JP4320568B2 - 画像読み取り装置、および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージセンサにより原稿画像を読み取る画像読み取り装置等に関し、より詳しくは、表裏両面の原稿画像を読み取ることができる画像読み取り装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やファクシミリ等の読み取り装置、コンピュータ入力用のスキャナ等として、原稿における表裏両面の画像情報をユーザの介在なしに自動的に読み取る画像読み取り装置(自動両面読み取り装置)が広く用いられている。これらの自動両面読み取り装置としては、原稿反転部にて原稿を表裏反転させて読み取る方法が最も広く採用されている。即ち、この従来の方法にて表裏両面の画像情報を入力する際には、原稿読み取り部で片面を読み取った後、排出された原稿を表裏反転させて再び原稿読み取り部に搬送し、この原稿読み取り部にて他の片面を読み取っている。
【0003】
しかし、この表裏反転による自動両面読み取りでは、一旦、原稿を排出した後に反転させて再度、原稿読み取り部に搬送する必要があることから、両面読み取りに際して時間が多くかかり、両面読み取りに際して生産性が劣ってしまう。また、原稿反転部では、原稿を表裏反転させるために複雑な機構が必要となり、この原稿反転部での原稿詰まり(JAM)の発生割合が他の搬送部と比べて高く、信頼性を向上させることが要求されていた。更には、狭いスペースにて自動両面読み取り装置を設計する場合に、原稿を反転させ、また排紙時に原稿のページ数を揃える必要性等から、原稿を小さな径にて急激に反転させる必要性が生じる場合がある。その結果、坪量の大きな所定の厚紙からなる原稿を搬送することが難しかった。
【0004】
そこで、原稿を搬送する原稿パスの表裏両面側に2つのイメージセンサを設け、原稿を表裏反転させることなく、1回の原稿搬送にて原稿の両面を自動的に読み取る技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−356867号公報(第5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、表裏反転による自動両面読み取り装置では、前述のように原稿の反転を行う反転パスを用いて原稿を裏返す必要があり、読み取り装置が表面だけを連続で読み取る場合に比べて、読み取りの生産性は低下する。一方で、特許文献1のように、原稿の一搬送(反転なし)にて両面を同時に読み込んだ場合には、反転パスを理由にした読み取りの生産性低下は発生しない。しかしながら、原稿の一搬送による両面同時読み取りを実現した場合であっても、後段への転送速度が改善されなければ、その生産性を上げることは困難である。例えば、複写機に自動両面読み取り装置を用いた場合を例に挙げると、読み取りに際しての原稿搬送速度が、複写機本体にて画像形成される用紙(記録紙)の搬送速度と同じであった場合には、反転なしで原稿の両面を同時に読み込んだ場合でも、原稿読み込みの生産性を上げることはできない。両面同時読み取りであっても、後段への画像転送速度が改善されなければ、読み取りの生産性は、例えば複写機本体の記録紙搬送速度の1/2の速度で原稿を搬送するものと同等となってしまう。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、原稿の表面、裏面を同時に読み取ることのできる両面同時読み取りに際して、読み取り装置からの出力の生産性を大幅に上昇させることにある。
また他の目的は、原稿の両面同時読み取りにおける画像データの転送、および原稿の片面読み取りにおける画像データの転送の各々において、出力の生産性を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿束から原稿を給紙する給紙部と、この給紙部により給紙された原稿を搬送する搬送路と、この搬送路の一方の側から原稿の表面の画像を読み取る第1のセンサと、搬送路の他方の側から原稿の裏面の画像を読み取る第2のセンサと、第1のセンサにより得られた表面の画像信号を蓄える第1のメモリと、第2のセンサにより得られた裏面の画像信号を蓄える第2のメモリと、カラー画像読み取りに際して色信号毎に異なったラインを用いて画像信号を転送する信号線と、搬送路への原稿の一度の搬送にて第1のセンサを介して得られた表面の画像信号を信号線における第1のラインを使用して出力し、この一度の搬送にて第2のセンサを介して得られた裏面の画像信号を信号線における第2のラインを使用して出力するコントローラとを含む。
【0009】
ここで、このコントローラは、原稿における表面の白黒画像信号の転送に信号線におけるR(赤),G(緑),B(青)の何れか1つのラインである第1のラインを使用し、原稿における裏面の白黒画像信号の転送に信号線の他のラインである第2のラインを使用することを特徴とすれば、高速に後段に画像データを転送することが可能となり、例えば生産性200%など、高い生産性を確保することができる。
【0010】
また、第1のメモリから表面の画像信号、および第2のメモリから裏面の画像信号が、コントローラに対して同時に出力されることを特徴とすることができる。このとき、第1のメモリおよび第2のメモリに第1の原稿における表面および裏面の画像信号を格納した後、この第1の原稿に続く第2の原稿の表面および裏面を第1のセンサおよび第2のセンサを用いて読み取りつつ、第1のメモリおよび第2のメモリから表面および裏面の画像信号を読み出すことを特徴とすることができる。更に、このコントローラは、第1のメモリから表面の画像信号および第2のメモリから裏面の画像信号を面順次に読み出し、後段に転送することを特徴とすることができる。
【0011】
