JP2004059868A - 含塩素系樹脂用滑剤および含塩素系樹脂組成物 - Google Patents

含塩素系樹脂用滑剤および含塩素系樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリ塩化ビニルなどの含塩素系樹脂との相溶性に優れ、滑性効果として有機錫系安定剤等と併用した際に、外部滑性的な最大ゲル化トルクが低いにもかかわらず内部滑性的なゲル化遅延効果の弱く、しかも後期滑性に持続性がある含塩素系樹脂滑剤および該滑剤を含有する含塩素系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】含塩素系樹脂用滑剤は、メタロセン触媒を用いて合成され、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が60〜100℃の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあるポリオレフィンワックスである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な加工性を付与する含塩素系樹脂用滑剤および該滑剤を含有する含塩素系樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリ塩化ビニルは熱安定性が極めて悪く、樹脂自体の熱分解温度が成形加工温度以下であるため、樹脂の成形加工は熱分解を伴いながら行われる。従ってポリ塩化ビニルは樹脂の劣化を抑制するため多量の耐熱安定剤、滑剤が必要とされる。
【0003】
滑剤は、樹脂と相溶性があり、樹脂の可塑化を早め、溶融粘度を低減する内部潤滑と、押出機内で混合時あるいは溶融時に樹脂と金属間の粘着を防止し、摩擦抵抗を低減して加工性を高める働き(溶融滑性)や、可塑化(以下「ゲル化」という。)を遅らせる働き(粉末滑性)をもつ外部滑剤に大別される。内部滑剤に属するものとしては、例えばブチルステアレート、グリセリンモノステアレート等があり、外部滑剤に属するものとしては、例えばステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等がある。外部滑剤のうち、ゲル化を遅らせる働き、即ち初期滑性を有するものとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等が知られているが、金属面に対する粘着性防止効果では満足な性能を有していない。米ぬかワックス、酸化ポリエチレンワックスおよびそのエステル化物およびその金属塩化物、ステアリン酸、モノグリセライド等は粘着性に対し防止効果があるもののゲル化を遅らせる働きは少ない。
【0004】
本発明者はこのような状況のもと鋭意検討した結果、メタロセン触媒を用いて合成され、特定の融点および分子量を有するオレフィンワックスがポリ塩化ビニル用滑剤として優れた特性を有することを見出して本発明を完成するに至った。なお、特開平10−330561号公報には、数平均分子量400〜5,000のポリエチレンワックスに無水マレイン酸をグラフト重合し、さらにこの環状酸無水物を加水開環して得られる加水開環マレイン化ポリエチレンワックスを必須成分とする滑剤が開示されているが、ここで用いられているポリエチレンワックスは、チーグラー触媒を用いて合成されたものである。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系樹脂との相溶性に優れ、滑性効果として有機錫系安定剤等と併用した際に、外部滑性的な最大ゲル化トルクが低いにもかかわらず内部滑性的なゲル化遅延効果の弱く、しかも後期滑性に持続性がある含塩素系樹脂用滑剤および該滑剤を含有する含塩素系樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明に係る含塩素系樹脂用滑剤は、メタロセン触媒を用いて合成され、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が60〜100℃の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあるポリオレフィンワックスであることを特徴としている。
【0007】
上記ポリオレフィンワックスは、酸グラフト変性または酸化変性されたものであってもよい。
上記ポリオレフィンワックスは、エチレンと炭素原子数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、上記α−オレフィンは、プロピレンまたは1−ブテンであることが好ましい。
【0008】
本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、
(a)含塩素系樹脂と、
(b)上記含塩素系樹脂用滑剤
とからなることを特徴とする。
上記含塩素系樹脂は、好ましくはポリ塩化ビニルである。
【0009】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る含塩素系樹脂用滑剤および含塩素系樹脂組成物について具体的に説明する。
(含塩素系樹脂用滑剤)
本発明に係る含塩素系樹脂用滑剤は、メタロセン触媒を用いて合成されるポリオレフィンワックスであり、ポリオレフィンワックスは、エチレン単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
【0010】
ここでα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく挙げられ、特にプロピレン、1−ブテンであることが好ましい。ポリオレフィンワックスがエチレン・α−オレフィン共重合体である場合には、α−オレフィンから導かれる構成単位は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合で含まれる。
【0011】
ポリオレフィンワックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000、好ましくは400〜3,000、より好ましくは400〜1,000の範囲にある。
ポリオレフィンワックスの数平均分子量が、400未満であると金属に対する粘着防止効果が劣ることがあり、5,000を超えると、初期、後期全般で滑性が低下することがある。
【0012】
ポリオレフィンワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が60〜100℃、好ましくは70〜90℃、より好ましくは80〜90℃の範囲にある。
ポリオレフィンワックスの融点が上記範囲内にあると、初期、後期全般で滑性が良好となり、特に初期の滑性が良好となる。
【0013】
ポリオレフィンワックスは、密度勾配管法で測定した密度が880〜910kg/m、好ましくは885〜905kg/m、より好ましくは885〜900kg/mの範囲にある。
ポリオレフィンワックスの密度が上記範囲内にあると、融点の場合と同様に初期、後期全般で滑性が良好となり、特に初期の滑性が良好となる。
【0014】
ポリオレフィンワックスは、Mw/Mnが3以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下である。
Mw/Mnが上記範囲内にあると、全体に高分子量成分および低分子量成分の割合いが低下するため、滑性に有効な分子量成分が多くなり、その結果、初期、後期全般で滑性が良好となる。
【0015】
ポリオレフィンワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化温度(Tc(℃)、降温速度2℃/分で測定。)と、密度勾配管法で測定した密度(D(kg/m))との関係が下記式(I)
0.501×D−366 ≧ Tc    …(I)
好ましくは、下記式(Ia)
0.501×D−366.5 ≧ Tc  …(Ia)
より好ましくは、下記式(Ib)
