JP2012214781A - ポリエチレン系樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工性に優れ、かつ衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れた成形体を製造できるポリエチレン系樹脂組成物、並びに該ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形して得られる成形体およびフィルムの提供。
【解決手段】伸長粘度挙動で特徴付けられる長鎖分岐構造の少ない特定の条件(A−1)〜(A−4)を満足するエチレン系重合体(A)41〜99重量%と、同じく伸長粘度挙動で特徴付けられる特定の長鎖分岐構造を有する特定の条件(B−1)〜(B−6)を満足するエチレン系重合体(B)1〜59重量%とを含み、かつ、組成物全体のMFRが0.05〜50g/10分、密度が0.910〜0.960g/cmであることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物等により提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なポリエチレン系樹脂組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、成形加工性に優れ、かつ衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れた成形体を製造できるポリエチレン系樹脂組成物、並びに該ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形して得られる成形体およびフィルムに関する。
近年、各種産業分野において、プラスチック製のフィルム、シート、射出成形体、パイプ、押出成形体、中空成形体等が盛んに用いられるようになった。特に安価・軽量であり、成形加工性、剛性、衝撃強度、透明性、耐薬品性、リサイクル性に優れる等の理由からポリエチレン系樹脂(エチレン系重合体)が広範に用いられている。一般に、ポリエチレン系樹脂の成形加工は、溶融状態において実施される。しかし、単独のエチレン系重合体の場合、その溶融特性は、例えば、流動性の面で不十分であったり、伸長粘度が不十分であったりして、成形加工性を十分に確保することが困難であったり、透明性や剛性等の固体物性が不足したりする場合が多い。
これらを補うための対策としては、成形性に優れる高圧法ポリエチレン(HPLD)をブレンドしたり、分子量や密度の異なるエチレン系重合体をブレンドしたりして、溶融特性や固体物性の改良が行なわれてきた(特許文献1〜3参照)。
しかしながら、これらのブレンド物(エチレン系樹脂組成物)では、成形加工性は得られるものの、HPLDのブレンドによる衝撃強度の低下を招いたり、分子量分布や共重合組成分布が広くなることによって透明性が悪化したりする問題があった。
また、最近の容器リサイクル法試行や省資源化の流れにおいて原料樹脂使用量を削減する必要性の観点から、成形体の薄肉化の需要が高まっているが、このためには、衝撃強度とともに剛性(弾性率)の向上が必要となる。
衝撃強度を向上する方法としては、エチレン系重合体の密度を低下させる方法がよく知られているが、剛性も一緒に低下してしまう(柔らかくなる)ので好ましくなく、薄肉化の目的のためには、例えば、密度の異なる二種類の特定のエチレン・α−オレフィン共重合体の組み合わせへ、更に、成形加工性や透明性を向上させるために特定のHPLDを加えた三成分系ブレンド組成物を使用する試みがなされている(特許文献4参照)。
この方法によれば、従来より衝撃強度と剛性のバランスに優れ、透明性にも優れたポリエチレン樹脂組成物が得られるものの、やはりHPLDブレンドに伴う衝撃強度の低下は避けられず、更に、三種類のエチレン系重合体のブレンドは、一定品質の製品を工業レベルで安定供給する上では従来よりも経済的に不利と考えられる。
一方、成形加工性を改良する方法としては、溶融粘度を増加させる長鎖分岐構造をエチレン系重合体に導入する試みが行なわれてきているが、長鎖分岐構造の最適化設計が不十分なため、やはり強度や透明性の低下は避けられず、その改良レベルは未だ不十分であった(特許文献5〜8参照)。
こうした状況下に、従来のエチレン系樹脂組成物のもつ問題点を解消し、成形加工性に優れ、かつ衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れた成形体を製造することが可能なポリエチレン系樹脂組成物の開発が望まれていた。
特開平7−149962号公報 特開平9−31260号公報 特開2006−312753号公報 特開2010−31270号公報 国際公開特許WO97/10295号公報 特開2006−63325号公報 特開2006−124567号公報 特開2007−197722号公報
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点に鑑み、成形加工特性に優れ、同時に、衝撃強度と剛性のバランスにも優れ、更には透明性にも優れるポリエチレン系樹脂組成物を提供すること、更には、該ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形して得られる、衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れた成形体および該成形体の用途を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、伸長粘度挙動で特徴付けられる長鎖分岐構造の少ない特定のエチレン系重合体と、同じく伸長粘度挙動で特徴付けられる特定の長鎖分岐構造を有する特定のエチレン系重合体とを組み合わせ、両者を特定のMFRおよび密度となるようにブレンドしたところ、得られたポリエチレン系樹脂組成物が、上述の課題を解決可能な良好な特性を示すことを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、 下記の条件(A−1)〜(A−4)を満足するエチレン系重合体(A)41〜99重量%と、下記の条件(B−1)〜(B−6)を満足するエチレン系重合体(B)1〜59重量%とを含み、かつ、組成物全体のMFRが0.05〜50g/10分、密度が0.910〜0.960g/cmであることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
エチレン系重合体(A)の条件;
(A−1)MFR=0.3〜100g/10分
(A−2)密度=0.915〜0.970g/cm
(A−3)[Mw/Mn]=2.0〜10.0
(A−4)温度170℃、伸長歪速度2(単位1/秒)で測定される伸長粘度η(t)(単位:Pa・秒)と伸長時間t(単位:秒)の両対数プロットにおいて、歪硬化に起因する伸長粘度の変曲点が観測されないか、あるいは同変曲点が観測された場合、歪硬化後の最大伸長粘度をηA;Max(t)、硬化前の伸長粘度の近似直線をηA;Linear(t)としたとき、ηA;Max(t)/ηA;Linear(t)で定義される歪硬化度[λmax(2.0)]が1.0〜2.0である。
エチレン系重合体(B)の条件;
(B−1)MFR=0.01〜1.5g/10分、かつ、100>MFR/MFR>1.0
(B−2)密度=0.880〜0.940g/cm
(B−3)[Mw/Mn]=2.0〜10.0
(B−4)上記(A−4)と同様にして[λmax(2.0)]が1.2〜20.0であり、かつ、20>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.0である。
(B−5)上記(A−4)と同様にして[λmax(2.0)]と、伸長歪速度を0.1(単位1/秒)として同様に測定した場合の[λmax(0.1)]の比[λmax(2.0)]/[λmax(0.1)]が1.2〜10.0である。
(B−6)遷移金属を含む触媒を用いたエチレンの重合反応により製造された重合体であること。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−2’)を満たすことを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
(B−2’)1.070>密度/密度>0.990
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−7)を満たすことを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物量が提供される。
(B−7)示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万における分岐指数(g’)が0.30〜0.70である。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−8)を満たすことを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物量が提供される。
(B−8)示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万以上の成分の含有量(W)が0.01〜30%である。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、エチレン系重合体(A)が、チーグラー触媒、フィリップス触媒またはメタロセン触媒から選ばれる少なくとも1つの触媒を用いたエチレンの単独重合またはα−オレフィンとの共重合によって製造されるエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、エチレン系重合体(A)が、マグネシウム化合物およびチタニウム化合物を用いて製造されたチーグラー・ナッタ触媒によるエチレンの単独重合またはα−オレフィンとの共重合によって製造されたエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、エチレン系重合体(B)が、メタロセン触媒によるエチレンとα−オレフィンとの共重合によって製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、エチレン系重合体(B)が、エチレンとα−オレフィンとの気相またはスラリー共重合によって製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に係るポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形してなる成形体が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に係るポリエチレン系樹脂組成物を押出成形、中空成形又はブロー成形してなるフィルムが提供される。
また、本発明の第11の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明に係るポリエチレン系樹脂組成物をインフレーション成形してなるフィルムが提供される。
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、成形加工特性に優れ、同時に、衝撃強度と剛性のバランスにも優れ、更には透明性にも優れる効果を有し、また、該ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形して得られる成形体も、衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れているので、薄肉化された成形製品を経済的に有利に提供することが可能である。
ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で用いられるクロマトグラムのベースラインと区間を示すグラフである。 伸長粘度の変曲点が観測される場合(実施例のエチレン系重合体(B)の典型例)の伸長粘度のプロット図である。 伸長粘度の変曲点が観測されない場合(実施例のエチレン系重合体(A)の典型例)の伸長粘度のプロット図である。 GPC−VIS測定(分岐構造解析)から算出する分子量分布曲線および分岐指数(g’)と分子量(M)との関係を示すグラフである。
本発明は、伸長粘度挙動で特徴付けられる長鎖分岐構造の少ない特定のエチレン系重合体(A)と、同じく伸長粘度挙動で特徴付けられる特定の長鎖分岐構造を有する特定のエチレン系重合体(B)とを、特定のMFRおよび密度となるようにブレンドしてなるポリエチレン系樹脂組成物、ならびに該ポリエチレン系樹脂組成物を成形して得られる成形体および該成形体の用途に係るものである。以下、本発明を各項目ごとに説明する。
[I]本発明のポリエチレン系樹脂組成物
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、特定の条件(A−1)〜(A−4)を満足するエチレン系重合体(A)(以下、単に(A)成分ともいう。)41〜99重量%と、特定の条件(B−1)〜(B−6)を満足するエチレン系重合体(B)(以下、単に(B)成分ともいう。)1〜59重量%とを含み、かつ、組成物全体のMFRが0.05〜50g/10分、密度が0.910〜0.960g/cmであることを特徴とする。以下に、本発明のポリエチレン系樹脂組成物を構成する各成分、その特性等について説明する。
(1)エチレン系重合体(A)
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を構成する成分の1つである(A)成分は、下記に説明する条件(A−1)〜(A−4)を全て満たす。
1−1.条件(A−1)
本発明における(A)成分のメルトフローレート(MFR)は、0.3〜100g/10分、好ましくは0.9〜20g/10分、更に好ましくは1.4〜10g/10分である。
MFRが0.3g/10分未満ではポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性、特に溶融流動性や延展性に劣り、MFRが100g/10分より大きいとポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度、引裂強度や引張強度等の機械的強度が低下するので好ましくない。なお、本発明で、エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物のMFRは、JIS K7210の「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定したときの値をいう。
1−2.条件(A−2)
本発明におけるエチレン系重合体(A)の密度は、0.915〜0.970g/cm、好ましくは0.917〜0.950g/cm、更に好ましくは0.925〜0.940g/cmである。
密度がこの範囲にあると、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性が優れる。一方、密度が0.915g/cm未満では剛性が低下し、製品がフィルムやシート等の厚さの薄い成形体の場合、製品使用における各種不都合はもちろんのこと、製品巻取工程、表面印刷・貼合等の後加工工程において不都合が生じるので好ましくなく、製品がパイプや各種容器等の肉厚成形体の場合、製品が柔らか過ぎて変形するため、必要以上に肉厚な設計を迫られるので好ましくない。また、密度が0.970g/cmより大きいと衝撃強度や透明性が損なわれるので好ましくない。なお、本発明で、エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物の密度は、以下の方法で測定したときの値をいう。
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートは、ビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃、湿度50%の条件で、16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃で、JIS K7112の「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して、測定した。
1−3.条件(A−3)
本発明における(A)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比([Mw/Mn])は、2.0〜10.0、好ましくは2.5〜10.0、更に好ましくは2.9〜5.0である。[Mw/Mn]が2.0未満ではポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性、特に溶融流動性が劣ったり、他の重合体成分と混ざり難かったりする可能性があるので避けるべきである。
[Mw/Mn]が10.0より大きいとポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の剛性改良の効果が不十分となったり、透明性が悪化したりするので好ましくない。なお、本発明で、エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物のMwやMnは、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものをいう。
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは、以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
なお、GPCの測定条件は、以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて、1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1に例示されるように行う。
1−4.条件(A−4)
本発明における(A)成分は、温度170℃、伸長歪速度2(単位1/秒)で測定される伸長粘度η(t)(単位:Pa・秒)と伸長時間t(単位:秒)の両対数プロットにおいて、歪硬化に起因する伸長粘度の変曲点が観測されないか、あるいは同変曲点が観測された場合、歪硬化後の最大伸長粘度をηMax(t)、硬化前の伸長粘度の近似直線をηLinear(t)としたとき、ηMax(t)/ηLinear(t)で定義される歪硬化度[λmax(2.0)]が1.0〜2.0、好ましくは1.0〜1.5、更に好ましくは1.0〜1.2であり、最も好ましくは、該変曲点が観測されない場合か、[λmax(2.0)]が1.0〜1.1の場合である。ここで、硬化前の伸長粘度の近似直線とは、歪量0.2から1.0に対応するtの範囲内で両対数グラフの曲線の接線のうち、最も傾きが小さい接線のことである(ただし該傾きは0または正の値である)。
[λmax(2.0)]が1.0未満では該エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の溶融状態が均一でなかったり、熱的に不安定な構造である可能性があり、好ましくない。[λmax(2.0)]が2.0より大きいと、成形時の溶融張力と流動性には優れるものの、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない。
一般に、ポリエチレンは、フィルム成形、ブロー成形、発泡成形等の溶融状態を経由する附型方法により工業製品へと加工されるが、この際、上記伸長粘度や歪硬化度に代表される伸長流動特性が成形性のし易さに大きな影響を与えることはよく知られている。
すなわち、分子量分布が狭く、長鎖分岐を持たないポリエチレンは、溶融強度が低いので成形性が悪く、一方、超高分子量成分や長鎖分岐成分を有するポリエチレンは、溶融伸長時に歪硬化(ストレイン・ハードニング)、すなわち、高歪み側で伸長粘度が急激に上昇する特性を有し、この特性を顕著に示すポリエチレンは、成形性に優れると言われている。このような伸長流動特性を有するポリエチレン樹脂、例えば、フィルム成形やブロー成形における製品の偏肉や吹き破れを防止したり、高速成形が可能となったり、発泡成形時の独立気泡率を高くできる効果があり、成形品の強度向上、意匠性向上、軽量化、成形サイクルの向上、断熱性向上等のメリットが得られる訳であるが、一方で、該伸長流動特性が強過ぎると、成形時の分子配向が原因と推定される強度異方性によって成形体の衝撃強度の低下が生じたり、溶融弾性が強過ぎる特性が原因と推定される成形体表面平滑性の低下によって透明性が悪化する等の不都合が発生する。
このように、ポリエチレンの伸長流動特性がもたらす成形加工面での向上および成形体の機械的特性面での不都合の克服を、該伸長粘度特性の主な支配因子である長鎖分岐構造を工夫することで解決すべくポリエチレン系樹脂組成物について鋭意検討を行なった結果、上述のように、長鎖分岐構造の少ないエチレン系重合体(A)を該樹脂組成物の高MFR主成分すなわち低分子量側主成分として使用すると、機械的特性、特に剛性の向上への寄与に優れ、更には透明性悪化防止にも優れることがわかった。
上記歪硬化度の測定方法に関しては、一軸伸長粘度を測定できれば、どのような方法でも原理的に同一の値が得られ、例えば、公知文献:Polymer 42(2001)8663に測定方法及び測定機器の詳細が記載されている。
本発明に係るエチレン系重合体の測定に当り、好ましい測定方法及び測定機器として、以下を挙げることができる。
測定方法:
・装置:Rheometorics社製 Ares
・冶具:ティーエーインスツルメント社製 Extentional Viscosity Fixture
・測定温度:170℃
・歪み速度:2/秒
・試験片の作成:プレス成形して18mm×10mm、厚さ0.7mm、のシートを作成する。
算出方法:
170℃、歪み速度2/秒における伸長粘度を、横軸に時間t(秒)、縦軸に伸長粘度η(Pa・秒)を両対数グラフでプロットする。その両対数グラフ上で、歪硬化後、歪量が4.0となるまでの最大伸長粘度をηMax(t)(tは最大伸長粘度を示す時の時間)とし、歪硬化前の伸長粘度の近似直線をηLinear(t)としたとき、ηMax(t)/ηLinear(t)として算出される値を歪硬化度(λmax)と定義する。なお、歪硬化の有無は、時間の経過と共に伸長粘度が上に凸の曲線から下に凸の曲線へと変わる変曲点を有するか、否かによって、判断される。
図2、図3は典型的な伸長粘度のプロット図である。図2は伸長粘度の変曲点が観測される場合であり、図中にηMax(t)、ηLinear(t)を示した。図3は伸長粘度の変曲点が観測されない場合である。
1−5.エチレン系重合体(A)の組成
本発明における(A)成分は、エチレンの単独重合体またはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。ここで用いられる共重合成分であるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1等が挙げられる。また、これらα−オレフィンは1種のみでもよく、また2種以上が併用されていてもよい。これらのうち、より好ましいα−オレフィンは炭素数3〜10のものであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられる。更に好ましいα−オレフィンは炭素数4〜8のものであり、具体的にはブテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等が挙げられる。特に好ましいα−オレフィンは、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1である。なお、後述するオレフィン重合用触媒の中には、エチレン単独重合時においても、エチレンオリゴメリゼーション反応による1−ブテンや1−ヘキセン等のα−オレフィンを重合系内で副生したり、「Chain−walking反応」と呼ばれる、オレフィン重合生長末端において活性中心金属−末端炭素間結合の異性化反応からオレフィン重合体主鎖にメチル基やエチル基といった短鎖分岐が生じる反応が今日よく知られており、これらの反応から生じるエチレン単独重合体中の短鎖分岐構造は、α―オレフィンの共重号によって生じる短鎖分岐構造と区別がつかない場合がある。
