JPH06207056A - エチレン系共重合体組成物 - Google Patents
エチレン系共重合体組成物Info
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- JPH06207056A JPH06207056A JP5290720A JP29072093A JPH06207056A JP H06207056 A JPH06207056 A JP H06207056A JP 5290720 A JP5290720 A JP 5290720A JP 29072093 A JP29072093 A JP 29072093A JP H06207056 A JPH06207056 A JP H06207056A
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Abstract
も2種の特定の遷移金属化合物とを含むオレフィン重合
用触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のオレフィ
ンを共重合させることにより得られ、特定の物性を有す
るエチレン・α-オレフィン共重合体[A]と、高圧ラ
ジカル法による低密度ポリエチレン[B]とからなり、
上記共重合体[A]と、上記低密度ポリエチレン[B]
との重量比([A]:[B])が、99:1〜60:4
0の範囲内にあることを特徴とするエチレン系共重合体
組成物。 【効果】 溶融張力、高剪断域における流動性に優れ、
かつ透明性、機械的強度に優れたフィルムを製造するこ
とができる。
Description
物に関し、さらに詳しくは、従来公知のエチレン系共重
合体またはエチレン系共重合体組成物と比較して透明性
および機械的強度に優れたフィルムを製造でき、しかも
成形性に優れたエチレン系共重合体組成物に関するもの
である。
形方法により成形され、多方面の用途に供されている。
エチレン系共重合体は、成形方法や用途に応じて要求さ
れる特性も異なってくる。例えばインフレーションフィ
ルムを高速で成形しようとする場合、バブルのゆれ、あ
るいはちぎれがなく、安定して高速成形を行うために
は、エチレン系共重合体として分子量の割にはメルトテ
ンション(溶融張力)の大きいものを選択しなければな
らない。同様の特性が中空成形における垂れ下りまたは
ちぎれを防止するために、あるいはTダイ成形における
幅落ちを最小限に押えるために必要である。
エチレンは、チーグラー型触媒を用いて製造したエチレ
ン系共重合体と比較して、溶融張力が大きいためフィル
ムや中空容器などの用途に供せられている。しかし高圧
ラジカル法低密度ポリエチレンは、引張強度、引裂強度
あるいは耐衝撃強度などの機械的強度に劣り、しかも耐
熱性、耐ストレスクラック性なども劣っている。
媒を用いて得られるエチレン系重合体のメルトテンショ
ン(溶融張力)や膨比(ダイスウエル比)を向上させて
成形性の向上を図る方法が、特開昭56-90810号
公報あるいは特開昭60-106806号公報などに提
案されている。しかし一般にチタン系触媒を用いて得ら
れるエチレン系重合体、特に低密度エチレン系共重合体
では、組成分布が広く、フィルムなどの成形体はベタつ
きがあるなどの問題点があった。
るエチレン系重合体の中でも、クロム系触媒を用いて得
られるエチレン系重合体は、メルトテンションは比較的
高いが、熱安定性が劣るという短所がある。これは、ク
ロム系触媒を用いて製造されるエチレン系重合体の鎖末
端が不飽和結合になりやすいためと考えられる。
媒系を用いて得られるエチレン系重合体では、組成分布
が狭くフィルムなどの成形体はベタつきが少ないなどの
長所があることが知られている。しかしながら、例えば
特開昭60−35007号公報では、シクロペンタジエ
ニル誘導体を配位子として含むジルコノセン化合物を触
媒として用いて得られるエチレン系重合体は、1分子当
り1個の末端不飽和結合を含むという記載があり、上記
クロム系触媒を用いて得られるエチレン系重合体同様、
熱安定性が悪いことが予想される。
安定性が良好で、機械的強度に優れ、かつ組成分布の狭
いようなエチレン系共重合体が出現すれば、その工業的
価値は極めて大きい。
されたものであって、成形性に優れ、透明性、機械的強
度に優れたフィルムを製造し得るようなエチレン系共重
合体組成物を提供することを目的としている。
組成物は、 [A1](a)有機アルミニウムオキシ化合物と、少な
くとも2種の(b)シクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物とを、含
むオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素数
3〜20のα-オレフィンとを共重合させることにより
得られる共重合体であって、(i)密度が0.850〜
0.980g/cm3 の範囲にあり、(ii)190℃、
2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MF
R)が0.01〜200g/10分の範囲にあり、(ii
i)190℃におけるメルトテンション(MT(g))
とメルトフローレート(MFR)とが MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たし、(iv)溶融共重合体の190
℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2に到達
する時のずり速度で定義される流動性インデックス(F
I(1/秒))とメルトフローレート(MFR)とが FI<150×MFR で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
合体と、 [B]メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
0g/10分の範囲内にある高圧ラジカル法による低密
度ポリエチレンからなり、 上記エチレン・α-オレフィン共重合体[A1]と、上
記高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量比
([A1]:[B])が、99:1〜60:40の範囲
内にあることを特徴としている。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律
表第IV族の遷移金属化合物が、下記一般式[I]で表さ
れる遷移金属化合物から選ばれる少なくとも1種と、 ML1 X … [I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子あり、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、または炭素数3〜10
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基を有する
置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シクロペ
ンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素数1〜12の
炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアル
キルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、X
は遷移金属Mの原子価である。) 下記一般式[II]で表される遷移金属化合物から選ばれ
る少なくとも1種と、 ML2 X … [II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、メチ
ル基およびエチル基から選ばれる置換基のみを2〜5個
有する置換シクロペンタジエニル基であり、置換シクロ
ペンタジエニル基以外の配位子L2は、炭素数1〜12
の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリア
ルキルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、
Xは遷移金属原子Mの原子価である。)であることが好
ましい。
成物は、 [A2]エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンと
の共重合体であって、(i)密度が0.850〜0.98
0g/cm3 の範囲にあり、(ii)190℃、2.16
kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.
