JP3976553B2 - ゲーム機の施錠装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシン、パチンコ機等のゲーム機の前扉の内側に取り付けられ、前扉を本体枠(キャビネット等)に対し施錠するゲーム機の施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゲーム機の前扉を本体枠に対し施錠する施錠装置として、断面L字状の取付板と支持板からなる基枠体の内側に、連結杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部材が連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付板の中間部にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に差込むように固定され、錠軸の先端に連結杆と係合するカム板が固定されてなる施錠装置が、一般に使用されている(例えば、実公昭57−8867号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の施錠装置は、シリンダ錠の錠軸をキーで回すことにより、カム板を回動させ、カム板に係合する連結杆を上下に揩動させ、これにより、連結杆の上下端に連結される鉤部材を傾動させ、鉤部材の受け金具との係合をはずして解錠する構造である。しかしながら、施錠状態つまり鉤部材が受け金具と係合した状態であっても、鉤部材に直接力を加えて動かせば、それを傾動させることができるため、ゲーム機の一部に隙間があって、その隙間から針金等を内部に差し込み、針金等で鉤部材に直接力を加えて傾動させると、前扉がキーを用いずに不正に解錠されてしまう問題があった。
【0004】
そこで、本発明者らは、施錠完了時に連結杆の動きをロックするロック部材を連結杆に枢支して設け、解錠時にはロック部材のロックを解除する機構を設けることにより、上記のような不正解錠を防止する施錠装置を提案した(特許第3127290号公報参照)。しかしながら、この従来の連結杆をロックする施錠装置は、施錠動作に入る際にロックを解除するロック解除部材を、基枠体内の支持板に回動可能に軸支する必要があり、構造が複雑となり組付工数や部品点数が多くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、簡単な構造で、鉤部材を針金等で不正に動かして解錠する不正解錠を防止することができるゲーム機の施錠装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の施錠装置は、取付板と支持板からなる基枠体の内側に連結杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部材が該連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、基枠体の中間部にシリンダ錠が取り付けられ、シリンダ錠の錠軸の先端に連結杆と係合するカム板が固定され、基枠体がゲーム機の前扉に縦に取付けられ、ゲーム機の本体枠側に取付けられた受け金具の係止部に鉤部材が係止されて前扉を施錠するゲーム機の施錠装置において、本体枠側に係止片が設けられ、前扉の閉鎖時に係止片が係合する係止凹部が連結杆に設けられ、係止凹部の近傍の連結杆にロック部材が揺動可能に軸支され、ロック部材には、係止片が係合する係合凹部が設けられると共に、傾斜面を持った傾斜係合部がカム板と係合可能に設けられ、前扉の閉鎖時に係止片が係止凹部と係合凹部に係合して連結杆の移動をロックすると共に、カム板が解錠側に回動したとき、ロック部材が係止片と係止凹部及び係合凹部との係合を外してロックを解除する構造としたことを特徴とする。
【0007】