よって、本発明でいうエチレン単独重合体とは、外部からコモノマーとしてのα―オレフィンを供給することなく実施される重合の結果生じる重合体をいい、エチレン・α−オレフィン共重合体とは、外部から該α−オレフィンを供給して実施される重合の結果生じる重合体をいい、エチレン系重合体という語をエチレン単独重合体およびエチレン・α−オレフィン共重合体(後述のα−オレフィン以外をコモノマーとして使用する場合も含む。)を総称して使用することとした。
前記エチレン系重合体中におけるエチレンとα−オレフィンの割合は、エチレン約80〜100重量%、α−オレフィン約0〜20重量%であり、好ましくはエチレン約85〜99.9重量%、α−オレフィン約0.1〜15重量%であり、より好ましくはエチレン約90〜99.5重量%、α−オレフィン約0.5〜10重量%であり、更に好ましくはエチレン約90〜99重量%、α−オレフィン約1〜10重量%である。エチレン含量がこの範囲内であれば、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の剛性と衝撃強度のバランスがよい。
共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであっても差し支えない。もちろん、エチレンやα―オレフィン以外のコモノマーを少量使用することも可能であり、この場合、スチレン、4−メチルスチレン、4−ジメチルアミノスチレン等のスチレン類、1,4−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等のジエン類、ノルボルネン、シクロペンテン等の環状化合物、ヘキセノール、ヘキセン酸、オクテン酸メチル等の含酸素化合物類、等の重合性二重結合を有する化合物を挙げることができる。ただしジエン類を使用する場合は長鎖分岐構造が発達しない範囲内において、すなわち上記条件(A−4)を満たす範囲内において使用しなくてはいけないことは言うまでもない。
1−6.エチレン系重合体(A)の製法
本発明における(A)成分は、上記条件(A−1)〜(A−4)を全て満たすような上記組成のエチレン系重合体を製造して使用する。その製造は、オレフィン重合用触媒を用いてエチレンを単独重合または上述のα−オレフィンと共重合する方法によって実施される。
オレフィン重合用触媒としては、今日様々な種類のものが知られており、該触媒成分の構成および重合条件や後処理条件の工夫の範囲内において上記エチレン系重合体(A)が準備可能であれば何ら制限されるものではないが、エチレン系重合体(A)の製造に好適な、工業レベルにおける経済性を満足する技術例として、以下の(i)〜(iv)で説明する遷移金属を含む具体的なオレフィン重合用触媒の例を挙げることができる。
(i)チーグラー触媒
エチレン系重合体(A)の製造に好適なオレフィン重合用触媒の例として、遷移金属化合物と典型金属のアルキル化合物等の組み合わせからなるオレフィン配位重合触媒としてのチーグラー・ナッタ触媒、とりわけマグネシウム化合物にチタニウム化合物を担持させた固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を組み合わせたいわゆるMg−Ti系チーグラー触媒(例えば、「触媒活用大辞典;2004年工業調査会発行」、「出願系統図―オレフィン重合触媒の変遷―;1995年発明協会発行」等を参照されたい。)は安価で高活性かつ重合プロセス適性に優れることから好適である。
中でも、特開昭54−142192号公報、特開昭54−148093号公報に記載されているような不活性担体物質担持Mg/Ti触媒、すなわち、例えば、無水MgClのテトラヒドロフラン溶液とTiClあるいはTiClの均一混合液を、あらかじめトリエチルアルミニウムで処理した多孔質シリカに含浸して乾燥乾固して得られる触媒や、特開昭63−117019号公報に記載されているような、有機アルミニウムの存在下でMg/Ti触媒にオレフィン予備重合を施して得られた触媒、例えば、MgClとTi(OnBu)とメチルハイドロジエンポリシロキサンの反応で得られた固体成分にTiClとメチルハイドロジエンポリシロキサンの混合液を導入して得られた触媒をトリエチルアルミニウム存在下、エチレン予備重合して得られた予備重合触媒、等が挙げられる。また、特開昭60−195108号公報に記載されているようなマグネシウム・アルミニウム複合体と4価のチタン化合物とを反応させて得られた低原子価のチタン原子を含有する触媒成分と有機アルミニウム化合物とを組み合わせたオレフィン重合用触媒、特開昭56−61406号公報等に記載されているようなマグネシウムエトキシド、トリn−ブトキシモノクロルチタン、n−ブタノールの均一混合物にエチルアルミニウムセスキクロライド等を滴下して得られる固体状触媒、特開2001−139635号公報等に記載されているようなマグネシウム、ハロゲン、チタン及び電子供与体を含むオレフィン重合用固体触媒、等が挙げられる。
(ii)メタロセン触媒
エチレン系重合体(A)の製造に好適な重合触媒の例として、メタロセン系遷移金属化合物と助触媒成分からなるオレフィン重合触媒であるメタロセン触媒(例えば、「メタロセン触媒による次世代ポリマー工業化技術(上・下巻);1994年インターリサーチ(株)発行」等を参照されたい)は比較的安価で高活性かつ重合プロセス適性に優れ、更には分子量分布および共重合組成分布が狭いエチレン系重合体が得られることから使用される。
中でも、特開昭60−35007号公報等に記載されているようないわゆるメタロセン錯体とアルモキサンとを含んでなるオレフィン重合用の触媒系や、特開平8−34809号公報、特開平8−127613号公報、特開平11−193306号公報、特表2002−515522号公報、等に記載されているようなアルモキサン以外の助触媒成分を使用する触媒系が好適に使用される。メタロセン錯体としては中心金属が周期律表4B族であるTi、Zr、Hfのものがエチレン重合に対して高活性を示すので好適に使用される。これら中心金属の配位子の構造としては現在様々な構造のものが知られており、生成ポリエチレンの分子量、α−オレフィン共重合性等の重合性能が調べられている。本発明のエチレン系重合体(A)は前述したように長鎖分岐構造が無いか少量しか含まないものが好適であるが、このような特性のエチレン系重合体の製造には、共役五員環構造配位子が他の配位子と架橋基によって架橋されていないいわゆる非架橋錯体であることが好ましく、例えば、特開平11−310612号公報にあるような、下記の一般式[1]、[2]、[3]もしくは[4]によるメタロセン化合物の構造分類によれば、化合物[1]や化合物[3]が好ましく、化合物[1]がより好ましい。ただし、長鎖分岐構造の生成にはエチレンやα−オレフィンの重合場における濃度が高い程、重合反応時間が短い程不利であると言われているので、メタロセン化合物の好適さの大小はあくまでも重合が同一条件において実施される場合を仮定した相対的なものに限定されることは言うまでもない。また、特開平5−132518号公報、特開2000−154196号公報、特開2004−161760号公報等に記載されているメタロセン錯体も好適に用いられ、また、例えば特表2002−535339号公報記載のヘテロ原子を含有する単環式または多環式のヘテロ芳香族基を共役五員環構造配位子上の置換基として有するメタロセン錯体も好適に用いられる。
Figure 2012214781
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[ここで、A〜Aは、共役五員環構造を有する配位子(同一化合物内においてA〜Aは同一でも異なっていてもよい)を、Qは2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を、Z、ZはMと結合している窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を、Qは共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を、Mは周期律表4族から選ばれる金属原子を、そしてXおよびYはMと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を、それぞれ示す。以上の詳細定義は該公報に従うものとする。]
(iii)フィリップス触媒
フィリップス触媒は、クロム化合物をシリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア等の無機酸化物担体に担持させ、非還元性雰囲気で賦活することにより、担持されたクロム元素の少なくとも一部のクロム元素を6価としたクロム触媒である(例えば、M.P.McDaniel著,Advances in Catalysis,Volime 33,47頁,1985年,Academic Press Inc.; M.P.McDaniel著,Handbook of Heterogeneous Catalysis,2400頁,1997年,VCH; M.B.Welchら著,Handbook of Polyolefins:Synthesis and Properties,21頁,1993年,Marcel Dekker等を参照されたい)。フィリップス触媒はエチレン重合に対して高活性を示すので好適に使用される。ただし、フィリップス触媒で製造されるエチレン系重合体には長鎖分岐構造が含まれたり、分子量分布が広い傾向があるので、本発明のエチレン系重合体(A)として使用する際は上記条件(A−3)や(A−4)を満たすことに特に注意が必要である。
(iv)ポストメタロセン触媒
エチレン系重合体(A)の製造に好適な重合触媒の例として、先述のメタロセン系遷移金属化合物以外の均一系金属錯体(非メタロセン錯体)を使用するオレフィン重合触媒であるポストメタロセン触媒(例えば、「ポリエチレン技術読本;2001年工業調査会(株)発行」、「均一系遷移金属触媒によるリビング重合;1999年アイピーシー(株)発行」、「触媒活用大辞典;2004年工業調査会発行」等を参照されたい)が、比較的安価で活性に優れ、更には分子量分布および共重合組成分布が狭いエチレン系重合体が得られることから使用される。
中でも、特表平10−513489号公報、特表2002−521538号公報、特表2000−516295号公報、特表2000−514132号公報、Macromolecules,1996,p5241、JACS,1997,119,p3830、JACS,1999,121,p5798、Organometallics,1998,p3155等に開示されている少なくとも2個のN原子を有する配位子が該2個のN原子を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のビスイミド化合物、イミノアミド化合物、ビスアミド化合物や、特開平6−136048号公報等に開示されている少なくとも2個のO原子またはS原子を有する配位子が該2個のO原子またはS原子を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のビスヒドロカルビルオキシ化合物、ビスヒドロカルビルチオ化合物や、特表2000−514132号公報、特表2003−535107号公報、特開2007−77395号公報等に開示されている少なくとも1個のN原子、S原子あるいはP原子とカルボキシル基(COO)を有する配位子が該N原子、S原子あるいはP原子とカルボキシル基を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のイミノカルボキシレート化合物、チオカルボキシレート化合物、ホスフィンカルボキシレート化合物や、特表2004−517933号公報等に開示されている少なくとも1個のP原子あるいはN原子とカルボニル基(CO)を有する配位子が該P原子あるいはN原子とカルボニル基を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のβ−ケト−ホスフィン化合物、β−ケト−イミド化合物、β−ケト−アミド化合物や、特開昭64−14217号公報、特表2004−517933号公報等に開示されている少なくとも1個のP原子あるいはN原子とO原子を有する配位子が該P原子あるいはN原子とO原子を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のγ−オキシ−ホスフィン化合物、γ−オキシ−イミド化合物、γ−オキシ−アミド化合物や、特開平6−184214号公報、特開平10−195090号公報、特表2002−521534号公報、特開2007−46032号公報、特開2007−77395号公報等に開示されている少なくとも1個のP原子とスルホン酸残基(SO)を有する配位子が該P原子とスルホン酸残基を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のγ−スルホナト−ホスフィン化合物や、特開平11−315109号、Chemical Communications(2003),(18),2272−2273等に開示されている少なくともN原子とフェノキシ基を有する配位子が該N原子とフェノキシ基のO原子を通じて周期律表第3〜11族の遷移金属と結合することにより形成される該遷移金属を含む四〜八員環キレート構造を有する遷移金属のフェノキシイミン化合物、フェノキシアミン化合物が好適に使用される。
これらの非メタロセン錯体触媒としては、中心金属が周期律表4B族であるTi、Zr、HfやV、Cr、Fe、Co、Ni、Pdのものが高活性を示すのでより好適に使用され、中心金属がTi、Zr、Hf、Fe、Ni、Pdのものが更に好適に使用される。ただし、これらのポストメタロセン触媒の中には、生成エチレン系重合体中に長鎖分岐構造が含まれたり、メチル分岐を中心とする短鎖分岐構造が含まれたり、分子量分布が広がったりする傾向を有する場合があるので、本発明のエチレン系重合体(A)として使用する際は上記条件(A−2)〜(A−4)を満たすことに特に注意が必要である。
本発明において、エチレン系重合体(A)の製造は、好ましくは上述のオレフィン重合触媒(i)〜(iv)、より好ましくは(i)のチーグラー触媒または(ii)のメタロセン触媒をエチレンと接触して、エチレンを重合または共重合することによって実施される。オレフィン重合触媒は(i)〜(iv)の中から複数種を使用することもできる。エチレンの重合または共重合を行うに際しては、スラリー重合、溶液重合、液状モノマー中でのバルク重合、懸濁重合のような液相重合法あるいは気相重合法など、いずれの方法も採用することができる。スラリー重合法の場合、パイプループ型反応器を用いるスラリー重合法、オートクレーブ型反応器を用いるスラリー重合法、いずれも用いることができる。工業的な重合プロセスに関しては、松浦一雄・三上尚孝編著、「ポリエチレン技術読本」、148頁、2001年、工業調査会に詳細に記載されている。重合方法としてはスラリー重合法または気相重合法が好ましく、気相重合法が更に好ましい。
本発明において使用されるエチレンは、通常の化石原料由来の原油から製造されるエチレンであってもよいし、植物由来のエチレンであってもよい。また、本発明において製造されるポリエチレンは、植物由来のエチレンを使用して製造されたエチレン系重合体であっても何ら差し支えない。植物由来のエチレン及びポリエチレンとしては、例えば、特表2010−511634号公報に記載のエチレンやそのポリマーが挙げられる。植物由来のエチレンやそのポリマーは、カーボンニュートラル(化石原料を使わず大気中の二酸化炭素の増加につながらない)の性質を持ち、環境に配慮した製品の提供が可能である。
液相重合法は、通常炭化水素溶媒中で行う。炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素の単独または混合物あるいは液状モノマーが用いられる。気相重合法は、不活性ガス共存下にて、流動床、攪拌床等の通常知られる重合法を採用でき、場合により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデンシングモードを採用することもできる。
重合温度は、一般的には0〜300℃であり、実用的には50〜270℃であり、更に好ましくは、採用する重合プロセスによって異なるが、スラリー重合や懸濁重合では60〜110℃であり、溶液重合や液状エチレン中でのバルク重合では100〜250℃であり、気相重合法では60〜100℃である。反応器中の触媒濃度およびオレフィン濃度は重合を進行させるのに十分な任意の濃度でよい。エチレン濃度は、スラリー重合、懸濁重合、溶液重合の場合、反応器内容物の重量を基準にして約1%〜約10%の範囲とすることができ、気相重合の場合、全圧として0.1〜10MPaの範囲とすることができる。また、水素を共存させて重合を行うことも可能であり、エチレン系重合体(A)のMFRを調整する手段として一般的である。水素は、一般的には分子量を調節するためのいわゆる連鎖移動剤としての働きを有する。MFRは、重合温度、触媒のモル比等の重合条件を変えることによってもある程度調節可能である。エチレン系重合体(A)の長鎖分岐量を少なくするためには、エチレン濃度や水素濃度は高い方が好ましい。
重合方法としては、反応器を一つ用いてオレフィン系重合体を製造する単段重合だけでなく、生産量を向上させるため、または分子量分布やコモノマー組成分布をより精密に制御するために少なくとも二つ以上の反応器を直列あるいは/および並列に連結させて多段重合を行うこともできる。多段重合の場合、複数の反応器を連結させ、第一段の反応器で重合して得られた反応混合物を続いて第二段以降の反応器に連続して供給する直列多段重合が好ましい。直列多段重合法では、前段の反応器での重合反応混合物が後段以降の反応器に連結管を通して連続的排出により移送される。また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、前記有機アルミニウムオキシ化合物、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物が使用されるが、有機アルミニウム化合物が最も一般的である。
(2)エチレン系重合体(B)
本発明のポリエチレン系樹脂組成物を構成する成分の1つである(B)成分は、下記に説明する条件(B−1)〜(B−6)を全て満たす。
2−1.条件(B−1)
本発明における(B)成分のメルトフローレート(MFR)は、0.01〜1.5g/10分、好ましくは0.05〜1.0g/10分、更に好ましくは0.1〜0.8g/10分である。
MFRが0.01g/10分未満ではポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性、特に溶融流動性や延展性に劣り、更にはエチレン系重合体(A)と均一に混ぜることが困難となるため、ゲル、ブツ、フィッシュアイといった概観不良が生じたり、衝撃強度や透明性が低下するので好ましくない。MFRが1.5g/10分より大きいとポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度、引裂強度や引張強度等の機械的強度や透明性の向上効果が十分発現しないので好ましくない。MFRは更に、MFRとの関係において、100>MFR/MFR>1.0を満たすことが本発明のポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度、引裂強度や引張強度等の機械的強度、透明性の向上には必要であり、好ましくは20>MFR/MFR>1.1、より好ましくは15>MFR/MFR>1.2、更に好ましくは10>MFR/MFR>2.0を満たすことが必要である。なお、MFRは、上述の条件(A−1)と同様の条件で測定したときの値をいう。
2−2.条件(B−2)
本発明における(B)成分の密度は、0.880〜0.940g/cm、好ましくは0.891〜0.940g/cm、より好ましくは0.895〜0.925g/cm、更に好ましくは0.900〜0.915g/cm、特に好ましくは0.900〜0.910g/cmである。
密度がこの範囲にあると、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度と剛性の
バランスおよび透明性が優れる。一方、密度が0.880g/cm未満では剛性が低下し、製品がフィルムやシート等の厚さの薄い成形体の場合、製品使用における各種不都合はもちろんのこと、製品巻取工程、表面印刷・貼合等の後加工工程において不都合が生じるので好ましくなく、製品がパイプや各種容器等の肉厚成形体の場合、製品が柔らか過ぎて変形するため、必要以上に肉厚な設計を迫られるので好ましくない。また、エチレン系重合体(A)とのブレンド処理工程に供する際に室温においてさえベトツキがひどくて取り扱いが困難となったり、ポリエチレン系樹脂組成物の製品ベトツキの原因となって好ましくなく、更には、エチレン系重合体(A)との相容性が低下し、相分離による衝撃強度や透明性が悪化する可能性がある。また、密度が0.940g/cmより大きいと衝撃強度や透明性が損なわれるので好ましくない。
密度は更に、密度との関係において、1.070>密度/密度>0.990を満たすことが本発明のポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度、引裂強度や引張強度等の機械的強度、透明性の向上には好ましく、より好ましくは1.059>密度/密度>1.000、更に好ましくは1.050>密度/密度>1.005、特に好ましくは1.035>密度/密度>1.010を満たすことが必要である。なお、密度は、上述の条件(A−2)と同様の条件で測定したときの値をいう。
2−3.条件(B−3)
本発明における(B)成分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比([
Mw/Mn])は、2.0〜10.0、好ましくは2.0〜6.0、より好ましくは2.5〜5.6、更に好ましくは2.9〜4.5、特に好ましくは3.2〜4.0である。
[Mw/Mn]が2.0未満ではエチレン系重合体(A)と混ざり難かったりする可能性があるので避けるべきである。[Mw/Mn]が10.0より大きいとポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度改良の効果が不十分となったり、透明性が悪化したり、ベトツキしやすくなるので好ましくない。なお、[Mw/Mn]は上述の条件(A−3)と同様の条件で測定したときの値をいう。
2−4.条件(B−4)
本発明における(B)成分は、歪硬化度[λmax(2.0)]が1.2〜20.0、好ましくは1.2〜10.0、より好ましくは1.7〜8.0、更に好ましくは2.4〜6.0であり、特に好ましくは3.0〜5.0である。
[λmax(2.0)]が1.2未満では該エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の流動性や溶融張力が不十分となり、成形加工特性が悪くなる。[λmax(2.0)]が20.0より大きいと、流動性や溶融張力には優れるものの、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない。なお、[λmax(2.0)]は上述の条件(A−4)と同様の条件で測定したときの値をいう。
更に、[λmax(2.0)]と[λmax(2.0)]の関係は、その比が、20>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.0を満たす場合、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性と機械的特性のバランスが特に向上するので好ましい。該比が20以上の場合、該樹脂組成物の成形加工性は向上するが、機械的強度が低下したり、透明性が悪化したり、エチレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)の均一な混合が困難となって外観を悪化させる場合があるので、好ましくない。また該比が1.0以下の場合、該樹脂組成物の成形加工性の改良が十分発揮しないので、好ましくない。該比は、好ましくは10>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.1、より好ましくは5.0>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.5、更に好ましくは4.0>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.8である。
