以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の自動原稿搬送部とリーダ部の構成を示す構成図である。
図1において、画像読取装置は、自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)100、リーダ部200、コントローラ部(図2参照)(画像転送先)から構成されている。自動原稿搬送部100は、給紙ローラ1、分離ローラ2、搬送ローラ対3、レジストレーションローラ4、給送ローラ5、搬送ローラ6、大ローラ7、排紙ローラ8(以上搬送手段)、原稿裏面読取部17(第2の読取手段)を備える。リーダ部200は、流し読みガラス201、プラテンガラス202、CCDセンサ208(原稿表面読取部、第1の読取手段、光電変換手段)、スキャナユニット209(原稿表面読取部、第1の読取手段、光学手段)を備える。
自動原稿搬送部100において、原稿トレイ30には、複数枚の原稿Sを積載状態(原稿束)で載置可能である。分離パッド21は、原稿トレイ30から原稿搬送方向へ突出状態に配置され、原稿の搬送開始前に原稿の進出を規制する。給紙ローラ1は、モータにより原稿トレイ30上の原稿束の最上面の原稿に下降され回転駆動されることで、原稿束の最上面の原稿を給紙する。給紙ローラ1により給紙された最上面の原稿は、分離ローラ2と分離パッド21の作用により下側の原稿と分離される。原稿の分離は公知のリタード分離技術により実現される。
分離ローラ2と分離パッド21により分離された原稿は、搬送ローラ対3により搬送され、レジストレーション(以下レジスト)ローラ4に突き当てられる。これにより、原稿をループ状に形成することで、原稿の搬送における斜行を解消する。レジストローラ4の下流側には、レジストローラ4を通過した原稿を流し読みガラス201方向へ搬送する給紙パス(搬送路)が配置されている。ループ状に形成された原稿は、給紙パスに送り込まれる。
給紙パスに送り込まれた原稿は、大ローラ7及び給送ローラ5により流し読みガラス201上に給送される。ここで、大ローラ7は、流し読みガラス201に接触する。このとき、CCDセンサ208により原稿の表面画像を読み取ることが可能である。大ローラ7により給送された原稿は、搬送ローラ6を通過し、ローラ16と移動ガラス18の間を移動して、排紙フラッパ20及び排紙ローラ8を介して原稿排紙トレイ31へ排出される。排紙フラッパ20の上流側には原稿裏面読取部17が配置されている。原稿の排出時に、原稿裏面読取部17により原稿裏面の画像を読み取る。
一方、原稿を反転させて画像読み取りを行う場合は(原稿反転流し読みモード)、排紙ローラ8に原稿を噛ませた状態で、排紙ローラ8を逆回転させ排紙フラッパ20を切り替えることで、反転パス19に原稿を移動させる。反転パス19に移動させた原稿をレジストローラ4に突き当て、原稿を再度ループ状に形成することで、原稿の搬送における斜行を解消する。
その後、給送ローラ5及び大ローラ7により原稿を再び流し読みガラス201へ移動させることで、原稿裏面の画像を流し読みガラス201を介してスキャナユニット209及びCCDセンサ208により読み取ることも可能である。即ち、スキャナユニット209及びCCDセンサ208は、両面同時読みモードでは原稿表面の画像を読み取る原稿表面読取部を構成しているが、原稿反転流し読みモードでは原稿裏面の画像を読み取ることも可能である。
また、原稿トレイ30には、載置された原稿束の副走査方向にスライド可能なガイド規制板(不図示)が配置されると共に、ガイド規制板の動きに連動して原稿幅を検出する原稿幅検知センサ(不図示)が配置されている。原稿幅検知センサとレジストローラ4の上流側に配置されたレジスト前センサ11との組み合わせにより、原稿トレイ30上に載置された原稿束の原稿サイズが判別可能となる。
また、搬送路上に設けられた原稿長検知センサ(不図示)により、搬送路を搬送中の原稿の先端から後端を検知し、原稿の先端から後端までの搬送距離から原稿長を検出することも可能である。更に、原稿長検知センサにより検知した原稿長と原稿幅検知センサにより検知した原稿幅との組み合わせからも、原稿サイズを判別可能である。
リーダ部200において、スキャナユニット209は、ランプ203とミラー204を備えると共に副走査方向(図3cの矢印A方向)に移動可能であり、ランプ203により照明した原稿からの反射光をミラー204により反射させる。更に、ミラー204からの反射光をミラー205、206により反射させて導光し、レンズ207を介してCCDセンサ208に結像させる。シェーディング補正用白板(以下白板)210は、シェーディング補正による白レベルの基準データを作成するための部材である。
