JP2011001545A - 発泡成形用エチレン系重合体、発泡成形用樹脂組成物およびそれらから得られる発泡体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡倍率が高く、発泡状態に優れ、かつ機械的強度に特に優れた発泡体が得られる発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】発泡成形用エチレン系重合体は、エチレン単独重合体、または、エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体であって、要件(I)〜(VI)を満たす;(I)MFR(190℃、2.16kg荷重)が0.1〜10g/10分(II)密度が875〜970kg/m3(III)190℃における溶融張力と200℃角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度との比が1.00×10-4〜7.00×10-4(g/P)(IV)炭素原子1000個当たりのメチル分岐数とエチル分岐数との和が1.8以下(V)200℃におけるゼロせん断粘度η0と重量平均分子量(Mw)とが0.10×10-31×Mw6.8≦η0≦60×10-31×Mw6.8を満たす(VI)GPCによる分子量分布曲線における最大重量分率での分子量が1.0×104.20〜1.0×104.60
【選択図】なし

Description

本発明は、押出特性に優れる発泡成形用エチレン系重合体、該重合体を含む発泡成形用樹脂組成物およびそれらから得られる発泡体に関する。
エチレン系重合体は、種々の成形方法により成形され、多方面の用途に供されている。これら成形方法や用途に応じて、エチレン系重合体に要求される特性も異なってくる。例えば、発泡成形により衝撃吸収性および断熱性に優れ、かつ軽量な発泡体を得るためには、発泡体が高発泡倍率でかつ良好な発泡状態(破泡や粗大気泡が少なく、均一な気泡が多い)を保持していることが必要である。高い発泡倍率および良好な発泡状態を得るためには、溶融状態において気泡を保持する必要があり、エチレン系重合体として溶融張力の大きいものを選択しなければならない。溶融張力を大きくする手段として分子量を大きくすることが挙げられるが、分子量を大きくし過ぎるとエチレン系重合体の溶融せん断粘度が大きくなってしまい、押出特性が悪化してしまう。このため、発泡体が高発泡倍率でかつ良好な発泡状態を得るためには、エチレン系重合体として溶融せん断粘度の割に溶融張力の大きいものを選択しなければならない。
エチレン系重合体から発泡体を製造する方法については種々の方法が知られており、例えば、ブタン、ヘキサン、フロンおよび炭酸ガスなどの気体や加熱すると気体になるものをエチレン系重合体中に分散または溶解させて、押出発泡成形やビーズ発泡成形して無架橋発泡させる方法が実用化されている。これらの方法で製造される無架橋発泡体は衝撃吸収性および防水性に優れており、各種の緩衝材に使用されている。また一方で、エチレン系重合体に熱分解型発泡剤を混合して成形した後、電離性放射線を照射しながら加熱して架橋発泡させる方法、エチレン系重合体に熱分解型発泡剤と発泡剤より分解温度の低い有機過酸化物とを混合して成形した後、これを加熱してまず有機過酸化物を分解させ、次いで発泡剤を分解させて架橋発泡させる方法がある。これらの方法で製造される架橋発泡体は、無架橋発泡体と比較して耐久性に優れており、防水材などの建材および各種断熱材に使用されている。
これらの発泡成形では、高圧法低密度ポリエチレンが主に使用されている。高圧法低密度ポリエチレンは複雑な長鎖分岐構造を有するため、直鎖状エチレン系重合体と比較して溶融せん断粘度の割に溶融張力が大きい。このため、高圧法低密度ポリエチレンは押出特性に優れ、得られる発泡体は発泡倍率が高く、発泡状態に優れる。しかしながら、高圧法低密度ポリエチレンは、複雑な長鎖分岐構造および数多くの短鎖分岐(主にメチル基およびエチル基)を有するため、引張強度および耐衝撃強度などの機械的強度に劣る。
チーグラー・ナッタ触媒を用いて得られるエチレン系重合体は引張強度および耐衝撃強度などの機械的強度には優れるが、せん断粘度の割に溶融張力が小さいため、無架橋発泡成形では発泡倍率を高くすることが困難であり良好な発泡状態が得られない。また、α−オレフィンが分子鎖中に不均一に導入されているため、架橋発泡成形においては架橋密度にばらつきが生じ、不均一な気泡を形成してしまう。さらに、溶融時のせん断粘度が高いため、押出特性が悪いという課題がある。
メタロセン触媒を用いて得られるエチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いて得られたエチレン系重合体と比較してα−オレフィンが分子鎖中に均一に導入されているため、架橋発泡成形における架橋密度のばらつきは改善される。しかし、溶融時のせん断粘度はかえって高くなり、成形時の押出特性がさらに悪化してしまう。また、溶融張力は依然として小さいため、無架橋発泡成形では発泡倍率を高くすることが困難であり、発泡状態に劣る。
このような問題を解決するために、メタロセン触媒により重合体中に長鎖分岐構造を導入し、せん断粘度の割に溶融張力を向上させたエチレン系重合体が種々開示されている。例えば、メタロセン触媒を用いて得られたエチレン系重合体と、高圧法低密度ポリエチレンとの組成物が特許文献1に提案されている。しかしながら、高圧法低密度ポリエチレンの含有量が多いと、引張強度および耐衝撃強度などの機械的強度に劣ることが予想され、高圧法低密度ポリエチレンの含有量が少ないと、溶融張力の向上が十分でないため、発泡倍率を高くできず、発泡状態に劣ることが予想される。
特許文献2にはエチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドとメチルアルモキサンとからなる触媒の存在下で溶液重合により得られるエチレン系重合体が開示されている。特許文献3にはシリカに担持したエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとメチルアルモキサンとからなる触媒の存在下で気相重合により得られるエチレン系重合体が開示されている。特許文献4には幾何拘束型触媒の存在下で溶液重合により得られたエチレン系重合体が開示されている。特許文献5にはシリカに担持したMe2Si(2−Me−Ind)2のラセミ体およびメソ体と、メチルアルモキサンとからなる触媒の存在下で気相重合により得られるエチレン系重合体が開示されている。これらのエチレン系重合体は、長鎖分岐のない直鎖状のエチレン系重合体と比較して溶融張力が向上する旨の記載はあるが、高圧法低密度ポリエチレンと比較して溶融張力は小さいため、高発泡倍率、良好な発泡状態を得ることは困難であることが予想される。
特許文献6にはジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの存在下、マクロモノマーとエチレンとの共重合により得られるエチレン重合体からなる未架橋発泡成形体が開示されている。このエチレン系重合体は、長鎖分岐の導入により溶融張力が向上し、発泡倍率が高く、発泡状態に優れる旨の記載がある。しかし、このエチレン系重合体は1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンなどに代表される低分子量のα−オレフィンを共重合していないため、発泡成形体の機械的強度および柔軟性に劣り、さらに融点が高いことから発泡成形可能な温度範囲が極めて狭いことが予想される。
特許文献7にはゼロせん断粘度と重量平均分子量とが特定の関係を満たし、かつ溶融張力とせん断粘度との比が特定の関係を満たすエチレン系重合体が開示されている。このエチレン系重合体は、せん断粘度の割に溶融張力が高く、ゼロせん断粘度と重量平均分子量とが特定の関係を満たすことにより伸長粘度がひずみ速度硬化性を示すため、得られる発泡体は発泡倍率が高く、発泡状態も優れ、機械的強度についても、高圧法低密度ポリエチレンと比較して優れることが予想される。しかし、エチレン系重合体より得られる発泡体を緩衝保護材などに用いる場合には、さらなる機械的強度の改善が望まれている。
以上述べたように、従来の公知技術から、発泡倍率が高く、発泡状態に優れ、かつ機械的強度に特に優れたエチレン系樹脂製発泡体を効率的に得ることは困難だった。
特開平7−26079号公報 特開平2−276807号公報 特開平4−213309号公報 国際公開第93/08221号パンフレット 特開平8−311260号公報 特開2006−96910号公報 特開2006−233206号公報
本発明は、押出特性に優れる発泡成形用エチレン系重合体および該重合体を含有する発泡成形用樹脂組成物、ならびにそれらからなる発泡倍率が高く、発泡状態に優れ、かつ機械的強度に特に優れる発泡体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のエチレン系重合体または該重合体を含む樹脂組成物を発泡成形することにより、発泡倍率が高く、発泡状態に優れ、かつ機械的強度に特に優れる発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明には以下の事項が含まれる。
〔1〕エチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、かつ、下記要件(I)〜(VI)を同時に満たすことを特徴とする発泡成形用エチレン系重合体。
(I)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である。
(II)密度(d)が875〜970kg/m3の範囲である。
(III)190℃における溶融張力〔MT(g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)(P)〕との比〔MT/η*(1.0)〕が1.00×10-4〜7.00×10-4g/Pの範囲である。
(IV)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数A(/1000C)とエチル分岐数B(/1000C)との和〔(A+B)(/1000C)〕が1.8以下である。
(V)200℃におけるゼロせん断粘度η0(P)と、GPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式を満たす。
0.10×10-31×Mw6.8≦η0≦60×10-31×Mw6.8
(VI)GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.20〜1.0×104.60の範囲である。
〔2〕下記要件(VII)および(VIII)をさらに満たすことを特徴とする〔1〕に記載の発泡成形用エチレン系重合体。
(VII)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と、GPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式[Eq−1]を満たす。
0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776 [Eq−1]
(VIII)200℃、角速度100rad/秒におけるせん断粘度〔η*(100)〕(P)と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)との比〔η*(100)/η*(1.0)〕が0.04〜0.40の範囲である。
〔3〕〔1〕または〔2〕に記載の発泡成形用エチレン系重合体、および該発泡成形用エチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする発泡成形用樹脂組成物。
〔4〕〔1〕または〔2〕に記載の発泡成形用エチレン系重合体、または〔3〕に記載の発泡成形用樹脂組成物から得られる発泡体。
本発明によれば、押出特性に優れる発泡成形用エチレン系重合体が得られ、該発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む発泡成形用樹脂組成物を発泡成形することにより、発泡倍率が高く、発泡状態に優れ、かつ機械的強度に特に優れる発泡体が得られる。
以下、本発明の発泡成形用エチレン系重合体(以下単に「エチレン系重合体」ともいう。)、発泡成形用樹脂組成物(以下単に「樹脂組成物」ともいう。)およびそれらから得られる発泡体について具体的に説明する。
〔発泡成形用エチレン系重合体〕
本発明の発泡成形用エチレン系重合体は、エチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンから得られる共重合体であって、下記要件(I)〜(VI)を同時に満たすことを特徴とする。
(I)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である。
(II)密度(d)が875〜970kg/m3の範囲である。
(III)190℃における溶融張力〔MT(g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)(P)〕との比〔MT/η*(1.0)〕が1.00×10-4〜7.00×10-4g/Pの範囲である。