ポリエチレンの伸長流動特性がその成形加工性や成形体の機械的特性面に与える影響に関しては、既に上述の条件(A−4)の項で一般論として述べた通りであるが、このようにポリエチレンの伸長流動特性がもたらす成形加工面での向上および成形体の機械的特性面での不都合の克服を、該伸長粘度特性の主な支配因子である長鎖分岐構造を工夫することで解決すべくポリエチレン系樹脂組成物について鋭意検討を行なった結果、長鎖分岐構造の少ないエチレン系重合体(A)を該樹脂組成物の高MFR主成分すなわち低分子量側主成分として使用するとともに、上記(B−4)で定義された伸長歪硬化度[λmax(2.0)]で代表される長鎖分岐構造の多いエチレン系重合体(B)を該樹脂組成物の低MFR主成分すなわち高分子量側主成分として使用すると、成形加工特性の向上はもちろんのこと、機械的特性、特に剛性や衝撃強度に優れ、更には透明性にも優れることがわかり、更に、該エチレン系重合体(B)の長鎖分岐構造が、伸長歪硬化度の歪速度依存性が従来使用されていたものとは異なる下記条件(B−5)で表わされる特性を有する時、上記ポリエチレン系樹脂組成物の成形加工特性、機械的特性、透明性のいずれにおいても向上効果に極めて優れることがわかった。
2−5.条件(B−5)
本発明における(B)成分は、上記(B−4)で定義された[λmax(2.0)]と、伸長歪速度を0.1(単位1/秒)として同様に測定された[λmax(0.1)]との比[λmax(2.0)/λmax(0.1)]が1.2〜10.0、好ましくは1.3〜5.0、より好ましくは1.4〜4.0であり、更に好ましくは1.5〜3.0である。
[λmax(2.0)/λmax(0.1)]が1.2未満では該エチレン系重合体、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の溶融状態が均一でなかったり、熱的に不安定な構造である可能性があったり、非常に長い長鎖分岐構造の存在に起因する成形体の強度異方性による衝撃強度の低下や透明性の悪化が生じたりして、好ましくない。[λmax(2.0)/λmax(0.1)]が10.0より大きいと、成形時の溶融張力と流動性には優れるものの、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない。
2−6.条件(B−6)
本発明における(B)成分は、遷移金属を含む触媒を用いたエチレンの重合反応により製造された重合体であり、好ましくは、後述の2−9.エチレン系重合体(B)の製法の項で詳細に説明された遷移金属を含む触媒を用いたエチレンの重合反応により製造された重合体であり、より好ましくは、遷移金属を含む触媒を用いたエチレンの配位アニオン重合反応により製造された重合体である。
今日、遷移金属を含まないエチレン重合用触媒としては、各種ラジカル重合開始剤がよく知られており、具体的にはジアルキルペルオキシド化合物、アルキルヒドロペルオキシド化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化水素等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物、等が挙げられるが、これらラジカル重合開始剤を使用したラジカル重合反応で生成するエチレン系重合体は、長鎖分岐構造を多く含み、ポリエチレン系樹脂組成物の成分と使用した場合、成形加工特性や透明性の向上に効果を有するものの、長鎖分岐構造が多くなり過ぎて該組成物や成形体の強度を低下させるので好ましくなく、また、エチレン系重合体(B)のMFRを十分低くしたり、密度を十分低下させたり、好ましいα−オレフィンとの共重合が実現不可能であったりするので、該組成物や成形体の強度を十分向上させることが出来ないので、好ましくない。なお、例え、遷移金属を含む触媒であっても、過酸化水素/塩化第一鉄やセリウム塩/アルコールのようないわゆるレドックス系のように重合反応が実質的にラジカル重合で進行する場合は、本発明でいう遷移金属を含む触媒とは見なさない。
2−7.条件(B−7)
本発明における(B)成分は、上記条件(B−1)〜(B−6)に加えて更に、示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万における分岐指数(g’)が0.30〜0.70であることが好ましい。g’値が0.70より大きいと該ポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性が不十分であったり、該樹脂組成物や該成形体の透明性が不足したりして好ましくない。g’値が0.30より小さいと、該ポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性は向上するが、成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない。なお、本発明で、エチレン系重合体のg’値や次項のW値は、下記のGPC−VIS測定から算出する分子量分布曲線や分岐指数(g’)を用いた長鎖分岐量の評価手法である。
2−8.条件(B−8)
本発明における(B)成分は、上記条件(B−1)〜(B−7)に加えて更に、示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万以上の成分の含有量(W)が0.01〜30.0%であることが好ましい。W値は、より好ましくは0.01〜10.0%であり、更に好ましくは0.02〜8.0%であり、特に好ましくは0.05〜6.0%であり、最も好ましくは0.09〜4.0%である。
値が0.01%より小さいと該ポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性が不十分であったり、該樹脂組成物や該成形体の透明性が不足したりして好ましくない。W値が30.0%より大きいと、該ポリエチレン系樹脂組成物の成形加工性のうち、溶融張力は向上するが、溶融流動性が低くなり過ぎて、該樹脂組成物の製造や成形加工に支障を来たすので好ましくなく、更には成形体の衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりするので好ましくない。
[GPC−VISによる分岐構造解析]
示差屈折計(RI)および粘度検出器(Viscometer)を装備したGPC装置として、Waters社のAlliance GPCV2000を用いた。また、光散乱検出器として、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)Wyatt Technology社のDAWN−Eを用いた。検出器は、MALLS、RI、Viscometerの順で接続した。移動相溶媒は、1,2,4−trichlorobenzene(酸化防止剤Irganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)である。流量は1mL/分である。カラムは、東ソー社 GMHHR−H(S) HTを2本連結して用いた。カラム、試料注入部および各検出器の温度は、140℃である。試料濃度は1mg/mLとした。注入量(サンプルループ容量)は0.2175mLである。MALLSから得られる絶対分子量(M)、慣性二乗半径(Rg)およびViscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行った。
参考文献:
1.Developments in polymer characterization, vol.4. Essex: Applied Science; 1984. Chapter1.
2.Polymer, 45, 6495−6505(2004)
3.Macromolecules, 33, 2424−2436(2000)
4.Macromolecules, 33, 6945−6952(2000)
[分岐指数(g’)等の算出]
分岐指数(g’)は、サンプルを上記Viscometerで測定して得られる極限粘度(ηbranch)と、別途、線形ポリマーを測定して得られる極限粘度(ηlin)との比(ηbranch/ηlin)として算出する。
ポリマー分子に長鎖分岐が導入されると、同じ分子量の線形のポリマー分子と比較して慣性半径が小さくなる。慣性半径が小さくなると極限粘度が小さくなることから、長鎖分岐が導入されるに従い同じ分子量の線形ポリマーの極限粘度(ηlin)に対する分岐ポリマーの極限粘度(ηbranch)の比(ηbranch/ηlin)は小さくなっていく。したがって分岐指数(g’=ηbranch/ηlin)が1より小さい値になる場合には分岐が導入されていることを意味し、その値が小さくなるに従い導入されている長鎖分岐が増大していくことを意味する。特に本発明では、MALLSから得られる絶対分子量として、分子量100万以上の成分の、RIで測定される全成分量に対する含有比率(%)を、分子量100万以上の成分の含有量(W)として算出し、MALLSから得られる絶対分子量として、分子量100万における上記g’を、g’として算出する。
図4に上記GPC−VISによる解析結果の一例を示した。図4の左は、MALLSから得られる分子量(M)とRIから得られる濃度を元に測定された分子量分布曲線を、図4の右は、分子量(M)における分岐指数(g’)を表す。ここで、線形ポリマーとしては、直鎖ポリエチレンStandard Reference Material 1475a(National Institute of Standards & Technology)を用いた。
2−8.エチレン系重合体(B)の組成
本発明における(B)成分の組成に関する説明は、エチレンとα−オレフィンの割合を除いて、上述の1−5.エチレン系重合体(A)の組成に関する説明をそのまま参照することが出来るので、同一部分に関してはその記述を省略する。
本発明のエチレン系重合体(B)は、好ましくは、エチレンと上述の1−5.に記載したα−オレフィンとの共重合体であり、最も好ましくは、ヘキセン−1、オクテン−1との共重合体である。本発明のエチレン系重合体(B)中におけるエチレンと該α−オレフィンの割合は、エチレン約75〜99.5重量%、α−オレフィン約0.5〜25重量%であり、好ましくはエチレン約78〜97重量%、α−オレフィン約3〜22重量%であり、より好ましくはエチレン約80〜96重量%、α−オレフィン約4〜20重量%であり、更に好ましくはエチレン約82〜95重量%、α−オレフィン約5〜18重量%である。エチレン含量がこの範囲内であれば、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の剛性と衝撃強度のバランスがよく、透明性にも優れる。上述ジエン類を使用する場合は長鎖分岐構造が上記条件(B−4)および(B−5)を満たす範囲内において使用しなくてはいけないことは言うまでもない。
2−9.エチレン系重合体(B)の製法
本発明におけるエチレン系重合体(B)の製法に関する説明は、上記条件(B−4)および(B−5)に対応する長鎖分岐構造を該エチレン系重合体(B)に付与するのに適切なオレフィン重合用触媒の選択に留意する必要がある点を除いて、上述の1−6.エチレン系重合体(A)の製法に関する説明をそのまま参照することが出来るので、同一部分に関してはその記述を省略する。
本発明におけるエチレン系重合体(B)の製造に好適な、工業レベルにおける経済性を満足する遷移金属を含むオレフィン重合用触媒は、エチレン系重合体(A)の場合と同様に、前述した(i)チーグラー触媒、(ii)メタロセン触媒、(iii)フィリップス触媒、あるいは(iv)ポストメタロセン触媒の中から適宜選択して使用される。
本発明におけるエチレン系重合体(B)の製造により好適な上記触媒は、(i)チーグラー触媒、(ii)メタロセン触媒、(iv)ポストメタロセン触媒であり、更に好適には(i)チーグラー触媒、(ii)メタロセン触媒であるが、(ii)メタロセン触媒は、他の触媒に比べて、分子量分布や共重合組成分布が狭いエチレン系重合体を生成するので、該ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の機械的特性、透明性、ベトツキ防止性能、ヒートシール性能等の向上の観点で、特に好適である。もちろん、(iv)ポストメタロセン触媒においても、該メタロセン触媒と該観点において同等の性能を発揮する触媒を選択する場合においてはその使用が好ましいことは言うまでもない。
本発明におけるエチレン系重合体(B)の満足すべき特性のうち、特に重要となる上記条件(B−4)および条件(B−5)、好ましくは条件(B−4)、条件(B−5)、および条件(B−7)で表わされる特性は、伸長歪硬化挙動が観測されるレベルで互いに絡み合うことが可能な程度、十分に発達した短か目の分岐構造を相当量含有すると解釈される特徴的な長鎖分岐構造に由来すると考えられる。
一般に長鎖分岐を有するエチレン系重合体とは、ポリエチレン分子に長い枝分かれ構造(長鎖分岐)を有するエチレン系重合体であって、通例の短鎖分岐を有するエチレン単独重合体やエチレン・α−オレフィン共重合体(直鎖状ポリエチレンとも称される)と対比されている。このような長鎖分岐を有するエチレン系重合体の製造は、これまでにも種々試みられており、昨今のチーグラー系触媒やメタロセン系触媒を使用して直接エチレンとαーオレフィンとを共重合させる方法、あるいはエチレンと予め製造されたマクロモノマーと共重合体させて長鎖分岐を導入させる方法等が挙げられる。また、フィリップス触媒と称される六価のクロム元素を中心金属とする触媒によるエチレン系重合体には少量の長鎖分岐構造が含まれると言われている。具体的に長鎖分岐構造を有するエチレン系重合体の製造を述べた例としては、例えば、昨今では、チーグラー系触媒を用いたものとしては特開昭60−090203号公報や特開平10−298234号公報等が挙げられる。これらの方法においては、有機アルミニウム化合物の種類と量や、触媒の種類や重合条件を適切に選択して長鎖分岐の質と量を制御することにより、エチレン系重合体の長鎖分岐構造を調整することが可能である。また、メタロセン系触媒を用いたものとしては、架橋ビスシクロペンタジエニル配位子を有する錯体を使用する例として、特開2002−544296号公報、特開2005−507961号公報等が挙げられ、架橋ビスインデニル配位子を有する錯体を使用する例として、特開平2−276807号公報、特開2002−308933号公報、特開2004−292772号公報、特開平8−311121号公報、特開平8−311260号公報、特開平8−48711号公報等が挙げられ、架橋ビスインデニル配位子を有する錯体に非MAO改質粒子を組み合わせて触媒として使用する例として、特開2004−292772号公報等が挙げられ、拘束幾何錯体触媒を使用する例として、特開平6−306121号公報等が挙げられ、ベンゾインデニル配位子を有する錯体を他の低分子量ポリエチレン生成錯体と組み合わせて使用する例として、特開2006−2098号公報等が挙げられる。
これらの方法においては、錯体の種類や触媒調製条件、重合条件を適切に選択して長鎖分岐の質と量を制御することが可能である。また、特開平10−512600号公報等には、ジエン類をコモノマーとしてエチレンと共重合させてポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入する方法や、特表2008−505222号公報等には、T−試薬なる連鎖移動反応剤を利用してポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入する方法も開示されている。これらの方法においては、ジエン類や連鎖移動剤の種類や量を制御したり、触媒の種類や重合条件を適切に選択したりして長鎖分岐の質と量を制御することが可能である。更に、特開平07−252311号公報、特開平08−502303号公報、国際公開特許WO95−11931号公報、特表2001−511215号公報、特開2006−321991号公報等には、特定のメタロセン系触媒を用いて予めマクロモノマーを製造し、さらにこのマクロモノマーとエチレンを共重合させてポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入する方法が開示されている。これらの方法においては、錯体の種類や触媒調製条件、重合条件、マクロモノマーの量や分子量を適切に選択して長鎖分岐の質と量を制御することが可能である。また、このような長鎖分岐を有するエチレン系重合体を表す指標としては、一般には、メルトフローレート比(MFR比:例えば、特許第2571280号公報等)、メルトテンション(MT:例えば、特許第3425719号公報等)、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)の存在の有無(例えば、特許第4190638号公報等)、活性化エネルギー(例えば、特開平07−062031号公報等)等にみられるように種々の測定手法等で表現されている。また、実際に市販されている樹脂としては、商品名:AFFINITY(登録商標) FM1570 (ダウ・ケミカル社製)、商品名:エクセレンGMH(登録商標)(住友化学工業株式会社製)等が挙げられる。
しかしながら、これらの方法で生成する長鎖分岐構造を有するエチレン系重合体が、全て、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の構成成分としてのエチレン系重合体(B)に適するわけではなく、その選択によって、該ポリエチレン系組成物や該組成物による成形体の成形加工特性や機械的強度、透明性が大きく異なる結果に帰結することを発明者らは発見したのであって、本発明に好適な長鎖分岐構造の選択に加えて、更に、先に述べたように、MFR、密度、分子量分布条件が好適に設計されたエチレン系重合体(B)を該ポリエチレン系組成物の構成成分として用いることによって、初めて本発明が完成に至るのである。
従来技術で生成可能な長鎖分岐構造を有するエチレン系重合体には、上述のように、チーグラー系触媒を使用したもの、架橋ビスシクロペンタジエニル配位子を有する錯体を使用したもの、架橋ビスインデニル配位子を有する錯体を使用したもの、架橋ビスインデニル配位子を有する錯体に非MAO改質粒子を組み合わせて触媒として使用したもの、拘束幾何錯体触媒を使用したもの、ベンゾインデニル配位子を有する錯体を他の低分子量ポリエチレン生成錯体と組み合わせて使用したもの、ジエン類をコモノマーとしてエチレンと共重合させてポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入したもの、T−試薬なる連鎖移動反応剤を利用してポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入したもの、特定のメタロセン系触媒を用いて予めマクロモノマーを製造し、更にこのマクロモノマーとエチレンを共重合させてポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入したものが挙げられる。
しかしながら、本発明におけるエチレン系重合体(B)として、上記チーグラー系触媒で製造したエチレン系共重合体を使用した場合、分子量分布や共重合組成分布が広がって、該ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度や透明性が不十分であったり、低結晶性成分が多いためにベトツキが酷くなったりして好ましいとは言えない。更には該触媒では長い長鎖分岐構造は少量しか生成しないため、衝撃強度や透明性が十分向上せず、架橋ビスシクロペンタジエニル配位子を有する錯体や架橋ビスインデニル配位子を有する錯体を使用して製造したエチレン系共重合体を使用した場合、分子量分布が広がる傾向があるために該ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度や透明性が不十分であったり、長鎖分岐の鎖の長さが長めになる傾向にあって衝撃強度や透明性が十分向上せず、架橋ビスインデニル配位子を有する錯体に非MAO改質粒子を組み合わせて触媒として使用して製造したエチレン系共重合体を使用した場合、分子量分布がMAO助触媒の時よりも更に広がる傾向があるために該ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度や透明性が不十分であり、例えば、該触媒を実際に使用して製造された市販品と言われている上記エクセレンGMHでは、分子量分布が広く、長鎖分岐が長く、分岐数が不十分であるため、成形加工性の改良効果が不十分であったり、衝撃強度や透明性が十分向上せず、拘束幾何錯体触媒を使用して製造したエチレン系共重合体を使用した場合、例えば、該触媒を実際に使用して製造された市販品と言われている上記AFFINITY(例えばFM1570)では、長鎖分岐の鎖の長さが長く、かつ、分岐数が不十分であるため、成形加工性の改良効果が不十分であったり、衝撃強度や透明性が十分向上せず、現状のままでは上記いずれの方法も、本発明におけるエチレン系重合体(B)の製造方法として好ましいとは言えない。
また、ベンゾインデニル配位子を有する錯体を他の低分子量ポリエチレン生成錯体と組み合わせて使用して製造したエチレン系共重合体の場合、本発明におけるエチレン系重合体(B)に要求される長鎖分岐構造を実現する可能性はある程度有すると思われるものの、長鎖分岐構造生成には低水素濃度での重合条件に限定されたり、分子量分布が広がらないように錯体使用比率等の触媒合成条件や重合条件の更なる検討が必要となったり、エチレン系重合体(B)や組み合わせるエチレン系重合体(A)のMFRや密度の設定に関する検討が必要となる。また、ジエン類を共重号する方法や、連鎖移動反応剤を利用する方法によって、本発明におけるエチレン系重合体(B)として適切な長鎖分岐構造を実現するためには、使用するジエン類、連鎖移動剤、重合触媒の種類や重合条件の更なる検討を待たねばならない。更には、残存ジエンや残存連鎖移動剤による該重合体の汚染(臭気、着色、劣化)等の問題も解決する必要があると考えられる。また、マクロモノマーを製造してエチレンと共重合させてポリエチレン鎖に長鎖分岐を導入する方法によって本発明におけるエチレン系重合体(B)として適切な長鎖分岐構造を実現するためには、使用する重合触媒の種類や重合条件、生成マクロマーの分子量、密度、共重合率の制御等の更なる検討を待たねばならず、更には、残存マクロマーが低分子量ポリマー成分として該重合体中や該重合体を一成分とするポリエチレン系樹脂組成物中に残存するため、分子量分布や共重合組成分布が広がる傾向があるために該ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度や透明性が不十分となる可能性が大きいので十分好ましいとは言えない。こうした理由から、エチレン系重合体(B)としては、長鎖分岐の鎖の長さが長めになる傾向にあって衝撃強度や透明性が十分向上せず、重合体の汚染(臭気、着色、劣化)等の問題も解決する必要があると考えられる。
すなわち、発明者らが本発明の目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成するオレフィン重合用触媒としては、一例として、最近発見されたような架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須触媒成分として使用する方法(特願2010−268037号の発明等)に至り、また、別の一例として、ベンゾインデニル配位子等を有する錯体を触媒成分として使用する方法(特開2006−2098号公報等)に至り、更に別の一例として、メタロセン錯体として架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(アズレニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体と、有機アルミニウムオキシ化合物とカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物であるボラン化合物あるいはボレート化合物との混合物を用いた触媒を用いる方法に至ったのである。
上記本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成する架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とするオレフィン重合用触媒の一例は、次の必須成分(a)、成分(b)および好ましい成分(c)からなるオレフィン重合用触媒として具体的に例示される。
成分(a−1):一般式(1)で示されるメタロセン化合物
成分(b):成分(a)のメタロセン化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(c):微粒子担体
i)成分(a−1)
