JP2000196101A - 半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置およびその作製方法

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JP2000196101A
JP2000196101A JP11291339A JP29133999A JP2000196101A JP 2000196101 A JP2000196101 A JP 2000196101A JP 11291339 A JP11291339 A JP 11291339A JP 29133999 A JP29133999 A JP 29133999A JP 2000196101 A JP2000196101 A JP 2000196101A
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semiconductor
semiconductor film
insulating film
forming
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Shunpei Yamazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低温で成膜でき、生産性の優れ
た方法を用いて非晶質半導体膜を形成することにより、
安全性の高いプロセスを提供することを目的とする。 【解決手段】 上記目的を解決するため、本発明は、ス
パッタリング法により半導体膜を形成し、次いで連続的
に絶縁膜を形成した後、絶縁膜を介して結晶化を行い、
結晶性半導体膜を形成することを特徴としている。この
様な構成により安全な作業環境のプロセスで良好なTF
Tの電気特性を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、絶縁ゲート型トラ
ンジスタ等の半導体素子からなる半導体回路を備えた半
導体装置の構造およびその作製方法に関する。特に、絶
縁表面上に結晶性半導体膜を形成する技術に関する。本
発明の半導体装置は、薄膜トランジスタ(TFT)やM
OSトランジスタ等の素子だけでなく、これら絶縁ゲー
ト型トランジスタで構成された半導体回路を有する表示
装置やイメージセンサ等の電気光学装置をも含むもので
ある。加えて、本発明の半導体装置は、これらの表示装
置および電気光学装置を搭載した電子機器をも含むもの
である。
【0002】
【従来の技術】絶縁性を有する基板上に形成された薄膜
トランジスタ(TFT)により画素マトリクス回路およ
び駆動回路を構成したアクティブマトリクス型液晶ディ
スプレイが注目を浴びている。液晶ディスプレイは0.
5〜20インチ程度のものまで表示ディスプレイとして
利用されている。
【0003】現在、高精細な表示が可能な液晶ディスプ
レイを実現するために、ポリシリコン膜で代表される結
晶性半導体膜を活性層とするTFTが注目されている。
【0004】結晶性半導体膜は、アモルファスシリコン
膜で代表される非晶質半導体膜を形成した後、結晶化さ
せることによって形成する。一般的には非晶質半導体膜
の形成には化学気相成長法(CVD法)が用いられてい
る。
【0005】従来では、良好な膜質を有する非晶質珪素
膜を堆積できる減圧CVD法や、スループットよく低温
で非晶質珪素膜を堆積できるプラズマCVD法による形
成方法がよく用いられている。
【0006】減圧CVD法においては、非晶質半導体膜
の形成速度が遅く、生産性の観点からは不利であった。
【0007】また、プラズマCVD法においては、RF
パワーを十分に投入して高価な反応ガス(モノシラン、
ジシラン等)を分解して非晶質半導体膜の形成を行う
が、その際、非晶質半導体膜以外に重合反応からなる多
量の黄色い粉が発生する。この粉は超微粒であり、大気
にふれると粉体爆発を起こすことが知られている。
【0008】従って、プラズマCVD法を用いたプロセ
スを実施するには、爆発の危険性が高いため、作業環境
の安全性の観点からは不利であった。
【0009】また、従来では、非晶質半導体膜の形成
後、幾つかの工程(例えば、結晶化工程、パターニング
工程)を施した後、ゲート絶縁膜を形成している。その
ため、ゲート絶縁膜の形成前に活性層となる結晶性珪素
膜の表面が大気にさらされて、不純物(酸素、水分、ボ
ロン、ナトリウム等)により汚染または酸化されてしま
っていた。この後、ゲート絶縁膜を積層形成すると、活
性層、特にチャネル形成領域とゲート絶縁膜との界面特
性が低下し、TFTの電気特性の低下を引き起こす原因
となっていた。
【0010】特に、クリーンルーム内の大気は、清浄化
のため一般的に使用されているHEPAフィルタからの
ボロン(ホウ素)を含んでいるため、大気にさらされた
膜の表面にボロンが不定量混入する。HEPAフィルタ
はガラスを網目状の構造を作りやすくするためにガラス
にはボロンが多量に含まれている。また、TFTの電気
特性の測定を行った場合、半導体膜の結晶化工程におい
ても、半導体膜の結晶化を阻害していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温で成膜
でき、生産性の優れたスパッタ法を用いて非晶質半導体
膜を形成することにより、安全性の高いプロセスを提供
することを目的とする。
【0012】加えて、スパッタ法を用いて非晶質半導体
膜を結晶化させて得られた結晶性半導体膜からなる活性
層と絶縁膜との界面を良好なものとすることにより、高
い電気特性を有する半導体素子からなる半導体回路を備
えた半導体装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、本発明はスパッタ法により半導体膜を形成し、次い
で結晶化を行い、結晶性半導体膜を形成することを特徴
としている。また、スパッタ法により下地膜またはゲー
ト絶縁膜を形成することを特徴としている。
【0014】また、本発明はスパッタ法により半導体膜
を形成し、次いで連続的に絶縁膜を形成した後、絶縁膜
を介して結晶化を行い、結晶性半導体膜を形成すること
を特徴としている。
【0015】この様な構成により安全な作業環境のプロ
セスで良好なTFTの電気特性を実現する。
【0016】本明細書で開示する発明の第1の構成は、
絶縁表面上に、活性層と、前記活性層に接する絶縁膜と
を有する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
装置であって、前記活性層は、スパッタ法により形成さ
れた半導体膜を前記絶縁膜が接した状態で結晶化した膜
からなることを特徴とする半導体素子からなる半導体回
路を備えた半導体装置である。
【0017】上記構成において、前記スパッタ法はシリ
コンまたはシリコンを主成分とする材料をターゲットと
し、RF電力により半導体膜を形成することを特徴とし
ている。
【0018】また、上記各構成において、前記絶縁膜
は、スパッタ法により形成されたことを特徴としてい
る。
【0019】また、上記各構成において、前記絶縁膜
は、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜から選ば
れた単層膜、またはそれらの積層膜であることを特徴と
している。
【0020】また、本明細書で開示する発明の第2の構
成は、絶縁表面上にスパッタ法により形成された活性層
と、前記活性層に接するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶
縁膜に接するゲート配線とを有し、前記活性層は、少な
くともチャネル形成領域と、前記チャネル形成領域の両
側に形成されたソース領域及びドレイン領域とからなる
ことを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備え
た半導体装置である。
【0021】また、本明細書で開示する発明の第3の構
成は、絶縁表面上にゲート配線と、前記ゲート配線に接
するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接してスパッ
タ法により形成された活性層とを有し、前記活性層は、
少なくともチャネル形成領域と、前記チャネル形成領域
の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域とから
なることを特徴とすることを特徴とする半導体素子から
なる半導体回路を備えた半導体装置である。
【0022】また、上記第2または第3の構成におい
て、少なくとも前記ソース領域及び前記ドレイン領域に
は珪素の結晶化を助長する触媒元素が含まれていること
を特徴としている。
【0023】また、上記各構成において、前記触媒元素
は、Ni、Fe、Co、Pt、Cu、Au、Ge、Pb
から選ばれた少なくとも1つの元素、または複数の元素
であることを特徴としている。
【0024】なお、本明細書において「非晶質半導体
膜」とは、代表的には非晶質を有する半導体膜、例えば
微結晶を有する非晶質半導体膜等を指し、これら半導体
膜は、Si膜、Ge膜、化合物半導体膜〔例えば、Si
X Ge 1-X(0<X<1)で示される非晶質シリコンゲ
ルマニウム膜等〕)からなる膜である。
【0025】なお、本明細書において「結晶性半導体
膜」とは、単結晶半導体膜、結晶粒界を含む半導体膜
(多結晶半導体膜及び微結晶半導体膜を含む)を指し、
全域に渡って非晶質状態である半導体膜(非晶質半導体
膜)との区別を明確にしている。勿論、本明細書におい
て「半導体膜」と記載されていれば、結晶性半導体膜以
外に非晶質半導体膜も含まれることは言うまでもない。
【0026】また、本明細書において「半導体素子」と
は、スイッチング素子やメモリ素子、例えば薄膜トラン
ジスタ(TFT)や薄膜ダイオード(TFD)等を指し
ている。
【0027】また、本発明の半導体装置を作製する第1
の作製方法の構成は、絶縁表面上にスパッタ法により半
導体膜を形成する工程と、前記半導体膜を結晶化して結
晶性半導体膜を形成する工程と、を有していることを特
徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体
装置の作製方法である。
【0028】また、本発明の半導体装置を作製する第2
の作製方法の構成は、絶縁表面上にスパッタ法により半
導体膜を形成する工程と、前記半導体膜の少なくとも一
部に結晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、前記
半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程
と、を有していることを特徴とする半導体素子からなる
半導体回路を備えた半導体装置の作製方法である。
【0029】また、本発明の半導体装置を作製する第3
の作製方法の構成は、絶縁表面上にスパッタ法により半
導体膜を形成する工程と、前記半導体膜の少なくとも一
部に結晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、前記
半導体膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程
と、前記結晶性半導体膜中の触媒元素の濃度を低減する
工程と、を有していることを特徴とする半導体素子から
