投射表示装置は、高解像度化に有利であるものの光学構成が複雑となるために小型化に難がある。
【0005】
とくに、反射型投射表示装置は、反射型空間光変調素子に照射するための入射光と当該反射型空間光変調素子で変調された反射光とを分離するために、色分解及び色合成光学系内に光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを必要とする。この際、高コントラストのカラー画像を得るためには一つの反射型空間光変調素子に対して、通常2個以上の色分解及び色合成用光学ブロックを作用させるために、これが反射型投射表示装置の光学構成を複雑にしていた。
【0006】
このような反射型空間光変調素子を用いた反射型投射表示装置において、光学構成の課題を解決した色分解及び色合成光学系が、最近、米国のカラーリンク社(Colorlink inc.)から開示されている。
【0007】
図1はカラーリンク社から開示された従来例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【0008】
図1に示した従来例の反射型投射表示装置1Aは、カラーリンク社から文献{(Michael G.Robinson et.”High Contrast Color Splitting Architecture Using Color Polaraization Filters”,SID 00 DIGEST ,92−95(2000) }に紹介されているものである。
【0009】
上記した従来例の反射型投射表示装置1Aでは、白色光を出射する光源部10と、この光源部10から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光をR,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子20R,20G,20Bに導き、更に、各色の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bで映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして例えば複数の偏光ビームスプリッタ31〜34及び所定の色光の偏波面を90°回転させる複数の波長選択性偏光変換板35〜38をそれぞれ所定の位置に配置した色分解及び色合成光学系30Aと、この色分解及び色合成光学系30Aから出射された色合成光を投射する投射光学系40とで構成されている。
【0010】
より具体的に説明すると、上記した光源部10は、反射面鏡11と、白色光を出射するためにメタルハライドランプ,キセノンランプ,ハロゲンランプなどを用いた光源12と、光源12の前方に設けられて白色光のs偏光光のみを透過させるように透過軸を選択した第1偏光板13とで構成されている。
【0011】
従って、光源12からの白色光が第1偏光板13を通過すると、R,G,Bにそれぞれ対応した3色のRs光,Gs光,Bs光が、光源部10と投射光学系40との間に設けた色分解及び色合成光学系30Aに入射される。
【0012】
尚、以下の説明において、3色のRs光,Gs光,Bs光はR,G,Bにそれぞれ対応したs偏光光を示し、一方、後述する3色のRp光,Gp光,Bp光はR,G,Bにそれぞれ対応したp偏光光を示すものとする。この際、p偏光光及びs偏光光は、直線偏光の偏波面と、それが入射する偏光ビームスプリッタの偏光分離面との相対関係で決まり、紙面に平行である場合にはp偏光光と言い、このp偏光光に対して直交する光をs偏光光と言う。
【0013】
また、R,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子20R,20G,20Bは反射型液晶パネルなどを用いており、3つの反射型空間光変調素子(以下、反射型液晶パネルと記す)20R,20G,20Bの各前面に1/4波長板21〜23が一体的に取付けられている。この際、上記した各1/4波長板21〜23は、各反射型液晶パネル20R,20G,20Bに表示された各色の画像のコントラスト比を向上させるものである。
【0014】
また、図1中に破線で囲んだ色分解及び色合成光学系30Aは、略同一外形寸法で直方体状(立方体状も含む)に形成された4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34と、板状に形成された4枚の第1〜第4波長選択性偏光変換板35〜38とで構成されている。
【0015】
即ち、上記した色分解及び色合成光学系30A内には、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が光源部10と投射光学系40との間で左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0016】
これら4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34それぞれは、複屈折が少ない光学ガラスを用いて形成した二等辺三角プリズムを2つ用いて接合して直方体状に形成する際に、2つの二等辺三角プリズムのうちで一方の二等辺三角三角プリズムの一つの面にp偏光光を透過し且つs偏光光を反射する半透過反射膜を成膜して、この半透過反射膜上に光透過性接着剤を用いて他方の二等辺三角プリズムを接着することで、各半透過反射膜により各偏光分離面31a〜34aが各対角線に沿って形成されている。
【0017】
そして、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34に形成した各偏光分離面31a〜34aが平面的に見て略X字状に交差するように第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0018】
また、図示右下方の第2偏光ビームスプリッタ32の右側面側には1/4波長板22を取り付けたG用の反射型液晶パネル20Gが対向して設置され、且つ、図示左上方の第3偏光ビームスプリッタ33の上側面側には1/4波長板21を取り付けたR用の反射型液晶パネル20Rが対向して設置され、且つ、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面側には1/4波長板23を取り付けたB用の反射型液晶パネル20Bが対向して設置されている。
【0019】
従って、上記の色分解及び色合成光学系30Aにおいては、第1偏光ビームスプリッタ31が光入射側の部材となり、また、その対角に位置する第4偏光ビームスプリッタ34が光出射側の部材となる。また、その中間位置に配置された第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は、各反射型液晶パネル20R,20G,20Bに照射する入射光と各反射型液晶パネル20R,20G,20Bで変調された反射光とを分離するための部材となる。
【0020】
また更に、光源部10と第1偏光ビームスプリッタ31の左側面側との間には、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35が設置されている。また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側と第3偏光ビームスプリッタ33の下側面側との間には、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36が設置されている。また、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側と第4偏光ビームスプリッタ34の左側面側との間にも、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37が設置されている。また、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面側と投射光学系40との間にも、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38が設置されている。
【0021】
また、上記した投射光学系40は、色分解及び色合成光学系30A内に設置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38の後段に設けられており、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aに対してp偏光の関係を有する直線偏光のみを透過させるように透過軸を選択した第2偏光板41と、カラーの画像光を拡大投射する投射レンズ42とで構成されている。
【0022】
ここで、上記構成による従来例の反射型投射表示装置1Aの動作を説明する。
【0023】
まず、光源部10内の光源12から出射した不定偏光の白色光は第1偏光板13に入射し、この第1偏光板13でs偏光光のみが透過して、R,G,Bにそれぞれ対応したs偏光光のRs光,Gs光,Bs光が色分解及び色合成光学系30A内の第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35に入射する。
【0024】
この際、第1波長選択性偏光変換板35は前述したようにG光のみの偏波面を90°回転させるG用位相板であるため、s偏光光のGs光が第1波長選択性偏光変換板35を透過するとp偏光光のGp光に偏光変換される。また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35はs偏光光のRs光及びBs光に対して何ら作用しないため、Rs光及びBs光はそのまま第1波長選択性偏光変換板35を透過する。
【0025】
