JP3660719B2 - 軸具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動可能に組み付けられることが必要とされる二つの部材を、一方の部材に対して他方の部材が自動的に一方向に向けて回動されるように組み付けると共に、該回動の開始前と該回動の終了後において、該二つの部材の一方に対して他方を安定的に位置付け、保持する機能を備えた軸具の提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
回動可能に組み付けられる二つの部材を、該回動の開始前と該回動の終了後において、該二つの物品の一方に対して他方を位置付け、保持する技術として、実開平5−68156に示される回動構造がある。
【0003】
この回動構造は、回動可能に組み付けられる本体フレームとカバーとからなる折りたたみ式電話機に関するものであり、該本体フレームとカバーとの連結部分において、カバー側に放射状に複数のテーパ面を備えた回動面を設けると共に、本体フレーム側に該回動面に向けて常時突き出す向きに付勢され、かつ、該回動面に接する先端に該回動面の所定のテーパ面に係合する突起を備えたシャフトを備えたものとされている。これによりこの回動構造は、本体フレームに対してカバーを、前記回動面のテーパ面に前記シャフトの突起を係合させることにより、該回動開始前と終了後のそれぞれの位置で、保持しうるものであった。
【0004】
また、同種の技術として、特公平5−44218に示される蝶番装置がある。
【0005】
この蝶番装置は、回動可能に組み付けられる本体部と折り返し要素部とからなる折りたたみ可能な電話に関するものであり、該本体部と折り返し要素部とを回動可能に連結し、かつ、本体部側で固定されるヒンジ軸に二か所のくぼみを設けておくと共に、折り返し要素部に該ヒンジ軸に向けて突き出すように常時付勢され、かつ、前記ヒンジ軸の二か所のくぼみに選択的に係合するカムを備えたものとされている。これによりこの蝶番装置は、本体部に対して折り返し要素部を、前記ヒンジ軸のくぼみにカムを係合させることにより、該回動開始前と終了後のそれぞれの位置で本体部に対して折り返し要素部を保持しうるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、回動可能に組み付けられる二つの部材にあっては、該回動を自動的に行わせるようにして該二つの部材から構成される物品などの使い勝手を高める要請がまたあるところであり、こうした要請から、例えば、前記実開平5−68156における従来例に示されるように、一方の部材を他方の部材に対して一方向に向けて回動、付勢させる捩りコイルバネなどの付勢手段を該物品に備えさせる手法が汎用されている。
【0007】
しかし、回動可能に組み付ける前記回動構造および蝶番装置はいづれも、回動可能に組み付けられる二つの部材を、該回動の開始前と該回動の終了後において、該二つの物品の一方に対して他方を位置付け、保持することを限度とするものであり、このため、これらの構造、装置の用いられる物品において前記回動を自動的に行わせるためには、これらの構造、装置とは別に、さらに前記付勢手段を該物品に設けることを要するものであった。
【0008】
また、前記回動構造および蝶番装置はいづれも、これらの構造、装置が適用される物品に格別の構造を設けることを余儀なくさせるものであり汎用的な構造、装置とはなりえないものであった。また、構造が複雑であり、部品点数も少ないものとはいえないため、これらの物品に組み付ける手間を要するものであった。
【0009】
すなわち、前記回動構造においては少なくとも、前記カバーに回動面を、前記本体フレームに前記シャフトを収容する穴をそれぞれ設けておかざるを得ず、また、該穴に該シャフトを付勢するバネを入れ込んだ状態で該シャフトを該穴に取り付けることを要するものであった。
【0010】
また、前記蝶番装置においては少なくとも、前記折り返し要素部に前記ヒンジ軸に向けられた前記カムを収容する穴を設けると共に、この穴から該カムが突き出し方向に付勢されるように、該カムと該カムを付勢するバネを折り返し要素部に備えさせることを要するものであった。
【0011】
そこでこの発明は、かかる従来の技術の不都合を解決すること、すなわち、回動可能に組み付けられることが必要とされる二つの部材を、一方の部材に対して他方の部材が自動的に一方向に向けて回動されるように組み付けると共に、該回動の開始前と該回動の終了後において、該二つの物品の一方に対して他方を安定的に位置付け、保持する機能を、各種の物品に組み付けが容易で、かつ、汎用可能に構成された独立した部品としての軸具に持たせることを第一の目的とする。また、該軸具の部品点数をできるかぎり少ないものとすることを第二の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を解決するために、この発明では、第一の組付部材P−1に対して第二の組付部材P−2を回動可能に組み付ける軸具Jを、第一の組付部材P−1に組み付けられる筒状をなす第一の軸部材10と、該第一の軸部材10内に一端側20aから回転可能に差し入れ、組み付けられると共に、他端側20bで第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20とを備える構成とし、さらに、該軸具Jには、一端30aを前記第二の軸部材20における第一の軸部材10への差し入れ奥側に取り付けられ、かつ、他端30bを前記第一の軸部材10における該第二の軸部材20の差し入れ手前側に取り付けられた捩りコイルバネ30が収められており、この捩りコイルバネ30により、前記第二の軸部材20が前記第一の軸部材10内へ引き込まれる向きに付勢されていると共に、前記第二の軸部材20の前記第一の軸部材10内への差し入れ奥側にある端部21aと、該端部21aに接する第一の軸部材10の内側部11aとにはそれぞれ、第二の軸部材20の回転軸線を巡る向きにあって互いに間隔を開けて設けられ、かつ、傾斜面tを備えた凹部13a、22aと突部13a、22aとを備えるカム部13、22が設けられており、該第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22とが、該第一の軸部材10のカム部13の凹部13aに第二の軸部材20のカム部22の突部22bを収め、かつ、該第二の軸部材20のカム部22の凹部22aに第一の軸部材10のカム部13の突部13bを収めて、嵌り合っている構成とする。