必須成分(a−1)は、下記一般式(a−1−1)で示されるメタロセン化合物である。
Figure 2012214781
[式(a−1−1)中、Mは、Ti、ZrまたはHfのいずれかの遷移金属を示す。XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基または炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。QとQは、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示す。Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、4つのRは、結合しているQおよびQと一緒に環を形成していてもよい。mは、0または1であり、mが0の場合、Qは、RおよびRを含む共役5員環と直接結合している。Rは、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素を含む炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示すが、複数のRが炭化水素基等であっても下記Rのように結合している炭素原子と一緒に環を形成することはない。Rは、結合する5員環に対して縮合環を形成する炭素数4または5の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を示す。Rは、Rの炭素原子と結合する原子または基であり、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示す。nは、0〜10の整数を示し、nが2以上の場合、Rは、結合している炭素原子と一緒に環を形成していてもよい。Rは、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素を含む炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示すが、複数のRが炭化水素基等であってもRのように結合している炭素原子と一緒に環を形成することはない。]
上記一般式(a−1−1)中、メタロセン化合物のMは、Ti、ZrまたはHfを表す。該Mは好ましくはZrまたはHfであり、重合活性が高いという観点では更に好ましくはMはZrであり、本発明内において、以降全てのメタロセン錯体の説明について、この中心金属種の好適さの順位が適用される。
また、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子、または塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、アセチル基、1−オキソプロピル基、1−オキソ−n−ブチル基、2−メチル−1−オキソプロピル基、2,2−ジメチル−1−オキソ−プロピル基、フェニルアセチル基、ジフェニルアセチル基、ベンゾイル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−フリル基、2−テトラヒドロフリル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジi−プロピルアミノメチル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジi−プロピルアミノ)メチル基、(ジメチルアミノ)(フェニル)メチル基、メチルイミノ基、エチルイミノ基、1−(メチルイミノ)エチル基、1−(フェニルイミノ)エチル基、1−[(フェニルメチル)イミノ]エチル基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジi−プロピルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジi−ブチルアミノ基、ジt−ブチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などが挙げられる。
好ましいXおよびXの具体例としては、塩素原子、臭素原子、メチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、フェノキシ基、ジメチルアミノ基、ジi−プロピルアミノ基が挙げられる。これらの具体例の中でも、塩素原子、メチル基、ジメチルアミノ基が特に好ましい。
また、QとQは、炭素原子、ケイ素原子またはゲルマニウム原子を示す。好ましくは炭素原子またはケイ素原子である。
さらに、Rとしては、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などが挙げられる。また、RがQおよびQと一緒に環を形成している場合として、シクロブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロへキシリデン基、シラシクロブチル基、シラシクロペンチル基、シラシクロヘキシル基などが挙げられる。
好ましいRの具体例として、Qまたは/およびQが炭素原子の場合、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、シクロブチリデン基が挙げられ、また、Qまたは/およびQがケイ素原子の場合、メチル基、エチル基、フェニル基、シラシクロブチル基が挙げられる。
また、Rは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(t−ブチルジメチルシリル)メチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロペンチル基、2−ブロモ−3−ヨードシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロヘキシル基、2−クロロ−3−ヨードシクロヘキシル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、2−メチルフリル基、トリメチルシリル基、トリt−ブチルシリル基、ジt−ブチルメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基などが挙げられる。
また、2個のRのうち、少なくとも1つが、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素を含む炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であると、特に重合活性が高くなるので、好ましい。また、2位のRが水素原子であると、特に長鎖分岐構造の特性が改善されるので成形性に優れる点で好ましい。
として好ましい具体例としては、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフリル基、トリメチルシリル基が挙げられる。
これらの具体例の中でも、水素原子、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリメチルシリル基がさらに好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基が特に好ましい。
また、Rが結合するシクロペンタジエニル部分とRから形成される縮環シクロペンタジエニル構造の具体例としては、以下の部分構造(I)〜(VI)が挙げられる。
これらの具体例の中でも、(I)、(III)、(VI)が好ましい。また、これらの部分構造(I)〜(VI)上には、Rが置換していてもよい。
Figure 2012214781
置換基のRは、水素原子以外に、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(t−ブチルジメチルシリル)メチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロペンチル基、2−ブロモ−3−ヨードシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロヘキシル基、2−クロロ−3−ヨードシクロヘキシル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2,6−ジクロロ−4−トリメチルシリルフェニル基、トリメチルシリル基、トリt−ブチルシリル基、ジt−ブチルメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基などが挙げられる。
また、Rが2つ以上で、結合している炭素原子と一緒に環を形成している場合の例として、ベンゾ[e]インデニル基、ベンゾ[f]インデニル基、6,7−ジヒドロインダセニル基、5,5,7,7−テトラメチル−6,7−ジヒドロインダセニル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−ベンゾ[f]インデニル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−ベンゾ[f]インデニル基などが挙げられる。
好ましいRの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、トリメチルシリル基が挙げられる。
また、Rは、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(t−ブチルジメチルシリル)メチル基、ブロモメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロペンチル基、2−ブロモ−3−ヨードシクロペンチル基、2,3−ジブロモシクロヘキシル基、2−クロロ−3−ヨードシクロヘキシル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、2−メチルフリル基、トリメチルシリル基、トリt−ブチルシリル基、ジt−ブチルメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基などが挙げられる。
また、4個のRのうち、少なくとも1つが、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素を含む炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基であると、特に重合活性が高くなるので、好ましい。また、2位および5位のRが水素原子であると、特に長鎖分岐構造の特性が改善されるので成形性に優れる点で好ましい。
として好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフリル基、トリメチルシリル基が挙げられる。
これらの具体例の中でも、水素原子、メチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリメチルシリル基がさらに好ましく、水素原子、メチル基、t−ブチル基、フェニル基が特に好ましい。
また、一般式(a−1−1)中、mは、0または1であり、mが0の場合、Qは、RおよびRを含む共役5員環と直接結合している。さらに、nは、0〜10の整数を示し、nが2以上の場合、Rは、結合している炭素原子と一緒に環を形成していてもよい。
必須成分(a−1)のメタロセン化合物は、下記一般式(a−1−2)で示されるものが好ましい。
Figure 2012214781
必須成分(a−1)のメタロセン化合物は、下記一般式(a−1−3)で示されるものがより好ましい。
Figure 2012214781
上記の一般式(a−1−2)(a−1−3)で示されるメタロセン化合物において、X、X、Q、R、R、RおよびRは、前述の一般式(a−1−1)で示されるメタロセン化合物の説明で示した原子および基と同様な構造を、選択することができる。
該必須成分(a−1)のメタロセン化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジフェニル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シラシクロブチル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シラシクロペンチル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シラシクロヘキシル(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペンチリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデンシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ペンチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ヘキシルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−シクロヘキシルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−ベンジルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−トリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−クロロフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フルオロフェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(6−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチル−4−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジn−ブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−i−プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(ベンゾ[e]インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(ジベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−メチルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−フェニルアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(ベンゾ[f]インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(6,7−ジヒドロインダセニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5,5,7,7−テトラメチル−6,7−ジヒドロインダセニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[f]インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチルベンゾ[f]インデニル)ジルコニウムジクロリド。
ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(2−(2−メチル−フリル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−メチル−フリル)シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−(2−ブロモエチル)シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド。
また、上記化合物のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物、等が挙げられる。
さらに、これらのメタロセン化合物を必須成分(a−1)として用いるに際しては、2種以上を用いることも可能である。
上記に例示した具体的化合物の中にあって、必須成分(a−1)であるメタロセン化合物として好ましいものを以下に示す。
すなわち、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(ベンゾ[e]インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデンシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(アズレニル)ジルコニウムジクロリドおよび上記化合物のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物、等が好ましいものとして、挙げられる。
また、上記に例示した具体的化合物の中にあって、必須成分(a−1)であるメタロセン化合物として、特に好ましいものを以下に示す。
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(ベンゾ[e]インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、シクロブチリデン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−t−ブチルインデニル)ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(4−t−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジメチル等が挙げられる。
ii)成分(b)
上記本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成する架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とするオレフィン重合用触媒として例示したオレフィン重合用触媒は、上記必須成分(a−1)以外に、成分(a−1)のメタロセン化合物(成分(a−1)、以下、単にaと記すこともある。)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(成分(b)、以下、単にbと記すこともある。)を含む。
メタロセン化合物(a)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(b)の一つとして、有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
上記有機アルミニウムオキシ化合物は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
なお、上記した有機アルミニウムオキシ化合物のうち、アルキルアルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサン(実質的にメチルアルミノキサン(MAO)からなるものを含む)は、有機アルミニウムオキシ化合物として、好適である。
また、メタロセン化合物(a)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(b)の他の具体例として、ボラン化合物やボレート化合物が挙げられる。
上記ボラン化合物をより具体的に表すと、トリフェニルボラン、トリ(o−トリル)ボラン、トリ(p−トリル)ボラン、トリ(m−トリル)ボラン、トリ(o−フルオロフェニル)ボラン、トリス(p−フルオロフェニル)ボラン、トリス(m−フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(3,5―ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(パーフルオロナフチル)ボラン、トリス(パーフルオロビフェニル)、トリス(パーフルオロアントリル)ボラン、トリス(パーフルオロビナフチル)ボランなどが挙げられる。
また、ボレート化合物を具体的に表すと、第1の例は、次の一般式(b−1)で示される化合物である。
[L−H][BR・・・式(b−1)
式(b−1)中、Lは、中性ルイス塩基であり、Hは、水素原子であり、[L−H]は、アンモニウム、アニリニウム、ホスフォニウム等のブレンステッド酸である。
アンモニウムとしては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)アンモニウムなどのトリアルキル置換アンモニウム、ジ(n−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウムなどのジアルキルアンモニウムを例示できる。
また、アニリニウムとしては、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムなどのN,N−ジアルキルアニリニウムが例示できる。
さらに、ホスフォニウムとしては、トリフェニルホスフォニウム、トリブチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウム、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムなどのトリアリールホスフォニウム、トリアルキルホスフォニウムが挙げられる。
また、式(b−1)中、RおよびRは、6〜20、好ましくは6〜16の炭素原子を含む、同じか又は異なる芳香族又は置換芳香族炭化水素基で、架橋基によって互いに連結されていてもよく、置換芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等に代表されるアルキル基やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンが好ましい。
さらに、X及びXは、ハイドライド基、ハライド基、1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、1個以上の水素原子がハロゲン原子によって置換された1〜20の炭素原子を含む置換炭化水素基である。
上記一般式(b−1)で表される化合物の具体例としては、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどを例示することができる。
これらの中でも、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジメチルアニリニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレートが好ましい。
また、ボレート化合物の第2の例は、次の一般式(b−2)で表される。
[L[BR・・・式(b−2)
式(b−2)中、Lは、カルボカチオン、メチルカチオン、エチルカチオン、プロピルカチオン、イソプロピルカチオン、ブチルカチオン、イソブチルカチオン、tert−ブチルカチオン、ペンチルカチオン、トロピニウムカチオン、ベンジルカチオン、トリチルカチオン、ナトリウムカチオン、プロトン等が挙げられる。また、R、R、X及びXは、前記一般式(b−1)における定義と同じである。
上記化合物の具体例としては、トリチルテトラフェニルボレート、トリチルテトラ(o−トリル)ボレート、トリチルテトラ(p−トリル)ボレート、トリチルテトラ(m−トリル)ボレート、トリチルテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラフェニルボレート、トロピニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−トリル)ボレート、トロピニウムテトラ(o−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(p−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(m−フルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaBPh、NaB(o−CH−Ph)、NaB(p−CH−Ph)、NaB(m−CH−Ph)、NaB(o−F−Ph)、NaB(p−F−Ph)、NaB(m−F−Ph)、NaB(3,5−F−Ph)、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)、NaB(C10、HBPh・2ジエチルエーテル、HB(3,5−F−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C ・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルを例示することができる。
