JP2004236829A - 遊技機における施錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】錠部材から外枠作動体への動力伝達を速やかに行うことができ、外枠作動体を速やかに作動させて外枠鉤を速やかに作動させることができる遊技機における施錠装置を提供する。
【解決手段】施錠装置17の外郭を形成する支持体18には、外枠作動体25が上下動可能に設けられている。その外枠作動体25の上下両端部にはそれぞれ外枠鉤26が回動可能に設けられている。また、支持体18にはシリンダ錠Sが設けられ、そのシリンダ錠Sにはピニオン22が軸着されている。外枠作動体25にはラック25cが設けられ、そのラック25cは前記ピニオン22と噛合されている。そして、鍵23によりピニオン22を回動させると、ピニオン22とラック25cとの噛合により外枠作動体25が作動され、さらにその外枠作動体25により外枠鉤26が作動される。
【選択図】 図2
【解決手段】施錠装置17の外郭を形成する支持体18には、外枠作動体25が上下動可能に設けられている。その外枠作動体25の上下両端部にはそれぞれ外枠鉤26が回動可能に設けられている。また、支持体18にはシリンダ錠Sが設けられ、そのシリンダ錠Sにはピニオン22が軸着されている。外枠作動体25にはラック25cが設けられ、そのラック25cは前記ピニオン22と噛合されている。そして、鍵23によりピニオン22を回動させると、ピニオン22とラック25cとの噛合により外枠作動体25が作動され、さらにその外枠作動体25により外枠鉤26が作動される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、遊技盤が設けられた前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠するための遊技機における施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が縦長四角枠状をなす本体枠と、本体枠に開閉可能に支持される前面枠と、前面枠の内側に保持される遊技盤とから構成されている。前面枠の一側部には施錠装置が装着され、その施錠装置により前面枠を本体枠に施錠できるようになっている。前記施錠装置は遊技機の前面枠に固定される基枠体と、基枠体に取り付けられる施錠杆とを備え、この施錠杆の上下端には施錠用鉤が突出形成されている。また、前記基枠体には、鍵によって施錠杆の施錠用鉤をスライド可能とするシリンダ錠が設けられている。この種の施錠装置としては、以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、シリンダ錠の軸端には略V字状をなすカム板が取り付けられ、鍵の回動方向と同一方向にカム板が回動可能になっているタイプのものである。
【0003】
前記施錠杆には、カム板を回動させた際にカム板の突部に係合する係合孔が透設され、かつ施錠杆は引張りバネを介してその付勢力により基枠体に対して上方に付勢されている。前記施錠装置によって本体枠に前面枠が施錠された状態から前面枠を解錠するには、鍵を介してカム板を前面枠の解錠方向へ回動させ、カム板の突部を施錠杆の係合孔と係合させる。すると、施錠杆が引張りバネの付勢力に抗して下方にスライドされ、前記施錠用鉤と本体枠の受け金具との係合が解除される。その結果、前面枠が本体枠から解錠される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−271322号公報(第4頁〜第6頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の遊技機における施錠装置においては、カム板の突部と施錠杆の係合孔との係合位置にずれが生じた場合は、鍵を介してカム板を回動させても速やかに施錠杆を作動させることができず、施錠用鉤を速やかに作動させることができないという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、錠部材から外枠作動体への動力伝達を速やかに行うことができ、外枠作動体を速やかに作動させて外枠鉤を速やかに作動させることができる遊技機における施錠装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、前枠に固定される支持体には、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する一対の外枠鉤と、該外枠鉤の解錠操作を行う錠部材と、この錠部材による外枠の解錠操作を外枠鉤に伝達すべく前記一対の外枠鉤に連結された一本の外枠作動体とが設けられ、前記錠部材には解錠操作に伴い回動するピニオンが取り付けられているとともに、前記外枠作動体には、前記ピニオンに噛合するラックが一体形成され、錠部材による外枠の解錠操作に伴うピニオンの回動により、同ピニオンと噛合した前記ラックを介して外枠作動体を作動させるように構成したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における施錠装置において、前記ピニオンの厚みをラックの厚みよりも大きく形成したことを要旨とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置において、前記一対の外枠鉤はそれぞれ基端部が外枠作動体に連結されているとともに、先端側が外枠に係合するように形成され、一対の外枠鉤にはそれぞれ基端から当該外枠鉤の先端に向かって延びる延設片が設けられ、各延設片と、支持体との間に設けられた付勢部材により、各外枠鉤は外枠に係合する方向へ回動するように付勢されていることを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した遊技機における施錠装置の一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。まず、図5及び図6に示すように遊技機の一種であるパチンコ遊技機11は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠12により形成され、この外枠12の左側部には、四角枠状をなす前枠13が開閉可能に支持されている。また、図5に破線に示すように、外枠12の右側部の内面には上下一対の外枠係合金具Kが設けられ、それら外枠係合金具Kは前枠13を外枠12に施錠するために外枠12に設けられている。前記前枠13には図示しない打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、前枠13の内側には遊技盤14が保持されている。
【0010】
図6に示すように、前枠13の左側部にはガラス扉15が開閉可能に支持されている。前記ガラス扉15の右側部の裏面には上下一対のガラス扉鉤Gが設けられ、それらガラス扉鉤Gはガラス扉15を前枠13に施錠するためにガラス扉15に設けられている。さらに、ガラス扉15の下方における前枠13の左側部には、上皿扉16が開閉可能に支持され、この上皿扉16には図示しないパチンコ球を貯留するための上皿が備えられている。図5に示すように、前枠13の右側部の背面には縦長四角状の施錠装置17が装着され、この施錠装置17によりガラス扉15を前枠13に施錠でき、前枠13を外枠12に施錠できるようになっている。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機11を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0011】
図1及び図2(a)に示すように、施錠装置17は、亜鉛メッキ鋼板等から細長四角板状に形成された支持体18によって外郭が形成されている。この支持体18は縦長四角板状の固定板18aと、固定板18aの左側から背面方向に折り曲げ形成された側板18bとを備えている。図1に示すように、固定板18aの上部及び下部には、それぞれ平面視T字状をなす取付片19が一対ずつ切り起こし形成され、上下各一対の取付片19の間にはそれぞれ掛止突片20が切り起こし形成されている。また、固定板18aの上部における取付片19の下側と、固定板18aの下縁部とにはそれぞれ第1掛止フック21が、固定板18aを切り起こし、さらに下方へ延びるように折り曲げて形成されている。図2(a)、(b)に示すように、固定板18aにおいて、前記各第1掛止フック21より右側にはそれぞれ貫通孔18dが透設されている。
