JP2004059761A - ポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路材料並びに光導波路 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路用材料並びに光導波路に関するものである。更に詳しくは、レーザー光などを低損失で結合伝送するプラスチック光導波路を用いたインターコネクション・光通信デバイス等に好適で、耐熱性、電気特性、機械特性及び物理特性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路用材料並びに光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光導波路材料としては、ガラス(石英)やプラスチックなどの材料が検討されている。そのうち、石英で構成した光導波路は、低損失および高耐熱性などの利点を有するため、光ファイバーや光インターコネクション・光通信デバイスなどの分野において、数多く検討され実際に利用されている。
【0003】
一方、プラスチックで構成された光導波路は、石英光導波路よりも作成および大面積化が容易であり、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートおよび紫外線硬化型樹脂などのポリマーを用いたプラスチック光導波路が検討されている。
【0004】
しかしながら、上記した従来の石英光導波路では、作製に長い工程を要するため、本質的に低価格化は困難である。また、製作プロセスにおいて、1000℃前後の高熱処理を要するため、電気回路基板との融合性が悪い上、大面積化が困難である問題があった。
【0005】
また、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートもしくは紫外線硬化型樹脂で構成したプラスチック光導波路では、その構成材料の耐熱性は、100℃前後であるため使用環境が限定されると共に、実装回路として組み込むためには、数百度のハンダ工程を通過することが必要となり、電気回路基板との融合性が悪くなるという問題があった。
【0006】
また、プラスチック材料でありながら、300℃以上の耐熱性を有するポリイミドをプラスチック光導波路に用いようとする試みも、一部でなされているが、現状のポリイミドでは、その特異な分子構造のため、構造に起因する吸収による光損失がはなはだ大きく、光導波路には適さないという問題があった。また、ポリイミド樹脂において、その構造から結晶性の高い樹脂では、導波路における膜厚になると、その結晶性の高さから膜が脆くなる場合や、屈折率が変化する場合や、その弾性率の高さから、製造過程で反りが生じるなどの問題があり、これらの問題に対応することができる樹脂からなる光導波路用材料が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、電気特性、耐熱性、低吸水性、及び透明性等の諸特性を劣化させることなく、低弾性率を有するポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いたプラスチック光導波路材料及び光導波路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定構造のポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環した構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて、更に検討を進めて、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
1. 一般式(A)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0010】
【化19】
【0011】
【化20】
【0012】
【化21】
【0013】
[式(A)中、nは2〜1000までの整数を示し、Xは式(1)で表される2価の基または2価の有機基を示し、Yは式(2)で表される4価の基または4価の有機基を示し、Xが式(1)で表される2価の基を示す場合、Yは4価の有機基を示し、Yが式(2)で表される4価の基を示す場合、Xは2価の有機基を示し、R1及びR2は水素また1価の有機基を示し、式(1)および式(2)中のiは1〜10までの整数を表す。]
【0014】
2. 一般式(A)におけるXとして2価の有機基が、一般式(3)〜(5)および一般式(9)〜(10)で表される基の中から選ばれる2価の基である第1項記載のポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0015】
【化22】
【0016】
【化23】
【0017】
【化24】
【0018】
[式(3)〜(5)中、R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R18,R19,及びR20は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、それらは互いに同じであっても異なっても良く、式(5)中のZは、単結合、−O−,−SO2−または式(6)〜式(8)で表される基の中から選ばれる2価の基を示し、前記2価の基は、フッ素を含んでいても良い。]
【0019】
【化25】
[式(6)中、R21,R22,R23,及びR24は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0020】
【化26】
[式(7)中、R25,R26,R27,R28,R29,R30,R31及びR32は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0021】
【化27】
[式(8)中、R33及びR34は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0022】
【化28】
[式(9)中、R35,R36,R37,R38,R39及びR40は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、iは1〜8までの整数、jは0〜7までの整数を表し、かつi+j≦8を満たすものである。]
【0023】
【化29】
[式(10)中、R41,R42,R43,R44,R45,R46,R47,及びR48は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0024】
3. 一般式(A)におけるYとして4価の有機基が、一般式(11)〜(13)で表される基の中から選ばれる4価の基である第1項記載のポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0025】
【化30】
【0026】
【化31】
【0027】
【化32】
【0028】
[式(11)〜(13)中、R49,R50,R51,R52,R53,R54,R55,R56,R57,R58,R59及びR60は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、これらは互いに同じであっても異なっても良く、式(13)中のZは、単結合、−O−,−SO2−,−S−,−CO−又は式(14)〜式(17)で表される基の中から選ばれる2価の基を示し、前記2価の基は、フッ素を含んでいても良い。]
【0029】
【化33】
[式(14)中、R61,R62,R63,R64,R65及びR66は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、iは1〜8までの整数、jは0〜7までの整数を表し、かつi+j≦8を満たすものである。]
【0030】
【化34】
[式(15)中、R67,R68,R69,R70,R71,R72,R73及びR74は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0031】
【化35】
[式(16)中、R75,R76,R77,R78,R79,R80,R81及びR82は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0032】
【化36】
[式(17)中、R83及びR84は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0033】
4. 第1項〜第3項のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環してなるポリベンゾオキサゾール樹脂、
5. 第1項〜第3項のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体または第4項記載のポリベンゾオキサゾール樹脂からなる光導波路用材料、
6. 第5項記載の光導波路用材料を用いてコア層及び/又はクラッド層が形成されたことを特徴とする光導波路、
である。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体は、ジアミノジヒドロキシ化合物もしくはビスアミノフェノール化合物、またはそれらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体と、式(1)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物とから、酸クロリド法、活性エステル法またはポリリン酸もしくはジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法より得ることができ、一般式(A)におけるXとして、式(1)で表される2価の基を有する一般式(B)で表される繰り返し単位を有するものである。あるいは、式(2)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とから、前記同様の方法で得ることができ、一般式(A)におけるYとして、式(2)で表される4価の基を有する一般式(C)で表される繰り返し単位を有するものである。
【0035】
【化37】
【0036】
【化38】
【0037】
[式(B)及び式(C)中、R85、R86、R87及びR88は、水素または1価の有機基を示し、iは1〜10までの整数を表し、nは2〜1000までの整数である。]
【0038】
本発明に用いる式(2)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、式(18)〜式(25)で表される化合物を好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化39】
【0040】
本発明に用いる式(1)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、式(26)〜式(33)で表される化合物を好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化40】
【0042】
前記一般式(C)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体に用いるジカルボン酸化合物としては、一般式(A)におけるXとなる一般式(3)〜(5)及び一般式(9)〜(10)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物が、好適に挙げられる。
【0043】
本発明に用いる一般式(3)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0044】
本発明に用いる一般式(4)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,5−ジカルボン酸、2,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,6−ジカルボン酸、1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチルナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−ペンタフルオロエチルナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)ナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ペンタフルオロエチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ウンデカフルオロシクロヘキシルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチル−2,4,5,6,8−ペンタフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ビス(トリフルオロメチル)メトキシ−2,4,5,6,8−ペンタフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−2,4,6,8−テトラフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス[ビス(トリフルオロメチル)メトキシ]−2,4,6,8−テトラフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0045】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが単結合であるものとしては、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,3’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。またこれらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができる。