(IV)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数A(/1000C)とエチル分岐数B(/1000C)との和〔(A+B)(/1000C)〕が1.8以下である。
(V)200℃におけるゼロせん断粘度η0(P)と、GPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式を満たす。
0.10×10-31×Mw6.8≦η0≦60×10-31×Mw6.8
(VI)GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.20〜1.0×104.60の範囲である。
本発明の発泡成形用エチレン系重合体は、エチレン単独重合体およびエチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体の中から選択される重合体を1種以上含むものである。
炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが挙げられる。このうち、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンなどの炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましく、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンおよび1−デセンなどの炭素数6〜10のα−オレフィンがより好ましい。α−オレフィンは1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。またα−オレフィンとして、1−ブテンを用いる場合、炭素数6〜10のα−オレフィンも併せて用いる。
本発明の発泡成形用エチレン系重合体は、上記要件(I)〜(VI)を満たす限り、α−オレフィン以外に下記の共重合体モノマーからなる構成単位を含んでいてもよい。
具体的には、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセンおよび2−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン;スチレン;ビニルシクロヘキサン;各種ジエン;ならびにアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルおよびメタクリル酸などの極性モノマーなどが挙げられる。これらの共重合性モノマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、要件(I)〜(VI)について説明する。
(I)メルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜5.0g/10分、より好ましくは0.5〜2.5g/10分の範囲である。
メルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上の場合、エチレン系重合体のせん断粘度が高過ぎず、押出特性が良好である。メルトフローレート(MFR)が10g/10分以下の場合、得られる発泡体の機械的強度が良好であり、またエチレン系重合体のせん断粘度が低すぎず、発泡成形性が良好である。つまり、メルトフローレート(MFR)が上記範囲にあると、エチレン系重合体のせん断安定性が良好なため、押出特性および発泡成形性に優れ、得られる発泡体は機械的強度に優れ、かつ、発泡成形性に優れる。
メルトフローレート(MFR)はエチレン系重合体の分子量に強く依存しており、メルトフローレート(MFR)が小さいほど分子量は大きく、メルトフローレート(MFR)が大きいほど分子量は小さくなる。また、エチレン系重合体の分子量は、重合反応系内における水素とエチレンとの組成比(水素/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、曽我和雄他編、「Catalytic Olefin Polymerization」、講談社サイエンティフィク、1990年、p.376)。このため、水素/エチレン比を調節することで、エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)を増減させることが可能である。
(II)密度(d)が875〜970kg/m3、好ましくは900〜955kg/m3、より好ましくは900〜940kg/m3の範囲にある。
詳しくは、密度(d)が875kg/m3以上であれば、エチレン系重合体から得られる発泡体の収縮が小さく均一な気泡が得られ、970kg/m3以下であれば発泡成形における成形可能な温度範囲が比較的広い。
密度はエチレン系重合体中のα−オレフィン含量に依存しており、α−オレフィン含量が少ないほど密度は高く、α−オレフィン含量が多いほど密度は低くなる。エチレン系重合体中のα−オレフィン含量は、重合系中へのエチレンおよびα−オレフィンの供給量により決定されることから(例えば、Walter Kaminsky, Makromol.Chem. 193, p.606(1992))、エチレンおよびα−オレフィンの供給量を調節することで、上記範囲の密度を有するエチレン系重合体を製造することができる。
(III)190℃における溶融張力〔MT(g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)(P)〕との比〔MT/η*(1.0)(g/P)〕が1.00×10-4〜7.00×10-4、好ましくは1.50×10-4〜5.00×10-4、より好ましくは2.00×10-4〜5.00×10-4の範囲である。
エチレン系重合体の溶融張力が大きいと、発泡倍率が高く、かつ独立気泡を有する品質の良好な発泡体が得られることが知られている(例えば、特開2006−199872号公報)。一方、溶融張力を大きくするために分子量を大きくしてしまうと、エチレン系重合体のせん断粘度が大きくなってしまうため押出特性が悪化してしまう。せん断粘度を大きくしすぎずに溶融張力を大きくするには〔MT/η*(1.0)〕の下限が1.00×10-4(g/P)以上である必要がある。〔MT/η*(1.0)〕が1.00×10-4〜7.00×10-4(g/P)の範囲にある場合、エチレン系重合体の押出特性が良好であり、得られる発泡体の発泡倍率を高くすることも可能であり、均一な気泡を有する良好な発泡状態が得られる。
〔MT/η*(1.0)〕はエチレン系重合体の長鎖分岐含量に依存しており、長鎖分岐含量が多いほど〔MT/η*(1.0)〕は大きく、長鎖分岐含量が少ないほど〔MT/η*(1.0)〕は小さくなる。
長鎖分岐とはエチレン系重合体中に含まれる絡み合い点間分子量(Me)以上の長さの分岐構造と定義され、長鎖分岐の導入によりエチレン系重合体の溶融物性、および成形加工性は著しく変化することが知られている(例えば、松浦一雄他編、「ポリエチレン技術読本」、工業調査会、2001年、p.32およびp.36)。
本発明のエチレン系重合体は、後述する特定の架橋型メタロセン化合物(成分(A)および成分(B))および成分(C)を含むエチレン系重合体製造用触媒の存在下、エチレン、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとを重合することによって製造することができる。
本発明のエチレン系重合体が生成する機構として、本発明者らは、成分(A)、成分(C)および必要に応じて固体状担体(成分(S))を含むエチレン系重合体製造用触媒の存在下で、エチレン、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとを重合させ、好ましくはエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとを重合させ、より好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとを重合させることによって、数平均分子量(Mn)が例えば4000〜20000、好ましくは4000〜15000である、末端ビニルを有する重合体(マクロモノマー)を生成させ、次いで、成分(B)、成分(C)および必要に応じて成分(S)を含むエチレン系重合体製造用触媒を用いて、エチレンおよび該α−オレフィンの重合と該マクロモノマーとを競争的に(共)重合させることにより、エチレン系重合体に長鎖分岐が生成すると考えている。
本発明のエチレン系重合体中の長鎖分岐含量は、重合系中のマクロモノマーとエチレンとの組成比([マクロモノマー]/[エチレン])に依存しており、[マクロモノマー]/[エチレン]が高いほどエチレン系重合体中の長鎖分岐含量は多くなる。エチレン系重合体製造用触媒中の成分(A)の比率([A]/[A+B])を高くすることで[マクロモノマー]/[エチレン]を高くできることから、[A]/[A+B]を増減することで上記範囲の〔MT/η*(1.0)〕を有するエチレン系重合体を製造することができる。
(IV)13C−NMRにより測定されたメチル分岐数〔A(/1000C)〕とエチル分岐数〔B(/1000C)〕との和〔(A+B)(/1000C)〕は1.8以下、好ましくは1.3以下、より好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下である。
なお、本発明で定義するメチル分岐数およびエチル分岐数は、重合体鎖を構成する炭素原子1000個当たりの数で定義される。エチレン系重合体中にメチル分岐およびエチル分岐などの短鎖分岐が存在すると、短鎖分岐が結晶中に取り込まれ、結晶の面間隔が広がってしまうため、樹脂の機械的強度が低下することが知られている(例えば、大澤善次郎他監修、「高分子の寿命予測と長寿命化技術」、(株)エヌ・ティー・エス、2002年、p.481)。そのため、メチル分岐数とエチル分岐数との和(A+B)が1.8以下の場合、エチレン系重合体の機械的強度が良好である。
エチレン系重合体中のメチル分岐数およびエチル分岐数は、エチレン系重合体の重合方法に強く依存し、高圧ラジカル重合により得られたエチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合により得られたエチレン系重合体に比べ、メチル分岐数およびエチル分岐数が多い。
(V)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕とGPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とは下記関係式を満たす。
0.10×10-31×Mw6.8≦η0≦60×10-31×Mw6.8
好ましくは、下記関係式を満たす。
0.50×10-31×Mw6.8≦η0≦30×10-31×Mw6.8
より好ましくは、下記関係式を満たす。
1.00×10-31×Mw6.8≦η0≦15×10-31×Mw6.8
重量平均分子量(Mw)に対してゼロせん断粘度〔η0(P)〕を両対数プロットしたとき、長鎖分岐のない直鎖状のエチレン系重合体のように伸長粘度がひずみ硬化性を示さない樹脂は、傾きが約3.4のべき乗則に則る。一方、高圧法低密度ポリエチレンは、直鎖状エチレン系重合体のべき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示すことが知られており、これは比較的短い長鎖分岐を数多く有するためと推定されている。高圧法低密度ポリエチレンのように、直鎖状エチレン系重合体のべき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示すエチレン系重合体の伸張粘度は、ひずみ速度が増加するほど強いひずみ硬化を示す(ひずみ速度硬化性)ことが知られている。
これに対し、メタロセン触媒により得られた長鎖分岐を有するエチレン系重合体は、直鎖状エチレン系重合体のべき乗則よりも高いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示すことが知られており、これは少量の長い長鎖分岐を有するためと推定されている。メタロセン触媒により得られた長鎖分岐を有するエチレン系重合体のように、直鎖状エチレン系重合体のべき乗則よりも高いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示すエチレン系重合体の伸張粘度は、ひずみ速度に依存せず、ひずみ硬化は比較的弱いことが知られている。(H.Munstedt, D.Auhl, J.Non−Newtonian Fluid Mech., 128, 62−69(2005)、C Gabriel, H.Munstedt, J.Rheol., 47(3), 619(2003))。
一般に伸張粘度がひずみ硬化を示すと溶融張力は大きくなるため、高圧法低密度ポリエチレンのように、直鎖状エチレン系重合体のべき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示すエチレン系重合体は、ひずみ速度の高い領域で溶融張力が大きくなる。発泡成形における気泡成長は比較的ひずみ速度が高いため、200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕が上記範囲であると、気泡成長時の溶融張力が大きくなる。このため、気泡が破泡しにくくなり均一な気泡を有する良好な発泡状態が得られる。
