JPH08135620A - 構造材用継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パイプ、軸、パネル等の接続に用いる継手で
あって、品種統が図れるものを提供する。 【構成】 第１プラグ１と、これを差込み嵌合させる第
１ソケット２と、第２プラグ３と、これを差込み嵌合さ
せる第２ソケット４を組み合わせ、ソケット２、４を異
径または異形とし、さらに、第１ソケット２と第２プラ
グ３を一体化したピースを中継ぎ材とし、この中継ぎ材
をそのまま残したり外したりする。これにより、中継ぎ
材がある場合とない場合とで異なるソケットを有する部
材を接続でき、継手の品種を少なくし得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種構造材、例えば、
パイプ、軸、パネル、フレームなどを簡易に接続するた
めの継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラグとソケットを嵌合させて両者を接
続する方式の継手は、例えば、パイプ継手、軸継手など
として広く利用されている。この種の継手の中には、ソ
ケットに挿入したプラグを止めネジで固定して抜け止め
するものもあるが、このようなものは接続の作業性が悪
いことから、ソケットの穴形状と相似形の断面形状をも
つプラグをソケットに圧入して固定するもの、或いは、
外周にカム面を設けたプラグを角穴のソケットに挿入
後、両者を相対回転させてプラグのカム面をソケットの
穴面に圧接させ、この圧接部に生じる摩擦力でプラグを
抜け止めするものなどが主流をなしてきている。

【０００３】このプラグ、ソケットを組合わせた従来の
継手は、いずれも、１箇所の接続を各１個のプラグ、ソ
ケットで行う構造になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】例えば、パイプの中間
接続や端末固定をプラグ、ソケット方式の従来継手で行
う場合、パイプ端をソケットにしてそこに中間継手或い
は端末固定金具に設けたプラグを挿入したり、パイプ端
に大径の受け口を設けてそこに接続相手のパイプ端を挿
入したり、スリーブ継手を用いてそのスリーブにパイプ
端を挿入するなどの方法を採っているが、この方法で
は、接続しようとするパイプの断面形状やサイズが変わ
るとプラグ或いはソケットもそれに適合したものに変え
なければならず、準備すべき継手の種類が多くなって生
産面、コスト面、流通、管理面で好ましくない。

【０００５】パネル類の接続に用いられるいわゆるダボ
とダボ穴についても同様のことが云える。即ち、ダボ、
ダボ穴のどちらかの断面形状或いはサイズが変われば、
他方もそれに応じた形状、サイズにしなければならな
い。

【０００６】本発明は、これ等の問題点の解決策として
有効なプラグ、ソケット方式の継手を提供することを課
題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題の解決策とし
て提供する本発明の構造材用継手は、第１、第２の２つ
のソケットと、第１ソケットの穴に挿入嵌合させて摩擦
力で抜け止めする第１プラグと、第２ソケットに挿入嵌
合させて摩擦力で抜け止めする第２プラグを有し、第１
プラグと第２ソケット、第１ソケットと第２ソケット又
は第１プラグと第２プラグが異なる向きに一体化され、
かつ、第１ソケットと第２ソケットの穴が異形又は異サ
イズになっているものである。

【０００８】かかる継手は、プラグをソケットに圧入す
るものも摩擦力による抜け止めが行えるが、好ましくは
第１、第２ソケットの穴を角穴とし、その穴に、第１、
第２プラグの外周に設けたカム面を穴とプラグの相対回
転で圧接させてプラグを抜け止めするのがよい。

【０００９】また、第１、第２ソケットの穴、又は第
１、第２プラグのいずれかを第３プラグの差込み側端面
に設けると発明の効果がより高まる。

【００１０】

【作用】今、第１プラグと第２ソケットが一体になって
いると仮定する。この場合、一体物の第１プラグと第２
ソケットが第１ソケットと第２プラグ間の中継ぎ材とな
る。この中継ぎ材を外せば第２プラグを有する部材にそ
れに適合したソケットを持つ部材を接続することがで
き、また、中継ぎ材で中継すれば第２プラグを有する部
材に第１プラグに適合したソケットをもつ部材を接続す
ることができ、第１プラグを交換せずに、２種類のソケ
ットに対応することが可能になる。

【００１１】第１ソケットと第２ソケット又は第１プラ
グと第２プラグを一体化して中継ぎ材とするものも同様
である。即ち、前者は中継ぎ材を外せば第１、第２のど
ちらかのプラグを有する部材にプラグに適合したソケッ
トをもつ部材を接続でき、中継ぎ材を使用すれば、第
１、第２ソケットに適合したプラグを持つ部材同士を接
続することができる。

【００１２】後者も、プラグ、ソケットの関係が前者と
逆になるだけで内容的には同じような結果になる。

【００１３】なお、第１、第２のソケットやプラグを第
３プラグの差込側端面に形成したものは、第３プラグに
適合させた第３ソケットを有する部材の接続も行え、コ
スト面等でより有利になる。

【００１４】

【実施例】図１に、本発明の継手の一例を示す。この継
手は、取付け用フランジ６を設けた断面正方形の第１プ
ラグ１と、このプラグを圧入する第１ソケット２と、第
１ソケット２の他端側に一体に設けた断面正方形の第２
プラグ３と、この第２プラグを圧入する第２ソケット４
とで構成されており、第２ソケット４の穴径は第１ソケ
ット２の穴径よりも大きい。従って、第２プラグ３も当
然に第１プラグ１よりも太くなっているが、第１、第２
ソケットは、対応したプラグを含めて断面形状を異なら
せてもよい。

【００１５】この実施例では、第１ソケット２と第２プ
ラグ３を一体化したピースが中継ぎ材となり、これを残
すか外すかによって第１プラグ１を取付けた部材に第２
ソケット４を有する部材又は第１ソケットと同じソケッ
トを有する中継ぎ材以外の部材を接続することができ
る。

