JP2015003952A - オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融張力が高く、機械的強度に優れ、かつ粒子性状に優れたオレフィン系重合体を製造することができるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法の提供。
【解決手段】本発明は、下記一般式(I)であらわされる化合物をはじめ合計3種類の化合物を含むことを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
Figure 2015003952

【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン重合用触媒および当該触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、溶融張力が高く、機械的強度に優れ、かつ粒子性状に優れたエチレン系重合体に代表されるオレフィン系重合体を高い重合活性で製造することができるようなオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法に関する。
オレフィン系重合体の一つであるエチレン系重合体は、種々の成形方法により成形され、多方面の用途に供されている。これら成形方法や用途に応じて、エチレン系重合体に要求される特性も異なってくる。例えばTダイ成形においてキャストフィルムを成形する場合、フィルム端部が中央方向へと縮んでしまうネックインが発生すると、フィルム幅が小さくなるとともにフィルム端部の厚みがフィルム中央部に比べ厚くなってしまうため、製品の歩留まりが悪化する。フィルムのネックインを最小限に抑えるためには、エチレン系重合体として分子量の割には、溶融張力の大きいものを選択することが好ましいとされている。また、中空成形におけるたれ下がり、あるいはちぎれを防止するため、あるいはインフレーション成形におけるバブルのゆれ、あるいはちぎれを防止するためにも溶融張力が大きいエチレン系重合体が必要であるとされている。
また、Tダイ成形においてキャストフィルムを成形する場合、引取サージング(ドローレゾナンスと呼ばれる場合もある)と呼ばれるフィルムの引き取り方向に発生する規則的な厚み変動が生じてしまうことがある。引取サージングが発生するとフィルムに厚薄ムラが発生し、その結果、得られるフィルムの場所毎に機械的強度にばらつきが出てしまう。このため、フィルム厚みの均質なフィルムを安定的に生産するためには、引取サージングの発生を避けることが好ましいとされている。この引取サージングを抑制するためには、伸長粘度のひずみ硬化度が、ひずみ速度の増加に伴い大きくなるような樹脂特性が必要であると考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
そして、これらの要求特性を満たすために、メタロセン触媒により長鎖分岐を導入したエチレン系重合体が種々開示されている。
特許文献1にはエチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドとメチルアルミノキサンとからなる触媒の存在下で溶液重合により得られたエチレン系重合体が、特許文献2にはシリカに担持したエチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドとメチルアルミノキサンとからなる触媒の存在下で気相重合により得られたエチレン系重合体が、特許文献3には拘束幾何触媒の存在下で溶液重合により得られたエチレン系重合体が、および特許文献4にはシリカに担持したジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドのラセミおよびメソ異性体とメチルアルミノキサンとからなる触媒の存在下で気相重合により得られたエチレン系重合体が開示されている。
さらに、特許文献5にはこのような触媒を用いた実験例があり、これらのエチレン系重合体は、長鎖分岐のない直鎖状のエチレン系重合体に比べ溶融張力が向上し、成形性に優れる旨の記載はあるが、依然としてネックインは大きいことが知られている。また、これらのエチレン系重合体は、高圧法低密度ポリエチレンとは異なり、伸長粘度がひずみ速度硬化性を示さないため、引取サージングは改善されないことが知られている。
また、特許文献5にはゼロせん断粘度と重量平均分子量とが特定の関係を満たすエチレン系重合体も開示されている。特許文献5には、ゼロせん断粘度と重量平均分子量とが特定の関係を満たすエチレン系重合体は、伸長粘度がひずみ速度硬化性を示すため、引取サージングが改善されていることが記載されている。また、メタロセン触媒を用いて長鎖分岐を導入した従来のエチレン系重合体に比べ成形性が改善されており、フィルムの機械的強度についても、高圧法低密度ポリエチレンに比べ優れていることが記載されている。
長鎖分岐を導入するオレフィン重合体の生成機構としては、1種の遷移金属錯体が末端にビニル基を有する重合体であるマクロモノマーを生成し、同一もしくは異なる遷移金属錯体が該マクロモノマーを共重合する、という機構が提唱されている。ここで言う長鎖分岐とは、重合体中に含まれる絡み合い点間分子量以上の長さの分岐構造と定義され、長鎖分岐の導入により重合体の溶融物性および成形加工性は著しく変化することが知られている(非特許文献2)。
しかしながら、特許文献5に記載の方法でエチレン系重合体を製造した場合は、重合体収量を増やしていくことで重合系内の水素濃度の増加が起こり、得られた重合体の成形性が低下した。
非特許文献3にはメタロセン触媒を用いたオレフィン重合において水素が副生することが示されている。したがって、同一反応器にて重合体収量を増やしていくと水素の濃縮が起こり、これに伴い水素への連鎖移動が促進され、長鎖分岐となる末端ビニル基含有重合体の生成量が減少し、得られる重合体における長鎖分岐導入量が減少し成形性が低下すると考えられる。
水素濃縮を防ぐための方策としては、重合体収量を減らすことや、系外へのガスパージ量を増やすことなどが挙げられるが、いずれも工業的な生産性を低下させるものであり、新たなオレフィン重合用触媒ならびに製造方法が望まれていた。
特開平2−276807号公報 特開平4−213309号公報 国際公開第93/08221号パンフレット 特開平8−311260号公報 国際公開第2006/080578号パンフレット
金井俊孝、船木章著「繊維学会誌(第41巻)」、1986年、T-1 松浦一雄他編、「ポリエチレン技術読本」、工業調査会、2001年、p.32, 36 Organometallics 17, 4997-5002, (1998)
本発明の課題は、エチレン系重合体などのオレフィン系重合体を製造する際に、重合系内の水素濃縮を抑制ながら、且つ、溶融張力が高く、機械的強度に優れ、かつ粒子性状に優れたオレフィン系重合体を高い重合活性で製造することができるようなオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィン系重合体の製造方法を得ることにある。
本発明者らは、上記のような状況を鑑み鋭意研究した結果、特定のチタン化合物を用いることで、得られる重合体の成形性と重合系内の水素濃縮抑制とを両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明とは、次の[1]〜[6]に関する。
[1]下記成分(A)、(B)および(T)を含むことを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
成分(A):下記一般式(I)もしくは(II)で表される化合物
Figure 2015003952
[一般式(I)中、
1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
1は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
Figure 2015003952
[一般式(II)中、
13〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
2は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。]。
成分(B):下記一般式(III)もしくは(IV)で表される化合物
Figure 2015003952
[一般式(III)中、
25〜R32は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではなく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよく、
3は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
Figure 2015003952
[一般式(IV)中、
Mは周期律表第4族遷移金属原子を示し、
mは、1〜4の整数を示し、
33は、分岐状または直鎖状脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基であり、
34〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)、同一でも互いに異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は同一でも互いに異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。]。
成分(T):下記一般式(V)もしくは(VI)で表される化合物
Figure 2015003952
[一般式(V)中、
39、R40は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよいが、R39とR40とが連結されることはなく、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。]
TiX4・・・(VI)
〔一般式(VI)中、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。〕
[2]固体状担体(S)を含むことを特徴とする、前記[1]に記載のオレフィン重合用触媒。
[3]成分(A)および(B)を同一の固体状担体(S)に接触させることを特徴とする、前記[2]に記載のオレフィン重合用触媒。
[4]成分(A)、(B)および(T)を同一の固体状担体(S)に接触させることを特徴とする、前記[2]に記載のオレフィン重合用触媒。
[5]前記[1]〜[4]の何れかに記載のオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィン系重合体の製造方法。
[6]オレフィン系重合体が、エチレンの単独重合体、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする、前記[5]に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
[7]前記エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が、下記要件(1’)〜(5’)を満たすことを特徴とする、前記[6]に記載のオレフィン系重合体の製造方法:
(1’)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲である;
(2’)密度が875〜945kg/m3の範囲である;
