JPH08290753A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

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JPH08290753A
JPH08290753A JP7120373A JP12037395A JPH08290753A JP H08290753 A JPH08290753 A JP H08290753A JP 7120373 A JP7120373 A JP 7120373A JP 12037395 A JP12037395 A JP 12037395A JP H08290753 A JPH08290753 A JP H08290753A
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JP
Japan
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row
bobbin
teeth
webbing
retractor
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JP7120373A
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English (en)
Inventor
Bai Matsuki
培 松木
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被係合部に係合した係合部材が該被係合部に
対して巻取軸の軸方向へ移動するのを阻止できる緊急ロ
ック機構を備えたコンパクトで安価なシートベルト用リ
トラクターを提供する。 【構成】 リトラクターベース1の側板1bの巻取軸貫通
穴に形成された第1列の係合内歯2と、該巻取軸貫通穴
に併設された内歯ラチェット4に形成されて前記第1列
の係合内歯2に対して周方向へ相対変位した第2列の係
合内歯5とに係合し、車両緊急時にボビン3のウェビン
グ引出し方向の回転を阻止するべく該ボビン3の一端に
配設されたポール16は、前記第1列及び第2列の係合内
歯2,5 にそれぞれ対応して係合可能な第1列及び第2列
の係合歯27,29 を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シートベルト装置の
リトラクター(巻取装置)に関し、特に緊急ロック機構
を備えたシートベルト用リトラクターの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト用リトラクターにおいては、急
な加速、衝突又は減速に反応する慣性感知手段によって
リトラクターを物理的にロックする緊急ロック機構を備
えて乗員を効果的及び安全に拘束すると共にウェビング
による圧迫感を低減する緊急ロック式リトラクターが用
いられている。
【0003】このような緊急ロック式リトラクターとし
ては、例えば特開昭50−79024号、特公昭59−
21624号及び実公平2−45088号公報等に開示
されたシートベルト用リトラクターのように、ウェビン
グを巻装する巻取軸の一端に配設された係合部材が車両
緊急時にリトラクターベースの被係合部に係合して前記
巻取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止することが
できるロック手段を備えたものがある。
【0004】この様なロック手段においては、巻取軸が
貫通するリトラクターベースの開口(巻取軸貫通穴)に
形成された係止噛合部(係合内歯)や、巻取軸貫通穴に
併設された内歯プレート(被係合部材)に形成されたラ
チェット歯(係合内歯)が被係合部として用いられてお
り、巻取軸と共に回転するロックプレートや係止爪が係
合部材として車両緊急時に前記係合内歯に係合して該巻
取軸のウェビング引出し方向の回転を阻止するように構
成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の如き
ロック手段では、例えばリトラクターベースの係止噛合
部に係合するロックプレートが巻取軸の一端に配設され
ており、巻取軸がリトラクターベースに対して軸方向に
移動すると該ロックプレートも巻取軸と伴に移動してし
まう。即ち、リトラクターベースが変形するような強大
な力が車両緊急時にリトラクターに加わり、巻取軸がリ
トラクターベースに対して軸方向に相対移動すると、前
記係止噛合部に対するロックプレートの噛み合い量が減
る可能性がある。
【0006】そこで、係止噛合部又はロックプレートの