【0012】
図1に示すように、固定板18aの下部には錠部材としてのシリンダ錠Sが装着され、そのシリンダ錠Sには円盤状をなすピニオン22が軸着されている。そして、シリンダ錠Sの先端側から鍵23を挿入して解錠操作を行うべく鍵23を回動させると、その鍵23の回動方向と同一方向にピニオン22が回動するようになっている。前記側板18bの上部及び下部の端縁には、それぞれ背面視L字状をなすストッパー片24が延設されている。
【0013】
図2(a)に示すように、上記構成の支持体18において側板18bの内側には、細長板状をなす外枠作動体25が上下動可能に設けられ、この外枠作動体25の両端部には、それぞれ細長板状をなす外枠鉤26が連結されている。まず、前記外枠作動体25について説明する。図1に示すように、外枠作動体25の上下両部及び中央よりやや下部にはそれぞれスライド孔25aが透設され、各スライド孔25aはそれぞれ外枠作動体25の長さ方向に細長に延びるように形成されている。外枠作動体25の上端部及び中央部より下側にはそれぞれ係止突片25bが、右方向に延びるように折り曲げ形成されている。
【0014】
また、外枠作動体25の下部は左側へ膨出するように折り曲げ形成され、その膨出部分の端縁にはラック25cが形成されている。前記ラック25cは、同ラック25cを構成する歯となる部分が右方向に突出するように形成されている。加えて、外枠作動体25において、施錠装置17の背面側となる端縁の上下両部には、それぞれ押圧突片25fが突出形成されている。
【0015】
上記構成の外枠作動体25はリベットRが前記3箇所のスライド孔25aを貫通して側板18bにかしめ着けられることにより側板18bの内側に取り付けられている。また、外枠作動体25が側板18bの内側に取り付けられるとき、上下一対のリベットRは、それぞれ外枠鉤26の基端部を貫通して側板18bにかしめ着けられるため、外枠作動体25の上下両部にはそれぞれ外枠鉤26が連結されている。そして、外枠作動体25は、前記スライド孔25aの長さ方向への長さ分だけ支持体18に沿ってスライド移動可能に構成されている。また、図2(a)に示すように、外枠作動体25が側板18bの内側に取り付けられた状態において、前記ラック25cは前記ピニオン22と噛合するように配設されている。
【0016】
前記一対の外枠鉤26は、それぞれ細長板状に形成された鉤部26aと、同鉤部26aの基端から延設された延設片26bとから略U字状に形成されている。前記鉤部26aは、基端部がリベットRにより側板18bに軸支されているとともに、先端側には下方へ開口する係合凹所26cが形成され、この係合凹所26cは外枠係合金具Kと係合可能に形成されている。前記延設片26bは、鉤部26aの基端から右方向に延びた後、鉤部26aの先端側に向かって延びるように折り曲げ形成されている。各延設片26bの先端には、それぞれ付勢部材としての第1コイルばねC1の一端(上端)が掛止され、それら第1コイルばねC1の他端(下端)は、固定板18aの上下各第1掛止フック21に掛止されている。即ち、延設片26bと支持体18との間に第1コイルばねC1が設けられ、各第1コイルばねC1により、各外枠鉤26は下方、具体的には外枠鉤26が外枠係合金具Kに係合する方向へ回動するように付勢されている。
【0017】
また、各外枠鉤26は、前記鉤部26aが側板18bとストッパー片24との間に配置され、延設片26bがストッパー片24より右側に位置するように配設されている。そして、前枠13と外枠12とが施錠されていない状態では、鉤部26aの下端縁がストッパー片24に当接して外枠鉤26の回動が規制されている。各外枠鉤26の回動が規制された状態では、外枠鉤26は、前枠13が閉止方向へ回動されたとき、その前枠13の外枠係合金具Kと対応する位置に位置決めされている。
【0018】
各鉤部26aの上端縁には当接片26dが左方向に延びるように形成されている。図3(a)に示すように、各当接片26dは、外枠作動体25が上方へスライド移動したとき、外枠作動体25の押圧突片25fによりそれぞれ下方から上方に向かって押圧され、その押圧により外枠鉤26が回動するようになっている。さらに、外枠鉤26が回動したとき、当接片26dが側板18bの端縁に当接するようになっている。
【0019】
次に、ガラス扉15の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図1に示すように、固定板18aの上下両部の内側には、それぞれガラス扉作動体27が設けられ、各ガラス扉作動体27によりガラス扉15を前枠13に施錠及び解錠することが可能となっている。前記ガラス扉作動体27はそれぞれ細長四角板状をなす金属板を断面U字状に折り曲げ形成し、さらに、所定部位を切り欠くことによって形成されている。各ガラス扉作動体27の上部には、第1ガイド孔27aがガラス扉作動体27の上端縁から下方へ延びるように形成され、その第1ガイド孔27aの下側には略四角形状をなす係合孔27cが透設されている。ガラス扉作動体27において、図2(b)に示すように、前記係合孔27cより下側の内面はガラス扉鉤Gが係合可能な係合部27gとなっている。
【0020】
図1に示すように、各ガラス扉作動体27において、前記係合孔27cの下側にはそれぞれT字状をなす第2ガイド孔27bが透設されている。各ガラス扉作動体27の左側縁部のほぼ中央には、係止突部27dが支持体18の背面に向かって延びるように折り曲げ形成され、同左側縁部の下部には第2掛止フック27eが支持体18の背面に向かって延びるように折り曲げ形成されている。
【0021】
そして、図2(a)、(b)に示すように、両ガラス扉作動体27は、第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bに前記取付片19が挿入され、係合孔27cに前記掛止突片20が挿入された状態で下方へスライド移動されて固定板18aに取り付けられている。即ち、両ガラス扉作動体27は、各取付片19の先端部が、第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bの縁部に係止されることにより固定板18aに取り付けられている。
【0022】
また、各係合孔27cを通過した掛止突片20には、それぞれ第2コイルばねC2の一端(上端)が掛止され、それら第2コイルばねC2の他端(下端)はそれぞれ各ガラス扉作動体27の第2掛止フック27eに掛止されている。そして、前記第2コイルばねC2により、各ガラス扉作動体27はそれぞれ上方に付勢されている。各ガラス扉作動体27がそれぞれ第2コイルばねC2により上方に付勢された状態では、各取付片19の下面に第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bの内周縁が当接して、各ガラス扉作動体27はそれぞれ上方への移動が規制されている。このとき、各ガラス扉作動体27は、係合孔27cが固定板18aの貫通孔18dと対応するように配置され、係止突部27dの真上に外枠作動体25の係止突片25bが位置するように配置されている。
【0023】
次に、前記施錠装置17の作用について以下に記載する。
まず、前枠13の外枠12に対する施錠について説明する。施錠装置17を備えた前枠13を閉止方向へ回動させると、一対の外枠係合金具Kにより一対の外枠鉤26が、それぞれ第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し上げられるとともに、各第1コイルばねC1が伸長される。そして、一対の外枠係合金具Kが各係合凹所26cの下側に位置すると、外枠係合金具Kによる外枠鉤26の押し上げが解除され、伸長した第1コイルばねC1の原形状への復帰により各外枠鉤26が下方へ引張られる。すると、図2(a)に示すように、各外枠鉤26の係合凹所26cがそれぞれ外枠係合金具Kに係合して前枠13が外枠12に施錠され、各第1コイルばねC1の付勢力により外枠鉤26が外枠係合金具Kに係合した状態が維持される。
