JP2004059608A - 脂肪族ポリエステル発泡シート - Google Patents
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Abstract
【課題】自然環境下で分解性を有し、釘打ち安定性等の加工性に優れている脂肪族ポリエステル発泡シートを提供する。
【解決手段】脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、平均粒子径が0.1〜0.5μmである酸化チタン0.5〜25質量部を含む脂肪族ポリエステル組成物からなる、密度が0.1〜1.0g/cm3、平均気泡径が1〜300μm、平均厚みが0.3〜20mmであることを特徴とする脂肪族ポリエステル発泡シート。
【選択図】 なし
【解決手段】脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、平均粒子径が0.1〜0.5μmである酸化チタン0.5〜25質量部を含む脂肪族ポリエステル組成物からなる、密度が0.1〜1.0g/cm3、平均気泡径が1〜300μm、平均厚みが0.3〜20mmであることを特徴とする脂肪族ポリエステル発泡シート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境下で分解性を有する脂肪族ポリエステルシートに関する。詳しくは、釘打ち安定性等の加工性に優れる脂肪族ポリエステルシートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来から、建設用の壁板、天井材、側板、床、ドアーパネル、間仕切り、土木工事のコンクリート堰板、包装用の通函、家具の戸棚、キャビネット、テーブル、映画・演劇のセット等に、大量の合板が使用されてきている。しかしながら、合板に用いられる木材は、ラワン類を中心とした南方産広葉樹、マツ、スギ等の針葉樹、ブナ、ケヤキ等の広葉樹等、森林資源を原料とすることから、近年、乱伐による森林資源の枯渇、環境破壊が世界的に深刻な問題となっている。大規模な森林資源の減少は、大気中の二酸化炭素の消費能力を低下させ、地球温暖化を促進させる恐れもあり、森林資源を保護するため、木材合板に代わる材料が求められている。
【0003】
代替材料としては、従来の合板と同様、軽量で、釘打ち性等の加工性が必要となる。このため、合成樹脂の発泡体を用いた代替材料が種々提案され、一部実用化されている。例えば、特開平11−100523号公報には、オレフィン系樹脂や、スチレン系樹脂の発泡シートが、軽量で、釘打ち性等の加工性に優れ、リサイクル可能な合板代替材料として、提案されている。しかしながら、上記オレフィン系樹脂や、スチレン系樹脂のリサイクルにおいても、異物付着・混入、リペレットによる機械的物性低下等が生じ、限界があった。結局、最終的には廃棄され、焼却処理されるか、埋め立て等により処分される。
【0004】
この様な状況の中、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、各種脂肪族ポリエステルが開発されている。例えば、ポリ乳酸および乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー等の乳酸系ポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステル等が開発されている。これらのポリマーの中には、動物の体内で数ヶ月から1年以内に100%生分解し、又は、土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境のもとでは数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅するものがある。更に、分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水であるという特性を有している。
【0005】
特にポリ乳酸は、近年、原料のL−乳酸が発酵法により大量且つ安価に製造されるようになってきたことや、堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗性、食品に対する耐着臭性や耐着色性等、優れた特徴を有することにより、その利用分野の拡大が期待されている。
【0006】
例えば特開平4−304244号公報には、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする生分解性脂肪族ポリエステル発泡体が提案されている。しかしながら、公知の方法で製造した該脂肪族ポリエステル発泡シートに釘を打った場合、割れを生じてしまい、合板代替とすることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然環境下で分解性を有し、釘打ち安定性等の加工性に優れた脂肪族ポリエステルシートを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンを特定量含有し、微細な気泡径を有する脂肪族ポリエステル発泡シートが、自然環境下で分解性を有するとともに、釘打ち安定性等の加工性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明の態様を包含する。
(1) 脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、平均粒子径が0.1〜0.5μmである酸化チタン0.5〜25質量部を含む脂肪族ポリエステル組成物からなる、密度が0.1〜1.0g/cm3、平均気泡径が1〜300μmであることを特徴とする脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0010】
(2) 前記脂肪族ポリエステル類が、乳酸系樹脂であることを特徴とする(1)記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0011】
(3) 前記脂肪族ポリエステル組成物が、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、脂肪族アマイド系滑剤、脂肪族エステル系滑剤、及び金属石鹸系滑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物0.05〜2質量部を含むことを特徴とする(1)または(2)記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール、および脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる生分解性を有するポリマーである。
【0013】
脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例えば、乳酸(L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができる。更に脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば、乳酸の二量体であるラクタイド、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。これらは、単独で、又は二種以上組み合わせて使用することができる。
【0014】
脂肪族二価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0015】
脂肪族二塩基酸の具体例としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0016】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、前記した脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール、脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる生分解性を有する脂肪族ポリエステルであれば、何ら制限はない。例えば、ポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられる。また、これらの脂肪族ポリエステルは、ジイソシアネート等の結合剤によってポリマー鎖が延長されたものであってもよく、また、少量のグリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多価アルコール類を共存させて、共重合させたものでもよい。
【0017】
この中でも、植物等の再生可能資源由来の乳酸を原料とした乳酸系樹脂が好ましい。乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸単独、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのコポリマー、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのブレンドまたは、ポリマーアロイのことをいう。