そしてさらに、第二の軸部材20のカム部22と第一の軸部材10のカム部13とが嵌り合っている状態で、該第二の軸部材20が、該第二の軸部材20を回動させる向きに前記捩りコイルバネ30により付勢され、かつ、前記嵌り合っている第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22とが、互いに前記凹部13a、22aから前記突部13b、22bを導き出すように第二の軸部材20を回動させた際に、該凹部13a、22aから突部13b、22bが抜け出して、該第二の軸部材20のカム部22の突部22bを第一の軸部材10のカム部13の突部13bに突き当てる位置まで前記捩りコイルバネ30の付勢により回動される構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る軸具Jの実施の形態を、図1ないし図13に基いて説明する。
【0014】
なお、図1は、軸具Jの全体構成を理解し易いように、該軸具Jを構成する各部品を分離して、斜視の状態で示している。
【0015】
また、図2ないし図4は、軸具Jの適用例、ここでは折りたたみ式電話器を構成するフレームTの本体フレーム100に対してカバー101を回動可能に組み付けるために、該軸具Jを該フレームTに組み込んだ例を理解し易いように、該フレームTの一部を破断して正面から見た状態で(図2)、また、該フレームTを縦断面の状態として(図3)、さらに、該フレームTを横断面の状態として(図4)、それぞれ示している。
【0016】
また、図5および図6は、軸具Jの動作を理解し易いように、軸具Jにより回動可能に組み付けられる第一の組付部材P−1、ここでは前記折りたたみ式電話機を構成するフレームTにおける本体フレーム100を想像線で、また、該フレームTにおけるカバー101及び軸具Jを断面の状態として、該軸具Jを構成する第一の軸部材10に対して第二の軸部材20が回動される前の状態と(図5)、該第一の軸部材10に対して第二の軸部材20が回動された後の状態とを(図6)、それぞれ示している。
【0017】
また、図7および図8は、軸具Jを構成する第一の軸部材10のカム部13の構成を理解し易いように、該第一の軸部材10の筒状本体11を該筒状本体11における第二の軸部材20の差し入れ開口11b側から見た状態で(図7)、また、該カム部13が設けられている部分を断面にした状態で、それぞれ示している。
【0018】
また、図9および図10は、軸具Jを構成する第二の軸部材20のカム部22の構成を理解し易いように、該第二の軸部材20を側方から見た状態で(図9)、また、該第二の軸部材20のカム部22が設けられている端部21a側から見た状態で(図10)、それぞれ示している。
【0019】
また、図11ないし図13は、軸具Jを構成する第一の軸部材10に対する第二の軸部材20の回動の前後に亘る第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22との位置関係を理解し易いようにそれぞれ、該第一の軸部材10の一部を破断して前記カム部13を実線で表わし、かつ、前記第二の軸部材20のカム部22を想像線で表わすと共に(図11ないし図13の(イ)図)、両カム部13、22を前記第二の軸部材20の回転軸線を巡る方向で破断して展開した断面で示しており(図11ないし図13の(ロ)図)、ここで、図11は、前記回動の開始前の状態、また、図12は、該回動途中の状態、さらに図13は、該回動の終了後の状態における両カム部13、22の位置関係をそれぞれ示している。
【0020】
以上各図に示されるこの実施の形態における軸具Jは、回動可能に組み付けられる第一の組付部材P−1と第二の組付部材P−2とを備える物品において、さらに、いづれか一方に対して他方が自動的に一方向に向けて回動するように組み付けると共に、該回動の開始前と該回動の終了後において、第一の組付部材P−1と第二の組付部材P−2の一方に対して他方を安定的に位置付け、かつ、保持するように組み付けることが必要とされる場合に、前記第一の部材P−1と前記第二の部材P−2の回動、組み付けに用いるのに適したものである。
【0021】
例えば、携帯型のパーソナルコンピュータの本体に対して液晶画面が設けられた蓋を回動可能に組み付ける場合、洗濯機の本体に対して該本体の洗濯槽開口を塞ぐ蓋を回動可能に組み付ける場合など、各種の収納体等における本体に対して蓋等を回動可能に組み付ける場合に用いるのに適している。
また、前記図2ないし図4に示される折りたたみ式電話機のフレームTを構成する本体フレーム100に対してカバー101を回動可能に組み付ける場合に用いるのに適している。
【0022】
すなわち、この実施の形態における軸具Jは、第一の組付部材P−1に対して第二の組付部材P−2を回動可能に組み付ける軸具Jであり、第一の組付部材P−1に組み付けられる筒状をなす第一の軸部材10と、該第一の軸部材10内に一端側20aから回転可能に差し入れ、組み付けられると共に、他端側20bで第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20とを備えている。
【0023】
かかる構成により、この実施の形態における軸具Jによれば、第二の組付部材P−2に組み付けられた第二の軸部材20を第一の軸部材10内で回転させるように、該第二の組付部材P−2を該第一の軸部材10の組み付けられている第一の組付部材P−1に対して回動させることができる。
【0024】
従ってまた、第一の組付部材P−1に組み付けられた第一の軸部材10を第二の軸部材20の外側で回転させるように、該第一の組付部材P−1を該第二の軸部材20の組み付けられている第二の組付部材P−2に対して回動させることができる。
【0025】
また、この実施の形態における軸具Jは、一端30aを前記第二の軸部材20における第一の軸部材10への差し入れ奥側に取り付けられ、かつ、他端30bを該第一の軸部材10における第二の軸部材20の差し入れ手前側に取り付けられた捩りコイルバネ30が収められており、この捩りコイルバネ30により、前記第二の軸部材20が前記第一の軸部材10内に引き込まれる向きに付勢される構成を備えている。