これらの中でも、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(パーフルオロナフチル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、NaB(3,5−(CF−Ph)、NaB(C10、HB(C ・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが好ましい。
さらに好ましくは、これらの中でも、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチルテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピニウムテトラ(2,6−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、NaB(C、NaB(2,6−(CF−Ph)、HB(C ・2ジエチルエーテル、HB(2,6−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(3,5−(CF−Ph)・2ジエチルエーテル、HB(C10・2ジエチルエーテルが挙げられる。
触媒成分(b)として、ボラン化合物やボレート化合物を用いると、重合活性や共重合性が高くなるので、長鎖分岐を有するエチレン系重合体の生産性が向上する。
また、メタロセン化合物(a)と反応してカチオン性メタロセン化合物を形成する化合物(b)の他の具体例として、粘土鉱物、層状ケイ酸塩化合物、化学処理された固体酸化物が挙げられる。
また、オレフィン重合用触媒の成分(b)として、前記の有機アルミニウムオキシ化合物と、上記ボラン化合物やボレート化合物との混合物を用いることもできるし、本発明におけるエチレン系重合体(B)に望まれる長鎖分岐構造の特性をより高めるには、該ボラン化合物やボレート化合物を有機アルミニウムオキシ化合物と併用することが好ましい。さらに、上記ボラン化合物やボレート化合物は、2種以上混合して使用することもできる。
iii)成分(c)
上記本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成する架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とするオレフィン重合用触媒として例示したオレフィン重合用触媒は、上記必須成分(a−1)以外に、上記成分(b)を含み、好ましくは微粒子担体(成分(c)、以下、単にcと記すこともある。)を含む。
成分(c)である微粒子担体としては、無機物担体、粒子状ポリマー担体またはこれらの混合物が挙げられる。無機物担体は、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、炭素質物、またはこれらの混合物が使用可能である。
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。
また、金属酸化物としては、周期表1〜14族の元素の単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、例えば、SiO、Al、MgO、CaO、B、TiO、ZrO、Fe、Al・MgO、Al・CaO、Al・SiO、Al・MgO・CaO、Al・MgO・SiO、Al・CuO、Al・Fe、Al・NiO、SiO・MgOなどの天然または合成の各種単独酸化物または複合酸化物を例示することができる。
ここで、上記の式は、分子式ではなく、組成のみを表すものであって、本発明において用いられる複合酸化物の構造および成分比率は特に限定されるものではない。
また、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を吸収していても差し支えなく、少量の不純物を含有していても差し支えない。
金属塩化物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的にはMgCl、CaClなどが特に好適である。
金属炭酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
炭素質物としては、例えば、カーボンブラック、活性炭などが挙げられる。
以上の無機物担体は、いずれも本発明に好適に用いることができるが、特に金属酸化物、シリカ、アルミナなどの使用が好ましい。
上記本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成するベンゾインデニル配位子等を有する錯体を必須成分とするオレフィン重合用触媒の一例は、次の必須成分(a−2)と、上述の成分(b)および好ましい成分(c)からなるオレフィン重合用触媒として具体的に例示される。
iv)成分(a−2)
必須成分(a−2)は、下記一般式(a−2−1)で示されるベンゾインデニル配位子を1個以上、好ましくは2個以上、より好ましくは3個有するメタロセン化合物である。
Figure 2012214781
ここで、置換基R〜R13は、各々独立して、炭素数1〜30の炭化水素基、炭素数1〜30の炭化水素置換基を有するトリアルキル珪素基又は水素原子である。炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、トリメチルフェニル基、トリエチルフェニル基、トリプロピルフェニル基、トリブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基などのアリール基;トリチル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ネオフィル基などのアリールアルキル基、スチリル基などのアリールアルケニル基が挙げられる。これらは分岐があってもよい。また、置換基R〜R13のうち、近接する2つの置換基は結合している炭素原子と一緒に環を形成していてもよい。さらに、必須成分(a−2)が、該ベンゾインデニル配位子を含めて3個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有する場合、そのうちの2個以上が、炭化水素基、シリレン基、置換シリレン基等、上述の一般式(a−1−1)で定義したQ、Q、Rで構成される架橋基と同様の、エチレン架橋基やジメチルシリレン架橋基等で架橋されたメタロセン錯体も有効である。なお、中心遷移金属および中心遷移金属に結合したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の基(補助配位子)は炭化水素基、アルコキシル基、ハロゲン原子、水素原子等、該一般式(a−1−1)で定義したM、X、Xと同じものが当てはまる。
必須成分(a−2)の具体例を、中心遷移金属がZrの場合として例示すると、BzindZrCl、BzindZrBr、BzindZrMe、DbiZrCl、DbiZrBr、DbiZrMe、BzindZrH、DbiZrH、BzindCpZrH、Bzind(1,3−MeCp)ZrH、Bzind(1−Bu−3−MeCp)ZrH、BzindIndZrH、BzindIndZrH、DbiCpZrH、DbiCpZrH、DbiIndZrH、DbiIndZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiCpZrH、BzindDbiIndZrH、Et(Ind)BzindZrH、Et(Ind)DbiZrH、MeSiCpBzindZrH、MeSiCpDbiZrH、MeSi(Cp)(Ind)DbiZrH、Et(Bzind)CpZrH、Et(Bzind)IndZrH等が挙げられる。ここで、Cpはシクロぺンタジエニル基を、Indはインデニル基を、Bzindはベンゾインデニル基を、Dbiはジベンゾインデニル基、Meはメチル基、Buはブチル基を表わす。必須成分(a−2)の好ましい具体例は、BzindZrH、DbiZrH、BzindCpZrH、Bzind(1,3−MeCp)ZrH、Bzind(1−Bu−3−MeCp)ZrH、BzindIndZrH、BzindIndZrH、DbiCpZrH、DbiCpZrH、DbiIndZrH、DbiIndZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiCpZrH、BzindDbiIndZrH、Et(Ind)BzindZrH、Et(Ind)DbiZrH、MeSiCpBzindZrH、MeSiCpDbiZrH、MeSi(Cp)(Ind)DbiZrH、Et(Bzind)CpZrH、Et(Bzind)IndZrHであり、より好ましい具体例は、BzindZrH、DbiZrH、BzindCpZrH、Bzind(1,3−MeCp)ZrH、Bzind(1−Bu−3−MeCp)ZrH、BzindIndZrH、BzindIndZrH、DbiCpZrH、DbiCpZrH、DbiIndZrH、DbiIndZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiZrH、BzindDbiCpZrH、BzindDbiIndZrHである。
前述の通り、上記必須成分(a−2)とともに上記成分(b)として、前記の有機アルミニウムオキシ化合物等が使用されるが、本ケースにおいても該ボラン化合物やボレート化合物を有機アルミニウムオキシ化合物と併用することが、本発明におけるエチレン系重合体(B)に望まれる長鎖分岐構造の特性をより高めるには好ましく、同様に、成分(a−2)と成分(b)以外に、成分(c)を含むこともまた好ましい。
本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成する架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(アズレニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体と、有機アルミニウムオキシ化合物とカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物であるボラン化合物あるいはボレート化合物との混合物を必須成分とするオレフィン重合用触媒の一例は、次の必須成分(a−3)と、上述の成分(b)で説明した有機アルミニウムオキシ化合物とボラン化合物あるいはボレート化合物との混合物および上述の好ましい成分(c)からなるオレフィン重合用触媒として具体的に例示される。
ここで、架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(アズレニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体(各々必須成分(a−3−1)、(a−3−2)、(a−3−3)とする。)とは、上述の2−9.の(ii)メタロセン触媒の項で述べたメタロセン化合物の分類において、一般式[2]で代表されるような、同じでも異なってもよい2個のシクロペンタジエニル環あるいは同じでも異なってもよい2個のインデニル環が架橋基Qにより架橋された基本骨格を有する錯体をいい、該シクロペンタジエニル環、インデニル環、アズレニル環、架橋基Qの有しうる置換基は、該基本骨格構造を阻害しない限りにおいて高い自由度を有しており、例えば、特表2002−535339号公報記載のヘテロ原子を含有する単環式または多環式のヘテロ芳香族基を共役五員環構造配位子上の置換基として有するメタロセン錯体等も好適に用いられる。
Figure 2012214781
[ここで、A、A、Q、M、X、Yは、上述の2−9.の(ii)での定義に従うものとする。]
必須成分(a−3−1)の架橋ビス(インデニル)配位子を有する錯体の具体例を、中心遷移金属がZrの場合として例示すると、
(ロ)一般式[2]で表される化合物のうち、結合性基Qが例えば
(ロ‐1)Q=アルキレン基のものとして、
例えば、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムモノメトキシドモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエトキシド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、エチレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2‐エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4‐ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐ビス(4‐インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐ビス[4‐(2,7‐ジメチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐ビス[2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−フェニルインデニル]ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐[2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−フェニルインデニル](インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐ビス(4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、等、
(ロ‐2)Q=シリレン基のものとして、
例えば、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4‐ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2 10‐メチル‐4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4,5‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4,4‐ジメチル‐4,5,6,7‐テトラヒドロ‐4‐シラインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4‐(2‐フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4‐(2‐tertブチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[4‐(2‐フェニル‐3‐メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7‐テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、テトラメチルジシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−トリメチルシリルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルチエニル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−ベンゾフリル)−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−ベンゾチエニル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−トリメチルシリルフリル))−4−(2−ナフチル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル)(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、等。
(ロ‐3)Q=ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基のものとして、
例えば、ジメチルゲルマニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルアルミニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアルミニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルホスフィノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチルホラノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアミノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルボランジイルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−トリメチルシリル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、等。
必須成分(a−3−2)の架橋ビス(アズレニル)配位子を有する錯体の具体例を、中心遷移金属がZrの場合として例示すると、
(ロ)一般式[2]で表される化合物のうち、結合性基Qが例えば
(ロ‐1)Q=アルキレン基のものとして、
例えば、メチレンビス{2−エチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、エチレンビス{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}メチルジルコニウムモノクロリド、エチレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムモノメトキシドモノクロリド、エチレンビス{2−メチル−4−(2−クロロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジエトキシド、エチレンビス{2−メチル−4−(9−フェナントリル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジメチル、等、
(ロ‐2)Q=シリレン基のものとして、
例えば、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロ−4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−メチル−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロ−2−ナフチル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{2−n−プロピル−4−(3−クロロ−4−トリメチルシリルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、等。
(ロ‐3)Q=ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基のものとして、
例えば、ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4−ヒドロアズレニル}ジルコニウムジクロリド、等。
必須成分(a−3−3)の架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体の具体例を、中心遷移金属がZrの場合として例示すると、
(ロ)一般式[2]で表される化合物のうち、結合性基Qが例えば
(ロ‐1)Q=アルキレン基のものとして、
例えば、エチレン(2,4,‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2‐メチル‐4‐tert 40ブチルシクロペンタジエニル)(3′‐tertブチル‐5′‐メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,3,5‐トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′‐トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′‐ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、メチレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,3,4,5‐テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2‐メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(3‐tert‐ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,4′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,5‐ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,4′‐ジメチルジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐ビス[2−(2−(5−t−ブチルフリル))シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2‐[2−(2−(5−t−ブチルフリル))−4−フェニルシクロペンタジエニル](シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、等、
(ロ‐2)Q=シリレン基のものとして、
例えば、ジメチルシリレンビス(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン(2,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)(3′,5′‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレン(2,3,5‐トリメチルシクロペンタジエニル)(2′,4′,5′‐トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テトラメチルジシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン50(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4‐ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(トリエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3‐tertブチル‐シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,7‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2‐メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2‐エチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,5‐ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、)ジエチルシリレン(2‐メチルシクロペンタジエニル)(2′,7′‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,5‐ジメチルシクロペンタジエニル)(2′,7′‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2‐エチルシクロペンタジエニル)(2′,7′‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(2′,7′‐ジ‐t‐ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(ジメチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(エチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−トリメチルシリルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−フェニルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチルチエニル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(4,5−ジメチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−ベンゾフリル)シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−ベンゾチエニル)−4−(4−トリメチルシリルフェニル)シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−トリメチルシリルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))−4−フェニルシクロペンタジエニル)(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)(3−メチルペンタジエニル)インデニル)ジルコニウムジクロリド、等、
