JP2004074828A - ウエビング巻取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】ウエビング巻取装置は、慣性板52及びパウル62を備えており、ウエビングが急激に引出されると、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62が揺動され、センサホルダ内に形成された内歯に係合される。これにより、スプール16に追従回転するVギヤのウエビング引出方向回転が停止され、両者間に相対回転が生じ、ロック状態となる。ここで、ウエビングの全量巻取時においてもそのような事態が生じ得るが、小型慣性板90を設けたことにより、全量巻取時になると小型慣性板90が圧縮コイルスプリング94の付勢力にに抗して矢印C方向へ揺動し、延出部90Bが慣性板52の傾斜壁102をウエビング引出回転方向へ押圧するので、エンドロックするのを防止できる。
【選択図】 図7
【解決手段】ウエビング巻取装置は、慣性板52及びパウル62を備えており、ウエビングが急激に引出されると、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62が揺動され、センサホルダ内に形成された内歯に係合される。これにより、スプール16に追従回転するVギヤのウエビング引出方向回転が停止され、両者間に相対回転が生じ、ロック状態となる。ここで、ウエビングの全量巻取時においてもそのような事態が生じ得るが、小型慣性板90を設けたことにより、全量巻取時になると小型慣性板90が圧縮コイルスプリング94の付勢力にに抗して矢印C方向へ揺動し、延出部90Bが慣性板52の傾斜壁102をウエビング引出回転方向へ押圧するので、エンドロックするのを防止できる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエビングの急激な引出しにより巻取軸のウエビング引出方向回転を停止させるウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員拘束用のウエビングを層状に巻き取るウエビング巻取装置のロック機構には、ウエビングの急激な引出しを感知してスプール(巻取軸)のウエビング引出方向回転を阻止する所謂WSIR(ウエビング感応式リトラクタ)と、車両の急減速状態を感知してスプール(巻取軸)のウエビング引出方向回転を阻止するVSIR(車体感応式リトラクタ)とがある。
【0003】
ここで、前者の機構の一例について簡単に説明すると、ウエビングの基端部が係止されるスプールの軸方向の両端部は、平面視でコ字状のフレームの両側部に回転自在に軸支されている。このスプールの軸方向の一端部にはVギヤと呼ばれる樹脂製のギヤが相対回転可能に組付けられており、更にVギヤには樹脂製の慣性板が相対回転可能に組付けられている。また、スプールには、平面視でコ字状に形成されたロックプレートが径方向移動可能に収容されている。
【0004】
通常は、スプール、Vギヤ、及び慣性板相互間に相対回転が生じないため、ロックプレートもスプールの軸径内に納められている。この状態からウエビングが急激に引き出されると、ウエビングの基端部が係止されたスプールはウエビング引出方向へ回転しようとする。その一方、慣性板はその場に居続けようとするため、慣性板とスプールとの間に相対回転が生じ、これによりVギヤに付設されたパウルが慣性板に押されて、センサカバーと呼ばれる樹脂カバー内に形成された内歯に係合する。その結果、Vギヤのウエビング引出方向回転が阻止された状態となり、Vギヤとスプールとの間に相対回転が生じる。そして、両者間に相対回転が生じると、Vギヤに形成されたガイド孔に案内されてロックプレートがスプールの径方向外側へ移動し、その先端部に形成されたロック歯がフレームの両側部に形成された内歯ラチェットに係合される。これにより、スプールのウエビング引出方向回転が阻止される(即ち、ロック状態とされる)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような所謂WSIRの場合、乗員がタングプレートをバックル装置から外し、ウエビングを付勢力でスプールに巻き取らせた際に、全量巻取状態となった時点でスプールのウエビング巻取方向回転は停止されるのに対し、Vギヤに組付けられた慣性板は自身の慣性力でそのままウエビング巻取方向へ回転しようとするため、慣性板とスプールとの間に相対回転が生じ、パウルが樹脂カバー内の内歯に係合されることがある。その結果、Vギヤのガイド孔に案内されてロックプレートのロック歯がフレームの内歯ラチェットに係合してロック状態となり、その後にウエビングを引き出すことができなくなる事態(所謂エンドロック)が起こり得る。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングが急激に引き出された場合に、当該ウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸の軸端側に一体的かつ同軸的に設けられた慣性板が巻取軸に対して回転遅れを生じることで、巻取軸のウエビング引出方向回転をロックするウエビング巻取装置であって、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸と、車両に固定されると共に巻取軸の両端部を回転可能に支持し、更に当該巻取軸の端部と交差する面にロック歯が形成されたフレームと、巻取軸の少なくとも一端部側に設けられると共にロック歯との係合位置及びロック歯との非係合位置間を移動可能とされ、ロック歯に係合することにより巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するロックプレートと、巻取軸の一端部側に同軸的に設けられ、通常は巻取軸と一体に回転すると共にロックプレートを非係合位置に保持し、巻取軸との間に相対回転が生じるとロックプレートを係合位置に移動させるロック輪と、このロック輪に揺動可能に支持されたパウルと、このパウルが係合可能な係合歯と、ロック輪に対して同軸上に配置されかつ所定範囲内で相対回転可能に設けられると共に通常はロック輪と一体的に回転しかつパウルを係合歯との非係合位置に保持しウエビングが急激に引き出された場合には巻取軸に対して回転遅れを生じてパウルを係合歯に係合させることでロック輪のウエビング引出方向回転を停止させる慣性板と、を含んで構成されたロック作動手段と、を備えたウエビング巻取装置であって、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、乗員拘束用のウエビングが急激に引き出されると、巻取軸の軸端側に一体的かつ同軸的に設けられた慣性板が、巻取軸に対して回転遅れを生じる。これにより、巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止され、ロック状態とされる。
【0010】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビングを手放すと、ウエビングは付勢力で巻取軸に全量巻き取られる。このとき、巻取軸はウエビングを全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、巻取軸に対して同軸的に配置された慣性板は、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止した後も、ウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板は巻取軸に対して結果的に回転遅れを生じたと同様の状態になり、巻取軸のウエビング引出方向回転がロックされるのであるが、本発明では、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止すると、慣性力付与手段によって慣性板にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。その結果、ウエビングが全量巻取状態とされた際に、慣性板がウエビング巻取回転方向へ回転するのを抑制又は抑止することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明によれば、通常は慣性板がロック輪と一体的に回転し、パウルが係合歯との非係合位置に保持されるため、ロック輪のウエビング引出方向回転が阻止されることはない。このため、ロック輪は巻取軸と一体的に回転され、両者の間に相対回転が生じることはない。よって、ロックプレートは、ロック輪によってフレームのロック歯から離間した位置、即ち非係合位置に保持される。従って、この状態では、巻取軸からのウエビングの引出し及び巻取軸へのウエビングの巻取りのいずれも自由である。
【0012】
