JP4424090B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原稿の画像を読み取る画像読み取り装置に係り、より詳しくは、原稿の表裏両面に形成された画像をカラー画像として読み取る画像読み取り装置に関する。
従来、複写機やファクシミリ等の読み取り装置、コンピュータ入力用のスキャナ等として、原稿における表裏両面の画像情報をユーザの介在なしに自動的に読み取る画像読み取り装置(自動両面読み取り装置)が広く用いられている。これらの自動両面読み取り装置としては、原稿反転部にて原稿を表裏反転させて読み取る方法が最も広く採用されている。即ち、この従来の方法にて表裏両面の画像情報を入力する際には、原稿読み取り部で片面を読み取った後、排出された原稿を表裏反転させて再び原稿読み取り部に搬送し、この原稿読み取り部にて他の片面を読み取っている。
しかし、この表裏反転による自動両面読み取りでは、一旦、原稿を排出した後に反転させて再度、原稿読み取り部に搬送する必要があることから、両面読み取りに際して時間が多くかかり、両面読み取りに際して生産性が劣ってしまう。また、原稿反転部では、原稿を表裏反転させるために複雑な機構が必要となり、この原稿反転部での原稿詰まり(JAM)の発生割合が他の搬送部と比べて高く、信頼性を向上させることが要求されていた。更には、狭いスペースにて自動両面読み取り装置を設計する場合に、原稿を反転させ、また排紙時に原稿のページ数を揃える必要性等から、原稿を小さな径にて急激に反転させる必要性が生じる場合がある。その結果、坪量の大きな所定の厚紙からなる原稿を搬送することが難しかった。
そこで、原稿を搬送する原稿パスの表裏両面側に2つのイメージセンサを設け、原稿を表裏反転させることなく、1回の原稿搬送にて原稿の両面を自動的に読み取る技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−356867号公報(第5頁、図1)
このように、表裏反転による自動両面読み取り装置では、前述のように原稿の反転を行う反転パスを用いて原稿を裏返す必要があり、読み取り装置が表面だけを連続で読み取る場合に比べて、読み取りの生産性は低下する。一方で、上記特許文献1のように、原稿の一搬送(反転なし)にて両面を同時に読み込んだ場合には、反転パスを理由にした読み取りの生産性低下は発生しない。
しかしながら、原稿の一搬送による両面同時読み取りを実現した場合であっても、後段への転送速度が改善されなければ、その生産性を上げることは困難である。例えば、複写機に自動両面読み取り装置を用いた場合を例に挙げると、読み取りに際しての原稿搬送速度が、複写機本体にて画像形成される用紙(記録紙)の搬送速度と同じであった場合には、反転なしで原稿の両面を同時に読み込んだ場合でも、原稿読み込みの生産性を上げることはできない。両面同時読み取りであっても、後段への画像転送速度が改善されなければ、読み取りの生産性は、例えば複写機本体の記録紙搬送速度の1/2の速度で原稿を搬送するものと同等となってしまう。
また、最近では、原稿に形成された画像をフルカラー画像として読み取るカラー画像読み取り装置が実用化されてきているが、上述した両面同時読み取りにおいて原稿の両面に形成された画像をカラー画像として読み取る場合には、表面画像データおよび裏面画像データのデータ量がモノクロ画像におけるデータ量の数倍となるため、原稿読み込みの生産性を向上させることが困難となっていた。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、原稿の表面、裏面に形成された画像を共にカラー画像として読み取ることのできる両面同時読み取りにおいて、読み取り装置からの出力の生産性を向上させることにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像読み取り装置は、搬送される原稿の一方の側から原稿における第1面の画像をカラー画像として第1の読み取り手段で読み取り、原稿の他方の側から原稿における第2面の画像をカラー画像として第2の読み取り手段で読み取り、第1の読み取り手段にて読み取られた原稿の第1面のカラー画像データを第1面のカラー画像データにおけるデータ量の半分以下となる第1の画像データに第1のデータ量変換手段で変換し、第2の読み取り手段にて読み取られた原稿の第2面のカラー画像データを第2面のカラー画像データにおけるデータ量の半分以下となる第2の画像データに第2のデータ量変換手段で変換し、第1のデータ量変換手段によって変換された第1の画像データおよび第2のデータ量変換手段によって変換された第2の画像データを格納手段に格納し、第1の読み取り手段および第2の読み取り手段にて次の原稿を読み取っている間に、格納手段に格納される第1の画像データおよび第2の画像データを転送手段で転送する。
ここで、第1のデータ量変換手段は、第1の読み取り手段にて読み取られた第1面のカラー画像データにおける副走査方向の解像度を半分以下にし、第2のデータ量変換手段は、第2の読み取り手段にて読み取られた第2面のカラー画像データにおける副走査方向の解像度を半分以下にすることを特徴とすることができる。また、第1のデータ量変換手段は、第1の読み取り手段にて読み取られた第1面のカラー画像データにおける階調を4階調以下にし、第2のデータ量変換手段は、第2の読み取り手段にて読み取られた第2面のカラー画像データにおける階調を4階調以下にすることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿における表面のカラー画像データを読み取ると共に、表面のカラー画像データの読み取りが完了する前に原稿における裏面のカラー画像データを読み取り手段で読み取り、読み取り手段により読み取られた表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データの解像度を低下させて表面の画像データおよび裏面の画像データに解像度変換手段で変換し、解像度変換手段により解像度が変換された表面の画像データおよび裏面の画像データを併合手段で併合し、併合手段によって併合された表面の画像データおよび裏面の画像データを格納手段に格納し、読み取り手段によって次の原稿の読み取りが行われている間に、格納手段に格納される併合された表面の画像データおよび裏面の画像データを転送手段で転送する。
