JP2004049304A - 遊技機における施錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一体の作動杆でガラス扉及び前枠の解錠を行うことができ、部品点数を減らすことができる遊技機における施錠装置を提供する。
【解決手段】施錠装置17の支持体18には作動杆46及びガラス扉作動体52が設けられている。支持体18には外枠の外枠係合金具に係合する上部及び下部外枠鉤部43,44が設けられ、前記ガラス扉作動体52には、ガラス扉のガラス扉係合金具に係合するガラス扉鉤部53,54が設けられている。シリンダ錠37によるガラス扉の解錠操作によって作動杆46を作動させ、ガラス扉作動体52を作動させることにより、ガラス扉鉤部53,54とガラス扉との係合を解除することができる。また、前枠の解錠操作によって作動杆46を作動させることにより、上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させ、上部及び下部外枠鉤部43,44と外枠係合金具との係合を解除できる。
【選択図】 図1
【解決手段】施錠装置17の支持体18には作動杆46及びガラス扉作動体52が設けられている。支持体18には外枠の外枠係合金具に係合する上部及び下部外枠鉤部43,44が設けられ、前記ガラス扉作動体52には、ガラス扉のガラス扉係合金具に係合するガラス扉鉤部53,54が設けられている。シリンダ錠37によるガラス扉の解錠操作によって作動杆46を作動させ、ガラス扉作動体52を作動させることにより、ガラス扉鉤部53,54とガラス扉との係合を解除することができる。また、前枠の解錠操作によって作動杆46を作動させることにより、上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させ、上部及び下部外枠鉤部43,44と外枠係合金具との係合を解除できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、遊技盤が設けられた前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠するための遊技機における施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠と、外枠に開閉可能に支持される前枠と、前枠の内側に保持される遊技盤とから構成されている。また、前枠の前面には、四角板状をなすガラス扉が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機前面から遊技盤が視認可能となっている。そして、前枠の一側には施錠装置が装着され、その施錠装置により外枠に対して前枠を施錠できるとともに、前枠に対してガラス扉を施錠できるようになっている。
【0003】
この種の遊技機における施錠装置は、前枠に固定される支持体を備え、その支持体には、鍵によって回転操作可能なシリンダ錠が設けられている。また、支持体の内側には、前記シリンダ錠の解錠操作によって作動する外枠作動体が摺動可能に設けられ、その外枠作動体の上下両端部には、外枠に設けられた係合金具に係合可能な外枠用鉤部が傾動可能に軸支されている。さらに、支持体の内側にはガラス扉作動体が摺動可能に設けられ、そのガラス扉作動体の両端部には、ガラス扉に設けられた係合金具に係合可能なガラス扉用鉤部が備えられている。
【0004】
また、支持体には、ガラス扉用鉤部とガラス扉の係合金具との係合状態を維持し、ガラス扉の不正解錠を防止するためのロック部材が取り付けられ、ガラス扉作動体には、前記ロック部材が係合する係合部材が設けられている。さらに、支持体には、前記ロック部材と係合部材との係合を解除し、ガラス扉を解錠するためのロック解除部材が設けられている。
【0005】
そして、ガラス扉を解錠するには、シリンダ錠によるガラス扉の解錠操作によってロック解除部材が作動してロック部材を作動させ、ロック部材の係合部材に対する係合が解除される。さらに、ガラス扉作動体が作動し、各ガラス扉用鉤部が係合金具から離脱して前枠からガラス扉が解錠される。また、外枠から前枠を解錠するには、シリンダ錠による前枠の解錠操作を行うと、外枠作動体が作動して外枠用鉤部が係合金具から離脱して外枠から前枠が解錠される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の施錠装置において、ガラス扉の解錠を行うには、シリンダ錠の解錠操作によって、ロック解除部材を作動させてガラス扉作動体を作動させなければならない。また、前枠の解錠を行うには、シリンダ錠の解錠操作により外枠作動体を作動させなければならない。即ち、各解錠操作毎に別々の作動体を作動させなければならず、遊技機における施錠装置の部品点数が多くなるという問題があった。本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、一体の作動杆でガラス扉及び前枠の解錠を行うことができ、部品点数を減らすことができる遊技機における施錠装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、前枠に固定される支持体には、同支持体に傾動可能に設けられ、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する外枠鉤部と、ガラス扉を前枠に施錠すべく当該ガラス扉に係合するガラス扉鉤部と、各鉤部の解錠操作を行う錠部材と、錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉鉤部に伝達すべく当該ガラス扉鉤部が一体形成されたガラス扉作動体と、錠部材による前枠の解錠操作を外枠鉤部に伝達し、前枠を解錠する機能及び錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉作動体に伝達し、ガラス扉を解錠する機能を有する作動杆とが設けられているとともに、前記ガラス扉作動体には、ガラス扉作動体の移動を規制すべく支持体の係合部位に係合可能なロック体が設けられ、前記作動杆はロック体を作動させて同ロック体と、係合部位との係合関係を解除させる機能を有することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における施錠装置において、前記外枠鉤部は、同外枠鉤部の基端側が、支持体に形成された鉤部固定板に傾動可能に取り付けられ、当該外枠鉤部の基端には、同外枠鉤部の傾動量を規制すべく鉤部固定板に当接する傾動規制片が形成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置において、前記外枠鉤部にはロック杆が取り付けられ、支持体には、外枠鉤部と外枠との係合状態で、当該外枠鉤部の傾動を規制すべくロック杆に係合するロック部材が設けられていることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図6に示すように遊技機の一種であるパチンコ遊技機11は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠12により形成され、この外枠12の前面には、四角枠状をなす前枠13が開閉可能に支持されている。この前枠13には、図示しない打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、前枠13の内側には遊技盤14が保持されるようになっている。この遊技盤14の前面には、図示しない釘、入賞器具等の遊技構成部材が設けられ、背面にはプリント基板等の遊技構成部材が搭載されている。
【0011】
前枠13の前面には四角板状のガラス扉15が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機11前面から遊技盤14が視認可能となっている。さらに、ガラス扉15の下方には、図示しないパチンコ球を貯留するための上皿を備えた長四角板状の上皿扉16が前枠13の前面に開閉可能に支持されている。
【0012】
図7に示すように、前枠13の一側には縦長四角状の施錠装置17が装着され、ガラス扉15及び上皿扉16を前枠13に施錠できるとともに、前枠13を外枠12に施錠できるようになっている。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機11を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0013】
図1及び図2(a)に示すように、施錠装置17は、亜鉛メッキ鋼板等の金属板から形成され、断面略コ字状をなすとともに、上下方向に延びるように形成された支持体18によって外郭が形成されている。この支持体18は、縦長四角板状の固定板18aと、固定板18aの左側から背面方向に折り曲げ形成された側板18bと、固定板18aの右側から背面方向に折り曲げ形成されたリブ18cとから構成されている。
【0014】
前記側板18bの上部及び中央部にはそれぞれ上下方向に延びる取付長孔18dが形成され、下側の取付長孔18dの下側には、第1ばね掛止片18fが形成されている。また、側板18bの中央の背面側端縁には、支持体18内に向かって延びる係合突片18gが係合部位として切り起こし形成されている。
【0015】
加えて、固定板18aの上端側には第2ばね掛止片18eが形成され、さらに、固定板18aのほぼ中央には、ロック部材取付板18hが切り起こし形成され、そのロック部材取付板18hには、第3ばね掛止片18jが形成されている。そして、図7に示すように、固定板18aの前面が前枠13の背面の一側に当接され、ビス等の固定部材によって、施錠装置17は前枠13に固定されている。
【0016】
まず、前記上皿扉16の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図1及び図2(b)に示すように、側板18bの下端の内側には長四角形状の上皿扉作動体20が上下動可能に設けられている。図1及び図2(a)に示すように、この上皿扉作動体20の前面の上下両部には、それぞれ四角板状の上皿扉鉤部21が前方に延びるように設けられ、各上皿扉鉤部21の上面にはそれぞれ係合凹所23が凹設されている。
【0017】
図1に示すように、この上皿扉作動体20の上側及び下側にはそれぞれの取付孔25が上下方向に延びるように形成されている。また、上皿扉作動体20の下端側には、取付板27が右方向に延びるように折り曲げ形成されている。その取付板27には下方に延びる第4ばね掛止片27aが切り起こし形成されている。
【0018】
そして、各上皿扉鉤部21を固定板18aを貫通させ、さらに、各取付孔25に挿通されたリベット(図示せず)をそれぞれ側板18bにかしめ着けすることにより、上皿扉作動体20が支持体18に上下動可能に取り付けられている。このとき、図2(a)に示すように、両上皿扉鉤部21は施錠装置17の前面側へ突出している。また、図1に示すように、上皿扉作動体20の上端には、手動上皿扉解除片28が左方向に延びるように折り曲げ形成され、この手動上皿扉解除片28は側板18bを貫通している。
【0019】