【0026】
かかる構成により、この実施の形態における軸具Jによれば、前記第二の軸部材20を第一の軸部材10に対して、又は、第一の軸部材10を第二の軸部材20に対して、前記捩りコイルバネ30が該第二の軸部材20を第一の軸部材10内で、又は、該第一の軸部材10を第二の軸部材20の外側で、回転させるに充分なねじり力を該第二の軸部材20又は第一の軸部材10に加えるように、適宜回転させて該捩りコイルバネ30を捩ることにより、このネジリコイルバネ30のねじり力により、第一の組付部材P−1が固定側とされる場合には、該第一の組付部材P−1に組み付けられる第一の軸部材10に対して回動側とされる第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20を一方向に向けて回動、付勢することができ、また、第二の組付部材P−2が固定例とされる場合には、該第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20に対して回動側とされる第一の組付部材P−1に組みけられる第一の軸部材10を一方向に向けて回動付勢することができる。
【0027】
また、前記捩りコイルバネ30による前記第二の軸部材20を前記第一の軸部材10内に引き込む向きの付勢により、該第二の軸部材20の差し入れ奥側、すなわち前記一端側20aがこの一端側20aにある該第一の軸部材10の内側部10aに常時接し合うようにすることができる。
【0028】
ここで、この捩りコイルバネ30による前記第二の軸部材20を第一の軸部材10内への引き込む向きの付勢は、該第一の軸部材10における該第二の軸部材20の差し入れ手前側と、該第二の軸部材20の差し入れ奥側との間で、前記捩りコイルバネ30が圧縮されるように、この捩りコイルバネ30を前記第二の軸部材20に収めることで達成される。
【0029】
また、この実施の形態における軸具Jは、前記第二の軸部材20の前記第一の軸部材10内への差し入れ奥側にある端部21aと、該端部21aに接する第一の軸部材10の内側部11aとにはそれぞれ、第二の軸部材20の回転軸線を巡る向きにあって互いに間隔を開けて設けられ、かつ、傾斜面tを備えた凹部13a、22aと凸部13b、22bとを備えるカム部13、22が設けられている。そして、前記第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22とが、該第一の軸部材10のカム部13の凹部13aに第二の軸部材20のカム部22の突部22bを収め、かつ、第二の軸部材20のカム部22の凹部22aに第一の軸部材10のカム部13の突部13bを収めて、嵌り合っている構成とされていると共に、第二の軸部材20のカム部22と第一の軸部材10のカム部13とが嵌り合っている状態で、該第二の軸部材20が、該第二の軸部材20を回動させる向きに前記捩りコイルバネ30により付勢され、かつ、前記嵌り合っている第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22とが、互いに前記凹部13a、22aから前記突部13b、22bを導き出すように第二の軸部材20を回動させた際に、該凹部13a、22aから該突部13b、22bを抜け出させて、該第二の軸部材20のカム部22の突部22bを第一の軸部材10のカム部13の突部13bに突き当てる位置まで前記捩りコイルバネ30の付勢により回動される構成とされている。
【0030】
かかる構成より、この実施の形態における軸具Jによれば、前記第二の軸部材20のカム部22と第一の軸部材10のカム部13とが嵌り合っている状態では、前記捩りコイルバネ30の第二の軸部材20を回動させる向きの付勢によっても該第二の軸部材20は回動されない。
【0031】
一方、前記凹部13a、22aと突部13b、22bとにはそれぞれ、前記傾斜面tが備えられていることから、嵌り合っている前記第一の軸部材10のカム部13と前記第二の軸部材20のカム部22とが、互いに前記凹部13a、22aから突部13b、22bを導き出すように該第二の軸部材20を回動させることにより、前記傾斜面tの傾斜に沿って該凹部13a、22a内から突部13b、22bの抜き出すことができ、この抜き出しにより、両カム部13、22の嵌り合いを解いて、前記第二の軸部材20を、該第二の軸部材20のカム部22の突部22bが第一の軸部材10のカム部13の突部13bに突き当たる位置まで前記捩りコイルバネ30の付勢によって回動させることができる。
【0032】
すなわち、前記捩りコイルバネ30の付勢により、前記第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22と嵌り合いを解くことで、前記第一の組付部材P−1が固定側とされる場合には、該第一の組付部材P−1に組み付けられる第一の軸部材10に対して回動側とされる第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20を該第二の軸部材20のカム部22の突部22bが第一の軸部材10のカム部13の突部13bに突き当たる位置まで回動させることができる。また、第二の組付部材P−2が固定側とされる場合には、該第二の組付部材P−2に組み付けられる第二の軸部材20に対して回動側とされる第一の組付部材P−1に組み付けられる第一の軸部材10を該第一の軸部材10のカム部13の突部13bが第二の軸部材20のカム部22の突部22bに突き当たる位置まで回動させることができる。
【0033】
また、ここで前記第一の軸部材10又は第二の軸部材20の回動角度の変更は、前記互いに嵌り合う両カム部13、22における前記凹部13a、22aに対する前記突部13b、22bの該第一の軸部材10又は第二の軸部材20の前記捩りコイルバネ30による回動、付勢方向に向けた間隔を変えることにより達成される。
すなわち、該回動、付勢方向に向けた前記凹部13a、22aと前記突部13b、22b間の間隔を大きくすることにより、前記第一の軸部材10又は第二の軸部材20の回動角度を大きくすることができ、また、前記回動、付勢方向に向けた該凹部13a、22aと該突部13b、22b間の間隔を小さくすることにより該第一の軸部材10又は第二の軸部材20の回動角度を小さくすることができる。
