JP2004064060A - 薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザアニールされた半導体膜とその上の上層酸化膜とを含み、パターニングされた積層膜構造に対し、その上を覆う各膜の物理的ストレスを緩和し、クラックや断線を防止する。
【解決手段】(a)〜(d)ステップを具備する積層膜パターンの形成方法を用いる。(a)ステップは、基板101上に第1酸化膜102、半導体膜103及び第2酸化膜104を順に成膜する工程である。(b)ステップは、半導体膜103をレーザアニールする工程である。(c)ステップは、第2酸化膜104上にレジストパターンを形成する工程である。(d)ステップは、そのレジストパターンをマスクとして、第2酸化膜104a及び半導体膜103にドライエッチングを行い、第2酸化膜104及び半導体膜103を含む積層膜パターンを形成する工程である。そのドライエッチングに用いるエッチングガスは、フッ素系ガスである。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法に関し、特に、信頼性を向上することが可能な薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13及び図14は、従来の薄膜トランジスタにおけるアイランド部分の概略図をに示す平面図及び断面図である。図13(a)はアイランド部分の平面図であり、図13(b)は図13(a)のアイランド部分におけるA−A方向の断面図である。また、図14(a)はアイランド部分の平面図であり、図14(b)は図14(a)のアイランド部分におけるB−B方向の断面図である。
【0003】
ガラス基板501上に下層酸化膜(SiO)502を300nm程度成膜する。その上にアイランド部分としてのシリコン膜503を60nm、及び、上層酸化膜504を10nm成膜する。その後、シリコン膜をエキシマレーザにより結晶化させポリシリコン(poly−Si)膜とする。
【0004】
次に、シリコン膜503及び上層酸化膜504の2層構造膜を同時にドライエッチングする。それにより、60nm厚のポリシリコン膜503と10nm厚の上層酸化膜504の2層構造膜のアイランド部分を形成する。そのとき、ドライエッチングにより、2層構造膜の側壁と下層酸化膜502とがなす角が90°(垂直形状)となるように形成する。
【0005】
アイランド部分をポリシリコン膜503と上層酸化膜504の2層構造膜とした理由は、活性層であるポリシリコン膜503の表面を清浄に保つ為である。又、2層構造膜の膜厚をそれぞれ上層酸化膜504=10nm、ポリシリコン膜503=60nmとした理由は、上層酸化膜504膜厚を極力薄くし、アイランドをドライエッチングする際の加工性を向上する(加工を容易にする)為である。この内容については後のアイランド部分の形成方法の項で詳述する。
【0006】
上記アイランド形成工程後、高濃度リンイオンドーピング及びLDD(Lightly Doped Drain)用リンイオンドーピングを行う。次に、ゲート酸化膜505を45nm形成した後、ゲート配線としてのCr膜507/マイクロ・クリスタル・シリコン(μc−Si)膜506の2層膜を成膜する。そして、エッチング加工することによりゲート電極を形成する。ゲート電極としては、耐熱性に優れ低抵抗な高融点金属としてCr膜507を用いる。又、仕事関数の観点からのしきい値制御性の良いμc−Si膜506を層間膜として用いる。ゲート材料としての高融点金属は、Crの他にW,Mo,Ti,Ta乃至そのシリサイド膜に例示される。その後、さらにゲート酸化膜を100nm成膜後、350℃以上の熱処理を行う。この熱処理により、アイランドポリシリコン部分にドーピングされた不純物が活性化される。そして、ドーピングされた部分のポリシリコン膜が低抵抗化される。
【0007】
上記工程後に、300nm厚のゲート酸化膜をさらに成膜する。そして、アイランド活性化部分へのコンタクト開口を行い、Al配線を加工することにより所望の薄膜トランジスタ装置が形成される。
【0008】
次に、薄膜トランジスタの上記アイランド部分の形成方法について説明する。図15は、従来の薄膜トランジスタにおけるアイランド部分の形成方法を示す断面図である。上記アイランド部分のエッチング方法としては、CF+Oガス系にてCFとOとのガス比を4:1とし、上層酸化膜604とポリシリコン膜603とを同時に反応性イオンエッチングする。この場合、最初にCFとOガス系でCF:O=4:1、RF power=700Wのエッチング条件にて上層酸化膜604及びポリシリコン膜603の一部をエッチング加工する。本エッチング条件においては、上記2層構造膜のエッチング形状はほぼ垂直形状となる。
【0009】
次に、残りのポリシリコン膜をCF+Oガス系でCF:O=4:1、RF power=300Wの上記エッチング条件よりも低RFパワー条件に切り替える。低RFパワー条件においては、下層酸化膜602に対するポリシリコン膜603のエッチング速度比が高いことにより、下層酸化膜602のエッチングを最小限に抑えることができる。ただし、その一方で、ポリシリコン膜603上の上層酸化膜604のエッチングも同時に抑えられることになる為に、エッチングが終了したポリシリコン膜603が横方向にエッチングされることにより、上層酸化膜604がポリシリコン膜603に対して張り出したアイランド形状となる。
【0010】
しかし、実際の製品プロセスにおいては、アイランド形成後、希フッ酸処理10秒程度による表面清浄化を行う。希フッ酸処理プロセスでは、上層酸化膜の膜厚が10nmである為に、アイランドエッチングで形成された酸化膜張り出し部を希フッ酸処理によってエッチング除去することができる。なぜならば、張り出し部分の上層酸化膜604の希フッ酸処理によるエッチング速度は数nm/minであり、フッ酸エッチング液に10秒間浸漬している間にひさし酸化膜部分が上下(左右)からエッチングされ除去されてしまうからである。従って、2層構造膜の膜厚を各々上層酸化膜=10nm、ポリシリコン=60nmとすることが必要である。なぜならば、酸化膜膜厚を10nmより厚くするとひさしを除去する為に希フッ酸処理が10秒以上必要であり、この場合ポリシリコン膜603と下層酸化膜602との界面のくびれや、下層酸化膜602の過剰な掘り込みを誘発することになるからである。又ポリシリコンを60nmより厚くすると、アイランドのエッチングにばらつきが増大して、寸法制御性が悪化し、TFTのOFF特性の悪化を招くことになる。
【0011】
上記プロセス内容により、従来技術においては、アイランド下の下層酸化膜の掘り込みやくびれのない垂直なアイランド形状が形成されていた。
【0012】
薄膜トランジスタをガラスや石英などの透光性基板の上に形成する大きな目的は、光透過型の光学デバイスの実現にある。アクティブマトリクス型液晶ディスプレイは、画素のスイッチに薄膜トランジスタを使用した代表例である。そして、パソコンのディスプレイ、ノート型パソコン、携帯電話、PDAなどの携帯機器、最近では薄型のTVとしても利用が進んでいる。これらはディスプレイの表示をそのまま肉眼で直視する形態をとる。しかし、拡大投射光学系の中に液晶ディスプレイを組み込んだプロジェクタとしての利用も盛んになってきている。
【0013】
直視型のディスプレイの場合は、ディスプレイの背面にバックライトを置いてディスプレイを直視するが、プロジェクタに液晶ディスプレイ(液晶ライトバルブ)を使用する場合、直視型に比べてはるかに強い光が照射される。例えば、1型のパネルを100型相当の画面に拡大投射して、15型の直視型パネルと同じ明るさにした場合を単純に面積比で計算すると、パネルの単位面積では直射方に比較して200万倍を超える光量が入射することになる。
【0014】
光が影響するアクティブマトリクス型液晶ディスプレイでの問題のひとつに、薄膜トランジスタに光が届いて光励起でキャリアが発生することによるリーク電流(光リーク電流)がある。画素のスイッチとしての薄膜トランジスタは、所定の電圧を画素電極に書き込んだ後はOFFになり、次の書き込みまで電圧を保持しなければならない。しかし、光リーク電流が大きいと書き込んだ電圧が低下してしまいコントラストの低下をもたらす。
【0015】
このような光リーク電流を抑制するためには、薄膜トランジスタの活性層として機能する半導体層(島状に形成されるのでアイランドと呼ぶこともある)を透光性基板の上に下地絶縁膜を介して直接形成するのではなく、下地絶縁膜の上に金属材料等の遮光性材料による遮光膜を形成した後に、さらに下地絶縁層を重ね、その上に半導体層を形成している。すなわち、透光性基板の下方からの光を遮光膜を用いて遮断するという構造をとっていた。
【0016】
関連する技術として、特開平9−263974号公報(特許文献1)にCr膜のエッチング方法が開示されている。この技術のCr膜のエッチング方法は、基板上に形成されたCr膜のエッチング方法であり、3つの工程を具備する。第1の工程は、Cr膜の所定の領域上にレジストを形成する工程である。第2の工程は、ウエットエッチングによりそのレジストが形成されていない領域のそのCr膜を除去する工程である。第3の工程は、ドライエッチングによりそのレジストとその下に残されたそのCr膜の露出された表面を適量除去することで、そのCr膜の断面をテーパー化する工程である。そのドライエッチングは、エッチャントとして塩素系ガスと酸素の混合ガスを用いても良い。
【0017】
この技術の目的は、Cr膜の断面をテーパー形状にして、上層の被覆性を向上し、良好な特性を得ることにある。
【0018】
【特許文献1】
特開平9−263974号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薄膜トランジスタを作成するアイランド部分においては、図14(b)に示すように上層酸化膜504及びポリシリコン503が下地に対して垂直なアイランド形状となる。従って、アイランド上にゲート酸化膜505及びゲート電極用マイクロ・クリスタル・シリコン(μc−Si)506、ゲート電極用Cr膜507を成膜する際、アイランド側壁部分の膜厚が他のアイランド上部及びアイランド以外の下層酸化膜上の部分に比較して薄く形成される。故に後工程のゲート酸化膜505及びゲート電極用μc−Si506、ゲート電極用Cr膜507のカバレッジを悪化させる。その結果として、アイランド側壁部におけるゲート酸化膜及びゲート電極用Cr/μc−Si電極への応力集中でクラック515が発生する。それにより、後工程のレーザ活性化等のダメージで図14(a)、(b)に示すアイランドをクロスオーバーする部分でのゲート断線が発生する恐れがある。特に、本発明のように柱状構造のCr等の高融点金属をゲート電極材料として用いる場合には、ゲート電極の機械的強度に対する脆弱性によりクラック515の発生がより起こりやすいという欠点がある。
【0020】
又、従来のアイランド部分のポリシリコン膜は、電極表面に凹凸が発生しておりモフォロジーが悪い。そのため、アイランド上のゲート酸化膜及びゲート電極の不均一性を助長することになる。従って、さらにクラックを生じさせやすくしていると考えられる。さらに詳細に説明すると、以下のようになる。
【0021】
従来の薄膜トランジスタのアイランド形成におけるCFとOとのガス比4:1のエッチング条件においては、レジストの後退は起こらずレジストに対して忠実に異方性エッチングがなされる。そのため、上記アイランド部分は垂直形状となる。この状態でアイランド上にゲート酸化膜505、ゲート電極用μc−Si506及びゲート電極用Cr507を成膜するとアイランド側壁部分の表面被覆性が悪化する。それにより、この部分の膜厚が薄くなる。特に、ゲート電極用Cr膜をスパッタ成膜する場合、シャドー効果により垂直形状の段差上にマッシュルーム型のような形状に成膜されることとなる。従って、段差部にはくさびが入ったような状態となり、このくさび部に沿ってクラックが生じやすくなる。
