JP2004092041A - ドアロック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ストライカと、ベースと、ベースに立設された2本のピンと、ベースに積層配置され、2本のピンが挿通する2つの穴111、穴109を有し、ストライカが進入可能なストライカ挿入溝113が形成された樹脂のボデー107と、ボデー107のストライカ挿入溝113の一方の側に回転可能に設けられ、ストライカが係合可能なストライカ係合溝を有したフックと、ボデー107のストライカ挿入溝113の他方の側に回転可能に設けられ、フックに係合可能なラチェットとを有したドアロック装置において、ボデー107のピンが挿通する穴111、穴109の周面に、挿通されるピンの円周面を局部的に押圧する押圧部311、押圧部411を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体、ドアのうちの一方に設けられたストライカと、前記車体、ドアのうちの他方に設けられたベースと、該ベースに立設された2本のピンと、前記ベースに積層配置され、前記2本のピンが挿通する2つの穴を有し、前記ストライカが進入可能なストライカ挿入溝が形成された樹脂のボデーと、該ボデーのストライカ挿入溝の一方の側に回転可能に設けられ、前記ストライカが係合可能なストライカ係合溝を有したフックと、前記ボデーのストライカ挿入溝の他方の側に回転可能に設けられ、前記フックに係合可能なラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、前記ラチェットを前記フック方向へ付勢する第2の付勢手段とを有したドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に設けられるのドアロック装置は、車体側に設けられたストライカと、ドア側に設けられたフックとが係脱することにより行なわれる。
【0003】
図13、図14、図15を用いて、一般的なドアロック装置の構成を説明する。図において、車体とドアのうちの一方に設けられたボデー1には、車体とドアのうちの他方に設けられたストライカ2が進入可能なストライカ挿入溝3が形成されている。ストライカ挿入溝3の一方の側のボデー1には、ピン5を用いてフック7が回転可能に設けられている。ストライカ挿入溝3の他方の側のボデー1には、ピン9を用いてラチェット11が回転可能に設けられている。
【0004】
フック7には、ストライカ2が進入可能なストライカ係合溝13が形成されている。
フック7には、フック7がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時(図14参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するハーフロック係止部17と、フルロック位置にある時(図15参照)に、ラチェット11の係止部15が係合するフルロック係止部19とが形成されている。
【0005】
そして、フック7は図示しない付勢手段により矢印I方向へ、又、ラチェット11は図示しない付勢手段により矢印II方向へそれぞれ付勢されている。
又、フック7及びラチェット11を覆うようにカバー(図示せず)が設けられている。
【0006】
次に、上記構成の作動を説明する。図13に示すアンロック状態で、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7のストライカ係合溝3にストライカ2が進入し、ストライカ2がストライカ係合溝3の壁面を押すことにより、フック7は付勢手段の付勢力に抗してロック方向(矢印I方向と反対方向)へ回転する。
【0007】
フック7が回転すると、ラチェット11の係止部15はフック7のハーフロック係止部19に係合し、図14に示すハーフロック状態となる。
更に、ストライカ2とボデー1とを相対的に近づけていくと、フック7は更に回転し、ラチェット11の係止部15はフック7のフルロック係止部19に係合し、図15に示すフルロック状態となる。
【0008】
このフルロック状態を解除するには、図15において、ラチェット11を矢印II方向と逆方向に回転させ、ラチェット11の係止部15と、フック7のフルロック係止部19との係合を解除する。フック7は、図示しない付勢手段の付勢力により、アンロック位置方向に回転し、図13の状態に復帰する。
【0009】
このような構成のドアロック装置において、ボデー1は複雑な形状であるので、ボデー1は樹脂で作られている。従って、図13の切断線M−Mの断面図である図16に示すように、ボデー1にフック7を回転可能に支持するピン5が挿通する穴1aを形成し、ピン5はボデー1と積層配置されるベース10にかしめ等の手法により立設する構成をとっている。
【0010】
