JP3984061B2 - シートベルト用リトラクター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時等の車両の急激な加速度の変化に反応してウエビングの引き出しを抑えて乗員の前方移動を抑制する緊急ロック機構を起動させる緊急ロック起動装置を備えたシートベルト用リトラクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両等の座席に備えられるシートベルト装置は、ウエビングが緊急ロック装置を備えたリトラクターに巻き取られるように構成されている。そして、衝突時等においては、その衝撃力による急激な加速度の変化を感知して緊急ロック起動装置が作動し、緊急ロック装置がウエビングの巻装された巻取ドラムの回転を阻止することによりウエビングの引き出しを阻止し、乗員を拘束して保護するように構成されている。
【0003】
この種のシートベルト用リトラクターとして、例えば、実開昭57−157359号公報や実開平1−174268号公報に開示のものがあり、実開昭57−157359号公報に開示の装置においては、車両の急激な加速度に反応して揺動する慣性体と、慣性体に載置してその慣性体の揺動により上下動する上下動部材と、装置本体に揺動自在に支承されると共に前記上下動部材に載置されたパウルとを備え、シートベルトが巻き付けられたリールと一体的に取り付けられたラチェットホイールに揺動したパウルが係合することによりシートベルトの引き出しが停止される構造とされている。
【0004】
また、実開平1−174268号公報に開示の装置においては、ボックス内に車体の加減速度を感知して揺動するように支持された慣性振子と、慣性振子に接し揺動可能に軸支されたロックレバーと、ベルト巻取シャフトに一体的に取り付けられ揺動したロックレバーが噛合するカムホイールとを備え、カムホイールにロックレバーが噛合することによりシートベルトの引き出しが停止される構造とされている。そして、慣性振子の過度の飛び出しを防止すべく、ロックレバーの動作範囲を規制する手段を設けた構造とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実開昭57−157359号公報に開示の装置によれば、パウルの揺動中心がその略中間部に設けられているため、パウルのラチェットホイール係合側と反対側の非係合側端部がラチェットホイール係合側の端部を常にロック方向に揺動させる負荷となり、また、慣性体、上下動部材およびパウルはそれぞれ載置された構造であるため、慣性体の微かな揺動でもパウルが過剰に反応してロック方向に揺動してしまうため、ロック性能が安定しないおそれがあった。さらに、パウルの非係合側端部の揺動を規制する切欠孔をハウジングに形成した構造であり、構造が複雑となり、組み付け難く、作業効率が悪いという問題があった。
【0006】
また、上記実開平1−174268号公報に開示の装置のように、ロックレバーの動作範囲を規制するための部材をロックレバーに一体成形すると、ロックレバー自体の重量がかさみ、慣性振子に対するロックレバーの揺動反応が悪く、ロック性能が低くなる。これに対し、ロックレバーの動作範囲を規制するための部材をボックス側に備える構造とすれば、緊急ロック装置全体が大きくなってしまい、より多くの設置スペースが必要とされる問題がある。さらに、全体が大きくなることから、成形に使用する樹脂が多くなり、コスト高を招くという欠点もある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、良好なロック性能が安定して得られると共に、コンパクト化が図れるシートベルト用リトラクターの緊急ロック装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を達成するための技術的手段は、車両の急激な加速度の変化に反応してウエビングの引き出しを停止させるロック機構を起動させる緊急ロック起動装置を備えたシートベルト用リトラクターにおいて、緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度に反応して揺動する慣性質量体と、慣性質量体の上側に配置されると共に一方の端部に設けられた軸部がホルダーに回転可能に支承されかつ慣性質量体の揺動に従い前記軸部の軸心回りに回転してロック機構を起動させるセンサーレバーとを備え、センサーレバーの前記軸部外周面にガイド凹部が形成されると共に、前記ホルダーに前記ガイド凹部に遊挿されてセンサーレバーの回転範囲を規制する回転規制突片が突設され、前記慣性質量体の前記揺動により接触して押動される前記センサーレバーの接触部と、前記凹状部に配置された安息姿勢の慣性質量体との相互間に隙間が設けられている点にある。