0.501×D−367 ≧ Tc    …(Ib)
を満たす。
【0016】
ポリオレフィンワックスにおいて結晶化温度(Tc)と、密度(D)との関係が上記式を満たすと、ポリオレフィンワックス中のコモノマー組成の分布がより均一となり、その結果、ポリオレフィンワックスがよりシャープに溶融するために、滑剤としてポリオレフィンワックスが押出機内で有効に溶融して滑性を示すので、初期滑性が良好となる。
【0017】
結晶化温度は、パーキンエルマー社製7シリーズのDSCを用い、試料を10℃/分で150℃まで昇温し、60秒保持後、2℃/分で−50℃まで降温して測定した。
ポリオレフィンワックスは、エチレンと、プロピレンまたは1−ブテンとから得られるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましく、この場合プロピレンから導かれる構成単位または1−ブテンから導かれる構成単位を10モル%以下の割合で含有することが好ましい。
【0018】
ポリオレフィンワックスは、常温で固体であり、80〜120℃以上で、低粘度の液体となる。
上述したようなポリオレフィンワックスは、メタロセン触媒を用いて合成され、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造される。
【0019】
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Lx   …(1)
ここで、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属Mの原子価、Lは配位子である。
【0020】
で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどがある。Lは遷移金属Mに配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0021】
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0022】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Rはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0023】
(メタロセン化合物の例−1)
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記一般式(2)で表される。
   …(2)
ここで、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属、Rはシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R、RおよびRはそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0024】
がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0025】
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R、R、RおよびRの少なくとも2個、例えばRおよびRがシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときRおよびRは、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
【0026】
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0027】
(メタロセン化合物の例−2)
またメタロセン化合物の例としては、下記一般式(3)で表される特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合物が挙げられる。
【0028】
【化1】
Figure 2004059868
【0029】
ここで、Mは周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子であり、R11およびR12は、塩素原子であることが好ましい。
【0030】
13およびR14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;−N(R20、−SR20、−OSi(R20、−Si(R20または−P(R20基である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13およびR14は、特に水素原子であることが好ましい。
【0031】
15およびR16は、水素原子が含まれないことを除きR13およびR14と同じであって、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R15およびR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
【0032】
上記一般式(3)において、R17は次の群から選ばれる。
【0033】
【化2】
Figure 2004059868
【0034】
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO、=NR21、=CO、=PR21、=P(O)R21など。Mはケイ素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。
ここで、R21、R22およびR23は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40アリールアルキル基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22」または「R21とR23」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0035】
また、R17は、=CR2122、=SiR2122、=GeR2122、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。
18およびR19は互いに同一でも異なっていてもよく、R21と同じものが挙げられる。
mおよびnは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
【0036】
上記一般式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)−ジルコニウム−ジクロライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)−ジルコニウム−ジクロライドなど。これらのメタロセン化合物は、例えば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
【0037】
(メタロセン化合物の例−3)
また、メタロセン化合物としては、下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0038】
【化3】
Figure 2004059868
【0039】
式中、Mは、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。
24およびR25は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。
【0040】
24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0041】
26、R27、R28およびR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中では水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0042】