(3’)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(4’)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30〜7.5×10-30の範囲である;
(5’)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4〜1.65×10-4の範囲である。
本発明により、得られるオレフィン系重合体の生産性を高めても重合系内の水素濃縮が起こらず、成形加工性ならびに機械的強度に優れたオレフィン系重合体が得られる、オレフィン重合用触媒ならびに重合体の製造方法が提供される。
図1は、本発明の実施例1〜4及び比較例1で得られたオレフィン系重合体(エチレン系重合体)の分子量分布を示す図である。 図2は、本発明の実施例5〜8及び比較例2で得られたオレフィン系重合体(エチレン系重合体)の分子量分布を示す図である。
以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒、及び当該オレフィン重合用触媒を用いてなるオレフィン系重合体の製造方法について具体的に説明する。本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず共重合を包含した意で用いられることがあり、また「重合体」という語はオレフィン単独重合体のみならず異なる二種以上のオレフィン同士の共重合体を包含した意で用いられることがある。
まず、本発明のオレフィン重合用触媒で用いられる各成分について説明する。
<成分(A)、(B)、(T)>
成分(A):下記一般式(I)もしくは(II)で表される化合物
Figure 2015003952
上記一般式(I)中、Mは周期表第4族遷移金属原子を示し、具体的には、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれる遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウムである。
1〜R12は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。
上記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基およびアリールアルキル基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、ドデシル基およびエイコシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基およびアダマンチル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニルおよびビフェニリルが挙げられる。アリールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルなどが挙げられる。
1〜R12に好ましい基は、水素原子および炭化水素基であり、より好ましくはR1〜R4が水素原子であり、R5〜R12が水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。
1は、二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにケイ素含有基であり、特に好ましくはアルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜10の炭化水素基である。
上記アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどのアルキレン基;イソプロピリデン、ジエチルメチレン、ジプロピルメチレン、ジイソプロピルメチレン、ジブチルメチレン、メチルエチルメチレン、メチルブチルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジヘキシルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジトリルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンおよび1−エチル−2−メチルエチレンなどの置換アルキレン基;シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデンおよびジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキリデン基ならびにエチリデン、プロピリデンおよびブチリデンなどのアルキリデン基などが挙げられる。
上記ケイ素含有基としては、シリレン、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチル−t−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンおよびシクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられ、特に好ましくは、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
上記一般式(I)で表される成分(A)の好ましい化合物の具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジーp−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられ、特に好ましい具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジーp−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられる。
Figure 2015003952
上記一般式(II)中、Mは上記一般式(I)中のMと同様のものが挙げられ、好ましくはジルコニウムである。
13〜R24は、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。
2は、二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基ならびにケイ素含有基である。
Xは、上記一般式(I)中のXと同様のものが挙げられる。
上記一般式(II)で表される成分(A)の好ましい化合物の具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−シクロヘキシル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−クロロフェニル)シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−アセナフトシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、などが挙げられる。
成分(B):下記一般式(III)もしくは(IV)で表される化合物
Figure 2015003952
上記一般式(III)中、Mは上記一般式(I)中のMと同様のものが挙げられ、好ましくはジルコニウムである。
25〜R32は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではない。また、R25〜R32は、隣接する基が互いに結合して脂肪族環を形成してもよい。
3は二つの配位子を結合する二価の基であって、アルキレン基、置換アルキレン基およびアルキリデン基などの炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、特に好ましくはケイ素含有基である。
Xは、上記一般式(I)中のXと同様のものが挙げられる。
上記一般式(III)で表される成分(B)の好ましい化合物の具体例として、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(3-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、トリフルオロメチルブチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられ、より好ましい具体例として、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリレン(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
Figure 2015003952
上記一般式(IV)中、Mは上記一般式(I)中のMと同様のものが挙げられ、mは、1〜4の整数を示し、R33は、下記一般式(VII)または(VIII)で表される炭素数1〜30の炭化水素基であり、R34〜R38は、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。また、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)。
Xは、上記式(I)中のXと同様のものが挙げられ、nはMの価数を満たす数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
Figure 2015003952
[上記一般式(VII)中、Raは水素原子、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基を示し、Rb、Rcは水素原子あるいはメチル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2015003952
[上記一般式(VIII)中、破線は2つのC'が直接結合するか、炭素数1以上の炭化水素基により、2つのC'と結合していることを示す。]
33の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、などの直鎖状または分岐状のアルキル基、ビニル、アリル、イソプロペニルなどの直鎖状または分岐状のアルケニル基、エチニル、プロパルギルなどの直鎖状または分岐状のアルキニル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの環状飽和炭化水素基、インデニル、インデニル、フルオレニルなどの環状不飽和炭化水素基、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどのアリール基、トリル、イソプロピルフェニル、tert−ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-tert−ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
34〜R38の例としては、R33と同様の炭化水素基が挙げられ、炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどのハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジル、クミル、2,2-ジフェニルエチル、トリフェニルメチルなどのアリール基置換アルキル基等が挙げられる。
さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環式化合物残基、アルコシキ、アリーロキシ、エステル、エーテル、アシル、カルボキシル、カルボナート、ヒドロキシ、ペルオキシ、カルボン酸無水物などの酸素含有基、アミノ、イミノ、アミド、イミド、ヒドラジノ、ヒドラゾノ、ニトロ、ニトロソ、シアノ、イソシアノ、シアン酸エステル、アミジノ、ジアゾ、アンモニウム塩などの窒素含有基、ボランジイル、ボラントリイル、ジボラニルなどのホウ素含有基、メルカプト、チオエステル、ジチオエステル、アルキルチオ、アリールチオ、チオアシル、チオエーテル、チオシアン酸エステル、イソチアン酸エステル、スルホンエステル、スルホンアミド、チオカルボキシル、ジチオカルボキシル、スルホ、スルホニル、スルフィニル、スルフェニルなどのイオウ含有基、ホスフィド、ホスホリル、チオホスホリル、ホスファトなどのリン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を有していてもよい。
これらのうち、好ましい例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素原子数1〜30、特に好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルなどの炭素原子数6〜30、特に好ましくは6〜20のアリール基、さらにこれらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、特に好ましくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、特に好ましくは6〜20のアリール基またはアリーロキシ基等の置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが挙げられる。
上記ヘテロ環式化合物残基としては、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などが置換した基などが挙げられる。
上記ケイ素含有基としては、シリル、シロキシ、炭化水素置換シリル、炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましく、特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。
34〜R38は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子等の異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
nはMの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
成分(T):下記一般式(V)もしくは(VI)で表される化合物
Figure 2015003952
上記一般式(V)中、
39、R40は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよいが、R39とR40とが連結されることはなく、
Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。
上記一般式(V)で表される成分(T)の好ましい化合物の具体例として、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジエトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジプロポキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド、ジメチルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ジフェニルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ジベンジルビス(シクロペンタジエニル)チタン、ビス(2,4−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロールー1−イル)フェニル]チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタン、ジメチルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)チタン、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、などが挙げられ、特開平8−041081号公報、特開平9−278677号公報などに記載されたチタン化合物も制限無く使用することができる。
TiX4・・・(VI)
上記一般式(VI)中、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。
上記一般式(VI)で表される成分(T)の好ましい化合物の具体例として、チタニウムテトラクロリド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラフェノキシド、テトラフェニルチタン、テトラベンジルチタンなどが挙げられる。
上記一般式(V)で表わされる化合物、及び上記一般式(VI)で表わされる化合物は、WO2004/081064などで重合系内の水素濃度低下が示唆される記載がある一方、特開昭61−33132号、特開平9−278677号公報などにて、オレフィン重合体の水添反応にも用いられている。よってこれまで長鎖分岐導入を目的としたエチレン系重合体の製造においては、上記チタン化合物を用いることで、重合系内の水素濃縮抑制と同時に長鎖分岐となる末端ビニル基も水添され飽和末端となり、目的とする樹脂特性が発現しなくなると考えられてきた。
しかしながら、本発明のオレフィン重合用触媒ならびに当該オレフィン重合用触媒を用いてなるオレフィン系重合体の製造方法では、驚くべきことに、チタン化合物存在下で得られたオレフィン系重合体の成形性がチタン化合物非存在下で得られたオレフィン系重合体と同等であり、かつ重合系内の水素濃縮抑制効果も発現した。
なお、上記一般式(V)で表わされる化合物は上記一般式(VI)で表わされる化合物に比べて水添能力に優れるため、成分(T)として特に好ましい。
<オレフィン重合用触媒の形態>
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分(A)、(B)、(T)を含む以外になんら限定されるものではないが、好ましい形態の例を以下に記す。
i)成分(A)、(B)、(T)の溶液をそれぞれ別々に重合系に添加する。
ii)成分(A)、(B)の混合溶液と成分(T)の溶液を別々に重合系に添加する。
iii)成分(A)、(B)、(T)の混合溶液を重合系に添加する。
iv)成分(A)、(B)をそれぞれ別々に固体状担体(S)と接触させ、成分(T)は溶液として別々に重合系に添加する。
v)成分(A)、(B)、(T)をそれぞれ別々に固体状担体(S)と接触させ、別々に重合系に添加する。
vi)成分(A)、(B)を同一の固体状担体(S)と接触させ、成分(T)は溶液として別々に重合系に添加する。
vii)成分(A)、(B)、(T)を同一の固体状担体(S)と接触させ、重合系に添加する。
<成分(A)、(B)、(T)の使用量比>
成分(A)、(B)および(T)の使用量比は、所望とするオレフィン系重合体の分子量および分子量分布ならびに重合に伴う水素発生量に応じて任意に決定できる。ただしオレフィン系重合体の特性の面から好ましい範囲として、成分(A)から生成するオレフィン系重合体と成分(B)から生成するオレフィン系重合体との比率[=成分(B)由来の重合体量/成分(A)由来の重合体量]が、通常30/70〜99.5/0.5、好ましくは40/60〜99/1である。
ここで、成分(A)および(B)由来のオレフィン系重合体生成比率の算出方法について説明する。
後述のGPC測定法により得られる、オレフィン系重合体の分子量分布曲線は実質的に2つもしくは3つのピークから構成される。1番低分子量側のピークは成分(B)に由来するピークであり、2番目のピークは成分(A)に由来するピークであり、3番目のピークは、成分(A)と(B)が後述の好ましい例の時に生成するピークであるが、これも成分(A)に由来するピークと見なす。そして、成分(B)に由来するピーク(すなわち、1番低分子量側のピーク)と成分(A)に由来するピーク(すなわち、2番目と3番目のピーク)との比率[=成分(B)に由来するピーク/成分(A)に由来するピーク]を、成分(A)から生成する重合体と成分(B)から生成する重合体との比率[=成分(B)由来の重合体量/成分(A)由来の重合体量]として定義する。
各ピークの比率は、オレフィン重合体の分子量分布曲線(G1)と、成分(B)と固体状担体(S)とからなる固体触媒(すなわち、成分(A)を含まない触媒)を用いたことを除き、オレフィン系重合体を得るときと同様の条件にて重合して得られた重合体の分子量分布曲線(G2)と、成分(A)と固体状担体(S)とからなる固体触媒(すなわち、成分(B)を含まない触媒)を用いたことを除き、オレフィン系重合体を得るときと同様の条件にて重合して得られた重合体の分子量分布曲線(G3)と、を用いて、下記の方法により実施した。なお、本発明において「分子量分布曲線」という語は、特別の記載がない限り、微分分子量分布曲線を指してよい。また、分子量分布曲線について「面積」というときは、分子量分布曲線とベースラインとの間に形成される領域の面積をいう。
[1](G1)、(G2)、(G3)の各数値データにおいて、Log(分子量)を0.02間隔に分割し、さらに(G1)、(G2)、(G3)のそれぞれについて、面積が1となるように強度[dwt/d(log分子量)]を正規化する。
[2](G2)と(G3)との合成曲線(G4)を作成する。このとき、各分子量における(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が概ね0.0005以下となるように、(G2)および(G3)の各分子量における強度を一定の比率で任意に変更する。なお、高分子量側では生成する第3ピークの影響により、(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0005より大きくなってしまうことがあるため、より低分子量側で(G1)の強度と(G4)の強度との差の絶対値が0.0005以下となるように、(G2)および(G3)の強度を変更していく。
[3](G1)における最大重量分率での分子量をピークトップとしたときに、当該ピークトップより高分子量側における(G1)と(G4)との重なり合わない部分、すなわち、(G1)と(G4)との差分曲線(G5)を作成したときに、当該差分曲線(G5)において、(G1)における最大重量分率での分子量より高分子量側に現れるピーク部分[(G1)−(G4)]を、上記「3番目のピーク」とする。
[4]成分(A)に由来するピークの比率Wa、成分(B)に由来するピークの比率Wbを以下の通り算出する。
Wa=S(G3)+S(G5)
Wb=S(G2)
ここで、S(G2)、S(G3)はそれぞれ強度を変更した後の(G2)、(G3)の面積であり、S(G5)は(G5)の面積である。
たとえば、(G4)が、(G2)の強度をx倍したものに、(G3)の強度をy倍したものを加算することにより得られた場合、上記[1]に記載した正規化によって元の(G2)および(G3)の面積は共に1とされていることから、S(G2)、S(G3)、S(G4)、S(G5)は、それぞれx、y、(x+y)、1−(x+y)となる。したがって、上記WaおよびWbは、上記xおよびyを用いて、それぞれ以下のように表すことができる。
Wa=1−x
Wb=x
なお、分子量分布曲線は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフallianceGPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のようにして算出する。