ここで、解像度変換手段は、読み取り手段にて読み取られた表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データにおける副走査方向の解像度を半分にすることを特徴とすることができる。この場合に、併合手段は、データ量変換手段により変換された表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データが副走査方向に交互となるように併合を行うことを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿における表面のカラー画像データを読み取ると共に、表面のカラー画像データの読み取りが完了する前に原稿における裏面のカラー画像データを読み取り手段で読み取り、読み取り手段により読み取られた表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データの階調数を低減させて表面の画像データおよび裏面の画像データに階調変換手段で変換し、階調変換手段により階調数が低減された表面の画像データおよび裏面の画像データを並べ替え手段で並べ替え、並べ替え手段によって並べ替えられた表面の画像データおよび裏面の画像データを格納手段に格納し、読み取り手段によって次の原稿の読み取りが行われている間に、格納手段に格納される並べ替えられた表面の画像データおよび裏面の画像データを転送手段で転送する。
ここで、階調変換手段は、読み取り手段にて読み取られた各色256階調のRGBデータからなる表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データを各色4階調以下のYMCKデータに変換することを特徴とすることができる。この場合に、並べ替え手段は、各色4階調以下のYMCKデータが隣接するように階調数が低減された表面のカラー画像データおよび裏面のカラー画像データを並べ替えることを特徴とすることができる。
本発明によれば、原稿の表面、裏面に形成された画像を共にカラー画像として読み取ることのできる両面同時読み取りにおいて、読み取り装置からの出力の生産性を向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。この画像読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70、読み込まれた画像信号を処理する処理装置80、および処理装置80からの出力に対して画像処理を施す画像処理装置100に大別される。
原稿送り装置10は、給紙部の構成要素の一例として、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿トレイ11、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12を備えている。また、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11の原稿を搬送するナジャーロール13、ナジャーロール13により搬送された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14、ナジャーロール13により供給される原稿を1枚づつ捌くリタードロール15を備えている。最初に原稿が搬送される第1搬送路31には、一枚づつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20を備えている。また、第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル41を備えている。更に、プラテンロール19とアウトロール20との間には、本実施の形態における第2のセンサである、CIS(Contact Image Sensor)50を備えている。
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられ、これらの搬送路を切り替える搬送路切替ゲート42、読み込みが終了した原稿を積載させる排出トレイ40、排出トレイ40に対して原稿を排出させる第1排出ロール21を備えている。また、第3搬送路33を経由した原稿に対してスイッチバックさせる第4搬送路34、第4搬送路34に設けられ、実際に原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、プレレジロール17等を備える第1搬送路31に導く第5搬送路35、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36、第6搬送路36に設けられ、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43を備えている。
ナジャーロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。ナジャーロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。レジロール18では、ループ作成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めることができる。読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって、第2プラテンガラス72B(後述)に押圧されて、下面方向から画像データが読み込まれる。
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿をインバータパス(第4搬送路34)へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へ導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を載置可能に構成されると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送された原稿の画像読み取りを行っている。このスキャナ装置70は、筐体を形成する装置フレーム71に、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bが設けられている。
また、スキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、白色光源からなり原稿に光を照射する照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。更に、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。更に、スキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78を備える駆動基板79を備え、CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号は駆動基板79を介して処理装置80に送られる。本実施の形態では、CCDイメージセンサ78として、原稿の画像をカラー画像として読み取る所謂カラーセンサが用いられている。