次に、前枠13の外枠12に対する施錠機構について詳述する。図1に示すように、固定板18aの上部には背面横台形状のシリンダ錠固定部36が形成されている。シリンダ錠固定部36には、錠部材としてのシリンダ錠37の基端部が装着され、その先端側は固定板18aの表面に突出した状態となっている。シリンダ錠37の基端には、背面視略V字状のカム板38が錠軸39に軸着され、シリンダ錠37の先端側から鍵(図示せず)を挿入して解錠操作を行うべく回転させると、カム板38は錠軸39を中心に鍵の回転方向と同一方向に回転するようになっている。
【0020】
カム板38には、舌片状の第1脚片38aが段差部分を介してカム板38の中央から斜め上方に向かって延設されている。また、カム板38には舌片状の第2脚片38bがカム板38の中央から斜め下方に向かって延設されている。固定板18aの上下側にはそれぞれ四角板状の上部鉤部固定板41及び下部鉤部固定板42が背面方向に折り曲げ形成されている。
【0021】
これら上部及び下部鉤部固定板41、42は、側板18bと平行になるように支持体18の内側に位置し、基端側にはそれぞれ固定板長孔41a,42aが形成されている。図2(a)に示すように、各鉤部固定板41、42には、それぞれ略三角板状の上部外枠鉤部43及び下部外枠鉤部44の基端側がリベットR1でかしめ着けされることによって傾動可能に取り付けられている。
【0022】
図1に示すように、各外枠鉤部43、44の中央には、それぞれ上方に向かって開口する係合凹所43a,44aが凹設され、各外枠鉤部43、44の先端は端部に向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。また、上部及び下部外枠鉤部43,44の基端の上下両部にはそれぞれ上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量を規制する一対の傾動規制片43b、44bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。一対の傾動規制片43b,44bは上部及び下部外枠鉤部43,44の基端側が傾動する際に描く軌跡上に位置するように形成されている。
【0023】
また、図2(a)、(b)に示すように、上部外枠鉤部43の上側の傾動規制片43bと、前記第2ばね掛止片18eとにはそれぞれ第2コイルばねC2の各端部が掛止されている。そして、その第2コイルばねC2の付勢力により、上部外枠鉤部43はその先端側が上方へ傾動するように付勢されている。さらに、下部外枠鉤部44の上側の傾動規制片44bと、前記第4ばね掛止片27aとにはそれぞれ第4コイルばねC4の各端部が掛止され、その第4コイルばねC4の付勢力により、下部外枠鉤部44はその先端側が上方へ傾動するように付勢されている。
【0024】
図2(a)に示すように、これら上部及び下部外枠鉤部43,44は施錠装置17の背面側へ突出している。そして、前記係合凹所43a,44aが、図7に破線に示す外枠12の右端に設けられた一対の外枠係合金具45にそれぞれ係合されることによって、外枠12に前枠13が施錠されるようになっている。
【0025】
図1に示すように、側板18bと前記上部及び下部鉤部固定板41,42との間には、長四角板状の作動杆46が上下動可能に設けられている。作動杆46の上下両端にはそれぞれ作動杆46の移動方向、即ち上下方向に延びる作動長孔46aが貫設され、図2(a)に示すように、各作動長孔46aから上部及び下部外枠鉤部43,44にリベットR2がかしめ着けられるている。上部及び下部外枠鉤部43,44にかしめ着けられたリベットR2は、それぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の固定板長孔41a,42a内に位置している。そして、上記作動杆46は、前記シリンダ錠37による前枠13の解錠操作を上部及び下部外枠鉤部43,44に伝達する機能を有している。
【0026】
図1に示すように、作動杆46の中央より上側には、前記第1脚片38aが係止可能な長四角形状の第1係止長孔46bが形成され、その第1係止長孔46bの下側には、前記第2脚片38bが係止可能な長四角形状の第2係止長孔46cが形成されている。また、作動杆46のほぼ中央の背面側縁部には背面側に延びる押出片46dが形成され、作動杆46の下側には、作動杆ばね掛止片46eが下方向に延びるように切り起こし形成されている。
【0027】
図2(a)、(b)に示すように、前記作動杆ばね掛止片46eには第1コイルばねC1の一端部が掛止され、作動杆46を貫通した前記第1コイルばねC1の他端部は前記第1ばね掛止片18fに掛止されている。そして、その第1コイルばねC1の付勢力により、作動杆46は上方へ付勢されている。なお、作動杆46が第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し下げられると、前記リベットR2に沿うように作動長孔46aが下方へ移動する。そのため、その作動長孔46aの長さ分だけ作動杆46のみが移動し、リベットR2と作動長孔46aとが干渉せず、上部及び下部外枠鉤部43,44は傾動しない。
【0028】
図1及び図2(b)に示すように、作動杆46の上部左側には、ロック杆47が取り付けられている。このロック杆47は、作動杆46と上部外枠鉤部43とを連結するための前記リベットR2により、上部外枠鉤部43との間に作動杆46が位置するように上部外枠鉤部43に取り付けられている。図1に示すように、ロック杆47には上下方向に延びるロック杆長孔47aが貫設され、さらに、ロック杆47の下端側の前端縁及び背面側端縁には、ガイドリブ47bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。そして、このロック杆47は上部外枠鉤部43の傾動とともに上下動可能に設けられ、作動杆46が上方へ移動する際にも上方へ移動する。
【0029】
図2(a)に示すように、前記ロック部材取付板18hの左側面には、細長板状をなすロック部材48の下端がリベットR3によりかしめ着けられることによって回動可能に軸支されている。図1に示すように、このロック部材48の上端側は、背面側へ凹むように形成され、その凹んだ位置には、前記ロック杆47の前面側のガイドリブ47bに係合可能な係合フック48aが形成されている。また、ロック部材48の中央には逃げ孔48cが貫設されている。
【0030】
図2(a)に示すように、ロック部材48の中央の右側面には側面視略W状をなす当接体49がリベットR4によりかしめ着けられることによって回動可能に軸支されている。図1に示すように、当接体49の上端側の前面側の縁部には四角板状をなす当接板49bが右方向に延びるように形成されている。
【0031】
図2(a)に示すように、前記当接体49の下端部に第3コイルばねC3の一端が掛止され、同第3コイルばねC3の他端が前記第3ばね掛止片18jに掛止されている。そして、第3コイルばねC3の付勢力によって、当接体49の当接板49b側が背面側へ回動するように付勢されている。さらに、第3コイルばねC3によりロック部材48の上端側が背面側へ回動するように付勢されている。
【0032】
続いて、ガラス扉15の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図2(b)に示すように、側板18bの内面と、前記作動杆46の左側面との間には長四角板状のガラス扉作動体52が上下動可能に設けられている。このガラス扉作動体52は、前記取付長孔18dから当該ガラス扉作動体52の上部及び中央部にリベット(図示せず)がかしめ着けられることにより、側板18bに上下動可能に取着されている。なお、前記リベットはロック杆47のロック杆長孔47a内に挿通されている。
【0033】
図1に示すように、ガラス扉作動体52の上側には、ガラス扉作動体52の移動方向、即ち上下方向に延びる逃げ長孔52aが貫設されている。ガラス扉作動体52の支持体18に対する取付状態で、前記逃げ長孔52a内に、上部外枠鉤部43を取り付けるためのリベットR2が配置されている。そのため、上部外枠鉤部43の傾動と、ガラス扉作動体52の上下動が互いに干渉されないようになっている。
【0034】
ガラス扉作動体52の上下両部には、側面横コ字状の上部ガラス扉鉤部53及び下部ガラス扉鉤部54が一体形成され、図2(a)に示すように、上部及び下部ガラス扉鉤部53,54は固定板18aの前面側に突出している。図1に示すように、各ガラス扉鉤部53、54の中央には、上方に向かって開口する係合凹所53a,54aがそれぞれ凹設されている。これらの係合凹所53a,54aはガラス扉15に設けられた図示しないガラス扉係合金具に係脱することによって、前枠13に対してガラス扉15を施錠及び解錠することができる。
【0035】
ガラス扉作動体52の中央部の背面側の縁部には、ガラス扉作動体52の内方へ向かって斜めに延びる係合溝52cが形成されている。そして、上記ガラス扉作動体52は、前記シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作を上部及び下部ガラス扉鉤部53,54に伝達するようになっている。
【0036】
ガラス扉作動体52において、前記係合溝52cの下側の左側面には板状をなすロック体55の上端部がリベット(図示せず)でかしめ着けされることによって回動可能に軸支されている。ロック体55の背面側の上端縁には、第5ばね掛止片55aが下方向に切り欠き形成されている。
【0037】
さらに、前記第5ばね掛止片55aの下側には背面側に延び、さらに右方向に延びる係止突片55bが形成され、この係止突片55bは前記作動杆46の押出片46dに当接可能に形成されている。また、ロック体55の下端側の背面縁部には係合突部55cが背面側へ突出形成され、この係合突部55cは支持体18の係合突片18gに係合可能に形成されている。
【0038】
そして、シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作により、作動杆46が押し下げられると、押出片46dにより前記係止突片55bが下方へ押される。その結果、ロック体55が作動して、係合突部55cと、係合突片18gとの係合関係が解除される。また、作動杆46の下方への移動がガラス扉作動体52に伝達されて、ガラス扉作動体52も押し下げられるとともに、上部及び下部ガラス扉鉤部53,54が押し下げられる。即ち、作動杆46は、シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作をガラス扉作動体52に伝達し、ガラス扉鉤部53,54に伝達する機能と、ロック体55を作動させて係合突部55cと、係合突片18gとの係合関係を解除させる機能を有する。
【0039】
前記側板18bの中央より上側には、板状をなす規制部材60が配設され、この規制部材60は分岐した一端部がリベット(図示せず)で側板18bにかしめ着けされることによって回動可能に軸支されている。規制部材60において、分岐した他端部には細長板状の解除片60aが前方に延設されている。そして、この解除片60aは固定板18aを貫通して前方に突出するように設けられている。
【0040】