なる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法である。
【0030】また、本発明の半導体装置を作製する方法
の第4の構成は、絶縁表面上にスパッタ法により半導体
膜を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶縁膜を形
成する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接した状態
で結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程とを有して
いることを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を
備えた半導体装置の作製方法である。
【0031】また、本発明の半導体装置を作製する方法
の第5の構成は、絶縁表面上の少なくとも一部に結晶化
を助長する触媒元素を添加する工程と、スパッタ法によ
り半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶
縁膜を形成する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接
した状態で結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程と
を有していることを特徴とする半導体素子からなる半導
体回路を備えた半導体装置の作製方法である。
【0032】また、本発明の半導体装置を作製する方法
の第6の構成は、絶縁表面上の少なくとも一部に結晶化
を助長する触媒元素を添加する工程と、スパッタ法によ
り半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶
縁膜を形成する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接
した状態で結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程
と、前記結晶性半導体膜中の触媒元素の濃度を低減する
工程と、を有していることを特徴とする半導体素子から
なる半導体回路を備えた半導体装置の作製方法である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に図2(A)〜(C)を参照
して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0034】まず、基板を用意する。基板100として
は、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性
基板、セラミック基板、ステンレス基板、金属(タンタ
ル、タングステン、モリブデン等)基板、半導体基板、
プラスチック基板(ポリエチレンテレフタレート基板)
等を用いることができる。
【0035】次いで、基板上に下地絶縁膜(以下、下地
膜とする)101を形成する。この下地膜101として
は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiO
X y )、またはこれらの積層膜等を100〜500n
mの膜厚範囲で用いることができる。下地膜の形成手段
としては安全性及び生産性が高いスパッタ法を用いるこ
とが望ましいが、熱CVD法、プラズマCVD法、蒸着
法、減圧熱CVD法等の形成方法を用いることもでき
る。この下地膜は基板からの不純物の拡散を防ぐ効果が
ある。なお、この下地膜は、TFTの電気特性を向上さ
せるためであり、特に設けなくともよい。
【0036】次いで、下地膜101上に、半導体膜10
2をスパッタ法により積層形成する。(図2(A))半
導体膜102としては、非晶質珪素膜、微結晶を有する
非晶質半導体膜、微結晶半導体膜、非晶質ゲルマニウム
膜、SiX Ge 1-X(0<X<1)で示される非晶質シ
リコンゲルマニウム膜、またはこれらの積層膜を20〜
70nm(代表的には40〜50nm)の膜厚範囲で用
いることができる。
【0037】本発明の実施に用いられるスパッタ装置は
基本的に、チャンバーと、チャンバー内を真空にする排
気系と、スパッタ用のガスをチャンバーに導入するガス
導入系と、ターゲットやRF電極等からなる電極系と、
電極系に接続されたスパッタ電源とから構成されてい
る。
【0038】ターゲットとしては、シリコンまたはシリ
コンを主成分とする材料からなるターゲットを使用す
る。また、シリコン膜の結晶面方位がある面(例えば、
(100)面、(111)面、(110)面等)に強く
配向するターゲットが好ましい。スパッタ法ではターゲ
ットの組成比とほぼ同じ組成の薄膜が形成されるため、
ターゲットの組成比を調節することで所望の組成比の薄
膜を形成できるという長所を有している。更に、膜の成
長速度はスパッタ電圧にほぼ比例し安定である。
【0039】また、スパッタ用のガスとしてAr、H
e、Ne、N等の不活性元素から選ばれた一種または複
数種からなるガスを用いる。さらに、水素ガス等を添加
して半導体膜中の水素濃度を調節してもよい。
【0040】なお、本発明においてはチャンバー内を排
気系により高真空状態(1×10-4Pa以下)として、
スパッタ用ガスをチャンバー内に導入し、成膜圧力を
0.2〜0.6Pa、基板の温度を100〜400℃、
RF電力を200〜2500W(ターゲット単位面積当
たりの電力量1〜15W/cm2 )とすることによって
半導体膜102を形成する。なお、スパッタの条件(ス
パッタ用のガス、ガス流量、成膜圧力、基板の温度、成
膜電力等)は、ターゲットの大きさ、基板の寸法、半導
体膜の膜厚、半導体膜の膜質等を考慮して実施者が適宜
決定すればよい。また、スパッタ電源としては周波数1
3.56MHzで出力インピーダンス50Ωの電源が主
に使用されているが、プラズマを形成するのに必要な高
周波数であれば特に限定されない。また、RF電力に代
えてDC電力を使用することも可能である。
【0041】スパッタにおいては、プラズマ内のイオン
が加速され、ターゲットに衝撃してスパッタを起こして
いる。イオンの衝撃により引き出された原子が基板に付
着し薄膜となる。このスパッタ法としては、形成される
膜に含有させるべき原子を構成要素として含むターゲッ
トを用いる方法(共スパッタ法)が主に使用されている
が、ターゲットをスパッタする際に反応ガス(例えば、
酸素、アンモニア等)を導入してスパッタする方法(反
応性スパッタ法)等がある。
【0042】なお、スパッタ法による膜の形成前に、被
処理表面を清浄化する工程、例えばプラズマクリーニン
グ処理を行うことが好ましい。
【0043】また、下地膜と半導体膜とを大気にふれる
ことなく連続的に形成してもよい。連続的に形成するに
は、図17に示した成膜装置を用いればよい。
【0044】図17に示すマルチチャンバー構造の成膜
装置は、各反応室(チャンバー)に異なる組成(異なる
元素の場合も含む)でなるターゲットを設けることで異
なる組成の薄膜を連続的に積層することのできるスパッ
タ装置の一例である。
【0045】ここで、図17に示すスパッタ装置の簡単
な構成を説明する。図17(A)に示す装置を破線で切
断した断面の概略図を図17(B)に示す。図17で
は、チャンバーの個数を3つとしたが、実施者は、必要
に応じて適宜変更することが可能であることは言うまで
もない。10は被処理基板、11は共通室、12は基板
10を搬送する搬送機構、31はターゲット支持台、3
3はシャッター、34は基板ホルダーである。基板は装
置本体に取り付けられたロードロック室13、14から
搬入・搬出される。なお、15、16はロードロック室
に設置された基板搬送カセットである。さらに、ロード
ロック室13、14はゲート弁17、18によって共通
室11とは密閉遮断することができる。また、共通室1
1には複数のチャンバー19〜21が設けられており、
それぞれゲート弁22〜24によって共通室とは密閉遮
断することができる。そして、チャンバー19〜21の
それぞれには超高真空(1×10-8torr以下、好ま
しくは1×10-9torr以下)にまで減圧可能な真空
ポンプが設けられている。このような装置を用いること
で、大気にさらすことなく、連続的に積層形成すること
ができる。
【0046】本明細書中で膜を連続的に形成するとは、
高真空を維持したまま、大気にさらすことなく順次、膜
を形成することを指しており、例えば、大気にさらすこ
となくチャンバー間を移動させて連続的に膜の形成を行
なう、または同一チャンバー内で大気にさらすことなく
連続的に膜の形成を行なうことを指している。
【0047】こうすることによって下地膜と半導体膜と
の界面を清浄なものとすることができる。
【0048】上記本発明のスパッタ法によれば、従来の
プラズマCVD法と比較して下地膜または基板への密着
性が高く、所望の膜質(膜中の水素、酸素等の不純物濃
度)を有する半導体膜を形成することができる。
【0049】次いで、半導体膜102に結晶化処理を施
し、結晶性半導体膜103を形成する。(図2(B))
【0050】本発明のスパッタ法より得られる膜を出発
材料として、結晶化させて得られる膜は、従来の結晶性
半導体膜とは異なる。本発明の結晶性半導体膜に柱状構
造を観察することができた。
【0051】本発明の結晶化処理としては、公知の如何
なる手段、例えば、赤外光または紫外光の照射による結
晶化処理(以下、レーザー結晶化と呼ぶ)、触媒元素を
用いたレーザー結晶化、熱結晶化、触媒元素を用いた熱
結晶化等を用いることができる。また、これらの結晶化
処理を組み合わせてもよい。
【0052】特に、レーザー結晶化は基板にかけるスト
レスが少なく、短時間で処理することができるため有効
である。結晶化処理として紫外光を用いる場合はエキシ
マレーザー光または紫外光ランプから発生する強光を用
いればよく、赤外光を用いる場合は赤外線レーザー光ま
たは赤外線ランプから発生する強光を用いればよい。な
お、レーザーのガスとしてXeCl、ArF、KrF等
を用いたパルスレーザーやArレーザー等の連続発振レ
ーザーを用いて、そのレーザー光を線状(幅数ミリ×数
十センチ)、長方形状または正方形状にビーム形成して
照射することができる。
【0053】なお、レーザー結晶化の条件(レーザービ
ームの形状、レーザー光の波長、オーバーラップ率、照
射強度、パルス幅、繰り返し周波数、照射時間等)は、
半導体膜の膜厚、基板温度等を考慮して実施者が適宜決
定すればよい。また、レーザー結晶化の条件によって
は、半導体膜が溶融状態を経過して結晶化する場合や、
半導体膜が溶融せずに固相状態、もしくは固相と液相の
中間状態で結晶化する場合がある。ただし、大気中でレ
ーザー結晶化を行なうと薄い酸化膜が形成されるため、
後の工程で、この酸化膜を除去するほうが好ましい場合
もある。また、大気にふれることなく同一チャンバー内
で、スパッタ法による半導体膜の形成と、半導体膜のレ
ーザー結晶化を行う構成としてもよい。
【0054】また、結晶化を助長する触媒元素(ニッケ
ル)を添加する熱結晶化については特開平7-130652号公
報、特開平9-312260号等に詳細に記載されている。結晶
化を助長する金属元素としては、Fe、Co、Ni、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選
