JP2000212342A - ポリエチレン組成物 - Google Patents

ポリエチレン組成物

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JP2000212342A
JP2000212342A JP1629599A JP1629599A JP2000212342A JP 2000212342 A JP2000212342 A JP 2000212342A JP 1629599 A JP1629599 A JP 1629599A JP 1629599 A JP1629599 A JP 1629599A JP 2000212342 A JP2000212342 A JP 2000212342A
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JP
Japan
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ethylene
group
polymer
polyethylene composition
carbon atoms
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Withdrawn
Application number
JP1629599A
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English (en)
Inventor
Reiji Higuchi
礼司 樋口
Hideo Watanabe
日出夫 渡辺
Toshiaki Egashira
俊昭 江頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical Japan Polyolefins Co Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱
性、成形加工性、光学特性等が良好であるエチレン
(共)重合体を含有し、さらに、機械物性、耐熱性が改
良されたポリエチレン組成物を提供する。 【解決手段】 (A)密度が0.88〜0.97g/c
3、(B)MFRが0.01〜100g/10分、(C)分
子量分布が1.5〜4.0、(D)定ひずみ速度による伸
長粘度測定の時間―伸長粘度曲線において伸長粘度の立
ち上がり(ひずみ硬化)がおこる、(E)TREF測定に
よる高温溶出分が一定量存在するなどの特定の要件を満
足する(I)エチレン(共)重合体99〜5重量%と、
(II)他のエチレン(共)重合体1〜95重量%とを有
するポリエチレン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度、耐衝撃性、
剛性等の機械物性、耐熱性、成形加工性等に優れたポリ
エチレン組成物に関するものであり、射出成形、中空成
形、フィルム・シート成形、ラミネート成形に適し、各
種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シート、包装材、
ラミネート成形体などに使用されるポリエチレン組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チグラー型触媒で製造されるエチ
レン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLD
PEと称す)は、高圧ラジカル法低密度ポリエチレン
(HPLDPEと称す)と比較し、強度および靱性が大
きく、フィルム、シート、中空成形体、射出成形体など
の種々の用途に用いられている。しかしながら、成形品
の軽量化の需要が高まり、エチレン共重合体のさらなる
高強度化が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、メタロセン系触
媒により、分子量分布および組成分布が非常に狭い、高
強度のエチレン(共)重合体が開発された。しかしなが
ら、これらの一般的なメタロセン系触媒によるエチレン
(共)重合体には、いくつかの欠点があった。例えば、
組成分布が非常に狭いため、温度に対する剛性および強
度の変化が非常に急激であり、成形加工時の温度や押し
出し条件等の適応範囲が狭く、また、溶融張力が低いこ
とによる成形加工性に難があった。また、成形品として
も耐熱性に劣っていた。
【0004】このような欠点を改良するものとして、チ
グラー型触媒によって得られた複数種類のポリエチレン
系樹脂とメタロセン系触媒による直鎖状エチレン(共)
重合体とを混合してなるポリエチレン組成物が提案され
ている(例えば、特開平3−207736号公報、特開
平3−207737号公報)。しかしながら、このポリ
エチレン組成物は、成形加工性は向上するものの、分子
量分布が広いため、強度の向上は期待できず、かつ低融
点成分および低分子量成分によって諸特性が低下すると
いう欠点があった。また、溶融張力が改良されず、成形
加工性が不十分という欠点があった。これら欠点を改良
するために、さらにHPLDPEをブレンドする方法が
あるが、HPLDPEをブレンドすると衝撃強度が低下
するという欠点があった。
【0005】よって、本発明の目的は、強度、耐衝撃
性、剛性等の機械物性、耐熱性、成形加工性、光学特性
等が良好であるエチレン(共)重合体を含有し、さら
に、機械物性、耐熱性が改良されたポリエチレン組成物
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿って鋭意検討を重ねた結果、分子量分布は狭く、T
REF測定による高温溶出分が一定量存在し、定ひずみ
速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線において
伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)がおこる新規なエ
チレン(共)重合体と、他のエチレン(共)重合体との
ブレンドによるポリエチレン組成物を得て、これにより
上記目的を達成するに至った。
【0007】すなわち、本発明のポリエチレン組成物
は、(I)エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素
数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることによ
り得られ、下記(A)〜(E)の要件を満足するエチレ
ン(共)重合体99〜5重量%と、 (II)他のエチレ
ン(共)重合体1〜95重量%とを有することを特徴と
する。 (A)密度が0.88〜0.97g/cm3 (B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
0g/10分 (C)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0 (D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘
度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)
がおこること (E)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以
上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以
上の成分の面積をS90、全ピークの面積をSto tal とし
たときのS=100×S90/Stotal と密度d(g/c
3 )が下記式の関係を満たすこと d<0.910のとき S≧0.5 d≧0.910のとき 420×d−381.7≦S
【0008】また、前記(I)エチレン(共)重合体
は、さらに下記(F)の要件を満足することが望まし
い。 (F)メルトフローレート測定において、荷重を2.1
6kgとしたときの値と、荷重を10kgとしたときの
値との比(FR=10kg荷重時の値[g/10分]/
2.16kg荷重時の値[g/10分])が8以下 また、前記(I)エチレン(共)重合体は、さらに下記
(G)の要件を満足することが望ましい。 (G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以
上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在するこ
と また、前記(I)エチレン(共)重合体は、さらに下記
(H)の要件を満足することが望ましい。 (H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点
ピークが複数個存在すること
【0009】また、前記(I)エチレン(共)重合体
は、下記(i)〜(v)の組合せによる触媒の存在下に
エチレンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20
のα−オレフィンとを共重合させることにより得られた
ものであることが望ましい。 (i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化
合物(式中、R1、R2は個別に炭素数1〜24の炭化水
素基、X1 はハロゲン原子、M1 はZr、TiまたはH
fを示し、pおよびqはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦
4、0≦p+q≦4である) (ii)一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化
合物(式中、R3、R4は個別に炭素数1〜24の炭化水
素基、X2 はハロゲン原子、M2 は周期律表第I〜III
族元素、zはM2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ
0<m≦z、0≦n≦zで、しかも0<m+n≦zであ
る) (iii)下記に示す(a)から選択される少なくとも1
種、および(b)から選択される少なくとも1種の化合
物 (a)一般式C55 5 で表されるシクロペンタジエンお
よび/または置換シクロペンタジエン化合物(式中、R
5 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示
し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水
素基を形成することができる) (b)下記(b1)および/または(b2)の化合物 (b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペン
タジエン化合物(式中、R6 は個別に水素またはメチ
ル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦n≦3を示
す) (b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタ
ジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物(式中、R
7 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示
し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水
素基を形成することができる)が、アルキレン基(炭素
数1〜8)、アルキリデン基(炭素数2〜8)、シリレ
ン基またはアルキルシリレン基で架橋された化合物 (iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニウム化合
物 (v)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [(I)エチレン(共)重合体]本発明における(I)
エチレン(共)重合体は、エチレンの単独重合体、また
はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ば
れた一種以上との共重合体である。この炭素数3〜20
のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12
のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。ま
た、これらのα−オレフインの含有量は、合計で通常3
0モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択
されることが望ましい。
【0011】本発明における(I)エチレン(共)重合
体の(A)密度は、0.88〜0.97g/cm3 、好
ましくは0.89〜0.95g/cm3 である。さらに
好ましくは、0.89〜0.940g/cm3 である。
密度が0.88g/cm3 未満ではポリエチレン組成物
の剛性、耐熱性が劣り、0.97g/cm3 を超えると
ポリエチレン組成物の透明性、耐衝撃性が十分でない。
【0012】本発明における(I)エチレン(共)重合
体の(B)メルトフローレート(JIS K6922−
2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠、以下、MFR
と称す)は0.01〜100g/10分、好ましくは
0.05〜50g/10分の範囲にある。MFRが0.