そして、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35により偏光変換されたGp光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aを透過直進して第2偏光ビームスプリッタ32に入り、この後、第2偏光ビームスプリッタ32の偏光分離面32aを透過直進して、第2偏光ビームスプリッタ32の右側面と対向した1/4波長板22を有するG用の反射型液晶パネル20Gに入射する。更に、第2偏光ビームスプリッタ32からのGp光は、G用の反射型液晶パネル20GでG対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したs偏光成分のGs光となって反射型液晶パネル20Gから出射される。この後、反射型液晶パネル20GからのGs光は、第2,第4偏光ビームスプリッタ32,34の偏光分離面32a,34aで順に反射され、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38に入射する。ここで、第4波長選択性偏光変換板38は前述したようにG光に係る偏波面を90°回転させる機能を有するG用位相板であるので、s偏光光のGs光は第4波長選択性偏光変換板38によってp偏光光のGp光に偏光変換されて、投射光学系40側に出射される。
【0026】
また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を透過したs偏光光のRs光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aで反射されて第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に設置した第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36に入射する。ここで、第2波長選択性偏光変換板36はR光の偏波面を90°回転させるR用位相板であるため、s偏光光のRs光からp偏光光のRp光に偏光変換されて、図示上方の第3偏光ビームスプリッタ33に入射する。この後、Rp光は第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aを直進透過して、第3偏光ビームスプリッタ33の上側面と対向した1/4波長板21を有するR用の反射型液晶パネル20Rに入射する。更に、第3偏光ビームスプリッタ33からのRp光は、R用の反射型液晶パネル20RでR対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したs偏光成分のRs光となって反射型液晶パネル20Rから出射される。この後、反射型液晶パネル20RからのRs光は、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aで反射されて、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に設置した第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37に入射する。ここで、第3波長選択性偏光変換板37は前述したようにR用位相板であるため、s偏光光のRs光からp偏光光のRp光に偏光変換されて第4偏光ビームスプリッタ34に入射する。更に、Rp光は、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aを透過直進して、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38に入射する。ここで、第4の波長選択性偏光変換板38は前述したようにG用位相板であるためRp光に対して何ら作用せず、Rp光はそのまま投射光学系40側に出射される。
【0027】
また、第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を透過したs偏光光のBs光は、第1偏光ビームスプリッタ31の偏光分離面31aで反射されて第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に設置した第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36に入射する。ここで、第2波長選択性偏光変換36は前述したようにR用位相板であるためBs光に対して何ら作用せず、Bs光はそのまま第3偏光ビームスプリッタ33に入射する。更に、Bs光は第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33で反射されて、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面と対向した1/4波長板23を有するB用の反射型液晶パネル20Bに入射する。更に、第3偏光ビームスプリッタ33からのBs光は、B用の反射型液晶パネル20BでB対応の映像信号に応じた光変調を受けて、ここで光変調されて生成したp偏光成分のBp光となって反射型液晶パネル20Bから出射される。この後、反射型液晶パネル20BからのBp光は、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aを透過直進して、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に配置した第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37に入射する。ここで、第3波長選択性偏光変換板37は前述したようにR用位相板であるためBp光に対して何ら作用せず、Bp光はそのまま第4偏光ビームスプリッタ34に入射する。更に、Bp光は、第4偏光ビームスプリッタ34の偏光分離面34aを透過直進して、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面の後段に配置した第4波長選択性偏光変換板(R用位相板)38に入射する。ここで、第4波長選択性偏光変換板38は前述したようにG用位相板であるためBp光に対して何ら作用せず、Bp光はそのまま投射光学系40側に出射される。
【0028】
そして、第4波長選択性偏光変換板38からRp光,Gp光,Bp光が偏波面をp偏光光に揃えられて出射され、この後、Rp光,Gp光,Bp光を色合成した色合成光が投射光学系40内の第2偏光板41と投射レンズ42とを順に介して図示せぬスクリーン上にカラー画像として拡大表示されている。
【0029】
以上説明したように、従来例の反射型投射表示装置1Aによれば、比較的簡易な光学構成とすることができ、図示せぬスクリーン上に高コントラストなカラー画像が得られるものである。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来例の反射型投射表示装置1Aでは図示せぬスクリーン上に高コントラストなカラー画像が得られるものの、色分解及び色合成光学系30Aを反射型投射表示装置1A内に取り付ける際に、装置1A内の環境温度とか、装置1Aの周辺の環境温度などを十分考慮する必要がある。
【0031】
とくに、反射型投射表示装置1A内では白色光を出射する光源部10の近傍が高温になるために、光源部10と対向して配置された色分解及び色合成光学系30Aは光源部10からの熱により複数の偏光ビームスプリッタ31〜34や複数の波長選択性偏光変換板35〜38が加熱されると共に、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34を装置1A内に一体的に取り付ける取り付け部材(図示せず)も加熱される。
【0032】
この際、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34と、これら複数の偏光ビームスプリッタ31〜34を取り付ける取り付け部材とは互いに材料が異なるために、両者の熱膨張係数に差が生じ、これに伴って、複数の偏光ビームスプリッタ31〜34のいずれかが位置ずれとか取り付け不良を起こしてスクリーン上に投射されたカラー画像に対してレジズレが発生したり、更に、ひどい時には複数の偏光ビームスプリッタ31〜34のいずれかが剥離するとかあるいは割れるなどの現象が生じることがあり問題となっている。
【0033】
勿論、反射型投射表示装置1Aの内部温度だけでなく、装置1Aの周辺の環境温度が高くなれば上記した問題点が更に加速される。
【0034】
尚、ここでの図示を省略するものの、従来の反射型投射表示装置の色分解及び色合成光学系において、光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを用いて白色光を複数の色光に色分解し且つ複数の反射型空間光変調素子20R,20G,20Bからの各色光を色合成する際に、例えば特開平10−253922号公報には複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと2個のダイクロイックプリズムを用いた場合が開示されており、また、例えばUS6,183,091B1号公報には複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと1個のダイクロイックプリズムと1個の光学ガラスブロックとを用いた場合が開示されており、これらの各公報に開示された色分解及び色合成光学系を装置に取り付ける場合にも上記した従来例と同様に複数の色分解及び色合成用光学ブロックと、これら複数の色分解及び色合成用光学ブロックを取り付ける取り付け部材とは互いに材料が異なるために、両者の熱膨張係数に差が生じ、上記と略同じ問題が生じるものである。
【0035】
そこで、本発明では、色分解及び色合成光学系内で光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を反射型投射表示装置に取り付ける際に、色分解及び色合成光学系を構成する複数の色分解及び色合成用光学ブロックの熱膨張の影響を軽減して、投射したカラー画像に対してレジズレの発生を抑制できる反射型投射表示装置が望まれている。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記取り付け部材の熱膨張係数を前記光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定したことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0037】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付けたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0038】