ここで、ロック部材は、コイルばねによって係止片と係合凹部とを係合させる方向に付勢されると共に、連結杆は、コイルばねにより鉤部材の係止方向に付勢され、前扉を閉じて施錠する際、係止片に押されて係合を外す側にロック部材が一旦回動した後、連結杆が鉤部材の係止側へ移動して鉤部材が係止片に係合したとき、係止片が連結杆の係止凹部とロック部材の係合凹部に係合して、施錠状態になるように構成することができる。また、ロック部材には、施錠状態において係止片とロック部材の係合凹部との係合を外す方向に回動・操作するための把持部を設けることができる。また、本体枠側に設ける係止片は、受け金具と一体に形成することができるが、別個に形成して、本体枠の側壁内側に取り付けることもできる。
【0008】
【作用】
このような構成の施錠装置では、ゲーム機の前扉を本体枠に対し閉じ、鉤部材を受け金具の係止部に係止させて施錠を完了すると、ロック部材が連結杆をロックすることにより鉤部材がロックされる。このため、ゲーム機の本体枠と前扉の隙間等から、針金等を差し込んで、連結杆や鉤部材を直接動かして不正解錠をしようとしても、施錠状態にある連結杆や鉤部材はロックされて動かず、不正解錠を防止することができる。
【0009】
また、解錠時にはロック部材がカム板の係合部により係合を外す方向に揺動し、係止片の係止凹部と係合凹部との係合を解除してロックを解除するから、これによって、連結杆をカム板の回動により摺動させて、鉤部材を傾動させ、解錠することができる。
【0010】
また、ロック部材は、連結杆に枢軸を介して揺動可能に軸支され、連結杆と共に移動する。このため、前扉を閉めて施錠する際、本体枠側の係止片がロック部材を押して揺動させながら係止凹部に進入し、その後、鉤部材の傾動により、連結杆がロック部材と共に摺動して、係止片がロック部材の係合凹部と係合し、施錠状態が完了する。
【0011】
このように、本施錠装置は、ロック解除部材を使用せずにロック部材だけで、連結杆のロックを行い、解錠時にはロックを解除すると共に、前扉を閉鎖する施錠時にはロック部材のロックを自動的に行うことができ、従来のものに比べ、構造が簡単となり、組付工数や部品点数を削減することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1はスロットマシン用の施錠装置の右側面図を、図2はその背面図を、図3はその左側面図を、図4はその分解側面図を各々示している。1は縦長の基枠体で、取付板2と支持板3を断面L字状又は部分的に断面コ字状に曲折して一体成形してなり、基枠体1の支持板3の上部と下部に幅広の枢支部が形成される。取付板2には複数の取付孔が穿設され、更に、取付板2の正面側中央に取付片2aが正面に向けて突出して設けられる。
【0013】
支持板3の上下の枢支部には、鉤部材4、5が下方に傾動可能に枢支ピン4a,5aで枢支される。鉤部材4、5は三角形頭部を有しその中間部に係合凹部を有し、後述の受け金具23の係止部24、25に係止可能である。基枠体1の内側には、図1に示すように、支持板3に沿って長尺の連結杆6が上下に摺動可能に配設され、連結杆6の上端は、鉤部材4の中間部に連結ピン4bで連結され、その下端は同様に下部の鉤部材5の中間部に連結ピン5bで連結される。
【0014】
図4に示すように、連結杆6の略中間部に、後述のカム板8の係合部8aが係合する係合孔6aが形成されると共に、係止凹部6bが後述の受け金具23の中間部の係止片26を係合可能に背面側に向けて設けられる。さらに、連結杆6は、その中間部に設けた長孔6cにガイドピン16を通しそれを支持板3に固定することにより、支持板3に沿って摺動可能に支持される。この鉤部材4、5及びそれを動かす連結杆6は、ゲーム機の前扉用の施錠機構を構成する。
【0015】
この連結杆6の内側(支持板3との間)にロック部材10が揺動可能に配設される。このロック部材10は、施錠時に連結杆6の移動をロックするもので、枢軸11によって連結杆6に対し揺動可能に取り付けられている。図4に示すように、このロック部材10には、連結杆6の係止凹部6bに対応した位置に係合凹部10aが設けられ、また、傾斜面をもつ異形孔状の傾斜係合部10bがカム板8の係合部8aと係合可能に形成される。更に、ロック部材10には、ガイドピン16を通すための長孔10cが形成される。