[使用装置および条件]
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム;TSKgel GMH6- HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/分
注入量;500μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正;単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜分子量2060万
Z. Crubisic, P. Rempp, H. Benoit, J. Polym. Sci., B5, 753 (1967) に記載された汎用較正の手順に従い、ポリエチレン分子量換算として分子量分布曲線を作成する。
<固体状担体(S)>
次に、本発明のオレフィン重合用触媒に含まれてもよい固体状担体(S)について説明する。
本発明に係る固体状担体(S)は、無機または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が挙げられ、後述のような多孔質酸化物、無機塩化物などの無機ハロゲン化物が挙げられる。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、またはこれらを含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を使用することができる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2 、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明で用いられる固体状担体としては、粒径が通常0.2〜300μm、好ましくは1〜200μmであって、比表面積が通常50〜1200m2/g、好ましくは100〜1000m2/gの範囲にあり、細孔容積が通常0.3〜30cm3/gの範囲にあるものが好ましい。このような担体は、必要に応じて、例えば、100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
上記無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
上記粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、上記粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)23H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩等が挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cm3/g以上のものが好ましく、0.3〜5cm3/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20Å〜3×104Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cm3/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理等、いずれも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
上記イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基等)等を加水分解して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分け等の処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記有機化合物としては、粒径が1〜300μmの範囲にある顆粒状あるいは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜14のオレフィンを主成分とする(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレン、ジビニルベンゼンを主成分とする(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
<その他の構成成分>
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記成分(A)、(B)、(T)および上記固体状担体(S)に加え、必要に応じて、下記に記載の成分をさらに用いることができる。
成分(C)
本発明で用いることができる成分(C)は、下記(c−1)〜(c−3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(c−1)下記一般式(IX)、(X)または(XI)で表される有機金属化合物、
d mAl(ORenpq・・・(IX)
〔一般式(IX)中、RdおよびReは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
aAlRf 4・・・(X)
〔一般式(X)中、Maはリチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子を示し、Rfは炭素数が1〜20の置換されていてもよい炭化水素基を示す。〕
ba s・・・(XI)
〔一般式(XI)中、Rgは、水素原子、ハロゲン原子または炭素数が1〜20の置換されていてもよい炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Mbはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子またはビスマス原子を示し、sはMの原子価に相当する数を示す。〕
(c−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および、
(c−3)成分(A)、(B)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
一般式(IX)、(X)または(XI)で表される有機金属化合物(c−1)の中では、一般式(IX)で示されるものが好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムおよびトリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ならびにジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドおよびジイソヘキシルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。これらは、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
また(c−1)として、特開2003−171412号公報などに記載された化合物と組合せて用いることもできる。
有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)としては、トリアルキルアルミニウムまたはトリシクロアルキルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
成分(A)、(B)と反応してイオン対を形成する化合物(c−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報およびUS5321106などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を制限無く使用することができる。
本発明においては、前記成分(A)及び(B)に加えて、アルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)を助触媒成分として用いると、非常に高い重合活性を示す。したがって、有機アルミニウムオキシ化合物(c−2)を成分(C)として用いることが好ましい。
成分(C)と固体状担体(S)との接触時間は、通常0.1〜48時間、好ましくは0.1〜20時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−20〜120℃である。また、成分(C)と固体状担体(S)との接触モル比(成分(C)/固体状担体(S))は、通常0.1〜1000、特に好ましくは0.1〜100である。
なお、特開平11−140113号公報、特開2000−38410号公報、特開2000−95810号公報、WO2010/55652A1などに記載された方法で、成分(C)を不溶化させて得られる固体成分を、固体状担体(S)として用いることもできる。
成分(G)
本発明で所望により用いることができる成分(G)として、下記(g−1)〜(g−6)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる:
(g−1)ポリアルキレンオキサイドブロック、
(g−2)高級脂肪族アミド、
(g−3)ポリアルキレンオキサイド、
(g−4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、
(g−5)アルキルジエタノールアミン、および
(g−6)ポリオキシアルキレンアルキルアミン。
成分(G)は、触媒もしくは重合体の静電付着による重合器内でのファウリングを抑制する、あるいは生成重合体の粒子性状を改善する目的で、オレフィン重合用触媒中に共存させることができる。成分(G)の中では、(g−1)、(g−2)、(g−3)および(g−4)が好ましく、(g−1)および(g−2)が特に好ましい。(g−2)の具体例としては、高級脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。
溶媒
本発明に係るオレフィン重合用触媒は上記成分(A)、(B)、(T)および、必要により好適に用いられる上記成分(C)を、上記固体状担体(S)と接触させる際に、各接触を溶媒中で行うことが好ましい。
本発明で用いることのできる溶媒として、不活性炭化水素が挙げられる。
不活性炭化水素としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。
<予備重合触媒成分>
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述したように、成分(A)、(B)、(T)を固体状担体(S)と接触させることにより固体触媒成分として調製することができる。本発明では、このような固体触媒成分をそのまま重合系に挿入して用いてもよいが、固体触媒成分に事前にオレフィンを予備重合させ、予備重合触媒成分を形成させてから用いることもできる。すなわち、本発明のオレフィン重合用触媒は、成分(A)、(B)、(T)と固体状担体(S)とを接触させることにより得られる固体触媒成分それ自体であってもよいし、あるいは、この固体触媒成分にオレフィンを予備重合させることによって得られる予備重合触媒成分であってもよい。
予備重合触媒成分は、固体触媒成分の存在下、通常、不活性炭化水素溶媒中、オレフィンを導入させることにより調製することができ、回分式、半連続式および連続式のいずれの方法でも使用することができ、また減圧、常圧または加圧下のいずれでも行うことができる。この予備重合によって、固体状触媒成分1g当たり、通常0.01〜1000g、好ましくは0.1〜800g、より好ましくは0.2〜500gの重合体を生成させる。