【0018】
また、本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、温度190℃、せん断速度50sec−1の条件下で測定される溶融粘度が、1×103〜1×105Pa・sであることが好ましい。また、発泡時の溶融張力を向上させる観点から、有機過酸化物により架橋し、脂肪族ポリエステル架橋物としても構わない。ここで用いられる有機過酸化物は、公知のものであれば、特に制限なく使用できる。中でも、半減期1分を得るための分解温度が100℃〜300℃のものが好ましく、更に150〜250℃のものが好ましい。分解温度が上記範囲にある場合、有機過酸化物が十分分散した状態で分解反応が始まり、且つ押出機滞留時間内で十分な反応を達成することができる。
【0019】
有機過酸化物の具体例としては、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジターシャリーブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイドや、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイドや、ジターシャリーブチルジパーオキシイソフタレート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステルや、n−ブチル−4,4−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール等が挙げられる。有機過酸化物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、ジアルキルパーオキサイドが好ましく、とりわけ2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0020】
有機過酸化物の添加量は、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、0.003〜0.8質量部、好ましくは0.01〜0.6質量部が好ましい。有機過酸化物の添加量が上記範囲にある場合、過度の反応を抑制して効率よく架橋反応を進行させ、これにより、ゲル等の不純物の量が少ない脂肪族ポリエステル架橋物を短時間で効率よく得ることができる。例えば、押出機において溶融混練する場合、サージングを生じることなく、安定して製造することができる。
【0021】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートの製造時に用いる脂肪族ポリエステル類の含水率は200ppm以下、好ましくは150ppm以下、更に100ppm以下が好ましい。含水率が上記範囲にある場合、発泡成形の際に生じる加水分解による分子量低下を避けことができる。尚、含水率は、JIS法K0068のカール・フィッシャー水分気化電量滴定法に則り測定する。
脂肪族ポリエステル類の含水率を制御する方法は、公知の方法であれば、特に限定されない。例えば、真空乾燥、熱風除湿乾燥等による方法が挙げられる。
【0022】
本発明に用いる酸化チタンは、その結晶形より、アナタース型、ルチル型、ブルカイト型に分類されるが、いずれも使用することができ、その平均粒径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。更に好ましくは0.1〜0.3μmである。脂肪族ポリエステル類への分散性を向上させるために、表面をアルミナ、シリカ、酸化亜鉛等の酸化物で被覆したり、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等で表面処理を施したものを使用することができる。また、酸化チタンの添加量は、脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、0.5〜25質量部であることが好ましい。好ましくは、1〜20質量、更に好ましくは、2〜10質量部であることが好ましい。酸化チタンの平均粒径、及び添加量が上記範囲にある組成物からなる脂肪族ポリエステル発泡シートの場合、釘を打っても割れを生じない、打ち込んだ釘の強度が保持できる等の釘打ち安定性に優れる。該メカニズムは必ずしも定かではないが、微分散した酸化チタンが釘打ちに対する衝撃を吸収し、打ち込んだ釘を保持する強度を向上させたことに起因するのではなかろうかと推定される。
【0023】
押出成形の安定性を考慮した場合、特定量の滑剤を添加することが好ましい。滑剤としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪族アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪族エステル等の脂肪族エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪族金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらの内、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウムが好ましい。
【0024】
滑剤の添加量は、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましい。添加量が上記範囲にある場合、押出成形の際に生じる圧力変動等のサージングが低減し、安定した押出成形が可能となる。
【0025】
本発明における発泡剤は、公知のものであれば、特に制限なく使用できる。通常、熱可塑性樹脂における発泡剤は、化学発泡剤と物理発泡剤に分類される。化学発泡剤の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、クエン酸、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン等が挙げられる。
【0026】
物理発泡剤の例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、イソペンタン、ヘキサン、エタン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルクロライド、メチレンクロライド、ジクロロフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等が挙げられる。発泡剤は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、二酸化炭素と窒素が、地球環境や安全性の観点から好ましい。
【0027】
発泡剤の添加量は、低含水率脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、発泡剤0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、更に0.3〜3質量部が好ましい。添加量が上記範囲にある場合、気泡が破泡せずに、高倍率の発泡体を形成できる上、外観が良好な発泡体の取得できる。
【0028】
本発明においては、発泡核剤を添加しても良い。発泡核剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等の無機粉末や、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸水素ナトリウムとの混合物、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。中でも、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物が好ましく、脂肪族ポリエステル類中への分散性を考慮して、これらのマスターバッチを用いても良い。発泡核剤は、脂肪族ポリエステル類100質量部当たり、0.001〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部、更に0.05〜0.3質量部添加するのが好ましい。添加量が上記範囲である場合、気泡の核発生効果、および均一な気泡が形成できる。
【0029】
また、本発明においては、課題の達成を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、染料、抗酸化剤、充填剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、架橋剤、抗菌剤、結晶核剤、収縮防止剤等を添加することができる。
【0030】
本発明の押出機に投入する前の脂肪族ポリエステル発泡体の原料となる脂肪族ポリエステル組成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー、リボン型ブレンダー等が挙げられる。
【0031】