01g/10分未満ではポリエチレン組成物の成形加工
性が不良となり、100g/10分を超えるとポリエチ
レン組成物の耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下す
る。
【0013】本発明における(I)エチレン(共)重合
体の(C)分子量分布Mw/Mnは1.5〜4.0であ
り、好ましくは1.8〜3.5の範囲にある。Mw/M
nが1.5未満ではポリエチレン組成物の成形加工性が
劣り、4.0以上ではポリエチレン組成物の耐衝撃性が
劣ったり、透明性が不十分になる。ここで、分子量分布
Mw/Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ
ー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)を求め、これらの比Mw/Mnを算出する
ことによって求めることができる。
【0014】本発明における(I)エチレン(共)重合
体は、(D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―
伸長粘度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ
硬化)が見られる。ここで、伸長粘度の立ち上がり(ひ
ずみ硬化)とは、図1に示すように、時間−伸長粘度曲
線の緩やかな勾配が、伸長ひずみがおよそ1〜2に到達
した時点で急勾配に変わる現象のことである。このひず
み硬化は伸長粘度測定の時間―伸長粘度曲線により測定
される。また、図2に示すように、伸長粘度の立ち上が
り(ひずみ硬化)がないエチレン(共)重合体を用いたポ
リエチレン組成物は、溶融張 力が低いため成形加工性
に劣る。
【0015】本発明において、エチレン(共)重合体の
伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)は、以下のようにし
て測定する。試料をプレス成形で幅5〜10mm、長さ
55〜70mm、厚さ1〜3mmのシートとし、このシ
ートを測定試料として用いて伸長粘度計により時間―伸
長粘度曲線を測定する。測定温度は、試料が溶融する温
度、通常は130℃(試料によっては150℃)とし、
ひずみ速度(sec-1)は0.1から1の間とし、ひず
み7まで伸長する。その時の時間−伸長粘度曲線におい
て伸長ひずみがおよそ1〜2に到達した時点から伸長粘
度の立ち上がり(ひずみ硬化)が存在することを確認す
る。
【0016】本発明における(I)エチレン(共)重合
体は、(E)連続昇温溶出分別法(TREF)による3
0℃以上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度9
0℃以上の成分の面積をS90、全ピークの面積をS
total としたときのS=100×S90/Stotal と密度
d(g/cm3 )が、d<0.910のときは、S≧
0.5であり、d≧0.910のときは、420×d−
381.7≦Sであることが必要である。Sがこの範囲
に有ることで、融点が高くなり、成形体の耐熱性、剛性
が向上する。ここで、溶出温度−溶出量曲線における面
積(S90、Stotal )とは、図3に示すように、特定の
温度範囲内(例えば、90℃以上)で溶出温度−溶出量
曲線を積分して得られる面積のことである。
【0017】本発明に関わるTREFの測定方法は下記
の通りである。耐熱安定剤を加えた試料をオルソジクロ
ロベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.05重量%と
なるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液5m
lを、ガラスビーズを充填したカラムに注入した後、
0.1℃/分の冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガ
ラスビーズ表面に沈着させる。次に、このカラムにOD
CBを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hr
の一定速度で昇温し、各温度において溶液に溶解可能な
試料を順次溶出させる。この際、溶剤中の試料濃度は、
赤外検出器でメチレンの非対称伸縮振動の波数2925
cm-1に対する吸収を測定することによって、連続的に
検出される。この濃度から、溶出温度−溶出量曲線を得
ることができる。TREF分析は、極少量の試料で温度
変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析できるた
め、分別法では検出できない比較的細かいピークの検出
が可能である。
【0018】本発明における(I)エチレン(共)重合
体は、さらに(F)メルトフローレート測定において、
荷重を2.16kgとしたときの値と荷重を10kgと
したときの値との比(FR=10kg荷重時の値[g/
10分]/2.16kg荷重時の値[g/10分])が
8以下であることが望ましい。このFRの値が8を超え
ると、ポリエチレン組成物の機械的強度が劣る。ここ
で、2.16kg荷重時のメルトフローレートおよび1
0kg荷重時のメルトフローレートは、JISK692
2−2 附属書 ポリエチレン試験法に準拠して測定さ
れる。
【0019】本発明における(I)エチレン(共)重合
体は、さらに下記(G)の要件を満足することが望まし
い。 (G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以
上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在するこ
と このピークが複数個存在することで、(I)エチレン
(共)重合体の融点が高くなり、また結晶化度が上昇す
るので、ポリエチレン組成物の耐熱性および剛性が向上
する。
【0020】本発明における(I)エチレン(共)重合
体は、さらに下記(H)の要件を満足することが望まし
い。 (H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点
ピークが複数個存在すること このピークが複数存在し、好ましくは、少なくとも11
0℃以上にピークもしくはショルダーが存在することに
より、ポリエチレン組成物の耐熱性と透明性のバランス
が良くなる。ここで、融点ピークは、示差走査型熱量計
(DSC)を用い、試料約5mgをアルミパンに詰め、
10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持し、10
℃/分で20℃まで降温して1分間保持した後、10℃
/分で昇温した際の吸熱曲線より求めることができる。
【0021】以下、本発明における(I)エチレン
(共)重合体の製造に用いられるオレフィン重合用触媒
(以下、触媒と称す)について具体的に説明する。本発
明における(I)エチレン(共)重合体は、前記特定の
要件を満足すれば、触媒、製造方法等は特に限定される
ものではないが、特に、以下に示す触媒が、優れた強
度、耐衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性を有し、成形
加工性、光学特性等が良好なエチレン(共)重合体を得る
ために好適に用いられる。本発明における(I)エチレ
ン(共)重合体の製造に好適に用いられる触媒は、前述
のとおり(i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表
される化合物(以下、成分(i)と称す)、(ii)一般
式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化合物(以
下、成分(ii)と称す)、(iii)(a)シクロペンタジ
エンおよび/または特定の置換シクロペンタジエン化合
物から選択される化合物および(b)特定の置換シクロ
ペンタジエン化合物および/または架橋されたシクロペ
ンタジエンから選択される化合物(以下、成分(iii)と
称す)、(iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニ
ウム化合物(以下、成分(iv)と称す)、(v)無機物
担体および/または粒子状ポリマー担体(以下、成分
(v)と称す)を相互に接触させることにより得られ
る。
【0022】上記成分(i)は、一般式M11 p(O
2q1 4-p-q で表される化合物である。式中におい
て、R1 およびR2 は炭素数1〜24、好ましくは1〜
12、さらに好ましくは1〜8の炭化水素基を示すもの
である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチ
ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、
イソヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのア
ルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;
ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、
ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェニルプロピ
ル基、ネオフィル基などのアラルキル基などが挙げられ
る。これらは分岐があってもよい。X1 はフッ素、ヨウ
素、塩素および臭素のハロゲン原子、M1 はZr、Ti
またはHfを示し、好ましくはZrである。p及びqは
それぞれ0≦p≦4、0≦q≦4、0≦p+q≦4であ
り、好ましくは0<p+q≦4である。
【0023】上記一般式で表される化合物としては、テ
トラメチルジルコニウム、テトラエチルジルコニウム、
テトラベンジルジルコニウム、テトラエトキシジルコニ
ウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシ
ジルコニウム、テトラブトキシチタン、テトラブトキシ
ハフニウムが好ましい。特に好ましくはテトラエトキシ
ジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、テトラ
ブトキシジルコニウムなどのZr(OR)4 化合物であ
る。これらの化合物は2種以上混合して用いることも可
能である。
【0024】上記成分(ii)は一般式M23 m(OR4
n2 z-m-n で表される化合物である。式中、M2 は周期
律表第I〜III 族元素のいずれかを示し、これにはリチ
ウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、亜鉛、ホウ素、アルミニウムなどが包含される。R
3 、R4 は炭素数1〜24、好ましくは1〜12、さら
に好ましくは1〜8の炭化水素基を示し、これにはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル
基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基などのア
リール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、ス
チリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、フェ
ニルプロピル基、ネオフィル基などのアラルキル基など
が包含される。これらは分岐があってもよい。X2 はフ
ッ素、ヨウ素、塩素又は臭素などのハロゲンを示す。z
はM2 の価数を示す。mは0<m≦z、nは0≦n≦z
で、しかも0<m+n≦zである。
【0025】成分(ii)としては、具体的には、トリエ
チルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウムが好ましい。これらの化合物は2
種以上混合して用いることも可能である。
【0026】上記成分(iii)は(a)一般式C55 5
表されるシクロペンタジエンおよび/または置換シクロ
ペンタジエン化合物(以下、成分(a)と称す)から選
択される少なくとも1種、および(b)下記(b1)お
よび/または(b2)の化合物から選択される少なくと
も1種の化合物(以下、成分(b)と称す)である。 (b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペン
タジエン化合物(以下、成分(b1)と称す) (b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタ
ジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物が、アルキ
レン基、アルキリデン基、シリレン基またはアルキルシ
リレン基で架橋された化合物(以下、成分(b2)と称
す)
【0027】上記成分(a)の式中、R5 は個別に水素
または炭素数1〜24、好ましく1〜12、さらに好ま
しくは1〜8の炭化水素基を示し、その炭化水素基の任
意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することがで
きる。R5 としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基、sec−ブチル、ペンチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル
基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの
アルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、イン
デニル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル基、
フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニ
ルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基などの
アラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があって
もよい。
【0028】具体的には、シクロペンタジエン、メチル
シクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、プロ
ピルシクロペンタジエン、イソプロピルシクロペンタジ
エン、ブチルシクロペンタジエン、t−ブチルシクロペ
ンタジエン、イソブチルシクロペンタジエン、sec−
ブチルシクロペンタジエン、1−メチル−3−プロピル
シクロペンタジエン、1−プロピル−3−メチルシクロ
ペンタジエン、1−メチル−3−ブチルシクロペンタジ
エン、2−エチル−5−イソプロピルシクロペンタジエ
ン、ヘキシルシクロペンタジエン、オクチルシクロペン
タジエン、ペンタメチルシクロペンタジエンなどの置換
シクロペンタジエン、インデン、2−メチルインデン、
4−メチルインデン、4,7−ジメチルインデン、4,
5,6,7−テトラハイドロインデンなどの置換インデ
ンなどが挙げられる。この中で好ましい化合物としては
シクロペンタジエン、ブチルシクロペンタジエン、1−
メチル−3−プロピルシクロペンタジエン、インデンな
どが挙げられる。これらの化合物は2種以上混合して用
いることも可能である。
【0029】上記成分(b1)の式中、R6 は個別に水
素またはメチル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦
n≦3を示す。具体的には、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエン、1−メチル−3−エチルシクロペンタジエ
ン、2−メチル−4−エチルシクロペンタジエン、1−
メチル−3−フェニルシクロペンタジエン、2−メチル
−4−フェニルシクロペンタジエン、1−エチル−3−
フェニルシクロペンタジエン、2−エチル−4−フェニ
ルシクロペンタジエン、1,2,3−トリメチルシクロ
ペンタジエン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジ
エン、1,2,3−トリエチルシクロペンタジエン、
1,2,4−トリエチルシクロペンタジエン、1,5−
ジメチル−4−エチルシクロペンタジエン、2,5−ジ
メチル−3−エチルシクロペンタジエンなどが挙げられ
る。これらの化合物の中で1,3−ジメチルシクロペン
タジエン、1−メチル−3−エチルシクロペンタジエ
ン、1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエン、
1,2,4−トリメチルシクロペンタジエンが特に好ま
しい。これらの化合物は2種以上混合して用いることも
可能である。
【0030】上記成分(b2)の式中、R7 は個別に水
素または炭素数1〜24、好ましく1〜12、さらに好
ましくは1〜8の炭化水素基を示し、その炭化水素基の
任意の2つは共同して環状炭化水素基を形成することが
できる。具体的に、R7 はメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、te
rt−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基など
のアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル
基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、
インデニル基などのアリール基;ベンジル基、トリチル