一方、ウエビングが急激に引き出されると、ロック作動手段が作動される。すなわち、巻取軸はウエビング引出回転方向へ急激に回転しようとするのに対し、慣性板はその位置に留まろうとするため、慣性板に回転遅れが生じる。これにより、パウルは非係合位置から係合位置へ揺動され、ロック作動手段が備える内歯に係合される。このため、ロック輪のウエビング引出方向回転が停止され、ロック輪と巻取軸との間に相対回転が生じる。その結果、ロックプレートがフレームのロック歯に係合される。これにより、巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止され、ロック状態とされる。
【0013】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビングを手放すと、ウエビングは付勢力で巻取軸に全量巻き取られる。このとき、巻取軸はウエビングを全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、ロック輪に対して同軸上に配置された慣性板は所定範囲内で相対回転可能に設けられているため、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止した後も、慣性板はウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板によってパウルが係合歯に係合して、巻取軸とロック輪との間に相対回転が生じ、ロック状態となるのであるが、本発明では、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止すると、慣性力付与手段によって慣性板にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。その結果、ウエビングが全量巻取状態とされた際に、慣性板がウエビング巻取回転方向へ回転するのを抑制又は抑止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態に係るウエビング巻取装置10について説明する。
【0015】
〔ウエビング巻取装置10の全体構成〕
最初に本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成について説明し、その後当該ウエビング巻取装置10の要部について説明する。
【0016】
図1には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成の断面図が示されている。また、図2には、スプール及びロックプレートの分離斜視図が示されている。さらに、図3及び図4にはWSIRのWセンサの作動前後の状態が側面視で示されており、図5及び図6にはロックプレートによるロック前後の状態が側面視で示されている。なお、図2〜図6等において適宜付記した方向Aはウエビング引出回転方向を、又方向Bはウエビング巻取回転方向をそれぞれ示している。
【0017】
図1に示されるように、ウエビング巻取装置10は、平面視でコ字状に形成された金属製のフレーム12を備えている。フレーム12は、車体側部の下端部側にボルト締めにより固定されている。また、フレーム12の両側部12A、12Bには、「ロック歯」としての高強度の内歯ラチェット14が打抜きにより同軸上に形成されている。
【0018】
上記フレーム12の両側部12A、12Bには、「巻取軸」としての円筒状のスプール16が軸支されている。スプール16の軸心部における軸方向の一端部には回転軸16Aが一体に形成されており、図示しないぜんまいばね(広義には、「付勢手段」として把握される要素である)の内端が係止されている。これにより、スプール16は、常時、ウエビング巻取回転方向(方向B)へ回転付勢されている。一方、スプール16の軸方向の他端部には回転軸16Bが回転軸16Aと同軸上に一体に形成されており、更に回転軸16Bの先端には小径軸16Cが同軸上に一体形成されている。スプール16は、この小径軸16Cにおいて後述するセンサホルダ68に形成された軸受部68Bに回転自在に支持されている。また、スプール16には乗員拘束用のウエビング18の基端部が係止されており、スプール16の回転によりその巻取り及び引出しが自在とされている。
【0019】
さらに、図2にも示されるように、スプール16の外周部には、軸方向に沿って切欠部20が形成されている。切欠部20はスプール16の回転軸16A、16B及び小径軸16Cを除く全長に亘って軸方向に沿って形成されており、その底部は半円弧面状に形成されている。さらに、スプール16の軸方向の両端部には、一対の凹部22が形成されている。
【0020】
上記スプール16の切欠部20及び凹部22には、平面視で略コ字形に形成されたロックプレート24が収容されている。ロックプレート24は、棒状の連結軸24Aと、この連結軸24Aの軸方向の両端部に一体に形成されかつ半径方向外側へ向けて互いに平行に延出された一対のプレート24Bと、によって構成されている。ロックプレート24の連結軸24Aはスプール16の切欠部20の底部に軸線回りに回転可能に収容されており、又一対のプレート24Bはスプール16の軸方向の両端部に形成された一対の凹部22に収容(格納)されている。さらに、各プレート24Bの先端部には、前述した内歯ラチェット14のラチェット歯14Aと係合可能なロック歯24Cがそれぞれ形成されている。
【0021】
そして、一対のプレート24Bが一対の凹部22に完全に収容された状態では、ロック歯24Cがラチェット歯14Aから離間した位置に保持されており、この位置がロックプレート24の「非係合位置」(図5参照)である。一方、ロックプレート24の連結軸24Aが切欠部20の底部回りに揺動し一対のプレート24Bが一対の凹部22から抜け出すことにより、ロック歯24Cがラチェット歯14Aに係合される構成である。なお、この位置がロックプレート24の「係合位置」(図6参照)である。
【0022】
また、図1、図3、図4に示されるように、フレーム12の一方の側部12Aの外側には、「ロック輪」としてのVギヤ26が配置されている。Vギヤ26は樹脂製とされ、スプール16の端部外径よりも大径の略円板状に形成されている。Vギヤ26の軸心部には、内周面に一対の樹脂爪を有する円筒状のボス26Aが形成されている。このボス26Aにスプール16の回転軸16Bが挿入されることにより、Vギヤ26はスプール16の軸方向の一端部に同軸的かつ回転自在に取り付けられている。
【0023】
また、Vギヤ26の外周側の所定位置には、略逆S字状のガイド孔28が形成されている。このガイド孔28には、ロックプレート24の一方のプレート24Bから立設されたガイドピン30(図5、図6参照)が挿入されている。これにより、Vギヤ26はスプール16に対して所定の回転角の範囲内で相対回転可能とされ、両者の間に相対回転が生じた際には、ガイド孔28がガイドピン30を内側から外側へ移動させ、ロックプレート24のロック歯24Cをフレーム12の内歯ラチェット14のラチェット歯14Aとの係合可能位置へ案内するようになっている。
【0024】
また、Vギヤ26のスプール16側の面には、ボス26Aと反対方向へ向けて支持突起32(図1、図5、図6参照)が立設されている。この支持突起32の先端部はスプール16の軸方向の一端部に形成された凹部34内へ挿入されており、この状態で捩りコイルスプリング36(広義には「付勢手段」として把握される要素である)の一端部が係止されている。なお、捩りコイルスプリング36のコイル部はスプール16の回転軸16Bに巻装された状態で配置されており、更に他端部はスプール16の軸方向の一端部に係止されている。これにより、通常は、Vギヤ26がスプール16に追従回転するようになっている。
【0025】
さらに、Vギヤ26のボス26Aの周囲には、一対の係止部38がボス26Aと平行に立設されている。係止部38は、平面視でボス26Aと同軸の円弧状に形成されており、ボス26Aを挟んで対称となる二箇所に形成されている。また、Vギヤ26の同じ側の面には、小径円柱状のパウル軸40が立設されている。このパウル軸40は、ボス26Aを挟んで前述したガイド孔28とほぼ対称となる位置に形成されており、後述するパウル62の支軸となる部分である。
【0026】
また、図3及び図4に示されるように、パウル軸40の近傍には、側面視でパウル軸40と同心の円弧状に形成されかつ先端部に樹脂爪が形成されたパウル係止部42が一体に形成されている。さらに、パウル軸40の近傍には、後述するパウル62の形状に対応したパウルストッパ44が一体に形成されている。またさらに、Vギヤ26におけるパウル軸40の近傍には、長孔状のばね孔46が形成されている。このばね孔46の一端部には、略円柱突起状のばね受け部48が一体に形成されている。
【0027】
さらに、Vギヤ26の外周部には、後述するVセンサ76のセンサレバー82の係合部82Bが係合可能な外歯50が一体に形成されている。
【0028】