歯厚を予め厚く形成して十分な噛み合い幅を確保しよう
とすると、リトラクターベースやロックプレートの厚み
が厚くなってリトラクターの大きさ及び重量が増大する
という問題がある。又、巻取軸の軸方向の移動を規制可
能な軸受手段により該巻取軸を軸支しようとすると、各
部品の加工精度及び組立て精度を高めなければならず、
製造コストが高くなるという問題がある。
【0007】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、被係合部に係合した係合部材が該被係合
部に対して巻取軸の軸方向へ移動するのを阻止できる緊
急ロック機構を備えたコンパクトで安価なシートベルト
用リトラクターを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、ウ
ェビングを巻装する巻取軸の少なくとも一端に配設され
た係合部材が車両緊急時にリトラクターベースの被係合
部に係合して前記巻取軸のウェビング引出し方向の回転
を阻止可能なロック手段を備えたシートベルト用リトラ
クターであって、前記被係合部が、前記リトラクターベ
ースの巻取軸貫通穴に形成された第1列の係合内歯と、
該巻取軸貫通穴に併設された被係合部材に形成されて前
記第1列の係合内歯に対して周方向へ相対変位した第2
列の係合内歯とを有し、前記係合部材が、前記第1列及
び第2列の係合内歯にそれぞれ対応して係合可能な第1
列及び第2列の係合歯を有していることを特徴とするシ
ートベルト用リトラクターにより達成される。
【0009】尚、好ましくは前記第1列の係合内歯と前
記第2列の係合内歯とが、互いに巻取軸の軸方向に隙間
を以て並設される。
【0010】
【作用】上記構成によれば、係合部材が被係合部に係合
すると、該係合部材の第1列及び第2列の係合歯がそれ
ぞれ対応する前記被係合部の第1列及び第2列の係合内
歯に噛合し、巻取軸のウェビング引出し方向の回転を阻
止する。この時、該係合部材における第1列及び第2列
の係合歯の互いに接近した側の各側面が、前記被係合部
における第1列及び第2列の係合内歯の互いに接近した
側の各側面とそれぞれ対向するので、係合部材は被係合
部に噛合したまま巻取軸の軸方向への移動が規制された
状態となる。
【0011】従って、リトラクターベースが変形するよ
うな強大な力が車両緊急時にリトラクターに加わって
も、前記係合部材がリトラクターベースに対して軸方向
に相対移動せず、被係合部に対する噛み合い量が減るこ
とはない。
【0012】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例
を詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明に基づくシ
ートベルト用リトラクターの分解斜視図及び正面縦断面
図である。リトラクターベース1はその大部分がコの字
状断面を有しており、対向する側板1a,1bには対向
してそれぞれ巻取軸貫通穴が穿設され、ウェビングを巻
装する巻取軸であるボビン3がこれら巻取軸貫通穴を挿
通した状態で回動自在に軸架されている。
【0013】前記側板1aに設けられた巻取軸貫通穴の
内周縁には第1列の係合内歯2が形成されており、該巻
取軸貫通穴の外側には略円環状の被係合部材である内歯
ラチェット4が並設されている。該内歯ラチェット4の
内周縁には、前記第1列の係合内歯2と同じ形状及び歯
数を有する第2列の係合内歯5が形成されているが、該
第2列の係合内歯5は前記第1列の係合内歯2に対して
各歯の位置が周方向へ約1/2歯分相対変位するよう
に、側板1aに切り曲げ形成された複数の係止突起14
と内歯ラチェット4の外周縁に形成された係止孔4aと
によって位置決めされ、固着される。即ち、車両緊急時
に前記ボビン3のウェビング引出し方向の回転を阻止す
るべく係合部材が係合する被係合部が、これら第1列及
び第2列の係合内歯2,5によって構成される。
【0014】更に、前記内歯ラチェット4の第2列の係
合内歯5の外周囲には絞り加工が施されており、該内歯
ラチェット4が側板1aの外側面に固着された際に、前
記第1列の係合内歯2と前記第2列の係合内歯5との間
に軸方向の隙間が生じるように構成されている。前記ボ
ビン3の側板1b側の端部には、公知の巻取りばね装置
15が配置されており、ボビン3はウェビングを巻取る
方向に常時付勢されている。
【0015】前記ボビン3は、アルミニウム合金等で一
体成形された略円筒形の巻取軸であり、ウェビングが巻
回される胴部28には、ウェビング端部を挿通させて保
持するため直径方向に貫通するスリット開口28aが設