基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フ
ェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィル基な
どのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があ
ってもよい。また炭化水素基の隣接する2つは共同して
環状炭化水素基を形成することができる。
【0031】架橋部のアルキレン基は、通常、炭素数1
〜8、好ましくは1〜3であり、具体的にはメチレン
基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、デシル基などが挙げられる。特に、メチレン基、
エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基が好まし
い。また、同じく架橋部のアルキリデン基としては、通
常、炭素数2〜8、好ましくは2〜3であり、エチリデ
ン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などが挙げ
られる。また、架橋部のシリレン基およびアルキルシリ
レン基とは、一般式R89Siで示される基である。こ
こでR8、R9は個別に水素または炭素数1〜24、好ま
しくは1〜12、さらに好ましく1〜8のアルキル基、
アルケニル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素
基を示す。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、
シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアル
キル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニ
ル基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリ
チル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル
基、フェニルブチル基、フェニルプロピル基、ネオフィ
ル基などのアラルキル基などが挙げられる。これらは分
岐があってもよい。
【0032】成分(b2)としては、具体的には、エチ
レンビスシクロペンタジエン、エチレンビスプロピルシ
クロペンタジエン、エチレンビスブチルシクロペンタジ
エン、イソプロピリデンビスシクロペンタジエン、エチ
レンビスインデン、イソプロピリデンビスインデン、イ
ソプロピリデンビスプロピルシクロペンタジエン、イソ
プロピリデンビスブチルシクロペンタジエン、ビスイン
デニルエタン、ビス(4,5,6,7−テトラハイドロ
−1−インデニル)エタン、1,3−プロパンジエニル
ビスインデン、1,3−プロパンジエニルビス(4,
5,6,7−テトラハイドロ)インデン、プロピレンビ
ス(1−インデン)、イソプロピリデン(1−インデニ
ル)シクロペンタジエン、ジフェニルメチレン(9−フ
ルオレニル)シクロペンタジエン、イソプロピリデンシ
クロペンタジエニル−1−フルオレン、ジメチルシリレ
ンビスシクロペンタジエン、ジメチルシリレンビスイン
デン、ジメチルシリレンビスプロピルシクロペンタジエ
ン、ジメチルシリレンビスブチルシクロペンタジエン、
ジフェニルシリレンビスシクロペンタジエン、ジフェニ
ルシリレンビスインデン、ジフェニルシリレンビスプロ
ピルシクロペンタジエン、ジフェニルシリレンビスブチ
ルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくは、
エチレンビスシクロペンタジエン、エチレンビスブチル
シクロペンタジエン、イソプロピリデンビスシクロペン
タジエン、エチレンビスインデン、イソプロピリデンビ
スインデン、ジメチルシリレンビスシクロペンタジエ
ン、ジメチルシリレンビスインデンが挙げられる。これ
らの化合物は2種以上混合して用いることも可能であ
る。
【0033】上記成分(iv)の有機アルミニウム化合物
は、分子中にAl−O−Al結合を含むものであり、そ
の結合数は、通常1〜100、好ましくは1〜50個で
あることが望ましい。このような有機アルミニウム化合
物は、通常有機アルミニウム化合物と水との反応するこ
とにより得られる生成物(変性有機アルミニウム化合
物)である。
【0034】変性有機アルミニウム化合物の調製に用い
る有機アルミニウム化合物は、一般式R10 cAlX3 3-c
(式中、R10は炭素数1〜18、好ましくは1〜12の
アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基
等の炭化水素基、X3 は水素原子またはハロゲン原子を
示し、cは0<c≦3を示す)で表される化合物がいず
れも使用可能であるが、好ましくは、トリアルキルアル
ミニウムが使用される。トリアルキルアルミニウムのア
ルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれ
でも差し支えないが、メチル基であることが特に好まし
い。
【0035】有機アルミニウムと水との反応は、通常、
不活性炭化水素中で行われる。不活性炭化水素としては
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が
使用できるが、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素を
使用することが好ましい。水と有機アルミニウム化合物
との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1〜1.
2/1、特に、0.5/1〜1/1であることが好まし
く、反応温度は通常−70〜100℃、好ましくは−2
0〜20℃の範囲である。反応時間は通常、5〜24時
間、好ましくは10〜5時間の範囲で選ばれる。反応に
要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、
硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中
に水が生成しうる成分も利用することもできる。ここ
で、上記変性有機アルミニウム化合物のうち、アルキル
アルミニウムと水とを反応させて得られるものは、通
常、アルミノキサンと呼ばれ、特にメチルアルミノキサ
ン(もしくはメチルアルミノキサンから実質的になるも
の)は、本発明における触媒の成分(iv)として好適で
ある。
【0036】もちろん、本発明に係る触媒の成分(iv)
として、上記変性有機アルミニウム化合物の2種以上を
組み合わせて使用することもでき、また上記変性有機ア
ルミニウム化合物を前述の不活性炭化水素溶媒に溶解さ
せた溶液、または分散させた分散液としたものを用いて
も良い。
【0037】上記成分(v)は、無機物担体および/ま
たは粒子状ポリマー担体である。成分(v)の無機物担
体は、本発明における触媒を調製する段階において、本
来の形状を保持している限り、粉末状、粒状、フレーク
状、箔状、繊維状などいずれの形状であっても差し支え
ないが、いずれの形状であっても、最大長は通常5〜2
00μm、好ましくは10〜100μmの範囲のものが
適している。また、無機物担体は多孔性であることが好
ましく、通常、その表面積は50〜1000m2 /g、
細孔容積は0.05〜3cm3 /gの範囲である。本発
明に係る触媒の無機物担体としては、炭素質物、金属、
金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混
合物が使用可能であり、これらは通常200〜900℃
で空気中または窒素、アルゴンなどの不活性ガス中で焼
成して用いられる。
【0038】該無機物担体に用いることができる好適な
金属としては、鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げ
られる。また、金属酸化物としては周期律表I〜VIII族
の単独酸化物または複合酸化物が挙げられ、具体的には
SiO2 、Al23、MgO、CaO、B23、TiO
2 、ZrO2 、Fe23、SiO2−Al23 、Al 2
3−MgO、Al23−CaO、Al23−MgO−
CaO、Al23−MgO−SiO2 、Al23−Cu
O、Al23−Fe23、Al23−NiO、SiO2
−MgO などが挙げられる。ここで、酸化物で表示し
た上記式は分子式ではなく、組成のみを示すものであ
る。つまり、本発明において用いられる複酸化物の構造
および成分比率は、特に限定されるものではない。ま
た、本発明において用いる金属酸化物は、少量の水分を
吸着していても差し支えなく、少量の不純物を含有して
いても差し支えない。
【0039】金属塩化物としては、例えば、アルカリ金
