JP2004074111A - 排液処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液を独立栄養性脱窒微生物により脱窒する生物学的排液処理方法において、モリブデンを共存させる排液処理方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液を生物学的に浄化する排液処理方法に関し、さらに詳しくは独立栄養性脱窒微生物によりアンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液を生物学的に浄化する排液処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排液中に含まれるアンモニア性窒素は河川、湖沼および海洋などにおける富栄養化の原因物質の一つであり、排液処理工程で効率的に除去する必要がある。一般に、排液中のアンモニア性窒素は硝化工程と脱窒工程の2段階の生物反応によって窒素ガスにまで分解される。具体的には、硝化工程でアンモニア性窒素がアンモニア酸化細菌によって亜硝酸性窒素に酸化され、この亜硝酸性窒素が亜硝酸酸化細菌によって硝酸性窒素に酸化される。次に脱窒工程でこれらの亜硝酸性窒素および硝酸性窒素が従属栄養性細菌である脱窒菌により、有機物を電子供与体として利用しながら窒素ガスにまで分解される。
【0003】
このような従属栄養性の脱窒菌を利用する従来の生物学的窒素除去では、脱窒工程において電子供与体としてメタノールなどの有機物を多量に必要とし、また硝化工程では多量の酸素が必要である。このため、従来の生物学的窒素除去はランニングコストが高い。
【0004】
ところで近年、独立栄養性の脱窒微生物群を利用した新しい脱窒方法が知られている(例えばFEMS Microbiology Letters, 16(1995), p177−184; Microbiology, 142(1996), p2187−2196; Wat. Res., 31(1997), p1955−1962)。これらの独立栄養性脱窒微生物はアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を直接窒素ガスに変換させる微生物であり、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体として、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを反応させて脱窒する。独立栄養性脱窒微生物を利用する脱窒方法ではメタノールなどの有機物の添加は不要であるため、従属栄養性脱窒微生物の場合に比べてコストを低減できる。また独立栄養性脱窒微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性脱窒微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。さらに、従来の硝化脱窒で観察されるN2Oの発生がなく、環境に対する負荷を低減できる。
【0005】
しかし独立栄養性脱窒微生物は収率が低いために増殖速度が遅く、微生物量が二倍になるのに約11日間を要する。したがって、独立栄養性脱窒微生物を高濃度に集積するためにはかなり長時間の培養が必要である。
また独立栄養性脱窒微生物は従来の硝化微生物や従属栄養性脱窒微生物とは異なり、発見されてからの年数が短いので反応系の詳細はまだ完全には明らかではなく、このため増殖に必要な栄養源について明らかでない部分が多い。
【0006】
例えば、前記文献(Microbiology, 142(1996), p2187−2196)には合成培地を用いた独立栄養性脱窒微生物の培養方法が記載されているが、実排液の処理における栄養源・微量元素の要求性については明らかでない。また上記文献では、微量元素として鉄、銅、モリブデン、コバルト、亜鉛、マンガン、ニッケル、セレン、ホウ素を添加しているが、これらは一般に微生物の培養に必要とされる微量元素を網羅的に添加しているものであり、添加濃度に関しても一般的に考えられる濃度範囲である。さらに独立栄養性脱窒微生物の微量元素要求性に関する言及はない。すなわち、この文献中には合成培地の他に排水を用いる実験も記載されているが、排水を用いる場合における微量元素濃度を規定する記述はなく、実際には微量元素は添加されずに実験されている。この文献中に示されているシトクロムのスペクトルから、鉄を要求することが示唆されているが、モリブデンの要求性は判断できない。従って、排水を用いた処理において微量元素、特にモリブデンが不足する事態が生じるかどうかは判断できない。
【0007】
このような独立栄養性脱窒微生物を実際の処理プロセスに適用するにあたっては、微生物の集積および活性の保持が最も大きな課題となっているのが現状である。
【0008】
ところで、米国特許公報US4253966には、脱窒微生物を利用して脱窒する際、モリブデンを含む焼成粘土を使用することが記載されている。
しかし、上記公報で利用されている脱窒微生物は従属栄養性脱窒微生物であり、独立栄養性脱窒微生物については記載されていない。
【0009】
また米国特許公報US6183643B1には、脱窒微生物を利用して脱窒する際、炭素、リン、マンガン、鉄、モリブデン、コバルトなどの栄養素を添加することが記載されている。