CCDセンサ208は、原稿の画像を流し読みガラス201またはプラテンガラス202を介して原稿の反射光として光学的に読み取り、反射光を光電変換することで画像データを出力する。原稿表面読取部は、スキャナユニット209(光学手段)とCCDセンサ208(光電変換手段)とから構成される。即ち、原稿搬送路に面する原稿読取位置を含む範囲を移動可能で原稿を照明すると共に原稿からの反射光を導光するスキャナユニット209と、導光される反射光を画像信号に光電変換するCCDセンサ208とから構成される。
図2は、画像読取装置の自動原稿搬送部とリーダ部とコントローラ部の制御構成を示すブロック図である。
図2において、自動原稿搬送部100は、CPU300、受光センサ(CIS:Contact Image Sensor)308(原稿裏面読取部、第2の読取手段)、画像処理部309(判定手段)を備えている。リーダ部200は、CPU321、画像メモリ329(格納手段)、画像セレクタ330(送信手段)、画像処理部325、CCDセンサ208(原稿表面読取部、第1の読取手段)、コントローラI/F部353(送信手段)を備えている。コントローラ部400は、制御回路401、増幅回路402、補正回路403、画像メモリ404を備えている。
まず、自動原稿搬送部100の構成を説明する。CPU300は、バスを介して接続されたROM301に格納された制御プログラムに基づいて原稿の搬送を制御する。また、CPU300は、リーダ部200のCPU321と通信ライン351を介してシリアル通信を行い、リーダ部200との間で制御データの授受を行う。また、CPU300は、原稿表面から読み取った画像データの先端基準となる画先信号も通信ライン351を介してリーダ部200のCPU321に通知する。
ROM301には、CPU300により実行される制御プログラムが格納されている。RAM302には、入力データや作業用データが記憶される。出力ポートには、上記図1に示した原稿搬送用の各種ローラを駆動するモータ303、ソレノイド306、クラッチ307が接続されている。入力ポートには、上記図1に示した各種のセンサ304が接続されている。
また、原稿裏面読取部17(図1参照)には、ランプ305と受光センサ(CIS)308が接続されている。原稿裏面読取部17により原稿裏面から読み取った画像データは、画像処理部309へ転送される。画像処理部309は、画像データに対し所定の画像処理を行うものであり、オートカラーセレクト(ACS)機能を内蔵している。ACS機能は、原稿から読み取った画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する機能である。ACS機能については図6に基づき後述する。
次に、リーダ部200の構成を説明する。CPU321は、リーダ部各部の制御を司ると共に、画像処理部309のACS機能と画像セレクタ330を用いて後述する画像データ転送制御を行う。ROM322には、CPU321により実行される制御プログラムが格納されている。RAM323は、CPU321のワーク領域となる。モータドライバ326は、スキャナユニット209を移動させる光学系駆動モータを駆動する。紙間補正処理部324は、当該原稿の読み取りと次の原稿の読み取りの間の期間において紙間補正(画像補正処理)を行う。
画像処理部325は、CCDセンサ208に結像された原稿の反射光像が光電変換されたデジタル画像データに対し各種の画像処理を行う。画像メモリ329には、自動原稿搬送部100内の画像処理部309で処理した画像データが画像通信ライン354を介して記憶される。画像セレクタ330は、画像処理部325を経由してくる原稿表面の画像データと、画像メモリ329に格納された原稿裏面の画像データのいずれかを選択し(選択的に)、コントローラI/F部353を介してコントローラ部400(画像転送先)に送信する。
更に、CPU321は、原稿画像データの先端基準となる画先信号についてはそのタイミングを取り、コントローラI/F部353を介してコントローラ部400に通知する。また、CPU321は、自動原稿搬送部100からの通信ライン351を介して通知される画先信号についても同様にそのタイミングを取り、コントローラI/F部353を介してコントローラ部400に通知する。
次に、コントローラ部400の構成を説明する。コントローラ部400には、リーダ部200のCCDセンサ208(原稿表面読取部)と、自動原稿搬送部100の受光センサ308(原稿裏面読取部)での読取に伴い、コントローラI/F部353経由で画像信号が送られてくる。即ち、CCDセンサ208、受光センサ308により原稿を走査する過程で、読み取り1ライン毎にアナログの画像信号が出力され、それぞれ画像処理部325、画像処理部309とコントローラI/F部353を経由しコントローラ部400に送られてくる。