また、解除片60aの基端側には、四角板状のロック板60bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。このロック板60bは、ガラス扉作動体52の上下動に伴い、規制部材60が回動することによって前記係合溝52cに係脱可能となっている。
【0041】
さらに、図2(a)に示すように、規制部材60の背面側の縁部と、前記第5ばね掛止片55aとには第5コイルばねC5の各端部がそれぞれ掛止されている。そして、この第5コイルばねC5の付勢力によって、ロック体55の上端側が上方へ引っ張られ、係合突部55cが係合突片18gに係合する方向に付勢されている。
【0042】
また、第5コイルばねC5の付勢力によって、規制部材60は解除片60aが前方へ向かい、ロック板60bが係合溝52cに係合する方向へ回動するように付勢されている。さらに、側板18bに固定された規制部材60に第5コイルばねC5が取り付けられているため、第5コイルばねC5の付勢力によってガラス扉作動体52はロック体55を介して上方に付勢されている。
【0043】
そして、図4(a)、(b)に示すように、ロック板60bが係合溝52cに係合し、ガラス扉作動体52の下方への移動が規制された状態を、ガラス扉15に対する施錠装置17の解錠状態とする。このとき、ロック体55の係合突部55cは係合突片18gより下側に位置し、互いに係合不能な位置に配置されている。一方、図5(a)に示すように、ロック板60bが係合溝52cから離脱し、ロック体55の係合突部55cが係合突片18gに係合可能な位置に配置された状態を、ガラス扉15に対する施錠装置17の施錠状態とする。
【0044】
次に、施錠装置17の使用方法を作用とともに説明する。
まず、施錠装置17を前枠13に装着するには、各上皿扉鉤部21、シリンダ錠37の先端、各ガラス扉鉤部53、54及び解除片60aを前枠13に形成された図示しない挿通孔に挿通させ、図7に示すように、固定板18aの前面を前枠13の四角枠状の縦枠の背面に当接させる。そして、前枠13に固定板18aをねじ等で固定する。このとき、図6に示すように各上皿扉鉤部21、シリンダ錠37の先端、各ガラス扉鉤部53、54及び解除片60aは前枠13の前面に突出するようになっている。
【0045】
次に、前枠13に対して上皿扉16を施錠するには、上皿扉16を閉止方向に回動させる。すると、各上皿扉鉤部21の先端が上皿扉係合金具24に摺動され、各上皿扉鉤部21は第4コイルばねC4の付勢力に抗して下方に移動する。そして、各上皿扉鉤部21の係合凹所23が上皿扉係合金具24に係合するとともに、第4コイルばねC4の付勢力によって各上皿扉鉤部21が上方に移動復帰される。第4コイルばねC4の付勢力によって各上皿扉鉤部21の係合状態が維持されることによって、前枠13に対する上皿扉16の施錠が維持されている。
【0046】
続いて、上皿扉16を解錠するには、前枠13を解錠して手動上皿扉解除片28を第4コイルばねC4の付勢力に抗して、手動で下方に押し下げる。すると、各上皿扉鉤部21の係合凹所23と上皿扉係合金具24の係合が解除され、上皿扉16を解錠することができる。
【0047】
次に、開放状態の前枠13を外枠12に施錠するには、前枠13を閉止方向に回動させる。すると、上部外枠鉤部43及び下部外枠鉤部44は、外枠係合金具45当接することによって、第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力に抗して先端が下がる方向に傾動するとともに、作動杆46が上部外枠鉤部43により引き上げられる。
【0048】
このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44において、下側の傾動規制片43b,44bがそれぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の下端縁に当接して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量が規制される。また、上部外枠鉤部43の傾動に伴い、ロック杆47も引き上げられる。このとき、ガイドリブ47bによりロック杆47は作動杆46に沿って上方へ移動する。また、ロック杆47の移動の際、ガラス扉作動体52を側板18bに取り付けるためのリベット(図示せず)に沿ってロック杆長孔47aが移動するため、ロック杆47の移動がガラス扉作動体52に干渉しない。
【0049】
作動杆46の上方への移動とほぼ同時に、当接板49bが、図3(a)に2点鎖線に示すように、外枠12の前面に当接し、さらに、前枠13の回動により当接板49bを介して、当接体49が施錠装置17の前面側へ押圧される。当接体49が押圧されることにより、ロック部材48の上端側が施錠装置17の前面側へ向かうように第3コイルばねC3の付勢力に抗して押圧される。
【0050】
そして、図3(a)に示すように、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合すると、伸張した第2及び第4コイルばねC2,C4の下方への付勢力によって、各外枠鉤部43、44の先端が上方へ向かうように傾動して水平状態に復帰される。このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44において、上側の傾動規制片43b,44bがそれぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の上端縁に当接して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量が規制される。また、上部外枠鉤部43の復帰に伴い、ロック杆47が下方へ移動する。
【0051】
第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力によって、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合した状態が維持され、外枠12に対する前枠13の施錠が維持される。また、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合すると、係合フック48aがロック杆47のガイドリブ47bに係合する。その係合により、ロック杆47の移動が規制され、そのロック杆47が取り付けられた上部外枠鉤部43の傾動が規制される。
【0052】
そのため、不正部材等により上部外枠鉤部43を不正操作して傾動させようとしても、ガイドリブ47bと係合フック48aとの係合により、ロック杆47を介して作動杆46の移動が規制される。その結果、係合凹所43aが外枠係合金具45に係合した状態が維持されるとともに、外枠12に対する前枠13の施錠が維持される。
【0053】
続いて、外枠12から前枠13を解錠するには、シリンダ錠37に鍵40を差し込み、前方から見て時計方向に回転させ、シリンダ錠37による前枠13の外枠12からの解錠操作を行う。第2脚片38bがロック部材48の前端縁に摺接することによってロック部材48は上端側が背面側へ押し出されるように回動される。すると、図3(b)に示すように、ガイドリブ47bに対する係合フック48aの係合状態が解除される。さらに、第3コイルばねC3の付勢力により、当接板49bが背面側へ向かうように当接体49が回動し、ロック部材48も上端側が背面側へ向かうように回動する。
【0054】
さらに、鍵40を前記時計方向に回転させると、第2脚片38bの先端は第2係止長孔46cの内周縁に係止し、カム板38の回転によって作動杆46が押し上げられる。このとき、リベットR2も上方へ移動するが、ガラス扉作動体52の逃げ長孔52a内を移動するため、逃げ長孔52aとリベットR2とが干渉することはない。
【0055】
すると、各外枠鉤部43、44は先端側が下方に向かうように傾動される。これに伴って、係合凹所43a,44aと外枠係合金具45の係合が解除され、外枠12から前枠13が解錠される。このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44は第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力に抗して傾動し、それら第2及び第4コイルばねC2,C4は伸張した状態となる。
【0056】
解錠後、鍵40を原位置へ復帰回転させると、伸張した第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力により上部及び下部外枠鉤部43,44が先端側が上方へ向かうように傾動され、各外枠鉤部43、44が水平状態に復帰される。上部外枠鉤部43が水平状態に復帰するに伴い作動杆46及びロック杆47も下方へ移動する。
【0057】
次に、開放状態のガラス扉15を前枠13に施錠するには、図4(a)に示すように、施錠装置17がガラス扉15に対して解錠状態にあるとき、ガラス扉15を閉止方向に回動させる。すると、ガラス扉15の背面が解除片60aに当接するとともに、図5(a)に示すように、解除片60aは、背面側へ押し出され、規制部材60は第5コイルばねC5の付勢力に抗して背面方向に回動し、第5コイルばねC5は伸張される。そして、ロック板60bと係合溝52cとの係合が解除されると、伸張した第5コイルばねC5の付勢力によってロック体55が引き上げられる。
【0058】
すると、各ガラス扉鉤部53、54が図4(a)、(b)に示す位置から図5(a)に示す位置まで移動し、ガラス扉係合金具(図示せず)に係合する。さらに、ガラス扉作動体52が引き上げられると、ロック体55も上方へ移動する。ガラス扉作動体52の上方への移動の際、ロック体55は第5コイルばねC5の付勢力によって、係合突片18gに圧接されている。そして、係合突片18gにより、ロック体55の下端側が前面側へ回動し、係合突部55cが係合突片18gを通過する。ロック体55が上方へ引き上げられ、係合突片18gより係合突部55cが上側に位置すると、ロック体55は上端側が第5コイルばねC5により引っ張られるため、下端側は背面側へ回動される。
【0059】
そして、施錠装置17がガラス扉15に対して施錠状態となり、ガラス扉15が前枠13に施錠される。この施錠状態でガラス扉作動体52を下方へ移動させる不正操作が行われても、係合突部55cの係合突片18gに対する係合によりガラス扉作動体52の下方への移動が規制される。
【0060】
続いて、前枠13からガラス扉15を解錠するには、施錠装置17がガラス扉15に対して施錠状態にあるとき、シリンダ錠37に鍵40を差し込み、前方から見て反時計方向に回転する。すると、図5(b)に示すように、第1脚片38aが逃げ孔48c内を通過して第1係止長孔46bの内周縁に係止し、さらにカム板38が回転されることにより、作動杆46が第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し下げられる。
【0061】
このとき、リベットR2は、作動長孔46aに挿通されている。そのため、作動杆46の移動の際、前記リベットR2に対し作動杆46は干渉せず、上部及び下部外枠鉤部43,44は傾動されない。作動杆46の下方への移動に伴い、押出片46dが係止突片55bに係止してロック体55を下方へ押圧する。すると、ロック体55は、下端側が前面側に向かうように第5コイルばねC5の付勢力に抗して回動され、係合突部55cが係合突片18gと係合可能な位置関係が解除される。即ち、ガラス扉作動体52への下方への移動が規制された状態が解除される。
