JP2011059158A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】光射出側の偏光素子の耐久性及び耐熱性を高めつつも、液晶パネル等で発生する戻り光の影響によるコントラストの低下を抑制することのできるプロジェクターを提供すること。
【解決手段】
第1及び第2偏光素子42a〜42c,43a〜43cが無機材料で形成されることにより、光変調部40が耐光性及び耐熱性に優れたものとなり、プロジェクター100の寿命を長くできる。また、第1偏光素子42a〜42cを照明光学系20の光軸に垂直な基準面に対して傾斜して配置することにより、第1偏光素子42a〜42cの後段である液晶パネル41a〜41cや第2偏光素子43a〜43c等において発生する第1偏光素子42a〜42cへの戻り光を反射により本プロジェクター100の光路外へ排除することができる。これにより、プロジェクター100のコントラストの低下を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光反射型の偏光素子を組み込んだ光変調装置を備えるプロジェクターに関する。
例えば、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを組み込んだタイプのプロジェクターにおいては、偏光状態を調整するために、通常、液晶パネルの入射側及び射出側には偏光素子が配置される。このうち、入射側の偏光素子に対して液晶パネル等からの戻り光が発生して投影画像のコントラストが低下するのを防ぐため、入射側の偏光素子を傾けたものがある。(特許文献1参照)。
特開2008−76481号公報
しかしながら、特許文献1のプロジェクターでは、液晶パネルの射出側の偏光素子として、光吸収型の有機偏光板が用いられているため、無機偏光板よりも耐光性及び耐熱性に劣り寿命が短いという問題がある。
そこで、本発明は、光射出側の偏光素子の耐久性及び耐熱性を高めつつも、液晶パネル等で発生する戻り光の影響によるコントラストの低下を抑制することのできるプロジェクターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクターは、照明光を射出する照明光学系と、照明光を変調する液晶パネルと、無機材料で形成される光機能部を有するとともに、液晶パネルの前段に照明光学系の光軸に垂直な基準面に対して傾斜した状態で配置され照明光のうち第1方向の直線偏光成分を透過させる無機型の第1偏光素子と、無機材料で形成される光機能部を有するとともに、液晶パネルの後段に配置され液晶パネルから射出された変調光から第1方向と異なる第2方向の直線偏光成分を透過させる無機型の第2偏光素子とを含む光変調装置と、光変調装置から射出された光束を投射する投射光学系と、を備える。
上記プロジェクターでは、光変調装置に含まれる第1及び第2偏光素子が無機材料で形成されることにより、光変調装置が耐光性及び耐熱性に優れたものとなり、プロジェクターの寿命を長くできる。また、第2偏光素子が無機材料で形成されているため、第1偏光素子への戻り光が発生しやすくなるが、第1偏光素子を照明光学系の光軸に垂直な基準面に対して傾斜して配置することにより、第1偏光素子の後段である液晶パネルや第2偏光素子等において発生する第1偏光素子への戻り光を第1偏光素子での反射により本プロジェクターの光路外へ排除することができる。これにより、戻り光の影響によるプロジェクターのコントラストの低下を抑制することができる。
また、本発明の具体的な態様として、第1偏光素子は、第1方向の直線偏光以外の成分を反射する。この場合、照明光のうち必要な第1方向の直線偏光以外の成分を反射によって排除することができる。
また、本発明の具体的な態様として、第2偏光素子は、第2方向の直線偏光以外の成分を吸収する。この場合、液晶パネルを通過した光から必要な第2方向の直線偏光以外の成分を吸収によって排除することができる。
また、本発明の具体的な態様として、第1偏光素子は、長手方向を有する形状であり、長手方向に平行な軸のまわりに回転することによって傾斜する。この場合、回転軸を長手方向に平行な軸とすることにより、第1偏光素子を傾けるスペースを最小限にすることができる。
また、本発明の具体的な態様として、第1偏光素子の基準面に対する傾斜角は、第1偏光素子の光射出側からの反射光が投射光学系に入射することを回避するように設定される。この場合、第1偏光素子の光射出側からの反射光が投射光学系に入射しないため、プロジェクターのコントラストの低下を確実に抑制することができる。