【0016】
連結杆6と支持板3の間に、枢軸11によって揺動可能に配設されるロック部材10には、連結杆6との間にコイルばね12がかけられ、ロック部材10は、常時コイルばね12の付勢力により、図1のように、その係合凹部10aを連結杆6の係止凹部6bと同じ位置に位置させる。また、シリンダ錠7の解錠操作によってカム板8が解錠方向に回動した際、カム板8の係合部8aが傾斜係合部10b内に進入してその傾斜面に係合可能である。
【0017】
取付板2の略中央部分に、補助取付板9が左側に突き出すように固定され、その補助取付板9にシリンダ錠7を挿入するための孔が形成され、更に、リセットスイッチ(近接スイッチ又は光電スイッチ等)13を取り付けるための取付部9aが背面側に突き出すように立設される。シリンダ錠7はその元部にフランジ部7aを有し、フランジ部7aを補助取付板9の背面側にねじで固定して取り付けられる。シリンダ錠7の錠軸にはスイッチ作動部8bと係合部8aを持つカム板8が固定され、カム板8を図2時計方向に回動したとき、スイッチ作動部8bがリセットスイッチ13に作用して、それをオンオフ動作させる。
【0018】
図2の反時計方向にカム板8を回動させると、カム板の係合部8aは連結杆6の係合孔6aに係合し、連結杆6を下方に摺動させ、鉤部材4、5を下側に傾動させる。連結杆6と取付板2との間にコイルばね14が掛けられ、連結杆6はコイルばね14により上側に付勢される。連結杆6は、その中間部に設けた長孔6cにガイドピン16を通し、支持板3に沿って上下に摺動可能に支持される。ガイドピン16はロック部材10の長孔10cにも挿通されて、その先端が支持板3に固定される。これにより、ガイドピン16は、連結杆6と共にロック部材10の上下動をガイドすると共に、ロック部材10の揺動を所定の範囲でガイドする。また、連結杆6は、支持板3の一部を切り起こして形成した切起部3aによっても摺動可能にガイドされる。
【0019】
支持板3の下部に前扉支持用の支持ローラ18が設けられる。この支持ローラ18は、閉鎖時に本体枠側の滑り板27上に乗り上げ、大重量の前扉の位置が下がった際にも施錠を確実に行えるようにする。
【0020】
上記構成の施錠装置は、図7に示すように、スロットマシンの前扉21の内側に、シリンダ錠7の先端を前面に露出させ、鉤部材4、5を本体枠20側に向けた状態で、取付板2を用いて縦に取付けられる。一方、本体枠(キャビネット)20の内側には、受け金具23が縦に固定される。この受け金具23は、図5、図6に示すように、施錠装置の鉤部材4、5に対応した箇所に、その鉤部材4、5が係止される板状の係止部24、25が設けられ、更に、その中間部に板状の係止片26が形成される。この係止片26は、前扉21の閉鎖時に、上記連結杆6の係止凹部6bとロック部材10の係合凹部10a内に進入するように、その係止凹部6bと係合凹部10aに位置に対応して設けられる。また、支持ローラ18が閉鎖時に乗り上げて支持される滑り板27が係止部25の下に設けられる。なお、図5、図6の受け金具金具23は、一体に形成されているが、係止部24,25、係止片26、及び滑り板27を各々別個に形成し、本体枠20に取り付けることもできる。
【0021】
この施錠装置は、スロットマシンの前扉21を本体枠20に対し閉じると、図7に示すように、施錠装置の上下の鉤部材4、5が本体枠20側の係止部24、25に当って下方に傾動し、このとき、図11に示すように、受け金具23の係止片26がロック部材10の係合凹部10aの上縁部に当たる。ロック部材10が揺動可能であるため、前扉21を閉じる力によって係止片26に押されて内側に揺動し、係止片26が連結杆6の係止凹部6b内に進入した時、鉤部材4、5が係止部24、25に嵌り係合する。そして、コイルばね14の付勢力により連結杆6が上方に戻ることにより、ロック部材10の係合凹部10aが上に移動し、これにより、図9に示すように、受け金具23の係止片26がロック部材10の係合凹部10aと連結杆6の係止凹部6b内に嵌入し、連結杆6がロックされる。