ばれた一種または複数種類のものを用いる。また、非晶
質珪素膜中の拡散が置換型拡散であるGe、Pbを用い
ることもできる。
【0055】ただし、触媒元素を用いたレーザー結晶化
や触媒元素を用いた熱結晶化においては、半導体膜中に
触媒元素が高濃度に残存するため、結晶化処理後に半導
体膜中の触媒元素の濃度を低減する工程、例えばゲッタ
リング処理を施すことが好ましい。
【0056】次いで、得られた結晶性半導体膜103を
パターニングして所望の形状の活性層104を形成す
る。そして、活性層を覆って絶縁膜(後の工程によりゲ
ート絶縁膜となる)105を形成する。(図2(C))
【0057】絶縁膜105としては、酸化珪素膜、窒化
珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOXy )、有機樹脂膜
(BCB(ベンゾシクロブテン)膜等)、またはこれら
の積層膜等を用いることができる。絶縁膜の形成手段と
しては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD
法、スパッタ法、蒸着法、塗布法等の公知の手段を用
い、10〜300nmの膜厚範囲で用いることができ
る。
【0058】特に、本発明においては、作業環境の安全
上、半導体膜102と絶縁膜105をスパッタ法を用い
て形成することが好ましい。スパッタ法を用いる場合
は、ターゲットとして、酸化シリコンまたは酸化シリコ
ンを主成分とする材料からなるターゲットを使用する。
また、スパッタ用のガスとしてAr、He、Ne、N等
の不活性元素から選ばれた一種または複数種からなるガ
スを用いる。さらに、酸素ガスを添加して膜質を調節す
ることが好ましい。なお、スパッタの条件(スパッタ用
のガス、ガス流量、成膜圧力、基板の温度、電力強度
等)は、ターゲットの大きさ、基板の寸法、絶縁膜10
5の膜厚、絶縁膜105の膜質等を考慮して実施者が適
宜決定すればよい。
【0059】なお、上記作製工程の順序は、作製しよう
とする素子によって実施者が適宜変更することが可能で
ある。例えば、ボトムゲート型TFTを作製する場合
は、下地膜を作製した後、ゲート配線を形成して絶縁膜
(ゲート絶縁膜)を形成し、本発明の半導体膜(スパッ
タ法による)を積層形成する。また、結晶性半導体膜1
03を形成した後、絶縁膜105を積層形成して、結晶
性半導体膜103のパターニングを絶縁膜105の形成
後に行う工程としてもよい。
【0060】こうして上記作製方法により得られる活性
層104または絶縁膜105を利用して、薄膜トランジ
スタ(TFT)やMOSトランジスタ等の素子だけでな
く、これら絶縁ゲート型トランジスタで構成された半導
体回路を有する表示装置やイメージセンサ等の半導体装
置に適用することができる。
【0061】また、上記実施形態の他に、スパッタ法に
より半導体膜1150を形成し、次いで連続的に絶縁膜
1151を形成した後、絶縁膜を介して結晶化を行い、
結晶性半導体膜1152を形成する工程(図10〜図1
3にその一例を示した)としてもよい。連続的に絶縁膜
1151を形成する際には、図17に示す成膜装置を用
いればよい。また、大気にふれることなく同一チャンバ
ー内で、スパッタ法による半導体膜1150の形成と、
スパッタ法による絶縁膜1151の形成と、半導体膜1
150のレーザー結晶化を行う構成としてもよい。ま
た、絶縁膜1151としては、酸化珪素膜、窒化珪素
膜、窒化酸化珪素膜(SiOX y )、またはこれらの
積層膜等を用いることができる。絶縁膜1151の形成
手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱C
VD法、スパッタ法、蒸着法等の公知の手段を用い、1
〜50nmの膜厚範囲で用いることができる。このよう
に半導体膜1150を形成後、大気にさらすことなく連
続的に絶縁膜1151を形成することで優れた界面特性
を得ることができる。
【0062】また、上記実施形態の他に、結晶性半導体
膜を形成した後、絶縁膜を積層形成して、結晶性半導体
膜のパターニングを絶縁膜の形成後に行う工程としても
よい。
【0063】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、特にこ
れらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0064】〔実施例1〕 本実施例では、本願発明を
用いて、同一基板上に周辺駆動回路の一部を構成するC
MOS回路と画素マトリクス回路部の一部を構成する画
素TFTとを作製した例を説明する。以下に本発明の半
導体装置およびその作製方法の簡略断面図である図1〜
図6を用いて簡略に説明する。
【0065】まず、基板100を用意する。本実施例に
おいては基板100としてガラス基板(コーニング17
37;歪点667℃)を用いた。次に、基板100上に
下地絶縁膜(以下、本明細書中では下地膜と称す)を形
成した後、熱処理する。また、ここでの熱処理は基板の
歪点以下、好ましくは200〜700℃で行う。本実施
例では、下地膜101として、TEOSと酸素(O2
を原料ガスに用い、プラズマCVD装置によって膜厚2
00nmの酸化珪素膜を成膜した後、640℃、4時間
の熱処理を行った。
【0066】次いで、下地膜101上に半導体膜102
をスパッタ法により積層形成する。(図2(A))本実
施例においては、シリコンからなるターゲット(6φ)
を使用し、スパッタ用のガスとしてArガス(ガス流量
20〜50sccm)を用いた。さらに、水素ガスまた
はHeガスを添加(ガス流量1〜50sccm)して半
導体膜中の水素濃度を調節してもよい。
【0067】こうして図2(A)の状態が得られたら、
半導体膜102に結晶化処理を施して結晶性珪素膜から
なる結晶性半導体膜103を形成する。本実施例では半
導体膜に対してレーザー結晶化を行った。本実施例では
大気中でXeClエキシマレーザー光を線状(0.4m
m×長さ135mm))にビーム形成して照射した。
(図2(B))本実施例ではレーザー光の照射条件とし
て、パルス周波数を30Hz、オーバーラップ率を96
%、レーザーエネルギー密度を359mJ/cm2とした。な
お、大気にさらしてレーザー結晶化を行ったため、表面
に薄い酸化膜が形成されるが本実施例では簡略化のため
図示しない。
【0068】また、図2(B)の工程後、しきい値制御
をするために不純物の添加を行ない、チャネル形成領域
となる領域に不純物を添加する工程を加えてもよい。
【0069】次いで、得られた半導体膜103をパター
ニングして、所望の形状を有する活性層104を形成し
た。次いで、活性層を覆って、絶縁膜(後の工程により
ゲート絶縁層となる)105としてスパッタ法により酸
化珪素膜を150nmの膜厚で成膜した。(図2
(C))
【0070】次いで、絶縁膜105上に導電膜(ゲート
配線形成材料層)を形成した。
【0071】また、導電膜としては、導電性材料または
半導体材料、例えば、アルミニウム(Al)、タンタル
(Ta)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ハフニウム
(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ク
ロム(Cr)、シリコン(Si)、シリサイド等を主成
分とする層からなる単層構造または積層構造を用いるこ
とができる。導電膜としては、10〜500nmの膜厚
範囲で用いることができる。本実施例では導電膜として
アルミニウム膜を400nmの膜厚で成膜した。
【0072】次いで、マスク107を用いて導電膜をパ
ターニングしてゲート配線を形成する材料層106を形
成する。(図3(A))
【0073】そして、本実施例では、ゲート配線を形成
する材料層106に第1の陽極酸化を施して多孔質な陽
極酸化膜108を形成した。(図3(B))さらにマス
ク107を除去した後、第2の陽極酸化膜を施して緻密
な陽極酸化膜109を形成し、ゲート配線110を形成
した。(図3(C))その後、ゲート配線110及び陽
極酸化膜108、109をマスクとして、絶縁膜105
をパターニングしてゲート絶縁層111を形成した。
(図4(A))次いで、多孔質な陽極酸化膜108を除
去した。(図4(B))また、上記陽極酸化を施さず、
ゲート配線を保護するためにゲート配線を覆う絶縁膜か
らなる保護膜を形成する工程を加えてもよい。
【0074】また、図4(A)において、また、絶縁膜
105のパターニングを行わず、絶縁膜105を介して
活性層に不純物の添加を行った後、絶縁膜105のパタ
ーニングを行う工程としてもよい。
【0075】次いで、Nチャネル型TFTをマスク20
1で覆い、ゲート配線110をマスクとして、P型の導
電性を付与する不純物を活性層104へ添加する。ま
た、活性層104に選択的に所定の領域に添加するため
のマスクを形成してもよい。不純物の添加は、イオン注
入法、プラズマドーピング法、レーザードーピング法等
の公知の手段を用いればよい。ただし、不純物イオンが
活性層の所定の領域に所望の量添加されるようにドーピ
ング条件、ドーズ量、加速電圧等を調節する。本実施例
では、P型の導電性を付与する不純物としてボロン元素
を用いた。上記不純物添加工程によって、高濃度不純物
領域(p+ 型領域)112、113はソース領域、ドレ
イン領域となり、低濃度不純物領域(p- 型領域)11
4、115はLDD領域となり、116は真性または実
質的に真性なチャネル形成領域となる。(図4(C))
この後、マスク201を除去した。
【0076】次に、Pチャネル型TFTをマスク202
で覆い、N型の導電性を付与する不純物を活性層へ添加
する。本実施例では、N型の導電性を付与する不純物と
してリン元素を用いた。上記不純物添加工程によって、
高濃度不純物領域(n+ 型領域)117、118はソー
ス領域、ドレイン領域となり、低濃度不純物領域(n-
型領域)119、120はLDD領域となる。また、リ
ンイオン、ボロンイオンが注入されなかった領域が後に
キャリアの移動経路となる真性または実質的に真性なチ
ャネル形成領域121となる。(図5(A))この後、
マスク202を除去した。
【0077】なお、本明細書中で真性とは、シリコンの
フェルミレベルを変化させうる不純物を一切含まない領
域を指し、実質的に真性な領域とは、電子と正孔が完全
に釣り合って導電型を相殺させた領域、即ち、しきい値
制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015〜1
×1017atoms /cm3 )でN型またはP型を付与する
不純物を含む領域、または意図的に逆導電型不純物を添
加することにより導電型を相殺させた領域を示す。
【0078】次に、ソース領域およびドレイン領域にお
ける不純物の活性化効果、またはドーピング工程で損傷
した活性層の結晶構造の回復効果を得るための公知の技
術、例えば熱アニールまたはレーザーアニールを行う。
本実施例では、照射条件がパルス周波数50Hz、レー
ザーエネルギー密度179mJ/cm2のレーザー光を照射し
た後、熱活性化処理(窒素雰囲気下、450℃、2時
間)を施した。
【0079】この後、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜等で
覆い、パッシベーション膜を形成して保護する構成とし