【0062】
さらに、カム板38が回転されることにより、第1脚片38aによって作動杆46が押し下げられ、その作動杆46の押出片46dとロック体55の係止突片55bとが係止する。そして、押出片46dによって、ロック体55が第5コイルばねC5の付勢力に抗して押し下げられるとともに、ガラス扉作動体52が押し下げられる。その結果、各ガラス扉鉤部53、54とガラス扉係合金具との係合が解除される。
【0063】
さらに、押出片46dと係止突片55bが係止することにより、ロック体55を介してガラス扉作動体52が作動杆46によって押し下げられる。このとき、リベットR2に沿って逃げ長孔52aが移動するため、リベットR2とガラス扉作動体52とが干渉することはない。加えて、ガラス扉作動体52を側板18bに取り付けるためのリベット(図示せず)はロック杆長孔47aに挿通されている。そのため、ガラス扉作動体52が押し下げられるとき、リベットはロック杆長孔47a内を移動するため、リベットとロック杆47とが干渉することはない。
【0064】
また、ガラス扉作動体52が押し下げられることにより、係合溝52cがロック板60bに近づき、さらに、伸張された第5コイルばねC5により規制部材60が前面側へ引っ張られ、解除片60aが前方へ突出する方向へ回動される。すると、図4(b)に示すように、ロック板60bが係合溝52cに係合し、ガラス扉作動体52の上下動が規制されて、ガラス扉15に対する施錠装置17の解錠状態になる。
【0065】
実施形態の施錠装置17によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)作動杆46により上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させて外枠係合金具45との係合を解除させることができるとともに、ロック体55を介してガラス扉作動体52を作動させて上部及び下部ガラス扉鉤部53,54とガラス扉係合金具との係合を解除させることができる。即ち、作動杆46の一部材で前枠13及びガラス扉15の解錠を行うことができ、前枠13及びガラス扉15の各解錠を行うために別々の作動体を作動させていた従来と異なり、施錠装置17の部品点数を減らすことができる。
【0066】
(2)ガラス扉15の解錠時に、作動長孔46a及び逃げ長孔52aにより、作動杆46及びガラス扉作動体52と上部及び下部外枠鉤部43,44とを連結するリベットR2とが干渉することがなく、上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させることはない。また、前枠13の解錠時に逃げ長孔52a内でリベットR2が移動するため、リベットR2がガラス扉作動体52と干渉することがなく、ガラス扉作動体52を移動させることはない。従って、前枠13及びガラス扉15のいずれか一方の解錠操作が行われている際に、他方が施錠されていた場合、その他方が解錠されてしまう虞をなくすことができる。
【0067】
(3)上部外枠鉤部43と下部外枠鉤部44とを独立して傾動可能に形成した。そのため、不正操作等により上部及び下部外枠鉤部43,44のいずれか一方と外枠係合金具45との係合が解除されても、他方と外枠係合金具45との係合を維持することができる。従って、前枠13が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0068】
(4)ロック体55は、作動杆46の動作をガラス扉作動体52に伝達して同ガラス扉作動体52を作動させる機能と、係合突部55cが係合突片18gに係合してガラス扉作動体52の移動を規制する機能とを発揮させることができる。従って、各機能を別々の部材で発揮させる場合と比較して、ガラス扉15の施錠機構を安定して作動させることができるとともに、部品点数を少なくして構造を簡易化することができる。
【0069】
(5)係合突部55cが係合する係合突片18gを側板18bを切り起こして形成した。そのため、係合突部55cの係合する部位を支持体18とは別に設ける場合と比較して、ガラス扉作動体52の移動を確実に規制して、ガラス扉15の不正な開放を防止することができる。
【0070】
(6)上部外枠鉤部43にロック杆47を連結し、そのロック杆47のガイドリブ47bと係合フック48aとの係合により上部外枠鉤部43の傾動を規制することができる。従って、前枠13が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0071】
(7)上部及び下部外枠鉤部43,44にそれぞれ傾動規制片43b,44bを形成し、その傾動規制片43b,44bと上部及び下部鉤部固定板41,42との当接により上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制することができる。従って、作動杆46に傾動規制片を形成し、その傾動規制片により作動杆46の移動を規制して上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制する場合と比較して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を直接的に規制することができ、外枠係合金具45との係合及び解除を直接的に行うことができる。
【0072】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、係合部位としての係合突片18gを側板18bを切り起こして形成したが、側板18bに別部材を溶接等して係合部位を形成してもよい。
【0073】
・ 実施形態では、上部外枠鉤部43の傾動を規制するロック杆47を設けたが、ロック杆47を省略してもよい。また、下部外枠鉤部44にロック杆47を設け、そのロック杆47のガイドリブ47bに係合可能なロック部材48を支持体18に設け、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制してもよい。
【0074】
・ 実施形態では、上部及び下部外枠鉤部43,44に傾動規制片43b,44bを設けたが、傾動規制片43b,44bを省略してもよい。また、作動杆46に規制片を形成し、その作動杆46の規制片により作動杆46の移動量を規制して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量を規制してもよい。
【0075】
・ 実施形態では、規制部材60を右方向に折り曲げてロック板60bを形成したが、そのロック板60bの先端をさらに折り曲げて平面略U字状に形成してもよい。このように構成した場合、ロック板60bの先端内面がガラス扉作動体52の右側面に当接するため、ロック板60bをガラス扉作動体52の近傍位置に配置することができる。従って、ロック板60bの係合溝52cに対する係合を確実に行わせることができる。
【0076】
・ 前記各コイルばねC1〜C5を、板ばねやゴム等の他の付勢部材にそれぞれ変更してもよい。
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0077】
(1)前記支持体の係合部位は、支持体を切り起こして形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ロック体の係合する係合部位を支持体とは別に設ける場合と比較して、ガラス扉作動体の移動を確実に規制して、ガラス扉の不正な開放を防止することができる。
【0078】
(2)前記外枠鉤部は一対設けられ、各鉤部はそれぞれ作動杆に対して独立して傾動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、不正操作等により一対の外枠鉤部のいずれか一方と外枠との係合が解除されても、他方の外枠鉤部と外枠との係合を維持することができる。従って、前枠が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0079】
(3)前記外枠鉤部は支持体に対してリベットにより傾動可能に軸支され、前記作動杆は、同作動杆の移動方向に延びる作動長孔から前記リベットが外枠鉤部にかしめ着けられることにより、当該外枠鉤部と連結されているとともに、ガラス扉作動体の移動方向に延びる逃げ長孔内に前記リベットが配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3、前記技術的思想(1)及び(2)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ガラス扉の解錠時に作動杆及びガラス扉作動体を移動させても、作動長孔及び逃げ長孔がリベットに沿って移動するため、リベットに作動長孔及び逃げ長孔が干渉することなく、外枠鉤部を傾動させることはない。また、前枠の解錠時に作動杆を移動させても逃げ長孔内でリベットが移動するため、リベットがガラス扉作動体と干渉することがなく、ガラス扉作動体を移動させることはない。従って、前枠及びガラス扉のいずれか一方の解錠操作が行われている際に、他方が施錠されていた場合、その他方が解錠されてしまう虞をなくすことができる。
【0080】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、一体の作動杆でガラス扉及び前枠の解錠を行うことができ、部品点数を減らすことができる。
【0081】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、傾動規制片により外枠鉤部の傾動量を規制することができる。従って、作動杆に傾動規制片を形成し、作動杆の移動量を規制して外枠鉤部の傾動量を規制する場合と比較して、外枠鉤部の傾動量を直接的に規制することができ、外枠との係合及び解除を正確に行うことができる。
【0082】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、ロック杆とロック部材との係合により外枠鉤部の傾動を規制することができる。従って、前枠が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の施錠装置を示す分解斜視図。
【図2】(a)は施錠装置を示す側断面図、(b)は施錠装置を示す背面図。
【図3】(a)は前枠と外枠との施錠時の施錠装置を示す部分側断面図、(b)は前枠の外枠に対する解錠時の施錠装置を示す部分側断面図。
【図4】(a)はガラス扉に対する解錠時の施錠装置を示す部分側断面図、(b)はロック板と係合溝との係合状態を示す部分破断側面図。
【図5】(a)はガラス扉に対する施錠時の施錠装置を示す部分破断側面図、(b)はガラス扉作動体が押し下げられた状態を示す部分側面図。
【図6】ガラス扉及び上皿扉が解錠された前枠を示す斜視図。
【図7】前枠が解錠されたパチンコ遊技機を示す斜視図。
【符号の説明】