けられている。又、ボビン3の外周部には別体で形成さ
れたフランジ部材13が装着され、ウェビングの巻乱れ
を防止する。
【0016】前記ボビン3の両端面には、該ボビン3を
回転自在に支持する為の回転支軸6,11と、前記側板
1aに構成された第1列及び第2列の係合内歯2,5に
係合可能な係合部材であるポール16を揺動回動可能に
軸支する支軸7とが突設されている。これらボビン3の
回転支軸6,11は、それぞれ後述するギアケース34
の軸支部34bと、巻取りばね装置15の巻取軸となる
リテーナ51とによって回転自在に軸支される。
【0017】又、ポール16が第1列及び第2列の係合
内歯2,5と係合する方向へ揺動回転した時に、該ポー
ル16の揺動側端部と反対側のポール後端部16eを位
置決めし、前記第1列及び第2列の係合内歯2,5との
間でポール16に大きな荷重が加わった場合にはその荷
重を受ける受圧面45が、ボビン3のセンサー側端面に
設けられている。
【0018】更に、前記ボビン3のセンサー側端面に
は、後述するロック作動手段であるラチェットホイール
18に揺動可能に軸支された揺動レバー部材20の反時
計回り方向の回転を規制する為の係止突起8が設けられ
ている。凹部9は、ラチェットホイール18をウェビン
グ引出し方向に回転付勢する引張りコイルバネ36と、
後述するセンサースプリング25を押圧するロックアー
ム26のアーム部26cとが該ボビン3に干渉するのを
防ぐ逃げである。
【0019】図4に示したように、前記ポール16の揺
動端部には、側板1aに構成された前記第1列の係合内
歯2に対応して係合可能な第1列の係合歯27と、前記
第2列の係合内歯5に対応して係合可能な第2列の係合
歯29とが一体形成されており、これら第1列及び第2
列の係合歯27,29は、互いに各歯の位置が周方向へ
約1/2歯分相対的に変位している。
【0020】又、ポール16の中央部には、前記支軸7
に遊嵌する軸穴16aが貫設されており、該ポール16
のセンサー側面には、揺動端側に位置する係合突起16
bとポール後端部16e側に位置する押圧突起16dと
が突設されている。即ち、軸穴16aは支軸7に対して
遊嵌状態なので、ポール16が該支軸7に対して揺動回
動可能及び所定量相対移動可能に軸支されている。又、
ボビン3の回転支軸6により貫通孔17aを嵌通された
保持プレート17の係止孔17bには、ポール16の軸
穴16aを貫通した支軸7の先端が加締められており、
該保持プレート17はボビン3の端面から該ポール16
が浮き上がるのを防止している。
【0021】そして、ポール16の係合突起16bの端
部は、前記保持プレート17の外側に配設されてボビン
3の回転支軸6に回動自在に軸支されたラチェットホイ
ール18に形成されているカム穴18aに挿入されてい
る。そこで、該ラチェットホイール18がボビン3に対
してウェビング巻取方向(図2中矢印X1 方向)に相対
回転すると、前記カム穴18aが係合突起16bの端部
をボビン3の回転中心軸から半径方向外方に移動させる
ように作用するので、ポール16は前記側板1aに構成
された第1列及び第2列の係合内歯2,5との係合方向
(図2中矢印Y1 方向)へ前記支軸7を中心に揺動回転
させられる。
【0022】即ち、前記ポール16が、第1列及び第2
列の係合内歯2,5と係合する方向に揺動回転させら
れ、ポール16の第1列及び第2列の係合歯27,29
がそれぞれ第1列及び第2列の係合内歯2,5に同時に
係合することによって前記ボビン3のウェビング引出し
方向の回転を阻止するロック手段を構成している。そし
て、前記第1列の係合内歯2と前記第2列の係合内歯5
との間には、図3に示すようにボビン軸方向の隙間が構
成されているので、リトラクターベース1に対する前記
ポール16のボビン軸方向の位置決めには余裕ができ
る。従って、ポール16やボビン3等の加工寸法精度や
組立て精度を高くしなくとも、ポール16の第1列及び
第2列の係合歯27,29は、第1列及び第2列の係合
内歯2,5に確実に係合することができる。
【0023】尚、前記ポール16は、機械加工によって
製造可能であることは勿論だが、焼結、鍛造又はダイキ
ャスト等により製造することもできる。前記ラチェット
ホイール18は、中心穴が前記回転支軸6に回動自在に
軸支された爪車であり、その外周部には車体加速度感知
手段41(図5参照)のセンサーアーム43と係合する
ためのラチェット歯18bが形成されている。該ラチェ
ットホイール18の中心穴周縁でリトラクター外側に向
かって突設されたボス部18cは、ウェビングの引出し
加速度を感知する慣性感知手段であるウェビング加速度
