JPH07309981A - エチレン系共重合体組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体組成物

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JPH07309981A
JPH07309981A JP10421794A JP10421794A JPH07309981A JP H07309981 A JPH07309981 A JP H07309981A JP 10421794 A JP10421794 A JP 10421794A JP 10421794 A JP10421794 A JP 10421794A JP H07309981 A JPH07309981 A JP H07309981A
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transition metal
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橋 守 高
Katsunori Yano
野 克 典 矢
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Akira Todo
堂 昭 藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】有機アルミニウムオキシ化合物と、少なくとも
2種の特定の遷移金属化合物とを含む触媒により生成さ
れ得るエチエン・α-オレフィン共重合体(A)および
有機アルミニウムオキシ化合物と遷移金属化合物とを含
む触媒により生成され得るエチエン・α-オレフィン共
重合体(B)からなるエチレン・α-オレフィン共重合
体組成物と、高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレ
ンからなり、上記エチレン・α-オレフィン共重合体組
成物と、上記低密度ポリエチレンとの重量比が99:1
〜60:40の範囲にあることを特徴とするエチレン系
共重合体組成物。 【効果】 成形性に優れ、光学特性および/または機械
的強度に優れたフィルムを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン系共重合体組成
物に関し、さらに詳しくは、フィルムなどの素材として
用いられるエチレン系共重合体組成物に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン系共重合体は、種々の成
形方法により成形され、多方面の用途に供されている。
エチレン系共重合体は、成形方法や用途に応じて要求さ
れる特性も異なってくる。たとえばインフレーションフ
ィルムを高速で成形しようとする場合、バブルのゆれ、
あるいはちぎれがなく、安定して高速成形を行うために
は、エチレン系共重合体として分子量の割にはメルトテ
ンション(溶融張力)の大きいものを選択しなければな
らない。同様の特性が中空成形におけるたれ下りあるい
はちぎれを防止するために、あるいはTダイ成形におけ
る幅落ちを最小限に押えるために必要である。加えてこ
のような押出成形では、押出時における高剪断下におけ
るエチレン系共重合体の応力が小さいことが成形物の品
質向上や成形時の消費電力減少等の経済面からも必要で
ある。
【0003】ところで、チーグラー型触媒、特にチタン
系触媒を用いて得られるエチレン重合体の溶融張力や膨
比(ダイスウエル比)を向上させて成形性の向上を図る
方法が、特開昭56-90810号公報あるいは特開昭
60-106806号公報などに提案されている。しか
し、一般にチタン系触媒を用いて得られるエチレン系重
合体、特に低密度エチレン系共重合体では、組成分布が
広く、フィルムなどの成形体はベタつきがあるなどの問
題点があった。
【0004】チーグラー型触媒系の内、メタロセン触媒
系を用いて得られるエチレン系重合体では、組成分布が
狭くフィルムなどの成形体はベタつきが少ないなどの長
所があることが知られている。しかしながら、分子量分
布が狭いことから、押出成形時の流動性が悪いことが懸
念される。
【0005】このためもしメルトテンションが高く、機
械的強度に優れるようなエチレン系重合体が出現すれ
ば、その工業的価値は極めて大きい。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような状況に鑑みなさ
れたものであって成形性に優れ、かつ光学特性および/
または機械的強度に優れたフィルムを製造し得るような
エチレン系共重合体組成物を提供することを目的として
いる。
【0007】
【発明の概要】本発明に係るエチレン系共重合体組成物
は、 (I)(a)有機アルミニウムオキシ化合物と、(b-
I)下記一般式[b-I]で表される遷移金属化合物から
選ばれる少なくとも1種の化合物と、 ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子を示
し、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を示す) (b-II)下記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、 ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
示す)前記遷移金属化合物(b-I)と前記遷移金属化合
物(b-II)とのモル比〔(b-I)/(b-II)〕が99
/1〜80/20の範囲にあるオレフィン重合用触媒の
存在下にエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィ
ンとを共重合させることにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
にあり、 (ii)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.4〜8dl/gの範囲にあり、 (iii)190℃におけるメルトテンション〔MT
(g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕
が MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
合体(A)20〜90重量%と、(a)有機アルミニウ
ムオキシ化合物と、(b’)シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物
とを含むオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンと炭
素原子数3〜20のα-オレフィンとを共重合させるこ
とにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
にあり、 (ii)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.4〜8dl/gの範囲にあるエチレン・α-オレフ
ィン共重合体(B)10〜80重量%とからなるエチレ
ン・α-オレフィン共重合体組成物(ただし、エチレン
・α-オレフィン共重合体(A)とエチレン・α-オレフ
ィン共重合体(B)とは同一ではない)と、 (II)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲
にある高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレンから
なり、上記(I)エチレン・α-オレフィン共重合体組
成物と、上記(II)低密度ポリエチレンとの重量比
〔(I):(II)〕が99:1〜60:40の範囲にあ
ることを特徴としている。
【0008】このようなエチレン系共重合体組成物は、
成形性に優れている。本発明のエチレン系共重合体組成
物からは、光学特性および/または機械的強度に優れた
フィルムを製造することができる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエチレン系共
重合体組成物について具体的に説明する。本発明に係る
エチレン系共重合体組成物は、エチレン・α-オレフィ
ン共重合体(A)とエチレン・α-オレフィン共重合体
(B)とからなるエチレン・α-オレフィン共重合体組
成物(I)と、高圧法ラジカル法による低密度ポリエチ
レン(II)とから形成されている。
【0010】本発明に係るエチレン系共重合体組成物を
形成する各成分について詳細に説明する。 [エチレン・α-オレフィン共重合体(A)]本発明に
係るエチレン系共重合体組成物を形成するエチレン・α
-オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数
3〜20のα-オレフィンとのランダム共重合体であ
る。エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜2
0のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れる。これらの中では炭素原子数3〜10のα-オレフ
ィンが好ましく、炭素原子数3〜6のα-オレフィンが
より好ましい。
【0011】エチレン・α-オレフィン共重合体(A)
では、エチレンから導かれる構成単位は、50〜100
重量%、好ましくは55〜99重量%、より好ましくは
65〜98重量%、最も好ましくは70〜97重量%の
割合で存在し、炭素原子数3〜20のα-オレフィンか
ら導かれる構成単位は0〜50重量%、好ましくは1〜
45重量%、より好ましくは2〜35重量%、最も好ま
しくは3〜30重量%の割合で存在することが望まし
い。
【0012】エチレン・α-オレフィン共重合体の組成
は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz 、スペクトル幅150
0Hz 、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μse
c.の測定条件下で測定して決定される。
【0013】このようなエチレン・α-オレフィン共重
合体(A)は、下記(i)〜(iii)に示すような特性
を有していることが好ましく、下記(i)〜(vi)に示
すような特性を有していることがより好ましい。
【0014】(i)密度(d)は、0.850〜0.9
80g/cm3、好ましくは0.880〜0.940g
/cm3、より好ましくは0.890〜0.935g/
cm3、最も好ましくは0.900〜0.930g/c
3の範囲にあることが望ましい。
【0015】なお密度(d)は、190℃における2.
