JP2004044272A - プラスチックタイル及びプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】上面が損耗した際に補修作業を容易に行えるプラスチックタイル及びそのメインテナンス方法を提供する。
【解決手段】プラスチックタイル20は、下地層21、ガラス不織布層22、中間層23及び表層24が下方からこの順序で積層固着されたタイル本体30と、該タイル本体30の表面に剥離自在に被せられた保護用フィルム40とからなる。このうち、保護用フィルム40は、タイル本体30の上面30Aに被せられる上面部分40Aと、4個の側面部分40Bと、4個の下面部分40Cとを有する。例えば、歩行量の多い箇所に敷設された保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗した場合、タイル本体30は、歩行量が少ない箇所に敷設されたために上面部分40Aが損耗していないものと交換される。
【選択図】図2
【解決手段】プラスチックタイル20は、下地層21、ガラス不織布層22、中間層23及び表層24が下方からこの順序で積層固着されたタイル本体30と、該タイル本体30の表面に剥離自在に被せられた保護用フィルム40とからなる。このうち、保護用フィルム40は、タイル本体30の上面30Aに被せられる上面部分40Aと、4個の側面部分40Bと、4個の下面部分40Cとを有する。例えば、歩行量の多い箇所に敷設された保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗した場合、タイル本体30は、歩行量が少ない箇所に敷設されたために上面部分40Aが損耗していないものと交換される。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床を仕上げるために床下地面に置かれるプラスチックタイル及び複数個のプラスチックタイルによって仕上げられるプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法に係り、店舗、事務所、公共施設、展示場等の各種の床に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
多数のプラスチックタイルをコンクリートの打設等で形成された床下地面に多数敷くことにより仕上げられるプラスチックタイル敷き床は、清掃の容易性や清潔感から店舗や飲食店、さらには事務所、公共施設等の各種建物に採用されている。特開平8−4264号公報には、床下地面に単に置くだけの置き敷き型であって取り外し自在となっているプラスチックタイルが示されている。
【0003】
プラスチックタイルの上面には、艶出しや強度を確保するために、ワックス剤等の塗布作業や吹き付け作業によって保護膜が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
人が出入りしたり往来したりする場所に敷かれているプラスチックタイルの上面は、靴等の履物によって次第に消耗し、また、物体が引きずられたり落下したりすると、損傷する。このように、プラスチックタイルの上面に設けられている保護膜が損耗した場合に、その保護膜を補修するためには、従来では、残余の保護膜を剥離した後に新保護膜のための塗布作業や吹き付け作業を行って、均一厚さの保護膜をプラスチックタイルの上面に設けなければならず、この作業に多くの手間と時間がかかっていた。
【0005】
本発明の目的は、上面が損耗した場合にその補修作業を容易に行えるようになるプラスチックタイルを提供するところ、及びそのプラスチックタイルを用いて仕上げられているプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラスチックタイルは、床下地面に取り外し自在に置かれるプラスチックタイルにおいて、タイル本体と、少なくともこのタイル本体の上面に被せられている上面部分を有している保護用フィルムとを含んで形成され、この保護用フィルムが前記タイル本体に対して剥離可能となっていることを特徴とするものである。
【0007】
このプラスチックタイルによると、タイル本体の上面には保護用フィルムが被せられているため、プラスチックタイルの損耗はこの保護用フィルムで生じ、保護用フィルムはタイル本体に対しては剥離自在であるため、保護用フィルムが損耗した場合には、この保護用フィルムを剥離した後、新保護用フィルムをタイル本体に被せる作業を行うことにより、プラスチックタイルの上面が補修されたことになる。このため、この補修作業を容易に行えることになり、プラスチックタイルを再使用できる。
【0008】
なお、ここでいう保護用フィルムの損耗とは、保護用フィルムが摩滅して消耗することでもよく、大きな荷重を受けて損傷することでもよい。
【0009】
また、新保護用フィルムはタイル本体の上面に剥離不能に固着してもよく、あるいは、この新保護用フィルムをタイル本体の上面に剥離自在に被せてもよい。
【0010】
新保護用フィルムを後者とすると、新保護用フィルムが損耗した場合に、上述と同じく、新保護用フィルムをタイル本体から剥離できるため、プラスチックタイルの上面の補修作業を容易に行える。
【0011】
また、保護用フィルムは、タイル本体の上面に被せられる上面部分だけからなるものでもよく、あるいは、上面部分と、この上面部分と接続され、タイル本体の側面に被せられる側面部分とを有するものでもよい。
【0012】
保護用フィルムを後者とした場合には、プラスチックタイル敷き床を仕上げるために複数のプラスチックタイルが床下地面に互いに密接して並設されたときに、互いに隣接するプラスチックタイルの保護用フィルムの側面部分同士が突き合わせられ、プラスチックタイル敷き床の端部に配置されるプラスチックタイルについては、このプラスチックタイルの保護用フィルムの側面部分がプラスチックタイル敷き床の外周縁部を形成する壁等の仕切り部に当接するため、それぞれのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体に対して剥離自在となっていても、プラスチックタイル敷き床で使用中において、これらのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体から剥離するのを有効に防止できる。