又、ラチェット11を回転可能に支持するピン13に関しても同様で、ボデー1にラチェット11を回転可能に支持するピン13が挿通する穴1b(図示せず)を形成し、ピン13はボデー1と積層配置されるベース10にかしめ等の手法により立設する構成をとっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ピン5の周面とボデー1の穴1aの周面との間にガタがあると、又、ピン13の周面とボデー1の穴1bの周面との間にガタがあると、ドアロック装置に衝撃力が作用した場合、ボデー1はベース109上で移動し、異音が発生する問題点がある。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、異音が生じないドアロック装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、車体、ドアのうちの一方に設けられたストライカと、前記車体、ドアのうちの他方に設けられたベースと、該ベースに立設された2本のピンと、前記ベースに積層配置され、前記2本のピンが挿通する2つの穴を有し、前記ストライカが進入可能なストライカ挿入溝が形成された樹脂のボデーと、該ボデーのストライカ挿入溝の一方の側に回転可能に設けられ、前記ストライカが係合可能なストライカ係合溝を有したフックと、前記ボデーのストライカ挿入溝の他方の側に回転可能に設けられ、前記フックに係合可能なラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、前記ラチェットを前記フック方向へ付勢する第2の付勢手段とを有したドアロック装置において、前記ボデーのピンが挿通する穴の周面に、挿通される前記ピンの円周面を局部的に押圧する押圧部を設けたことを特徴とするドアロック装置である。
【0014】
前記ボデーのピンが挿通する穴の周面に、挿通される前記ピンの円周面を局部的に押圧する押圧部を設けたことにより、ピンの周面と穴の周面とのガタがなくなり、ドアロック装置に衝撃力が作用しても、異音が発生しない。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記押圧部を前記穴の周方向で3箇所設けたことを特徴とする請求項1記載のドアロック装置である。
前記押圧部を前記穴の周方向で3箇所設けたことにより、ボデーはピンに対して3点で支持されるので、安定した支持を得ることができる。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記押圧部の前記ピンの周面と当接する部分は平面であることを特徴とする請求項1又は2記載のドアロック装置である。
前記押圧部の前記ピンの周面と当接する部分は平面であることにより、押圧部の周方向の略中心でピンを押すことができ、常に、大きな押圧力を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
(全体構成)
図8、図9を用いて、実施の形態例のドアロック装置の全体構成を説明する。図8は本実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図、図9は図8のボデー、フック、ラチェットを矢印A方向から見た図である。尚、本実施の形態例のドアロック装置は、自動車のバックドアに適用されるものである。
【0018】
図において、バックドアに設けられるフロントベース101には、穴101a、穴101bが形成され、これらの穴101a、穴101bには、かしめ等の手法で、ピン103、ピン105が立設されている。
【0019】
フロントベース101上に設けられる樹脂のボデー107には、図示しないストライカが進入可能なストライカ挿入溝113が形成されている。ストライカ挿入溝113の一方の側にはピン103が挿通する穴109が、ストライカ挿入溝113の他方の側には、ピン105が挿通する穴111が形成されている。
【0020】
ストライカに係合可能なストライカ係合溝121を有したフック123には穴125が形成され、ピン105がこの穴125を挿通することにより、フック123はボデー107に対して回転可能に設けられている。
【0021】
又、ラチェット131にも穴133が形成され、ピン103がこの穴133を挿通することにより、ラチェット131はボデー107に対して回転可能に設けられている。
【0022】
フック123にはボデー107方向に突出するピン127が設けられている。このピン127は、ボデー107に形成された穴111の中心を中心とする円弧状の溝115に係合している。従って、フック123は、ピン127が円弧状の溝115に端部に当接する範囲で回転可能となっている。
【0023】
中間部がピン105に巻回され、一方の端部がフック123のピン127に係合し、他方の端部がボデー107に係合される第1トーションスプリング(第1の付勢手段)141の付勢力により、フック123は図において矢印III方向(アンロック位置方向)に付勢されている。又、中間部がピン103に巻回され、一方の端部がラチェット131に係合し、他方の端部がボデー107に係合される第2トーションスプリング(第2の付勢手段)143の付勢力により、ラチェット131は図において矢印IV方向に付勢されている。
【0024】
フック123には、フック123がアンロック位置とフルロック位置との中間位置であるハーフロック位置にある時(図11参照)に、ラチェット131の係止部135が係合するハーフロック係止部126と、フルロック位置にある時(図12参照)に、ラチェット131の係止部135が係合するフルロック係止部128とが形成されている。
