JPH11325013A - ヒンジ兼用ロック具 - Google Patents

ヒンジ兼用ロック具

Info

Publication number
JPH11325013A
JPH11325013A JP13232398A JP13232398A JPH11325013A JP H11325013 A JPH11325013 A JP H11325013A JP 13232398 A JP13232398 A JP 13232398A JP 13232398 A JP13232398 A JP 13232398A JP H11325013 A JPH11325013 A JP H11325013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft member
holder
lock
contact piece
hinge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13232398A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Inoue
泰彦 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nifco Inc
Original Assignee
Nifco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nifco Inc filed Critical Nifco Inc
Priority to JP13232398A priority Critical patent/JPH11325013A/ja
Priority to TW88102120A priority patent/TW393551B/zh
Publication of JPH11325013A publication Critical patent/JPH11325013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insertion Pins And Rivets (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)
  • Clamps And Clips (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒンジと解除可能にロックないしは係止する
機能を兼ね備えたヒンジ兼用ロック具を実現する。 【解決手段】 固定側本体51に対し可動体52を回転
自在に枢支したり、前記可動体52を解除可能にロック
するために用いられ、軸部材10及びこの軸部材10を
内部に挿入して組み込むホルダー20からなる。構造特
長は、軸部材10が前端側に設けられて前記可動体52
の凹部56に係脱可能な係合凸部12と、後端側に設け
られた抜け止め爪部16と、抜け止め爪部16よりも前
側に位置して後方に向けて低くなるテーパー部17とを
有し、ホルダー20が略筒状をなし、軸部材10の押し
込みにより前記抜け止め爪部16を筒後端から外へ突出
可能にすると共に、前記外へ突出した抜け止め爪部16
の反押し込み方向への摺動を規制する周壁部23と、抜
け止め爪部16の突出状態を保持しかつテーパー部17
に圧接する弾性当接片部22とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、前後方向
に回動して開閉される収納ボックスを回動可能に支持す
るヒンジとして、又は、回動された位置で凹部内に解除
可能に係合されて前記収納ボックスを係止可能にする簡
易ロック手段として使用されるヒンジ兼用ロック具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は一般的な収納部等のユニット体を
示している。このユニット体50は、固定側本体が前面
開口したハウジング51であり、ハウジング51に対し
可動体である上開口したボックス52が回転操作により
開閉され、かつ閉じ状態及び開状態で係止可能に組み付
けられる。図9,図10はこのようなボックス52の従
来組立例を示している。この構造では、図9に示す如く
ボックス52を回転する際のヒンジ60と、ボックス5
2を閉・開状態で係止するロック具70として次のよう
な構成を採用している。
【0003】ヒンジ60は、ハウジング51の前内側面
の下部に対向して突設された枢軸61と、各枢軸61に
対応してボックス52側に設けられた嵌合溝62とから
なる。嵌合溝62は、ボックス52の前方両側面の下部
に位置し、下端から上向きに連続した長溝に形成されて
いる。そして、ボックス52は、枢軸61に嵌合溝62