しかし、上記公報で利用されている脱窒微生物は従属栄養性脱窒微生物であり、独立栄養性脱窒微生物の栄養要求性については記載されていない。また上記公報に記載されている栄養素は、一般に微生物の培養に必要とされる栄養素が記載されているだけであり、特定の栄養素が脱窒活性を高く維持することを開示するものではない。
【0010】
微生物の微量金属元素の要求性は反応系に関与する酵素に大きく依存する。従属栄養性脱窒微生物は亜硝酸および/または硝酸を、有機物を電子供与体として窒素ガスへ変換する反応経路を有する。一方、独立栄養性脱窒微生物はアンモニアと亜硝酸とをヒドロキシルアミン、ヒドラジンを経由して窒素ガスへ変換する反応経路を有しており、上記従属栄養性脱窒微生物の反応経路とは全く異なっている。従って、これらの反応系に関与する酵素系も異なっていると考えられ、この点から、従属栄養性脱窒微生物と独立栄養性脱窒微生物の微量金属元素の要求性が同じであると考えるのは困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、独立栄養性脱窒微生物の活性を高く維持して効率よく脱窒することができる排液処理方法を提案することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
独立栄養性脱窒微生物の活性を阻害する要因として、酸素への暴露、高濃度の亜硝酸への暴露が知られている。したがって、培養時および実際の処理装置においては、独立栄養性脱窒微生物を完全無酸素条件下に生息させ、被処理液中の亜硝酸濃度は200mg−N/L以下に維持する必要があるとされている。これまでの知見では、これらの阻害条件を排除すれば活性の低下は起こらず、独立栄養性脱窒微生物を増殖させることができると考えられていた。しかし、本発明者が嫌気消化脱離液を被処理液として独立栄養性脱窒微生物の培養を行ったところ、従来知られていた阻害要因を除いた場合にも活性の低下または増殖の阻害による窒素除去速度の停滞・低下が見られた。この原因を調査した結果、嫌気消化脱離液中にモリブデンを添加することにより独立栄養性脱窒微生物の活性を高く維持することができることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明は次の排液処理方法である。
(1) アンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液を独立栄養性脱窒微生物により脱窒する生物学的排液処理方法において、
モリブデンを共存させることを特徴とする排液処理方法。
(2) モリブデンの存在量を窒素除去速度に比例させる上記(1)記載の方法。
【0014】
本発明において、「脱窒」は特にことわらない限り独立栄養性脱窒微生物による脱窒を意味する。
【0015】
本発明において処理の対象となる被処理液はアンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液である。有機物および有機性窒素を含んでいてもよいが、これらは予め分解しておくのが好ましい。有機性窒素を分解すると、通常アンモニア性窒素が生成する。また無機物を含んでいてもよい。被処理液はアンモニア性窒素を含む液および亜硝酸性窒素を含む液を混合して得てもよい。またアンモニア性窒素を含む液をアンモニア酸化微生物の存在下に好気性処理を行って、アンモニア性窒素の一部を亜硝酸に部分酸化して得てもよい。一般的には下水、し尿等のアンモニア性窒素、有機性窒素および有機物を含む排液が処理対象となる場合が多いので、これらを好気性または嫌気性処理して有機物を分解し、有機性窒素をアンモニア性窒素に分解し、さらに部分亜硝酸化を行った排液を本発明の被処理液とすることができる。
【0016】
脱窒する際の排液中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の比は1:0.5〜2、好ましくは1:0.9〜1.5とするのが望ましい。独立栄養性脱窒微生物は高濃度の亜硝酸により阻害されるので、排液中の亜硝酸濃度は、必要に応じて希釈して200mg−N/L以下、好ましくは100mg−N/L以下に調整するのが望ましい。
【0017】
本発明で使用する独立栄養性脱窒微生物は、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体として窒素ガスを生成させる独立栄養性の脱窒微生物である。独立栄養性脱窒微生物は、脱窒−硝化プロセスにより生物学的窒素除去を行っている排液処理場の汚泥を植種汚泥として用い、アンモニアおよび亜硝酸を含み、有機物および酸素を実質的に含まない合成無機培地を嫌気条件下で培養する方法などにより自然発生的に得ることができる。このような系では有機物を分解する有機物分解菌や、亜硝酸を硝酸化する硝酸生成菌、あるいは硝酸と有機物を反応させて脱窒する従属栄養性の脱窒菌は増殖せず、独立栄養性脱窒微生物が優勢となる。具体的な培養方法としては、例えば特開平2002−143888号に記載されている方法などを採用することができる。
【0018】
上記のような方法で独立栄養性脱窒微生物を培養すると、独立栄養性脱窒微生物を含む生物汚泥が得られるので、この生物汚泥をそのまま脱窒に利用することができる。また得られた生物汚泥をグラニュール表面に付着させたり、担体に担持させて脱窒に利用することもできる。