また、第3の発明は、上記した第2の発明の反射型投射表示装置において、
一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0039】
更に、第4の発明は、白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る反射型投射表示装置を図2乃至図16を参照して<第1実施例>,<第2実施例>の順に詳細に説明する。
【0041】
<第1実施例>
図2は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図、
図3は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に設けた波長選択性偏光変換板を説明するための斜視図であり、(a)は2枚の光学板ガラス基板間にポリカーボネイトラミネイト体をサンドイッチした形態を示し、(b)はポリカーボネイトラミネイト体だけの形態を示した図、図4は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図、
図5は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、2つの二等辺三角プリズムを接着して偏光ビームスプリッタを作製した際に2つの二等辺三角プリズムの奥行き方向の位置ズレを示した斜視図、
図6は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、偏光ビームスプリッタ中の2つの二等辺三角プリズムが奥行き方向に位置ズレた状態で偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した断面図、
図7は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図、
図8は本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【0042】
図2に示した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bは、先に図1を用いて説明した従来例の反射型投射表示装置1Aに対して色分解及び色合成光学系の装置への取り付けを改良したものであり、説明の便宜上、先に従来例で示した構成部材と同一機能を備えた構成部材に対しては同一の符号を付して適宜説明し、且つ、従来例と異なる構成部材に新たな符号を付して説明する。
【0043】
図2に示した如く、本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bでは、白色光を出射する光源部10と、この光源部10から出射した白色光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色光に色分解して、この3原色光をR,G,Bにそれぞれ対応した3つの反射型空間光変調素子(以下、反射型液晶パネルと記す)20R,20G,20Bに導き、更に、各色の反射型液晶パネル20R,20G,20Bで映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして例えば複数の偏光ビームスプリッタ31〜34及び所定の色光の偏波面を90°回転させる複数の波長選択性偏光変換板35〜38をそれぞれ所定の位置に配置した色分解及び色合成光学系30Bと、この色分解及び色合成光学系30Bから出射された色合成光を投射する投射光学系40とで構成されており、反射面鏡11,光源12,第1偏光板13を備えた光源部10及び第2偏光板41,投射レンズ42を備えた投射光学系40は図1に示した従来例と全く同じであるので詳細な説明を省略する。
【0044】
また、上記した色分解及び色合成光学系30Bも光源部10と投射光学系40との間に設けられており、この色分解及び色合成光学系30Bでは、図2中に破線で囲んだ枠内に、直方体状(立方体状を含む)に形成した4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34と、板状に形成した4枚の第1〜第4波長選択性偏光変換板35〜38と、新たに追加した直方体状の1個の光学ガラススペーサ39とが設けられている。
【0045】
また、上記した色分解及び色合成光学系30Bにおいて、光源部10と対向して第1偏光ビームスプリッタ31が配置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の右側面側に第2偏光ビームスプリッタ32が配置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側に第3偏光ビームスプリッタ33が配置され、また、第2偏光ビームスプリッタ32の上側面側で且つ第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側に第4偏光ビームスプリッタ34が投射光学系40と対向して配置されている点は図1に示した従来例と同じである。
【0046】
また更に、光源部10と第1偏光ビームスプリッタ31の左側面側との間に、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35が設置され、また、第1偏光ビームスプリッタ31の上側面側と第3偏光ビームスプリッタ33の下側面側との間に、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36が設置され、また、第3偏光ビームスプリッタ33の右側面側と第4偏光ビームスプリッタ34の左側面側との間にも、R光の偏波面を90°回転させる機能を有する第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37が設置され、また、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面側と投射光学系40との間にも、G光の偏波面を90°回転させる機能を有する第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38が設置されている点も図1に示した従来例と同じである。
【0047】
ここで、上記した色分解及び色合成光学系30Bにおいて、図1に示した従来例に対して異なる点を説明すると、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34それぞれは、熱膨張係数が(8.1〜8.4)×10−6/°Cの光学ガラスを用いた2つの二等辺三角プリズム同士を接合して直方体状に作製している。この際、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34は、2つの二等辺三角プリズムのうちで一方の二等辺三角三角プリズムの一つの面にp偏光光を透過し且つs偏光光を反射する半透過反射膜を成膜して、この半透過反射膜上に光透過性接着剤を用いて他方の二等辺三角プリズムを接着することで、各半透過反射膜により各偏光分離面31a〜34aが各対角線に沿って形成されている。
【0048】
そして、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34に形成した各偏光分離面31a〜34aが平面的に見て略X字状に交差するように第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34が左右下側及び左右上側にそれぞれ分離して配置されている。
【0049】
また、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで光入射側の第1偏光ビームスプリッタ31及び光出射側の第4偏光ビームスプリッタ34は従来例と同じサイズで大型に形成されており、具体的には2つの二等辺三角プリズム同士を突き合わせて縦×横×奥行き=27mm×27mm×34mmで直方体状に形成されている。一方、G用の反射型液晶パネル20Gが対向する第2偏光ビームスプリッタ32及びR用,B用の反射型液晶パネル20R,20Bが対向する第3偏光ビームスプリッタ33は第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34よりも小型サイズに形成されており、具体的には2つの二等辺三角プリズム同士を突き合わせて縦×横×奥行き=22mm×22mm×28mmで直方体状に形成されている。
【0050】
上記に伴って、第2偏光ビームスプリッタ32の右側面に対向させて配置したG用の反射型液晶パネル20Gと、第3偏光ビームスプリッタ33の上側面に対向させて配置したR用の反射型液晶パネル20Rと、第3偏光ビームスプリッタ33の左側面に対向させて配置したB用の反射型液晶パネル20Bとが点線で示した色分解及び色合成光学系30Bの枠外に大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の外形枠の延長線上に沿ってスペース効率良く設置できるので、図1に示した従来例よりも反射型投射表示装置1Bが小型化されている。
【0051】
また、4個の第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1偏光ビームスプリッタ31は、光源部10からの光入射側となる左側面に第1波長選択性偏光変換板(G用位相板)35を僅かな空隙を隔てて光透過性接着剤Sにより接着し且つ光出射側となる上側面に第2波長選択性偏光変換板(R用位相板)36を僅かな空隙を隔て光透過性接着剤Sにより接着した状態で、他の第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34から分離して、図4にも示したように独立した状態で設けられている。
【0052】
