JP2013117668A - スペックル低減装置、プロジェクタ、およびスペックル低減装置の製造方法 - Google Patents

スペックル低減装置、プロジェクタ、およびスペックル低減装置の製造方法 Download PDF

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彰信 菅
Takayuki Uchiyama
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Abstract

【課題】小型化に適したスペックル低減装置を得ること。
【解決手段】スペックル低減装置200は、透光性基材でそれぞれ構成される2枚の平行平板201a、201bを、偏光分離膜を介して接合して積層部材を形成し、積層部材を接合面に対して45度方向の平行平板状に切り出し、切り出した積層部材201の一方の切り出し面に第1の1/4波長層203を形成し、1/4波長層203の上から第1の部分反射部材206を形成し、部分反射部材206の上からさらに第1のミラー層202を形成し、切り出した積層部材201の他方の切り出し面に第2の1/4波長層205を形成し、第2の1/4波長層の上から第2のミラー層204を形成してなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スペックル低減装置、プロジェクタ、およびスペックル低減装置の製造方法に関する。
レーザー光源のような可干渉性のある光で粗面を照明した場合に、粗面の各点で拡散された光束が互いに複雑な位相関係で干渉することによって生じる不規則な粒状の模様(スペックルノイズという)が生じる。スペックルは、レーザー光源を露光装置やプロジェクタなどの照明光として用いる際に悪影響を及ぼすことから、スペックルを低減する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−296503号公報
従来技術では、異なる2つの光路長を得るためにPBS(偏光ビームスプリッタ)2個と折り返しプリズム1個を必要とする。このため、光路スペースを確保する上で小型化が困難という問題があった。
(1)本発明によるスペックル低減装置は、平行な第1の面および第2の面を有する積層部材と、積層部材の第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、第1ミラー部材と第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、第1部分反射部材と第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、積層部材の第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、第2ミラー部材と第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備え、積層部材は、2枚の透光性平行平板が偏光分離膜を介して接合された接合部材から、接合面に対して45度をなす第1の面および第2の面によって切り出された部材であることを特徴とする。
(2)他の発明によるスペックル低減装置は、平行な第1の面および第2の面を有する積層部材と、積層部材の第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、第1ミラー部材と第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、第1部分反射部材と第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、積層部材の第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、第2ミラー部材と第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備え、積層部材は、2枚の透光性平行平板が偏光分離膜を介して接合された接合部材2組が位相差層を介してさらに接合された接合部材から、複数の接合面に対して45度をなす第1の面および第2の面によって切り出された部材であることを特徴とする。
(3)本発明によるプロジェクタは、レーザー光源と、上記(1)または(2)のスペックル低減装置とを備え、レーザー光源から出射した光がスペックル低減装置へ入射されることを特徴とする。
本発明によれば、小型化に適したスペックル低減装置が得られる。
