JP5327174B2 - スペックル低減装置およびプロジェクタ - Google Patents
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請求項2の発明によるスペックル低減装置は、入射した光を第1の偏光成分の光と第2の偏光成分の光に分離し、前記第1の偏光成分の光を射出する第1の面と、前記第2の偏光成分の光を射出する第2の面と、前記第1の面と平行な第3の面とを有する偏光分離素子と、前記第1の面と平行に配置され、前記第1の面から射出された前記第1の偏光成分の光を反射して前記偏光分離素子へ再入射させる第1反射部材と、前記第1反射部材と前記第1の面との間に配され、前記第1反射部材との間で前記偏光分離素子へ再入射する光を多重反射させる第1部分反射部材と、前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に配置され、前記第1の偏光成分の光を第2の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再入射させる第1変換部材と、前記第3の面と平行に配置され、前記第2の偏光成分の光に変換され、前記偏光分離素子へ再入射した光を反射して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2反射部材と、前記第3の面と前記第2反射部材との間に配置され、前記偏光分離素子へ再入射した前記第2の偏光成分の光を第1の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2変換部材とを備え、前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光は前記第2の面から射出されるスペックル低減装置とを2つ備え、2つの前記スペックル低減装置の一方を第1のスペックル装置とし、他方を第2のスペックル低減装置とし、前記第1のスペックル低減装置と前記第2のスペックル低減装置との間に、前記第1の偏光成分の光を前記第2の偏光成分の光へ変換し、前記第2の偏光成分の光を前記第1の偏光成分の光へと変換する第3変換部材とをさらに備え、前記第2のスペックル低減装置は、前記第1のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子の前記第2の面から射出された、前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光とを、前記第3変換部材を介して前記第2のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子へ入射させるように配置され、前記第2のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子は、前記第3変換部材によって前記第2の偏光成分から前記第1の偏光成分へと変換された前記第1の偏光成分の光を前記第1の面に射出することを特徴とする。
請求項8の発明によるスペックル低減装置は、入射光を偏光分離部で第1成分光と第2成分光とに分離し、前記第1成分光と前記第2成分光とをそれぞれ異なる方向へ射出する偏光分離素子と、前記偏光分離素子から射出された第1の成分光を反射して前記偏光分離素子へ再入射させる第1反射部材と、前記第1反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記第1反射部材との間で前記再入射させる光を多重反射させる第1部分反射部材と、前記第1部分反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記再入射させる光を第2成分光へ変換する第1変換部材と、前記再入射後に前記偏光分離素子から射出された第2成分光を反射して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2反射部材と、前記第2反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記再々入射させる光を第1成分光へ変換する第2変換部材とを備え、前記分離後の前記第2成分光と前記再々入射後の前記第1成分光とを略同一方向へ射出する第1及び第2のスペックル低減装置と、前記第1成分光と前記第2成分光との間で成分変換する第3変換部材とを備え、前記第1のスペックル低減装置から前記略同一方向へ射出された前記第1成分光および前記第2成分光を、前記第3変換部材を介して前記第2のスペックル低減装置へ入射させ、前記第1のスペックル低減装置と前記第2のスペックル低減装置との間で、前記第1反射部材、前記第1変換部材、前記第2反射部材、および前記第2変換部材がそれぞれ一体化構成されることを特徴とする。
請求項9の発明によるプロジェクタは、レーザー光源と、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスペックル低減装置とを備え、前記レーザー光源から出射した光が前記スペックル低減装置へ入射することを特徴とする。
<第1ブロックの構成>