一方、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿における第1面の画像データを第1の読み取り手段により読み取り、この第1の読み取り手段により原稿の第1面の画像データを読み取る際に、この原稿を反転させずに原稿の第2面の画像データを第2の読み取り手段によって読み取る。また、この第1の読み取り手段および第2の読み取り手段により読み取られた第1面の画像データおよび第2面の画像データを格納手段に格納する。そして、この第1の読み取り手段または第2の読み取り手段の何れかを用いて片面だけの画像データを読み取る際には格納手段を介することなく読み取られた画像データを後段に転送し、第1の読み取り手段および第2の読み取り手段の両者を用いて両面の画像データを同時に読み取る際には格納手段を介して転送手段により第1面の画像データおよび第2面の画像データを後段に転送する。これによって、片面だけの画像データを読み取る際には、最初のコピーを出力するための時間(FCOT:First Copy Output Time)を短縮することが可能となる。
【0012】
ここで、この転送手段は、両面を同時に読み取る際には、カラー画像読み取りに際してR(赤),G(緑),B(青)の色信号に使用される信号線を各々用いて白黒画像である第1面の画像データと白黒画像である第2面の画像データとを同時に転送することを特徴とすれば、片面原稿を読み取っているときと同様の動きで、片面原稿および両面原稿で速度差なく処理することができる点で好ましい。また、この転送手段は、格納手段から第1面の画像データおよび第2面の画像データを面順次に読み出し、後段に転送することを特徴とすることができる。このとき、カラー画像読み取りに際してR(赤),G(緑),B(青)の色信号に使用される何れか1色の信号線のみを用いて第1面の画像データおよび第2面の画像データを後段に転送することも可能である。
【0013】
更に他の観点から把えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、読み取り手段によって原稿における表面の画像データを読み取ると共に、この読み取り手段によって、表面の画像データの読み取りが完了する前にこの原稿における裏面の画像データを読み取り、この読み取り手段により読み取られた表面の画像データおよび裏面の画像データを格納手段に各々格納し、この格納手段に表面の画像データおよび裏面の画像データを格納した後、転送手段によって、この格納手段に格納されている表面の画像データおよび裏面の画像データを所定のタイミングにて同時に読み出して転送している。
【0014】
ここで、この転送手段は、読み取り手段により次の原稿における表面の画像データと裏面の画像データとを読み取っている間に、この格納手段から先の原稿における表面の画像データおよび裏面の画像データを読み出すことを特徴とすることができる。また、この読み取り手段により読み取られた表面の画像データおよび裏面の画像データに対して各々異なった画像処理を施すことを特徴とすることができる。更に、この転送手段は、カラー画像読み取りに際して色信号の転送に用いられるラインの中から、表面の画像データには所定の色信号の転送に用いられるラインを使用し、裏面の画像データには他の色信号の転送に用いられるラインを使用することを特徴としている。
【0015】
また、本発明が適用される画像処理装置は、原稿における第1面の画像データを入力手段により入力すると共に、この第1面の画像データに対する入力が完了する前に原稿における第2面の画像データをこの入力手段によって入力し、入力手段により入力された第1面の画像データおよび第2面の画像データに対して処理手段によって画像処理を施し、この処理手段により画像処理が施された第1面の画像データを、R(赤),G(緑),B(青)の色信号の転送に用いられる信号線の中から一の色信号に用いられる信号線を用いて転送し、転送手段では、この処理手段により画像処理が施された第2面の画像データを、他の一の色信号に用いられる信号線を用いて転送している。
【0016】
ここで、この転送手段は、第1面の画像データと第2面の画像データとを同時に転送することを特徴とすることができる。また、この転送手段は、第1面の画像データと第2面の画像データとを面順次に転送することを特徴とすることができる。
【0017】
更に、本発明が適用される画像処理装置は、原稿における表裏両面の画像データを入力し、またはこの原稿の表面および裏面の何れか一方の画像データを入力する入力手段と、この入力手段により入力された表裏両面の画像データを一旦、蓄積する蓄積手段と、この蓄積手段から表裏両面の画像データを読み出して後段に転送する転送手段とを含み、この転送手段は、入力手段により原稿の表面および裏面の何れか一方の画像データが入力される際には、この蓄積手段を介さずに後段に画像データを転送することを特徴とすることができる。
【0018】
ここで、この転送手段は、表裏両面の白黒からなる画像データを読み出して後段に転送する際には、カラー画像読み取りに際してR(赤),G(緑),B(青)の色信号に使用される信号線を各々用いて、表面の画像データと裏面の画像データとを同時に転送することを特徴としている。
【0019】
他のカテゴリから把えると、本発明が適用される画像読み取り方法は、搬送される原稿を反転させずに原稿における第1面の画像データおよび第2面の画像データを読み取り、読み取られた第1面の画像データおよび第2面の画像データを各々メモリに蓄積し、この第1面の画像データをメモリから読み出している間に第2面の画像データをメモリから読み出しており、読み出されたこの第1面の画像データを後段に転送している間に、読み出された第2面の画像データを後段に転送していることを特徴とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。この画像読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70、読み込まれた画像信号を処理する処理装置80、および処理装置80からの出力に対して画像処理を施す画像処理装置100に大別される。
【0021】