【0010】
さらに、前記センサーレバーのロック機構を起動させる方向の最大回転位置におけるセンサーレバーと前記ホルダーとの相互間隙間が、前記慣性質量体よりも小さい構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記ホルダーを収容保持する保持ケースに、前記センサーレバーの前記最大回転位置到達前にセンサーレバーに接離自在に当接する回転ストッパー部が備えられた構造としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1および図2に示される如く、シートベルト用リトラクター1は、シートベルトとしてのウエビングが巻装されるアルミ材から形成された巻取ドラム2を備え、その軸心方向両端部には径方向に張出形成されたフランジ部2aを有している。その一方のフランジ部2a側に形成された結合孔部2bには、スチール材からなる結合体3が相対回転不能に圧入固定されている。
【0013】
そして、トーションバー4が巻取ドラム2内に嵌挿されて、その一端部が前記圧入固定された結合体3にスプライン結合され、ここに、トーションバー4と巻取ドラム2とが一端部で互いに相対回転不能に結合されている。また、トーションバー4の他端部には、スチール材からなるパウル5を外周面より出没自在に保持するアルミ材等からなるパウル保持体6がスプライン結合されている。
【0014】
さらに、パウル保持体6の一側面に突設された筒部6aは、巻取ドラム2内に嵌入され、筒部6aの外周面に形成された周方向の係合溝6bに、巻取ドラム2に装着された抜止めストッパー7が係止されて巻取ドラム2内から抜止め保持される構造とされている。
【0015】
巻取ドラム2はハウジング体9に回転自在に支持されており、ハウジング体9は、車体に固定される背板9aとその両側縁より互いに対向して延設された側板9bとを備えた平面視略コ字状に構成され、両側板9b間で巻取ドラム2が回転自在に支持されている。
【0016】
即ち、巻取ドラム2の一端部に固定された結合体3が、図示省略の支持構造によって一方の側板9bに回転自在に支持され、巻取ドラム2の他端部は、パウル保持体6を貫通して突出配置されたトーションバー4の支軸部4aにおける端部が、他方の側板9bに装着された保持ケースとしてのカバー体10に回転自在に支持されている。
【0017】
また、一方の側板9bには、巻取ドラム2をウエビングの巻取方向に常時、回動付勢すべく、結合体3を回動付勢する渦巻バネが適宜、装着されている。
【0018】
さらに、パウル保持体6が遊嵌される他方の側板9bの遊嵌孔内周面には、周方向全周にわたって前記パウル5が係脱自在に噛合する噛み合い歯9cが形成されており、パウル保持体6の外周面より突出するパウル5と噛み合い歯9cとが噛み合うことにより、ウエビング引出方向の巻取ドラム2の回転が阻止されるように構成されている。ここに、パウル5や噛み合い歯9c等によりウエビングの引き出しを停止させる緊急ロック機構が構成される。
【0019】
そして、ウエビングの急激な引き出しに反応して前記緊急ロック機構を起動させる第1のロック起動機構と、車両の急激な加速度の変化に反応して前記緊急ロック機構を起動させる第2のロック起動機構とが備えられている。
【0020】
前記第1のロック起動機構は、パウル保持体6の外側面側でその支軸部6cに支持された円板状のロッククラッチ体12と、ロッククラッチ体12にその偏心位置で揺動自在に支持されたロックアーム13と、カバー体10の内面側に筒状に突設されると共にその内周面に揺動したロックアーム13の先端係止部13aが係脱自在に係止される係止歯部14aが形成された係止筒部14とを備えている。
【0021】
なお、これらカバー体10、ロッククラッチ体12、ロックアーム13は本実施形態においては樹脂成形体で構成されている。
【0022】
また、ロッククラッチ体12には、ロックアーム13の揺動範囲を規制する揺動ストッパ12aが備えられると共に、コイルスプリング等からなる解除付勢バネ15がロッククラッチ体12とロックアーム13の基部間に装着され、ロックアーム13を係止解除方向に弾発付勢している。