を溝下側から嵌合しつつハウジンク51に組み込むこと
により、枢軸61を介して図9の実線で示す閉状態と想
像線で示す開状態に回転操作される。
【0004】ロック具70は、ボックス52の両側面の
上部に位置して、枢軸61と同芯円上の前後箇所に設け
られた係合孔71(合計4箇所)に対し解除可能に係止
する構成のものである。この構造では、図10に示す如
く係合孔71に係脱する軸部材72と、軸部材72を入
れるホルダー73と、ホルダー73に入れた軸部材72
を抜け止めする係止ピン74及びコイルバネ75とから
なる。
【0005】ホルダー73は、前開口端の外周面に形成
された鍔部76と、中間部分にあって180度変位され
た位置に形成された2個の弾性係止片部77と、後端側
の中心に設けられた貫通孔78とを一体に有している。
ここで、各弾性係止片部77は、ホルダー73がハウジ
ング51側に設けられた取付孔54に対し挿入される
と、途中で弾性的に内側に逃げ、完全に通過した時点
で、弾性復元し弾性係止片部77と鍔部76との間にハ
ウジング51の板厚を挟んで抜け止め状態に取り付け
る。軸部材72は、前端の半球状部79と、後端側の軸
回りに設けられた係止溝80を有している。そして、軸
部材72は、ホルダー73の貫通孔78に対し後端が貫
通され、係止溝80に上記係止ピン74を直角に横切っ
て差し込むことで抜け止めされてホルダー73に組み付
けられる。組み付けに際しては、コイルバネ75が軸部
材72の軸回り配置され、半球状部79に前側を規制し
た状態で組み込まれる。このコイルバネ75は、前側を
半球状部79で規制し、後側をホルダー73内の段部で
規制した状態に組み込まれており、図10の状態から軸
部材72が半球状部79を介してホルダー73内方向の
外力を受けると、半球状部79のホルダー73内への摺
動をコイルバネ5を圧縮しつつ許容し、その外力がなく
なると軸部材72を元の位置にバネ力により摺動する。
【0006】以上のロック具70では、ハウジング51
の取付孔54にホルダー73を介して取り付けた後、ハ
ウジング51に対しボックス52を閉じ状態にすると、
軸部材72が途中で、ボックス52の後端部に当接する
半球状部79を介しホルダー73内に押される力を受け
る。すると、軸部材72は、コイルバネ75に抗しホル
ダー73内に逃がされ、ボックス52の挿入を許容す
る。半球状部79が前側の係合孔71(又は後側の係合
孔71)と対応すると、軸部材72はコイルバネ75の
付勢力でボックス52側に摺動し、半球状部79がその
対応する係合孔71内に落ち込んで係合される。この係
合は、ハウジング51に対してボックス52を強く引い
たり、押し込むと、軸部材72がホルダー73内に一時
的に逃げ、半球状部79と係合孔71の係合が解除され
る。このように、ボックス52は、ヒンジ60の枢軸6
1を支点として回転操作させると、ロック具70に対す
る係合孔71を切り換え、係合孔71毎に、その位置で
解除可能にディテント係止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来構造
では、ヒンジ60及びロック具70が比較的簡易なもの
で構成されていることを特長としているが、次のような
問題がある。第1に、可動体が固定側本体に対しヒンジ
60及びロック具70という全く異なる構造のものを用
いて組み付けられる。このため、製造上は部品管理及び
組立工程が複雑化し、部品の共用化による経費削減等も
到底期待できない。第2に、ロック具70は軸部材7
2,ホルダー73,係止ピン74,コイルバネ75の、
4つの部材で構成されているため、自ずとコスト高にな
る。しかもロック具70の組立性も悪く、工数増となっ
ている。第3に、なお、ロック具70をヒンジとして使
用することも考えられるが、ロック具70自体のコスト
が高く現実性に欠ける。また、この構造では、ヒンジと
しての安定性を得る上でコイルバネ75の付勢力をある
程度強くしなくてはならず、付勢力を強くすると係合孔
71に対する係脱性が損なわれる。
【0008】本発明は上記した背景に鑑みてなされたも
のである。その目的は、ヒンジ機能と解除可能なロック
ないしは係止機能を兼ね備えたヒンジ兼用ロック具を実
現することにある。他の目的は、構造的に部品点数を少
なくかつ組立性を良好にし、コスト低減を図ってこの適
用される分野を拡大することにある。更に他の目的は、
以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、図1から図8に例示される如く固定側本体5
1に対し可動体52を回転自在に枢支したり、前記可動
体52を解除可能にロックするために用いられるもの
で、軸部材10及びこの軸部材10を内部に挿入して組
み込むホルダー20からなり、前記軸部材10は、前端
側に設けられて前記可動体52の凹部56に係脱可能な