ゼロせん断粘度〔η0(P)〕と重量平均分子量(Mw)との関係は、エチレン系重合体中の長鎖分岐の含量および長さに依存していると考えられ、長鎖分岐含量が多いほど、また長鎖分岐の長さが短いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲下限に近い値を示し、長鎖分岐含量が少ないほど、また長鎖分岐の長さが長いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲上限に近い値を示すと考えられる。ゼロせん断粘度〔η0(P)〕と重量平均分子量(Mw)との関係が請求範囲の値を示す場合、得られる発泡体の気泡が破泡しにくくなり均一に気泡が分布した良好な発泡状態が得られる。
前述のようにエチレン系重合体製造用触媒中の成分(A)の比率([A]/[A+B])を高くすることで長鎖分岐含量は多くなる。このことから、[A]/[A+B]を増減させることで、請求範囲のゼロせん断粘度〔η0(P)〕を有するエチレン系重合体を製造することができる。
(VI)GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.20〜1.0×104.60、好ましくは1.0×104.30〜1.0×104.50の範囲である。
エチレン系重合体の機械的強度には、低分子量成分が強く影響を及ぼすことが知られている。低分子量成分が存在すると、破壊の起点になると考えられている分子末端が増加するため、機械的強度が低下すると考えられる(松浦一雄・三上尚孝編著、「ポリエチレン技術読本」、株式会社工業調査会、2001年、p.45)。
GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が上記範囲であると、機械的強度に悪影響を及ぼす低分子量成分が少ないため、機械的強度に優れる。
GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量は、重合反応系内における水素とエチレンとの組成比(水素/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、曽我和雄他編、「Catalytic Olefin Polymerization」、講談社サイエンティフィク、1990年、p.376)。このため、水素/エチレンを増減させることで、分子量分布曲線における最大重量分率での分子量を増減させることが可能である。
本発明に係るエチレン系重合体は、上記要件に加えて、さらに下記要件(VII)および(VIII)を満たすことが好ましい。
(VII)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)とGPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが好ましくは下記関係式[Eq−1]を満たす。
0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776[Eq−1]
より好ましくは、下記関係式[Eq−2]を満たす。
0.90×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.55×10-4×Mw0.776[Eq−2]
特に好ましくは、下記関係式[Eq−3]を満たす。
0.90×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.40×10-4×Mw0.776[Eq−3]
エチレン系重合体中に長鎖分岐が導入されると、長鎖分岐のない直鎖型エチレン系重合体と比較して分子量の割に極限粘度[η](dl/g)が小さくなることが知られている(例えば、Walther Burchard, ADVANCES IN POLYMER SCIENCE, 143, Branched PolymerII, p.137(1999))。
そのため、極限粘度[η](dl/g)が上記の範囲にあると、得られるエチレン系重合体は多数の長鎖分岐を有し、溶融張力が大きいため、発泡倍率を高くすることが可能であり、気泡が均一に分布した良好な発泡状態が得られる。
(VIII)200℃、角速度100rad/秒におけるせん断粘度〔η*(100)〕(P)と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)との比〔η*(100)/η*(1.0)〕が0.04〜0.40の範囲であるのが好ましい。
エチレン系重合体中に長鎖分岐が導入されると、長鎖分岐のない直鎖型エチレン系重合体と比較して、せん断速度の高い領域でのせん断粘度が小さくなることが知られており(例えば、細田著、「高分子」、2007年、第56巻、p.342)、〔η*(100)/η*(1.0)〕は小さくなる。〔η*(100)/η*(1.0)〕が上記範囲にあると、得られるエチレン系重合体はせん断速度の高い領域でのせん断粘度が小さいため、押出特性に優れる。
<エチレン系重合体の製造方法>
本発明のエチレン系重合体の製造方法について説明する。
本発明のエチレン系重合体は、後述するエチレン系重合体製造用触媒の存在下、エチレン、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとを重合することにより製造することができる。
本発明では、溶解重合や懸濁重合などの液相重合法、または気相重合法などの重合方法が用いられるが、好ましくは懸濁重合法や気相重合法が用いられる。
液相重合法で用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。また、α−オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
エチレン系重合体製造用触媒
本発明のエチレン系重合体は、成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む触媒の存在下、エチレン、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとを重合することによって効率的に製造することができる。
本発明で用いられるエチレン系重合体製造用触媒は、以下に述べる成分(A)、成分(B)および成分(C)に加えて、さらに固体状担体(S)を含んでもよく、このような触媒としては、固体状担体(S)、上記成分(C)および上記成分(A)から形成される固体状触媒成分(K1)と、固体状担体(S)、上記成分(C)および上記成分(B)から形成される固体状触媒成分(K2)とからなるオレフィン重合用触媒、固体状担体(S)、上記成分(A)、成分(B)および成分(C)より形成される固体状触媒成分(K3)からなるオレフィン重合用触媒が挙げられる。
上記オレフィン重合用触媒で用いられる各成分について説明する。
成分(A);下記一般式(I)で表される架橋型メタロセン化合物。
Figure 2011001545
一般式(I)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
1〜R4は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではない。また、R1〜R4は、隣接する基が互いに結合して脂肪族環を形成してもよい。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、ドデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基およびアダマンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニリルが挙げられる。アリールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルなどが挙げられる。
ハロゲン含有基としては、上記炭化水素基の水素原子がハロゲンで置換されたハロゲン含有炭化水素基が挙げられる。
酸素含有基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、エステル基などが挙げられる。
窒素含有基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる
ホウ素含有基としては、アルキル置換ホウ素、アリール置換ホウ素、ハロゲン化ホウ素、アルキル置換ハロゲン化ホウ素などが挙げられる。
硫黄含有基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオエステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基などが挙げられる。
リン含有基としては、トリアルキルホスフィン基、トリアリールホスフィン基、ホスファイト基(ホスフィド基)、ホスホン酸基、ホスフィン酸基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換したものが挙げられる。
1〜R4のより好ましい基は、水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、さらに好ましくは、R1〜R4の置換基のうち3つが水素原子であり、残りの1つが炭素数1〜15のアルキル基であり、特に好ましくは、R1〜R4の置換基のうち3つが水素原子であり、残りの1つが炭素数2〜15のアルキル基である。
1は二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基ならびにスズ含有基から選ばれる基であり、特に好ましくはケイ素含有基である。
アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどのアルキレン基;イソプロピリデン、ジエチルメチレン、ジプロピルメチレン、ジイソプロピルメチレン、ジブチルメチレン、メチルエチルメチレン、メチルブチルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジヘキシルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジトリルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンおよび1−エチル−2−メチルエチレンなどの置換アルキレン基;シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデンおよびジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキリデン基ならびにエチリデン、プロピリデンおよびブチリデンなどのアルキリデン基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチル−t−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンおよびシクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられ、特に好ましくは、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。炭化水素基としては、上述したR1〜R4の炭化水素基と同様のものが挙げられ、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基としては、上述したR1〜R4のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基と同様のものが挙げられる。
成分(A)の好ましい具体例として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびトリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、より好ましい具体例として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
成分(B);下記一般式(II)で表される架橋型メタロセン化合物。
Figure 2011001545
一般式(II)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
5〜R16は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。R5〜R16は、好ましくは水素原子または炭化水素基である。このうち、R5〜R16のうち、R5〜R8が水素原子であり、R9〜R16が水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であるのがより好ましく、隣接する炭化水素基のうちの少なくとも一組が互いに結合して環を形成し、例えば、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基を形成するのが好ましい。