【0034】
また、前記カム部13、22の突部13b、22bを突き当てる位置まで回動された前記第一の軸部材10又は第二の軸部材20は、該突部13b、22bの突き当てにより、また、前記凹部13a、22aから突部13b、22bが抜き出されることに伴った前記の捩りコイルバネ30の一端30aが取り付けられている前記第二の軸部材20における第一の軸部材10への差し入れ奥側と、該捩りコイルバネ30の他端30bが取り付けられている前記第一の軸部材10における第二の軸部材20の差し入れ手間側との間隔が狭められることとなり、この結果、該捩りコイルバネ30は圧縮され、前記第二の軸部材20を第一の軸部材10内へ引き込む向きの付勢力が強められると共に、前記回動により該捩りコイルバネ30の前記回動方向に向けた付勢力が弱められることから、突き当てられている前記突部13b、22bのそれぞれ一方は他方を乗り越え難いものとされ、前記第一の軸部材10又は第二の軸部材20は、該突き当て位置を超えて回動され難いものとされる。
【0035】
また、このように前記カム部13、22の突部13b、22bを突き当て合う位置まで回動された前記第一の軸部材10又は第二の軸部材20を、前記捩りコイルバネ30による前記回動、付勢の方向と反対の方向に回動させると、該捩りコイルバネ30によりまた該第二の軸部材20は第一の軸部材10内に引き込まれる向きに付勢されていることから、前記突部13b、22bはそれぞれ前記凹部13a、22aに再び嵌め入れられるに至り、これにより前記第一の軸部材10と前記第二の軸部材20とは、該捩りコイルバネ30の付勢による前記回動の開始前の状態に戻される。
【0036】
この前記捩りコイルバネ30の回動、付勢方向と反対の方向への回動により該捩りコイルバネ30に再び第一の軸部材10又は第二の軸部材20を回動させる付勢力を蓄えさせることができることから、再度、前記突部13b、22bを前記凹部13a、22aから抜き出させるように該第一の軸部材10又は第二の軸部材20を回動させることにより、前記両カム部13、22の嵌り合いを解いて、再び該第一の軸部材10又は第二の軸部材20の何れか一方を他方に対して、前記突部13b、22bが突き当たり合う位置まで、前記捩りコイルバネ30の付勢により回動させることができる。
【0037】
以上に説明した実施の形態における軸具Jによれば、該軸具Jを構成する第一の軸部材10を第一の組付部材P−1に組み付け、かつ、前記第二の軸部材20を第二の組付部材P−2に組み付けることにより、前記捩りコイルバネ30の回動、付勢力および圧縮力により、第一の組付部材P−1が固定側とされ、第二の組付部材P−2が回動側とされる場合には、第二の組付部材P−2を第一の組付部材P−1に対して所定の角度回動させることができると共に、この回動の開始前、終了後において第一の組付部材P−1に対して第二の組付部材P−2を安定的に位置付けることができるように、前記両部材P−1、P−2を組み付けることができる。また、第二の組付部材P−2が固定側とされ、第一の組付部材P−1が回動側とされる場合には、第一の組付部材P−1を第二の組付部材P−2に対して所定の角度に回動させることができると共に、この回動の開始前、終了後において第二の組付部材P−2に対して第一の組付部材P−1を安定的に位置付けることができるように、前記両部材P−1、P−2を組み付けることができる。
【0038】
次いで、図1ないし図13に示されるこの発明の最良の実施の形態の一つを、これら各図に基ついて詳細に説明する。
【0039】
図1に特に示されるように、この実施の形態における軸具Jは、筒状をなす第一の軸部材10と、この第一の軸部材10内に回動可能に差し入れ、組み付けられる筒状をなす第二の軸部材20と、該第二の軸部材20を第一の軸部材10内に引き込む向きに付勢する捩りコイルバネ30を主体に構成されている。
【0040】
先ず、第一の軸部材10は、前記第二の軸部材20の差し入れられる開口11bを一端側に備えた筒状本体11と、この筒状本体11の他端部に設けられた穴15内より該筒状本体11内に、該筒状本体11の軸線方向に沿って差し入れ、組み付けられる軸桿12とから構成されている。
【0041】
この軸桿12は、前記筒状本体11内への差し入れ側と反対の側の端部に長方板状の頭部12aを備えている。一方、該筒状本体11の前記穴15が設けられている他端部外側には、該頭部12aが嵌め込まれる該頭部12aの外形に倣った凹部16が形成されている。従って、該軸桿12は、その先端側から前記筒状本体11の穴15内にこの頭部12aを前記凹部16に嵌め込む位置まで差し入れられることにより、該筒状本体11に対して回転しない状態で収められる。
【0042】
また、前記筒状本体11は、前記穴15が設けられている他端側の内側部11aに、該穴15を巡る向きにあって間隔を開けて設けられる凹部13a及び突部13bと、この凹部13aと突部13bとの間に亘って該筒状本体11の軸線に略直交する向きに形成される平坦面13cとを備えるカム部13を備えている。
【0043】
この実施の形態においては、該カム部13は、図7および図8に特に示されるように、前記凹部13aと突部13bとを前記穴15の直径方向両側位置に配する構成とされている。
【0044】
また、このカム部13の前記突部13bは、前記穴15の側に向けて次第に幅狭となるように構成されていると共に、該穴15を巡る周方向に略直交する向きにある両側部にそれぞれ、該突部13bの突き出し先端側に向けて該突部13bの幅を次第に狭める向きに傾斜する傾斜面t、tを備えている。また、このカム部13の前記凹部13aは、前記穴15の側に向けて次第に穴幅を狭くするように構成されていると共に、該穴15を巡る周方向に直交する向きにある両穴壁部にそれぞれ、該凹部13aの底側に向けて該凹部13aの幅を次第に狭める向きに傾斜する傾斜面t、tを備えている。
【0045】
また、前記筒状本体11の外側には、該筒状本体11の直径方向両側位置に、該筒状本体11の一端側から他端側に亘る一対のリブ14、14が設けられている。
【0046】
一方、第二の軸部材20は、前記第一の軸部材10の筒状本体11の前記開口11bより該筒状本体11内に差し入れられる筒状体21として構成されている。
