JPH0958410A - シートベルトリトラクタ - Google Patents

シートベルトリトラクタ

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Publication number
JPH0958410A
JPH0958410A JP7214622A JP21462295A JPH0958410A JP H0958410 A JPH0958410 A JP H0958410A JP 7214622 A JP7214622 A JP 7214622A JP 21462295 A JP21462295 A JP 21462295A JP H0958410 A JPH0958410 A JP H0958410A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
reel shaft
rotation
lock gear
cam
Prior art date
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Pending
Application number
JP7214622A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Fujioka
藤岡和幸
Yuuichi Sawato
澤渡雄一
Tetsuya Maekawa
前川徹也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
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Publication date
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Publication of JPH0958410A publication Critical patent/JPH0958410A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンドロックの発生を確実に防止する。 【構成】リールシャフトに連動するカムプレート24の
ウェビング巻取り方向の回転により、カムフォロワ23
dがカム溝24aに案内されるので、揺動阻止部材23
のストッパ部23eが反時計方向に回動する。ウェビン
グの巻取り完了時には、このストッパ部23eが慣性体
15に当接し、慣性体15は非作動位置に保持されかつ
作動位置の方への揺動が阻止される。したがって、ウェ
ビングの巻取り完了時には、慣性体15が作動してその
係止爪15bがロックギヤ回動阻止用歯13bに係合す
るようなことはなく、ウェビングの巻取り完了時のエン
ドロックを確実に防止できる。また、カムプレート24
のウェビング引出し方向の回転によりウェビングが所定
量引き出されると、ストッパ部23eが慣性体15から
大きく離れ、慣性体15は自由に揺動可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に装備
され、乗員を保護するためのシートベルト装置に関し、
特に、緊急時にウェビングを巻き取るリールシャフトの
回転をロックしてウェビングの伸び出しを防止するシー
トベルトリトラクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に装備される従来のシー
トベルトリトラクタとして、例えば特開平5ー1934
41号公報に開示されているように、ウェビングを巻取
るリールシャフトの引き出し方向の回動を必要時にフレ
ームによって阻止するフレームロックタイプのシートベ
ルトリトラクタがある。
【0003】図18はこのシートベルトリトラクタの一
例を示す断面図であり、図19は図18におけるXIX-XI
X線に沿う断面図である。図中、101はシートベルトリト
ラクタ、102はコ字形フレーム、102aは左側壁、102bは
右側壁、102cは歯、103はリールシャフト、104はウェビ
ング、105はロックギヤ、105aは外歯、105b,105cはカム
孔、106はメインパウル、107はバックアップパウル、10
8はジョイントピン、109は慣性体、109aは係止爪、110
はカバー、110aは内歯、111は減速度感知手段、111aは
慣性ボール、111bはレバー、111cは係止爪、112は付勢
力付与手段である。
【0004】車両に所定値以上の大減速度が生じると、
慣性ボール111aが移動してレバー111bが二点鎖線の位置
に回動する。また、この減速度によりウェビング104が
引き出されるので、リールシャフト103およびロックギ
ヤ105がウェビング引出し方向αに回動する。このた
め、外歯105aがレバー111bの係止爪111cに係合し、ロッ
クギヤ105が停止し、リールシャフト103のみが回動す
る。その結果、メインパウル106がカム孔105bに案内さ
れて移動し左側壁102aの歯102cに噛み合うとともに、ジ
ョイントピン108がカム孔105cに案内されて回動するの
でバックアップパウル107が回動して右側壁102bの歯102
dに噛み合う。これにより、リールシャフト103の回動が
停止し、ウェビング104の伸び出しが阻止される。
【0005】一方、ウェビング104が急激に引き出され
ると、リールシャフト103およびロックギヤ105がウェビ
ング引出し方向αに急速に回動するのに対して、慣性体
109は慣性遅れを生じて二点鎖線の位置となる。この状
態で、更にリールシャフト103およびロックギヤ105がα
方向に回動すると、慣性体109の係止爪109aが歯110aに
係合するので、ロックギヤ105が停止し、リールシャフ
ト103のみが回動する。したがって、前述と同様にメイ
ンパウル106が歯102cに噛み合うとともに、バックアッ
プパウル107が歯102dに噛み合い、リールシャフト103の