【0046】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(6)で表される2価の基を有するものとしては、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0047】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(7)で表される2価の基を有するものとしては、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0048】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(8)で表されるものとしては、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0049】
前記ジカルボン酸以外に一般式(5)で表される2価の基を有するものには、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0050】
本発明に用いる一般式(9)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、テトラフルオロシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサフルオロシクロブタン−1,3−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、オクタフルオロシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、オクタフルオロシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0051】
本発明に用いる一般式(10)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、オクタフルオロフルオレン−3,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−3,5−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−4,5−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−4,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−2,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−2,7−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0052】
前記一般式(B)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体に用いるジアミノジヒドロキシ化合物としては、一般式(A)におけるYとなる一般式(11)又は一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物が好適に挙げられ、同様に一般式(A)におけるYとなるビスアミノフェノール化合物としては、一般式(13)で表されるビスアミノフェノール化合物が好適に挙げられる。
【0053】
本発明に用いる一般式(11)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物としては、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−パーフルオロシクロヘキシル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジエトキシジフルオロベンゼン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミノジヒドロキシ化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0054】
本発明に用いる一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物としては、2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、3,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシナフタレン、1−ペンタフルオロエチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレンン、1−パーフルオロシクロヘキシル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシジフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジエトキシテトラフルオロナフタレン、1,4,5,8−テトラ(トリフルオロメチル)−2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシナフタレン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミノジヒドロキシル化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0055】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明に用いる一般式(13)で表される2価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(14)で表される二価の基を有するものとしては、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0057】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(15)で表される2価の基を有するものとしては、2,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,6−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,7−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,7−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、3,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、3,6−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、4,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0058】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(16)で表される2価の基を有するものとしては、4,4’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0059】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(17)で表される2価の基を有するものとしては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0060】
また、本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体において、一般式(11)及び一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物や一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物から1種、または2種、あるいは、それぞれ1種以上混合して用いることが出来る。
【0061】
前記ジアミノジヒドロキシ化合物以外にも、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノー4ーヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジアミノジヒドロキシ化合物、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、一般式(A)中のYで表される化合物として用いることができるが、これらに限られるものではない。
【0062】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法の中で、例えば酸クロリド法を以下に記述する。使用する酸クロリドは、ジカルボン酸化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下、過剰量の塩化チオニルと、室温から75℃で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、その残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。次いで、前記ビスアミノフェノール化合物またはジアミノジヒドロキシ化合物を、通常、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、前記ジカルボン酸クロリドと、−30℃から室温で反応することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができる。
【0063】
本発明において、ポリベンゾオキサゾール樹脂は、このようにして得られたポリベンゾオキサゾール前駆体を、従来法の通り、加熱または、脱水剤で処理することにより縮合反応し、脱水閉環して、得ることができる。
【0064】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体は、通常、これを溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチレエーテル、ジプロピレングリコールモノメチレエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を1種、または2種以上混合して用いることが出来る。
【0065】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体の使用方法は、まず上記溶剤に溶解し、適当な支持体、例えばシリコーンウエハーやセラミック基盤等に塗布する。塗布方法は、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等を行う。このようにして、塗膜を形成した後、加熱処理をして、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変換し用いることが好ましい。
また、ジアミノジヒドロキシ化合物及びビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物との組み合わせを選ぶことにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾール樹脂を得ることができ、予め、脱水閉環した後、溶剤に溶解して溶液としても良い。
【0066】
本発明の光導波路用材料は、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリベンゾオキサゾール樹脂からなり、これに、必要により、各種添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加して用いることができる。
【0067】
また、本発明におけるポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体は、一般式(B)において、R85もしくはR86の少なくとも一方が、一般式(C)において、R87もしくはR88の少なくとも一方が、Hである場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、一般式(B)において、R85もしくはR86の少なくとも一方が、一般式(C)において、R87もしくはR88の少なくとも一方が、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0068】
本発明の光導波路用材料は、一般に製造されている基板上のシングルモード光導波路、またはマルチモード光導波路と同様の構造に適用できる。例えば、スラブ型、リッジ型、埋め込み型等がある。具体的には、これら導波路の少なくともコア層に適用される。更にクラッド層にも適用できるが、クラッド層はこの材料に制限されない。
また、コア層中を光が伝搬するためには、コア層を形成する光導波路用材料の屈折率が、クラッド層を形成する材料の屈折率よりもわずかに大きいことが必要で、この条件を満たす材料の選択をしなければならない。シングルモード光導波路を形成する際には、コア層とクラッド層を形成する材料の屈折率差Δは0.3〜1.5%が好ましく、マルチモード光導波路を形成する際には屈折率差Δは1.0%以上が好ましい。
【0069】
前記光導波路構造の内、埋め込み型シングルモード光導波路の製造方法について、図1を参照しつつ説明する。