【0047】
この筒状体21は、前記第一の軸部材10の筒状本体11への差し入れ奥側にある端部21aに、該第一の軸部材10内に収められている軸桿12を該筒状体21内に差し入れる軸穴23を備えている。
【0048】
また、この筒状体21は、前記第一の軸部材10の筒状本体11内への差し入れ奥側にある端部21aに、前記軸穴23を巡る向きにあって間隔を開けて設けられる凹部22a及び突部22bと、この凹部22aと突部22bとの間に亘って該筒状体21の軸線に略直交する向きに形成される平坦面22cとを備えるカム部22を備えている。
【0049】
この実施の形態においては、該カム部22は、図9及び図10に特に示されるように、前記凹部22aと突部22bとを前記軸穴23の直径方向両側位置に配する構成とされている。
【0050】
また、このカム部22の前記突部22bは、前記軸穴23の側に向けて次第に幅狭となるように構成されていると共に、該軸穴23を巡る周方向に直交する向きにある両側部にそれぞれ、該突部22bの突き出し先端側に向けて該突部22bの幅を次第に狭める向きに傾斜する傾斜面t、tを備えている。また、このカム部22の前記凹部22aは、前記軸穴23の側に向けて次第に穴幅を狭くするように構成されていると共に、該軸穴23を巡る周方向に直交する向きにある両穴壁部にそれぞれ、該凹部22aの底側に向けて該凹部22aの幅を次第に狭める向きに傾斜する傾斜面t、tを備えている。
【0051】
また、前記筒状体21の前記第一の軸部材10の筒状本体11の差し入れ手前側の筒端外側には、該筒状体21の直径方向両側位置に、該筒状体21の軸線に沿った一対のリブ25、25が設けられている。
【0052】
また、前記筒状体21の前記軸穴23が設けられている端部21a側の内側部には、該筒状体21の軸線に略直交する向きの段面24が形成されている。
【0053】
このように構成される第二の軸部材20は、前記第一の軸部材10に対して、該第一の軸部材10を構成する筒状本体11の開口11bより該第一の軸部材10内に、該第二の軸部材20の前記カム部22が設けられている一端側20aから、前記第一の軸部材10の前記軸桿12が第二の軸部材20の一端側20aにある端部21aに設けられた軸穴23より該第二の軸部材20内に入り込むようにして、差し入れることができる。なお、この実施の形態においては、前記第二の軸部材20の他端側20bには前記一対のリブ25、25が設けられており、この一対のリブ25、25は前記第一の軸部材10の開口11bの外側に位置することから、該第一の軸部材10に対して第二の軸部材20はこのリブ25が設けられている他端側20bを、前記第一の軸部材10の外方に突き出させた状態で差し入れられ、この突き出されている他端側20bが前記第二の組付部材P−2への組み付け部分とされる。
【0054】
そして、このように第一の軸部材10内に第二の軸部材20を差し入れた後、該第二の軸部材20内に差し入れられている前記軸桿12に巻装させるように、該第二の軸部材20の他端側20bの開口より捩りコイルバネ30を収め入れると共に、該捩りコイルバネ30の一端側30aを第二の軸部材20における第一の軸部材10への差し入れ奥側、この実施の形態においては前記筒状体21の一端側20a内側に設けられた段面24に取り付け、かつ、該捩りコイルバネ30の他端側30bを前記第一の軸部材10における第二の軸部材20への差し入れ手前側、この実施の形態においては該第二の軸部材20内に差し入れられている第一の軸部材10の軸桿12の先端にそれぞれ取り付けることにより、前記第一の軸部材10と該第二の軸部材20とに該捩りコイルバネ30を取り付けることができる構成とされている。
【0055】
すなわち、この実施の形態においては、前記第二の軸部材20を構成する筒状体21の段面24に前記捩りコイルバネ30の軸線に略沿った向きに突き出されるように形成された該捩りコイルバネ30の一端30aを差し入れる孔24aが備えられていると共に、前記第一の軸部材10を構成する軸桿12の先端に、前記捩りコイルバネ30の軸線に略直交する向きに折り曲げられた該捩りコイルバネ30の他端30bを引っ掛ける該軸桿12の軸方向に切り込まれたスリット12cがそれぞれ備えられている。また、該軸桿12の先端には雄ネジ部12bが設けてあり、前記第二の軸部材20における筒状体21の孔24aに前記捩りコイルバネ30の一端30aを差し入れ、該軸桿12のスリット12cに該捩りコイルバネ30の他端30bを引っ掛けた後、該捩りコイルバネ30が圧縮される状態となるよう前記雄ネジ部12bにナット40を嵌め付けることにより、前記第二の軸部材20を前記第一の軸部材10内に引き込まれる向きに付勢させるように、該捩りコイルバネ30を取り付けることができる。
【0056】
この捩りコイルバネ30による前記第二の軸部材20に対する前記第一の軸部材10内への引き込む向きの付勢力は、前記軸桿12の雄ネジ部12bに対する前記ナット40の嵌め付け位置を変えることにより調整することができる。
【0057】
そして、このように捩りコイルバネ30を取り付けた後、該捩りコイルバネ30が、前記第二の軸部材20を第一の軸部材10内において回動、付勢するように、該第二の軸部材20を第一の軸部材10内で回転させて該捩りコイルバネ30に捩り力を作用させた後に、該第二の軸部材20のカム部22と第一の軸部材10のカム部13とを嵌め合わせることにより、すなわち、第二の軸部材20のカム部22の突部22bを第一の軸部材10のカム部13の凹部13aに収め、かつ、第一の軸部材10のカム部13の突部13bを第二の軸部材20のカム部22の凹部22aに収めることにより、第二の軸部材20を第一の軸部材10内において前記捩りコイルバネ30により回動される向きに付勢させた状態で、該第一の軸部材10と第二の軸部材20とを組み付けることができる。
【0058】
この捩りコイルバネ30による前記第二の軸部材20に対する回動、付勢力は、前記両カム部13、22を嵌め合わせるに先立っての、前記第一の軸部材10に対する第二の軸部材20の回転の回数を変えることにより、調整することができる。
【0059】