16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時
に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1
時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定す
る。
【0016】(ii)135℃、デカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.4〜8dl/g、好ましくは1.25
〜8dl/g、より好ましくは1.27〜6dl/gの範囲
にあることが望ましい。
【0017】(iii)190℃におけるメルトテンショ
ン〔MT(g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/
10分)〕とが MT>2.2×MFR-0.84 好ましくは 8.0×MFR-0.84 >MT>2.3×MFR-0.84 より好ましくは 7.5×MFR-0.84 >MT>2.5×MFR-0.84 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0018】このような特性を有するエチレン・α-オ
レフィン共重合体は、溶融張力(MT)が大きく、成形
性が良好である。なお、溶融張力(MT)は、溶融させ
たポリマーを一定速度で延伸した時の応力を測定するこ
とにより決定される。すなわち、生成ポリマー粉体を通
常の方法で溶融後ペレット化して測定サンプルとし、東
洋精機製作所製、MT測定機を用い、樹脂温度190
℃、押し出し速度15mm/分、巻取り速度10〜20
m/分、ノズル径2.09mmφ、ノズル長さ8mmの
条件で行なった。ペレット化の際、エチレン・α-オレ
フィン共重合体に、あらかじめ二次抗酸化剤としてのト
リ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートを0.
05重量%、耐熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネー
トを0.1重量%、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カ
ルシウムを0.05重量%配合した。
【0019】メルトフローレート(MFR)は、AST
M D1238-65T に従い190℃、2.16kg荷重の条
件下に測定される。 (iv)190℃における応力が2.4×106 dyne/c
2に到達する時のずり速度で定義される流動インデッ
クス〔FI(1/秒)〕とメルトフローレート〔MFR
(g/10分)〕とが FI<150×MFR 好ましくは FI<140×MFR より好ましくは FI<130×MFR で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0020】なお、流動インデックス(FI)は、ずり
速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押し出し、そ
の時の応力を測定することにより決定される。すなわ
ち、溶融張力測定と同様の試料を用い、東洋精機製作所
製、毛細式流れ特性試験機を用い、樹脂温度190℃、
ずり応力の範囲が5×104〜3×106 dyne/cm2
度で測定される。
【0021】なお測定する樹脂のMFR(g/10分)に
よって、ノズルの直径を次の様に変更して測定する。 MFR>20 のとき0.5mm 20≧MFR>3 のとき1.0mm 3≧MFR>0.8のとき2.0mm 0.8≧MFR のとき3.0mm (v)示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱
曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密度〔d
(g/cm3 )〕とが Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0022】なお示差走査型熱量計(DSC)により測
定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)は、試
料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃ま
で昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分で
室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際の吸熱
曲線より求められる。測定は、パーキンエルマー社製DS
C-7 型装置を用いた。
【0023】(vi)室温におけるn-デカン可溶成分量分
率〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが MFR≦10g/10分のとき、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 好ましくは W<60×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 MFR>10g/10分のとき W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−
0.88))+0.1 で示される関係を満たしている。
【0024】なお、n-デカン可溶成分量(可溶成分量の
少ないもの程組成分布が狭い)の測定は、共重合体約3
gをn-デカン450mlに加え、145℃で溶解後室温
まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よ
りn-デカン可溶部を回収することにより行われる。
【0025】このように示差走査型熱量計(DSC)に
より測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度
(Tm)と密度(d)との関係、そしてn-デカン可溶成
分量分率(W)と密度(d)とが上記のような関係を有
するようなエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は
組成分布が狭いと言える。
【0026】上記のような特性を有するエチレン・α-
オレフィン共重合体(A)は、たとえば後述する有機ア
ルミニウムオキシ化合物(a)、遷移金属化合物(b-
I)、遷移金属化合物(b-II)、および担体、必要に応
じて有機アルミニウム化合物(c)から形成されるオレ
フィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3
〜20のα-オレフィンとを、得られる共重合体の密度
が0.850〜0.980g/cm3となるように共重
合させることによって製造することができる。
【0027】[エチレン・α-オレフィン共重合体
(B)]本発明に係るエチレン系共重合体組成物を形成
するエチレン・α-オレフィン共重合体(B)は、エチ
レンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとのランダ
ム共重合体である。エチレンとの共重合に用いられる炭
素原子数3〜20のα-オレフィンとしては、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどが挙げられる。これらの中では炭素原子数3〜
10のα-オレフィンが好ましく、炭素原子数3〜6の
α-オレフィンがより好ましい。
【0028】エチレン・α-オレフィン共重合体(B)
では、エチレンから導かれる構成単位は、50〜100
重量%、好ましくは55〜99重量%、より好ましくは
65〜98重量%、最も好ましくは70〜97重量%の
割合で存在し、炭素原子数3〜20のα-オレフィンか
ら導かれる構成単位は0〜50重量%、好ましくは1〜
45重量%、より好ましくは2〜35重量%、最も好ま
しくは4〜30重量%の割合で存在することが望まし
い。
【0029】このようなエチレン・α-オレフィン共重
合体(B)は、下記(i)、(ii)に示すような特性を
有していることが好ましく、下記(i)〜(vi)に示す
ような特性を有していることがより好ましい。
【0030】(i)密度(d)は、0.850〜0.9
80g/cm3、好ましくは0.910〜0.960g
/cm3、より好ましくは0.915〜0.955g/
cm3、最も好ましくは0.920〜0.950g/c
3の範囲にあることが望ましい。
【0031】(ii)135℃、デカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.4〜8dl/g、好ましくは0.4〜
1.25dl/g、より好ましくは0.5〜1.23dl/
gの範囲にあることが望ましい。
【0032】(iii)示差走査型熱量計(DSC)によ
り測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm
(℃)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0033】(iv)室温におけるn-デカン可溶成分量分
率〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが MFR≦10g/10分のとき、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 好ましくは W<60×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 MFR>10g/10分のとき W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−
0.88))+0.1 で示される関係を満たしている。
【0034】このように示差走査型熱量計(DSC)に
より測定した吸熱曲線における最大ピーク位置の温度
(Tm)と密度(d)との関係、そしてn-デカン可溶成
分量分率(W)と密度(d)とが上記のような関係を有
するようなエチレン・α-オレフィン共重合体(B)は
組成分布が狭いと言える。
【0035】上記のような特性を有するエチレン・α-
オレフィン共重合体(B)は、後述するような有機アル
ミニウムオキシ化合物(a)、遷移金属化合物
(b’)、および担体、必要に応じて有機アルミニウム
化合物(c)から形成されるオレフィン重合用触媒の存
在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィ
ンとを、得られる共重合体の密度が0.850〜0.9
80g/cm3となるように共重合させることによって
製造することができる。
【0036】次に本発明のエチレン系共重合体組成物を
形成するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)およ
び(B)の共重合の際に用いられる触媒成分である有機
アルミニウムオキシ化合物(a)、遷移金属化合物(b
-I)、遷移金属化合物(b-II)、シクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属
化合物(b’)、担体および有機アルミニウム化合物
(c)について具体的に説明する。
【0037】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(A)および(B)の共重合の際に用いられる
有機アルミニウムオキシ化合物(a)(以下「成分
(a)」と記載することがある。)は、従来公知のベン
ゼン可溶性のアルミノキサンであってもよく、また特開
平2−276807号公報で開示されているようなベン
ゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であっても
よい。
【0038】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水とを反応させる方法。
【0039】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や
氷や水蒸気を作用させる方法。
【0040】(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0041】なお、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。
【0042】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
などのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げら
れる。
【0043】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また、この有機アルミニウム化合物として、下記一
般式 (i-C49xAly(C510z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0044】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が
挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0045】また本発明で用いられるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好まし
くは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼ
ンに対して不溶性あるいは難溶性である。
【0046】このような有機アルミニウムオキシ化合物
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0047】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(A)の共重合の際に用いられる遷移金属化合
物(b-I)は、具体的には下記式[b-I]で表わされる
遷移金属化合物であり、また遷移金属化合物(b-II)
は、具体的には下記式[b-II]で表わされる遷移金属
化合物である。
【0048】ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価である。) ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
示す)。
【0049】以下、上記一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物(b-I)および上記一般式[b-II]で表
わされる遷移金属化合物(b-II)について、より具体
的に説明する。
【0050】上記式[b-I]において、Mは周期律表第
IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的には、
ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好まし
くはジルコニウムである。
【0051】L1は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭
素原子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも
1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基であ
る。これらの配位子は、各々同一であっても異なってい
てもよい。また(置換)シクロペンタジエニル基以外の
配位子L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基または水素原子である。
【0052】なお置換シクロペンタジエニル基は、置換
基を2個以上有していてもよく、2個以上の置換基は各
々同一であっても異なっていてもよい。置換シクロペン
タジエニル基は、置換基を2個以上有する場合は、少な
くとも1個の置換基が炭素原子数3〜10の炭化水素基
であればよく、他の置換基は、メチル基、エチル基また
は炭素原子数3〜10の炭化水素基である。
【0053】炭素原子数3〜10の炭化水素基として具
体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基などを例示することができる。より具
体的には、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、
デシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基など
のアラルキル基を例示することができる。
【0054】これらのうちアルキル基が好ましく、n-プ
ロピル基、n-ブチル基が特に好ましい。本発明では、遷
移金属原子に配位する(置換)シクロペンタジエニル基
としては、置換シクロペンタジエニル基が好ましく、炭
素原子数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジ
エニル基がより好ましく、二置換シクロペンタジエニル
基が更に好ましく、1,3-置換シクロペンタジエニル基が
特に好ましい。
【0055】一般式[b-I]で表される化合物では、一
般式[b-II]で表される化合物のように遷移金属原子
Mに配位する2個の(置換)シクロペンタジエニル基は
炭化水素基などを介して結合されていない。
【0056】また上記一般式[b-I]において、遷移金
属原子Mに配位する(置換)シクロペンタジエニル基以
外の配位子L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル
基、ハロゲン原子または水素原子である。
【0057】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などを例示することができ、より具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘ
キシル基、デシル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基を例示することができる。
【0058】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などを
例示することができる。
【0059】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どを例示することができる。トリアルキルシリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基などを例示することができる。
【0060】ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素である。このような一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プ
ロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキ
シクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエト
キシド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメチルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス
(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベン
ジル、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムフェニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムハイドライドクロリドなどが挙げ
られる。なお、上記例示において、シクロペンタジエニ
ル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換
体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。また、上記のよ
うなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属
を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移
金属化合物を用いることができる。
【0061】これらの、一般式[b-I]で表わされる遷
移金属化合物のうちでは、ビス(n-プロピルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、が特に好
ましい。
【0062】上記一般式[b-II]においてMは周期律
表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好
ましくはジルコニウムである。
【0063】L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有して
いてもよい。
【0064】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
として具体的には、たとえばシクロペンタジエニル基、
メチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタ
ジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テト
ラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メ
チルエチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペ
ンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル
基、ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシク
ロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基
などのアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはイ
ンデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フル
オレニル基などを例示することができる。これらの基
は、さらにハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで
置換されていてもよい。
【0065】これらのシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子のうち、2個の配位子は、炭化水素基、シリレ
ン基または置換シリレン基を介して結合されている。炭
化水素基としては、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基が挙げられ、置換シリレン基として
は、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチ
ルフェニルシリレン基などが挙げられる。
【0066】また上記式[b-II]において、遷移金属
原子Mに配位するシクロペンタジエニル骨格を有する配
位子以外の配位子L2は、上記一般式[b-I]中のL1
同様の炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン
原子または水素原子である。
【0067】このような一般式[b-II]で表わされる
遷移金属化合物としては、エチレンビス(インデニル)
ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジ
エチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフ
ェニルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチ
ルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニ
ル)エチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノブロミド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチ
レンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジ
メチルジルコニウム、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テト
ラヒドロインデニル)}メチルジルコニウムモノクロリ
ド、エチレンビス{1-(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,
5,6,7-テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス{1-(4-メチルインデニル)}ジル
コニウムジクロリド、エチレンビス{1-(5-メチルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-
(6-メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(7-メチルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス{1-(5-メトキシインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1-(2,
3-ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、エ
チレンビス{1-(4,7-ジメチルインデニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、エチレンビス{1-(4,7-ジメトキシイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデ
ン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなどが挙げられる。なお、上記例示におい
て、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,
3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体
を含む。本発明では、上記のようなジルコニウム化合物
において、ジルコニウム金属を、チタン金属またはハフ
ニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることが
できる。
【0068】これらの、一般式[b-II]で表わされる
遷移金属化合物のうちでは、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドが特
に好ましい。
【0069】本発明では、エチレン・α-オレフィン共
重合体(A)を製造するに際して上記一般式[b-I]で
表される遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種
と、上記一般式[b-II]で表される遷移金属化合物か
ら選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて用いる。
【0070】具体的には、ビス(1-メチル-3-n-ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとエチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとの組
み合わせ、ビス(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドとエチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ビ
ス(1-メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドとジメチルシリレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドとの組み合わせ、ビス(1-
メチル-3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドとジフェニルシリレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリドとの組み合わせが好ましい。
【0071】上記一般式[b-I]で表される遷移金属化
合物(b-I)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化
合物と、上記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
物(b-II)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化合
物とは、モル比(b-I/b-II)で99/1〜80/2
0、好ましくは97/3〜82/18、より好ましくは
95/5〜85/15の範囲となるような量で用いられ
ることが望ましい。このような比率で上記一般式[b-
I]で表される遷移金属化合物(b-I)から選ばれる少な
くとも1種の遷移金属化合物と、上記一般式[b-II]
で表される遷移金属化合物(b-II)から選ばれる少なく
とも1種の遷移金属化合物とを用いることにより、より
成形性に優れ、光学特性および/または機械的強度に優
れたエチレン系共重合体組成物を形成しうるエチレン・
α-オレフィン共重合体(A)を製造することができ
る。モル比(b-I/b-II)が95/5〜85/15の範
囲となる量で用いると特に光学特性および機械的強度に
優れたエチレン系共重合体組成物を形成しうるエチレン
・α-オレフィン共重合体(A)を製造することができ
る。
【0072】以下「成分(b)」という語は、上記一般
式[b-I]で表される遷移金属化合物(b-I)から選ば
れる少なくとも1種と、上記一般式[b-II]で表され
る遷移金属化合物(b-II)から選ばれる少なくとも1種
とを含む遷移金属化合物触媒成分を意味する場合があ
る。
【0073】本発明においてエチレン・α-オレフィン
共重合体(B)の共重合の際に用いられる(b’)シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第
IV族の遷移金属化合物(以下「成分(b’)」と記載す
ることがある。)は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物であれ
ば特に限定されないが、下記一般式[b-III]で示され
る遷移金属化合物であることが好ましい。
【0074】MLx … [b-III] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、Lは遷移金属原子に配位する配位子であり、
少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子以外のLは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ア
ルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、
SO3R基(ただしRはハロゲンなどの置換基を有して
いてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基)、ハロゲン
原子または水素原子であり、xは遷移金属原子の原子価
である。) なお上記一般式[b-III]で示される遷移金属化合物
は、上記一般式[b-I]で表される遷移金属化合物(b-
I)および上記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
物(b-II)を含んでいる。
【0075】上記一般式[b-III]において、Mは周期
律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的
には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、
好ましくはジルコニウムである。
【0076】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば前記式[b-II]で例示したものと
同様の配位子が挙げられる。上記一般式[b-III]で表
される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する配位
子を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペン
タジエニル骨格を有する配位子同士は、エチレン、プロ
ピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェ
ニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基また
はジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチル
フェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して
結合されていてもよい。
【0077】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが
挙げられる。炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、アルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基などが例示され、シクロアルキル基と
しては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例
示され、アリール基としては、フェニル基、トリル基な
どが例示され、アラルキル基としては、ベンジル基、ネ
オフィル基などが例示される。
【0078】またアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ
基としては、フェノキシ基などが例示され、ハロゲンと
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが例示され
る。
【0079】SO3Rで表される配位子としては、p-ト
ルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオ
ロメタンスルホナト基などが例示される。このようなシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属
化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、
より具体的には下記一般式[b-III']で示される。
【0080】R2 k3 l4 m5 nM … [b-III'] (式中、Mは上記遷移金属原子であり、R2はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4およびR5はシクロペンタジエニル骨格を有する基、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシ
リル基、SO3R基、ハロゲン原子または水素原子であ
り、kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。) 本発明では上記一般式において、R2、R3、R4および
5のうち2個(たとえばR2およびR3)がシクロペン
タジエニル骨格を有する基(配位子)であるメタロセン
化合物が好ましく用いられる。この場合にはこれらのシ
クロペンタジエニル骨格を有する基はエチレン、プロピ
レンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニ
ルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基または
ジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチルフェニ
ルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合さ
れていてもよい。また、この場合他の配位子(たとえば
4およびR5)はシクロペンタジエニル骨格を有する
基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキ
ルシリル基、SO3R、ハロゲン原子または水素原子で
ある。
【0081】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエ
ニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)
メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジル
コニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウム
モノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフ
ェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0082】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0083】また上記のようなジルコニウム化合物にお
いて、ジルコニウムを、チタンまたはハフニウムに置換
えた化合物を用いることもできる。本発明においてエチ
レン・α-オレフィン共重合体(A)および(B)の共
重合の際に用いられる担体は、無機あるいは有機の化合
物であって、粒径が10〜300μm、好ましくは20
〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体が使用さ
れる。このうち無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2
TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2
またはこれらの混合物、たとえばSiO2-MgO、Si
2-Al2 3、SiO2-TiO2、SiO2-V25、S
iO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgO等を例示する
ことができる。これらの中でSiO2およびAl23
らなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を主成分と
するものが好ましい。
【0084】なお、上記無機酸化物には少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO3