属、アルカリ土類金属の塩化物が好ましく、具体的には
MgCl2 、CaCl2 などが特に好適である。金属炭
酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸
塩が好ましく、具体的には、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。炭素質物質
としてはたとえばカーボンブラック、活性炭などが挙げ
られる。以上の無機担体は、いずれも本発明に好適に用
いられることができるが、特に金属酸化物のシリカ、ア
ルミナなどの使用が好ましい。
【0040】一方、成分(v)の粒子状ポリマー担体と
しては、触媒調製時および重合反応時において、溶融な
どせずに固体状を保つものである限り、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂のいずれもが使用でき、その粒径は通常5
〜2000μm、好ましくは10〜100μmの範囲の
ものが望ましい。これらの粒子状ポリマー担体の分子量
は、当該ポリマーが触媒調製時および重合反応時におい
て固体状物質として存在できる程度であれば、特に限定
されることはなく、低分子量のものから超高分子量のも
のまで任意に使用可能である。具体的には、粒子状のエ
チレン重合体、エチレン(共)重合体、プロピレン重合
体または共重合体、ポリブテン−1などで代表される各
種のポリオレフィン(α−オレフィンの炭素数は好まし
くは2〜12)、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの
混合物等が挙げられる。
【0041】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
化合物などに接触処理させた後に成分(v)として用い
ることもできる。
【0042】本発明に係るオレフィン類重合用触媒は、
前述の通り、成分(i)〜成分(v)を相互に接触する
ことにより得られるが、これらの成分の接触順序は特に
限定されない。例えば、以下の1)〜18)ような方法
で各成分を接触させて本発明に係る触媒を得ることがで
きる。 1)成分(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)を同
時に加える方法。 2)成分(i)、(ii)、(iii)、(iv)を同時に接触
させ、次いで成分(v)を接触させる方法。(以下、同
時に接触させる場合を{}で、順次接触させる場合を→
で表す。例えば、2)の場合は{(i)(ii)(iii)
(iv)}→(v)となる) 3){(i)(ii)(iii)}→(iv)→(v) 4){(i)(ii)(iii)}→(v)→(iv) 5){(i)(ii)(iii)}→{(iv)(v)} 6){(i)(iii)(iv)}→(ii)→(v) 7){(i)(iii)(iv)}→(v)→(ii) 8){(i)(iii)(iv)}→{(ii)(v)} 9){(i)(v)}→{(ii)(iii)}→(iv) 10){(i)(iii)}→(ii)→(iv)→(v) 11){(i)(iii)}→(iv)→(ii)→(v) 12){(i)(iii)}→{(ii)(iv)}→(v) 13){(i)(ii)}→(iii)→(iv)→(v) 14){(i)(ii)}→(iv)→(iii)→(v) 15){(i)(ii)}→{(iv)(iii)}→(v) 16){(i)(iv)}→(ii)→(iii)→(v) 17){(i)(iv)}→(iii)→(ii)→(v) 18){(i)(iv)}→{(ii)(iii)}→(v) これらの接触方法の中でも、3)、4)、5)、10)
の方法が好ましく用いられる。なお、上記成分(iii)の
成分(a)および成分(b)は、他の成分と同時に接触
させてもよいし、逐次接触させてもよい。
【0043】成分(i)〜(v)を接触させる方法とし
ては、通常、窒素またはアルゴンなどの不活性雰囲気
中、一般にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼンなどの芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、デカ
ン、ドデカン、シクロヘキサンなどの脂肪族、あるいは
脂環族炭化水素等の液状不活性炭化水素の存在下、攪拌
下または非攪拌下に、成分(i)〜(v)を接触させる
方法が用いられる。特に、成分(i)〜(iv)が可溶な
溶媒、すなわちベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼンなどの芳香族炭化水素中で行うことが好まし
い。この接触は、通常、−100〜200℃、好ましく
は−50〜150℃の温度にて、5分〜250時間、好
ましくは30分〜24時間行うことが望ましい。
【0044】成分(i)〜(v)の接触に際しては、上
記した通り、ある種の成分が可溶な芳香族炭化水素溶媒
と、ある種の成分が不溶ないしは難溶な脂肪族または脂
環族炭化水素溶媒とがいずれも使用可能であるが,特
に、成分(i)〜(iv)が可溶な芳香族炭化水素を溶媒
として使用することが望ましい。そして、各成分同士の
接触反応を段階的に行う場合にあっては、前段で用いた
可溶性の芳香族炭化水素溶媒を何等除去することなく、
これをそのまま後段の接触反応の溶媒に用いてもよい。
また、可溶性の芳香族炭化水素溶媒を使用した前段の接
触反応後、ある種の成分が不溶もしくは難溶な液状不活
性炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、デカン、ド
デカン、シクロヘキサンなどの脂肪族あるいは脂環族炭
化水素)を添加して、所望生成物を固形物として取り出
した後に、この所望生成物の後段の接触反応を、上記し
た不活性炭化水素溶媒のいずれかを使用して実施するこ
ともできる。本発明では各成分の接触反応を複数回行う
ことを妨げない。
【0045】成分(i)〜(v)の使用割合は、成分
(i)1モルに対して、成分(ii)を0.01〜100
0モル、好ましくは0.1〜100モル、さらに好まし
くは0.5〜50モルの割合で、成分(iii)を通常0.
01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モル、
さらに好ましくは0.5〜50モルの割合で、成分(i
v)を1〜10,000モル、好ましくは5〜1000
モル、さらに好ましくは10〜500モルの割合で調製
することが望ましい。また、成分(v)の使用割合は、
成分(v)1gに対し、成分(i)が0.0001〜5
ミリモル、好ましくは0.001〜0.5ミリモルさら
に好ましくは0.01〜0.1ミリモルの割合とするの
が望ましい。成分(iii)の(a)成分と(b)成分のモ
ル比((a)成分/(b)成分)は、0.1〜10、好
ましくは0.2〜5、さらに好ましくは0.3〜3とす
ることが望ましい。
【0046】本発明における(I)エチレン(共)重合
体の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造
され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるもの
ではないが、物性と経済性等のバランスの点から気相法
で製造されることが望ましい。
【0047】[(II)他のエチレン(共)重合体]本発
明における(II)他のエチレン(共)重合体(以下、
(II)エチレン共重合体と称す)とは、前記(I)エチ
レン(共)重合体以外のエチレン(共)重合体であっ
て、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度
ポリエチレン(HDPE)を包含するものである。これ
らポリエチレンは、一般的には、チーグラー型、フィリ
ップスまたはメタロセン系等の触媒を用いて、低・中・
高圧法で製造される。
【0048】本発明における(II)エチレン(共)重合
体は、エチレンの単独重合体、またはエチレンと炭素数
3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共
重合体である。この炭素数3〜20のα−オレフィンと
しては、好ましくは3〜12のものであり、具体的には
プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフインの
含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20
モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0049】本発明における(II)エチレン(共)重合
体の密度は、特に限定はされないが、好ましくは0.8
8〜0.97g/cm3 、より好ましくは0.89〜
0.96g/cm3 、さらに好ましくは0.90〜0.