【0024】
前枠13が外枠12に施錠された状態で、不正行為によって外枠作動体25を直接的に操作して押し上げようとしても、ピニオン22とラック25cの歯同士が複数箇所で噛合しているため、それら噛合箇所には大きな摩擦力が発生する。さらに、外枠作動体25を押し上げようとする際に、ラック25cの歯とピニオン22の歯との間に滑りが生じ、このときにも摩擦力が発生する。その結果、ラック25cとピニオン22との噛合が大きな摩擦抵抗となり、外枠作動体25を不正行為によって押し上げ、外枠鉤26を回動させて前枠13を解錠する行為が困難となる。
【0025】
前枠13が外枠12に施錠されている状態から前枠13を解錠するには、まずシリンダ錠Sに鍵23を差し込み、前枠13の解錠方向に回動させる。すると、図3(b)に示すように、ピニオン22の複数の歯がラック25cの複数の歯に噛合しているため、各歯が即座に噛合い、ピニオン22の回動がラック25cに速やかに伝達され、外枠作動体25が速やかに作動される。そして、ラック25cがピニオン22の回動により押し上げられ、同ラック25cを介して外枠作動体25が上方へスライドする。このとき、ピニオン22の厚みは、ラック25cの厚みよりも大きく形成されているため、ピニオン22の回動時に、同ピニオン22がラック25cから離脱することが防止される。
【0026】
そして、外枠作動体25が上方へスライドされると、図3(a)に示すように、各押圧突片25fにより当接片26dが上方へ押されて、各外枠鉤26がそれぞれ第1コイルばねC1の付勢力に抗して回動し、各外枠鉤26の先端が上方へ向くとともに、各第1コイルばねC1が伸長される。これに伴って、各外枠鉤26の係合凹所26cの外枠係合金具Kに対する係合が解除され、外枠12から前枠13が解錠される。
【0027】
前枠13の解錠後、鍵23の回動作業を解除すると、一対の伸長した第1コイルばねC1の原形状への復帰により一対の外枠鉤26は先端が下方へ移動する方向に引張られて回動される。このとき、各外枠鉤26の鉤部26aの下端がそれぞれストッパー片24の内面に当接して、外枠鉤26の必要以上の回動が規制される。また、各外枠鉤26が回動する際に、当接片26dが押圧突片25fを下方へ押すため、外枠作動体25は下方へ押され、外枠作動体25及び外枠鉤26が解錠前の状態に戻る。
【0028】
次に、ガラス扉15の施錠及び解錠について説明する。ガラス扉15を前枠13に施錠するには、ガラス扉15を前枠13方向へ回動させると、一対のガラス扉鉤Gがそれぞれ貫通孔18d内に挿入され、さらに、各ガラス扉作動体27がガラス扉鉤Gにより下方へ押し下げられる。すると、図2(b)に示すように、一対のガラス扉鉤Gがそれぞれ係合孔27cの周縁部となるガラス扉作動体27の係合部27gに係合してガラス扉15が前枠13に施錠される。
【0029】
ガラス扉15を前枠13から解錠するには、まず鍵23をガラス扉15の解錠方向に回動させる。このときも、ピニオン22の複数の歯がラック25cの複数の歯に噛合しているため、各歯が即座に噛合い、ピニオン22の回動がラック25cに速やかに伝達され、外枠作動体25が速やかに作動される。すると、図4(b)に示すように、ピニオン22はラック25cに噛合した状態で鍵23の回動方向と同一方向に回動する。そして、ラック25cがピニオン22の回動により押し下げられ、同ラック25cを介して外枠作動体25が下方へ押し下げられる。
【0030】
これに伴って、各係止突片25bが各ガラス扉作動体27の係止突部27dの上端縁に係止し、各ガラス扉作動体27はそれぞれ第2コイルばねC2の付勢力に抗して押し下げられてスライド移動するとともに、それら第2コイルばねC2は伸長される。すると、ガラス扉鉤Gが係合していたガラス扉作動体27の内面部位が下方へ移動し、ガラス扉鉤Gの係合部27gに対する係合が解除される。
【0031】
ガラス扉15の解錠後、鍵23の回動作業を解除すると、一対の伸長した第2コイルばねC2の原形状への復帰により、一対のガラス扉作動体27は上方へ引張られてスライド移動する。このとき、各ガラス扉作動体27の係止突部27dにより外枠作動体25の係止突片25bが押し上げられるため、外枠作動体25も押し上げられ、ガラス扉作動体27及び外枠作動体25が解錠前の状態に戻る。
【0032】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)外枠作動体25は、ラック25cの複数の歯がピニオン22の複数の歯に噛合した状態で支持体18に設けられている。そのため、ピニオン22を回動させたとき、ピニオン22の歯がラック25cの歯に速やかに係合して外枠作動体25を速やかかつ確実にスライド移動させることができる。従って、外枠作動体25に連結された一対の外枠鉤26を、鍵23の操作により速やかかつ確実に作動させて前枠13の解錠作業を容易に行うことができる。
【0033】
(2)また、ピニオン22の歯とラック25cの歯とが複数箇所で噛合しているため、外枠作動体25を移動させる際には、ピニオン22とラック25cとの間に大きな摩擦力が発生する。従って、鍵23を使用せず、外枠作動体25を移動させるには大きな力が必要となり、不正行為により外枠作動体25を移動させることが困難となるため前枠13の不正解錠を行いにくくすることができる。
【0034】
(3)外枠作動体25は外枠鉤26に直接的に連結されている。そのため、鍵23による前枠13の解錠操作は外枠作動体25から外枠鉤26に直接的に伝達され、外枠鉤26を速やかに作動させることができる。従って、前枠13の解錠を速やかに行うことができる。
【0035】
(4)各外枠鉤26は、鉤部26aがそれぞれ側板18bとストッパー片24との間に位置するように支持体18に配置されている。そのため、外枠鉤26の回動時の横ぶれをストッパー片24により規制することができ、外枠鉤26を係合凹所26cが外枠係合金具Kに係合する位置に確実に配置することができるとともに、前枠13と外枠12とを確実に施錠することができる。
【0036】
(5)各外枠鉤26が第1コイルばねC1により下方へ引張られたとき、外枠鉤26はそれぞれストッパー片24に当接して、その回動が規制される。そのため、例えば、外枠鉤26の基端部を固定板18aに当接させて外枠鉤26の回動を規制させる場合と比較して、固定板18aが損傷を受ける不具合の発生を防止できる。また、各外枠鉤26と外枠係合金具Kが係合する前の状態では、外枠鉤26がストッパー片24に当接することにより、当該外枠鉤26を外枠係合金具Kの延長線上に位置決めすることができる。従って、前枠13を閉止方向へ回動させたとき、外枠鉤26と外枠係合金具Kとを確実に係合させることができる。
【0037】
(6)ピニオン22の厚みはラック25cの厚みよりも大きく形成されている。このため、外枠作動体25が移動されるとき、同外枠作動体25がピニオン22の厚み方向に若干移動しても、ピニオン22とラック25cとが噛合した状態を維持することができ、外枠作動体25を確実に作動させることができる。
【0038】
(7)各延設片26bの先端に第1コイルばねC1の一端が掛止され、第1掛止フック21に第1コイルばねC1の他端が掛止されている。そのため、第1コイルばねC1の一端を、鉤部26aの基端に掛止し、他端を第1掛止フック21に掛止する場合と比較して、第1コイルばねC1を伸長させることができ、外枠鉤26を外枠係合金具Kに係合する方向に強力に付勢することができる。また、外枠鉤26に延設片26bを設けることにより、第1コイルばねC1の一端を外枠鉤26に掛止する位置の選択の自由度が広がり、外枠鉤26を所望する方向へ付勢する力を調節することが可能となる。
【0039】
