JP4363159B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原稿上の画像を読み取る画像読み取り装置に係り、より詳しくは、原稿の一度の搬送で原稿における表裏両面の画像を読み取り可能な画像読み取り装置に関する。
従来、複写機やファクシミリ等の読み取り装置、コンピュータ入力用のスキャナ等として、原稿における表裏両面の画像情報をユーザの介在なしに自動的に読み取る画像読み取り装置(自動両面読み取り装置)が用いられている。これらの自動両面読み取り装置としては、原稿反転部にて原稿を表裏反転させて読み取る方法が最も広く採用されている。表裏反転させて画像情報を入力する際には、特定の原稿読み取り部で表面の画像を読み取った後、この原稿を表裏反転させて再びこの特定の原稿読み取り部に搬送し、裏面の画像を読み取る。しかし、この表裏反転による自動両面読み取りでは、一旦、原稿を排出した後に反転させて再度原稿読み取り部に搬送する必要があることから、両面読み取りに際して多くの時間がかかり、両面読み取りの生産性が劣ってしまう。そこで、原稿を搬送する原稿パスの表裏両面に2つの画像読み取りユニットを設け、1回の原稿搬送にて原稿の表裏両面を自動的に読み取る、所謂両面同時読み取り技術が検討されている。
そこで、例えば原稿を搬送する原稿パスの表裏両面側にそれぞれイメージセンサを設けることで、原稿を表裏反転させることなく、1回の原稿搬送にて原稿の両面を自動的に読み取ることを可能とした技術が存在する(例えば、特許文献1参照。)。
また、原稿の読み取りに際しては、例えば蛍光灯を光源とする光を原稿に照射させ、原稿からの反射光を縮小光学系を介して光センサで読み取る方式が採用されている。かかる方式における光センサとしては、例えば1次元のCCD(Charge Coupled Device)センサが用いられ、1ライン分を同時に処理している。この方式では、ライン方向(スキャンの主走査方向)の1ラインの読み取りが終了すると、原稿を主走査方向とは直交する方向(副走査方向)に微少距離移動させ、次のラインを読み取る。これを原稿サイズ全体に亘って繰り返し、1ページの原稿読み取りを完了させる。また、原稿を移動させずに副走査方向への順次読み取りを行う手法として、フルレートキャリッジやハーフレートキャリッジといった移動体によって、複数のミラーを移動させて副走査方向への読み取りを順次行うやり方もある。
この読み取り方式では、上述したように、光源を原稿に当てその反射光を幾つかのミラーを介してCCDセンサで読み取る必要があることから、ユニット全体が大きくなりがちであった。特に、原稿を反転させずに両面を読み取るために複数のイメージセンサを設ける必要がある場合には、このようなCCDセンサを複数設けることは、スペース状の制約からも難しい。そこで、かかるスペースの問題を解決するために、形状の小さいLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を光源に利用し、例えばセルフォックレンズを介してリニアセンサで画像を直接読み取るCIS(Contact Image Sensor)と呼ばれるイメージセンサを用いることが検討されている。
特開2000−244718号公報(第2−4頁、図1)
ところで、一般的に、LEDは発光波長を中心としたシャープな発光特性を有しているのに対し、蛍光灯はブロードな発光特性を有している。このため、一方の読み取りユニットにおける光源を蛍光灯とし、他方の読み取りユニットにおける光源をLEDとした場合には、蛍光灯およびLEDの発光スペクトルの違いにより、原稿に形成されたカラー画像を白黒画像として読み取る際に、次のような問題が生じる。
例えば、原稿に形成される画像の分光反射スペクトルに固有の傾向があった場合(例えば青色の画像が多いなど)を考えてみる。このとき、光源として蛍光灯を用いた読み取りユニットでは、蛍光灯の発光スペクトル中に青色成分が含まれているために、青色画像の濃度に応じた読み取り信号を出力することができる。一方、光源としてLEDを用いた読み取りユニットでは、例えばLEDの発光スペクトル中に青色成分がほとんど含まれていない場合には、青色画像の濃度に対応した読み取り信号を出力することができず、常時高濃度に対応した読み取り信号を出力することになってしまう。つまり、各光源の発光特性の違いにより、青色画像に関して表裏両面で得られる濃度が異なってしまうことになる。なお、このような問題は、青色の成分が多い画像に限らず、例えば赤色の成分が多い画像の場合にも同様に生じ得る。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、原稿の一度の搬送で原稿の表裏両面の画像を読み取る両面自動読み取りにおいて、表裏両面の読み取りデータの濃度差を低減することにある。
また他の目的は、原稿の一度の搬送で原稿の表裏両面の画像を読み取る両面自動読み取りにおいて、表裏両面の読み取りデータを見やすくすることにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される画像読み取り装置は、原稿を給紙する給紙部と、給紙部により給紙された原稿が搬送される搬送路と、搬送路の一方の側から原稿の第1面を照射する第1の光源と原稿の第1面からの反射光を受光する第1のセンサとを備え、原稿の第1面の画像データを読み取る第1の読み取り部と、第1の光源よりも広い発光波長範囲を有し搬送路の他方の側から原稿の第2面を照射する第2の光源と原稿の第2面からの反射光を受光する第2のセンサとを備え、原稿の第2面の画像データを読み取る第2の読み取り部と、第2の読み取り部で読み取られた原稿の第2面の画像データに関し、第2の光源の発光波長範囲内であって第1の光源の発光波長範囲外の波長領域における画像の濃度を、第1の読み取り部で読み取ったものと略同等なレベルとなるように補正する補正部とを含んでいる。