まず、シリコン等の基板1の上に下部クラッド用として、本発明の光導波路用材料のポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を、スピンコート等の方法により塗布し、これを加熱等により硬化して閉環し樹脂とした下部クラッド層2を得る。次に、この上に下部クラッド層として用いた前記ポリベンゾオキサゾールより屈折率が高い本発明の光導波路用材料のポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を用いて、前記下部クラッド層2を形成したときと同様の方法により、コア層3を形成する。次に、この上にコアパターンを形成するためのマスク層4を形成する(図1(a))。マスク層用材料としては、Al、Ti等の金属、SiO2、スピオングラス(SOG)、Si含有レジスト、感光性ポリベンゾオキサゾール等を用いることができる。
【0070】
次いで、マスク層4の上に、レジストを塗布して、プリベーク、露光、現像、アフターベークを行い、パターニングされたレジスト層5を得る(図1(b))。次に、レジスト層5で保護されていないマスク層4をエッチングで除去(図1(c))した後、レジスト層5をエッチング液で除去し、マスク層4で保護されていないコア層3のポリベンゾオキサゾールをドライエッチングにより除去する(図1(d))。マスク層4にSi含有レジストや感光性ポリベンゾオキサゾールを用いた場合には、フォトレジストを使用する必要はない。
【0071】
次に、残ったマスク層4を、ドライエッチングやはく離液を用いることにより除去する。(図1(e))。更に、この上に、前記下部クラッド材に用いたものと同じ本発明の光導波路用材料であるポリベンゾオキサゾール前駆体を、スピンコート等で塗布して、上部クラッド層6を形成し、これを加熱など硬化して閉環し樹脂とした上部クラッド層6を得る(図1(f))。
このようにして、光損失等の光導波路特性の良好なポリベンゾオキサゾール樹脂からなるシングルモード光導波路を作製できる。
【0072】
本発明の光導波路用材料であるポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を閉環させたポリベンゾオキサゾール樹脂からなるシングルモード光導波路を作製することにより、その光導波路における光損失等の光導波特性の偏光波に対する相違を低減できる。
【0073】
【実施例】
以下に合成例、実施例により本発明を具体的に説明するが、実施例の内容になんら限定されるものではない。
【0074】
以下、部は重量部を示す。実施例及び比較例で作成したフィルムを用いて、特性評価のため、下記の方法により、比誘電率、耐熱性、弾性率、吸水率及び反り量を測定した。
これらの結果は表1にまとめて示した。
1.比誘電率
JIS−K6911を準拠し、周波数100KHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて測定を行った。
2.耐熱性
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速度10℃/分の条件により、重量減少5%の時の温度を測定した。
3.弾性率
オリエンテック(株)製UCT 5T型 テンシロンを用いて、引っ張り速度1mm/分で弾性率を測定した。
4.吸水率
5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
5.反り量
実施例で合成したポリベンゾオキサゾール前駆体をスピンコート法により4インチシリコン基板上に塗布して成膜した後、乾燥窒素下、320℃で1時間加熱することにより硬化し、膜厚20μmの膜を形成した。4インチシリコン基板の中心から端までの反り量を接触膜厚計にて測定し、x、y方向の平均値を算出した。
【0075】
実施例1
化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を乾燥したジメチルアセトアミド200部に溶解し、ピリジン39.6部(0.5mol)を添加後、乾燥窒素下、−15℃でγ−ブチロラクトン85部にイソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を溶解したものを、30分掛けて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、5時間攪拌した。その後、反応液を蒸留水7Lに滴下し、沈殿物を集め、乾燥することによりポリベンゾオキサゾール前駆体(A)75.1部を得た。前駆体(A)の重量平均分子量を、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ(以下GPCと略記)により測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物をメトリコン社製プリズムカプラにて1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。
【0076】
このポリベンゾオキサゾール前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターで濾過しワニスを得た。
このワニスを、ガラス板上にドクターナイフを用いて塗布した。その後、オーブン中70℃1時間乾燥し、剥離して膜厚20μmのポリベンゾオキサゾール前駆体フィルムを得た。そのフィルムを金枠で固定し、150℃/30分、250℃/30分、320℃/1時間の順で加熱し、ポリベンゾオキサゾール樹脂の試験フィルムを得た。
この試験フィルムを用いて、各種特性を評価し、その結果を表−1に示す。
【0077】
実施例2
実施例1において、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸クロリド55.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(B)71.7部を得た。前駆体(B)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、28,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.538であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0078】
実施例3
実施例1において、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を4,4’−オキシビス安息香酸クロリド59.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(C)96.7部を得た。前駆体(C)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、28,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0079】
実施例4
実施例1において、化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンのジカルボン酸クロリド64.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(D)162.0部を得た。前駆体(D)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0080】
実施例5
実施例1において、化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,5−ジカルボン酸クロリド72.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(E)62.0部を得た。前駆体(E)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0081】
実施例6
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(24)で表されるビスアミノフェノール化合物160.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼンのジカルボン酸クロリド77.4部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(F)192.0部を得た。前駆体(F)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、18,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.535であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0082】
実施例7
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)をデカフルオロシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸クロリド35.3部(0.1mol)と2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸クロリド27.5部(0.1mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(G)120.0部を得た。前駆体(G)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.531であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0083】
実施例8
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(20)で表されるビスアミノフェノール化合物97.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)をオクタフルオロフルオレン−3,6−ジカルボン酸クロリド87.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(H)122.0部を得た。前駆体(H)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.539であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0084】
実施例9
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(20)で表されるビスアミノフェノール化合物97.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルのジカルボン酸クロリド46.4部(0.1mol)と1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼンのジカルボン酸クロリド38.7部(0.1mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(I)135.8部を得た。前駆体(I)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、19,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.542であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0085】
実施例10
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン41.6部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(27)で表されるジカルボン酸クロリド103.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(J)108.4部を得た。前駆体(J)の重量平均分子量を、GPCを用いて測定した所、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.522であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0086】
実施例11
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン100.5部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(27)で表されるジカルボン酸クロリド103.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(K)95.8部を得た。前駆体(K)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、25,000であった。
上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.531であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0087】
実施例12
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン50.3部(0.1mol)と1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン20.8部(0.1mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(31)で表されるジカルボン酸クロリド163.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(L)105.3部を得た。前駆体(L)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.535であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0088】
