JP2004072536A - 画像読取装置、画像読取方法及び原稿搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搬送される原稿を所定の読取位置で読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別する画像識別手段と、搬送方向における原稿の長さを少なくとも長短の2種類に判別する原稿長判別手段と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する第1循環経路と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する前記第1循環経路よりも経路が長い第2循環経路と、前記稿長判別手段の判別結果に応じて、前記読取位置を通過した原稿の経路として前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかを選択する選択手段と、を備える
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動原稿搬送装置(ADF)を装備してプラテン上に搬送される原稿を読み取る画像読取装置及び画像読取方法に関し、特に、読み取る原稿が白黒画像のみの原稿か、少なくとも一部にカラー画像を含む原稿かを識別し、当該識別結果に応じて原稿の画像を読み取ることが可能な画像読取装置及び画像読取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー描写が可能なパソコン、インターネット、電子写真等の普及に伴って、白黒画像と比較して表現力が格段に優れるカラー画像をそのまま複写、印字又は伝送する需要が高まってきている。このため画像読取装置においても、従来にも増して、カラー原稿をより高速に且つ精緻に読み取ることが要求されてきている。
【0003】
然しながら、画像読取装置がカラー原稿を読み取る場合、通常、光の3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)毎に画像データを読み取る必要性から、白黒画像の読み取り時と同じ解像度をもってカラー原稿を読み取ろうとした場合、白黒原稿の読み取り時と比較して、その読取速度を遅くしなければならない。
【0004】
一方、画像読取装置が読み取る原稿には、白黒原稿とカラー原稿が混在している場合があり、このような場合、一律にカラー読取モードで読み取ることとなると、白黒原稿の読み取り時の読取速度が低下してしまう。
【0005】
このため、従来技術においては、原稿を読み取る際に、先ず、光学読取手段がこれから読み取ろうとする原稿が白黒かカラーかを識別するためのプレスキャンを行い、この識別に従って、白黒原稿であったならば、比較的高速走査の白黒読取モードで読み取り、カラー原稿であったならば、カラー読取モードで読み取るようにした、所謂プレスキャン/本スキャン方式の読取方式が知られている。
【0006】
このようにプレスキャン/本スキャン方式を改善したものとして、特開平9−261417号に記載された画像処理装置が知られている。
【0007】
この装置は、循環式原稿送り装置を読取装置に装着して、原稿トレイ上の原稿を繰り出して予め読取位置に走行させ、この走行過程で白黒原稿かカラー画像を含む原稿かを識別し、再び原稿トレイに戻すようにしている。この識別動作を原稿トレイに載置した原稿の全ての頁について行い、当該識別結果を原稿頁毎に記憶する。次いで実際の読み取りを行うが、原稿トレイに戻した原稿を再度同一順序で繰り出し、原稿ごとの識別結果を読み出して、この識別結果により、白黒原稿とカラー画像を含む原稿に応じて読み取りを行うものである。
【0008】
また、米国特許5,946,527号公報は、原稿トレイ上の原稿を読取位置を通過させる過程で原稿の読み取りを行って白黒原稿かカラー画像を含む原稿かを識別し、この識別結果に応じて再度読み取りを実行する、所謂プレスキャン/本スキャン方式を採用する画像読取装置を開示している。
【0009】
この装置の場合、原稿トレイから繰り出された原稿は、プラテン上の読取位置を通過する過程で白黒原稿かカラー画像を含む原稿かが識別される。そして、上記の装置は原稿の表裏を読取位置に搬送するために排紙トレイに原稿を排紙する排紙ローラを正逆して原稿スイッチバック反転して、再び読取位置に搬送させることが可能となっている。従って、1回目の読取位置への通過の際に、原稿が白黒原稿かカラー画像を含む原稿かを識別し、原稿の先端が一旦排紙トレイ上に排紙された後に、排紙ローラを逆転して原稿をスイッチバックさせる。スイッチバックされた原稿はその表裏が反転しているので、2回目の読取位置通過の際には原稿の読み取りを実行せずに、再度排紙トレイ上でスイッチバックして3回目の読取位置通過の際に一回目の原稿識別結果に応じて読み取りを実行し、この画像データを記憶すると共に原稿を排紙トレイに排紙するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のプレスキャン/本スキャン方式による画像読取装置の場合、原稿搬送方向の長さに係わらず、原稿搬送経路が同一になっているため、白黒原稿とカラー原稿が混在し、短いサイズの原稿も長いサイズの原稿径路に沿って搬送するため原稿全体の画像読取時間は短縮されず処理速度が大幅に低下するという問題があった。
【0011】
また、特開平9−261417号の装置にあっては、上記問題に加え、原稿トレイを介して原稿を循環させる為に原稿トレイに原稿を排紙するので装置が大型化することとなる。また、一回目の循環動作で原稿の全ての識別結果を記憶する容量のメモリが必要となり、さらに、二回目の本スキャンの時に原稿詰まり(ジャム)が生じたり、又は一回目の識別完了後に原稿トレイ上の原稿の一部が誤って引き抜かれた場合には、一回目の循環による原稿と二回目の循環による原稿とが一致しなくなり、一回目の原稿の識別結果が利用できない等の課題を有するものであった。
【0012】
さらに、米国特許5,946,527号に開示された所謂プレスキャン/本スキャン方式を採用する装置の場合には、上記したように両面読み取りの経路を利用する為に、一回目の読取位置通過で原稿識別読み取り(プレスキャン)を実行し、二回目の読取位置通過の際には表裏が反転しているので読み取りを実行することなく通過させ、再度スイッチバック反転して三回目の読取位置通過の際に一回目の読み取りにおける識別結果に応じた読み取り(本スキャン)を行うようになっている。従って、読取位置を通過の際に読み取りを実行しない空反転を行う必要があることから、原稿がカラーの場合には高速の読み取りができず、読み取りに要する処理時間が長くなってしまうという欠点が顕著となっている。
【0013】
本発明は上記した従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的とするところは、白黒原稿とカラー原稿が混在している原稿読み取りにおいて白黒原稿とカラー画像を含む原稿の識別機能を有し、原稿全体の高速読み取りを可能にする原稿読取装置及び原稿読取方法を提供することにある。