【0022】
また、アイランドの下層に遮光膜を有する構造をとる薄膜トランジスタ及びそれを利用した半導体装置においては、遮光膜の電位がアイランドに作用し薄膜トランジスタの動作に影響を及ぼすこともある。
【0023】
従って、本発明の目的は、下層酸化膜、半導体膜、上層酸化膜の積層構造で半導体膜をレーザアニールしたものに対して、半導体膜、上層酸化膜の積層膜パターンの上を覆う絶縁膜、配線に与える物理的ストレスを緩和し、絶縁膜クラック、断線を防止できる薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、アイランドの下層に遮光膜を有する構造の薄膜トランジスタにおいて、遮光層の電位が薄膜トランジスタの動作に与える影響をも抑制できる薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法を提供することにある。
【0025】
本発明の更に他の目的は、動作異常及び表示欠陥を大幅に低減し、良品率及び信頼性を向上して、コストを削減することが可能な薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0027】
従って、上記課題を解決するために、本発明の積層膜パターンの形成方法は、(a)〜(d)ステップを具備する。(a)ステップは、基板(101)上に第1酸化膜(102)、半導体膜(103a)及び第2酸化膜(104a)を順に成膜する工程である。(b)ステップは、半導体膜(103a)をレーザアニールする工程である。(c)ステップは、第2酸化膜(104a)上にレジストパターンを形成する工程である。(d)ステップは、そのレジストパターンをマスクとして、第2酸化膜(104a)及び半導体膜(103a)にドライエッチングを行い、第2酸化膜(104)及び半導体膜(103)を含む積層膜パターンを形成する工程である。そのドライエッチングに用いるエッチングガスは、フッ素系ガスである。
【0028】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(d)工程は、(d1)そのフッ素系ガスによるそのドライエッチングにより第1酸化膜(102)が露出した時点で、そのエッチングガスを塩素系ガスに切り替えてそのドライエッチングを行う工程を備える。
【0029】
上記の積層膜パターンの形成方法において、その塩素系ガスはClとOとの混合ガスである。
【0030】
上記の積層膜パターンの形成方法において、そのフッ素系ガスはCFとOとの混合ガスである。
【0031】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(d)工程は、その混合ガスのCFとOとのガス比を1:1としてドライエッチングを行い、その積層膜パターンにおける第2酸化膜(104)の側壁と基板(101)の表面とがなす第1テーパ角を、その積層膜パターンにおける半導体膜(103)の側壁と基板(101)の表面とがなす第2テーパ角よりも大きくするよう制御する。
【0032】
上記の積層膜パターンの形成方法において、第1テーパ角θは45<θ<60°であり、第2テーパ角γは10°<γ<60°である。
【0033】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(b)工程後の半導体膜(103a、103)はポリシリコン膜であり、第2酸化膜(104a)とポリシリコン膜(103a、103)の膜厚比は、概ね1:6である。
【0034】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(e)その積層膜パターンを覆うゲート絶縁膜(105)を被覆し、ゲート絶縁膜(105)の上にその積層膜パターンをクロスオーバーする配線(106+107)を形成する工程を更に具備する。
【0035】
上記の積層膜パターンの形成方法において、配線(107)を構成する材料はCr、W、Mo、Ti、Taからなる金属材料群及びこれらのシリサイドからなるシリサイド材料群のうちのいずれか一つの金属又はシリサイドを含む。
【0036】
上記課題を解決するために本発明の積層膜パターンの形成方法は、(f)〜(j)ステップを具備する。(f)ステップは、透光性の基板(701)上に第1下地絶縁層(721)及び遮光材料(720a)を順に成膜する工程である。(g)ステップは、遮光材料(720a)をパターニングして所定のパターンを有する遮光膜(720)を形成する工程である。(h)ステップは、第1下地絶縁層(721)及び遮光膜(720)上に第2下地絶縁膜(722)、半導体膜(730a)及び第1酸化膜(704a)の順に積層された第2下地絶縁膜(722)、半導体膜(730a)及び第1酸化膜(704a)を形成する工程である。(i)ステップは、第1酸化膜(704a)上にレジストパターンを形成する工程である。(j)ステップは、そのレジストパターンをマスクとして、第1酸化膜(704a)及び半導体膜(730a)にドライエッチングを行い、第1酸化膜(704)及び半導体膜(730)を含む積層膜パターンを形成する工程である。そのドライエッチングに用いるエッチングガスは、フッ素系ガスである。その積層膜パターンは遮光膜(720)の上方にある。
【0037】
上記の積層膜パターンの形成方法において、そのフッ素系ガスはCFとOとの混合ガスである。
【0038】
上記の積層膜パターンの形成方法において、その混合ガスのCFとOとの流量比は、100:100よりもOが少ない。
【0039】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(j)工程は、その混合ガスのCFとOとの流量比を115:85としてドライエッチングを行い、その積層膜パターンにおける半導体膜(730)の側壁と基板(701)の表面とがなすテーパ角を40゜以上60゜以下の範囲に制御する。
【0040】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(h)ステップは、(h1)〜(h2)ステップを具備する。(h1)ステップは、第2下地絶縁膜(722)上に、アモルファスシリコン膜(730a)を成膜する工程である。(h2)ステップは、アモルファスシリコン膜(730a)にレーザーを照射して、アモルファスシリコン膜(730a)を結晶化した半導体膜(730a)としての多結晶シリコン膜(730a)を形成する工程である。
【0041】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(h)ステップは、(h3)〜(h4)ステップを具備する。(h3)ステップは、第2下地絶縁膜(722)上に、アモルファスシリコン膜(730a)を成膜する工程である。(h4)ステップは、アモルファスシリコン膜(730a)上に、第1酸化膜(704a)を成膜する工程である。(h5)ステップは、アモルファスシリコン膜(730a)にレーザーを照射して、アモルファスシリコン膜(730a)を結晶化した半導体膜(730a)としての多結晶シリコン膜(730a)を形成する工程である。
【0042】
上記の積層膜パターンの形成方法において、(k)その積層膜パターンを覆うゲート絶縁膜(705)を被覆し、ゲート絶縁膜(705)の上にその積層膜パターンをクロスオーバーする配線(707)を形成する工程を更に具備する。
【0043】
上記の積層膜パターンの形成方法において、配線(107)を構成する材料はCr、W、Mo、Ti、Taからなる金属材料群及びこれらのシリサイドからなるシリサイド材料群のうちのいずれか一つの金属又はシリサイドを含む。
【0044】
上記課題を解決するために本発明の薄膜トランジスタは、下地絶縁層(721+722)と、多結晶シリコン膜(730)とを具備する。下地絶縁層(721+722)は、透光性の基板(701)上に設けられ、遮光材料(720a)で形成された遮光膜(720)を含む。多結晶シリコン膜(730)は、下地絶縁層(721+722)上に所定のパターンで形成され、活性層(733)を含む。多結晶シリコン膜(730)を基板(701)表面に投影した第1射影は、遮光膜(720)を基板(701)表面に投影した第2射影に含まれる。多結晶シリコン膜(730a)の有効側面と多結晶シリコン膜(730)下部の基板(701)表面とがなす角としてのテーパ角は、直角よりも小さい。
ただし、有効側面とは、多結晶シリコン膜(730)における仮想的な側面であって、現実の側面を代表する平均的な一定の傾き(テーパ角)を有する。
【0045】
上記の薄膜トランジスタにおいて、テーパ角θは、40°≦θ≦60゜である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である薄膜トランジスタ及び積層膜パターンの形成方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0047】
(第1の実施の形態)
本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第1の実施の形態について説明する。まず、本発明の薄膜トランジスタにおける第1の実施の形態の構成について説明する。図3は、本発明の薄膜トランジスタにおける第1の実施の形態の構成を示す断面図である。薄膜トランジスタは、ガラス基板101上に設けられ、下層酸化膜102、ポリシリコン膜103、上層酸化膜104、ゲート酸化膜105、マイクロ・クリスタル・シリコン(μc−Si)膜106、Cr膜107、第1ゲート酸化膜109、第2ゲート酸化膜112コンタクト113及びアルミニウム配線114を具備する。
【0048】
下層酸化膜102は、ガラス基板101を覆うように設けられる。例えば、300nm厚の酸化シリコン膜である。ポリシリコン膜103は、下層酸化膜102上に、アイランド部分として行列状に設けられる。例えば、60nm厚のアモルファスシリコン膜をエキシマレーザにより結晶化させ、所定のパターンでパターンニングして形成する。上層酸化膜104は、ポリシリコン膜103上に同じ形状で設けられる。例えば、10nm厚の酸化シリコン膜である。
【0049】
アイランド部分のポリシリコン膜103と上層酸化膜104との2層構造膜は、2層構造膜の同時ドライエッチングにより、アイランド部分の上層酸化膜104のテーパ角が45<θ<60°、ポリシリコン膜103のテーパ角が10°<γ<60°となっている。ただし、テーパー角θは、アイランド部分の上層酸化膜104の側壁(側面)を代表する有効平面と、下層酸化膜102(又はガラス基板101)のアイランド部分下方における表面とのなす角である。テーパー角γは、アイランド部分のポリシリコン膜103の側壁(側面)を代表する有効平面と、下層酸化膜102(又はガラス基板101)のアイランド部分下方における表面とのなす角である。
【0050】
ポリシリコン膜103は、高濃度にリンをイオンドーピングされたソース領域110a及びドレイン領域110bと、低濃度にリンをイオンドーピングされたLDD(Lightly Doped Drain)領域111a及びLDD領域111bと、ドーピングされていないチャネル領域130を含む。
【0051】