01〜200g/10分の範囲にあり、(iii)190
℃におけるメルトテンション(MT(g))とメルトフ
ローレート(MFR)とが下記式 MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たし、(iv)溶融共重合体の190
℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2に到達
する時のずり速度で定義される流動性インデックス(F
I(1/秒))とメルトフローレート(MFR)とが FI<150×MFR で示される関係を満たし、(v)GPCで測定した分子
量分布(Mw/Mn)が1.5〜4の範囲にあり、(v
i)MT/(Mw/Mn)とFI/MFRとが MT/(Mw/Mn)>0.03×FI/MFR−3.0 (ただし、0.03×FI/MFR−3.0の値は、0未
満のとき0とする)で示される関係を満たすエチレン・
α-オレフィン共重合体と、 [B]メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
0g/10分の範囲内にある高圧ラジカル法による低密
度ポリエチレンからなり、 上記エチレン・α-オレフィン共重合体[A2]と、上
記高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量比
([A2]:[B])が、99:1〜60:40の範囲
内にあることを特徴としている。
成形性に優れ、かつ得られたフィルムは機械的強度に優
れ、しかも透明性に優れている。
重合体組成物について具体的に説明する。本発明に係る
第1のエチレン系共重合体組成物は、エチレン・α-オ
レフィン共重合体[A1]と高圧ラジカル法低密度ポリ
エチレン[B]とから形成され、本発明に係る第2のエ
チレン系共重合体組成物は、エチレン・α-オレフィン
共重合体[A2]と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
[B]とから形成されている。
発明に係るエチレン系共重合体組成物を構成するエチレ
ン・α-オレフィン共重合体[A1]および[A2]
は、エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとのラ
ンダム共重合体である。エチレンとの共重合に用いられ
る炭素数3〜20のα-オレフィンとしては、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センなどが挙げられる。
合体[A1]および[A2]では、エチレンから導かれ
る構成単位は、50〜100重量%、好ましくは55〜
99重量%、より好ましくは65〜98重量%、特に好
ましくは70〜96重量%の量で存在し、炭素数3〜2
0のα-オレフィンから導かれる構成単位は0〜50重
量%、好ましくは1〜45重量%、より好ましくは2〜
35重量%、最も好ましくは4〜30重量%の量で存在
することが望ましい。
は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500
Hz 、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.
の測定条件下で測定して決定される。
成物を形成するエチレン・α-オレフィン共重合体[A
1]は、下記(i)〜(iv)に示すような特性を有して
いることが好ましく、下記(i)〜(ix)に示すような
特性を有していることがより好ましい。また本発明に係
る第2のエチレン系共重合体組成物を形成するエチレン
・α-オレフィン共重合体[A2]は、下記(i)〜(v
i)に示すような特性を有していることが好ましく、下
記(i)〜(ix)に示すような特性を有していることが
より好ましい。
0g/cm3、好ましくは0.880〜0.960g/c
m3、より好ましくは0.890〜0.935g/cm3、
最も好ましくは0.905〜0.930g/cm3の範囲
にあることが望ましい。
16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時
に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1
時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定す
る。
0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜50
g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分の
範囲にあることが望ましい。
ASTM D1238-65T に従い190℃、2.16kg荷
重の条件下に測定される。 (iii)メルトテンション(MT(g))とメルトフロ
ーレート(MFR)とが MT>2.2×MFR-0.84 好ましくは 8.0×MFR-0.84 >MT>2.3×MFR-0.84 より好ましくは 7.5×MFR-0.84 >MT>2.5×MFR-0.84 で示される関係を満たしていることが望ましい。
レフィン共重合体は、メルトテンション(MT)が高い
ので、成形性が良好である。なお、メルトテンション
(MT(g))は、溶融させたポリマーを一定速度で延
伸した時の応力を測定することにより決定される。すな
わち、生成ポリマー粉体を通常の方法で溶融後ペレット
化して測定サンプルとし、東洋精機製作所製、MT測定
器を用い、樹脂温度190℃、押し出し速度15mm/
分、巻取り速度10〜20m/分、ノズル径2.09m
mφ、ノズル長さ8mmの条件で行った。ペレット化の
際、エチレン・α-オレフィン共重合体に、あらかじめ
二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスフェートを0.05重量%、耐熱安定剤とし
てのn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブ
チルフェニル)プロピオネートを0.1重量%、塩酸吸収
剤としてのステアリン酸カルシウムを0.05重量%配
合した。
×106 dyne/cm2に到達する時のずり速度で定義さ
れる流動性インデックス(FI(1/秒))とメルトフ
ローレート(MFR)とが FI<150×MFR 好ましくは FI<140×MFR より好ましくは FI<130×MFR で示される関係を満たしていることが望ましい。
速度を変えながら樹脂をキャピラリーから押し出し、そ
の時の応力を測定することにより決定される。すなわ
ち、MT測定と同様の試料を用い、東洋精機製作所製、
毛細式流れ特性試験機を用い、樹脂温度190℃、ずり
応力の範囲が5×104〜3×106 dyne/cm2程度で
測定される。
によって、ノズルの直径を次の様に変更して測定する。 MFR>20 のとき0.5mm 20≧MFR>3 のとき1.0mm 3≧MFR>0.8のとき2.0mm 0.8≧MFR のとき3.0mm
/Mn、ただしMw:重量平均分子量、Mn:数平均分
子量)が1.5〜4の範囲にあることが望ましい。な
お、分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC
−150Cを用い、以下のようにして測定した。
り、カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであ
り、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロ
ベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBH
T(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml /分
で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量
は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折
計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<10
00およびMw>4×106 については東ソー社製を用
い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャ
ーケミカル社製を用いた。
Rとが MT/(Mw/Mn)>0.03×FI/MFR−3.0 (ただし、0.03×FI/MFR−3.0の値は、0未
満のとき0とする)好ましくは 0.03×FI/MFR+1.0>MT/(Mw/Mn)
>0.03×FI/MFR−2.8 (ただし、0.03×FI/MFR−2.8の値は、0未
満のとき0とする)より好ましくは 0.03×FI/MFR+0.8>MT/(Mw/Mn)
>0.03×FI/MFR−2.5 (ただし、0.03×FI/MFR−2.5の値は、0未
満のとき0とする)で示される関係を満たしていること
が望ましい。
値は大きくなるため、MTの値に対するMw/Mnの値
の影響を少なくするためにMT/(Mw/Mn)の指標
を用いた。同様にMFRの値の増加と共にFIの値は大
きくなるため、FIの値に対するMFRの値の影響を少
なくするためにFI/MFRの指標を用いた。
り測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm
(℃))と密度(d)とが Tm<400×d−250 好ましくは Tm<450×d−297 より好ましくは Tm<500×d−344 特に好ましくは Tm<550×d−391 で示される関係を満たしていることが望ましい。
定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))
は、試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で20
0℃まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃
/分で室温まで降温し、次いで10℃/分で昇温する際
の吸熱曲線より求められる。測定は、パーキンエルマー
社製DSC-7 型装置を用いる。
量分率(W(重量%))と密度(d)とが MFR≦10g/10分のとき、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.1 好ましくは W<60×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 より好ましくは W<40×exp(−100(d−0.8