【0014】
本発明の第2の目的は、特に多用される原稿サイズの原稿の搬送経路を切り換えることにより、多用されるサイズの原稿の処理速度を向上させた原稿読取装置及び原稿読取方法を提供することにある。
【0015】
さらに、本発明の第3の目的は、原稿の両面に画像が形成されこの両面原稿の一方又は両面にカラー画像が含まれている原稿であっても高速処理が可能な両面原稿の原稿供給装置及びこの原稿供給装置を備えた装置の原稿読取方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、搬送される原稿を所定の読取位置で読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別する画像識別手段と、搬送方向における原稿の長さを少なくとも長短の2種類に判別する原稿長判別手段と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する第1循環経路と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する前記第1循環経路よりも経路が長い第2循環経路と、前記稿長判別手段の判別結果に応じて、前記読取位置を通過した原稿の経路として前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかを選択する選択手段と、を備えることを特徴とする画像読取装置を提供するものである。
【0017】
これにより、特に多用される原稿サイズのもののみの搬送経路を切り換えて搬送することにより、原稿全体の高速読み取りを可能にし、多用されるサイズの原稿の処理速度を向上させることを可能にしたのである。
【0018】
ここで、前記第2循環経路は、読取位置の下流側において前記第1循環経路から分岐し再び前記第1循環経路に合流する迂回経路からなることを特徴とする。
【0019】
そして、この迂回経路は、前記読取位置を通過し排紙口から排出する原稿を前記第1循環経路に返送する経路である。これにより、二つの循環経路を設けるための装置内のスペースをより小さくすることを可能にしたのである。
【0020】
ところで、前記原稿長判別手段においては、前記原稿の長さを外部から入力されたデータに基づいて判別するようにしてもよい。
【0021】
本発明は、また、搬送される原稿を所定の読取位置に配置された光学読取手段によって読み取るための画像読取方法において、搬送方向における原稿の長さを判別するステップと、前記読取位置を通過する原稿画像を読み取るステップと、読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別するステップと、前記読取位置を通過した原稿の長さに応じて、第1循環経路に案内して再度読取位置に搬送するか、又は第1循環経路よりも長い経路を有する第2循環経路に案内して再度読取するかを選択するステップと、前記選択された前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかの経路を経由して原稿を前記読取位置に搬送するステップと、原稿の前記識別の結果に応じて当該原稿の読取モードを設定するステップと、設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップと、の各ステップを有することを特徴とする画像読取方法を提供するものである。
【0022】
これにより、本発明は、多用されるサイズの原稿の処理速度を向上させると共に、白黒原稿とカラー画像を含む原稿が混在している原稿読み取りにおいて白黒原稿とカラー画像を含む原稿の識別を合理化して原稿全体の高速読み取りを可能にしたのである。
【0023】
本発明は、さらに、原稿トレイ上から繰り出された原稿を読取位置に導く搬送経路と、前記読取位置に搬送された原稿をその表裏を反転することなく再び前記搬送経路に原稿を返送する第1返送経路と、前記第1返送経路よりも長い返送経路を有し、前記読取位置に搬送された原稿をその表裏を反転することなく再び前記搬送経路に原稿を返送する第2返送経路と、前記読取位置から搬送される原稿の表裏を反転して再び前記搬送経路に原稿を返送するスイッチバック経路と、前記読取位置から搬送された原稿を前記原稿トレイの下方に配設された排紙トレイに排紙する排紙経路とを備えたことを特徴とする原稿搬送装置を提供するものである。
【0024】
ここで、前記スイッチバック経路、前記第1返送経路及び前記第2返送経路は、何れも前記読取位置の下流側に配設され、さらに、前記第2返送経路は、前記排紙経路に搬送された原稿を前記第1返送経路に導く経路切換手段を有することにより、スペース効率に優れ、装置の小型化を実現したのである。
【0025】
本発明は、さらに、所定の読取位置に配置された光学読取手段によって搬送される原稿の両面を順次読み取るための画像読取方法において、原稿の搬送方向の長さを判別するステップと、前記読取位置を通過する原稿の一方の面の画像を読み取るステップと、読み取られた前記一方の面の原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別するステップと、前記読取位置を通過した原稿の長さに応じて、第1循環経路に案内して再度読取位置に搬送するか、又は第1循環経路よりも長い経路を有する第2循環経路に案内して再度読取するかを選択するステップと、前記選択された前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかの経路を経由して原稿を前記読取位置に搬送するステップと、原稿の前記識別の結果に応じて当該一方の面の原稿の読取モードを設定するステップと、前記設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップと、前記一方の面の画像が読み取られた原稿の表裏を反転すると共に読取位置に原稿を返送してスイッチバック経路に搬送するステップと、前記スイッチバック経路において表裏反転された前記原稿の他方の面の画像を読み取るステップと、読み取られた前記他方の面の画像が白黒画像かカラー画像を含む画像かを識別するステップと、前記原稿を前記選択された前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかの経路を介して読取位置に搬送するステップと、原稿の前記他方の面の前記識別の結果に応じて当該他方の面の原稿の読取モードを設定するステップと、前記設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップとの各ステップを有することを特徴とする両面原稿の画像読取方法を提供するものである。
【0026】
これにより、本発明は、両面原稿のそれぞれの面の画像読み取りにおいて、白黒原稿かカラー画像を含む原稿かの識別を行い、多用されるサイズの原稿の処理速度を向上させることにより原稿全体の高速読み取りを可能にしたのである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像読取方法の実施の形態の具体例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る画像読取装置の第1の形態例の自動原稿搬送装置(以下、「ADF」という)及び読取装置の断面図を示し、図2は、ADF1の原稿搬送機構を示す。