およびXは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示す
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR30−、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−(ただし、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0043】
式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、Mに配位する配位子としては、次式で表されるものなどが挙げられる。
【0044】
【化4】
Figure 2004059868
【0045】
(式中、Yは前式に示したものと同じである。)
(メタロセン化合物の例−4)
メタロセン化合物としては、また下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0046】
【化5】
Figure 2004059868
【0047】
式中、M、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、上記一般式(4)と同じである。
26、R27、R28およびR29のうち、R26を含む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24、R25で例示した置換基が挙げられる。
【0048】
26、R27、R28およびR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
またR26、R27、R28およびR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24およびR25と同様のものが挙げられる。
【0049】
、XおよびYとしては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0050】
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−5)
メタロセン化合物として、下記一般式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0051】
【化6】
Figure 2004059868
【0052】
式中、M、R24、X、XおよびYは、上記一般式(4)と同じである。
24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0053】
およびXとしては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0054】
(メタロセン化合物の例−6)
またメタロセン化合物として、下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM    …(7)
ここで、Mは周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。Xは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
【0055】
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
【0056】
【化7】
Figure 2004059868
【0057】
は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
は上記一般式(7)で説明したものと同様である。
CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。
Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。
【0058】
Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。
このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなど。またこのメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
【0059】
(メタロセン化合物の例−7)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
【0060】
【化8】
Figure 2004059868
【0061】
は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。
【0062】
アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
32は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0063】
また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0064】
なお、R32で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様も含まれる。
【0065】
【化9】
Figure 2004059868
【0066】
32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。このような置換基としてR32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合の2,7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0067】
33およびR34は互いに同一でも異なっていてもよく、上記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33およびR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
【0068】
およびXは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはXとXとから形成された共役ジエン残基である。
とXとから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0069】
およびXとしては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−(ただし、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0070】
これらの2価の基のうちでも、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
【0071】
(メタロセン化合物の例−8)
またメタロセン化合物としては、下記一般式(10)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0072】
【化10】
Figure 2004059868
【0073】
式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
36は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基およびアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0074】
36はこれらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。
37は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。
【0075】