不活性炭化水素溶媒中で調製した予備重合触媒成分は、懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にオレフィンを導入してもよく、また、乾燥させた後オレフィンを導入してもよい。
予備重合に際して、予備重合温度は、通常−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合時間は、通常0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間である。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、既に述べたものを制限無く利用することができる。また、必要に応じて成分(C)が用いられ、特に(c−1)中の上記式(IX)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。成分(C)が用いられる場合は、該成分(C)中のアルミニウム原子(Al−C)と遷移金属錯体中の遷移金属原子(M)とのモル比(アルミニウム原子(Al−C)/遷移金属原子(M))で、通常0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000の量で用いられる。
予備重合系における固体触媒成分(X)の濃度は、固体触媒成分/重合容積1リットル比で、通常1〜1000g/L、好ましくは5〜500g/Lである。
また、上記の成分(G)を、上記オレフィン重合用触媒の製造におけるいずれの工程に共存させてもよく、接触順序も任意である。また予備重合によって生成した予備重合触媒成分に接触させてもよい。
本発明のオレフィン重合用触媒は、オレフィン、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2以上のα−オレフィンを、単独あるいは二種以上用いて、種々のオレフィン重合体の製造方法に用い得る。
中でも、本発明のオレフィン重合用触媒は、エチレンの単独重合体、あるいは、エチレンと炭素数3以上、好ましくは炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体などのエチレン系重合体の製造用触媒として好適である。
<エチレン系重合体の製造方法>
以下、本発明に係るエチレン系重合体の製造方法に関して説明する。
本発明に係る製造方法によって得られる好適なエチレン系重合体は、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα−オレフィンとの共重合体である。炭素数4のα−オレフィンを使用する場合には、炭素数6〜10のα-オレフィンもあわせて使用することが好ましい。エチレンとの共重合に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。
重合条件は、前記成分(A)および前記成分(B)が、反応容積1リットル当たり、通常10-12〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルになる量で用いられる。また、重合温度は、前記成分(T)からのエチレン系重合体の生成を抑制するため、通常30〜200℃、好ましくは50〜200℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kgf/cm2、好ましくは常圧〜50kgf/cm2の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式および連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに反応条件の異なる2種以上の条件下で多段反応として行うこともできる。
得られるエチレン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに重合系には、触媒もしくは重合体の静電付着による重合器内でのファウリング抑制あるいは粒子性状改善を目的として、上記の成分(G)を共存させることができる。
物性値のばらつきを抑制するため、重合反応により得られたエチレン系重合体粒子および所望により添加される他の成分は、任意の方法で溶融され、混練、造粒などを施される。
上記により製造されるエチレン系重合体の中で、前記成分(A)と前記成分(B)として先述の好ましい例を用いた場合に得られるエチレン系重合体は、下記要件(1')〜(5')に示す特性を有している。
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲である。MFRの下限は好ましくは1.0g/10分、より好ましくは4.0g/10分であり、MFRの上限は好ましくは50g/10分、より好ましくは30g/10分である。MFRが上記下限値以上のエチレン系重合体はせん断粘度が高すぎず、成形性が良好である。MFRが上記上限値以下のエチレン系重合体は引張強度やヒートシール強度などの機械的強度が良好になる。MFRはASTM D1238−89に従い、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定される。
(2')密度が875〜945kg/m3の範囲である。密度の下限は好ましくは885kg/m3、より好ましくは900kg/m3であり、密度の上限は好ましくは935kg/m3、より好ましくは930kg/m3である。密度が上記下限値以上のエチレン系重合体から成形されたフィルムは表面べたつきが少なく耐ブロッキング性に優れ、密度が上記上限値以下のエチレン系重合体から成形されたフィルムは衝撃強度が良好となり、ヒートシール強度、破袋強度などの機械的強度が良好である。
エチレン系重合体の密度はエチレン系重合体のα−オレフィン含量に依存しており、α−オレフィン含量が少ないほど密度は高く、α−オレフィン含量が多いほど密度は低くなる。また、エチレン系重合体中のα−オレフィン含量は、重合系内におけるα−オレフィンとエチレンとの組成比(α−オレフィン/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、Walter Kaminsky, Makromol.Chem. 193, p.606(1992))。このため、α−オレフィン/エチレンを増減させることで、上記範囲の密度を有するエチレン系重合体を製造することができる。密度の測定は、JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
(3')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下、好ましくは1.30以下、より好ましくは0.80以下、さらにより好ましくは0.50以下である。なお、本発明で定義したメチル分岐数およびエチル分岐数は、後述するように1000カーボン当たりの数で定義される。
エチレン系重合体中にメチル分岐、エチル分岐などの短鎖分岐が存在すると、短鎖分岐が結晶中に取り込まれ、結晶の面間隔が広がってしまうため、樹脂の機械的強度が低下することが知られている(例えば、大澤善次郎他監修、「高分子の寿命予測と長寿命化技術」、(株)エヌ・ティー・エス、2002年、p.481)。そのため、メチル分岐数とエチル分岐数との和(A+B)が1.8以下の場合、の機械的強度が良好である。
エチレン系重合体中のメチル分岐数、エチル分岐数はエチレン系重合体の重合方法に強く依存し、高圧ラジカル重合により得られたエチレン系重合体は、チーグラー型触媒を用いた配位重合により得られたエチレン系重合体に比べ、メチル分岐数、エチル分岐数が多い。配位重合の場合、エチレン系重合体中のメチル分岐数、エチル分岐数は、重合系内におけるプロピレン、1−ブテンとエチレンとの組成比(プロピレン/エチレン、1−ブテン/エチレン)に強く依存する。このため、1−ブテン/エチレンを増減させることで、エチレン系重合体のメチル分岐数とエチル分岐数の和(A+B)を増減させることが可能である。
13C-NMRにより測定されたメチル分岐数およびエチル分岐数は下記のように決定される。
測定はブルカー・バイオスピン(株)製AVANCE III cryo-500型核磁気共鳴装置を用い、以下の条件にて実施した。
測定プローブ:5mmクライオプローブ(DCH型)
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00μ秒)
ポイント数:64k
観測範囲:250ppm(-55〜195ppm)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1 v/v)
試料濃度:60mg/0.6ml
測定温度:120℃
ウィンドウ関数:exponential(BF:1.0 Hz)
ケミカルシフト基準:δδシグナル 29.73ppm
NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学領域増刊141号 NMR−総説と実験ガイド[I]、p.132〜133に準じて行った。1,000カーボン当たりのメチル分岐数、すなわち、エチレン系重合体の重合体鎖を構成する炭素原子1000個当たりのメチル分岐数は、5〜45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対する、メチル分岐由来のメチル基の吸収(19.7ppm)の積分強度比より算出する。また、エチル分岐数は、5〜45ppmの範囲に現れる吸収の積分総和に対するエチル分岐由来のメチル基の吸収(10.8ppm)の積分強度比より算出する。
(4')200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30〜7.5×10-30の範囲である。すなわち、η0とMwが下記式(Eq-1)
0.03×10-30≦η0/Mw6.8≦7.5×10-30 --------(Eq-1)
を満たす。ここで、η0/Mw6.8の下限値は好ましくは0.05×10-30、より好ましくは0.08×10-30であり、η0/Mw6.8の上限値は好ましくは5.0×10-30、より好ましくは3.0×10-30である。
η0/Mw6.8が、0.03×10-30〜7.5×10-30の範囲であることは、η0とMwを両対数プロットした際に、log(η0)とlogMwが下記式(Eq-1')で規定される領域に存在することと同義である。
6.8Log(Mw)-31.523≦Log(η0)≦6.8Log(Mw)-29.125 --------(Eq-1')
重量平均分子量(Mw)に対してゼロせん断粘度〔η0(P)〕を両対数プロットしたとき、長鎖分岐がなく直鎖状で、伸長粘度がひずみ硬化性を示さないエチレン系重合体は、傾きが3.4のべき乗則に則る。一方、比較的短い長鎖分岐を数多く有し、伸長粘度がひずみ速度硬化性を示すエチレン系重合体は、べき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示し、さらにその傾きは3.4よりも大きな値となることが知られており(C Gabriel, H.Munstedt, J.Rheol., 47(3), 619(2003)、H. Munstedt, D.Auhl, J. Non-Newtonian Fluid Mech. 128, 62-69, (2005) )、傾き6.8は経験的に選択しうる。η0とMw6.8との比をとることについては特開2011-1545号公報にも開示されている。
