JPH0234647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、読書、観察等に用いる、主として凸
レンズを有するルーペに関し、特にレンズ体を収
納するケースを備えるものである。

(ロ) 従来の技術 レンズ体を収納するケースを備えたルーペとし
ては例えば第１図、第２図に示すものが周知であ
る。

このようなルーペは、収納ケースの一端にレン
ズ体の一端を回転自在に枢着し、適宜レンズ体を
回転させて引き出し使用するものであるが、その
収納位置および引き出し位置で両者をセツト（固
定）できる構成とはなつていない。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 レンズ体を収納するケースを備えたルーペにお
いては、その収納位置および引き出し位置である
程度ぐらつかないように固定するため、枢軸部の
嵌合をきつくしたり、収納ケースに設けた枢軸に
より軸方向に挾圧勝手にレンズ体を枢着している
が、一般に枢軸の直径をあまり大きく取ることも
できず、又枢軸の長さもルーペ全体が偏平なため
に短かくならざるをえず、使用中に枢軸部が緩ん
できてレンズ体がぐらつく傾向にある。このため
に収納状態において時としてレンズ体が飛び出し
たり、使用時においても、レンズ体が固定されな
いので、収納ケースを保持して使用することが困
難となつてレンズ体を直接保持して使用せざるを
得なくなつたりする等の不都合が生じる。

本考案は、斯る枢軸の緩みによつて生ずる従来
技術の難点を克服するためになされたもので、レ
ンズ体の収納、引き出しの各位置において確実に
セツトされるものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、収納ケースの内側およびレンズ体の
夫々に相互に係合し得る係合部材が形成され、前
記係合部材は、レンズ体が収納ケースに収納され
る第１の位置と、レンズ体が回転して収納ケース
から引き出された第２の位置の、夫々の位置にて
係合状態となるように構成されていることを特徴
とする収納ケース付ルーペである。

(ホ) 作用 レンズ体と収納ケースとを回転自在に保持し、
レンズ体を収納ケースに収納した第１の位置と、
引き出した第２の位置とにおいて、相互に係合す
る部材を夫々に設けたのでレンズ体の保持部が緩
んでも、レンズ体が収納時に不意に飛び出した
り、又これを引き出して使用する時にレンズ体が
回転方向にぐらつくことはない。

(ヘ) 実施例 第３図ないし第７図はいづれも本考案の第１の
実施例を示すもので、第３図はレンズ体を収納し
た状態を示す斜視図、第４図はレンズ体を引出し
た状態を示す斜視図、第５図は第３図のＡ−Ａ断
面図、第６図は収納ケースの上面部を取り外して
視た平面図、第７図は第５図のＢ−Ｂ断面図であ
る。

レンズ体１は収納ケース２の内側ほゞ一杯の面
積を占める大きさである。レンズ体１には一端縁
１ｃに近い中央部に挿通孔３が設けられていて、
片側の収納ケース２ａの一端縁２ｃに近い中央部
に垂設されている枢軸４に回転自在に嵌入されて
いる。この枢軸４は内側に有底穴４ａを有し、他
方の片側の収納ケース２ｂから突出した突起５が
圧入固定されている。さらに収納ケース２周辺は
高周波溶着法により相互に接合されている。

前記レンズ体１は中央部に非球面からなる凸レ
ンズ部１ａが占め、その周辺をほぼ平面をなす非
レンズ部１ｂが取り巻いている。

レンズ体１の一端縁１ｃの両端に近い部分に
は、枢軸から等距離の位置に２箇所の凹穴６，６
が設けられており、一方、収納ケース２の一端縁
の開放端に近い部分の内側には、前記凹穴６，６
の一方と係合し得る凸起７が１箇所設けられてい
る。

さらに収納ケース２の内面には、レンズ体１を
収納した場合、非レンズ部１ｂに対応する部分
に、該非レンズ部１ｂの厚さよりも僅大な隙間を
もつてリブ１０，１０が対向している。レンズ体
１には、収納時に外向きとなる角部に、レンズ体
１を引き出すときの指の滑り止め溝９が複数個形
成されている。

以上のように構成されているので、収納状態に
あるレンズ体１の滑り止め溝９を指で押せば、レ
ンズ体１が枢軸４のまわりに回転し、同時に相互
に係合していた凸起７が凹穴６を乗り越えてセツ
ト位置から外れ、レンズ体１が引き出される。

次いでレンズ体１を収納ケース２に対し180゜回
転させると、凸起７が他方の凹穴６に係合し、引
き出し位置でセツトされる。而してレンズ体１を
逆に180゜回転すれば、レンズ体１は非レンズ部１
ｂが、リブ１０，１０の端縁に案内されてレンズ
部１ａが収納ケース２の内側に接触することなく
収納され、収納が完了した位置で再び凸起７が一
方の凹穴６に係合してセツトされる。

第８図は本考案の第２の実施例を示し、第５図
のＢ−Ｂ断面図に相当する。

この第２の実施例では前記第１の実施例のレン
ズ体１の凹穴６の代りに凸起８を設け、前記収納
ケースの凸起７の代りに凹穴９を設けたものであ
る。この第２の実施例も前記第１の実施例と全く
同様に作用する。

上記実施例は、いづれも収納ケース側の係合部
材である凸起７または凹穴９が収納ケース２の開
放端側に１箇所設けられているものであるが、こ
れは開放端側のみに設けることによつて収納ケー
スの弾性撓みをばね作用として利用でき、係止時
のフイーリングを良好にし、係止時のセツトの安
定性を期したためで、収納ケースの弾性度合いに
よつては開放側と反対側にもレンズ体１の凹穴６
または凸起８に対応した凸起７又は凹穴９を設け
ることもできる。

(ト) 考案の効果 本考案では、レンズ体を収納ケースに収納した
態様およびレンズ体を収納ケースから引き出した
態様の、いずれの態様においても、レンズ体と収
納ケースが係合部材によつて係合固定されている
ので、不使用時にレンズ体が収納ケースから不意
に飛び出したり、又使用時にレンズ体が回転方向
にぐらつくことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来例を示す斜視図であ
る。第３図ないし第７図は本考案の第１の実施例
を示し、第３図および第４図は相異なる態様を示
す斜視図、第５図は断面図、第６図は内部平面
図、第７図は断面図である。第８図は第２の実施
例を示す断面図である。 １……レンズ体、２……収納ケース、６，９…
…凹穴（係合部材）、７，８……凸起（係合部
材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 少なくとも一側縁部に開口が形成されている
   偏平形状の収納ケース内の偏心位置にて、レン
   ズ体の偏心部位が回転自在に保持されている収
   納ケース付ルーペにおいて、 前記収納ケースの内側およびレンズ体の夫々
   に相互に係合し得る係合部材が形設され、これ
   らの係合部材は、レンズ体が収納ケースに収納
   される第１の位置と、レンズ体が収納ケースか
   ら引き出された第２の位置の、夫々の位置にて
   係合状態となるように構成されていることを特
   徴とする収納ケース付ルーペ。 ２ 収納ケース側の係合部材は、少なくとも１個
   の凸起にて形成され、レンズ体側の係合部材
   は、その回転中心から等距離位置にある少なく
   とも２個の凹穴にて形成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の収納ケース付ルー
   ペ。 ３ 収納ケース側の係合部材は、少なくとも１個
   の凹穴にて形成され、レンズ体側の係合部材
   は、その回転中心から等距離位置にある少なく
   とも２個の凸起にて形成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の収納ケース付ルー
   ペ。