11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…外枠、13…前枠、14…遊技盤、15…ガラス扉、17…施錠装置、18…支持体、18g…係合部位としての係合突片、37…錠部材としてのシリンダ錠、41,42…上部及び下部鉤部固定板、43,44…上部及び下部外枠鉤部、43b,44b…傾動規制片、46…作動杆、47…ロック杆、48…ロック部材、52…ガラス扉作動体、53,54…上部及び下部ガラス扉鉤部、55…ロック体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、遊技盤が設けられた前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠するための遊技機における施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠と、外枠に開閉可能に支持される前枠と、前枠の内側に保持される遊技盤とから構成されている。また、前枠の前面には、四角板状をなすガラス扉が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機前面から遊技盤が視認可能となっている。そして、前枠の一側には施錠装置が装着され、その施錠装置により外枠に対して前枠を施錠できるとともに、前枠に対してガラス扉を施錠できるようになっている。
【0003】
この種の遊技機における施錠装置は、前枠に固定される支持体を備え、その支持体には、鍵によって回転操作可能なシリンダ錠が設けられている。また、支持体の内側には、前記シリンダ錠の解錠操作によって作動する外枠作動体が摺動可能に設けられ、その外枠作動体の上下両端部には、外枠に設けられた係合金具に係合可能な外枠用鉤部が傾動可能に軸支されている。さらに、支持体の内側にはガラス扉作動体が摺動可能に設けられ、そのガラス扉作動体の両端部には、ガラス扉に設けられた係合金具に係合可能なガラス扉用鉤部が備えられている。
【0004】
また、支持体には、ガラス扉用鉤部とガラス扉の係合金具との係合状態を維持し、ガラス扉の不正解錠を防止するためのロック部材が取り付けられ、ガラス扉作動体には、前記ロック部材が係合する係合部材が設けられている。さらに、支持体には、前記ロック部材と係合部材との係合を解除し、ガラス扉を解錠するためのロック解除部材が設けられている。
【0005】
そして、ガラス扉を解錠するには、シリンダ錠によるガラス扉の解錠操作によってロック解除部材が作動してロック部材を作動させ、ロック部材の係合部材に対する係合が解除される。さらに、ガラス扉作動体が作動し、各ガラス扉用鉤部が係合金具から離脱して前枠からガラス扉が解錠される。また、外枠から前枠を解錠するには、シリンダ錠による前枠の解錠操作を行うと、外枠作動体が作動して外枠用鉤部が係合金具から離脱して外枠から前枠が解錠される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の施錠装置において、ガラス扉の解錠を行うには、シリンダ錠の解錠操作によって、ロック解除部材を作動させてガラス扉作動体を作動させなければならない。また、前枠の解錠を行うには、シリンダ錠の解錠操作により外枠作動体を作動させなければならない。即ち、各解錠操作毎に別々の作動体を作動させなければならず、遊技機における施錠装置の部品点数が多くなるという問題があった。本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、一体の作動杆でガラス扉及び前枠の解錠を行うことができ、部品点数を減らすことができる遊技機における施錠装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、前枠に固定される支持体には、同支持体に傾動可能に設けられ、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する外枠鉤部と、ガラス扉を前枠に施錠すべく当該ガラス扉に係合するガラス扉鉤部と、各鉤部の解錠操作を行う錠部材と、錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉鉤部に伝達すべく当該ガラス扉鉤部が一体形成されたガラス扉作動体と、錠部材による前枠の解錠操作を外枠鉤部に伝達し、前枠を解錠する機能及び錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉作動体に伝達し、ガラス扉を解錠する機能を有する作動杆とが設けられているとともに、前記ガラス扉作動体には、ガラス扉作動体の移動を規制すべく支持体の係合部位に係合可能なロック体が設けられ、前記作動杆はロック体を作動させて同ロック体と、係合部位との係合関係を解除させる機能を有することを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における施錠装置において、前記外枠鉤部は、同外枠鉤部の基端側が、支持体に形成された鉤部固定板に傾動可能に取り付けられ、当該外枠鉤部の基端には、同外枠鉤部の傾動量を規制すべく鉤部固定板に当接する傾動規制片が形成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置において、前記外枠鉤部にはロック杆が取り付けられ、支持体には、外枠鉤部と外枠との係合状態で、当該外枠鉤部の傾動を規制すべくロック杆に係合するロック部材が設けられていることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。図6に示すように遊技機の一種であるパチンコ遊技機11は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠12により形成され、この外枠12の前面には、四角枠状をなす前枠13が開閉可能に支持されている。この前枠13には、図示しない打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、前枠13の内側には遊技盤14が保持されるようになっている。この遊技盤14の前面には、図示しない釘、入賞器具等の遊技構成部材が設けられ、背面にはプリント基板等の遊技構成部材が搭載されている。
【0011】
前枠13の前面には四角板状のガラス扉15が開閉可能に支持され、パチンコ遊技機11前面から遊技盤14が視認可能となっている。さらに、ガラス扉15の下方には、図示しないパチンコ球を貯留するための上皿を備えた長四角板状の上皿扉16が前枠13の前面に開閉可能に支持されている。
【0012】
図7に示すように、前枠13の一側には縦長四角状の施錠装置17が装着され、ガラス扉15及び上皿扉16を前枠13に施錠できるとともに、前枠13を外枠12に施錠できるようになっている。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機11を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0013】
図1及び図2(a)に示すように、施錠装置17は、亜鉛メッキ鋼板等の金属板から形成され、断面略コ字状をなすとともに、上下方向に延びるように形成された支持体18によって外郭が形成されている。この支持体18は、縦長四角板状の固定板18aと、固定板18aの左側から背面方向に折り曲げ形成された側板18bと、固定板18aの右側から背面方向に折り曲げ形成されたリブ18cとから構成されている。
【0014】
前記側板18bの上部及び中央部にはそれぞれ上下方向に延びる取付長孔18dが形成され、下側の取付長孔18dの下側には、第1ばね掛止片18fが形成されている。また、側板18bの中央の背面側端縁には、支持体18内に向かって延びる係合突片18gが係合部位として切り起こし形成されている。
【0015】
加えて、固定板18aの上端側には第2ばね掛止片18eが形成され、さらに、固定板18aのほぼ中央には、ロック部材取付板18hが切り起こし形成され、そのロック部材取付板18hには、第3ばね掛止片18jが形成されている。そして、図7に示すように、固定板18aの前面が前枠13の背面の一側に当接され、ビス等の固定部材によって、施錠装置17は前枠13に固定されている。
【0016】
まず、前記上皿扉16の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図1及び図2(b)に示すように、側板18bの下端の内側には長四角形状の上皿扉作動体20が上下動可能に設けられている。図1及び図2(a)に示すように、この上皿扉作動体20の前面の上下両部には、それぞれ四角板状の上皿扉鉤部21が前方に延びるように設けられ、各上皿扉鉤部21の上面にはそれぞれ係合凹所23が凹設されている。
【0017】
図1に示すように、この上皿扉作動体20の上側及び下側にはそれぞれの取付孔25が上下方向に延びるように形成されている。また、上皿扉作動体20の下端側には、取付板27が右方向に延びるように折り曲げ形成されている。その取付板27には下方に延びる第4ばね掛止片27aが切り起こし形成されている。
【0018】
そして、各上皿扉鉤部21を固定板18aを貫通させ、さらに、各取付孔25に挿通されたリベット(図示せず)をそれぞれ側板18bにかしめ着けすることにより、上皿扉作動体20が支持体18に上下動可能に取り付けられている。このとき、図2(a)に示すように、両上皿扉鉤部21は施錠装置17の前面側へ突出している。また、図1に示すように、上皿扉作動体20の上端には、手動上皿扉解除片28が左方向に延びるように折り曲げ形成され、この手動上皿扉解除片28は側板18bを貫通している。
【0019】
次に、前枠13の外枠12に対する施錠機構について詳述する。図1に示すように、固定板18aの上部には背面横台形状のシリンダ錠固定部36が形成されている。シリンダ錠固定部36には、錠部材としてのシリンダ錠37の基端部が装着され、その先端側は固定板18aの表面に突出した状態となっている。シリンダ錠37の基端には、背面視略V字状のカム板38が錠軸39に軸着され、シリンダ錠37の先端側から鍵(図示せず)を挿入して解錠操作を行うべく回転させると、カム板38は錠軸39を中心に鍵の回転方向と同一方向に回転するようになっている。
【0020】
カム板38には、舌片状の第1脚片38aが段差部分を介してカム板38の中央から斜め上方に向かって延設されている。また、カム板38には舌片状の第2脚片38bがカム板38の中央から斜め下方に向かって延設されている。固定板18aの上下側にはそれぞれ四角板状の上部鉤部固定板41及び下部鉤部固定板42が背面方向に折り曲げ形成されている。
【0021】
これら上部及び下部鉤部固定板41、42は、側板18bと平行になるように支持体18の内側に位置し、基端側にはそれぞれ固定板長孔41a,42aが形成されている。図2(a)に示すように、各鉤部固定板41、42には、それぞれ略三角板状の上部外枠鉤部43及び下部外枠鉤部44の基端側がリベットR1でかしめ着けされることによって傾動可能に取り付けられている。
【0022】