【0023】
さらに、パウル5に突設された連動ピン5aがロッククラッチ体12に形成された細長状の突出ガイド溝12bに摺動自在に嵌合され、突出ガイド溝12bの連動ピン5aを、パウル5がパウル保持体6内に埋没状態となる位置に案内すべく弾発付勢するコイルスプリング等からなる戻しバネ16が、パウル保持体6とロッククラッチ体12間に装着されている。
【0024】
そして、通常は、ウエビングの引き出しによる巻取ドラム2の回転に伴ってトーションバー4およびパウル保持体6が回転する際、戻しバネ16の弾発力下、ロッククラッチ体12が同行回転される。
【0025】
また、ウエビングの巻き取り時には、パウル保持体6が回転する際、戻しバネ16の押動によりロッククラッチ体12が同行回転される。
【0026】
これに対し、ウエビングの急激な引き出し時には、上記のロッククラッチ体12の同行回転時に、ロックアーム13の回転が追従せず、解除付勢バネ15の付勢力に抗して回転方向後方側に遅れが生じ、ロックアーム13は係止方向に揺動され、係止部13aが径外方に突出して係止筒部14の係止歯部14aに係止し、ここに、ロッククラッチ体12の同行回転が停止される。
【0027】
そして、ロッククラッチ体12が停止すると、パウル保持体6の回転に伴って連動ピン5aは突出ガイド溝12b内を摺動移動する。この摺動移動に伴って、パウル5はパウル保持体6より径方向外方に突出移動され、ハウジング体9の側板9bに形成された噛み合い歯9cに噛合し、その後のパウル保持体6の回転が阻止され、ウエビングの引き出しが停止される。
【0028】
また、ウエビングの急激な引き出しが解除されると、解除付勢バネ15の付勢力によりロックアーム13は図2に示される初期の解除位置に復帰し、係止部13aと係止歯部14aとの係止状態が解除される。また、戻しバネ16の付勢力によりロッククラッチ体12はパウル保持体6に対して相対回転され、この回転により突出ガイド溝12b内の連動ピン5aは図2に示される初期位置に戻され、ここに、パウル5は初期の埋没状態に戻され、パウル5と噛み合い歯9cとの噛合が解除される。そして、ウエビングの引き出しや巻き取りが可能な初期状態に復帰する。
【0029】
前記第2のロック起動機構は、図3ないし図12にも示される如く、上面開放で、底面に下方向に漸次径小となる円すい凹状の凹状部18aを有する箱形の樹脂成形体からなるホルダー18と、ホルダー18の凹状部18aに載置状に配置されると共に所定値を超える加速度に反応して揺動する慣性質量体としてのスチール材等からなる球状体のセンサーウエイト19と、ホルダー18に回転可能に支承された樹脂成形体からなるセンサーレバー20とを備えている。
【0030】
センサーレバー20は、その一方の端部に軸部20aが設けられ、該軸部20aの軸心方向両端部にはそれぞれより細径に形成された支軸部20bが突設されている。そして、ホルダー18の一方の端部における両側部にそれぞれ上方突出状に形成された支持壁部18bの支持孔18cに、センサーレバー20の前記各支軸部20bがそれぞれ嵌合され、ここに、センサーレバー20はホルダー18に回転可能に支承されている。
【0031】
また、軸部20aにおける軸心方向中央部の外周面下部には、軸心方向に細長状で周方向に適宜幅を有する凹溝状のガイド凹部20cが形成され、ガイド凹部20cに対向する両支持壁部18b間のホルダー18上面には、ガイド凹部20cに遊挿される平板状の回転規制突片18dが突設されており、センサーレバー20の支軸部20b回りの回転による回転規制突片18dとガイド凹部20cの回転方向両側の対向面との当接により、センサーレバー20の回転範囲を図3に示される実線位置と仮想線位置との範囲に規制している。
【0032】
この際、仮想線位置で示される最大回転位置におけるセンサーレバー20とホルダー18の周壁部18eとの相互間隙間は、センサーウエイト19の直径よりも小さく構成されている。
【0033】
さらに、センサーレバー20には、凹状部18aに配置されたセンサーウエイト19の上部を覆うべく、椀状の上カバー部20dが備えられ、上カバー部20dにおける前記軸部20aと反対側の上面には、斜め上方に向けて突出するロック爪20eが突設されている。
【0034】
そして、図3に示される如く、センサーウエイト19が凹状部18aに位置した安息姿勢においては、センサーレバー20の初期位置である非回転位置で、上カバー部20d下面側の凹状の接触部20fとセンサーウエイト19外表面とは僅かの隙間を有した構造とされている。