図1、図3、図4に示されるように、Vギヤ26の外側には、樹脂製の慣性板52が同軸的に配置されている。慣性板52は外周二箇所が切り欠かれた略円板状を成しており、その軸心部には軸支孔(円孔)54が形成されている。さらに、軸支孔54の外側には、径方向に対向する位置に一対の円弧状の係止孔58が形成されている。軸支孔54にはVギヤ26のボス26Aが挿入され、一対の係止孔58にはVギヤ26の一対の係止部38が挿入されることにより、一対の係止部38が弾性的に係止され、慣性板52がVギヤ26に同軸的かつ一体的に取り付けられている。さらに、係止孔58の周方向長さ(弧長)は係止部38の周方向長さ(弧長)よりも長く設定されており、組付後の状態では弧長(円周角)の差の範囲内で慣性板52がVギヤ26に対してウエビング巻取回転方向(方向B)へ相対回転可能とされている。さらに、慣性板52の切欠側の端面には、線状の係合突起60が一体に形成されている。
【0029】
また、前述したVギヤ26のパウル軸40には、パウル62が揺動可能に軸支されている。パウル62は、パウル軸40に軸支される円筒状の支軸部62Aと、この支軸部62Aから延出されると共に先端側面に爪が形成されたアーム部62Bと、支軸部62Aの下部外周に形成された係止片62Cと、アーム部62Bの下縁支軸側から張出されたばね受け部62Dと、によって構成されている。
【0030】
支軸部62Aがパウル軸40に挿入された状態では、係止片62CがVギヤ26のパウル係止部38に係止され、軸方向への抜止めがなされるようになっている。また、ばね受け部62Dには、広義には「付勢手段」として把握される圧縮コイルスプリング64の一端部が挿入係止されている。圧縮コイルスプリング64の他端部は前述したVギヤ26のばね受け部48に挿入係止されており、圧縮された状態でVギヤ26に形成されたばね孔46内に収容されている。従って、圧縮コイルスプリング64は、パウル62をパウル軸40回りに時計方向へ回転付勢している。さらに、パウル62の係止片62Cの端部にはVギヤ26に形成された前述したパウルストッパ44に当接可能な小突起66が一体に形成されており、圧縮コイルスプリング64の付勢力によってパウル62がパウル軸40回りに時計方向へ回転した際のストッパとされている。これにより、パウル62は、通常は、揺動することなくVギヤ26と一体に回転(回転軸16B回りに公転)するようになっている。
【0031】
一方、パウル62が圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル軸40回りに反時計方向へ回転した際には、アーム部62Bがパウルストッパ44の側面に当接し、それ以上の揺動を阻止するようになっている。これにより、パウル62の揺動可能な範囲(回転角)が規定されている。
【0032】
また、フレーム12の一方の側部12Aの外側には、扁平なカップ形状に形成された樹脂製のセンサホルダ68が取り付けられている。センサホルダ68の底部には所定高さの円筒部70が形成されており、更に円筒部70の内周面には「係合歯」としての内歯70Aが一体に形成されている。組付後の状態では、センサホルダ68の外周壁68Aと円筒部70との間のスペースに、Vギヤ26の周壁部が回転可能に配置されるようになっている(図1参照)。また、慣性板52は円筒部70内に収容された状態となり、パウル62は円筒部70の内歯70Aに対向して配置されている。圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62がパウル軸40回りに揺動した場合には、パウル62のアーム部62Bの先端部が内歯70Aに係合されるようになっている。
【0033】
なお、上記の構成において、慣性板52、パウル62、圧縮コイルスプリング64、及び内歯70AがWSIRを構成するWセンサ72とされると共に、本発明における「ロック作動手段」に相当する。
【0034】
さらにまた、上述したセンサホルダ68の外周上端部には、中空の略直方体形状のホルダ部74が一体に形成されている。このホルダ部74には、Vセンサ(加速度センサ)76が収容されている。なお、図1ではVセンサ76の図示を省略している。
【0035】
図3及び図4に示されるように、Vセンサ76は、側面視で略L字状に形成されると共に底部中央に凹面状の転動面78Aが形成されたハウジング78を備えている。ハウジング78はホルダ部74に側方から装着されており、転動面78Aにはボール80が載置されている。さらに、ハウジング78の上端部には、センサレバー82が揺動可能に軸支されている。センサレバー82は、ハウジング78の上端部に軸支される支軸82Aと、組付状態において支軸82AからVギヤ26側へ延出されかつVギヤ26の外歯50と係合可能な係合部82Bと、支軸82Aを挟んで係合部82Bと反対側に延出された皿状の当接部82Cと、を備えている。当接部82Cはその自重によりボール80上に載置されており、この状態では係合部82BがVギヤ26の外歯50から離間した非係合位置に保持されている。一方、車両急減速時になるとボール80が転動面78A上を転動することでセンサレバー82が支軸82Aを中心として揺動され、これにより係合部82BがVギヤ26の外歯50に係合される構成となっている。
【0036】
〔ウエビング巻取装置10の要部構成〕
図7には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の要部が側面視で示されている。なお、前述した説明に使用した図3〜図6には、図示を省略している。この図7に示されるように、上述した慣性板52の軸支孔54を挟んでパウル62と対向する位置には、樹脂製の別の小型慣性板90が配設されている。小型慣性板90は、略T字形状を成しており、頭部90A及びこの頭部90Aの中央から垂直に延出された延出部90Bによって構成されている。小型慣性板90は延出部90Bの根元側にて支軸92回りに揺動可能にVギヤ26に軸支されている。従って、小型慣性板90は、慣性板52と共にVギヤ26と一体に回転(Vギヤ26のボス26Aの回りを公転)するようになっている。
【0037】
さらに、小型慣性板90の頭部90Aは厚肉に形成されている一方、延出部90Bは薄肉に形成されている。従って、小型慣性板90は、頭部90Aの質量の方が延出部90Bの質量よりも大きいため、仮に次述する圧縮コイルスプリング94が存在しなければ、質量差により支軸92回りに矢印C方向へ揺動される。なお、頭部90Aと延出部90Bの肉厚差は、小型慣性板90の裏面側に設けている。
【0038】
また、小型慣性板90の頭部90Aの裏面側には、略円柱突起状のばね受け部96が一体に形成されている。これに対応してVギヤ26にも、ばね受け部96と対向する位置に略円柱突起状のばね受け部98が一体に形成されている。これらのばね受け部96、98には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング94が圧縮された状態で挿入係止されている。従って、圧縮コイルスプリング94は、小型慣性板90の頭部90Aを支軸92回りに反時計方向(矢印C方向と反対方向)へ回転付勢している。また、Vギヤ26の所定位置(頭部90Aの付勢方向側)にはストッパピン100が立設されており、小型慣性板90の初期位置を規定している。なお、上記圧縮コイルスプリング94に替えて捩りコイルスプリング等、他の付勢手段を用いてもよい。
【0039】
さらに、慣性板52の裏面側には、上述した小型慣性板90の延出部90Bの先端部の揺動軌跡と干渉する位置に傾斜壁102が形成されている。この傾斜壁102は、小型慣性板90が支軸92回りに矢印C方向へ揺動した場合に、延出部90Bの先端部と相対的に摺動し、慣性板52にウエビング引出回転方向(矢印A方向)への慣性力(押圧力)を受ける部分として構成されている。
【0040】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0041】
上記構成のウエビング巻取装置10では、通常は、Wセンサ72のパウル62は圧縮コイルスプリング64の付勢力によってパウル軸60回りに時計方向へ回転付勢されると共に、Vセンサ76のセンサレバー82が自重によりボール80上に保持されているため、Wセンサ72及びVセンサ76が作動することはない。このため、スプール16は、ロックプレート24を格納した状態で、ウエビング引出回転方向及びウエビング巻取回転方向のいずれにも自由に回転することができる。
【0042】
一方、ウエビング18が急激に引出されたり、車両急減速状態になると、Wセンサ72、Vセンサ76が作動する。以下、この順に各部の作動を概説する。
【0043】
(Wセンサ72が作動する場合)
ウエビング18が急激に引出されると、スプール16及びVギヤ26が、ウエビング引出回転方向(方向A)へ高速で回転される。このとき、慣性板52はVギヤ26に追従することができないため、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗して慣性板52に慣性遅れが生じ、慣性板52はVギヤ26に対して相対的にはウエビング巻取回転方向Bへと回転する。慣性板52がVギヤ26に対して相対的に方向Bへ回転すると、慣性板52の係合突起60が当接(係合)しているパウル62は、方向Bへ押圧揺動されセンサホルダ68の内歯70Aと係合し、Vギヤ26の方向Aへの回転が阻止される(図4図示状態)。