実施例13
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル70.4部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(31)で表されるジカルボン酸クロリド163.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(M)98.8部を得た。前駆体(M)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、26,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.536であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0089】
実施例14
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン57.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(N)120.8部を得た。前駆体(N)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.534であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0090】
実施例15
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン48.9部(0.15mol)と1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン10.4部(0.05mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(O)125.8部を得た。前駆体(O)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0091】
実施例16
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン111.2部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(P)189.8部を得た。前駆体(P)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.524であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0092】
実施例17
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を4,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル108.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(Q)229.8部を得た。前駆体(Q)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0093】
実施例18
光導波路の製造;
実施例1で合成したポリベンゾオキサゾールの前駆体(A)をスピンコート法により、シリコン基板上に塗布して成膜した。形成した薄膜は、320℃で1時間加熱することにより硬化し、下部クラッド層とした。次いで、この上に実施例2で合成したポリベンゾオキサゾールの前駆体(B)を用いて、コア層をスピンコート法により形成した。形成したコア層は320℃で1時間加熱することにより硬化した。
【0094】
次に、このコア層上に、膜厚0.3μmのアルミニウム層を蒸着し、マスク層を形成した。次に、このアルミニウム層上にポジ型フォトレジスト(ジアゾナフトキノン−ノボラック樹脂系、東京応化製、商品名OFPR−800)をスピンコート法により塗布した後、約95℃でプリベークを行った。次に、パターン形成用のフォトマスク(Ti)に、超高圧水銀ランプにより紫外線を照射した後、ポジ型レジスト用現像液(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、東京応化製、商品名NMD−3)を用いて現像した。その後、135℃でポストベークを行った。これにより、線幅8μmを有する直線状のレジストパターンが得られた。次に、アルミニウムのウエットエッチングを行い、レジストパターンをアルミニウム層に転写した。更に、パターニングされたアルミニウムをマスクとして、コア層のポリベンゾオキサゾールをドライエッチングにより加工した。次に、ポリベンゾオキサゾールの上層にあるアルミニウムをエッチング液で除去した。更に、この上に下部クラッド層と同じポリベンゾオキサゾールの前駆体(A)をスピンコートにより塗布した。この塗膜を、320℃で1時間熱処理して上部クラッドを形成した。最後に、光導波路の両端をダイシングソーで切り落として、光の入出射端面を形成した。このようにしてシリコン基板上に埋め込み型シングルモード光導波路が得られた。
【0095】
上記で得られた光導波路の波長1.3μmと1.55μmにおける光伝搬損失値を、導波路を切断することにより長さを変えて、それぞれの長さにおける伝達光量を測定し、その伝達光量と長さの関係から光伝搬損失値を算出する方法、即ち、カットバック法を用いて算出した。その結果を表−2に示す。したところ、波長1.3μmで0.3dB/cm以下、1.55μmで0.4dB/cm以下であった。また、挿入損失の偏波依存性は波長1.3μmでも波長1.55μmでも0.4dB/cm以下であった。さらに、この光導波路の損失は、75℃で相対湿度90%の条件以下に置いて、1ヶ月以上変動しなかった。
【0096】
実施例19〜34は、表−2の組み合わせで、実施例18と同様にして行った。評価結果を表−2に示す。
【0097】
比較例1
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,6−ジアミノ−3,7−ジエトキシテトラフルオロナフタレン85.2部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を1−ペンタフルオロエチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸クロリド74.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、すべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(R)71.4部を得た。前駆体(R)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.524であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(R)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例13で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(M)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0098】
比較例2
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン82.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、すべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(S)101.4部を得た。この前駆体(S)の重量平均分子量を測定した所、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.526であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(S)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例2で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(B)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0099】
比較例3
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン41.6部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロリド61.4部(0.2mol)に置き換えた以外はすべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(T)75.2部を得た。前駆体(T)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.538であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(T)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例9で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(I)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0100】
比較例4
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル64.0部(0.2mol)とピロメリット酸二無水物43.6部(0.2mol)をジメチルアセトアミド358部に溶解させ窒素雰囲気下、室温で1日間攪拌し反応させ、ポリアミド酸(U)を得た。このポリアミド酸(U)の重量平均分子量をGPCにより測定した所、40,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.523であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたでポリアミド酸(U)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例1ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、電気特性、耐熱性、低吸水性、及び透明性に優れた樹脂を得ることができた。また、この樹脂を用いることにより、低価格で、大面積化を実現することができ、特に、反りが少なく、また光通信に利用される近赤外波長領域で透明度が高い光導波路用材料が得られ、光損失の小さい光導波路に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋め込み型光導波路の作成方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部クラッド層
3 コア層
4 コアパターンを形成するためのマスク層
5 レジスト層
6 上部クラッド層
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路用材料並びに光導波路に関するものである。更に詳しくは、レーザー光などを低損失で結合伝送するプラスチック光導波路を用いたインターコネクション・光通信デバイス等に好適で、耐熱性、電気特性、機械特性及び物理特性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路用材料並びに光導波路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光導波路材料としては、ガラス(石英)やプラスチックなどの材料が検討されている。そのうち、石英で構成した光導波路は、低損失および高耐熱性などの利点を有するため、光ファイバーや光インターコネクション・光通信デバイスなどの分野において、数多く検討され実際に利用されている。
【0003】
一方、プラスチックで構成された光導波路は、石英光導波路よりも作成および大面積化が容易であり、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートおよび紫外線硬化型樹脂などのポリマーを用いたプラスチック光導波路が検討されている。
【0004】
しかしながら、上記した従来の石英光導波路では、作製に長い工程を要するため、本質的に低価格化は困難である。また、製作プロセスにおいて、1000℃前後の高熱処理を要するため、電気回路基板との融合性が悪い上、大面積化が困難である問題があった。
【0005】
また、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートもしくは紫外線硬化型樹脂で構成したプラスチック光導波路では、その構成材料の耐熱性は、100℃前後であるため使用環境が限定されると共に、実装回路として組み込むためには、数百度のハンダ工程を通過することが必要となり、電気回路基板との融合性が悪くなるという問題があった。
【0006】