ここで補正部は、原稿の第1面および原稿の第2面の画像を共に白黒読み取りする際に補正を実行することを特徴とすることができる。また、第1の光源はLEDからなり、第2の光源は蛍光灯からなることを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明の画像読み取り装置は、原稿を給紙する給紙部と、給紙部により給紙された原稿が搬送される搬送路と、搬送路の一方の側から原稿の第1面を照射する第1の光源と原稿の第1面からの反射光を受光する第1のセンサとを備え、原稿の第1面の画像データを読み取る第1の読み取り部と、第1の光源よりも広い発光波長範囲を有し搬送路の他方の側から原稿の第2面を照射する第2の光源と原稿の第2面からの反射光を受光する第2のセンサとを備え、原稿の第2面の画像データを読み取る第2の読み取り部と、第2の読み取り部によって読み取り可能に配設され、異なる分光反射率を有する複数の色基準部が設けられる基準部材とを含んでいる。
ここで、第1の光源および第2の光源は、共に緑色領域を中心として発光することを特徴とすることができる。また、基準部材に設けられる複数の色基準部は、白色の白基準部と、青色または赤色の他色基準部とを有することを特徴とすることができる。さらに、白基準部の読み取り結果に基づいて第2の読み取り部で読み取られた画像データの光量分布補正を行い、他色基準部の読み取り結果に基づいて第2の読み取り部で読み取られた画像データの明度補正を行う処理部をさらに備えることを特徴とすることができる。そして、この処理部は、他色基準部の読み取り結果に基づいて、第2の読み取り部で読み取られた画像データを明度補正するための明度変換テーブルのオフセット量を変更することを特徴とすることができる。
本発明によれば、原稿の一度の搬送で原稿の表裏両面の画像を読み取る両面自動読み取りにおいて、表裏両面の読み取りデータの濃度差を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。この画像読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込む第2の読み取り部としてのスキャナ装置70、および読み込まれた画像信号を処理する処理装置80に大別される。
原稿送り装置10は、給紙部の構成要素の一例として、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿トレイ11、原稿トレイ11を上昇および下降させるトレイリフタ12を備えている。また、トレイリフタ12により上昇された原稿トレイ11の原稿を搬送するナジャーロール13、ナジャーロール13により上昇された原稿トレイ11の原稿をさらに下流側まで搬送するフィードロール14、ナジャーロール13により供給される原稿を一枚ずつに捌くリタードロール15を備えている。最初に原稿が搬送される搬送路としての第1搬送路31には、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールまで搬送するテイクアウェイロール16、原稿をさらに下流側のロールまで搬送すると共にループ形成を行うプレレジロール17、一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、原稿読み取り部に対してレジストレーション調整を施しながら原稿を供給するレジロール18、読み込み中の原稿搬送をアシストするプラテンロール19、読み込まれた原稿をさらに下流に搬送するアウトロール20を備えている。また、第1搬送路31には、搬送される原稿のループ状態に応じて支点を中心に回動するバッフル41を備えている。さらに、プラテンロール19とアウトロール20との間には、本実施の形態における第1の読み取り部としてのCIS(Contact Image Sensor)50が設けられている。
アウトロール20の下流側には、第2搬送路32および第3搬送路33が設けられ、これらの搬送路を切り替える搬送路切替ゲート42、読み込みが終了した原稿を積載させる排出トレイ40、排出トレイ40に対して原稿を排出させる第1排出ロール21を備えている。また、第3搬送路33を経由した原稿をスイッチバックさせる第4搬送路34、第4搬送路34に設けられ、実際に原稿のスイッチバックを行うインバータロール22およびインバータピンチロール23、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を再度、プレレジロール17等を備える第1搬送路31に導く第5搬送路35、第4搬送路34によってスイッチバックされた原稿を排出トレイ40に排出する第6搬送路36、第6搬送路36に設けられ、反転排出される原稿を第1排出ロール21まで搬送する第2排出ロール24、第5搬送路35および第6搬送路36の搬送経路を切り替える出口切替ゲート43を備えている。
ナジャーロール13は、待機時にはリフトアップされて待避位置に保持され、原稿搬送時にニップ位置(原稿搬送位置)へ降下して原稿トレイ11上の最上位の原稿を搬送する。ナジャーロール13およびフィードロール14は、フィードクラッチ(図示せず)の連結によって原稿の搬送を行う。プレレジロール17は、停止しているレジロール18に原稿先端を突き当ててループを形成する。レジロール18では、ループ形成時に、レジロール18に噛み込んだ原稿先端をニップ位置まで戻している。このループが形成されると、バッフル41は支点を中心として開き、原稿に形成されるループを妨げることのないように機能している。また、テイクアウェイロール16およびプレレジロール17は、読み込み中における原稿のループを保持している。このループ形成によって、読み込みタイミングの調整が図られ、また、読み込み時における原稿搬送に伴うスキューを抑制して、位置合わせの調整機能を高めることができる。読み込みの開始タイミングに合わせて、停止されていたレジロール18が回転を開始し、プラテンロール19によって原稿が第2プラテンガラス72B(後述)に押圧されて、後述するCCDイメージセンサによって下面方向から画像データが読み込まれる。