【0044】
Vギヤ26の方向Aへの回転が阻止されると、引続きウエビング引張力が作用しているスプール16との間に相対回転が生じ、ガイドピン30がVギヤ26のガイド孔28の外端側へ案内され、これによりロックプレート24のロック歯24Cが内歯ラチェット14のラチェット歯14Aとの係合可能位置まで案内されて、ロックスタンバイ状態、即ち、ロック歯24Cの歯先が内歯ラチェット14のラチェット歯14Aの歯先に係合した状態となる。
【0045】
ロックプレート24の一対のロック歯24Cの爪の歯先が一対の内歯ラチェット14のラチェット歯14Aの歯先との係合可能位置へ案内されると、スプール16の更なる方向Aへの回転に伴ってラチェット歯14Aに案内され、ロック歯24Cの歯先がラチェット歯14Aの歯底へ到達する。これにより、ロックプレート24が内歯ラチェット14により確実にロックされ、スプール16のウエビング引出回転方向(方向A)への回転が阻止され、それ以上のウエビング18の引出しが制限される。すなわち、ロック歯24Cの内歯ラチェット14との係合可能位置への案内後は、スプール16(ロックプレート24)はセルフロックされる。
【0046】
一方、ロックプレート24と内歯ラチェット14とは、ウエビング18の引出し阻止後にウエビング18に作用する張力が下がり、スプール16が所定の角度だけウエビング巻取回転方向(方向B)へ回転されると(所定量だけウエビング18を巻取ると)、係合状態が解除される。すなわち、スプール16が方向Bへ回転されると、ロックプレート24は連結軸24Aにおいてスプール16の切欠部20によって押圧されることでロック歯24Cがそれぞれ内歯ラチェット14から離間され、捩りコイルスプリング36の付勢力によりVギヤ26と共に初期位置に復帰する。なお、ウエビング18に作用する張力低下後のウエビング18の巻取りは、スプール16の回転軸16Aに接続された図示しないぜんまいばねにより果たされる。
【0047】
(Vセンサ76が作動する場合)
車両急減速状態になると、これに伴う慣性力によりVセンサ76のボール80がハウジング78の転動面78A上を転動し、ボール80に当接載置されているセンサレバー82の当接部82Cが上方へ揺動される。このため、支軸82Aに対して当接部82Cと反対側に位置する係合部82Bは下方へ揺動され、Vギヤ26の外歯50に係合される。これにより、Vギヤ26のウエビング引出方向回転が阻止されるので、Vギヤ26とスプール16との間に相対回転が生じる。その後の作動は前述したWセンサ72の場合と同様であるので、省略する。
【0048】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビング18を手放すと、ウエビング18はぜんまいばねの付勢力によってスプール16に全量巻き取られる。このとき、スプール16はウエビング18を全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、Vギヤ26に対して同軸上に配置された慣性板52は所定範囲内で相対回転可能に設けられているため、スプール16がウエビング巻取方向回転を停止した後も、慣性板52はウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板52の係合突起60によってパウル62のアーム部62Bが押圧され、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62がパウル軸40回りに揺動し、アーム部62Bの先端部がセンタホルダ68の内歯70Aに係合して、スプール16とVギヤ26との間に相対回転が生じ、ロック状態となることがある。
【0049】
しかし、本実施形態では、スプール16がウエビング巻取方向回転を停止すると、小型慣性板90によって慣性板52にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。具体的には、図7に示されるように、ウエビング18の全量巻取状態となった際には、慣性板52にウエビング巻取回転方向(方向B)への慣性力が作用するだけでなく、小型慣性板90にも同方向への慣性力が作用している。このため、小型慣性板90の頭部90Aは、圧縮コイルスプリング94の付勢力に抗して支軸92回りに矢印C方向へ揺動される。これにより、小型慣性板90の延出部90Bは支軸92回りに反時計方向へ揺動され、慣性板52の裏面にある傾斜壁102を押し上げながら摺動していく。このため、慣性板52にはVギヤ26のボス26A回りにウエビング引出回転方向(方向A)への慣性力(即ち、小型慣性板90の頭部90Aに作用するウエビング巻取回転方向への慣性力に基づいて慣性板52の傾斜壁102に作用されるウエビング引出回転方向への押圧力)が作用する。
【0050】
従って、ウエビング18が全量巻取状態とされた際には、慣性板52にウエビング巻取回転方向への慣性力とウエビング引出方向への慣性力とが同時に作用することになり、両者は相殺される。よって、慣性板52はウエビング巻取回転方向へ全く相対回転しないか、相対回転しても極めて僅かな量となる。その結果、本実施形態に係るウエビング巻取装置10によれば、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができる。
【0051】
図8を用いて、上記本実施形態の効果について補足すると、同図(A)に示されるように、従来ではウエビング巻取装置10に作用するGが中程度の場合及び高い場合のいずれもエンドロックが生じ易い結果となっていたが、本実施形態の場合には、ウエビング18を全量巻き取った際に作用する高G領域においてはWセンサ72をアンロック状態にすることができ、この点において従来構造を改良することができた。ちなみに、一般に、ウエビング18の装着を解除してスプール16にウエビング18を急激に全量巻き取らせたときに作用するGの方が、車両が衝突したときにウエビング巻取装置10に作用するGよりも高い。これは、車両が衝突した場合には、ボディー前部の変形等によりかなりのエネルギー吸収がなされるからである。
【0052】
上記より、本実施形態に係るウエビング巻取装置10は、WSIRロック機構を二つ組合せることにより、高G入力時は、追加した方の当該ロック機構が作動し、エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができる。
【0053】
なお、上述した本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、平面視でコ字状のロックプレート24を使ったロック機構を採用したが、これに限らず、種々のロック機構を採用することができる。
【0054】
また、上述した本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、略T字形状の小型慣性板90と傾斜壁102を用いたが、これに限らず、ウエビング18の全量巻取時に慣性板52に作用するウエビング巻取回転方向への慣性力を相殺する慣性力を慣性板52に作用させることができる構成であれば、すべて適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けたので、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示されるスプール及びロックプレートを分離して示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るウエビング巻取装置のWセンサ(非作動状態)及びVセンサを示す側面図である。
【図4】本実施形態に係るウエビング巻取装置のWセンサ(作動状態)及びVセンサを示す側面図である。
【図5】本実施形態に係るウエビング巻取装置のロック機構(非作動状態)を示す側面図である。
【図6】本実施形態に係るウエビング巻取装置のロック機構(作動状態)を示す側面図である。
【図7】本実施形態に係るウエビング巻取装置の要部構成を示す概略側面図である。
【図8】本実施形態に係るウエビング巻取装置のエンドロック低減効果を従来構造との対比において示すグラフである。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
12 フレーム
14 内歯ラチェット(ロック歯)
16 スプール(巻取軸)
18 ウエビング
24 ロックプレート
26 Vギヤ(ロック輪)
52 慣性板(ロック作動手段)
62 パウル(ロック作動手段)
70A 内歯(係合歯、ロック作動手段)
72 Wセンサ
90 小型慣性板(慣性力付与手段)
94 圧縮コイルスプリング(慣性力付与手段)