回動が停止し、ウェビング104の伸び出しが阻止され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のシートベルトリトラクタ101においては、大減速
度時やウェビング104の急激な引出し時に、ウェビング1
04の伸び出し量をできるだけ小さい値に抑制するため
に、フレーム102に形成される歯102c,102dを比較的多く
設けているとともに、カバー110の内歯110aをこれらの
歯102c,102dの歯数と同数だけ設けている。
【0007】しかしながら、このような従来のシートベ
ルトリトラクタでは、付勢力付与手段112の付勢力によ
りウェビング104が最後まで巻き取られたとき、慣性体1
09が慣性により二点鎖線の位置に回動して歯110aに噛み
合い係合してしまい、ウェビング104を再び引き出すこ
とが不能となる、いわゆるエンドロックを発生すること
が多い。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、エンドロックの発生を確実
に防止することのできるシートベルトリトラクタを提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、付勢手段により付勢力により
ウェビングを巻き取るリールシャフトと、左右側壁を有
し、前記左右側壁にそれぞれ穿設された貫通孔を貫通す
る前記リールシャフトの両端を回動自在に支持するフレ
ームと、該フレームおよび前記リールシャフト間に配設
されて通常時前記リールシャフトの回動を許容し必要時
に作動して前記リールシャフトの少なくともウェビング
引出し方向の回動を阻止するロック手段と、前記ウェビ
ングを所定速度以上で急激に引出したとき作動するウェ
ビング引出し感知手段を有するとともに該ウェビング引
出し感知手段の作動により前記ロック手段を作動するロ
ック作動手段を備えているシートベルトリトラクタにお
いて、前記ロック作動手段が、前記リールシャフトに同
軸状にかつ相対回動可能に設けられるとともにこの相対
回動時に前記ロック手段を作動させるロックギヤと、前
記フレームに固設された所定数のロックギヤ回動阻止用
歯とを少なくとも備えており、前記ウェビング引出し感
知手段が、前記ロックギヤに、通常時前記ロックギヤ回
動阻止用歯に係合しない非作動位置と前記作動時に前記
ロックギヤ回動阻止用歯に係合して前記ロックギヤの少
なくともウェビング引出し方向の回動を阻止する作動位
置との間で揺動可能に設けられ、前記ロックギヤ回動阻
止用歯に係合する係止爪を有する慣性体を備え、更に、
前記ロック作動手段が、前記ロックギヤに設けられ、前
記ウェビングの巻取り完了時に前記慣性体を前記非作動
位置に保持して作動位置の方への揺動を阻止する揺動阻
止位置と前記ウェビングの所定量以上の引出し時に前記
慣性体の揺動を自由にする揺動自由位置との間で揺動可
能な揺動阻止手段と、揺動阻止手段を揺動する揺動手段
とを備えていることを特徴としている。
【0010】また請求項2の発明は、前記揺動手段が、
前記リールシャフトの回転に連動して回転し、カム溝を
有するカムプレートと、揺動阻止手段に設けられ、前記
カム溝に嵌合して案内されるカムフォロワとからなるカ
ム機構で構成されていることを特徴としている。
【0011】更に請求項3の発明は、前記カム溝が、前
記リールシャフトのウェビング巻取り方向の回転にした
がって揺動阻止手段を前記揺動自由位置から前記揺動阻
止位置へ揺動させる螺旋溝で形成されていることを特徴
としている。
【0012】更に請求項4の発明は、前記リールシャフ
トと前記カムプレートとの間に、前記リールシャフトの
回転を減速して前記カムプレートに伝達する減速機構が
配設されていることを特徴としている。
【0013】
【作用】このような構成をした本発明に係るシートベル
トリトラクタにおいては、ウェビングの巻取り完了時に
は、揺動阻止手段により慣性体は非作動位置に保持され
て作動位置の方への揺動が阻止されるようになる。した
がって、付勢手段の付勢力によりリールシャフトがウェ
ビングを巻取り完了まで巻き取ったときに、慣性体が作
動してその係止爪がロックギヤ回動阻止用歯に係合する
ようなことはなくなり、ウェビングを巻取り完了時にお
いてもリールシャフトは引出し方向に確実に回転するよ
うになる。これにより、ウェビングの巻取り完了時のエ
ンドロックを確実に防止できる。
【0014】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。図1ないし図2は本発明に係るシートベルト
リトラクタの一実施例を示す分解斜視図であり、図1は
その左側部分であり、図2はその右側部分である。そし
て、図1の線A1およびB1と図2の線A2およびB2とが
それぞれ整合することにより、この実施例の全体の分解
斜視図が構成される。また、図3および図4はこの実施
例のシートベルトリトラクタが組み立てられた状態を示
し、図3はカバーを取り外すとともに、一部のを断面を
とったシートベルトリトラクタの右側面図、図4は図3
におけるIVーIV線に沿う断面をとった正面図である。
【0015】図1ないし図4に示すように、この実施例
におけるシートベルトリトラクタ1はコ字形に形成され
たフレーム2を備えており、このフレーム2は連結部材
2cで互いに連結された右、左側壁2a,2bを有して
いる。右側壁2aおよび左側壁2bにはそれぞれ円形状
の孔2dおよび2eが形成されており、各孔2d,2e
の内周面には、それぞれ全周にわたって所定数の歯2f
…,2g…が形成されている。その場合、左側の歯2g
の位相が右側の歯2fの位相に対してウェビング引出し
方向αの方へ所定角度進んで設定されている。
【0016】図4に示すように、右、左側壁2a,2b
の孔2d,2e間にはウェビング3を巻き取るリールシ
ャフト4が架設されており、その右端の第1回転軸4a