搬送路切替ゲート42は、片面原稿の読み取り終了時、および両面原稿の両面同時読み取りの終了時に、アウトロール20を経由した原稿を第2搬送路32に導き、排出トレイ40に排出するように切り替えられる。一方、この搬送路切替ゲート42は、両面原稿の順次読み取り時には、原稿を反転させるために、第3搬送路33に原稿を導くように切り替えられる。インバータピンチロール23は、両面原稿の順次読み取り時に、フィードクラッチ(図示せず)がオフの状態でリトラクトされてニップが開放され、原稿を第4搬送路(インバータパス)34へ導いている。その後、このインバータピンチロール23はニップされ、インバータロール22によってインバートする原稿をプレレジロール17へと導き、また、反転排出する原稿を第6搬送路36の第2排出ロール24まで搬送している。
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を載置可能に構成されると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送された原稿の画像読み取りを行っている。このスキャナ装置70は、筐体を形成する装置フレーム71に、画像を読み込むべき原稿を静止させた状態で載置する第1プラテンガラス72A、原稿送り装置10によって搬送中の原稿を読み取るための光の開口部を有する第2プラテンガラス72Bを備えている。なお、第2プラテンガラス72Bの近傍且つ第1プラテンガラス72Aの下側には、第2プラテンガラス72Bと平行に基準板100が配設されているが、この詳細については後述する。
また、スキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、および第1プラテンガラス72Aの全体にわたってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を像結合部へ提供するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿に光を照射する第2の光源としての照明ランプ74、原稿から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが備えられている。ここで、照明ランプ74としては、キセノン蛍光灯が用いられている。さらに、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが備えられている。さらにまた、スキャナ装置70は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する結像用レンズ77、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換する第2のセンサとしてのCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78、CCDイメージセンサ78が装着される駆動基板79を備え、CCDイメージセンサ78によって得られた画像信号が駆動基板79を介して処理装置80に送られる。つまり、スキャナ装置70では、所謂縮小光学系を用いてイメージセンサとしてのCCDイメージセンサ78に像を結像させている。
ここで、まず、第1プラテンガラス72Aに載置された原稿の画像を読み取る場合には、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿の被読み取り面に照射されると共に、その原稿からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射されて結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの主走査方向)にフルレートキャリッジ73を移動させ、原稿の次のラインを読み取る。これを原稿全体に亘って実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
一方、第2プラテンガラス72Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。原稿送り装置10によって搬送される原稿がこの第2プラテンガラス72Bの上を通過する。このとき、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とは、図1に示す実線の位置に停止した状態にある。まず、原稿送り装置10のプラテンロール19を経た原稿の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、本実施の形態における第1のセンサであるCCDイメージセンサ78によって画像が読み込まれる。すなわち、1次元のセンサであるCCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、この原稿が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って1ページの原稿読み取りを完了させる。