スペックル低減装置200(図1)の1段目に相当する第1ブロックについて説明する。図2において、第1のPBS201の上下にそれぞれ反射ミラー202および反射ミラー204が配設されている。第1のPBS201の上側では、第1のPBS201と反射ミラー202との間に部分反射ミラー206および1/4波長板203が配される。部分反射ミラー206には、たとえば無偏光ハーフミラーを用いることにより、偏光方向の違いに起因して反射率(透過率)に差異が生じないようにする。無偏光ハーフミラーは、透過率と反射率とが50:50でなくてもよく、たとえば、30:70でも60:40でもよい。部分反射ミラー206と反射ミラー202の間隔はΔd1である。一方、第1のPBS201の下側では該第1のPBS201と反射ミラー204との間に1/4波長板205のみが配される。
Δd1≧Lc/2 (1)
コヒーレント長Lcは、次式(2)で近似できる。
Lc=λ2/Δλ (2)
ただし、光源光の主波長をλ、波長幅をΔλとする。
スペックル低減装置200(図1)の2段目に相当する第2ブロックについて説明する。第1のPBS201と第2のPBS221は同一である。第2のPBS221の上下にも、それぞれ反射ミラー222および反射ミラー224が配設されている。第2のPBS221の上側では、第2のPBS221と反射ミラー222との間に部分反射ミラー226および1/4波長板223が配される。部分反射ミラー226には、上述した無偏光ハーフミラーを用いる。偏光方向の違いに起因して反射率(透過率)に差異が生じないようにするためである。部分反射ミラー226と反射ミラー222の間隔はΔd3である。本実施形態ではΔd1≠Δd3とする。一方、第2のPBS221の下側では該第2のPBS221と反射ミラー224との間に1/4波長板225のみが配される。第1のPBS201と第2のPBS221との間には、1/2波長板211が配される。
Δd3≧Lc/2 (3)
コヒーレント長Lcは、上式(2)で近似できる。
(1)スペックル低減装置は、入射光を偏光分離部201aで第1成分光(S偏光成分)と第2成分光(P偏光成分)とに分離し、該第1成分光(S偏光成分)と該第2成分光(P偏光成分)とをそれぞれ異なる方向へ射出するPBS201と、PBS201から射出された第1の成分光(S偏光成分)を反射してPBS201へ再入射させる反射ミラー202と、反射ミラー202とPBS201との間に配され、反射ミラー202との間で再入射させる光を多重反射させる部分反射ミラー206と、部分反射ミラー206とPBS201との間に配され、再入射させる光を第2成分光(P偏光成分)へ変換する1/4波長板203と、再入射後にPBS201から射出された第2成分光(P偏光成分)を反射してPBS201へ再々入射させる反射ミラー204と、反射ミラー204とPBS201との間に配され、再々入射させる光を第1成分光(S偏光成分)へ変換する1/4波長板205とを備え、分離後の第2成分光(P偏光成分)と再々入射後の第1成分光(S偏光成分)とを同一方向へ射出するようにした。これにより、異なる光路長を得てスペックルを低減させるスペックル低減装置を小型化できる。
図3は、変形例1の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。図2の場合と比べて、第1のPBS201の下側において1/4波長板205と反射ミラー204との間に部分反射ミラー207が配される。部分反射ミラー207は、上述した無偏光ハーフミラーを用いることによって偏光方向の違いに起因して反射率(透過率)に差異が生じないようにする。部分反射ミラー207と反射ミラー202の間隔はΔd2である。
Δd2≧Lc/2 (4)
また、間隔Δd4は、光源光のコヒーレント長Lcとの間で次式(5)が成立するようにする。
Δd4≧Lc/2 (5)
コヒーレント長Lcは、上式(2)で近似できる。
第1ブロックと第2ブロックとで反射ミラー等を共通に構成してもよい。図4は、変形例2の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。図2と比べて、反射ミラー202A、反射ミラー204A、部分反射ミラー206A、1/4波長板203A、および1/4波長板205Aを、それぞれ第1ブロックと第2ブロックとで一体化構成する点において相違する。部分反射ミラー206Aと反射ミラー202Aの間隔はΔd1である。
図5は、変形例3の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。図4と比べて、さらに部分反射ミラー207Aを第1ブロックと第2ブロックとで共用する点において相違する。部分反射ミラー207Aと反射ミラー204Aの間隔はΔd2である。
図2に例示した第2ブロックの構成を、第1ブロックの構成に対して光軸Axの回りに略90度回転させてもよい。この理由は、第1のPBS201の右側面から射出する光の偏光方向を、第2ブロックの第2のPBSの偏光分離面に対して略90度傾けるためである。図6は、変形例4の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。
図3に例示した第2ブロックの構成を、第1ブロックの構成に対して光軸Axの回りに略90度回転させてもよい。この理由は、第1のPBS201の右側面から射出する光の偏光方向を、第2ブロックの第2のPBSの偏光分離面に対して略90度傾けるためである。図7は、変形例5の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。