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。原稿送り装置10によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図1に示す実線の位置に停止した状態にある。まず、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、本実施の形態における第1のセンサであるCCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。即ち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
本実施の形態では、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを停止させ、第2プラテンガラス72BにてCCDイメージセンサ78により原稿の第1面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味) に第2のセンサであるCIS50によって、原稿の第2面の読み取りを行うことが可能である。即ち、第1のセンサであるCCDイメージセンサ78と第2のセンサであるCIS50とを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を同時に読み取ることを可能としている。なお、これらCCDイメージセンサ78とCIS50とで、読み取り手段が構成される。
図2は、CIS50を用いた読み取り構造を説明するための図である。図2に示すように、CIS50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。原稿の片面(第1面)は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、この第1面の画像はCCDイメージセンサ78にてカラー画像として読み込まれる。一方、CIS50では、原稿を搬送する搬送路を介して対向する他方の側から、片面(第2面)の画像が読み込まれる。このCIS50は、ガラス51と、このガラス51を透過して原稿の第2面に光を照射するLED(Light Emitting Diode)アレイ52と、LEDアレイ52からの反射光を集光するレンズアレイであるセルフォックレンズ(登録商標)53と、このセルフォックレンズ53により集光された光を読み取るイメージセンサであるラインセンサ54を備えている。ラインセンサ54としては、CCDやCMOSセンサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。CIS50では、縮小光学系を用いずに、セルフォックレンズ53とラインセンサ54を用いて画像の取り込みを行うことから、構造をシンプルにすることができ、且つ、筐体を小型化し、消費電力を低減することができる。ここで、本実施の形態では、LEDアレイ52としてR(赤)G(緑)B(青)の3色のLED光源を組み合わせたものあるいは白色LED光源が用いられると共に、ラインセンサ54としてRGB3色用の3列一組のセンサが用いられており、原稿の第2面もカラー画像として読み取ることが可能となっている。
また、CIS50による画像読み取りに際して、この読み取り部を構成する搬送路に、CIS50の筐体から延びる制御部材55、制御部材55によって押し付けられた用紙を突き当てる突き当て部材60を備えている。また、この突き当て部材60の下流側にはガイド部材61が設けられている。制御部材55および突き当て部材60は、原稿の搬送路に直交する方向に(即ち、原稿送り装置10の前面から後面の方向に)、原稿送り装置10の前面から後面まで、搬送路の位置に対応して設けられている。
また、CIS50は、光学結像レンズにセルフォックレンズ53を採用していることから、焦点(被写界)深度が±0.3mm程度と浅く、スキャナ装置70を用いた場合に比べて約1/13以下の深度となっている。CIS50による読み取りに際しては、原稿の読み取り位置を所定の狭い範囲内に定めることが要求される。そこで、本実施の形態では、制御部材55を設け、原稿を制御部材55によって突き当て部材60に押し当てて搬送し、プラテンロール19とアウトロール20との間にある原稿の姿勢を安定的に制御できるように構成した。図2の実線矢印に示す「用紙の動きB」は、制御部材55が存在しない場合の用紙の動きを示したものであり、二点鎖線矢印に示す「用紙の動きA」は、制御部材55を設けた場合の用紙の動きを示したものである。「用紙の動きA」では、原稿が突き当て部材60に押し当てられて搬送されることが理解できる。即ち、制御部材55によって搬送される原稿を突き当て部材60に押し当てられた状態にて読み取ることで、被写界深度の浅いCIS50を用いた場合のピントの甘さを改善している。
次に、図1に示す処理装置80について説明する。
図3は、処理装置80を説明するためのブロック図である。本実施の形態が適用される処理装置80は、大きく、センサ(CCDイメージセンサ78およびCIS50)から得られた画像情報を処理する信号処理部81と、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御する制御部90とを備えている。信号処理部81は、原稿の表面(第1面)を読み取るCCDイメージセンサ78および裏面(第2面)を読み取るCIS50(ラインセンサ54)からの各々の出力に対して、アナログ信号の処理を行うAFE(Analog Front End)82、アナログ信号をディジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)83、ディジタル信号に対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施すディジタル処理部84が2系統、備えられており、表面(第1面)および裏面(第2面)の読み取り画像に対して、別々にディジタル処理が施される。このディジタル処理部84により処理されたディジタル信号は、画像処理装置(IPS)100にて解像度変換等の処理がなされ、例えばプリンタ等のIOT(Image Output Terminal)や、パーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステムへ出力される。