【0022】
このように、前扉21を閉じる際に、ロック部材10が揺動して、受け金具23側の係止片26の係止凹部6bへの係合が許容されるから、係止片26が連結杆6の係止凹部6bに容易に嵌り込むことができ、また、鉤部材4、5が係止部24、25の係止される際、連結杆6がロック部材10と共に上方に移動するから、係止片26は係止凹部6bと共に、ロック部材10の係合凹部10aに確実に係合し、連結杆6をロック状態とすることができる。
【0023】
従って、スロットマシンの前扉21と本体枠20の間の隙間から針金等を差し込み、鉤部材4、5や連結杆6を不正に傾動或は摺動させようとしても、連結杆6がロックされて動かず、不正解錠を防止することができる。
【0024】
前扉をキーにより解錠する場合は、キーでシリンダ錠7の錠軸を回し、カム板8を図2反時計方向に回転させると、カム板8の係合部8aが、連結杆6の長孔6cに進入すると共に、ロック部材10の傾斜係合部(異形孔)10bに進入して、図9のように、その傾斜面に当たって、ロック部材10の上部を前方(受け金具と反対方向)に揺動させながら、連結杆6を下方に摺動させる。このとき、ロック部材10は、図10に示すように、その係合凹部10aを係止片26から外すように揺動し、この係止片26と係合凹部10aとの係合が外れる。これによって、連結杆6の下方への移動が可能となり、この際、連結杆6が下方へ移動することにより、上下の鉤部材4、5と係止部24、25との係合が外れ、前扉21が解錠される。解錠状態となった前扉21は、開放側への図示しないばね付勢手段により開放される。
【0025】
このように、キーを右に回して、カム板8の係合部8aを同方向に回動させれば、ロック部材10を図10のように揺動させてロックを外しながら、連結杆6を解錠方向に移動させ、鉤部材4、5を傾動させて、解錠することができる。キーを左に回せば、カム板8が同方向に回動し、そのスイッチ作動部8bがリセットスイッチ13に作用して、スロットマシンをリセットさせる。
【0026】
図12〜図19はパチンコ機の本体枠に対し前面枠(前扉)を施錠する施錠装置の例を示している。31は縦長の基枠体で、取付板32と支持板33を断面L字状に曲折して一体成形してなり、基枠体31の支持板33の上部と下部に幅広の枢支部が形成される。取付板32には複数の取付孔が穿設されると共に、取付板32の上部寄りにシリンダ錠37を挿入するための異形孔が形成される。
【0027】
支持板33の上下の枢支部には、鉤部材34、35が下側に傾動可能に、枢支ピン34a,35aによって枢支される。鉤部材34、35は三角形頭部とその中間部の係合凹部を設けて形成され、後述の分割形成された受け金具の係止部54、55に係止可能である。基枠体31の内側には、支持板33に沿って長尺の連結杆36が上下に摺動可能に配設され、連結杆36の上端は、鉤部材34の末端部に連結ピン34bにより連結され、その下端は同様に下部の鉤部材35の末端部に連結ピン35bにより連結される。
【0028】
図15の分解図に示すように、連結杆36の略中間部に、後述のカム板38の係合部38aが係合する係合孔36aが形成されると共に、係止凹部36bが後述の本体枠側の係止片56を係合可能に背面側に向けて設けられる。さらに、連結杆36は、その中間部に設けた長孔36cにガイドピン46を通しそれを支持板33に固定することにより、支持板33に沿って摺動可能に支持される。この鉤部材34、35及びそれを動かす連結杆36は、パチンコ機の前面枠用の施錠機構を構成する。
【0029】