図2に例示した第1ブロックの構成と、図3に例示した第2ブロックの構成とを組み合わせてもよく、図3に例示した第1ブロックの構成と、図2に例示した第2ブロックの構成とを組み合わせてもよい。
上述した説明では、スペックル低減装置200として複数の光路長を得る構成を2段並べる例を説明したが、3段または4段並べる構成にしてもよい。この理由は、第2ブロックの第2のPBS221の右側面から射出する光の偏光方向を、第3ブロックの第3のPBSの偏光分離面に対して略45度傾けるためである。図8は、変形例7の場合のスペックル低減装置の光学系を例示する図である。
上述した説明では、各PBSの端面と1/4波長板および反射ミラー(または部分反射ミラー)とを離して配設する例を説明したが、1/4波長板および反射ミラー(または部分反射ミラー)を各PBS端面と接するように配置しても構わない。
スペックル低減装置200における偏光分離素子としてPBSを用いる例を説明したが、ワイヤーグリッドを用いて構成してもよい。
プロジェクタのライトバルブとして反射型表示素子500を用いる例を説明したが、透過型の表示素子を用いる構成にしてもよい。また、反射型表示素子500としてDMDを用いる例を説明したが、MEMS(微小電気機械システム)ミラー素子や反射型液晶表示素子を用いる構成にしてもよい。
以上の説明ではプロジェクタに搭載する照明光学系を例に説明したが、顕微鏡の照明光学系や、ステッパー露光装置における照明光学系にも適用することができる。
200…スペックル低減装置
201、221…PBS
202、204、222、224、202A、204A…反射ミラー
203、205、223、225、203A、205A…1/4波長板
206、207、226、227、206A、207A…部分反射ミラー
211…1/2波長板
300…集光光学系
401、402…全反射プリズム
500…反射型表示素子
600…投射光学系
700…スクリーン
Claims (9)
- 入射した光を第1の偏光成分の光と第2の偏光成分の光に分離し、前記第1の偏光成分の光を射出する第1の面と、前記第2の偏光成分の光を射出する第2の面と、前記第1の面と平行な第3の面とを有する偏光分離素子と、
前記第1の面と平行に配置され、前記第1の面から射出された前記第1の偏光成分の光を反射して前記偏光分離素子へ再入射させる第1反射部材と、
前記第1反射部材と前記第1の面との間に配され、前記第1反射部材との間で前記偏光分離素子へ再入射する光を多重反射させる第1部分反射部材と、
前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に配置され、前記第1の偏光成分の光を第2の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再入射させる第1変換部材と、
前記第3の面と平行に配置され、前記第2の偏光成分の光に変換され、前記偏光分離素子へ再入射した光を反射して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2反射部材と、
前記第3の面と前記第2反射部材との間に配置され、前記偏光分離素子へ再入射した前記第2の偏光成分の光を第1の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2変換部材とを備え、
前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光は前記第2の面から射出されるスペックル低減装置を2つ備え、
2つの前記スペックル低減装置の一方を第1のスペックル装置とし、他方を第2のスペックル低減装置とし、
前記第2のスペックル低減装置は、前記第1のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子の前記第2の面から射出された前記第2の偏光成分の光を光軸とし、前記光軸回りに所定角度回転されて配置され、
前記第2のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子は、前記第1のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子の前記第2の面から射出された、前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光とが入射され、前記第2の偏光成分の光を前記第1の面に射出することを特徴とするスペックル低減装置。 - 入射した光を第1の偏光成分の光と第2の偏光成分の光に分離し、前記第1の偏光成分の光を射出する第1の面と、前記第2の偏光成分の光を射出する第2の面と、前記第1の面と平行な第3の面とを有する偏光分離素子と、
前記第1の面と平行に配置され、前記第1の面から射出された前記第1の偏光成分の光を反射して前記偏光分離素子へ再入射させる第1反射部材と、
前記第1反射部材と前記第1の面との間に配され、前記第1反射部材との間で前記偏光分離素子へ再入射する光を多重反射させる第1部分反射部材と、
前記第1部分反射部材と前記第1の面との間に配置され、前記第1の偏光成分の光を第2の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再入射させる第1変換部材と、