ゲート酸化膜105は、下地酸化膜102、ポリシリコン膜103及び上層酸化膜104とを覆うように設けられる。例えば、45nm厚の酸化シリコン膜である。μc−Si膜106及びCr膜107は、ゲート配線としてゲート酸化膜105上のチャネル領域130と対向する位置に所定のパターンで設けられる。ゲート電極としては、耐熱性に優れ低抵抗の高融点金属としてCr膜107を用い、又仕事関数の観点からのしきい値制御性よりμc−Si膜106をゲート酸化膜105とCr膜107との間の層間材料膜として用いる。ゲート電極材料としての高融点金属としては、Crの他にW,Mo,Ti,Ta乃至そのシリサイド膜を用いる。
【0052】
第1ゲート酸化膜109は、ゲート酸化膜105、μc−Si膜106及びCr膜107を覆うように設けられる。例えば、100nm厚の酸化シリコン膜である。第2ゲート酸化膜112は、第1ゲート酸化膜109を覆うように設けられる。例えば、300nm厚の酸化シリコン膜である。コンタクト113は、ソース領域110a及びドレイン領域110bに達するように第2ゲート酸化膜112、第1ゲート酸化膜109、ゲート酸化膜105及び上層酸化膜104を開口した孔に設けられた配線である。例えば、アルミニウムである。アルミニウム配線114は、コンタクト113に接続した所定のパターンを有する配線である。を施すことにより所望の薄膜トランジスタが形成される。
【0053】
次に、図3の薄膜トランジスタの製造方法について説明する。図1〜図4は、本発明の薄膜トランジスタの第1の実施の形態における製造方法を示す図である。
【0054】
図4において、ガラス基板101上に下層酸化膜102を300nm程度成膜する。そして、下層酸化膜102を覆うように、60nm厚のシリコン膜103aと10nm厚の上層酸化膜104aとを成膜する(図4(a))。
【0055】
次に、シリコン膜103aをエキシマレーザにより結晶化させる。そして、結晶化されたシリコン膜103aと上層酸化膜104aとの2層構造膜について、所定のパターンにドライエッチングして、ポリシリコン膜103と上層酸化膜104とする(図4(b))。エッチング後のポリシリコン膜103と上層酸化膜104との2層構造膜をアイランド部分ともいう。このシリコン膜103a及び上層酸化膜104aの2層同時エッチングにより、アイランド部分の上層酸化膜104のテーパ角が45<θ<60°、ポリシリコン膜103のテーパ角が10°<γ<60°に設定される。
【0056】
続いて、アイランド部分を形成後、高濃度リンイオンドーピング及び低濃度(LDD)リンイオンドーピングを行い、ソース領域110a、ドレイン領域110b、LDD領域111a及びLDD領域111bを形成する。その後、45nm厚のゲート酸化膜105を形成する(図4(c)、ただし、ソース領域110a、ドレイン領域110b、LDD領域111a及びLDD領域111bを図示せず)。
【0057】
次に、ゲート配線としてのCr膜107/μc−Si膜106の2層膜を成膜する。そして、エッチング加工することによりチャネル領域130の上方を通過するように所定のパターンでゲート電極を形成する。この状態が図1及び図2である。図1(a)は製造途中の薄膜トランジスタの平面図である。ゲート配線及びアイランド以外は省略している。図1(b)は図1(a)の平面図におけるA−A方向の断面図である。同じく、図2(a)は製造途中の薄膜トランジスタの平面図である。図1(a)と同じである。ゲート配線及びアイランド以外は省略している。図2(b)は図2(a)の平面図におけるB−B方向の断面図である。各符号の説明は上述のとおりである。アイランド部分の上層酸化膜104のテーパ角が45<θ<60°、ポリシリコン膜103のテーパ角が10°<γ<60°に設定される。
【0058】
その後、ゲート酸化膜105及びゲート配線を覆うように、100nm厚の第1ゲート酸化膜109を成膜する。その後、350℃以上の熱処理を行いリンドーピングされたアイランド部分のポリシリコン膜103中の不純物を活性化する。これにより、ポリシリコン膜が低抵抗化される。
【0059】
上記工程後に、第1ゲート酸化膜109を覆うように300nm厚の第2ゲート酸化膜112を成膜する。続いて、第2ゲート酸化膜112、第1ゲート酸化膜109、ゲート酸化膜105及び上層酸化膜104を開口してアイランド活性化部分へのコンタクト113を形成する。そして、アルミニウム配線114を施すことにより所望の薄膜トランジスタが形成される(図3)。
【0060】
次に、上記の薄膜トランジスタの製造方法に適用した、本発明の積層膜パターンの形成方法の第1の実施の形態を説明する。この積層膜パターンの形成方法は、アイランド部分の2層構造膜の同時エッチングにより、アイランド部分の上層酸化膜のテーパ角を45<θ<60°、ポリシリコン膜のテーパ角を10°<γ<60°に制御する反応性イオンエッチング方法である。
【0061】
図5は、本発明の積層膜パターンの形成方法の第1の実施の形態を示す断面図である。図5は、上述した図4(a)から図4(b)へ進むプロセスを取り出して、詳細に説明している。
【0062】
初めに、図5(a)に示すように、下層酸化膜202上に形成された2層構造膜(上層酸化膜204とポリシリコン膜203)上にフォトレジスト208のパターンを形成する。
【0063】
続いて、図5(b)に示すように、フォトレジスト208をエッチングマスクとして、CFとOのガス系にて上層酸化膜204とポリシリコン膜203とを反応性イオンエッチングする。このエッチングでCFとOとのガス比を1:1とすることにより、2層構造膜の側面を45<θ<60°のテーパ形状に加工する。ここで、テーパー角θは、エッチングされた2層構造膜の側壁(側面:下層酸化膜202表面と平行な面ではない)を代表する有効平面と、下層酸化膜102(又はガラス基板101)の2層構造膜部分下方における表面とのなす角である。なお、CFとOのガス系以外にもCHF、SF等フッ素系のガスとOとの混合ガス系を用いることも可能である。
【0064】
次に、図5(c)に示すように、ポリシリコン膜203がエッチングされ下層酸化膜が露出した時点でエッチングガス系をClとOのガス系に切り替える。ClとOのガス系は、酸化膜(下層酸化膜202、上層酸化膜204)に対するポリシリコン膜203のエッチングレートが大きい。そのため、下層酸化膜202のエッチングを最小限に抑えることができる。又、ClとOのガス系でClとOとのガス比を1:1とすることによりポリシリコン膜203が同様にテーパ化される。それと共に、レジスト側壁、及び上層酸化膜204/ポリシリコン膜203の2層構造膜の側壁に堆積反応生成物214が生成される。そのため、ポリシリコン膜203のサイドエッチングが防止されることになる。従って、CFとOとのガス比1:1のエッチング条件にて形成した上層酸化膜204/ポリシリコン膜203の2層構造膜のテーパ形状を維持しつつ、ガラス基板内でのエッチングばらつきにより下層酸化膜202上に残留するポリシリコン膜203をClとOのガス系により取り除くことができる。なお、特にポリシリコン膜203と下層酸化膜204との界面におけるポリシリコン膜のテーパ角は、ガラス基板内でのエッチングばらつきにより10°<γ<60°と幅をもった角度となる。
【0065】
上述のように、本発明の第1の実施の形態では、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を形成するに当たって、ポリシリコン膜がエッチングされ下層酸化膜が露出した時点でエッチングガス系をClとOのガス系に切り替えている。しかし、下層酸化膜がある程度エッチングされても、混合比1:1のCF/Oのみで上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を形成することも可能である。
【0066】
本発明の薄膜トランジスタの第1の実施の形態において、アイランドテーパ角を90°から45°に減少させていくと、図2(b)に示すように、アイランド上に成膜されるゲート酸化膜105及びゲートCr膜107/μc−Si膜106におけるアイランド側壁部分の膜厚が厚くなる。従って、アイランド側壁部におけるゲート酸化膜105及びゲート電極への応力集中が緩和される。それにより、後工程のレーザ活性化等のダメージで誘発されるアイランド部分をクロスオーバーする部分でのゲート電極の断線を防止することができる。
【0067】
次に、本発明の積層膜パターンの形成方法の第1の実施の形態において、アイランドの2層構造膜の同時エッチングによりテーパ角度を制御する方法について以下に詳細に説明する。
【0068】
図6は、反応性イオンエッチングにおけるCFとOとのガス流量比とエッチング速度との変化を示すグラフである。縦軸は酸化膜、ポリシリコン膜及びレジストのエッチング速度、横軸はCFとOとのガス流量比を4:1から1:1とO流量割合を増加させた各ガス流量条件を示す。エッチング条件として、ガス総流量は200sccm、ガス圧力は20pa、RFパワーは300Wとする。
【0069】
CFとOとのガス流量比が4:1の場合、酸化膜エッチング速度は約17nm/min、ポリシリコンエッチング速度は約50nm/minである。すなわち、ポリシリコンエッチング速度が酸化膜エッチング速度の3倍程度である。それに対して、O流量割合を増加させていくと、ポリシリコンエッチング速度は減少し、一方、酸化膜エッチング速度は微増する。そして、CFとOとのガス比1:1では、酸化膜エッチング速度は約22nm/min、ポリシリコンエッチング速度は約25nm/minとなる。すなわち、エッチング速度比がほぼ1:1に等しくなる。このエッチング特性により上部酸化膜がポリシリコン膜に対して突き出た断面形状が緩和され、上部酸化膜とポリシリコン膜の界面がなだらかな良好な断面形状が得られる。
【0070】
一方、レジストのエッチング速度においても、CFとOとのガス流量比が4:1の場合はレジストのエッチング速度は75nm/minである。それに対して、Oガス流量比を増加させていくとレジストのエッチング速度が増加していく。そして、ガス流量比1:1の場合、140nm/minとエッチング速度が2倍程度増加する。これにより、酸化膜、及びポリシリコン膜に比較してレジストのエッチング速度の割合が多くなる。そして、レジスト側面へも積極的にエッチングが進行することにより、レジストの後退が進行する。Oガス流量比増加に伴うレジストエッチング速度の増加の理由については以下の通りである。
【0071】
すなわち、レジストの組成はフェノールノボラック樹脂というベンゼン環にCH、CH、OH基が結合した化学組成となっており、Oプラズマの酸素ラジカルがCH、CH基を攻撃して結合手を乖離することによりレジストのエッチングが進行するからである。上記のエッチング特性により、レジストが横方向へ後退しつつ、酸化膜とポリシリコン膜が均等にエッチングされることにより、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を45°<θ<60°のなだらかなテーパ形状とすることができる。
【0072】
本実施形態においては、CFとOのガス系においての特性を記述したが、CFの代りにCHF、SF等フッ素系のガスを用いても良い。この場合も本実施形態と同様にO流量割合を増加させていくと、ポリシリコンエッチング速度は減少し、一方で酸化膜エッチング速度は増加していく特性は同じである。ただし、Oとのガス比とテーパ角度の関係についてはフッ素系ガス各々の特性によりその数値に相違があると考えられる。
【0073】
次に、エッチングガス系をClとOのガス系に切り替える際のエッチング特性について述べる。エッチング条件は、
・ガス総流量:400sccm
・ガス流量比:Cl:O=1:1
・ガス圧力:40pa
・RF power:400W