これに対して、第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34は一体化されており、具体的には、第2偏光ビームスプリッタ32と第4偏光ビームスプリッタ34との間に光学ガラススペーサ39を密着させて、第4偏光ビームスプリッタ34に対して第2偏光ビームスプリッタ32を光学ガラススペーサ39を介して不図示の光透過性接着剤により接着して片持ち状態で支持し、且つ、第3偏光ビームスプリッタ33と第4偏光ビームスプリッタ34との間に第3波長選択性偏光変換板(R用位相板)37を密着させて、第4偏光ビームスプリッタ34に対して第3偏光ビームスプリッタ33を第3波長選択性偏光変換板37を介して不図示の光透過性接着剤により接着して片持ち状態で支持し、更に、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面に第4波長選択性偏光変換板(G用位相板)38を密着させて不図示の光透過性接着剤により接着して、図4にも示したように第2〜第4偏光ビームスプリッタ34の一体化を図ることで、カラー画像のレジズレ等に対して安定化を図っている。
【0053】
この際、小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ32の上側面は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の下側面に対して両者の中心位置が一致するように光学ガラススペーサ39を介して接着され、また、小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ32の右側面は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の左側面に対して両者の中心位置が一致するように第3波長選択性偏光変換板37を介して接着されているので、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の接着面の内側で上下左右にそれぞれ段差を持って取り付けられている。
【0054】
ここで、上記した第1,第3,第4波長選択性偏光変換板35,37,38は、図3(a)に示したように、透明なポリカーボネイトなどの有機フィルムを10層程度に亘ってそれぞれ位相を違えてラミネイト(積層)して、厚みが1mm程度のポリカーボネイトラミネイト体PLを第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34の外形形状にそれぞれ合わせて板状に形成し、更に、ポリカーボネイトラミネイト体PLの前後面に厚みが0.5mm程度の光学板ガラス基板G,Gを密着させて不図示の光透過性接着剤により接着することで、2枚の光学板ガラス基板G,G間にポリカーボネイトラミネイト体PLをサンドイッチした一例の構造形態を取っている。
【0055】
この際、ポリカーボネイトラミネイト体PLに用いた有機フィルムの積層状態に応じてR光の偏波面又はG光の偏波面を90°回転させる機能が得られる。また、第1,第3,第4波長選択性偏光変換板35,37,38を第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34にそれぞれ接着する際に、ポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張係数が第1,第3,第4偏光ビームスプリッタ31,33,34に対して異なることから、ポリカーボネイトラミネイト体PLの前後面に光学板ガラス基板G,Gを接着することで、2枚の光学板ガラス基板G,Gがポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張に対する緩衝材となっている。尚、ポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張係数は67×10−6/°C程度であり、また、光透過性接着剤の熱膨張係数は300×10−6/°C程度であるので、両者の熱膨張係数は前記した第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の熱膨張係数(8.1〜8.4)×10−6/°Cよりも格段に大きな値となっている。
【0056】
一方、上記した第2波長選択性偏光変換板36は、図3(b)に示したように、ポリカーボネイトラミネイト体PLだけで形成されているものであり、この場合にはポリカーボネイトラミネイト体PLの熱膨張を吸収し易い単品構造を取っている。即ち、ポリカーボネイトラミネイト体PLだけの場合には、前後面に光学板ガラス基板G,Gを接着していないために、熱応力が発生した場合でもポリカーボネイトラミネイト体PL自体が自由に伸縮するので、ポリカーボネイトラミネイト体PLの中心部と周辺部とで熱応力差が少なくなり、上記した2枚の光学板ガラス基板G,G間にポリカーボネイトラミネイト体PLをサンドイッチした構造形態よりも熱膨張を吸収し易くなっている。
【0057】
そして、第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34を一体化して、第1偏光ビームスプリッタ31から分離することで、第1偏光ビームスプリッタ31側に接着した第1,第2波長選択性偏光変換板35,36に性能不良が万一生じた場合には、第1偏光ビームスプリッタ31側のみを部品交換することができるので、高価な光学ガラスによる二等辺三角プリズムなどを用いて一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34に何らの支障もなく、サービスコストが安価となると共に、第1偏光ビームスプリッタ31側だけでも光学特性を予め測定することができる。
【0058】
更に、図4に示したように、独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、本発明の要部となる第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着することで、色分解及び色合成光学系30Bを第1,第2取り付け部材51,52に一体的に接着した状態で、第1取り付け部材51側を反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に固定することができる。この際、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33は、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34より一段引っ込んで第4偏光ビームスプリッタ34に片持ち状態で接合しているために、第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33を第1,第2取り付け部材51,52に接着していない。
【0059】
また、大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31は、前述したように、2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を接合して接合部位に偏光分離面31aを形成し、同様に、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34も2つの二等辺三角プリズム34A,34B同士を接合して接合部位に偏光分離面34aを形成しているものであるが、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34を第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着する場合に、第1偏光ビームスプリッタ31の2つの二等辺辺三角プリズム31A,31Bの組みと、第4偏光ビームスプリッタ34の2つの二等辺三角プリズム34A,34Bの組みは、各組みごとにいずれか一方の二等辺三角プリズムのみを接着しており、且つ、接着側となる二等辺三角プリズムの奥行き方向の互いに対向する端面を第1,第2取り付け部材51,52で両側から挟み込んで接着している。
【0060】
上記のように、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34の各2つの二等辺三角プリズム(31A,31B),(34A,34B)の組みうちで各組みごとにいずれか一方の二等辺三角プリズムのみを接着する理由について図5及び図6を用いて以下説明する。
【0061】
図5に示したように、例えば第1偏光ビームスプリッタ31を作製するにあたって、2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を偏光分離面31aを介して接合した時に、両プリズム31A,31B間で奥行き方向に僅かなズレ量δが発生する場合があり、この場合、奥行き方向の図示下側の端面31A−1と端面31B−1との間及び奥行き方向の図示上側の端面31A−2と端面31B−2との間にズレ量δに相当する段差が生じるために、奥行き方向に位置ズレした2つの二等辺三角プリズム31A,31B同士を第1,第2取り付け部材51,52に良好に接着することができない場合が起きる。勿論、第4偏光ビームスプリッタ34を作製する際にも上記と同じ現象が発生する場合もある。
【0062】
そこで、図6に示したように、第1,第2取り付け部材51,52に例えば第1偏光ビームスプリッタ31を接着する際に、第1,第2取り付け部材51,52は、接着側の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1,31A−2と対向した接着面51a,52aをそれぞれ平坦に形成して二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1,31A−2を光透過性接着剤S,Sを用いて接着すると共に、非接着側の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1,31B−2と対向して接着面51a,52aより一段引っ込んだ段差面51b,52bを形成して二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1,31B−2を段差面51b,52bから浮かしている。