【0029】
図1に示すように、本画像読取装置は、ADF1及び読取装置2を備えている。ADF1は、読取装置2に搭載され、読取装置2の第1のプラテン3の上面を通過するように原稿を搬送する。
【0030】
読取装置2は、第1のプラテン3を介してランプ等の光源4からの光を搬送される原稿に照射し、その反射光を複数のミラー5で反射させて集光レンズ6により結像してCCD等の読取手段であるイメージセンサによって原稿の画像を読み取る。すなわち、第1のプラテン3が読取装置2の読取位置(読取部)となる。また、読取装置2は、原稿の全面を載置可能な面積の第2のプラテン8も備えている。読取装置2は、ADF1を開閉して第2のプラテン8に載置されたブック物等の厚手原稿を光源4及び集光ミラー5等からなる読み取りキャリッジの第1のキャリッジ50と第2のキャリッジ51を副走査方向に移動させることにより、第2のプラテン8を介して原稿の画像を読み取ることも可能である。
【0031】
ADF1は、複数の原稿を載置するための原稿トレイ9と、この原稿トレイ9に載置された原稿を1枚ずつ読取位置に給紙する給紙手段10と、前記読取位置から排出される原稿を収納する排紙トレイ11とを備えている。
【0032】
また、ADF1は、原稿トレイ9の上の原稿を1枚ずつ第1のプラテン3の上の読取位置に向けて給紙する給紙経路16と、この給紙経路16と連なって形成され原稿を第1のプラテン3の上に沿って案内する搬送経路17と、この搬送経路17から排紙トレイ11の排紙口に連なる排紙経路18と、排紙経路18から原稿を再び読取位置に案内する第1循環経路19と、排紙トレイ11の排紙口から給紙経路16と搬送経路17との接続部に連結され原稿を再び搬送経路17に返送する第2循環経路20と、排紙経路18と分岐して形成されて搬送経路17からの原稿を案内する中間経路21と、この中間経路21からの原稿をスイッチバックし原稿を逆搬送するスイッチバック経路22とを有している。
【0033】
スイッチバックローラ40は、原稿の両面の画像を読み取る両面モードの時に原稿の後端部をニップした状態で逆回転して原稿の走行方向を前後に切り替えるスイッチバックを行い、第1循環経路19又は第2循環経路20を介して第1のプラテン3の読取位置に搬送するように制御される。
【0034】
このように、本装置における原稿搬送手段は、原稿を所定の読取位置に再搬送する機能を有する。ここで、再搬送とは、原稿を排紙方向に搬送させた後に当該原稿を循環させて再び前記読取位置に搬送することと、原稿を排紙方向とは逆の上流方向にスイッチバック搬送させて再び前記読取位置に搬送することを意味する。
【0035】
給紙経路16には、原稿を繰り出す繰り出しローラ26と、繰り出しローラ26で繰り出された原稿を搬送する搬送ローラ28と、この搬送ローラ28により最上位の原稿のみを搬送させて2枚目以降の原稿の搬送を阻止する分離部材29と、搬送ローラ28により搬送される原稿の先端を揃えた後に下流側に送る1対のレジストローラ30とが配置されている。
【0036】
繰り出しローラ26及び搬送ローラ28は、給紙モータM1にワンウェイクラッチOW1を介して連結されている。また、レジストローラ30は、給紙モータM1にワンウェイクラッチOW2を介して連結されている。これにより、給紙モータM1は、駆動軸の正回転で繰り出しローラ26及び搬送ローラ28を回転させ、駆動軸の逆回転でレジストローラ30を回転させる。
【0037】
搬送経路17には、大径の搬送ローラ31と、この搬送ローラ31の外周面に圧接されている複数の従動ローラ32、33、34とが配置されている。搬送ローラ31は、正回転、逆回転可能な搬送モータM2によって駆動される。
【0038】
排紙経路18には、搬送ローラ31に圧接されている従動ローラ36と、原稿を排紙トレイ11に排紙する1対の排紙ローラ37とが配置されている。排紙ローラ37は、正逆回転可能な搬送モータM2に連結されている。また、上記のように、排紙経路18の下方にはスイッチバック経路22が形成されている。
【0039】
スイッチバック経路22にある1対のスイッチバックローラ40は、循環経路19及び搬送経路17を介して循環される原稿の先後端がすれ違う時に支障なく搬送できるように圧接ソレノイドSOL3によって一方のスイッチバックローラ40が他方のスイッチバックローラ40から離間するように構成されている。このスイッチバックローラ40は正逆回転可能な給紙モータM1に連結されている。
【0040】
排紙経路18の上方には、画像識別手段が原稿読取面の色を識別し再読み取りと識別された時、制御手段が原稿の読み取りの中断を指示し、原稿サイズが大サイズの場合に現行の後端と先端が重ならないように原稿を循環させるための第2循環経路20が設けられている。
【0041】
搬送経路17の下流側には、排紙経路18又はスイッチバック経路22の何れか一方に案内するためのスイッチバックフラッパ42が配置されている。このスイッチバックフラッパ42は、ソレノイドSOL1により駆動される。スイッチバックフラッパ42は、原稿をスイッチバック経路22に案内する時は図に示す「a」の位置に駆動され、排紙経路18に案内される時はホームポジションである「b」の位置に位置している。
【0042】
また、スイッチバックフラッパ42の下流側には原稿を第1循環経路19又は排紙ローラ37の何れか一方に案内する第1排出フラッパ45が配置されている。第1排出フラッパ45は、ソレノイドSOL2により駆動される。第1排出フラッパ45は、原稿を排紙ローラ37に案内する時は図に示すホームポジションである「a’」の位置に位置し、第1循環経路19に案内される時は「b’」の位置に駆動されている。
【0043】
さらに、排紙ローラ37の下流側には原稿を第2循環経路20又は排紙トレイ11の何れか一方に案内する第2排出フラッパ46が配置されている。第2排出フラッパ46は、ソレノイドSOL4により駆動される。第2排出フラッパ46は、原稿を第2循環経路20に案内する時は図に示すホームポジションである「b”」の位置に位置し、排紙トレイ11に案内される時は「a”」の位置に駆動される。
【0044】
排紙経路18上方の第2循環経路20には、循環される原稿の先端によって上方に移動して原稿を通過させ第2循環経路20に案内し、原稿の後端が通過すると下方に移動する自重フラッパ43が配置されている。
【0045】
さらに、原稿トレイ9には、原稿トレイ9上の原稿長を検出する長さ検出センサS1、S2、原稿の有無を検知するためのエンプティセンサS3、給紙経路16にはレジストセンサS4、搬送経路17にはリードセンサS5、スイッチバック経路22にはスイッチバックセンサS6、及び排紙経路18には排紙センサS7が配設される。これらのセンサは、制御装置(制御手段)に接続されている。また、給紙モータM1及び搬送モータM2は、搬送用制御装置(図示せず)に接続されている。また、圧接ソレノイドSOL1、ソレノイドSOL2、及びソレノイドSOL3も、搬送用制御装置に接続されている。