また、低酸素濃度雰囲気下にて、製造することが好ましい。例えば、酸素濃度が0〜15%の範囲で製造することが好ましい。酸素濃度が上記範囲にある場合、加水分解の原因となる含水率の向上を抑制することができる。酸素濃度を上記範囲内にするためには、窒素、アルゴン等の不活性ガスにより置換し、不活性ガス雰囲気下にする方法が好ましい。
【0032】
発泡成形には、押出機、射出成形機、ビーズ発泡金型などを用いて行うことができる。これらの中では押出機を用いて行うことが、連続成形可能であり、低コストで製造できる点で好ましい。
【0033】
本発明で用いられる押出機の種類は、公知のものであれば、特に限定されない。例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。これらの中では、単軸押出機が好ましい。また、押出機が2台以上繋がった多段押出機を使用することもできる。
【0034】
本発明に用いられる押出機とダイスの間には、混練状態の向上、樹脂温度の均一化、スクリューマークの解消等を目的として、スタティックミキサーを導入することもできる。また、押出性の安定性向上を目的にギアポンプを導入することもできる。
【0035】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、平均気泡径が微細で均一であることが特徴である。平均気泡径は、1〜300μmであることが好ましく、更に30〜250μmであることが好ましい。また、密度は、0.1〜1.0g/cm3であることが好ましく、更に0.2〜0.9g/cm3であることが好ましい。平均気泡径、及び密度が、上記範囲にある場合、釘打ちが容易等の釘打ち安定性に優れる。また、発泡体の外観が流麗となり、外観性、意匠性が必要とされる製品にも使用することが可能となる。また、軽量、断熱性、防音性、緩衝性等の機能にも優れる。
【0036】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートの平均厚みは、0.3〜20mmであることが好ましい。更に1〜15mmであることが好ましい。上記範囲にある場合、釘打ちが容易等の釘打ち安定性に優れる。
【0037】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、種々の成形体に発泡押出成形することができる。適用することができる成形法としては、公知の成形法であれば、制限なく適用することができる。例えば、サーキュラーダイでシート成形を行う製造方法や、Tダイでシート成形を行う製造方法等が挙げられる。また、ダイから押出されたシートの冷却、賦形、サイジング、引取方法は、公知の成形法であれば、制限なく適用することができる。例えば、Tダイで押出されたシートの冷却方法は、スチールベルト、多段ロール、3本ロール等の冷却引取方法が挙げられる。
【0038】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、種々の用途にそのままの形態で、使用できることはもちろんのこと、多層化、ラミネート等、公知の加工方法により、他の材料と組み合わせて、使用することも可能である。また、肪族ポリエステル発泡シートを真空成形、真空圧空成形等、公知の二次加工方法により、脂肪族ポリエステル発泡成形体にすることも可能である。
【0039】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、建設用の壁板、天井材、側板、床、ドアーパネル、間仕切り、土木工事のコンクリート堰板、包装用の通函、家具の戸棚、キャビネット、テーブル、映画・演劇のセット等、従来合板が使用されてきている用途の代替として用いることができる。その他にも、本発明の脂肪族ポリエステル発泡シート、およびそれらを真空成形、又は、真空圧空成形して得られる成形体(以後、これらを「本発明で得られる発泡製品」と呼ぶ。)は、公知公用の発泡体の用途代替としても用いることができる。特に、本発明で得られる発泡製品は、回収困難な発泡容器、又は使い捨ての発泡容器、緩衝(包装)材、土木産業用資材、農水産業用資材、レジャー用品等に使用されている汎用樹脂発泡体(ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等)の代替物としても好適に使用することができる。
【0040】
本発明で得られる発泡製品は、例えば、弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されているような弁当や惣菜の容器、カップラーメンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・惣菜等の食品用の容器や、トレイ、鮮魚市場で使用されるようなトロバコ(水産用魚箱)、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用の容器、炭酸飲料・清涼飲料水等の容器、ビール、ウイスキー等の酒類ドリンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、育苗ポット、テープ、テレビやステレオ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材・包装材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用するための緩衝材、遮光材、断熱材、防音材・遮音材等として、好適に使用することができる。
【0041】
次に、本発明に係る脂肪族ポリエステル発泡シートの製造方法の実施態様一例を、図1に基づき説明する。ここでは発泡剤として、二酸化炭素を用いた例により説明する。ただし、本発明はこの実施態様例に限定されるものではない。
【0042】
脂肪族ポリエステル類を、乾燥機(図示しない。)を使用して含水率200ppm以下に制御する。この時の乾燥条件としては、温度50〜150℃、時間1〜24時間の範囲が好ましい。この際、真空状態、又は除湿状態で行うことが好ましい。
【0043】
次いで、含水率を200ppm以下に制御した脂肪族ポリエステルと所定量の平均粒径が0.1〜0.5μmである酸化チタンを混合し、脂肪族ポリエステル原料組成物を調製する。この時、0〜15%の範囲の酸素濃度で混合することが好ましい。
【0044】
上記原料組成物(1)をホッパー(2)より、押出機(3)中に供給し、加熱溶融させる。この時、ホッパー(2)内を不活性ガス等で、空気を置換し、0〜15%の範囲の酸素濃度にすることが好ましい。使用する不活性ガスとしては窒素が好ましい。溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物中へ二酸化炭素を供給する。二酸化炭素を供給する方法の一例としては、液化二酸化炭素ボンベ(4)より、二酸化炭素を液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、昇圧する。このとき、ボンベと定量ポンプをつなぐラインを冷媒循環装置(6)により冷却することが好ましい。次に定量ポンプ(5)の吐出圧力を、二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)から40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物中に供給する方法が挙げられる。この際、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物に供給する二酸化炭素は、気体状態、液体状態、超臨界状態のいずれであってもよいが、安定供給の観点から、気体状態、および超臨界状態が好ましい。すなわち、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物の樹脂圧力が二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)以下の場合は、気体状態で供給するのが好ましく、二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)以上の場合は、超臨界状態で供給するのが好ましい。
【0045】
二酸化炭素が溶解した溶融脂肪族ポリエステル原料組成物は、発泡に適した粘度となるよう、押出機(3)のシリンダー温度を調整して温度を低下させる。最適温度となった、二酸化炭素が溶解拡散された溶融脂肪族ポリエステル原料組成物は、押出機(3)出口に接続されたダイへと移送され、ダイリップ(出口)で制御された条件で圧力低下させて、Tダイ(8)から押出されると同時に発泡を開始し、脂肪族ポリエステル発泡シート(9)が得られる。
【0046】
図2は、後述の実施例で採用した製造方法を示し、押出機(3)とTダイ(8)の間にスタティックミキサー(10)を導入し、押出発泡シート成形を行うように構成されている。具体的な説明は実施例1において行う。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
実施例、および比較例でもちいた物性評価は、次の方法に従って実施した。
1)密度
得られた脂肪族ポリエステル発泡シートを寸法が30mm×30mmの大きさに切断し、電子密度計を用いて密度を測定した。