【0063】
尚、例えば第1偏光ビームスプリッタ31の作製時に、二等辺三角プリズム31Aと二等辺三角プリズム31Bとの間に生じる奥行き方向のズレ量δ(図5)は一つの方向だけであるので、段差面は第1,第2取り付け部材51,52のいずれか一方の取り付け部材だけに形成しても良い。
【0064】
勿論、二等辺三角プリズム31Aと二等辺三角プリズム31Bとの間に奥行き方向のズレ量δ(図5)が全く生じることなく第1偏光ビームスプリッタ31を作製できれば、第1,第2取り付け部材51,52に段差面を形成する必要はない。
【0065】
図4に戻り、この第1実施例では、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31A側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着し、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム31B側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着することで、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の各偏光分離面31a〜34aをX字状にクロスさせた場合の対角に位置している二等辺三角プリズム31A,34Bを接着することになる。
【0066】
ここで、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34は、前述したように熱膨張係数が(8.1〜8.4)×10−6/°Cの光学ガラスを用いて作製されているので、本発明の要部となる第1,第2取り付け部材51,52も光学ガラスと略同等の熱膨張係数を有する素材を適用しており、具体的には第1,第2取り付け部材51,52として熱膨張係数が8.1×10−6/°C程度のセラミックスを適用している。
【0067】
また、図示奥側に配置した第1取り付け部材51は、平板状のセラミックスを用いて、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−1を接着するための接着面51aと、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−1と対向して接着面51aより一段引っ込んだ段差面51bと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Bの端面34B−1を接着するための接着面51cと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Aの端面34A−1と対向して接着面51a,51cより一段引っ込んだ段差面51dと、接着面51a,51cと段差面51b,51dとが交差する部位を逃げるための中央逃げ孔51eと、反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に取り付けるための取り付け孔51f1〜51h1をそれぞれ貫通して穿設した取り付け部51f〜51hとで形成されている。
【0068】
また、図示手前側に配置した第2取り付け部材52は、平板状のセラミックスを用いて、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Aの端面31A−2を接着するための接着面52aと、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31Bの端面31B−2と対向して接着面52aより一段引っ込んだ段差面52bと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Bの端面34B−2を接着するための接着面52cと、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34Aの端面34A−2と対向して接着面52a,52cより一段引っ込んだ段差面52dと、接着面52a,52cと段差面52b,52dとが交差する部位を逃げるための中央逃げ孔52eとで形成されており、この第2取り付け部材52は反射型投射表示装置1B内のベース台(図示せず)に取り付けていない。
【0069】
そして、図4に示した状態から、色分解及び色合成光学系30B内で独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着することで、図7に示した如くになる。この際、第1,第2取り付け部材51,52に貫通して穿設した中央逃げ孔51e,52eは、接着面と段差面とがクロスした時に切削加工を容易にする逃げ孔の機能の他に、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の配置関係が正しいかを各偏光ビームスプリッタごとに印した各マーカーMを臨む孔でもある。
【0070】
この後、図8に示した如く、反射型液晶パネル20R,(20G…図示せず),20Bを板金ブラケット53〜55にそれぞれ取り付けている。
【0071】
そして、板金ブラケット53に取り付けたR用の反射型液晶パネル20Rを小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の上側面に対向させ、且つ、板金ブラケット53を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル20Rは第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離された状態である。
【0072】
また、板金ブラケット54に取り付けたG用の反射型液晶パネル(20G)を小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ(32…図示せず)の右側面に対向させ、且つ、板金ブラケット54を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル(20G)も第2偏光ビームスプリッタ(32)に対して切り離された状態である。
【0073】
更に、板金ブラケット55に取り付けたB用の反射型液晶パネル20Bを小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の左側面に対向させ、且つ、板金ブラケット55を第1,第2取り付け部材51,52に固着しているので、反射型液晶パネル20Bも第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離された状態である。
【0074】
具体的に説明すると、板金ブラケット53〜55は、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bの各画面と対応する部位に図示しない矩形孔がそれぞれ貫通して穿設されており、且つ、第1,第2取り付け部材51,52側に向かって各両側に曲げ加工が施されている。一方、第1,第2取り付け部材51,52はセラミックスを用いているために半田が付かないので、第1,第2取り付け部材51,52の表面に薄い金属板56〜58(手前側の図示)を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53〜55の各曲げ加工部位を第1,第2取り付け部材51,52上の金属板56〜58にそれぞれ半田付けすることで、色分解及び色合成光学系30Bの組み立てが完了する。尚、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53〜55を第1,第2取り付け部材51,52に接着剤を用いて直接着した場合には、薄い金属板56〜58を第1,第2取り付け部材51,52上に接着する必要がない。
【0075】
この際、第1偏光ビームスプリッタ31の左側面に固着させた波長選択性偏光変換板35側が光入射側となり、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の右側面に固着させた波長選択性偏光変換板38側が光出射側となり、この光出射側に投射光学系40を構成する投射レンズ42がレンズ保持枠43に支持されている。上記のように構成した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bでは、とくに、色分解及び色合成光学系30Bにおいて、独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて取り付ける際に、第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数を第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の熱膨張係数と略同じ値に設定しているために、色分解及び色合成光学系30Bの熱膨張により第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34が第1,第2取り付け部材51,52から剥離することもなく、また、第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34が割れることもなく、更に、熱応力による複屈折が生じたりすることを防ぐことができるので、不図示のスクリーン上に高コントラストでレジズレのないカラー画像を投射することができる。
【0076】
上記のように構成した本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置1Bの動作は、各構成部材の機能が図1に示した従来例と全く同じ動作であるので、図2中ではR,G,Bの各色光に対する光路図を示し、詳細な説明は図1に示した従来例での説明を参照されたい。
【0077】
<第2実施例>