【0046】
この制御装置により、各センサS1乃至S7からの出力信号及び画像識別手段に基づいて各モータM1、M2及び各ソレノイドSOL1乃至SOL3が制御され上記のような原稿の搬送動作が実行される。
【0047】
排紙ローラ37は、一方向へ回転可能な搬送モータM2に連結されている。
【0048】
ところで、本実施例にあっては、先に述べたようにスイッチバック径路22を設けて、この径路22中で原稿の先後端を入れ替えて原稿の表裏反転を行えるようにしてある。このスイッチバック径路22を設けることなく、排紙径路18と排紙ローラ37の製逆により原稿の表裏反転を行うこともできる。すなわち、排紙ローラ37を正逆ん回転可能な排紙ローラを追加して連結する。これによって、排紙ローラ37は、原稿の両面の画像を読み取る両面モードの時に原稿の後端部をニップした状態で逆回転して原稿をスイッチバックして循環経路19を介して搬送経路17に送るように制御される。また、1対の排紙ローラ37は、第1循環経路19及び搬送経路17を介して循環される原稿の先後端がすれ違う時に支障なく搬送できるように圧接ソレノイドSOLによって一方の排紙ローラ37が他方の排紙ローラ37から離間するように構成しても良い。つまり、排紙経路18及び排紙ローラ対37は、原稿の走行方向を前後に切り替えるためのスイッチバックを行う機能を有する。
【0049】
次に、本実施例にあっては、原稿読み取り時、画像識別手段が原稿読み取り面を識別して再読取(例えば、白黒読取モードからカラー読取モードに変更)すると識別した際には、制御手段は、原稿の読取を中断し、当該原稿を排紙経路18に搬送する。排紙経路18に搬送された原稿は、原稿サイズの判別により第1循環経路19又は第2循環経路20に搬送され搬送経路17を介して第1のプラテン3に再搬送される。
【0050】
このようにして原稿が再搬送され第1のプラテン3の読取位置にセットされると、制御された速度、例えばカラー読取モードの遅い速度で原稿を搬送して再読取を行うように構成されている。
【0051】
この制御装置により、各センサS1乃至S7からの出力信号及び画像識別手段に基づいて各モータM1、M2及び各ソレノイドSOL1乃至SOL3が制御され原稿の搬送動作が実行される。
【0052】
ここで、原稿サイズの判別について以下に説明する。
先ず、第1の原稿サイズ判別方法は、原稿トレイ9上に設けられた2つの長さ検出センサS1とS2と原稿トレイ9上の原稿の有無を検出するエンプティセンサS3により検出される。
【0053】
長さ検出センサS1、S2が「オフ」で、エンプティセンサS3のみ「オン」の時は、A4横以下の長さと判断する。長さ検出センサS1が「オフ」で、長さ検出センサS2、エンプティセンサS3が「オン」の時は、A4縦以下の長さと判断する。さらに、長さ検出センサS1、S2、エンプティセンサS3ともに「オン」の時は、B4以上の長さと判断する。
【0054】
原稿が給紙経路16に給紙されると、レジストローラ30の上流側に配置されているレジストセンサS4が幅を判断する。レジストセンサS4は給紙経路16の原稿の幅方向に複数個配列され、これらのセンサの「オン」、「オフ」で幅方向の長さを判断する。原稿のサイズの判別は、上記したように原稿の搬送方向の長さと、原稿幅方向の長さの検出により原稿サイズを判別することとなる。
【0055】
第2の原稿サイズ判別方法は、原稿トレイ9上に設けられた2つの長さ検出センサS1とS2と原稿トレイ9上の原稿の有無を検出するエンプティセンサS3により検出される。長さ検出センサS1、S2が「オフ」で、エンプティセンサS3のみ「オン」の時は、A4横以下の長さと判断する。長さ検出センサS1が「オフ」で、長さ検出センサS2、エンプティセンサS3が「オン」の時は、A4縦以下の長さと判断する。さらに、長さ検出センサS1、S2、エンプティセンサS3ともに「オン」の時は、B4以上の長さと判断する。
【0056】
原稿の幅方向長は、第1の判別方法においては、レジストローラ30上流側の給紙経路16に原稿の幅方向に複数個配列したレジストセンサS4が幅を判断した。第2の原稿サイズ判別方法においては、原稿の側縁を規制する幅方向に移動自在のサイドプレート13(図1参照)の移動に連動して回転するスライドボリューム(可変抵抗器)(図示せず)によって検出する。原稿のサイズの判別は、上記したように原稿の搬送方向の長さと、スライドボリューム(可変抵抗器)による原稿幅方向の長さの検出により原稿サイズを判別することとなる。
【0057】
第3の原稿サイズ判別方法は、原稿搬送方向の長さは、レジストローラ30で原稿をリードセンサS5に搬送して所定距離搬送後、原稿後端をレジストセンサS4が検出していなければ(レジストセンサS4が「オフ」の状態)A4横以下の長さと判断し、レジストセンサS4が「オン」であればA4横以上の長さと判断する。
【0058】
原稿の幅方向長は、原稿の側縁を規制する幅方向に移動自在のサイドプレート13の移動に連動して回転するスライドボリューム(可変抵抗器)(図示せず)によって検出する。原稿のサイズの判別は、上記したようにレジストセンサS4による原稿の搬送方向の長さと、スライドボリューム(可変抵抗器)による原稿幅方向の長さの検出により原稿サイズを判別することとなる。
【0059】
第4の原稿サイズ判別方法は、原稿搬送方向の長さは、レジストローラ30で原稿をリードセンサS5に搬送して所定距離搬送後、原稿後端をレジストセンサS4が検出していなければ(レジストセンサS4が「オフ」の状態)A4横以下の長さと判断し、レジストセンサS4が「オン」であればA4横以上の長さと判断する。原稿の幅方向長は、レジストローラ30の上流側に配置されているレジストセンサS4が幅を判断する。
【0060】
レジストセンサS4は給紙経路16の原稿の幅方向に複数個配列され、これらのセンサの「オン」、「オフ」で幅方向の長さを判断する。原稿のサイズの判別は、上記したように原稿の搬送方向の長さと、原稿幅方向の長さの検出により原稿サイズを判別することとなる。
【0061】
尚、原稿サイズの判別は、以上の4通りの方法が実施可能であるが、本実施の形態例においては第1の原稿サイズ判別方法を採用している。他の判別方法の適用も可能である。また、原稿サイズを外部の操作パネルからの入力信号や、パソコン等を介して入力しても良い。
【0062】
次に、本発明に係る画像読取方法について説明する。最初に、読取画像が白黒画像かカラー画像かの識別方法について説明する。
【0063】
図3(a)は、各センサのカラー識別における相対感度と波長との関係を示す分光感度特性を示す図であり、図3(b)は、白黒原稿の分光反射データの例を示す。図3(a)に示すように、赤ラインセンサ、緑ラインセンサ、青ラインセンサの読み取りレベルにおいて、各ラインセンサの分光感度のピークが生じる波長は、赤(R)、緑(G)、青(B)で異なるので、カラー原稿読取時には各ラインセンサの出力のピーク値の波長が相違することとなる。
【0064】