第1実施形態に係るプロジェクターを説明するための概念図である。 (A)、(B)は、第1実施形態に係る光変調装置の一例を説明するための側面平面図である。 第1実施形態における光変調部等の役割を説明するための側面図である。 第2実施形態に係るプロジェクターを説明するための概念図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るプロジェクターについて詳細に説明する。
図1に示すプロジェクター100は、光源から得た照明光を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーン上に拡大投射するための光学機器である。このプロジェクター100は、照明光学系20と、色分離導光光学系30と、光変調部40と、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。ここで、光変調部40は、3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを含む。各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、色の異なる照明光をそれぞれ変調して画像表示を行う光変調装置である。
上記プロジェクター100において、照明光学系20は、光源装置10と、凹レンズ22と、第1及び第2レンズアレイ23,24と、偏光変換装置25と、重畳レンズ26とを備える。このうち、光源装置10は、照明用の光束を射出する光源であり、例えば放電型の発光管11と、楕円面型のリフレクター12と、球面型の副鏡13とを備える。発光管11からの光は、リフレクター12で直接反射され、或いは副鏡13で反射された後にリフレクター12でさらに反射されて収束光束となる。この収束光束は、凹レンズ22によって略平行光束とされて、前方側の第1レンズアレイ23に入射する。なお、上述した楕円面型のリフレクター12に代えて、放物面等の各種凹面鏡を用いることができる。放物面の凹面鏡を用いた場合、リフレクター12の後段に凹レンズ22等を設けなくとも、光源装置10から平行光束を射出させることが可能となる。
第1及び第2レンズアレイ23,24は、それぞれマトリックス状に配置された複数の要素レンズからなる。このうち、第1レンズアレイ23を構成する要素レンズによって、凹レンズ22からの光束はこれら要素レンズの区画に対応する複数の部分光束に分割される。また、第2レンズアレイ24を構成する要素レンズによって、第1レンズアレイ23からの各部分光束は適当な発散角で射出される。なお、第2レンズアレイ24は、集光を目的としているため、第2レンズアレイ24の各要素レンズの輪郭形状が上記各液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域と対応している必要はない。
偏光変換装置25は、PBS及びミラーを組み込んだプリズムアレイと、当該プリズムアレイの光射出面上にストライプ状に貼り付けられる波長板アレイとを備える。この偏光変換装置25は、第2レンズアレイ24を通過した各部分光束の偏光方向を一方向に揃えて例えば紙面に平行なx方向の直線偏光にする役割を有する。具体的には、PBSは、各部分光束に含まれるP偏光及びS偏光のうち、一方の偏光を透過し、他方の偏光を反射する。反射された他方の偏光は、ミラーによって光路を折り曲げられ、一方の偏光の射出方向すなわちシステム光軸OAに沿った方向に射出される。射出された偏光のいずれかは、波長板アレイによって偏光変換され、すべての偏光の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換装置25を用いることにより、光源装置10から射出される光束を、一方向の偏光に揃えることができるため、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cで利用する光の利用率を向上させることができる。
重畳レンズ26は、第2レンズアレイ24から射出され偏光変換装置25を通過した部分光束を全体として適宜収束させて、後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cの被照明領域上すなわち表示領域上で重畳させる。つまり、重畳レンズ26によって、第1レンズアレイ23で分割された各部分光束を、液晶ライトバルブ40a,40b,40c上にずれなく重ね合わせて入射させることができ、液晶ライトバルブ40a,40b,40cの均一な照明が可能になる。