【００１６】第２ソケット４は、被接続物がパイプの場
合、そのパイプの穴をそのまま利用できる。また、この
第２ソケット４を取付け用フランジ等を設けて被接続物
に固定する構造にすれば、パネル対パネル等の接続も行
える。

【００１７】この継手は、勿論、パイプ同士の接続にも
利用できる。パイプを組合わせて棚等を作る場合には、
図２（ａ）の直線継手、同図（ｂ）のＬ型継手、同図
（ｃ）のＴ字継手、同図（ｄ）のＸ、Ｙ、Ｚ方向に継ぐ
３方継手、同図（ｅ）の十字継手、同図（ｆ）の直線継
手とＬ型継手を一体化した形の４方継手、同図（ｇ）の
５方継手、同図（ｈ）の６方継手など多彩な継手が用い
られているが、第１プラグ１を２〜６個、必要な方向に
向けて一体化し、それぞれの第１プラグに中継ぎ材と第
２ソケットを組合わせれば、本発明の継手を用いてパイ
プを色々な方向に継ぐことができる。

【００１８】図３は、第１ソケット２と第２ソケット４
を異なる向きに一体化してこれを中継ぎ材とするもの、
また、図４は、第１プラグ１と第２プラグ３を一体化し
てこれを中継ぎ材とするものである。これ等も、中継ぎ
材を外すか残すかで異なるプラグ又はソケットを有する
部材の接続が行え、また、図２のような形態の継手にも
し得る。

【００１９】なお、図１の継手は第１プラグ１の根元側
又は第１ソケット２の外側を、また、図２の継手は第
１、第２ソケット２、４の外側を、さらに、図３の継手
は第２ソケット４の外側を各々第３プラグ５としてこれ
に適合する第３ソケット（図示せず）を接続することが
できる。

【００２０】図５は、ソケット２（４）に挿入したプラ
グ１（３）を、圧入よりも信頼性の高い方法で抜け止め
する構造を示している。これは、ソケット２（４）を正
多角形の角穴とし、その穴に挿入するプラグ１（３）
は、ソケットの角穴に対する内接円の直径ｄよりも直径
Ｄを大きくした円柱に外径をｄ以下にする平面の面取り
部７を穴の角数と同数定ピッチで設けた形にして外周の
非面取部をカム面８とし、プラグとソケットの挿入後の
相対回転でカム面８をソケット２（４）の穴面に圧接さ
せる周知のロック機構である。

【００２１】なお、この図５のロック機構を採用した継
手を、パネル対パネルの接続に用いる場合には、プラグ
やソケットを取付け後に回転させ得るようにしておく。
図６はそのための構造の一例である。この継手は、第１
プラグ１を、取付フランジ６を有する部材の中心孔に適
当な方法で抜け止めして回転可能に嵌め、そのプラグ１
にスパナをかける回転操作部９を設けている。

【００２２】２つのパネルＡ、Ｂを接続する場合、通
常、同一継ぎ面に複数の継手を用いるが、複数の継手で
接続を行うとパネルの一方を回転させてのロック操作が
行えない。しかし、図の構造であれば、パネルＢに回転
操作部９にスナパをかけるための切欠きを設けておいて
スナパ操作でロックのためのプラグ回転を行うことがで
きる。

【００２３】なお、図６は、中継ぎ材を外した状態にし
てある。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の継手は、中
継ぎ材を着け外しすることによって異径又は異形のプラ
グ、ソケットを接続できるようにしたものであるから、
種類の統合が図れ、生産面、コスト面、流通、管理面で
有利になる。

【００２５】第１、第２のプラグ、ソケットのどれかを
第３プラグの端面に設けたものは特にその効果が大き
い。

【００２６】また、外周にカム面を有するプラグをソケ
ットの多角形穴に挿入して相対回転で抜け止めロックを
行うものは、中継ぎ材を用いても接続の安定性を充分に
確保できる。ダボとダボ穴の組合わせでは大型構造材の
場合、接続の安定性、信頼性確保が難しいが、このロッ
ク機構を有する継手であれば、大型の構造材も安定して
接続できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の継手の一例を示す分解斜視図

【図２】パイプ継手の種々の形態を示す略図

【図３】本発明の継手の他の例を示す部分破断正面図

【図４】更に他の実施例の部分破断正面図

【図５】プラグを抜け止めするロック機構の好ましい形
態の一例を示す図

【図６】パネル対パネルの接続に用いる継手の一例を示
す断面図

【符号の説明】

１ 第１プラグ ２ 第１ソケット ３ 第２プラグ ４ 第２ソケット ５ 第３プラグ ６ 取付用フランジ ７ 面取り部 ８ カム面 ９ 回転操作部 Ａ、 Ｂ パネル

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１、第２の２つのソケットと、第１ソ
   ケットの穴に挿入嵌合させて摩擦力で抜け止めする第１
   プラグと、第２ソケットに挿入嵌合させて摩擦力で抜け
   止めする第２プラグを有し、第１プラグと第２ソケッ
   ト、第１ソケットと第２ソケット又は第１プラグと第２
   プラグが異なる向きに一体化され、かつ、第１ソケット
   と第２ソケットの穴が異形又は異サイズになっている構
   造材用継手。
2. 【請求項２】 第１、第２ソケットの穴又は第１、第２
   プラグのいずれかを第３プラグの差込み側端面に設けて
   ある請求項１記載の構造材用継手。
3. 【請求項３】 第１、第２ソケットの穴を角穴とし、第
   １、第２プラグはソケットとの相対回転で前記角穴の内
   面に圧接するカム面を外周に間欠的に設けた構造にして
   ある請求項１又は２記載の構造材用継手。