一方、制御部90は、各種両面読み取りの制御や片面読み取りの制御等を含め、原稿送り装置10およびスキャナ装置70の全体を制御する画像読み取りコントロール91、CCDイメージセンサ78およびCIS50を制御するCCD/CISコントロール92、読み取りタイミングに合わせてCIS50のLEDアレイ52やフルレートキャリッジ73の照明ランプ74を制御するランプコントロール93、スキャナ装置70におけるモータのオン/オフなどを行いフルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とのスキャン動作を制御するスキャンコントロール94、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロールの動作やフィードクラッチの動作、ゲートの切り替え動作等を制御する搬送機構コントロール95を備えている。これらの各種コントロールからは、原稿送り装置10およびスキャナ装置70に対して制御信号が出力され、かかる制御信号に基づいて、これらの動作制御が可能となる。画像読み取りコントロール91は、ホストシステムからの制御信号や、例えば自動選択読み取り機能に際して検出されるセンサ出力、ユーザからの選択等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御している。読み取りモードとしては、1パス(反転なし)による両面同時読み取りモード、反転パスによる両面読み取りモード、1パスによる片面読み取りモードが考えられる。
次に、画像処理装置100の機能および動作について説明する。
図4は、本実施の形態が適用される画像処理装置100の構成を示したブロック図である。画像処理装置100は、第1の読み取り手段としてのCCDイメージセンサ78から得られ、ディジタル化された高解像度(例えば600SPI(Spot Per Inch)×600SPI)のフルカラー画像からなる表面(第1面)の画像データを処理する第1のデータ量変換手段あるいは解像度変換手段としての第1のカラー画像処理部101、第2の読み取り手段としてのCIS50から得られ、ディジタル化された高解像度(例えば600SPI×600SPI)のフルカラー画像からなる裏面(第2面)の画像データを処理する第2のカラー画像処理部102、入力されてくるカラー画像データを格納する画像データ格納部103、を備えている。
画像データ格納部103は、入力されてくるカラー画像データ(パラレルデータ)のシリアル変換等を行うプログラマブルロジックアレイ104、このプログラマブルロジックアレイ104内に設けられ、第1のカラー画像処理部101から入力される第1面のカラー画像データおよび第2のカラー画像処理部102から入力される第2面のカラー画像データをマージして出力する併合手段としてのマルチプレクサ105、マルチプレクサ105から出力されたデータを格納する格納手段としてのメモリ106、このメモリ106をコントロールする転送手段としてのメモリコントローラ107、を備えている。画像データ格納部103には、第1のカラー画像処理部101および第2のカラー画像処理部102より、RGB各色8ビット(256階調、多値)からなる24ビット(3色×8ビット)のカラー画像データが入力される。また、メモリコントローラ107は、入力されてくる3色(RGB)のカラー画像データが色毎に格納されるようにメモリ106をコントロールする。
この画像読み取り装置では、上述したように、原稿の第1面および第2面をそれぞれフルカラー画像として読み取ることが可能である。また、この画像読み取り装置では、通常、1枚の原稿を解像度600SPI×600SPI且つRGB各色8ビット(256)の階調で読み込むことができる。このため、メモリ106は、解像度600SPI×600SPI、3色、256階調、のカラー画像データを格納できるメモリ容量を有している。
では、この画像読み取り装置を用いた両面カラー原稿の読み取り処理について詳細に説明する。図5は、両面カラー原稿、解像度600SPI×600SPI、8ビット階調(256階調)で、生産性を100%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。ここで、原稿送り装置10の最大となる原稿搬送能力を用いて原稿片面の読み取りを行い、外部に画像データを出力するに際して原稿送り装置10による原稿搬送を停止させずに(待たせずに)、順次、読み出しを実行する状態を「生産性100%」としている。
図5を用いてこの処理の流れを説明すると、まず、原稿送り装置10による原稿の搬送が行われ、CCDイメージセンサ78による原稿の第1面の読み取りおよびCIS50による同じ原稿の第2面の読み取りが行われる(ステップ101)。これらのうちCCDイメージセンサ78によって読み取られた原稿の第1面のカラー画像データ(表面画像データ)は、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第1のカラー画像処理部101で色変換処理や階調変換処理(TRC)、露光自動調整(AE)等が行われて下地除去やガミュート変換、ガンマ補正などの画質調整が施され(ステップ102)、プリンタ装置やPC等の外部装置へと出力される(ステップ103)。
一方、ステップ101においてCIS50によって読み取られた原稿の第2面のカラー画像データ(裏面画像データ)は、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第2のカラー画像処理部102で色変換処理や階調変換処理(TRC)、露光自動調整(AE)等が行われて下地除去やガミュート変換、ガンマ補正などの画質調整が施され(ステップ104)、RGB各色8ビットからなる24ビットのカラー画像データとして出力される。そして、このRGB各色8ビットからなる24ビットのカラー画像データは、マルチプレクサ105をスルーしてメモリコントローラ107によってメモリ106に格納される(ステップ105)。そして、上記ステップ103における表面画像データの出力が終了した後にメモリコントローラ107に対してメモリ読み出し信号が出力され(ステップ106)、メモリ106に格納された裏面画像データが第1のカラー画像処理部101を介してプリンタ装置やPC等の外部装置へと出力される(ステップ107)。そして、次に読み込むべき原稿が存在するか否かが判断され(ステップ108)、次の原稿が存在する場合にはステップ101に戻って処理を続行し、次の原稿が存在しない場合には処理を終了する。
次に、他の処理例について説明する。