色分離導光光学系30は、第1ダイクロイックミラー31aと、第2ダイクロイックミラー31bと、第1反射ミラー32aと、第2反射ミラー32bと、第3反射ミラー32cと、3つのフィールドレンズ33a,33b,33cとを備える。この色分離導光光学系30は、照明光学系20により形成された照明光を赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3色に分離するとともに、各色の照明光を後段の液晶ライトバルブ40a,40b,40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、RGBの3色のうちR光(赤光)を反射し、G光(緑光)及びB光(青光)を透過させる。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GBの2色のうちG光を反射しB光を透過させる。この色分離導光光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aで反射されたR光は、反射ミラー32aを経て入射角調節用のフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aを通過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、入射角調節用のフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを通過したB光は、リレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー32b,32cを経て入射角調節用のフィールドレンズ33cに入射する。
光変調部40は、3つの光変調装置として、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の各色についてそれぞれ光変調を行う3つの液晶ライトバルブ40a,40b,40cを備える。これらの液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、入射した照明光の空間的強度分布を個別に変調する。このうち、第1光路OP1上の液晶ライトバルブ40aは、色分離導光光学系30から射出された各色の照明光のうちR光に対応して照明される液晶パネル41aと、液晶パネル41aの前段である光入射側に配置される第1偏光素子42aと、液晶パネル41aの後段である光射出側に配置される第2偏光素子43aとを備える。液晶パネル41aは、図示による説明を省略するが、透明電極等を有する光透過性の入射側基板と、画素電極等を有する光透過性の駆動基板と、入射側基板及び駆動基板間に密閉封入される液晶層とを備える。
液晶ライトバルブ40aにおいて、第1偏光素子42aは、無機材料で形成される光機能部を有し、液晶パネル41aに入射すべき光のうち所定の第1方向の直線偏光成分を透過し、第1方向の直線偏光以外の成分を反射する光反射型の偏光素子である。この第1偏光素子42aは、後に詳述するが、その法線が照明光学系20のシステム光軸OAに垂直な基準面に対して傾斜した状態となっている。一方、第2偏光素子43aは、無機材料で形成される光機能部を有し、液晶パネル41aから射出された変調光から第2方向の直線偏光成分を透過によって取り出す光吸収型の偏光素子である。
他の液晶ライトバルブ40b,40cについても同様の構成となっており、第2光路OP2上の液晶ライトバルブ40bは、色分離導光光学系30から射出された各色の照明光のうちG光に対応して照明される液晶パネル41bと、液晶パネル41bの光入射側すなわち前段に配置される第1偏光素子42bと、液晶パネル41bの光射出側に配置される第2偏光素子43bとを備える。また、第3光路OP3上の液晶ライトバルブ40cは、色分離導光光学系30から射出された各色の照明光のうちB光に対応して照明される液晶パネル41cと、液晶パネル41cの光入射側すなわち前段に配置される第1偏光素子42cと、液晶パネル41cの光射出側に配置される第2偏光素子43cとを備える。なお、以上の液晶ライトバルブ40b,40cにおいても、第1偏光素子42b,42cは、無機材料で形成された光反射型の偏光素子であり、第2偏光素子43b,43cは、無機材料で形成された光吸収型の偏光素子である。また、第1偏光素子42b、42cは、その法線が照明光学系20のシステム光軸OAに垂直な基準面に対して傾斜した状態となっている。
以上の光変調部40において、第1ダイクロイックミラー31aで反射されたR光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射し、液晶ライトバルブ40aを構成する液晶パネル41a上の表示領域を照明する。第1ダイクロイックミラー31aを透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射し、液晶ライトバルブ40bを構成する液晶パネル41b上の表示領域を照明する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a,31bの双方を透過したB光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射し、液晶ライトバルブ40cを構成する液晶パネル41c上の表示領域を照明する。