てもよい。
【0080】次いで、第1の層間絶縁膜122、ここで
は窒化酸化珪素膜を成膜し、ソース領域、ドレイン領域
上を露出させるコンタクトホールを形成した後、金属膜
を形成し、これをパターニングして、ソース領域、ドレ
イン領域と接触する金属配線123〜127を形成す
る。最後に水素化処理(水素雰囲気、350℃、2時
間)を行なう。(図5(B))
【0081】こうして、Nチャネル型TFTとPチャネ
ル型TFTが作製される。
【0082】ついで、第2の層間絶縁膜128としてア
クリル樹脂膜を膜厚1μmの厚さにスピンコート法でも
って形成する。次に、第2の層間絶縁膜128にエッチ
ングを施し、コンタクトホールを形成した後、Tiから
なる金属膜300nmを成膜した。そして、この金属膜
にパターニングを施してブラックマスク131と引出し
配線129、130を形成した。
【0083】そして、第3の層間絶縁膜132をアクリ
ル樹脂でもって形成する。本実施例では、スピンコート
法でもって膜厚1μmの第3の層間絶縁膜132を形成
した。
【0084】次にコンタクトホールの形成を行い、画素
電極133を形成する。本実施例では、まず透明導電
膜、例えばITO膜を100nmの厚さにスパッタ法で
成膜し、これをパターニングすることにより、133で
示される画素電極を形成した。また、画素電極としてI
TOの代わりに酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物を用
いてもよい。最後に350℃の水素雰囲気中において、
1時間の加熱処理を行い、半導体層中の欠陥を減少させ
た。こうして図1に示す状態を得る。
【0085】図1においては、ダブルゲート構造を有す
る画素マトリクス部のTFTを説明に用いたが、シング
ルゲート構造、またはトリプルゲート構造等のマルチゲ
ート構造にも適用できる。
【0086】なお、図6(A)及び図6(B)は図1の
上面図に相当する図であり、図6(A)及び図6(B)
において、点線X−X’で切断した部分が図1の画素マ
トリクス回路部の断面構造に相当し、点線Y−Y’で切
断した部分が図1のCMOS回路部の断面構造に相当す
る。図6(A)において、310は活性層、320は走
査線、320Eはゲート配線、331は信号線、332
はドレイン電極、341はブラックマスク、350は画
素電極である。図6(B)において、410、420は
活性層、425はドレイン配線、430はゲート配線、
441、442はソース電極、443はドレイン電極、
451はドレイン配線、452はソース配線である。
【0087】本実施例に示したTFT構造は、トップゲ
ート型の一例であり、特に本実施例の構造に限定される
ものではない。また、本実施例では透過型LCDを作製
した例を示したが、半導体装置の一例を示したにすぎな
い。なお、ITOに代えて画素電極を反射性の高い金属
膜で構成し、画素電極のパターニングの変更を実施者が
適宜行うことによって反射型LCDを作製することは容
易にできる。また、反射型LCDを作製する場合、下地
膜として耐熱性金属膜上に絶縁膜を積層する構造または
窒化アルミニウム上に絶縁膜を積層する構造を用いる
と、絶縁膜下の金属膜が放熱層として働き有効である。
なお、上記工程順序を実施者が適宜変更することは可能
である。
【0088】〔実施例2〕 本実施例は、実施例1とは
異なる方法により結晶性半導体膜を得る例である。本実
施例では、実施例1の半導体膜の形成前後に結晶化を助
長する触媒元素を半導体膜全面または選択的に保持させ
る工程を加える。基本的な構成は実施例1と同様である
ので、相違点のみに着目して説明する。
【0089】本実施例は、スパッタ法により半導体膜を
形成する工程までは実施例1と同一である。
【0090】本実施例では、半導体膜の表面に珪素の結
晶化を助長する触媒元素を導入する。珪素の結晶化を助
長する触媒元素としては、Ni、Fe、Co、Pt、C
u、Au、Geから選ばれた一種または複数種類の元素
が用いられる。本実施例では前記触媒元素の内、非晶質
珪素膜中の拡散速度が早く、極めて良好な結晶性を得る
ことができるNiを用いた。
【0091】また、上記触媒元素を導入する箇所として
は、特に限定されないが、非晶質珪素膜の全面、または
マスクを適宜形成することにより選択的に導入する。ま
た、触媒元素を非晶質珪素膜の裏面、または表裏両面に
導入する工程としてもよい。
【0092】また、非晶質珪素膜に触媒元素を導入する
方法としては、触媒元素を非晶質珪素膜の表面に接触さ
せ得る方法、または非晶質珪素膜の膜中に保持させ得る
方法であれば特に限定されない。例えば、スパッタ法、
CVD法、プラズマ処理法、吸着法、イオン注入法、ま
たは触媒元素を含有した溶液を塗布する方法を使用する
ことができる。この内、溶液を用いる方法は簡便であ
り、触媒元素の濃度調整が容易であるという点で有用で
ある。金属塩としては各種塩を用いるとができ、溶媒と
しては水のほか、アルコール類、アルデヒド類、エーテ
ル類、その他の有機溶媒、或いは水と有機溶媒の混合溶
媒を用いることができる。本実施例では、塗布方法を用
い、1〜1000ppm、好ましくは10〜100pp
m(重量換算)の範囲のニッケルを含んだ溶液を塗布し
た。ただし、非晶質珪素膜の膜厚を考慮に入れて適宜添
加量を調節する必要がある。このようにして得られた非
晶質珪素膜における膜中のニッケル濃度は1×1019
1×1021atoms /cm3 となる。
【0093】以上のようにして触媒元素を非晶質珪素膜
に導入した後、レーザー光の照射により結晶化を行ない
結晶性珪素膜を得る。また、レーザー光の照射に代えて
高温加熱する工程を加えてもよい。また、結晶化後に膜
中の触媒元素を低減させるゲッタリングを行う工程を加
えてもよい。
【0094】以降の工程は、実施例1に従えば図1で得
られる半導体装置が得られる。
【0095】〔実施例3〕 本実施例は、実施例1とは
異なる方法により結晶性半導体膜を得る例である。実施
例1では下地膜を熱処理した後、スパッタ法で半導体膜
を形成する構成としたが、本実施例では、下地膜と半導
体膜とを大気にふれることなく連続形成した例を示す。
【0096】まず、基板としてプラスチック基板を用意
する。その上に、スパッタ法により窒化珪素膜からなる
下地膜と、スパッタ法により非晶質珪素膜からなる半導
体膜を大気にふれることなく積層形成した。こうするこ
とによって下地膜と半導体膜との界面を清浄なものとす
ることができる。
【0097】次いで、レーザー光を照射して、非晶質珪
素膜からなる半導体膜を結晶化させて結晶性半導体膜を
形成する。また、大気にふれることなくレーザー結晶化
を行い、ゲート絶縁膜もスパッタ法により連続形成して
ゲート絶縁膜と半導体膜との界面を清浄なものとしても
よい。
【0098】以降の工程は、実施例1に従えば図1で得
られる半導体装置が得られる。また、実施例2と組み合
わせることも可能である。
【0099】〔実施例4〕 実施例1ではトップゲート
型TFTを例にとって説明したが、本願発明の構成はボ
トムゲート型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)に
適用することもできる。本実施例では、実施例1と異な
る構造のTFT(ボトムゲート型TFT)を作製した場
合の例について図7を用いて説明する。
【0100】図7(A)において、700は基板、70
1はタンタル(Ta)と窒化タンタル(TaN)とを積
層したゲート配線である。なお、図では簡略化のため、
下地膜とゲート配線が積層構造であることを図示してい
ない。
【0101】次に陽極酸化工程を行ない、ゲート配線の
表面に保護膜702を形成する。陽極酸化膜に代えて通
常の酸化工程による酸化膜でもよい。次いで、ゲート配
線の上にはゲート絶縁膜703が形成される。本実施例
ではスパッタ法により酸化珪素膜を形成してゲート絶縁
膜としている。(図7(A))
【0102】次いで、ゲート絶縁膜703の上には微結
晶を有する非晶質珪素膜704をスパッタ法により形成
した。
【0103】次いで、レーザー光または加熱により結晶
化を行ない、結晶性半導体膜705を形成した。(図7
(B))
【0104】次いで、レジストマスク706を用いて酸
化珪素膜からなるマスク707を形成する。(図7
(C))
【0105】次いでレジストマスク706を除去した
後、不純物の添加を行ない、不純物領域708を形成す
る。(図7(D))
【0106】次いで、チャネル形成領域となる領域をレ
ジストマスク709で覆い、低濃度の不純物の添加を行
い、低濃度不純物領域711と、チャネル形成領域71
2、高濃度不純物領域710を形成する。(図7
(E))
【0107】次いで、活性層のパターニングを行い、ソ
ース領域及びドレイン領域713、714を形成する。
(図7(F))
【0108】次いで、層間絶縁膜715を形成し、配線
716、717を形成する。(図7(G))
【0109】なお、本実施例では単体の逆スタガ型TF
Tの作製工程しか説明していないがボトムゲート型TF
Tであれば限定されず、本実施例の逆スタガ型TFTで
CMOS回路を作製したり、画素マトリクス回路を構成
したりすることは実施例1の作製工程を参考にすれば容
易であるので説明は省略する。
【0110】〔実施例5〕 本実施例では、本願発明に
よって作製された液晶表示装置の例を図8に示す。画素
TFT(画素スイッチング素子)の作製方法やセル組工
程は公知の手段を用いれば良いので詳細な説明は省略す
る。
【0111】図8において800は絶縁表面を有する基
板(酸化シリコン膜を設けたガラス基板)、801は画
素マトリクス回路、802は走査線駆動回路、803は
信号線駆動回路、830は対向基板、810はFPC
(フレキシブルプリントサーキット)、820はロジッ
ク回路である。ロジック回路820としては、D/Aコ
ンバータ、γ補正回路、信号分割回路などの従来ICで
代用していた様な処理を行う回路を形成することができ
る。勿論、基板上にICチップを設けて、ICチップ上
で信号処理を行うことも可能である。
【0112】さらに、本実施例では液晶表示装置を例に
挙げて説明しているが、アクティブマトリクス型の表示
装置であればEL(エレクトロルミネッセンス)表示装
置やEC(エレクトロクロミックス)表示装置に本願発
明を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0113】また、本願発明を用いて作製できる液晶表
示装置は透過型か反射型かは問わない。どちらを選択す
るのも実施者の自由である。この様に本願発明はあらゆ
るアクティブマトリクス型の電気光学装置(半導体装
置)に対して適用することが可能である。
【0114】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例4のどの構成を採用
しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いるこ
とが可能である。
【0115】〔実施例6〕 本実施例は、同一基板上に
周辺駆動回路の一部を構成するCMOS回路と画素マト
リクス回路部の一部を構成する画素TFTとを作製した
例において、実施例1とは異なる例を説明する。以下に
本発明の半導体装置およびその作製方法の簡略断面図で
ある図9〜図1 4 を用いて簡略に説明する。
【0116】まず、基板1100を用意する。本実施例