2、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し
つかえない。
【0085】このような担体はその種類および製法によ
り性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは1
00〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜2.
5cm3/gであることが望ましい。該担体は、必要に
応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700
℃で焼成して用いられる。
【0086】このような担体では、吸着水量が1.0重
量%未満、好ましくは0.5重量%未満であることが望
ましく、表面水酸基が1.0重量%以上、好ましくは
1.5〜4.0重量%、特に好ましくは2.0〜3.5
重量%であることが望ましい。
【0087】ここで、担体の吸着水量(重量%)および
表面水酸基量(重量%)は下記のようにして求められ
る。 [吸着水量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下で4
時間乾燥させたときの重量減少量を求め、乾燥前の重量
に対する百分率を吸着水量とする。 [表面水酸基量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下
で4時間乾燥して得られた担体の重量をX(g)とし、
さらに該担体を1000℃で20時間焼成して得られた
表面水酸基が消失した焼成物の重量をY(g)として、
下記式により計算する。
【0088】 表面水酸基量(重量%)={(X−Y)/X}×100 さらに、本発明に用いることのできる担体としては、粒
径が10〜300μmである有機化合物の顆粒状ないし
は微粒子状固体を挙げることができる。これら有機化合
物としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチ
ル-1-ペンテンなどの炭素原子数2〜14のα-オレフィ
ンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニ
ルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される
重合体もしくは共重合体を例示することができる。
【0089】本発明において共重合体(A)の共重合に
用いられる触媒は、上記有機アルミニウムオキシ化合物
(a)、遷移金属化合物(b-I)、遷移金属化合物(b
-II)、および担体から形成され、共重合体(B)の共
重合に用いられる触媒は、有機アルミニウムオキシ化合
物(a)、遷移金属化合物(b’)、および担体から形
成されるが、それぞれ必要に応じて有機アルミニウム化
合物(c)を含んでいてもよい。
【0090】必要に応じて用いられる(c)有機アルミ
ニウム化合物(以下「成分(c)」と記載することがあ
る。)としては、たとえば下記一般式[IV]で表される
有機アルミニウム化合物を例示することができる。
【0091】R1 nAlX3-n … [IV] (式中、R1 は炭素原子数1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜
3である。) 上記一般式[IV]において、R1 は炭素原子数1〜12
の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0092】このような有機アルミニウム化合物(c)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0093】また有機アルミニウム化合物(c)とし
て、下記一般式[V]で表される化合物を用いることも
できる。 R1 nAlY3-n … [V] (式中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2基、−
OSiR3 3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−SiR
6 3基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2
であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチ
ルシリル基などであり、R6 およびR7 はメチル基、エ
チル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (1)R1 nAl(OR23-n で表される化合物、たと
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、 (2)R1 nAl(OSiR3 33-n で表される化合物、
たとえばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2
l(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiE
3)など; (3)R1 nAl(OAlR4 23-n で表される化合物、
たとえばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlO
Al(iso-Bu)2 など; (4) R1 nAl(NR5 23-n で表される化合物、たと
えばMe2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2Al
NHEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
AlN(SiMe32 など; (5)R1 nAl(SiR6 33-n で表される化合物、た
とえば(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)R1 nAl(N(R7)AlR8 23-n で表される
化合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2 、(i
so-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0094】上記一般式[IV]および[V]で表される
有機アルミニウム化合物の中では、一般式R1 3Al、R
1 nAl(OR23-n 、R1 nAl(OAlR4 23-n
表わされる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基
であり、n=2である化合物が好ましい。
【0095】本発明でエチレン・α-オレフィン共重合
体(A)の製造に用いられるオレフィン重合用触媒
(A)としては、上記のような成分(a)、成分(b)
および担体、必要に応じて成分(c)を接触させること
により調製される触媒〔固体触媒(A)〕が好ましく用
いられる。
【0096】成分(a)〜成分(c)および担体を接触
させる際の順序は任意に選ばれるが、好ましくは担体と
成分(a)とを混合接触させ、次いで成分(b)を混合
接触させ、さらに必要に応じて成分(c)を混合接触さ
せる。なお成分(b)は、該成分(b)を形成する2種
以上の遷移金属化合物を予め混合した後、他の成分と混
合接触させることが好ましい。
【0097】上記成分(a)〜成分(c)および担体の
接触は、不活性炭化水素媒体中で行うことができ、触媒
の調製に用いられる不活性炭化水素媒体として具体的に
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリ
ド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化
炭化水素あるいはこれらの混合物などを挙げることがで
きる。
【0098】成分(a)、成分(b)、担体および必要
に応じて成分(c)を混合接触するに際して、成分
(b)は担体1g当り、通常5×10-6〜5×10-4
ル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量で用いら
れ、成分(b)の濃度は、約10-4〜2×10-2モル/
リットル(媒体)、好ましくは2×10-4〜10-2モル
/リットル(媒体)の範囲である。成分(a)のアルミ
ニウムと成分(b)中の遷移金属との原子比(Al/遷
移金属)は、通常10〜500、好ましくは20〜20
0である。必要に応じて用いられる成分(c)のアルミ
ニウム原子(Al-c)と成分(a)のアルミニウム原子
(Al-a)の原子比(Al-c/Al-a)は、通常0.02
〜3、好ましくは0.05〜1.5の範囲である。成分
(a)、成分(b)および担体、必要に応じて成分
(c)を混合接触する際の混合温度は、通常−50〜1
50℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時間
は1分〜50時間、好ましくは10分〜25時間であ
る。
【0099】上記のようにして得られた固体触媒(A)
〔固体触媒成分(A)〕は、担体1g当り成分(b)に
由来する遷移金属原子が5×10-6〜5×10-4グラム
原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原子の量で
担持され、また担体1g当り成分(a)および成分
(c)に由来するアルミニウム原子が10-3〜5×10
-2グラム原子、好ましくは2×10-3〜2×10-2グラ
ム原子の量で担持されていることが望ましい。
【0100】オレフィン重合用触媒(A)は、上記のよ
うな成分(a)、成分(b)、担体および必要に応じて
成分(c)の存在下にオレフィンを予備重合させて得ら
れる触媒〔予備重合触媒(A)〕であってもよい。予備
重合は、上記のような成分(a)、成分(b)、担体の
存在下、必要に応じて成分(c)の共存下、不活性炭化
水素媒体中にオレフィンを導入することにより行うこと
ができる。なお上記成分(a)、(b)および担体から
前記固体触媒成分(A)が形成されていることが好まし
い。この場合、固体触媒成分(A)に加えて、さらに担
体に担持されていない成分(a)および/または成分
(c)を添加してもよい。
【0101】予備重合の際に用いられるオレフィンとし
ては、エチレンおよび炭素原子数が3〜20のα-オレ
フィン、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、
4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセンなどを例示すること
ができる。これらの中では、エチレン、またはエチレン
と重合の際に用いられるα-オレフィンとの組合せが特
に好ましい。
【0102】予備重合する際には、上記成分(b)は、
該成分(b)に由来する遷移金属原子に換算して通常1
-6〜2×10-2モル/リットル(媒体)、好ましくは
5×10-5〜10-2モル/リットル(媒体)の量で用い
られ、成分(b)は担体1g当り、通常5×10-6〜5
×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モルの量
で用いらる。成分(a)のアルミニウムと成分(b)中
の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常10
〜500、好ましくは20〜200である。必要に応じ
て用いられる成分(c)のアルミニウム原子(Al-c)
と成分(a)のアルミニウム原子(Al-a)の原子比
(Al-c/Al-a)は、通常0.02〜3、好ましくは
0.05〜1.5の範囲である。予備重合温度は−20
〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合
時間は0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間程
度である。
【0103】予備重合触媒(A)は、たとえば下記のよ
うにして調製される。すなわち、担体を不活性炭化水素
で懸濁状にする。次いで、この懸濁液に有機アルミニウ
ムオキシ化合物〔成分(a)〕を加え、所定の時間反応
させる。その後上澄液を除去し、得られた固体成分を不
活性炭化水素で再懸濁化する。この系内へ遷移金属化合
物〔成分(b)〕を加え、所定時間反応させた後、上澄
液を除去し固体触媒成分を得る。続いて有機アルミニウ
ム化合物〔成分(c)〕を含有する不活性炭化水素に、
上記で得られた固体触媒成分を加え、そこへオレフィン
を導入することにより、予備重合触媒(A)を得る予備
重合で生成するオレフィン重合体は、担体1g当り0.
1〜500g、好ましくは0.2〜300g、より好ま
しくは0.5〜200gの量であることが望ましい。ま
た、予備重合触媒(A)には、担体1g当り成分(b)
は遷移金属原子として約5×10-6〜5×10-4グラム
原子、好ましくは10-5〜2×10 -4グラム原子の量で
担持され、成分(a)および成分(c)に由来するアル
ミニウム原子(Al)は、成分(b)に由来する遷移金
属原子(M)に対するモル比(Al/M)で、5〜20