が後述する第1歯車25の回転軸25aに相対回動不能
に嵌合されているとともに、その左端の第2回転軸4b
が左側壁2bに固定された付勢力付与手段5のカバー1
1に回転自在に支持されている。そして、このリールシ
ャフト4はウェビング3を右、左のガイドフランジ部4
c,4dでガイドしながら巻き取るようになっている。
【0017】図1および図4に示すように、左側壁2b
には、リールシャフト4にウェビング3の巻取り力を付
与する付勢力付与手段5が取り付けられている。更に、
図2ないし図4に示すように右側壁2aにはシートベル
トロック作動手段6が取り付けられているとともに、車
両に所定の減速度が作用したとき、その減速度を感知し
てシートベルトロック作動手段6を動作させる減速度感
知手段7が設けられている。
【0018】図1から明らかなように付勢力付与手段5
は、渦巻ばねからなるパワースプリング8、このパワー
スプリング8の内側端8aが連結されてばね力が加えら
れるブッシュ9、パワースプリング8の外側端8bが固
定されるとともにこのパワースプリング8を収容するス
プリングケース10、スプリングケース10に取り付け
られてパワースプリング8を覆うカバー11およびスプ
リングストッパー用の孔を塞ぐキャップ12から構成さ
れている。そして、リールシャフト4はスプリング8の
ばね力によりブッシュ9を介してウェビング3の巻取り
方向βに常時付勢されている。
【0019】一方、図2から明らかなようにシートベル
トロック作動手段6は、フレーム2の右側壁2aに固定
されるロックギヤ第1カバー13と、ロックギヤ14
と、このロックギヤ14に揺動可能に取り付けられる慣
性体15と、ロックギヤ14および慣性体15間に配設
されるコントロールばね16と、リールシャフト4の軸
方向の貫通孔4eを貫通するジョイントピン19と、右
側ガイドフランジ部4c側に配設されて、一端がジョイ
ントピン19に回動可能に嵌合支持され、他端に爪部1
7cを有し、係止部材を形成するメインパウル17と、
リールシャフト4およびメインパウル17間に縮設され
るパウルスプリング18と、左側ガイドフランジ部4d
側に配設されて、一端がジョイントピン19に相対回動
不能に連結され、他端に爪部20cを有し、係止部を形
成するバックアップパウル20と、フレーム2の右側壁
2aに嵌合支持されて、ロックギヤ第1カバー13、ロ
ックギヤ14、慣性体15、メインパウル17、ジョイ
ントピン19および減速度感知手段7を覆うロックギヤ
第2カバー21と、ロックギヤ14に回動可能に支持さ
れた揺動阻止部材23と、第1回転軸4aに相対回動可
能に遊嵌されたカムプレート24と、第1回転軸4aに
相対回動不能に固定された第1歯車25と、ロックギヤ
第1カバー13に回動可能に支持され、リールシャフト
4の回転である第1歯車25の回転を減速してカムプレ
ート24に伝達する第2歯車26とから構成されてい
る。
【0020】図5に示すように、ロックギヤ第1カバー
13は大きな環状の突出部13aを有しており、この突
出部13aの内周面には、本発明のロックギヤ回動阻止
用歯である所定数の歯13b,13b,…(図示例では3
0個)が全周にわたって等間隔に形成されている。ま
た、環状の突出部13aの中心には、第1歯車25の回
転軸25dを回転可能に支持する支持孔13cが穿設さ
れている。更に、ロックギヤ第1カバー13の下部に
は、減速度感知手段7を収容かつ固定する収容部13d
が図示と反対側の面に開口して設けられているととも
に、環状の突出部13a内で支持孔13cの近傍には、
第2歯車26を回転自在に支持するピン状の支持軸13
eが立設されている。
【0021】図6に示すように、ロックギヤ14は、円
形の平板部14aとこの平板部14aの外周端に形成さ
れた環状のフランジ14bとから構成されている。フラ
ンジ14bの外周面には所定数(図示例では、30個)
の歯14c,14c,…が等間隔に形成されている。ま
た、平板部14aには軸14dが立設されており、この
軸14dには後述するように慣性体15が揺動自在に支
持されるようになっている。
【0022】更に、平板部14aには第1ストッパ14
eおよび第2ストッパ14fが立設されているととも
に、平板部14aの中央には筒状の回転軸14gが軸方
向に立設されている。なお、この筒状の回転軸14gの
孔にはリールシャフト4の第1回転軸4aが貫通され、
この回転軸14gはこの第1回転軸4aを中心に相対回
転可能となっている。更に、平板部14aには、回転軸
14gに関して第1および第2ストッパ14e,14f
とほぼ反対側に揺動阻止部材23を揺動可能に支持する
ピン状の支持軸14hが立設されている。
【0023】更に平板部14aには、この平板部14a
を貫通する所定形状の第1、第2および第3カム孔14
i,14j,14kがそれぞれ穿設されている。第1カム
孔14iは回転軸14gを中心とする円弧として形成さ
れている。なお図6において、14m,14nはコント
ロールばね16の一端を支持するばね支持部、14o,
14pはパウルスプリング18の一端を支持するばね支
持部である。
【0024】図7に示すように、慣性体15は平板から
概略半円形状に形成されており、その中央に孔15aが
穿設されているとともに、一方の端部には係止爪15b
が形成されている。図3に示すようにこの慣性体15は
孔15aをロックギヤ14の軸14dに嵌合することに
より揺動自在にロックギヤ14に支持される。なお、1
5c,15dはコントロールばね16の他端が支持され
るばね支持部であり、15eは後述する揺動阻止部材2
3が当接するストッパ当接端である。この慣性体15
は、本発明のウェビング引出し感知手段を構成してい
る。
【0025】図3に示すように、コントロールばね16
は、慣性体15が軸14dに揺動自在に支持された状態
でばね支持部14m,14nとばね支持部15c,15d
との間に縮設されている。したがって、このコントロー