感知手段を構成する為の円盤状の慣性体であるイナーシ
ャプレート30の中心穴30aを軸支している。該ボス
部18cの周囲に突設された係止爪部23は、前記イナ
ーシャプレート30のスラスト方向の位置決めを行って
いる。該ラチェットホイール18に形成された長穴24
にはイナーシャプレート30の係合突出部31が係合し
ており、該長穴24の一端縁24a(図6参照)が緊急
ロック機構非作動時のイナーシャプレート30の回転方
向の位置決めを行っている。
【0024】前記ラチェットホイール18の外側面に
は、ロックアーム26を回動自在に軸支する軸部22
と、該ロックアーム26の浮き上がりを防止する保持突
起18eとが突設されている。ラチェットホイール18
の内側面には、一端が前記保持プレート17の掛止部1
7cに掛止された引張りコイルバネ36の他端を掛止す
るばね掛止部21が設けられており、該引張りコイルバ
ネ36はボビン3に対してラチェットホイール18をウ
ェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転付勢してい
る。
【0025】前記ロックアーム26には、ラチェットホ
イール18の外側面に設けられた一対のフック部18d
に両端を支持された線状のセンサースプリング25の長
手方向中央部を押圧するアーム部26cと、ギアケース
34の内歯ギア34aと噛み合い可能な係合爪26bと
が設けられている。そこで、該ロックアーム26は、係
合爪26bが内歯ギア34aと噛み合ってラチェットホ
イール18のウェビング引出し方向の回転を阻止する係
止手段を構成している。そして、係合爪26bは、セン
サースプリング25の付勢力により、前記イナーシャプ
レート30の押圧突起32に押圧付勢されている。尚、
該アーム部26cの揺動範囲に対応するラチェットホイ
ール18には開口が形成され、アーム部26cが該開口
を貫通するが、これはセンサースプリング25に対する
アーム部26cの係合状態を保証するためのものであ
る。
【0026】更に、該ラチェットホイール18の内側面
に突設された支軸19には、軸孔20aを軸支された揺
動レバー部材20が揺動可能に配設されている。該揺動
レバー部材20は、前記ボビン3のセンサー側端面に突
設された係止突起8により反時計回り方向の回転が適宜
規制されると共に、前記ポール16のセンサー側面に突
設された押圧突起16dが前記支軸19と前記係止突起
8との間に当接することによって時計回り方向の回転が
適宜規制されるように、ボビン3とラチェットホイール
18との間に組付けられている。
【0027】前記イナーシャプレート30の外側に配設
されたギアケース34には、その中心部にボビン3を回
転自在に軸支する軸支部34bが設けられており、該軸
支部34bの底面はボビン3の軸線方向の位置決め面と
なっている。更に、該ギアケース34の下部には、車体
の加速度を感知する慣性感知手段である車体加速度感知
手段41を格納する箱型の格納部40が設けられてい
る。
【0028】そして、前記ギアケース34を覆う側板1
aの外側には、センサーカバー35が配設される。次
に、上記シートベルト用リトラクターの作動について説
明する。先ず、通常使用状態は図6に示すように、ラチ
ェットホイール18は、ばね掛止部21と前記保持プレ
ート17の掛止部17cに掛止された引張りコイルバネ
36の付勢力によって、ボビン3に対してウェビング引
出し方向(矢印X2 方向)に付勢されており、カム穴1
8aに係合突起16bが係合するポール16を第1列及
び第2列の係合内歯2,5と非係合な方向に付勢してい
る(図7参照)。そこで、ボビン3は回転可能であり、
ウェビングの引出しは自在である。
【0029】図6に示すように、車体加速度感知手段4
1におけるボールウエイト44がセンサーケース42の
所定位置に載置されている際は、前記センサーアーム4
3の係止突起43aがラチェットホイール18のラチェ
ット歯18bと非係合であり、ラチェットホイール18
はボビン3に追従回転する。又、ウェビング加速度感知
手段における前記ロックアーム26の係合爪26bは、
図6に示すようにセンサースプリング25の付勢力によ
りギアケース34の内歯ギア34aと非歯合な位置に付
勢されている。該係合爪26bによってラチェットホイ
ール18に対してウェビング引出し方向(矢印X2
向)に付勢されているイナーシャプレート30は、図5
及び図6に示すように係合突出部31が長穴24の一端
縁24aに押圧付勢されて回転方向の位置決めをされて
おり、ラチェットホイール18を介してボビン3と一体
的に回転する。