係合凸部12と、後端側に設けられた抜け止め爪部16
と、前記抜け止め爪部16よりも前側に位置して後方に
向けて低くなるテーパー部17とを有し、前記ホルダー
20は、略筒状をなし、前記軸部材10の押し込みによ
り前記抜け止め爪部16を筒後端から外へ突出可能にす
ると共に、前記外へ突出した抜け止め爪部16の反押し
込み方向への摺動を規制する周壁部23と、前記抜け止
め爪部16の突出状態を保持しかつ前記テーパー部17
に圧接する弾性当接片部22とを有している。そして、
前記軸部材2が、前記抜け止め爪部16を前記ホルダー
後端から突出しその状態を前記周壁部23及び前記弾性
当接片部22により規制保持したロック位置と、前記係
合凸部12を介しホルダー内方向の外力を受けて、前記
テーパー部17を介し前記弾性当接片部22を拡径しつ
つ前記抜け止め爪部16を更に後方へ摺動するロック解
除位置とに切り換え、かつ前記外力がなくなると前記拡
径されていた弾性当接片部22の復元力でロック位置に
摺動される、よう構成したものである。
【0010】この構造のヒンジ兼用ロック具1は、軸部
材10及びホルダー20の2点であり、従来のロック具
に対し部品点数を大幅に減少可能にした。同時に、軸部
材10は、ホルダー20に押し込み操作だけで組み付け
ることが可能であり、組立工数的にも工夫されている。
そして、組立状態では、抜け止め爪部16がホルダー後
端から突出しその状態を周壁部23及び弾性当接片部2
2により規制保持されている。このため、このロック具
1は、前記した組立状態つまり専らロック位置に規制保
持された態様つまりヒンジ機構としての使い方と、テー
パー部17及び弾性当接片部22の作動を主として上記
ロック位置とロック解除位置とに切り換える態様でのロ
ック機構(ロック機構のうち、特にディテント係止機
構)としての使い方も可能にする。
【0011】以上の本発明は次のように具体化されるこ
とがより好ましい。第1に、前記軸部材10が、その後
部側に略軸中心を通る平板部14を有し、該平板部14
の後方側面に前記抜け止め爪部16を設け、平板部14
の前方上下面に対応して前記テーパー部17を形成して
いる構成である。この構造は、軸部材10を上記ロック
位置にて所定の力で規制保持可能にし、同時に、弾性当
接片部22の復元力により軸部材20をロック解除位置
とロック位置とに摺動切り換える上で工夫されたもので
ある。すなわち、この構造では、平板部14の後方側面
に抜け止め爪部16を設けることによりホルダー筒後端
の開口を小さくしても突出し易く、かつ抜け止め力を確
保し易くすること、テーパー部17を傾斜平面に形成し
て弾性当接片部22に対し良好な摺動状態を維持可能に
し、弾性当接片部22を弾性能に富む比較的細い片状に
できること、等の利点が得られる。第2に、前記ホルダ
ー20が前記周壁部23及び前記弾性当接片部22を筒
後端を含む筒回りを複数のスリット21等を介して区画
形成し、前記軸部材10がテーパー部17の両側に立設
されてスリット21に嵌合するガイド片部18を有して
いる構成である。この構造では、周壁部23及び弾性当
接片部22を略筒状のホルダー20に容易に形成できる
こと、軸部材10及びホルダー20がスリット21とガ
イド片部18との嵌合を介して径方向に位置決めがなさ
れて不用意な回転を阻止できること、軸部材10がロッ
ク位置からロック解除位置に摺動されるときにスリット
21とガイド片部18との嵌合案内作用を介して行われ
ること、等の利点が得られる。なお、以上の弾性当接片
部22としては、ホルダー筒部を形成している水平部の
後端を筒中心方向へ折り曲げ、その折り曲げ部22aの
先端22bを前記テーパー部17に線接触又は点接触可
能に構成すると、軸部材10がロック位置とロック解除
位置に摺動されるときに必要以上の抵抗を受け難くな
り、スムースな摺動が保障される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を添付図面に
基づいて詳細に説明する。なお、この形態は、本発明の
好適な具体例であり、好ましい種々の限定が付されてい
るが、本発明の範囲を制約するものではない。
【0013】図1乃至図8は本発明を適用したヒンジ兼
用ロック具の実施形態を示している。このうち、図1は
そのロック具の概略的な分解斜視図、図2(a),
(b)は図3(b)のA−A線とB−B線に沿う縦断側
面図である。図3(a),(b)は前記ロック具の正面
と背面図、図4(a),(b)は図3(a)の矢印C方
向及び矢印D方向より見た側面図、また、図5はロック
具を構成している軸部材単品を示し、同(a)は上半分
を断面して示す側面図、同(b)は(a)の矢印E方向
より見た側面図、同(c)は(a)の矢印F方向より見
た背面図である。図6はロック具を構成しているホルダ