本実施の形態では、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを停止させ、第2プラテンガラス72BにてCCDイメージセンサ78により原稿の第2面の読み取りを行う原稿の搬送時に、同時(時間の完全一致ではなく、同一の原稿搬送時程度の意味)に第1の読み取り部であるCIS50によって、原稿の第1面の読み取りを行うことが可能である。すなわち、CCDイメージセンサ78とCIS50とを用いて、搬送路への原稿の一度の搬送で、この原稿における表裏両面の画像を同時に読み取ることを可能としている。
図2は、CIS50を用いた読み取り構造を説明するための図である。図2に示すように、CIS50は、プラテンロール19とアウトロール20との間に設けられる。原稿の片面(第1面、表面)は、第2プラテンガラス72Bに押し当てられ、この第1面の画像はCCDイメージセンサ78にて読み込まれる。一方、CIS50では、原稿を搬送する搬送路を介して対向する他方の側から、他の片面(第2面、裏面)の画像が読み込まれる。このCIS50は、搬送路に対向配置されるガラス51と、このガラス51を透過して原稿の第2面に光を照射する第1の光源としてのLED(Light Emitting Diode)52と、LED52からの反射光を集光するレンズアレイであるセルフォックレンズ53と、このセルフォックレンズ53により集光された光を読み取る第1のセンサとしてのラインセンサ54とを備えている。ラインセンサ54としては、CCDやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。CIS50では、縮小光学系を用いずに、セルフォックレンズ53とラインセンサ54とによる密着光学系を用いて画像の取り込みを行うことから、構造をシンプルにすることができ、且つ、筐体を小型化し、消費電力を低減することができる。片面の画像の読み込みと同様に、1次元のラインセンサ54によって主走査方向1ライン分を同時に処理した後、搬送される原稿における次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。このようにして、搬送される原稿の他の片面について、副走査方向に亘って1ページの原稿読み取りを行う。
また、CIS50による画像読み取りに際して、この読み取り部を構成する搬送路に、CIS50の筐体から延びる制御部材55、制御部材55によって押しつけられた原稿が突き当てられる突き当て部材60を備えている。なお、この突き当て部材60の用紙と対向する側は白色に着色されており、CIS50で読み取った画像をシェーディング処理する際における白基準としての機能も有している。また、この突き当て部材60の下流側にはガイド部材61が設けられている。制御部材55および突き当て部材60は、原稿の搬送路に直交する方向(すなわち、原稿送り装置10の前面から後面の方向)に、原稿送り装置10の前面から後面まで、搬送路の位置に対応して設けられている。
さらに、CIS50は、光学結像レンズにセルフォックレンズ53を採用していることから、焦点(被写界)深度が±0.3mm程度と浅く、スキャナ装置70を用いた場合に比べて約1/13以下の深度となっている。このため、CIS50による読み取りに際しては、原稿の読み取り位置を所定の狭い範囲内に定めることが要求される。そこで、本実施の形態では、搬送路に面して制御部材55を設け、原稿を制御部材55によって突き当て部材60に押し当てて搬送し、プラテンロール19とアウトロール20との間にある原稿の姿勢を安定的に制御できるように構成した。図2の二点鎖線矢印は、制御部材55を設けた場合の原稿の動きを示したものである。原稿が制御部材55によって突き当て部材60に押し当てられつつ搬送されていることが理解できる。すなわち、制御部材55によって搬送される原稿を突き当て部材60に押し当てられた状態で読み取ることで、被写界深度の深いCIS50を用いた場合のピントの甘さを改善している。
図3は、スキャナ装置70内に設けられた基準部材としての基準板100を示している。この基準板100は、白色に着色され照明ランプ74(図1参照)の長手方向に向かって延びる白基準部101と、薄い青色に着色され白基準部101に隣接且つ平行に対して形成される薄青基準部102と、薄い赤色に着色され薄青基準部102に隣接且つ平行に形成される薄赤基準部103とを有している。本実施の形態では、これら白基準部101、薄青基準部102、薄赤基準部103によって複数の色基準部が構成され、また、薄青基準部102および薄赤基準部103によって他色基準部が構成されている。
次に、図1に示す処理装置80について説明する。
図4は、処理装置80を説明するためのブロック図である。本実施の形態が適用される処理装置80は、全体の制御を行うCPU81、センサ(CCDイメージセンサ78およびラインセンサ54)から得られた画像情報を処理する処理部としての信号処理部82、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御する制御部90、を備えている。ここで、信号処理部82は、ラインセンサ54からの出力(アナログ信号)をディジタル信号に変換するADC(Analog Digital Converter)83a、ラインセンサ54における光量分布補正を行うための光量分布補正部84a、ラインセンサ54による読み取りデータに基づきルックアップテーブル(LUT)を用いてその明度を変換(補正)する補正部としての明度変換部85a、ラインセンサ54による読み取りデータに対して例えばエッジをシャープにするなど他の画像処理を施す画像処理部86aを有している。