【0035】
また、凹状部18aに載置状に配置されたセンサーウエイト19とその周囲を囲繞するホルダー18の周壁部18eとは、周方向全周にわたって適宜隙間を有しており、所定値を越える加速度によりセンサーウエイト19が凹状部18aより移動してその隙間の範囲で揺動可能に構成されている。そして、このセンサーウエイト19の揺動により上カバー部20dの接触部20fにセンサーウエイト19が接触してセンサーレバー20を上方に押動させるように構成されている。
【0036】
なお、ホルダー18の凹状部18aの中心部には下面に連通する通孔18fが形成されている。また、ホルダー18の両側側壁部には、カバー体10のホルダー収容部10aにホルダー18が収容された際、ホルダー収容部10aに形成された係止孔に係脱自在に抜止め係止される係止部18gがそれぞれ形成されている。
【0037】
そして、ホルダー18とセンサーレバー20間にセンサーウエイト19が介在された状態で、ホルダー18にセンサーレバー20が回転可能に支承され、この組み付けられたセンサーユニット22がホルダー収容部10aに収容係止されて、その蓋部10bが閉じられ、この状態で、ハウジング体9の一方の側板9bにカバー体10が装着されている。
【0038】
一方、ロッククラッチ体12の外周部には、係止筒部14の径外方に位置して外周面にラチェット12cが形成された筒状のラチェットホイール部12dが一体に形成されており、図12に仮想線で示される如く、センサーウエイト19の移動によって押動されたセンサーレバー20のロック爪20eが、ラチェットホイール部12dのラチェット12cに係脱自在に係止する構造とされている。
【0039】
また、このロック爪20eがラチェット12cに係止する際のセンサーレバー20の回転位置は、ガイド凹部20cと回転規制突片18dとで規制されている回転範囲の最大回転位置よりも手前に設定されている。さらに、カバー体10には、センサーレバー20のその最大回転位置到達前に接離自在に当接する回転ストッパー部10cが一体に形成されており、センサーウエイト19によって上方に押動されたセンサーレバー20のロック爪20eがラチェット12cに係止した際に、センサーレバー20の上カバー部20d上面が回転ストッパー部10cに当接してそれ以上の回転を規制する構造とされている。
【0040】
そして、通常の運転状態においては、所定値を越える加速度が生じないため、センサーウエイト19はホルダー18の凹状部18a上に配置された安息姿勢が維持されており、ロック爪20eとラチェット12cとは互いに離隔した状態が維持される。
【0041】
この場合、ロッククラッチ体12の回転は何ら規制されておらず、従って、ウエビングは引き出し可能状態で維持される。
【0042】
一方、車両の衝突や急ブレーキ等の緊急時における急激な加速度の変化が発生した場合には、その加速度の変化に反応して凹状部18a上よりセンサーウエイト19が揺動して移動し、このセンサーウエイト19の移動に伴ってセンサーレバー20がセンサーウエイト19により上方に押動され、センサーレバー20は支軸部20b回りに回転される。
【0043】
そして、センサーレバー20が上方に回転されてそのロック爪20eがラチェットホイール部12dのラチェット12cに係止されると、ロッククラッチ体12の回転が停止されるため、ウエビングに引出方向の負荷が作用すれば、戻しバネ16の付勢力に抗してパウル保持体6がウエビングの引出方向に回転する。
【0044】
このパウル保持体6の回転に伴って、パウル保持体6に保持されたパウル5の連動ピン5aが、突出ガイド溝12b内を摺動移動する。この摺動移動に伴って、パウル5はパウル保持体6より径方向外方に突出移動され、ハウジング体9の側板9bに形成された噛み合い歯9cに噛合し、その後のパウル保持体6の回転が阻止され、ウエビングの引き出しが停止される。ここに、緊急時における緊急ロック起動装置を構成する。
【0045】
また、急激な加速度の変化が解除されると、センサーウエイト19は重力作用により、ホルダー18のもとの安息位置である凹状部18a上に戻され、これに伴ってセンサーレバー20も下方に回転して初期位置に戻る。
【0046】