ー単品を示し、同(a)と(b)は上半分を断面して互
いに90度変位した方向より見て示す側面図、同(c)
は背面図である。これに対し図7及び図8は本発明品の
使用例を示しており、図8はユニット体の構成例を示
し、図7(a)はユニット体を構成している可動体が本
発明品により組み付けられた状態での正面図を、同
(b)は図9に対応した縦断面図である。
【0014】図1乃至図6において、このロック具1
は、図8に例示したようなユニット体50に用いられ
て、可動体であるボックス52がハウジング51に対し
回転操作により開閉されるときのヒンジ機構と、開状態
と閉状態で解除可能にロックないしは係止するロック機
構として用いられる。ロック具1の構成部材は、軸部材
10及びホルダー20のみであり、何れもが一体物に形
成された樹脂成形体である。
【0015】軸部材10は、細長い棒状をなし、軸本体
部11の前端面に設けられた半球状部12と、半球状部
12の手前に位置した鍔部13と、後端側を形成してい
る平板部14と、平板部14の両側に設けられた抜け止
め爪部16と、抜け止め爪部16よりも前側に位置して
平板部14に対応して設けられたテーパー部17及び、
テーパー部17の両側に立設されたガイド片部18を備
えている。
【0016】軸本体部11は、前側略半分が断面円柱状
であり、後側部分に平板部14やテーパー部17等が設
けられて非円柱状をなしている。半球状部12は、ボッ
クス52に設けられる凹部である係合孔56に対応した
大きさであり、係合孔56に対し係脱し易い半球面をな
している。鍔部13は、軸本体部11の外径よりも大き
く円盤状に突出している。平板部14は、軸本体部11
の後端側を構成しており、軸本体部11の中心を通る水
平板状に設けられ、両側の後方に抜け止め爪部16が設
けられている。
【0017】そのうち、各抜け止め爪部16は、後端か
ら前側(鍔部13のある方向)に進むに従って次第に高
くなる傾斜面16aと、この傾斜面16aの終端から軸
中心に向かって切り欠かれた垂直面状の係止面16bと
を有している。各テーパー部17は、この係止面16b
よりも前側に位置し、平板部14の上下面14a,14
bの終端から始まり、前側に進むに従って次第に高くな
る略傾斜平面に形成されている。また、平板部14の上
下面14a,14bには、テーパー部17の両側に位置
してガイド片部18が平板部14の側部から連続した状
態で設けられている。両側のガイド片部18は、間にテ
ーパー部17を位置し、テーパー部17よりも少し高
く、かつ同じ向きに傾斜した傾斜面になっている。
【0018】これに対し、ホルダー20は、全体形状が
前端を大きく開口し、後端側を絞ったような略筒状ない
しはキャップ状をなし、後端側に通じるスリット21に
より区画形成された弾性当接片部22と、弾性当接片部
22以外の筒部分を形成している周壁部23と、周壁部
23にスリット24を介して区画形成された弾性係止部
25と、前端外周に設けられた鍔部26等を備えてい
る。そして、ホルダー20は、前側開口から内部に軸部
材10を摺動自在に受け入れ可能な大きさになってい
る。具体的には、前側の筒内部分20aが軸部材10の
鍔部13の外径とほぼ同じか若干大きく、後側の筒内部
分20bが筒内部分20aよりも径小で軸本体部11の
外径とほぼ同じか若干大きく形成され、後端面側が弾性
当接片部22の折り曲げ部22aを区画しているスリッ
ト21の対応部21aにより略H状に開口している。筒
内部分20aと筒内部分20bとの間を形成している筒
内端面部20cは、鍔部13がこれに当たってホルダー
13内に挿入される軸部材10の後方向への摺動量を規
制可能なストッパー面となる。
【0019】ここで、弾性当接片部22は、図6
(a),(b)に示す如くそれぞれ後端を貫通する2本
のスリット21により筒部分から区画されていると共
に、対向した位置に対に設けられている。各弾性当接片
部22の形状は、筒部分を形成している水平部の後端を
ホルダー20の中心軸方向へ折り曲げ、かつその折り曲
げ部22aの先端22bに丸みが付けられている。ま
た、各弾性当接片部22の板寸法は、平板部14又はテ
ーパー部17よりも少し小さな板幅に設定され、スリッ
ト21,21の幅寸法はガイド片部18を受け入れ可能
な値に設定されている。図6(c)に表れる両側上下の
スリット21の対応部21aは、折り曲げ部22a同士
の間の各スリット21bにより略H状に開口している。
このH状の開口は、各折り曲げ部22aの両側に位置す
る周壁部23の対応する折り曲げ部23a側に半円状に
切り欠かれており、この切り欠き部21cの存在により
軸部材10の平板部14及び抜け止め爪部16を貫通し
易くしている。
【0020】弾性係止部25は、ハウジング51に対す
る取付手段を構成しており、各周壁部23の中間部にコ