また、信号処理部82は、CCDイメージセンサ78からの出力信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換するADC83b、CCDイメージセンサ78におけるシェーディングデータを補正するための光量分布補正部84b、CCDイメージセンサ78による読み取りデータに基づきルックアップテーブルを用いてその明度を変換(補正)する明度変換部85b、CCDイメージセンサ78による読み取りデータに対して例えばエッジをシャープにするなど他の画像処理を施す画像処理部86bを有している。さらに、信号処理部82は、2つの画像処理部86a,86bから出力される画像データが必要に応じて格納される画像メモリ87と、この画像メモリ87を制御するメモリ制御部88とを有している。このメモリ制御部88からの出力は、例えばプリンタ等のIOT(Image Output Terminal)や、パーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステムへ出力される。
一方、制御部90は、CIS50(ラインセンサ54)およびCCDイメージセンサ78を駆動するCCD/CIS駆動部91、読み取りタイミングに合わせてCIS50のLED52やフルレートキャリッジ73の照明ランプ74を制御するランプ/LED駆動部92、スキャナ装置70におけるモータのオン/オフなどを行いフルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75によるスキャン動作を制御すると共に、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロールの動作やフィードクラッチの動作、ゲートの切り替え動作等を制御するモータドライブ制御部93、図示しないユーザインタフェース(U/I)からのユーザ入力を受け付けるU/I制御部94を備えている。CPU81は、U/I制御部94を介して入力されたユーザの選択等に基づいて、読み取りモードを設定し、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御している。
図5は、図4に示す処理装置80(CPU81)によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。処理装置80では、まず、搬送される原稿が片面原稿か否かが判断される(ステップ101)。この判断は、例えばスキャナ装置70上に設けられた図示しないユーザインタフェースを用いたユーザからの選択や、例えば自動選択読み取り機構が働いている場合には、画像読み込み前の第1搬送路31上の搬送路両側に設けられたセンサ(図示せず)等によって認識することができる。また、ホストシステムからの要請や、ネットワーク等を介したユーザからの選択なども考えられる。このステップ101で片面原稿であると判断される場合には、1パス(反転パスを用いない1回だけの原稿搬送パス)による片面読み取りが行われる(ステップ102)。この1パスによる片面読み取りでは、CCDイメージセンサ78による読み取りあるいはCIS50(ラインセンサ54)による読み取りのどちらを選択してもよいが、より高画質な画像読み取りを実現したい場合にはCCDイメージセンサ78による読み取りを選択することが好ましい。かかる際には、原稿トレイ11上に、上向きに原稿部が存在すると共に原稿の1ページ目が来るように載置し、この1ページ目から原稿を搬送することで順に読み取りを行うことができる。
ここで、ステップ101で片面原稿ではない場合、すなわち両面原稿である場合には、原稿が白黒原稿であるか否かが判断される(ステップ103)。このステップ103の判断は、ステップ101と同様に、ユーザからの選択あるいは自動選択読み取り機能によって判断される。また、カラー原稿であってもユーザが白黒読み取りを望む場合もある。ここで、白黒読み取りを行わない場合(カラー読み取りを行う場合)には、反転パスによる両面読み取りが実行される(ステップ104)。すなわち、CIS50による読み取りを行わず、原稿の第1面および原稿の第2面を共にCCDイメージセンサ78によって読み取るのである。これによって、原稿の第1面および原稿の第2面に対し、共に焦点深度の深い読み取り手段を用いた高画質な両面読み取りが可能となる。
一方、ステップ103で白黒読み取りを行う場合には、反転パスを用いない1パスによる両面同時読み取りが行われる(ステップ105)。すなわち、CCDイメージセンサ78によって原稿の第2面を読み取り、この読み取りの搬送パスに際して、同じ搬送パスにてCIS50(ラインセンサ54)による原稿の第1面の読み取りが行われる。これによって、同一の読み取り部へ原稿を二度搬送する必要がなく、原稿読み取りスピードを向上させることができると共に、搬送パスが簡潔化されることで、原稿詰まり(JAM)等の原稿搬送トラブルを抑制することができる。なお、前述したように、「同時読み取り」とは、必ずしも時間的に一致する場合を意味するものではなく、両面を1回のパスにて略同時期に読み取るという意味である。
図6(a),(b)は、図5のステップ102に示した片面原稿読み取りモードおよびステップ105に示した1パスによる両面同時読み取りモードの原稿パスを示した図である。図6(a)に示すように、原稿トレイ11に載置された原稿は、ナジャーロール13、フィードロール14およびリタードロール15、テイクアウェイロール16によって、第1搬送路31に順次供給される。供給された原稿は、図6(b)に示すように、プラテンロール19の読み取り部およびCIS50の読み取り部を経由して、搬送路切替ゲート42によって第2搬送路32に移動し、排出トレイ40に順次排出される。ここで、片面読み取りモードの場合には、プラテンロール19の箇所にて、下方から、図1に示すスキャナ装置70のCCDイメージセンサ78を用いた読み取りがなされる。ただし、前述のように、CIS50を用いた片面読み取りも可能である。また、1パスによる両面読み取りモードの場合には、スキャナ装置70のCCDイメージセンサ78を用いて原稿の片面を読み取り、同一搬送時に、CIS50を用いて同じ原稿の他の片面を読み取る。これによって、1回の原稿パスによって両面の原稿読み取りを行うことが可能となる。