本発明の一実施の形態によるスペックル低減装置を搭載したプロジェクタの光学系の要部構成図である。 スペックル低減装置を拡大した図である。 スペックルノイズの低減を説明する図である。 スペックルノイズの低減を説明する図である。 変形例1の場合のスペックル低減装置を例示する図である。 第2工程で得られる積層部材を例示する図である。 光学ブロックを例示する図である。 光学ブロックの面に対する1/4波長層の形成を説明する図である。 1/4波長層の上から形成するハーフミラー層およびミラー層を説明する図である。 3組の平行平板を位相差層を介して張り合わせて接合する場合を例示する図である。 図10の積層部材を接合面および位相差層に対して斜め45度方向に切り出した光学ブロックを例示する図である。 1/4波長層およびミラー層の形成を説明する図である。 反射型液晶素子を用いるプロジェクタの光学系の要部構成図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるスペックル低減装置を搭載したプロジェクタの光学系の要部構成図である。図1において、プロジェクタは、レーザー光源装置100と、スペックル低減装置200と、集光光学系300と、全反射プリズム401、402と、反射型表示素子500と、投射光学系600とを含む。
レーザー光源装置100は、例えば、緑色光を発する1チップタイプのLDと、赤色光を発するLDチップおよび青色光を発するLDチップを有する2チップタイプのLDとを含み、3原色光源を構成する。
スペックル低減装置200は、接合面を有する光学ブロック201(図2)を2つの反射ミラーで挟む構成を有することによって異なる光路長を得る。異なる光路を経由した2パターンの光を重畳することにより、スペックルノイズのコントラストを1/(√2)に低減する。図1の例では、2つの光路長を得る構成を2段階に設けることによって、スペックルノイズのコントラストを1/2に低減する。スペックル低減装置200の詳細については後述する。
集光光学系300は、レーザー光源装置100からの光を集光した上で、反射型表示素子500の被照射面において照明むらを抑えた均一性の高い照明光を得るように反射型表示素子500の被照射面を照明する。全反射プリズムは、プリズム401およびプリズム402によって構成され、集光光学系300からの照明光をプリズム401で反射して反射型表示素子500に向けて射出する。
反射型表示素子500は、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)によって構成される。DMDは、画素に対応する可動微小鏡面(マイクロミラー)を二次元に配列したものである。マイクロミラー下部に設けられる電極を駆動することにより、照明光を全反射プリズム401側へ反射する状態と、照明光を内部の吸収体へ向けて反射する状態とを切替える。各マイクロミラーを個別に駆動することにより、表示画素ごとに照明光の反射を制御する。
一般に、DMDは全反射プリズム401側へ反射する状態と、内部で吸収する状態との2値制御であるが、これら2値状態を高速で切替え、反射状態と吸収状態との時間比率を制御するパルス幅変調(PWM)によって濃淡を表現する。レーザー光源装置100内の各色のLDチップを色順次で発光させることにより、1個の反射型表示素子500を用いてフルカラー表示を行う。プリズム401および402は、DMDからの変調光を透過して投射光学系600へ射出する。投射光学系600は、スクリーン700上にフルカラー像を投射する。
本実施形態は、スペックル低減装置200の構成に特徴を有するので、以降の説明はスペックル低減装置200を中心に行う。図2は、スペックル低減装置200を拡大した図である。図2において、スペックル低減装置200は、光学ブロック201の入射面201Iから入射されるレーザー光に光路長が異なる複数の光路を経由させて、射出面201Oから射出する。
光学ブロック201の上下には、それぞれ反射ミラー202および反射ミラー204が配設される。光学ブロック201の上側において、光学ブロック201と反射ミラー202との間に部分反射ミラー206および1/4波長板203が配される。一方、光学ブロック201の下側において、光学ブロック201と反射ミラー204との間に1/4波長板205が配される。
光学ブロック201は直方体形状に構成され、上側面201Mおよび下側面201Nは互いに平行である。反射ミラー202、部分反射ミラー206、および1/4波長板203は、上側面201Mに沿って互いに平行に配される。1/4波長板205および反射ミラー204は、下側面201Nに沿って互いに平行に配される。
光学ブロック201は、透光性基材201aと透光性基材201bとが偏光分離膜を介して接合され(接合面201eとよぶ)、透光性基材201cと透光性基材201dとが偏光分離を介して接合され(接合面201gとよぶ)、透光性基材201bおよび透光性基材201cが位相差層201fを介して接合されている。
接合面201e、位相差層201fおよび接合面201gは互いに平行であり、かつ、これらの面(接合面201e、位相差層201fおよび接合面201g)は、上側面201M、反射ミラー202、部分反射ミラー206、1/4波長板203、下側面N、1/4波長板205および反射ミラー204との間で45度の角度をなすとともに、これらの面(接合面201e、位相差層201fおよび接合面201g)に対してレーザー光が45度の入射角で入射するように構成されている。
つまり、接合面201eおよび接合面201gで反射されるレーザー光が、反射ミラー202、部分反射ミラー206、1/4波長板203、1/4波長板205および反射ミラー204に対して垂直に入射されるように構成する。この理由は、接合面201e、201gによって一旦分離した各偏光成分の光を同じ光路上に合成する際の角度広がりを抑えるためである。