字形のスリット24を介して対に設けられている。各弾
性係止部25は、鍔部26側が先端25aに設定され、
その先端25aを一段外側へ突出した状態に形成されて
いる。
【0021】(組立要領及び基本作動)次に、ロック具
1に組み付ける作業を説明する。軸部材10は、ホルダ
ー20に対し押し込みにより組立てられる。この場合
は、まず、テーパー部17を弾性当接片部22に対応さ
せて、ホルダー20の前側開口より、軸部材10の平板
部14側から筒内部分20a,20bへ挿入させる。途
中まで挿入されると、平板部14及び抜け止め爪部16
が上記H形開口を形成しているスリット21の対応部2
1a,スリット21b,切り欠き部21cの部分に到達
し、折り曲げ部22a,23aに当接される。更に、軸
部材10を押し込むと、抜け止め爪部16のテーパー面
16aにより折り曲げ部23aが外側に押し拡げられ、
平板部14及び抜け止め爪部16が対応部21a,スリ
ット21b,切り欠き部21cを通過する。完全に通過
すると、軸部材10は、折り曲げ部23aが弾性復元さ
れ、抜け止め爪部16の係止面16bが折り曲げ部23
aの外面に当接して抜け止めされる。
【0022】図2の実線は以上のようにして軸部材10
がホルダー20に組み付けられた状態を示している。ロ
ック具1は、軸部材10が半球状部12をホルダー20
の前側開口(筒内部分20a)から突出した状態、つま
りロック位置になっている。このロック位置は、軸部材
10が図2(a)及び(b)に示す如く、弾性当接片部
22の折り曲げ部22aの先端22bが軸部材10の平
板部14の上下面14a,14bに圧接し、この圧接力
による保持力(軸部材10が押し込め方向へ不用意に摺
動しようとするのを阻止する力)と、折り曲げ部23a
に当接している抜け止め爪部16の規制力(軸部材10
が反押し込め方向へ摺動しようとするのを規制する力)
とにより、保持されている。
【0023】したがって、このロック具1は、以上のよ
うに軸部材10が弾性当接片部22の保持力と折り曲げ
部23aの規制力にてロック位置に保持され、通常のヒ
ンジ部材として専ら利用することができる。同時に、ロ
ック具1は、このロック位置において、軸部材10にホ
ルダー20内向きの外力が加えられ、前記した弾性当接
片部22の保持力より大きくなると、弾性当接片部22
がテーパー部17により弾性的に拡径しつつ、軸部材1
0のホルダー内への摺動を許容する。そして、軸部材1
0は図2の想像線で示す如く、ホルダー20内に半球状
部12を退避した状態、つまり「ロック解除位置」まで
押し込まれる。この状態では、弾性当接片部22が拡径
に比例した大きさに復元力を蓄えている。したがって、
軸部材10は、ホルダー20内方向に押している外力が
なくなると、弾性当接片部22から受けている復元力
で、元の「ロック位置」まで戻される。この作動がロッ
ク具1をディテント係止(ロック)機構として利用可能
にしている。
【0024】(適用例)図8及び図7は以上のヒンジと
ロック機構としてそれぞれ同一のロック具1を用いた本
発明品の適用例を示している。すなわち、図8のユニッ
ト体50は、固定側本体として前面開口したハウジング
51の例であり、可動体としてのボックス52が上側開
口した収納部材の例である。そして、ボックス52は、
本発明品のロック具1を用いて、ハウジング51に対し
下側ヒンジ(ロック具1)を介し取り付けられると共
に、上側ロック具1により閉状態及び開状態で係止可能
に組み付けられる設計である。ハウジング51の両側壁
には前側上下部に対しそれぞれ取付孔55が設けられ
る。各取付孔55はホルダー20の周壁部23を圧入可
能な大きさである。これに対し、ボックス52の両側壁
には、前記取付孔55のうち、下側の取付孔55に対応
してヒンジ用凹部としての下前側の係合孔56が設けら
れると共に、上側の2箇所に同様な係合孔56が設けら
れる。上側の各2箇所の係合孔56は、下側の係合孔5
6を中心とする同心円上に位置し、かつ下側の係合孔5
6に対し取付孔55同士の間の寸法を保っている。
【0025】そして、前記した合計4箇所の取付孔55
にはロック具1が同様な態様にて取り付けられる。この
取付要領は、ホルダー10が取付孔55に対し、ハウジ
ング51の内側から、ホルダー10の後端側を差し込
み、強く押すことである。この押し込み過程では、途中
で、弾性係止部25の先端25aが取付孔55の孔縁に
当接するが、更に押されると、弾性変形して内側に逃
げ、弾性係止片部25が取付孔55に完全に通過し終わ
ると、弾性係止部25が復元する。これにより、各ロッ
ク具1は、弾性係止部25と鍔部26との間にハウジン
グ51の板厚を挟んだ状態で取り付けられる。なお、こ
のようなロック具1の取付構造では、弾性係止部25を