一方、ウエビングに作用する引出方向の負荷も解除されるため、戻しバネ16の付勢力等によりパウル保持体6はロッククラッチ体12に対して相対回転され、この回転により突出ガイド溝12b内の連動ピン5aは図2に示される初期位置に戻され、ここに、パウル5は埋没状態に戻され、パウル5と噛み合い歯9cとの噛合が解除される。そして、ウエビングの引き出しや巻き取りが可能な初期状態に復帰する。
【0047】
本実施形態は以上のように構成されており、センサーレバー20の一方の端部に設けられた軸部20aに形成されたガイド凹部20cと、ガイド凹部20cに遊挿されるホルダー18に設けられた回転規制突片18dとにより、センサーレバー20の回転範囲を規制する構造としているため、センサーレバー20にロック起動方向の余分な負荷が作用せず、センサーウエイト19の揺動やセンサーレバー20の回転動作がスムーズに行え、良好なロック性能が安定して得られる利点がある。
【0048】
また、センサーレバー20の軸部20aに切欠状のガイド凹部20cを形成する構造であり、センサーレバー20の軽量化が図れ、この点からもセンサーレバー20の回転動作が安定して得られ、ロック性能を向上させることができる。
【0049】
さらに、センサーレバー20をホルダー18のいわゆる箱形の形状内に収めることができる形状となり、センサーユニット22自体を不必要に大きくする必要がなく、省スペースに設計でき、コンパクト化が図れる。従って、ホルダー18やセンサーレバー20等の成形に使用される樹脂量も少なくて済み、製作コスト削減も図れる。
【0050】
さらに、ホルダー18の凹状部18a上にセンサーウエイト19が配置された安息姿勢において、センサーウエイト19によって押動されるセンサーレバー20の接触部20fとセンサーウエイト19との相互間に隙間が設けられた構造であるため、常時接触しておらず、車両の振動等によりセンサーウエイト19が僅かに揺動してもセンサーレバー20は回転せず、過剰な反応による無駄なロック機構のロック動作を有効に回避することができる。
【0051】
そして、センサーレバー20の非回転時においては、接触部20fとセンサーウエイト19との接触がないため、不必要な接触摩耗がなく、しかも、センサーレバー20とセンサーウエイト19との間に水分が長時間にわたって付着することが防止でき、センサーウエイト19の錆び付きも有効に防止でき、各部品の初期形状および初期状態を有効に維持でき、センサーユニット22を正常な状態で安定して待機させることができ、耐久性の向上が図れる。
【0052】
また、センサーウエイト19を収容保持するホルダー18の周壁部18eと、センサーレバー20との相互間隙間が、ロック機構を起動させる方向のセンサーレバー20の最大回転位置に置いてもセンサーウエイト19の直径よりも小さく構成されているため、センサーユニット22を組み付けた状態において、センサーウエイト19がホルダー18とセンサーレバー20との相互間から離脱せず、シートベルト用リトラクター1の組み付けやセンサーユニット22自体の組み付け後の持ち運びが容易に行え、作業効率がよいという利点がある。
【0053】
さらに、シートベルト用リトラクター1に組み付けられた状態においては、センサーレバー20の前記最大回転位置到達前にセンサーレバー20に接離自在に当接する回転ストッパー部10cがカバー体10に備えられた構造であり、ロック機構の起動時における負荷が回転規制突片18dに作用せず、回転規制突片18dの強度設計が容易となる利点がある。
【0054】
なお、慣性質量体として球状のセンサーウエイト19を示しているが、その他の形状の慣性質量体であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシートベルト用リトラクターによれば、緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度に反応して揺動する慣性質量体と、慣性質量体の上側に配置されると共に一方の端部に設けられた軸部がホルダーに回転可能に支承されかつ慣性質量体の揺動に従い軸部の軸心回りに回転してロック機構を起動させるセンサーレバーとを備え、センサーレバーの軸部外周面にガイド凹部が形成されると共に、ホルダーにガイド凹部に遊挿されてセンサーレバーの回転範囲を規制する回転規制突片が突設され、前記慣性質量体の前記揺動により接触して押動される前記センサーレバーの接触部と、前記凹状部に配置された安息姿勢の慣性質量体との相互間に隙間が設けられたものであり、センサーレバーにロック起動方向の余分な負荷が作用せず、慣性質量体の揺動やセンサーレバーの回転動作がスムーズに行え、また、センサーレバーの軽量化も図れ、良好なロック性能が安定して得られると共に、不必要に大きくする必要がなく、コンパクト化が図れる利点がある。