2)平均気泡径
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルの断面を走査型電子顕微鏡により撮影し、写真を画像処理して500μm四方にある気泡について円相当径を算出した。サンプル3点について平均円相当径を求めそれらの平均値を平均気泡径とした。
【0049】
3)気泡均一性
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルそれぞれについて、走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真を画像処理して500μm四方にある気泡について円相当径を算出し、その中の最大円相当径が平均気泡径の2/3〜1.5倍の範囲内である場合を◎、同様に最大円相当径が、◎の範囲内になく平均気泡径の1/2〜2倍の範囲内である場合を○、○の範囲を超えたものを×として評価した。
4)押出安定性
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、前記2)の密度測定を行ったのち、30分毎にサンプルを10点取得した(計5時間分)。サンプルを、30mm(押出方向)×30mm(幅方向)の大きさに切断し、各々電子密度計を用いて密度を測定した。10点の計測値が、前記2)の密度計測値からの誤差として5%以内の場合を◎、5%を超え10%以内の場合を○、それ以外を×とした。
【0050】
5)釘打ち安定性
厚さ50mmの木材の上に取得した脂肪族ポリエステル発泡シートを置き、JIS A5508(くぎ)に規定される鉄丸釘N38(寸法38mm、胴部径2.15mm)を金槌で打ち込んだ。5点実施したうち、いずれもクラックが入らなかったものを◎、クラックが1〜3点入ったものを○、4点以上クラックが入ったものを×として評価した。
【0051】
実施例、および比較例に使用した脂肪族ポリエステルは、以下の通りである。
脂肪族ポリエステルA
ポリ乳酸(三井化学(株)製レイシアH440S)を、乾燥機を使用して80℃、6時間乾燥した。このときの含水率は150ppmであった。含水率を低減したポリ乳酸100質量部と、有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B)0.4質量部とをヘンシェルミキサーにより混合し、ポリ乳酸混合物を調製した。該ポリ乳酸混合物をスクリュー径46mmの二軸押出機(L/D=35、池貝製PCM46)に投入し、押出機の設定温度を170℃、スクリュー回転数を200rpm(押出量60kg/時間)とし、ポリ乳酸架橋物(これを脂肪族ポリエステルAとする。)を得た。
【0052】
(実施例1)
脂肪族ポリエステルA100質量部に、平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)3質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)0.2質量部を加え、リボンブレンダーで混合後、二軸押出機にて170〜210℃のシリンダー温度で溶融混練してペレット化し、脂肪族ポリエステル組成物Bを得た。次に、押出機(3)として、スクリュー径50mmの単軸押出機(L/D=32)を使用し、押出機(3)の先端には、スタティックミキサー(内径30mm、エレメント数7)(10)を接続し、その先端に出口幅が320mmのTダイ(8)を接続した。冷却装置として、ロール温度を50℃に設定した冷却ロール(11)を使用した。Tダイ(8)の出口隙間を0.5mmに調整した。また、発泡剤添加部(12)は、押出機(3)の中央付近に設けた。
【0053】
脂肪族ポリエステル組成物Bを、熱風除湿乾燥機を使用して80℃、4時間乾燥させた。このときの含水率は、100ppmであった。含水率を低減した脂肪族ポリエステルB100質量部と、発泡核剤として炭酸水素ナトリウム0.06質量部と、クエン酸0.03質量部とを窒素雰囲気下でドライブレンドし、脂肪族ポリエステル組成物B’を調製した。該脂肪族ポリエステル組成物B’を窒素置換したホッパー(2)より、上記単軸押出機(3)に投入し、シリンダー温度190℃で加熱溶融させた。発泡剤としては、二酸化炭素を使用した。二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より、液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入、昇圧し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を30MPaで一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂肪族ポリエステル組成物B’に添加した。二酸化炭素の添加量は、脂肪族ポリエステル組成物B’100質量部に対して、0.4質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した。
【0054】
次に押出機(3)下流側のシリンダー温度を150℃、スタティックミキサー(10)、およびTダイ(8)の温度を165℃に調整し、6.5kg/時間の押出量でTダイ(8)より押出した。押出された脂肪族ポリエステル組成物B’は、Tダイから出たと同時に発泡し、Tダイの先に設置された冷却ロール(11)で冷却され、引取機(13)により引取速度0.8m/分で引き取られ、発泡シート(9)が製造された。得られた発泡シート(9)は、幅300mm、厚さ1.5mmで、外観流麗であった。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0055】
(実施例2)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を20質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)を0.5質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0056】
(実施例3)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.1質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0057】
(実施例4)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.5質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0058】
(比較例1)
酸化チタンを加えなかった以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0059】
(比較例2)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を0.3質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0060】
(比較例3)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を30質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)を0.5質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0061】
(比較例4)
酸化チタンの平均粒径が0.02μm(堺化学製STR−60C)である以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0062】
(比較例5)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.05質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0063】
(比較例6)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、1.5質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、釘打ち安定性等の加工性に優れていることから、木材合板と同等に広く各種用途に用いることができる。また、木材の大量伐採で世界的に深刻化している森林破壊を防ぎ、環境保護にも寄与することができる。更に、自然環境下で分解性を有していることから、環境循環型社会に適合する製品として、広く社会へ貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態により、脂肪族ポリエステル発泡体を製造するための装置を模式的に示す図である。
【図2】実施例1で、脂肪族ポリエステル発泡体を製造したときに用いた装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
(1) 原料組成物
(2) ホッパー
(3) 押出機