102 傾斜壁(慣性力付与手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエビングの急激な引出しにより巻取軸のウエビング引出方向回転を停止させるウエビング巻取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員拘束用のウエビングを層状に巻き取るウエビング巻取装置のロック機構には、ウエビングの急激な引出しを感知してスプール(巻取軸)のウエビング引出方向回転を阻止する所謂WSIR(ウエビング感応式リトラクタ)と、車両の急減速状態を感知してスプール(巻取軸)のウエビング引出方向回転を阻止するVSIR(車体感応式リトラクタ)とがある。
【0003】
ここで、前者の機構の一例について簡単に説明すると、ウエビングの基端部が係止されるスプールの軸方向の両端部は、平面視でコ字状のフレームの両側部に回転自在に軸支されている。このスプールの軸方向の一端部にはVギヤと呼ばれる樹脂製のギヤが相対回転可能に組付けられており、更にVギヤには樹脂製の慣性板が相対回転可能に組付けられている。また、スプールには、平面視でコ字状に形成されたロックプレートが径方向移動可能に収容されている。
【0004】
通常は、スプール、Vギヤ、及び慣性板相互間に相対回転が生じないため、ロックプレートもスプールの軸径内に納められている。この状態からウエビングが急激に引き出されると、ウエビングの基端部が係止されたスプールはウエビング引出方向へ回転しようとする。その一方、慣性板はその場に居続けようとするため、慣性板とスプールとの間に相対回転が生じ、これによりVギヤに付設されたパウルが慣性板に押されて、センサカバーと呼ばれる樹脂カバー内に形成された内歯に係合する。その結果、Vギヤのウエビング引出方向回転が阻止された状態となり、Vギヤとスプールとの間に相対回転が生じる。そして、両者間に相対回転が生じると、Vギヤに形成されたガイド孔に案内されてロックプレートがスプールの径方向外側へ移動し、その先端部に形成されたロック歯がフレームの両側部に形成された内歯ラチェットに係合される。これにより、スプールのウエビング引出方向回転が阻止される(即ち、ロック状態とされる)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような所謂WSIRの場合、乗員がタングプレートをバックル装置から外し、ウエビングを付勢力でスプールに巻き取らせた際に、全量巻取状態となった時点でスプールのウエビング巻取方向回転は停止されるのに対し、Vギヤに組付けられた慣性板は自身の慣性力でそのままウエビング巻取方向へ回転しようとするため、慣性板とスプールとの間に相対回転が生じ、パウルが樹脂カバー内の内歯に係合されることがある。その結果、Vギヤのガイド孔に案内されてロックプレートのロック歯がフレームの内歯ラチェットに係合してロック状態となり、その後にウエビングを引き出すことができなくなる事態(所謂エンドロック)が起こり得る。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングが急激に引き出された場合に、当該ウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸の軸端側に一体的かつ同軸的に設けられた慣性板が巻取軸に対して回転遅れを生じることで、巻取軸のウエビング引出方向回転をロックするウエビング巻取装置であって、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸と、車両に固定されると共に巻取軸の両端部を回転可能に支持し、更に当該巻取軸の端部と交差する面にロック歯が形成されたフレームと、巻取軸の少なくとも一端部側に設けられると共にロック歯との係合位置及びロック歯との非係合位置間を移動可能とされ、ロック歯に係合することにより巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するロックプレートと、巻取軸の一端部側に同軸的に設けられ、通常は巻取軸と一体に回転すると共にロックプレートを非係合位置に保持し、巻取軸との間に相対回転が生じるとロックプレートを係合位置に移動させるロック輪と、このロック輪に揺動可能に支持されたパウルと、このパウルが係合可能な係合歯と、ロック輪に対して同軸上に配置されかつ所定範囲内で相対回転可能に設けられると共に通常はロック輪と一体的に回転しかつパウルを係合歯との非係合位置に保持しウエビングが急激に引き出された場合には巻取軸に対して回転遅れを生じてパウルを係合歯に係合させることでロック輪のウエビング引出方向回転を停止させる慣性板と、を含んで構成されたロック作動手段と、を備えたウエビング巻取装置であって、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、ことを特徴としている。
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、乗員拘束用のウエビングが急激に引き出されると、巻取軸の軸端側に一体的かつ同軸的に設けられた慣性板が、巻取軸に対して回転遅れを生じる。これにより、巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止され、ロック状態とされる。
【0010】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビングを手放すと、ウエビングは付勢力で巻取軸に全量巻き取られる。このとき、巻取軸はウエビングを全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、巻取軸に対して同軸的に配置された慣性板は、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止した後も、ウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板は巻取軸に対して結果的に回転遅れを生じたと同様の状態になり、巻取軸のウエビング引出方向回転がロックされるのであるが、本発明では、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止すると、慣性力付与手段によって慣性板にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。その結果、ウエビングが全量巻取状態とされた際に、慣性板がウエビング巻取回転方向へ回転するのを抑制又は抑止することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明によれば、通常は慣性板がロック輪と一体的に回転し、パウルが係合歯との非係合位置に保持されるため、ロック輪のウエビング引出方向回転が阻止されることはない。このため、ロック輪は巻取軸と一体的に回転され、両者の間に相対回転が生じることはない。よって、ロックプレートは、ロック輪によってフレームのロック歯から離間した位置、即ち非係合位置に保持される。従って、この状態では、巻取軸からのウエビングの引出し及び巻取軸へのウエビングの巻取りのいずれも自由である。
【0012】
一方、ウエビングが急激に引き出されると、ロック作動手段が作動される。すなわち、巻取軸はウエビング引出回転方向へ急激に回転しようとするのに対し、慣性板はその位置に留まろうとするため、慣性板に回転遅れが生じる。これにより、パウルは非係合位置から係合位置へ揺動され、ロック作動手段が備える内歯に係合される。このため、ロック輪のウエビング引出方向回転が停止され、ロック輪と巻取軸との間に相対回転が生じる。その結果、ロックプレートがフレームのロック歯に係合される。これにより、巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止され、ロック状態とされる。
【0013】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビングを手放すと、ウエビングは付勢力で巻取軸に全量巻き取られる。このとき、巻取軸はウエビングを全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、ロック輪に対して同軸上に配置された慣性板は所定範囲内で相対回転可能に設けられているため、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止した後も、慣性板はウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板によってパウルが係合歯に係合して、巻取軸とロック輪との間に相対回転が生じ、ロック状態となるのであるが、本発明では、巻取軸がウエビング巻取方向回転を停止すると、慣性力付与手段によって慣性板にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。その結果、ウエビングが全量巻取状態とされた際に、慣性板がウエビング巻取回転方向へ回転するのを抑制又は抑止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態に係るウエビング巻取装置10について説明する。
【0015】
〔ウエビング巻取装置10の全体構成〕