図6は、両面カラー原稿、解像度300SPI×600SPI、8ビット階調(256階調)で生産性を200%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。なお、解像度300SPI×600SPIとは、副走査方向の解像度が300SPIで主走査方向の解像度が600SPIという意味である。「生産性200%」とは、原稿送り装置10の通常(100%)の原稿搬送能力を用いて原稿の両面を同時に読み取り、順次、読み出しを実行する状態であり、原稿送り装置10による原稿搬送を停止させずに(待たせずに)連続読み出しを可能とする状態を示している。なお、上述した「同時」とは、時間的に完全に一致している場合だけに限定されるものではない。例えば、本実施の形態のように、原稿の表面画像データの読み取りと裏面画像データの読み取りとで重なる時間がある場合、表面画像データの読み取りが完了する前に裏面の画像データの読み取りが開始される場合、原稿を反転させずに一度の搬送で原稿の表裏両面の画像データを読み取る場合等を含めることができる。
図6を用いて処理の流れを説明すると、まず、原稿送り装置10による原稿の搬送が行われ、CCDイメージセンサ78による原稿の第1面の読み取りおよびCIS50による同じ原稿の第2面の読み取りが行われる(ステップ201)。これらのうちCCDイメージセンサ78によって読み取られた表面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第1のカラー画像処理部101において所定の画像処理が施されると共に、フィルタ回路等を通して解像度変換を実行し、入力されてくる600SPI×600SPIの表面画像データを300SPI×600SPIのRGBデータあるいはLa**データに変換する(ステップ202)。一方、ステップ201においてCIS50によって読み取られた裏面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第2のカラー画像処理部102において所定の画像処理が施されると共に、フィルタ回路等を通して解像度変換を実行し、入力されてくる600SPI×600SPIの表面画像データを300SPI×600SPIのRGBデータあるいはLa**データに変換する(ステップ203)。なお、副走査方向の解像度を600SPIから300SPIに落としたことで、解像度変換後における表面画像データおよび裏面画像データのデータ量は、解像度変換前における表面画像データおよび裏面画像データのデータ量に対してそれぞれ半分となっている。
その後、マルチプレクサ105にステップ202で解像度変換された表面画像データおよびステップ203で解像度変換された裏面画像データが入力されて、マルチプレクサ105によってこれら表面画像データおよび裏面画像データがマージされ、マージされた表裏面画像データがメモリコントローラ107によってメモリ106に格納される(ステップ204)。ここで、解像度変換された表面画像データおよび裏面画像データは、共に600SPI×600SPIの画像データに対して300SPI×600SPIとそれぞれ半分のデータ量となっているため、表裏面2枚分の画像データを、1枚分の画像データを格納するために設けられたメモリ106に格納することが可能である。なお、表面画像データおよび裏面画像データをマージする具体的な手法については後述する。
そして、次に読み込むべき原稿が存在するか否かが判断される(ステップ205)。ここで、次の原稿が存在しない場合には、メモリコントローラ107に対してメモリ読み出し信号が出力され(ステップ206)、メモリ106に格納されたマージされた表裏面画像データが第1のカラー画像処理部101を介してプリンタ装置やPC等の外部装置へと出力され(ステップ207)、処理を終了する。
一方、ステップ205において、次の原稿が存在する場合には、メモリコントローラ107に対してメモリ読み出し信号が出力され(ステップ208)、メモリ106に格納されたマージされた表裏面画像データが第1のカラー画像処理部101を介して外部装置へと出力される(ステップ209)。また、表裏面画像データが出力されている間に、原稿送り装置10による次の原稿の搬送が行われ、CCDイメージセンサ78による原稿の第1面の読み取りおよびCIS50による同じ原稿の第2面の読み取りが行われる(ステップ210)。これらのうちCCDイメージセンサ78によって読み取られた表面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第1のカラー画像処理部101において所定の画像処理が施されると共に、フィルタ回路等を通して解像度変換を実行し、入力されてくる600SPI×600SPIの表面画像データを300SPI×600SPIのRGBデータあるいはLa**データに変換する(ステップ211)。一方、ステップ201においてCIS50によって読み取られた裏面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、第2のカラー画像処理部102において所定の画像処理が施されると共に、フィルタ回路等を通して解像度変換を実行し、入力されてくる600SPI×600SPIの表面画像データを300SPI×600SPIのRGBデータあるいはLa**データに変換する(ステップ212)。
その後、マルチプレクサ105にステップ211で解像度変換された表面画像データおよびステップ212で解像度変換された裏面画像データが入力されて、マルチプレクサ105によってこれら表面画像データおよび裏面画像データがマージされ、マージされた表裏面画像データがメモリコントローラ107によってメモリ106に格納される(ステップ213)。そして、ステップ205へと戻る。
次に、上述したステップ204における表面画像データおよび裏面画像データのマージについて説明する。
図7(a)は、解像度600SPI×600SPI(以下、単に600SPIという)で原稿の画像を読み取る際のページシンク信号(PS信号)、ラインシンク信号(LS信号)、600SPIデータの関係を示している。600SPIの場合、図中に示すLS信号に応じて、600SPIのカラー画像データが入力されてくる。
一方、図7(b)は、解像度300SPI×600SPI(以下、単に300SPIという)で原稿の画像を読み取る際のPS信号、LS信号、300SPIデータの関係を示している。なお、図7(b)においては、CCDイメージセンサ78で読み取られて解像度変換された表面画像データおよびCIS50で読み取られて解像度変換された裏面画像データを共に示している。300SPIの場合では、表面画像データと裏面画像データとが同時に入力されてしまうことになる。