原稿送り装置10は、給紙部の構成要素の一例として、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿トレイ11、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12を備えている。また、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11の原稿を搬送するナジャーロール13、ナジャーロール13により搬送された原稿を更に下流側まで搬送するフィードロール14、ナジャーロール13により供給される原稿を1枚づつ捌くリタードロール15を備えている。最初に原稿が搬送される第1搬送路31には、一枚づつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿を更に下流側のロールまで搬送すると共にループ作成を行うプレレジロール17、一旦、停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿を更に下流に搬送するアウトロール20を備えている。また、第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心として回動するバッフル41を備えている。更に、プラテンロール19とアウトロール20との間には、本実施の形態における第2のセンサである、CIS(Contact Image Sensor)50を備えている。
【0022】
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられ、これらの搬送路を切り替える搬送路切替ゲート42、読み込みが終了した原稿を積載させる排出トレイ40、排出トレイ40に対して原稿を排出させる第1排出ロール21を備えている。また、第3搬送路33を経由した原稿に対してスイッチバックさせる第4搬送路34、第4搬送路34に設けられ、実際に原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、プレレジロール17等を備える第1搬送路31に導く第5搬送路35、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36、第6搬送路36に設けられ、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43を備えている。
【0023】
ナジャーロール13は、待機時にはリフトアップされて退避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。ナジャーロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを作成する。レジロール18では、ループ作成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿のループを妨げることのないように機能している。また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中におけるループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めることができる。読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって、第2プラテンガラス72B(後述)に押圧されて、下面方向から画像データが読み込まれる。
【0024】
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿をインバータパス(第4搬送路34)へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へ導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
【0025】
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を載置可能に構成されると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送された原稿の画像読み取りを行っている。このスキャナ装置70は、筐体を形成する装置フレーム71に、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を形成する第2プラテンガラス72Bが設けられている。
【0026】
また、スキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体に亘ってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。更に、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。更に、スキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78を備える駆動基板79を備え、CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号は駆動基板79を介して処理装置80に送られる。
【0027】
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、主走査方向とは直交する方向(副走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
【0028】
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。原稿送り装置10によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図1に示す実線の位置に停止した状態にある。まず、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、本実施の形態における第1のセンサであるCCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。即ち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの読み取りが完了する。
【0029】