【0025】
そして、フック123,ラチェット131が設けられたボデー107の面及び、ボデー107の4つの側面のうち、ストライカ挿入溝113が設けられた側面以外の3つの面を覆い、カバーとし機能するリアベース151が設けられる。このリアベース151には、ボデー107のストライカ挿入溝113に対向するように形成されたストライカ挿入溝153と、フロントベース101上に立設されたピン103、ピン105の先端部が嵌合する穴155、穴157とが形成されている。
【0026】
更に、ボデー107の側面には、リアベース151に当接可能な凸部107aが形成されている。
又、ボデー107のラチェット131が設けられる面上には、2つの突起107b、突起107cが設けられ(図12参照)、これらの突起107b、突起107cには、ラチェット131のストッパと機能するH字形状のストッパゴム191が係合している。
【0027】
次に、図1〜図7を用いて、ボデー107を詳細に説明する。図1はボデーの正面図、図2は図1の切断線A−Aでの断面図、図3は図1の切断線B−Bでの断面図、図4は図1の切断線C−Cでの断面図、図5は図1のD部分の拡大図、図6は図1のE部分の拡大図、図7は図2のF部分の拡大図である。
【0028】
まず、図1、図2、図3、図5、図7を用いて穴111を説明する。図1、図2、図5に示すように、穴111の周囲には3つの小穴301が形成されている。図2、図7に示すように、小穴301に対向する穴111の周面は、片持ち梁状となっており、ピン105の周面を局部的に押圧する押圧部311が形成されている。
【0029】
又、押圧部311近傍の穴111の周面は、フロントベース101側から、径が漸次小さくなるテーパ部303と、径が変わらないラップ部305とからなっている。
【0030】
更に、図5に示すように、各押圧部311のピン105の周面と当接する部分は平面とした。
図2に示すように、ピン105が挿入されていない状態では、穴111のフロントベース101側の開口の形状は、ピン103を挿入しても隙間Sができ、ピン103が容易に挿入できるような形状に設定されている。又、穴111のリアベース151側の開口の形状は、押圧部311が弾性変形しない限りピン105が挿入できない形状に設定されている。
【0031】
次に、図1、図2、図4、図6を用いて穴109を説明する。図1、図2、図6に示すように、穴109の周囲には3つの小穴401が形成されている。図2に示すように、各小穴401に対向する穴109の周面はピン103の軸方向に関して他の部分より短くなっており、ピン103の周面を局部的に押圧する押圧部411が形成されている。更に、図6に示すように、各押圧部411のピン103の周面と当接する部分は平面とした。
【0032】
穴109の開口の形状は、ピン103が挿入されていないない状態では、押圧部311が弾性変形しない限りピン105が挿入できない形状に設定されている。
【0033】
次に、図10、図11、図12を用いて上記構成の作動を説明する。図10は図8に示すドアロック装置でリアベースを取り除いた状態を示す図で、アンロック状態を示す図、図11は図10の状態からハーフロック状態へ移行した状態を示す図、図12は図11の状態からフルロック状態へ移行した状態を示す図である。
【0034】
図10に示すアンロック状態で、ストライカ201とフロントベース101、ボデー107とを相対的に近づけていくと、フック123のストライカ係合溝121にストライカ201が進入し、ストライカ201がストライカ係合溝121の壁面を押すことにより、フック123はスプリング141の付勢力に抗してロック方向(矢印III方向と反対方向)へ回転する。
【0035】
フック123が回転すると、ラチェット131の係止部135はフック123のハーフロック係止部126に係合し、図11に示すハーフロック状態となる。更に、ストライカ201とフロントベース101、ボデー107とを相対的に近づけていくと、フック123は更に回転し、ラチェット131の係止部135はフック123のフルロック係止部128に係合し、図12に示すフルロック状態となる。
【0036】
このフルロック状態を解除するには、図12において、ロック解除レバー203を矢印V方向に移動させ、ラチェット131のロック解除凸部179を押す。すると、ラチェット131は、矢印IV方向と逆方向に回転し、ラチェット131の係止部135と、フック123のフルロック係止部128との係合を解除する。フック123は、スプリング141の付勢力により、アンロック位置方向に回転し、図10の状態に復帰する。
【0037】
上記構成のドアロック装置では、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボデー107のピン105が挿通する穴111の周面に、挿通されるピン105の円周面を局部的に押圧する押圧部311を設けたことにより、ピン105の周面と穴111の周面とのガタがなくなり、ドアロック装置に衝撃力が作用しても、異音が発生しない。
【0038】