(8)各外枠鉤26はそれぞれ外枠作動体25に対して独立して回動可能となるように外枠作動体25に連結されている。そのため、万一、不正行為により一方の外枠鉤26が回動されて、係合凹所26cと外枠係合金具Kとの係合が解除されても、他方の外枠鉤26の係合凹所26cと外枠係合金具Kとの係合を維持できる。従って、不正行為により、前枠13が容易に解錠されてしまうといった不具合を無くすことができる。
【0040】
(9)ガラス扉鉤Gがガラス扉作動体27の係合部27gに係合することによりガラス扉15が前枠13に施錠され、各ガラス扉作動体27を作動させてガラス扉鉤Gとの係合を解除することによりガラス扉15が前枠13から解錠される。即ち、施錠装置17は、支持体18にガラス扉作動体27を移動可能に設けるだけでガラス扉15の前枠13に対する施錠及び解錠を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、各ガラス扉作動体27の係合部27gにガラス扉鉤Gが係合してガラス扉15と前枠13とを施錠するように構成したが、以下のように変更してもよい。図7及び図8に示すように、各ガラス扉作動体27の前面側にそれぞれガラス扉鉤27fを一体形成し、そのガラス扉作動体27をガラス扉鉤27fが貫通孔18dを貫通するように固定板18aに取り付ける。一方、図8に示すように、ガラス扉15には、ガラス扉鉤Gの代わりに、前記ガラス扉鉤27fが係合可能なガラス扉金具30が上下一対に設けられている。
【0042】
そして、ガラス扉15を閉止方向に回動させると、前記ガラス扉金具30により、各ガラス扉作動体27がそれぞれ第2コイルばねC2の付勢力に抗して押し下げられてスライド移動する。その各ガラス扉作動体27の押し下げにより各第2コイルばねC2は伸長される。ガラス扉金具30がガラス扉鉤27fと係合可能な位置まで押し下げられると、図8に2点鎖線に示すように、伸長された一対の第2コイルばねC2の原形状への復帰により、ガラス扉作動体27が上方へ引張られ、ガラス扉鉤27fがガラス扉金具30に係合する。その結果、ガラス扉15が前枠13に対して施錠される。
【0043】
一方、前枠13に対して施錠状態にあるガラス扉15を解錠するには、実施形態と同様に、鍵23により外枠作動体25を押し下げ、その外枠作動体25の作動により各ガラス扉作動体27を押し下げてスライド移動させる。すると、図8に実線に示すように、ガラス扉鉤27fとガラス扉金具30との係合が解除され、ガラス扉15が前枠13から解錠される。従って、鍵23による外枠作動体25の作動により、ガラス扉鉤27fを備えたガラス扉作動体27がスライド移動して、ガラス扉15の解錠を行うことができる。また、ガラス扉作動体27にガラス扉鉤27fを設けた場合は、ガラス扉15にガラス扉金具30を設ければよいため、ガラス扉15の裏面からガラス扉金具30が突出することがなく、その外観が損なわれることがなくなる。
【0044】
・ 実施形態では、各外枠鉤26に延設片26bを設けたが、延設片26bを省略し、鉤部26aの基端又は任意の位置と第1掛止フック21との間に第1コイルばねC1を設けてもよい。さらには、第1コイルばねC1の一端を掛止する位置を延設片26bの先端以外の位置に設定して、第1コイルばねC1による付勢力を調節してもよい。
【0045】
・ 実施形態では、ピニオン22の厚みをラック25cの厚みより大きく形成したが、ピニオン22の厚みとラック25cの厚みとを同じに形成してもよく、ピニオン22の厚みをラック25cの厚みより小さく形成してもよい。
【0046】
・ 実施形態では、各外枠鉤26をリベットRにより外枠作動体25に連結したが、各外枠鉤26を、外枠鉤用ピニオンを介してリベットRにより側板18bに固定してもよい。このとき、押圧突片25fの代わりに外枠作動体25には外枠鉤用ラックが設けられ、前記外枠鉤用ピニオンと外枠鉤用ラックとは噛合されている。そして、鍵23の前枠13の解錠操作により外枠作動体25を作動させたとき、外枠鉤用ラックと外枠鉤用ピニオンとの噛合により外枠鉤26が回動して外枠係合金具Kとの係合を解除することができる。
【0047】
さらに、外枠作動体25を不正に移動させようとする場合には、各外枠鉤用ピニオンと外枠鉤用ラックとの噛合、さらにはピニオン22とラック25cとの噛合により大きな摩擦力が生じるため、外枠作動体25を作動させることが困難となる。従って、外枠鉤26の回動を効果的に防止することができる。
【0048】
・ ピニオン22の形状を扇状に形成してもよい。また、ピニオン22を形成する材料として、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂等の合成樹脂を用いてもよい。
【0049】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記支持体には、前記ガラス扉を前枠に施錠及び解錠するためのガラス扉作動体が設けられているとともに、当該ガラス扉作動体には、ガラス扉に係合するガラス扉鉤又はガラス扉に設けられたガラス扉鉤が係合する係合部が設けられ、当該ガラス扉作動体は前記錠部材のガラス扉の解錠操作による外枠作動体の作動によりスライド移動して前記ガラス扉鉤のガラス扉に対する係合又は係合部に対するガラス扉鉤の係合を解除させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ガラス扉の前枠に対する施錠及び解錠を容易に行うことができる。
【0050】
(2)前記支持体には、外枠鉤の回動を規制し、当該外枠鉤を所定位置に位置決めするためのストッパー片が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。
【0051】
(3)前記付勢部材は、その一端が前記延設片の先端に掛止され、他端が支持体に掛止されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、付勢部材の一端を、外枠鉤の基端に掛止し、他端を支持体に掛止する場合と比較して、付勢部材を伸長させることができ、外枠鉤を外枠に係合する方向に強力に付勢することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、錠部材から外枠作動体への動力伝達を速やかに行うことができ、外枠作動体を速やかに作動させて外枠鉤を速やかに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の施錠装置を構成する部材を示す分解斜視図。
【図2】(a)は実施形態の施錠装置を示す部分斜視図、(b)は実施形態の施錠装置を示す部分側断面図。
【図3】(a)は前枠の解錠状態を示す側断面図、(b)は前枠の解錠状態における施錠装置を示す背面図。
【図4】(a)はガラス扉の解錠状態を示す側断面図、(b)はガラス扉の解錠状態における施錠装置を示す背面図。
【図5】実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図。
【図6】実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図。
【図7】別例の施錠装置を構成する部材を示す分解斜視図。
【図8】別例の施錠装置を示す側断面図。
【符号の説明】
S…錠部材としてのシリンダ錠、C1…付勢部材としての第1コイルばね、11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…外枠、13…前枠、14…遊技盤、15…ガラス扉、17…施錠装置、18…支持体、22…ピニオン、25…外枠作動体、25c…ラック、26…外枠鉤、26b…延設片。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機において、遊技盤が設けられた前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠するための遊技機における施錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機の一種であるパチンコ遊技機は、その外郭が縦長四角枠状をなす本体枠と、本体枠に開閉可能に支持される前面枠と、前面枠の内側に保持される遊技盤とから構成されている。前面枠の一側部には施錠装置が装着され、その施錠装置により前面枠を本体枠に施錠できるようになっている。前記施錠装置は遊技機の前面枠に固定される基枠体と、基枠体に取り付けられる施錠杆とを備え、この施錠杆の上下端には施錠用鉤が突出形成されている。また、前記基枠体には、鍵によって施錠杆の施錠用鉤をスライド可能とするシリンダ錠が設けられている。この種の施錠装置としては、以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、シリンダ錠の軸端には略V字状をなすカム板が取り付けられ、鍵の回動方向と同一方向にカム板が回動可能になっているタイプのものである。