そこで、本実施の形態では、図7(c)に示すように、上述した300SPIにおいて表面画像データと裏面画像データとを1LS分だけずらし、PS信号も同期を合わせることで、300SPIの表面画像データおよび裏面画像データをマージしている。これにより、表面画像データと裏面画像データとをリアルタイムでマージし、メモリ106に格納することが可能になる。なお、表面画像データと裏面画像データとを1LS分だけずらす手法としては、例えば、画像読み取り時のPS信号発生を表裏で1LS分あるいは奇数LS分だけずらすやり方や、画像読み取り時のPS信号は表裏で同一とし、裏面画像データあるいは表面画像データをラインメモリに一時的に格納することにより1LS分だけずらすやり方等が考えられる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、原稿の一度の搬送でこの原稿の両面に形成された画像を、共にカラー画像として読み取る場合に、表面画像データおよび裏面画像データの副走査方向の解像度を元の解像度600SPIに対しての半分の300SPIに落とすことで、表面画像データおよび裏面画像データのデータ量を元のデータ量のそれぞれ半分にした。これにより、表面画像データおよび裏面画像データすなわち2枚分の画像データを、元々1枚の裏面画像データを格納するために設けられたメモリ106内にまとめて格納することが可能となった。そして、搬送されてくる次の原稿をCCDイメージセンサ78およびCIS50を用いてカラー画像として読み取っている間に、メモリ106に格納される前の原稿の表面画像データおよび裏面画像データを外部へと転送するようにした。これにより、両面同時読み取りにおける生産性を向上させることができ、200%生産性を確保することが可能となる。
また、300SPIの表面画像データおよび裏面画像データをメモリ106に格納する前に、これら300SPIの表面画像データおよび裏面画像データをマルチプレクサ105を用いてマージするようにしたので、リアルタイム且つ効率的に表面画像データおよび裏面画像データをメモリ106に格納することができる。
さらに、一般的な解像度変換では、主走査、副走査共に同一解像度(300SPI)とすることが多い。本実施の形態は、主副走査同一解像度の場合でも、LS信号中の有効データが半分となるだけであり、上記説明と同様である。
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、CCDイメージセンサ78やCIS50で読み取られた表面画像データや裏面画像データの解像度を低くするのに代えて階調数を小さくすることで、データ量を減らすようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態1と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態が適用される画像処理装置100の構成を示したブロック図である。この画像処理装置100の基本構成は、実施の形態1で説明したものと同じであるが、実施の形態1で設けられていたマルチプレクサ105に代えて、第1のカラー画像処理部101から出力されてくる24ビットのカラー画像データを並べ替える第1の並べ替え部108、第2のカラー画像処理部102から出力されてくる24ビットのカラー画像データを並べ替える第2の並べ替え部109を有している点が異なっている。なお、これら第1の並べ替え部108および第2の並べ替え部109によって並べ替え手段が構成される。
本実施の形態に係る画像読み取り装置においても、生産性100%の場合には、図5を用いて説明した手順に従って両面カラー原稿の読み取り処理がなされる。
ここで、図9は、両面カラー原稿、解像度600SPI×600SPI、1ビット階調(2階調)で、生産性を200%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。
図9を用いて処理の流れを説明すると、まず、原稿送り装置10による原稿の搬送が行われ、CCDイメージセンサ78による原稿の第1面の読み取りおよびCIS50による同じ原稿の第2面の読み取りが行われる(ステップ301)。これらのうちCCDイメージセンサ78によって読み取られた表面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、階調変換手段として第1のカラー画像処理部101において所定の画像処理が施されると共にRGB各8ビット階調で入力されてくる表面画像データを2値化したYMCK画像データに変換する(ステップ302)。一方、ステップ301においてCIS50によって読み取られた裏面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などがなされた後、階調変換手段としての第2のカラー画像処理部102において所定の画像処理が施されると共にRGB各8ビット階調で入力されてくる裏面画像データを2値化したYMCK画像データに変換する(ステップ303)。
その後、第1の並べ替え部108にステップ302で階調変換された表面画像データが入力されると共に第2の並べ替え部109にステップ303で階調変換された裏面画像データが入力されて、第1の並べ替え部108によって表面画像データが、第2の並べ替え部109に裏面画像データが、それぞれ並べ替えられ、メモリコントローラ107によってメモリ106に格納される(ステップ304)。ここで、階調変換された表面画像データおよび裏面画像データのデータ量は、共に階調変換前の8ビット階調の画像データのデータ量に対して三分の一以下となっているため、表裏面2枚分の画像データを、1枚分の画像データを格納するために設けられたメモリ106に格納することが可能である。なお、階調変換された表面画像データおよび裏面画像データを並べ替えする具体的な手法については後述する。
そして、次に読み込むべき原稿が存在するか否かが判断される(ステップ305)。ここで、次の原稿が存在しない場合には、メモリコントローラ107に対してメモリ読み出し信号が出力され(ステップ306)、メモリ106に格納された階調変換された表裏面画像データが第1のカラー画像処理部101を介してプリンタ装置やPC等の外部装置へと出力され(ステップ307)、処理を終了する。
一方、ステップ305において、次の原稿が存在する場合には、メモリコントローラ107に対してメモリ読み出し信号が出力され(ステップ308)、メモリ106に格納された階調変換された表裏面画像データが第1のカラー画像処理部101を介して外部装置へと出力される(ステップ309)。また、表裏面画像データが出力されている間に、原稿送り装置10による次の原稿の搬送が行われ、CCDイメージセンサ78による原稿の第1面の読み取りおよびCIS50による同じ原稿の第2面の読み取りが行われる(ステップ310)。これらのうちCCDイメージセンサ78によって読み取られた表面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施された後、階調変換手段として第1のカラー画像処理部101において所定の画像処理が施されると共にRGB各8ビット階調で入力されてくる表面画像データを2値化したYMCK画像データに変換する(ステップ311)。一方、ステップ301においてCIS50によって読み取られた裏面画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などがなされた後、階調変換手段としての第2のカラー画像処理部102において所定の画像処理が施されると共にRGB各8ビット階調で入力されてくる裏面画像データを2値化(1ビット)したYMCK画像データに変換する(ステップ312)。