また、プラスチック材料でありながら、300℃以上の耐熱性を有するポリイミドをプラスチック光導波路に用いようとする試みも、一部でなされているが、現状のポリイミドでは、その特異な分子構造のため、構造に起因する吸収による光損失がはなはだ大きく、光導波路には適さないという問題があった。また、ポリイミド樹脂において、その構造から結晶性の高い樹脂では、導波路における膜厚になると、その結晶性の高さから膜が脆くなる場合や、屈折率が変化する場合や、その弾性率の高さから、製造過程で反りが生じるなどの問題があり、これらの問題に対応することができる樹脂からなる光導波路用材料が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、電気特性、耐熱性、低吸水性、及び透明性等の諸特性を劣化させることなく、低弾性率を有するポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いたプラスチック光導波路材料及び光導波路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定構造のポリベンゾオキサゾール前駆体を閉環した構造を有するポリベンゾオキサゾール樹脂を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて、更に検討を進めて、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
1. 一般式(A)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0010】
【化19】
【0011】
【化20】
【0012】
【化21】
【0013】
[式(A)中、nは2〜1000までの整数を示し、Xは式(1)で表される2価の基または2価の有機基を示し、Yは式(2)で表される4価の基または4価の有機基を示し、Xが式(1)で表される2価の基を示す場合、Yは4価の有機基を示し、Yが式(2)で表される4価の基を示す場合、Xは2価の有機基を示し、R1及びR2は水素また1価の有機基を示し、式(1)および式(2)中のiは1〜10までの整数を表す。]
【0014】
2. 一般式(A)におけるXとして2価の有機基が、一般式(3)〜(5)および一般式(9)〜(10)で表される基の中から選ばれる2価の基である第1項記載のポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0015】
【化22】
【0016】
【化23】
【0017】
【化24】
【0018】
[式(3)〜(5)中、R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11,R12,R13,R14,R15,R16,R17,R18,R19,及びR20は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、それらは互いに同じであっても異なっても良く、式(5)中のZは、単結合、−O−,−SO2−または式(6)〜式(8)で表される基の中から選ばれる2価の基を示し、前記2価の基は、フッ素を含んでいても良い。]
【0019】
【化25】
[式(6)中、R21,R22,R23,及びR24は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0020】
【化26】
[式(7)中、R25,R26,R27,R28,R29,R30,R31及びR32は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0021】
【化27】
[式(8)中、R33及びR34は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0022】
【化28】
[式(9)中、R35,R36,R37,R38,R39及びR40は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、iは1〜8までの整数、jは0〜7までの整数を表し、かつi+j≦8を満たすものである。]
【0023】
【化29】
[式(10)中、R41,R42,R43,R44,R45,R46,R47,及びR48は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0024】
3. 一般式(A)におけるYとして4価の有機基が、一般式(11)〜(13)で表される基の中から選ばれる4価の基である第1項記載のポリベンゾオキサゾール前駆体、
【0025】
【化30】
【0026】
【化31】
【0027】
【化32】
【0028】
[式(11)〜(13)中、R49,R50,R51,R52,R53,R54,R55,R56,R57,R58,R59及びR60は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、これらは互いに同じであっても異なっても良く、式(13)中のZは、単結合、−O−,−SO2−,−S−,−CO−又は式(14)〜式(17)で表される基の中から選ばれる2価の基を示し、前記2価の基は、フッ素を含んでいても良い。]
【0029】
【化33】
[式(14)中、R61,R62,R63,R64,R65及びR66は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良く、iは1〜8までの整数、jは0〜7までの整数を表し、かつi+j≦8を満たすものである。]
【0030】
【化34】
[式(15)中、R67,R68,R69,R70,R71,R72,R73及びR74は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0031】
【化35】
[式(16)中、R75,R76,R77,R78,R79,R80,R81及びR82は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0032】
【化36】
[式(17)中、R83及びR84は、水素、フッ素またはフッ素を有する1価の有機基を示し、互いに同じであっても異なっても良い。]
【0033】
4. 第1項〜第3項のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環してなるポリベンゾオキサゾール樹脂、
5. 第1項〜第3項のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体または第4項記載のポリベンゾオキサゾール樹脂からなる光導波路用材料、
6. 第5項記載の光導波路用材料を用いてコア層及び/又はクラッド層が形成されたことを特徴とする光導波路、
である。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体は、ジアミノジヒドロキシ化合物もしくはビスアミノフェノール化合物、またはそれらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体と、式(1)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物とから、酸クロリド法、活性エステル法またはポリリン酸もしくはジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤の存在下での縮合反応等の方法より得ることができ、一般式(A)におけるXとして、式(1)で表される2価の基を有する一般式(B)で表される繰り返し単位を有するものである。あるいは、式(2)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物と、ジカルボン酸化合物とから、前記同様の方法で得ることができ、一般式(A)におけるYとして、式(2)で表される4価の基を有する一般式(C)で表される繰り返し単位を有するものである。
【0035】
【化37】
【0036】
【化38】
【0037】
[式(B)及び式(C)中、R85、R86、R87及びR88は、水素または1価の有機基を示し、iは1〜10までの整数を表し、nは2〜1000までの整数である。]
【0038】
本発明に用いる式(2)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、式(18)〜式(25)で表される化合物を好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【化39】
【0040】
本発明に用いる式(1)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、式(26)〜式(33)で表される化合物を好適に挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化40】
【0042】
前記一般式(C)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体に用いるジカルボン酸化合物としては、一般式(A)におけるXとなる一般式(3)〜(5)及び一般式(9)〜(10)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物が、好適に挙げられる。
【0043】
本発明に用いる一般式(3)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0044】
本発明に用いる一般式(4)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,5−ジカルボン酸、2,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,6−ジカルボン酸、1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチルナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−ペンタフルオロエチルナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)ナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ペンタフルオロエチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ウンデカフルオロシクロヘキシルナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−トリフルオロメチル−2,4,5,6,8−ペンタフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1−ビス(トリフルオロメチル)メトキシ−2,4,5,6,8−ペンタフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−2,4,6,8−テトラフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸、1,5−ビス[ビス(トリフルオロメチル)メトキシ]−2,4,6,8−テトラフルオロナフタレン−3,7−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0045】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが単結合であるものとしては、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,3’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−5,5’−ジフルオロビフェニル、3,4’−ジカルボキシ−6,6’−ジフルオロビフェニル等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。またこれらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができる。
【0046】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(6)で表される2価の基を有するものとしては、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)テトラフルオロベンゼン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0047】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(7)で表される2価の基を有するものとしては、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,3’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、3,3’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0048】
本発明に用いる一般式(5)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物で、Zが式(8)で表されるものとしては、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0049】
前記ジカルボン酸以外に一般式(5)で表される2価の基を有するものには、4,4’−オキシビス安息香酸、3,4’−オキシビス安息香酸、3,3’−オキシビス安息香酸、4,4’−スルホニルビス安息香酸、3,4’−スルホニルビス安息香酸、3,3’−スルホニルビス安息香酸を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0050】