なお、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基のうち、炭化水素基としては、上述したR1〜R4の炭化水素基と同様のものが挙げられる。ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基としては、上述したR1〜R4のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基と同様のものが挙げられる。
2は、二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにケイ素含有基であり、特に好ましくはアルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜10の炭化水素基である。Q2としてこれらの基を用いると、エチレン系重合体の分子量の向上が比較的抑えられ、重合反応系中、水素の供給量を低減することで、成分(A)から生成するマクロモノマーの量が増加し、長鎖分岐数の増大が期待される。
アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基の具体例としては、前述したQ1と同様のものが挙げられる。
Xは、上記式(I)中のXと同様のものが挙げられる。
成分(B)の好ましい具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられ、より好ましい具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
成分(C);下記(c−1)〜(c−3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(c−1)下記一般式(III)、(IV)または(V)で表される有機金属化合物、
a mAl(ORbnpq・・・(III)
〔一般式(III)中、RaおよびRbは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
aAlRa 4・・・(IV)
〔一般式(IV)中、MaはLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15の炭化水素基を示す。〕
a rbb st・・・(V)
〔一般式(V)中、RaおよびRbは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、MbはMg、ZnまたはCdを示し、Xはハロゲン原子を示し、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつr+s+t=2である。〕
(c−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
(c−3)成分(A)および成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
化合物(c−1)としては、本出願人による特開平11−315109号公報やEP0874005A中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
一般式(III)、(IV)または(V)で表される有機金属化合物(c−1)の中では、一般式(III)で示されるものが好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ならびにジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドおよびジイソヘキシルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
これらは、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物(c−2)としては、トリアルキルアルミニウムまたはトリシクロアルキルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
化合物(c−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報およびUS5321106などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を制限無く使用することができる。
本発明で用いられるエチレン系重合体製造用触媒では、助触媒成分としてメチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物を併用すると、α−オレフィンに対して非常に高い重合活性を示すだけでなく、固体状担体中の活性水素と反応し、助触媒成分を含有した固体担体成分を容易に調製することができる。このため、有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)を成分(C)として用いることが好適である。
次に、固体状担体(S)(以下単に「成分(S)」ともいう。)について詳細に説明する。
本発明で用いられる固体状担体(S)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体であり、上記成分(A)〜(C)が担持されたものである。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられ、好ましくは多孔質酸化物が挙げられる。
多孔質酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaOおよびThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物、具体的には、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23およびSiO2−TiO2−MgOなどが用いられる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明で用いられる固体状担体(S)としては、粒径が通常0.2〜300μm、好ましくは1〜200μmであって、比表面積が通常50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲にあり、細孔容積が通常0.3〜30cm3/gの範囲にあるものが好ましい。このような固体状担体(S)は、必要に応じて、例えば、100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
本発明で用いられるエチレン系重合体製造用触媒の調製方法について記載する。
上記エチレン系重合体製造用触媒は、成分(A)、成分(B)および成分(C)を不活性炭化水素中または、不活性炭化水素を用いた重合系中に添加することにより調製することができる。
各成分の添加順序は任意であるが、好ましい順序としては、例えば、
i)成分(C)、成分(A)および成分(B)の順で重合系中に添加する方法
ii)成分(C)、成分(B)および成分(A)の順で重合系中に添加する方法
iii)成分(A)および成分(C)を混合接触させた接触物を重合系中に添加し、次いで成分(B)を重合系中に添加する方法
iv)成分(B)および成分(C)を混合接触させた接触物を重合系中に添加し、次いで成分(A)を重合系中に添加する方法
v)成分(C)を重合系中に添加し、次いで成分(A)および成分(B)を混合接触させた接触物を重合系中に添加する方法
vi)成分(C)、成分(A)および成分(B)の順で重合系中に添加し、再度成分(C)を重合系中に添加する方法
vii)成分(C)、成分(B)および成分(A)の順で重合系中に添加し、再度成分(C)を重合系中に添加する方法
viii)成分(A)および成分(C)を混合接触させた接触物を重合系中に添加し、次いで成分(B)を重合系中に添加し、再度成分(C)を重合系中に添加する方法
ix)成分(B)および成分(C)を混合接触させた接触物を重合系中に添加し、次いで成分(A)を重合系中に添加し、再度成分(C)を重合系中に添加する方法
x)成分(C)を重合系中に添加し、次いで成分(A)および成分(B)を混合接触させた接触物を重合系中に添加した後、再度成分(C)を重合系中に添加する方法などが挙げられる。
上記エチレン系重合体製造用触媒は、固体状担体(S)、成分(C)および成分(A)から形成される固体状触媒成分(K1)と、固体状担体(S)、成分(C)および成分(B)から形成される固体状触媒成分(K2)とを不活性炭化水素中または、不活性炭化水素を用いた重合系中に添加することにより調製することができる。
各成分の接触順序は任意であるが、好ましい方法としては、例えば、
xi)成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(A)を接触させて調製する固体触媒成分(K1)と、成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(B)を接触させて調製する固体触媒成分(K2)とを用いる方法
xii)成分(A)と成分(C)とを混合接触させ、次いで成分(S)に接触させて調製する固体触媒成分(K1)と、成分(B)と成分(C)とを混合接触させ、次いで成分(S)に接触させて調製する固体触媒成分(K2)とを用いる方法
xiii)成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(A)と成分(C)との接触物を接触させて調製する固体触媒成分(K1)と、成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(B)と成分(C)との接触物を接触させて調製する固体触媒成分(K2)とを用いる方法
xiv)成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(A)を接触させ、さらに再度成分(C)を接触させて調製する固体触媒成分(K1)と、成分(C)と成分(S)とを接触させ、次いで成分(B)を接触させ、さらに再度成分(C)を接触させて調製する固体触媒成分(K2)とを用いる方法
などが挙げられる。このうち、特に好ましい接触順序としては、xi)、xiii)が挙げられる。
また、本発明に係る固体状触媒成分(K3)は、成分(A)、成分(B)、成分(C)および固体状担体(S)を不活性炭化水素中で接触させることにより調製することができる。
各成分の接触順序は任意であるが、好ましい順序としては、例えば、
xv)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)を接触させた後に、成分(B)を接触させて調製する方法
xvi)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)を接触させた後に、成分(A)を接触させて調製する方法
xvii)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との接触混合物を接触させる方法、
xviii)成分(A)と成分(B)とを混合接触させ、次いで成分(C)に接触、引き続き成分(S)に接触させる方法、
xix)成分(S)に成分(C)を接触させ、さらに成分(C)を接触させた後に、次いで成分(A)、成分(B)の順で接触させる方法、
xx)成分(S)に成分(C)を接触させ、さらに成分(C)を接触させた後に、次いで成分(B)、成分(A)の順で接触させる方法、
xxi)成分(S)に成分(C)を接触させた後に、さらに成分(C)を接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との接触混合物を接触させる方法、
xxii)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)と成分(B)と成分(C)との接触混合物を接触させる方法、
xxiii)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(A)と成分(C)との接触混合物を接触させ、さらに成分(B)を接触させる方法、
xxiv)成分(S)に成分(C)を混合接触させ、次いで成分(B)と成分(C)との接触混合物を接触させ、さらに成分(A)を接触させる方法、
xxv)成分(S)に成分(C)を接触させ、さらに成分(C)を接触させた後に、次いで成分(A)と成分(C)との接触混合物、成分(B)と成分(C)との接触混合物の順で接触させる方法、
xxvi)成分(S)に成分(C)を接触させ、さらに成分(C)を接触させた後に、次いで成分(B)と成分(C)との接触混合物、成分(A)と成分(C)との接触混合物の順で接触させる方法、
xxvii)成分(S)に成分(C)を接触させ、さらに成分(C)を接触させた後に、次いで成分(A)と成分(B)と成分(C)との接触混合物を接触させる方法、
xxviii)成分(A)と成分(C)との混合物と、成分(B)と成分(C)との混合物を予め混合させ、これを成分(S)と成分(C)との接触物に接触させる方法、
xxix)成分(A)と成分(C)との混合物と、成分(B)と成分(C)との混合物を予め混合させ、これを成分(S)、成分(C)、さらに成分(C)を接触させた接触物に接触させる方法、