その後、第1の並べ替え部108にステップ302で階調変換された表面画像データが入力されると共に第2の並べ替え部109にステップ303で階調変換された裏面画像データが入力されて、第1の並べ替え部108によって表面画像データが、第2の並べ替え部109に裏面画像データが、それぞれ並べ替えられ、メモリコントローラ107によってメモリ106に格納される(ステップ313)。そして、ステップ305へと戻る。
次に、上述したステップ304における表面画像データおよび裏面画像データの並べ替えについて具体的に説明する。
図10(a)は、第1のカラー画像処理部101から出力される表面画像データおよび第2のカラー画像処理部102から出力される裏面画像データのフォーマットを示している。上述したように、通常の100%生産性モードでは、RGB各色8ビットの合計24ビットで表面画像データ、裏面画像データがそれぞれ出力されており、データバスの上位8ビット(23〜16)はR(赤:R7〜R0)、中位8ビット(15〜08)はG(緑:G7〜G0)、下位8ビット(07〜00)はB(青:B7〜B0)である。これに対し、本実施の形態における200%生産性モードでは、YMCK各色1ビットの合計4ビットで表面画像データ、裏面画像データがそれぞれ出力されており、データバスの23ビットがY、19ビットがM、15ビットがC、11ビットがKである。つまり、24ビットのバスに対し、わずか4ビットを使用しているに過ぎず、他の20ビットは未使用である。
そこで、本実施の形態では、2値化(1ビット)され、24ビットのバスで入力されるYMCKの表面画像データを、第1の並べ替え部108において並べ替え、図10(b)に示すように8ビットのデータにまとめる。一方、同様に、2値化(1ビット)され、24ビットのバスで入力されるYMCKの裏面画像データを、第2の並べ替え部109において並べ替え、図10(b)に示すように8ビットのデータにまとめる。これにより、表面画像データおよび裏面画像データのデータ量は、それぞれ、元のデータ量の三分の一になり、メモリ106に表面画像データおよび裏面画像データを格納することが可能になる。
以上詳述したように、本実施の形態では、RGB8ビット階調の表面画像データおよび裏面画像データを、YMCK1ビット階調に変換すると共に、それぞれ24ビットで出力されてくる変換後の表面画像データおよび裏面画像データを、並べ替えてまとめることで、それぞれ8ビットのデータとし、表面画像データおよび裏面画像データのデータ量を元のデータ量のそれぞれ三分の一にした。これにより、表面画像データおよび裏面画像データすなわち2枚分の画像データを、元々1枚の裏面画像データを格納するために設けられたメモリ106内にまとめて格納することが可能となった。そして、搬送されてくる次の原稿をCCDイメージセンサ78およびCIS50を用いてカラー画像として読み取っている間に、メモリ106に格納される前の原稿の表面画像データおよび裏面画像データを外部へと転送するようにした。これにより、両面同時読み取りにおける生産性を向上させることができ、200%生産性を確保することが可能となる。
なお、本実施の形態では、RGB8ビット階調の表面画像データおよび裏面画像データをYMCK1ビット階調に変換していたが、これに限られるものではなく、例えば図10(a)に示すように、YMCK2ビット階調に変換することもできる。この場合は、第1の並べ替え部108および第2の並べ替え部109において、図10(c)に示すように8ビットのデータにまとめることができるため、本実施の形態と同様に、200%生産性を確保することができる。
なお、実施の形態1,2では、原稿の表面を読み取る第1の読み取り手段としてCCDイメージセンサ78を用い、原稿の裏面を読み取る第2の読み取り手段としてCIS50を用いていたが、これに限られるものではなく、例えば表裏面の読み取りを共にCCDイメージセンサで行ってもよいし、共にCISで行っても構わない。
また、実施の形態1,2では、表面画像データのデータ量を元のデータ量の半分以下に減らすと共に、裏面画像データのデータ量も元のデータ量の半分以下に減らすことで、表面画像データおよび裏面画像データすなわち2枚分の画像データを、元々1枚の裏面画像データを格納するために設けられたメモリ106内にまとめて格納することを可能にしていたが、これに限られるものではない。例えば、表面画像データのデータ量を元のデータ量の70%に減らし、裏面画像データのデータ量を元のデータ量の30%に減らすようにしてもよい。つまり、表面画像データおよび裏面画像データからなる2枚分の画像データを、メモリ106に格納できる程度にデータ量を低減できるものであれば、表面画像データおよび裏面画像データに対する低減比率の配分やデータ量の低減手法については、適宜手法を採用することが可能である。
本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。 CISを用いた読み取り構造を説明するための図である。 処理装置を説明するためのブロック図である。 実施の形態1における画像処理装置の構成を示したブロック図である。 両面カラー原稿、解像度600SPI×600SPI、8ビット階調(256階調)で、生産性を100%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。 両面カラー原稿、解像度300SPI×600SPI、8ビット階調(256階調)で生産性を200%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。 (a)〜(c)は解像度変換された表面画像データおよび裏面画像データのマージを説明するための図である。 実施の形態2における画像処理装置の構成を示したブロック図である。 両面カラー原稿、解像度600SPI×600SPI、1ビット階調(2階調)で、生産性を200%とした場合における両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。 (a)〜(c)は階調変換された表面画像データおよび裏面画像データの並べ替えを説明するための図である。
符号の説明