8))+0.1 MFR>10g/10分のとき W<80×(MFR−9)0.26×exp(−100(d−
0.88))+0.1 で示される関係を満たしている。
-デカン可溶成分量(可溶成分量の少ないもの程組成分
布が狭い)の測定は、共重合体約3gをn-デカン450
mlに加え、145℃で溶解後23℃まで冷却し、濾過
によりn-デカン不溶部を除き、濾液よりn-デカン可溶部
を回収することにより行われる。
た吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)と密度
(d)との関係、そしてn-デカン可溶成分量分率(W)
と密度(d)とが上記のような関係を有するようなエチ
レン・α-オレフィン共重合体は組成分布が狭いと言え
る。
炭素数1000個当り0.5個以下であり、かつ重合体
1分子当り1個未満であることが望ましい。なお、不飽
和結合の定量は、13C−NMRを用いて、二重結合以外
に帰属されるシグナル即ち10〜50ppmの範囲のシ
グナル、および二重結合に帰属されるシグナル即ち10
5〜150ppmの範囲のシグナルの面積強度を積分曲
線から求め、その比から決定される。
オレフィン共重合体[A1]および[A2]は、たとえ
ば(a)有機アルミニウムオキシ化合物と、少なくとも
2種の(b)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物とを含むオレフ
ィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素数3〜20
のα-オレフィンとを、得られる共重合体の密度が0.8
50〜0.980g/cm3 となるように共重合させる
ことにより製造することができるが、後述するような
(a)有機アルミニウムオキシ化合物、少なくとも2種
の(b)遷移金属化合物、(c)担体、および必要に応
じて(d)有機アルミニウム化合物から形成されるオレ
フィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素数3〜2
0のα-オレフィンとを共重合させると、上記のような
エチレン・α-オレフィン共重合体を高い重合活性で製
造することができる。
物を構成するエチレン・α-オレフィン共重合体の重合
に用いられる触媒成分について説明する。まず有機アル
ミニウムオキシ化合物(a)について説明する。
シ化合物(a)(以下「成分(a)」と記載することが
ある。)は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノキサ
ンであってもよく、また特開平2−276807号公報
で開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニ
ウムオキシ化合物であってもよい。
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や
氷や水蒸気を作用させる方法。
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
などのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げら
れる。
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また、この有機アルミニウム化合物として、下記一
般式 (i-C4H9)xAly(C5H10)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
製造の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が
挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好まし
くは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼ
ンに対して不溶性あるいは難溶性である。
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物につ
いて説明する。本発明で用いられる(b)シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷
移金属化合物(以下「成分(b)」と記載することがあ
る。)は、具体的には下記式[I]または[II]で表わ
される遷移金属化合物である。
子であり、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、または炭素数3〜10
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基を有する
置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シクロペ
ンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素数1〜12の
炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアル
キルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、X
は遷移金属Mの原子価である。) ML2 X … [II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、メチ
ル基およびエチル基から選ばれる置換基のみを2〜5個
有する置換シクロペンタジエニル基であり、置換シクロ
ペンタジエニル基以外の配位子L2は、炭素数1〜12
の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリア
ルキルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、
Xは遷移金属原子Mの原子価である。) 以下、上記一般式[I]または[II]で表わされる遷移
金属化合物について、より具体的に説明する。
B族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的には、ジ
ルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好ましく
はジルコニウムである。
であり、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基であるか、あるいは
炭素数3〜10の炭化水素基から選ばれる少なくとも1
種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基であ
る。これらの配位子は、各々同一であっても異なってい
てもよい。また(置換)シクロペンタジエニル基以外の
配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキ
シ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシ
リル基または水素原子である。
基を2個以上有していてもよく、2個以上の置換基は各
々同一であっても異なっていてもよい。置換シクロペン
タジエニル基は、置換基を2個以上有する場合は、少な
くとも1個の置換基が炭素数3〜10の炭化水素基であ
ればよく、他の置換基は、メチル基、エチル基または炭
素数3〜10の炭化水素基である。
には、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基などを例示することができる。より具体的に
は、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基
などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル基など
のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基などのアラル
キル基を例示することができる。
ロピル基、n-ブチル基が特に好ましい。本発明では、遷
移金属に配位する(置換)シクロペンタジエニル基とし
ては、置換シクロペンタジエニル基が好ましく、炭素数
3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基
がより好ましく、二置換シクロペンタジエニル基が更に
好ましく、1,3-置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
原子Mに配位する(置換)シクロペンタジエニル基以外
の配位子L1は、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコ
キシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキル
シリル基または水素原子である。
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などを例示することができ、より具体的には、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチ
ル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル
基、デシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、
トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基
などのアラルキル基を例示することができる。
キシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ
基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などを
例示することができる。
どを例示することができる。トリアルキルシリル基とし
ては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ
フェニルシリル基などを例示することができる。
ウ素である。
金属化合物としては、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-プロ
ピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(n-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(メチル-n-プロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ジメチル-n-ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(n-ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロ
リド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムエトキシクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(n-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエトキシド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
チルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、ビス(n-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(n-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビ
ス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェ
ニルクロリド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムハイドライドクロリド、などが挙げられ
る。なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環
の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換体は
1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。本発明では、上記の
ようなジルコニウム化合物において、ジルコニウム金属
を、チタン金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移
金属化合物を用いることができる。
金属化合物のうちでは、ビス(n-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(1-メチル-3-n-プロピルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-n-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、が特に好
ましい。
IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的には、
ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、好まし
くはジルコニウムである。
あり、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、メ
チル基およびエチル基から選ばれる置換基のみを2〜5
個有する置換シクロペンタジエニル基であり、各々同一
であっても異なっていてもよい。この置換シクロペンタ
ジエニル基は、置換基を2個以上有する置換シクロペン
タジエニル基であり、置換基を2〜3個有する置換シク
ロペンタジエニル基であることが好ましく、二置換シク
ロペンタジエニル基であることがより好ましく、1,3-置
換シクロペンタジエニル基であることが特に好ましい。
なお、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
Mに配位する置換シクロペンタジエニル基以外の配位子
L2は、上記一般式[I]中のL1と同様の炭素数1〜1
2の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロ
ゲン原子、トリアルキルシリル基または水素原子であ
る。
金属化合物としては、ビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドビス(ジメチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジブロミド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキ
シクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムブトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジエトキシド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロリ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジメチル、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムベンジルクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、ビス(ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロリ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムハイドライドクロリド、などが挙げられる。なお、上
記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は
1,2-および1,3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および
1,2,4-置換体を含む。本発明では、上記のようなジルコ
ニウム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金
属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を
用いることができる。
金属化合物のうちでは、ビス(1,3-ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3-ジエ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドが特に好ましい。
重合体を製造するに際して(b)遷移金属化合物として
上記一般式[I]で表される遷移金属化合物から選ばれ
る少なくとも1種と、上記一般式[II]で表される遷移
金属化合物から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせ
て用いることが好ましい。具体的には、ビス(1,3-n-ブ
チルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リドとビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドとの組み合わせ、ビス(1,3-n-プロ
ピルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リドとビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドとの組み合わせ、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドとビス
(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリドとの組み合わせが好ましい。
物(b-I)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化合
物と、上記一般式[II]で表される遷移金属化合物(b-
II)から選ばれる少なくとも1種の遷移金属化合物と
は、モル比(b-I/b-II)で99/1〜50/50、好
ましくは97/3〜70/30、より好ましくは95/
5〜75/25、最も好ましくは90/10〜80/2
0の範囲となるような量で用いられることが望ましい。
式[I]で表される遷移金属化合物(b-I)から選ばれ
る少なくとも1種と、上記一般式[II]で表される遷移
金属化合物(b-II)から選ばれる少なくとも1種とを含
む遷移金属化合物触媒成分を意味する場合がある。
分(c)」と記載することがある。)は、無機あるいは
有機の化合物であって、粒径が10〜300μm、好ま
しくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子状の固
体が使用される。このうち無機化合物としては多孔質酸
化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、
ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO
2等またはこれらの混合物、例えばSiO2-MgO、SiO
2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-C
r2O3、SiO2-TiO2-MgO等を例示することができ
る。これらの中でSiO2およびAl2O3からなる群から
選ばれた少なくとも1種の成分を主成分とするものが好
ましい。
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al
2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(N
O3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、酸化物成分を含有していても差しつかえない。
よりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる
担体は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましく
は100〜700m2/gであり、細孔容積が0.3〜