一方、図3(b)に示すように、白黒原稿の場合は、分光反射率は波長に依らず一定であり、各ラインセンサは白の画素に対して一様に高いセンサ出力を、黒の画素に対して一様に低いセンサ出力を示す。これによって、読み取った原稿が白黒原稿であるかカラー画像を含む原稿であるかが識別される。
【0065】
このように、原稿を識別するには、単に、各色のラインセンサの出力のピーク値の波長が相違するか否かを診ればよいことから、白黒読取モードの高速読み取りによって読み取られた画像データに基づいて識別可能であることに留意すべきである。
【0066】
本発明に係る色識別部は、後述するシェーディング補正部からデジタル信号に変換された赤ラインセンサ、緑ラインセンサ、青ラインセンサからの出力を受け取り、その各出力パターンに差があればカラーと識別し、差がなければ白黒と識別するように構成する。
【0067】
ところで、本実施の形態においては、画像信号制御装置(制御装置)において読取手段が読み取った画像データを逐次記憶するデータメモリ部107(図4及び図5)を制御装置内に具備する例について説明している。しかし、画像読取装置の種類によっては、画像データを記憶するデータメモリを具備せずに、読取手段からの画像データを補正処理した後に画像形成装置側に出力するタイプのものもある。このような場合、本発明の適用においては、白黒データかカラーデータかの画像データの種別を識別する識別手段は、読取手段からの画像データの補正信号に基づいて行うこととなる。
【0068】
図4は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのセンサの他に、白黒(B/W)センサを有する4本のラインセンサを用いた制御装置100の回路構成を示すものである。図4において、制御装置100は原稿を読み取る4本のラインセンサ102W、102R、102G、102Bと、ラインセンサが読み取ったアナログデータを、デジタルデータに変換するA/D変換部103と、変換されたデータをシェーディング補正(光電変換素子間における感度補正)するシェーディング補正部104とを有する。
【0069】
制御装置100は、さらに、シェーディング補正されたデータの諧調を識別する色識別部106と、色識別部106により識別された結果を受けて画像読取装置の読取を制御する信号を出力する制御コントロール部108と、制御コントロール部108からのSEL信号により白黒データ又はカラーデータに切り替えて出力するセレクタ部105と、制御コントロール部108からのSEL信号によりデータを白黒の読み取り又はカラーでの読み取りに切り替えて記憶して画像形成装置に出力するデータメモリ部107を有する。
【0070】
図4に記載の制御回路の場合は、第1の読取モード(白黒読取モード)時における画像データは、白黒センサ102Wによって読み取られた画像データを使用するが、同時に、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力に基づいて白黒原稿かカラー画像を含む原稿かを識別するのである。
【0071】
図5は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3本のラインイセンサを用いた画像信号制御部100bであり、画像信号制御部100bは、ライセンサ102R、102G、102Bと、このラインセンサが読み取ったアナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換部103と、変換されたデータをシェーディング補正するシェーディング補正部104と、シェーディング補正されたデータに基づき黒の信号を生成するモノクロミックス変換部109と、シェーディング補正されたデータの諧調を識別する色識別部106と、色識別部により識別された結果を受けて画像読取装置に読取を制御する信号を出力する制御コントロール部108とを有する。
【0072】
画像信号制御部100bは、さらに、制御コントロール部108からのSEL信号により白黒データ又はカラーデータに切り替えて出力するセレクタ部105と、制御コントロール部108からのSEL信号により読み取りデータを白黒の読取又はカラーの読取に切り替えて記憶して画像形成装置に出力するデータメモリ部107を有する。
【0073】
従って、図5に記載の制御回路の場合は、第1の読取モード(白黒読取モード)時における画像データは、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力のAND値となる。そして、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力パターンの相違があるかに基づいて白黒原稿かカラー画像を含む原稿かを識別するのである。
【0074】
次に、本実施形態例における原稿読取モードの制御例を説明する。
図6は、読取モードの設定処理のフローチャートを示す。本画像読取装置によって原稿を読み取る際に(ST1)、操作者は、図6に基づいて読取モードの設定を行うこととなる(ST2)。
【0075】
読取モードが、カラー読取モードに設定されたならば(ST3)、低速のカラー画像モード(25CPM/100mm/sec)による画像読み取りが行われる。白黒読取モードに設定されたならば(ST5)、高速の白黒読取モード(50CPM/200mm/sec)による画像読み取りが行われる。そして、自動カラーセレクト(ACS)モードに設定された場合(ST4)には、高速のACS読取モード(75CPM/300mm/sec)による読み取りが行われる。
【0076】
ここで、本発明に係るADFにおける、原稿搬送動作例について図7乃至13を参照して詳しく説明する。
【0077】
図7乃至図10は、ADFの原稿搬送機構で原稿を搬送する動作を説明するための図を示し、図11乃至図13は、図7乃至図10に示した読取動作の処理の流れ説明するフローチャートを示すものである。
【0078】
先ず、原稿を原稿トレイ9に載置し、読み取りモードを設定し(図11、ST10)、スタートキーを「ON」する(図11、ST11)。原稿トレイ9上のセンサS1、S2及びレジストセンサS3で原稿の大又は小のサイズを検出する(図11、ST12)。
【0079】
図12は、小サイズに分類された原稿を読み取る際の動作のフローチャートを示す。サイズ検出の結果、原稿はA4横の原稿と判別される(ST40)。図7(A−1)は、この時の原稿の状態を示し、原稿は読取位置で読み取られて第1循環経路19に搬送されている状態を示している。
【0080】
原稿サイズがA4と判別されると、中間経路21に配設されているスイッチバックフラッパ42は「b」の位置に位置し、第1排出フラッパ45は「b’」の位置、第2排出フラッパ46は「a”」の位置に移動される(ST41)。搬送ローラ31は正回転で、原稿は第1循環経路19に案内される。
【0081】
原稿が読み取られると、識別手段は読み取られた原稿の白黒又はカラーの識別を行う(ST42)。このときの読取速度は、300mm/secで読み取りを行う。原稿がカラーである場合は、読取モードをカラー読取モードに設定し(ST43)、カラー読取モードでの本読み取りを実行する(ST44)。この時のカラー原稿の読取速度は、100mm/secである。図7(A−2)は、上記の動作時の状態を示し、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで読み取られる。