図7(a)〜(d)は、図5のステップ104に示した反転パスによる両面読み取りモードの原稿パスを示した図である。図7(a)に示すように、原稿トレイ11に載置された原稿は、第1搬送路31に順次供給され、図1に示すスキャナ装置70のCCDイメージセンサ78を用いて、プラテンロール19の箇所にて下方から片面の読み取りがなされる。そして、搬送路切替ゲート42によって第3搬送路33を経由し、第4搬送路34へと移動する。第3搬送路33を完全に抜けた原稿は、図7(b)に示すように、インバータロール22およびインバータピンチロール23によってスイッチバックし、第5搬送路35に供給される。
第5搬送路35に供給された原稿は、再度、第1搬送路31に供給される。そして、図7(c)に示すように、原稿がスキャナ装置70のCCDイメージセンサ78によって下方から読み取られる。このとき、原稿は、図7(a)に示す場合とは表裏が反転した状態にあり、第1面とは表裏が異なる他の片面が読み取られることになる。他の片面が読み取られた原稿は、表裏が反転された状態にあり、そのまま排出トレイ40に排出すると積載された読み取り後の原稿のページ順が狂うことになる。そこで、図7(c)に示すように、他の片面の読み取りが完了した原稿を搬送路切替ゲート42を用いて第3搬送路33を経由させ、第4搬送路34に移動する。第4搬送路34に供給され、出口切換ゲート43の部位を完全に通過した原稿は、図7(d)に示すように出口切換ゲート43によって第6搬送路36を経由して排出トレイ40に排出される。これによって、原稿における表裏両面の画像を順次読み取る反転パスによる両面読み取りモードにおいて、読み取り後の原稿のページ順を揃えることが可能となる。
次に、ステップ105に示した1パスによる両面同時読み取りモードについて詳細に説明する。この1パスによる両面同時読み取りモードは、上述したように白黒画像として読み取りを行う場合にのみ選択可能であることから、本実施の形態では、LED52として緑色領域を中心として発光する緑色LEDが用いられている。一方、照明ランプ74は、カラー画像を読み取る際にも使用されることから、白色の蛍光灯が用いられている。
図8は、スキャナ装置70のCCDイメージセンサ78用の光源として用いられる照明ランプ74、および、CIS50のラインセンサ54用の光源として用いられるLED52の発光波長と発光強度との関係を示している。同図より明らかなように、照明ランプ74およびLED52は共に550nm近傍を中心として発光するが、実際には、LED52はシャープな発光波長範囲を有しているのに対し、照明ランプ74を構成するキセノン蛍光灯はLED52の発光波長範囲よりも青色領域側および赤色領域側に広がったブロードな発光波長範囲を有している。つまり、照明ランプ74とLED52とでは、その発光特性が異なっている。
ここで、図9(a)はある原稿Pを示しており、この原稿Pには、青緑色(450〜500nm程度)で濃度の高い画像BHと濃度の低い画像BLとが形成されているものとする。
この原稿Pを、スキャナ装置70すなわちキセノン蛍光灯からなる照明ランプ74およびCCDイメージセンサ78を用いて読み取った場合には、図9(b)に示すように、濃度の高い画像BHは濃い黒、濃度の低い画像BLは薄い黒(灰色)として読み取られることになる。これは、ブロードな発光特性を有する照明ランプ74が用いられるスキャナ装置70(CCDイメージセンサ78)では、この青緑色の画像に対する感度を有しており、その濃淡を検知することができるためである。なお、本実施の形態では、8bit(256階調:0〜255)で読み取られた画像データが出力されるようになっている。
一方、この原稿PをCIS50すなわちLED52およびラインセンサ54を用いて読み取った場合には、図9(c)に示すように、濃度の高い画像BHも濃度の低い画像BLも、共に濃い黒として読み取られることになる。これは、シャープな発光特性を有するLED52が用いられるCIS50(ラインセンサ54)では、この青緑色の画像に対する感度を有しておらず、その濃淡を検知することができないためである。
つまり、表側と裏側とでそれぞれ異なる発光特性を有する光源を用いた場合は、波長によっては、同じ濃度の画像を読み込んだとしても、表側と裏側とで異なる濃度が出力されることになってしまい、濃度差が生じてしまうことになる。
なお、本実施の形態では、このような問題が、原稿Pに例えば赤黄色(600〜650nm)で濃度の高い画像RHと濃度の低い画像RLとが形成されている場合にも生じる。
そこで、本実施の形態では、1パスによる両面同時読み取りモードが実行される場合に、画像に含まれる色に応じてスキャナ装置70(CCDイメージセンサ78)で読み取られた画像データの補正手法を工夫することで、CCDイメージセンサ78による読み取りデータをラインセンサ54による読み取りデータに近づけ、表側と裏側との画質差を小さくしている。