0、好ましくは10〜150の範囲の量で担持されてい
ることが望ましい。
【0104】予備重合は、回分式あるいは連続式のいず
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.2〜7dl/gの範囲、好ましくは
0.5〜5dl/gであるような予備重合体を製造する
ことが望ましい。
【0105】本発明でエチレン・α-オレフィン共重合
体(B)の製造に用いられるオレフィン重合用触媒
(B)としては、上記のような成分(a)、成分
(b’)および担体、必要に応じて成分(c)を接触さ
せることにより調製される触媒〔固体触媒(B)〕が用
いられる。固体触媒(B)は、成分(a)、成分
(b’)および担体、必要に応じて成分(c)を用いて
前記固体触媒(A)と同様にして調製することができ
る。
【0106】固体触媒(B)〔固体触媒成分(B)〕
は、担体1g当り成分(b’)に由来する遷移金属原子
が5×10-6〜5×10-4グラム原子、好ましくは10
-5〜2×10-4グラム原子の量で担持され、また担体1
g当り成分(a)および成分(c)に由来するアルミニ
ウム原子が10-3〜5×10-2グラム原子、好ましくは
2×10-3〜2×10-2グラム原子の量で担持されてい
ることが望ましい。
【0107】オレフィン重合用触媒(B)は、上記のよ
うな成分(a)、成分(b’)、担体および必要に応じ
て成分(c)の存在下にオレフィンを予備重合させて得
られる触媒〔予備重合触媒(B)〕であってもよい。予
備重合触媒(B)は、成分(a)、成分(b’)、担体
および必要に応じて成分(c)を用いて予備重合触媒
(A)と同様にして調製することができる。
【0108】予備重合触媒(B)は、たとえば下記のよ
うにして調製される。すなわち、担体を不活性炭化水素
で懸濁状にする。次いで、この懸濁液に有機アルミニウ
ムオキシ化合物〔成分(a)〕を加え、所定の時間反応
させる。その後上澄液を除去し、得られた固体成分を不
活性炭化水素で再懸濁化する。この系内へ遷移金属化合
物〔成分(b’)〕を加え、所定時間反応させた後、上
澄液を除去し固体触媒成分を得る。続いて有機アルミニ
ウム化合物〔成分(c)〕を含有する不活性炭化水素
に、上記で得られた固体触媒成分を加え、そこへオレフ
ィンを導入することにより、予備重合触媒(B)を得
る。
【0109】予備重合で生成するオレフィン重合体は、
担体1g当り0.1〜500g、好ましくは0.2〜3
00g、より好ましくは0.5〜200gの量であるこ
とが望ましい。また、予備重合触媒(B)には、担体1
g当り成分(b’)は遷移金属原子として約5×10-6
〜5×10-4グラム原子、好ましくは10-5〜2×10
-4グラム原子の量で担持され、成分(a)および成分
(c)に由来するアルミニウム原子(Al)は、成分
(b’)に由来する遷移金属原子(M)に対するモル比
(Al/M)で、5〜200、好ましくは10〜150
の範囲の量で担持されていることが望ましい。
【0110】本発明のエチレン系共重合体組成物を形成
するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、前記
オレフィン重合用触媒(A)の存在下に、エチレンと、
炭素原子数が3〜20のα-オレフィン、たとえばプロ
ピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル
-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-
テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エ
イコセンとを共重合することによって得られる。
【0111】エチレンとα-オレフィンとの共重合は、
気相であるいはスラリー状の液相で行われる。スラリー
重合においては、不活性炭化水素を媒体としてもよい
し、オレフィン自体を媒体とすることもできる。
【0112】スラリー重合において用いられる不活性炭
化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、イソ
ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化
水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;
ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などが挙げられ
る。これら不活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水
素、脂環族系炭化水素、石油留分などが好ましい。
【0113】スラリー重合法または気相重合法で実施す
る際には、オレフィン重合用触媒(A)は、重合反応系
内の遷移金属原子の濃度として、通常10-8〜10-3
ラム原子/リットル、好ましくは10-7〜10-4グラム
原子/リットルの量で用いられることが望ましい。
【0114】また重合に際して、担体に担持されている
有機アルミニウムオキシ化合物〔成分(a)〕および有
機アルミニウム化合物〔成分(c)〕に加えて、さらに
担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物および
/または有機アルミニウム化合物を用いてもよい。この
場合、担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物
および/または有機アルミニウム化合物に由来するアル
ミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(b)に由来
する遷移金属原子(M)との原子比(Al/M)は、5
〜300、好ましくは10〜200、より好ましくは1
5〜150の範囲である。
【0115】スラリー重合法を実施する際には、重合温
度は、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の
範囲であり、気相重合法を実施する際には、重合温度
は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範
囲である。
【0116】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。
【0117】本発明のエチレン系共重合体組成物を形成
するエチレン・α-オレフィン共重合体(B)は、前記
オレフィン重合用触媒(B)の存在下に、エチレンと、
炭素原子数が3〜20のα-オレフィンとを共重合する
ことによって得られる。炭素原子数3〜30のα-オレ
フィンとしては上記と同様のものが挙げられる。
【0118】エチレンとα-オレフィンとの共重合は、
気相であるいはスラリー状の液相で行われる。スラリー
重合においては、不活性炭化水素を媒体としてもよい
し、オレフィン自体を媒体とすることもできる。
【0119】スラリー重合において用いられる不活性炭
化水素媒体としては、前記と同様のものが挙げられる。
これら不活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水素、脂
環族系炭化水素、石油留分などが好ましい。
【0120】スラリー重合法または気相重合法で実施す
る際には、オレフィン重合用触媒(B)は、重合反応系
内の遷移金属原子の濃度として、通常10-8〜10-3
ラム原子/リットル、好ましくは10-7〜10-4グラム
原子/リットルの量で用いられることが望ましい。
【0121】また重合に際して、担体に担持されている
有機アルミニウムオキシ化合物〔成分(a)〕および有
機アルミニウム化合物〔成分(c)〕に加えて、さらに
担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物および
/または有機アルミニウム化合物を用いてもよい。この
場合、担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物
および/または有機アルミニウム化合物に由来するアル
ミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(b’)に由
来する遷移金属原子(M)との原子比(Al/M)は、
5〜300、好ましくは10〜200、より好ましくは
15〜150の範囲である。
【0122】スラリー重合法を実施する際には、重合温
度は、通常−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の
範囲であり、気相重合法を実施する際には、重合温度
は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範
囲である。
【0123】重合圧力は、通常常圧ないし100kg/
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。
【0124】[エチレン・α-オレフィン共重合体組成
物]本発明に係るエチレン系共重合体組成物を形成する
エチレン・α-オレフィン共重合体組成物(I)は、前
記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エチレ
ン・α-オレフィン共重合体(B)とからなり、エチレ
ン・α-オレフィン共重合体(A)は20〜90重量
%、好ましくは40〜75重量%の割合で含まれ、エチ
レン・α-オレフィン共重合体(B)は10〜80重量
%、好ましくは25〜60重量%の割合で含まれること
が望ましい。(ただし、エチレン・α-オレフィン共重
合体(A)とエチレン・α-オレフィン共重合体(B)
とは同一ではない) エチレン・α-オレフィン共重合体(A)および(B)
は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の密度
と、エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の密度と
の比〔(A)/(B)〕が好ましくは1未満、より好ま
しくは0.930〜0.999となるように組み合わせ
て用いられる。
【0125】このようなエチレン・α-オレフィン共重
合体組成物(I)は、下記(i)〜(vi)に示すような
特性を有することが好ましい。 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 、好ま
しくは0.890〜0.955g/cm3 、より好まし
くは0.900〜0.950g/cm3 の範囲であるこ
とが望ましい。
【0126】(ii)190℃、2.16kg荷重におけ
る該組成物のメルトフローレート(MFR)が0.1〜
100g/10分、好ましくは0.2〜50g/10分の範
囲であることが望ましい。
【0127】(iii)190℃におけるメルトテンショ
ン〔MT(g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/
10分)〕とが、 MT≧2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0128】(iv)190℃における応力が2.4×1
6 dyne/cm2に到達する時のずり速度で定義される
流動インデックス〔FI(1/秒)〕とメルトフローレ
ート〔MFR(g/10分)〕とが、 FI>100×MFR 好ましくは FI>130×MFR より好ましくは FI>150×MFR で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0129】(v)示差走査型熱量計(DSC)により
測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm
(℃)〕と密度〔d(g/cm3 )〕とが、 Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0130】(vi)室温におけるn-デカン可溶成分量
分率〔W(重量%)〕と密度〔d(g/cm3 )〕と
が、 MFR≦10g/10分のとき、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 好ましくは W<60×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 MFR>10g/10分のとき W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−
0.88))+0.1 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0131】エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(I)は、公知の方法を利用して製造することができ、
たとえば、下記のような方法で製造することができる。 (1)エチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、エ
チレン・α-オレフィン共重合体(B)、および所望に
より添加される他成分を、押出機、ニーダー等を用いて
機械的にブレンドする方法。