【0082】
表面(一方の面)の本読取りが終了すると予め設定した読取モードが裏面(他方の面)読取モード(両面読取モード)に設定されているか否か確認し、裏面読み取りがある場合は、裏面を読み取るための動作を開始する(ST45)。
【0083】
図7(A−3)に示すように、表面が読み取られた原稿は、両面読み取りを行うためスイッチバック経路22へ搬送し表裏を反転させる。この時スイッチバックフラッパ42は「a」位置に移動されている(ST47)。
【0084】
図8(A−4)において、原稿は、スイッチバック経路22から第1循環経路19を経て再び読取位置へ搬送される。この時第1排出フラッパ45が「b’」の位置に移動されている。裏面が読み取られた原稿は白黒/カラーの識別が行われる(ST42)。
【0085】
図8(A−5)において、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで本読取が行われる(ST43、ST44)。本読取り終了が確認された原稿は(ST45)、図8(A−6)に示すように、原稿のページ順を揃えるためにスイッチバック経路22に搬送される。
【0086】
スイッチバックフラッパ42は「a」の位置で、第1排出フラッパは「a’」の位置、第2排出フラッパ46は「a”」の位置に移動されている(図12、ST46)。スイッチバック経路に搬送された原稿は表裏が反転されて排紙経路18を経て排紙トレイ11に排紙される。次の原稿がある場合はステップ41(図12、ST41)から同様な動作が行われる。
【0087】
画像識別手段により、原稿面が白黒であると識別された場合は(ST42)、読取モードは白黒の読取モードに設定され(ST50)、白黒の読取モードで本読取が実行される(ST51)。(図7(A−2)参照)。この時の原稿読取速度は200mm/secの速度で読み取りが行われる。
【0088】
表面の読み取りが終わると裏面読取モードの有無を検出し、裏面読み取りがある場合は、裏面を読み取るための動作を開始する。図7(A−3)に示すように表面が読み取られた原稿は、両面読み取りを行うためスイッチバック経路22へ搬送し表裏を反転させる。この時スイッチバックフラッパ42は「a」位置に移動されている(ST54)。
【0089】
図8(A−4)において、原稿は、スイッチバック経路から(第1排出フラッパ45は「b’」の位置で)、第1循環経路19を経て再び読取位置へ搬送される。裏面が読み取られた原稿は、白黒/カラーの識別が行われる(ST42)。
【0090】
図8(A−5)において示すように、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで本読取りが実行される。白黒読取モードの場合は、上記した白黒モードの読み取りを行う(ST50、ST51)。
【0091】
本読み取り終了が確認された原稿は(ST52)、図8(A−6)に示すように、原稿のページ順を揃えるためにスイッチバック経路22に搬送される。スイッチバックフラッパ42は「a」の位置で、第1排出フラッパは「a’」の位置、第2排出フラッパ46は「a”」の位置に移動されている(ST53)。スイッチバック経路に搬送された原稿は表裏が反転されて排紙経路18を経て排紙トレイ11に排紙される(ST56)。次の原稿がある場合は処理ステップST41から同様な動作が行われる。
【0092】
次に、大きいサイズの原稿の両面読取動作について説明する。図13は、大きい原稿を読み取る動作のフローチャートを示す。
【0093】
図9(B−1)において、大きい原稿は、読取位置で読み取られて第2循環経路20に搬送されている状態を示している。
【0094】
原稿のサイズは、原稿トレイ9上のセンサS1、S2及びレジストセンサS4で検出される。サイズ検出の結果、原稿は、例えばA3サイズの原稿と判別される。原稿サイズがA3と判別されると、中間経路21に配設されているスイッチバックフラッパ42は、「b」の位置に位置し、第1排出フラッパ45は「a’」の位置に、第2排出フラッパ46は「b”」の位置に移動される(ST21)。
【0095】
搬送ローラ31は正回転で、原稿は第2循環経路20に案内される。原稿が読み取られると、識別手段は読み取られた原稿の白黒又はカラーの識別を行う(ST22)。原稿面がカラーであると識別されると、読取モードをカラー読取モードに設定し(ST23)、原稿は再び第1循環経路19に合流し搬送経路17を介してカラーモードで本読取を実行する(図13、ST24)。
【0096】
図9(B−2)において、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで読み取られる動作を示す。表面の本読取りが終了し、裏面の読取モードがあるか否かを検出する(ST25)。裏面読取モードがある場合は、図9(B−3)に示すように、原稿は両面読み取りを行うためスイッチバック経路22へ搬送し表裏を反転させる。この時スイッチバックフラッパ42は「a」位置に移動されている(ST27)。
【0097】
図9(B−4)において、原稿は、スイッチバック経路22から第2循環経路20を経て第1循環経路19に合流し搬送経路17から読取位置に搬送される。この時、第1排出フラッパ45は「a’」の位置で、第2排出フラッパ46が「b”」の位置に位置している。表裏反転された原稿は、第2循環経路20を経て第1循環経路19に合流し再び読取位置へ搬送される。
【0098】
読み取られた原稿は白黒/カラーの識別が行われる(図13、ST22)。カラー原稿と識別された場合は、上記した表面の読み取りと同様の処理ステップ(図13、ST23、ST24)を実行する。図10(B−5)に示すように、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで読み取られる状態を示している。
【0099】
読み取りが終了した原稿は(ST25)、図10(B−6)に示すように、排紙トレイ11上に排紙される原稿のページ順を揃えるためにスイッチバック経路22に搬送される。スイッチバックフラッパ42は「a」の位置に、第1排出フラッパは「a’」の位置に、そして第2排出フラッパ46は「a”」の位置に移動されている(ST26)。スイッチバック経路22に搬送された原稿は、表裏が反転されてページ順序が整えられた状態で排紙経路18を経て排紙トレイ11に排紙される。
【0100】
さらに、原稿面が白黒であると識別された場合は(ST22)、読取モードは白黒読取モードに設定され(ST30)、原稿は第2循環経路20から搬送され再び第1循環経路19に合流し搬送経路17を介して白黒モードの本読取りが実行される(ST31)。この時の読取速度は200mm/secの速度で実行される。図9(B−2)に示すように、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで読み取られる。
【0101】