本発明に用いる一般式(9)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、テトラフルオロシクロプロパン−1,2−ジカルボン酸、ヘキサフルオロシクロブタン−1,3−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、デカフルオロシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、オクタフルオロシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、オクタフルオロシクロペンタン−1,2−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0051】
本発明に用いる一般式(10)で表される2価の基を有するジカルボン酸化合物としては、オクタフルオロフルオレン−3,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−3,5−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−4,5−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−4,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−2,6−ジカルボン酸、オクタフルオロフルオレン−2,7−ジカルボン酸等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジカルボン酸は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0052】
前記一般式(B)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体に用いるジアミノジヒドロキシ化合物としては、一般式(A)におけるYとなる一般式(11)又は一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物が好適に挙げられ、同様に一般式(A)におけるYとなるビスアミノフェノール化合物としては、一般式(13)で表されるビスアミノフェノール化合物が好適に挙げられる。
【0053】
本発明に用いる一般式(11)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物としては、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシジフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,4−ジアミノ−3,5−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−ペンタフルオロエチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1−パーフルオロシクロヘキシル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジエトキシジフルオロベンゼン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミノジヒドロキシ化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0054】
本発明に用いる一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物としては、2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、3,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、2,7−ジアミノ−1,8−ジヒドロキシテトラフルオロナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、1−トリフルオロメチル−3,6−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシナフタレン、1−ペンタフルオロエチル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレンン、1−パーフルオロシクロヘキシル−3,6−ジアミノ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシジフルオロナフタレン、2,6−ジアミノ−3,7−ジエトキシテトラフルオロナフタレン、1,4,5,8−テトラ(トリフルオロメチル)−2,7−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシナフタレン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのジアミノジヒドロキシル化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0055】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物としては、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−5,5’−ペンタフルオロエチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−トリフルオロメチルビフェニル、3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−6,6’−ペンタフルオロエチルビフェニル等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本発明に用いる一般式(13)で表される2価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(14)で表される二価の基を有するものとしては、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロシクロヘプタン、1,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,4−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)デカフルオロシクロヘキサン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0057】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(15)で表される2価の基を有するものとしては、2,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,6−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,7−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、2,7−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、3,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、3,6−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン、4,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0058】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(16)で表される2価の基を有するものとしては、4,4’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−ペンタフルオロエチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0059】
本発明に用いる一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物で、Zが一般式(17)で表される2価の基を有するものとしては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられることができ、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらのビスアミノフェノール化合物は単独、または組み合わせて使用することができる。
【0060】
また、本発明に用いるポリベンゾオキサゾール前駆体において、一般式(11)及び一般式(12)で表される4価の基を有するジアミノジヒドロキシ化合物や一般式(13)で表される4価の基を有するビスアミノフェノール化合物から1種、または2種、あるいは、それぞれ1種以上混合して用いることが出来る。
【0061】
前記ジアミノジヒドロキシ化合物以外にも、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノー4ーヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジアミノジヒドロキシ化合物、また、これらのエステル化合物やエーテル化合物などの誘導体を挙げることができるが、一般式(A)中のYで表される化合物として用いることができるが、これらに限られるものではない。
【0062】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体の製造方法の中で、例えば酸クロリド法を以下に記述する。使用する酸クロリドは、ジカルボン酸化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド等の触媒存在下、過剰量の塩化チオニルと、室温から75℃で反応させ、過剰の塩化チオニルを加熱及び減圧により留去した後、その残査をヘキサン等の溶媒で再結晶することにより得ることができる。次いで、前記ビスアミノフェノール化合物またはジアミノジヒドロキシ化合物を、通常、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒に溶解し、ピリジン等の酸受容剤存在下で、前記ジカルボン酸クロリドと、−30℃から室温で反応することにより、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができる。
【0063】
本発明において、ポリベンゾオキサゾール樹脂は、このようにして得られたポリベンゾオキサゾール前駆体を、従来法の通り、加熱または、脱水剤で処理することにより縮合反応し、脱水閉環して、得ることができる。
【0064】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体は、通常、これを溶剤に溶解し、ワニス状にして使用するのが好ましい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチレエーテル、ジプロピレングリコールモノメチレエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を1種、または2種以上混合して用いることが出来る。
【0065】
本発明のポリベンゾオキサゾール前駆体の使用方法は、まず上記溶剤に溶解し、適当な支持体、例えばシリコーンウエハーやセラミック基盤等に塗布する。塗布方法は、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等を行う。このようにして、塗膜を形成した後、加熱処理をして、ポリベンゾオキサゾール樹脂に変換し用いることが好ましい。
また、ジアミノジヒドロキシ化合物及びビスアミノフェノール化合物とジカルボン酸化合物との組み合わせを選ぶことにより、溶剤に可溶なポリベンゾオキサゾール樹脂を得ることができ、予め、脱水閉環した後、溶剤に溶解して溶液としても良い。
【0066】
本発明の光導波路用材料は、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリベンゾオキサゾール樹脂からなり、これに、必要により、各種添加剤として、界面活性剤やカップリング剤等を添加して用いることができる。
【0067】
また、本発明におけるポリベンゾオキサゾール樹脂の前駆体は、一般式(B)において、R85もしくはR86の少なくとも一方が、一般式(C)において、R87もしくはR88の少なくとも一方が、Hである場合は、感光剤としてのナフトキノンジアジド化合物と一緒に用いることで、ポジ型の感光性樹脂組成物として、一般式(B)において、R85もしくはR86の少なくとも一方が、一般式(C)において、R87もしくはR88の少なくとも一方が、メタクリロイル基のような光架橋性基を有する基である場合は、光開始剤を用いることでネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
【0068】
本発明の光導波路用材料は、一般に製造されている基板上のシングルモード光導波路、またはマルチモード光導波路と同様の構造に適用できる。例えば、スラブ型、リッジ型、埋め込み型等がある。具体的には、これら導波路の少なくともコア層に適用される。更にクラッド層にも適用できるが、クラッド層はこの材料に制限されない。
また、コア層中を光が伝搬するためには、コア層を形成する光導波路用材料の屈折率が、クラッド層を形成する材料の屈折率よりもわずかに大きいことが必要で、この条件を満たす材料の選択をしなければならない。シングルモード光導波路を形成する際には、コア層とクラッド層を形成する材料の屈折率差Δは0.3〜1.5%が好ましく、マルチモード光導波路を形成する際には屈折率差Δは1.0%以上が好ましい。
【0069】
前記光導波路構造の内、埋め込み型シングルモード光導波路の製造方法について、図1を参照しつつ説明する。