である。ClとOのガス系によるエッチングでは、酸化膜に対するポリシリコン膜のエッチングレート比が約10程度と大きい。そのため、下層酸化膜のエッチングを最小限に抑えることができる。又、ClとOのガス系でのガス流量比1:1によるエッチングでは、CFとOのガス流量比1:1でのエッチングと同様に、レジスト後退によるポリシリコン膜の低テーパエッチングが行われる。それと共に、堆積性反応生成物としてのSiClxOyの生成により上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜の側壁へサイドウォールを形成しやすい作用がある。従って、ポリシリコン膜のテーパ化が進行すると共に、上層酸化膜/ポリシリコン膜2層構造膜のサイドエッチングが防止されることになる。また、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜のテーパ形状を維持しつつ下層酸化膜のエッチング量を最小限に抑制することができる。
【0074】
上記のポリシリコン膜がエッチングされ下層酸化膜が露出する時期についての作用を以下に述べる。ガラス基板内において、エッチングの進行の早い部分でポリシリコン膜がエッチングされ下層酸化膜が露出する時点では、エッチングの進行の遅い部分では未だポリシリコン膜のエッチングが進行している段階である。この時点でClとOのガス系に切り替えることにより、前述の通りエッチングの進行の遅い部分におけるポリシリコン膜の進行方向(基板に垂直な方向)のエッチングでは、それ迄のCFとOのエッチング条件と同様に、レジスト後退によるポリシリコン膜の低テーパエッチングが行われる。それと共に、既にエッチングされている上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜には、エッチング側壁面にエッチング生成物であるサイドウォールが堆積する。上記の作用として、進行方向(基板に垂直な方向)のエッチングについては反応性イオンエッチングにおける加速イオン成分によるエッチングが行われる。既にエッチングされたエッチング側壁面については、エッチング生成物が堆積されることにより反応性イオンエッチングにおけるラジカル成分によるサイドエッチングを防止する。
【0075】
又、ClとOのガス系によるエッチングにおいては、エッチング生成物形成によってそれ迄のCFとOのエッチング条件で形成した45°<θ<60°のテーパ角度よりさらにテーパ角度が減少すると考えられる。なぜならば、ClとOのガス系によるエッチングにおいてはエッチング生成物がほぼ一様に堆積し、引き続き反応性イオンの入射によりエッチング表面の堆積物はエッチングされ、被エッチング物が露出するとエッチングが進む。ところが、垂直に入射するイオンは、レジスト及び上層酸化膜/ポリシリコン膜2層構造膜側壁部のエッチング生成物が厚い為に全てをエッチングすることができない。そのため、側壁にはエッチング生成物が残留する。従って、入射するイオンから見るとエッチング生成物の存在により、あたかも2層構造膜の幅が広がった状態と等しくなり、エッチングはエッチング生成物の下端部から進む。このようにしてエッチング生成物が堆積し、レジストの幅がエッチングの進行と共に2層構造膜のすその方から広がることによりテーパが形成される。
【0076】
また、ClとOの流量比1:1のガス系においては、サイドウォ−ルの端部から進むエッチングの角度についても45°<θ<60°のテーパ角度を持っている。そのため、テーパ角度が前記のパターン幅広がりの効果によるテーパ角度からさらに減少すると考えられる。上記の反応メカニズムの為に、エッチング進行が早い部分においては、それ迄のCFとOのエッチング条件で形成した45°<θ<60°のテーパ角度がエッチング生成物によるサイドウォール堆積により維持される。すなわち、そのテーパ角をθとすると、45°<θ<60°となる。エッチング進行が遅い部分においては、ポリシリコン膜と下層酸化膜の界面部分のポリシリコン膜(ClとOのガス系でエッチングされたポリシリコン膜)はそれ迄のCFとOのエッチング条件で形成した45°<θ<60°のテーパ角度よりさらにテーパ角度が減少する。そして、その部分のポリシリコン膜のテーパ角度は10°程度まで減少すると考えられる。従って、ポリシリコン膜のテーパ角をγとすると、ガラス基板内のエッチング進行具合の分布により、基板全体では10°<γ<60°と幅をもった角度となる。
【0077】
次に、本発明におけるアイランド部分のパターン形成において、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を反応性イオンエッチングによりテーパ形状にすることにより、パターン精度に及ぼす影響について以下に説明する。
【0078】
CF+Oのガス比1:1の反応性イオンエッチング条件でのレジストのエッチング速度140nm/minは、エッチングの垂直方向のエッチング速度を表したものである。ここで、横方向のエッチング速度が垂直方向の2/3程度であると推定する。そのとき、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜をCF+Oガス1:1のエッチング条件で全てエッチングした場合のレジストの横方向後退量は、各膜エッチング速度から算出すると、およそ0.27μmと見積もられる。よって、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を垂直にエッチングした場合のパターン精度は同じく0.27μmである。
【0079】
ここで、上層酸化膜/ポリシリコン膜のエッチング加工テーパ角が60°の場合、パターン後退量は、およそ0.23μmと見積もられる。従って、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜を反応性イオンエッチングにより60°以下のテーパ形状にすることにより、パターン精度を少なくとも0.23μm以内に制御することができる。
【0080】
本発明におけるCFとOとのガス流量比についてはガス流量比1:1としており、Oガス流量比をさらに多くすればテーパ角のさらなる低減が見込めると考えられる。しかし、その場合はポリシリコンエッチング速度の減少により、エッチング時間が大幅に増加する。そして、レジストエッチング速度の増加による寸法制御性の悪化を引き起こすことになる。そのため、CFとOとのガス流量比1:1が妥当と考えられる。
【0081】
本発明におけるポリシリコン膜は、エキシマレーザ結晶化法を用いることにより、単結晶シリコンやアモルファスシリコンとは膜の結晶性が異なり、表面が凹凸の激しい膜となっている。この場合CFとOのガス流量比が4:1のアイランドエッチング条件において、上述したエッチング特性によりエッチング加工側面は垂直形状の部分だけでなく逆テーパ形状部分も混在することになる。それは以下の理由による。表面形状が凸(突き出た)部においてはエッチングするポリシリコン膜の膜厚が厚いので、エッチングする時間が長い。一方、凹部はポリシリコン膜の膜厚が薄くエッチングが早く終了するので、ポリシリコン膜のエッチング終了後、凸部のエッチングが終了する迄の間に横方向にエッチングが進行していく。そのために垂直形状と逆テーパ形状との混在が起きる。上記の表面モフォロジー及びアイランド形状の悪化により、アイランド上に成膜されるゲート酸化膜及びゲートCr電極において、アイランド側壁部分の膜厚が、凹凸のない部分の側面の場合に比べてさらに薄くなる。そのために、アイランド側壁部におけるゲート酸化膜及びゲートCr電極への応力集中がさらに激しくなる。そして、アイランド段越え部分でのゲート断線の発生がさらに増加することになる。
【0082】
それに対してCFとOのガス流量比が1:1のアイランドエッチングにおいては、酸化膜とポリシリコン膜がほぼ同じエッチング速度であり上部酸化膜が突き出ることなくほぼ均等にエッチングされる。それにより、被エッチング物表面の凹凸により下層の酸化膜に凹凸が生じることがあってもテーパ角が悪化することはない。すなわち、アイランド上に成膜されるゲート酸化膜及びゲートCr電極においてアイランド側壁部分の膜厚が薄くなることはない。従って、アイランド段越え部分でのゲート断線が発生することはない。よって、本発明の実施形態におけるレーザ結晶化されたポリシリコン膜のように表面に凹凸の激しい膜の場合においても、上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜のテーパ形状化がアイランド段越え部分でのゲート断線防止に効果がある。2層構造膜の膜厚については、所定の誤差範囲で、各々上層酸化膜=10nm、ポリシリコン膜=60nmとすることが好ましい。すなわち、上層酸化膜の膜厚:ポリシリコン膜の膜厚は、概ね1:6である。上層酸化膜膜厚を10nmより厚く、又は、ポリシリコン膜を60nmより厚くするとアイランドエッチングばらつきの増大による寸法制御性の悪化や、TFTのOFF特性の悪化を招くことになるからである。
【0083】
次に、ゲート電極材料としてCr膜に代表される高融点金属とμc−Si膜の2層積層膜を用いる場合の作用及び本発明による利点について述べる。
【0084】
Cr膜に代表される高融点金属は一般に低抵抗材料であり、又電気的に安定で耐腐食性のあるシリサイド膜を形成しやすいという利点がある。ゲート材料としての高融点金属としては、Crの他にW,Mo,Ti,Ta乃至そのシリサイド膜が用いられる。さらに、ゲート電極のしきい値制御性、安定化の観点からCr膜と絶縁酸化膜の間にμc−Si膜を介在させて仕事関数をシリコン膜に近づけることが電気特性上好ましい。しかしながら、高融点金属は膜組織が柱状(針状)であり堅く脆い上に酸化しやすいという性質がある為に、厚く堆積させると膜剥がれやクラックを生じさせやすいという欠点がある。尤も高融点金属の中にはAlやCu等の延性、展性に富んでおりクラックを生じにくい金属も存在する。しかし、反面エッチング加工性や耐腐食性に乏しいという問題がありゲート材料として使いにくいという難点がある。このように、柱状構造のCr等の高融点金属をゲート材料として用いる場合、本発明におけるアイランド部のように上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜のテーパ形状化を用いることによってゲート電極の機械的強度に対する脆弱性がもたらすクラックの発生を防止することができる。
【0085】
本実施形態においてはゲート電極はCr/μc−Siの積層構造を用いているが、トランジスタのしきい値制御性がさほど要求されない場合においては、ゲート電極をCr膜等高融点金属の単層構造としても良い。この場合、2層構造の場合に比して成膜工程が簡略化されることにより、製造工程の短縮化がはかれるという利点がある。又、ゲート電極をCr膜とμc−Si膜の2層構造膜とした場合、μc−Si膜を成膜後Cr膜を成膜する間にμc−Si膜の表面に数nm程度の膜厚で自然酸化膜が成膜される。自然酸化膜はゲート電極の導通性及び密着性を悪化させる為に希HF溶液により除去する必要があり、工程の煩雑さを招く。この自然酸化膜成膜を防止する為には、μc−Si膜を成膜後直ちにCr膜を成膜する必要があり、装置運用上の制約をもたらすことになる。以上の理由により、ゲート電極を高融点金属の単層構造とすることは、製造工程上の負荷を低減するという観点からは利点があるといえる。
【0086】
以上述べたように、本発明内容により、アイランド部の2層膜においてアイランド部の上層酸化膜のテーパ角を45<θ<60°、ポリシリコン層のテーパ角を10°<γ<60°に制御する。これにより、アイランド部分形成後のゲート酸化膜及びゲートCr/μc−Si電極のステップカバレッジが向上する。これによりアイランド段越え部分でのゲート断線の発生を防止することができる。又、本内容よりアイランド部分の下層酸化膜のエッチングを防止することができる為、アイランド部の下層酸化膜の掘り込みやサイドエッチングによるゲート酸化膜のカバレッジ不良、ゲート電極の断線等を防止することができる。