【0003】
前記施錠杆には、カム板を回動させた際にカム板の突部に係合する係合孔が透設され、かつ施錠杆は引張りバネを介してその付勢力により基枠体に対して上方に付勢されている。前記施錠装置によって本体枠に前面枠が施錠された状態から前面枠を解錠するには、鍵を介してカム板を前面枠の解錠方向へ回動させ、カム板の突部を施錠杆の係合孔と係合させる。すると、施錠杆が引張りバネの付勢力に抗して下方にスライドされ、前記施錠用鉤と本体枠の受け金具との係合が解除される。その結果、前面枠が本体枠から解錠される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−271322号公報(第4頁〜第6頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の遊技機における施錠装置においては、カム板の突部と施錠杆の係合孔との係合位置にずれが生じた場合は、鍵を介してカム板を回動させても速やかに施錠杆を作動させることができず、施錠用鉤を速やかに作動させることができないという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、錠部材から外枠作動体への動力伝達を速やかに行うことができ、外枠作動体を速やかに作動させて外枠鉤を速やかに作動させることができる遊技機における施錠装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、前枠に固定される支持体には、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する一対の外枠鉤と、該外枠鉤の解錠操作を行う錠部材と、この錠部材による外枠の解錠操作を外枠鉤に伝達すべく前記一対の外枠鉤に連結された一本の外枠作動体とが設けられ、前記錠部材には解錠操作に伴い回動するピニオンが取り付けられているとともに、前記外枠作動体には、前記ピニオンに噛合するラックが一体形成され、錠部材による外枠の解錠操作に伴うピニオンの回動により、同ピニオンと噛合した前記ラックを介して外枠作動体を作動させるように構成したことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における施錠装置において、前記ピニオンの厚みをラックの厚みよりも大きく形成したことを要旨とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置において、前記一対の外枠鉤はそれぞれ基端部が外枠作動体に連結されているとともに、先端側が外枠に係合するように形成され、一対の外枠鉤にはそれぞれ基端から当該外枠鉤の先端に向かって延びる延設片が設けられ、各延設片と、支持体との間に設けられた付勢部材により、各外枠鉤は外枠に係合する方向へ回動するように付勢されていることを要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した遊技機における施錠装置の一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。まず、図5及び図6に示すように遊技機の一種であるパチンコ遊技機11は、その外郭が縦長四角枠状をなす外枠12により形成され、この外枠12の左側部には、四角枠状をなす前枠13が開閉可能に支持されている。また、図5に破線に示すように、外枠12の右側部の内面には上下一対の外枠係合金具Kが設けられ、それら外枠係合金具Kは前枠13を外枠12に施錠するために外枠12に設けられている。前記前枠13には図示しない打球発射装置、球皿等のパチンコゲームを展開可能とする遊技構成部材が搭載できるとともに、前枠13の内側には遊技盤14が保持されている。
【0010】
図6に示すように、前枠13の左側部にはガラス扉15が開閉可能に支持されている。前記ガラス扉15の右側部の裏面には上下一対のガラス扉鉤Gが設けられ、それらガラス扉鉤Gはガラス扉15を前枠13に施錠するためにガラス扉15に設けられている。さらに、ガラス扉15の下方における前枠13の左側部には、上皿扉16が開閉可能に支持され、この上皿扉16には図示しないパチンコ球を貯留するための上皿が備えられている。図5に示すように、前枠13の右側部の背面には縦長四角状の施錠装置17が装着され、この施錠装置17によりガラス扉15を前枠13に施錠でき、前枠13を外枠12に施錠できるようになっている。なお、以下において上下左右は、パチンコ遊技機11を前方から見た場合の上下左右を示すものとする。
【0011】
図1及び図2(a)に示すように、施錠装置17は、亜鉛メッキ鋼板等から細長四角板状に形成された支持体18によって外郭が形成されている。この支持体18は縦長四角板状の固定板18aと、固定板18aの左側から背面方向に折り曲げ形成された側板18bとを備えている。図1に示すように、固定板18aの上部及び下部には、それぞれ平面視T字状をなす取付片19が一対ずつ切り起こし形成され、上下各一対の取付片19の間にはそれぞれ掛止突片20が切り起こし形成されている。また、固定板18aの上部における取付片19の下側と、固定板18aの下縁部とにはそれぞれ第1掛止フック21が、固定板18aを切り起こし、さらに下方へ延びるように折り曲げて形成されている。図2(a)、(b)に示すように、固定板18aにおいて、前記各第1掛止フック21より右側にはそれぞれ貫通孔18dが透設されている。
【0012】
図1に示すように、固定板18aの下部には錠部材としてのシリンダ錠Sが装着され、そのシリンダ錠Sには円盤状をなすピニオン22が軸着されている。そして、シリンダ錠Sの先端側から鍵23を挿入して解錠操作を行うべく鍵23を回動させると、その鍵23の回動方向と同一方向にピニオン22が回動するようになっている。前記側板18bの上部及び下部の端縁には、それぞれ背面視L字状をなすストッパー片24が延設されている。
【0013】
図2(a)に示すように、上記構成の支持体18において側板18bの内側には、細長板状をなす外枠作動体25が上下動可能に設けられ、この外枠作動体25の両端部には、それぞれ細長板状をなす外枠鉤26が連結されている。まず、前記外枠作動体25について説明する。図1に示すように、外枠作動体25の上下両部及び中央よりやや下部にはそれぞれスライド孔25aが透設され、各スライド孔25aはそれぞれ外枠作動体25の長さ方向に細長に延びるように形成されている。外枠作動体25の上端部及び中央部より下側にはそれぞれ係止突片25bが、右方向に延びるように折り曲げ形成されている。
【0014】
また、外枠作動体25の下部は左側へ膨出するように折り曲げ形成され、その膨出部分の端縁にはラック25cが形成されている。前記ラック25cは、同ラック25cを構成する歯となる部分が右方向に突出するように形成されている。加えて、外枠作動体25において、施錠装置17の背面側となる端縁の上下両部には、それぞれ押圧突片25fが突出形成されている。
【0015】
上記構成の外枠作動体25はリベットRが前記3箇所のスライド孔25aを貫通して側板18bにかしめ着けられることにより側板18bの内側に取り付けられている。また、外枠作動体25が側板18bの内側に取り付けられるとき、上下一対のリベットRは、それぞれ外枠鉤26の基端部を貫通して側板18bにかしめ着けられるため、外枠作動体25の上下両部にはそれぞれ外枠鉤26が連結されている。そして、外枠作動体25は、前記スライド孔25aの長さ方向への長さ分だけ支持体18に沿ってスライド移動可能に構成されている。また、図2(a)に示すように、外枠作動体25が側板18bの内側に取り付けられた状態において、前記ラック25cは前記ピニオン22と噛合するように配設されている。