2.5cm3/gであることが望ましい。該担体は、必要
に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜70
0℃で焼成して用いられる。
1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満であるこ
とが望ましく、表面水酸基が1.0重量%以上、好まし
くは1.5〜4.0重量%、特に好ましくは2.0〜3.5
重量%であることが望ましい。
および表面水酸基量(重量%)は下記のようにして求め
られる。 [吸着水量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下で4
時間乾燥させたときの重量減を吸着水量とする。 [表面水酸基量]200℃の温度で、常圧、窒素流通下
で4時間乾燥して得られた担体の重量をX(g)とし、
さらに該担体を1000℃で20時間焼成して得られた
表面水酸基が消失した焼成物の重量をY(g)として、
下記式により計算する。
X}×100 さらに、本発明に用いることのできる(c)担体として
は、粒径が10〜300μmの範囲にある有機化合物の
顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。こ
れら有機化合物としては、エチレン、プロピレン、1-ブ
テン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素数2〜14のα-
オレフィンを主成分として生成される(共)重合体ある
いはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生
成される重合体もしくは共重合体を例示することができ
る。
機アルミニウムオキシ化合物、少なくとも2種の(b)
遷移金属化合物および(c)担体、から形成されるが、
必要に応じて(d)有機アルミニウム化合物を用いても
よい。
ニウム化合物(以下「成分(d)」と記載することがあ
る。)としては、例えば下記一般式[III]で表される
有機アルミニウム化合物を例示することができる。
はハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。) 上記一般式[III]において、R1 は炭素数1〜12の
炭化水素基例えばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
て、下記一般式[IV]で表される化合物を用いることも
できる。 R1 nAlY3-n … [IV] (式中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2基、−
OSiR3 3基、−OAlR 4 2基、−NR5 2基、−SiR6 3
基または−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2であ
り、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル基、イ
ソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェ
ニル基などであり、R5は水素原子、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基
などであり、R6 およびR7 はメチル基、エチル基など
である。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が用いられる。 (1)R1 nAl(OR2)3-n で表される化合物、例えばジ
メチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウム
エトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドな
ど、 (2)R1 nAl(OSiR3 3)3-n で表される化合物、例え
ばEt2Al(OSi Me3)、(iso-Bu)2Al(OSiMe3)、
(iso-Bu)2Al(OSiEt3) など; (3)R1 nAl(OAlR4 2)3-n で表される化合物、例
えばEt2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)
2 など; (4) R1 nAl(NR5 2)3-n で表される化合物、例えば
Me2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2AlNHEt 、
Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN(SiMe3)2 な
ど; (5)R1 nAl(SiR6 3)3-n で表される化合物、例えば
(iso-Bu)2AlSiMe3 など; (6)R1 nAl(N(R7)AlR8 2)3-n で表される化合
物、例えばEt2AlN(Me)AlEt2、(iso-Bu)2AlN
(Et)Al(iso-Bu)2 など 。
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R1 3Al、
R1 nAl(OR2)3-n、R1 nAl(OAlR4 2)3-n で表わさ
れる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基であ
り、n=2である化合物が好ましい。
重合体を製造するに際して、上記のような成分(a)、
成分(b)および成分(c)、必要に応じて成分(d)
を接触させることにより調製される触媒が好ましく用い
られる。この際の成分(a)〜成分(d)の接触順序
は、任意に選ばれるが、好ましくは成分(c)と成分
(a)とを混合接触させ、次いで成分(b)を混合接触
させ、さらに必要に応じて成分(d)を混合接触させ
る。なお成分(b)は、該成分(b)を形成する2種以
上の遷移金属化合物を予め混合した後、他の成分と混合
接触させることが好ましい。
活性炭化水素溶媒中で行うことができ、触媒の調製に用
いられる不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベン
ゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるい
はこれらの混合物などを挙げることができる。
(c)、必要に応じて成分(d)を混合接触するに際し
て、成分(b)は、成分(c)1g当り、通常5×10
-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モ
ルの量で用いられ、成分(b)の濃度は、約10-4〜2
×10-2モル/リットル(溶媒)、好ましくは2×10
-4〜10-2モル/リットル(溶媒)の範囲である。成分
(a)のアルミニウムと成分(b)中の遷移金属との原
子比(Al/遷移金属)は、通常10〜500、好まし
くは20〜200である。必要に応じて用いられる成分
(d)のアルミニウム原子(Al-d)と成分(a)のア
ルミニウム原子(Al-a)の原子比(Al-d/Al-a)
は、通常0.02〜3、好ましくは0.05〜1.5の範
囲である。成分(a)、成分(b)成分(c)、および
必要に応じて成分(d)を混合接触する際の混合温度
は、通常−50〜150℃、好ましくは−20〜120
℃であり、接触時間は1分〜50時間、好ましくは10
分〜25時間である。
用触媒(固体触媒成分)は、成分(c)1g当り成分
(b)に由来する遷移金属原子が5×10-6〜5×10
-4グラム原子、好ましくは10-5〜2×10-4グラム原
子の量で担持され、また成分(c)1g当り成分(a)
および成分(d)に由来するアルミニウム原子が10-3
〜5×10-2グラム原子、好ましくは2×10-3〜2×
10-2グラム原子の量で担持されていることが望まし
い。
重合体の製造に用いられるオレフィン重合用触媒は、上
記のような成分(a)、成分(b)および成分(c)、
必要に応じて成分(d)の存在下にオレフィンを予備重
合させて得られる予備重合触媒であってもよい。予備重
合は、上記のような成分(a)、成分(b)および成分
(c)の存在下、必要に応じて成分(d)の共存下、不
活性炭化水素溶媒中にオレフィンを導入することにより
行うことができる。なお上記成分(a)〜成分(c)か
ら前記固体触媒成分が形成されていることが好ましい。
この場合、固体触媒成分に加えて、さらに成分(a)お
よび/または成分(d)を添加してもよい。
ては、エチレンおよび炭素数3〜20のα-オレフィ
ン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチ
ル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1
-ドデセン、1-テトラデセンなどを例示することができ
る。これらの中では、エチレン、あるいはエチレンと重
合の際に用いられるα-オレフィンとの組合せが特に好
ましい。
該成分(b)に由来する遷移金属原子に換算して通常1
0-6〜2×10-2モル/リットル(溶媒)、好ましくは
5×10-5〜10-2モル/リットル(溶媒)の量で用い
られ、成分(b)は成分(c)1g当り、通常5×10
-6〜5×10-4モル、好ましくは10-5〜2×10-4モ
ルの量で用いらる。成分(a)のアルミニウムと成分
(b)中の遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、
通常10〜500、好ましくは20〜200である。必
要に応じて用いられる成分(d)のアルミニウム原子
(Al-d)と成分(a)のアルミニウム原子(Al-a)の
原子比(Al-d/Al-a)は、通常0.02〜3、好まし
くは0.05〜1.5の範囲である。予備重合温度は−2
0〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重
合時間は0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間
程度である。
のようにして調製される。すなわち、担体(成分
(c))を不活性炭化水素で懸濁状にする。次いで、こ
の懸濁液に有機アルミニウムオキシ化合物(成分
(a))を加え、所定の時間反応させる。その後上澄液
を除去し、得られた固体成分を不活性炭化水素で再懸濁
化する。この系内へ遷移金属化合物(成分(b))を加
え、所定時間反応させた後、上澄液を除去し固体触媒成