10…原稿送り装置、50…CIS、52…LEDアレイ、53…セルフォックレンズ、54…ラインセンサ、70…スキャナ装置、73…フルレートキャリッジ、74…照明ランプ、75…ハーフレートキャリッジ、77…結像用レンズ、78…CCDイメージセンサ、79…駆動基板、80…処理装置、81…信号処理部、82…AFE(Analog Front End)、83…ADC(Analog Digital Converter)、84…ディジタル処理部、90…制御部、91…画像読み取りコントロール、92…CCD/CISコントロール、93…ランプコントロール、94…スキャンコントロール、95…搬送機構コントロール、100…画像処理装置、101…第1のカラー画像処理部、102…第2のカラー画像処理部、103…画像データ格納部、104…プログラマブルロジックアレイ(FPGA)、105…マルチプレクサ、106…メモリ、107…メモリコントローラ、108…第1の並べ替え部、109…第2の並べ替え部

Claims (7)

  1. 搬送される原稿の一方の側から当該原稿における第1面の画像をカラー画像として読み取る第1の読み取り手段と、
    前記原稿の他方の側から当該原稿における第2面の画像をカラー画像として読み取る第2の読み取り手段と、
    前記第1の読み取り手段にて読み取られた前記原稿の第1面のカラー画像データを副走査方向の解像度を半分にすることで当該第1面のカラー画像データにおけるデータ量の半分となる第1のカラー画像データに変換する第1のデータ量変換手段と、
    前記第2の読み取り手段にて読み取られた前記原稿の第2面のカラー画像データを副走査方向の解像度を半分にすることで当該第2面のカラー画像データにおけるデータ量の半分となる第2のカラー画像データに変換する第2のデータ量変換手段と、
    前記第2の読み取り手段にて読み取られた前記第2面のカラー画像データ1枚分を格納する容量を備えた格納手段と、
    前記第1のカラー画像データおよび前記第2のカラー画像データが副走査方向に1ラインごとに交互となるように併合する併合手段と、
    第1の両面同時読み取りモードでは、前記第1面のカラー画像データを外部に転送させるとともに前記第2面のカラー画像データを前記格納手段に格納させ、当該第1面のカラー画像データの転送を完了させた後に当該格納手段から当該第2面のカラー画像データを読み出して外部に転送させ、第2の両面同時読み取りモードでは、当該第1面のカラー画像データを前記第1のデータ量変換手段で前記第1のカラー画像データに変換させるとともに当該第2面のカラー画像データを前記第2のデータ量変換手段で前記第2のカラー画像データに変換させ、当該第1のカラー画像データおよび当該第2のカラー画像データを前記併合手段で副走査方向に1ラインごとに交互となるように併合させて前記格納手段に格納させ、前記第1の読み取り手段および前記第2の読み取り手段にて次の原稿を読み取っている間に、前記併合手段で副走査方向に1ラインごとに交互となるように併合されて前記格納手段に格納される当該第1のカラー画像データおよび当該第2のカラー画像データを読み出して外部に転送させる転送手段と
    を含む画像読み取り装置。
  2. 前記転送手段は、前記第2の両面同時読み取りモードにおいて、前記第1のカラー画像データおよび前記第2のカラー画像データを併合した状態で外部への転送を行うことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. 前記第1の読み取り手段は、前記原稿における第1面の画像を読み取って得た前記第1面のカラー画像データとして、RGB各色の多値のカラー画像データを出力し、
    前記第2の読み取り手段は、前記原稿における第2面の画像を読み取って得た前記第2面のカラー画像データとして、RGB各色の多値のカラー画像データを出力し、
    前記第1のデータ量変換手段は、前記第1面のカラー画像データとしてのRGB各色の多値のカラー画像データに対し、RGBの各色データについてそれぞれ解像度が半分となるように変換を行い、
    前記第2のデータ量変換手段は、前記第2面のカラー画像データとしてのRGB各色の多値のカラー画像データに対し、RGBの各色データについてそれぞれ解像度が半分となるように変換を行うこと
    を特徴とする請求項1または2記載の画像読み取り装置。
  4. 前記第1の読み取り手段による前記原稿の第1面の読み取りが終了する前に、前記第2の読み取り手段による当該原稿の第2面の読み取りを開始することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の画像読み取り装置。
  5. 原稿における表面のカラー画像データを読み取ると共に、当該表面のカラー画像データの読み取りが完了する前に当該原稿における裏面のカラー画像データを読み取る読み取り手段と、
    前記読み取り手段により読み取られた前記表面のカラー画像データおよび前記裏面のカラー画像データの副走査方向の解像度をそれぞれ半分にすることで表面の画像データおよび裏面の画像データに変換する解像度変換手段と、
    前記解像度変換手段により解像度が変換された前記表面の画像データおよび裏面の画像データが副走査方向に1ラインごとに交互となるように併合する併合手段と、
    前記読み取り手段にて読み取られた前記裏面のカラー画像データ1枚分を格納する容量を備え、前記併合手段によって併合された表面の画像データおよび裏面の画像データを格納する格納手段と、
    前記読み取り手段によって次の原稿の読み取りが行われている間に、前記格納手段に格納される前記併合された表面の画像データおよび裏面の画像データを外部に転送する転送手段と
    を含む画像読み取り装置。
  6. 前記転送手段は、前記表面のカラー画像データおよび前記裏面のカラー画像データを併合した状態で外部への転送を行うことを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
  7. 前記読み取り手段は、前記原稿における前記表面のカラー画像データとしてRGB各色の多値のカラー画像データを出力し、且つ、当該原稿における前記裏面のカラー画像データとしてRGB各色の多値のカラー画像データを出力し、
    前記解像度変換手段は、前記表面のカラー画像データとしてのRGB各色の多値のカラー画像データに対し、RGBの各色データについてそれぞれ解像度が半分となるように変換を行い、且つ、前記裏面のカラー画像データとしてのRGB各色の多値のカラー画像データに対し、RGBの各色データについてそれぞれ解像度が半分となるように変換を行うこと
    を特徴とする請求項5または6記載の画像読み取り装置。
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