各液晶パネル41a,41b,41cは、入射した照明光の偏光方向の空間的強度分布を変調し、各液晶パネル41a,41b,41cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶パネル41a,41b,41cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。より詳細に説明すると、液晶パネル41a,41b,41cに入射した第1方向(具体的には、x方向又はz方向)の偏光のうち一部の画素に対応するものが第2方向(具体的には、y方向)の偏光に変化して、画像パターンに対応する空間的な光変調が行われる。この際、第1偏光素子42a,42b,42cは、各液晶パネル41a,41b,41cに入射する照明光の偏光方向を調整する。つまり、既述のように、第1偏光素子42a,42b,42cは、偏光成分のうち液晶パネル41a,41b,41cの照明に必要とされる第1方向の直線偏光成分(具体的には、x方向又はz方向の偏光成分)をそれぞれ透過させ、それ以外の成分を反射することで排除する。また、この際、第2偏光素子43a,43b,43cは、各液晶パネル41a,41b,41cから射出される変調光のうち第2方向の直線偏光成分(具体的には、y方向の偏光成分)を画像光としてそれぞれ取り出すとともに、それ以外の成分を基本的に吸収する。以上により、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、それぞれに対応する各色の画像光を形成する。なお、第1偏光素子42a,42b,42cは、システム光軸OAに垂直な基準面に対して傾いた配置となっているため、図1において通常より厚みを帯びた状態に見えるが、これは、第1偏光素子42a,42b,42cが、図1の紙面に対して垂直ではなく、垂直な状態から上部を光路上前方あるいは後方に傾けた状態で設置されているためである(詳しくは図2により後述する)。また、この例では図示を省略しているが、第2光路OP2の液晶ライトバルブ40bの光射出側には、1/2波長板を配置することができる。これにより、変調されたG光を第1方向の直線偏光としてクロスダイクロイックプリズム50に入射させることができる。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a,40b,40cからの各色の画像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a,51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、R光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、B光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのR光を誘電体多層膜51aで反射してシステム光軸OAに平行なx方向に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a,51bを介してシステム光軸OAに平行なx方向に直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのB光を誘電体多層膜51bで反射してシステム光軸OAに平行なx方向に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりR光、G光、及びB光が合成され、カラーの画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系を具体化したものであり、クロスダイクロイックプリズム50を通って形成された合成光としての画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
以下、図2(A)及び2(B)を用いて光変調部40の具体例について説明する。なお、以下では、R光に対応する液晶ライトバルブ40a等について説明するが、他色の照明光に対応する液晶ライトバルブ40b,40c等においても同様の構造としているので説明を省略する。
図2(A)及び2(B)は、第1光路OP1上に配置される液晶ライトバルブ40aを概念的に説明する側面及び平面図である。つまり、側面図である図2(A)は、図1の液晶ライトバルブ40cを光路の進行方向(−z軸方向)右側面から見たものである。平面図である図2(B)は、図1の部分拡大図となっている。
以下、液晶ライトバルブ40aのうち、第1偏光素子42aと、第2偏光素子43aとについて詳述する。