内側に押して逃がし、外側から差し込みと逆の方向にホ
ルダー10を押すことにより、簡単に取り外される。
【0026】ボックス52は以上の状態からハウジング
51に組み込まれる。この要領は、ボックス52がハウ
ジング51に対し図8の状態よりも少し倒してボックス
52の下側を押し込む。すると、ボックス52の下側後
端が、下側の取付孔55に装着されたロック具1の構成
部材で、ハウジング51内に突出している軸部材10の
半球状部12に当たる。更に押し込むと、軸部材10
は、ホルダー20に対し図2の矢印方向の外力を受ける
ので、上記した作動によりロック解除位置に退避し、下
側の係合孔56が前記退避した半球状部12に対向した
時点で自動的にロック位置に切り換えられる。これによ
り、ボックス52は、下側の取付孔55に装着されたロ
ック具1を介してハウジング51に回転可能に組み付け
られる。そして、下側のロック具1はボックス52の回
転時のヒンジとなる。
【0027】次に、ボックス52は、前記した状態から
上側を押し前記ロック具1のヒンジを支点としてハウジ
ンク51内に押し入れられる。すると、今度は、ボック
ス52の上側後端が、上側の取付孔55に装着されたロ
ック具1の構成部材で、ハウジング51内に突出してい
る軸部材10の半球状部12に当たる。更に押し込む
と、軸部材10は、ホルダー20に対し図2の矢印方向
の外力を受けるので、上記したと同様にロック解除位置
に退避し、上後側の係合孔56が前記退避した半球状部
12に対向した時点で自動的にロック位置に切り換えら
れる。この状態は、ボックス52が図7(b)の想像線
で示される開状態に係止されている態様である。この係
止状態は、ボックス52が閉じ方向へ押されると、軸部
材10が上記したロック位置からロック解除位置にな
る。したがって、ボックス52が更に押されると、下側
のロック具1をヒンジとしてハウジング51内に回転さ
れる。そして、ボックス52が図7(b)の実線位置に
なると、上前側の係合孔56が前記ロック解除位置に退
避していた半球状部12に対向して、自動的にロック位
置に切り換えられる。この状態は、ボックス52が図7
(b)の実線で示される開状態に係止されている態様で
ある。そして、ボックス52は、このような上側に装着
された解除可能なロック具1の作動により、閉状態と開
状態との間で回転され、かつ各状態で係止されるのであ
る。
【0028】以上のロック具1は、段落0011に記載
したような利点に加え、ヒンジ機能と係止機能とを兼ね
備えていることから、従来構造のヒンジ及びロック具に
対し、部品管理的に容易にし、量産を可能にして製造費
を低減できる。それに加え、このロック具1は、ハウジ
ング51に同一の取付孔55を設け、同じ態様にて取り
付けることが可能である。このため、この製品は、適用
時の設計(ハウジング51等に設けられる取付孔55の
加工、ボックス52等に設けられる係合孔56等の加
工)がシンプルとなり、しかも組み込みも容易であるこ
とから使い勝手がよく、適用分野の拡大が期待できる。
【0029】なお、上記した形態では、軸部材10が
「ロック位置」に戻されたとき、各弾性当接片部22の
先端22bが平板部14の上下面14a,14bに当接
された状態になっている場合について開示したが、テー
パー部17の立ち上がり部分に当接された状態で「ロッ
ク位置」に保持されるようにしてもよい。また、弾性当
接片22がテーパー部17に線接触して当接される構造
を開示したが、好ましくは点接触がよい。この点接触と
する場合には、弾性当接片部22の先端22bを尖らせ
た形状にすればよい。更に、上記形態では、ロック具1
がユニット体50に使用した例で説明したが、これに限
ることなく広く一般のロック具又はヒンジとして使用す
ることができるものである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のヒンジ兼
用ロック具は、軸部材及びホルダーの2つの部材で構成
され、専らヒンジ機構として用いたり、ディテント式の
ロックないしは係止機構として用いることができる。こ
れにより、兼用品にできることから部品管理が容易にな
り、量産も可能となって製造費を大幅に低減することが
できる。すなわち、軸部材はホルダーに押し込み操作だ
けで組立可能であり、組立状態において、周壁部及び弾
性当接片部による規制保持作用により不用意に抜けない
ロック位置にある。また、軸部材に対し、テーパー部及
び弾性当接片部の弾性能等によりロック位置での保持力
と、ロック解除位置への切り換え力を的確に付与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したヒンジ兼用ロック具の分解斜
視図である。
【図2】図3のA−A線及びB−B線に沿う縦断側面図
である。