なお、この捩りコイルバネ30による前記第二の軸部材20に対する回動、付勢力が、大きくなりすぎると、該捩りコイルバネ30による該第二の軸部材20を第一の軸部材10内に引き込む向きに付勢する付勢力にかかわらず、この捩りコイルバネ30による前記回動、付勢力により、前記両カム部13、22の嵌み合い状態を維持し難いものとなることから、該回動、付勢力を捩りコイルバネ30に与えるための前記第二の軸部材20の回転は、この回転により高められる該回動、付勢力と、前記該捩りコイルバネ30の該第二の軸部材20を引き込む向きに付勢する付勢力とのバランスを図って行うことが望ましい。
【0060】
このように構成される軸具Jの前記第一の軸部材10を第一の組付部材P−1に組み付けると共に、第二の軸部材20を第二の組付部材P−2に組み付けることにより、該第一の組付部材P−1又は第二の組付部材P−2の一方に対して他方を、回動開始前、及び回動終了後の両位置において安定的に位置付け可能な状態で、かつ、該回動を開始した後は前記捩りコイルバネ30の付勢により前記一方に対して他方が回動されるように、組み付けることができる。
【0061】
例えば、図2ないし図4に示される構成を備えた折りたたみ式電話器フレームTを構成する略長方形状をなす本体フレーム100の幅方向にある一方の側縁部100aに、該電話器の送話手段の組み込みのなされるカバー101を、該カバー101が前記本体フレーム100の一部を覆うように接しさせられた位置を回動開始前の位置とし、かつ、該カバー101が図3において想像線で示されるように前記本体フレーム100の外方に開き出した位置を回動終了後の位置とするように、該本体フレーム100に第一の軸部材10を、前記カバー101に前記第二の軸部材20をぞれぞれ組み付けることにより、本体フレーム100に対してカバー101を、回動開始前、及び回動終了後の両位置において安定的に位置付け可能な状態で、かつ、該回動を開始した後は前記捩りコイルバネ30の付勢により前記本体フレーム100に対して回動されるように、組み付けることができる。
【0062】
この実施の形態においては、受話手段の組み付けのなされる前記本体フレーム100の前記側縁部100aに、前記第一の軸部材10を前記第二の軸部材20の差し入れ側と反対の側から嵌め入れる嵌め込み穴100b’を備える連結突部100bが設けられており、また、この連結突部100bの該嵌め込み穴100b’には、前記第一の軸部材10の前記リブ14の収まる一対の溝100b”、100b”が設けられている。
【0063】
一方、前記カバー101は、前記本体フレーム100への組み付け側の端部101aに、一対の連結腕部101b、101bを備えており、この連結腕部101、101b間に該本体フレーム100の前記連結突部100bを収めて該本体フレーム100と組み合わされる構成とされていると共に、連結腕部101bの一方に前記第二の軸部材20の前記第一の軸部材10内より突き出されている他端側20b部分を嵌め入れる嵌め込み穴101b’を備えている。また、この嵌め込み穴101b’には、前記第二の軸部材20のリブ25の収まる一対の溝101b”、101b”が設けられている。また、この実施の形態においては、他方の連結腕部101bには、前記本体フレーム100の連結突部100bにおける前記嵌め込み穴100b’の開口側と反対の側より該嵌め込み穴100b’の軸線方向に沿って突き出す軸突部100cを回動可能に収め入れる軸穴101cが設けてある。
【0064】
従って、この実施の形態においては、前記第一の軸部材10の前記リブ14が前記本体フレーム100の連結突部100bにおける嵌め込み穴100b’の溝100b”に収まるように、該嵌め込み穴100b’に該第一の軸部材10を嵌め入れることにより、該第一の軸部材10を該本体フレーム100の前記嵌め込み穴100b’内で回動しないように組み付けることができ、また、前記第二の軸部材20の前記リブ25が前記カバー101の前記連結腕部101bにおける前記嵌め込み穴101b’の溝101b”に収まるように、該嵌め込み穴101b’に該第二の軸部材20を嵌め入れることにより、該第二の軸部材20を該カバー101の前記嵌め込み穴101b’内で回動しないように組み付けることができる。
【0065】
なお、図4に特に示されるように、この実施の形態における前記カバー101は、前記嵌め込み穴101b’及び軸穴101cの軸線を通る仮想平面に沿って前面側のパーツ101’と背面側のパーツ101”とに分けられていることから、前記本体フレーム100の連結突部100bの嵌め込み穴100b’に対して前記第一の軸部材10を嵌め込んだ後に、該連結突部100bの前記軸突部100cと前記第二の軸部材20を、背面側のパーツ101”における前記軸穴101cを構成する凹部と前記嵌め込み穴101b’を構成する凹部にそれぞれ収め入れ、かつ、前面側のパーツ101’における軸穴101cを構成する凹部と前記嵌め込み穴101b’を構成する凹部にそれぞれ収め入れるように、両パーツ101’、101”を組み付けることにより、この実施の形態における軸具Jをもっての前記カバー101の前記フレーム本体100に対する回動可能な組み付けがなされるものとされている。
【0066】
また、前記軸具Jは、フレーム本体100に対して該フレーム本体100の一部を覆うように、すなわち、カバー101が折りたたまれた状態において、このフレーム本体100に対するカバー101の開き出し方向に、該軸具Jを構成する第一の軸部材10に対する前記捩りコイルバネ30による第二の軸部材20の回動、付勢方向が揃うように、前記フレームTに組み付ける。
【0067】
このようにフレームTに組み付けられた軸具Jは、先ず、図2、図4および図5に特に示されるように、該軸具Jを構成する第一の軸部材10のカム部13と第二の軸部材20のカム部22との噛み合いと、前記捩りコイルバネ30による第二の軸部材20を第一の軸部材10内に引き込む向きの付勢、すなわち、両カム部13、22を押し付けさせる付勢力により、この捩りコイルバネ30によるもう一つの第二の軸部材20に対する回動、付勢力にかかわらず、該第二の軸部材20を第一の軸部材10内で回動させないので、この第二の軸部材20が組み付けられた前記カバー101をフレーム本体100に対して折りたたまれた状態で維持する。
【0068】