図1に示すように、各外枠鉤部43、44の中央には、それぞれ上方に向かって開口する係合凹所43a,44aが凹設され、各外枠鉤部43、44の先端は端部に向かうに従って下方に傾斜するように形成されている。また、上部及び下部外枠鉤部43,44の基端の上下両部にはそれぞれ上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量を規制する一対の傾動規制片43b、44bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。一対の傾動規制片43b,44bは上部及び下部外枠鉤部43,44の基端側が傾動する際に描く軌跡上に位置するように形成されている。
【0023】
また、図2(a)、(b)に示すように、上部外枠鉤部43の上側の傾動規制片43bと、前記第2ばね掛止片18eとにはそれぞれ第2コイルばねC2の各端部が掛止されている。そして、その第2コイルばねC2の付勢力により、上部外枠鉤部43はその先端側が上方へ傾動するように付勢されている。さらに、下部外枠鉤部44の上側の傾動規制片44bと、前記第4ばね掛止片27aとにはそれぞれ第4コイルばねC4の各端部が掛止され、その第4コイルばねC4の付勢力により、下部外枠鉤部44はその先端側が上方へ傾動するように付勢されている。
【0024】
図2(a)に示すように、これら上部及び下部外枠鉤部43,44は施錠装置17の背面側へ突出している。そして、前記係合凹所43a,44aが、図7に破線に示す外枠12の右端に設けられた一対の外枠係合金具45にそれぞれ係合されることによって、外枠12に前枠13が施錠されるようになっている。
【0025】
図1に示すように、側板18bと前記上部及び下部鉤部固定板41,42との間には、長四角板状の作動杆46が上下動可能に設けられている。作動杆46の上下両端にはそれぞれ作動杆46の移動方向、即ち上下方向に延びる作動長孔46aが貫設され、図2(a)に示すように、各作動長孔46aから上部及び下部外枠鉤部43,44にリベットR2がかしめ着けられるている。上部及び下部外枠鉤部43,44にかしめ着けられたリベットR2は、それぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の固定板長孔41a,42a内に位置している。そして、上記作動杆46は、前記シリンダ錠37による前枠13の解錠操作を上部及び下部外枠鉤部43,44に伝達する機能を有している。
【0026】
図1に示すように、作動杆46の中央より上側には、前記第1脚片38aが係止可能な長四角形状の第1係止長孔46bが形成され、その第1係止長孔46bの下側には、前記第2脚片38bが係止可能な長四角形状の第2係止長孔46cが形成されている。また、作動杆46のほぼ中央の背面側縁部には背面側に延びる押出片46dが形成され、作動杆46の下側には、作動杆ばね掛止片46eが下方向に延びるように切り起こし形成されている。
【0027】
図2(a)、(b)に示すように、前記作動杆ばね掛止片46eには第1コイルばねC1の一端部が掛止され、作動杆46を貫通した前記第1コイルばねC1の他端部は前記第1ばね掛止片18fに掛止されている。そして、その第1コイルばねC1の付勢力により、作動杆46は上方へ付勢されている。なお、作動杆46が第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し下げられると、前記リベットR2に沿うように作動長孔46aが下方へ移動する。そのため、その作動長孔46aの長さ分だけ作動杆46のみが移動し、リベットR2と作動長孔46aとが干渉せず、上部及び下部外枠鉤部43,44は傾動しない。
【0028】
図1及び図2(b)に示すように、作動杆46の上部左側には、ロック杆47が取り付けられている。このロック杆47は、作動杆46と上部外枠鉤部43とを連結するための前記リベットR2により、上部外枠鉤部43との間に作動杆46が位置するように上部外枠鉤部43に取り付けられている。図1に示すように、ロック杆47には上下方向に延びるロック杆長孔47aが貫設され、さらに、ロック杆47の下端側の前端縁及び背面側端縁には、ガイドリブ47bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。そして、このロック杆47は上部外枠鉤部43の傾動とともに上下動可能に設けられ、作動杆46が上方へ移動する際にも上方へ移動する。
【0029】
図2(a)に示すように、前記ロック部材取付板18hの左側面には、細長板状をなすロック部材48の下端がリベットR3によりかしめ着けられることによって回動可能に軸支されている。図1に示すように、このロック部材48の上端側は、背面側へ凹むように形成され、その凹んだ位置には、前記ロック杆47の前面側のガイドリブ47bに係合可能な係合フック48aが形成されている。また、ロック部材48の中央には逃げ孔48cが貫設されている。
【0030】
図2(a)に示すように、ロック部材48の中央の右側面には側面視略W状をなす当接体49がリベットR4によりかしめ着けられることによって回動可能に軸支されている。図1に示すように、当接体49の上端側の前面側の縁部には四角板状をなす当接板49bが右方向に延びるように形成されている。
【0031】
図2(a)に示すように、前記当接体49の下端部に第3コイルばねC3の一端が掛止され、同第3コイルばねC3の他端が前記第3ばね掛止片18jに掛止されている。そして、第3コイルばねC3の付勢力によって、当接体49の当接板49b側が背面側へ回動するように付勢されている。さらに、第3コイルばねC3によりロック部材48の上端側が背面側へ回動するように付勢されている。
【0032】
続いて、ガラス扉15の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図2(b)に示すように、側板18bの内面と、前記作動杆46の左側面との間には長四角板状のガラス扉作動体52が上下動可能に設けられている。このガラス扉作動体52は、前記取付長孔18dから当該ガラス扉作動体52の上部及び中央部にリベット(図示せず)がかしめ着けられることにより、側板18bに上下動可能に取着されている。なお、前記リベットはロック杆47のロック杆長孔47a内に挿通されている。
【0033】
図1に示すように、ガラス扉作動体52の上側には、ガラス扉作動体52の移動方向、即ち上下方向に延びる逃げ長孔52aが貫設されている。ガラス扉作動体52の支持体18に対する取付状態で、前記逃げ長孔52a内に、上部外枠鉤部43を取り付けるためのリベットR2が配置されている。そのため、上部外枠鉤部43の傾動と、ガラス扉作動体52の上下動が互いに干渉されないようになっている。
【0034】
ガラス扉作動体52の上下両部には、側面横コ字状の上部ガラス扉鉤部53及び下部ガラス扉鉤部54が一体形成され、図2(a)に示すように、上部及び下部ガラス扉鉤部53,54は固定板18aの前面側に突出している。図1に示すように、各ガラス扉鉤部53、54の中央には、上方に向かって開口する係合凹所53a,54aがそれぞれ凹設されている。これらの係合凹所53a,54aはガラス扉15に設けられた図示しないガラス扉係合金具に係脱することによって、前枠13に対してガラス扉15を施錠及び解錠することができる。
【0035】
ガラス扉作動体52の中央部の背面側の縁部には、ガラス扉作動体52の内方へ向かって斜めに延びる係合溝52cが形成されている。そして、上記ガラス扉作動体52は、前記シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作を上部及び下部ガラス扉鉤部53,54に伝達するようになっている。
【0036】
ガラス扉作動体52において、前記係合溝52cの下側の左側面には板状をなすロック体55の上端部がリベット(図示せず)でかしめ着けされることによって回動可能に軸支されている。ロック体55の背面側の上端縁には、第5ばね掛止片55aが下方向に切り欠き形成されている。
【0037】
さらに、前記第5ばね掛止片55aの下側には背面側に延び、さらに右方向に延びる係止突片55bが形成され、この係止突片55bは前記作動杆46の押出片46dに当接可能に形成されている。また、ロック体55の下端側の背面縁部には係合突部55cが背面側へ突出形成され、この係合突部55cは支持体18の係合突片18gに係合可能に形成されている。
【0038】
そして、シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作により、作動杆46が押し下げられると、押出片46dにより前記係止突片55bが下方へ押される。その結果、ロック体55が作動して、係合突部55cと、係合突片18gとの係合関係が解除される。また、作動杆46の下方への移動がガラス扉作動体52に伝達されて、ガラス扉作動体52も押し下げられるとともに、上部及び下部ガラス扉鉤部53,54が押し下げられる。即ち、作動杆46は、シリンダ錠37によるガラス扉15の解錠操作をガラス扉作動体52に伝達し、ガラス扉鉤部53,54に伝達する機能と、ロック体55を作動させて係合突部55cと、係合突片18gとの係合関係を解除させる機能を有する。
【0039】
前記側板18bの中央より上側には、板状をなす規制部材60が配設され、この規制部材60は分岐した一端部がリベット(図示せず)で側板18bにかしめ着けされることによって回動可能に軸支されている。規制部材60において、分岐した他端部には細長板状の解除片60aが前方に延設されている。そして、この解除片60aは固定板18aを貫通して前方に突出するように設けられている。
【0040】
また、解除片60aの基端側には、四角板状のロック板60bが右方向に延びるように折り曲げ形成されている。このロック板60bは、ガラス扉作動体52の上下動に伴い、規制部材60が回動することによって前記係合溝52cに係脱可能となっている。
【0041】
さらに、図2(a)に示すように、規制部材60の背面側の縁部と、前記第5ばね掛止片55aとには第5コイルばねC5の各端部がそれぞれ掛止されている。そして、この第5コイルばねC5の付勢力によって、ロック体55の上端側が上方へ引っ張られ、係合突部55cが係合突片18gに係合する方向に付勢されている。
【0042】
また、第5コイルばねC5の付勢力によって、規制部材60は解除片60aが前方へ向かい、ロック板60bが係合溝52cに係合する方向へ回動するように付勢されている。さらに、側板18bに固定された規制部材60に第5コイルばねC5が取り付けられているため、第5コイルばねC5の付勢力によってガラス扉作動体52はロック体55を介して上方に付勢されている。
【0043】
そして、図4(a)、(b)に示すように、ロック板60bが係合溝52cに係合し、ガラス扉作動体52の下方への移動が規制された状態を、ガラス扉15に対する施錠装置17の解錠状態とする。このとき、ロック体55の係合突部55cは係合突片18gより下側に位置し、互いに係合不能な位置に配置されている。一方、図5(a)に示すように、ロック板60bが係合溝52cから離脱し、ロック体55の係合突部55cが係合突片18gに係合可能な位置に配置された状態を、ガラス扉15に対する施錠装置17の施錠状態とする。
【0044】
次に、施錠装置17の使用方法を作用とともに説明する。