前記第3の面と平行に配置され、前記第2の偏光成分の光に変換され、前記偏光分離素子へ再入射した光を反射して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2反射部材と、
前記第3の面と前記第2反射部材との間に配置され、前記偏光分離素子へ再入射した前記第2の偏光成分の光を第1の偏光成分の光に変換して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2変換部材とを備え、
前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光は前記第2の面から射出されるスペックル低減装置を2つ備え、
2つの前記スペックル低減装置の一方を第1のスペックル装置とし、他方を第2のスペックル低減装置とし、
前記第1のスペックル低減装置と前記第2のスペックル低減装置との間に、前記第1の偏光成分の光を前記第2の偏光成分の光へ変換し、前記第2の偏光成分の光を前記第1の偏光成分の光へと変換する第3変換部材とをさらに備え、
前記第2のスペックル低減装置は、前記第1のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子の前記第2の面から射出された、前記第2の偏光成分の光と前記偏光分離素子へ再々入射した前記第1の偏光成分の光とを、前記第3変換部材を介して前記第2のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子へ入射させるように配置され、
前記第2のスペックル低減装置に備わる前記偏光分離素子は、前記第3変換部材によって前記第2の偏光成分から前記第1の偏光成分へと変換された前記第1の偏光成分の光を前記第1の面に射出することを特徴とするスペックル低減装置。 - 請求項1または請求項2に記載のスペックル低減装置において、
前記第1反射部材、前記第1変換部材、前記第2反射部材、および前記第2変換部材に対し、それぞれ入射光が略垂直に入射されることを特徴とするスペックル低減装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスペックル低減装置において、
前記偏光分離素子は、前記第2の偏光成分の光を、前記偏光分離素子に前記入射した光に対して略平行に射出することを特徴とするスペックル低減装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスペックル低減装置において、
前記第1反射部材と前記第2反射部材とは、対向して配置されることを特徴とするスペックル低減装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のスペックル低減装置において、
前記第2反射部材と前記第2変換部材との間に配され、前記第2反射部材との間で前記偏光分離素子へ再々入射する光を多重反射させる第2部分反射部材をさらに備えることを特徴とするスペックル低減装置。 - 請求項6に記載のスペックル低減装置において、
前記第1反射部材および前記第1部分反射部材間の第1空気換算長、前記第2反射部材および前記第2部分反射部材間の第2空気換算長は、それぞれ前記偏光分離素子へ前記入射した光のコヒーレント長の半分より長いことを特徴とするスペックル低減装置。 - 入射光を偏光分離部で第1成分光と第2成分光とに分離し、前記第1成分光と前記第2成分光とをそれぞれ異なる方向へ射出する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子から射出された第1の成分光を反射して前記偏光分離素子へ再入射させる第1反射部材と、
前記第1反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記第1反射部材との間で前記再入射させる光を多重反射させる第1部分反射部材と、
前記第1部分反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記再入射させる光を第2成分光へ変換する第1変換部材と、
前記再入射後に前記偏光分離素子から射出された第2成分光を反射して前記偏光分離素子へ再々入射させる第2反射部材と、
前記第2反射部材と前記偏光分離素子との間に配され、前記再々入射させる光を第1成分光へ変換する第2変換部材とを備え、
前記分離後の前記第2成分光と前記再々入射後の前記第1成分光とを略同一方向へ射出する第1及び第2のスペックル低減装置と、
前記第1成分光と前記第2成分光との間で成分変換する第3変換部材とを備え、
前記第1のスペックル低減装置から前記略同一方向へ射出された前記第1成分光および前記第2成分光を、前記第3変換部材を介して前記第2のスペックル低減装置へ入射させ、
前記第1のスペックル低減装置と前記第2のスペックル低減装置との間で、前記第1反射部材、前記第1変換部材、前記第2反射部材、および前記第2変換部材がそれぞれ一体化構成されることを特徴とするスペックル低減装置。 - レーザー光源と、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のスペックル低減装置とを備え、
前記レーザー光源から出射した光が前記スペックル低減装置へ入射することを特徴とするプロジェクタ。
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