特に、慣性質量体の揺動により接触して押動されるセンサーレバーの接触部と、凹状部に配置された安息姿勢の慣性質量体との相互間に隙間が設けられているため、過剰な反応による無駄なロック機構のロック動作を回避することができると共に、各部品の初期形状および初期状態を有効に維持でき、長期にわたり正常な状態で安定して待機させることができ、耐久性の向上が図れる利点もある。
【0057】
さらに、センサーレバーのロック機構を起動させる方向の最大回転位置におけるセンサーレバーとホルダーとの相互間隙間が、慣性質量体よりも小さい構造とすれば、慣性質量体の不用意な離脱が有効に防止でき、組み付け後のユニットの持ち運びやシートベルト用リトラクターに対する組み付けが容易に行え、作業効率がよいという利点がある。
【0058】
また、ホルダーを収容保持する保持ケースに、センサーレバーの最大回転位置到達前にセンサーレバーに接離自在に当接する回転ストッパー部が備えられた構造とすれば、ロック機構の起動時における負荷が回転規制突片に作用せず、回転規制突片の強度設計が容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す部分断面正面図である。
【図2】同一部断面側面図である。
【図3】センサーユニットの側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の右側面図である。
【図6】ホルダーの断面図である。
【図7】同平面図である。
【図8】センサーレバーの断面図である。
【図9】同底面図である。
【図10】センサーユニットの分解斜視図である。
【図11】カバー体に対するセンサーユニットの組み付け説明図である。
【図12】要部の動作説明図である。
【符号の説明】
1 シートベルト用リトラクター
2 巻取ドラム
3 結合体
4 トーションバー
5 パウル
6 パウル保持体
9 ハウジング体
9c 噛み合い歯
10 カバー体
10c 回転ストッパー部
12 ロッククラッチ体
12c ラチェット
12d ラチェットホイール部
18 ホルダー
18a 凹状部
18b 支持壁部
18d 回転規制突片
19 センサーウエイト
20 センサーレバー
20a 軸部
20b 支軸部
20c ガイド凹部
20d 上カバー部
20e ロック爪
20f 接触部

Claims (3)

  1. 車両の急激な加速度の変化に反応してウエビングの引き出しを停止させるロック機構を起動させる緊急ロック起動装置を備えたシートベルト用リトラクターにおいて、
    緊急ロック起動装置は、底面に凹状部を有する箱形のホルダーと、ホルダーの凹状部に配置されると共に所定値を越える加速度に反応して揺動する慣性質量体と、慣性質量体の上側に配置されると共に一方の端部に設けられた軸部がホルダーに回転可能に支承されかつ慣性質量体の揺動に従い前記軸部の軸心回りに回転してロック機構を起動させるセンサーレバーとを備え、
    センサーレバーの前記軸部外周面にガイド凹部が形成されると共に、前記ホルダーに前記ガイド凹部に遊挿されてセンサーレバーの回転範囲を規制する回転規制突片が突設され、
    前記慣性質量体の前記揺動により接触して押動される前記センサーレバーの接触部と、前記凹状部に配置された安息姿勢の慣性質量体との相互間に隙間が設けられていることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
  2. 前記センサーレバーのロック機構を起動させる方向の最大回転位置におけるセンサーレバーと前記ホルダーとの相互間隙間が、前記慣性質量体よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクター。
  3. 前記ホルダーを収容保持する保持ケースに、前記センサーレバーの前記最大回転位置到達前にセンサーレバーに接離自在に当接する回転ストッパー部が備えられたことを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト用リトラクター。
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