まず、施錠装置17を前枠13に装着するには、各上皿扉鉤部21、シリンダ錠37の先端、各ガラス扉鉤部53、54及び解除片60aを前枠13に形成された図示しない挿通孔に挿通させ、図7に示すように、固定板18aの前面を前枠13の四角枠状の縦枠の背面に当接させる。そして、前枠13に固定板18aをねじ等で固定する。このとき、図6に示すように各上皿扉鉤部21、シリンダ錠37の先端、各ガラス扉鉤部53、54及び解除片60aは前枠13の前面に突出するようになっている。
【0045】
次に、前枠13に対して上皿扉16を施錠するには、上皿扉16を閉止方向に回動させる。すると、各上皿扉鉤部21の先端が上皿扉係合金具24に摺動され、各上皿扉鉤部21は第4コイルばねC4の付勢力に抗して下方に移動する。そして、各上皿扉鉤部21の係合凹所23が上皿扉係合金具24に係合するとともに、第4コイルばねC4の付勢力によって各上皿扉鉤部21が上方に移動復帰される。第4コイルばねC4の付勢力によって各上皿扉鉤部21の係合状態が維持されることによって、前枠13に対する上皿扉16の施錠が維持されている。
【0046】
続いて、上皿扉16を解錠するには、前枠13を解錠して手動上皿扉解除片28を第4コイルばねC4の付勢力に抗して、手動で下方に押し下げる。すると、各上皿扉鉤部21の係合凹所23と上皿扉係合金具24の係合が解除され、上皿扉16を解錠することができる。
【0047】
次に、開放状態の前枠13を外枠12に施錠するには、前枠13を閉止方向に回動させる。すると、上部外枠鉤部43及び下部外枠鉤部44は、外枠係合金具45当接することによって、第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力に抗して先端が下がる方向に傾動するとともに、作動杆46が上部外枠鉤部43により引き上げられる。
【0048】
このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44において、下側の傾動規制片43b,44bがそれぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の下端縁に当接して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量が規制される。また、上部外枠鉤部43の傾動に伴い、ロック杆47も引き上げられる。このとき、ガイドリブ47bによりロック杆47は作動杆46に沿って上方へ移動する。また、ロック杆47の移動の際、ガラス扉作動体52を側板18bに取り付けるためのリベット(図示せず)に沿ってロック杆長孔47aが移動するため、ロック杆47の移動がガラス扉作動体52に干渉しない。
【0049】
作動杆46の上方への移動とほぼ同時に、当接板49bが、図3(a)に2点鎖線に示すように、外枠12の前面に当接し、さらに、前枠13の回動により当接板49bを介して、当接体49が施錠装置17の前面側へ押圧される。当接体49が押圧されることにより、ロック部材48の上端側が施錠装置17の前面側へ向かうように第3コイルばねC3の付勢力に抗して押圧される。
【0050】
そして、図3(a)に示すように、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合すると、伸張した第2及び第4コイルばねC2,C4の下方への付勢力によって、各外枠鉤部43、44の先端が上方へ向かうように傾動して水平状態に復帰される。このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44において、上側の傾動規制片43b,44bがそれぞれ上部及び下部鉤部固定板41,42の上端縁に当接して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量が規制される。また、上部外枠鉤部43の復帰に伴い、ロック杆47が下方へ移動する。
【0051】
第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力によって、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合した状態が維持され、外枠12に対する前枠13の施錠が維持される。また、係合凹所43a,44aが外枠係合金具45に係合すると、係合フック48aがロック杆47のガイドリブ47bに係合する。その係合により、ロック杆47の移動が規制され、そのロック杆47が取り付けられた上部外枠鉤部43の傾動が規制される。
【0052】
そのため、不正部材等により上部外枠鉤部43を不正操作して傾動させようとしても、ガイドリブ47bと係合フック48aとの係合により、ロック杆47を介して作動杆46の移動が規制される。その結果、係合凹所43aが外枠係合金具45に係合した状態が維持されるとともに、外枠12に対する前枠13の施錠が維持される。
【0053】
続いて、外枠12から前枠13を解錠するには、シリンダ錠37に鍵40を差し込み、前方から見て時計方向に回転させ、シリンダ錠37による前枠13の外枠12からの解錠操作を行う。第2脚片38bがロック部材48の前端縁に摺接することによってロック部材48は上端側が背面側へ押し出されるように回動される。すると、図3(b)に示すように、ガイドリブ47bに対する係合フック48aの係合状態が解除される。さらに、第3コイルばねC3の付勢力により、当接板49bが背面側へ向かうように当接体49が回動し、ロック部材48も上端側が背面側へ向かうように回動する。
【0054】
さらに、鍵40を前記時計方向に回転させると、第2脚片38bの先端は第2係止長孔46cの内周縁に係止し、カム板38の回転によって作動杆46が押し上げられる。このとき、リベットR2も上方へ移動するが、ガラス扉作動体52の逃げ長孔52a内を移動するため、逃げ長孔52aとリベットR2とが干渉することはない。
【0055】
すると、各外枠鉤部43、44は先端側が下方に向かうように傾動される。これに伴って、係合凹所43a,44aと外枠係合金具45の係合が解除され、外枠12から前枠13が解錠される。このとき、上部及び下部外枠鉤部43,44は第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力に抗して傾動し、それら第2及び第4コイルばねC2,C4は伸張した状態となる。
【0056】
解錠後、鍵40を原位置へ復帰回転させると、伸張した第2及び第4コイルばねC2,C4の付勢力により上部及び下部外枠鉤部43,44が先端側が上方へ向かうように傾動され、各外枠鉤部43、44が水平状態に復帰される。上部外枠鉤部43が水平状態に復帰するに伴い作動杆46及びロック杆47も下方へ移動する。
【0057】
次に、開放状態のガラス扉15を前枠13に施錠するには、図4(a)に示すように、施錠装置17がガラス扉15に対して解錠状態にあるとき、ガラス扉15を閉止方向に回動させる。すると、ガラス扉15の背面が解除片60aに当接するとともに、図5(a)に示すように、解除片60aは、背面側へ押し出され、規制部材60は第5コイルばねC5の付勢力に抗して背面方向に回動し、第5コイルばねC5は伸張される。そして、ロック板60bと係合溝52cとの係合が解除されると、伸張した第5コイルばねC5の付勢力によってロック体55が引き上げられる。
【0058】
すると、各ガラス扉鉤部53、54が図4(a)、(b)に示す位置から図5(a)に示す位置まで移動し、ガラス扉係合金具(図示せず)に係合する。さらに、ガラス扉作動体52が引き上げられると、ロック体55も上方へ移動する。ガラス扉作動体52の上方への移動の際、ロック体55は第5コイルばねC5の付勢力によって、係合突片18gに圧接されている。そして、係合突片18gにより、ロック体55の下端側が前面側へ回動し、係合突部55cが係合突片18gを通過する。ロック体55が上方へ引き上げられ、係合突片18gより係合突部55cが上側に位置すると、ロック体55は上端側が第5コイルばねC5により引っ張られるため、下端側は背面側へ回動される。
【0059】
そして、施錠装置17がガラス扉15に対して施錠状態となり、ガラス扉15が前枠13に施錠される。この施錠状態でガラス扉作動体52を下方へ移動させる不正操作が行われても、係合突部55cの係合突片18gに対する係合によりガラス扉作動体52の下方への移動が規制される。
【0060】
続いて、前枠13からガラス扉15を解錠するには、施錠装置17がガラス扉15に対して施錠状態にあるとき、シリンダ錠37に鍵40を差し込み、前方から見て反時計方向に回転する。すると、図5(b)に示すように、第1脚片38aが逃げ孔48c内を通過して第1係止長孔46bの内周縁に係止し、さらにカム板38が回転されることにより、作動杆46が第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し下げられる。
【0061】
このとき、リベットR2は、作動長孔46aに挿通されている。そのため、作動杆46の移動の際、前記リベットR2に対し作動杆46は干渉せず、上部及び下部外枠鉤部43,44は傾動されない。作動杆46の下方への移動に伴い、押出片46dが係止突片55bに係止してロック体55を下方へ押圧する。すると、ロック体55は、下端側が前面側に向かうように第5コイルばねC5の付勢力に抗して回動され、係合突部55cが係合突片18gと係合可能な位置関係が解除される。即ち、ガラス扉作動体52への下方への移動が規制された状態が解除される。
【0062】
さらに、カム板38が回転されることにより、第1脚片38aによって作動杆46が押し下げられ、その作動杆46の押出片46dとロック体55の係止突片55bとが係止する。そして、押出片46dによって、ロック体55が第5コイルばねC5の付勢力に抗して押し下げられるとともに、ガラス扉作動体52が押し下げられる。その結果、各ガラス扉鉤部53、54とガラス扉係合金具との係合が解除される。
【0063】
さらに、押出片46dと係止突片55bが係止することにより、ロック体55を介してガラス扉作動体52が作動杆46によって押し下げられる。このとき、リベットR2に沿って逃げ長孔52aが移動するため、リベットR2とガラス扉作動体52とが干渉することはない。加えて、ガラス扉作動体52を側板18bに取り付けるためのリベット(図示せず)はロック杆長孔47aに挿通されている。そのため、ガラス扉作動体52が押し下げられるとき、リベットはロック杆長孔47a内を移動するため、リベットとロック杆47とが干渉することはない。
【0064】
また、ガラス扉作動体52が押し下げられることにより、係合溝52cがロック板60bに近づき、さらに、伸張された第5コイルばねC5により規制部材60が前面側へ引っ張られ、解除片60aが前方へ突出する方向へ回動される。すると、図4(b)に示すように、ロック板60bが係合溝52cに係合し、ガラス扉作動体52の上下動が規制されて、ガラス扉15に対する施錠装置17の解錠状態になる。
【0065】
実施形態の施錠装置17によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)作動杆46により上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させて外枠係合金具45との係合を解除させることができるとともに、ロック体55を介してガラス扉作動体52を作動させて上部及び下部ガラス扉鉤部53,54とガラス扉係合金具との係合を解除させることができる。即ち、作動杆46の一部材で前枠13及びガラス扉15の解錠を行うことができ、前枠13及びガラス扉15の各解錠を行うために別々の作動体を作動させていた従来と異なり、施錠装置17の部品点数を減らすことができる。