においては基板1100としてガラス基板(コーニング
1737;歪点667℃)を用いた。次に、基板110
0上に下地絶縁膜1110(以下、本明細書中では下地
膜と称す)を形成した後、熱処理する。また、ここでの
熱処理は基板の歪点以下、好ましくは200〜700℃
で行う。本実施例では、下地膜1110として、TEO
Sと酸素(O2 )を原料ガスに用い、プラズマCVD装
置によって膜厚200nmの酸化珪素膜を成膜した後、
640℃、4時間の熱処理を行った。
【0117】次いで、下地膜1110上に半導体膜11
50をスパッタ法により積層形成した。本実施例におい
ては、シリコンからなるターゲット(6φ)を使用し、
スパッタ用のガスとしてArガス(ガス流量20〜50
sccm)を用いた。さらに、水素ガスまたはHeガス
を添加(ガス流量1〜50sccm)して半導体膜中の
水素濃度を調節した。
【0118】次いで、半導体膜1150と連続的に20
nmの酸化珪素膜からなる絶縁膜1151をスパッタ法
により積層形成した。(図10(A))この工程におい
て、人工石英からなるターゲットを用い、スパッタ用の
ガスとしてArを用い、反応ガスとして酸素を用い、比
率(O2 /Ar=20〜80%)で行った。
【0119】こうして図10(A)の状態が得られた
ら、絶縁膜1151を介して半導体膜1150に結晶化
処理を施して結晶性珪素膜からなる結晶性半導体膜11
52を形成する。本実施例では半導体膜1150に対し
てレーザー結晶化を行った。本実施例では大気中でエキ
シマレーザー光を線状(0.4mm×長さ135mm)
にビーム形成して照射した。(図10(B))本実施例
ではレーザー光の照射条件として、パルス周波数を30
Hz、オーバーラップ率を96%、レーザーエネルギー
密度を175mJ/cm2とした。なお、半導体膜1150表
面に絶縁膜1151が形成されているため、レーザー結
晶化を行っても半導体膜1150表面は汚染されない。
【0120】また、図10(B)の工程後、しきい値制
御をするために不純物の添加を行ない、チャネル形成領
域となる領域に不純物を添加する工程を加えてもよい。
【0121】次いで、得られた結晶性半導体膜1152
及び絶縁膜1151をパターニングして、所望の形状を
有する活性層1210、1300、1310、及び絶縁
膜(後の工程によりゲート絶縁膜の一部となる)122
1、1321、1322を形成した。(図10(C))
【0122】次いで、活性層1210、1300、13
10及び絶縁膜1221、1321、1322を覆っ
て、絶縁膜(後の工程によりゲート絶縁膜の一部とな
る)1120としてスパッタ法により酸化珪素膜を15
0nmの膜厚で成膜した。(図10(D))
【0123】次いで、絶縁膜1120上に導電膜(ゲー
ト配線形成材料層)を形成した。
【0124】また、導電膜としては、導電性材料または
半導体材料、例えば、アルミニウム(Al)、タンタル
(Ta)、銅(Cu)、ニオブ(Nb)、ハフニウム
(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ク
ロム(Cr)、シリコン(Si)、シリサイド等を主成
分とする層からなる単層構造または積層構造を用いるこ
とができる。導電膜としては、10〜500nmの膜厚
範囲で用いることができる。本実施例では導電膜として
アルミニウム膜を400nmの膜厚で成膜した。
【0125】次いで、マスク1154、1155を用い
て導電膜をパターニングしてゲート配線を形成する材料
層1156、1157を形成する。(図11(A))
【0126】そして、本実施例では、ゲート配線を形成
する材料層1156、1157に第1の陽極酸化処理を
施して多孔質な陽極酸化膜(ポーラス型)1158、1
159を形成した。(図11(B))さらにマスク11
54、1155を除去した後、第2の陽極酸化処理を施
して緻密な陽極酸化膜(バリア型)1231、1331
を形成し、ゲート配線1330、1230を形成した。
(図11(C))
【0127】また、上記陽極酸化を施さず、ゲート配線
を保護するためにゲート配線を覆う絶縁膜からなる保護
膜を形成する工程を加えてもよい。
【0128】その後、ゲート配線1330、1230及
び陽極酸化膜1158、1159、331、1231を
マスクとして、活性層へN型を付与する不純物を高濃度
に添加した。(図12(A))次いで、多孔質な陽極酸
化膜1158、1159を除去した。(図12(B))
次いで、ゲート配線1330、1230及び陽極酸化膜
1331、1231をマスクとして、活性層へN型を付
与する不純物を低濃度に添加した。(図12(C))本
実施例では、N型の導電性を付与する不純物としてリン
元素を用いた。
【0129】上記不純物添加工程によって、高濃度不純
物領域(n+ 型領域)1302、1303、1213〜
1215はソース領域、ドレイン領域となり、低濃度不
純物領域(n- 型領域)1304、1305、1216
〜1219はLDD領域となる。また、リンイオン、ボ
ロンイオンが注入されなかった領域が後にキャリアの移
動経路となる真性または実質的に真性なチャネル形成領
域1301、1211、1212となる。
【0130】次いで、Nチャネル型TFTをマスク11
60で覆い、ゲート配線をマスクとして、P型の導電性
を付与する不純物を活性層へ添加する。(図13
(A))また、活性層に選択的に所定の領域に添加する
ためのマスクを形成してもよい。不純物の添加は、イオ
ン注入法、プラズマドーピング法、レーザードーピング
法等の公知の手段を用いればよい。ただし、不純物イオ
ンが活性層の所定の領域に所望の量添加されるようにド
ーピング条件、ドーズ量、加速電圧等を調節する。本実
施例では、P型の導電性を付与する不純物としてボロン
元素を用いた。上記不純物添加工程によって、高濃度不
純物領域(p+ 型領域)1312、1313はソース領
域、ドレイン領域となり、1311は真性または実質的
に真性なチャネル形成領域となる。
【0131】次に、ソース領域およびドレイン領域にお
ける不純物の活性化効果、またはドーピング工程で損傷
した活性層の結晶構造の回復効果を得るための公知の技
術、例えば熱アニールまたはレーザーアニールを行う。
本実施例では、照射条件がパルス周波数50Hz、レー
ザーエネルギー密度179mJ/cm2のレーザー光を照射し
た後、熱活性化処理(窒素雰囲気下、450℃、2時
間)を施した。
【0132】この後、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜等で
覆い、パッシベーション膜を形成して保護する構成とし
てもよい。また、本実施例では絶縁膜1120をパター
ニングしない構成としたが、不純物の添加工程前後にお
いて、絶縁膜1120を所望の形状にパターニングして
もよい。また、不純物の添加工程前後において、選択的
に絶縁膜1221、1321、1322を除去してもよ
い。
【0133】次いで、マスク1160を除去した。そし
て、第1の層間絶縁膜1111、ここでは窒化酸化珪素
膜を成膜し、ソース領域、ドレイン領域上を露出させる
コンタクトホールを形成した後、金属膜を形成し、これ
をパターニングして、ソース領域、ドレイン領域と接触
する金属配線1341〜1343、1240、1241
を形成する。最後に水素化処理(水素雰囲気、350
℃、2時間)を行なう。(図13(B))
【0134】こうして、Nチャネル型TFTとPチャネ
ル型TFTが作製される。
【0135】ついで、第2の層間絶縁膜1112として
アクリル樹脂膜を膜厚1μmの厚さにスピンコート法で
もって形成する。次に、第2の層間絶縁膜にエッチング
を施し、コンタクトホールを形成した後、Tiからなる
金属膜300nmを成膜した。そして、この金属膜にパ
ターニングを施してブラックマスク1250と引出し配
線1351、1352を形成した。
【0136】そして、第3の層間絶縁膜1113をアク
リル樹脂でもって形成する。本実施例では、スピンコー
ト法でもって膜厚1μmの第3の層間絶縁膜1113を
形成した。
【0137】次にコンタクトホールの形成を行い、画素
電極1260を形成する。本実施例では、まず透明導電
膜、例えばITO膜を100nmの厚さにスパッタ法で
成膜し、これをパターニングすることにより、1260
で示される画素電極を形成した。画素電極としては、I
TOの代わりに酸化インジウムと酸化亜鉛の化合物を用
いてもよい。最後に350℃の水素雰囲気中において、
1時間の加熱処理を行い、半導体層中の欠陥を減少させ
た。こうして図9に示す状態を得る。
【0138】図9においては、ダブルゲート構造を有す
る画素マトリクス部のTFTを説明に用いたが、シング
ルゲート構造、またはトリプルゲート構造等のマルチゲ
ート構造にも適用できる。
【0139】なお、図14(A)及び図14(B)は図
1の上面図に相当する図であり、図14(A)及び図1
4(B)において、点線X−X’で切断した部分が図9
の画素マトリクス回路部の断面構造に相当し、点線Y−
Y’で切断した部分が図9のCMOS回路部の断面構造
に相当する。図14(A)において、1210は活性
層、1220は走査線、1230Eはゲート配線、12
40は信号線、1241はドレイン電極、1250はブ
ラックマスク、1260は画素電極である。図14
(B)において、1300、1310は活性層、133
0はゲート配線、1335はドレイン配線、1341、
1342はソース電極、1343はドレイン電極、13
51、1352はソース配線である。
【0140】本実施例に示したTFT構造は、トップゲ
ート型の一例であり、特に本実施例の構造に限定される
ものではない。また、本実施例では透過型LCDを作製
した例を示したが、半導体装置の一例を示したにすぎな
い。なお、ITOに代えて画素電極を反射性の高い金属
膜で構成し、画素電極のパターニングの変更を実施者が
適宜行うことによって反射型LCDを作製することは容
易にできる。また、反射型LCDを作製する場合、下地
膜として耐熱性金属膜上に絶縁膜を積層する構造または
窒化アルミニウム上に絶縁膜を積層する構造を用いる
と、絶縁膜下の金属膜が放熱層として働き有効である。
なお、上記工程順序を実施者が適宜変更することは可能
である。
【0141】また、本実施例と実施例5を組み合わせる
ことは可能である。
【0142】〔実施例7〕 本実施例は、実施例6とは
異なる方法により結晶性半導体膜を得る例である。本実
施例では、実施例6の半導体膜の形成前に結晶化を助長
する触媒元素を半導体膜全面または選択的に保持させる
工程を加える。基本的な構成は実施例1と同様であるの
で、相違点のみに着目して説明する。
【0143】本実施例では、半導体膜の裏面に珪素の結
晶化を助長する触媒元素を導入する。珪素の結晶化を助
長する触媒元素としては、Ni、Fe、Co、Pt、C
u、Au、Geから選ばれた一種または複数種類の元素
が用いられる。本実施例では前記触媒元素の内、非晶質
珪素膜中の拡散速度が早く、極めて良好な結晶性を得る
ことができるNiを用いた。
【0144】また、上記触媒元素を導入する箇所として
は、特に限定されないが、下地膜の全面、またはマスク
を適宜形成することにより選択的に導入する。
【0145】また、非晶質珪素膜に触媒元素を導入する
方法としては、触媒元素を非晶質珪素膜の裏面に接触さ
せ得る方法、または非晶質珪素膜の膜中に保持させ得る