本実施の形態では、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを停止させ、第2プラテンガラス72BにてCCDイメージセンサ78により原稿の第1面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味) に第2のセンサであるCIS50によって、原稿の第2面の読み取りを行うことが可能である。即ち、第1のセンサであるCCDイメージセンサ78と第2のセンサであるCIS50とを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を同時に読み取ることを可能としている。
【0030】
図2は、CIS50を用いた読み取り構造を説明するための図である。図2に示すように、CIS50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。原稿の片面(第1面)は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、この第1面の画像はCCDイメージセンサ78にて読み込まれる。一方、CIS50では、原稿を搬送する搬送路を介して対向する他方の側から、片面(第2面)の画像が読み込まれる。このCIS50は、ガラス51と、このガラス51を透過して原稿の第2面に光を照射するLED(Light Emitting Diode)52と、LED52からの反射光を集光するレンズアレイであるセルフォックレンズ53と、このセルフォックレンズ53により集光された光を読み取るイメージセンサであるラインセンサ54を備えている。ラインセンサ54としては、CCDやCMOSセンサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。CIS50では、縮小光学系を用いずに、セルフォックレンズ53とラインセンサ54を用いて画像の取り込みを行うことから、構造をシンプルにすることができ、且つ、筐体を小型化し、消費電力を低減することができる。尚、カラー画像を読み込む場合には、LED52にR(赤)G(緑)B(青)の3色のLED光源を組み合わせ、ラインセンサ54としてRGB3色用の3列一組のセンサを用いれば良い。
【0031】
また、CIS50による画像読み取りに際して、この読み取り部を構成する搬送路に、CIS50の筐体から延びる制御部材55、制御部材55によって押し付けられた用紙を突き当てる突き当て部材60を備えている。また、この突き当て部材60の下流側にはガイド部材61が設けられている。制御部材55および突き当て部材60は、原稿の搬送路に直交する方向に(即ち、原稿送り装置の前面から後面の方向に)、原稿送り装置の前面から後面まで、搬送路の位置に対応して設けられている。
【0032】
また、CIS50は、光学結像レンズにセルフォックレンズ53を採用していることから、焦点(被写界)深度が±0.3mm程度と浅く、スキャナ装置70を用いた場合に比べて約1/13以下の深度となっている。CIS50による読み取りに際しては、原稿の読み取り位置を所定の狭い範囲内に定めることが要求される。そこで、本実施の形態では、制御部材55を設け、原稿を制御部材55によって突き当て部材60に押し当てて搬送し、プラテンロール19とアウトロール20との間にある原稿の姿勢を安定的に制御できるように構成した。図2の実線矢印に示す「用紙の動きB」は、制御部材55が存在しない場合の用紙の動きを示したものであり、二点鎖線矢印に示す「用紙の動きA」は、制御部材55を設けた場合の用紙の動きを示したものである。「用紙の動きA」では、原稿が突き当て部材60に押し当てられて搬送されることが理解できる。即ち、制御部材55によって搬送される原稿を突き当て部材60に押し当てられた状態にて読み取ることで、被写界深度の浅いCIS50を用いた場合のピントの甘さを改善している。
【0033】
次に、図1に示す処理装置80について説明する。
図3は、処理装置80を説明するためのブロック図である。本実施の形態が適用される処理装置80は、大きく、センサ(CCDイメージセンサ78およびラインセンサ54)から得られた画像情報を処理する信号処理部81と、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御する制御部90とを備えている。信号処理部81は、表面(第1面)を読み取るCCDイメージセンサ78および裏面(第2面)を読み取るラインセンサ54からの各々の出力に対して、アナログ信号の処理を行うAFE(Analog Front End)82、アナログ信号をディジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)83、ディジタル信号に対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施すディジタル処理部84が2系統、備えられており、表面(第1面)および裏面(第2面)に対して各々、別々にディジタル処理が施される。このディジタル処理部84により処理されたディジタル信号は、画像処理装置(IPS)100にて解像度変換等の処理がなされ、例えばプリンタ等のIOT(Image Output Terminal)や、パーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステムへ出力される。
【0034】
一方、制御部90は、各種両面読み取りの制御や片面読み取りの制御等を含め、原稿送り装置10およびスキャナ装置70の全体を制御する画像読み取りコントロール91、第1のセンサであるCCDイメージセンサ78およびCIS50を制御するCCD/CISコントロール92、読み取りタイミングに合わせてCIS50のLED52やフルレートキャリッジ73の照明ランプ74を制御するランプコントロール93、スキャナ装置70におけるモータのオン/オフなどを行いフルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とのスキャン動作を制御するスキャンコントロール94、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロールの動作やフィードクラッチの動作、ゲートの切り替え動作等を制御する搬送機構コントロール95を備えている。これらの各種コントロールからは、原稿送り装置10およびスキャナ装置70に対して制御信号が出力され、かかる制御信号に基づいて、これらの動作制御が可能となる。画像読み取りコントロール91は、ホストシステムからの制御信号や、例えば自動選択読み取り機能に際して検出されるセンサ出力、ユーザからの選択等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御している。読み取りモードとしては、1パス(反転なし)による両面同時読み取りモード、反転パスによる両面読み取りモード、1パスによる片面読み取りモードが考えられる。