【0030】しかして、衝突等の緊急時に慣性感知手段
である前記車体加速度感知手段41又はウェビング加速
度感知手段が作動すると、前記ロック作動手段のウェビ
ング引出し方向の回転を阻止する係止手段であるセンサ
ーアーム43又はロックアーム26がラチェットホイー
ル18のウェビング引出し方向の回転を阻止してリトラ
クターのロック手段を作動させる。
【0031】そして、前記車体加速度感知手段41又は
ウェビング加速度感知手段が作動し、ラチェットホイー
ル18のウェビング引出し方向の回転が阻止された後、
更にウェビング50がリトラクターから引き出される
と、ラチェットホイール18はボビン3に対して回転遅
れを生じ、ウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に相対
回転するので、ラチェットホイール18のカム穴18a
がポール16の係合突起16bをボビン3の回転中心軸
から半径方向外方に移動させていく。そこで、ポール1
6は前記支軸7を中心に第1列及び第2列の係合内歯
2,5との係合方向(図2中矢印Y1 方向)へ揺動回転
させられる。
【0032】そして更に、ウェビング50がリトラクタ
ーから引き出されると、図8に示すように、ポール16
の第1列及び第2列の係合歯27,29がそれぞれ第1
列及び第2列の係合内歯2,5に噛み合い完了となる。
そしてこの状態では、ポール16のポール後端部16e
とボビン3の受圧面45との間には隙間があり、前記揺
動レバー部材20はボビン3の係止突起8とポール16
の押圧突起16dとによってほぼ遊び無く回動が規制さ
れている。
【0033】ここで、ポール16の軸穴16aは、ボビ
ン3の支軸7に対して遊嵌状態であり、ボビン3に対し
て揺動回動可能及び所定量相対移動可能に軸支されてい
るので、その上さらに、ウェビング50がリトラクター
から引き出されると、ポール後端部16eが受圧面45
と当接するまで、ポール16はボビン3の回転中心軸を
中心にボビン3に対し相対回転する。
【0034】この時、ポール16の押圧突起16dは側
板1aに対して不動の位置関係だが、ボビン3の係止突
起8はウェビング引出し方向(矢印X2 方向)に回転し
ていく。この動きにより、前記揺動レバー部材20は、
前記押圧突起16dとの接点を回動支点として前記係止
突起8により揺動端部が押され、図8中時計回り方向へ
揺動回転させられる。揺動レバー部材20が前記押圧突
起16dとの接点を回動中心として図8中時計回り方向
へ揺動回転すると、ラチェットホイール18の支軸19
に軸支されている軸孔20aがボビン3の回転中心軸に
対しウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に回転するこ
とになる。その結果、該ラチェットホイール18は、ボ
ビン3に対してウェビング巻取方向(矢印X1 方向)に
逆回転させられる。
【0035】従って、車体加速度感知手段41又はウェ
ビング加速度感知手段が作動してリトラクターのロック
手段がボビン3のウェビング引出し方向の回転を阻止す
るロック状態でも、ウェビング引出し方向の回転が阻止
されたラチェットホイール18は、車体加速度感知手段
41におけるセンサーアーム43又はウェビング加速度
感知手段におけるロックアーム26をギアケース34の
内歯ギア34aとの係合から解除可能なフリー状態とす
ることができる。
【0036】上記ポール16のロック状態において、更
にウェビング50に大きな張力が作用すると、ギアケー
ス34の軸支部34b及び巻取りばね装置15のリテー
ナ51を支持している部分が変形し、ボビン3は上方に
移動しようとする。この移動は、ボビンに形成された当
接面3a及び溝3bがそれぞれ第1列及び第2列の係合
内歯2,5及び第3の係合内歯52と当接することで阻
止され、ウェビングに作用する張力をこれらの面で受け
止める。
【0037】そして、車両が停止してウェビング50に
作用されたテンションが解除された時には、既にラチェ
ットホイール18とセンサーアーム43又はロックアー
ム26のギアケース34の内歯ギア34aとの係合が解
除されているので、ラチェットホイール18は引張りコ
イルバネ36の付勢力によりボビン3に対して矢印X2
方向に回動されるので、該ラチェットホイール18のカ
ム穴18aがポール16の係合突起16bをボビン3の
回転中心軸側に移動させていく。この時、ウェビング5
0に作用する引出し方向のテンションは上述の通り解除
され、ボビン3はウェビング巻取方向(矢印X1 方向)
に回転できるようになっているので、ポール16の第1
列及び第2列の係合歯27,29の先端がそれぞれ第1