(ロ‐3)Q=ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基のものとして、
例えば、ジメチルゲルマニウム(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアミノ(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(2−(2−(5−メチルフリル))シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルボランジイルビス(2−(2−(5−メチルフリル))−4−(4−トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、等が例示できる。
これらに定義される架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(アズレニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子メタロセン錯体に、有機アルミニウムオキシ化合物とボラン化合物等との混合物を組み合わせた触媒により、本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造がエチレン系重合体(B)に付与される。
以上、本発明のエチレン系重合体(B)として好適な長鎖分岐構造を生成するオレフィン重合用触媒の好適な具体例として、架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とする触媒系、ベンゾインデニル配位子等を有する錯体を必須成分とする触媒系、メタロセン錯体として架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体と、有機アルミニウムオキシ化合物とカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物であるボラン化合物あるいはボレート化合物との混合物を用いた触媒系の3つ述べたが、これらの中では、架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とする触媒系と、メタロセン錯体として架橋ビス(インデニル)配位子または架橋ビス(シクロペンタジエニル)配位子を有する錯体と、有機アルミニウムオキシ化合物とカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物であるボラン化合物あるいはボレート化合物との混合物を用いた触媒系がより好適であり、架橋(シクロペンタジエニル)(インデニル)配位子等を有する錯体を必須成分とする触媒系が更に好適である。
本発明において、エチレン系重合体(B)の製造は、好ましくは上述のオレフィン重合触媒(i)〜(iv)、より好ましくは(i)、(ii)、(iv)、更に好ましくは(i)、(ii)、特に好ましくは(ii)のメタロセン触媒をエチレンと接触して、エチレンを重合または共重合することによって実施される。オレフィン重合触媒は(i)〜(iv)の中から複数種を使用することもできる。エチレンの重合または共重合を行うに際しては、先述のエチレン系重合体(A)の製法の項の重合方法、エチレン原料、重合媒体、重合温度等、重合プロセス等、スカベンジャーに関する説明が全て参照される。ただし、エチレン系重合体(B)に望むべく諸特性および使用するオレフィン重合用触媒特性を考慮して、これら諸条件設定を最適とする必要があることは言うまでもない。例えば、より低MFR、低密度のエチレン系重合体(B)を所望する際には、連鎖移動剤濃度を低めに設定したり、α−オレフィン濃度を高めに設定したり、製造工程における重合体の固着・閉塞等のトラブルを防止すべく、各種運転温度を該重合体の融解温度等に見合った低温側に設定したり、スラリー重合においては該重合体の溶解が生じにくいプロパン、ブタン等の低分子量炭化水素溶媒を選択したり、溶媒を使用しない気相重合を選択したり、重合体を溶解状態で取り扱う溶液重合を選択する。また、顕著な長鎖分岐特性を付与せしめたい場合は、水素以外の連鎖移動反応が促進されるように、低モノマー濃度条件、高ポリマー濃度条件、低スカベンジャー濃度条件、高温重合条件、長時間重合条件等を積極的に選択することが好ましい。
(3)その他の成分(C)
本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物は、その必須成分であるエチレン系重合体(A)およびエチレン系重合体(B)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、下記物質を任意成分として配合することができる。
3−1.他のエチレン系重合体
エチレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)以外に、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高圧法ポリエチレン、極性モノマーグラフト変性ポリエチレン、エチレン系ワックス、超高分子量ポリエチレン、エチレン系エラストマー等の各種エチレン系重合体およびその変性体を使用できる。高密度ポリエチレンの添加は、剛性、耐熱性、衝撃強度等を向上するのに好ましい。低密度ポリエチレンの添加は、柔軟性、衝撃強度、易接着性、透明性、低温強度等を向上するのに好ましい。高圧法ポリエチレンの添加は、柔軟性、易接着性、透明性、低温強度、成形加工性等を向上するのに好ましい。マレイン酸変性ポリエチレンやエチレン・アクリル酸誘導体共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の極性モノマーグラフト変性ポリエチレンの添加は、柔軟性、易接着性、着色性、各種材料親和性、ガスバリア性等を向上するのに好ましい。エチレン系ワックスの添加は、着色性、各種材料親和性、成形加工性等を向上するのに好ましい。超高分子量ポリエチレンの添加は、機械的強度、耐摩耗性等を向上するのに好ましい。エチレン系エラストマーの添加は、柔軟性、機械的強度、衝撃強度等を向上するのに好ましい。
3−2.他のオレフィン系重合体
エチレン系重合体以外のオレフィン系重合体として、例えばポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリヘキセン等の高級オレフィン系樹脂、オレフィン系ゴム、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のポリブタジエン系樹脂、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のポリスチレン系樹脂、各種環状オレフィン系樹脂、およびそれらの変性体を使用できる。
3−3.他の樹脂
上記エチレン系重合体や他のオレフィン系重合体以外の重合体を主成分とする各種樹脂を使用できる。具体的には、各種ナイロン樹脂、各種ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、各種ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、EVOH、EVA、PMMA、PMA、各種エンジニアリングプラスチック、ポリ乳酸等、セルロース類、天然ゴム類、ポリウレタン、塩ビ、テフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂、シリコン樹脂等の無機系重合体、等である。
3−4.添加剤
あらゆる添加剤を1種又は2種以上適宜併用することができる。具体的には、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系、等)、紫外線吸収剤・紫外線防止剤、光安定剤・耐候剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、分散剤等の加工助剤、着色顔料(有機あるいは無機系顔料)、パール顔料、偏光パール顔料、架橋剤、発泡剤、中和剤、熱安定剤、結晶核剤、無機又は有機充填剤・フィラー[炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン、等]、難燃剤、等が使用可能である。
(4)本発明のポリエチレン系樹脂組成物を構成する各成分の混合
本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物は、上記の必須成分であるエチレン系重合体(A)およびエチレン系重合体(B)と、任意成分である物質(C)を混合することにより製造される。各成分の配合割合は、エチレン系重合体(A)が41〜99重量%と、エチレン系重合体(B)が1〜59重量%であり、好ましくは、エチレン系重合体(A)が61〜96重量%と、エチレン系重合体(B)が4〜39重量%であり、より好ましくは、エチレン系重合体(A)が69〜96重量%と、エチレン系重合体(B)が4〜31重量%であり、更に好ましくは、エチレン系重合体(A)が69〜91重量%と、エチレン系重合体(B)が9〜31重量%であり、特に好ましくは、エチレン系重合体(A)が75〜89重量%と、エチレン系重合体(B)が11〜25重量%である。エチレン系重合体(A)が多すぎると、該ポリエチレン系樹脂組成物やその成形体の耐衝撃性や透明性が低下し、成形加工性のうち、溶融張力が低下し、少ないと剛性が悪化し、成形加工性のうち、溶融押出性が悪化する。また、エチレン系重合体(B)が多すぎると、該ポリエチレン系樹脂組成物やその成形体の剛性や透明性が低下し、成形加工性のうち、溶融押出性が悪化し、少ないと引裂き強度、衝撃強度、透明性が改善されず、成形加工性のうち、溶融張力が低下する。なお、任意成分である物質(C)の割合は本発明の目的を損なわない範囲で適宜設定されるが、通常、0〜49重量%であり、特に3−4に記載の各添加剤の使用に当たっては、公知のポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂組成物、それらの成形体への適用に関する全ての既存例が参照される。
本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物を、必須成分である上記のエチレン系重合体(A)とエチレン系重合体(B)、任意成分である物質(C)とを混合して製造するにあたり、その混合方法や使用する装置に特に制限はないが、通常、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸あるいは二軸押出機、ニーダー、プランジャー押出機等の混合押出機、バンバリーミキサー等で加熱混練し、ペレット化する。加熱混練に際しては、液体、溶媒、気体の存在下、不在下で実施することが出来る。上記成分の混合順序にも特に制約はなく、例えば、下記(D−1)〜(D−4)の方法を例示することができる。
(D−1)エチレン系重合体(A)、エチレン系重合体(B)、任意の物質(C)を全て固体状態で、好ましくは全て粉体か粒子かペレット状態で、あらかじめ接触混合しておき、加熱混練によってより均一な状態にする方法。
(D−2)エチレン系重合体(A)、エチレン系重合体(B)、任意の物質(C)のいずれか1つ以上を溶融状態か溶解状態か液体状態にしてから、他の成分と接触混合して、更に加熱混練によってより均一な状態にする方法。
(D−3)エチレン系重合体(A)、エチレン系重合体(B)、任意の物質(C)のいずれか2つを例えば上記(D−1)か(D−2)の方法等によりあらかじめ加熱混練し、更に該加熱混練で得られた混合物を残りの1成分と、加熱混練によってより均一な状態にする方法。
(D−4)エチレン系重合体(A)、エチレン系重合体(B)、任意の物質(C)のいずれか1つを例えば上記(D−1)か(D−2)の方法等により残りの2つ両方に各々別個にあらかじめ加熱混練し、更に該加熱混練で得られた混合物同士を、加熱混練によってより均一な状態にする方法。
(5)本発明のポリエチレン系樹脂組成物の物性
本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、必須成分であるエチレン系重合体(A)およびエチレン系重合体(B)と、任意成分である物質(C)を、上記(D−1)〜(D−4)の混合方法等で混合することにより製造されるが、物性としては、組成物全体で下記に説明するMFR、密度の範囲を満たす必要がある。
5−1.MFR
本発明のポリエチレン系樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、0.05〜50g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分、より好ましくは0.3〜10g/10分、更に好ましくは0.4〜5.0g/10分、特に好ましくは0.5〜3.0g/10分である。MFRが0.05g/10分未満ではポリエチレン系樹脂組成物の流動性が悪く、押出機のモーター負荷が高くなりすぎたり、延展性に劣るので好ましくない。MFRが50g/10分より大きいとポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度、引裂強度や引張強度等の機械的強度や成形加工性が悪くなるので好ましくない。なお、MFRは、上述の条件(A−1)と同様の条件で測定したときの値をいう。
5−2.密度
本発明のポリエチレン樹脂組成物の密度は、0.910〜0.960g/cm、好ましくは0.910〜0.950g/cm、より好ましくは0.916〜0.940g/cm、更に好ましくは0.919〜0.938g/cm、特に好ましくは0.920〜0.936g/cm、最も好ましくは0.921〜0.934g/cmである。
ポリエチレン樹脂組成物の密度が0.910g/cmより低いと、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の剛性が低くなったり、ベトツキやすくなったり、製品がフィルムやシート等の厚さの薄い成形体の場合、製品使用における各種不都合はもちろんのこと、製品巻取工程、表面印刷・貼合等の後加工工程において不都合が生じるので自動製袋機適性に劣ったりして好ましくなく、製品がパイプや各種容器等の肉厚成形体の場合、製品が柔らか過ぎて変形するため、必要以上に肉厚な設計を迫られるので好ましくない。また、ポリエチレン樹脂組成物の密度が0.960g/cmより高いと、ポリエチレン系樹脂組成物や該成形体の衝撃強度が低下し、透明性も悪化する。なお、密度は、上述の条件(A−2)と同様の条件で測定したときの値をいう。
[II]本発明のポリエチレン系樹脂組成物の成形体および用途
本発明のポリエチレン系樹脂組成物の成形体は、上記[I]に記載された本発明のポリエチレン系樹脂組成物を成形することによって製造され、その成形の方法は、従来知られている射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形、ブロー成形、等といったポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂組成物の全ての成形方法のいずれをも参照することが可能である。
本発明における成形体とは、使用目的に応じて適切な形態に加工あるいは附型されたポリエチレン系樹脂組成物の加工品あるいは附型品のことをいい、具体的には、フィルム、袋、シート、コーティング、繊維、糸、容器、チューブ、パイプ、被覆材、蓋、キャップ、箱、雑貨品類、玩具類、医療器具部品、ビーズ、微粒子、発泡製品、等を例示することができ、これらは、多層構造であったり、他の部材との複合品であったりしてもよい。これら本発明のポリエチレン系樹脂組成物の成形体の用途としては、具体的に例を記すると、紙袋の内袋やゴミ袋など寸法規格の定まった規格袋、重袋、ラップフィルム、砂糖袋、米袋、油物包装袋、漬物などの水物包装袋における食品包装用フィルム、農業用フィルム等、ナイロン、ポリエステル、金属箔、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などの各種基材との積層体、発泡体やその成形体として使用されたり、バッグインボックス、洗剤用容器、食用油容器、レトルト容器、医療容器、薬品用容器、溶剤用容器、農薬用容器、各種プラスチックボトル等の製品、灯油缶、ドラム、燃料タンクなどの中空容器、輸液バッグ、各種チューブ、水道管、ガス管等のパイプ、タッパー容器用蓋、ボトル用キャップ、コンテナ等、公知のポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂組成物の成形体の用途を参照することが出来る。
本発明の成形体の成形方法については、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の優れた成形加工特性や機械的諸特性、透明性を有効に活用できる方法であれば特に制限されるものではないが、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の主に意図したる用途の一例であるフィルム、袋、シートの場合、その好ましい成形方法、成形条件、用途として、例えば、特開2007−197722号公報、特開2007−177168号公報、特開2007−177187号公報、特開2010−31270号公報等に詳細に記載されているような各種のインフレーション成形法、Tダイフィルム成形法、カレンダー成形法、多層共押出成形機やラミネート処理による多層フィルム成形法等および各種用途を具体的に挙げることができる。勿論、インフレーション成形において空気以外の気体や、液体を冷媒として用いることができ、ストレッチ(インフレ同時二軸延伸)成形や多段ブロー等の特殊なインフレーション成形にも用いることができる。
このようにして得られる製品のフィルム(又はシート)の厚みは特に制限されず、成形方法・条件により好適な厚みは異なる。たとえば、インフレーション成形の場合、5〜300μm程度であり、Tダイ成形の場合、5μm〜5mm程度のフィルム(又はシート)とすることができる。同様に、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の主に意図したる用途の一例である中空容器類の場合、その好ましい成形方法、成形条件、用途として、例えば、特開2004−18812号公報、特開2009−143079号公報、特開2009−173889号公報、等に詳細に記載されているような各種の中空成形法、ブロー成形法等および各種用途を具体的に挙げることができる。同様に、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の用途の一例であるパイプ、被覆材、蓋、キャップ類、箱、雑貨類の場合、その好ましい成形方法、成形条件、用途として、例えば、特開2007−2235号公報、特開2007−177183号公報、特開2002−60559号公報等に詳細に記載されているような各種の成形法および各種用途を具体的に挙げることができる。更に、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の用途として、他のポリエチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂組成物や、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂に適量ブレンドして、成形加工性向上や、機械的強度向上、低温耐性付与、低温接着性付与、等の改質材として使用できる。
以下においては、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明し、本発明の卓越性と本発明の構成における優位性を実証するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において使用した測定方法は、以下の通りである。また、以下の触媒合成工程および重合工程は、すべて精製窒素雰囲気下で行い、かつ、使用した溶媒は、モレキュラーシーブ4Aで脱水精製したものを用いた。
[エチレン系重合体の歪硬化度測定方法]
伸長粘度の歪硬化度(λmax)は、レオメータを用いて、上記本明細書記載の方法で測定した。なお、試験片の作成に先立ち、以下の手順で重合体の溶解・再沈殿処理を実施した。
冷却管を付けた500mlの二口フラスコにキシレン300mlを導入し、室温で窒素バブリングを30分間行った。重合体6.0グラムと2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BTH)1.0グラムを導入した。窒素雰囲気下、125℃で30分間撹拌し、重合体をキシレンに完全に溶解させた。重合体が溶解したキシレン溶液をエタノール2.5Lに注ぎ、重合体を析出させた。ろ過により回収した重合体を80℃の真空乾燥機で乾燥した。
[フィルムの評価方法]
(1)引張弾性率:
JIS K7127−1999に準拠して、フィルムの加工方向(MD方向)とフィルムの幅方向(TD方向)の1%変形したときの引張弾性率を測定した。
(2)フィルムインパクト
フィルム状試験片を直径50mmのホルダーに固定し、規定先端径(25.4mmφの半球型)の貫通部で打撃させ、貫通破壊に要したエネルギー(J/mm)を測定した。この値が大きくなるほど衝撃強度に優れていることを示す。
試験機はJIS P8134に準じ、かつ先端に貫通部を取り付けることのできる90度弧状の腕をそなえているものを使用した。
(3)透明性(ヘイズ):
JIS K7105−1981に準拠して、測定した。この値が小さいほど、透明性に優れていることを示す。
(4)引裂強度(エルメンドルフ引裂法)
JIS K7128−1991に準拠して、フィルムの加工方向(MD方向)とフィルムの幅方向(TD方向)の引裂強度(N/mm)を測定した。
[インフレーションフィルムの成形条件および成形性評価法]
30μmのフィルムを成形する際には、以下の30mmφ押出機を有するインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、インフレーションフィルムを成形し、評価した。
装置:インフレーション成形装置
押出機スクリュー径:30mmφ
ダイ径:25mmφ
押出量:10kg/hr
ダイリップギャップ:2.0mm
引取速度:6.0m/分
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:170−190℃(実施例に記載)
フィルム厚み:30μm
冷却リング:シングルスリットエアリング
50μmのフィルムを成形する際には、以下の50mmφ押出機を有するインフレーションフィルム製膜機(成形装置)を用いて、下記の成形条件で、インフレーションフィルムを成形し、評価した。
装置:インフレーション成形装置
押出機スクリュー径:50mmφ
ダイ径:75mmφ
押出量:20kg/hr
ダイリップギャップ:3.0mm
引取速度:15m/分
ブローアップ比:2.0