【0132】(2)エチレン・α-オレフィン共重合体
(A)と、エチレン・α-オレフィン共重合体(B)、
および所望により添加される他成分を適当な良溶媒(た
とえば;ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化水素溶
媒)に溶解し、次いで溶媒を除去する方法。
【0133】(3)エチレン・α-オレフィン共重合体
(A)と、エチレン・α-オレフィン共重合体(B)、
および所望により添加される他成分を適当な良溶媒にそ
れぞれ別個に溶解した溶液を調製した後混合し、次いで
溶媒を除去する方法。
【0134】(4)上記(1)〜(3)の方法を組み合
わせて行う方法。 さらに、エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(I)は、1個または複数の重合器を用いて、共重合を
反応条件の異なる2段以上に分けて、エチレン・α-オ
レフィン共重合体(A)およびエチレン・α-オレフィ
ン共重合体(B)を共重合することにより製造すること
ができ、また、複数の重合器を用い、それぞれの重合器
でエチレン・α-オレフィン共重合体(A)およびエチ
レン・α-オレフィン共重合体(B)を共重合すること
により製造することもできる。
【0135】[高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(I
I)]次に本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレンについて具体的に説明する。
【0136】本発明で用いられる高圧ラジカル法低密度
ポリエチレンは、いわゆる高圧ラジカル重合により製造
される長鎖分岐を有する分岐の多いポリエチレンであ
り、ASTM D1238-65T に従い190℃、2.16k
g荷重の条件下に測定されるMFRが0.01〜100
g/10分、好ましくは0.05〜10g/10分、より好
ましくは、0.1〜8g/10分の範囲であることが望ま
しい。
【0137】また、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
は、密度(d)が0.910〜0.930g/cm3
範囲にあることが望ましい。密度は、190℃における
2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測
定時に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し
1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定
される。
【0138】さらに、高圧ラジカル法低密度ポリエチレ
ンは、長鎖分岐の度合を表わすスウェル比、すなわち毛
細式流れ特性試験機を用い、190℃の条件下で内径
(D)2.0mm、長さ15mmのノズルより押出速度
10mm/分で押し出したストランドの径(Ds)と、
ノズル内径Dとの比(Ds/D)が1.3以上であるこ
とが望ましい。
【0139】なお、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他のα-
オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等の重合
性単量体との共重合体であってもよい。
【0140】[エチレン系共重合体組成物]本発明に係
るエチレン系共重合体組成物は、前記エチレン・α-オ
レフィン共重合体組成物(I)と、高圧ラジカル法低密
度ポリエチレン(II)とからなり、エチレン・α-オレ
フィン共重合体組成物(I)と、高圧ラジカル法低密度
ポリエチレン(II)との重量比〔(I):(II)〕が9
9:1〜60:40の範囲にあることが好ましく、さら
に好ましくは98:2〜70:30の範囲であり、特に
好ましくは98:2〜80:20の範囲にあることが望
ましい。
【0141】上記範囲よりも高圧ラジカル法低密度ポリ
エチレンが少ないと、透明性、溶融張力等の改質効果が
不充分なことがあり、また上記範囲よりも多いと、引張
強度、耐ストレスクラック性等が大きく低下することが
ある。
【0142】本発明のエチレン系共重合体組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱
安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老
化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に
応じて配合されていてもよい。
【0143】本発明のエチレン系共重合体組成物は、公
知の方法を利用して製造することができ、たとえば、下
記のような方法で製造することができる。 (1)エチレン・α-オレフィン共重合体組成物(I)
と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(II)、および
所望により添加される他成分を、押出機、ニーダー等を
用いて機械的にブレンドする方法。
【0144】(2)エチレン・α-オレフィン共重合体
組成物(I)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(II)、および所望により添加される他成分を適当な良
溶媒(たとえば;ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の炭化
水素溶媒)に溶解し、次いで溶媒を除去する方法。
【0145】(3)エチレン・α-オレフィン共重合体
組成物(I)と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(II)、および所望により添加される他成分を適当な良
溶媒にそれぞれ別個に溶解した溶液を調製した後混合
し、次いで溶媒を除去する方法。
【0146】(4)上記(1)〜(3)の方法を組み合
わせて行う方法。 本発明のエチレン系共重合体組成物は、通常の空冷イン
フレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成
形、高速インフレーション成形、T−ダイフィルム成
形、水冷インフレーション成形等で加工することによ
り、フィルムを得ることができる。このようにして成形
されたフィルムは、光学特性および/または機械的強度
に優れ、通常のLLDPEの特徴であるヒートシール
性、ホットタック性、耐熱性等を有している。また、エ
チレン・α-オレフィン共重合体(A)および(B)の
組成分布が極めて狭いため、フィルム表面のべたつきも
ない。更にメルトテンションが高いため、インフレーシ
ョン成形時のバブル安定性に優れる。
【0147】本発明のエチレン系共重合体組成物を加工
することにより得られるフィルムは、規格袋、重袋、ラ
ップフィルム、ラミ原反、砂糖袋、油物包装袋、水物包
装袋、食品包装用等の各種包装用フィルム、輸液バッ
グ、農業用資材等に好適である。また、ナイロン、ポリ
エステル等の基材と貼り合わせて、多層フィルムとして
用いることもできる。さらにブロー輸液バッグ、ブロー
ボトル、押出形成によるチューブ、パイプ、引きちぎり
キャップ、日用雑貨品など射出成形物、繊維、回転成形
による大型成形品などにも用いることができる。
【0148】
【発明の効果】本発明のエチレン系共重合体組成物は、
有機アルミニウムオキシ化合物と、少なくとも2種の特
定の遷移金属化合物とを含む触媒により生成され得るエ
チエン・α-オレフィン共重合体(A)および有機アル
ミニウムオキシ化合物と遷移金属化合物とを含む触媒に
より生成され得るエチエン・α-オレフィン共重合体
(B)からなるエチレン・α-オレフィン共重合体組成
物と、高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレンから
形成されているので成形性に優れている。このようなエ
チレン系共重合体組成物からは、ヘイズ、グロスなどの
光学特性および/またはフィルムインパクトなどの機械
的強度に優れたフィルムを製造することができる。
【0149】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0150】なお、本発明においてフィルムの物性評価
は下記のようにして行った。 [ヘイズ(曇度)]ASTM-D-1003-61にしたがって測定し
た。
【0151】[グロス(光沢)]JIS Z8741に
したがって測定した。 [フィルムインパクト]東洋精機製作所製振子式フィル
ム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター)により測
定した。
【0152】
【製造例1】エチレン・1-ヘキセン共重合体の重合 [触媒成分の調製]250℃で10時間乾燥したシリカ
5.0kgを80リットルのトルエンで懸濁状にした
後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサン
のトルエン溶液(Al;1.33モル/リットル)2
8.7リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温
度を0℃に保った。引続き0℃で30分間反応させ、次
いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で4
時間反応させた。その後60℃まで降温し上澄液をデカ
ンテーション法により除去した。
【0153】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁化
した。この系内へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;34.0ミリモル/リットル)7.4リットル
およびエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リドのトルエン溶液(Zr;1.92ミリモル/リット
ル)14.6リットルを80℃で30分間かけて滴下
し、更に80℃で2時間反応させた。その後、上澄液を
除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当り
3.4mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
【0154】[予備重合触媒の調製]1.7モルのトリ
イソブチルアルミニウムを含有する85リットルのヘキ
サンに、上記で得られた固体触媒0.85kgおよび1-
ヘキセン76.5gを加え、35℃で2時間エチレンの
予備重合を行うことにより、固体触媒1g当り3gのポ
リエチレンが予備重合された予備重合触媒を得た。
【0155】[重合]連続式流動床気相重合装置を用
い、全圧20kg/cm2−G、重合温度70℃でエチ
レンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製した
予備重合触媒をジルコニウム原子換算で0.16ミリモ
ル/h、トリイソブチルアルミニウムを10ミリモル/
hの割合で連続的に供給し、重合の間一定のガス組成を
維持するためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連
続的に供給した(ガス組成;1-ヘキセン/エチレン=
0.030、水素/エチレン=4.3×10-4、エチレ
ン濃度=25%)。
【0156】このようにして得られたエチレン・1-ヘキ
セン共重合体(A−1)の収量は6.2kg/hであ
り、MFRが0.44g/10分であり、密度が0.91
5g/cm3であり、室温におけるデカン可溶部が0.
45重量%であった。
【0157】
【実施例1】上記製造例1により製造したエチレン・1-
ヘキセン共重合体(A−1)および、上記製造例1とガ
ス組成比以外は同様にして重合したエチレン・1-ヘキセ
ン共重合体(B−1)を重量比(A−1)/(B−1)
=60/40で溶融混練してエチレン・α-オレフィン
共重合体組成物(L−1)を得た。エチレン・1-ヘキセ
ン共重合体(B−1)の物性を表1に示し、エチレン・
α-オレフィン共重合体組成物(L−1)の物性を表2
に示す。
【0158】エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(L−1)および、表3に示す高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレン(H−1)を混合比(L−1/H−1)=9
0/10でドライブレンドし、更に樹脂部100重量部
に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチ
ルフェニル)フォスフェートを0.05重量部、耐熱安
定剤としてのn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'
-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートを0.1重量
部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.