すなわち、この状態においては、図11に示されるように、第一の軸部材10のカム部13における凹部13aに第二の軸部材20のカム部22における突部22bが収まり、また、第一の軸部材10のカム部13における突部13bが第二の軸部材20のカム部22における凹部22aに収められている。
【0069】
次いで、前記第二の軸部材20が組み付けられている前記カバー101が開き出し方向にやや回動されるように該カバー101に外力を加えると、前記相互に嵌り合う両カム部13、22には前記傾斜面tが設けられていることから、図12に示されるように、この傾斜面tの傾斜に沿って嵌り合っていた前記両カム部13、22の前記凹部13a、22a内からそれぞれ前記突部13b、22bが抜け出されるに至る。
【0070】
このように前記両カム部13、22の前記凹部13a、22a内からそれぞれ前記突部13b、22bが抜け出されると、前記第二の軸部材20は前記捩りコイルバネ30により前記カバー101の開き出し方向に沿った向きに回動、付勢されていることから、前記第二の軸部材20は、そのカム部22の突部22bの先端部を第一の軸部材10のカム部13の平坦面13cに接し合わせながら、また、前記第一の軸部材10はカム部13の突部13bの先端部を第二の軸部材20のカム部22の平坦面22cに接し合わせながら、該第一の軸部材10に対して前記カバー101の開き出し方向に向けて付勢、回動され、この回動に伴って、この第二の軸部材20に組み付けられている前記カバー101も回動、開き出される。
【0071】
次いで、前記両カム部13、22はそれぞれ、前記凹部13a、22aと突部13b、22bとを前記第一及び第二の軸部材10、20の直径方向両側の位置にそれぞれ備えていることから、前記捩りコイルバネ30の付勢による該第二の軸部材20の回動は、図6及び図13に示されるように、該第二の軸部材20のカム部22の突部22bが第一の軸部材10の突部13bに突き当った位置、この実施の形態においては該第二の軸部材20が略150度回動した位置で停止され、この結果、該第二の軸部材20に組み付けられている前記カバー101は前記フレーム本体100に対して略150度開き出した位置で、その開き出しを停止される。
【0072】
ここで、このカバー101が開き出しを停止した回動終了後の位置では、前記両カム部13、22の突部13b、22bが突き当り合うと共に、前記突部13b、22bがそれぞれ前記凹部13a、22aから抜け出して前記平坦面13c、22cにその先端を接しさせていることから、この突部13b、22bの高さ分第二の軸部材20は第一の軸部材10の開口11b側から突き出される方向に移動されると共に、この高さ分前記捩りコイルバネ30が圧縮されて該捩りコイルバネ30による該第二の軸部材20のカム部22と第一の軸部材10のカム部13とを押し付ける向きの付勢力が強められる。また、前記回動により捩りコイルバネ30の第二の軸部材20の回動、付勢力は回動開始前に比べて弱められることから、この結果、前記第一の軸部材10のカム部13の突部13bを、前記第二の軸部材20のカム部22の突部22bは乗り超え難いものとされ、この突部13b、22bの突き当り合う位置から先への該第二の軸部材20の回動は規制される。この結果、この第二の軸部材20に組み付けられた前記カバー101は前記開き出しを停止した位置で、その開き出し状態を安定的に維持される。
【0073】
なお、この実施の形態においては、互いに突き当り合う前記両突部13b、22bがそれぞれ傾斜面tを備えていることから、両突部13b、22bがその傾斜面t、tをそれぞれ突き当てた前記回動終了位置よりさらに前記カバー101を開き出し方向に回動させた場合であっても、前記傾斜面tに沿って前記第二の軸部材20のカム部22の突部22bが、前記第一の軸部材10のカム部13の突部13bの先端側に向けて若干移動されるように該第二の軸部材20を回動させる余裕が残されており、両突部13b、22bがその傾斜面t、tをそれぞれ突き当てた前記回動終了位置より先に、さらに前記第二の軸部材20を回動させるように、この第二の軸部材20に組み付けられているカバー101に対してこのカバー101を開き出し方向へ回動させる外力が若干加えられた場合であっても、前記余裕により両突部13b、22bなどに無理な力が加わることが防止でき、また、この際には前記捩りコイルバネ30による該第二の軸部材20を前記第一の軸部材10内に引き入れる向きの付勢力が一層大きなものとなるので、カバー101のそれ以上の回動が不能であることをカバー101の操作者に認識させ易く、これによりカバー101の所定角度以上の開き操作に伴う前記両カム部13、22などの破損などの軸具Jの機能の喪失防止が図られている。
【0074】
なおまた、このように前記カバー101に、前記両突部13b、22bが突き当りあった前記回動終了位置より先に該カバー101を開き出し方向に向けて回動させるような更に強い外力が加えられた際の前記突部13b、22bなどの破損などの防止を一層確実なものとする観点からは、前記カバー101の一部と前記フレーム本体100の一部とが前記回動終了位置で当り合うように構成することが望ましい。
【0075】
また、図13に示されるように、前記回動終了位置においては、前記両カム部13、22は、前記捩りコイルバネ30による付勢、回動方向前方側で前記両突部13b、22bを突き当て合っていることから、前記回動終了位置から再び前記回動開始位置に向けて前記第二の軸部材20は回動可能とされている。
【0076】
従って、該第二の軸部材20に組み付けられている前記カバー101を前記フレーム本体100に向けて、再び該カバー101が該フレーム本体100の一部を覆うように折りたたみ方向に外力を加えて回動させることが可能であり、このカバー101の回動により前記第二の軸部材20も前記捩りコイルバネ30による回動、付勢方向と逆方向に、該捩りコイルバネ30を捩らせながら回動される。
【0077】
そして、このように前記捩りコイルバネ30による回動、付勢方向と逆方向に回動される軸部材20は、前記捩りコイルバネ30により前記第一の軸部材10内に引き込まれる向きに付勢されていることから、前記カム部22の突部22bを前記第一の軸部材10の前記カム部13の凹部13aに再び収め入れ、かつ、該第一の軸部材10の前記カム部の突部13bを該カム部22の凹部22aに収め入れるに至り、これにより、図5および図11に特に示されるように、再び第二の軸部材20は前記捩りコイルバネ30の付勢による回動開始前の状態に位置されることになる。