エチレン系重合体のη0/Mw6.8が、20×10-13×Mw6.8以下の場合、引取サージングの発生が抑制される。
ゼロせん断粘度〔η0(P)〕と重量平均分子量(Mw)との関係は、エチレン系重合体中の長鎖分岐の含量および長さに依存していると考えられ、長鎖分岐含量が多いほど、また長鎖分岐の長さが短いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲下限に近い値を示し、長鎖分岐含量が少ないほど、また長鎖分岐の長さが長いほどゼロせん断粘度〔η0(P)〕は請求範囲上限に近い値を示すと考えられる。
本発明のエチレン系重合体が生成する機構において、本発明者らは、成分(B)と固体状担体(S)を含むオレフィン重合用触媒成分の存在下で、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとを共重合させることによって数平均分子量(Mn)が4000〜20000、好ましくは4000〜15000の範囲にある末端ビニルを有する重合体であるマクロモノマーを生成させ、次いで、成分(A)と固体状担体(S)を含むオレフィン重合用触媒成分により、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンの重合と競争的に該マクロモノマーを共重合させることにより、エチレン系重合体中に長鎖分岐が生成すると推定している。
重合系中のマクロモノマーとエチレンとの組成比([マクロモノマー]/[エチレン])が高いほど長鎖分岐含量が多くなる。オレフィン重合用触媒中の前記成分(B)の比率、すなわち、前記成分(A)および前記成分(B)の合計に対する、前記成分(B)のモル比([B]/[A+B])を高くすることで[マクロモノマー]/[エチレン]を高くできることから、([B]/[A+B])を高くすることで長鎖分岐含量は多くなる。
これらのほか、長鎖分岐量を制御する重合条件について例えば国際公開第2007/034920号パンフレットに開示されている。
測定温度200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕は以下のようにして求める。
測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用いる。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とする。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択する。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kgf/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kgf/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することで調製する。
ゼロせん断粘度η0は、下記数式(Eq-2)のCarreauモデルを非線形最小二乗法により実測のレオロジー曲線〔せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散〕にフィッティングさせることで算出する。
η*=η0〔1+(λω)a(n-1)/a --- (Eq-2)
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小二乗法によるフィッティングは下記数式(Eq-3)におけるdが最小となるよう行われる。
Figure 2015003952
ここで、ηexp(ω)は実測のせん断粘度、ηcalc(ω)はCarreauモデルより算出したせん断粘度を表す。
GPC-VISCO法による重量平均分子量(Mw)はウォーターズ社製GPC/V2000を用い、以下のようにして測定する。ガードカラムはShodex AT-G、分析カラムはAT-806MSを2本使用し、カラム温度は145℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼンおよび酸化防止剤としてBHT0.3重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、検出器として示差屈折計、3キャピラリー粘度計を用いる。標準ポリスチレンは、東ソー社製を用いた。分子量計算は、粘度計と屈折計から実測粘度を算出し、実測ユニバーサルキャリブレーションより重量平均分子量(Mw)を算出する。
(5')135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4〜1.65×10-4の範囲である。すなわち、[η]とMwが下記式(Eq-4)
0.90×10-4≦[η]/Mw0.776≦1.65×10-4 --------(Eq-4)
を満たす。ここで、[η]/Mw0.776の下限値は好ましくは0.95×10-4、であり、より好ましくは、1.00×10-4であり、[η]/Mw0.776の上限値は好ましくは1.55×10-4、より好ましくは1.45×10-4である。
[η]/Mw0.776が、0.90×10-4〜1.65×10-4以下であることは、[η]とMwを両対数プロットした際に、log([η])とlog(Mw)が下記式(Eq-4')で規定される領域に存在することと同義である。
0.776Log(Mw) -4.097≦Log([η])≦0.776Log(Mw) -3.783 --------(Eq-4')
エチレン系重合体中に長鎖分岐が導入されると、長鎖分岐の無い直鎖型エチレン系重合体に比べ、分子量の割に極限粘度[η](dl/g)が小さくなることが知られている(例えばWalther Burchard, ADVANCES IN POLYMER SCIENCE, 143, Branched PolymerII, p.137(1999))。
また、Mark-Houwink-桜田式に基づき、ポリエチレンの[η]はMvの0.7乗、ポリプロピレンの[η]はMwの0.80乗、ポリ−4−メチル−1−ペンテンの[η]はMnの0.81乗に比例することが報告されている(例えばR. Chiang, J. Polym. Sci., 36, 91 (1959): P.94、R. Chiang, J. Polym. Sci., 28, 235 (1958): P.237、A. S. Hoffman, B. A. Fries and P. C. Condit, J. Polym. Sci. Part C, 4, 109 (1963): P.119 Fig. 4)。
そして、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体の代表的な指標としてMwの0.776乗を設定することとし、従来のエチレン系重合体に比べて分子量の割に[η]が小さいことを表したのが前記した要件(5')であり、この考え方は国際公開第2006/080578号パンフレットに開示されている。
よって、エチレン系重合体の[η]/Mw0.776が上記上限値以下、特に1.65×10-4以下の場合は多数の長鎖分岐を有しており、成形性、流動性が優れる。
前述のように本発明のオレフィン重合用触媒中の前記成分(B)の比率([B]/[A+B])を高くすることで長鎖分岐含量は多くなることから、[B]/[A+B]を増減させることで、上記範囲の極限粘度[η]を有するエチレン系重合体を製造することができる。
なお、極限粘度[η](dl/g)はデカリン溶媒を用い、以下のように測定した。サンプル約20 mgをデカリン15 mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5 ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/C値を極限粘度[η]とした。(下式(Eq-5)参照)
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) ---------- (Eq-5)
本発明に係るエチレン系重合体は、上記要件(1')〜(5')に加えて、下記要件(6')をさらに満たすことが好ましい。
(6')190℃における溶融張力〔MT (g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(P)〕との比〔MT/η*(g/P)〕が1.0×10-4〜7.0×10-4の範囲である。すなわち、MTとη*が下記式(Eq-6)
1.0×10-4≦MT/η*≦7.0×10-4 --------(Eq-6)
を満たすことが好ましい。ここで、MT/η*の上限値は好ましくは5.0×10-4、より好ましくは3.0×10-4である。
〔MT/η*(g/P)〕は単位せん断粘度あたりの溶融張力を示し、この値が大きいと、せん断粘度の割に溶融張力が大きくなる。すなわち〔MT/η*(g/P)〕が下限値以上の場合、押出特性とバブル安定性あるいはネックインとのバランスが良好となる。また、〔MT/η*(g/P)〕が上限値以下の場合、高速成形性が良好となる。
MT/η*はエチレン系重合体の長鎖分岐含量に依存すると考えられており、長鎖分岐含量が多いほどMT/η*は大きく、長鎖分岐含量が少ないほどMT/η*は小さくなる傾向がある。
前述のようにオレフィン重合用触媒中の前記成分(B)の比率([B]/[A+B])を高くすることで長鎖分岐含量は多くなることから、[B]/[A+B]を増減させることで、上記範囲のMT/η*を有するエチレン系重合体を製造することができる。
溶融張力(MT)は、以下の方法で測定したときの値である。溶融張力(MT)は、溶融されたエチレン系重合体を一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定される。測定には東洋精機製作所社製キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1Bを用いた。条件としては、樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmで行う。
また、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度(η*)は、測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定する。
測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用いる。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとする。測定点はω一桁当たり5点とする。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択する。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kgf/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kgf/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することで調製する。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<成分(T)の合成>
[合成例1]
ジメチルビス(nーブチルシクロペンタジエニル)チタンの合成