分を得る。続いて有機アルミニウム化合物(成分
(d))を含有する不活性炭化水素に、上記で得られた
固体触媒成分を加え、そこへオレフィンを導入すること
により、予備重合触媒を得る。
体は、担体(c)1g当り0.1〜500g、好ましく
は0.2〜300g、より好ましくは0.5〜200gの
量であることが望ましい。また、予備重合触媒には、担
体(c)1g当り成分(b)は遷移金属原子として約5
×10-6〜5×10-4グラム原子、好ましくは10-5〜
2×10-4グラム原子の量で担持され、成分(a)およ
び成分(d)に由来するアルミニウム原子(Al)は、
成分(b)に由来する遷移金属原子(M)に対するモル
比(Al/M)で、5〜200、好ましくは10〜15
0の範囲の量で担持されていることが望ましい。
れでも行うことができ、また減圧、常圧あるいは加圧下
のいずれでも行うことができる。予備重合においては、
水素を共存させて、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.2〜7dl/gの範囲、好ましくは
0.5〜5dl/gであるような予備重合体を製造する
ことが望ましい。
ィン共重合体[A1]および[A2]は、たとえば前記
のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレン
と、炭素数3〜20のα-オレフィン、例えばプロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコ
センとを共重合させることによって得られる。
の共重合は、気相であるいはスラリー状の液相で行われ
る。スラリー重合においては、不活性炭化水素を溶媒と
してもよいし、オレフィン自体を溶媒とすることもでき
る。
化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタン、イソ
ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化
水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素;
ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などが挙げられ
る。これら不活性炭化水素媒体のうち脂肪族系炭化水
素、脂環族系炭化水素、石油留分などが好ましい。
る際には、上記のような触媒は、重合反応系内の遷移金
属原子の濃度として、通常10-8〜10-3グラム原子/
リットル、好ましくは10-7〜10-4グラム原子/リッ
トルの量で用いられることが望ましい。
有機アルミニウムオキシ化合物(成分(a))および有
機アルミニウム化合物(成分(d))に加えて、さらに
担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物および
/または有機アルミニウム化合物を用いてもよい。この
場合、担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物
および/または有機アルミニウム化合物に由来するアル
ミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(b)に由来
する遷移金属原子(M)との原子比(Al/M)は、5
〜300、好ましくは10〜200、より好ましくは1
5〜150の範囲である。
る際には、重合温度は、通常−50〜100℃、好まし
くは0〜90℃の範囲であり、気相重合法を実施する際
には、重合温度は、通常0〜120℃、好ましくは20
〜100℃の範囲である。
cm2、好ましくは2〜50kg/cm2の加圧条件下で
あり、重合は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。
分けて行うことも可能である。 [高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]]本発明に
係るエチレン系共重合体組成物を形成する高圧ラジカル
法低密度ポリエチレン[B]は、いわゆる高圧ラジカル
重合により製造される長鎖分岐を有する分岐の多いポリ
エチレンであり、ASTM D1238-65T に従い190
℃、2.16kg荷重の条件下に測定されるMFRが0.
01〜100g/10分の範囲にあり、0.05〜10
g/10分の範囲にあることが好ましく、0.1〜8g
/10分の範囲にあることがより好ましい。
は、密度(d)が0.910〜0.930g/cm3の範
囲にあることが望ましい。密度は、190℃における
2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測
定時に得られるストランドを120℃で1時間熱処理し
1時間かけて室温まで除冷したのち、密度勾配管で測定
される。
[B]は、長鎖分岐の度合を表わすスウェル比、すなわ
ち毛細式流れ特性試験機を用い、190℃の条件下で内
径(D)2.0mm、長さ15mmのノズルより押出速
度10mm/分で押し出したストランドの径(Ds)
と、ノズル内径Dとの比(Ds/D)が1.3以上であ
ることが望ましい。
[B]は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、他
のα-オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等
の重合性単量体との共重合体であってもよい。
る第1のエチレン系共重合体組成物は、前記エチレン・
α-オレフィン共重合体[A1]と、高圧ラジカル法低
密度ポリエチレン[B]とからなり、エチレン・α-オ
レフィン共重合体[A1]と、高圧ラジカル法低密度ポ
リエチレン[B]との重量比([A1]:[B])が9
9:1〜60:40の範囲にある。エチレン・α-オレ
フィン共重合体[A1]と、高圧ラジカル法低密度ポリ
エチレン[B]との重量比([A1]:[B])は9
8:2〜70:30の範囲にあることが好ましく、9
8:2〜80:20の範囲にあることがより好ましい。
成物は、前記エチレン・α-オレフィン共重合体[A
2]と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]とか
らなり、エチレン・α-オレフィン共重合体[A2]
と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量
比([A2]:[B])が99:1〜60:40の範囲
にある。エチレン・α-オレフィン共重合体[A2]
と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量
比([A2]:[B])は98:2〜70:30の範囲
にあることが好ましく、98:2〜80:20の範囲に
あることがより好ましい。
エチレン[B]が少ないと、透明性、溶融張力等の改質
効果が不充分なことがあり、また上記範囲よりも多い
と、引張強度、耐ストレスクラック性等が大きく低下す
ることがある。
本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱
安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老
化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤が必要に
応じて配合されていてもよい。
知の方法を利用して製造することができ、例えば、下記
のような方法で製造することができる。 (1)エチレン・α-オレフィン共重合体[A1](ま
たは[A2])と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
[B]、および所望により添加される他成分を、押出
機、ニーダー等を用いて機械的にブレンドする方法。
[A1](または[A2])と、高圧ラジカル法低密度
ポリエチレン[B]、および所望により添加される他成
分を適当な良溶媒(例えば;ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびキシレ
ン等の炭化水素溶媒)に溶解し、次いで溶媒を除去する
方法。
[A1](または[A2])と、高圧ラジカル法低密度
ポリエチレン[B]、および所望により添加される他成
分を適当な良溶媒にそれぞれ別個に溶解した溶液を調製
した後混合し、次いで溶媒を除去する方法。
わせて行う方法。 本発明のエチレン系共重合体組成物は、通常の空冷イン
フレーション成形、空冷2段冷却インフレーション成
形、高速インフレーション成形、T−ダイフィルム成
形、水冷インフレーション成形等で加工することによ
り、フィルムを得ることができる。このようにして成形
されたフィルムは、透明性、機械的強度に優れ、通常の
LLDPEの特徴であるヒートシール性、ホットタック
性、耐熱性、良ブロッキング性等を有している。また、
エチレン・α-オレフィン共重合体[A1]および[A
2]の組成分布が極めて狭いため、フィルム表面のべた
つきもない。更にメルトテンションが高いため、インフ
レーション成形時のバブル安定性に優れる。
することにより得られるフィルムは、規格袋、砂糖袋、
油物包装袋、水物包装袋等の各種包装用フィルムや農業
用資材等に好適である。また、ナイロン、ポリエステル
等の基材と貼り合わせて、多層フィルムとして用いるこ
ともできる。
組成分布が狭く、熱安定性が良好で、成形性に優れたエ
チレン・α-オレフィン共重合体[A1]または[A
2]と、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]とを
ブレンドしているので、メルトテンションが高く、成形
性に優れている。このようなエチレン系共重合体組成物
からは、透明性、機械的強度に優れたフィルムを製造す
ることができる。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
は下記のようにして行った。 [Haze(曇度)]ASTM-D-1003-61に従って測定し
た。
て測定した。 [フィルムインパクト]東洋精機製作所製振子式フィル
ム衝撃試験機(フィルムインパクトテスター)により測
定した。
5.0kgを80リットルのトルエンで懸濁状にした
後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミノキサン
のトルエン溶液(Al;1.33モル/リットル)28.