ルばね16のばね力により、慣性体15はロックギヤ1
4に対してウェビング引出し方向αに常時付勢されてい
て、通常時は実線で示すように第1ストッパ14eに当
接した位置に保持される。また、慣性体15がロックギ
ヤ14に対してウェビング巻取り方向βにコントロール
ばね15のばね力に抗して回転したとき二点鎖線で示す
ように第2ストッパ14fに当接した位置となる。
【0026】図3および図4に示すように、シートベル
トリトラクタ1を組み立てた状態では、ロックギヤ第1
カバー13の歯13bがロックギヤ14の環状のフラン
ジ14bの内側で、このフランジ14bと慣性体15と
の間に位置する。そして、慣性体15が通常時には図3
に実線で示す第1ストッパ14eに当接した位置に保持
されているので、係止爪15bは歯13bから離れた非
係合位置に保持されている。また、慣性体15が図3に
二点鎖線で示す第2ストッパ14fに当接した位置にあ
るときは、係止爪15bは歯13bとの係合位置とな
る。
【0027】係止爪15bがこの係合位置にある時にロ
ックギヤ14がウェビング引出し方向αに回転すると、
係止爪15bが歯13bと係合し、ロックギヤ14はそ
れ以上のウェビング引出し方向αの回転が阻止されるよ
うになっている。
【0028】図8(a)ないし(c)に示すように、メ
インパウル17は、その一端に貫通孔17aを有するボ
ス部17bが形成されているとともに、他端には爪部1
7cが形成されており、更にこの爪部17cの先端に
は、フレーム2の右側壁2aの歯2fに係合可能な歯1
7dが形成されている。そして、図9(a)に示すよう
にメインパウル17はボス部17bが貫通孔14iを貫
通するジョイントピン19に嵌合されて、このジョイン
トピン19を中心にリールシャフト4の右側ガイドフラ
ンジ部4cに対して実線で示す非係合位置と点線で示す
係合位置との間で揺動自在に設けられている。メインパ
ウル17の非係合位置では、その先端の歯17dがガイ
ドフランジ部4cの外周面から完全に内側に位置してフ
レーム2の右側壁2aの歯2fに係合しない位置とな
り、また係合位置では歯17dが右側ガイドフランジ部
4cの外周面から外側に突出して歯2fに係合する位置
となる。
【0029】更に、メインパウル17の爪部17cには
円柱状のカムフォロワ17eが突設されており、このカ
ムフォロワ17eはロックギヤ14の第3カム孔14k
に嵌入され、かつこの第3カム孔14kに沿って案内さ
れるようになっている。
【0030】パウルスプリング18は、その一端がロッ
クギヤ14のばね支持部14o,14pに支持されると
ともにその他端がリールシャフト4の右側フランジ部4
cのばね支持部4fに支持されて、リールシャフト4と
ロックギヤ14との間に縮設されている。したがって、
このパウルスプリング18はロックギヤ14をリールシ
ャフト4に対してウェビング引出し方向αに常時付勢し
ている。すなわち、このパウルスプリング18の付勢力
により、メインパウル17はロックギヤ14のカム孔1
4kおよびカムフォロワ17eを介して通常時非係合位
置に設定されている。
【0031】図10に示すように、ジョイントピン19
はその本体19aが断面円形状に形成されており、本体
19aの同図(a)において右端には、本体19aに対
して直角に延びる腕19bが形成されている。この腕1
9bの先端には、断面円形のカムフォロワ19cが設け
られている。このカムフォロワ19cはロックギヤ14
の第2カム孔14j内に嵌入されて、この第2カム孔1
4jに案内されるようになっている。また本体19aの
他端には、断面矩形状の軸部19dが形成されており、
この軸部19dは後述するバックアップパウル20の一
端に形成された孔に相対回動不能に嵌入されるようにな
っている。したがって、カムフォロワ19cが第2カム
孔14jに案内されて腕19bが回動したとき、本体1
9aが回転し、この本体19aの回転がバックアップパ
ウル20に伝達されて、バックアップパウル20が第2
カム孔14jに案内されるカムフォロワ19cの動きに
応じて回動するようになる。
【0032】図11に示すように、バックアップパウル
20は、その一端には断面矩形状の貫通孔20aを有す
るボス部20bが形成されているとともに、他端には爪
部20cが形成されており、更にこの爪部20cの先端
には、フレーム2の左側壁2bの歯2gに係合可能な歯
20dが形成されている。そして、ボス部20bの貫通
孔20aにジョイントピン19の軸部19dが相対回転
不能に嵌合固定される。したがって、バックアップパウ
ル20はジョイントピン19を中心にリールシャフト4
の左側ガイドフランジ部4dに対して実線で示す非係合
位置と点線で示す係合位置との間で揺動自在に設けられ
ている。バックアップパウル20の非係合位置では、そ
の先端の歯20dがガイドフランジ部4dの外周面から
完全に内側に位置してフレーム2の左側壁2bの歯2g
に係合しない位置となり、また係合位置では歯20dが
ガイドフランジ部4dの外周面から外側に突出して歯2
gに係合する位置となる。
【0033】メインパウル17とバックアップパウル2
0とは、第1ないし第3カム孔14i,14j,14k、
ジョイントピン19の本体19aおよびカムフォロワ1
7e,19cにより、リールシャフト4がロックギヤ1
4に対してα方向へ相対的に回動すると、最初にメイン
パウル17の係止爪17dが右側壁2aの歯2fに係合
開始した後、遅れてバックアップパウル20の係止爪2
0dが左側壁2bの歯2gに係合開始し、係止爪17d
が歯2fに係合完了した後、遅れて係止爪20dが歯2
gに係合完了するようになっている。これにより、メイ
ンパウル17と歯2fとの係合およびバックアップパウ
ル20と歯2gとの係合の少なくともいずれか一方に係
合不良を生じることがなく、それらの係合が確実に行わ
れるようになる。これらのメインパウル17、バックア