【0078】
この結果、前記第二の軸部材20に組み付けられた前記カバー101を再び前記フレーム本体100の一部を覆うように折りたたんだ状態とすることができ、また、この状態は該カバー101を所定の力で開き出し操作しない限り、該カバー101をフレーム本体100に対して該折りたたみ状態で係合させるための別途の手段を要することなく、安定的に維持される。
【0079】
【発明の効果】
この発明に係る軸具Jによれば、該軸具Jを構成する第一の軸部材10を第一の組付部材P−1に組み付け、かつ、前記第二の軸部材20を第二の組付部材P−2に組み付けることにより、第一の組付部材P−1が固定側とされ、第二の組付部材P−2が回動側とされる場合には、第二の組付部材P−2を第一の組付部材P−1に対して所定の角度一方向に回動、付勢させることができると共に、この回動の開始前、終了後において第一の組付部材P−1に対して第二の組付部材P−2を安定的に位置付けることができ、また、第二の組付部材P−2が固定側とされ、第一の組付部材P−1が回動側とされる場合には、第一の組付部材P−1を第二の組付部材P−2に対して所定の角度一方向に回動、付勢させることができると共に、この回動の開始前、終了後において第二の組付部材P−2に対して第一の組付部材P−1を安定的に位置付け、保持することができるように、該第一の組付部材P−1と第二の組付部材P−2とを回動可能に組み付けることができる特長を有する。
【0080】
また、前記第一又は第二の軸部材10、20の一方の他方に対する回動、付勢と、これとは別の付勢、すなわち、この付勢による回動を反復的に繰り返しても、常に、両部材10、20が回動開始前の位置と回動終了後の位置とで安定的に位置付け、保持されるように、両部材10、20にそれぞれ設けられたカム部13、22を常時押し付けるための該第二の軸部材20に対する第一の軸部材10内への引き込む向きの付勢とを、単一の捩りコイルバネ30により行うことから、軸具Jの部品点数を必要最小限のものとすることができ、したがってまた、軸具Jを低廉に提供することができる特長を有する。
【0081】
また、この発明に係る軸具Jは、この軸具Jを構成する前記第一の軸部材10を第一の組付部材P−1に、第二の軸部材20を第二の組付部材P−2にそれぞれ組み付けることにより、該第一の組付部材P−1と第二の組付部材P−2とを前記のように回動可能に組み付ける独立した部品として構成されていることから、該軸具Jを構成する前記第一の軸部材10と第二の軸部材20をそれぞれ組み付けるための構造、例えば、嵌め込み穴のみを前記両部材P−1、P−2に用意しておき、その組み付けを行うだけで、容易に該両部材P−1、P−2の組み付けを行うことができ、したがってまた、用途を異にし、また、形状、大きさなどの異なる各種物品における回動状態での組み付けが必要とされる二つの部材の組み付けに汎用的に用いることができる特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸具Jの分解斜視図
【図2】軸具Jの適用された折りたたみ式電話機を構成するフレームTの一部破断正面図
【図3】図2におけるA−A線断面図
【図4】図2におけるB−B線断面図
【図5】軸具Jの使用状態を示す断面図
【図6】軸具Jの使用状態を示す断面図
【図7】第一の軸部材10の側面図
【図8】図7におけるC−C線断面図
【図9】第二の軸部材20の側面図
【図10】第二の軸部材20の側面図
【図11】第一の軸部材10のカム部13と、第二の軸部材20のカム部22の位置関係を示す説明図
【図12】第一の軸部材10のカム部13と、第二の軸部材20のカム部22の位置関係を示す説明図
【図13】第一の軸部材10のカム部13と、第二の軸部材20のカム部22の位置関係を示す説明図
【符号の説明】
J 軸具
P−1 第一の組付部材
P−2 第二の組付部材
10 第一の軸部材
11a 内側部
13 カム部
13a 凹部
13b 突部
20 第二の軸部材
20a 一端側
20b 他端側
21a 端部
22 カム部
22a 凹部
22b 突部
30 捩りコイルバネ
30a 一端
30b 他端

Claims (1)

  1. 第一の組付部材に対して第二の組付部材を回動可能に組み付ける軸具であって、
    この軸具が、第一の組付部材に組み付けられる筒状をなす第一の軸部材と、該第一の軸部材内に一端側から回転可能に差し入れ、組み付けられると共に、他端側で第二の組付部材に組み付けられる第二の軸部材とを備えており、
    該軸具には、一端を前記第二の軸部材における第一の軸部材への差し入れ奥側に取り付けられ、かつ、他端を前記第一の軸部材における該第二の軸部材の差し入れ手前側に取り付けられた捩りコイルバネが収められており、この捩りコイルバネにより、前記第二の軸部材が前記第一の軸部材内へ引き込まれる向きに付勢されていると共に、
    前記第二の軸部材の前記第一の軸部材内への差し入れ奥側にある端部と、該端部に接する第一の軸部材の内側部とにはそれぞれ、第二の軸部材の回転軸線を巡る向きにあって互いに間隔を開けて設けられ、かつ、傾斜面を備えた凹部と突部とを備えるカム部が設けられており、
    該第一の軸部材のカム部と第二の軸部材のカム部とが、該第一の軸部材のカム部の凹部に第二の軸部材のカム部の突部を収め、かつ、該第二の軸部材のカム部の凹部に第一の軸部材のカム部の突部を収めて、嵌り合っている構成とされていると共に、
    第二の軸部材のカム部と第一の軸部材のカム部とが嵌り合っている状態で、該第二の軸部材が、該第二の軸部材を回動させる向きに前記捩りコイルバネにより付勢され、かつ、前記嵌り合っている第一の軸部材のカム部と第二の軸部材のカム部とが、互いに前記凹部から前記突部を導き出すように第二の軸部材を回動させた際に、該凹部から突部が抜け出して、該第二の軸部材のカム部の突部を第一の軸部材のカム部の突部に突き当てる位置まで前記捩りコイルバネの付勢により回動される構成としてあることを特徴とする軸具。
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