【0019】
本発明では上記のような排液にモリブデンを共存させた状態で、独立栄養性脱窒微生物により脱窒する。この場合メタノールなどの有機物の添加は不要である。脱窒に使用する反応器としては、独立栄養性脱窒微生物を浮遊状態で排液と接触させる混合方式の反応槽;グラニュールや担体で流動床または固定床を形成して排液と接触させる流動床方式または固定床方式の反応器;ガス固形分セパレータ(GSS)を設けた反応器などが利用できる。
【0020】
モリブデンは、例えばモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム等のモリブデン酸のアルカリ金属塩、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、フッ化モリブデン、塩化モリブデン、フルオロモリブデン酸塩(カリウム、アンモニウム)、塩化酸化モリブデン、臭化モリブデン、臭化酸化モリブデン、混合ハロゲン化モリブデンなどの固体または粉体状の水溶性モリブデン化合物;これらの化合物の水溶液;酸化モリブデン等の水に難溶のモリブデン化合物;モリブデンを含む他の排液などを、処理の対象となる排液に添加することにより共存させることができる。また、独立栄養性脱窒微生物を付着させたグラニュール内部にモリブデンの粉体を取り込ませる方法などがあげられる。
【0021】
モリブデンを共存させることにより、独立栄養性脱窒微生物の活性低下を防止ししたり、窒素除去速度を上昇させることができる。
モリブデンの生物学的な作用機構は明らかではないが、モリブデンを添加することにより窒素除去速度が上昇した試験結果が得られているので、独立栄養性脱窒微生物の増殖または活性の上昇にモリブデンが効果を有することは明らかである。なお、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等を添加しても独立栄養性脱窒微生物の活性低下を防止ししたり、窒素除去速度を上昇させることはできない。
【0022】
モリブデンが独立栄養性脱窒微生物の増殖または反応経路に関係することが推察されるため、添加量は窒素濃度に比例させることが好ましい。排液中に共存させるモリブデン濃度としては0.0015〜10mg/L、好ましくは0.005〜0.1mg/Lとするのが望ましい。ただし、モリブデンの必要量は除去窒素Nに対して0.005mg/g−N以上、好ましくは0.01〜0.05mg/g−Nであることが望ましい。
【0023】
脱窒は嫌気条件下に行われ、溶存酸素濃度は2.5mg/L以下、好ましくは0.2mg/L以下とすることにより脱窒反応が効率よく進行する。通常排液中の溶存酸素濃度が低いが、上記上限値を超える場合は、活性炭処理;窒素ガス、メタンガス、炭酸ガスなどの酸素を含まないガスの曝気など、公知の方法により溶存酸素を除去することができる。
【0024】
排液中のBOD濃度は50mg/L以下、好ましくは20mg/L以下とすることにより効率よく脱窒を行うことができる。排液中のBOD濃度が上記範囲を超える場合は、好気性処理あるいは従来の従属栄養型の脱窒処理等によりBODを除去して本発明の方法に供することができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の排液処理方法は、独立栄養性脱窒微生物により脱窒する生物学的排液処理方法において、モリブデンを共存させるようにしているので、独立栄養性脱窒微生物の活性を高く維持して効率よく脱窒することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施形態の脱窒装置を示す系統図である。図1において、1は脱窒装置、2は脱窒反応器、3は処理水貯槽である。
【0027】
脱窒装置1では、脱窒反応器2の下部に、原水供給路L1およびモリブデン供給路L2が、循環路L4を介して連絡している。脱窒反応器2の内部には独立栄養性脱窒微生物を表面に付着させたグラニュール4が充填されている。脱窒反応器2の上部から処理水路L3が処理水貯槽3に連絡し、処理水路L3の端部は処理水貯槽3の槽内液で水封され、脱窒反応器2への空気の混入が防止されている。処理水路L3からは循環路L4が分岐し、脱窒反応器2の下部に連絡している。また、脱窒反応器2の上部にはガス固形分セパレータ5が設けられており、ガス固形分セパレータ5からガス排出路L5が延びている。L6は排水路である。
【0028】
図1の脱窒装置1で脱窒処理するには、まず脱窒反応器2内に独立栄養性脱窒微生物が表面に付着したグラニュール4を充填する。次に、アンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む原水(排液)を原水供給路L1から供給し、循環路L4を通して循環される循環水と混合して脱窒反応器2内へ供給する。この時モリブデン化合物の水溶液をモリブデン供給路L2から供給し、原水および循環水と混合して脱窒反応器2内へ供給する。モリブデンは窒素除去速度に比例させて供給する。
【0029】
上記混合液は上向流で通液してグラニュール4と接触させて脱窒する。脱窒反応器2では酸素、有機物を実質的に供給しないようにし、かつ嫌気状態に維持する。このようにして処理することにより、グラニュール4に付着した独立栄養性脱窒微生物の作用によりアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が反応して窒素ガスが生成し、脱窒が行われる。この場合、混合液中にモリブデンが添加されているので、独立栄養性脱窒微生物の活性が高く維持され、効率よく脱窒することができる。