部分反射ミラー206は、例えば無偏光ハーフミラーを用いることにより、偏光方向の違いに起因して反射率(透過率)に差異が生じないようにする。無偏光ハーフミラーは、透過率と反射率とが50:50でなくてもよく、例えば、30:70でも60:40でもよい。部分反射ミラー206と反射ミラー202の間隔はΔd1である。
部分反射ミラー206と反射ミラー202の間隔Δd1は、光源光のコヒーレント長Lcとの間で次式(1)が成立するようにする。
Δd1≧Lc/2 (1)
コヒーレント長Lcは、次式(2)で近似できる。
Lc ≒λ/Δλ (2)
ただし、光源光の主波長をλ、波長幅をΔλとする。
例えば、光源光の主波長λが530nmで、波長幅Δλが0.1nmの場合にはコヒーレント長Lcが約2.8mmとなる。この場合のΔd1は、1.4mm以上とすればよい。重畳する光束の光路長にコヒーレント長Lc 相当の差を設けることで、スペックルノイズを効果的に低減できる。
図3および図4を参照して、上記スペックル低減装置200によるスペックルノイズの低減(すなわち、レーザー光に光路長が異なる複数の光路を経由させ、重畳させる)を説明する。図3において、光学ブロック201の入射面201Iに、レーザー光源装置100から円偏光の光束を入射させる。レーザー光源装置100からの光束が直線偏光の場合は、1/4波長板(不図示)を介して円偏光に変換した上で光学ブロック201の入射面201Iに入射させることにより、入射光束がP偏光成分とS偏光成分との双方を略等しく含む状態とする。
光学ブロック201へ入射された光のうち、P偏光成分は接合面201eを透過して位相差層201fへ進む。光学ブロック201内へ入射された光のうち、S偏光成分は接合面201eを反射して光学ブロック201の上側面Mから射出する。
光学ブロック201の上側面Mから射出した偏光成分の一部は、部分反射ミラー206で反射されて再び光学ブロック201の上側面Mから入射する。一方、光学ブロック201の上側面Mから射出した偏光成分の一部は、部分反射ミラー206を透過して反射ミラー202へ到達し、該反射ミラー202で反射されて再び部分反射ミラー206へ進む。部分反射ミラー206は、入射光の一部を透過して光学ブロック201の上側面Mから光学ブロック201へ再入射させる。部分反射ミラー206ではさらに、入射光の一部が再度反射する。このため、該部分反射ミラー206と反射ミラー202との間で反射が繰り返されながら、多重反射光が光学ブロック201の上側面Mから光学ブロック201へ再入射する。このように反射を繰り返し生じさせることにより、光束間がインコヒーレントな関係となる、光が増加する。
光学ブロック201の上側面Mから再入射した偏光成分は、1/4波長板203を計2回透過することによってS偏光成分からP偏光成分へ変換されている。このため、該P偏光成分は接合面201eを透過して光学ブロック201の下側面Nから射出する。
光学ブロック201の下側面Nから射出した偏光成分は、反射ミラー204によって反射されて再び光学ブロック201の下側面Nから入射する。再々入射した偏光成分は、1/4波長板205を計2回透過することによってP偏光成分からS偏光成分へ変換されている。このため、該S偏光成分は接合面201eを反射して位相差層201fへ進む。
位相差層201fは、その遅相軸が入射光線の入射面に対して45度傾いており、入射光線の遅相軸方向の偏光成分に1/2波長の位相差を与える。本実施形態の位相差層201fは、接合面201eを透過したP偏光成分をS偏光成分へ変換する。また、接合面201eを反射したS偏光成分をP偏光成分へ変換する。
図4において、上記位相差層201fを介して接合面201gへ入射される光のうち、P偏光成分は接合面201gを透過して光学ブロック201の射出面201Oから射出する。接合面201gへ入射された光のうち、S偏光成分は接合面201gを反射して光学ブロック201の上側面Mから射出する。光学ブロック201の上側面Mから射出する光に対して反射を繰り返し生じさせることによって、光束間がインコヒーレントな関係となる、光が増加する点は、図3を参照して説明した場合(すなわち接合面201eを反射する場合)と同様である。
以上説明した構成により、接合面201eで反射されたS偏光成分の光路(図3)は、接合面201eを透過したP偏光成分の光路に比べて、少なくとも部分反射ミラー206と反射ミラー204との間を1往復した分(dとする)長くなる。さらに、上述したように反射ミラー206と反射ミラー202との間で多重反射を繰り返すので、d+2Δd1×n(n=0,1,2,…)のように異なる光路長を経由した光束が増加する。これにより、スペックルノイズのコントラストが低減する。
また、位相差層201fは、偏光方向を90度回転させるので、S偏光成分とP偏光成分とを入れ替えて接合面201gへ入射させる。位相差層201fにより、接合面201gに入射される光のうち、P偏光成分が複数の光路を経由し、S偏光成分は1つの光路を経由したことになる。