第1偏光素子42aは、無機型の偏光素子のなかでも、特に構造性複屈折型の偏光素子或いは構造型偏光板等と呼ばれる光反射型の偏光素子によって構成されている。具体的には、第1偏光素子42aの例えば光入射側に設けた光機能部LFが、ワイヤーグリッド型の構造性複屈折部として機能する。
第1偏光素子42aは、透明基板FF上に光機能部LFを有している。この光機能部LFは、一次元の周期構造を有する2次元の導体パターン、より具体的にはグリッド構造すなわち金属のストライプパターンからなる。光機能部LFは、一方向に延びる多数の同一幅の細い金属線MFがこれに垂直な横方向すなわち幅方向に等間隔で配列された構造を有し、隣接する一対の金属線MFの間には、溝GTが形成されている。これらの金属線MFは、R光の波長における透過・反射特性にあわせたピッチ幅(周期幅)で配列されている。これにより、光機能部LFは、照明光のうち第1方向であるx方向の直線偏光成分を透過させ、それ以外の成分を反射する性質を有する。ここで、光機能部LFを構成する金属線MFが周期的に配列される横方向(この例ではx方向)は、これを通過すべき第1方向の直線偏光成分の偏光面に平行なものとなっている。なお、図2(A)に示すように、第1偏光素子42aは、長方形すなわち長手方向を有する形状である。第1偏光素子42aは、図1の照明光学系20のシステム光軸OAのうち第1光路OP1上の光軸に垂直なxy平面を基準面として、x軸すなわちスクリーン画面の長辺に対応する液晶パネル41aの長辺側すなわち長手方向に平行な軸SXのまわりに回転して傾斜する配置となっている。つまり、第1偏光素子42aの光射出面は、液晶パネル41aの光入射面とは平行ではない傾斜状態で対面している。第1偏光素子42aの傾斜角θは、後述するように、第1偏光素子42aの光射出側からの反射光が投射レンズ60に入射することを回避するように設定されている。具体的には、傾斜角θは、第1偏光素子42aと液晶パネル41aとの距離Aによって決まり、例えば、15°〜20°となっている。
第2偏光素子43aは、光吸収型の偏光素子のなかでも、特に構造性複屈折型の偏光素子等と呼ばれる光反射型の偏光素子によって構成されている。具体的には、第2偏光素子43aの例えば光入射側に設けた光機能部LLが、ワイヤーグリッド型の構造性複屈折部として機能する。
第2偏光素子43aは、透明基板FL上に形成された凹凸を有するグリッド構造層PL上に光機能部LLを有している。この光機能部LFも、一次元の周期構造を有する2次元の導体パターン等からなる。光機能部LLは、樹脂製のグリッド構造層PLのうち凸部P上面に金属膜MLを斜方蒸着して形成したものであり、一方向に延びる多数の同一幅の細い金属膜MLが横方向すなわち幅方向に等間隔で配列された構造を有する。これらの金属膜MLは、R光の波長における透過・吸収特性にあわせたピッチ幅(周期幅)で配列されている。これにより、光機能部LF照明光のうち第2方向であるy方向の直線偏光成分を透過させ、それ以外の成分を吸収する性質を有する。ここで、光機能部LFを構成する金属線MFが周期的に配列される横方向(この例ではy方向)は、これを通過すべき第2方向の直線偏光成分の偏光面に平行なものとなっている。なお、第2偏光素子43aの光入射面は、第1光路OP1の光軸に対して垂直なxy平面に平行になっている。したがって、第1偏光素子42aの光射出面と第2偏光素子43aの光入射面とは平行ではない傾斜状態で対面している。一方、第2偏光素子43aの光入射面と液晶パネル41aの光射出面とは平行な状態で対面している。言い換えると、第2偏光素子43aや液晶パネル41aの光入射面についての法線は、第1光路OP1の光軸の方向に等しくz方向に平行であるのに対し、第1偏光素子42aの光射出面についての法線は、z方向とy方向とを成分にもつ斜め方向になっている。
図3は、図2(A)の液晶ライトバルブ40aにおける第1偏光素子42aの補助的な役割を模式的に示した図である。以下、照明光の一つである第1光路OP1に沿って、液晶ライトバルブ40aの動作を説明する。なお、図3は、説明の便宜上、第3光路OP3を展開した図としている。
まず、図1の色分離導光光学系30により分離されたR光は、照明光として第1光路OP1に沿って液晶ライトバルブ40aの第1偏光素子42aに入射する。第1偏光素子42aは、上述のように第1方向の直線偏光成分を透過し第1方向の直線偏光以外の成分を反射する。より具体的には、第1偏光素子42aは、R光の偏光成分のうち、図3の紙面に垂直な第1方向の直線偏光成分を透過させる一方、紙面に平行な第2方向の直線偏光成分を反射する。次に、第1偏光素子42aを透過したR光は、図1で説明したように液晶パネル41aによって変調される。さらに、第2偏光素子43aは、第2方向の直線偏光成分を透過し第2方向の直線偏光以外の成分をほとんど吸収する。より具体的には、第2偏光素子43aは、液晶パネル41aを通過して変調されたR光のうち、図3の紙面に平行な第2方向の直線偏光成分を透過させる一方、紙面に垂直な第1方向の直線偏光成分をほとんど吸収する。