【0066】
(2)ガラス扉15の解錠時に、作動長孔46a及び逃げ長孔52aにより、作動杆46及びガラス扉作動体52と上部及び下部外枠鉤部43,44とを連結するリベットR2とが干渉することがなく、上部及び下部外枠鉤部43,44を傾動させることはない。また、前枠13の解錠時に逃げ長孔52a内でリベットR2が移動するため、リベットR2がガラス扉作動体52と干渉することがなく、ガラス扉作動体52を移動させることはない。従って、前枠13及びガラス扉15のいずれか一方の解錠操作が行われている際に、他方が施錠されていた場合、その他方が解錠されてしまう虞をなくすことができる。
【0067】
(3)上部外枠鉤部43と下部外枠鉤部44とを独立して傾動可能に形成した。そのため、不正操作等により上部及び下部外枠鉤部43,44のいずれか一方と外枠係合金具45との係合が解除されても、他方と外枠係合金具45との係合を維持することができる。従って、前枠13が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0068】
(4)ロック体55は、作動杆46の動作をガラス扉作動体52に伝達して同ガラス扉作動体52を作動させる機能と、係合突部55cが係合突片18gに係合してガラス扉作動体52の移動を規制する機能とを発揮させることができる。従って、各機能を別々の部材で発揮させる場合と比較して、ガラス扉15の施錠機構を安定して作動させることができるとともに、部品点数を少なくして構造を簡易化することができる。
【0069】
(5)係合突部55cが係合する係合突片18gを側板18bを切り起こして形成した。そのため、係合突部55cの係合する部位を支持体18とは別に設ける場合と比較して、ガラス扉作動体52の移動を確実に規制して、ガラス扉15の不正な開放を防止することができる。
【0070】
(6)上部外枠鉤部43にロック杆47を連結し、そのロック杆47のガイドリブ47bと係合フック48aとの係合により上部外枠鉤部43の傾動を規制することができる。従って、前枠13が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0071】
(7)上部及び下部外枠鉤部43,44にそれぞれ傾動規制片43b,44bを形成し、その傾動規制片43b,44bと上部及び下部鉤部固定板41,42との当接により上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制することができる。従って、作動杆46に傾動規制片を形成し、その傾動規制片により作動杆46の移動を規制して上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制する場合と比較して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を直接的に規制することができ、外枠係合金具45との係合及び解除を直接的に行うことができる。
【0072】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、係合部位としての係合突片18gを側板18bを切り起こして形成したが、側板18bに別部材を溶接等して係合部位を形成してもよい。
【0073】
・ 実施形態では、上部外枠鉤部43の傾動を規制するロック杆47を設けたが、ロック杆47を省略してもよい。また、下部外枠鉤部44にロック杆47を設け、そのロック杆47のガイドリブ47bに係合可能なロック部材48を支持体18に設け、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動を規制してもよい。
【0074】
・ 実施形態では、上部及び下部外枠鉤部43,44に傾動規制片43b,44bを設けたが、傾動規制片43b,44bを省略してもよい。また、作動杆46に規制片を形成し、その作動杆46の規制片により作動杆46の移動量を規制して、上部及び下部外枠鉤部43,44の傾動量を規制してもよい。
【0075】
・ 実施形態では、規制部材60を右方向に折り曲げてロック板60bを形成したが、そのロック板60bの先端をさらに折り曲げて平面略U字状に形成してもよい。このように構成した場合、ロック板60bの先端内面がガラス扉作動体52の右側面に当接するため、ロック板60bをガラス扉作動体52の近傍位置に配置することができる。従って、ロック板60bの係合溝52cに対する係合を確実に行わせることができる。
【0076】
・ 前記各コイルばねC1〜C5を、板ばねやゴム等の他の付勢部材にそれぞれ変更してもよい。
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
【0077】
(1)前記支持体の係合部位は、支持体を切り起こして形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ロック体の係合する係合部位を支持体とは別に設ける場合と比較して、ガラス扉作動体の移動を確実に規制して、ガラス扉の不正な開放を防止することができる。
【0078】
(2)前記外枠鉤部は一対設けられ、各鉤部はそれぞれ作動杆に対して独立して傾動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、不正操作等により一対の外枠鉤部のいずれか一方と外枠との係合が解除されても、他方の外枠鉤部と外枠との係合を維持することができる。従って、前枠が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【0079】
(3)前記外枠鉤部は支持体に対してリベットにより傾動可能に軸支され、前記作動杆は、同作動杆の移動方向に延びる作動長孔から前記リベットが外枠鉤部にかしめ着けられることにより、当該外枠鉤部と連結されているとともに、ガラス扉作動体の移動方向に延びる逃げ長孔内に前記リベットが配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3、前記技術的思想(1)及び(2)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ガラス扉の解錠時に作動杆及びガラス扉作動体を移動させても、作動長孔及び逃げ長孔がリベットに沿って移動するため、リベットに作動長孔及び逃げ長孔が干渉することなく、外枠鉤部を傾動させることはない。また、前枠の解錠時に作動杆を移動させても逃げ長孔内でリベットが移動するため、リベットがガラス扉作動体と干渉することがなく、ガラス扉作動体を移動させることはない。従って、前枠及びガラス扉のいずれか一方の解錠操作が行われている際に、他方が施錠されていた場合、その他方が解錠されてしまう虞をなくすことができる。
【0080】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、一体の作動杆でガラス扉及び前枠の解錠を行うことができ、部品点数を減らすことができる。
【0081】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、傾動規制片により外枠鉤部の傾動量を規制することができる。従って、作動杆に傾動規制片を形成し、作動杆の移動量を規制して外枠鉤部の傾動量を規制する場合と比較して、外枠鉤部の傾動量を直接的に規制することができ、外枠との係合及び解除を正確に行うことができる。
【0082】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、ロック杆とロック部材との係合により外枠鉤部の傾動を規制することができる。従って、前枠が不正操作により容易に解錠される虞をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の施錠装置を示す分解斜視図。
【図2】(a)は施錠装置を示す側断面図、(b)は施錠装置を示す背面図。
【図3】(a)は前枠と外枠との施錠時の施錠装置を示す部分側断面図、(b)は前枠の外枠に対する解錠時の施錠装置を示す部分側断面図。
【図4】(a)はガラス扉に対する解錠時の施錠装置を示す部分側断面図、(b)はロック板と係合溝との係合状態を示す部分破断側面図。
【図5】(a)はガラス扉に対する施錠時の施錠装置を示す部分破断側面図、(b)はガラス扉作動体が押し下げられた状態を示す部分側面図。
【図6】ガラス扉及び上皿扉が解錠された前枠を示す斜視図。
【図7】前枠が解錠されたパチンコ遊技機を示す斜視図。
【符号の説明】
11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…外枠、13…前枠、14…遊技盤、15…ガラス扉、17…施錠装置、18…支持体、18g…係合部位としての係合突片、37…錠部材としてのシリンダ錠、41,42…上部及び下部鉤部固定板、43,44…上部及び下部外枠鉤部、43b,44b…傾動規制片、46…作動杆、47…ロック杆、48…ロック部材、52…ガラス扉作動体、53,54…上部及び下部ガラス扉鉤部、55…ロック体。
Claims (3)
- 外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、前枠に固定される支持体には、同支持体に傾動可能に設けられ、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する外枠鉤部と、ガラス扉を前枠に施錠すべく当該ガラス扉に係合するガラス扉鉤部と、各鉤部の解錠操作を行う錠部材と、錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉鉤部に伝達すべく当該ガラス扉鉤部が一体形成されたガラス扉作動体と、錠部材による前枠の解錠操作を外枠鉤部に伝達し、前枠を解錠する機能及び錠部材によるガラス扉の解錠操作をガラス扉作動体に伝達し、ガラス扉を解錠する機能を有する作動杆とが設けられているとともに、前記ガラス扉作動体には、ガラス扉作動体の移動を規制すべく支持体の係合部位に係合可能なロック体が設けられ、前記作動杆はロック体を作動させて同ロック体と、係合部位との係合関係を解除させる機能を有することを特徴とする遊技機における施錠装置。
- 前記外枠鉤部は、同外枠鉤部の基端側が、支持体に形成された鉤部固定板に傾動可能に取り付けられ、当該外枠鉤部の基端には、同外枠鉤部の傾動量を規制すべく鉤部固定板に当接する傾動規制片が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機における施錠装置。
- 前記外枠鉤部にはロック杆が取り付けられ、支持体には、外枠鉤部と外枠との係合状態で、当該外枠鉤部の傾動を規制すべくロック杆に係合するロック部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置。
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