接合面201gに入射された光の光路(図4)は、上記S偏光成分の光路が上記P偏光成分の光路に比べて、少なくとも部分反射ミラー206と反射ミラー204との間を1往復した分(dとする)長くなる。さらに、上述したように反射ミラー206と反射ミラー202との間で多重反射を繰り返すので、d+2Δ1×n(n=0,1,2,…)のように異なる光路長を経由した光束が増加する。
これにより、光学ブロック201の射出面201Oから射出されるP偏光成分およびS偏光成分は、それぞれが複数の光路を経由したことになるので、スペックルノイズのコントラストが低減する。
上述したスペックル低減装置200では、接合面201eおよび接合面201gの2段を備える(すなわち、2つの光路長を得る構成を2段階に設ける)例を説明したが、1段構成であってもよい。ただし、段数が多い方がスペックルノイズのコントラストを低減する上で有利なことはいうまでもない。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)プロジェクタのスペックル低減装置200は、互いに平行な上側面201Mおよび下側面201Nを有する光学ブロック201と、光学ブロック201の上側面201Mと平行に設けられた第1の反射ミラー202と、第1の反射ミラー202と上側面201Mとの間に設けられた第1の部分反射ミラー206と、第1の部分反射ミラー206と上側面201Mとの間に設けられた第1の1/4波長板203と、光学ブロック201の下側面201Nと平行に設けられた第2の反射ミラー204と、第2の反射ミラー204と下側面201Nとの間に設けられた第2の1/4波長板205と、を備え、光学ブロック201は、2枚の透光性基材で構成される平行平板201a、201bが偏光分離膜を介して接合された接合部材から、接合面201eに対して45度をなす上側面Mおよび下側面Nによって切り出された部材で構成するようにしたので、小型化に適したスペックル低減装置が得られる。また、接合部材から数多くの光学ブロック201を切り出せるので、量産しやすく、製造コストを低減できる。
(2)プロジェクタのスペックル低減装置200は、平行な上側面201Mおよび下側面201Nを有する光学ブロック201と、光学ブロック201の上側面201Mと平行に設けられた第1の反射ミラー202と、第1の反射ミラー202と上側面201Mとの間に設けられた第1の部分反射ミラー206と、第1の部分反射ミラー206と上側面201Mとの間に設けられた第1の1/4波長板203と、光学ブロック201の下側面201Nと平行に設けられた第2の反射ミラー204と、第2の反射ミラー204と下側面201Nとの間に設けられた第2の1/4波長板205と、を備え、光学ブロック201は、2枚の透光性基材で構成される平行平板が偏光分離膜を介して接合された接合部材2組201aと201b、201cと201dが位相差層201fを介してさらに接合された接合部材から、接合面201e、201fおよび201gが上側面201Mおよび下側面201Nに対してそれぞれ45度をなすように切り出された部材としたので、小型化に適したスペックル低減装置が得られる。また、接合部材から数多くの光学ブロック201を切り出せるので、量産しやすく、製造コストを低減できる。
(3)上記スペックル低減装置200において、第1の反射ミラー202および第1の部分反射ミラー206間の第1空気換算長Δd1は、入射光のコヒーレント長Lcの半分より長く構成するので、重畳する光束の光路長にコヒーレント長Lc 相当の差を設けて、スペックルノイズを効果的に低減できる。
(4)プロジェクタのスペックル低減装置200は、互いに平行な上側面Mおよび下側面Nを有し、上側面Mおよび下側面Nに対してそれぞれ45度をなすように偏光分離部201eが形成されている光学ブロック201と、上側面Mと平行に設けられた第1の反射ミラー202と、第1の反射ミラー202と上側面Mとの間に設けられた第1の部分反射ミラー206と、第1の部分反射ミラー206と上側面Mとの間に設けられた第1の1/4波長板203と、下側面Nと平行に設けられた第2の反射ミラー204と、第2の反射ミラー204と下側面Nとの間に設けられた第2の1/4波長板205と、を備えるようにしたので、小型化に適したスペックル低減装置が得られる。
(5)プロジェクタのスペックル低減装置200は、互いに平行な上側面Mおよび下側面Nを有し、上側面Mおよび下側面Nに対してそれぞれ45度をなすように第1の偏光分離部201e、位相差層201f、および第2の偏光分離部201gが平行に形成されている光学ブロック201と、上側面Mと平行に設けられた第1の反射ミラー202と、第1の反射ミラー202と上側面Mとの間に設けられた第1の部分反射ミラー206と、第1の部分反射ミラー206と上側面Mとの間に設けられた第1の1/4波長板203と、下側面Nと平行に設けられた第2の反射ミラー204と、第2の反射ミラー204と下側面Nとの間に設けられた第2の1/4波長板205と、を備えるようにしたので、小型化に適したスペックル低減装置が得られる。
(変形例1)