(4) 液化二酸化炭素ボンベ
(5) 定量ポンプ
(6) 冷媒循環装置
(7) 保圧弁
(8) Tダイ
(9) 脂肪族ポリエステル発泡シート
(10) スタティックミキサー
(11) 冷却ロール
(12) 発泡剤添加部
(13) 引取機
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境下で分解性を有する脂肪族ポリエステルシートに関する。詳しくは、釘打ち安定性等の加工性に優れる脂肪族ポリエステルシートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来から、建設用の壁板、天井材、側板、床、ドアーパネル、間仕切り、土木工事のコンクリート堰板、包装用の通函、家具の戸棚、キャビネット、テーブル、映画・演劇のセット等に、大量の合板が使用されてきている。しかしながら、合板に用いられる木材は、ラワン類を中心とした南方産広葉樹、マツ、スギ等の針葉樹、ブナ、ケヤキ等の広葉樹等、森林資源を原料とすることから、近年、乱伐による森林資源の枯渇、環境破壊が世界的に深刻な問題となっている。大規模な森林資源の減少は、大気中の二酸化炭素の消費能力を低下させ、地球温暖化を促進させる恐れもあり、森林資源を保護するため、木材合板に代わる材料が求められている。
【0003】
代替材料としては、従来の合板と同様、軽量で、釘打ち性等の加工性が必要となる。このため、合成樹脂の発泡体を用いた代替材料が種々提案され、一部実用化されている。例えば、特開平11−100523号公報には、オレフィン系樹脂や、スチレン系樹脂の発泡シートが、軽量で、釘打ち性等の加工性に優れ、リサイクル可能な合板代替材料として、提案されている。しかしながら、上記オレフィン系樹脂や、スチレン系樹脂のリサイクルにおいても、異物付着・混入、リペレットによる機械的物性低下等が生じ、限界があった。結局、最終的には廃棄され、焼却処理されるか、埋め立て等により処分される。
【0004】
この様な状況の中、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、各種脂肪族ポリエステルが開発されている。例えば、ポリ乳酸および乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー等の乳酸系ポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステル等が開発されている。これらのポリマーの中には、動物の体内で数ヶ月から1年以内に100%生分解し、又は、土壌や海水中に置かれた場合、湿った環境のもとでは数週間で分解を始め、約1年から数年で消滅するものがある。更に、分解生成物は、人体に無害な乳酸と二酸化炭素と水であるという特性を有している。
【0005】
特にポリ乳酸は、近年、原料のL−乳酸が発酵法により大量且つ安価に製造されるようになってきたことや、堆肥中での分解速度が速く、カビに対する抵抗性、食品に対する耐着臭性や耐着色性等、優れた特徴を有することにより、その利用分野の拡大が期待されている。
【0006】
例えば特開平4−304244号公報には、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする生分解性脂肪族ポリエステル発泡体が提案されている。しかしながら、公知の方法で製造した該脂肪族ポリエステル発泡シートに釘を打った場合、割れを生じてしまい、合板代替とすることはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然環境下で分解性を有し、釘打ち安定性等の加工性に優れた脂肪族ポリエステルシートを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、酸化チタンを特定量含有し、微細な気泡径を有する脂肪族ポリエステル発泡シートが、自然環境下で分解性を有するとともに、釘打ち安定性等の加工性に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明の態様を包含する。
(1) 脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、平均粒子径が0.1〜0.5μmである酸化チタン0.5〜25質量部を含む脂肪族ポリエステル組成物からなる、密度が0.1〜1.0g/cm3、平均気泡径が1〜300μmであることを特徴とする脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0010】
(2) 前記脂肪族ポリエステル類が、乳酸系樹脂であることを特徴とする(1)記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0011】
(3) 前記脂肪族ポリエステル組成物が、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、脂肪族アマイド系滑剤、脂肪族エステル系滑剤、及び金属石鹸系滑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物0.05〜2質量部を含むことを特徴とする(1)または(2)記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール、および脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる生分解性を有するポリマーである。
【0013】
脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例えば、乳酸(L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができる。更に脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状エステル、例えば、乳酸の二量体であるラクタイド、グリコール酸の二量体であるグリコライドや6−ヒドロキシカプロン酸の環状エステルであるε−カプロラクトンを挙げることができる。これらは、単独で、又は二種以上組み合わせて使用することができる。
【0014】
脂肪族二価アルコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0015】
脂肪族二塩基酸の具体例としては、例えば、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上の組み合わせで使用することができる。
【0016】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、前記した脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族二価アルコール、脂肪族二塩基酸を種々組み合わせて製造できる生分解性を有する脂肪族ポリエステルであれば、何ら制限はない。例えば、ポリ乳酸系樹脂、ポリグリコール酸、ポリエチレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリカプロラクトン、ポリネオペンチルグリコールオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸等が挙げられる。また、これらの脂肪族ポリエステルは、ジイソシアネート等の結合剤によってポリマー鎖が延長されたものであってもよく、また、少量のグリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多価アルコール類を共存させて、共重合させたものでもよい。
【0017】
この中でも、植物等の再生可能資源由来の乳酸を原料とした乳酸系樹脂が好ましい。乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸単独、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのコポリマー、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのブレンドまたは、ポリマーアロイのことをいう。
【0018】
また、本発明に用いる脂肪族ポリエステル類は、温度190℃、せん断速度50sec−1の条件下で測定される溶融粘度が、1×103〜1×105Pa・sであることが好ましい。また、発泡時の溶融張力を向上させる観点から、有機過酸化物により架橋し、脂肪族ポリエステル架橋物としても構わない。ここで用いられる有機過酸化物は、公知のものであれば、特に制限なく使用できる。中でも、半減期1分を得るための分解温度が100℃〜300℃のものが好ましく、更に150〜250℃のものが好ましい。分解温度が上記範囲にある場合、有機過酸化物が十分分散した状態で分解反応が始まり、且つ押出機滞留時間内で十分な反応を達成することができる。
【0019】