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、ビス(nーブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロリド0.41g(1.14mmol)、トルエン10mLを仕込み攪拌した。この溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム溶液2.40mL(エーテル溶液、1.06M、2.54mmol)を滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで戻しながら5時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にn−ヘキサン7mLを加え、超音波を照射することで、懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液の溶媒を留去した後、残渣を減圧乾燥することにより橙色液体のジメチルビス(nーブチルシクロペンタジエニル)チタンを0.29g(収率80%)得た。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)・5.89(4H,t,J=2.6Hz,Cp−H),5.70(4H,t,J=2.6Hz,Cp−H),2.39(4H,t,J=7.6Hz,Cp−CH2−),1.68−1.54(4H,m,−CH2−),1.50−1.33(4H,m,−CH2−),0.94(6H,t,J=7.2Hz,−CH3),−0.29(6H,s,Ti−CH3)ppm
FD−質量分析(M−(CH3)2 +): 290
その他の成分(T)化合物は、すべて市販品をそのまま使用した。
<オレフィン重合体の製造に伴う重合系内の水素濃度>
[比較例1]
固体状担体の調製
内容積270リットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、シリカゲル(富士シリシア株式会社製:平均粒径70μm、比表面積340m2/g、細孔容積1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥)10kgを77リットルのトルエンに懸濁させた後0〜5℃に冷却した。この懸濁液にメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mmol/mL)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間接触させた後、約1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄した後、全量115リットルのトルエンスラリーを調製した。得られたスラリー成分の一部を採取し濃度を調べたところ、スラリー濃度:122.6g/L、Al濃度:0.62mol/Lであった。
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および上記で得られた固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、成分(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.014mmol、成分(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.011mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
エチレン系重合体の製造
内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後に、エチレンを流通させ液相および気相をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセン10ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム0.375mmol、および固体触媒成分を固体分として20mg装入した後、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥し、エチレン系重合体85.5gを得た。重合体パウダーのMFRは13g/10分であり、GPC分析結果(分子量分布)を図1に示す。GPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は12,400であった。結果を表1に示す。
[実施例1]
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および比較例1で得られた固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、成分(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.014mmol、成分(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.011mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、成分(T)として、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロリド(和光純薬工業株式会社製)のトルエン溶液をZr原子換算で0.005mmol滴下し、系内温度20〜25℃でさらに1時間接触させた後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量100ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
エチレン系重合体の製造
固体触媒成分を固体分として20mg用いて、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体66.0gを得た。重合体パウダーのMFRは0.8g/10分であり、GPC分析結果(分子量分布)を図1に示す。GPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は17,900であり、比較例1に対して分子量の向上が見られたことから、重合系内の水素濃度が比較例1よりも低下したことが示唆された。結果を表1に示す。
[実施例2−4]
固体触媒成分の調製
成分(T)として、ジメチルビス(nーブチルシクロペンタジエニル)チタン、ビス(2,4−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロールー1−イル)フェニル]チタン(BASF社IRUGACURE784)、チタンテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)を表1に示した量添加した以外は、実施例1と同様の方法で、固体触媒成分のスラリーを調製した。
エチレン系重合体の製造
固体触媒成分を固体分として表1に示した量用いて、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体を得た。重合体パウダーのMFRおよびGPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は表1に記す。いずれのチタン化合物を用いても、比較例1に対して分子量の向上が見られたことから、重合系内の水素濃度が比較例1よりも低下したことが示唆された。得られたエチレン系重合体のGPC分析結果(分子量分布)を図1に示す。
[比較例2]
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、成分(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.020mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を95℃に昇温し、さらに2時間接触させた。30℃まで降温後、成分(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液を、Zr原子換算で0.005mmol滴下し、系内温度20〜30℃で1時間接触させた。上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量50ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
予備重合触媒成分の調製
上記で得られた固体触媒成分スラリーを10℃まで冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)2.5mmolを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン0.36ミリリットルを添加した。1−ヘキセン添加後、系内温度を35℃に昇温し、固体触媒成分に対して重量換算で3等量分のエチレンを重合させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を50ミリリットルとした。次に、系内温度を35℃に昇温した後、成分(G)として、ケミスタット2500(三洋化成工業株式会社製)40mgのヘキサン溶液を添加し、2時間接触させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した。次に、内容積100mLのガラス製シュレンク管に上記ヘキサンスラリーを移し、減圧下25℃にてヘキサンを減圧留去させることで、予備重合触媒成分4.0gを得た。
エチレン系重合体の製造
予備重合触媒成分を固体分として135mg用いて、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体79.4gを得た。重合体パウダーのMFRは0.5g/10分であり、GPC分析結果(分子量分布)を図2に示す。GPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は12,400であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
エチレン系重合体の製造
比較例2の予備重合触媒成分を固体分として150mg、ジメチルビス(nーブチルシクロペンタジエニル)チタンを1mg挿入した以外は、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体74.2gを得た。重合体パウダーのMFRは0.03g/10分であり、GPC分析結果(分子量分布)を図2に示す。GPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は21,500であり、比較例2に対して分子量の向上が見られたことから、重合系内の水素濃度が比較例2よりも低下したことが示唆された。結果を表1に示す。
[実施例6]
固体触媒成分の調製
内容積200ミリリットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエンを30ミリリットル、および測定例1−1に記載の固体状担体8.2ミリリットル(Al原子換算で5.1mmol)を装入した。次に、成分(A)として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.020mmol滴下し、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、系内温度を95℃に昇温し、さらに2時間接触させた。30℃まで降温後、成分(B)として、(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液を、Zr原子換算で0.005mmol滴下し、系内温度20〜30℃で1時間接触させた後、成分(T)として、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロリドのトルエン溶液をZr原子換算で0.003mmol滴下し、系内温度20〜25℃でさらに1時間接触させた後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量50ミリリットルとし、固体触媒成分のスラリーを調製した。