図5は、変形例1の場合のスペックル低減装置200Aを例示する図である。図2の場合と比べて、光学ブロック201の下側において1/4波長板205と反射ミラー204との間に部分反射ミラー207が配される点が相違する。部分反射ミラー207は、上述した無偏光ハーフミラーを用いることによって偏光方向の違いに起因して反射率(透過率)に差異が生じないようにする。部分反射ミラー207と反射ミラー204の間隔はΔd2である。
ここで、間隔Δd2は、光源光のコヒーレント長Lcとの間で次式(3)が成立するようにする。
Δd2 ≧ Lc/2 (3)
コヒーレント長Lcは、上式(2)で近似できる。
変形例1によれば、部分反射ミラー207と反射ミラー204との間でも反射が繰り返されながら、多重反射光が光学ブロック201の下側面Nから光学ブロック201へ再入射する。このように反射を繰り返し生じさせることにより、光束間がインコヒーレントな関係となる、光が増加する。
また、変形例1ではΔd1およびΔd2が相互に異なるようにする。重畳する光束の光路長の差Δd1、Δd2を異ならせることで、異なる光路長を経由した光束がさらに増加するため、スペックルノイズをより効果的に低減できる。なお、変形例1において、部分反射ミラー207および反射ミラー204へも光が垂直に入射されるように構成する。この理由は、接合面201e、201gによって一旦分離した各偏光成分の光を同じ光路上に合成する際の角度広がりを抑えるためである。
(変形例2)
変形例1では、光学ブロック201の下側において、光学ブロック201と略同じ長さの部分反射ミラー207を設けるようにした。この代わりに、部分反射ミラー207の長さを光学ブロック201の略半分として、この部分反射ミラー207を接合面201eの位置、または接合面201gのいずれか一方の位置に対応させて配置してもよい。
変形例2の場合、接合面201eの位置、または接合面201gの位置のいずれかに対応する位置で、多重反射光が光学ブロック201の下側面Nから光学ブロック201へ再入射する。このような反射を繰り返し生じさせることにより、光束間がインコヒーレントな関係となる、光が増加するため、部分反射ミラー207を全く設けない場合に比べて、スペックルノイズを効果的に低減できる。
上述した光学ブロック201の製造方法を例示する。
1.第1工程
例えば、硝材などの透光性基材でそれぞれ構成される2枚の平行平板を、偏光分離膜を介して張り合わせて接合する(接合面201e)。これにより、透光性基材201aおよび透光性基材201bで接合面201eを挟む積層部材が形成される。また、透光性基材201cおよび透光性基材201dで接合面201gを挟む積層部材が形成される。
2.第2工程
上記第1工程で接合した2組の平行平板を、位相差層201fを介して張り合わせて接合し、図6の積層部材を得る。図6は、第2工程で得られる積層部材を例示する図である。本例では、透光性基材201bと透光性基材201cとの間に位相差層201fを有するように接合する。
3.第3工程
図6に例示するように、第2の工程で得た積層部材を上記接合面(すなわち、接合面201e、接合面201g、位相差層201f)に対して斜め45度方向の平行平板状に切り出す。本製造法によれば、図7に例示する光学ブロック201を、一度に数多く得ることができる。
4.第4工程
光学ブロック201の上下の面(平行な切り出し面)201M、201Nに、それぞれ1/4波長層203、205を形成する。具体的には、水晶のような結晶基材を貼り付けたり、フィルム状の1/4波長フィルムを接着層を介して貼り付けたりする(図8)。
5.第5工程
1/4波長層203の上からハーフミラー層206を形成し、ハーフミラー層206の上からさらにミラー層202を形成する(図9)。具体的には、透光性基板の片面にハーフミラー層206を形成し、該透光性基板の反対側の面にミラー層202を形成してから、該透光性基板を1/4波長層203の上に貼り付ける。
6.第6工程
また、1/4波長層205の上からミラー層204を形成する(図9)。以上の工程により、スペックル低減装置200が得られる。
(変形例3)
光学ブロックを、上述した構成より多層化構成にしてもよい。図10は、上記第1工程で接合した平行平板を3組用意し、これら3組の平行平板を位相差層201f−1および位相差層201f−2を介してそれぞれ張り合わせて接合する場合を例示する図である。変形例3の場合、位相差層201f−1を上記位相差層201fの場合と同様に1/2波長子として機能させ、位相差層201f−2を1/4波長子として機能させる。
図11は、図10の積層部材を各接合面に対して斜め45度方向の平行平板状に切り出した光学ブロック201Bを例示する図である。光学ブロック201Bの平行な切り出し面のうち、上面に1/4波長層203を形成し、1/4波長板203の上からハーフミラー層206を形成し、ハーフミラー層206の上からさらにミラー層202を形成する(図12)。
光学ブロック201Bの平行な切り出し面のうち下面には、1/4波長層205を形成し、1/4波長層205の下にミラー層204を形成する(図12)。