【0035】
次に、画像処理装置100の機能および動作について説明する。
図4は、本実施の形態が適用される画像処理装置100の構成を示したブロック図である。画像処理装置100は、CCDイメージセンサ78から得られ、ディジタル化された高解像度(例えば600SPI(Spot Per Inch))の白黒画像からなる表面(第1面)の画像データを処理するカラー用画像処理部101、CIS50から得られた高解像度(例えば600SPI)の白黒画像からなる裏面(第2面)の画像データを処理する白黒用画像処理部102、パラレルデータのシリアル変換等を行うプログラマブルロジックアレイ(FPGA)103、カラー用画像処理部101にて画像処理された表面画像データを格納する第1メモリ104、この第1メモリ104を制御する第1メモリコントローラ105、白黒用画像処理部102にて画像処理された裏面画像データを格納する第2メモリ106、この第2メモリ106を制御する第2メモリコントローラ107を備えている。
【0036】
CCDイメージセンサ78から得られた表面(第1面)の画像は、カラー用画像処理部101で、例えば600SPIから200SPIに解像度を落として第1メモリ104に書き込まれる。CIS50から得られた裏面(第2面)の画像は、白黒用画像処理部102で、例えば600SPIから200SPIに解像度を落として第2メモリ106に書き込まれる。1枚目の両面の原稿を読み取った後、第1メモリ104および第2メモリ106を例えば同時に読み出し、カラー用画像処理部101の後段回路を用いて多値または2値へ変換して出力している。カラー用画像処理部101の出力信号線は、例えば24ビットのバスから構成されている。カラー画像信号を出力する際には、例えば、8ビットずつのラインを用いて、R(赤),G(緑),B(青)の色信号に関するデータを出力している。
【0037】
図5は、白黒原稿(B/W原稿)、解像度200SPIで、生産性を200%とした両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。最終的な出力形態としては、8ビット多値出力または2値出力である。ここで、原稿送り装置10の最大となる原稿搬送能力を用いて原稿片面の読み取りを行い、外部に画像データを出力するに際して原稿送り装置10の原稿搬送を停止させずに(待たせずに)、順次、読み出しを実行する状態を「生産性100%」としている。「生産性200%」とは、原稿送り装置10の通常(100%)の原稿搬送能力を用いて原稿の両面を同時に読み取り、順次、読み出しを実行する状態であり、原稿送り装置10の原稿搬送を停止させずに(待たせずに)連続読み出しを可能とする状態を示している。尚、「同時」とは、時間的に完全に一致している場合だけに限定されない。例えば、表面の画像データの読み取りと裏面の画像データの読み取りとで重なる時間がある場合、表面の画像データの読み取りが完了する前に裏面の画像データの読み取りが開始される場合、原稿を反転させずに一度の搬送で表裏両面を読み取る場合等を含めることができる。
【0038】
図5を用いて処理の流れを説明すると、まず、カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102に、表面画像データおよび裏面画像データが入力される(ステップ101)。入力されるこれらの画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施されており、例えば600SPIの解像度を有している。カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102では、フィルタ回路を通して解像度変換を実施し、入力された画像データを例えば200SPIに変換する(ステップ102)。ここでは、白黒モードを前提としており、カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102からは、例えば、Odd/Evnの8ビット×2データが出力される。また、200SPIに解像度変換を行うことから、画像データは3ラインに1回の出力となる。尚、Odd/Evnといった偶数/奇数の2系統を採用しているのは、通常の画像処理において、処理の生産性を上げるためである。
【0039】
カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102から出力されるOdd/Evnのパラレルデータは、プログラマブルロジックアレイ103にてシリアルデータに変換され(ステップ103)、8ビット×1にマージされて、第1メモリコントローラ105および第2メモリコントローラ107に送られる。このマージを実行しない場合には、メモリコントローラが4つ必要となり、例えばローテンション(画像回転)ができない等の不具合が生じる場合がある。そして、第1メモリコントローラ105および第2メモリコントローラ107によって、表面画像データは第1メモリ104に、裏面画像データは第2メモリ106に格納される(ステップ104)。
【0040】