アップパウル20およびフレーム2の歯2f,2gによ
り、本発明のロック手段が構成されている。
【0034】図12(a)ないし(c)に示すように、
揺動阻止部材23は、支持軸14hに回転可能に嵌合さ
れる孔23aを有する回転軸部23bと、この回転軸部
23bと放射方向に延設された腕部23cと、この腕部
23cの先端に回転軸部23bと平行に立設されたカム
フォロワ23dと、回転軸部23bから立設されたL字
状のストッパ部23eとを備えている。後述するよう
に、カムフォロワ23dはカムプレート24のカム溝に
案内され、またストッパ部23eの先端23fは円弧状
に形成されて慣性体15に当接可能となっている。
【0035】図13(a)および(b)に示すように、
カムプレート24は、一面側に形成され揺動阻止部材2
3のカムフォロワ23dが嵌入されかつこのカムフォロ
ワ23dを案内する螺旋状のカム溝24aと、他面側に
設けられた歯24bを有する第3歯車24cとを備えて
いる。螺旋状のカム溝24aは、同図(a)において下
半部の部分が第1中心O1を中心とする同心状の所定数
の半円と上半部の部分が第1中心O1から偏心した第2
中心O2を中心とする同心状の所定数の半円とから、連
続的に螺旋状となるように形成されている。その場合、
カム溝24aの外側端24dと内側端24eとは第1中
心O1に関し互いに反対側に位置するように設けられて
いる。
【0036】そして、揺動阻止部材23とカムプレート
24とは、図14(a)に示すようにカムフォロワ23
dがカム溝24aの内側端にあるときは、ウェビング3
が最大に引き出された状態であり、揺動阻止部材23の
ストッパ部23eが慣性体15から大きく離れた位置、
すなわちストッパ部23eの先端23fが慣性体15の
ストッパ当接端15eに当接不能な位置となるように設
定されている。揺動阻止部材23のこの位置は本発明の
揺動自由位置に相当し、慣性体15が非係合位置と係合
位置との間で自由に揺動可能となっている。
【0037】また揺動阻止部材23とカムプレート24
とは、同図(b)に示すようにカムフォロワ23dがカ
ム溝24aの最外周部24g(図13(b)に図示)にあ
るときは、シートベルトの非装着時においてリトラクタ
によるウェビング3の巻取りが完了した状態であり、揺
動阻止部材23のストッパ部23eが慣性体15の最も
近接した位置、すなわちストッパ部23eの先端23f
が非係合位置にある慣性体15のストッパ当接端15e
に当接する位置となるように設定されている。揺動阻止
部材23のこの位置は本発明の揺動阻止位置に相当し、
慣性体15の非係合位置から係合位置への揺動が不能と
なり、慣性体15が係合位置へ揺動することは確実に阻
止される。
【0038】揺動阻止部材23は、カムフォロワ23d
が第1中心O1を中心とする同心状の所定数の半円(同
図(a)において下半部の部分)からなるカム溝24aに
あるときは揺動しなく、揺動阻止部材23が一定の姿勢
に保持されるようになる。また、揺動阻止部材23は、
カムフォロワ23dが第2中心O2を中心とする同心状
の所定数の半円(同図(a)において上半部の部分)から
なるカム溝24aにあるときは、図14(a)に示すス
トッパ部23eの先端23fが慣性体15のストッパ当
接端15eに当接しない位置と同図(b)に示すストッ
パ部23eの先端23fが慣性体15のストッパ当接端
15eに当接する位置との間で揺動する。また、後述す
る第1歯車25の支持軸25aに回転可能に嵌合される
貫通孔24fが第1中心O1を中心として穿設されてい
る。
【0039】図15に示すように、第1歯車25は、カ
ムプレート24cに回転可能に嵌入される支持軸25a
と、この支持軸25aに隣接して設けられ所定数の歯2
5bを有する歯車部25cと、この歯車部25cに隣接
して設けられ、13に回転自在に支持される回転軸25
dと、リールシャフト4の第1回転軸4aに相対回転不
能に嵌合固定される軸方向孔25eとを備えている。す
なわち、第1歯車25はリールシャフト4の回転ととも
に回転するようになっている。
【0040】図16に示すように、第2歯車26は、第
1歯車25cの歯25bと噛み合う歯26aを有する大
径歯車部26bと、第3歯車24cの歯24bと噛み合
う歯26cを有する小径歯車部26dと、ロックギヤ第
1カバー13の支持軸13eに回転可能に嵌合される軸
方向孔26eとを備えている。第1歯車25、第2歯車
26および第3歯車24cにより、リールシャフト4の
回転を減速してカムプレート24に伝達する減速歯車機
構が構成されている。
【0041】図3に示すように、減速度感知手段7は、
フレーム2の右側壁2aに固定されたケース7aと、後
端がこのケース7aに回動自在に支持されるとともに前
端にロックギヤ14の歯14cに係合可能な係止爪7b
を有するレバー7cと、ケース7aに収容され、通常時
には実線で示す状態にあるとともに、車両に所定以上の
減速度が生じたとき二点鎖線の位置に揺動してレバー7
cを上方へ押し上げて二点鎖線で示す係合位置にする慣
性体7dとを備えている。
【0042】なお図1において、22は右、左側壁2
a,2b間に架設され、ウェビング3の引出し量および
巻取り量に応じて移動してウェビング3を案内するウェ
ビングガイドである。
【0043】次に、このように構成された本実施例のリ
トラクタの作用について説明する。 [車両に所定値以上の減速度が作用しない通常状態]こ
の状態では、減速度感知手段7の慣性体7dが前方へ傾
動しないので、レバー7cは図3に示す実線位置にあ
り、係止爪7bはロックギヤ14の歯14cから離れた
非係合位置にある。また、同様に慣性体15の係止爪1
5b、メインパウル17およびバックアップパウル20
もそれぞれ図3に示すように非係合位置にある。
【0044】したがって、この状態ではシートベルトリ
トラクタ1はおもに付勢力付与手段5の作用が行われ
る。すなわち、この付勢力付与手段5のパワースプリン