図10は、1パスによる両面同時読み取りモードにおけるスキャナ装置70側の処理の一例を示したフローチャートである。この処理は、処理装置80(CPU81)によって実行される。処理装置80では、まず、ユーザによって青画像モードが選択されているか否かが判断される(ステップ201)。ここで、青画像モードは、原稿の両面に形成された画像について、青色成分の画像の濃度を揃えたい場合に選択される。この判断は、例えばスキャナ装置70上に設けられた図示しないユーザインタフェースを用いたユーザからの選択によってなされ、U/I制御部94を介して入力される。ステップ201で青画像モードが選択されたと判断された場合には、青画像モード、具体的にはCCDイメージセンサ78による読み取りデータに対し、白基準部101および薄青基準部102を用いた画像補正が実行される(ステップ202)。
また、ステップ201で青画像モードが選択されていない場合には、次に、ユーザによって赤画像モードが選択されているか否かが判断される(ステップ203)。ここで、赤画像モードは、原稿の両面に形成された画像について、赤色成分の画像の濃度を揃えたい場合に選択される。ステップ203で赤画像モードが選択されたと判断された場合には、赤画像モード、具体的にはCCDイメージセンサ78による読み取りデータに対し、白基準部101および薄赤基準部103を用いた画像補正が実行される(ステップ204)。
一方、ステップ203で赤画像モードが選択されていない場合には、CCDイメージセンサ78による読み取りデータに対して、一般画像モード、具体的には白基準部101のみを用いた画像補正が実行される(ステップ205)。
次に、図10のステップ202に示した青画像モードについて詳細に説明する。青画像モードが選択された場合は、原稿の読み取り動作を開始する前に、まず、フルレートキャリッジ73を基準板100の白基準部101の直下に移動させ、照明ランプ74を点灯させて白基準部101からの反射データをCCDイメージセンサ78を介して取得する。取得された白基準部101からの反射データは、リファレンスA(シェーディングデータ)として光量分布補正部84bに設けられたメモリ(図示せず)に格納される。次いで、フルレートキャリッジ73を基準板100の薄青基準部102の直下に移動させ、照明ランプ74を点灯させて薄青基準部102からの反射データをCCDイメージセンサ78を介して取得する。取得された薄青基準部102からの反射データは、リファレンスB(濃度合わせ用のデータ)として明度変換部85bに設けられたメモリ(図示せず)に格納される。
ここで、図8は、上述した白基準部101、薄青基準部102、薄赤基準部103の波長と反射率との関係も示している。
白基準部101は、照明ランプ74の発光波長範囲よりも広い波長領域に対する反射率を有しているため、取得されるリファレンスAは、照明ランプ74の発光分布全域における積分値となる。一方、薄青基準部102は、照明ランプ74の発光波長範囲の低波長側のみに対する反射率を有しているため、取得されるリファレンスBは、両者が重なる図中左側の斜線部位における積分値となる。なお、リファレンスBは、図8からわかるように、LED52を光源とした場合にはほとんど読み取れない領域における値となっている。
次に、CPU81では、明度変換部85bに設けられたメモリ(図示せず)に格納された濃度合わせ用のデータに基づいて、明度変換部85bにおける明度変換用のルックアップテーブルの書き換えを行う。具体的には、図11に示すように、リファレンスBのデータに基づき、入力値(CCDイメージセンサ78からの出力値)が低い場合(黒に近い薄い黒の場合)は、すべて黒として出力を行うように補正値Dを設定したルックアップテーブルを作成する。例えば、補正値D=50の場合、読み取り時に入力される画像データの階調の値が50以下のものについては、すべて0(黒)として出力を行う。
そして、実際に1パスによる両面同時読み取りモードが実行される場合には、次の動作が行われる。まず、LED52によって照射され、ラインセンサ54で読み取られた原稿の片面の画像データは、ADC83aにてA/D変換、光量分布補正部84aによるシェーディング補正、明度変換部85aによる明度補正、画像処理部86aによるその他の画像処理がなされた後、メモリ制御部88を介して出力される。一方、これと略同時に、照明ランプ74によって照射され、CCDイメージセンサ78で読み取られた原稿の他の片面の画像データは、ADC83bにてA/D変換、光量分布補正部84bによるシェーディング補正、明度変換部85bによる明度補正、画像処理部86bによるその他の画像処理がなされた後、メモリ制御部88を介して出力される。この一連のプロセスにおいて、メモリ制御部88は、必要に応じて画像メモリ87に画像データを一時的に待避させる。
ここで、青画像モードでは、上述したように薄青基準部102の読み取り結果であるリファレンスBに基づいて明度変換部85bにおける明度変換用のルックアップテーブル(明度変換テーブル)を変更しているので、例えば、図9(a)に示す青緑色(450〜500nm程度)で濃度の高い画像BHと濃度の低い画像BLとが形成された原稿Pをスキャナ装置70で読み取る場合には、図9(b)に斜線で示すように、濃度の高い画像BHも濃度の低い画像BLも、共に濃い黒として読み取られることになる。つまり、スキャナ装置70による読み取り結果を、CIS50による読み取り結果と略一致させることができ、原稿の表側と裏側とでの濃度差を小さくすることができる。特に、本実施の形態では、スキャナ装置70側で読み取って得られた画像の濃度を高くする方向に明度変換テーブルのオフセット量を設定することで明度をシフトさせているので、表裏面共に青画像部分が濃く、見やすい画像データを得ることができる。