変形例3によれば、光路長が異なる光をより多重化することができるので、スペックルノイズ低減の効果がさらに大きくなる。なお、位相差層201f−2を1/4波長子としたので、位相差層201f−2から右方向へ射出する複数パターンの光束が、接合面201h側から見てそれぞれP偏光成分とS偏光成分との双方を略等しく含む状態となる。これにより、両偏光成分の光がさらに二分割され、異なる光路長を経由した光束が増加するので、スペックルノイズのコントラストをさらに低減させることができる。
(変形例4)
プロジェクタのライトバルブとして反射型表示素子500を用いる例を説明したが、透過型の表示素子を用いる構成にしてもよい。また、反射型表示素子500としてDMDを用いる例を説明したが、MEMS(微小電気機械システム)ミラー素子や反射型液晶表示素子を用いる構成にしてもよい。
なお、ライトバルブとして液晶表示素子を用いる場合は、スペックル低減装置200と集光光学系300Bとの間に偏光変換素子800を設ける。図13は、反射型液晶素子500Bを用いるプロジェクタの光学系の要部構成図である。
図13において、偏光変換光学系800は、スペックル低減装置200から射出されるP偏光成分とS偏光成分の光を一方の偏光成分(例えばP偏光成分)に揃える。スペックル低減装置200からの射出光のNAが非常に小さいため、偏光変換光学系800を介してもエタンデュー増加による光量低下がほとんど生じない。
集光光学系300Bは、偏光変換光学系800によってP偏光成分に揃えられた照明光を集光した上で、反射型液晶素子500Bの被照射面において照明むらを抑えた均一性の高い照明光を得るように反射型液晶素子500Bの被照射面を照明する。
PBS(偏光ビームスプリッタ)900は、P偏光成分を透過し、S偏光成分を接合面で反射する。このため、P偏光成分の照明光は、PBS900を介して反射型液晶素子500Bの被照射面を照明する。反射型液晶素子500Bで変調された光はS偏光成分となるので、PBS900の接合面で反射されて投射光学系600へ射出される。投射光学系600は、スクリーン700上に像を投射する。
(変形例5)
以上の説明ではプロジェクタに搭載する照明光学系を例に説明したが、顕微鏡の照明光学系や、ステッパー露光装置における照明光学系にも適用することができる。
以上の説明はあくまで一例であり、上記の実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
100…レーザー光源装置
200、200A…スペックル低減装置
201…光学ブロック
201a、201b、201c、201d…透光性基材
201e、201g…接合面
201f…位相差層
201M…上側面
201N…下側面
202、204…反射ミラー
203、205…1/4波長板
206、207…部分反射ミラー
300…集光光学系
401、402…全反射プリズム
500…反射型表示素子
600…投射光学系
700…スクリーン

Claims (11)

  1. 平行な第1の面および第2の面を有する積層部材と、
    前記積層部材の前記第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、
    前記第1ミラー部材と前記第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、
    前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、
    前記積層部材の前記第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、
    前記第2ミラー部材と前記第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備え、
    前記積層部材は、2枚の透光性平行平板が偏光分離膜を介して接合された接合部材から、前記接合面に対して45度をなす前記第1の面および前記第2の面によって切り出された部材であることを特徴とするスペックル低減装置。
  2. 平行な第1の面および第2の面を有する積層部材と、
    前記積層部材の前記第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、
    前記第1ミラー部材と前記第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、
    前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、
    前記積層部材の前記第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、
    前記第2ミラー部材と前記第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備え、
    前記積層部材は、2枚の透光性平行平板が偏光分離膜を介して接合された接合部材2組が位相差層を介してさらに接合された接合部材から、前記複数の接合面に対して45度をなす前記第1の面および前記第2の面によって切り出された部材であることを特徴とするスペックル低減装置。