有機過酸化物の具体例としては、ターシャリーブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジターシャリーブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイドや、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイドや、ジターシャリーブチルジパーオキシイソフタレート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシラウレート等のパーオキシエステルや、n−ブチル−4,4−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール等が挙げられる。有機過酸化物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、ジアルキルパーオキサイドが好ましく、とりわけ2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0020】
有機過酸化物の添加量は、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、0.003〜0.8質量部、好ましくは0.01〜0.6質量部が好ましい。有機過酸化物の添加量が上記範囲にある場合、過度の反応を抑制して効率よく架橋反応を進行させ、これにより、ゲル等の不純物の量が少ない脂肪族ポリエステル架橋物を短時間で効率よく得ることができる。例えば、押出機において溶融混練する場合、サージングを生じることなく、安定して製造することができる。
【0021】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートの製造時に用いる脂肪族ポリエステル類の含水率は200ppm以下、好ましくは150ppm以下、更に100ppm以下が好ましい。含水率が上記範囲にある場合、発泡成形の際に生じる加水分解による分子量低下を避けことができる。尚、含水率は、JIS法K0068のカール・フィッシャー水分気化電量滴定法に則り測定する。
脂肪族ポリエステル類の含水率を制御する方法は、公知の方法であれば、特に限定されない。例えば、真空乾燥、熱風除湿乾燥等による方法が挙げられる。
【0022】
本発明に用いる酸化チタンは、その結晶形より、アナタース型、ルチル型、ブルカイト型に分類されるが、いずれも使用することができ、その平均粒径は、0.1〜0.5μmであることが好ましい。更に好ましくは0.1〜0.3μmである。脂肪族ポリエステル類への分散性を向上させるために、表面をアルミナ、シリカ、酸化亜鉛等の酸化物で被覆したり、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール等で表面処理を施したものを使用することができる。また、酸化チタンの添加量は、脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、0.5〜25質量部であることが好ましい。好ましくは、1〜20質量、更に好ましくは、2〜10質量部であることが好ましい。酸化チタンの平均粒径、及び添加量が上記範囲にある組成物からなる脂肪族ポリエステル発泡シートの場合、釘を打っても割れを生じない、打ち込んだ釘の強度が保持できる等の釘打ち安定性に優れる。該メカニズムは必ずしも定かではないが、微分散した酸化チタンが釘打ちに対する衝撃を吸収し、打ち込んだ釘を保持する強度を向上させたことに起因するのではなかろうかと推定される。
【0023】
押出成形の安定性を考慮した場合、特定量の滑剤を添加することが好ましい。滑剤としては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ベヘニン酸アマイド、リシノール酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘニン酸アマイド等の脂肪族アマイド系滑剤、モンタン酸ワックス、モンタン酸部分ケン化エステル、ステアリン酸ブチルエステル等の長鎖エステルワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ソルビタン脂肪族エステル等の脂肪族エステル系滑剤、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の炭素数12〜30の脂肪族金属塩である金属石鹸系滑剤、またはこれらを複合した複合滑剤等が挙げられる。これらの内、エルカ酸アマイド、モンタン酸ワックス、ヒドロキシステアリン酸カルシウムが好ましい。
【0024】
滑剤の添加量は、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、0.05〜2質量部であることが好ましい。添加量が上記範囲にある場合、押出成形の際に生じる圧力変動等のサージングが低減し、安定した押出成形が可能となる。
【0025】
本発明における発泡剤は、公知のものであれば、特に制限なく使用できる。通常、熱可塑性樹脂における発泡剤は、化学発泡剤と物理発泡剤に分類される。化学発泡剤の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、クエン酸、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾーン等が挙げられる。
【0026】
物理発泡剤の例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブタン、ネオペンタン、イソペンタン、ヘキサン、エタン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、石油エーテル等の炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール、メチルクロライド、メチレンクロライド、ジクロロフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、水等が挙げられる。発泡剤は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、二酸化炭素と窒素が、地球環境や安全性の観点から好ましい。
【0027】
発泡剤の添加量は、低含水率脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、発泡剤0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、更に0.3〜3質量部が好ましい。添加量が上記範囲にある場合、気泡が破泡せずに、高倍率の発泡体を形成できる上、外観が良好な発泡体の取得できる。
【0028】
本発明においては、発泡核剤を添加しても良い。発泡核剤としては、タルク、炭酸カルシウム、シリカ等の無機粉末や、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸水素ナトリウムとの混合物、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。中でも、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物が好ましく、脂肪族ポリエステル類中への分散性を考慮して、これらのマスターバッチを用いても良い。発泡核剤は、脂肪族ポリエステル類100質量部当たり、0.001〜1質量部、好ましくは0.01〜0.5質量部、更に0.05〜0.3質量部添加するのが好ましい。添加量が上記範囲である場合、気泡の核発生効果、および均一な気泡が形成できる。
【0029】
また、本発明においては、課題の達成を損なわない範囲で、必要に応じて、顔料、染料、抗酸化剤、充填剤、安定剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、架橋剤、抗菌剤、結晶核剤、収縮防止剤等を添加することができる。
【0030】
本発明の押出機に投入する前の脂肪族ポリエステル発泡体の原料となる脂肪族ポリエステル組成物の製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を採用することができる。例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー、リボン型ブレンダー等が挙げられる。
【0031】
また、低酸素濃度雰囲気下にて、製造することが好ましい。例えば、酸素濃度が0〜15%の範囲で製造することが好ましい。酸素濃度が上記範囲にある場合、加水分解の原因となる含水率の向上を抑制することができる。酸素濃度を上記範囲内にするためには、窒素、アルゴン等の不活性ガスにより置換し、不活性ガス雰囲気下にする方法が好ましい。
【0032】
発泡成形には、押出機、射出成形機、ビーズ発泡金型などを用いて行うことができる。これらの中では押出機を用いて行うことが、連続成形可能であり、低コストで製造できる点で好ましい。
【0033】