まず、シリコン等の基板1の上に下部クラッド用として、本発明の光導波路用材料のポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を、スピンコート等の方法により塗布し、これを加熱等により硬化して閉環し樹脂とした下部クラッド層2を得る。次に、この上に下部クラッド層として用いた前記ポリベンゾオキサゾールより屈折率が高い本発明の光導波路用材料のポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を用いて、前記下部クラッド層2を形成したときと同様の方法により、コア層3を形成する。次に、この上にコアパターンを形成するためのマスク層4を形成する(図1(a))。マスク層用材料としては、Al、Ti等の金属、SiO2、スピオングラス(SOG)、Si含有レジスト、感光性ポリベンゾオキサゾール等を用いることができる。
【0070】
次いで、マスク層4の上に、レジストを塗布して、プリベーク、露光、現像、アフターベークを行い、パターニングされたレジスト層5を得る(図1(b))。次に、レジスト層5で保護されていないマスク層4をエッチングで除去(図1(c))した後、レジスト層5をエッチング液で除去し、マスク層4で保護されていないコア層3のポリベンゾオキサゾールをドライエッチングにより除去する(図1(d))。マスク層4にSi含有レジストや感光性ポリベンゾオキサゾールを用いた場合には、フォトレジストを使用する必要はない。
【0071】
次に、残ったマスク層4を、ドライエッチングやはく離液を用いることにより除去する。(図1(e))。更に、この上に、前記下部クラッド材に用いたものと同じ本発明の光導波路用材料であるポリベンゾオキサゾール前駆体を、スピンコート等で塗布して、上部クラッド層6を形成し、これを加熱など硬化して閉環し樹脂とした上部クラッド層6を得る(図1(f))。
このようにして、光損失等の光導波路特性の良好なポリベンゾオキサゾール樹脂からなるシングルモード光導波路を作製できる。
【0072】
本発明の光導波路用材料であるポリベンゾオキサゾール前駆体溶液を閉環させたポリベンゾオキサゾール樹脂からなるシングルモード光導波路を作製することにより、その光導波路における光損失等の光導波特性の偏光波に対する相違を低減できる。
【0073】
【実施例】
以下に合成例、実施例により本発明を具体的に説明するが、実施例の内容になんら限定されるものではない。
【0074】
以下、部は重量部を示す。実施例及び比較例で作成したフィルムを用いて、特性評価のため、下記の方法により、比誘電率、耐熱性、弾性率、吸水率及び反り量を測定した。
これらの結果は表1にまとめて示した。
1.比誘電率
JIS−K6911を準拠し、周波数100KHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて測定を行った。
2.耐熱性
セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA6200を用いて、窒素ガス200mL/分フロー下、昇温速度10℃/分の条件により、重量減少5%の時の温度を測定した。
3.弾性率
オリエンテック(株)製UCT 5T型 テンシロンを用いて、引っ張り速度1mm/分で弾性率を測定した。
4.吸水率
5cm角、厚み10μmの試験フィルムを、23℃の純水に24時間浸漬した後の、重量変化率を算出した。
5.反り量
実施例で合成したポリベンゾオキサゾール前駆体をスピンコート法により4インチシリコン基板上に塗布して成膜した後、乾燥窒素下、320℃で1時間加熱することにより硬化し、膜厚20μmの膜を形成した。4インチシリコン基板の中心から端までの反り量を接触膜厚計にて測定し、x、y方向の平均値を算出した。
【0075】
実施例1
化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を乾燥したジメチルアセトアミド200部に溶解し、ピリジン39.6部(0.5mol)を添加後、乾燥窒素下、−15℃でγ−ブチロラクトン85部にイソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を溶解したものを、30分掛けて滴下した。滴下終了後、室温まで戻し、5時間攪拌した。その後、反応液を蒸留水7Lに滴下し、沈殿物を集め、乾燥することによりポリベンゾオキサゾール前駆体(A)75.1部を得た。前駆体(A)の重量平均分子量を、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィ(以下GPCと略記)により測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物をメトリコン社製プリズムカプラにて1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。
【0076】
このポリベンゾオキサゾール前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、孔径0.2μmのテフロン(R)フィルターで濾過しワニスを得た。
このワニスを、ガラス板上にドクターナイフを用いて塗布した。その後、オーブン中70℃1時間乾燥し、剥離して膜厚20μmのポリベンゾオキサゾール前駆体フィルムを得た。そのフィルムを金枠で固定し、150℃/30分、250℃/30分、320℃/1時間の順で加熱し、ポリベンゾオキサゾール樹脂の試験フィルムを得た。
この試験フィルムを用いて、各種特性を評価し、その結果を表−1に示す。
【0077】
実施例2
実施例1において、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸クロリド55.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(B)71.7部を得た。前駆体(B)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、28,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.538であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0078】
実施例3
実施例1において、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を4,4’−オキシビス安息香酸クロリド59.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(C)96.7部を得た。前駆体(C)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、28,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0079】
実施例4
実施例1において、化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパンのジカルボン酸クロリド64.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(D)162.0部を得た。前駆体(D)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0080】
実施例5
実施例1において、化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,3,4,6,7,8−ヘキサフルオロナフタレン−1,5−ジカルボン酸クロリド72.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(E)62.0部を得た。前駆体(E)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0081】
実施例6
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(24)で表されるビスアミノフェノール化合物160.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼンのジカルボン酸クロリド77.4部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(F)192.0部を得た。前駆体(F)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、18,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.535であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0082】
実施例7
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(21)で表されるビスアミノフェノール化合物120.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)をデカフルオロシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸クロリド35.3部(0.1mol)と2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸クロリド27.5部(0.1mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(G)120.0部を得た。前駆体(G)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.531であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0083】
実施例8
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(20)で表されるビスアミノフェノール化合物97.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)をオクタフルオロフルオレン−3,6−ジカルボン酸クロリド87.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(H)122.0部を得た。前駆体(H)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、24,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.539であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0084】
実施例9
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を化学式(20)で表されるビスアミノフェノール化合物97.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニルのジカルボン酸クロリド46.4部(0.1mol)と1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼンのジカルボン酸クロリド38.7部(0.1mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(I)135.8部を得た。前駆体(I)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、19,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.542であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0085】
実施例10
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン41.6部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(27)で表されるジカルボン酸クロリド103.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(J)108.4部を得た。前駆体(J)の重量平均分子量を、GPCを用いて測定した所、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.522であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0086】
実施例11
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン100.5部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(27)で表されるジカルボン酸クロリド103.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(K)95.8部を得た。前駆体(K)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、25,000であった。
上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.531であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0087】
実施例12