同様に、ボデー107のピン103が挿通する穴109の周面に、挿通されるピン103の円周面を局部的に押圧する押圧部411を設けたことにより、ピン103の周面と穴109の周面とのガタがなくなり、ドアロック装置に衝撃力が作用しても、異音が発生しない。
(2)押圧部311、押圧部411を穴111、穴109の周方向で3箇所設けたことにより、ボデー107はピン105、ピン103に対して3点で支持されるので、安定した支持を得ることができる。
【0039】
前記押圧部の前記ピンの周面と当接する部分は平面であることにより、押圧部の周方向の略中心でピンを押すことができ、常に、大きな押圧力を得ることができる。
(3)押圧部311のピン105の周面と当接する部分は平面であることにより、押圧部311の周方向の略中心でピン105を押すことができ、常に、大きな押圧力を得ることができる。
【0040】
同様に、押圧部411のピン103の周面と当接する部分は平面であることにより、押圧部411の周方向の略中心でピン103を押すことができ、常に、大きな押圧力を得ることができる。
(5)ボデー107の側面に、リアベース151に当接可能な凸部107aが形成したことにより、ボデー107と、リアベース151とのガタがなくなる。
(6)図12に示すように、ボデー107のラチェット131が設けられる面上には、2つの突起107b、突起107cを設け、これらの突起107b、突起107cには、ラチェット131のストッパと機能するH字形状のストッパゴム191を係合させたことにより、ストッパゴム191の取付が簡単となり、又、確実に取り付けることができる。
【0041】
尚、本発明は上記実施の形態例に限定するものではない。上記実施の形態例では、押圧部311、押圧部411を3つ設けたが、1つでも良いし、2又4以上設けても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、前記ボデーのピンが挿通する穴の周面に、挿通される前記ピンの円周面を局部的に押圧する押圧部を設けたことにより、ピンの周面と穴の周面とのガタがなくなり、ドアロック装置に衝撃力が作用しても、異音が発生しない。
【0043】
請求項2記載の発明によれば、前記押圧部を前記穴の周方向で3箇所設けたことにより、ボデーはピンに対して3点で支持されるので、安定した支持を得ることができる。
【0044】
請求項3記載の発明によれば、前記押圧部の前記ピンの周面と当接する部分は平面であることにより、押圧部の周方向の略中心でピンを押すことができ、常に、大きな押圧力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例のドアロック装置のボデーの正面図である。
【図2】図1の切断線A−Aでの断面図である。
【図3】図1の切断線B−Bでの断面図である。
【図4】図1の切断線C−Cでの断面図である。
【図5】図1のD部分の拡大図である。
【図6】図1のE部分の拡大図である。
【図7】図2のF部分の拡大図である。
【図8】実施の形態例のドアロック装置の分解斜視図である。
【図9】図8のボデー、フック、ラチェットを矢印A方向から見た図である。
【図10】図8に示すドアロック装置でリアベースを取り除いた状態を示す図で、アンロック状態を示す図である。
【図11】図10の状態からハーフロック状態へ移行した状態を示す図である。
【図12】図11の状態からフルロック状態へ移行した状態を示す図である。
【図13】従来のドアロック装置を説明する構成図で、アンロック状態を示す図である。
【図14】図13の状態からハーフロック状態へ移行した状態を示す図である。
【図15】図14の状態からフルロック状態へ移行した状態を示す図である。
【図16】図13の切断線M−Mの断面図である。
【符号の説明】
101 フロントベース
107 ボデー
109,111 穴
123 フック
131 ラチェット
311,411 押圧部
Claims (3)
- 車体、ドアのうちの一方に設けられたストライカと、前記車体、ドアのうちの他方に設けられたベースと、該ベースに立設された2本のピンと、前記ベースに積層配置され、前記2本のピンが挿通する2つの穴を有し、前記ストライカが進入可能なストライカ挿入溝が形成された樹脂のボデーと、該ボデーのストライカ挿入溝の一方の側に回転可能に設けられ、前記ストライカが係合可能なストライカ係合溝を有したフックと、前記ボデーのストライカ挿入溝の他方の側に回転可能に設けられ、前記フックに係合可能なラチェットと、前記フックをアンロック位置方向へ付勢する第1の付勢手段と、前記ラチェットを前記フック方向へ付勢する第2の付勢手段とを有したドアロック装置において、
前記ボデーのピンが挿通する穴の周面に、挿通される前記ピンの円周面を局部的に押圧する押圧部を設けたことを特徴とするドアロック装置。 - 前記押圧部を前記穴の周方向で3箇所設けたことを特徴とする請求項1記載のドアロック装置。
- 前記押圧部の前記ピンの周面と当接する部分は平面であることを特徴とする請求項1又は2記載のドアロック装置。
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