【図3】前記ロック具の正面図及び背面図である。
【図4】図3の矢印C方向及び矢印D方向より見た側面
図である。
【図5】上記ロック具の軸部材単品を異なる状態で示す
図である。
【図6】上記ロック具のホルダー単品を異なる状態で示
す図である。
【図7】本発明品を図8の構造に適用した状態で示す一
部破断正面及び縦断面図である。
【図8】本発明品の利用例として示すユニット体の外観
図である。
【図9】図8のユニット体のような場合に適用される従
来構造例を示す縦断面図である。
【図10】図9のユニット体に適用されている従来ロッ
ク具例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…ロック具、10…軸部材、20…ホルダー、11…
軸本体、12…半球状部(係合凸部)、14…平板部、
16…抜け止め爪部、17…ガイド片部、21…スリッ
ト、22…弾性当接片部、22a…折り曲げ部、22b
…先端、51…ハウジング(固定側本体)、52…ボッ
クス(可動体) 55…取付孔、56…係合孔(凹部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側本体に対し可動体を回転自在に枢
    支したり、前記可動体を解除可能にロックするために用
    いられるもので、軸部材及びこの軸部材を内部に挿入し
    て組み込むホルダーからなり、 前記軸部材は、前端側に設けられて前記可動体の凹部に
    係脱可能な係合凸部と、後端側に設けられた抜け止め爪
    部と、前記抜け止め爪部よりも前側に位置して後方に向
    けて低くなるテーパー部とを有し、 前記ホルダーは、略筒状をなし、前記軸部材の押し込み
    により前記抜け止め爪部を筒後端から外へ突出可能にす
    ると共に、前記外へ突出した抜け止め爪部の反押し込み
    方向への摺動を規制する周壁部と、前記抜け止め爪部の
    突出状態を保持しかつ前記テーパー部に圧接する弾性当
    接片部とを有し、 前記軸部材が、前記抜け止め爪部を前記ホルダー後端か
    ら突出しその状態を前記周壁部及び前記弾性当接片部に
    より規制保持したロック位置と、前記係合凸部を介しホ
    ルダー内方向の外力を受けて、前記テーパー部を介し前
    記弾性当接片部を拡径しつつ前記抜け止め爪部を更に後
    方へ摺動するロック解除位置とに切り換え、かつ前記外
    力がなくなると前記拡径されていた弾性当接片部の復元
    力でロック位置に摺動される、ことを特徴とするヒンジ
    兼用ロック具。
  2. 【請求項2】 前記軸部材が、その後部側に略軸中心を
    通る平板部を有し、該平板部の後方側面に前記抜け止め
    爪部を設け、前記平板部の前方上下面に対応して前記テ
    ーパー部を形成している請求項1に記載のヒンジ兼用ロ
    ック具。
  3. 【請求項3】 前記ホルダーが前記周壁部及び前記弾性
    当接片部を筒後端を含む筒回りを複数のスリット等を介
    して区画形成し、前記軸部材が前記テーパー部の両側に
    立設されて前記スリットに嵌合するガイド片部を有して
    いる請求項2に記載のヒンジ兼用ロック具。
JP13232398A 1998-05-14 1998-05-14 ヒンジ兼用ロック具 Pending JPH11325013A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13232398A JPH11325013A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 ヒンジ兼用ロック具
TW88102120A TW393551B (en) 1998-05-14 1999-02-11 Locking member having a function of hinge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13232398A JPH11325013A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 ヒンジ兼用ロック具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11325013A true JPH11325013A (ja) 1999-11-26

Family

ID=15078639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13232398A Pending JPH11325013A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 ヒンジ兼用ロック具