制御回路401は、コントローラ部400各部の制御を司る。増幅回路402は、CCDセンサ208、受光センサ308から送られてきた画像信号を増幅した後、補正回路403に送出する。補正回路403は、増幅後の画像信号に対して補正処理を行い、画像メモリ404に書き込む。以上の処理を原稿の画像領域分について行うことで、原稿の読み取り画像を形成する。
本実施の形態は以下の特徴を有する。コントローラI/F部353により画像メモリ329の画像データをコントローラ部400へ送信開始する際、次の制御を行う。原稿裏面読取部17で読み取った画像データの読取元が白黒原稿とACS機能で判定した場合は、白黒画像データを送信する。原稿裏面読取部17で読み取った画像データの読取元がカラー原稿とACS機能で判定した場合は、カラー画像データを送信する。
コントローラI/F部353により画像メモリ329の画像データをコントローラ部400へ送信開始する際、第1の条件と第2の条件が成立した場合に次の制御を行う。送信する画像データを白黒画像データからカラー画像データに切り換える。第1の条件は、原稿裏面読取部17で読み取った画像データの読取元が白黒原稿とACS機能で判定した場合である。第2の条件は、コントローラI/F部353による白黒画像データの送信開始から送信終了までの間に、原稿裏面読取部17で読み取った画像データの読取元がカラー原稿とACS機能で判定した場合である。
次に、上記構成を有する本実施の形態の画像読取装置の各種動作について図3乃至図9を参照しながら詳細に説明する。
<原稿固定読みモード>
まず、画像読取装置により片面に画像を有する原稿(片面原稿)を読み取る際、原稿をプラテンガラス上に固定しスキャナユニット209を副走査方向に移動させて原稿画像を読み取る原稿読取モード(原稿固定読みモード)の動作を説明する。
図3aは、原稿固定読みモードにおけるシェーディング補正時のスキャナユニットの状態を示す図である。図3bは、ホームポジションのスキャナユニットの状態を示す図である。図3cは、原稿読み取り中のスキャナユニットの状態を示す図である。
図3において、利用者が画像読取装置の操作部から原稿画像の読取開始を指示すると、リーダ部200では光学系駆動モータによりスキャナユニット209を白板210の直下に移動させ、主走査方向の白レベル基準と主走査方向の配光補正を行う(図3a)。更に、リーダ部200では光学系駆動モータによりスキャナユニット209を加速させるのに十分な距離が確保されたホームポジション(スキャナユニットスタート位置)へ移動させる(図3b)。
その後、リーダ部200では光学系駆動モータによりスキャナユニット209を副走査方向(矢印A方向)に移動させ、原稿Sをランプ203で照射しながら、反射光をミラー204〜206とレンズ207を介しCCDセンサ208に結像させる。これにより、CCDセンサ208により原稿画像を読み取る(図3c)。リーダ部200では原稿Sの一方の端部から他方の端部までの読み取りが終了した後、ランプ203を消灯し、光学系駆動モータによりスキャナユニット209を移動させて図3aの位置に戻す。
<原稿流し読みモード>
次に、画像読取装置により原稿(片面に画像を有する片面原稿及び両面に画像を有する両面原稿)を読み取る際、スキャナユニット209を固定し原稿を搬送して画像を読み取る原稿読取モード(原稿流し読みモード)の動作を説明する。
図4aは、原稿流し読みモードにおけるシェーディング補正時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4bは、1枚目原稿分離開始時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4cは、原稿表面読取開始時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4dは、原稿裏面読取開始時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4eは、原稿表面読取完了時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4fは、原稿裏面読取完了時のスキャナユニットの状態を示す図である。図4gは、原稿排紙完了時のスキャナユニットの状態を示す図である。
図4において、利用者が画像読取装置の操作部から原稿の搬送開始を指示すると、リーダ部200では光学系駆動モータによりスキャナユニット209を白板210の直下に移動させ、シェーディング補正を行う。ここで、原稿裏面読取部17の移動ガラス上の白基準板(不図示)を用いて、同時にシェーディング補正を行う(図4a)。