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−トリフルオロメチルフェニル)プロパン50.3部(0.1mol)と1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン20.8部(0.1mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(31)で表されるジカルボン酸クロリド163.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(L)105.3部を得た。前駆体(L)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.535であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0088】
実施例13
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−5,5’−トリフルオロメチルビフェニル70.4部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(31)で表されるジカルボン酸クロリド163.4部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(M)98.8部を得た。前駆体(M)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、26,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.536であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0089】
実施例14
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)テトラフルオロシクロプロパン57.7部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(N)120.8部を得た。前駆体(N)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.534であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0090】
実施例15
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,7−ジアミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン48.9部(0.15mol)と1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン10.4部(0.05mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(O)125.8部を得た。前駆体(O)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.530であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0091】
実施例16
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,6−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロフルオレン111.2部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(P)189.8部を得た。前駆体(P)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.524であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0092】
実施例17
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を4,4−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェノキシ)オクタフルオロビフェニル108.9部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を化学式(28)で表されるジカルボン酸クロリド110.2部(0.2mol)に置き換えた以外は実施例1と同様にして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(Q)229.8部を得た。前駆体(Q)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.532であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
【0093】
実施例18
光導波路の製造;
実施例1で合成したポリベンゾオキサゾールの前駆体(A)をスピンコート法により、シリコン基板上に塗布して成膜した。形成した薄膜は、320℃で1時間加熱することにより硬化し、下部クラッド層とした。次いで、この上に実施例2で合成したポリベンゾオキサゾールの前駆体(B)を用いて、コア層をスピンコート法により形成した。形成したコア層は320℃で1時間加熱することにより硬化した。
【0094】
次に、このコア層上に、膜厚0.3μmのアルミニウム層を蒸着し、マスク層を形成した。次に、このアルミニウム層上にポジ型フォトレジスト(ジアゾナフトキノン−ノボラック樹脂系、東京応化製、商品名OFPR−800)をスピンコート法により塗布した後、約95℃でプリベークを行った。次に、パターン形成用のフォトマスク(Ti)に、超高圧水銀ランプにより紫外線を照射した後、ポジ型レジスト用現像液(TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、東京応化製、商品名NMD−3)を用いて現像した。その後、135℃でポストベークを行った。これにより、線幅8μmを有する直線状のレジストパターンが得られた。次に、アルミニウムのウエットエッチングを行い、レジストパターンをアルミニウム層に転写した。更に、パターニングされたアルミニウムをマスクとして、コア層のポリベンゾオキサゾールをドライエッチングにより加工した。次に、ポリベンゾオキサゾールの上層にあるアルミニウムをエッチング液で除去した。更に、この上に下部クラッド層と同じポリベンゾオキサゾールの前駆体(A)をスピンコートにより塗布した。この塗膜を、320℃で1時間熱処理して上部クラッドを形成した。最後に、光導波路の両端をダイシングソーで切り落として、光の入出射端面を形成した。このようにしてシリコン基板上に埋め込み型シングルモード光導波路が得られた。
【0095】
上記で得られた光導波路の波長1.3μmと1.55μmにおける光伝搬損失値を、導波路を切断することにより長さを変えて、それぞれの長さにおける伝達光量を測定し、その伝達光量と長さの関係から光伝搬損失値を算出する方法、即ち、カットバック法を用いて算出した。その結果を表−2に示す。したところ、波長1.3μmで0.3dB/cm以下、1.55μmで0.4dB/cm以下であった。また、挿入損失の偏波依存性は波長1.3μmでも波長1.55μmでも0.4dB/cm以下であった。さらに、この光導波路の損失は、75℃で相対湿度90%の条件以下に置いて、1ヶ月以上変動しなかった。
【0096】
実施例19〜34は、表−2の組み合わせで、実施例18と同様にして行った。評価結果を表−2に示す。
【0097】
比較例1
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を2,6−ジアミノ−3,7−ジエトキシテトラフルオロナフタレン85.2部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を1−ペンタフルオロエチルナフタレン−3,7−ジカルボン酸クロリド74.2部(0.2mol)に置き換えた以外は、すべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(R)71.4部を得た。前駆体(R)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.524であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(R)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例13で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(M)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0098】
比較例2
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ヘキサフルオロシクロブタン82.0部(0.2mol)に置き換えた以外は、すべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(S)101.4部を得た。この前駆体(S)の重量平均分子量を測定した所、21,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.526であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(S)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例2で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(B)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0099】
比較例3
実施例1において化学式(19)で表されるビスアミノフェノール化合物90.9部(0.2mol)を1−トリフルオロメチル−2,5−ジアミノ−3,6−ジヒドロキシフルオロベンゼン41.6部(0.2mol)に、イソフタル酸クロリド40.6部(0.2mol)を2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロリド61.4部(0.2mol)に置き換えた以外はすべて実施例1と同じにして、ポリベンゾオキサゾール前駆体(T)75.2部を得た。前駆体(T)の重量平均分子量を、GPCにより測定したところ、23,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.538であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(T)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例9で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体(I)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0100】
比較例4
2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル64.0部(0.2mol)とピロメリット酸二無水物43.6部(0.2mol)をジメチルアセトアミド358部に溶解させ窒素雰囲気下、室温で1日間攪拌し反応させ、ポリアミド酸(U)を得た。このポリアミド酸(U)の重量平均分子量をGPCにより測定した所、40,000であった。上記で得た前駆体をスピンコート法で塗布し、320℃で熱硬化した硬化物を、メトリコン社製プリズムカプラにて、1300nmの波長で測定した屈折率は1.523であった。また、実施例1と同様にして、試験フィルムを作製し、各種特性を評価し、結果を表−1に示す。
次いで、上記で得られたでポリアミド酸(U)を、上部及び下部クラッド層に用いて、実施例1ポリベンゾオキサゾール前駆体(A)をコア層に用いて、これら以外は、実施例18と同様にして、埋め込み型シングルモード光導波路を作製し、評価した。結果を表−2に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、電気特性、耐熱性、低吸水性、及び透明性に優れた樹脂を得ることができた。また、この樹脂を用いることにより、低価格で、大面積化を実現することができ、特に、反りが少なく、また光通信に利用される近赤外波長領域で透明度が高い光導波路用材料が得られ、光損失の小さい光導波路に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋め込み型光導波路の作成方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部クラッド層
3 コア層
4 コアパターンを形成するためのマスク層
5 レジスト層
6 上部クラッド層
Claims (6)
- 一般式(A)におけるXとして2価の有機基が、一般式(3)〜(5)および一般式(9)〜(10)で表される基の中から選ばれる2価の基である請求項1記載のポリベンゾオキサゾール前駆体。
- 一般式(A)におけるYとして4価の有機基が、一般式(11)〜(13)で表される基の中から選ばれる4価の基である請求項1記載のポリベンゾオキサゾール前駆体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体を脱水閉環してなるポリベンゾオキサゾール樹脂。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリベンゾオキサゾール前駆体または請求項4記載のポリベンゾオキサゾール樹脂からなる光導波路用材料。
- 請求項5記載の光導波路用材料を用いてコア層及び/又はクラッド層が形成されたことを特徴とする光導波路。
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