95g/cm3 の範囲である。密度が0.88g/cm
3 未満では、ポリエチレン組成物の剛性、耐熱性が劣
り、0.97g/cm3 を超えると、ポリエチレン組成
物の透明性、耐衝撃性が十分ではない。
【0050】本発明における(II)エチレン(共)重合
体のMFRは、特に限定はされないが、好ましくは0.
01〜100g/10分、より好ましくは0.05〜5
0g/10分の範囲である。MFRが0.01g/10
分未満では、ポリエチレン組成物の成形加工性が不良と
なり、100g/10分を超えるとポリエチレン組成物
の耐衝撃性、引張強度等の機械強度が低下する。
【0051】本発明における(II)エチレン(共)重合
体の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造
され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるもの
ではない。また、重合の触媒系としては、通常のチーグ
ラー型触媒、メタロセン触媒などが挙げられるが、特に
限定されるものではない。
【0052】[ポリエチレン組成物]本発明のポリエチ
レン組成物における、前記(I)エチレン(共)重合体
と(II)エチレン(共)重合体との配合割合は、(I)
エチレン(共)重合体が99〜5重量%、(II)エチレ
ン(共)重合体が1〜95重量%である。好ましくは、
(I)エチレン(共)重合体が95〜20重量%、(I
I)エチレン(共)重合体が5〜80重量%、より好ま
しくは、(I)エチレン(共)重合体が95〜50重量
%、(II)エチレン(共)重合体が5〜50重量%であ
る。上記配合割合で(II)エチレン(共)重合体を
(I)エチレン(共)重合体に配合することによって、
機械的強度などの機械物性や耐熱性が向上する。
【0053】本発明のポリエチレン組成物を得る場合
は、各重合体を種々の公知の方法、たとえばヘンシェル
ミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラ
ーミキサーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸
押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーな
どで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を取り得
る。
【0054】本発明のポリエチレン組成物は、強度、耐
衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、成形加工性、光学
特性、脂成分の低溶出性、ヒートシール性、ホットタッ
ク性等が良好であり、特に、機械物性、耐熱性に優れ
る。また、触媒の選択により、本発明のポリエチレン組
成物は、ハロゲンを少なくすることも可能である。そし
て、フイルム、シート、ラミネート成形体、パイプ、中
空成形体、射出成形体として用いられる際に有効なもの
である。
【0055】本発明のポリエチレン組成物には、本発明
の特性を本質的に損なわない範囲において、必要に応じ
て酸化防止剤はもちろんのこと、造核剤、滑剤、帯電防
止剤、顔料、防曇剤、紫外線吸収剤、難燃剤、分散剤等
の公知の添加剤を添加することができる。さらに、本発
明の特性を本質的に損なわない範囲において、他の熱可
塑性樹脂、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィンとブレンドして使用することもでき
る。
【0056】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
【0057】[物性試験法]本実施例にて行った試験法
を以下に示す。 (密度)JIS K6922−2 附属書 ポリエチレ
ン試験法に準拠した。 (MFR)JIS K6922−2 附属書 ポリエチ
レン試験法に準拠した。 (Mw/Mn)GPC(ウォータース社製150C型)
を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カ
ラムには東ソーのGMHHR−H(S)を使用し、検出器
には示差屈折計を使用した。
【0058】(ひずみ硬化)エチレン(共)重合体をプ
レス成形で幅5〜10mm、長さ55〜70mm、厚さ
1〜3mmのシートとし、このシートを測定試料として
用いてRheometricScientific社製のRME伸長粘度計に
より時間−伸長粘度曲線を測定した。測定温度は、試料
が溶融する温度(130℃)とし、ひずみ速度(sec
-1)は0.1から1の間とし、ひずみ7まで伸長した。
その時の時間−伸長粘度曲線において伸長後期に伸長粘
度の立ち上がり(ひずみ硬化)が存在するかどうかを確認
した。
【0059】(TREF)耐熱安定剤(BHT)を加え
たエチレン(共)重合体を135℃のODCBに溶解し
て、0.05重量%の試料を得た。カラムを140℃に
保って試料5mlを注入して0.1℃/分で25℃まで
冷却し、ポリマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カ
ラムを下記条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー
濃度を赤外検出器で検出した。 溶媒:ODCB、流速:1ml/分、昇温速度:50℃
/hr、検出器:赤外分光器(波長2925cm-1)、
カラム:0.8cmφ×12cmL(ガラスビーズを充
填) (DSCによる融点ピークの測定)パーキンエルマー社
製のDSC−7を用い、試料約5mgをアルミパンに詰
め、10℃/分で200℃まで昇温して5分間保持し、
10℃/分で20℃まで降温して1分間保持した後、1
0℃/分で昇温した際の吸熱曲線より求めた。
【0060】(常温ODCB可溶分量)25℃における
ODCB可溶分量は、エチレン(共)重合体に含まれる
高分岐度成分および低分子量成分の割合を示すものであ
り、耐熱性の低下や成形品表面のベタツキの原因となる
ため、少ないことが好ましい。この25℃におけるOD
CB可溶分量は、下記の方法により測定した。すなわ
ち、試料0.5gを20mlのODCBに加え、135
℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、25℃ま
で冷却した。この溶液を25℃で一週間放置後、テフロ
ン製フィルターでろ過してろ液を採取した。赤外分光器
により、試料溶液であるろ液におけるメチレンの非対称
伸縮振動の波数2925cm-1付近の吸収ピーク強度を
測定し、あらかじめ作成した検量線により、ろ液中の試
料濃度を算出した。この値より、25℃におけるODC
B可溶分量を求め、以下の基準で評価した。 ○:ODCB可溶分量少ない、×:ODCB可溶分量多
【0061】(インフレーション成形安定性、フィルム
の腰)ポリエチレン組成物を空冷式インフレーション成
形法により以下の条件でフィルムとしたときのインフレ
ーション成形安定性、フィルムの腰を以下の基準で評価
した。 <インフレーション成形安定性> ◎:バブル安定性良好、○:成形可能、×:成形不良
(メルトフラクチャー等が発生) <フィルムの腰> ◎:強い(10〜7)、○:やや強い(6〜4)、×:
柔らかい(3〜1) <成形条件>プラコー製押出機:スクリュー径55mm
φ、ダイス:100mmφ、成形温度:140〜180
℃、フィルム幅:314mm、ブロー比:2.0、厚
み:30μm
【0062】[エチレン共重合体PE1] (固体触媒成分の調製)300mlの三ツ口フラスコ
に、精製したトルエン100ml、ジルコニウムテトラ
プロポキシド(Zr(OPr)4 )0.65g、インデ
ン1.8g、1,3−ジメチルシクロペンタジエン1.