自動原稿搬送部100では給紙ローラ1を原稿束の最上面に下降させ、分離ローラ2、給紙ローラ3の作用により、原稿束から最上面にある1枚の原稿だけを分離し、レジストローラ4まで給送する。このとき、リーダ部200は光学系駆動モータによりスキャナユニット209を図示のR点の直下へ移動させる(図4b)。R点は大ローラ7の鉛直方向中心線上に位置する点である。
自動原稿搬送部100でレジストローラ4を回転させると、原稿Sは給紙パスを経由して流し読みガラス201上へ導かれる(図4c)。原稿Sは流し読みガラス201上のR点を所定の速度で搬送される。これに伴い、リーダ部200ではR点の下部に待機しているスキャナユニット209により原稿の表面画像の読み取りを開始する(図4c)。この場合、原稿の先端がR点を通過するタイミングで原稿読取開始の信号が自動原稿搬送部100のセンサ304からリーダ部200のCPU321に通知される。
原稿の表裏両面を同時に読み取る両面同時読みモードの場合は、次の動作を行う。リーダ部200でスキャナユニット209及びCCDセンサ208(原稿表面読取部)により原稿表面の画像読み取りを行っている最中に、自動原稿搬送部100では原稿裏面読取部17により原稿裏面の画像読み取りを行う(図4d、図4e)。
自動原稿搬送部100では原稿裏面読取部17により原稿裏面の画像後端まで読み取りが終了すると(図4f)、読み取り終了後の原稿をそのまま図の右方向へ搬送し、排紙ローラ8により自動原稿搬送部100外部へ排出する。
また、リーダ部200ではN枚目の原稿が流し読みガラス201上のR点を通過し読み取られている間に、N枚目の原稿の後端が搬送ローラ対3を通過すると、給紙ローラ1により原稿トレイ30上の原稿束から(N+1)枚目の原稿の給送を開始する。リーダ部200では(N+1)枚目の原稿をプラテンガラス202上へ搬送し、画像の読み取り動作を行う。この場合、リーダ部200では原稿をレジストローラ4に突き当てた状態でレジストローラ4の起動タイミングを制御することで、R点上で読み取り中の前原稿との間隔を適宜調整し、プラテンガラス202上を所定の間隔で原稿を搬送する。
リーダ部200では原稿の読み取りと排紙が全て完了すると、光学系駆動モータによりスキャナユニット209を図示の矢印B方向に移動させる(図4g)。
<原稿反転流し読みモード>
次に、画像読取装置により、原稿の表裏を反転させて画像を読み取る原稿反転流し読みモードの動作を説明する。
図5aは、原稿反転流し読みモードにおける原稿排紙直前の排紙ローラ停止時のスキャナユニットの状態を示す図である。図5bは、反転パスでの原稿反転時のスキャナユニットの状態を示す図である。図5cは、原稿裏面読み取り中のスキャナユニットの状態を示す図である。図5dは、原稿排紙の際の再度原稿停止時のスキャナユニットの状態を示す図である。図5eは、原稿表裏再反転時のスキャナユニットの状態を示す図である。図5fは、原稿反転後の原稿排紙完了時のスキャナユニットの状態を示す図である。
図5において、自動原稿搬送部100では上記図4a〜図4gの一連の動作を行った後、原稿を排紙ローラ8に噛ませた状態で停止させる(図5a)。ただし、CCDセンサ208(原稿表面読取部)によりN枚目の原稿の読み取りを行っている最中は、(N+1)枚目の原稿の給送を行わず、かつ、原稿裏面読取部17を使用しないものとする。
自動原稿搬送部100では排紙ローラ8を排紙時の回転方向とは逆方向に回転させることで、原稿を図示の矢印C方向へ移動させる(図5b)。このとき、原稿後端をセンサ13により検知したら、排紙ローラ8を停止させる。次に、原稿裏面読取部17により原稿裏面をR点上にて読み取りながら搬送する(図5c)。
その後、自動原稿搬送部100では排紙ローラ8に原稿を再度噛ませた状態で停止させる(図5d)。更に、排紙ローラ8を逆転させて図示の矢印D方向に原稿を移動させ、原稿の表裏を反転させる(図5e)。原稿の表裏の反転後、自動原稿搬送部100では分離ローラ2と分離パッド21により原稿トレイ30上の次の原稿Sの分離を開始する(図5f)。
<オートカラーセレクト(ACS)機能>
次に、ACS機能について図6に基づき説明する。
図6は、画像読取装置の自動原稿搬送部100の画像処理部309に内蔵されたACS機能部の構成を示すブロック図である。
図6において、画像処理部309のACS機能部は、フィルタ601、レジスタ602〜レジスタ605、領域信号作成回路606、ヒストグラムカウント部607、色判定部608、カウンタ609を備える。ACS機能は、原稿から読み取った画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する機能である。つまり、画素ごとの彩度を求めて所定の閾値以上の画素がどれだけ存在するかに基づきカラー画像/白黒画像判定を行うものである。