図9は色分解及び色合成光学系を第1,第2取り付け部材に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象を説明するための平面図、
図10は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図、
図11は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図、
図12は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【0078】
図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cは、先に図2〜図8を用いて説明した第1実施例の反射型投射表示装置1Bに対して反射型液晶パネル20R,20G,20Bの色分解及び色合成光学系30Bへの取り付けを更に改良したものであり、説明の便宜上、従来例及び第1実施例で示した構成部材と同一機能を備えた構成部材に対しては同一の符号を付して適宜説明し、且つ、従来例及び第1実施例と異なる構成部材に新たな符号を付して、ここでは従来例及び第1実施例と異なる点を中心にして説明する。
【0079】
図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cを説明する前に、先に第1実施例で説明した色分解及び色合成光学系30Bを第1,第2取り付け部材51,52に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系30B内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象について図9を用いて説明する。
【0080】
図9に示した如く、先に第1実施例で説明した色分解及び色合成光学系30Bでは、例えば大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34を、これと略同じ値の熱膨脹係数を有するセラミックスを用いて形成した第1,第2取り付け部材51,52に接着し、且つ、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に第3波長選択性偏光変換板37を介して小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33を片持ち状態で支持させし、更に、小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33の上側面及び左側面に反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bを対向させて、反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bを第3偏光ビームスプリッタ33に対して切り離して設置した場合に、色分解及び色合成光学系30Bの近傍の温度上昇が大きい場合に色分解及び色合成光学系30内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす場合がある。
【0081】
即ち、前述したように、第3,第4偏光ビームスプリッタ33,34の熱膨張係数(8.1〜8.4)×10−6/°C及びこれと略同等の第1,第2取り付け部材51,52の熱膨張係数に対して、第3波長選択性偏光変換板37内のポリカーボネイトラミネイト体PL{図3(a)}の熱膨張係数は67×10−6/°C程度であり、また、第3波長選択性偏光変換板37を第3,第4偏光ビームスプリッタ33,34に接着するための不図示の光透過性接着剤の熱膨張係数は300×10−6/°C程度であるので、第3波長選択性偏光変換板37及び不図示の光透過性接着剤の熱膨張により第3偏光ビームスプリッタ33全体が矢印X方向に変位して偏光分離面33aにズレ量γが発生する。これに伴って、第3偏光ビームスプリッタ33の偏光分離面33aで反射されるRs光及びBs光が位置ズレを起こすので、第3偏光ビームスプリッタ33から切り離された反射型液晶パネル20R及び反射型液晶パネル20Bに対して画素ズレが発生することになる。
【0082】
そこで、図12に示した本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置1Cでは、第1実施例の技術的思想を適用しながら、更に、反射型液晶パネル20R,(20G…図示せず),20Bと対向する第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33が温度上昇に伴って位置ズレを起こしても画素ズレを発生させないように第1実施例に対して更に改良を図っている。
【0083】
より具体的に説明すると、図10に示した如く、第2実施例では、色分解及び色合成光学系30B内で独立した大型サイズの第1偏光ビームスプリッタ31と、一体化した第2〜第4偏光ビームスプリッタ32〜34のうちで大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34とを、第1,第2取り付け部材51,52に光透過性接着剤S,S又は通常の接着剤を用いて接着する際に、第1取り付け部材51,52は、反射型液晶パネル(20R,20G,20B…図示せず)と対応する部位を予め切り欠いており、即ち、第1取り付け部材51に切欠部51i,51jを形成し、且つ、第2取り付け部材52に切欠部52f,52gを形成している。尚、図10中で先に第1実施例で用いた図4と同じ符番を付した部位は第1実施例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0084】
そして、第2実施例では、第1実施例と同様な方法により、第1偏光ビームスプリッタ31の二等辺三角プリズム31A側のみを第1,第2取り付け部材51,52の接着面51a,52aに接着し、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の二等辺三角プリズム34B側のみを第1,第2取り付け部材51,52の接着面51c,52cに接着することで、図11に示した如くになり、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51i,52fから第2偏光ビームスプリッタ32の奥行き方向の両端面の一部が臨め、且つ、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51j,52gから第3偏光ビームスプリッタ33の奥行き方向の両端面の一部が臨めることになる。尚、図11中で先に第1実施例で用いた図7と同じ符番を付した部位は第1実施例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0085】
この後、図12に示した如く、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51i,52fから臨んだ第2偏光ビームスプリッタ(32…図示せず)の奥行き方向の両端面に、セラックスを用いて矩形状に形成した矩形状ブロック61(手前側のみ図示)を接着剤により接着し、更に、矩形状ブロック61の表面に薄い金属板63を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル(20G…図示せず)を取り付けた板金ブラケット54の曲げ加工部位を金属板63に半田付けすることで、反射型液晶パネル(20G)が第2偏光ビームスプリッタ(32)に一体的に固着される。
【0086】
また、第1,第2取り付け部材51,52に形成した切欠部51j,52gから臨んだ第3偏光ビームスプリッタ33の奥行き方向の両端面に、セラックスを用いてL字状に形成したL字状ブロック62(手前側のみ図示)を接着剤により接着し、更に、L字状ブロック62の表面に薄い金属板64,65を接着剤により固着させている。そして、反射型液晶パネル20R,20Bをそれぞれ取り付けた板金ブラケット53,55の各曲げ加工部位を金属板64,65にそれぞれ半田付けすることで、反射型液晶パネル20R,20Bが第3偏光ビームスプリッタ33に一体的に固着される。
【0087】
上記により、第2実施例の反射型投射表示装置1Cの色分解及び色合成光学系30B内では、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34の下側面に光学ガラススペーサ(39)を介して小型サイズの第2偏光ビームスプリッタ(32)を片持ち状態で支持し、且つ、第4偏光ビームスプリッタ34の左側面に第3波長選択性偏光変換板37を介して小型サイズの第3偏光ビームスプリッタ33を片持ち状態で支持した際に、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bを第1,第2取り付け部材51,52に固定せずに、反射型液晶パネル(20G)を第2偏光ビームスプリッタ(32)の右側面側に一体的に固定し、且つ、反射型液晶パネル20R,20Bを第3偏光ビームスプリッタ33の上側面側,左側面側に一体的に固定することで、小型サイズの第2,第3偏光ビームスプリッタ32,33が不図示の光透過性接着剤とか第3波長選択性偏光変換板37の熱膨張により位置ズレを起こしても、反射型液晶パネル20R,(20G),20Bが第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33と一体に移動することにより画素ズレが発生しないので、画素ズレのない良好なカラー画像を不図示のスクリーン上に投射できる。
【0088】
次に、上記した第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例について、図13〜図16を用いて第2実施例に対して異なる部位のみ簡略に説明する。
【0089】
図13は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置の使用形態を説明するための図であり、(a)は床置き状態を示し、(b)は天吊り状態を示した図、図14は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例1を示した斜視図、