予備重合触媒成分の調製
上記で得られた固体触媒成分スラリーから、比較例2と同様の方法で予備重合触媒成分4.0gを得た。
エチレン系重合体の製造
予備重合触媒成分を固体分として140mg用いて、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体78.0gを得た。重合体パウダーのMFRは0.2g/10分であり、GPC分析結果(分子量分布)を図2に示す。GPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は14,900であり、比較例2に対して分子量の向上が見られたことから、重合系内の水素濃度が比較例2よりも低下したことが示唆された。結果を表1に示す。
[実施例7、8]
予備重合触媒成分の調製
成分(T)として、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロリド(和光純薬工業株式会社製)、ビス(2,4−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロールー1−イル)フェニル]チタンを表1に示した量添加した以外は、実施例6と同様の方法で、予備重合触媒成分を調製した。
エチレン系重合体の製造
予備重合触媒成分を固体分として表1に示した量用いて、比較例1と同様の方法で重合を行ない、エチレン系重合体を得た。重合体パウダーのMFRおよびGPCより求めた成分(B)由来の重合体の数平均分子量は表1に記す。いずれのチタン化合物を用いても、比較例2に対して分子量の向上が見られたことから、重合系内の水素濃度が比較例2よりも低下したことが示唆された。
GPC分析結果(分子量分布)を図2に示す。
Figure 2015003952
[比較例3]
エチレン系重合体の製造
内容積1.0m3の流動層型気相重合反応器を用いて、表2の重合条件にて反応器内に比較例2の予備重合触媒成分、エチレン、1−ヘキセンなどを連続的に供給し、エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。
重合系内に水素を供給していないにも関わらず、重合体収量の上昇に伴い重合系内の水素濃度が上昇し、水素/エチレン比が15×10^−4m.r.にて落ち着いた。
[実施例9]
エチレン系重合体の製造
実施例8の予備重合触媒成分を用いた以外は、比較例3と同様の条件でエチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。
重合系内に水素を供給していないにも関わらず、重合体収量の上昇に伴い重合系内の水素濃度が上昇したが、水素/エチレン比は5×10^−4m.r.と比較例3に比べ低い水素濃度で落ち着いた。この時、重合系内でエタンの発生が観測されたことから、エチレンの水添反応により水素濃縮が抑制されていることが示された。
<本発明により得られるエチレン系重合体物性>
[比較例4]
エチレン系重合体の製造
内容積1.0m3の流動層型気相重合反応器を用いて、表2の重合条件にて反応器内に比較例2の予備重合触媒成分、エチレン、1−ヘキセンなどを連続的に供給し、エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。比較例3とは異なり、水素を連続的に供給し水素/エチレン比が30×10^−4m.r.に維持させた。
得られたエチレン系重合体パウダーに耐熱安定剤としてスミライザーGP(住友化学社製)850ppm、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業社製)210ppmを加え、株式会社東洋精機製作所製の二軸異方向20mmφ押出機を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、カットしてエチレン系重合体のペレットを得た。得られたペレットを測定用試料として物性測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例10]
エチレン系重合体の製造
実施例8の予備重合触媒成分を用いた以外は、比較例3と同様の条件でエチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。実施例9とは異なり、水素を連続的に供給し水素/エチレン比が30×10^−4m.r.に維持させた。この時、重合系内でエタンの発生が観測されたことから、エチレンの水添反応により水素濃縮が抑制されていることが示された。
得られたエチレン系重合体パウダーを用い、比較例4と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った結果を表2に示す。
成分(T)の存在により、重合時にオレフィン水添反応が観測されていたにも関わらず、比較例4と同等の樹脂特性を示したことから長鎖分岐導入量も同等を維持していることが示された。
Figure 2015003952

Claims (7)

  1. 下記成分(A)、(B)および(T)を含むことを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
    成分(A):下記一般式(I)もしくは(II)で表される化合物
    Figure 2015003952
    [一般式(I)中、
    1〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
    1は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
    Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
    Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
    Figure 2015003952
    [一般式(II)中、
    13〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよく、
    2は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
    Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
    Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。]。
    成分(B):下記一般式(III)もしくは(IV)で表される化合物
    Figure 2015003952
    [一般式(III)中、
    25〜R32は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよいが、すべてが同時に水素原子ではなく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよく、
    3は、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびに、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、
    Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、
    Mは周期表第4族遷移金属原子を示す。];
    Figure 2015003952
    [一般式(IV)中、
    Mは周期律表第4族遷移金属原子を示し、
    mは、1〜4の整数を示し、
    33は、分岐状または直鎖状脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基であり、
    34〜R38は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、mが2の場合にはR34〜R38で示される基のうち2個の基が連結されていてもよく(但し、R33同士が結合されることはない)、同一でも互いに異なっていてもよく、
    nは、Mの価数を満たす数であり、
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は同一でも互いに異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。]。
    成分(T):下記一般式(V)もしくは(VI)で表される化合物
    Figure 2015003952
    [一般式(V)中、
    39、R40は、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよいが、R39とR40とが連結されることはなく、
    Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。]
    TiX4・・・(VI)
    〔一般式(VI)中、
    Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基を示す。〕
  2. 固体状担体(S)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  3. 成分(A)および(B)を同一の固体状担体(S)に接触させることを特徴とする、請求項2に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 成分(A)、(B)および(T)を同一の固体状担体(S)に接触させることを特徴とする、請求項2に記載のオレフィン重合用触媒。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  6. オレフィン重合体が、エチレンの単独重合体、または、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  7. エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が、下記要件(1’)〜(5’)を満たすことを特徴とする、請求項6に記載のエチレン系重合体の製造方法:
    (1’)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分の範囲である;
    (2’)密度が875〜945kg/m3の範囲である;
    (3’)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
    (4’)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30〜7.5×10-30の範囲である;
    (5’)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4〜1.65×10-4の範囲である。
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