この連結杆36の内側(支持板33との間)にロック部材40が揺動可能に配設される。このロック部材40は、施錠時に連結杆36の移動をロックするもので、枢軸(軸支)41によって連結杆36に対し揺動可能に取り付けられている。図15に示すように、このロック部材40には、連結杆36の係止凹部36bに対応した位置に係合凹部40aが設けられ、また、傾斜面をもつ異形凹部状の傾斜係合部40bがカム板38の係合部38aと係合可能に形成される。ロック部材40とガラス枠作動杆39との間にコイルばね43がかけられ、コイルばね43はロック部材40を、その係合凹部40aが後述の係止片56と係合する側に付勢している。更に、ロック部材40には、ロック部材40のロックを解除する際に操作するための把持部40cが支持板33から外側に突出するように設けられる。
【0030】
支持板33の上部寄りに切起し部33aが支持板の一部を外側に切り起こすように設けられ、この切起し部33aと支持板33との間に板厚1枚分の空間が形成され、その空間にガラス枠作動杆39が上下摺動可能に配設される。このガラス枠作動杆39には、図示しないパチンコ機の金枠に設けられたガラス枠施錠具の解錠用レバーに係合する係合凸部39aが設けられる。さらに、ガラス枠作動杆39には、カム板38の係合部38bに係合する係合孔39bが設けられ、ガイドピン46が挿通するガイド孔39cが設けられる。
【0031】
取付板32の上部寄り部位に幅広部が形成され、その幅広部にシリンダ錠37を挿入するための孔が形成される。シリンダ錠37は、その孔に内側から挿入し、シリンダ錠37の元部のフランジ部37aを取付板32に固定して、取り付けられる。シリンダ錠37の錠軸には係合部38bと係合部38aを持つカム板38が固定され、カム板38を図13の時計方向に回動したとき、ガラス枠作動杆39に作用して、それを下方に摺動させる。
【0032】
一方、図13の反時計方向にカム板38を回動させると、カム板の係合部38aが連結杆36の係合孔36aに係合し、連結杆36を上方に摺動させ、鉤部材34、35を下側に傾動させる。連結杆36と取付板32との間にコイルばね42が掛けられ、連結杆36はコイルばね42により下側に付勢される。連結杆36は、その中間部に設けた長孔36cにガイドピン46を通し、支持板33に沿って上下に摺動可能に支持される。ガイドピン46はガラス枠作動杆39のガイド孔39cにも挿通されて、その先端は支持板33に固定される。これにより、ガイドピン46は、連結杆36と共にガラス枠作動杆39の上下動をガイドする。また、連結杆36は、取付板32の一部を切り起こして形成した切起部によっても摺動可能にガイドされる。
【0033】
上記構成の施錠装置は、図16〜図19に示すように、パチンコ機の前扉(前面枠)51の内側に、シリンダ錠37の先端を前面に露出させ、鉤部材34、35をパチンコ機の本体枠50側に向けた状態で、取付板32を用いて縦に取付けられる。一方、本体枠50の内側には、受け金具の係止部54,55が鉤部材34,35の対応位置に各々固定される。さらに、係止片56が本体枠50の内側の所定位置に取り付けられる。この係止片56は、前扉51の閉鎖時に、上記連結杆36の係止凹部36bとロック部材40の係合凹部40a内に進入するように、その係止凹部36bと係合凹部40aに位置に対応して設けられる。
【0034】
この施錠装置は、パチンコ機の前扉51を本体枠50に対し閉じると、図16に示すように、施錠装置の上下の鉤部材34、35が本体枠50側の係止部54、55に当って下方に傾動し、このとき、係止片56がロック部材40の係合凹部40aの上縁部に当たる。ロック部材40が揺動可能であるため、前扉51を閉じる力によって係止片56に押されて内側に揺動し、係止片56が連結杆36の係止凹部36b内に進入した時、図17のように、鉤部材34、35が係止部54、55に嵌り係合する。そして、コイルばね43の付勢力により連結杆36が上方に戻ることにより、ロック部材40の係合凹部40aが上に移動し、これにより、図18に示すように、係止片56がロック部材40の係合凹部40aと連結杆36の係止凹部36b内に嵌入し、連結杆36がロックされる。
【0035】