などが挙げられる。成分(C)が複数用いられる場合は、その成分(C)同士が同一であっても異なっていてもよい。このうち、特に好ましい接触順序として、xvi)、xx)、xxi)、xxvi)、xxvii)、xxviii)が挙げられる。
上記接触順序形態を示した各方法において、成分(S)と成分(C)との接触を含む工程(P1)、成分(S)と成分(A)との接触を含む工程(P2)、成分(S)と成分(B)との接触を含む工程(P3)、成分(S)と成分(A)と成分(B)との接触を含む工程(P4)においては、成分(G)(g−1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(g−2)高級脂肪族アミド、(g−3)ポリアルキレンオキサイド、(g−4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、(g−5)アルキルジエタノールアミン、および(g−6)ポリオキシアルキレンアルキルアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を共存させてもよい。成分(G)を共存させることにより、重合反応中のファウリングを抑制したり、生成重合体の粒子性状が改善される。成分(G)の中では、(g−1)、(g−2)、(g−3)および(g−4)が好ましく、(g−1)および(g−2)が特に好ましい。
固体触媒成分の調製に用いる溶媒としては、不活性炭化水素溶媒が挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。
成分(C)と成分(S)との接触は、成分(C)中の反応部位と成分(S)中の反応部位との反応により化学的に結合され、成分(C)および成分(S)の接触物が形成される。成分(C)と成分(S)との接触時間は、通常0〜20時間、好ましくは0〜10時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−20〜120℃である。成分(C)と成分(S)との初期接触を急激に行うと、その反応発熱や反応エネルギーにより成分(S)が崩壊し、得られる固体触媒成分のモルフォロジーが悪化し、これを重合に用いた場合、ポリマーモルフォロジー不良により連続運転が困難になることが多い。そのため、成分(C)と成分(S)との接触初期は、反応発熱を抑制する目的で−20〜30℃の低温で接触させる、または、反応発熱を制御し、初期接触温度を維持可能な速度で反応させることが好ましい。また、成分(C)と成分(S)とを接触させ、さらに成分(C)を接触させる場合においても同様である。成分(C)と成分(S)との接触のモル比(成分(C)/成分(S))は、任意に選択できるが、このモル比が高いほうが、成分(A)および成分(B)との接触量を増加でき、固体触媒成分当たりの活性も向上させることができる。
成分(C)および成分(S)のモル比[=成分(C)のモル量/成分(S)のモル量]は、通常0.2〜2.0、特に好ましくは0.4〜2.0である。成分(C)および成分(S)の接触物と、成分(A)と成分(B)との接触時間は、通常0〜5時間、好ましくは0〜2時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−50〜100℃である。成分(A)と成分(B)との接触量は、成分(C)の種類と量に大きく依存し、成分(c−1)を使用する場合は、成分(A)および成分(B)中の全遷移金属原子(M)と、成分(c−1)とのモル比[(c−1)/M]が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となる量で用いられ、成分(c−2)を使用する場合は、成分(c−2)中のアルミニウム原子と、成分(A)および成分(B)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(c−2)/M]が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となる量で用いられ、成分(c−3)を使用する場合は、成分(c−3)と、成分(A)および成分(B)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(c−3)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となる量で用いられる。なお、成分(C)と、成分(A)および成分(B)中の全遷移金属原子(M)との比は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により求められる。
成分(A)および成分(B)の使用比は、エチレン系重合体の分子量および分子量分布から任意に決定できるが、好ましい範囲として、成分(A)および成分(B)から生成するポリマーの比率[=成分(A)の生成ポリマー量/成分(B)の生成ポリマー量]が、通常40/60〜95/5、好ましくは50/50〜95/5、より好ましくは60/40〜95/5である。成分(A)由来のポリマーの生成量が多い方が長鎖分岐を生成するのに有利である。成分(A)および成分(B)の遷移金属化合物当たりのモル比は、生成ポリマーが上記の比率を満たすように使用すればよく、概ね成分(S)および成分(C)の接触物と、成分(A)または成分(B)とをそれぞれ独立に接触させた固体触媒成分より発現する活性比をもとに任意に選ぶことができる。
オレフィンの(共)重合には、上記のような固体触媒成分をそのまま用いることができるが、この固体触媒成分にオレフィンを予備重合させ、予備重合固体触媒成分を形成してから用いることもできる。
予備重合固体触媒成分は、上記固体触媒成分の存在下、通常、不活性炭化水素溶媒中、オレフィンを予備重合させることにより調製することができ、回分式、半連続式および連続式のいずれの方法でも使用することができ、また減圧、常圧または加圧下のいずれでも行うことができる。この予備重合によって、固体状触媒成分1g当たり、通常0.01〜1000g、好ましくは0.1〜800g、より好ましくは0.2〜500gの予備重合固体触媒成分を生成させる。
不活性炭化水素溶媒中で生成した予備重合固体触媒成分を懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にオレフィンを導入してもよく、また、乾燥させた後オレフィンを導入してもよい。
予備重合に際して、予備重合温度は、通常−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合時間は、通常0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間である。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、すでに述べたものを制限無く利用することができる。また、必要に応じて成分(C)が用いられ、特に(c−1)中の上記式(III)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。成分(C)が用いられる場合は、該成分(C)中のアルミニウム原子(Al−C)と遷移金属化合物とのモル比(成分(C)/遷移金属化合物)で、通常0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000の量で用いられる。
予備重合系における固体触媒成分の濃度は、固体触媒成分/重合容積1リットル比で、通常1〜1000グラム/リットル、好ましくは10〜500グラム/リットルである。予備重合時には、ファウリングの抑制あるいは粒子性状の改善を目的として、前記の成分(G)を共存させることができる。成分(G)は予備重合によって一旦生成させた予備重合体に接触させてもよい。
エチレン系重合体製造用触媒を用いて、エチレン、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの重合を行うに際して、成分(A)および成分(B)は、反応容積1リットル当たり、通常10-12〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになる量で用いられる。また、成分(C)が用いられ、特に(c−1)中、式(III)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
また、上述の固体触媒成分を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜170℃、特に好ましくは60〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kg重/cm2、好ましくは常圧〜50kg重/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式および連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うこともできる。
得られるエチレン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。重合時には、ファウリング抑制あるいは粒子性状改善を目的として、前記の成分(G)を共存させることができる。
物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン系重合体粒子および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施される。
<発泡成形用樹脂組成物>
本発明の発泡成形用エチレン系重合体を熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、成形性に優れ、かつ、機械的強度に優れた発泡成形用樹脂組成物が得られる。
上記熱可塑性樹脂としては、発泡成形用エチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、具体的には、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテン系重合体、3−メチル−1−ブテン系重合体、ヘキセン系重合体などのポリオレフィンであって、前述した要件(I)〜(VI)を満たさないものが挙げられる。これらのポリオレフィンのうち、エチレン系重合体などが好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記熱可塑性樹脂は、通常のチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた液相重合、気相重合、または高圧法のラジカル重合などにより製造される。
本発明の発泡成形用エチレン系重合体と、熱可塑性樹脂とのブレンド比率は、通常90/10〜10/90、好ましくは70/30〜10/90、より好ましくは50/50〜20/80である。
本発明に係るエチレン系重合体を上記熱可塑性樹脂とブレンドすることにより、成形性に優れ、かつ、機械的強度に優れた発泡成形用樹脂組成物が得られる。
本発明の発泡成形用樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤および酸化防止剤などの添加剤を配合してもよい。
<発泡体の製造方法>
本発明の発泡体の製造方法としては、発泡体が得られる限り、いかなる方法を用いてもよいが、例えば以下の製造方法が挙げられる。
(1)押出発泡法
押出機のホッパーに発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む樹脂組成物を入れ、これらの融点付近の温度で押し出す際に、押出機の途中に設けられた圧入孔から物理的発泡剤を圧入して、所望の形状の口金から押し出すことにより発泡体を連続的に得ることができる。物理的発泡剤としては、例えば、フロン、ブタン、ペンタン、ヘキサンおよびシクロヘキサンなどの揮発性発泡剤、窒素、空気、水および炭酸ガスなどの無機ガス系発泡剤が用いられる。また、押出発泡に際し、炭酸カルシウム、タルク、クレーおよび酸化マグネシウムなどの気泡核形成剤を添加してもよい。
物理的発泡剤の配合割合は、発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む樹脂組成物100重量部に対し、通常0.5〜60重量部、好ましくは0.5〜40重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。物理的発泡剤の配合割合が上記範囲を下回ると、発泡体の発泡倍率が低下する傾向にあり、上記範囲を超えると発泡体の強度が低下する傾向にある。
(2)熱分解型発泡剤を用いた発泡法
発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む樹脂組成物、熱分解型発泡剤、および必要に応じてその他の添加剤を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサーおよびロールなどの混練装置を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練した後、一般的にはこれをシート状に成形する。