第1メモリ104および第2メモリ106に画像データが蓄えられた後、第1メモリコントローラ105および第2メモリコントローラ107は、第1メモリ104および第2メモリ106から同時に画像データを読み出す(ステップ105)。同時に読み出すことで、両者のタイミング合わせが容易となる。このとき、生産性を向上させるためには、次原稿の読み取りはコンカレントに実施されることが好ましい。第1メモリ104および第2メモリ106から読み出された8ビットのデータは、プログラマブルロジックアレイ103にて、擬似的に16ビットに膨らまされる(ステップ106)。16ビット化された画像データは、カラー用画像処理部101の所定のインタフェースを2系統使用して入力される。
【0041】
その後、カラー用画像処理部101では、内部のカラー用回路と白黒用回路の2系統を別々のパラメータ設定で動作させ、例えば、表面画像データをカラー用回路で処理し、裏面画像データを白黒用回路で処理する(ステップ107)。このカラー用回路や白黒用回路では、色変換処理や階調変換処理(TRC)、露光自動調整(AE)等が行われ、下地除去やガミュート変換、ガンマ補正など、表裏別の画質調整、全面AEが行われる。
【0042】
ここで、多値出力か2値出力かが判断される(ステップ108)。多値出力である場合には、カラー用画像処理部101に設けられるパッキング回路がスルーされ、表面のOddデータとEvnデータ、裏面のOddデータとEvnデータの計32ビットがカラー用画像処理部101の出口に用意される。このとき、OddデータとEvnデータとは同一のデータである。従って、カラー用画像処理部101から出力される32ビットのデータの中から、表面のOddデータと裏面のOddデータが選択される(ステップ109)。尚、出力口は、カラー用画像処理部101のレジスタで自由に選択することができる。一方、2値出力の場合には、パッキング回路が使用され、表裏両面の画像データが特定のモードに割り付けられる(ステップ110)。その後、カラー用画像処理部101からのカラー読み取りの信号線が用いられて、表面画像データと裏面画像データとが同時に出力される(ステップ111)。この出力では、カラー画像読み取りの際、例えばR(赤),G(緑),B(青)に使われる信号線が、両面同時読み取りにおける表面画像信号と裏面画像信号との出力に利用されている。例えば、表面画像信号にはカラー画像読み取りにおけるR(赤)に用いられるラインが、裏面画像信号にはカラー画像読み取りにおけるG(緑)に用いられるラインが用いられる。
【0043】
このように、図5に示す処理によれば、両面同時読み取りにおいて、生産性200%のスキャンインが可能となる。また、例えば、第1メモリコントローラ105や第2メモリコントローラ107を用いて、スキャンイン時のローテンションも可能となる。更に、図5に示す処理によれば、多値出力と2値出力とでデータパスを同一とすることができる。また、表面と裏面とで個別に画像調整が可能となり、更に、先端部に対する露光自動調整(先端AE)に加え、表面/裏面に対して個々に、原稿全面に対する露光自動調整(全面AE)を実施することが可能となる。また更に、画像データの入力やコントローラへの出力が同期した制御で実施することが可能となる。
【0044】
尚、表面(第1面)などの片面だけの画像を読み取る場合には、第1メモリコントローラ105および第1メモリ104を介さずに出力するように構成している。このように構成することで、最初のコピーを出力するための時間(FCOT:First Copy Output Time)を短縮することが可能となる。
【0045】
次に、他の処理例について説明する。
図6は、白黒原稿(B/W原稿)、解像度600SPIで、生産性を200%とした両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。ここでは、カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102にて2値化まで実施し、第1メモリ104および第2メモリ106に画像データを書き込む。そして、1枚目の原稿の読み取りを終了した後、下記の2つのパターン(第1パターンおよび第2パターン)の何れかのパターンを経て、カラー用画像処理部101から、カラー画像読み取りの際に使われる信号線を、両面同時読み取りにおける表面画像信号と裏面画像信号との転送に利用して、画像信号を出力している。
【0046】
ここで、第1パターンおよび第2パターンを説明すると、
(i) 第1パターン
第1メモリ104および第2メモリ106から同時に表裏画像データを読み出す。そして、プログラマブルロジックアレイ103にて表裏画像データをマージ(並び替え)してカラー用画像処理部101へ入力し、カラー用画像処理部101内部をスルーして後段へ出力する。
(ii) 第2パターン
第1メモリ104をアクティブ時間1/2のページ信号で読み出し、カラー用画像処理部101を経由して後段へ出力する。次に、第2メモリをアクティブ時間1/2のページ信号で読み出し、カラー用画像処理部101を経由して後段へ出力する。
【0047】
図6を用いて、処理の流れを説明すると、まず、カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102に、表面画像データおよび裏面画像データが入力される(ステップ201)。入力される画像データは、信号処理部81によってシェーディング補正やギャップ補正などが施されており、例えば600SPIの解像度を有している。カラー用画像処理部101および白黒用画像処理部102からは、白黒モード、1画素8ビットで"00h"または"FFh"の2値データが、例えば、Odd/Evnの8ビット×2データで出力される(ステップ202)。プログラマブルロジックアレイ103では、Odd/Evnそれぞれ、8ビット中任意の1ビットずつが選出される(ステップ203)。そして、第1パターンでは、8ビットのデータにまとめて、第1メモリコントローラ105および第2メモリコントローラ107へ送り、第1メモリ104に表面画像データ、第2メモリ106に裏面画像データが各々格納される。一方、第2パターンでは、8ビットのデータにマージ(並び替え)して主走査データ量を減らした上で、第1メモリ104に表面画像データ、第2メモリ106に裏面画像データが各々格納される(ステップ204)。
【0048】