【0087】
また、Cr等の柱状構造の高融点金属をゲート材料として用いる場合には、本発明におけるアイランド部の下層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜のテーパ形状化を用いることによってゲート電極の機械的強度に対する脆弱性がもたらすクラックの発生を防止することができる。
【0088】
さらに、本実施形態におけるレーザ結晶化されたポリシリコン膜のような表面凹凸の激しい膜の場合においては、表面の平坦な単結晶シリコン膜やアモルファスシリコン膜と比較して上層酸化膜/ポリシリコン膜の2層構造膜のテーパ形状化がアイランド段越え部分でのゲート断線防止に更に効果的である。
【0089】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の薄膜トランジスタの製造方法に適用した、本発明の積層膜パターンの形成方法の第2の実施の形態を説明する。
【0090】
図7は、反応性イオンエッチングにおける投入電力とエッチング速度又は選択比との関係を示すグラフである。縦軸は酸化膜、ポリシリコン膜、レジスト及びそれらの組み合わせのエッチング速度、又は、選択比である。横軸はエッチングにおける投入電力である。ただし、[白丸:○、アスタリスク:*、ばつ:×]は、エッチング速度、[黒ひし形:◆、黒三角:▲]は選択比を示す。
【0091】
第1の実施の形態と同様、フォトレジストをエッチングマスクとして、CFとOのガス系にて上層酸化膜とポリシリコン膜を下層酸化膜が露出する時点まで反応性イオンエッチングする。このとき第2の実施の形態においてはエッチング条件を、CFとOとのガス流量比は1:1、ガス総流量は200sccm、ガス圧力は20Paとし、RF出力(投入電力)を300wから500wまで変化させる。この条件にてエッチングすることにより、500Wでのポリシリコン膜のエッチング速度(42nm/min=420Å/min)は、300Wでのそれ(22nm/min=220Å/min)と比較して約2倍となる。このとき、下層酸化膜との選択比の変化はほとんど無く(=約1)、フォトレジストとの選択比の変化もほとんど無い(=約6)。そのため、アイランド部の上層酸化膜のテーパ角を45<θ<60°、ポリシリコン層のテーパ角を10<γ<60°に制御したまま、エッチング時間を短縮することができる。そして、エッチング処理枚数の増加により装置の処理能力を向上させることができる。また、エッチング速度が上昇することによって、エッチングの終点検出に利用している、プラズマ発光強度の変化の割合を大きくすることができるため、より確実な終点検出が行えるという利点がある。
【0092】
下層酸化膜が露出した時点からは、第1の実施の形態と同様、エッチングガスをClとOのガス系に切り替えることによって、下層酸化膜のエッチング量を最小限にとどめ、ポリシリコン膜のサイドエッチングも抑制することができる。そのため、CFとOのガス系にて加工したテーパ形状を維持することができる。従って、アイランド部分形成後のゲート酸化膜及び配線のステップカバレッジが向上し、それによりアイランド段越え部分でのゲート断線の発生を防止することができる。
【0093】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態について説明する。
【0094】
まず、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態の構成について説明する。図8は、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態を適用した液晶ライトバルブの構成を示す断面図である。液晶ライトバルブ700は、TFTアレイ基板770と、対向基板771と、液晶780とを具備する。
【0095】
TFTアレイ基板770は、マトリックス上に配列された複数の薄膜トランジスタと、薄膜トランジスタによりオン又はオフされる複数の画素電極を有する。対向基板771は、TFTアレイ基板の複数の画素電極に対向する共通の対向電極を有する。液晶780は、TFTアレイ基板770と対向基板771との間に挟まれて保持されている。なお、図8は液晶ライトバルブ700の遮光に関する概念を説明するための断面図であり、構成要素を一部省略してあり、寸法膜厚の関係など、現実のものとは異なっている。
【0096】
上記の第1及び第2の実施の形態では、ガラス基板上の絶縁層上に設けられた薄膜トランジスタに、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタを適用している。しかし、本実施の形態では、薄膜トランジスタの下層に更に導電層を有する液晶ライトバルブ700を一例として説明する。ここで、導電層は、薄膜トランジスタを応用するデバイスに依り、薄膜トランジスタに必要とされる特性を満足するために、薄膜トランジスタの下層に設けられる。
【0097】
TFTアレイ基板770は、透光性基板701、第1下地絶縁膜721、遮光膜720、第2下地絶縁膜722、多結晶シリコン膜730、酸化シリコン膜704、ゲート絶縁膜705、複数のゲート線707、第1の層間絶縁708、複数のデータ線724、第2層間絶縁膜709、平坦化膜706、複数の画素電極712を備える。
【0098】
透光性基板701は、ガラスのような絶縁性を持ち光を透過する材料で形成されている。
【0099】
第1下地絶縁膜721は、透光性基板701の表面を覆うように設けられている。例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法のような方法で形成される。透光性基板701に含まれる重金属の拡散を防止する。ここでは、300nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。
【0100】
遮光膜720は、第1下地絶縁膜721上の薄膜トランジスタが形成される位置に対応して設けられる。導電性を有する。例えばスパッタ法のような方法で成膜された膜をパターンニングされ形成される。薄膜トランジスタの特性を向上させる。ここでは、175nmの膜厚を有するタングステンシリサイド膜である。ただし、遮光膜720は、タングステンシリサイド膜と、その上に積層されたアモルファスシリコン膜との2層構造にすることも可能である。又は、タングステンシリサイド膜と、酸化シリコン膜を介してその上に積層されたアモルファスシリコン膜との3層構造にすることも可能である。その選択は、必要とする性能によって決定する。
【0101】
第2下地絶縁膜722は、第1下地絶縁膜721及び遮光膜720を覆うように設けられている。例えばCDV法のような方法で形成される。遮光膜720と薄膜トランジスタとを絶縁する。ここでは、250nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。ただし、第2下地絶縁膜722の膜厚は、遮光膜720と薄膜トランジスタの多結晶シリコン膜730との距離を規定する。そのため、遮光特性に対して重要な意味をもっている。従って、所望の薄膜トランジスタの性能に応じて100nm〜500nmの範囲で選択する。さらに望ましくは、150nm〜300nmの範囲で選択する。
【0102】
多結晶シリコン膜730は、第2下地絶縁膜722上の遮光膜720が形成される位置に対応して、行列状に設けられている。例えばLPCVD(Low Pressure CVD)法やPCVD(Plasma Enhanced CVD)法のような方法で形成されたアモルファス・シリコン膜を、レーザ・アニール法のような方法により結晶化させ、それをパターンニングされ形成される。薄膜トランジスタの活性層として機能する。ここでは、60nmの膜厚を有する多結晶シリコン膜である。
【0103】
多結晶シリコン膜730は、高濃度に不純物をドープされたソース領域731a及びドレイン領域731b、低濃度に不純物をドープされたLDD(Lightly Doped Drain)領域732a及び732b、不純物をドーピングされていないチャネル領域733を含む。
【0104】
酸化シリコン膜704は、多結晶シリコン膜730上に設けられており、絶縁性を有する。例えばCDV法のような方法で、アモルファス・シリコン膜に続いて連続的に形成され、アモルファス・シリコン膜の結晶化後、多結晶シリコン膜と共にパターンニングされ形成される。多結晶シリコン膜730(アモルファス・シリコン膜)の表面を保護する。ここでは、10nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。
【0105】
ここで、多結晶シリコン膜730及び酸化シリコン膜704のパターンニングにより、多結晶シリコン膜730端部及び酸化シリコン膜704の断面形状のテーパー角は、40゜〜60゜の範囲となる。図8では一断面のみを示しているが、多結晶シリコン膜730及び酸化シリコン膜704の全周囲にテーパー角が形成される。
【0106】
ゲート絶縁膜705は、第2下地絶縁膜722、多結晶シリコン膜730及び酸化シリコン膜704を覆うように設けられている。例えばCVD法のような方法で形成される。薄膜トランジスタのゲート絶縁膜となる。ここでは、90nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。
【0107】
ここでは、アモルファスシリコン膜と酸化シリコン膜(704)の積層膜に対してレーザ・アニールを行い、酸化シリコン膜704をそのままゲート絶縁膜の一部として使用している。しかし、アモルファスシリコン膜に対して直接レーザーアニールを行い、酸化シリコン膜704を設けずにゲート絶縁膜705を形成することも可能である。この場合、酸化シリコン膜704を形成する工程を削減できる。又は、アモルファスシリコン膜と酸化シリコン膜(704)の積層膜に対してレーザ・アニールを行い、一旦、酸化シリコン膜704をウエットエッチングで除去した後、ゲート絶縁膜705を形成することも可能である。この場合、レーザ・アニールの影響を受けた酸化シリコン膜704を用いなくて済む。いずれの場合にも、ゲート絶縁膜705の膜厚を100nmとする。
【0108】
ゲート線707は、ゲート絶縁膜705上に多結晶シリコン膜730にクロスオーバーするように、チャネル領域733に対応して設けられており、導電性を有する。例えばCVD法やスパッタ法のような方法で形成した導電膜を、パターンニングして形成される。薄膜トランジスタをオン/オフ(選択)する信号を供給する。ここでは、不純物のドープされた100nm厚の多結晶シリコン膜と、その上に積層された150nm厚のタングステンシリサイド膜とを有する2層構造である。
【0109】
第1層間絶縁膜708は、ゲート絶縁膜705及びゲート線707を覆うように設けられている。例えばCVD法のような方法で形成される。ゲート線707とデータ線とを絶縁する。ここでは、400nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。
【0110】
データ線724は、第1層間絶縁膜708上に、多結晶シリコン膜730のソース領域731aと電気的に接続するように設けられており、導電性を有する。例えばソース領域731a上部の酸化シリコン膜704とゲート絶縁膜705と第1層間絶縁膜708とを選択的に除去してコンタクト孔713を形成し、コンタクト孔713を埋め且つ第1層間絶縁膜708を覆うようにスパッタ法のような方法で導電膜を成膜し、それがパターンニングされ形成される。薄膜トランジスタにデータ信号を供給する。ここでは、400nmの膜厚を有するアルミニウム膜である。