次いで、該シートを発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させると発泡体を得ることができる。熱分解型発泡剤は、樹脂の加熱溶融時に分解してガスを発生するものであれば特に制限はなく、一般の有機系または無機系の化学発泡剤が使用できる。
具体的には、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリルおよびジアゾアミノベンゼンなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、ジフェニルオキシド−4,4’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)およびp−トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンおよびN,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルフタルアミドなどのニトロソ化合物、テレフタルアジドおよびp−t−ブチルベンズアジドなどのアジド化合物、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウムなどの炭酸化合物が挙げられ、これらの少なくとも一種が用いられる。この中でもアゾジカルボンアミドおよび4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が好ましいが、特に4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が好ましい。
熱分解型発泡剤の配合割合は、発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む樹脂組成物100重量部に対し、通常1〜50重量部、好ましくは4〜25重量部である。熱分解型発泡剤の配合割合が上記範囲を下回ると、発泡体の発泡倍率が低下する傾向にあり、上記範囲を超えると発泡体の強度が低下する傾向にある。
(3)圧力容器中での発泡法
発泡成形用エチレン系重合体または樹脂組成物をプレス機や押出機によりシート状またはブロック状などの形状に成形する。次いで、該成形体を圧力容器内に投入し、物理的発泡剤を十分に成形体中に溶解させた後、減圧することにより発泡体を製造する。また、該成形体を投入した圧力容器内に、常温で物理的発泡剤を充満させてから加圧し、減圧後、取り出して、オイルバスやオーブンなどで加熱して発泡させることも可能である。
本発明では、発泡成形用エチレン系重合体、または該重合体を含む樹脂組成物を予め架橋しておけば、架橋発泡体を得ることができる。一般的な架橋方法としては、樹脂中での過酸化物ラジカル発生剤の加熱分解による架橋、電離性放射線の照射による架橋、多官能モノマー存在下での電離性放射線照射による架橋、およびシラン架橋などが挙げられる。このような方法により架橋発泡体を得るには、発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含む発泡成形用樹脂組成物、熱分解型発泡剤、架橋助剤として多官能モノマーおよび他の配合剤を熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で溶融混練して、シート状に成形する。得られた発泡成形用樹脂組成物シートに電離性放射線を所定量照射してエチレン系重合体を架橋させた後、架橋シートを発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる。電離性放射線としては、α線、β線、γ線および電子線などが挙げられる。また、電離性放射線による照射架橋に代えて、過酸化物架橋またはシラン架橋を行うこともできる。
本発明の発泡体は、床材、建装材、包装梱包材、自動車内装材、日用雑貨品、マット、シートおよびスポーツ用品などに好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[発泡成形用エチレン系重合体の測定]
発泡成形用エチレン系重合体の物性の測定方法を以下に示す。
<メルトフローレート(MFR)>
ASTM D1238−89に従い、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
<密度(d)>
測定サンプルを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷した後、密度勾配管法によって行った。
<溶融張力(MT)>
190℃における溶融張力(MT)(単位;g)は、一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定した。測定には東洋精機製作所製、MT測定機を用いた。条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmとした。
<せん断粘度(η*)>
200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)および200℃、角速度100rad/秒におけるせん断粘度〔η*(100)〕(P)は以下の方法により測定した。
せん断粘度(η*)は、測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.02512≦ω≦100の範囲で測定することにより決定した。測定には、レオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーターSR−5000を用い、サンプルホルダーとして25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みを約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。
せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kg重/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することにより作製した。
<メチル分岐数およびエチル分岐数>
日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置(500MHz)を用い13C−NMRスペクトルを測定することにより求めた。
直径10mmの市販のNMR測定用石英ガラス管にエチレン系重合体250〜400mgと、o−ジクロロベンゼン(和光純薬工業(株)製特級)および重水素化ベンゼン(ISOTEC社製)の混合溶媒(o−ジクロロベンゼン:重水素化ベンゼン=5:1(v/v))3mlとを入れ、120℃で加熱して試料を均一分散させた。
積算回数は1万〜3万回とした。
NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR−総説と実験ガイド[I]、p.132〜133に準じて行った。重合体鎖を構成する炭素原子1000個当たりのメチル分岐数は、5〜45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対するメチル分岐由来のメチル基の吸収(19.9ppm)の積分強度比より算出した。また、エチル分岐数は、5〜45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対するエチル分岐由来のエチル基の吸収(10.8ppm)の積分強度比より算出した。
なお、主鎖メチレンのピーク(29.97ppm)を化学シフト基準とした。
<ゼロせん断粘度(η0)>
200℃におけるゼロせん断粘度(η0)(P)は以下の方法により求めた。
測定温度200℃にて、せん断粘度(η*)の角速度ω(rad/秒)分散を0.02512≦ω≦100の範囲で測定した。測定には、レオメトリックス社製ダイナミックストレスレオメーターSR−5000を用い、サンプルホルダーとして25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みを約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。
せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kg重/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg重/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することにより作製した。
ゼロせん断粘度(η0)は、下記[Eq−4]のCarreauモデルを非線形最小自乗法により実測のレオロジー曲線〔せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散〕にフィッティングさせることで算出した。
η*=η0〔1+(λω)a(n-1)/a [Eq−4]
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小自乗法によるフィッティングは下記の[Eq−5]におけるdが最小となるように行った。
Figure 2011001545
[Eq−5]中、ηexp(ω)は実測のせん断粘度を表し、ηcalc(ω)はCarreauモデルより算出したせん断粘度を表す。
<重量平均分子量(Mw)>
ウォーターズ社製GPC−粘度検出器(GPC−VISCO)GPC/V2000を用い、以下のように測定した。
ガードカラムにはShodex AT−Gを用い、分析カラムにはAT−806を2本用い、検出器には示差屈折計および3キャピラリー粘度計を用い、カラム温度は145℃とし、移動相としては、酸化防止剤としてBHTを0.3重量%含むo−ジクロロベンゼンを用い、流速を1.0ml/分とし、試料濃度は0.1重量%とした。標準ポリスチレンには、東ソー社製のものを用いた。分子量計算は、粘度計および屈折計から実測粘度を計算し、実測ユニバーサルキャリブレーションより重量平均分子量(Mw)を求めた。数平均分子量(Mn)およびZ平均分子量(Mz)についても同様にして求めた。
<分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)>
分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のように測定した。
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6− HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o−ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜2060万
Z. Crubisic, P. Rempp, H. Benoit, J. Polym. Sci., B5, 753 (1967)に記載された汎用較正の手順に従い、標準ポリスチレン分子量換算として分子量分布曲線を作成した。この分子量分布曲線から最大重量分率での分子量を算出した。
<極限粘度[η]>
測定サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位;dl/g)として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
[発泡体の製造方法、及び発泡体の測定]
無架橋発泡
エチレン系重合体に気泡核形成剤としてポリオレフィン用タルクマスターバッチである1470T(竹原化学工業社製、タルク含量70wt%)を1.0wt%添加した。該試料を日本製鋼所製J180ELIII−MuCell射出成形機の射出装置にてシリンダ内圧を10MPaに保ちながら計量し、同時に超臨界状態の二酸化炭素を16MPaの注入圧でシリンダ内に注入し樹脂との混合物を得た。得られた混合物を大気中に押出量95g、押出時間12秒の条件で押し出すことにより発泡体を得た。
架橋発泡
エチレン系重合体100重量部に対し、有機化酸化物としてジクミルパーオキサイド(日本油脂製)0.80重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(三協化成株式会社製)15重量部を、東洋精機製作所製ラボプラストミル(樹脂温度125℃、回転数40rpm、3分間)にて溶融混練した。得られた樹脂組成物を、神藤金属工業所製プレス成形機(加熱温度125℃、加熱時間3分間、プレス圧力100kg/cm2)を用いプレス成形することで厚み2mmのシートを作成した。このシートを235℃に設定したオーブン中に投入し架橋、発泡させることで発泡体を得た。
<発泡倍率>
発泡前の試料および発泡体の比重を比重計で測定し、次式にて求めた。
発泡倍率=発泡前の試料の比重/発泡体の比重
<発泡状態、外観>
発泡シートの外観を目視によって評価した。
<破断点強度、破断伸び>
得られた発泡体から長さ40mm、幅10mm、厚さ2mmの試験片を切り出し、該試験片の引張試験により破断点強度、破断伸びを求めた。引張試験の測定条件は以下の通りである。
引張試験機:エー・アンド・デイ社製テンシロン万能試験機RTG1310
測定温度:23℃
試験速度:300mm/min.