本発明で用いられる押出機の種類は、公知のものであれば、特に限定されない。例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられる。これらの中では、単軸押出機が好ましい。また、押出機が2台以上繋がった多段押出機を使用することもできる。
【0034】
本発明に用いられる押出機とダイスの間には、混練状態の向上、樹脂温度の均一化、スクリューマークの解消等を目的として、スタティックミキサーを導入することもできる。また、押出性の安定性向上を目的にギアポンプを導入することもできる。
【0035】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、平均気泡径が微細で均一であることが特徴である。平均気泡径は、1〜300μmであることが好ましく、更に30〜250μmであることが好ましい。また、密度は、0.1〜1.0g/cm3であることが好ましく、更に0.2〜0.9g/cm3であることが好ましい。平均気泡径、及び密度が、上記範囲にある場合、釘打ちが容易等の釘打ち安定性に優れる。また、発泡体の外観が流麗となり、外観性、意匠性が必要とされる製品にも使用することが可能となる。また、軽量、断熱性、防音性、緩衝性等の機能にも優れる。
【0036】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートの平均厚みは、0.3〜20mmであることが好ましい。更に1〜15mmであることが好ましい。上記範囲にある場合、釘打ちが容易等の釘打ち安定性に優れる。
【0037】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、種々の成形体に発泡押出成形することができる。適用することができる成形法としては、公知の成形法であれば、制限なく適用することができる。例えば、サーキュラーダイでシート成形を行う製造方法や、Tダイでシート成形を行う製造方法等が挙げられる。また、ダイから押出されたシートの冷却、賦形、サイジング、引取方法は、公知の成形法であれば、制限なく適用することができる。例えば、Tダイで押出されたシートの冷却方法は、スチールベルト、多段ロール、3本ロール等の冷却引取方法が挙げられる。
【0038】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、種々の用途にそのままの形態で、使用できることはもちろんのこと、多層化、ラミネート等、公知の加工方法により、他の材料と組み合わせて、使用することも可能である。また、肪族ポリエステル発泡シートを真空成形、真空圧空成形等、公知の二次加工方法により、脂肪族ポリエステル発泡成形体にすることも可能である。
【0039】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、建設用の壁板、天井材、側板、床、ドアーパネル、間仕切り、土木工事のコンクリート堰板、包装用の通函、家具の戸棚、キャビネット、テーブル、映画・演劇のセット等、従来合板が使用されてきている用途の代替として用いることができる。その他にも、本発明の脂肪族ポリエステル発泡シート、およびそれらを真空成形、又は、真空圧空成形して得られる成形体(以後、これらを「本発明で得られる発泡製品」と呼ぶ。)は、公知公用の発泡体の用途代替としても用いることができる。特に、本発明で得られる発泡製品は、回収困難な発泡容器、又は使い捨ての発泡容器、緩衝(包装)材、土木産業用資材、農水産業用資材、レジャー用品等に使用されている汎用樹脂発泡体(ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体等)の代替物としても好適に使用することができる。
【0040】
本発明で得られる発泡製品は、例えば、弁当箱、食器、コンビニエンスストアで販売されているような弁当や惣菜の容器、カップラーメンのカップ、飲料の自動販売機で使用されるようなカップ、鮮魚・精肉・青果・豆腐・惣菜等の食品用の容器や、トレイ、鮮魚市場で使用されるようなトロバコ(水産用魚箱)、牛乳・ヨーグルト・乳酸菌飲料等の乳製品用の容器、炭酸飲料・清涼飲料水等の容器、ビール、ウイスキー等の酒類ドリンク用の容器、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、保冷箱、植木鉢、育苗ポット、テープ、テレビやステレオ等の家庭電化製品の輸送時に使用するための緩衝材・包装材、コンピューター・プリンター・時計等の精密機械の輸送時に使用するための緩衝材、遮光材、断熱材、防音材・遮音材等として、好適に使用することができる。
【0041】
次に、本発明に係る脂肪族ポリエステル発泡シートの製造方法の実施態様一例を、図1に基づき説明する。ここでは発泡剤として、二酸化炭素を用いた例により説明する。ただし、本発明はこの実施態様例に限定されるものではない。
【0042】
脂肪族ポリエステル類を、乾燥機(図示しない。)を使用して含水率200ppm以下に制御する。この時の乾燥条件としては、温度50〜150℃、時間1〜24時間の範囲が好ましい。この際、真空状態、又は除湿状態で行うことが好ましい。
【0043】
次いで、含水率を200ppm以下に制御した脂肪族ポリエステルと所定量の平均粒径が0.1〜0.5μmである酸化チタンを混合し、脂肪族ポリエステル原料組成物を調製する。この時、0〜15%の範囲の酸素濃度で混合することが好ましい。
【0044】
上記原料組成物(1)をホッパー(2)より、押出機(3)中に供給し、加熱溶融させる。この時、ホッパー(2)内を不活性ガス等で、空気を置換し、0〜15%の範囲の酸素濃度にすることが好ましい。使用する不活性ガスとしては窒素が好ましい。溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物中へ二酸化炭素を供給する。二酸化炭素を供給する方法の一例としては、液化二酸化炭素ボンベ(4)より、二酸化炭素を液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入し、昇圧する。このとき、ボンベと定量ポンプをつなぐラインを冷媒循環装置(6)により冷却することが好ましい。次に定量ポンプ(5)の吐出圧力を、二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)から40MPaの範囲内で一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物中に供給する方法が挙げられる。この際、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物に供給する二酸化炭素は、気体状態、液体状態、超臨界状態のいずれであってもよいが、安定供給の観点から、気体状態、および超臨界状態が好ましい。すなわち、溶融した脂肪族ポリエステル原料組成物の樹脂圧力が二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)以下の場合は、気体状態で供給するのが好ましく、二酸化炭素の臨界圧力(7.4MPa)以上の場合は、超臨界状態で供給するのが好ましい。
【0045】
二酸化炭素が溶解した溶融脂肪族ポリエステル原料組成物は、発泡に適した粘度となるよう、押出機(3)のシリンダー温度を調整して温度を低下させる。最適温度となった、二酸化炭素が溶解拡散された溶融脂肪族ポリエステル原料組成物は、押出機(3)出口に接続されたダイへと移送され、ダイリップ(出口)で制御された条件で圧力低下させて、Tダイ(8)から押出されると同時に発泡を開始し、脂肪族ポリエステル発泡シート(9)が得られる。
【0046】
図2は、後述の実施例で採用した製造方法を示し、押出機(3)とTダイ(8)の間にスタティックミキサー(10)を導入し、押出発泡シート成形を行うように構成されている。具体的な説明は実施例1において行う。
【0047】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
実施例、および比較例でもちいた物性評価は、次の方法に従って実施した。
1)密度
得られた脂肪族ポリエステル発泡シートを寸法が30mm×30mmの大きさに切断し、電子密度計を用いて密度を測定した。
2)平均気泡径
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルの断面を走査型電子顕微鏡により撮影し、写真を画像処理して500μm四方にある気泡について円相当径を算出した。サンプル3点について平均円相当径を求めそれらの平均値を平均気泡径とした。
【0049】
3)気泡均一性
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、5分毎にサンプルを3点取得した。3点のサンプルそれぞれについて、走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真を画像処理して500μm四方にある気泡について円相当径を算出し、その中の最大円相当径が平均気泡径の2/3〜1.5倍の範囲内である場合を◎、同様に最大円相当径が、◎の範囲内になく平均気泡径の1/2〜2倍の範囲内である場合を○、○の範囲を超えたものを×として評価した。