成形樹脂温度:170−190℃
フィルム厚み:50μm
冷却リング:2段式風冷リング
〔実施例1a(a)〕
(1)エチレン系重合体(A−1)の製造
[メタロセン触媒A−1の調製]
電磁誘導攪拌機を備えた触媒調製装置に、窒素下で精製したトルエン1000ml、テトラエトキシジルコニウム(Zr(OEt))22g及びインデン75g及びメチルブチルシクロペンタジエン88gを加え、90℃に保持しながらトリプロピルアルミニウム100gを100分かけて滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。40℃に冷却した後、メチルアルモキサンのトルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を3200ml添加し2時間攪拌した。次にあらかじめ450℃で5時間焼成処理したシリカ(グレース社製、#952、表面積300m/g)2000gを加え、室温で1時間攪拌の後、40℃で窒素ブロー及び減圧乾燥を行い、流動性の良い固体触媒A−1を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
1−ヘキセン/エチレンのモル比を0.018、水素/エチレンのモル比を2.9×10−4、窒素濃度を30mol%とし、全圧を0.8MPa、温度を80℃に準備された、気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.5kg)にトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03mmol/ml)を7ml/hで供給し、ガス組成と温度を一定に保ちながら、1時間当たりの生産量が約320gとなるように上記固体触媒A−1を間欠的に供給して重合を行った。活性は420g/(g触媒・MPa・h)であり、得られたエチレン系重合体(A−1)の物性を測定したところ、MFR2.0g/10分、密度0.918g/cmであった。
(2)エチレン系重合体(B−1)の製造
[メタロセン触媒B−1の調製]
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドはシクロペンタジエニル−(3−メチルインデニル)ジメチルシランを用いて、Macromolecules 1995,28,3771−3778 に記載の手順に従って合成した。
窒素雰囲気下、200ml二口フラスコに600℃で5時間焼成したシリカ5グラムを入れ、150℃のオイルバスで加熱しながら真空ポンプで1時間減圧乾燥した。別途用意した100ml二口フラスコに窒素雰囲気下で、上記で合成したジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド51.8ミリグラムを入れ、脱水トルエン13.4mlで溶解した後、更に室温でアルベマール社製の20%メチルアルミノキサン/トルエン溶液8.6mlを加え30分間撹拌した。真空乾燥済みシリカの入った200ml二口フラスコを40℃のオイルバスで加熱および撹拌しながら、上記錯体とメチルアルミノキサンの反応物のトルエン溶液を全量加えた。40℃で1時間撹拌した後、40℃に加熱したままトルエン溶媒を減圧留去することで固体触媒B−1を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−1を使用してエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。すなわち、温度75℃、ヘキセン/エチレンモル比0.012、水素/エチレンモル比1.5×10−3、窒素濃度を24mol%、全圧を0.8MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該固体触媒を0.38g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを7ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は420g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−1)のMFRと密度は各々0.8g/10分、0.914g/cmであった。
(3)ポリエチレン系樹脂組成物1aの製造
混合比が、エチレン系重合体(A−1)が95%、エチレン系重合体(B−1)が5%とからなるポリエチレン樹脂100重量部を、ミキサーにて混合均質化した。
次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し、押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物について、前記した50μのフィルムを成形する方法でフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔実施例1a(b)〕
エチレン系重合体の混合比を、エチレン系重合体(A−1)が90%、エチレン系重合体(B−1)が10%となるようにした以外は、実施例1a(a)(1)〜(3)と同様にして、ポリエチレン系樹脂組成物1bの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔実施例1a(c)〕
エチレン系重合体の混合比を、エチレン系重合体(A−1)が80%、エチレン系重合体(B−1)が20%となるようにした以外は、実施例1a(a)(1)〜(3)と同様にして、ポリエチレン系樹脂組成物1cの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔比較例C1a(a)〕
実施例1a(c)で、エチレン系重合体(B−1)の代わりに、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製LF240;MFR=0.7g/10分、密度0.924g/cm)を使用した以外は実施例1a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C1aの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔比較例C1a(b)〕
実施例1a(c)で、エチレン系重合体(B−1)の代わりに、長鎖分岐を有する市販のエチレン系重合体(住友化学社製CB2001;MFR=1.8g/10分、密度0.918g/cm)を使用した以外は実施例1a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C1bの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔比較例C1a(c)〕
実施例1a(a)で、エチレン系重合体(B−1)を使用せず、エチレン系重合体(A−1)単独にて実施例1a(a)(3)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C1cの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔実施例2a〕
実施例1a(c)で、メタロセン触媒で製造したエチレン系重合体(A−1)の代わりに、マグネシウム・チタニウム複合型チーグラー触媒(A−2)で製造された市販のエチレン系重合体(A−2)(日本ポリエチレン社製UF230;MFR=1.0g/10分、密度0.921g/cmのエチレン・1−ブテン共重合体)を使用した以外は実施例1a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物2の製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔比較例2a〕
実施例2aで、エチレン系重合体(B−1)を使用せず、エチレン系重合体(A−2)単独にてポリエチレン系樹脂組成物C2の製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表1a−1、表1a−2に示した。
〔実施例3a(a)〕
(1)エチレン系重合体(B−3)の製造
[メタロセン触媒B−3の調製]
メタロセン錯体として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド51.8ミリグラムの代わりに、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド46.6ミリグラムとrac−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド(和光純薬工業株式会社製)5.6ミリグラムを使用した以外は実施例1a(a)(2)と同様にして固体触媒B−3を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−3を使用して実施例1a(a)(2)と同様のエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。すなわち、温度75℃、ヘキセン/エチレンモル比0.007、水素/エチレンモル比2.5×10−3、窒素濃度を20mol%、全圧を0.8MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該固体触媒を0.18g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを7ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は300g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−3)のMFRと密度は各々0.3g/10分、0.921g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物3aの製造
実施例1a(a)(1)で製造したエチレン系重合体(A−1)と上記(1)で得られたエチレン系重合体(B−3)とを90%:10%とからなるポリエチレン樹脂100重量部を、ミキサーにて混合均質化した。
次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し、押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物について、前記した30μのフィルムを成形する方法でフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例4a(a)〕
(1)エチレン系重合体(B−4)の製造
[メタロセン触媒B−4の調製]
メタロセン錯体として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド51.8ミリグラムの代わりに、rac−エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリド(Strem Chemicals, Inc.製)52.5ミリグラムを使用して、実施例1a(a)(2)と同様にしてトルエン溶媒でメチルアルミノキサンと30分反応させた後、別途用意したN,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート201ミリグラムの10ml脱水トルエン溶解液を追加して更に30分反応させてからシリカに担持した以外は実施例1a(a)(2)と同様にして固体触媒B−4を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−4を使用してエチレン・1−ヘキセン共重合体を製造した。すなわち、誘導撹拌装置付き2Lオートクレーブにイソブタン800mL、1−ヘキセン22mL、トリエチルアルミニウム0.20mmolを加え、75℃に昇温し、Hを130mL添加し、更にエチレンを導入してエチレン分圧を1.4MPaに保った。次いで、上記固体触媒B−4 54mgを窒素で圧入し、エチレン分圧1.4MPa、温度75℃を保って120分間重合を継続した後、エタノールを加えて重合を停止させた。なお、重合反応中、エチレン消費速度に比例した供給速度にてH2および1−ヘキセンの追加供給を実施した。その結果、重合開始10分後と重合終了時のオートクレーブ気相部のH/C(水素/エチレン)モル比はそれぞれ0.21%、0.35%であり、追加供給した1−ヘキセン量は28mLであった。こうして得られたエチレン重合体(B−4)は205gであり、そのMFRと密度は各々0.3g/10分、0.923g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物4aの製造
エチレン系重合体(B−3)の代わりに上記エチレン系重合体(B−4)を使用した以外は実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物4aを製造してフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例5a(a)〕
(1)エチレン系重合体(B−5)の製造
[メタロセン触媒B−5の調製]
窒素雰囲気下、200ml二口フラスコに600℃で5時間焼成したシリカ10グラムを入れ、150℃のオイルバスで加熱しながら真空ポンプで1時間減圧乾燥した。別途用意した100ml二口フラスコに窒素雰囲気下で、トリスインデニルジルコニウムハイドライドの46mg(0.1mmol)とトリスベンゾインデニルジルコニウムハイドライドの118mg(0.2mmol)を入れ、脱水トルエン20mlで溶解した後、更に室温でアルベマール社製の20%メチルアルミノキサン/トルエン溶液14.0mlを加え30分間撹拌した。真空乾燥済みシリカの入った200ml二口フラスコを40℃のオイルバスで加熱および撹拌しながら、上記の2種の錯体とメチルアルミノキサンの反応物のトルエン溶液を全量加えた。40℃で1時間撹拌した後、40℃に加熱したままトルエン溶媒を減圧留去することで固体触媒B−5を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−5を使用して実施例1a(a)(2)と同様のエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。すなわち、温度80℃、ヘキセン/エチレンモル比0.020、水素/エチレンモル比4.7×10−4、窒素濃度を26mol%、全圧を0.8MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該固体触媒を0.19g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを7ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は260g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−5)のMFRと密度は各々0.3g/10分、0.922g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物5aの製造
エチレン系重合体(B−3)の代わりに上記エチレン系重合体(B−5)を使用した以外は実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物5aを製造してフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C3a(a)〕
エチレン系重合体(B−3)の代わりに、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製LF240)を使用した以外は実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C3aの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C4a(a)〕
実施例4a(a)(1)で、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレートを使用しなかった以外は実施例4a(a)と同様にしてエチレン系重合体(B−C4)、ポリエチレン系樹脂組成物C4aの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C5a〕
実施例3a(a)で、エチレン系重合体(B−3)を使用せず、エチレン系重合体(A−1)単独にて実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C5の製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C6a〕
実施例5a(a)で、エチレン系重合体(A−1)を使用せず、エチレン系重合体(B−5)単独にて実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C6の製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例3a(b)〕
実施例3a(a)(2)で、エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−3)の混合比率を80%:20%とした以外は実施例3a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物3bの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例4a(b)〕
実施例4a(a)(2)で、エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−4)の混合比率を80%:20%とした以外は実施例4a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物4bの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例5a(b)〕
実施例5a(a)(2)で、エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−5)の混合比率を80%:20%とした以外は実施例5a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物5bの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C3a(b)〕
比較例C3a(a)で、エチレン系重合体(A−1)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレンの混合比率を80%:20%とした以外は同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C3bの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C7a〕
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、ヘキセン/エチレンのモル比を0.017、水素/エチレン比のモル比を2.1×10−4とした以外は実施例1a(a)(1)と同様にして製造したエチレン系重合体(A−3)を使用した以外は、比較例C5aと同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C7の製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例5a(c)〕
実施例5a(a)(2)で、エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−5)の混合比率を70%:30%とした以外は実施例5a(a)(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物5cの製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C8a〕
(1)エチレン系重合体(A−4)の製造
ヘキセン/エチレンのモル比を0.011、水素/エチレン比のモル比を3.4×10−4とした以外は実施例1a(a)(1)と同様にしてエチレン系重合体(A−4)を製造した。
(2)エチレン系重合体(B−C8)の製造
[メタロセン触媒B−C8の調製]
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの代わりにジメチルシリレンビス[4−フェニル−2−(2−フリル)−インデニル]ジルコニウムジクロリド95.6ミリグラムを使用した以外は実施例1a(a)(2)のメタロセン触媒B−1の調製と同様にして、固体触媒B−C8を調製した。なお、ジメチルシリレンビス[4−フェニル−2−(2−フリル)−インデニル]ジルコニウムジクロリドは特表2002−535339号公報に記載の手順に従って合成した。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−C8を使用してエチレン・1−ヘキセン共重合体を製造した。すなわち、誘導撹拌装置付き2Lオートクレーブにイソブタン800mL、1−ヘキセン30mL、トリエチルアルミニウム2mmolを加え、75℃に昇温し、H2を95mL添加し、更にエチレンを導入してエチレン分圧を1.4MPaに保った。次いで、上記固体触媒B−4 27mgを窒素で圧入し、エチレン分圧1.4MPa、温度75℃を保って90分間重合を継続した後、エタノールを加えて重合を停止させた。なお、重合反応中、エチレン消費速度に比例した供給速度にてH2および1−ヘキセンの追加供給を実施した。その結果、重合開始10分後と重合終了時のオートクレーブ気相部のH2/C2(水素/エチレン)モル比はそれぞれ0.15%、0.14%であり、追加供給した1−ヘキセン量は19mLであった。こうして得られたエチレン重合体(B−C8)は113gであり、そのMFRと密度は各々0.05g/10分、0.894g/cmであった。
(3)ポリエチレン系樹脂組成物C8の製造
エチレン系重合体(A−1)の代わりに上記エチレン系重合体(A−4)を使用し、エチレン系重合体(B−5)の代わりに上記エチレン系重合体(B−C8)を使用した以外は実施例5a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C8を製造し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔比較例C9a〕
(1)エチレン系重合体(A−4)の製造
上記固体触媒B−5を使用して実施例1a(a)(2)と同様にしてエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。すなわち、温度85℃、ヘキセン/エチレンモル比0.016、水素/エチレンモル比6.2×10−4、窒素濃度を30mol%、全圧を0.8MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該固体触媒を0.36g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを7ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は400g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−5)のMFRと密度は各々5.9g/10分、0.927g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物C9の製造
エチレン系重合体(A−1)の代わりに上記エチレン系重合体(A−5)を使用し、エチレン系重合体(B−5)の代わりに比較例C8a(2)で製造したエチレン系重合体(B−C8)を使用した以外は実施例5a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C9を製造し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表2a−1、表2a−2に示した。
〔実施例6a〕
(1)エチレン系重合体(A−6)の製造
1−ヘキセン/エチレンのモル比を0.011、水素/エチレン比のモル比を2.7×10−4とした以外は実施例1a(a)(1)と同様にしてエチレン系重合体(A−6)を製造した。
(2)エチレン系重合体(B−6)の製造