図15は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例2を示した斜視図、
図16は本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例3を示した斜視図である。
【0090】
まず、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを使用するにあたって、図13(a)に示したように反射型投射表示装置1Cを床上に載置する使用形態と、図13(b)に示したように反射型投射表示装置1Cを天井に吊す使用形態とがあり、両使用形態で投射された各カラー画像は図示しないアオリ機構により図示のようにアオリをかけられてスクリーン70に投射される。この際、反射型投射表示装置1Cは、図13(a)に示した床置き状態と、図13(b)に示した天吊り状態とで装置1Cの上下が反転するために、カラー画像に対してスイッチのオン・オフ動作により電気的に上下を反転させているものの、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に対して光学ガラススペーサ(39)を介して片持ち状態で支持した第2偏光ビームスプリッタ(32)に一体的に固着させた反射型液晶パネル(20G)の重量により光学ガラススペーサ(39)が変形して第2偏光ビームスプリッタ(32)に位置ズレが発生したり、あるいは、大型サイズの第4偏光ビームスプリッタ34に対して第3波長選択性偏光変換板37を介して片持ち状態で支持した第3偏光ビームスプリッタ(33)に一体的に固着させた反射型液晶パネル(20R,20B)の重量により第3波長選択性偏光変換板37が変形して第3偏光ビームスプリッタ(33)に位置ズレが発生し、この状態でレジズレを調整しても、装置1Cの使用形態によって装置1Cの上下を反転させるとレジズレが生じてしまう。即ち、第2,第3偏光ビームスプリッタ(32,33)は、図13(a),(b)に示した使用態様に応じた上下反転に伴って重力よる影響が発生し易くなる。
【0091】
そこで、図14に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1の反射型投射表示装置1Dでは、第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33側と、図示手前側の第2取り付け部材52との間に、平板状の補強プレート71,72を略直交して掛け渡している。
【0092】
上記した補強プレート71,72は、例えばガラスやセラミックスを用いた場合に第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34及び第1,第2取り付け部材51,52と熱膨脹係数が同じであるのでレジズレを防ぐことができ、一方、金属板などを用いた場合にはバネ性を持たせることができ対衝撃性に優れるために設置場所を頻繁に移動する装置に適している。
【0093】
そして、例えばバネ性を有した平板状の補強プレート71の一端を第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定し、且つ、補強プレート71の他端を第2偏光ビームスプリッタ(32)に矩形状ブロック61を介して接着した金属板63に半田付け又は接着している。また、補強プレート71に対して略直交して配置し、且つ、例えばバネ性を有した平板状の補強プレート72の一端を第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定し、且つ、補強プレート72の他端を第3偏光ビームスプリッタ33にL字状ブロック62を介して接着した金属板64に半田付け又は接着している。
【0094】
これにより、装置1Dの床置き形態又は天吊り状態により装置1Dの上下を反転させた場合に、第4偏光ビームスプリッタ34に片持ち状態で支持した第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33が周囲の温度上昇などによりそれぞれ矢印方向に変位しても補強プレート71,72のバネ性により歪みを解消すると共に、第3波長選択性偏光変換板37によって第3偏光ビームスプリッタ33が重力方向に倒れても第3偏光ビームスプリッタ33を重力方向に対して補正できるので、カラー画像を不図示のスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0095】
尚、図14では図示奥側の第1取り付け部材51に対しても同様に補強プレート71,72を取り付けているものである。
【0096】
上記により、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1の反射型投射表示装置1Dでは、装置1Dの床置き形態又は天吊り状態により装置1Dの上下を反転させた場合でも補強プレート71,72によって重力方向の影響を緩和できるので、カラー画像を図示しないスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0097】
次に、図15に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例2の反射型投射表示装置1Eでは、変形例1の反射型投射表示装置1Cで用いた補強プレート71,72の各一端側を接合して一体化して補強プレート73を形成したものであり、この補強プレート73のうちでアーム部73aとアーム部73bとが直交した部位を図示手前側の第2取り付け部材52の略中央部位に接着又はネジにより固定すると共に、且つ、アーム部73aの先端を第2偏光ビームスプリッタ(32)に矩形状ブロック61を介して接着した金属板63に半田付け又は接着し、且つ、アーム部73bの先端を第3偏光ビームスプリッタ33にL字状ブロック62を介して接着した金属板64に半田付け又は接着している。
【0098】
従って、変形例2の反射型投射表示装置1Eも、変形例1の反射型投射表示装置1Dと略同様の効果が得られる。
【0099】
次に、図16に示した如く、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例3の反射型投射表示装置1Fでは、変形例2の反射型投射表示装置1Eで用いた補強プレート73に対してよりバネ性を考慮して改良を図って補強プレート74を形成したたものである。
【0100】
即ち、上記した補強プレート74は、アーム部74aとアーム部74bとが直交した部位の間に固定部74cを形成し、且つ、この固定部74cにスリット74c1を形成して、両アーム部74a,74bのバネ性を高めることで、変形例1及び変形例2よりも第2,第3偏光ビームスプリッタ(32),33の位置ずれに対してより追従性を高めたものである。
【0101】
尚、第2実施例の反射型投射表示装置1Cを一部変形した変形例1〜3の反射型投射表示装置1D〜1Fは、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bと対向する色分解及び色合成用光学ブロック(第2,第3偏光ビームスプリッタ)32,33を、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bと対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロック(第1,第4偏光ビームスプリッタ)31,34よりも小型に形成して他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、他の色分解及び色合成用光学ブロック31,34側のみを第1,第2取り付け部材51,52に接着すると共に、複数の反射型液晶パネル20R,20R,20Bを他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック32,33側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、反射型投射表示装置1D〜1Fを床置き状態又は天吊り形態に応じて上下を反転させる場合に対応して、一端を第1,第2取り付け部材51,51に固着させ、且つ、他端を他の色分解及び色合成用光学ブロック34側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック32,33側に固着させた補強プレート71,72(又は73もしくは74)を備えた構造形態であれば良く、この構造形態の場合に第1,第2取り付け部材51,52は光学ガラスと同じ値の熱膨張係数を有するセラミックスを用いない場合でも構わない。
【0102】
以上詳述した本発明に係る第1,第2実施例の反射型投射表示装置1B〜1Fでは、光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射する色分解及び色合成光学系30B内に設けた複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34の各偏光分離面31a〜34aを平面的に見て略X字状に交差するように配置し、且つ、第1〜第4偏光ビームスプリッタ31〜34のうちで第1,第4偏光ビームスプリッタ31,34をこれと略同じ値の熱膨張係数を有する第1,第2取り付け部材51,52に接着することで、色分解及び色合成光学系30Bを接着した第1取り付け部材51側を反射型投射表示装置1B〜1F内に固定させた場合を説明したが、これに限らず、発明が解決しようとする課題でも説明したように、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと2個のダイクロイックプリズムを用いた場合(特開平10−253922号公報)とか、複数の色分解及び色合成用光学ブロックとして1個の偏光ビームスプリッタと1個のダイクロイックプリズムと1個の光学ガラスブロックとを用いた場合(US6,183,091B1号公報)でも、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを一体的に固着するための取り付け部材の熱膨張係数を光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定すれば良いものである。