37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。また、上記R36とR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。
38およびR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0076】
これらのうち、R38およびR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。
およびXは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはXとXとから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
【0077】
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−(ただし、R40は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0078】
これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
以上に説明したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
【0079】
(有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には次式で表される。
【0080】
【化11】
Figure 2004059868
【0081】
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。
アルミノオキサンは式(OAl(R’))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R’’))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位(ここで、R’およびR’’はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R’およびR’’は相異なる基を表す。)からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
【0082】
(イオン化イオン性化合物)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
ルイス酸としては、BR(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0083】
上記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0084】
上記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
上記ボラン化合物としては、デカボラン(9);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0085】
上記カルボラン化合物としては、4−カルバノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
このようなイオン化イオン性化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。また有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物は、上記担体化合物に担持させて用いることもできる。
【0086】
またメタロセン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とともに、以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる、このような化合物としては、例えば下記一般式(11)で表される有機アルミニウム化合物、
(Rm Al(OR H X        …(11)
(式中、RおよびRは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基である。Xはハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。)
下記一般式(12)で表される第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などが挙げられる。
【0087】
(M)Al(R)   …(12)
(式中、MはLi、NaまたはKであり、Rは上記一般式(11)のRと同じである。)
(重合)
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンから選ばれる2種以上のモノマーを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
【0088】
重合方法は、ポリオレフィンワックスがヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリオレフィンワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
【0089】
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、上記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
【0090】
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
【0091】
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
【0092】
重合に際して、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のモノマーは、上記した特定組成のポリオレフィンワックスが得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理するとポリオレフィンワックスが得られる。
【0093】
重合反応は、特に(メタロセン化合物の例−6)で示したメタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。さらに本発明では、エチレン・α−オレフィン共重合体を製造することが好ましい。
(変性ポリオレフィンワックス)
本発明で用いられるポリオレフィンワックスは、未変性のポリオレフィンワックス(以下「原料ポリオレフィンワックス」ともいう。)が、酸化変性または酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスであってもよい。
【0094】
原料ポリオレフィンワックスとしては、変性後に上述したような性状のポリオレフィンワックスが得られるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であれば特に限定されないが、好ましくは上述したようなメタロセン系触媒を用いて製造された、数平均分子量が400〜1,000の範囲にあり、密度が880〜910kg/mの範囲にあり、融点が60〜100℃の範囲にあるオレフィン(共)重合体、好ましくはエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である。
【0095】
(酸化変性)
酸化変性された変性ポリオレフィンワックスは、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させることにより得られる。
原料ポリオレフィンワックスは、通常130〜200℃、好ましくは140〜170℃の温度で溶融状態にする。
【0096】