その後、第1メモリ104から表面画像データが、第2メモリ106から裏面画像データが読み出される(ステップ205)。そして、プログラマブルロジックアレイ103にて、所定のフォーマット変換が実行される(ステップ206)。これらの処理では、上述の第1のパターンおよび第2のパターンで内容が異なる。
【0049】
図7(a),(b)は、第1のパターンにおける画像データの読み出しとフォーマット変換を説明するための図である。第1のパターンでは、図7(a)に示すようなラインシンク信号(LS信号)に応じて、第1メモリ104に格納されている表面画像データおよび第2メモリ106に格納されている裏面画像データが同時に読み出される。このとき、生産性を高くするためには、次の原稿の読み取りをコンカレントに実施することが望ましい。また、ラインシンク信号は、書き込み用と読み出し用とで同じ物を使用することができる。図7(a)に示す例では、各8ビットデータの下位2ビットを用いてOdd/Evnの情報が示されている。
【0050】
フォーマット変換の例としては、例えば、図7(b)の上段に示すように、同時に読み出された表面画像データ(表面データ)8ビットと裏面画像データ(裏面データ)8ビットとを順に並べ、16ビットの出力とすることができる。また、例えば、図7(b)の下段に示すように、同時に読み出された表面画像データ(表面データ)8ビットと裏面画像データ(裏面データ)8ビットとをまとめ、8ビット出力とすることができる。このようにしてプログラマブルロジックアレイ103にてフォーマット変換が行われた後、カラー用画像処理部101へ出力される。
【0051】
図8(a)〜(e)は、第2のパターンにおける画像データの読み出しとフォーマット変換を説明するための図である。第2のパターンでは、図8(a)に示すように、1画像あたりの書き込みPS(ページシンク)に、表面画像データ(表面データ)と裏面画像データ(裏面データ)とが読み出され、2画素の読み出しPSが形成される。即ち、第1メモリ104および第2メモリ106からの読み出し時間は、1画像あたりの書き込み画像の1/2以下となる。そして、かかる読み出し時間によって、第1メモリ104および第2メモリ106から順番に画像データの読み出しが行われる。このとき、次原稿の読み取りをコンカレントに実施することが可能である。
【0052】
第2のパターンの場合は、第1メモリ104および第2メモリ106への画像データの書き込み時に、Odd/Evnデータを8ビット全てに積み上げて格納する。そして、これを読み出すときに、ラインシンク(LS)信号のサイクルを短くすることで、上述のように読み出し時間を1画像当たりの書き込み画像の1/2以下としている。即ち、1ページ分の時間内に2回のページ信号(2ページの同期信号)を発生させて、シリアルに表裏面の画像信号を出力する。図8(b)では、1つのラインシンク(LS)の間に、Odd/Evnデータを8ビット全てに積み上げて第1メモリ104および第2メモリ106に格納される様子が示されている。
【0053】
図8(c)では、8画素分を1バイト(8ビット)にマージして、即ち、4クロック分の画像をマージして、主走査データ量が減らされて第1メモリ104および第2メモリ106に格納されるデータの状態が示されている。これによって、図8(d)に示すように、第1メモリ104および第2メモリ106にデータを書き込む際には、データが揃った所定のタイミングにて、ラインシンク(LS)のアクティブ長が約1/4にて書き込むことが可能となる。即ち、アクティブ長を約1/4とすることで、全体の時間を短くすることができる。第1メモリ104および第2メモリ106からデータを読み出すときには、図8(e)に示すように、例えば表面の画像データが、アクティブ長が短縮されたリードのタイミングに合わせて読み出される。この表面の画像データが読み出された後、裏面の画像データが読み出される。このように、表面、裏面の順に、面順次にメモリ(第1メモリ104および第2メモリ106)から画像データを読み出し、後段に転送することができる。
【0054】
図6のフローチャートに戻り、その後、上述のようにしてフォーマット変換が施された画像データは、カラー用画像処理部101のパッキング回路をスルーし、カラー読み取り信号線を用いて表面画像データと裏面画像データとが同時に出力される(ステップ207)。このように、図6に示す処理では、表面の画像データは、カラー用画像処理部101で2値化まで実施して第1メモリ104に書き込まれ、裏面の画像データは、白黒用画像処理部102で2値化まで実施して第2メモリ106に書き込まれる。そして、1枚目の原稿読み取り終了後、例えば第1パターンでは、第1メモリ104および第2メモリ106を同時に読み出し、プログラマブルロジックアレイ103で表裏画像をマージ(並び替え)してカラー用画像処理部101へ入力した後、カラー用画像処理部101をスルーして後段へ出力している。また、例えば第2パターンでは、第1メモリ104をアクティブ時間1/2のページ信号で読み出し、カラー用画像処理部101を経由して後段へ出力し、次に、第2メモリ106をアクティブ時間の1/2のページ信号で読み出し、カラー用画像処理部101を経由して後段へ出力している。これらの後段への出力には、前述したものと同様に、カラー画像の片面出力に用いられる例えばR(赤),G(緑),B(青)に使われる24ビットの信号線を、両面同時読み取りにおける表面画像信号と裏面画像信号との出力に利用することができる。また、この場合においては、R(赤),G(緑),B(青)の何れか1つのラインのみを使用して後段に転送する事も可能である。
【0055】