グ8のばね力により、リールシャフト4はウェビング巻
取り方向βに付勢され、ウェビング3が巻き取られる。
【0045】(シートベルトの非装着状態)この状態で
は、ウェビング3に取り付けられているタング(不図
示)とバックル部材(不図示)とが離れている。したが
って、前述のようにパワースプリング8のばね力により
ウェビング3が巻き取られるとともに、その巻取りが完
了した状態となっている。この状態ではウェビング巻取
り量が最大となっている。
【0046】また、この状態では、図14(b)に示す
ように揺動阻止部材23のカムフォロワ23dが最外周
のカム溝24gにあり、揺動阻止部材23のストッパ部
23eの先端23fが慣性体15のストッパ当接端15
eに当接して、慣性体15は係合位置への揺動が阻止さ
れて、非係合位置に保持される。
【0047】(ウェビングを引き出すときの状態)シー
トベルトを装着するために乗員がウェビング3を引き出
すと、これにともないリールシャフト4およびブッシュ
9がパワースプリング8のばね力に抗してウェビング引
出し方向αへ回転する。
【0048】リールシャフト4の回転が第1歯車25、
第2歯車26および第3歯車24cにより減速されてカ
ムプレート24に伝達され、カムプレート24がウェビ
ング引出し方向αへゆっくりとへ回転する。このカムプ
レート24の回転により、カムフォロワ23dがカム溝
24aに案内されてゆっくりと内側の方へ移動する。こ
れにより、移動阻止部材23が図14(b)において反
時計方向にゆっくりと回動し、ストッパ部23eの先端
23fが慣性体15のストッパ当接端15eから離れ
る。これにより、慣性体15は非係合位置と係合位置と
の間で揺動可能となる。ウェビング3がその最大限引出
し量の少し手前まで引き出されて、カムフォロワ23d
が第1中心O1を中心とする半円からなるカム溝24a
のうちの最内側のカム溝24h(図13(a)に図示)内
に進入すると、移動阻止部材23は反時計方向に最大に
回動して図14(a)に示す位置となり、ストッパ部2
3eの先端23fが慣性体15のストッパ当接端15e
から大きく離れた状態となる。なお、ウェビング3が更
にその最大限引出し量まで引き出されると、図14
(a)に示すようにカムフォロワ23dがカム溝24a
の内側端24eに位置する。
【0049】(タングとバックル部材との結合後、ウェ
ビングから手を離したときの状態)乗員がタングとバッ
クル部材とを結合した時点では、ウェビング3は正規の
装着状態のときの引出し長さよりも余分に引き出された
状態となっているので、乗員が結合操作後にウェビング
3を離すと、パワースプリング8のばね力によってウェ
ビング3は乗員の体にフィットするまで巻き取られる。
このとき、ウェビング3により乗員に圧迫感を与えない
ように、パワースプリング8のばね力が適宜決定されて
いる。この状態では、ストッパ部23eの先端23fが
慣性体15のストッパ当接端15eから離れて、慣性体
15は非係合位置と係合位置との間で自由に揺動可能と
なっている。
【0050】そして車両走行中は、車両に所定値以上の
減速度が作用しない限り、シートベルトリトラクタ1は
この状態を保持しているが、乗員の通常の前方移動では
ウェビング3が自由に引き出されるので、乗員は着座姿
勢等を自由に調整することができる。
【0051】(ウェビングを巻き取るときの状態)乗員
がタングとバックル部材との結合解除後にウェビング3
を離すと、パワースプリング8のばね力によってリール
シャフト4が巻取り方向βに回転し、ウェビング3が巻
き取られる。このとき、揺動阻止部材23はカムプレー
ト24のカム溝24aに案内されるので、図14(a)
において反時計方向に回動する。リールシャフト4が巻
取りを完了する少し手前までウェビング3を巻き取った
状態となると、カムフォロワ23dがカム溝24aの最
外周部24gの少し手前のカム溝24i(図13(a)に
図示)に位置するようになる。この状態では、揺動阻止
部材23のストッパ部23eの先端23fが慣性体15
のストッパ当接端15eに当接するようになる。リール
シャフト4がウェビング3を更に巻き取ると、揺動阻止
部材23はカムフォロワ23dがカム溝24iに案内さ
れて更に反時計方向に若干回動するので、ストッパ部2
3eが慣性体15のストッパ当接端15eを若干押し上
げ、慣性体15を第1ストッパ14eに当接した非係合
位置に保持する。
【0052】一方、このときにはカムフォロワ23dが
カム溝24aの最外周部24gに進入するようになる。
このため、リールシャフト4が巻取り完了まで更に回動
したとき、揺動阻止部材23は更に揺動することはな
く、慣性体15を非係合位置に保持する位置に保持され
る。したがって、リールシャフト4によるウェビング3
の巻取りが完了した時点では、慣性体15が係合位置に
回動することはなく、エンドロックが防止される。
【0053】[車両に所定値以上の減速度が作用したと
きの状態]車両走行中、急ブレーキ等により車両に所定
値以上の減速度が作用すると、シートベルトロック作動
手段6および減速度感知手段7がともに動作する。まず
第1段階として、減速度感知手段7の慣性体7dが慣性
により前方に(図3の二点鎖線で示す位置)移動する。
一方、車両のこの所定値以上の減速度により乗員が前方
へ移動しようとするため、ウェビング3が引き出される
が、このウェビング3の引出しにより、リールシャフト
4およびロックギヤ14がともに引き出し方向αへ回動
しようとする。しかし、ロックギヤ14の歯14cがす
ぐに係止爪7bに係合するので、ロックギヤ14の引き
出し方向αへの回動がすぐに停止する。この結果、リー
ルシャフト4がロックギヤ14に対して引き出し方向α
へ相対回動する。
【0054】リールシャフト4のこの相対回動により、
メインパウル17がリールシャフト4に対してβ方向に
相対回動して歯2fに係合し、その後若干遅れてバック