5gを加えて90℃に加熱した。ここに1mmol/m
lのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液16m
lを60分かけて加え、添加後、同温度で1時間攪拌を
続けた。その後、室温に冷却し、メチルアルモキサンの
トルエン溶液(濃度2.5mmol/ml)を80ml
添加し、室温で2時間攪拌した。この溶液のZr濃度は
0.01mmol/mlであった。別の300mlの三
ツ口フラスコにシリカ(デビソン#952、表面積30
0m2 /g)10gを入れ、150℃で2時間減圧乾燥
した後、精製したトルエン100mlおよび上記溶液4
0mlを加え、次いで室温で2時間攪拌した後、窒素ブ
ローにて乾燥し、流動性のある触媒粉末を得た。
【0063】(エチレン共重合体の合成)気相重合装置
として、攪はん機を備えたステンレス製オートクレーブ
を用い、これにブロワー、流量調節器および乾式サイク
ロンで形成されたループを取り付けた。オートクレーブ
の温度は、ジャケットに温水を流すことによって調節し
た。85℃に調節したオートクレーブに上記固体触媒成
分およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.
1mmol/ml)をそれぞれ300mg/hrおよび
3ml/hrの速度で供給し、また、オートクレーブ気
相中の1−ブテン/エチレンモル比を0.07に、ま
た、水素/エチレンモル比0.0002になるように調
製しながら各々のガスを供給し、全圧を8kg/cm2
Gに保ちながらブロワーにより系内のガスを循環させ、
生成ポリマーを間欠的に抜き出しながら24時間の連続
重合を行った。得られたエチレン共重合体(PE1)
は、MFR1.7g/10分、密度0.924g/cm
3 であった。エチレン共重合体(PE1)の物性を表1
に示した。
【0064】[エチレン共重合体PE2]重合温度を8
0℃とし、1−ブテンの代わりに1−ヘキセンを用い、
1−ヘキセン/エチレンモル比を0.03に、また水素
/エチレンモル比を0.0002にした以外は、実施例
1と同様に気相重合を行った。得られたエチレン共重合
体(PE2)は、MFR2.0g/10分、密度0.9
23g/cm3 であった。エチレン共重合体(PE2)
の物性を表1に示した。
【0065】[エチレン共重合体PE3] (固体触媒成分の調製)300mlの三ツ口フラスコ
に、精製したトルエン150mlと、ビスインデニルジ
ルコニウムジクロリドのトルエン溶液(濃度1mmol
/ml)2.0mlとメチルアルミノキサンのトルエン
溶液(濃度1mmol/ml)200mlを加え、室温
で1時間反応させた。次に窒素下で撹拌機付き1.5L
三ツ口フラスコにあらかじめ400℃で5時間焼成した
シリカ(デビソン#952、表面積300m2 /g)5
0gを加え、前記溶液の全量を添加し室温で2時間撹拌
した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性のよ
い固体触媒を得た。
【0066】(エチレン共重合体の合成)実施例1と同
様の気相重合装置を用い、75℃に調節したオートクレ
ーブに上記固体触媒成分およびトリエチルアルミニウム
のヘキサン溶液(0.1mmol/ml)をそれぞれ3
00mg/hrおよび3ml/hrの速度で供給し、ま
たオートクレーブ気相中の1−ブテン/エチレンモル比
を0.09に、また水素/エチレンモル比0.0003
になるように調製しながら各々のガスを供給し、全圧を
8kg/cm2 Gに保ちながらブロワーにより系内のガ
スを循環させ、生成ポリマーを間欠的に抜き出しながら
24時間の連続重合を行った。得られたエチレン共重合
体(PE3)は、MFR3.0g/10分、密度0.9
15g/cm3 であった。エチレン共重合体(PE3)
の物性を表1に示した。
【0067】[エチレン共重合体PE4]市販のチーグ
ラー触媒によるLLDPE(PE4と称す、コモノマ
ー:1−ブテン、MFR2.0g/10min、密度
0.923g/cm3 )の物性を表1に示した。
【0068】[エチレン共重合体PE5]AFFINITY FM1
570 (ダウ・ケミカル社製)を用いた。エチレン共重合
体(PE5)の物性を表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】[(II)エチレン(共)重合体]エチレン
と1−ヘキセンをチーグラー系触媒により重合し、以下
に示す物性のエチレン共重合体(PE6、PE7)を得
た。 ・エチレン共重合体(PE6):密度0.926g/c
3 、MFR0.70g/10分 ・エチレン共重合体(PE7):密度0.950g/c
3 、MFR0.90g/10分
【0071】[実施例1]エチレン共重合体(PE1)
95重量%と、エチレン共重合体(PE6)5重量%と
をタンブラミキサーを用いてドライブレンドし、インフ
レーション成形を行った。ポリエチレン組成物のDSC
による融点を測定し、得られたフィルムについて、イン
フレ成形安定性、フィルムの腰を評価した。結果を表2
に示す。
【0072】[実施例2〜4]エチレン共重合体の種類
と配合割合、および高圧ラジカル法ポリエチレンの種類
と配合割合を表2に示すように変更した以外は、実施例
1と同様に行った。結果を表2に示す。
【0073】[比較例1]エチレン共重合体(PE3)
のみを用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を
表2に示す。
【0074】[比較例2〜3]エチレン共重合体の種類
を変更した以外は、比較例1と同様に行った。結果を表
2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】表2に示した結果から、実施例1〜4のポ
リエチレン組成物は、通常のメタロセン触媒によって得
られたエチレン共重合体PE3(比較例1)よりもイン
フレーション成形安定性、耐熱性に優れ、フィルムに腰
があり、機械的強度に優れていた。また、通常のチーグ
ラー型触媒によって得られたエチレン共重合体PE4
(比較例2)よりもインフレーション成形安定性に優
れ、ODCB可溶分量も少なかった。また、通常のメタ
ロセン触媒によって得られた長鎖分岐系のエチレン共重
合体PE5(比較例3)よりも耐熱性に優れ、フィルム
に腰があり、機械的強度に優れていた。特に、(II)エ
チレン(共)重合体のブレンド比を高めた実施例3のポ
リエチレン組成物は、成形加工性が若干下がるものの、
耐熱性に優れ、フィルムに腰があり、機械的強度がかな
り向上した。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリエチ
レン組成物は、(I)前記(A)〜(E)の特定の要
件、特に、分子量分布が狭く、TREF測定による高温
溶出分が一定量存在し、定ひずみ速度による伸長粘度測
定の時間―伸長粘度曲線において伸長粘度の立ち上がり
(ひずみ硬化)がおこるという要件を満たしているエチ
レン(共)重合体99〜5重量%と、(II)他のエチレ
ン(共)重合体1〜95重量%を有するので、強度、耐
衝撃性、剛性等の機械物性、耐熱性、成形加工性、光学
特性等が良好で、特に、強度、耐衝撃性、剛性等の機械
物性、耐熱性に優れる。また、触媒の選択により、本発
明のポリエチレン組成物は、ハロゲンを少なくすること
も可能である。このようなポリエチレン組成物は、射出
成形、中空成形、フィルム・シート成形、ラミネート成
形に適し、各種容器、蓋、瓶、パイプ、フィルム、シー
ト、包装材、ラミネート成形体などに好適に用いられ
る。
【0078】また、前記(I)エチレン(共)重合体
が、さらに前記(F)の要件を満足する場合、機械的強