表面の読み取りが終了し、裏面の読取モードがあるかを検出する(ST32)。裏面読取モードがある場合は、図9(B−3)に示すように、原稿は両面読み取りを行うためスイッチバック経路22へ搬送し表裏を反転させる。この時スイッチバックフラッパ42は「a」位置に移動されている(ST34)。
【0102】
図10(B−4)において、原稿は、スイッチバック経路から第1排出フラッパ45が「a’」の位置で、第2排出フラッパ46が「b”」の位置に位置している。表裏反転された原稿は、第2循環経路20を経て第1循環経路19に合流し再び読取位置へ搬送される。読み取られた原稿は白黒/カラーの識別が行われる(ST22)。
【0103】
カラー画像を含む原稿と識別された場合は、上記した表面の読み取りと同様の処理ステップ(ST23、ST24)を実行する。図10(B−5)に示すように、原稿は、搬送経路17を経て読取位置へ再搬送され識別に応じた読取モードで読み取られる状態を示している。
【0104】
読み取りが終了した原稿は、図10(B−6)に示すように、排紙トレイ上に排紙される原稿のページ順を揃えるためにスイッチバック経路22に搬送される。スイッチバックフラッパ42は「a」の位置で、第1排出フラッパは「a’」の位置、第2排出フラッパ46は「a”」の位置に移動されている(ST26)。スイッチバック経路22に搬送された原稿は、表裏が反転されてページ順序が整えられた状態で排紙経路18を経て排紙トレイ11に排紙される。
【0105】
ここで、さらに、原稿搬送装置の第2の実施の形態例について説明する。
【0106】
図14は、第2の実施形態例におけるADFの原稿搬送機構を示す。図2で示した第1の形態例においては、搬送ローラ31は、大径のローラで構成されている。第2の実施の形態例において構成される搬送ローラは、図12に示すように、搬送ローラ39a、39b、39c、39dを従動ローラ32、33、34、36と対になるように配置されている。
【0107】
4個の搬送ローラ39a、39b、39c、39dは、搬送モータM2の駆動力を与えるためにベルト71が駆動軸70と、4個の搬送ローラ39a、39b、39c、39dに掛渡されてベルト71を介して搬送モータM2の駆動力により駆動するように構成されている。4個の搬送ローラ39a、39b、39c、39dは、対応する従動ローラ32、33、34、36に夫々圧接するように構成されている。
【0108】
尚、上記した原稿搬送装置の第2の実施の形態は、搬送ローラ39の構成以外は、第1の実施の形態例と構成及び機能が同一であるので他の構成は説明を省略する。
【0109】
次に、本発明の第3の実施形態例について説明する。
【0110】
図15は、本発明に係る第3の画像読取装置の例を示す。第3の画像読取装置は、図1、2、に示した画像読取装置、ADFの原稿搬送機構とは異なり、原稿の両面を略同時に読み取るもので、読取装置側に設けられた光学読取ユニットからなる第1の読取ユニット50と、ADF側で第1の読取部より下流に第2の読取ユニット72が配設されている。
【0111】
第2の読取ユニット72は光源からの光を原稿面に照射し原稿面からの反射光をCCD読取素子で読み取るものである。この構成では第1の読取ユニット50が原稿の1方の面(例えば表面)を読み取り、第2の読取ユニット72が原稿の他方の面(例えば裏面)を読み取る。ADFは、原稿の搬送経路17と、第2の読取ユニット72の下流に設けられた第1循環経路73と、第1循環経路73より循環経路の長い第2循環経路74が設けられている。
【0112】
第1循環経路73の入口には、図に示す「A」又は「B」に移動して原稿を第1循環経路73、又は第2循環経路74に案内する第1フラッパ75と、第2循環経路74の入口には、図に示す「A’」又は「B’」に移動して原稿を第2循環経路74、又は排紙トレイ11に案内するための第2フラッパ76が設けられている。
【0113】
原稿トレイ9から給紙された原稿は、給紙手段で一枚毎に分離され搬送経路17を介してプレパスのため第1の読取位置Xに搬送され表面側が読み取られた後、下流に設置された第2の読取ユニット72で裏面側が読み取られる。プレパスの読取が終了した原稿は、排紙経路18に搬送され長さ判別の結果により第1循環経路73又は第2循環経路74に搬送される。
【0114】
その時、短い原稿は第1循環経路73に搬送され、長い原稿(大きい原稿、例えば、B4、A3縦サイズ)は、原稿の後端と先端が重なり合わないよう循環経路が長い第2循環経路74に搬送される。原稿は再度搬送経路17に搬送され本読取が実行される。
【0115】
このADF1は、プレスキャンにおいて読み取られた原稿が短い原稿(レターサイズ横以下)であると判別されると、第1フラッパ75を「A」の位置に移動し、原稿を第1循環経路73に搬送する。長い原稿(B4、A3縦)であると判別されると、第1フラッパ75を「B」の位置に移動し、第2フラッパ76を「A’」の位置に移動する。原稿は第2循環経路74に搬送され第1循環経路73と合流し再度搬送経路17を介して第1、第2の読取ユニット50、72に搬送され本読取が行われる。本読取が終了すると第1フラッパ75は「B」の位置に移動し、第2フラッパ76は「B’」の位置に移動する。本読取が終了した原稿は排紙トレイ11に排紙される。
【0116】
原稿の両面を1回の搬送で読み取ることが可能であり両面原稿を識別のためのプレスキャンと、プレスキャンによる識別結果に応じた本読取の2回の搬送で原稿の両面を読み取ることが可能である。
【0117】
以上、詳しく説明したように、本発明に係る画像読取装置は、搬送される原稿を所定の読取位置で読み取る読取手段と、前記読取手段によって読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別する画像識別手段と、搬送方向における原稿の長さを少なくとも長短の2種類に判別する原稿長判別手段と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する第1循環経路と、前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する前記第1循環経路よりも経路が長い第2循環経路と、前記稿長判別手段の判別結果に応じて、前記読取位置を通過した原稿の経路として前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかを選択する選択手段と、を備える。
【0118】
これによって、本発明は、ADFによって走行する原稿を読み取るようにした画像読取装置において、小サイズの原稿と大サイズの原稿とを判別し、さらに、白黒/カラーモードを識別して読取モードを設定し、原稿に合わせた読み取りモードで読み取りを行い、原稿の大きさによって搬送経路を移動するように構成したので白黒原稿とカラー原稿が混在した原稿セットの読み取りを高速にすることを実現したのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の画像読取装置の例を示す。
【図2】図1のADFの原稿搬送機構を示す。
【図3】(a)部は、各センサのカラー識別における相対感度と波長との関係を示す分光感度特性図であり、(b)部は、白黒原稿の分光反射データを示す。