【0103】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る色分解及び色合成光学系において、請求項1記載によると、白色光を出射する光源部と、前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記取り付け部材の熱膨張係数を前記光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定したため、色分解及び色合成光学系の熱膨張により複数の色分解及び色合成用光学ブロックが取り付け部材から剥離することもなく、また、複数の色分解及び色合成用光学ブロックが割れることもなく、更に、熱応力による複屈折が生じたりすることを防ぐことができるので、不図示のスクリーン上に高コントラストでレジズレのないカラー画像を投射することができる。
【0104】
また、請求項2記載によると、上記した請求項1記載の反射型投射表示装置において、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付けたため、色分解及び色合成光学系の熱膨張により他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた色分解及び色合成用光学ブロック側が位置ズレを起こしても、複数の反射型空間光変調素子それぞれが対向する色分解及び色合成用光学ブロックと一体に移動することにより画素ズレが発生しないので、画素ズレのない良好な画像をスクリーン上に投射できる。
【0105】
また、請求項3記載によると、上記した請求項2記載の反射型投射表示装置において、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたため、温度上昇による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレとか、反射型投射表示装置を床置き状態又は天吊り形態で使用する使用形態による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレに対して補強プレートで補正できるので、カラー画像をスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【0106】
更に、請求項4記載によると、とくに、複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたため、温度上昇による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレとか、反射型投射表示装置を床置き状態又は天吊り形態で使用する使用形態による色分解及び色合成用光学ブロックの位置ズレに対して補強プレートで補正できるので、カラー画像をスクリーン上にレジズレなく投射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーリンク社から開示された従来例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置の光学構成を示した平面図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置において、色分解及び色合成光学系内に設けた波長選択性偏光変換板を説明するための斜視図であり、(a)は2枚の光学板ガラス基板間にポリカーボネイトラミネイト体をサンドイッチした形態を示し、(b)はポリカーボネイトラミネイト体だけの形態を示した図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図である。
【図5】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、2つの二等辺三角プリズムを接着して偏光ビームスプリッタを作製した際に2つの二等辺三角プリズムの奥行き方向の位置ズレを示した斜視図である。
【図6】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、偏光ビームスプリッタ中の2つの二等辺三角プリズムが奥行き方向に位置ズレた状態で偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した断面図である。
【図7】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図である。
【図8】本発明に係る第1実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【図9】色分解及び色合成光学系を第1,第2取り付け部材に取り付けた際に、色分解及び色合成光学系内の光学部材が熱膨張により位置ズレを起こす現象を説明するための平面図である。
【図10】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタと、第1,第2取り付け部材とをそれぞれ分解して示した分解斜視図である。
【図11】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置内に設けた色分解及び色合成光学系において、複数の偏光ビームスプリッタを第1,第2取り付け部材に取り付けた状態を示した斜視図である。
【図12】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を示した斜視図である。
【図13】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置の使用形態を説明するための図であり、(a)は床置き状態を示し、(b)は天吊り状態を示した図である。
【図14】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例1を示した斜視図である。
【図15】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例2を示した斜視図である。
【図16】本発明に係る第2実施例の反射型投射表示装置を一部変形した変形例3を示した斜視図である。
【符号の説明】
1B…第1実施例の反射型投射表示装置、
1C…第2実施例の反射型投射表示装置、
1D…第2実施例を一部変形させた変形例1の反射型投射表示装置、
1E…第2実施例を一部変形させた変形例2の反射型投射表示装置、
1F…第2実施例を一部変形させた変形例3の反射型投射表示装置、
10…光源部、11…反射面鏡、12…光源、13…第1偏光板、
20R,20G,20B…反射型空間光変調素子(反射型液晶パネル)、
21〜23…1/4波長板、
30B…第1,第2実施例の色分解及び色合成光学系、
31〜34…複数の色分解及び色合成用光学ブロック(第1〜第4偏光ビームスプリッタ)、31a〜34a…偏光分離面、
35〜38…第1〜第4波長選択性偏光変換板、39…光学ガラススペーサ、
40…投射光学系、41…第2偏光板、42…投射レンズ、
51…第1取り付け部材、
51a…接着面、51b…段差面、51c…接着面、51d…段差面、
51f〜51h…取り付け部、
52…第2取り付け部材、
52a…接着面、52b…段差面、52c…接着面、52d…段差面、
71〜73…補強プレート、
Rs光,Gs光,Bs光…s偏光光、
Rp光,Gp光,Bp光…p偏光光、
S…光透過性接着剤。
Claims (4)
- 白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記取り付け部材の熱膨張係数を前記光学ガラスの熱膨張係数と略同じ値に設定したことを特徴とする反射型投射表示装置。 - 請求項1記載の反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付けたことを特徴とする反射型投射表示装置。 - 請求項2記載の反射型投射表示装置において、
一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置。 - 白色光を出射する光源部と、
前記光源部から出射した白色光を複数の色光に色分解して、該複数の色光を各色にそれぞれ対応した複数の反射型空間光変調素子に導き、更に、各色の反射型空間光変調素子で映像信号に応じて光変調された各色光を色合成した色合成光を出射するために光学ガラスを用いて作製した複数の色分解及び色合成用光学ブロックを少なくとも備えた色分解及び色合成光学系と、
前記色分解及び色合成光学系から出射した前記色合成光を投射する投射光学系とで構成した反射型投射表示装置において、
前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックを接着剤を用いて取り付け部材に一体的に接着し、この取り付け部材を装置内のベース台に固定する際に、前記複数の色分解及び色合成用光学ブロックのうちで前記複数の反射型空間光変調素子と対向する色分解及び色合成用光学ブロックを、前記複数の反射型空間光変調素子と対向しない他の色分解及び色合成用光学ブロックよりも小型に形成して該他の色分解及び色合成用光学ブロック側に光透過性接着剤を用いて片持ち状態で支持させ、且つ、前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側のみを前記取り付け部材に接着すると共に、前記複数の反射型空間光変調素子を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側にそれぞれ一体的に取り付け、更に、一端を前記取り付け部材に固着させ、且つ、他端を前記他の色分解及び色合成用光学ブロック側に片持ち状態で支持させた前記色分解及び色合成用光学ブロック側に固着させた補強プレートを備えたことを特徴とする反射型投射表示装置。
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