このように、前扉51を閉じる際に、ロック部材40が揺動して、本体枠側の係止片56の係止凹部36bへの係合が許容されるから、係止片56が連結杆36の係止凹部36bに容易に嵌り込むことができ、また、鉤部材34、35が係止部54、55の係止される際、連結杆36がロック部材40と共に上方に移動するから、係止片56は係止凹部36bと共に、ロック部材40の係合凹部40aに確実に係合し、連結杆36をロック状態とすることができる。
【0036】
従って、パチンコ機の前扉51と本体枠50の間の隙間から針金等を差し込み、鉤部材34、35や連結杆36を不正に傾動或は摺動させようとしても、連結杆36がロックされて動かず、不正解錠を防止することができる。
【0037】
前扉をキーにより解錠する場合は、キーでシリンダ錠37の錠軸を回し、カム板38を図13反時計方向に回転させると、カム板38の係合部38aが、連結杆36の長孔36aに進入すると共に、ロック部材40の傾斜係合部40bに当たって、ロック部材40の上部を前方(受け金具と反対方向)に揺動させながら、連結杆36を上方に摺動させる。このとき、ロック部材40は、図19に示すように、その係合凹部40aを係止片56から外すように揺動し、この係止片56と係合凹部40aとの係合が外れる。これによって、連結杆36の上方への移動が可能となり、この際、連結杆36が上方へ移動することにより、上下の鉤部材34、35が下方に傾動して、係止部54、55との係合が外れ、前扉51が解錠される。解錠状態となった前扉51は、開放側への図示しないばね付勢手段により開放される。
【0038】
このように、キーを右に回して、カム板38の係合部38aを同方向に回動させれば、ロック部材40を図19のように揺動させてロックを外しながら、連結杆36を解錠方向に移動させ、鉤部材34、35を傾動させて、解錠することができる。一方、キーを左に回せば、カム板38が同方向に回動し、その係合部38bがガラス枠作動杆39の係合孔39bに係合してこれを下方に摺動させ、係合凸部39aを介して図示しないガラス枠施錠具を解錠動作させ、ガラス枠を解錠させる。
【0039】
ところで、パチンコ機のガラス枠を開いて点検作業などを行う際、パチンコ機の内側からキーを用いずに前扉を解錠したい場合があるが、このような場合には、パチンコ機の内側からロック部材40の把持部40cを持って内側に引き、ロック部材40を図19の位置に回動させてロックを解除した状態で、鉤部材34又は35或いは連結杆36を下側に引けば、係止部54,55との係合が外れ、解錠することができる。
【0040】
なお、上記実施例では、支持板の上部と下部に鉤部材を傾動可能に枢支し、連結杆によって両鉤部材を連結したが、上部と下部に鉤部を一体に形成してなる施錠杆を基枠体内に摺動可能に配設した構造の施錠装置にも適用することができ、この場合には、ロック部材をその施錠杆に枢軸を介して軸支し、施錠杆に係止凹部を設け、本体枠側の係止片をそこに係合させる構造にすれば良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゲーム機の施錠装置によれば、ゲーム機の前扉を本体枠に対し閉じ、鉤部材が受け金具の係止部に係止されて施錠が完了すると、ロック部材と本体枠側の係止片の作用によって連結杆がロックされるから、ゲーム機の本体枠と前扉の隙間等から、針金等を差し込んで、連結杆や鉤部材を直接動かして不正解錠をしようとしても、施錠状態にある連結杆や鉤部材はロックされて動かず、不正解錠を防止することができる。また、ロック解除部材を使用せずにロック部材だけで、連結杆のロックを行うことができるから、従来のものに比べ、構造が簡単で、組付工数や部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す施錠装置の右側面図である。
【図2】その背面図である。
【図3】その左側面図である。
【図4】その分解側面図である。
【図5】受け金具の左側面図である。
【図6】同受け金具正面図である。
【図7】使用状態の施錠する際の左側面図である。
【図8】使用状態の施錠完了時の左側面図である。
【図9】施錠状態の要部拡大図である。