アップパウル20がリールシャフト4に対してβ方向に
相対回動して歯2gに係合する。これにより、リールシ
ャフト4はウェビング引出し方向αの回動が阻止され、
慣性により乗員が前方へ移動しようとすることによって
生じるウェビング3の引出しが確実に阻止される。その
結果、乗員は確実に拘束されて前方移動が阻止され、保
護されるようになる。
【0055】[ウェビングに急激に引出し力が作用した
ときの状態]この状態ではウェビング3が急激に引き出
されるようになるため、リールシャフト4、ロックギヤ
14および慣性体15がウェビング引出し方向αへ急激
に回動しようとする。このとき、コントロールばね16
のばね力がそれほど大きくないので、コントロールばね
16が縮むので、慣性体15は慣性遅れを生じ、図3に
二点鎖線で示すように係止爪15bが第2ストッパ14
fに当接する係合位置に移動してロックギヤ第1カバー
13の歯13bに係合する。このため、慣性体15およ
びロックギヤ14のウェビング引出し方向αの回転が阻
止されて、リールシャフト4のみがウェビング引出し方
向αへ回転する。これにより、リールシャフト4がロッ
クギヤ14に対してα方向へ相対回動する。
【0056】このリールシャフト4の相対回動により、
前述の車両に所定値以上の減速度が作用したときと同様
にメインパウル17が回動して歯2fに係合し、その後
遅れてバックアップパウル20が歯2fに係合する。こ
れにより、ウェビング3の引出しが阻止され、乗員は確
実に拘束、保護される。
【0057】ところで、本実施例によれば、シートベル
トの装着解除するためタングとバックル部材との係合を
解除すると、前述のようにパワースプリング8のばね力
によりウェビング3が巻き取られるが、その巻取りが完
了した時点では、図14(b)に示すように揺動阻止部
材23のストッパ部23eの先端23fが慣性体15の
ストッパ当接端15eに当接する。このため、慣性体1
5の係合位置への揺動が阻止されるので、ウェビング3
の巻取り完了時のエンドロックが確実に防止されるよう
になる。
【0058】図17(a)および(b)は、それぞれ本
発明におけるカム溝の他の変ケーシング例を示す図であ
る。なお、前述の実施例と同じ構成要素には同じ符号を
付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0059】前述の実施例の図13(a)に示すカム溝
24aは、螺旋径の減少率が小さく2回半の比較的長い
溝とされているが、図17(a)に示すカム溝24a
は、螺旋径の減少率が比較的大きくされていて、揺動阻
止部材23のストッパ部23eが慣性体15の係合位置
と非係合位置との間の揺動を自由にする位置となるまで
にほぼ1回の比較的短い溝とされている。そして、カム
溝24aはこの揺動阻止部材23の揺動を自由にする位
置ではカムプレート24の回転中心、すなわち第1中心
1を中心とした円形溝24jに形成されている。そし
て、この場合には揺動阻止部材23がばね等の適宜の付
勢手段で図17(a)において反時計方向(矢印方向)
に常時軽く付勢されている。したがって、揺動阻止部材
23は慣性体15の揺動を自由にする位置(図14(a)
に示す位置)と慣性体15の揺動を阻止する位置(図1
4(b)に示す位置)との間で比較的速く揺動するように
なる。
【0060】この変形例によれば、カム溝24aが短く
なって加工が容易となる。また、揺動阻止部材23が慣
性体15の揺動を自由にする位置では、カム溝24aは
円形溝24jとされているので、カム溝24aが短くな
ってもウェビング3の最大引出し量を自由に設定するこ
とができる。
【0061】また、揺動阻止部材23が慣性体15の揺
動を自由にする位置でのカム溝24aを円形溝24jと
するのに代えて、図17(b)に示すように単純な円形
の凹嵌部24kとすることもできる。この凹嵌部24k
も円形溝24jと同様の作用効果を奏する。
【0062】なお、本発明は、図1及び図2に示すタイ
プのシートベルトリトラクタに限定されるものではな
く、ロックギヤ14、慣性体15およびロックギヤ回動
阻止用歯13bを有するシートベルトリトラクタであれ
ば、従来のどのようなシートベルトリトラクタにも、本
発明を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るシートベルトリトラクタによれば、ウェビングの
巻取り完了時には、揺動阻止部材により慣性体の作動位
置への揺動を阻止するようにしているので、ウェビング
の巻取り完了時のエンドロックを確実に防止できる。
【0064】特に、請求項2および3の発明によればカ
ム機構を用いているので、構造が簡単であり揺動阻止部
材の作動を確実に行わせることができるとともに、安価
に形成することができる。
【0065】更に、請求項4の発明によればリールシャ
フトの回転をカムプレートに減速して伝達しているの
で、カム溝が短くて済み、しかもカムプレートの回転が
少ない割には揺動阻止部材の揺動阻止位置と揺動自由位
置との間の揺動を確実に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシートベルトリトラクタの一実
施例を分解斜視的に示し、その左側部分を示す分解斜視
図である。
【図2】 図1に示す実施例の右側部分を示す分解斜視
図である。
【図3】 この実施例のシートベルトリトラクタの組立
状態を示し、カバーを取り外した状態のシートベルトリ
トラクタの左側面図である。
【図4】 この実施例のシートベルトリトラクタの組立
状態を示し、図3におけるIVーIV線に沿う断面図であ
る。
【図5】この実施例に用いられるロックギヤ第1カバー
を示す左側面図である。
【図6】この実施例に用いられるロックギヤを示す図で
ある。
【図7】この実施例に用いられる慣性体を示す図であ
る。
【図8】この実施例に用いられるメインパウルを示し、
(a)はその左側面図、(b)はその正面図、(c)は