列及び第2列の係合内歯2,5の先端と干渉しない状態
までボビン3が矢印X1 方向に回転すると、ポール16
は、第1列及び第2列の係合内歯2,5との係合を解除
する方向に支軸7を中心に揺動回転させられ、ボビン3
のロックが解除されてウェビングの引き出しが自在とさ
れる。
【0038】更に、ウェビング引き出し状態から巻取り
ばね装置15のバネ力に従って急激にウェビング50が
全量巻き取られた衝撃で、前記車体加速度感知手段41
又は前記ウェビング加速度感知手段が作動し、ボビン3
のウェビング引き出し方向の回転がロックされ、引き出
し巻取りの不可能なエンドロック状態に陥った場合、ラ
チェットホイール18とセンサーアーム43、又はロッ
クアーム26とギアケース34の内歯ギア34aとは係
合しているが、ポール16と第1列及び第2列の係合内
歯2,5とは係合していない。そこで、この状態からウ
ェビング50を引き出すと、ポール16と第1列及び第
2列の係合内歯2,5とが噛み合った後、ポール16の
ポール後端部16eが受圧面45と当接するまでボビン
3は回転する。この時、揺動レバー部材20によりラチ
ェットホイール18がボビン3に対してウェビング巻取
方向(矢印X1 方向)に逆回転させられるので、ラチェ
ットホイール18とセンサーアーム43、又はロックア
ーム26とギアケース34の内歯ギア34aとの係合が
解除される。そして、ウェビング50を初めの巻取り位
置まで巻戻すと、ポール16と第1列及び第2列の係合
内歯2,5との係合が解除され、エンドロック状態が解
除される。
【0039】又、エンドロック状態の別の態様として、
例えば後席用のシートベルト装置ではリトラクターのウ
ェビング全量巻取り時にウェビングがシートバックと接
触するので、ウェビングがエンドロック後にシートバッ
クの弾性力で引き出されてしまう様な場合がある。この
様な場合、ポール16と第1列及び第2列の係合内歯
2,5との係止力は、互いの噛み合いだけとなってお
り、これらの係合を解除するために必要なボビン3の回
転量は、第1列及び第2列の係合内歯2,5の一歯分以
下の少量を巻戻すだけで良い。この少量巻戻しは、エン
ドロック状態で層状に巻かれたウェビング50を巻締め
るように強制的に引出し、この強制的に引出されたウェ
ビング50を再び巻き込むことで行われる。このように
少量を巻戻した際、ラチェットホイール18をボビン3
に対して矢印X2 方向に付勢している引張りコイルバネ
36の付勢力に抗する力は作用していないので、ラチェ
ットホイール18は引張りコイルバネ36の付勢力によ
り矢印X2 方向に付勢されてロックを解除することがで
きる。
【0040】ところで、図9に示すように、互いに各歯
の位置が周方向へ約1/2歯分相対的に変位しているポ
ール16の第1列及び第2列の係合歯27,29と、同
じく互いに各歯の位置が周方向へ約1/2歯分相対的に
変位している側板1aの第1列及び第2列の係合内歯
2,5とが噛み合った状態では、第1列及び第2列の係
合歯27,29の互いに接近した側の各側面27a,2
9a(図4参照)が、第1列及び第2列の係合内歯2,
5の互いに接近した側の各側面2a,5a(図3参照)
とそれぞれ対向するので、ポール16は第1列及び第2
列の係合内歯2,5に噛合したままボビン3の軸方向へ
の移動が規制された状態となる。
【0041】即ち、第2列の係合歯29の側面29aが
第1列の係合内歯2の側面2aに対向してポール16の
リトラクター内方側への移動を規制すると共に、第1列
の係合歯27の側面27aが第2列の係合内歯5の側面
5aに対向してポール16のリトラクター外側への移動
を規制している。そこで、リトラクターベース1が変形
するような強大な力が車両緊急時にリトラクターに加わ
っても、前記ポール16が側板1aに対して軸方向に相
対移動せず、第1列及び第2列の係合内歯2,5に対す
る第1列及び第2列の係合歯27,29の噛み合い量が
減ることはない。したがって、十分な噛み合い幅を確保
する為に第1列及び第2列の係合歯27,29又は第1
列及び第2列の係合内歯2,5の歯厚を必要以上に厚く
形成する必要は無く、リトラクターベース1や内歯ラチ
ェット4の厚みが厚くなってリトラクターの大きさ及び
重量を増大させることはない。
【0042】又、上述の如く緊急ロック機構作動時には
ポール16がボビン3の軸方向への移動を確実に規制さ
れるので、緊急ロック機構非作動時にボビン3の軸方向
の力を受ける樹脂製カバーである巻取りばね装置15の
カバー及びギアケース34の軸受手段は簡単な構造とす
ることができ、各部品の加工精度及び組立て精度を高め
る必要がない。