【0111】
第2層間絶縁膜709は、第1層間絶縁膜708及びデータ線724を覆うように設けられている。例えばCVD法のような方法で形成される。データ線724と画素電極712とを絶縁する。ここでは、400nmの膜厚を有する酸化シリコン膜である。
【0112】
平坦化膜706は、第2層間絶縁膜709を覆うように設けられており、絶縁性を有する。例えば、有機塗布膜をスピンコート法で塗布し、加熱して硬化して形成する。第2層間絶縁膜709の表面の凹凸をなだらかにする。ここでは、有機膜である。
【0113】
画素電極712は、平坦化膜706上に、多結晶シリコン膜730のドレイン領域731bと電気的に接続するように設けられており、導電性を有する。例えばドレイン領域731b上部の酸化シリコン膜704、ゲート絶縁膜705、第1層間絶縁膜708、第2層間絶縁膜709及び平坦化膜706を選択的に除去してコンタクト孔714を形成し、コンタクト孔714の側面及び平坦化膜706を覆うようにスパッタ法のような方法で導電膜を成膜し、それがパターンニングされ形成される。薄膜トランジスタのオン時に、データ信号を供給される。ここでは、100nmの膜厚を有するITO(Indium Tin Oxide)膜である。
【0114】
ここでは、第2層間絶縁膜709の上に有機塗布膜による平坦化膜706を形成して、凹凸を滑らかにした後、画素電極712となるITO膜を成膜している。しかし、平坦化の手段はこれに限らずCMP(Chemical Mechanical Planarization)を用いることも可能である。この場合、平坦性の精度が向上する。また、平坦化の手段を用いずに第2層間絶縁膜709の上に直接ITO膜を成膜することも可能である。その場合、平坦化膜706を形成する工程を削減できる。各方法は、所望の特性に応じて選択可能である。
【0115】
また、第2層間絶縁膜709の上に遮光性の膜により、ブラックマトリクスを形成することもできる。その場合にはさらに層間絶縁膜を介して上部の構造(ITO膜等)を形成することになる。平坦化手段との組み合わせることも可能である。
【0116】
対向基板771は、透光性基板750、ブラックマトリクス751、対向電極752を具備する。
【0117】
透光性基板750は、ガラスのような絶縁性を持ち光を透過する材料で形成されている。
【0118】
ブラックマトリクス751は、透光性基板750上に升目状に設けられている。遮光性を有する膜である。例えばスパッタ法のような方法で形成される。
【0119】
対向電極752は、画素電極712に対向する位置に、TFTアレイ基板770の全画素に共通して設けられ、一定の電位に保たれている。導電性を有する。例えばスパッタ法のような方法で成膜された膜をパターンニングされ形成される。
【0120】
液晶780は、TFTアレイ基板770と対向基板771との間に挟まれて保持されている。画素電極712と対向電極752とに印加される電圧の大きさに対応して、その分子の配列を変化させ、その度合いにより階調を制御する。
【0121】
次に、図8の液晶ライトバルブ700の製造方法について説明する。図8〜図10は、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態を適用した液晶ライトバルブ700の製造方法を示すフロー図である。ここで述べる製造方法は本発明の実施の形態の一例であって、本発明の本質に関わる以外の部分の膜厚等の寸法や構造、手順等は本発明に制限を加えるものではない。
【0122】
まず、図9を参照して、一般的なCVD法により、透光性基板701の表面全体を覆うように第1下地絶縁膜721として300nm厚の酸化シリコン膜を堆積する。次に、スパッタ法により第1下地絶縁膜721を覆うように175nm厚のタングステンシリサイド膜720aを形成する(図9(a))。
【0123】
続いて、一般的なフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、そのタングステンシリサイド膜720aをパターン化することにより、遮光膜720を形成する(図9(b))。
【0124】
その後、CVD法により、遮光膜720と第1下地絶縁膜721とを覆うように、第2下地絶縁膜722として250nm厚の酸化シリコン膜を堆積する。次に、LPCVD法により、第2下地絶縁膜722を覆うように、60nm厚のアモルファス・シリコン膜730aを堆積する。続いて、CVD法により、10nm厚の酸化シリコン膜704aを堆積する。その後、そのアモルファス・シリコン膜730aをレーザ・アニール法により結晶化させる(図9(c))。
【0125】
次に、酸化シリコン膜704とその結晶化した膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化する。こうして、薄膜トランジスタの活性層として機能する複数の多結晶シリコン膜730と、酸化シリコン膜704とを形成する(図9(d))。
【0126】
ここでのエッチング条件は、CF+Oのトータル流量を200sccm、圧力を20Paに制御して、投入電力密度を0.3W/cmとし、CFとOとの流量比を115:85とする。それにより、多結晶シリコン膜730端部の断面形状のテーパー角が40゜未満と成る部分を実質的に排除できる。そして、テーパー角40゜〜60゜の範囲とすることができる。
【0127】
次に、図10を参照して、CVD法により、第2下地絶縁膜722、多結晶シリコン膜730及び酸化シリコン膜704を覆うように、ゲート絶縁膜705として90nm厚の酸化シリコン膜を堆積する(図10(a))。
【0128】
続いて、CVD法により、ゲート絶縁膜705を覆うように不純物のドープされた100nm厚の多結晶シリコン膜(図示せず)を堆積する。更に、スパッタ法により、その多結晶シリコン膜を覆うように150nm厚のタングステンシリサイド膜(図示せず)を堆積する。その後、それらの膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化して、多結晶シリコン膜730にクロスオーバーする複数のゲート線707を形成する(図10(b))。
【0129】
続いて、ゲート線707の各々をマスクに使用して、イオン照射法により、多結晶シリコン膜730の所定の位置(ソース領域731a、LDD領域732a、732b及びドレイン領域731bとなる部分)に低濃度の不純物を選択的にドープする。さらに、パターン化されたフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとして、多結晶シリコン膜730の所定の位置(ソース領域731a及びドレイン領域731bとなる部分)に高濃度の不純物を選択的にドープする。こうして、多結晶シリコン膜730にソース領域731a、LDD領域732a及び732b、チャネル領域733及びドレイン領域731bが形成される(図10(c))。
【0130】
次に、CVD法により、ゲート線707及びゲート絶縁膜705を覆うように、第1の層間絶縁708としての400nm厚の酸化シリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により第1層間絶縁膜708、ゲート絶縁膜705及び酸化シリコン膜704を選択的に除去し、ソース領域731aを露出するコンタクト孔713を形成する。続いて、スパッタ法により、第1層間絶縁膜708を覆うように400nm厚のアルミニウム膜(図示せず)を形成する。そして、そのアルミニウム膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化して複数のデータ線724を形成する。データ線724は、コンタクト孔713の内部にも形成されて、ソース領域731aに電気的に接続される。
【0131】
続いて、CVD法により、データ線724及び第1層間絶縁膜708を覆うように第2層間絶縁膜709としての400nm厚の酸化シリコン膜を形成する。次に、スピンコート及び加熱硬化により、第2層間絶縁膜709を覆うように平坦化膜706を形成する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により、平坦化膜706、第2層間絶縁膜709、第1層間絶縁膜708、ゲート絶縁膜705及び酸化シリコン膜704を選択的に除去し、ドレイン領域731bを露出するコンタクト孔714を形成する。その後、スパッタ法により、平坦化膜706を覆うように100nm厚のITO膜(図示せず)を形成し、そのITO膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化して複数の画素電極712を形成する。画素電極712は、コンタクト孔714の内部にも形成されて、ドレイン領域731bに電気的に接続される。上記の工程により、図8のTFTアレイ基板770が得られる。
【0132】
次に、スパッタ法により、別の透光性基板750を覆うように、遮光性膜(図示せず)を形成し、その遮光性膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化して複数のブラックマトリクス751を形成する。次に、スパッタ法により、別の透光性基板750とブラックマトリクス751とを覆うようにITO膜(図示せず)を形成し、そのITO膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターン化して複数の対向電極752を形成する。この工程により、図8の対向基板771が得られる。
【0133】
そして、TFTアレイ基板770と対向基板771とを貼り合わせて、その間隙に液晶780を充填して、図8の液晶ライトバルブ700が完成する。
【0134】
次に、薄膜トランジスタに対する光の影響を抑制する方法について、以下に詳細に説明する。
【0135】
図8において、光源(図示せず)からの光は、図の上方の対向基板771側の開口部772aから入射する。その後、図の下方のTFTアレイ基板770側へ向い、開口部772bを透過する。そして、拡大投射光学系(図示せず)によってスクリーンに投射される。入射側の光は、図8では金属薄膜等からなる遮光性のブラックマトリクス751やデータ線724でさえぎられる。図示していないが、その他の金属配線層や画素蓄積容量を形成する層のような非透光性の層を用いて遮光構造を構成することも可能である。一方、出射側からも拡大投射光学系の部材で反射された光(以下、「侵入光」ともいう)が侵入してくる。これは、薄膜トランジスタの下層に配置した遮光膜720でさえぎられる。図8では、遮光膜720は一層の単層膜であるが、場合によっては2層以上を組み合わせたり、異種材料を積層した層で構成することも可能である。
【0136】
侵入光は複雑な系を経て入射してくるので、入射角度分布に広がりをもっている。侵入光が薄膜トランジスタに達することを抑制するために、特に、斜めの浅い角度で入射してくる侵入光をさえぎるには、次のような方法が効果的である。第1の方法は、遮光膜720の面積を大きくする。第2の方法は、遮光膜720を多結晶シリコン膜730に接近させる。これらの方法は、出射側に対して、多結晶シリコン膜730下面を遮光膜720との間隙から見通せる角度を小さくすることができる。それにより、侵入光が薄膜トランジスタに達することを抑制することが可能となる。
【0137】