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH11325013A (ja)
TW (1) TW393551B (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030038359A (ko) * 2001-11-05 2003-05-16 가부시키가이샤 니프코 2부재의 결합용 파스너
JP2006017300A (ja) * 2004-05-31 2006-01-19 Piolax Inc クリップ
JP2015086928A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 株式会社パイオラックス 取付部材の取付構造
CN105190060A (zh) * 2014-03-18 2015-12-23 日立化成株式会社 铰链装置
CN110219866A (zh) * 2019-06-26 2019-09-10 汤业禧 一种自膨胀半实心安装铆钉

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011076970A1 (de) * 2011-06-06 2012-12-06 Hilti Aktiengesellschaft Befestigungsvorrichtung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030038359A (ko) * 2001-11-05 2003-05-16 가부시키가이샤 니프코 2부재의 결합용 파스너
JP2006017300A (ja) * 2004-05-31 2006-01-19 Piolax Inc クリップ
JP4499614B2 (ja) * 2004-05-31 2010-07-07 株式会社パイオラックス クリップ
US7862272B2 (en) 2004-05-31 2011-01-04 Piolax Inc. Clip
JP2015086928A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 株式会社パイオラックス 取付部材の取付構造
CN105190060A (zh) * 2014-03-18 2015-12-23 日立化成株式会社 铰链装置
CN110219866A (zh) * 2019-06-26 2019-09-10 汤业禧 一种自膨胀半实心安装铆钉
CN110219866B (zh) * 2019-06-26 2020-12-08 靖江市凯狄五金机械制造有限公司 一种自膨胀半实心安装铆钉

Also Published As

Publication number Publication date
TW393551B (en) 2000-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8938857B2 (en) Slide hinge
JP3986794B2 (ja) ヒンジ装置及びそれを用いた携帯電話機
JP2000000185A (ja) 洋式便器の便座や便蓋の開閉用ヒンジのホルダー
KR100375701B1 (ko) 힌지 유닛 및 힌지구조
JPH11325013A (ja) ヒンジ兼用ロック具
KR20020053767A (ko) 손목 장착형 전자장치
CN114458085B (zh) 执手组件
JPH11230426A (ja) 貫通スリーブ
US20010045299A1 (en) Lid or door structure and hinge structure
JP2003334112A (ja) コンパクト容器
JP3545363B2 (ja) ヒンジ装置
JPH089328Y2 (ja) シリンダ錠及びこれに用いるスイッチ部品
JP2002317812A (ja) ヒンジ装置
JP3660719B2 (ja) 軸具
JP2001279988A (ja) 丁番装置
JP2780939B2 (ja) ドア用ハンドル取付座とドア錠
JP2003027808A (ja) スライド操作体のスライド移動力の変換機構及びラッチ装置
JPH0239439Y2 (ja)
JP2592684Y2 (ja) フード付収納ケースの軸部構造
JP2519133Y2 (ja) 鋏と鞘との係止構造
JP2003174942A (ja) 引出しの接続用具
JP3245341B2 (ja) 家具等の取手装置
EP1063387A2 (en) Ladder having locking device and method for manufacturing the same
JP3245340B2 (ja) 家具等の取手装置
JP4365076B2 (ja) ドアロック装置