【0016】
前記一対の外枠鉤26は、それぞれ細長板状に形成された鉤部26aと、同鉤部26aの基端から延設された延設片26bとから略U字状に形成されている。前記鉤部26aは、基端部がリベットRにより側板18bに軸支されているとともに、先端側には下方へ開口する係合凹所26cが形成され、この係合凹所26cは外枠係合金具Kと係合可能に形成されている。前記延設片26bは、鉤部26aの基端から右方向に延びた後、鉤部26aの先端側に向かって延びるように折り曲げ形成されている。各延設片26bの先端には、それぞれ付勢部材としての第1コイルばねC1の一端(上端)が掛止され、それら第1コイルばねC1の他端(下端)は、固定板18aの上下各第1掛止フック21に掛止されている。即ち、延設片26bと支持体18との間に第1コイルばねC1が設けられ、各第1コイルばねC1により、各外枠鉤26は下方、具体的には外枠鉤26が外枠係合金具Kに係合する方向へ回動するように付勢されている。
【0017】
また、各外枠鉤26は、前記鉤部26aが側板18bとストッパー片24との間に配置され、延設片26bがストッパー片24より右側に位置するように配設されている。そして、前枠13と外枠12とが施錠されていない状態では、鉤部26aの下端縁がストッパー片24に当接して外枠鉤26の回動が規制されている。各外枠鉤26の回動が規制された状態では、外枠鉤26は、前枠13が閉止方向へ回動されたとき、その前枠13の外枠係合金具Kと対応する位置に位置決めされている。
【0018】
各鉤部26aの上端縁には当接片26dが左方向に延びるように形成されている。図3(a)に示すように、各当接片26dは、外枠作動体25が上方へスライド移動したとき、外枠作動体25の押圧突片25fによりそれぞれ下方から上方に向かって押圧され、その押圧により外枠鉤26が回動するようになっている。さらに、外枠鉤26が回動したとき、当接片26dが側板18bの端縁に当接するようになっている。
【0019】
次に、ガラス扉15の前枠13に対する施錠機構について詳述する。図1に示すように、固定板18aの上下両部の内側には、それぞれガラス扉作動体27が設けられ、各ガラス扉作動体27によりガラス扉15を前枠13に施錠及び解錠することが可能となっている。前記ガラス扉作動体27はそれぞれ細長四角板状をなす金属板を断面U字状に折り曲げ形成し、さらに、所定部位を切り欠くことによって形成されている。各ガラス扉作動体27の上部には、第1ガイド孔27aがガラス扉作動体27の上端縁から下方へ延びるように形成され、その第1ガイド孔27aの下側には略四角形状をなす係合孔27cが透設されている。ガラス扉作動体27において、図2(b)に示すように、前記係合孔27cより下側の内面はガラス扉鉤Gが係合可能な係合部27gとなっている。
【0020】
図1に示すように、各ガラス扉作動体27において、前記係合孔27cの下側にはそれぞれT字状をなす第2ガイド孔27bが透設されている。各ガラス扉作動体27の左側縁部のほぼ中央には、係止突部27dが支持体18の背面に向かって延びるように折り曲げ形成され、同左側縁部の下部には第2掛止フック27eが支持体18の背面に向かって延びるように折り曲げ形成されている。
【0021】
そして、図2(a)、(b)に示すように、両ガラス扉作動体27は、第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bに前記取付片19が挿入され、係合孔27cに前記掛止突片20が挿入された状態で下方へスライド移動されて固定板18aに取り付けられている。即ち、両ガラス扉作動体27は、各取付片19の先端部が、第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bの縁部に係止されることにより固定板18aに取り付けられている。
【0022】
また、各係合孔27cを通過した掛止突片20には、それぞれ第2コイルばねC2の一端(上端)が掛止され、それら第2コイルばねC2の他端(下端)はそれぞれ各ガラス扉作動体27の第2掛止フック27eに掛止されている。そして、前記第2コイルばねC2により、各ガラス扉作動体27はそれぞれ上方に付勢されている。各ガラス扉作動体27がそれぞれ第2コイルばねC2により上方に付勢された状態では、各取付片19の下面に第1ガイド孔27a及び第2ガイド孔27bの内周縁が当接して、各ガラス扉作動体27はそれぞれ上方への移動が規制されている。このとき、各ガラス扉作動体27は、係合孔27cが固定板18aの貫通孔18dと対応するように配置され、係止突部27dの真上に外枠作動体25の係止突片25bが位置するように配置されている。
【0023】
次に、前記施錠装置17の作用について以下に記載する。
まず、前枠13の外枠12に対する施錠について説明する。施錠装置17を備えた前枠13を閉止方向へ回動させると、一対の外枠係合金具Kにより一対の外枠鉤26が、それぞれ第1コイルばねC1の付勢力に抗して押し上げられるとともに、各第1コイルばねC1が伸長される。そして、一対の外枠係合金具Kが各係合凹所26cの下側に位置すると、外枠係合金具Kによる外枠鉤26の押し上げが解除され、伸長した第1コイルばねC1の原形状への復帰により各外枠鉤26が下方へ引張られる。すると、図2(a)に示すように、各外枠鉤26の係合凹所26cがそれぞれ外枠係合金具Kに係合して前枠13が外枠12に施錠され、各第1コイルばねC1の付勢力により外枠鉤26が外枠係合金具Kに係合した状態が維持される。
【0024】
前枠13が外枠12に施錠された状態で、不正行為によって外枠作動体25を直接的に操作して押し上げようとしても、ピニオン22とラック25cの歯同士が複数箇所で噛合しているため、それら噛合箇所には大きな摩擦力が発生する。さらに、外枠作動体25を押し上げようとする際に、ラック25cの歯とピニオン22の歯との間に滑りが生じ、このときにも摩擦力が発生する。その結果、ラック25cとピニオン22との噛合が大きな摩擦抵抗となり、外枠作動体25を不正行為によって押し上げ、外枠鉤26を回動させて前枠13を解錠する行為が困難となる。
【0025】
前枠13が外枠12に施錠されている状態から前枠13を解錠するには、まずシリンダ錠Sに鍵23を差し込み、前枠13の解錠方向に回動させる。すると、図3(b)に示すように、ピニオン22の複数の歯がラック25cの複数の歯に噛合しているため、各歯が即座に噛合い、ピニオン22の回動がラック25cに速やかに伝達され、外枠作動体25が速やかに作動される。そして、ラック25cがピニオン22の回動により押し上げられ、同ラック25cを介して外枠作動体25が上方へスライドする。このとき、ピニオン22の厚みは、ラック25cの厚みよりも大きく形成されているため、ピニオン22の回動時に、同ピニオン22がラック25cから離脱することが防止される。
【0026】
そして、外枠作動体25が上方へスライドされると、図3(a)に示すように、各押圧突片25fにより当接片26dが上方へ押されて、各外枠鉤26がそれぞれ第1コイルばねC1の付勢力に抗して回動し、各外枠鉤26の先端が上方へ向くとともに、各第1コイルばねC1が伸長される。これに伴って、各外枠鉤26の係合凹所26cの外枠係合金具Kに対する係合が解除され、外枠12から前枠13が解錠される。
【0027】
前枠13の解錠後、鍵23の回動作業を解除すると、一対の伸長した第1コイルばねC1の原形状への復帰により一対の外枠鉤26は先端が下方へ移動する方向に引張られて回動される。このとき、各外枠鉤26の鉤部26aの下端がそれぞれストッパー片24の内面に当接して、外枠鉤26の必要以上の回動が規制される。また、各外枠鉤26が回動する際に、当接片26dが押圧突片25fを下方へ押すため、外枠作動体25は下方へ押され、外枠作動体25及び外枠鉤26が解錠前の状態に戻る。
【0028】