方法であれば特に限定されない。例えば、スパッタ法、
CVD法、プラズマ処理法、吸着法、イオン注入法、ま
たは触媒元素を含有した溶液を塗布する方法を使用する
ことができる。この内、溶液を用いる方法は簡便であ
り、触媒元素の濃度調整が容易であるという点で有用で
ある。金属塩としては各種塩を用いるとができ、溶媒と
しては水のほか、アルコール類、アルデヒド類、エーテ
ル類、その他の有機溶媒、或いは水と有機溶媒の混合溶
媒を用いることができる。本実施例では、塗布方法を用
い、1〜1000ppm、好ましくは10〜100pp
m(重量換算)の範囲のニッケルを含んだ溶液を塗布し
た。ただし、非晶質珪素膜の膜厚を考慮に入れて適宜添
加量を調節する必要がある。このようにして得られた非
晶質珪素膜における膜中のニッケル濃度は1×1019
1×1021atoms /cm3 となる。
【0146】以上のようにして触媒元素を非晶質珪素膜
に導入した後、大気にふれることなく絶縁膜を形成し、
絶縁膜を介してレーザー光の照射により結晶化を行ない
結晶性珪素膜を得る。また、レーザー光の照射に代えて
高温加熱する工程を加えてもよい。また、結晶化後に膜
中の触媒元素を低減させるゲッタリングを行う工程を加
えてもよい。
【0147】以降の工程は、実施例6に従えば図9で得
られる半導体装置が得られる。
【0148】〔実施例8〕 本実施例は、実施例6とは
異なる方法により結晶性半導体膜を得る例である。実施
例6では下地膜を熱処理した後、スパッタ法で半導体膜
を形成する構成としたが、本実施例では、下地膜と半導
体膜と絶縁膜とを大気にふれることなく連続形成した例
を示す。
【0149】まず、基板としてプラスチック基板を用意
する。その上に、スパッタ法により窒化珪素膜からなる
下地膜と、スパッタ法により非晶質珪素膜からなる半導
体膜を大気にふれることなく積層形成した。こうするこ
とによって下地膜と半導体膜との界面を清浄なものとす
ることができる。加えて、スパッタ法により膜厚20n
mの酸化珪素膜からなる絶縁膜を大気にふれることなく
連続形成した。こうすることによって半導体膜と絶縁膜
との界面を清浄なものとすることができる。
【0150】次いで、絶縁膜を介してレーザー光を照射
して、非晶質珪素膜からなる半導体膜を結晶化させて結
晶性半導体膜を形成する。
【0151】以降の工程は、実施例6に従えば図9で示
される半導体装置が得られる。
【0152】〔実施例9〕 本実施例では、実施例1〜
3、6〜8で示したスパッタ法により形成された積層膜
を形成するにあたって図17に示すような構成のマルチ
チャンバー(クラスターツール)構造の装置を用いる例
を示す。
【0153】本実施例では、まず、溶融石英ターゲット
が設けられた第1の反応室(チャンバー)19におい
て、成膜圧力を0.6Paとし、スパッタガスにはO2
とArの混合ガスを用い、その混合比を0〜50%、こ
こでは30%として、酸化珪素からなる下地膜を形成す
る。
【0154】次に、大気にふれることなく、基板をシリ
コンターゲットが設けられた第2のチャンバー20に搬
送し、スパッタガスにはArガスを用い、非晶質珪素か
らなる半導体膜を形成する。
【0155】次に、大気にふれることなく、基板を溶融
石英ターゲットが設けられた第3のチャンバー21にお
いて、成膜圧力を0.6Paとし、スパッタガスにはO
2 とArの混合ガスを用い、その混合比を20〜80
%、ここでは30%として、酸化珪素からなる絶縁膜を
形成する。
【0156】上記各スパッタ工程において、被膜形成表
面を公知のクリーニング方法によりクリーニングした
後、膜を形成することが好ましい。
【0157】次いで、絶縁膜を介してレーザー光を照射
して、非晶質珪素膜からなる半導体膜を結晶化させて結
晶性半導体膜を形成する。
【0158】以降の工程は、実施例6に従えば、図9に
示される構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0159】〔実施例10〕 実施例6ではトップゲー
ト型TFTを例にとって説明したが、本願発明の構成は
ボトムゲート型TFT(代表的には逆スタガ型TFT)
に適用することもできる。本実施例では、実施例6と異
なる構造のTFT(ボトムゲート型TFT)を作製した
場合の例について図15、図16を用いて説明する。
【0160】図15(A)において、1500は基板、
1501はタンタル(Ta)と窒化タンタル(TaN)
とを積層したゲート配線である。なお、図では簡略化の
ため、下地膜とゲート配線が積層構造であることを図示
していない。
【0161】次に陽極酸化工程を行ない、ゲート配線の
表面に保護膜1502を形成する。陽極酸化膜に代えて
通常の酸化工程による酸化膜でもよい。次いで、ゲート
配線1501の上にはゲート絶縁膜1504が形成され
る。本実施例ではスパッタ法により酸化珪素膜を形成し
てゲート絶縁膜1504としている。
【0162】次いで、大気にふれることなくゲート絶縁
膜1504の上には微結晶を有する非晶質珪素膜150
5をスパッタ法により形成し、さらにその上に窒化珪素
膜からなる絶縁膜1503を形成した。(図15
(A))
【0163】次いで、絶縁膜1503を介してレーザー
光または加熱により結晶化を行ない、結晶性半導体膜1
506を形成した。(図15(B))
【0164】次いで、レジストマスク1507を用いて
酸化珪素膜からなるマスク1508を形成する。(図1
5(C))
【0165】次いでレジストマスク1507を除去した
後、不純物の添加を行ない、不純物領域1509、15
10を形成する。(図15(D))
【0166】次いで、チャネル形成領域となる領域をレ
ジストマスク1511で覆い、低濃度の不純物の添加を
行い、低濃度不純物領域1524、1525と、チャネ
ル形成領域1521、高濃度不純物領域1522、15
23を形成する。(図16(A))
【0167】なお、不純物の添加工程の前後で、絶縁膜
1503を除去する工程としてもよい。
【0168】次いで、活性層のパターニングを行い、ソ
ース領域及びドレイン領域1532、1533を形成す
る。(図16(B))
【0169】次いで、層間絶縁膜1540を形成し、配
線1541、1542を形成する。(図16(C))
【0170】なお、本実施例では単体の逆スタガ型TF
Tの作製工程しか説明していないが、本実施例の構造の
逆スタガ型TFTでCMOS回路を作製したり、画素マ
トリクス回路を構成したりすることは実施例6の作製工
程を参考にすれば容易であるので説明は省略する。
【0171】〔実施例11〕 本願発明は従来のIC技
術全般に適用することが可能である。即ち、現在市場に
流通している全ての半導体回路に適用できる。例えば、
ワンチップ上に集積化されたRISCプロセッサ、AS
ICプロセッサ等のマイクロプロセッサに適用しても良
いし、液晶用ドライバー回路(D/Aコンバータ、γ補
正回路、信号分割回路等)に代表される信号処理回路や
携帯機器(携帯電話、PHS、モバイルコンピュータ)
用の高周波回路に適用しても良い。
【0172】また、マイクロプロセッサ等の半導体回路
は様々な電子機器に搭載されて中枢回路として機能す
る。代表的な電子機器としてはパーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末機器、その他あらゆる家電製品が挙
げられる。また、車両(自動車や電車等)の制御用コン
ピュータなども挙げられる。本願発明はその様な半導体
装置に対しても適用可能である。
【0173】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例10のどの構成を採
用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いる
ことが可能である。
【0174】〔実施例12〕本発明を実施して形成され
たTFTは様々な電気光学装置に用いることができる。
即ち、それら電気光学装置を表示部として組み込んだ電
子機器全てに本発明を実施できる。
【0175】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、ウエアラブルディスプレイ、
カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情
報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書
籍等)などが挙げられる。それらの一例を図18に示
す。
【0176】図18(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004で構成される。本願発明を画
像入力部2002、表示部2003やその他の信号駆動
回路に適用することができる。
【0177】図18(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6で構成される。本願発明を表示部2102、音声入力
部2103やその他の信号駆動回路に適用することがで
きる。
【0178】図18(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205で構成される。本願発明は表示部2205
やその他の信号駆動回路に適用できる。
【0179】図18(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3で構成される。本発明は表示部2302やその他の信
号駆動回路に適用することができる。
【0180】図18(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405で構成さ
れる。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Dig
tial Versatile Disc)、CD等を
用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを
行うことができる。本発明は表示部2402やその他の
信号駆動回路に適用することができる。
【0181】図18(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)で構成される。
本願発明を表示部2502やその他の信号駆動回路に適
用することができる。
【0182】また、図19(A)はフロント型プロジェ
クターであり、投射装置2601、スクリーン2602
で構成される。本発明は投射装置内部の液晶表示装置や
その他の信号駆動回路に適用することができる。
【0183】また、図19(B)はリア型プロジェクタ
ーであり、本体2701、投射装置2702、ミラー2
703、スクリーン2704で構成される。本発明は投
射装置内部の液晶表示装置やその他の信号駆動回路に適
用することができる。
【0184】なお、図19(C)は、図19(A)及び
図19(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶表示装置2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図19(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0185】また、図19(D)は、図19(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、レンズアレイ2813、2