  3. 請求項1または2に記載のスペックル低減装置において、
    前記第1ミラー部材および前記第1部分反射部材間の第1空気換算長は、入射光のコヒーレント長の半分より長いことを特徴とするスペックル低減装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスペックル低減装置において、
    前記第2ミラー部材と前記第2の1/4波長板との間に設けられた第2部分反射部材をさらに備えることを特徴とするスペックル低減装置。
  5. 請求項4に記載のスペックル低減装置において、
    前記第1ミラー部材、前記第1部分反射部材、前記第1の1/4波長板、前記第2ミラー部材、前記第2部分反射部材、および前記第2の1/4波長板に対し、それぞれ光が垂直に入射されることを特徴とするスペックル低減装置。
  6. 請求項5に記載のスペックル低減装置において、
    前記第2ミラー部材および前記第2部分反射部材間の第2空気換算長は、入射光のコヒーレント長の半分より長いことを特徴とするスペックル低減装置。
  7. 平行な第1の面および第2の面を有し、前記第1の面および前記第2の面に対してそれぞれ45度をなすように偏光分離部が形成されている偏光分離素子と、
    前記第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、
    前記第1ミラー部材と前記第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、
    前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、
    前記第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、
    前記第2ミラー部材と前記第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備えることを特徴とするスペックル低減装置。
  8. 平行な第1の面および第2の面を有し、前記第1の面および前記第2の面に対してそれぞれ45度をなすように第1の偏光分離部、位相差層、および第2の偏光分離部が平行に形成されている偏光分離素子と、
    前記第1の面と平行に設けられた第1ミラー部材と、
    前記第1ミラー部材と前記第1の面との間に設けられた第1部分反射部材と、
    前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に設けられた第1の1/4波長板と、
    前記第2の面と平行に設けられた第2ミラー部材と、
    前記第2ミラー部材と前記第2の面との間に設けられた第2の1/4波長板と、を備えることを特徴とするスペックル低減装置。
  9. レーザー光源と、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のスペックル低減装置とを備え、
    前記レーザー光源から出射した光が前記スペックル低減装置へ入射されることを特徴とするプロジェクタ。
  10. 透光性基材でそれぞれ構成される2枚の平行平板を、偏光分離膜を介して接合して積層部材を形成する工程と、
    前記積層部材を前記接合面に対して45度方向の平行平板状に切り出す工程と、
    前記切り出した積層部材の一方の切り出し面に第1の1/4波長層を形成する工程と、
    前記1/4波長層の上から第1の部分反射部材層を形成する工程と、
    前記部分反射部材層の上からさらに第1のミラー層を形成する工程と、
    前記切り出した積層部材の他方の切り出し面に第2の1/4波長層を形成する工程と、
    前記第2の1/4波長層の上から第2のミラー層を形成する工程と、
    を有することを特徴とするスペックル低減装置の製造方法。
  11. 透光性基材でそれぞれ構成される2枚の平行平板を、偏光分離膜を介して接合して第1積層部材を形成する工程と、
    透光性基材でそれぞれ構成される2枚の平行平板を、偏光分離膜を介して接合して第2積層部材を形成する工程と、
    前記第1積層部材および前記第2積層部材を、位相差層を介して接合して第3積層部材を形成する工程と、
    前記第3積層部材を前記接合面に対して45度方向の平行平板状に切り出す工程と、
    前記切り出した第3積層部材の一方の切り出し面に第1の1/4波長層を形成する工程と、
    前記1/4波長層の上から第1の部分反射部材層を形成する工程と、
    前記部分反射部材層の上からさらに第1のミラー層を形成する工程と、
    前記切り出した第3積層部材の他方の切り出し面に第2の1/4波長層を形成する工程と、
    前記第2の1/4波長層の上から第2のミラー層を形成する工程と、
    を有することを特徴とするスペックル低減装置の製造方法。
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