しかし、遮光膜720の面積を大きくすることは、開口部772をさえぎることになり、液晶ライトバルブ700の透過率(開口率)を低下させる。そのため、第2の方法には限度がある。したがって、ある程度以上の効果は、第1の方法である遮光膜720の多結晶シリコン膜730への接近を適用する。
【0138】
遮光膜720と多結晶シリコン膜730との間隔、すなわち第1の下地絶縁層721の厚さは、上記効果を奏するために約1μm以下に設定される。より遮光を効果的にするには、特願2002−226054に記載があるように、第1の下地絶縁層721の厚さを100nm〜500nmにすることが好ましい。さらに好ましくは150nm〜300nmである。
【0139】
遮光膜720は、光をさえぎる必要があるので、通常、導電性を有する材料で形成される。遮光膜720を絶縁性の透光性基板701と絶縁性の第1下地絶縁膜721との中に孤立させた場合、遮光膜720の電位が定まらない。そのため、外部から何らかの電圧を加えて電位を制御する構造(図示せず)を設ける。与える電位は一定でも良い。その場合、電位制御が容易である。与える電位は、ディスプレイの動作に応じて変化する電圧でも良い。その場合、より安定的に動作させることができる。
【0140】
ただし、遮光の効果を高めるために遮光膜720を多結晶シリコン膜730下面に接近させていった場合、遮光膜720の電位による電界が多結晶シリコン膜730に作用してしまう。そのため、遮光膜720が擬似的にゲート電極ような働きをして、薄膜トランジスタの動作に影響を与えることがある。上記の第1の下地絶縁層721の厚さの下限は、主にこの理由から設定される。
【0141】
実際に遮光膜720と多結晶シリコン膜730との間の第1下地絶縁膜721を250nm厚の厚さの酸化シリコンで形成し、第1の実施の形態の製法に倣って多結晶シリコン膜730を形成して、液晶ライトバルブ700を製作した。そして、その液晶ライトバルブ700を動作させたところ、白点欠陥が発生した。このときの液晶の動作はノーマリーホワイトであり、電圧を印加した画素が黒く表示される。白点欠陥とは、電圧が印加されていないか、印加された電圧が保持されていないかを示す。
【0142】
白点欠陥の原因調査を行ったところ、遮光膜720に加える電圧によってその明るさが変化することがわかった。また、多結晶シリコン膜730のエッチング条件を変えて製作した液晶ライトバルブ700で同様な調査を行ったところ、遮光膜720の電圧範囲によっては白点欠陥の出ない場合があり、その電圧範囲が多結晶シリコン膜730のエッチング条件と相関があることが判明した。ただし、白点欠陥の原因には、ここで対象とするモード以外にも、他の複数のモードが発生し得る。しかし、本明細書の中では特に断りなく、「白点欠陥」と記述した場合には、遮光膜720に与える電位に依存して明るさが変化するモードのみを指すこととする。
【0143】
次に、多結晶シリコン膜730のエッチング条件と白点欠陥の発生と遮光膜720に加える電圧との関係について説明する。図11は、白点欠陥が発生しない多結晶シリコン膜のエッチング条件と遮光膜に加える電圧との関係を示すグラフである。縦軸は、遮光膜720に加える電圧(VSHIELD)、横軸は、エッチング条件の異なるサンプル名を示す。
【0144】
多結晶シリコン膜730は、レーザー・アニール法で結晶化したポリシリコン膜と酸化シリコン膜とを積層し、それらをフォトレジストパターンによってアイランド(島)状にエッチング加工して得られる。サンプルA−1及びA−2は、酸化シリコン膜及とポリシリコン膜とを連続してエッチングする際、エッチングガスのCFとOの流量比を100:100に設定して製作している。サンプルB−1及びB−2は、CFとOの流量比を115:85に設定して製作している。ドライエッチングの基本条件は、CF+Oのトータル流量:200sccm、圧力:20Pa、投入電力密度:0.3W/cmである。
【0145】
図11は、ある動作条件で液晶ライトバルブ700を動作させながら、遮光膜720の電圧VSHIELDを変化させたときの白点欠陥の増減(発生/消滅)の状況を示している。ここでは、白点欠陥が発生しないVSHIELDの範囲における上限の電圧値(黒三角:▲)と下限の電圧値(黒逆三角:▼)、及び、白点欠陥が消滅しない場合には最も白点欠陥が少なくなる電圧(黒丸:●)を示している。白点欠陥が見えなくなる電圧は、全サンプルとも上限がほぼ一定している。しかし、サンプルA−1及びA−2では、許容範囲がないか、又は1V未満の非常に狭い範囲しか存在しない。いずれにせよ、その特性が製作上の変動によって影響を受けやすいことが分かる。一方、サンプルB−1及びB−2では約5Vの許容範囲をもっており、製作上の変動の影響を受けにくいことが分かる。さらに、図11にはないが、断面が垂直になるような条件で製作した別サンプルにおいても、安定して10Vを越える許容範囲があることが分かっている。
【0146】
次に、多結晶シリコン膜730のエッチング条件と断面のテーパー角との関係について説明する。図12は、多結晶シリコン膜のエッチングにおけるOガス流量と断面のテーパー角との関係を示すグラフである。縦軸はテーパー角、横軸はOガス流量である。
【0147】
多結晶シリコン膜730のエッチング条件は、エッチングガスのCFとOとの流量比を変化させ、多結晶シリコン膜730のエッチング断面のテーパー角(基板面とエッチングで生じた被エッチング膜の側壁面がなす角度)を変化させることを目的としたものである。図12を参照して、平均的なテーパー角の典型例は、CFとOとのトータル圧力、トータル流量を一定にした場合、Oの流量の比率が高いほどテーパー角は小さく(側壁が寝る方向)なる。逆にO流量の比率が低いほどテーパー角は大きく(側壁が垂直に近づく方向)なる。しかし、多結晶シリコン膜730の形状をより詳細に観察するために、観察点を増やしていったところ、平均的形状から外れた部分もあることが判明した。特にCFとOとの流量比を100:100に設定した場合、テーパー角の小さな形状が頻度は低いながら見つかっている。その傾向は図12のエラーバーで示したとおりである。すなわち、CFとOとの流量比を同量の100:100から、Oの流量比を少ない条件にしていくことで、テーパー角の小さい部分が発生する頻度が激減する。
【0148】
多結晶シリコン膜730のテーパー角は、TFTアレイ基板770面内の位置によって多少の範囲をもって分布している。ここで使用したようなレーザーアニール法で結晶化したポリシリコン膜は、一般的に表面に比較的大きな凹凸をもっている。そのため、多結晶シリコン膜730のパターンの境界線と凹凸との位置関係、また、パターンの境界線とポリシリコン膜の結晶粒界との位置関係によっても断面形状は影響を受ける。さらに、制御しきれないあらゆる条件変動による形状変化、ばらつきもある。そのため、局部的にみたテーパー角はある範囲をもって形成される。このような条件が重なり合って生じる形状の不均一が、CFとOとの流量比を100:100に設定した場合、テーパー角の小さい断面形状を頻度は低いながらも基板面内で発生させていた。
【0149】
エッチングガスのCFとOとの流量比を100:100に設定して製作したサンプルでは、断面のテ−パ−角が小さい部分が低い頻度ながら発生しており、遮光膜720への印加電圧によって白点欠陥が消えない、あるいは消える電圧範囲が非常に狭い。一方、エッチングガスのCFとOとの流量比を115:85に設定して製作したサンプルでは、平均的な断面のテーパー角は大きくなっている。加えて、テーパー角40゜未満の部分は見つかっておらず、白点欠陥が消える電圧範囲が比較的広い。また、さらに垂直な断面形状で製作したサンプルにおいては、さらに広い電圧許容範囲を持っている。これらの実験事実から、白点欠陥の原因は、各条件の平均的なテーパー角の箇所ではなく、同一条件で製作したにもかかわらず、頻度が低いながらも存在するテーパ角の小さい部分が存在することにある、ということが明らかである。
【0150】
したがって、薄膜トランジスタを構成する多結晶シリコン膜730の下に遮光膜720が効果的に配置されている場合、多結晶シリコン膜730をアイランド状に加工する際のドライエッチングは、以下のような条件とする。すなわち、基本条件としてCF+Oのトータル流量を200sccm、圧力を20Pa、投入電力密度を0.3W/cmとしたときに、CFとOとの流量比を100:100よりはOが少ない条件で酸化シリコン膜、レーザーアニール法で結晶化されたポリシリコン膜を連続してエッチングする。これにより、断面のテーパー角が40゜未満になる部分を実質的に排除することができ、白点欠陥の発生を抑制できる遮光膜720への印加電圧に実用的な許容範囲をもたせることが可能となる。
【0151】
また、より好ましくは、CFとOとの流量比を115:85とする。それにより、多結晶シリコン膜730の断面のテーパー角がおよそ40゜〜60゜の範囲になり、ゲート線707のカバレッジ改善、断線防止の観点からも好ましい断面形状が得られる。
【0152】
なお、ここでいう白点欠陥とは、遮光膜720への印加電圧に依存して明るさが変化するモードを指す。
【0153】
以上、本発明の積層膜パターンの形成方法を適用することにより、多結晶シリコン膜730の下層に遮光膜720をもつ構造において、多結晶シリコン膜730の断面のテーパ角を40゜〜60゜の範囲に制御することができる。したがって、多結晶シリコン膜730の上をクロスオーバーするゲート線707をカバレッジよく形成することができる。それにより、ゲート線707の多結晶シリコン膜730による段部での断線を防止することができる。さらには、多結晶シリコン膜730の断面のテーパ角の40゜未満の部分が排除されているので、遮光膜720に与える電圧による白点欠陥の発生を抑制することができる。
【0154】
【発明の効果】
以上のように、本発明の積層膜パターンの形成方法は、基板上に第1の酸化膜、半導体膜、第2の酸化膜を順に堆積させ、半導体膜をレーザアニールした後に、第2の酸化膜上にレジストパターンを形成してこれをマスクとして第2の酸化膜、半導体膜をドライエッチングして半導体膜及び第2の酸化膜からなる積層膜パターンを形成する。そして、その際、第2の酸化膜、半導体膜のドライエッチングガスをフッ素系ガスとし、第1の酸化膜が露出する時点でエッチングガスをフッ素系ガスから塩素系ガスに切り替えることとする。ただし、フッ素系ガスにはCFとOとの混合ガスを用い、好適には、混合ガスのCFとOのガス比を1:1としてドライエッチングを行う。これにより、積層膜パターンの第2の酸化膜のテーパ角を半導体膜のテーパ角よりも大きくすることができる。そして、第2の酸化膜のテーパ角を45<θ<60°、半導体膜のテーパ角を10°<γ<60°に制御することができる。従って、この積層膜パターンの上をクロスオーバーする配線の段切れを防止することができる。
【0155】
また、アイランドの下層に遮光膜を有する構造の薄膜トランジスタにおいては、積層膜パターン形成用の主たるドライエッチングガスとしてのフッ素系ガスについて、CFとOとのガス流量比が1:1よりもCFが多くなるようにする。そのような条件でドライエッチングを行うことにより、積層膜パターンの半導体膜のテーパ角の小さい角度の部分の生成を抑制できる。さらに好ましくはCFとOとのガス流量比をおよそ115:85とする。それにより、半導体膜のテーパ角の40°未満の部分の生成を実質的に排除して、半導体膜のテーパ角40°以上60°以下の範囲で形成することができる。それにより、この上をクロスオーバーするゲート線の断線を防止できる。加えて、遮光膜の電位が薄膜トランジスタの動作に与える影響をも抑制できる。したがって、本発明の方法によって製造した薄膜トランジスタを表示デバイスに適用した場合、動作異常、表示欠陥等の問題を大幅に低減できる。そして、良品率、信頼性を向上し、コストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の薄膜トランジスタの第1の実施の形態における製造方法を示す図である。(a)は製造途中の薄膜トランジスタの平面図である。(b)は図1(a)のA−A方向の断面図である。