814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で
構成される。なお、図19(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0186】また、図20(A)は携帯電話であり、本
体3001、音声出力部3002、音声入力部300
3、表示部3004、操作スイッチ3005、アンテナ
3006で構成される。本願発明を表示部3004やそ
の他の信号駆動回路に適用することができる。
【0187】また、図20(B)は携帯書籍であり、本
体3101、表示部3102、3103、記憶媒体31
04、操作スイッチ3105、アンテナ3106で構成
される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Di
gtial Versatile Disc)、CD等
を用い、インターネットも行うことができる。本願発明
を表示部3102,3103やその他の信号駆動回路に
適用することができる。
【0188】以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。また、本実施例の電子機器は実施例1〜11のど
のような組み合わせからなる構成を用いても実現するこ
とができる。ただし、本実施例におけるプロジェクター
は、透過型の液晶表示装置であり、反射型の液晶表示装
置では適用できないことは言うまでもない。
【0189】なお、本実施例に示した半導体装置を作製
するにあたって、実施例1〜実施例10のどの構成を採
用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いる
ことが可能である。また、実施例11に示した半導体回
路と組み合わせて用いても良い。
【0190】〔実施例13〕本発明を実施して形成され
たTFTはEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置
に適用できる。
【0191】図21(A)は本願発明の実施例1乃至4
のいずれか一、あるいは実施例6乃至10のいずれか一
を用いたEL表示装置の上面図である。図21(A)に
おいて、3010は基板、3011は画素部、3012
はソース側駆動回路、3013はゲート側駆動回路であ
り、それぞれの駆動回路は配線3014〜3016を経
てFPC3017に至り、外部機器へと接続される。
【0192】このとき少なくとも画素部、好ましくは駆
動回路及び画素部を囲むようにしてシーリング材(ハウ
ジング材ともいう)3018を設ける。なお、シーリン
グ材3018は素子部を囲めるような凹部を持つ金属板
やガラス板を用いても良いし、紫外線硬化樹脂を用いて
も良い。シーリング材3018として素子部を囲めるよ
うな凹部を持つ金属板を用いた場合、接着剤3019に
よって基板3010に固着させ、基板3010との間に
密閉空間を形成する。このとき、EL素子は完全に前記
密閉空間に封入された状態となり、外気から完全に遮断
される。
【0193】さらに、シーリング材3018と基板30
10との間の空隙3020には不活性ガス(アルゴン、
ヘリウム、窒素等)を充填しておいたり、酸化バリウム
等の乾燥剤を設けておくことが望ましい。これによりE
L素子の水分等による劣化を抑制することが可能であ
る。
【0194】また、図21(B)は本実施例のEL表示
装置の断面構造であり、基板3010、下地膜3021
の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型
TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回
路を図示している。)3022及び画素部用TFT30
23(但し、ここではEL素子への電流を制御するTF
Tだけ図示している。)が形成されている。これらのT
FTは実施例1、実施例2、実施例3、実施例6、実施
例7、及び実施例8に示されるトップゲート構造または
実施例4及び実施例10で示されるボトムゲート構造を
用いれば良い。
【0195】本願発明は、駆動回路用TFT3022、
画素部用TFT3023の形成に際して用いることがで
きる。
【0196】本願発明を用いて駆動回路用TFT302
2、画素部用TFT3023が完成したら、樹脂材料で
なる層間絶縁膜(平坦化膜)3026の上に画素部用T
FT3023のドレインと電気的に接続する透明導電膜
でなる画素電極3027を形成する。透明導電膜として
は、酸化インジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼
ばれる)または酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を
用いることができる。そして、画素電極3027を形成
したら、絶縁膜3028を形成し、画素電極3027上
に開口部を形成する。
【0197】次に、EL層3029を形成する。EL層
3029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、
発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合
わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのよう
な構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、E
L材料には低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料
がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いる
が、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、
印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いる
ことが可能である。
【0198】本実施例では、シャドーマスクを用いて蒸
着法によりEL層を形成する。シャドーマスクを用いて
画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光
層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カ
ラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CC
M)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光
層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいず
れの方法を用いても良い。勿論、単色発光のEL表示装
置とすることもできる。
【0199】EL層3029を形成したら、その上に陰
極3030を形成する。陰極3030とEL層3029
の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが
望ましい。従って、真空中でEL層3029と陰極30
30を連続成膜するか、EL層3029を不活性雰囲気
で形成し、大気解放しないで陰極3030を形成すると
いった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバ
ー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いるこ
とで上述のような成膜を可能とする。
【0200】なお、本実施例では陰極3030として、
LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜
の積層構造を用いる。具体的にはEL層3029上に蒸
着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成
し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成す
る。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用いて
も良い。そして陰極3030は3031で示される領域
において配線3016に接続される。配線3016は陰
極3030に所定の電圧を与えるための電源供給線であ
り、導電性ペースト材料3032を介してFPC301
7に接続される。
【0201】3031に示された領域において陰極30
30と配線3016とを電気的に接続するために、層間
絶縁膜3026及び絶縁膜3028にコンタクトホール
を形成する必要がある。これらは層間絶縁膜3026の
エッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)
や絶縁膜3028のエッチング時(EL層形成前の開口
部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜30
28をエッチングする際に、層間絶縁膜3026まで一
括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜30
26と絶縁膜3028が同じ樹脂材料であれば、コンタ
クトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0202】また、配線3016はシーリング材301
8と基板3010との間を隙間(但し接着剤3019で
塞がれている。)を通ってFPC3017に電気的に接
続される。なお、ここでは配線3016について説明し
たが、他の配線3014、3015も同様にしてシーリ
ング材3018の下を通ってFPC3017に電気的に
接続される。
【0203】以上のような構成でなるEL表示装置にお
いて、本願発明を用いることができる。本願発明を用い
ることで、TFTの電気特性が高いものとなる。そのた
め、表示された画質を良好なものとすることができる。
【0204】
【発明の効果】本発明によれば、非晶質半導体膜をスパ
ッタ法によって形成するので、安全性の高い作業環境で
TFTを作製することができる。また、スパッタ法によ
って形成するので膜質を調節し易く、所望の非晶質半導
体膜を形成することができる。
【0205】また、スパッタ法によって形成された膜は
密着性が高く、安価なプラスチック基板またはガラス基
板を用いようとも極めて高品質な結晶性半導体膜、密着
性の良好な界面が同時に実現可能となり、本発明を利用
することで高性能な半導体装置を製造することができ
る。
【0206】また、本発明を利用した半導体装置は、活
性層、特にチャネル形成領域とこの上に接して形成され
た絶縁膜との界面を清浄化することができるため、電気
特性の高い半導体装置を得ることできる。
【0207】また、本願を用いて作製されたTFTの代
表的なパラメータである移動度(μ max )は、Nチャネ
ル型TFTで50〜500cm2 /Vs(100cm2
/Vs以上)、Pチャネル型TFTで20〜300cm
2 /Vs(50cm2 /Vs以上)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の構成の一例を示す図(実施例