しかし、白黒画像の原稿であっても、MTF(Modulation Transfer Function)等の影響により、ミクロ的に見るとエッジ周辺に色画素が多数存在し、単純に画素単位でACS機能による色判定を行うのは難しい。ACS機能による色判定方法としては様々な種類が提案されている。本実施の形態ではACS機能による色判定方法の種類にはこだわらないため、ごく一般的な方法について説明する。
上記のように、白黒画像の原稿でもミクロ的に見ると色画素が多数存在するわけであるから、その画素が本当に色画素であるかどうかは、注目画素に対して周辺の色画素の情報を基に判定する必要がある。フィルタ601は、そのために設けられたフィルタであり、注目画素に対して周辺画素を参照するためにFIFO(First In First Out)の構造を有する。
領域信号作成回路606は、CPU300(図2)によりレジスタ602〜レジスタ605に設定された値と、受光センサ308から送られたビデオ制御信号611に基づき、ACSをかける領域信号612を作成する。色判定部608は、ACSをかける領域信号612に基づき、注目画素に対してフィルタ601内のメモリに記憶された周辺画素を参照し、注目画素が色画素か白黒画素かを決定する。カウンタ609は、色判定部608から出力された色判定信号613の個数を計数する。ヒストグラムカウント部607は、RGB濃度値の出現度数を計数する。
CPU300は、受光センサ308の読み取り範囲に対してACSをかける領域を決定し、レジスタ602〜レジスタ605に設定する。また、CPU300は、ACSをかける領域内での色判定信号の個数を計数するカウンタ609の値を所定の閾値と比較し、当該原稿から読み取った画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判断する。
<画像転送モード>
次に、リーダ部200のCCDセンサ208(原稿表面読取部)と、自動原稿搬送部100の受光センサ308(原稿裏面読取部)での読取に伴いコントローラI/F部353経由でコントローラ部400に送られてくる画像信号について図7に基づき説明する。
図7は、画像読取装置のコントローラI/F部の画像信号に関わるタイミング図であり、(a)は、カラー画像信号転送時の信号マッピング動作を示すタイミング図、(b)は、白黒画像信号転送時の信号マッピング動作を示すタイミング図である。
図7(a)において、カラー画像信号転送時は、入力された画像信号R、G、Bは、それぞれV<7:0>、V<15:8>、V<23:16>信号ラインに割当てられて出力される。尚、DCLKは画像処理クロック信号である。
図7(b)において、白黒画像信号転送時は、原稿から読み取ったRGB信号のうち輝度信号としてG成分のみを転送する。輝度信号Y(G)がV<23:16>、V<15:8>、V<7:0>信号ラインに点順次で分配されて出力される。即ち、白黒画像信号の転送速度はカラー画像信号の転送速度の3倍になる。
<ACS機能を用いた画像転送モードの切り換え>
次に、原稿から読み取った画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判定するACS機能を用いて、コントローラ部400に対する画像転送モードを切り換える制御について図8に基づき説明する。
図8は、原稿表面読取部及び原稿裏面読取部による原稿画像読み取りと画像転送モードの関係を示すタイミング図である。
図8において、読取元の原稿の1枚目は表面及び裏面が共にカラー原稿、原稿の2枚目は表面及び裏面が共に白黒原稿、原稿の3枚目は表面及び裏面が共に白黒画像領域(前側)とカラー画像領域(後側)が混在した原稿であると想定する。画像転送モードには、カラー画像転送モードと白黒画像転送モードがある。原稿表面から読み取った画像データは常にカラー画像転送モードで転送する。
1枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点での1枚目の原稿裏面の画像データはACS機能によりカラー画像と判定されるので、原稿裏面の画像データもカラー画像転送モードで転送する。2枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点での2枚目の原稿裏面の画像データはACS機能により白黒画像と判定されるので、2枚目の原稿裏面の画像データは白黒画像転送モードで転送する。
3枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点では3枚目の原稿裏面の画像データはACS機能により白黒画像と判定されるため、3枚目の原稿裏面の画像データは白黒画像転送モードで転送を開始する。3枚目の原稿裏面の残り領域の画像からACS機能によりカラー画像と判定された場合は、カラー画像と判断された位置からの画像転送モードをカラー画像転送モードに切り換える。