7リットルを1時間で滴下した。この際、系内の温度を
0℃に保った。引続き0℃で30分間反応させ、次いで
1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で20時
間反応させた。その後60℃まで降温し上澄液をデカン
テーション法により除去した。
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁化
した。この系内へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;34.0ミリミル/リットル)7.4リットルお
よびビス(1.3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;28.1ミリ
モル/リットル)1.0リットルを80℃で30分間か
けて滴下し、更に80℃で2時間反応させた。その後、
上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することにより、
1g当り3.6mgのジルコニウムを含有する固体触媒
を得た。
イソブチルアルミニウムを含有する85リットルのヘキ
サンに、上記で得られた固体触媒0.85kgおよび1-
ヘキセン255gを加え、35℃で12時間エチレンの
予備重合を行うことにより、固体触媒1g当り10gの
ポリエチレンが予備重合された予備重合触媒を得た。こ
のエチレン重合体の[η]は1.74dl/gであっ
た。
トルのステンレス製オートクレーブに塩化ナトリウム
(和光純薬特級)150gを装入し、90℃で1時間減
圧乾燥した。その後、エチレンと1-ブテンと水素の混合
ガス(1-ブテン含量;3.0モル%、水素含量;0.0
12モル%)の導入により常圧に戻し、系内を70℃と
した。
媒を、ジルコニウム原子換算で0.007mg原子およ
びトリイソブチルアルミニウムを0.7ミリモルオート
クレーブへ添加した。
ンと1-ブテンと水素の混合ガスを導入し、全圧8kg/
cm2−Gとして重合を開始した。系内は直ちに80℃
に上昇した。
kg/cm2−Gに保ち、80℃で1.5時間重合を行っ
た。
除き、残ったポリマーをメタノールで洗浄した後、80
℃で1晩減圧乾燥した。その結果、190℃、2.16
kg荷重下で測定したMFRが2.0g/10分であ
り、密度が0.922g/cm3であり、23℃でのデカ
ン可溶部が0.20wt%であるエチレン・1-ブテン共
重合体(A-1)290gを得た。
以下のように変更した以外は製造例1と同様にして固体
触媒成分を得た。
エニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Z
r;34.0ミリモル/リットル);6.6リットル ビス(1,3ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドのトルエン溶液(Zr;28.1ミリモル
/リットル);2.0リットル [予備重合触媒の調製]上記[触媒成分の調製]で得た
固体触媒成分を用いた以外は、製造例1と同様にして予
備重合触媒を得た。
られた予備重合触媒を用い、コモノマー含量を表1に示
すように変更した以外は、製造例1と同様にしてMFR
と密度が異なるエチレン・1-ブテン共重合体(A-2)を
得た。得られた共重合体の物性を表1に示す。
以下のように変更した以外は製造例1と同様にして固体
触媒成分を得た。
エニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Z
r;34.0ミリモル/リットル);5.6リットル ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドのトルエン溶液(Zr;28.1ミリモル
/リットル);2.9リットル [予備重合触媒の調製]上記[触媒成分の調製]で得た
固体触媒成分を用いた以外は、製造例1と同様にして予
備重合触媒を得た。
られた予備重合触媒を用い、コモノマー含量を表1に示
すように変更した以外は、製造例1と同様の方法でMF
Rと密度が異なるエチレン・1-ブテン共重合体(A-3)
を得た。得られた共重合体の物性を表1に示す。
レフィン共重合体(A-1)および表2に示す高圧ラジカ
ル法低密度ポリエチレン(B-1)を、混合比(A-1/B-1
=90/10)でドライブレンドし、更に樹脂100重
量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4-ジ-t-
ブチルフェニル)フォスフェートを0.05重量%、耐
熱安定剤としてのn-オクタデシル-3-(4'ヒドロキシ-3',
5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量%、
塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.05
重量%配合した。しかる後にハーケ社製コニカルテーパ
ー状2軸押出機を用い、設定温度180℃で混練してエ
チレン系共重合体組成物を得た。得られたエチレン系共
重合体組成物の溶融物性を表3に示す。
得られたエチレン系共重合体組成物を用い、20mmφ
・L/D=26の単軸押出機を用いて、25mmφのダ
イ、リップ幅0.7mm、一重スリットエアリングを用
いエア流量=90リットル/分、押出量=9g/分、ブ
ロー比=1.8、引き取り速度=2.4m/分、加工温度
=200℃条件下で厚み=30μmのフィルムをインフ
レーション成形した。得られたフィルムの物性を表3に
示す。
-オレフィン共重合体(A-2,3)を用いた以外は、実施例
1と同様してエチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物を用いた以外は、実
施例1と同様にして、厚み30μmのフィルムを作製し
た。得られたフィルムの物性を表3に示す。
-オレフィン共重合体(A-1,2,3)を用いた以外は、実施
例1と同様にして厚み30μmのフィルムを作製した。
物性およびフィルム物性を表3に示す。
移金属触媒成分としてビス(1,3-n-ブチルメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのみを用い、
導入する混合ガスの組成を変更した以外は製造例1と同
様にしてエチレン・1-ブテン共重合体(A-4)を得た。
得られた共重合体の物性を表1に示す。
共重合体(A-4)を用いた以外は、実施例1と同様して
エチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物を用いた以外は、実
施例1と同様にして、厚み30μmのフィルムを作製し
た。エチレン系共重合体組成物の溶融物性およびフィル
ム物性を表3に示す。
ン共重合体を(A-4)用いた以外は、実施例1と同様に
して、厚み30μmのフィルムを成形した。溶融物性お
よびフィルム物性を表3に示す。
移金属触媒成分としてビス(1,3-ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドのみを用い、導入す
る混合ガスの組成を変更した以外は製造例1と同様にし
てエチレン・1-ブテン共重合体(A-5)を得た。得られ
た共重合体の物性を表1に示す。
共重合体(A-5)を用いた以外は、実施例1と同様して