酸化変性する際には、原料ポリオレフィンワックスを溶融状態で攪拌下に酸素または酸素含有ガスと接触させて酸化反応を行うが、「酸素または酸素含有ガス」という語は、純酸素(通常の液体空気分留や水の電解によって得られる酸素であって、他成分を不純物程度含んでいても差し支えない)、純酸素と他のガスとの混合ガス、例えば空気、およびオゾンを含んで用いられる。
【0097】
原料ポリオレフィンワックスと酸素等との接触方法としては、具体的には、酸素含有ガスを反応器下部より連続的に供給して、原料ポリオレフィンワックスと接触させる方法が好ましい。またこの場合、酸素含有ガスは、原料混合物1kgに対して1分間当たり1.0〜8.0NL相当の酸素量となるように供給することが好ましい。
【0098】
このようにして得られる変性ポリオレフィンワックスの酸価(JIS K5902)は、好ましくは6〜30mgKOH/g、より好ましくは10〜20mgKOH/gである。酸価が6mgKOH未満であると押出機内で樹脂と金属管の粘着を防止する効果が充分でないことがあり、30mgKOHを超えると初期活性が低下することがある。
【0099】
ここに、酸価とは、試料1g当たりの中和に要する水酸化カリウムのmg数を指す。
(酸グラフト変性)
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、従来公知の方法で調製することができ、例えば▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを、▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に溶融混練するか、または▲1▼原料ポリオレフィンワックスと、▲2▼不飽和カルボン酸もしくはその誘導体またはスルフォン酸塩とを有機溶媒に溶解した溶液中で▲3▼有機過酸化物などの重合開始剤の存在下に混練することにより得られる。
【0100】
酸グラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸−3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸−2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヘキシルエチル、メタクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類:マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類:フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、クロトン酸、ナジック酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水アリルコハク酸、無水グルタコン酸、無水ナジック酸などの無水物などが挙げられる。
【0101】
酸グラフト変性された変性ポリオレフィンワックスは、不飽和カルボン酸またはその誘導体での変性量が、KOH滴定換算で、重合体1g当たり30〜100mgKOHであることが好ましく、30〜60mgKOHであることがさらに好ましい。変性量が30mgKOH未満であると押出機内で樹脂と金属管の粘着を防止する効果が充分でないことがあり、100mgKOHを超えると初期活性が低下することがある。
【0102】
本発明に係る含塩素系樹脂用滑剤は、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系樹脂との相溶性に優れ、滑性効果として有機錫系安定剤等と併用した際に、外部滑性的な最大ゲル化トルクが低いにもかかわらず内部滑性的なゲル化遅延効果が弱く、しかも後期滑性の持続性に優れる、特に有機錫系安定剤と併用する際に効果的である。
【0103】
(含塩素系樹脂組成物)
本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、
(a)含塩素系樹脂と、
(b)上記ポリオレフィンワックスとからなる。
本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、含塩素系樹脂(a)100重量部に対して、ポリオレフィンワックス(b)が、通常0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の割合で含有することが好ましい。
【0104】
ポリオレフィンワックス(b)の量が0.05重量部未満であると滑性効果が不足することがあり、一方5重量部を超えると滑性が過剰になり組成物の可塑化が困難になることがある。
含塩素系樹脂(a)としては、としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリクロロプレン、エチレン−塩化ビニル共重合体等が挙げられ、中でも著しい効果が認められる含塩素系樹脂は硬質PVCである。この硬質PVCの重合方式、重合度、分子量分布、粒径分布、塩素含量等には特に制限はない。
【0105】
なお、本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、MBS樹脂、ポリメチルメタクリレート等の含塩素系樹脂組成物以外の樹脂が配合されていてもよい。
本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、耐熱安定剤が配合されていてもよく、使用しうる耐熱安定剤としては含塩素系樹脂に対し安定化効果を示すものであれば特に限定されず、例えば鉛化合物、カドミウム化合物、バリウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、有機錫化合物、エポキシ化合物、キレーター等およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0106】
【発明の効果】
本発明に係る含塩素系樹脂用滑剤は、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系樹脂との相溶性に優れ、滑性効果として有機錫系安定剤等と併用した際に、外部滑性的な最大ゲル化トルクが低いにもかかわらず内部滑性的なゲル化遅延効果が弱く、しかも後期滑性の持続性に優れる。
【0107】
本発明に係る含塩素系樹脂組成物は、外部滑性的な最大ゲル化トルクが低いにもかかわらず内部滑性的なゲル化遅延効果が弱く、しかも後期滑性の持続性に優れる。
【0108】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0109】
【合成例1】
(ポリオレフィンワックス(WAX−1)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン790mlおよびプロピレンを80ml装入し、水素を5kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0110】
その結果、Mnが500であり、密度が890kg/mであり、DSC融点温度が80℃であるエチレン重合体(WAX−1)を27g得た。
【0111】
【合成例2】
(ポリオレフィンワックス(WAX−2)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン850mlおよびプロピレンを100ml装入し、水素を3.5kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0112】
その結果、Mnが1,000であり、密度が884kg/mであり、DSC融点温度が85℃であるエチレン重合体(WAX−2)を26g得た。
【0113】
【合成例3】
(ポリオレフィンワックス(WAX−3)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン870mlおよびプロピレンを80ml装入し、水素を1kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0114】