最初に本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成について説明し、その後当該ウエビング巻取装置10の要部について説明する。
【0016】
図1には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の全体構成の断面図が示されている。また、図2には、スプール及びロックプレートの分離斜視図が示されている。さらに、図3及び図4にはWSIRのWセンサの作動前後の状態が側面視で示されており、図5及び図6にはロックプレートによるロック前後の状態が側面視で示されている。なお、図2〜図6等において適宜付記した方向Aはウエビング引出回転方向を、又方向Bはウエビング巻取回転方向をそれぞれ示している。
【0017】
図1に示されるように、ウエビング巻取装置10は、平面視でコ字状に形成された金属製のフレーム12を備えている。フレーム12は、車体側部の下端部側にボルト締めにより固定されている。また、フレーム12の両側部12A、12Bには、「ロック歯」としての高強度の内歯ラチェット14が打抜きにより同軸上に形成されている。
【0018】
上記フレーム12の両側部12A、12Bには、「巻取軸」としての円筒状のスプール16が軸支されている。スプール16の軸心部における軸方向の一端部には回転軸16Aが一体に形成されており、図示しないぜんまいばね(広義には、「付勢手段」として把握される要素である)の内端が係止されている。これにより、スプール16は、常時、ウエビング巻取回転方向(方向B)へ回転付勢されている。一方、スプール16の軸方向の他端部には回転軸16Bが回転軸16Aと同軸上に一体に形成されており、更に回転軸16Bの先端には小径軸16Cが同軸上に一体形成されている。スプール16は、この小径軸16Cにおいて後述するセンサホルダ68に形成された軸受部68Bに回転自在に支持されている。また、スプール16には乗員拘束用のウエビング18の基端部が係止されており、スプール16の回転によりその巻取り及び引出しが自在とされている。
【0019】
さらに、図2にも示されるように、スプール16の外周部には、軸方向に沿って切欠部20が形成されている。切欠部20はスプール16の回転軸16A、16B及び小径軸16Cを除く全長に亘って軸方向に沿って形成されており、その底部は半円弧面状に形成されている。さらに、スプール16の軸方向の両端部には、一対の凹部22が形成されている。
【0020】
上記スプール16の切欠部20及び凹部22には、平面視で略コ字形に形成されたロックプレート24が収容されている。ロックプレート24は、棒状の連結軸24Aと、この連結軸24Aの軸方向の両端部に一体に形成されかつ半径方向外側へ向けて互いに平行に延出された一対のプレート24Bと、によって構成されている。ロックプレート24の連結軸24Aはスプール16の切欠部20の底部に軸線回りに回転可能に収容されており、又一対のプレート24Bはスプール16の軸方向の両端部に形成された一対の凹部22に収容(格納)されている。さらに、各プレート24Bの先端部には、前述した内歯ラチェット14のラチェット歯14Aと係合可能なロック歯24Cがそれぞれ形成されている。
【0021】
そして、一対のプレート24Bが一対の凹部22に完全に収容された状態では、ロック歯24Cがラチェット歯14Aから離間した位置に保持されており、この位置がロックプレート24の「非係合位置」(図5参照)である。一方、ロックプレート24の連結軸24Aが切欠部20の底部回りに揺動し一対のプレート24Bが一対の凹部22から抜け出すことにより、ロック歯24Cがラチェット歯14Aに係合される構成である。なお、この位置がロックプレート24の「係合位置」(図6参照)である。
【0022】
また、図1、図3、図4に示されるように、フレーム12の一方の側部12Aの外側には、「ロック輪」としてのVギヤ26が配置されている。Vギヤ26は樹脂製とされ、スプール16の端部外径よりも大径の略円板状に形成されている。Vギヤ26の軸心部には、内周面に一対の樹脂爪を有する円筒状のボス26Aが形成されている。このボス26Aにスプール16の回転軸16Bが挿入されることにより、Vギヤ26はスプール16の軸方向の一端部に同軸的かつ回転自在に取り付けられている。
【0023】
また、Vギヤ26の外周側の所定位置には、略逆S字状のガイド孔28が形成されている。このガイド孔28には、ロックプレート24の一方のプレート24Bから立設されたガイドピン30(図5、図6参照)が挿入されている。これにより、Vギヤ26はスプール16に対して所定の回転角の範囲内で相対回転可能とされ、両者の間に相対回転が生じた際には、ガイド孔28がガイドピン30を内側から外側へ移動させ、ロックプレート24のロック歯24Cをフレーム12の内歯ラチェット14のラチェット歯14Aとの係合可能位置へ案内するようになっている。
【0024】
また、Vギヤ26のスプール16側の面には、ボス26Aと反対方向へ向けて支持突起32(図1、図5、図6参照)が立設されている。この支持突起32の先端部はスプール16の軸方向の一端部に形成された凹部34内へ挿入されており、この状態で捩りコイルスプリング36(広義には「付勢手段」として把握される要素である)の一端部が係止されている。なお、捩りコイルスプリング36のコイル部はスプール16の回転軸16Bに巻装された状態で配置されており、更に他端部はスプール16の軸方向の一端部に係止されている。これにより、通常は、Vギヤ26がスプール16に追従回転するようになっている。
【0025】
さらに、Vギヤ26のボス26Aの周囲には、一対の係止部38がボス26Aと平行に立設されている。係止部38は、平面視でボス26Aと同軸の円弧状に形成されており、ボス26Aを挟んで対称となる二箇所に形成されている。また、Vギヤ26の同じ側の面には、小径円柱状のパウル軸40が立設されている。このパウル軸40は、ボス26Aを挟んで前述したガイド孔28とほぼ対称となる位置に形成されており、後述するパウル62の支軸となる部分である。
【0026】
また、図3及び図4に示されるように、パウル軸40の近傍には、側面視でパウル軸40と同心の円弧状に形成されかつ先端部に樹脂爪が形成されたパウル係止部42が一体に形成されている。さらに、パウル軸40の近傍には、後述するパウル62の形状に対応したパウルストッパ44が一体に形成されている。またさらに、Vギヤ26におけるパウル軸40の近傍には、長孔状のばね孔46が形成されている。このばね孔46の一端部には、略円柱突起状のばね受け部48が一体に形成されている。
【0027】
さらに、Vギヤ26の外周部には、後述するVセンサ76のセンサレバー82の係合部82Bが係合可能な外歯50が一体に形成されている。
【0028】
図1、図3、図4に示されるように、Vギヤ26の外側には、樹脂製の慣性板52が同軸的に配置されている。慣性板52は外周二箇所が切り欠かれた略円板状を成しており、その軸心部には軸支孔(円孔)54が形成されている。さらに、軸支孔54の外側には、径方向に対向する位置に一対の円弧状の係止孔58が形成されている。軸支孔54にはVギヤ26のボス26Aが挿入され、一対の係止孔58にはVギヤ26の一対の係止部38が挿入されることにより、一対の係止部38が弾性的に係止され、慣性板52がVギヤ26に同軸的かつ一体的に取り付けられている。さらに、係止孔58の周方向長さ(弧長)は係止部38の周方向長さ(弧長)よりも長く設定されており、組付後の状態では弧長(円周角)の差の範囲内で慣性板52がVギヤ26に対してウエビング巻取回転方向(方向B)へ相対回転可能とされている。さらに、慣性板52の切欠側の端面には、線状の係合突起60が一体に形成されている。
【0029】
また、前述したVギヤ26のパウル軸40には、パウル62が揺動可能に軸支されている。パウル62は、パウル軸40に軸支される円筒状の支軸部62Aと、この支軸部62Aから延出されると共に先端側面に爪が形成されたアーム部62Bと、支軸部62Aの下部外周に形成された係止片62Cと、アーム部62Bの下縁支軸側から張出されたばね受け部62Dと、によって構成されている。
【0030】
支軸部62Aがパウル軸40に挿入された状態では、係止片62CがVギヤ26のパウル係止部38に係止され、軸方向への抜止めがなされるようになっている。また、ばね受け部62Dには、広義には「付勢手段」として把握される圧縮コイルスプリング64の一端部が挿入係止されている。圧縮コイルスプリング64の他端部は前述したVギヤ26のばね受け部48に挿入係止されており、圧縮された状態でVギヤ26に形成されたばね孔46内に収容されている。従って、圧縮コイルスプリング64は、パウル62をパウル軸40回りに時計方向へ回転付勢している。さらに、パウル62の係止片62Cの端部にはVギヤ26に形成された前述したパウルストッパ44に当接可能な小突起66が一体に形成されており、圧縮コイルスプリング64の付勢力によってパウル62がパウル軸40回りに時計方向へ回転した際のストッパとされている。これにより、パウル62は、通常は、揺動することなくVギヤ26と一体に回転(回転軸16B回りに公転)するようになっている。