【0030】
生成したガスはガス固形分セパレータ5で分離され、ガス排出路L5から系外に排出する。処理水の一部は循環路L4を介して、脱窒反応器2の下部から脱窒反応器2内へと循環供給する。処理水の残部は処理水路L3から処理水貯槽3に送り一時貯留したのち排水路L6から系外へ排出する。処理水は、その後、後脱窒処理に供することもできる。例えば、メタノール等の基質と汚泥とを混合し、従属栄養性の脱窒菌の作用により脱窒反応器2で生成する硝酸性窒素を窒素ガスに転換して後脱窒してもよい。後脱窒後、処理水は固液分離装置へと導入され固液分離処理されてもよい。
【0031】
なお上記実施の形態においては原水を直接脱窒反応器2へ供給しているが、亜硝酸性窒素を含まない原水の場合、排液を亜硝酸化した後脱窒処理することが好ましい。この場合、原水を亜硝酸化槽(図示せず)へ供給し、亜硝酸化槽内へ空気を供給して曝気し、槽内のアンモニア酸化菌の作用によりアンモニア性窒素を部分的に亜硝酸化する。そして、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素の割合が好ましい値の範囲内になるように処理し、脱窒反応器2に供給する。
【0032】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
【0033】
実施例1
脱窒−硝化プロセスにより生物学的窒素除去を行っている排液処理場の汚泥を植種汚泥として用い、嫌気条件下でアンモニアおよび亜硝酸を含む合成無機培地中で約1年半培養し、独立栄養性脱窒微生物を集積した。これにより得られた生物汚泥を生物グラニュールの表面に付着させ、窒素除去活性を有するグラニュールを得た。
【0034】
上記グラニュールおよび図1の脱窒装置を用いて脱窒試験を行った。脱窒反応器2としては、内径200mm、容積20Lで、上部にガス固体セパレータ5を有する反応器を用いた。この脱窒反応器2に上記グラニュールを約8L充填し、NH4−Nを含む下水汚泥の嫌気性消化脱離液にアンモニア水を添加して亜硝酸化処理によりアンモニアと亜硝酸をほぼ等量(約800mg−N/L)含む状態とした亜硝酸化液を原水として用いた。
【0035】
原水は脱窒反応器2の下部から注入し、上部から排出される処理水の一部を循環させた。処理水の亜硝酸濃度が5mg−N/L以下であれば原水流量を10%上昇させ、逆に亜硝酸濃度が30mg−N/L以上であれば原水流量を10%低下させる運転により、脱窒反応器2の能力に応じて負荷を調節しつつ、徐々に負荷を上げた。
【0036】
循環流速は上向流速が0.5m/h以上、かつ原水と循環液が混合した地点でのNO2−Nの濃度が75mg−N/L以下となるよう調整した。脱窒反応器2内の温度は30℃、pHは7.5に調整した。
試験開始から1〜185日は亜硝酸化処理液のみを原水として脱窒を行った。186〜330日はモリブデン(NaMoO4・2H2O水溶液)をMoとして0.02mg/Lとなるよう添加して脱窒を行った。条件等を表1にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】
上記のようにして脱窒を行った際の窒素除去速度の経日変化を図2に示す。図2からわかるように、モリブデンを添加しなかった185日までは除去速度の上昇速度は遅く、約0.6kg−N/m3/dより高い値が得られなかった。しかし186日目以降モリブデンの添加を開始してからは上昇傾向を示し、293日目には2.9kg−N/m3/dに達した。
【0039】
実施例2
実施例1と同じ種汚泥を用い、酸化モリブデン(MoO3)の微粉体を汚泥と混合し、グラニュール内部に取り込ませた。
脱窒装置は実施例1と同様の装置を用い、原水添加方法も実施例1と同じとした。原水は下水消化脱離液の亜硝酸化処理水を希釈したものを用いた。条件等を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
上記のようにして脱窒を行った際のモリブデン添加系と対照となる無添加系の窒素除去速度の経日変化を図3に示す。図3からわかるように、モリブデン添加系の窒素除去速度はモリブデン無添加系と比較して大きく、固体のモリブデンでも独立栄養性脱窒微生物の活性上昇への効果を有した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の脱窒装置を示す系統図である。
【図2】図2は実施例1の結果を示すグラフである。
【図3】図3はは実施例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 脱窒装置
2 脱窒反応器
3 処理水貯槽
4 グラニュール
5 ガス固形分セパレータ
Claims (2)
- アンモニア性窒素および亜硝酸性窒素を含む排液を独立栄養性脱窒微生物により脱窒する生物学的排液処理方法において、
モリブデンを共存させることを特徴とする排液処理方法。 - モリブデンの存在量を窒素除去速度に比例させる請求項1記載の方法。
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