1)
【図2】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
1)
【図3】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
1)
【図4】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
1)
【図5】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
1)
【図6】 本願発明の構成の上面図を示す図(実施例
1)
【図7】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
4)
【図8】 アクティブマトリクス型の表示装置(実施
例5)
【図9】 本願発明の構成の一例を示す図(実施例
6)
【図10】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施例
6)
【図11】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施
例6)
【図12】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施
例6)
【図13】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施
例6)
【図14】 本願発明の構成の上面図を示す図(実施
例6)
【図15】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施
例10)
【図16】 本願発明の作製工程一例を示す図(実施
例10)
【図17】 装置の一例を示す図(実施例9)
【図18】 電子機器の一例を示す図(実施例12)
【図19】 電子機器の一例を示す図(実施例12)
【図20】 電子機器の一例を示す図(実施例12)
【図21】 EL表示装置を示す図(実施例13)
【符号の説明】
100 基板 101 下地膜 102 スパッタ法による非晶質半導体膜 103 結晶性半導体膜 104 活性層 105 ゲート絶縁膜 106 配線 107 マスク 108、109 陽極酸化膜 110 ゲート配線 111 ゲート絶縁膜 112、113 高濃度不純物領域(P型) 114、115 低濃度不純物領域(P型) 116 チャネル形成領域 117、118 高濃度不純物領域(N型) 119、120 低濃度不純物領域(N型) 121 チャネル形成領域 122 第1層間絶縁膜 123〜127 配線 128 第2層間絶縁膜 129、130 引き出し配線 131 ブラックマスク 132 第3層間絶縁膜 133 画素電極

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面上に、活性層と、前記活性層に接
    する絶縁膜とを有する半導体素子からなる半導体回路を
    備えた半導体装置であって、前記活性層は、スパッタ法
    により形成された半導体膜を前記絶縁膜が接した状態で
    結晶化した膜からなることを特徴とする半導体素子から
    なる半導体回路を備えた半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記スパッタ法はシリ
    コンまたはシリコンを主成分とする材料をターゲットと
    し、RF電力により半導体膜を形成することを特徴とす
    る半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記絶
    縁膜は、スパッタ法により形成されたことを特徴とする
    半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一において、前
    記絶縁膜は、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、酸化珪素膜
    から選ばれた単層膜、またはそれらの積層膜であること
    を特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備えた半
    導体装置。
  5. 【請求項5】絶縁表面上にスパッタ法により形成された
    活性層と、前記活性層に接するゲート絶縁膜と、前記ゲ
    ート絶縁膜に接するゲート配線とを有し、前記活性層
    は、少なくともチャネル形成領域と、前記チャネル形成
    領域の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域と
    からなることを特徴とする半導体素子からなる半導体回
    路を備えた半導体装置。
  6. 【請求項6】絶縁表面上にゲート配線と、前記ゲート配
    線に接するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に接して
    スパッタ法により形成された活性層とを有し、前記活性
    層は、少なくともチャネル形成領域と、前記チャネル形
    成領域の両側に形成されたソース領域及びドレイン領域
    とからなることを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6において、少なく
    とも前記ソース領域及び前記ドレイン領域には珪素の結
    晶化を助長する触媒元素が含まれていることを特徴とす
    る半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記触媒元素は、N
    i、Fe、Co、Pt、Cu、Auから選ばれた少なく
    とも1つの元素、または複数の元素であることを特徴と
    する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装
    置。
  9. 【請求項9】請求項7において、前記触媒元素は、G
    e、Pbから選ばれた少なくとも1つの元素、または複
    数の元素であることを特徴とする半導体素子からなる半
    導体回路を備えた半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれか一において、
    前記半導体回路とは、マイクロプロセッサ、信号処理回
    路または高周波回路であることを特徴とする半導体素子
    からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記半導体装置は
    電気光学装置または電子機器であることを特徴とする半
    導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項10において、前記電気光学装置
    とは液晶表示装置、EL表示装置、EC表示装置または
    イメージセンサであることを特徴とする半導体素子から
    なる半導体回路を備えた半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項10において、前記電子機器と
    は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、
    ゴーグルディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナ
    ルコンピュータまたは携帯情報端末であることを特徴と
    する半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装
    置。
  14. 【請求項14】絶縁表面上にスパッタ法により半導体膜
    を形成する工程と、前記半導体膜を結晶化して結晶性半
    導体膜を形成する工程と、を有していることを特徴とす
    る半導体素子からなる半導体回路を備えた半導体装置の
    作製方法。
  15. 【請求項15】絶縁表面上にスパッタ法により半導体膜
    を形成する工程と、前記半導体膜の少なくとも一部に結
    晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、前記半導体
    膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程と、を有
    していることを特徴とする半導体素子からなる半導体回
    路を備えた半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】絶縁表面上にスパッタ法により半導体膜
    を形成する工程と、前記半導体膜の少なくとも一部に結
    晶化を助長する触媒元素を添加する工程と、前記半導体
    膜を結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程と、前記
    結晶性半導体膜中の触媒元素の濃度を低減する工程と、
    を有していることを特徴とする半導体素子からなる半導
    体回路を備えた半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】絶縁表面上にスパッタ法により半導体膜
    を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶縁膜を形成
    する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接した状態で
    結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程とを有してい
    ることを特徴とする半導体素子からなる半導体回路を備
    えた半導体装置の作製方法。
  18. 【請求項18】絶縁表面上の少なくとも一部に結晶化を
    助長する触媒元素を添加する工程と、スパッタ法により
    半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶縁
    膜を形成する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接し
    た状態で結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程とを
    有していることを特徴とする半導体素子からなる半導体
    回路を備えた半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】絶縁表面上の少なくとも一部に結晶化を
    助長する触媒元素を添加する工程と、スパッタ法により
    半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜に接して絶縁
    膜を形成する工程と、前記半導体膜を前記絶縁膜が接し
    た状態で結晶化して結晶性半導体膜を形成する工程と、
    前記結晶性半導体膜中の触媒元素の濃度を低減する工程
    と、を有していることを特徴とする半導体素子からなる
    半導体回路を備えた半導体装置の作製方法。
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