以上、詳述したように、本実施の形態によれば、例えば、カラー画像読み取りに際してR(赤),G(緑),B(青)に使われる信号線を、両面同時読み取りにおける表面画像信号と裏面画像信号との転送に利用している。また、両面同時読み取りの際は、各面の画像データを夫々、一旦、蓄積手段の一つであるメモリ(第1メモリ104および第2メモリ106)に蓄積する。このとき、読み取った画像データは、例えば解像度変換や階調変換等によって、予め画像データを半分以下等に減らすことができる。また、表面および裏面において、それぞれ別々の画像処理装置によって処理することが可能である。その後、例えば、タイミング合わせを行うために、コントローラであるカラー用画像処理部101に同時出力している。そして、例えば第1の原稿の画像データを読み取っている途中で、この第1の原稿の画像データをメモリ(第1メモリ104および第2メモリ106)から読み出すように構成することもできる。尚、片面の画像読み取りの場合には、画像信号はメモリを介さずに出力する。これによって、最初の画像出力に要する時間(FCOT)を短縮することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、原稿の表面、裏面を同時に読み取ることのできる両面同時読み取りに際して、読み取り装置からの出力の生産性を大幅に上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。
【図2】 CISを用いた読み取り構造を説明するための図である。
【図3】 処理装置を説明するためのブロック図である。
【図4】 本実施の形態が適用される画像処理装置の構成を示したブロック図である。
【図5】 白黒原稿(B/W原稿)、解像度200SPIで、生産性を200%とした両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。
【図6】 白黒原稿(B/W原稿)、解像度600SPIで、生産性を200%とした両面読み取り処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】 (a),(b)は、第1のパターンにおける画像データの読み出しとフォーマット変換を説明するための図である。
【図8】 (a)〜(e)は、第2のパターンにおける画像データの読み出しとフォーマット変換を説明するための図である。
【符号の説明】
10…原稿送り装置、11…原稿トレイ、19…プラテンロール、50…CIS(Contact Image Sensor)、52…LED(Light Emitting Diode)、53…セルフォックレンズ、54…ラインセンサ、70…スキャナ装置、78…CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、80…処理装置、81…信号処理部、90…制御部、100…画像処理装置、101…カラー用画像処理部、102…白黒用画像処理部、104…第1メモリ、106…第2メモリ

Claims (8)

  1. 原稿束から原稿を給紙する給紙部と、
    前記給紙部により給紙された前記原稿を搬送する搬送路と、
    前記搬送路の一方の側から前記原稿の表面の画像を読み取る第1のセンサと、
    前記搬送路の他方の側から前記原稿の裏面の画像を読み取る第2のセンサと、
    カラー画像読み取りに際して色信号毎に異なったラインを用いて画像信号を転送する信号線と、
    前記搬送路への前記原稿の一度の搬送にて前記第1のセンサを介して得られた表面の画像信号を前記信号線におけるラインを使用して出力し、当該一度の搬送にて前記第2のセンサを介して得られた裏面の画像信号を当該信号線におけるラインを使用して出力するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記原稿における表面の白黒画像信号の転送に前記信号線におけるR(赤),G(緑),B(青)の何れか1つのラインを使用し、当該原稿における裏面の白黒画像信号の転送にR(赤),G(緑),B(青)の他のラインを使用することを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 前記第1のセンサにより得られた表面の画像信号を蓄える第1のメモリと、
    前記第2のセンサにより得られた裏面の画像信号を蓄える第2のメモリとを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. 前記第1のメモリから前記表面の画像信号、および前記第2のメモリから前記裏面の画像信号が、前記コントローラに対して同時に出力されることを特徴とする請求項記載の画像読み取り装置。
  4. 前記第1のメモリおよび前記第2のメモリに第1の原稿における表面および裏面の画像信号を格納した後、当該第1の原稿に続く第2の原稿の表面および裏面を前記第1のセンサおよび前記第2のセンサを用いて読み取りつつ、当該第1のメモリおよび当該第2のメモリから表面および裏面の画像信号を読み出すことを特徴とする請求項記載の画像読み取り装置。
  5. 前記コントローラは、前記第1のメモリから前記表面の画像信号および前記第2のメモリから前記裏面の画像信号を面順次に読み出し、後段に転送することを特徴とする請求項記載の画像読み取り装置。
  6. 原稿における第1面の画像データを入力すると共に、当該第1面の画像データに対する入力が完了する前に当該原稿における第2面の画像データを入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された前記第1面の画像データおよび前記第2面の画像データに対して画像処理を施す処理手段と、
    前記処理手段により画像処理が施された前記第1面の画像データの白黒画像信号の転送にR(赤),G(緑),B(青)の色信号の転送に用いられる信号線の中から一の色信号に用いられる1つの信号線を用いて転送し、当該処理手段により画像処理が施された前記第2面の画像データの白黒画像信号の転送にR(赤),G(緑),B(青)の他の一の色信号に用いられる1つの信号線を用いて転送する転送手段と
    を含む画像処理装置。
  7. 前記転送手段は、前記第1面の画像データと前記第2面の画像データとを同時に転送することを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  8. 前記転送手段は、前記第1面の画像データと前記第2面の画像データとを面順次に転送することを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
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