その結果、Mnが2,000であり、密度が905kg/mであり、DSC融点温度が95℃であるエチレン重合体(WAX−3)を35g得た。
【0115】
【合成例4】
(ポリオレフィンワックス(WAX−4)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン930mlおよびプロピレンを20ml装入し、水素を7kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。その結果、Mnが600であり、密度が943kg/mであり、DSC融点温度が118℃であるエチレン重合体(WAX−4)を19g得た。
【0116】
【合成例5】
(ポリオレフィンワックス(WAX−5)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン945mlおよびプロピレンを5ml装入し、水素を1.5kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0117】
その結果、Mnが2,000であり、密度が970kg/mであり、DSC融点温度が122℃であるエチレン重合体(WAX−5)を38g得た。
【0118】
【合成例6】
(ポリオレフィンワックス(WAX−6)の合成)
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン870mlおよびプロピレンを80ml装入し、水素を0.5kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.04ミリモル、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.002ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0119】
その結果、Mnが8,000であり、密度が905kg/mであり、DSC融点温度が90℃であるエチレン重合体(WAX−6)を33g得た。
【0120】
【合成例7】
(ポリオレフィンワックス(WAX−7)の合成)
チーグラー触媒を用いて、次のようにしてポリオレフィンワックスを製造した。
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン830mlおよびプロピレンを120ml装入し、水素を6kg/cm(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、チタン(チーグラー触媒)0.05ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を30kg/cm(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
【0121】
その結果、Mnが500の液状ワックスである(液固混合の不均一ワックス)エチレン重合体(WAX−7)を18g得た。
【0122】
【合成例8】
(ポリオレフィンワックス(WAX−8)の合成)
合成例1で合成したポリオレフィンワックス(WAX−1)をステンレス製オートクレーブ内で、170℃に溶融し、WAX−1  98gに対して、無水マレイン酸2gとなる割合で、60℃に溶融した無水マレイン酸、そして開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドを無水マレイン酸2gに対して、0.4gを2時間に渡り均等に滴下し、反応度、1時間攪拌、1mmHgの減圧度で脱気をし、Mnが700、融点が78℃、密度が893、酸価が17mgKOH/g−WAXであるマレイン酸変性エチレン重合体(WAX−8)を93g得た。
【0123】
【合成例9】
(ポリオレフィンワックス(WAX−9)の合成)
合成例3で合成したポリオレフィンワックス(WAX−1)60gをステンレス製オートクレーブ内で、170℃に溶融し、エアー 0℃、1kg/cm状態で、1gWAX当たり300ml/hの流量で、ワックス液中にバブリングし、酸化反応を行った。この際、リアクターの気相部の酸素濃度を10%以下に維持するように窒素装入量を制御した。この酸化反応を0.7MPaの圧力下、3時間反応後、1mmHgの減圧下で、1時間脱気し、Mnが1,500、融点が82℃、密度が915kg/m、酸価が18mgKOH/g−WAXである酸化エチレン重合体(WAX−9)を50g得た。
【0124】
【表1】
Figure 2004059868
【0125】
【実施例1】
重合度1050のPVC(商品名:TH−1000、大洋塩ビ(株)社製)100重量部、ジオクチル錫ラウレート3.5重量部、合成例1で得られたポリオレフィンワックス(WAX−1)0.8重量部をブレンダーで混合しポリ塩化ビニル組成物を調製した。得られたポリ塩化ビニル組成物について以下に示す方法で相溶性と滑性効果の性能試験を行った。結果を表2に示す。
【0126】
[相溶性]
まず予備成形で配合試料を温度180℃のミキシングロールでシート状にし、同温度のプレスによりプレスシートを成形する。その後2本のロール(直径8インチ)を水平に並設したプレスロール装置を使用し、ロール温度190℃、ロール間隔はシート厚が0.3mmとなる値、ロール回転数は一方が18rpm、他方が13rpmに設定し、混練りを60min行いながら、ロール加工中に樹脂がロールに付着し、剥離不良や焼き付きを起こしているかどうか肉眼で以下の基準で評価した。
【0127】
◎:特に良好、○:良好、△:やや良好、×:不良
[滑性効果]
温度185℃に加熱されたラボプラストミルのミキサーブロックへ配合試料70gを入れ、回転数60rpmにて測定を行い、その際の初期滑性を最大ゲル化トルクとゲル化時間で評価した。
(1)最大ゲル化トルクゲル化の進行に伴いトルクが上昇し、ほぼゲル化が完了する際の最高トルク値を評価した。
(2)ゲル化時間ゲル化の進行に伴いトルクが上昇し、ほぼゲル化が完了する際の最高トルクに達するまでの時間を評価した。
【0128】
【実施例2〜5、比較例1〜4】
各成分の配合を表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル組成物を調製し、得られたポリ塩化ビニル組成物について実施例1と同様の方法でして相溶性と滑性効果の性能試験を行った。結果を表2に示す。
【0129】
【表2】
Figure 2004059868

Claims (7)

  1. メタロセン触媒を用いて合成され、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が60〜100℃の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000の範囲にあるポリオレフィンワックスであることを特徴とする含塩素系樹脂用滑剤。
  2. 上記ポリオレフィンワックスが酸グラフト変性または酸化変性されたものであることを特徴とする請求項1に記載の含塩素系樹脂用滑剤。
  3. 上記ポリオレフィンワックスがエチレンと炭素原子数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の含塩素系樹脂用滑剤。
  4. 上記α−オレフィンがプロピレンまたは1−ブテンであることを特徴とする請求項3に記載の含塩素系樹脂用滑剤。
  5. 上記含塩素系樹脂がポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の含塩素系樹脂用滑剤。
  6. (a)含塩素系樹脂と、
    (b)請求項1ないし4のいずれか1項に記載の含塩素系樹脂用滑剤
    とからなることを特徴とする含塩素系樹脂組成物。
  7. 上記含塩素系樹脂がポリ塩化ビニルであることを特徴とする請求項6に記載の含塩素系樹脂組成物。
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