以上のような動作において、R光の偏光成分の一部が、液晶パネル41aやその後段である第2偏光素子43aで反射されること等により、第1偏光素子42aに逆行する戻り光RLとなる。このような戻り光RLは、ランダムな偏光成分を含むため、戻り光RLの一部は、光反射型の第1偏光素子42aの光射出側の内面ISによってさらに反射されて光射出側に再度前進する。この際、第1偏光素子42aは、液晶パネル41a及び第2偏光素子43aの光入射面に対して平行ではなく、所定角度θだけ傾いているため、光射出側に再度前進する戻り光RLは、第1偏光素子42aで一部反射されるものの進行方向が傾いてシステム光軸OAから逸れるため(図中矢印)、液晶パネル41a及び第2偏光素子43a側に戻らず、或いは、液晶パネル41a等に戻っても、図3の破線矢印RBに示すように投射レンズ60へ入射することなく光路外へ排出される。
以上は、第1光路OP1上に配置されるR光用の液晶ライトバルブ40aにおける戻り光防止についての説明であったが、第2及び3光路OP2,OP3上に配置されるG光及びB光用の液晶ライトバルブ40b,40cでも、同様にして戻り光が防止される。
以上説明したプロジェクター100によれば、第1及び第2偏光素子42a,42b,42c,43a,43b,43cが無機材料で形成されることにより、光変調装置である光変調部40が耐光性及び耐熱性に優れたものとなり、プロジェクター100の寿命を長くできる。また、第2偏光素子43a,43b,43cが無機材料で形成されているため、第1偏光素子42a,42b,42cへの戻り光が発生しやすくなるが、第1偏光素子42a,42b,42cを照明光学系20のシステム光軸OAに垂直な基準面に対して傾斜して配置することにより、第1偏光素子42a,42b,42cの後段である液晶パネル41a,41b,41cや第2偏光素子43a,43b,43c等において発生する第1偏光素子42a,42b,42cへの戻り光を反射により本プロジェクター100の光路外へ的確に排除することができる。これにより、戻り光の影響によるプロジェクター100のコントラストの低下を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態のプロジェクターについて説明する。なお、本実施形態のプロジェクターは、第1実施形態のプロジェクター100を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図4に示すプロジェクター200において、液晶ライトバルブ40a,40b,40cは、第2偏光素子43a,43b,43cの後段に第3偏光素子44a,44b,44cをさらに備える。第3偏光素子44a,44b,44cは、第2偏光素子43a,43b,43cと同様に、各液晶パネル41a,41b,41cから射出される変調光のうち第2方向の直線偏光成分を画像光として透過させる。
第3偏光素子44aは、例えば高コントラストな吸収型有機偏光素子で構成されている。このような吸収型有機偏光素子としては、例えばPVA(ポリビニルアルコール)フィルムをヨウ素や有機系染料で染色し、一軸延伸することで染料分子を規則的に並べたものを用いる。
液晶ライトバルブ40aのうち第2偏光素子43aにおいて、液晶パネル41aを通過した非変調光である第1方向の直線偏光成分(具体的には、x方向又はz方向の偏光成分)のうち例えば約半分の光量が吸収され、残りの約半分の光量が透過する。第3偏光素子43aにおいて、第2偏光素子43aを透過した上記残りの約半分の光量がほとんど吸収される。
第2実施形態において、第3偏光素子44aは、第2偏光素子43aの後段に位置するため、一般に吸熱量を少なくすることができる。したがって、第3偏光素子44aを吸収型の有機偏光素子としても、その熱的耐久性を確実に高めることができる。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記実施形態において、第1偏光素子42a,42b,42cのいずれも無機型かつ光反射型の偏光素子として説明したが、第1偏光素子42a,42b,42cのうちの一部のみに無機型かつ光反射型の偏光素子を用い、他の偏光素子には無機型かつ非反射型(光吸収型)の偏光素子を用いてもよい。例えば、第1偏光素子42a,42b,42cのうち光反射型の偏光素子を用いる部分としては、光学機器の劣化要因たる紫外光領域波長を最も多く含むと考えられるB光に対応する第1偏光素子42cのみとし、その他は非反射型の偏光素子を用いる態様が考えられる。