【0043】従って、ポール16が側板1aに対して軸
方向に相対移動するのを阻止できる緊急ロック機構を備
えたコンパクトで安価なシートベルト用リトラクターを
提供できる。尚、上記実施例のシートベルト用リトラク
ターにおいては、ウェビング50を巻装するボビン3の
一端に配設されたポール16が側板1aの第1列及び第
2列の係合内歯2,5に係合して前記ボビン3のウェビ
ング引出し方向の回転を阻止するロック手段について説
明したが、巻取軸の両端に一対の係合部材が配設される
と共にリトラクターベースの両側板に非係合部が形成さ
れたシートベルト用リトラクターにも有効である。
【0044】なお、本発明における慣性感知手段、ロッ
ク作動手段及びロック手段等は、上記実施例の形状に限
定されるものではなく、種々の変更が可能であることは
勿論である。例えば、車両緊急時に作動する慣性感知手
段は、車体加速度感知手段とウェビング加速度感知手段
のいずれか一方のみを備えたシートベルト用リトラクタ
ーでも良く、その構造も適宜変更可能である。
【0045】
【発明の効果】即ち、本発明によれば、係合部材が被係
合部に係合すると、該係合部材における第1列及び第2
列の係合歯の互いに接近した側の各側面が、前記被係合
部における第1列及び第2列の係合内歯の互いに接近し
た側の各側面とそれぞれ対向するので、係合部材は被係
合部に噛合したまま巻取軸の軸方向への移動が規制され
た状態となる。
【0046】そこで、リトラクターベースが変形するよ
うな強大な力が車両緊急時にリトラクターに加わって
も、係合部材がリトラクターベースに対して軸方向に相
対移動せず、被係合部に対する噛み合い量が減ることは
ない緊急ロック機構を備えたコンパクトで安価なシート
ベルト用リトラクターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に基づくシートベルト用リト
ラクターの分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの残
り部分の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に基づくシートベルト用リト
ラクターの縦断面正面図である。
【図4】(a) は図1に示したポールのセンサー側斜視図
であり、(b) は該ポールのリトラクター内側斜視図であ
る。
【図5】図3に示したシートベルト用リトラクターのV
−V断面矢視図である。
【図6】図3に示したシートベルト用リトラクターのV
I−VI断面矢視図である。
【図7】図3に示したシートベルト用リトラクターのウ
ェビングの引き出しロック動作を説明する為のVII−
VII断面矢視図である。
【図8】図3に示したシートベルト用リトラクターのウ
ェビングの引き出しロック動作を説明する為のVII−
VII断面矢視図である。
【図9】図8に示したポールの係合状態を説明する為の
要部拡大図である。
【図中の符号】
1 リトラクターベース 1a 側板 1b 側板 2 第1列の係合内歯 2a 側面 3 ボビン 4 内歯ラチェット 4a 係止孔 5 第2列の係合内歯 5a 側面 6 回転支軸 7 支軸 8 係止突起 11 回転支軸 12 支軸 13 フランジ部材 15 巻取りばね装置 16 ポール 16b 係合突起 16d 押圧突起 18 ラチェットホイール 19 支軸 20 揺動レバー部材 25 センサースプリング 26 ロックアーム 27 第1列の係合歯 27a 側面 29 第2列の係合歯 29a 側面 30 イナーシャプレート 34 ギアケース 34a 内歯ギア 35 センサーカバー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェビングを巻装する巻取軸の少なくと
    も一端に配設された係合部材が車両緊急時にリトラクタ
    ーベースの被係合部に係合して前記巻取軸のウェビング
    引出し方向の回転を阻止可能なロック手段を備えたシー
    トベルト用リトラクターであって、 前記被係合部が、前記リトラクターベースの巻取軸貫通
    穴に形成された第1列の係合内歯と、該巻取軸貫通穴に
    併設された被係合部材に形成されて前記第1列の係合内
    歯に対して周方向へ相対変位した第2列の係合内歯とを
    有し、 前記係合部材が、前記第1列及び第2列の係合内歯にそ
    れぞれ対応して係合可能な第1列及び第2列の係合歯を
    有していることを特徴とするシートベルト用リトラクタ
    ー。
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