4)押出安定性
連続的に脂肪族ポリエステル発泡シートを製造し、前記2)の密度測定を行ったのち、30分毎にサンプルを10点取得した(計5時間分)。サンプルを、30mm(押出方向)×30mm(幅方向)の大きさに切断し、各々電子密度計を用いて密度を測定した。10点の計測値が、前記2)の密度計測値からの誤差として5%以内の場合を◎、5%を超え10%以内の場合を○、それ以外を×とした。
【0050】
5)釘打ち安定性
厚さ50mmの木材の上に取得した脂肪族ポリエステル発泡シートを置き、JIS A5508(くぎ)に規定される鉄丸釘N38(寸法38mm、胴部径2.15mm)を金槌で打ち込んだ。5点実施したうち、いずれもクラックが入らなかったものを◎、クラックが1〜3点入ったものを○、4点以上クラックが入ったものを×として評価した。
【0051】
実施例、および比較例に使用した脂肪族ポリエステルは、以下の通りである。
脂肪族ポリエステルA
ポリ乳酸(三井化学(株)製レイシアH440S)を、乾燥機を使用して80℃、6時間乾燥した。このときの含水率は150ppmであった。含水率を低減したポリ乳酸100質量部と、有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製パーヘキサ25B)0.4質量部とをヘンシェルミキサーにより混合し、ポリ乳酸混合物を調製した。該ポリ乳酸混合物をスクリュー径46mmの二軸押出機(L/D=35、池貝製PCM46)に投入し、押出機の設定温度を170℃、スクリュー回転数を200rpm(押出量60kg/時間)とし、ポリ乳酸架橋物(これを脂肪族ポリエステルAとする。)を得た。
【0052】
(実施例1)
脂肪族ポリエステルA100質量部に、平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)3質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)0.2質量部を加え、リボンブレンダーで混合後、二軸押出機にて170〜210℃のシリンダー温度で溶融混練してペレット化し、脂肪族ポリエステル組成物Bを得た。次に、押出機(3)として、スクリュー径50mmの単軸押出機(L/D=32)を使用し、押出機(3)の先端には、スタティックミキサー(内径30mm、エレメント数7)(10)を接続し、その先端に出口幅が320mmのTダイ(8)を接続した。冷却装置として、ロール温度を50℃に設定した冷却ロール(11)を使用した。Tダイ(8)の出口隙間を0.5mmに調整した。また、発泡剤添加部(12)は、押出機(3)の中央付近に設けた。
【0053】
脂肪族ポリエステル組成物Bを、熱風除湿乾燥機を使用して80℃、4時間乾燥させた。このときの含水率は、100ppmであった。含水率を低減した脂肪族ポリエステルB100質量部と、発泡核剤として炭酸水素ナトリウム0.06質量部と、クエン酸0.03質量部とを窒素雰囲気下でドライブレンドし、脂肪族ポリエステル組成物B’を調製した。該脂肪族ポリエステル組成物B’を窒素置換したホッパー(2)より、上記単軸押出機(3)に投入し、シリンダー温度190℃で加熱溶融させた。発泡剤としては、二酸化炭素を使用した。二酸化炭素は、液化二酸化炭素ボンベ(4)より、液体状態に維持したまま定量ポンプ(5)に注入、昇圧し、定量ポンプ(5)の吐出圧力を30MPaで一定圧力となるよう保圧弁(7)で制御し吐出した後、溶融した脂肪族ポリエステル組成物B’に添加した。二酸化炭素の添加量は、脂肪族ポリエステル組成物B’100質量部に対して、0.4質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した。
【0054】
次に押出機(3)下流側のシリンダー温度を150℃、スタティックミキサー(10)、およびTダイ(8)の温度を165℃に調整し、6.5kg/時間の押出量でTダイ(8)より押出した。押出された脂肪族ポリエステル組成物B’は、Tダイから出たと同時に発泡し、Tダイの先に設置された冷却ロール(11)で冷却され、引取機(13)により引取速度0.8m/分で引き取られ、発泡シート(9)が製造された。得られた発泡シート(9)は、幅300mm、厚さ1.5mmで、外観流麗であった。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0055】
(実施例2)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を20質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)を0.5質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0056】
(実施例3)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.1質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0057】
(実施例4)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.5質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0058】
(比較例1)
酸化チタンを加えなかった以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0059】
(比較例2)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を0.3質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0060】
(比較例3)
平均粒径が0.21μmの酸化チタン(石原テクノ(株)製タイペークCR−60−2)を30質量部、滑剤として、モンタン酸ワックス(ヘキストインダストリー(株)製ホスタブルWE−4)を0.5質量部加えた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0061】
(比較例4)
酸化チタンの平均粒径が0.02μm(堺化学製STR−60C)である以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0062】
(比較例5)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、0.05質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0063】
(比較例6)
二酸化炭素の添加量を脂肪族ポリエステルB’100質量部に対して、1.5質量部となるよう、定量ポンプ(5)のストロークにより制御した以外は、実施例1と同様に実施した。発泡シートの評価結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステル発泡シートは、釘打ち安定性等の加工性に優れていることから、木材合板と同等に広く各種用途に用いることができる。また、木材の大量伐採で世界的に深刻化している森林破壊を防ぎ、環境保護にも寄与することができる。更に、自然環境下で分解性を有していることから、環境循環型社会に適合する製品として、広く社会へ貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態により、脂肪族ポリエステル発泡体を製造するための装置を模式的に示す図である。
【図2】実施例1で、脂肪族ポリエステル発泡体を製造したときに用いた装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
(1) 原料組成物
(2) ホッパー
(3) 押出機
(4) 液化二酸化炭素ボンベ
(5) 定量ポンプ
(6) 冷媒循環装置
(7) 保圧弁
(8) Tダイ
(9) 脂肪族ポリエステル発泡シート
(10) スタティックミキサー
(11) 冷却ロール
(12) 発泡剤添加部
(13) 引取機
Claims (3)
- 脂肪族ポリエステル類100質量部に対して、平均粒子径が0.1〜0.5μmである酸化チタン0.5〜25質量部を含む脂肪族ポリエステル組成物からなる、密度が0.1〜1.0g/cm3、平均気泡径が1〜300μmであることを特徴とする脂肪族ポリエステル発泡シート。
- 前記脂肪族ポリエステル類が、乳酸系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
- 前記脂肪族ポリエステル組成物が、脂肪族ポリエステル100質量部に対して、脂肪族アマイド系滑剤、脂肪族エステル系滑剤、及び金属石鹸系滑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物0.05〜2質量部を含むことを特徴とする請求項1または2記載の脂肪族ポリエステル発泡シート。
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