05重量部配合した。しかる後にハーケ社製コニカルテ
ーパー状2軸押出機を用い、設定温度180℃で混練し
てエチレン系共重合体組成物を得た。
【0159】上記で得られたエチレン系共重合体組成物
を用い、20mmφ・L/D=26の単軸押出機、25
mmφのダイ、リップ幅0.7mm、一重スリットエア
リングを用い、エア流量=90リットル/分、押出量=
9g/分、ブロー比=1.8、引き取り速度=2.4m
/分、加工温度=200℃条件下で、厚み30μmのフ
ィルムをインフレーション成形した。
【0160】エチレン系共重合体組成物の溶融物性およ
びフィルム物性を表4に示す。成形性(MT)、高剪断
域における流動性(FI)に優れ、光学特性、フィルム
インパクトに優れたインフレーションフィルムが得られ
た。
【0161】
【参考例1】実施例1で得られたエチレン・α-オレフ
ィン共重合体組成物(L−1)を用いて、実施例1と同
様にしてインフレーション成形により厚み30μmのフ
ィルムを成形した。エチレン系共重合体組成物の溶融物
性およびフィルム物性を表4に示す。
【0162】実施例1および参考例1から、実施例1は
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンをブレンドすること
により、成形性(MT)およびフィルムの光学特性が向
上したことがわかる。
【0163】
【比較例1】製造例1において、触媒成分中のジルコニ
ウム化合物として、ビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのみを用い、導
入する混合ガスの組成を変えた以外は製造例1と同様に
して得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体(A−2)
および(B−2)を重量比(A−2)/(B−2)=6
0/40で溶融混練してエチレン・α-オレフィン共重
合体組成物(L−2)を得た。エチレン・α-オレフィ
ン共重合体組成物(L−2)の物性を表2に示す。
【0164】エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(L−2)および、表3に示す高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレン(H−1)を混合比(L−2/H−1)=9
0/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶融混
練することによりエチレン系共重合体組成物を得た。
【0165】このエチレン系共重合体組成物を用いて、
実施例1と同様にしてインフレーション成形により厚み
30μmのフィルムを成形した。エチレン系共重合体組
成物の溶融物性およびフィルム物性を表4に示す。
【0166】
【比較例2】比較例1で得られたエチレン・α-オレフ
ィン共重合体組成物(L−2)を用いて、実施例1と同
様にしてインフレーション成形により厚み30μmのフ
ィルムを成形した。エチレン系共重合体組成物の溶融物
性およびフィルム物性を表4に示す。
【0167】実施例1、参考例1および比較例1、2か
ら、実施例1では高圧ラジカル法低密度ポリエチレンを
ブレンドすることによる成形性(MT)向上が大きいこ
とがわかる。
【0168】
【比較例3】製造例1において、触媒成分中のジルコニ
ウム化合物の混合比を表1のように変更した以外は製造
例1と同様の方法で得られたエチレン・1-ヘキセン共重
合体(A−3)およびエチレン・1-ヘキセン共重合体
(B−3)を重量比(A−3)/(B−3)=60/4
0で溶融混練してエチレン・α-オレフィン共重合体組
成物(L−3)を得た。エチレン・α-オレフィン共重
合体組成物(L−3)の物性を表2に示す。
【0169】エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(L−3)および、表3に示す高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレン(H−1)を混合比(L−3/H−1)=9
0/10でドライブレンドし、実施例1と同様に溶融混
練することによりエチレン系共重合体組成物を得た。こ
のエチレン系共重合体組成物を用いて、実施例1と同様
にしてインフレーション成形により厚み30μmのフィ
ルムを成形した。エチレン系共重合体組成物の溶融物性
およびフィルム物性を表4に示す。
【0170】
【比較例4】実施例2で得られたエチレン・α-オレフ
ィン共重合体組成物(L−3)を用いて、実施例1と同
様にしてインフレーション成形により厚み30μmのフ
ィルムを成形した。エチレン系共重合体組成物の溶融物
性およびフィルム物性を表4に示す。
【0171】比較例3は、実施例に比べてインフレフル
ムの透明性が悪い。
【0172】
【実施例2】上記製造例1で得られたエチレン・1-ヘキ
セン共重合体(A−1)と、前記エチレン・1-ヘキセン
共重合体(B−2)を重量比(A−1)/(B−2)=
70/30で溶融混練してエチレン・α-オレフィン共
重合体組成物(L−4)を得た。エチレン・α-オレフ
ィン共重合体組成物(L−4)の物性を表2に示す。
【0173】エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
(L−1)の代わりにエチレン・α-オレフィン共重合
体組成物(L−4)を用いた以外は実施例1と同様にし
てエチレン系共重合体組成物を得た。このエチレン系共
重合体組成物を用いて、実施例1と同様にしてインフレ
ーション成形により厚み30μmのフィルムを成形し
た。エチレン系共重合体組成物の溶融物性およびフィル
ム物性を表4に示す。
【0174】成形性(MT)、高剪断域における流動性
(FI)に優れ、光学特性、フィルムインパクトに優れ
たインフレーションフィルムが得られた。
【0175】
【参考例2】比較例3で得られたエチレン・α-オレフ
ィン共重合体組成物(L−4)を用いて、実施例1と同
様にしてインフレーション成形により厚み30μmのフ
ィルムを成形した。エチレン系共重合体組成物の溶融物
性およびフィルム物性を表4に示す。
【0176】実施例2および参考例2から、実施例2は
高圧ラジカル法低密度ポリエチレンをブレンドすること
により、成形性(MT)およびフィルムの光学特性が向
上したことがわかる。
【0177】
【表1】
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 堂 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)(a)有機アルミニウムオキシ化合
    物と、(b-I)下記一般式[b-I]で表される遷移金属
    化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物と、 ML1 X … [b-I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
    子を示し、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子を示
    し、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
    ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
    エチルシクロペンタジエニル基であるか、または炭素原
    子数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種
    の基を有する置換シクロペンタジエニル基であり、(置
    換)シクロペンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素
    原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロ
    キシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子または水
    素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を示す) (b-II)下記一般式[b-II]で表される遷移金属化合
    物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含み、 ML2 X … [b-II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
    子を示し、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
    り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、置換
    基を有していてもよいシクロペンタジエニル骨格を有す
    る配位子であり、これらの基は、炭化水素基、シリレン
    基または置換シリレン基を介して結合されており、シク
    ロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子L2
    は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、
    アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、ハロゲン原子
    または水素原子であり、Xは遷移金属原子Mの原子価を
    示す)前記遷移金属化合物(b-I)と前記遷移金属化合
    物(b-II)とのモル比〔(b-I)/(b-II)〕が99
    /1〜80/20の範囲にあるオレフィン重合用触媒の
    存在下にエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィ
    ンとを共重合させることにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
    にあり、 (ii)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.4〜8dl/gの範囲にあり、 (iii)190℃におけるメルトテンション〔MT
    (g)〕とメルトフローレート〔MFR(g/10分)〕
    が MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
    合体(A)20〜90重量%と、(a)有機アルミニウ
    ムオキシ化合物と、(b’)シクロペンタジエニル骨格
    を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物
    とを含むオレフィン重合用触媒の存在下にエチレンと炭
    素原子数3〜20のα-オレフィンとを共重合させるこ
    とにより得られ、 (i)密度が0.850〜0.980g/cm3 の範囲
    にあり、 (ii)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
    が0.4〜8dl/gの範囲にあるエチレン・α-オレフ
    ィン共重合体(B)10〜80重量%とからなるエチレ
    ン・α-オレフィン共重合体組成物(ただし、エチレン
    ・α-オレフィン共重合体(A)とエチレン・α-オレフ
    ィン共重合体(B)とは同一ではない)と、 (II)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
    ーレート(MFR)が0.01〜100g/10分の範囲
    にある高圧法ラジカル法による低密度ポリエチレンから
    なり、 上記(I)エチレン・α-オレフィン共重合体組成物
    と、上記(II)低密度ポリエチレンとの重量比
    〔(I):(II)〕が99:1〜60:40の範囲にあ
    ることを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
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