次に、画像読取装置の両面同時読みモードの処理について図9a、図9bに基づき説明する。両面同時読みモードでは、スキャナユニット209及びCCDセンサ208(原稿表面読取部)により原稿表面の画像読み取りを行っている最中に、原稿裏面読取部17により原稿裏面の画像読み取りを行う。
図9a、図9bは、両面同時読みモードにおける読取ジョブ開始から読取ジョブ終了までの流れを示すフローチャートである。
図9a、図9bにおいて、利用者が画像読取装置の操作部から両面同時読みモードを指示すると、リーダ部200では両面同時読みモードによる読取ジョブを開始する(ステップS100)。まず、自動原稿搬送部100では原稿トレイ30上にある原稿を表面読取位置まで搬送を開始する(ステップS101)。原稿の先端が表面読取位置に到達したことをセンサで検知すると(ステップS102)、スキャナユニット209による原稿表面の読み取りを開始すると共に、読み取った原稿表面の画像データの転送を開始する(ステップS103)。
この場合、リーダ部200では画像セレクタ330が画像処理部325から入力される画像データをコントローラI/F部353に転送するように設定しておく。また、コントローラI/F部353はカラー画像転送モードに設定しておく。
リーダ部200で原稿表面の画像データの転送を開始したら、自動原稿搬送部100では原稿を等速度で搬送しながら、原稿の先端が原稿裏面読取部17に到達するのを待つ(ステップS104)。原稿の先端が原稿裏面読取部17に到達すると、自動原稿搬送部100では原稿裏面読取部17による原稿裏面の読み取りを開始すると共に、リーダ部200の画像メモリ329に対する原稿裏面の画像データの格納を開始する(ステップS105)。
原稿の後端がスキャナユニット209(原稿表面読取部)を通過した時点、即ち原稿表面の画像データの転送が終了した時点で(ステップS106でYES)、原稿裏面の画像データを転送するために次の設定を行う。リーダ部200では画像セレクタ330を、画像メモリ329から画像セレクタ330に入力される画像データをコントローラI/F部353に転送するように設定する。
このとき、画像処理部309は画像メモリ329にそれまでに格納された原稿裏面の画像データを基に、ACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する(ステップS107)。画像処理部309はACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であると判定した場合はステップS108に移行し、原稿の読取画像が白黒画像であると判定した場合はステップS109に移行する。
ACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であると判定した場合は、リーダ部200では原稿裏面の画像データの転送終了までカラー画像転送モードで画像メモリ329からコントローラ部400に画像データ転送を開始する(ステップS108)。画像データ転送が終了した時点で、自動原稿搬送部100では次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っているかどうかを判断する(ステップS113)。
次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っている場合は、自動原稿搬送部100で原稿トレイ30上から原稿を搬送し、リーダ部200で原稿表面の読み取りを開始する(ステップS101)。次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っていない場合は、リーダ部200で全ての原稿を読み取ったとして、原稿の読取り動作を終了する(ステップS114)。
ACS機能により原稿の読取画像が白黒画像であると判定した場合は、リーダ部200では白黒画像転送モードで画像メモリ329からコントローラ部400に画像データ転送を開始する(ステップS109)。
ここで、本実施の形態では、原稿表面読取部を構成する原稿読取位置にある時のスキャナユニット209と、原稿裏面読取部17との間の距離が離間した構成を有する。そのため、コントローラ部400に対する原稿表面の画像データ転送終了時点では、原稿裏面の画像は未だ読み取り中である。
上記の点から、ACS機能による判定結果は原稿裏面の全領域に対しての判定結果ではないため、原稿裏面の残りの領域にカラー画像が含まれている可能性がある。そこで、リーダ部200で画像メモリ329からコントローラ部400に対し白黒画像データの転送を開始した後は、原稿裏面から読み取る画像にカラー画像が含まれているかどうかを常時判定する(ステップS110)。