上記実施例(B−5a)(1)と同様にしてエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。ただし、温度65℃、ヘキセン/エチレンモル比0.025、水素/エチレンモル比9.3×10−4、窒素濃度24mol%、全圧0.8MPaであった。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は290g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−6)のMFRと密度は各々0.3g/10分、0.906g/cmであった。
(3)ポリエチレン系樹脂組成物6の製造
エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−5)の代わりに、各々上記エチレン系重合体(A−6)とエチレン系重合体(B−6)を使用した以外は実施例5a(c)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物6の製造を実施し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔比較例C10a〕
エチレン系重合体(A−1)の代わりに、1−ヘキセン/エチレンのモル比を0.013、水素/エチレン比のモル比を2.3×10−4とした以外は実施例1a(a)(1)と同様にして製造したエチレン系重合体(A−7)を使用した以外は、比較例C5aと同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C10の製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔実施例7a〕
(1)エチレン系重合体(A−7)の製造
マグネシウム・チタニウム複合型チーグラー触媒(A−2)を用いた連続気相重合によって製造されたエチレン系重合体(A−7)(MFR=1.5g/10分、密度0.936g/cm3のエチレン・1−ブテン共重合体)を使用した。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物7の製造
エチレン系重合体(A−1)とエチレン系重合体(B−3)の代わりに、各々上記エチレン系重合体(A−7)とエチレン系重合体(B−6)を使用した以外は実施例3a(a)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物7の製造し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔比較例C11a〕
実施例7aで、エチレン系重合体(B−6)の代わりに、比較例C1a(a)と同じ高圧ラジカル法低密度ポリエチレンを使用し、エチレン系重合体(A−7)と該高圧ラジカル法低密度ポリエチレンの混合比率を80%と20%とした以外は実施例7a(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C11の製造およびフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔比較例C12a〕
(1)エチレン系重合体(B−C9)の製造
上記実施例1a(a)(1)と同様にしてエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。ただし、温度65℃、ヘキセン/エチレンモル比0.025、水素/エチレンモル比を2.6×10−4であった。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は320g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体のMFRと密度は各々1.0g/10分、0.906g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物C12の製造
比較例C11aで、エチレン系重合体(B−7)の代わりに上記エチレン系重合体(B−C9)と高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製;MFR=0.8g/10分、密度0.924g/cm)の混合物(混合比率66重量%:34重量%)を使用し、エチレン系重合体(A−7)と該混合物の混合比率を62%と38%とした以外は実施例7a(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C12の製造を実施した。
すなわち、上記エチレン系重合体(A−7)、上記エチレン系重合体(B−C9)、上記高圧ラジカル法低密度ポリエチレンの三成分を、ミキサーにて混合均質化後、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し、押出し物を固化、造粒し、最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物C12について、前記した30μのフィルムを成形する方法でフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔比較例C13a〕
比較例C11aで、エチレン系重合体(A−7)の代わりに上記実施例2のエチレン系重合体(A−2)を使用し、エチレン系重合体(A−2)と該高圧ラジカル法低密度ポリエチレンの混合比率を90%と10%とした以外は実施例7a(2)と同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C13を製造し、フィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表3a−1、表3a−2に示した。
〔実施例8a〕
(1)エチレン系重合体(B−8)の製造
[メタロセン触媒B−8の調製]
メタロセン錯体として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド51.8ミリグラムの代わりに、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)[4−(4−トリメチルシリルフェニル)インデニル]ジルコニウムジクロリド68.7ミリグラムを使用した以外は実施例1a(a)(2)と同様にして固体触媒B−8を得た。
[エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造]
上記固体触媒B−8を使用して実施例1a(a)(2)と同様のエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。すなわち、温度75℃、ヘキセン/エチレンモル比0.004、水素/エチレンモル比5.5×10−3、窒素濃度を20mol%、全圧を0.8MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該固体触媒を0.57g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを12ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は288g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に得られたエチレン系重合体(B−8)のMFRと密度は各々0.2g/10分、0.920g/cmであった。
(2)ポリエチレン系樹脂組成物8aの製造
マグネシウム・チタニウム複合型チーグラー触媒(A−2)で製造された市販のエチレン系重合体(A−2)(日本ポリエチレン社製UF230;MFR=1.0g/10分、密度0.921g/cmのエチレン・1−ブテン共重合体)80重量%と上記(1)で得られたエチレン系重合体(B−8)20重量%とからなるポリエチレン樹脂を、ミキサーにて混合均質化した。
次に、得られた混合物を二軸押出機にて溶融混練し、押出し物を固化、造粒した。最終的に得られた粒状のポリエチレン樹脂組成物8aについて、前記した50μのフィルムを成形する方法でフィルム成形性及びフィルム物性の評価を行った。その結果を表4a−1および表4a−2に示した。
〔実施例9a〕
実施例8a(2)と同様にして、ポリエチレン樹脂組成物の製造およびフィルム成形評価を行なった。ただし、同市販のエチレン系重合体(A−2)を90重量%と同エチレン系重合体(B−8)10重量%とを使用した。
〔比較例C14a〕
実施例9aで、エチレン系重合体(B−8)の代わりに、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製LF240;MFR=0.7g/10分、密度0.924g/cm)を使用した以外は実施例8aと同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C14aの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表4a−1、表4a−2に示した。
〔比較例C15a〕
実施例9aで、エチレン系重合体(B−8)の代わりに、長鎖分岐を有する市販のエチレン系重合体(住友化学社製CU5001;MFR=0.3g/10分、密度0.922g/cm)を使用した以外は実施例8aと同様にしてポリエチレン系樹脂組成物C15aの製造およびフィルム成形を実施した。その結果を表4a−1、表4a−2に示した。
Figure 2012214781
Figure 2012214781
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(表1a−1および表1a−2の結果による考察)
実施例1a(a)〜比較例C1a(c)では、一般的なメタロセン触媒で製造されたエチレン・1−ヘキセン共重合体をフィルム用途として使用する場合の例を示した。
すなわち、現在商業レベルで通常よく行なわれる手法として高圧ラジカル重合法ポリエチレンを20%程度ブレンドして該共重合体のフィルム向け諸物性を改良した例示である比較例C1a(a)に対して、本発明におけるエチレン系重合体(B)を同様に20%ブレンドした実施例1a(c)は、樹脂圧力の低下が見られており、溶融流動性に優れていた。また、フィルム物性として、引張弾性率とヘイズが同程度、すわなち、フィルムの腰と透明性が同程度でありながらも、インパクト強度が40%弱大きいという、衝撃強度に優れたフィルムが得られることが明らかであり、また、現在市販されている遷移金属触媒により製造された長鎖分岐含有エチレン系共重合体であって本発明におけるエチレン系重合体(B)ではないエチレン系共重合体を同様に20%程度ブレンドした例示である比較例C1a(b)は、樹脂圧力低下の効果は同様に得られるものの、インパクト強度が非常に小さく、本発明によるポリエチレン系樹脂組成物によるフィルムに対して衝撃強度がはるかに劣っており、透明性も本発明において得られるほど優れたものではなかった。
また、本発明におけるエチレン系重合体(B)のブレンド量が上記例よりも少ない例示を実施例1a(a)や実施例1a(b)で行なったが、エチレン系重合体(B)をブレンドしなかった比較例C1a(c)で得られる樹脂圧力やフィルムの弾性率やインパクト強度の諸性能を劣化させることなく、ヘイズ値を約18%から8%弱へと格段に透明性を改善する効果が得られることが明確であった。
更に、実施例2aと比較例2aの比較により、一般的なチーグラー触媒で製造されたエチレン・1−ブテン共重合体をフィルム用途として使用する場合に、本発明の技術を適用した場合の例を示した。
すなわち、チーグラー触媒で製造されたエチレン・1−ブテン共重合体に、上述のメタロセン触媒の例と同様に本発明におけるエチレン系重合体(B)を20%ブレンドした実施例2aは、エチレン系重合体(B)をブレンドしなかった比較例2aで得られる樹脂圧力やフィルムのインパクト強度を改善しながら、かつ、ヘイズ値が約15%から6%へと格段に透明性を改善する効果が得られる優れた効果を発揮した。
(表2a−1および表2a−2の結果による考察)
実施例3a(a)〜比較例C7aでは、表1aと同様、一般的なメタロセン触媒で製造されたエチレン・1−ヘキセン共重合体をフィルム用途として使用するに際して、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の設計技術を適用して好適な性能が得られることを明確にするために計画された実験例であるが、使用する本発明におけるエチレン系重合体(B)として、異なるメタロセン触媒により製造されたものを適用した例示である。
すなわち、実施例3a(a)、実施例4a(a)、実施例5a(a)では、各々異なるメタロセン触媒により製造された本発明におけるエチレン系重合体(B)を本発明におけるエチレン系重合体(A)に10%ブレンドして得られたポリエチレン系樹脂組成物によるフィルムの性能を、また、実施例3a(b)、実施例4a(b)、実施例5a(b)では、同20%ブレンドして得られた同フィルム性能を、各々高圧法ポリエチレンを同量ブレンドした場合と比較して例示しているが、本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物の実施例では、樹脂圧力が同じレベルか低下傾向が見られており、溶融流動性に優れていた。また、フィルム物性として、引張弾性率が同程度、すわなち、フィルムの腰が同程度という条件において、透明性は若干高圧法ポリエチレンのブレンドによるものよりも後退してはいるものの、十分実用に耐えられるレベルに改善されており、かつ、インパクト強度が10%弱〜80%強まで向上しており、衝撃強度に優れたフィルムが得られることが明らかであった。また、広く知られている架橋ビスインデニルジルコノセン錯体のシリカ担持メチルアルモキサン触媒により製造された公知の長鎖分岐含有エチレン系共重合体であって本発明におけるエチレン系重合体(B)ではないエチレン系共重合体を同様にブレンドした例示である比較例C4a(a)は、多少のインパクト強度の向上は得られているものの、ヘイズが10%と悪く、フィルム透明性の観点で実用に支障を来たす恐れがあった。
また、実施例5a(c)〜比較例C9aでは、本発明におけるエチレン系重合体(A)と本発明におけるエチレン系重合体(B)を組合せた例である実施例5a(c)と、比較例として、本発明におけるエチレン系重合体(A)と長鎖分岐を有さない点で本発明ではないエチレン系重合体を組合せた例である比較例C8aと、長鎖分岐を有する点で本発明のエチレン系重合体(A)ではないエチレン系重合体と長鎖分岐を有さない点で本発明のエチレン系重合体(B)ではないエチレン系重合体を組合せた例である比較例C9aを、各々対比させる目的で計画された実験例である。本発明である実施例5a(c)に比べ、該比較例では、樹脂圧力が逆に大きくなってしまったり、フィルム透明性の改善が全く見られなかったりして、好ましくないことが分かるであろう。
(表3a−1および表3a−2の結果による考察)
実施例6a〜比較例C13aでは、表1aと同様、一般的なメタロセン触媒で製造されたエチレン・1−ヘキセン共重合体や一般的なチーグラー触媒で製造されたエチレン・1−ブテン共重合体をフィルム用途として使用するに際して、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の設計技術を適用して好適な性能が得られることを明確にするために計画された実験例であるが、エチレン系重合体(B)の密度を上述の実施例におけるよりも低くして、密度/密度が大きくなるようにポリエチレン系樹脂組成物を設計したものであり、その結果として、極めて衝撃強度に優れた成形体が得られることを立証すべく計画された例示である。
すなわち、一般的なメタロセン触媒で製造されたエチレン・1−ヘキセン共重合体の改良を対象とした実施例6は、ほぼ同程度のMFR、密度およびフィルムインパクト強度を有するエチレン・1−ヘキセン共重合体単独の例である比較例C10aに対し、樹脂圧力が25%程度も低減可能であって、更に透明性の改善が実現可能であることを示しており、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の優位性が明らかであろう。
また、一般的なチーグラー触媒で製造されたエチレン・1−ブテン共重合体を対象とした実施例7aは、本発明における低密度のエチレン系重合体(B)をブレンドした場合、高圧法ポリエチレンをブレンドして得られた同程度のMFRと密度を有するポリエチレン系樹脂組成物の例である比較例C11aと比較して、樹脂圧力やフィルムの引張弾性率にはやや改善が見られ、透明性は若干高圧法ポリエチレンのブレンドによるものよりも後退するものの、十分実用に耐えられるレベルに改善されており、かつ、インパクト強度が40%以上も向上しており、衝撃強度に優れたフィルムが得られることが明らかであり、この高い衝撃強度の改善効果は、同じ目的を狙って開発された三元ブレンド組成物の例示である比較例C12aの衝撃強度を上回るものであった。
(表4a−1および表4a−2の結果による考察)
実施例8a、実施例9a、比較例C14a、比較例C15aでは、表1aと同様、一般的な一般的なチーグラー触媒で製造されたエチレン・1−ブテン共重合体をフィルム用途として使用するに際して、本発明のポリエチレン系樹脂組成物の設計技術を適用して好適な性能が得られることを明確にするために計画された実験例である。
すなわち、常法の高圧ラジカル重合法ポリエチレンを10%程度ブレンドして該共重合体のフィルム向け諸物性を改良した例示である比較例C14aに対して、本発明におけるエチレン系重合体(B)を20%ブレンドした実施例8aは、フィルム物性として、引張弾性率が同程度で、かつ、インパクト強度が14%、引裂強度が20〜30%大きく、フィルムの腰(剛性)と強度のバランスに優れたフィルムが得られることが明らかであり、また、本発明におけるエチレン系重合体(B)を同様に10%ブレンドした実施例9aは、フィルム物性として、引張弾性率とヘイズ値が同程度で、かつ、インパクト強度が5%、引裂強度が20〜50%大きく、フィルムの腰(剛性)と強度と透明性のバランスに優れたフィルムが得られることが明らかであり、本発明によるポリエチレン系樹脂組成物の有意性が実証されているものと考えられる。
また、現在市販されている遷移金属触媒により製造された長鎖分岐含有エチレン系共重合体であって本発明におけるエチレン系重合体(B)ではないエチレン系共重合体を同様に10%程度ブレンドした例示である比較例C15aは、本発明におけるエチレン系重合体(B)を同様に10%ブレンドした実施例9aと比べて、フィルム物性として、引張弾性率とインパクト強度は同程度であるものの、ヘイズ値が8.4%と透明性に劣り、更に、引裂強度が10%弱小さい結果であったことからも、本発明によるポリエチレン系樹脂組成物の有意性が実証されているものと考えられる。
以上から、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する優越性が明らかである。
以上から明らかなように、本発明のポリエチレン系樹脂組成物は、成形加工特性に優れ、同時に、衝撃強度と剛性のバランスにも優れ、更には透明性にも優れる効果を有し、また、該ポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形して得られる成形体も、衝撃強度と剛性のバランスおよび透明性に優れているので、薄肉化された成形製品を経済的に有利に提供することが可能である。
したがって、このような望ましい特性を有する成形製品を経済的に有利に提供することのできる本発明のポリエチレン系樹脂組成物の工業的価値は極めて大きい。

Claims (11)

  1. 下記の条件(A−1)〜(A−4)を満足するエチレン系重合体(A)41〜99重量%と、下記の条件(B−1)〜(B−6)を満足するエチレン系重合体(B)1〜59重量%とを含み、かつ、組成物全体のMFRが0.05〜50g/10分、密度が0.910〜0.960g/cmであることを特徴とするポリエチレン系樹脂組成物。
    エチレン系重合体(A)の条件;
    (A−1)MFR=0.3〜100g/10分
    (A−2)密度=0.915〜0.970g/cm
    (A−3)[Mw/Mn]=2.0〜10.0
    (A−4)温度170℃、伸長歪速度2(単位1/秒)で測定される伸長粘度η(t)(単位:Pa・秒)と伸長時間t(単位:秒)の両対数プロットにおいて、歪硬化に起因する伸長粘度の変曲点が観測されないか、あるいは同変曲点が観測された場合、歪硬化後の最大伸長粘度をηA;Max(t)、硬化前の伸長粘度の近似直線をηA;Linear(t)としたとき、ηA;Max(t)/ηA;Linear(t)で定義される歪硬化度[λmax(2.0)]が1.0〜2.0である。
    エチレン系重合体(B)の条件;
    (B−1)MFR=0.01〜1.5g/10分、かつ、100>MFR/MFR>1.0
    (B−2)密度=0.880〜0.940g/cm
    (B−3)[Mw/Mn]=2.0〜10.0
    (B−4)上記(A−4)と同様にして[λmax(2.0)]が1.2〜20.0であり、かつ、20>[λmax(2.0)]/[λmax(2.0)]>1.0である。
    (B−5)上記(A−4)と同様にして[λmax(2.0)]と、伸長歪速度を0.1(単位1/秒)として同様に測定した場合の[λmax(0.1)]の比[λmax(2.0)]/[λmax(0.1)]が1.2〜10.0である。
    (B−6)遷移金属を含む触媒を用いたエチレンの重合反応により製造された重合体であること。
  2. エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−2’)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    (B−2’)1.070>密度/密度>0.990
  3. エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−7)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    (B−7)示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万における分岐指数(g’)が0.30〜0.70である。
  4. エチレン系重合体(B)が、更に下記の条件(B−8)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
    (B−8)示差屈折計、粘度検出器、および、光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分子量100万以上の成分の含有量(W)が0.01〜30%である。
  5. エチレン系重合体(A)が、チーグラー触媒、フィリップス触媒またはメタロセン触媒から選ばれる少なくとも1つの触媒を用いたエチレンの単独重合またはα−オレフィンとの共重合によって製造されるエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  6. エチレン系重合体(A)が、マグネシウム化合物およびチタニウム化合物を用いて製造されたチーグラー・ナッタ触媒によるエチレンの単独重合またはα−オレフィンとの共重合によって製造されたエチレン重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  7. エチレン系重合体(B)が、メタロセン触媒によるエチレンとα−オレフィンとの共重合によって製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  8. エチレン系重合体(B)が、エチレンとα−オレフィンとの気相またはスラリー共重合によって製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物を射出成形、圧縮射出成形、回転成形、押出成形、中空成形又はブロー成形してなる成形体。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物を押出成形、中空成形又はブロー成形してなるフィルム。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエチレン系樹脂組成物をインフレーション成形してなるフィルム。
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