度がさらに向上する。また、前記(I)エチレン(共)
重合体が、さらに前記(G)〜(H)の要件を満足する
場合、耐熱性および剛性が向上し、耐熱性と透明性のバ
ランスが良くなる。また、前記(i)〜(v)の組合せ
による触媒の存在下にエチレンを単独重合、またはエチ
レンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させ
ることにより得られた(I)エチレン(共)重合体を用
いることによって、強度、耐衝撃性、剛性等の機械物
性、耐熱性、成形加工性、光学特性等が良好なポリエチ
レン組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ひずみ硬化のあるエチレン(共)重合体の時
間−伸長粘度曲線の一例を示すグラフである。
【図2】 ひずみ硬化のないエチレン(共)重合体の時
間−伸長粘度曲線の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明における(I)エチレン(共)重合体
のTREFによる溶出温度−溶出量曲線の一例を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江頭 俊昭 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社川崎研究所 内 Fターム(参考) 4J002 BB03W BB03X BB05W BB05X BB15W BB15X GF00 GG01 GG02 GL00 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC04A AC05A AC06A AC07A AC09A AC24A AC25A AC27A BA01A BA01B BB01A BB01B BC01A BC03A BC08A BC11A BC14A BC15A BC25A BC26A CA03A CA14A CA16A CA25A CA26A CA27A CA28A CA29A CA30A CA38A CB03A CB08A CB09A CB15A EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EC01 EC02 GA06 GA07 GA08 GA19 GA26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)エチレンを単独重合、またはエチ
    レンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合させ
    ることにより得られ、下記(A)〜(E)の要件を満足
    するエチレン(共)重合体99〜5重量%と、(II)他
    のエチレン(共)重合体1〜95重量%とを有すること
    を特徴とするポリエチレン組成物。 (A)密度が0.88〜0.97g/cm3 (B)メルトフローレート(MFR)が0.01〜10
    0g/10分 (C)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.0 (D)定ひずみ速度による伸長粘度測定の時間―伸長粘
    度曲線において、伸長粘度の立ち上がり(ひずみ硬化)
    がおこること (E)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以
    上の溶出温度−溶出量曲線において、溶出温度90℃以
    上の成分の面積をS90、全ピークの面積をSto tal とし
    たときのS=100×S90/Stotal と密度d(g/c
    3 )が下記式の関係を満たすこと d<0.910のとき S≧0.5 d≧0.910のとき 420×d−381.7≦S
  2. 【請求項2】 前記(I)エチレン(共)重合体が、さ
    らに下記(F)の要件を満足することを特徴とする請求
    項1記載のポリエチレン組成物。 (F)メルトフローレート測定において、荷重を2.1
    6kgとしたときの値と、荷重を10kgとしたときの
    値との比(FR=10kg荷重時の値[g/10分]/
    2.16kg荷重時の値[g/10分])が8以下
  3. 【請求項3】 前記(I)エチレン(共)重合体が、さ
    らに下記(G)の要件を満足することを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のポリエチレン組成物。 (G)連続昇温溶出分別法(TREF)による30℃以
    上の溶出温度−溶出量曲線のピークが複数個存在するこ
  4. 【請求項4】 前記(I)エチレン(共)重合体が、さ
    らに下記(H)の要件を満足することを特徴とする請求
    項1ないし3いずれか一項に記載のポリエチレン組成
    物。 (H)示差走査型熱量計(DSC)により測定した融点
    ピークが複数個存在すること
  5. 【請求項5】 前記(I)エチレン(共)重合体が、下
    記(i)〜(v)の組合せによる触媒の存在下にエチレ
    ンを単独重合、またはエチレンと炭素数3〜20のα−
    オレフィンとを共重合させることにより得られたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項に
    記載のポリエチレン組成物。 (i)一般式M11 p(OR2q1 4-p-q で表される化
    合物(式中、R1、R2は個別に炭素数1〜24の炭化水
    素基、X1 はハロゲン原子、M1 はZr、TiまたはH
    fを示し、pおよびqはそれぞれ0≦p≦4、0≦q≦
    4、0≦p+q≦4である) (ii)一般式M23 m(OR4n2 z-m-n で表される化
    合物(式中、R3、R4は個別に炭素数1〜24の炭化水
    素基、X2 はハロゲン原子、M2 は周期律表第I〜III
    族元素、zはM2 の価数を示し、mおよびnはそれぞれ
    0<m≦z、0≦n≦zで、しかも0<m+n≦zであ
    る) (iii)下記に示す(a)から選択される少なくとも1
    種、および(b)から選択される少なくとも1種の化合
    物 (a)一般式C55 5 で表されるシクロペンタジエンお
    よび/または置換シクロペンタジエン化合物(式中、R
    5 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示
    し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水
    素基を形成することができる) (b)下記(b1)および/または(b2)の化合物 (b1)一般式C5n6 5-nで表される置換シクロペン
    タジエン化合物(式中、R6 は個別に水素またはメチ
    ル、エチル、フェニル基を示し、nは1≦n≦3を示
    す) (b2)一般式C57 5 で表される2個のシクロペンタ
    ジエンまたは置換シクロペンタジエン化合物(式中、R
    7 は個別に水素または炭素数1〜24の炭化水素基を示
    し、その炭化水素基の任意の2つは共同して環状炭化水
    素基を形成することができる)が、アルキレン基(炭素
    数1〜8)、アルキリデン基(炭素数2〜8)、シリレ
    ン基またはアルキルシリレン基で架橋された化合物 (iv)Al−O−Al結合を含む有機アルミニウム化合
    物 (v)無機物担体および/または粒子状ポリマー担体
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