その右側面図である。
【図9】この実施例のメインパウルおよびバックアップ
パウルの取付状態を示し、(a)はメインパウルの取付
状態を示す図、(b)はバックアップパウルの取付状態
を示す図である。
【図10】この実施例に用いられるジョイントピンを示
し、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるXBー
XB線に沿う断面図、(c)はその左側面図である。
【図11】この実施例に用いられるバックアップパウル
を示し、(a)はその左側面図、(b)はその正面図、
(c)はその右側面図である。
【図12】この実施例に用いられる揺動阻止部材を示
し、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるXIIB
-XIIB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるXIIC方
向から見た図である。
【図13】この実施例に用いられるカムプレートを示
し、(a)はその正面図、(b)は(a)におけるXIII
B-XIIIB線に沿う断面図である。
【図14】この実施例における揺動阻止部材の動作を説
明し、(a)は慣性体を自由に揺動自在にした状態を示
す図、(b)は慣性体を揺動不能にして非係合位置に保
持した状態を示す図である。
【図15】この実施例に用いられる第1歯車を示し、
(a)は正面図、(b)は(a)におけるXVB-XVB線に
沿う断面図である。
【図16】この実施例に用いられる第2歯車を示し、
(a)は正面図、(b)は(a)におけるXVIB-XVIB線
に沿う断面図である。
【図17】(a)は本発明におけるカム溝の変形例を示
し、(b)は他の変形例を示す図である。
【図18】従来のシートベルトリトラクタを示す側面図
である。
【図19】図18におけるXIX-XIX線に沿う断面図であ
る。
【符号の説明】
1…シートベルトリトラクタ、2…フレーム、2a…右
側壁、2b…左側壁、2f,2g…歯、3…ウェビン
グ、4…リールシャフト、5…付勢力付与手段、6…シ
ートベルトロック作動手段、7…減速度感知手段、13
…ロックギヤ第1カバー、13b…歯、13e…支持
軸、14…ロックギヤ、14h…支持軸、15…慣性
体、15b…係止爪、15e…ストッパ当接端、17…
メインパウル、19…ジョイントピン、20…バックア
ップパウル、23…揺動阻止部材、23d…カムフォロ
ワ、23e…ストッパ部、23f…先端、24…カムプ
レート、24a…螺旋状の溝、24c…第3歯車、25
…第1歯車、26…第2歯車

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付勢手段により付勢力によりウェビング
    を巻き取るリールシャフトと、左右側壁を有し、前記左
    右側壁にそれぞれ穿設された貫通孔を貫通する前記リー
    ルシャフトの両端を回動自在に支持するフレームと、該
    フレームおよび前記リールシャフト間に配設されて通常
    時前記リールシャフトの回動を許容し必要時に作動して
    前記リールシャフトの少なくともウェビング引出し方向
    の回動を阻止するロック手段と、前記ウェビングを所定
    速度以上で急激に引出したとき作動するウェビング引出
    し感知手段を有するとともに該ウェビング引出し感知手
    段の作動により前記ロック手段を作動するロック作動手
    段を備えているシートベルトリトラクタにおいて、 前記ロック作動手段は、前記リールシャフトに同軸状に
    かつ相対回動可能に設けられるとともにこの相対回動時
    に前記ロック手段を作動させるロックギヤと、前記フレ
    ームに固設された所定数のロックギヤ回動阻止用歯とを
    少なくとも備えており、 前記ウェビング引出し感知手段は、前記ロックギヤに、
    通常時前記ロックギヤ回動阻止用歯に係合しない非作動
    位置と前記作動時に前記ロックギヤ回動阻止用歯に係合
    して前記ロックギヤの少なくともウェビング引出し方向
    の回動を阻止する作動位置との間で揺動可能に設けら
    れ、前記ロックギヤ回動阻止用歯に係合する係止爪を有
    する慣性体を備え、 更に、前記ロック作動手段は、前記ロックギヤに設けら
    れ、前記ウェビングの巻取り完了時に前記慣性体を前記
    非作動位置に保持して作動位置の方への揺動を阻止する
    揺動阻止位置と前記ウェビングの所定量以上の引出し時
    に前記慣性体の揺動を自由にする揺動自由位置との間で
    揺動可能な揺動阻止手段と、揺動阻止手段を揺動する揺
    動手段とを備えていることを特徴とするシートベルトリ
    トラクタ。
  2. 【請求項2】 前記揺動手段は、前記リールシャフトの
    回転に連動して回転し、カム溝を有するカムプレート
    と、揺動阻止手段に設けられ、前記カム溝に嵌合して案
    内されるカムフォロワとからなるカム機構で構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリト
    ラクタ。
  3. 【請求項3】 前記カム溝は、前記リールシャフトのウ
    ェビング巻取り方向の回転にしたがって揺動阻止手段を
    前記揺動自由位置から前記揺動阻止位置へ揺動させる螺
    旋溝で形成されていることを特徴とする請求項2記載の
    シートベルトリトラクタ。
  4. 【請求項4】 前記リールシャフトと前記カムプレート
    との間に、前記リールシャフトの回転を減速して前記カ
    ムプレートに伝達する減速機構が配設されていることを
    特徴とする請求項2または3記載のシートベルトリトラ
    クタ。
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