チャック間距離:30mm
〔触媒合成例1〕ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A1)の合成
<Step1>クロロ(シクロペンタジエニル)ジメチルシランの合成
ジメチルシリルジクロリド14.3g(110mmol)にテトラヒドロフラン(THF)100mlを加え、−78℃に冷却した。2M−ナトリウムシクロペンタジエニドのTHF溶液38.7ml(77.4mmol)を30分かけて滴下し、徐々に昇温させ、室温下、24時間撹拌を行った。減圧濃縮を行い、濾過により塩化ナトリウムを除去した。ヘキサン洗浄後、ろ液のヘキサンを減圧蒸留し、得られたクロロ(シクロペンタジエニル)ジメチルシランを次工程に用いた。
<Step2>ジメチルシリル(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)の合成
n−プロピルシクロペンタジエン2.16g(20mmol)にTHF100mlを加え、−78℃に冷却した。1.57M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液13.3ml(22mmol)をゆっくり滴下し、室温下、3時間撹拌した。再び反応器を−78℃に冷却後、クロロ(シクロペンタジエニル)ジメチルシラン3.97g(25mmol)をTHF20mlに溶解し、反応器に滴下した。室温下、18時間撹拌後、TLCにて反応終了を確認した。0℃下、水を加えて反応を停止した。ヘキサンにて抽出を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥を行い、濾過後得られた溶液を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:トリエチルアミン=98:2 v/v)および減圧蒸留にて精製を行い、ジメチルシリル(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)1.73g(収率38%)を得た。
1H−NMR,GC−MSにて目的物を同定した。
1H−NMR(CDCl3,TMS基準);7.0−6.0(br,7H),3.0(s,1H),2.9(s,1H),2.3(m,2H),1.6(m,2H),0.9(t,3H),0.1(t,3H),−0.2ppm(s,3H)
GC−MS;230(MS)
<Step3>ジメチルシリレン(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A1)の合成
ジメチルシリル(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)0.90g(3.9mmol)をジエチルエーテル40mlに溶解させた。−78℃に冷却し、1.57M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液5.09ml(8.0mmol)を滴下した。徐々に温度を上昇させ、室温下24時間撹拌した。減圧濃縮を行い、ヘキサン13mlで3回洗浄した。得られた白色固体をヘキサン50mlで懸濁させ、−78℃下、四塩化ジルコニウム820mg(3.5mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、室温下、24時間撹拌させた。濾過を行い、ヘキサンで洗浄し、塩を除去した。ろ液を減圧濃縮し、ペンタンで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させ、ジメチルシリレン(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A1)210mg(収率14%)を得た。
1H−NMR,FD−MSにて目的物を同定した。
1H−NMR(CDCl3,TMS基準);7.1−6.9(m,2H),6.6(s,1H),6.0−5.8(m,3H),5.5(s,1H),2.6(m,2H),1.5(m,2H),0.9(t,3H),0.8−0.7ppm(d,6H)
FD−MS;388(MS)
Figure 2011001545
〔触媒合成例2〕ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A2)の合成
<Step1>(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロジメチルシランの合成
25重量%−ブチルシクロペンタジエン・THF溶液30.1g(61.5mmol)にTHF50mlを加えた。0℃まで冷却し、1.52M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液38.4ml(58.4mol)を滴下した。室温下2時間撹拌し、ジメチルシリルジクロリド14.3g(110mmol),THF50ml中に−78℃にて滴下した。徐々に昇温させ、室温下、24時間撹拌を行った。減圧濃縮を行い、濾過により不溶物を除去した。ヘキサン洗浄後、ろ液を減圧蒸留した。減圧蒸留を行い、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロジメチルシラン8.09g(収率64%)を得た。
GC−MSにて目的物を同定した。
GC−MS;214(MS)
<Step2>ジメチルシリル(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)の合成
2M−ナトリウムシクロペンタジエニドのTHF溶液8.8ml(16.6mmol)にTHF50mlを加え、−78℃に冷却した。(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロジメチルシラン1.89g(8.8mmol)をTHF20mlに溶解し、反応器に滴下した。室温下、2時間撹拌後、50℃で2時間撹拌した。TLCにて反応終了確認し、0℃下、水を加えて反応を停止した。ヘキサンにて抽出を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥を行い、ろ過後得られた溶液を減圧濃縮した。減圧蒸留を行い、ジメチルシリル(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)1.07g(収率50%)を得た。
1H−NMR,GC−MSにて目的物を同定した。
1H−NMR(CDCl3,TMS基準);7.0−6.0(br,7H),3.2(d,1H),2.9(d,1H),2.3(t,2H),1.4(m,4H)0.9(t,3H),0.1(t,3H),−0.2ppm(s,3H)
GC−MS;244(MS)
<Step3>ジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A2)の合成
ジメチルシリル(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)0.58g(2.38mmol)をジエチルエーテル30mlに溶解させた。−78℃に冷却し、1.57M−n−ブチルリチウム・ヘキサン溶液3.16ml(4.99mmol)を滴下した。徐々に温度を上昇させ、室温下、24時間撹拌した。減圧濃縮を行い、ヘキサン6mlで3回洗浄した。得られた白色固体をヘキサン60mlで懸濁させ、−78℃下、四塩化ジルコニウム500mg(2.15mmol)を添加した。徐々に温度を上昇させ、室温下、24時間撹拌させた。濾過を行い、ヘキサンで洗浄し、塩を除去した。ろ液を減圧濃縮し、粗精製物510mgを得た。ジエチルエーテル、ペンタンで洗浄し、得られた固体を減圧乾燥させ、ジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A2)190mg(収率20%)を得た。
1H−NMR,FD−MSにて目的物を同定した。
1H−NMR(CDCl3,TMS基準);6.9(d,2H),6.6(s,1H),5.9(t,3H),5.5(s,1H),2.6(m,2H),1.4(m,2H),1.3(m,2H),0.9(t,3H),0.8ppm(m,3H)
FD−MS;404(MS)
Figure 2011001545
〔触媒合成例3〕イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(B1)の合成
特開平4−69394号公報に記載の方法に基づいて合成した。
Figure 2011001545
〔実施例1〕
固体成分(S)の調製
内容積200リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2;平均粒子径12μm)10kgを66.5リットルのトルエンに懸濁した後、0〜5℃まで冷却した。メチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.575mmol/mL)19.8リットルを30.2リットルのトルエンで希釈した。この懸濁液に希釈したメチルアルモキサンのトルエン溶液を1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95〜100℃まで昇温して、引き続き95〜100℃で4時間反応させた。その後、降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで4回洗浄した。トルエンを加えて全量140リットルとし、固体成分(S)のトルエンスラリーを調製した。
得られた固体成分(S)の一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度:98.04g/L、Al濃度:0.471mol/Lであった。
固体触媒成分(X−1)の調製
内容積150リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンと固体成分(S)のトルエンスラリー(固体成分で1575g)とを装入し、全体量を33リットルになるよう調整した。次に、2リットルガラス製反応器に窒素雰囲気下、触媒合成例1で得られたメタロセン化合物(A1)3.58g(Zr原子換算で9.18mmol)および触媒合成例3で得られたメタロセン化合物(B1)15.83g(Zr原子換算で29.06mmol)を採取し((A1)/(B1)のモル比=24/76)、トルエン2.0リットルに溶解し上記反応器に圧送した。圧送後、内温73〜76℃で2時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて3回固体触媒成分を洗浄した後、ヘキサンを加えて全量25リットルとし、固体触媒成分(X−1)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−1)の調製
引き続き、上記で得られた固体触媒成分(X−1)のヘキサンスラリーを10.8℃まで冷却した後、界面活性剤であるケミスタッド2500(三洋化成工業株式会社製)15.9gのヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、次いでジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)1.4molを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン103mLを添加した。1−ヘキセン添加後、1.5kg/hでエチレン供給を開始し、系内温度32〜37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから85分後に1−ヘキセン52mLを添加、155分後にも1−ヘキセン52mLを添加し、予備重合開始から217分後に、エチレン供給が4643gに到達し、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去しヘキサンを用いて4回固体触媒成分を洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を25リットルとした。
次に、系内温度を34〜36℃にて、ケミスタッド2500(63.8g)のヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、引き続き、34〜36℃で2時間保温し予備重合触媒成分にケミスタッド2500を担持させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回予備重合触媒成分を洗浄した。
次に、内容積43リットルの撹拌機付き蒸発乾燥機に、窒素雰囲気下、上記予備重合触媒のヘキサンスラリー25リットル(固体予備重合触媒で6456g)を移液した。移液後、乾燥機内を約60分かけて−68kPaGまで減圧し、−68kPaGに到達したところで約4.3時間真空乾燥しヘキサン、予備重合触媒の揮発分を除去した。さらに−100kPaGまで減圧し、−100kPaGに到達したところで8時間真空乾燥し、固体触媒成分1g当たり3gのポリマーが重合した予備重合触媒成分(XP−1)を得た。
得られた予備重合触媒成分(XP−1)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たりZr原子が0.5mg含まれていた。
重合
内容積1.7m3の流動層型気相重合反応器において、予備重合触媒(XP−1)を用いて、エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。
表1に示す条件に従い、反応器内に予備重合触媒成分(XP−1)を連続的に供給し、全圧2.0MPa・G、エチレン分圧1.2MPa・abs(絶対圧)、重合温度80℃、反応器中のガス線速0.8m/秒の条件でエチレン、窒素および1−ヘキセンを連続的に供給した。重合反応物は重合反応器より連続的に抜き出し、乾燥装置で乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。
得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体に耐熱安定剤としてIrganox1076(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.1重量%、Irgafos168(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.1重量%を加え、株式会社東洋精機製作所製の二軸異方向20mmφ押出機を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、カットしてペレットを得た。
得られたペレットを測定用試料として物性測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例2]
固体触媒成分(X−2)の調製
実施例1の固体触媒成分(X−1)の調製において、メタロセン化合物(A1)およびメタロセン化合物(B1)の反応比率を(A1)/(B1)=24/76(モル比)から(A1)/(B1)=18/82(モル比)に変更した以外は、固体触媒成分(X−1)の調製と同様にして固体触媒成分(X−2)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−2)の調製
予備重合触媒成分(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−2)を用いた以外は、予備重合触媒成分(XP−1)の調製と同様にして予備重合触媒成分(XP−2)を得た。
得られた予備重合触媒成分(XP−2)の組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
重合
実施例1の重合において、触媒成分および重合条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。
得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体を用い、実施例1と同様にして測定用試料を作製した。
上記試料を用いて物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に、架橋発泡成形を行った結果を表4に示す。