また、ステップ204に示す赤画像モードの場合は、原稿読み取り動作を開始する前に、まず、フルレートキャリッジ73を基準板100の白基準部101の直下に移動させ、照明ランプ74を点灯させて白基準部101からの反射データをCCDイメージセンサ78を介して取得する。取得された白基準部101からの反射データは、リファレンスA(シェーディングデータ)として光量分布補正部84bに設けられたメモリ(図示せず)に格納される。次いで、フルレートキャリッジ73を基準板100の薄赤基準部103の直下に移動させ、照明ランプ74を点灯させて薄赤基準部103からの反射データをCCDイメージセンサ78を介して取得する。取得された薄赤基準部103からの反射データは、リファレンスC(濃度合わせ用)のデータとして明度変換部85bに設けられたメモリ(図示せず)に格納される。
以降、上述した青画像モードと同様のプロセスでCCDイメージセンサ78による読み取りデータを補正することにより、スキャナ装置70による読み取り結果をCIS50による読み取り結果と略一致させることができ、原稿の表側と裏側とでの濃度差を小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、薄青基準部102あるいは薄赤基準部103に照明ランプ74を照射し、その反射光をCCDイメージセンサ78にて読み取ることで、濃度合わせ用のデータ(リファレンスBあるいはリファレンスC)を取得するようにしていたが、これに限られるものではなく、例えば、CIS50側の光源であるLED52とスキャナ装置70側の光源である照明ランプ74との波長−発光特性との差に基づいて青画像モードあるいは赤画像モードにおける濃度補正値を予め取得し、これをメモリに格納しておくようにしてもよい。
本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。 CISを用いた読み取り構造を説明するための図である。 スキャナ装置に設けられる基準板を説明するための図である。 処理装置を説明するためのブロック図である。 処理装置によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。 (a),(b)は、1パスによる片面読み取りモードおよび1パスによる両面同時読み取りモードの原稿パスを説明するための図である。 (a)〜(d)は、反転パスによる両面読み取りモードの原稿パスを説明するための図である。 照明ランプ、LEDの発光波長−発光強度特性、および、白基準部、薄青基準部、薄赤基準部の波長−反射率特性を示す図である。 (a)〜(c)は原稿上に形成された濃い青緑画像および薄い青緑画像に対する読み取り結果を説明するための図である。 1パス両面読み取りモードで、処理装置によって実行される処理の一例を示したフローチャートである。 CCDイメージセンサによる読み取りデータを明度変換する明度変換テーブルを説明するための図である。
符号の説明
10…原稿送り装置、11…原稿トレイ、13…ナジャーロール、19…プラテンロール、31…第1搬送路、50…CIS(Contact Image Sensor)、52…LED、54…ラインセンサ、60…突き当て部材、70…スキャナ装置、72B…第2プラテンガラス、74…照明ランプ、78…CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、80…処理装置、100…基準板、101…白基準部、102…薄青基準部、103…薄赤基準部

Claims (5)

  1. 原稿を給紙する給紙部と、
    前記給紙部により給紙された前記原稿が搬送される搬送路と、
    前記搬送路の一方の側から前記原稿の第1面を照射する第1の光源と当該原稿の第1面からの反射光を受光する第1のセンサとを備え、当該原稿の第1面の画像データを読み取る第1の読み取り部と、
    前記第1の光源よりも広い発光波長範囲を有し前記搬送路の他方の側から前記原稿の第2面を照射する第2の光源と当該原稿の第2面からの反射光を受光する第2のセンサとを備え、当該原稿の第2面の画像データを読み取る第2の読み取り部と、
    前記第2の読み取り部で読み取られた前記原稿の第2面の画像データに関し、前記第2の光源の発光波長範囲内であって前記第1の光源の発光波長範囲外の波長領域における画像の濃度を、前記第1の読み取り部で読み取ったものと略同等なレベルとなるように補正する補正部と
    を含む画像読み取り装置。
  2. 前記補正部は、前記原稿の第1面および当該原稿の第2面の画像を共に白黒読み取りする際に前記補正を実行することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. 前記第1の光源はLEDからなり、前記第2の光源は蛍光灯からなることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
  4. 白色を呈する白基準部と青色または赤色を呈する他色基準部とを有し、前記第2の読み取り部によって読み取り可能に配設される基準部材をさらに含み、
    前記第1の光源および前記第2の光源は、共に緑色領域を中心として発光し、
    前記補正部は、前記白基準部の読み取り結果に基づいて前記第2の読み取り部で読み取られた前記第2面の画像データの光量分布補正を行い、前記他色基準部の読み取り結果に基づいて当該第2面の画像データの明度補正を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の画像読み取り装置。
  5. 前記補正部は、前記他色基準部の読み取り結果に基づいて、前記第2の読み取り部で読み取られた前記第2面の画像データを明度補正するための明度変換テーブルのオフセット量を変更することを特徴とする請求項4記載の画像読み取り装置。
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