【0031】
一方、パウル62が圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル軸40回りに反時計方向へ回転した際には、アーム部62Bがパウルストッパ44の側面に当接し、それ以上の揺動を阻止するようになっている。これにより、パウル62の揺動可能な範囲(回転角)が規定されている。
【0032】
また、フレーム12の一方の側部12Aの外側には、扁平なカップ形状に形成された樹脂製のセンサホルダ68が取り付けられている。センサホルダ68の底部には所定高さの円筒部70が形成されており、更に円筒部70の内周面には「係合歯」としての内歯70Aが一体に形成されている。組付後の状態では、センサホルダ68の外周壁68Aと円筒部70との間のスペースに、Vギヤ26の周壁部が回転可能に配置されるようになっている(図1参照)。また、慣性板52は円筒部70内に収容された状態となり、パウル62は円筒部70の内歯70Aに対向して配置されている。圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62がパウル軸40回りに揺動した場合には、パウル62のアーム部62Bの先端部が内歯70Aに係合されるようになっている。
【0033】
なお、上記の構成において、慣性板52、パウル62、圧縮コイルスプリング64、及び内歯70AがWSIRを構成するWセンサ72とされると共に、本発明における「ロック作動手段」に相当する。
【0034】
さらにまた、上述したセンサホルダ68の外周上端部には、中空の略直方体形状のホルダ部74が一体に形成されている。このホルダ部74には、Vセンサ(加速度センサ)76が収容されている。なお、図1ではVセンサ76の図示を省略している。
【0035】
図3及び図4に示されるように、Vセンサ76は、側面視で略L字状に形成されると共に底部中央に凹面状の転動面78Aが形成されたハウジング78を備えている。ハウジング78はホルダ部74に側方から装着されており、転動面78Aにはボール80が載置されている。さらに、ハウジング78の上端部には、センサレバー82が揺動可能に軸支されている。センサレバー82は、ハウジング78の上端部に軸支される支軸82Aと、組付状態において支軸82AからVギヤ26側へ延出されかつVギヤ26の外歯50と係合可能な係合部82Bと、支軸82Aを挟んで係合部82Bと反対側に延出された皿状の当接部82Cと、を備えている。当接部82Cはその自重によりボール80上に載置されており、この状態では係合部82BがVギヤ26の外歯50から離間した非係合位置に保持されている。一方、車両急減速時になるとボール80が転動面78A上を転動することでセンサレバー82が支軸82Aを中心として揺動され、これにより係合部82BがVギヤ26の外歯50に係合される構成となっている。
【0036】
〔ウエビング巻取装置10の要部構成〕
図7には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10の要部が側面視で示されている。なお、前述した説明に使用した図3〜図6には、図示を省略している。この図7に示されるように、上述した慣性板52の軸支孔54を挟んでパウル62と対向する位置には、樹脂製の別の小型慣性板90が配設されている。小型慣性板90は、略T字形状を成しており、頭部90A及びこの頭部90Aの中央から垂直に延出された延出部90Bによって構成されている。小型慣性板90は延出部90Bの根元側にて支軸92回りに揺動可能にVギヤ26に軸支されている。従って、小型慣性板90は、慣性板52と共にVギヤ26と一体に回転(Vギヤ26のボス26Aの回りを公転)するようになっている。
【0037】
さらに、小型慣性板90の頭部90Aは厚肉に形成されている一方、延出部90Bは薄肉に形成されている。従って、小型慣性板90は、頭部90Aの質量の方が延出部90Bの質量よりも大きいため、仮に次述する圧縮コイルスプリング94が存在しなければ、質量差により支軸92回りに矢印C方向へ揺動される。なお、頭部90Aと延出部90Bの肉厚差は、小型慣性板90の裏面側に設けている。
【0038】
また、小型慣性板90の頭部90Aの裏面側には、略円柱突起状のばね受け部96が一体に形成されている。これに対応してVギヤ26にも、ばね受け部96と対向する位置に略円柱突起状のばね受け部98が一体に形成されている。これらのばね受け部96、98には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング94が圧縮された状態で挿入係止されている。従って、圧縮コイルスプリング94は、小型慣性板90の頭部90Aを支軸92回りに反時計方向(矢印C方向と反対方向)へ回転付勢している。また、Vギヤ26の所定位置(頭部90Aの付勢方向側)にはストッパピン100が立設されており、小型慣性板90の初期位置を規定している。なお、上記圧縮コイルスプリング94に替えて捩りコイルスプリング等、他の付勢手段を用いてもよい。
【0039】
さらに、慣性板52の裏面側には、上述した小型慣性板90の延出部90Bの先端部の揺動軌跡と干渉する位置に傾斜壁102が形成されている。この傾斜壁102は、小型慣性板90が支軸92回りに矢印C方向へ揺動した場合に、延出部90Bの先端部と相対的に摺動し、慣性板52にウエビング引出回転方向(矢印A方向)への慣性力(押圧力)を受ける部分として構成されている。
【0040】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0041】
上記構成のウエビング巻取装置10では、通常は、Wセンサ72のパウル62は圧縮コイルスプリング64の付勢力によってパウル軸60回りに時計方向へ回転付勢されると共に、Vセンサ76のセンサレバー82が自重によりボール80上に保持されているため、Wセンサ72及びVセンサ76が作動することはない。このため、スプール16は、ロックプレート24を格納した状態で、ウエビング引出回転方向及びウエビング巻取回転方向のいずれにも自由に回転することができる。
【0042】
一方、ウエビング18が急激に引出されたり、車両急減速状態になると、Wセンサ72、Vセンサ76が作動する。以下、この順に各部の作動を概説する。
【0043】
(Wセンサ72が作動する場合)
ウエビング18が急激に引出されると、スプール16及びVギヤ26が、ウエビング引出回転方向(方向A)へ高速で回転される。このとき、慣性板52はVギヤ26に追従することができないため、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗して慣性板52に慣性遅れが生じ、慣性板52はVギヤ26に対して相対的にはウエビング巻取回転方向Bへと回転する。慣性板52がVギヤ26に対して相対的に方向Bへ回転すると、慣性板52の係合突起60が当接(係合)しているパウル62は、方向Bへ押圧揺動されセンサホルダ68の内歯70Aと係合し、Vギヤ26の方向Aへの回転が阻止される(図4図示状態)。
【0044】
Vギヤ26の方向Aへの回転が阻止されると、引続きウエビング引張力が作用しているスプール16との間に相対回転が生じ、ガイドピン30がVギヤ26のガイド孔28の外端側へ案内され、これによりロックプレート24のロック歯24Cが内歯ラチェット14のラチェット歯14Aとの係合可能位置まで案内されて、ロックスタンバイ状態、即ち、ロック歯24Cの歯先が内歯ラチェット14のラチェット歯14Aの歯先に係合した状態となる。
【0045】
ロックプレート24の一対のロック歯24Cの爪の歯先が一対の内歯ラチェット14のラチェット歯14Aの歯先との係合可能位置へ案内されると、スプール16の更なる方向Aへの回転に伴ってラチェット歯14Aに案内され、ロック歯24Cの歯先がラチェット歯14Aの歯底へ到達する。これにより、ロックプレート24が内歯ラチェット14により確実にロックされ、スプール16のウエビング引出回転方向(方向A)への回転が阻止され、それ以上のウエビング18の引出しが制限される。すなわち、ロック歯24Cの内歯ラチェット14との係合可能位置への案内後は、スプール16(ロックプレート24)はセルフロックされる。
【0046】
一方、ロックプレート24と内歯ラチェット14とは、ウエビング18の引出し阻止後にウエビング18に作用する張力が下がり、スプール16が所定の角度だけウエビング巻取回転方向(方向B)へ回転されると(所定量だけウエビング18を巻取ると)、係合状態が解除される。すなわち、スプール16が方向Bへ回転されると、ロックプレート24は連結軸24Aにおいてスプール16の切欠部20によって押圧されることでロック歯24Cがそれぞれ内歯ラチェット14から離間され、捩りコイルスプリング36の付勢力によりVギヤ26と共に初期位置に復帰する。なお、ウエビング18に作用する張力低下後のウエビング18の巻取りは、スプール16の回転軸16Aに接続された図示しないぜんまいばねにより果たされる。