[実施例3]
固体触媒成分(X−3)の調製
実施例1の固体触媒成分(X−1)の調製において、メタロセン化合物(A1)およびメタロセン化合物(B1)の反応比率を(A1)/(B1)=24/76(モル比)から(A1)/(B1)=28/72(モル比)に変更した以外は、固体触媒成分(X−1)と同様にして固体触媒成分(X−3)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−3)の調製
予備重合触媒成分(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−3)を用いた以外は、予備重合触媒成分(XP−1)の調製と同様にして予備重合触媒成分(XP−3)を得た。
得られた予備重合触媒成分(XP−3)の組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
重合
実施例1の重合において、触媒成分および重合条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。
得られたエチレン系重合体を用い、実施例1と同様にして測定用試料を作製した。
上記試料を用いて物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に、架橋発泡成形を行った結果を表4に示す。
[実施例4]
固体触媒成分(X−4)の調製
内容積150リットルの撹拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン50.1リットルおよび実施例1で調製した固体成分(S)のトルエンスラリー(固体成分で1265g)を装入した。次いで、2リットルガラス製反応器に、窒素雰囲気下、触媒合成例2で得られたメタロセン化合物(A2)5.72g(Zr原子換算で14.65mmol)およびメタロセン化合物(B1)9.00g(Zr原子換算で16.52mmol)をモル比で(A2)/(B1)=40/60となるように採取し、トルエン2.0リットルを加えて溶解させた後、上記撹拌機付き反応器に圧送した。圧送後、内温20〜25℃で1時間反応させ、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを加えて固体触媒成分を2回洗浄した後、再びヘキサンを加えて全量を50リットルとし、固体触媒成分(X−4)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−4)の調製
引き続き、上記で得られた固体触媒成分(X−4)のヘキサンスラリーを10.0℃まで冷却した後、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内の温度は10〜15℃に保持した。次いで、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)2.7molおよび1−ヘキセン84mLを添加した。1−ヘキセンを添加した後、1.82kg/hでエチレン供給を開始し、系内温度32〜37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから58分後に1−ヘキセンを43.0mL添加し、111分後にも1−ヘキセンを43.0mL添加し、予備重合開始から153分後に、エチレン供給量が3827gに到達したところで、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて固体触媒成分を3回洗浄した後、再びヘキサンを加えて全量を66リットルとした。
次に、系内温度を34〜36℃にして、ケミスタッド2500(13.1g)のヘキサン溶液を上記反応器に圧送し、引き続き、34〜36℃で1時間保温し予備重合触媒にケミスタッド2500を担持させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて予備重合触媒を4回洗浄した。
次に、内容積43リットルの撹拌機付き蒸発乾燥機に、窒素雰囲気下、上記予備重合触媒のヘキサンスラリー25リットル(固体予備重合触媒で5269g)を移液した。移液後、乾燥機内を約3.5時間かけて−65kPaGまで減圧し、−65kPaGに到達したところで約4.0時間真空乾燥し、ヘキサンおよび予備重合触媒の揮発成分を除去した。さらに−100kPaGまで減圧し、−100kPaGに到達したところで6時間真空乾燥し、固体触媒成分1g当たり、3gのポリマーが重合した予備重合触媒成分(XP−4)を得た。
得られた予備重合触媒成分(XP−4)の一部を乾燥し、組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.50mg含まれていた。
重合
実施例1の重合において、触媒成分および重合条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合体を得た。
得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体を用い、実施例1と同様にして測定用試料を作製した。
上記試料を用いて物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に、架橋発泡成形を行った結果を表4に示す。
[比較例1]
株式会社プライムポリマーより市販されている気相重合法によるエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP2040)は製品ペレットを測定試料とした。物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に示す。
比較例1では、MT/〔η*(1.0)〕が請求項1(III)の下限値より小さく、ゼロせん断粘度(η0)が請求項1(V)の上限値より大きい。このため、発泡体の発泡倍率が低く、破泡が多く、気泡が不均一である。また、η*(100)/η*(1.0)が大きいため、押出時のシリンダ背圧が高く押出特性に劣る。
[比較例2]
株式会社プライムポリマーより市販されている高圧ラジカル重合法によるポリエチレン(商品名:ミラソン11)は製品ペレットを測定試料とした。物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に示す。
比較例2では、メチル分岐数〔A/(1000C)〕とエチル分岐数〔B/(1000C)〕との和(A+B)が請求項1(IV)の上限値より大きい。このため、発泡体の破断点強度、破断伸びが劣る。
[比較例3]
ダウ・ケミカル・カンパニーより市販されている溶液重合法によるエチレン・1−オクテン共重合体(商品名:アフィニティーPF1140)は製品ペレットを測定試料とし、物性評価を行った。結果を表2に示す。
比較例3では、MT/〔η*(1.0)〕が請求項1(III)の下限値より小さく、ゼロせん断粘度(η0)が請求項1(V)の上限値より大きい。このため、発泡体の発泡倍率が低く、発泡状態に劣ると推測される。
[比較例4]
株式会社プライムポリマーより市販されている高圧ラジカル重合法によるポリエチレン(商品名:ミラソン14P)の製品ペレットを測定試料とした。物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に、架橋発泡成形を行った結果を表4に示す。
比較例4では、メチル分岐数〔A/(1000C)〕とエチル分岐数〔B/(1000C)〕との和(A+B)が請求項1(IV)の上限値より大きい。このため、発泡体の破断点強度、破断伸びが劣る。
[比較例5]
住友化学より市販されているメタロセン触媒による長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(商品名:エクセレンGMH CU1002)の製品ペレットを測定試料とした。物性測定を行った結果を表2に、無架橋発泡成形を行った結果を表3に示す。
比較例5では、MT/〔η*(1.0)〕が請求項1(III)の下限値より小さく、ゼロせん断粘度(η0)が請求項1(V)の上限値より大きい。このため、発泡体の発泡倍率が低く、破泡が多く、気泡が不均一である。
[比較例6]
[固体成分(S2)の調製]
内容積260Lの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、250℃で10時間乾燥したシリカ(SiO2:平均粒子径12μm)10kgを90.5Lのトルエンに懸濁した後、0〜5℃まで冷却した。この懸濁液にメチルアルモキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.0mmol/mL)45.5Lを30分間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95〜100℃まで昇温して、引き続き95〜100℃で4時間反応させた。その後常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去した。このようにして得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエンを加えて全量129Lとし、固体成分(S2)のトルエンスラリーを調製した。得られた固体成分の一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度:137.5g/L、Al濃度:1.1mol/Lであった。
固体触媒成分(X−5)の調製
窒素置換した200mLのガラス製フラスコにトルエン50mLを入れ、攪拌下、上記で調製した固体成分(S2)のトルエンスラリー(固体部換算で2.0g)を装入した。次に、あらかじめ混合したジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(A3)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.002mmol/mL)32.5mLとイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(B2)のトルエン溶液(Zr原子換算で0.001mmol/mL)7.23mLの混合液を滴下し、室温で1時間反応させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、デカンで2回洗浄し、デカンスラリーとした(固体触媒成分X−5)。固体触媒成分調製時のメタロセン化合物(A3)と(B2)の混合モル比は、(A3)/(B2)=90/10である。また、得られた固体触媒成分(X−5)のデカンスラリーの一部を採取して濃度を調べたところ、Zr濃度0.065mg/mL、Al濃度3.77mg/mLであった。
重合
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに精製ヘプタン 500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、水素−エチレン混合ガス(水素濃度:0.06vol%)を用いて、系内を置換した後、1−ヘキセン30mL、トリイソブチルアルミニウム 0.375mmol、ジルコニウム換算で0.01ミリモルの固体触媒成分(X−5)をこの順に装入した。70℃に昇温して、0.78MPa・Gにて90分間重合を行った。得られたポリマーを10時間、真空乾燥し、エチレン・1−ヘキセン共重合体92.9gを得た。
測定試料を調製するため、得られたエチレン系重合体に耐熱安定剤としてIrganox1076(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.1重量%、Irgafos168(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.1重量%を加え、東洋精機製作所製ラボプラストミルを用い、樹脂温度180℃、回転数50rpmで5分間溶融混練した。さらに、この溶融ポリマーを、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて冷却した。上記試料を用いて物性測定を行った結果を表2に、架橋発泡成形を行った結果を表4に示す。比較例6では、分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が請求項1(VI)の下限値より小さい。このため、発泡体の破断点強度が劣る。
Figure 2011001545
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本発明の発泡成形用エチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン触媒で製造された従来のエチレン系重合体と比べて、溶融張力が十分に大きく、押出特性に優れ、かつ機械的強度に特に優れる。したがって、本発明の発泡成形用エチレン系重合体または該重合体を含有する発泡成形用樹脂組成物から得られる発泡体は、発泡倍率が高く、発泡状態が良好で、かつ十分な機械的強度を有するため、床材、建装材、包装梱包材、自動車内装材、日用雑貨品、マット、シートおよびスポーツ用品などに好適に用いられる。

Claims (4)

  1. エチレン単独重合体、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、かつ、下記要件(I)〜(VI)を同時に満たすことを特徴とする発泡成形用エチレン系重合体。
    (I)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である。
    (II)密度(d)が875〜970kg/m3の範囲である。
    (III)190℃における溶融張力〔MT(g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)(P)〕との比〔MT/η*(1.0)〕が1.00×10-4〜7.00×10-4g/Pの範囲である。
    (IV)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数A(/1000C)とエチル分岐数B(/1000C)との和〔(A+B)(/1000C)〕が1.8以下である。
    (V)200℃におけるゼロせん断粘度η0(P)と、GPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式を満たす。
    0.10×10-31×Mw6.8≦η0≦60×10-31×Mw6.8
    (VI)GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.20〜1.0×104.60の範囲である。
  2. 下記要件(VII)および(VIII)をさらに満たすことを特徴とする請求項1に記載の発泡成形用エチレン系重合体。
    (VII)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と、GPC−粘度検出器法(GPC−VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式[Eq−1]を満たす。
    0.80×10-4×Mw0.776≦[η]≦1.65×10-4×Mw0.776[Eq−1]
    (VIII)200℃、角速度100rad/秒におけるせん断粘度〔η*(100)〕(P)と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)との比〔η*(100)/η*(1.0)〕が0.04〜0.40の範囲である。
  3. 請求項1または2に記載の発泡成形用エチレン系重合体、および該発泡成形用エチレン系重合体以外の熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする発泡成形用樹脂組成物。
  4. 請求項1または2に記載の発泡成形用エチレン系重合体、または請求項3に記載の発泡成形用樹脂組成物から得られる発泡体。
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