次に、ガラス扉15の施錠及び解錠について説明する。ガラス扉15を前枠13に施錠するには、ガラス扉15を前枠13方向へ回動させると、一対のガラス扉鉤Gがそれぞれ貫通孔18d内に挿入され、さらに、各ガラス扉作動体27がガラス扉鉤Gにより下方へ押し下げられる。すると、図2(b)に示すように、一対のガラス扉鉤Gがそれぞれ係合孔27cの周縁部となるガラス扉作動体27の係合部27gに係合してガラス扉15が前枠13に施錠される。
【0029】
ガラス扉15を前枠13から解錠するには、まず鍵23をガラス扉15の解錠方向に回動させる。このときも、ピニオン22の複数の歯がラック25cの複数の歯に噛合しているため、各歯が即座に噛合い、ピニオン22の回動がラック25cに速やかに伝達され、外枠作動体25が速やかに作動される。すると、図4(b)に示すように、ピニオン22はラック25cに噛合した状態で鍵23の回動方向と同一方向に回動する。そして、ラック25cがピニオン22の回動により押し下げられ、同ラック25cを介して外枠作動体25が下方へ押し下げられる。
【0030】
これに伴って、各係止突片25bが各ガラス扉作動体27の係止突部27dの上端縁に係止し、各ガラス扉作動体27はそれぞれ第2コイルばねC2の付勢力に抗して押し下げられてスライド移動するとともに、それら第2コイルばねC2は伸長される。すると、ガラス扉鉤Gが係合していたガラス扉作動体27の内面部位が下方へ移動し、ガラス扉鉤Gの係合部27gに対する係合が解除される。
【0031】
ガラス扉15の解錠後、鍵23の回動作業を解除すると、一対の伸長した第2コイルばねC2の原形状への復帰により、一対のガラス扉作動体27は上方へ引張られてスライド移動する。このとき、各ガラス扉作動体27の係止突部27dにより外枠作動体25の係止突片25bが押し上げられるため、外枠作動体25も押し上げられ、ガラス扉作動体27及び外枠作動体25が解錠前の状態に戻る。
【0032】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)外枠作動体25は、ラック25cの複数の歯がピニオン22の複数の歯に噛合した状態で支持体18に設けられている。そのため、ピニオン22を回動させたとき、ピニオン22の歯がラック25cの歯に速やかに係合して外枠作動体25を速やかかつ確実にスライド移動させることができる。従って、外枠作動体25に連結された一対の外枠鉤26を、鍵23の操作により速やかかつ確実に作動させて前枠13の解錠作業を容易に行うことができる。
【0033】
(2)また、ピニオン22の歯とラック25cの歯とが複数箇所で噛合しているため、外枠作動体25を移動させる際には、ピニオン22とラック25cとの間に大きな摩擦力が発生する。従って、鍵23を使用せず、外枠作動体25を移動させるには大きな力が必要となり、不正行為により外枠作動体25を移動させることが困難となるため前枠13の不正解錠を行いにくくすることができる。
【0034】
(3)外枠作動体25は外枠鉤26に直接的に連結されている。そのため、鍵23による前枠13の解錠操作は外枠作動体25から外枠鉤26に直接的に伝達され、外枠鉤26を速やかに作動させることができる。従って、前枠13の解錠を速やかに行うことができる。
【0035】
(4)各外枠鉤26は、鉤部26aがそれぞれ側板18bとストッパー片24との間に位置するように支持体18に配置されている。そのため、外枠鉤26の回動時の横ぶれをストッパー片24により規制することができ、外枠鉤26を係合凹所26cが外枠係合金具Kに係合する位置に確実に配置することができるとともに、前枠13と外枠12とを確実に施錠することができる。
【0036】
(5)各外枠鉤26が第1コイルばねC1により下方へ引張られたとき、外枠鉤26はそれぞれストッパー片24に当接して、その回動が規制される。そのため、例えば、外枠鉤26の基端部を固定板18aに当接させて外枠鉤26の回動を規制させる場合と比較して、固定板18aが損傷を受ける不具合の発生を防止できる。また、各外枠鉤26と外枠係合金具Kが係合する前の状態では、外枠鉤26がストッパー片24に当接することにより、当該外枠鉤26を外枠係合金具Kの延長線上に位置決めすることができる。従って、前枠13を閉止方向へ回動させたとき、外枠鉤26と外枠係合金具Kとを確実に係合させることができる。
【0037】
(6)ピニオン22の厚みはラック25cの厚みよりも大きく形成されている。このため、外枠作動体25が移動されるとき、同外枠作動体25がピニオン22の厚み方向に若干移動しても、ピニオン22とラック25cとが噛合した状態を維持することができ、外枠作動体25を確実に作動させることができる。
【0038】
(7)各延設片26bの先端に第1コイルばねC1の一端が掛止され、第1掛止フック21に第1コイルばねC1の他端が掛止されている。そのため、第1コイルばねC1の一端を、鉤部26aの基端に掛止し、他端を第1掛止フック21に掛止する場合と比較して、第1コイルばねC1を伸長させることができ、外枠鉤26を外枠係合金具Kに係合する方向に強力に付勢することができる。また、外枠鉤26に延設片26bを設けることにより、第1コイルばねC1の一端を外枠鉤26に掛止する位置の選択の自由度が広がり、外枠鉤26を所望する方向へ付勢する力を調節することが可能となる。
【0039】
(8)各外枠鉤26はそれぞれ外枠作動体25に対して独立して回動可能となるように外枠作動体25に連結されている。そのため、万一、不正行為により一方の外枠鉤26が回動されて、係合凹所26cと外枠係合金具Kとの係合が解除されても、他方の外枠鉤26の係合凹所26cと外枠係合金具Kとの係合を維持できる。従って、不正行為により、前枠13が容易に解錠されてしまうといった不具合を無くすことができる。
【0040】
(9)ガラス扉鉤Gがガラス扉作動体27の係合部27gに係合することによりガラス扉15が前枠13に施錠され、各ガラス扉作動体27を作動させてガラス扉鉤Gとの係合を解除することによりガラス扉15が前枠13から解錠される。即ち、施錠装置17は、支持体18にガラス扉作動体27を移動可能に設けるだけでガラス扉15の前枠13に対する施錠及び解錠を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、各ガラス扉作動体27の係合部27gにガラス扉鉤Gが係合してガラス扉15と前枠13とを施錠するように構成したが、以下のように変更してもよい。図7及び図8に示すように、各ガラス扉作動体27の前面側にそれぞれガラス扉鉤27fを一体形成し、そのガラス扉作動体27をガラス扉鉤27fが貫通孔18dを貫通するように固定板18aに取り付ける。一方、図8に示すように、ガラス扉15には、ガラス扉鉤Gの代わりに、前記ガラス扉鉤27fが係合可能なガラス扉金具30が上下一対に設けられている。
【0042】
そして、ガラス扉15を閉止方向に回動させると、前記ガラス扉金具30により、各ガラス扉作動体27がそれぞれ第2コイルばねC2の付勢力に抗して押し下げられてスライド移動する。その各ガラス扉作動体27の押し下げにより各第2コイルばねC2は伸長される。ガラス扉金具30がガラス扉鉤27fと係合可能な位置まで押し下げられると、図8に2点鎖線に示すように、伸長された一対の第2コイルばねC2の原形状への復帰により、ガラス扉作動体27が上方へ引張られ、ガラス扉鉤27fがガラス扉金具30に係合する。その結果、ガラス扉15が前枠13に対して施錠される。
【0043】
一方、前枠13に対して施錠状態にあるガラス扉15を解錠するには、実施形態と同様に、鍵23により外枠作動体25を押し下げ、その外枠作動体25の作動により各ガラス扉作動体27を押し下げてスライド移動させる。すると、図8に実線に示すように、ガラス扉鉤27fとガラス扉金具30との係合が解除され、ガラス扉15が前枠13から解錠される。従って、鍵23による外枠作動体25の作動により、ガラス扉鉤27fを備えたガラス扉作動体27がスライド移動して、ガラス扉15の解錠を行うことができる。また、ガラス扉作動体27にガラス扉鉤27fを設けた場合は、ガラス扉15にガラス扉金具30を設ければよいため、ガラス扉15の裏面からガラス扉金具30が突出することがなく、その外観が損なわれることがなくなる。