【図10】解錠時の要部拡大図である。
【図11】前扉を閉めて施錠する際の要部拡大図である。
【図12】他の実施例の施錠装置の右側面図である。
【図13】同施錠装置の背面図である。
【図14】同施錠装置の平面図である。
【図15】同施錠装置の右側面図である。
【図16】同施錠装置の分解右側面図である。
【図17】同施錠装置の使用状態における前扉を閉じる際の右側面図である。
【図18】同施錠装置の施錠状態の右側面図である。
【図19】同施錠装置の解錠操作時の右側面図である。
【符号の説明】
1−基枠体
2−取付板
3−支持板
4、5−鉤部材
6−連結杆
6b−係止凹部
7−シリンダ錠
8−カム板
10−ロック部材
10a−係合凹部
10b−傾斜係合部
11−枢軸
12−コイルばね
20−本体枠
21−前扉
23−受け金具
24、25−係止部
26−係止片
Claims (4)
- 取付板と支持板からなる基枠体の内側に連結杆が摺動可能に配設され、該支持板の上部と下部に鉤部材が該連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、該基枠体の中間部にシリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸の先端に前記連結杆と係合するカム板が固定され、前記基枠体がゲーム機の前扉に縦に取付けられ、該ゲーム機の本体枠側に取付けられた受け金具の係止部に前記鉤部材が係止されて前扉を施錠するゲーム機の施錠装置において、
前記本体枠側に係止片が設けられ、該前扉の閉鎖時に該係止片が係合する係止凹部が前記連結杆に設けられ、該係止凹部の近傍の該連結杆にロック部材が揺動可能に軸支され、該ロック部材には、該係止片が係合する係合凹部が設けられると共に、傾斜面を持った傾斜係合部が前記カム板と係合可能に設けられ、該前扉の閉鎖時に該係止片が該係止凹部と該係合凹部に係合して連結杆の移動をロックすると共に、カム板が解錠側に回動したとき、該ロック部材が該係止片と係止凹部及び係合凹部との係合を外してロックを解除する構造としたことを特徴とするゲーム機の施錠装置。 - 前記ロック部材がコイルばねによって前記係止片と該係合凹部とを係合させる方向に付勢されると共に、前記連結杆がコイルばねにより前記鉤部材の係止方向に付勢され、前記前扉を閉じて施錠する際、該係止片に押されて係合を外す側に該ロック部材が一旦回動した後、該連結杆が該鉤部材の係止側へ移動して該鉤部材が係止片に係合したとき、該係止片が連結杆の係止凹部とロック部材の係合凹部に係合して、施錠状態になることを特徴とする請求項1記載のゲーム機の施錠装置。
- 前記ロック部材には、施錠状態において前記係止片と該ロック部材の係合凹部との係合を外す方向に回動・操作するための把持部が設けられたことを特徴とする請求項2記載のゲーム機の施錠装置。
- 上部と下部に鉤部を一体に形成した施錠杆が縦長の基枠体内に摺動可能に配設され、該基枠体の中間部にシリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸の先端に該施錠杆と係合するカム板が固定され、前記基枠体がゲーム機の前扉に縦に取付けられ、該ゲーム機の本体枠側に取付けられた受け金具の係止部に前記鉤部が係止されて前扉を施錠するゲーム機の施錠装置において、
前記本体枠側に係止片が設けられ、該前扉の閉鎖時に該係止片が係合する係止凹部が前記施錠杆に設けられ、該係止凹部の近傍の該施錠杆にロック部材が揺動可能に軸支され、該ロック部材には、該係止片が係合する係合凹部が設けられると共に、傾斜面を持った傾斜係合部が前記カム板と係合可能に設けられ、該前扉の閉鎖時に該係止片が該係止凹部と該係合凹部に係合して連結杆の移動をロックすると共に、カム板が解錠側に回動したとき、該ロック部材が該係止片と係止凹部及び係合凹部との係合を外してロックを解除する構造としたことを特徴とするゲーム機の施錠装置。
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