【0047】
(Vセンサ76が作動する場合)
車両急減速状態になると、これに伴う慣性力によりVセンサ76のボール80がハウジング78の転動面78A上を転動し、ボール80に当接載置されているセンサレバー82の当接部82Cが上方へ揺動される。このため、支軸82Aに対して当接部82Cと反対側に位置する係合部82Bは下方へ揺動され、Vギヤ26の外歯50に係合される。これにより、Vギヤ26のウエビング引出方向回転が阻止されるので、Vギヤ26とスプール16との間に相対回転が生じる。その後の作動は前述したWセンサ72の場合と同様であるので、省略する。
【0048】
ここで、乗員がウエビング装着状態を解除し、ウエビング18を手放すと、ウエビング18はぜんまいばねの付勢力によってスプール16に全量巻き取られる。このとき、スプール16はウエビング18を全量巻き取った時点でウエビング巻取方向回転を停止するが、Vギヤ26に対して同軸上に配置された慣性板52は所定範囲内で相対回転可能に設けられているため、スプール16がウエビング巻取方向回転を停止した後も、慣性板52はウエビング巻取回転方向へ回転しようとする。この状態が進むと、慣性板52の係合突起60によってパウル62のアーム部62Bが押圧され、圧縮コイルスプリング64の付勢力に抗してパウル62がパウル軸40回りに揺動し、アーム部62Bの先端部がセンタホルダ68の内歯70Aに係合して、スプール16とVギヤ26との間に相対回転が生じ、ロック状態となることがある。
【0049】
しかし、本実施形態では、スプール16がウエビング巻取方向回転を停止すると、小型慣性板90によって慣性板52にウエビング引出回転方向への慣性力が作用される。具体的には、図7に示されるように、ウエビング18の全量巻取状態となった際には、慣性板52にウエビング巻取回転方向(方向B)への慣性力が作用するだけでなく、小型慣性板90にも同方向への慣性力が作用している。このため、小型慣性板90の頭部90Aは、圧縮コイルスプリング94の付勢力に抗して支軸92回りに矢印C方向へ揺動される。これにより、小型慣性板90の延出部90Bは支軸92回りに反時計方向へ揺動され、慣性板52の裏面にある傾斜壁102を押し上げながら摺動していく。このため、慣性板52にはVギヤ26のボス26A回りにウエビング引出回転方向(方向A)への慣性力(即ち、小型慣性板90の頭部90Aに作用するウエビング巻取回転方向への慣性力に基づいて慣性板52の傾斜壁102に作用されるウエビング引出回転方向への押圧力)が作用する。
【0050】
従って、ウエビング18が全量巻取状態とされた際には、慣性板52にウエビング巻取回転方向への慣性力とウエビング引出方向への慣性力とが同時に作用することになり、両者は相殺される。よって、慣性板52はウエビング巻取回転方向へ全く相対回転しないか、相対回転しても極めて僅かな量となる。その結果、本実施形態に係るウエビング巻取装置10によれば、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができる。
【0051】
図8を用いて、上記本実施形態の効果について補足すると、同図(A)に示されるように、従来ではウエビング巻取装置10に作用するGが中程度の場合及び高い場合のいずれもエンドロックが生じ易い結果となっていたが、本実施形態の場合には、ウエビング18を全量巻き取った際に作用する高G領域においてはWセンサ72をアンロック状態にすることができ、この点において従来構造を改良することができた。ちなみに、一般に、ウエビング18の装着を解除してスプール16にウエビング18を急激に全量巻き取らせたときに作用するGの方が、車両が衝突したときにウエビング巻取装置10に作用するGよりも高い。これは、車両が衝突した場合には、ボディー前部の変形等によりかなりのエネルギー吸収がなされるからである。
【0052】
上記より、本実施形態に係るウエビング巻取装置10は、WSIRロック機構を二つ組合せることにより、高G入力時は、追加した方の当該ロック機構が作動し、エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができる。
【0053】
なお、上述した本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、平面視でコ字状のロックプレート24を使ったロック機構を採用したが、これに限らず、種々のロック機構を採用することができる。
【0054】
また、上述した本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、略T字形状の小型慣性板90と傾斜壁102を用いたが、これに限らず、ウエビング18の全量巻取時に慣性板52に作用するウエビング巻取回転方向への慣性力を相殺する慣性力を慣性板52に作用させることができる構成であれば、すべて適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るウエビング巻取装置は、乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けたので、所謂WSIRにおいて所謂エンドロックが生じるのを抑制又は防止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るウエビング巻取装置の全体構成を示す概略断面図である。
【図2】図1に示されるスプール及びロックプレートを分離して示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係るウエビング巻取装置のWセンサ(非作動状態)及びVセンサを示す側面図である。
【図4】本実施形態に係るウエビング巻取装置のWセンサ(作動状態)及びVセンサを示す側面図である。
【図5】本実施形態に係るウエビング巻取装置のロック機構(非作動状態)を示す側面図である。
【図6】本実施形態に係るウエビング巻取装置のロック機構(作動状態)を示す側面図である。
【図7】本実施形態に係るウエビング巻取装置の要部構成を示す概略側面図である。
【図8】本実施形態に係るウエビング巻取装置のエンドロック低減効果を従来構造との対比において示すグラフである。
【符号の説明】
10 ウエビング巻取装置
12 フレーム
14 内歯ラチェット(ロック歯)
16 スプール(巻取軸)
18 ウエビング
24 ロックプレート
26 Vギヤ(ロック輪)
52 慣性板(ロック作動手段)
62 パウル(ロック作動手段)
70A 内歯(係合歯、ロック作動手段)
72 Wセンサ
90 小型慣性板(慣性力付与手段)
94 圧縮コイルスプリング(慣性力付与手段)
102 傾斜壁(慣性力付与手段)
Claims (2)
- 乗員拘束用のウエビングが急激に引き出された場合に、当該ウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸の軸端側に一体的かつ同軸的に設けられた慣性板が巻取軸に対して回転遅れを生じることで、巻取軸のウエビング引出方向回転をロックするウエビング巻取装置であって、
乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、
ことを特徴とするウエビング巻取装置。 - 乗員拘束用のウエビングを付勢力で層状に巻き取る巻取軸と、
車両に固定されると共に巻取軸の両端部を回転可能に支持し、更に当該巻取軸の端部と交差する面にロック歯が形成されたフレームと、
巻取軸の少なくとも一端部側に設けられると共にロック歯との係合位置及びロック歯との非係合位置間を移動可能とされ、ロック歯に係合することにより巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止するロックプレートと、
巻取軸の一端部側に同軸的に設けられ、通常は巻取軸と一体に回転すると共にロックプレートを非係合位置に保持し、巻取軸との間に相対回転が生じるとロックプレートを係合位置に移動させるロック輪と、
このロック輪に揺動可能に支持されたパウルと、このパウルが係合可能な係合歯と、ロック輪に対して同軸上に配置されかつ所定範囲内で相対回転可能に設けられると共に通常はロック輪と一体的に回転しかつパウルを係合歯との非係合位置に保持しウエビングが急激に引き出された場合には巻取軸に対して回転遅れを生じてパウルを係合歯に係合させることでロック輪のウエビング引出方向回転を停止させる慣性板と、を含んで構成されたロック作動手段と、
を備えたウエビング巻取装置であって、
乗員がウエビング装着状態を解除し、当該ウエビングを付勢力で巻取軸に全量巻き取らせた際に、巻取軸のウエビング巻取方向回転停止後も慣性力でウエビング巻取回転方向へ回転しようとする慣性板に、ウエビング引出回転方向への慣性力を作用させることで、当該慣性板のウエビング巻取回転方向への回転を抑制又は抑止させる慣性力付与手段を設けた、
ことを特徴とするウエビング巻取装置。
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