エチレン系共重合体組成物を得た。
得られたエチレン系共重合体組成物を用いた以外は、実
施例1と同様にして、厚み30μmのフィルムを作製し
た。エチレン系共重合体組成物の溶融物性およびフィル
ム物性を表3に示す。
重合体(A-5)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、厚み30μmのフィルムを成形した。
す。実施例、参考例および比較例から明かなように、エ
チレン・α-オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエ
チレンをブレンドすることにより、MT(成形性)およ
びフィルムの透明性が向上する。
た組成物と、比較例1、3で得られた組成物のMTを比
べると、実施例3で得られた組成物の方が成形性(M
T)に優れる。
RとMTとの関係、および従来のエチレン系共重合体組
成物のMFRとMTとの関係を図1に示す。実施例で用
いた遷移金属化合物触媒成分は、比較例1で用いた遷移
金属化合物触媒成分および比較例3で用いた遷移金属化
合物触媒成分の両方を含有する。そのことによって、そ
れぞれの遷移金属化合物触媒成分を単独で用いて重合し
たエチレン・α-オレフィン共重合体に高圧法低密度ポ
リエチレンをブレンドするよりもさらに成形性(MT)
に優れるエチレン系共重合体組成物が得られた。
MTとの関係、および従来のエチレン系共重合体組成物
のMFRとMTとの関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】[A1](a)有機アルミニウムオキシ化
合物と、少なくとも2種の(b)シクロペンタジエニル
骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化
合物とを、含むオレフィン重合用触媒の存在下に、エチ
レンと炭素数3〜20のα-オレフィンとを共重合させ
ることにより得られる共重合体であって、(i)密度が
0.850〜0.980g/cm3 の範囲にあり、(ii)
190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレー
ト(MFR)が0.01〜200g/10分の範囲にあ
り、(iii)190℃におけるメルトテンション(MT
(g))とメルトフローレート(MFR)とが下記式 MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たし、(iv)溶融共重合体の190
℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2に到達
する時のずり速度で定義される流動性インデックス(F
I(1/秒))とメルトフローレート(MFR)とが FI<150×MFR で示される関係を満たすエチレン・α-オレフィン共重
合体と、 [B]メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
0g/10分の範囲内にある高圧ラジカル法による低密
度ポリエチレンからなり、 上記エチレン・α-オレフィン共重合体[A1]と、上
記高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量比
([A1]:[B])が、99:1〜60:40の範囲
内にあることを特徴とするエチレン系共重合体組成物。 - 【請求項2】前記少なくとも2種の(b)シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷
移金属化合物が、 下記一般式[I]で表される遷移金属化合物から選ばれ
る少なくとも1種と、 ML1 X … [I] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L1は遷移金属原子Mに配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L1は、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、または炭素数3〜10
の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基を有する
置換シクロペンタジエニル基であり、(置換)シクロペ
ンタジエニル基以外の配位子L1は、炭素数1〜12の
炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアル
キルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、X
は遷移金属Mの原子価である。) 下記一般式[II]で表される遷移金属化合物から選ばれ
る少なくとも1種と、 ML2 X … [II] (式中Mは、周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原
子であり、L2は遷移金属原子に配位する配位子であ
り、これらのうち少なくとも2個の配位子L2は、メチ
ル基およびエチル基から選ばれる置換基のみを2〜5個
有する置換シクロペンタジエニル基であり、置換シクロ
ペンタジエニル基以外の配位子L2は、炭素数1〜12
の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリア
ルキルシリル基、ハロゲン原子または水素原子であり、
Xは遷移金属原子Mの原子価である。)である請求項1
に記載のエチレン系共重合体組成物。 - 【請求項3】[A2]エチレンと炭素数3〜20のα-
オレフィンとの共重合体であって、(i)密度が0.8
50〜0.980g/cm3 の範囲にあり、(ii)19
0℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート
(MFR)が0.01〜200g/10分の範囲にあ
り、(iii)190℃におけるメルトテンション(MT
(g))とメルトフローレート(MFR)とが下記式 MT>2.2×MFR-0.84 で示される関係を満たし、(iv)溶融共重合体の190
℃におけるずり応力が2.4×106 dyne/cm2に到達
する時のずり速度で定義される流動性インデックス(F
I(1/秒))とメルトフローレート(MFR)とが FI<150×MFR で示される関係を満たし、(v)GPCで測定した分子
量分布(Mw/Mn)が1.5〜4の範囲にあり、(v
i)MT/(Mw/Mn)とFI/MFRとが MT/(Mw/Mn)>0.03×FI/MFR−3.0 (ただし、0.03×FI/MFR−3.0の値は、0未
満のとき0とする)で示される関係を満たすエチレン・
α-オレフィン共重合体と、 [B]メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
0g/10分の範囲内にある高圧ラジカル法による低密
度ポリエチレンからなり、 上記エチレン・α-オレフィン共重合体[A2]と、上
記高圧ラジカル法低密度ポリエチレン[B]との重量比
([A2]:[B])が、99:1〜60:40の範囲
内にあることを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
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