また、上記実施形態において、光変調部40のうち第1偏光素子42a,42b,42cにワイヤーグリッド型の偏光素子を用いるとしたが、立体的な誘電体層を多層積層することによって得られるフォトニック結晶光学素子型で構成した偏光素子を用いてもよい。
また、上記実施形態において、第2偏光素子43a,43b,43cは、ワイヤークリッド型の偏光素子に限らない。例えば、微量の金属粉(例えば、銅粉)を有するホウケイ酸を含む無機材料により形成した偏光素子でもよい。
また、上記実施形態において、第2偏光素子43a,43b,43cは、液晶パネル41a,41b,41c内に組み込むこともできる。具体的には、液晶パネル41a,41b,41cの光射出側の駆動基板内面に構造性複屈折型の第2偏光素子を作りこむこともできる。
また、上記実施形態において、第1偏光素子42a,42b,42cを傾ける回転方向や回転量は、プロジェクター100,200のタイプ等に合わせて適宜変更することができる。例えば、第1偏光素子42a等の傾斜角θは、戻り光RLを液晶パネル41aや第2偏光素子43a等に全く入射させないような角度範囲に設定することもできる。
また、上記実施形態において、第1方向の直線偏光成分は、液晶ライトバルブ40a,40b,40cごとに入射する各色の照明光の偏光状態により偏光方向を一致させているが、偏光方向が異なってもよい。また、第1方向の直線偏光成分と第2方向の直線偏光成分の偏光方向の関係は、液晶パネル41a,41b,41cの構成等によって定まり、両者の偏光方向が互いに垂直な関係になっているとは限らない。
また、上記実施形態の光源装置10に用いるランプとしては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。また、光源装置10は、副鏡13を有しないタイプの光源とすることができる。
また、上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブ40a〜40cを用いたプロジェクター100の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶ライトバルブのみを用いたプロジェクター、2つの液晶ライトバルブを用いたプロジェクター、あるいは、4つ以上の液晶ライトバルブを用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、上記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクターの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクターにも適用可能である。
100,200…プロジェクター、 20…照明光学系、 30…色分離導光光学系、 40…光変調部、 40a,40b,40c…液晶ライトバルブ、 41a,41b,41c…液晶パネル、 42a,42b,42c…第1偏光素子、 43a,43b,43c…第2偏光素子、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ

Claims (5)

  1. 照明光を射出する照明光学系と、
    前記照明光を変調する液晶パネルと、無機材料で形成される光機能部を有するとともに、前記液晶パネルの前段に前記照明光学系の光軸に垂直な基準面に対して傾斜した状態で配置され前記照明光のうち第1方向の直線偏光成分を透過させる無機型の第1偏光素子と、無機材料で形成される光機能部を有するとともに、前記液晶パネルの後段に配置され前記液晶パネルから射出された変調光から前記第1方向と異なる第2方向の直線偏光成分を透過させる無機型の第2偏光素子とを含む光変調装置と、
    前記光変調装置から射出された光束を投射する投射光学系と、
    を備えるプロジェクター。
  2. 前記第1偏光素子は、前記第1方向の直線偏光以外の成分を反射する、請求項1に記載のプロジェクター。
  3. 前記第2偏光素子は、前記第2方向の直線偏光以外の成分を吸収する、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  4. 前記第1偏光素子は、長手方向を有する形状であり、前記長手方向に平行な軸のまわりに回転することによって傾斜する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
  5. 前記第1偏光素子の前記基準面に対する傾斜角は、前記第1偏光素子の光射出側からの反射光が前記投射光学系に入射することを回避するように設定される、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
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