【0044】
・ 実施形態では、各外枠鉤26に延設片26bを設けたが、延設片26bを省略し、鉤部26aの基端又は任意の位置と第1掛止フック21との間に第1コイルばねC1を設けてもよい。さらには、第1コイルばねC1の一端を掛止する位置を延設片26bの先端以外の位置に設定して、第1コイルばねC1による付勢力を調節してもよい。
【0045】
・ 実施形態では、ピニオン22の厚みをラック25cの厚みより大きく形成したが、ピニオン22の厚みとラック25cの厚みとを同じに形成してもよく、ピニオン22の厚みをラック25cの厚みより小さく形成してもよい。
【0046】
・ 実施形態では、各外枠鉤26をリベットRにより外枠作動体25に連結したが、各外枠鉤26を、外枠鉤用ピニオンを介してリベットRにより側板18bに固定してもよい。このとき、押圧突片25fの代わりに外枠作動体25には外枠鉤用ラックが設けられ、前記外枠鉤用ピニオンと外枠鉤用ラックとは噛合されている。そして、鍵23の前枠13の解錠操作により外枠作動体25を作動させたとき、外枠鉤用ラックと外枠鉤用ピニオンとの噛合により外枠鉤26が回動して外枠係合金具Kとの係合を解除することができる。
【0047】
さらに、外枠作動体25を不正に移動させようとする場合には、各外枠鉤用ピニオンと外枠鉤用ラックとの噛合、さらにはピニオン22とラック25cとの噛合により大きな摩擦力が生じるため、外枠作動体25を作動させることが困難となる。従って、外枠鉤26の回動を効果的に防止することができる。
【0048】
・ ピニオン22の形状を扇状に形成してもよい。また、ピニオン22を形成する材料として、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂等の合成樹脂を用いてもよい。
【0049】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記支持体には、前記ガラス扉を前枠に施錠及び解錠するためのガラス扉作動体が設けられているとともに、当該ガラス扉作動体には、ガラス扉に係合するガラス扉鉤又はガラス扉に設けられたガラス扉鉤が係合する係合部が設けられ、当該ガラス扉作動体は前記錠部材のガラス扉の解錠操作による外枠作動体の作動によりスライド移動して前記ガラス扉鉤のガラス扉に対する係合又は係合部に対するガラス扉鉤の係合を解除させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、ガラス扉の前枠に対する施錠及び解錠を容易に行うことができる。
【0050】
(2)前記支持体には、外枠鉤の回動を規制し、当該外枠鉤を所定位置に位置決めするためのストッパー片が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3及び前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の遊技機における施錠装置。
【0051】
(3)前記付勢部材は、その一端が前記延設片の先端に掛止され、他端が支持体に掛止されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機における施錠装置。このように構成した場合、付勢部材の一端を、外枠鉤の基端に掛止し、他端を支持体に掛止する場合と比較して、付勢部材を伸長させることができ、外枠鉤を外枠に係合する方向に強力に付勢することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、錠部材から外枠作動体への動力伝達を速やかに行うことができ、外枠作動体を速やかに作動させて外枠鉤を速やかに作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の施錠装置を構成する部材を示す分解斜視図。
【図2】(a)は実施形態の施錠装置を示す部分斜視図、(b)は実施形態の施錠装置を示す部分側断面図。
【図3】(a)は前枠の解錠状態を示す側断面図、(b)は前枠の解錠状態における施錠装置を示す背面図。
【図4】(a)はガラス扉の解錠状態を示す側断面図、(b)はガラス扉の解錠状態における施錠装置を示す背面図。
【図5】実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図。
【図6】実施形態のパチンコ遊技機を示す斜視図。
【図7】別例の施錠装置を構成する部材を示す分解斜視図。
【図8】別例の施錠装置を示す側断面図。
【符号の説明】
S…錠部材としてのシリンダ錠、C1…付勢部材としての第1コイルばね、11…遊技機としてのパチンコ遊技機、12…外枠、13…前枠、14…遊技盤、15…ガラス扉、17…施錠装置、18…支持体、22…ピニオン、25…外枠作動体、25c…ラック、26…外枠鉤、26b…延設片。
Claims (3)
- 外枠と、遊技盤が保持されて外枠の前面に開閉可能に支持される前枠と、前枠の前面に開閉可能に支持されるガラス扉とから構成される遊技機の前記前枠に取着され、前枠を外枠に施錠するとともに、ガラス扉を前枠に施錠する遊技機における施錠装置であって、
前枠に固定される支持体には、前枠を外枠に施錠すべく当該外枠に係合する一対の外枠鉤と、該外枠鉤の解錠操作を行う錠部材と、この錠部材による外枠の解錠操作を外枠鉤に伝達すべく前記一対の外枠鉤に連結された一本の外枠作動体とが設けられ、前記錠部材には解錠操作に伴い回動するピニオンが取り付けられているとともに、前記外枠作動体には、前記ピニオンに噛合するラックが一体形成され、錠部材による外枠の解錠操作に伴うピニオンの回動により、同ピニオンと噛合した前記ラックを介して外枠作動体を作動させるように構成したことを特徴とする遊技機における施錠装置。 - 前記ピニオンの厚みをラックの厚みよりも大きく形成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機における施錠装置。
- 前記一対の外枠鉤はそれぞれ基端部が外枠作動体に連結されているとともに、先端側が外枠に係合するように形成され、一対の外枠鉤にはそれぞれ基端から当該外枠鉤の先端に向かって延びる延設片が設けられ、各延設片と、支持体との間に設けられた付勢部材により、各外枠鉤は外枠に係合する方向へ回動するように付勢されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機における施錠装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003028750A JP2004236829A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 遊技機における施錠装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003028750A JP2004236829A (ja) | 2003-02-05 | 2003-02-05 | 遊技機における施錠装置 |
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JP2004236829A true JP2004236829A (ja) | 2004-08-26 |
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JP (1) | JP2004236829A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106885665A (zh) * | 2017-04-11 | 2017-06-23 | 西华大学 | 一种钢板弹簧悬架系统综合试验台 |
-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028750A patent/JP2004236829A/ja active Pending
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