ACS機能により白黒判定された残りの画像にカラー画像が含まれていない場合は(ステップS110でNO)、自動原稿搬送部100では次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っているかどうかを判断する(ステップS113)。ステップS113の判断結果に基づく処理は上記と同様である。
ACS機能により白黒判定された残りの画像にカラー画像が含まれている場合は(ステップS110でYES)、自動原稿搬送部100では原稿の副走査方向における白黒画像とカラー画像の境界に相当するライン位置を記憶しておく。リーダ部200では記憶した副走査方向におけるライン位置以降の画像データを転送するモードをカラー画像転送モードに切り換える(ステップS112)。
尚、本実施の形態では、上述したように、原稿表面読取部を構成する原稿読取位置にある時のスキャナユニット209と、原稿裏面読取部17との間の距離が離間した構成となっている。そのため、原稿表面の画像データ転送終了後、それまでに格納した原稿裏面の画像データについてACS機能による色判定を行い、原稿裏面の画像データ転送を開始する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、原稿表面から読み取った画像データと原稿裏面から読み取った画像データをリーダ部200からコントローラ部400に交互に転送する際に次の制御を行う。原稿表面の画像データの転送が完了してから、原稿裏面の画像データの転送を開始するという時間差を利用して原稿裏面の画像データに対し、自動原稿搬送部100の画像処理部309のACS機能による色判定を行う。
即ち、原稿裏面の画像データの転送前に、リーダ部200の画像メモリ329に蓄積されている画像データを基にACS機能による色判定を行い、白黒画像と判定した場合は白黒画像転送モードで画像データ転送を行う。従って、両面同時読みモードにおいて原稿裏面の画像データ転送時間を短縮することができる。これにより、両面同時読みモードにおいて利用者からの原稿読み取り指示により原稿読み取りを開始して原稿読み取りが完了までに要する時間を従来よりも更に短縮することが可能となる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、原稿表面読取部と原稿裏面読取部との間が近い構成を有する点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上記第1の実施の形態の対応するものと同一なので、説明を省略する。
図10は、本実施の形態に係る画像読取装置の自動原稿搬送部とリーダ部の構成を示す構成図である。
図10において、本実施の形態では、原稿表面読取部を構成する原稿読取位置にある時のスキャナユニット209と、原稿裏面読取部17との間の距離が近い構成を有する。尚、本実施の形態における基本的な原稿搬送動作は、原稿裏面読取部17による第2の読取位置がスキャナユニット209による第1の読取位置と同一位置にある以外は、上記第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態では、原稿表面読取部を構成するスキャナユニット209と原稿裏面読取部17が原稿搬送路を挟んで鉛直方向で同じ位置にある。そのため、原稿裏面の画像の読み取り完了後、原稿裏面の全領域に対しACS機能によるカラー画像判定を行ってから原稿裏面の画像データ転送を開始する。
図11は、原稿表面読取部及び原稿裏面読取部による原稿画像読み取りと画像転送モードの関係を示すタイミング図である。
図11において、読取元の原稿の1枚目は表面及び裏面が共にカラー原稿、原稿の2枚目は表面及び裏面が共に白黒原稿、原稿の3枚目は表面及び裏面が共に白黒画像領域(前側)とカラー画像領域(後側)が混在した原稿であると想定する。画像転送モードには、カラー画像転送モードと白黒画像転送モードがある。原稿表面から読み取った画像データは常にカラー画像転送モードで転送する。
1枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点での1枚目の原稿裏面の画像データはACS機能によりカラー画像と判定されるので、原稿裏面の画像データもカラー画像転送モードで転送する。2枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点での2枚目の原稿裏面の画像データはACS機能により白黒画像と判定されるので、2枚目の原稿裏面の画像データは白黒画像転送モードで転送する。