【図2】図2は、本発明の薄膜トランジスタの第1の実施の形態における製造方法を示す図である。(a)は製造途中の薄膜トランジスタの平面図である。(b)は図1(a)のB−B方向の断面図である。
【図3】図3は、本発明の薄膜トランジスタにおける第1の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図4】図4(a)〜(c)は、本発明の薄膜トランジスタの第1の実施の形態における製造方法を示す図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の積層膜パターンの形成方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図6は、反応性イオンエッチングにおけるCFとOとのガス流量比とエッチング速度との変化を示すグラフである。
【図7】図7は、反応性イオンエッチングにおける投入電力とエッチング速度又は選択比との関係を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態を適用した液晶表示パネルの画素領域の構成を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態を適用した液晶ライトバルブ700の製造方法を示すフロー図である。
【図10】図10は、本発明の積層膜パターンの形成方法及び薄膜トランジスタにおける第3の実施の形態を適用した液晶ライトバルブ700の製造方法を示すフロー図である。
【図11】図11は、白点欠陥が発生しない多結晶シリコン膜のエッチング条件と遮光膜に加える電圧との関係を示すグラフである。
【図12】図12は、多結晶シリコン膜のエッチングにおけるOガス流量と断面のテーパー角との関係を示すグラフである。
【図13】図13は、従来の薄膜トランジスタにおけるアイランド部分の概略図をに示す平面図及び断面図である。(a)は平面図であり、(b)はA−A方向の断面図である。
【図14】図14は、従来の薄膜トランジスタにおけるアイランド部分の概略図をに示す平面図及び断面図である。(a)は平面図であり、(b)はB−B方向の断面図である。
【図15】図15は、従来の薄膜トランジスタにおけるアイランド部分の形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
101、501  ガラス基板
102、202、502、602  下層酸化膜
103、203、503、603  ポリシリコン膜
104、204、504、604  上層酸化膜
105、505  ゲート酸化膜
106、506  マイクロ・クリスタル・シリコン
107、507  Cr
109  第1ゲート酸化膜
112  第2ゲート酸化膜
113  コンタクト
208、608  フォトレジスト
214  堆積反応生成物
515  クラック
701,750 透光性基板
704(a) 酸化シリコン膜
705 ゲート絶縁膜
706 平坦化膜
707 ゲート線
708 第1層間絶縁膜
709 第2層間絶縁膜
713,714 コンタクト孔
712 画素電極
720 遮光膜
720a タングステンシリサイド膜
721 第1下地絶縁膜
722 第2下地絶縁膜
724 データ線
730 多結晶シリコン膜
730a アモルファス・シリコン膜
731a ソース領域
731b ドレイン領域
732a,b LDD領域
733 チャネル領域
751 ブラックマトリクス
752 対向電極
770 TFTアレイ基板
771 対向基板
772(a、b) 開口部
780 液晶

Claims (19)

  1. (a)基板上に第1酸化膜、半導体膜及び第2酸化膜を順に成膜する工程と、
    (b)前記半導体膜をレーザアニールする工程と、
    (c)前記第2酸化膜上にレジストパターンを形成する工程と、
    (d)前記レジストパターンをマスクとして、前記第2酸化膜及び前記半導体膜にドライエッチングを行い、前記第2酸化膜及び前記半導体膜を含む積層膜パターンを形成する工程と
    を具備し、
    前記ドライエッチングに用いるエッチングガスは、フッ素系ガスである
    積層膜パターンの形成方法。
  2. 請求項1に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記(d)工程は、
    (d1)前記フッ素系ガスによる前記ドライエッチングにより前記第1酸化膜が露出した時点で、前記エッチングガスを塩素系ガスに切り替えて前記ドライエッチングを行う工程を備える
    積層膜パターンの形成方法。
  3. 請求項2に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記塩素系ガスはClとOとの混合ガスである
    積層膜パターンの形成方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記フッ素系ガスはCFとOとの混合ガスである
    積層膜パターンの形成方法。
  5. 請求項4に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記(d)工程は、前記混合ガスのCFとOとのガス比を1:1としてドライエッチングを行い、前記積層膜パターンにおける前記第2酸化膜の側壁と前記基板の表面とがなす第1テーパ角を、前記積層膜パターンにおける前記半導体膜の側壁と前記基板の表面とがなす第2テーパ角よりも大きくするよう制御する
    積層膜パターンの形成方法。
  6. 請求項5に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記第1テーパ角θは45<θ<60°であり、前記第2テーパ角γは10°<γ<60°である
    積層膜パターンの形成方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層膜パターンの形成方法において、前記(b)工程後の前記半導体膜はポリシリコン膜であり、前記第2酸化膜と前記ポリシリコン膜の膜厚比は、概ね1:6である
    積層膜パターンの形成方法。
  8. 請求項1又は2に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    (e)前記積層膜パターンを覆うゲート絶縁膜を被覆し、前記ゲート絶縁膜の上に前記積層膜パターンをクロスオーバーする配線を形成する工程を更に具備する
    積層膜パターンの形成方法。
  9. 請求項8に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記配線を構成する材料はCr、W、Mo、Ti、Taからなる金属材料群及びこれらのシリサイドからなるシリサイド材料群のうちのいずれか一つを含む
    積層膜パターンの形成方法。
  10. (f)透光性の基板上に第1下地絶縁層及び遮光材料を順に成膜する工程と、(g)前記遮光材料をパターニングして所定のパターンを有する遮光膜を形成する工程と、
    (h)前記第1下地絶縁層及び前記遮光膜上に第2下地絶縁膜、半導体膜及び第1酸化膜の順に積層された前記第2下地絶縁膜、前記半導体膜及び前記第1酸化膜を形成する工程と、
    (i)前記第1酸化膜上にレジストパターンを形成する工程と、
    (j)前記レジストパターンをマスクとして、前記第1酸化膜及び前記半導体膜にドライエッチングを行い、前記第1酸化膜及び前記半導体膜を含む積層膜パターンを形成する工程と
    を具備し、
    前記ドライエッチングに用いるエッチングガスは、フッ素系ガスであり、
    前記積層膜パターンは遮光膜の上方にある
    積層膜パターンの形成方法。
  11. 請求項10に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記フッ素系ガスはCFとOとの混合ガスである
    積層膜パターンの形成方法。
  12. 請求項11に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記混合ガスのCFとOとの流量比は、100:100よりもOが少ない
    積層膜パターンの形成方法。
  13. 請求項12に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記(j)工程は、前記混合ガスのCFとOとの流量比を115:85としてドライエッチングを行い、前記積層膜パターンにおける前記半導体膜の側壁と前記基板の表面とがなすテーパ角を40゜以上60゜以下の範囲に制御する
    積層膜パターンの形成方法。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一項に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記(h)ステップは、
    (h1)前記第2下地絶縁膜上に、アモルファスシリコン膜を成膜する工程と、
    (h2)前記アモルファスシリコン膜にレーザーを照射して、前記アモルファスシリコン膜を結晶化した前記半導体膜としての多結晶シリコン膜を形成する工程と
    を備える
    積層膜パターンの形成方法。
  15. 請求項10乃至13のいずれか一項に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記(h)ステップは、
    (h3)前記第2下地絶縁膜上に、アモルファスシリコン膜を成膜する工程と、
    (h4)前記アモルファスシリコン膜上に、前記第1酸化膜を成膜する工程と、
    (h5)前記アモルファスシリコン膜にレーザーを照射して、前記アモルファスシリコン膜を結晶化した前記半導体膜としての多結晶シリコン膜を形成する工程と
    を備える
    積層膜パターンの形成方法。
  16. 請求項10乃至15のいずれか一項に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    (k)前記積層膜パターンを覆うゲート絶縁膜を被覆し、前記ゲート絶縁膜の上に前記積層膜パターンをクロスオーバーする配線を形成する工程を更に具備する
    積層膜パターンの形成方法。
  17. 請求項16に記載の積層膜パターンの形成方法において、
    前記配線を構成する材料はCr、W、Mo、Ti、Taからなる金属材料群及びこれらのシリサイドからなるシリサイド材料群のうちのいずれか一つを含む
    積層膜パターンの形成方法。
  18. 透光性の基板上に設けられ、遮光材料で形成された遮光膜を含む下地絶縁層と、
    前記下地絶縁層上に所定のパターンで形成され、活性層を含む多結晶シリコン膜と
    を具備し、
    前記多結晶シリコン膜を前記基板表面に投影した第1射影は、前記遮光膜を前記基板表面に投影した第2射影に含まれ、
    前記多結晶シリコン膜の有効側面と前記多結晶シリコン膜下部の前記基板表面とがなす角としてのテーパ角は、直角よりも小さい
    薄膜トランジスタ。
  19. 請求項18に記載の薄膜トランジスタにおいて、
    前記テーパ角θは、40°≦θ≦60゜である
    薄膜トランジスタ。
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