【図4】白黒センサを有する4ライン・イメージセンサを用いた画像信号制御部の回路構成を示す。
【図5】3ライン・イメージセンサを用いた画像信号制御部の回路構成を示す。
【図6】画像読取装置における読取モードの設定を示す。
【図7】原稿搬送機構において小さい原稿を搬送する動作を説明するための図を示す。
【図8】原稿搬送機構において小さい原稿を搬送する動作を説明するための図を示す。
【図9】原稿搬送機構において大きい原稿を搬送する動作を説明するための図を示す。
【図10】原稿搬送機構において大きい原稿を搬送する動作を説明するための図を示す。
【図11】画像読取動作制御のフローチャートを示す。
【図12】画像読取動作制御のフローチャートを示す
【図13】画像読取動作制御のフローチャートを示す。
【図14】本発明に係る第2の実施形態例の原稿搬送装置側面図を示す。
【図15】本発明に係る第3の実施形態例の原稿搬送装置側面図を示す。
【符号の説明】
1 自動原稿搬送装置(ADF)
2 読取装置
3 第1のプラテン
4 光源
5 ミラー
6 集光レンズ
8 第2のプラテン
9 原稿トレイ
11 排紙トレイ
16 給紙経路
17 搬送経路
18 排紙経路
19 第1循環経路
20 第2循環経路
21 中間経路
28 給紙ローラ
31、39 搬送ローラ
37 排紙ローラ
40 スイッチバックローラ
42 スイッチバックフラッパ
45 第1排出フラッパ
46 第2排出フラッパ
100 制御装置
S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7 センサ
M1 給紙モータ
M2 搬送モータ
Claims (9)
- 搬送される原稿を所定の読取位置で読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別する画像識別手段と、
搬送方向における原稿の長さを少なくとも長短の2種類に判別する原稿長判別手段と、
前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する第1循環経路と、
前記読取位置を通過した原稿を再び前記読取位置に搬送案内する前記第1循環経路よりも経路が長い第2循環経路と、
前記稿長判別手段の判別結果に応じて、前記読取位置を通過した原稿の経路として前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかを選択する選択手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記第2循環経路は、読取位置の下流側において前記第1循環経路から分岐し、再び前記第1循環経路に合流する迂回経路からなることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記迂回経路は、前記読取位置を通過し排紙口から排出する原稿を前記第1循環経路に返送する経路であることを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
- 前記原稿長判別手段は、前記原稿の長さを外部から入力されたデータによって判別する請求項1記載の画像読取装置。
- 搬送される原稿を所定の読取位置に配置された光学読取手段によって読み取るための画像読取方法において、
搬送方向における原稿の長さを判別するステップと、
前記読取位置を通過する原稿画像を読み取るステップと、
読み取られた原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別するステップと、
前記読取位置を通過した原稿の長さに応じて、第1循環経路に案内して再度読取位置に搬送するか、又は第1循環経路よりも長い経路を有する第2循環経路に案内して再度読取するかを選択するステップと、
前記選択された前記第1循環経路又は前記第2の循環経路の何れかの経路を経由して原稿を前記読取位置に搬送するステップと、
原稿の前記識別の結果に応じて当該原稿の読取モードを設定するステップと、
設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップと、
の各ステップを有することを特徴とする画像読取方法。 - 原稿トレイ上から繰り出された原稿を読取位置に案内する搬送経路と、
前記読取位置に搬送された原稿をその表裏を反転することなく再び前記搬送経路に原稿を返送する第1返送経路と、
前記第1返送経路よりも長い返送経路を有し、前記読取位置に搬送された原稿をその表裏を反転することなく再び前記搬送経路に原稿を返送する第2返送経路と、
前記読取位置から搬送される原稿の表裏を反転して再び前記搬送経路に原稿を返送するスイッチバック経路と、
前記読取位置から搬送された原稿を前記原稿トレイの下方に配設された排紙トレイに排紙する排紙経路と、
を備えたことを特徴とする原稿搬送装置。 - 前記スイッチバック経路、前記第1返送経路及び前記第2返送経路は、何れも前記読取位置の下流側に配設されていることを特徴する請求項6記載の原稿搬送装置。
- 前記第2の返送経路は、前記排紙経路に搬送された原稿を前記第1返送経路に導く経路切換手段を有する請求項7記載の原稿搬送装置。
- 所定の読取位置に配置された光学読取手段によって搬送される原稿の両面を順次読み取るための画像読取方法において、
原稿の搬送方向の長さを判別するステップと、
前記読取位置を通過する原稿の一方の面の画像を読み取るステップと、
読み取られた前記一方の面の原稿が白黒原稿であるか又はカラー画像を含む原稿であるかを識別するステップと、
前記読取位置を通過した原稿の長さに応じて、第1循環経路に案内して再度読取位置に搬送するか、又は第1循環経路よりも長い経路を有する第2循環経路に案内して再度読取するかを選択するステップと、
前記選択された前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかの経路を経由して原稿を前記読取位置に搬送するステップと、
原稿の前記識別の結果に応じて当該一方の面の原稿の読取モードを設定するステップと、
前記設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップと、
前記一方の面の画像が読み取られた原稿の表裏を反転すると共に読取位置に原稿を返送してスイッチバック経路に搬送するステップと、
前記スイッチバック経路において表裏反転された前記原稿の他方の面の画像を読み取るステップと、
読み取られた前記他方の面の画像が白黒画像かカラー画像を含む画像かを識別するステップと、
前記原稿を前記選択された前記第1循環経路又は前記第2循環経路の何れかの経路を介して読取位置に搬送するステップと、
原稿の前記他方の面の前記識別の結果に応じて当該他方の面の原稿の読取モードを設定するステップと、
前記設定された前記読取モードによって原稿画像を読み取るステップと、
の各ステップを有することを特徴とする両面原稿の画像読取方法。
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