3枚目の原稿表面の画像データを転送終了した時点では3枚目の原稿裏面の画像データはACS機能によりカラー画像と判定されるため、3枚目の原稿裏面の画像データはカラー画像転送モードで転送する。この方法では、3枚目の原稿の画像データ転送時間が上記第1の実施の形態よりも長くなるが、途中で白黒画像からカラー画像への切り換えが発生しないため、画質が良好な画像データを転送することが可能となる。
図12は、両面同時読みモードにおける読取ジョブ開始から読取ジョブ終了までの流れを示すフローチャートである。
図12において、利用者が画像読取装置の操作部から両面同時読みモードを指示すると、リーダ部200では両面同時読みモードによる読取ジョブを開始する(ステップS200)。まず、自動原稿搬送部100では原稿トレイ30上にある原稿を表面読取位置まで搬送を開始する(ステップS201)。原稿の先端が表面読取位置に到達したことをセンサで検知すると(ステップS202)、スキャナユニット209による原稿表面の読み取りを開始すると共に、読み取った原稿表面の画像データの転送を開始する(ステップS203)。
この場合、リーダ部200では画像セレクタ330が画像処理部325から入力される画像データをコントローラI/F部353に転送するように設定しておく。また、コントローラI/F部353はカラー画像転送モードに設定しておく。
リーダ部200で原稿表面の画像データの転送を開始したら、自動原稿搬送部100では原稿を等速度で搬送しながら、原稿の先端が原稿裏面読取部17に到達するのを待つ(ステップS204)。原稿の先端が原稿裏面読取部17に到達すると、自動原稿搬送部100では原稿裏面読取部17による原稿裏面の読み取りを開始すると共に、リーダ部200の画像メモリ329に対する原稿裏面の画像データの格納を開始する(ステップS205)。
原稿の後端がスキャナユニット209(原稿表面読取部)を通過した時点、即ち原稿表面の画像データの転送が終了した時点で、原稿裏面の画像データを転送するために次の設定を行う。リーダ部200では画像セレクタ330を、画像メモリ329から画像セレクタ330に入力される画像データをコントローラI/F部353に転送するように設定する。
このとき、画像メモリ329には原稿裏面の画像データの格納が完了しており、画像処理部309はACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であるか白黒画像であるかを判定する(ステップS207)。画像処理部309はACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であると判定した場合はステップS208に移行し、原稿の読取画像が白黒画像であると判定した場合はステップS209に移行する。
ACS機能により原稿の読取画像がカラー画像であると判定した場合は、リーダ部200では原稿裏面の画像データの転送終了までカラー画像転送モードで画像メモリ329からコントローラ部400に画像データ転送を開始する(ステップS208)。画像データ転送が終了した時点で、自動原稿搬送部100では次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っているかどうかを判断する(ステップS213)。
次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っている場合は、自動原稿搬送部100で原稿トレイ30上から原稿を搬送し、リーダ部200で原稿表面の読み取りを開始する(ステップS201)。次に読み取る原稿が原稿トレイ30上に残っていない場合は、リーダ部200で全ての原稿を読み取ったとして、原稿の読取り動作を終了する(ステップS211)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、両面同時読みモードにおいて利用者からの原稿読み取り指示により原稿読み取りを開始して原稿読み取りが完了までに要する時間を従来よりも更に短縮することが可能となる。
[他の実施の形態]
上記各実施の形態では、自動原稿搬送部100の原稿裏面読取部としてCIS、リーダ部200の原稿表面読取部としてCCDセンサを使用した場合を例に挙げたが、これらに限定されるものではない。原稿画像の読み取りが可能なセンサであれば、原稿表面読取部及び原稿裏面読取部に使用するセンサの種類は任意である。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することにより達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理により実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。