【0013】
さらに、保護用フィルムは、上面部分と側面部分だけからなるものでもよく、あるいは、上面部分と、側面部分と、この側面部分と接続され、タイル本体の下面に被せられる下面部分とを有するものでもよい。
【0014】
保護用フィルムを後者とした場合には、プラスチックタイルを床下地面に置くと、保護用フィルムの下面部分がタイル本体の下面で押さえられるため、それぞれのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体に対して剥離自在となっていても、保護用フィルムがタイル本体から剥離するのを一層有効に防止できることになる。
【0015】
保護用フィルムは任意な合成樹脂材料で形成でき、例えば、以下のうちの一つから選択できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)。
【0016】
また、タイル本体に剥離自在に被せられる前の保護用フィルムは任意な形状、形態のものでよく、例えば、予めタイル本体と対応する形状、寸法に切断加工、折り曲げ加工されたものでもよく、あるいは、初めはロール部等から繰り出される平坦状のフィルム素材となっていて、タイル本体に剥離自在に被せられた後に切断加工、折り曲げ加工されるものでもよく、あるいは、初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものでもよい。
【0017】
保護用フィルムが初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものになっていると、タイル本体の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有する保護用フィルムを容易に得られる。
【0018】
また、このように保護用フィルムが初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものになっている場合には、このチューブ状フィルムを、加熱されると収縮する加熱収縮性の材料で形成することが好ましい。
【0019】
これによると、タイル本体が内部に収納されたこのチューブ状フィルム素材を加熱することにより、このチューブ状フィルム素材を容易に保護用フィルムとすることができる。
【0020】
なお、このチューブ状フィルムを加熱されると収縮する加熱収縮性の材料で形成する場合におけるこの材料の一例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、他の例は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)であり、任意な加熱収縮性材料でよい。
【0021】
また、保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に被せるには、任意な固定手段を用いて保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定してよい。この固定手段の一例は、接着剤である。
【0022】
なお、保護用フィルムを上述したチューブ状フィルム素材から形成する場合のように、タイル本体に保護用フィルムを被せると、それだけで保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定したことになる場合には、固定手段を用いる必要はない。
【0023】
保護用フィルムをタイル本体に接着剤で剥離自在に固定する場合において、この接着剤は常温で接着性を有するものでもよく、あるいは、加熱されると接着性が生ずる加熱性接着剤でもよい。
【0024】
接着剤を加熱性接着剤とした場合には、保護用フィルム又はタイル本体又はこれらの良好に加熱性接着剤を塗布した後に、タイル本体に保護用フィルムを被せただけではタイル本体に保護用フィルムは固定されないため、タイル本体に対する保護用フィルムの位置変更を行うことが可能になって、保護用フィルムをタイル本体に対して位置決めすることができる。そして、この後、保護用フィルムとタイル本体を加熱することにより、加熱性接着剤で保護用フィルムはタイル本体に剥離自在に固定される。
【0025】
このように保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定する場合における加熱性接着剤としては、例えば、アクリル酸エステル等の熱可塑性樹脂からなるものや、アクリルエマルジョン糊を用いることができ、この他に、任意な加熱性接着剤を用いることができる。
【0026】
また、加熱性接着剤は、保護用フィルムの全面をタイル本体に固定するために用いてもよく、あるいは、保護用フィルムの一部をタイル本体に固定するために用いてもよい。
【0027】
後者とする場合の一例は、保護用フィルムが、前述した上面部分と側面部分と下面部分とからなる場合において、上面部分と側面部分のみを加熱性接着剤でタイル本体に固定し、下面部分をタイル本体に固定しないことである。これによると、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業を行う場合において、タイル本体に対して固定されていない自由状態となっている下面部分から、保護用フィルムをタイル本体に対して分離することができ、この剥離作業を容易に行える。
【0028】
また、加熱性接着剤に付与する加熱温度を調整することによってこの接着剤の接着力を調整し、これにより保護用フィルムのタイル本体からの剥離作業を容易に行えるようにしてもよい。
【0029】
さらに、タイル本体から保護用フィルムを容易に剥離できるようにするためには、使用する加熱性接着剤の量を調整してもよい。
【0030】
また、保護用フィルムの表面には、保護膜を設けてもよく、設けなくてもよい。
【0031】
保護用フィルムの表面に保護膜を設けておくと、保護用フィルムが保護されるため、保護用フィルムが損耗するまでの期間を遅らせることができるとともに、保護用フィルムの強度がそれ程大きくない場合には、保護用フィルムの強度を確保できる。
【0032】
保護膜は任意な材料によるものでよく、例えば、以下のうちの一つから選択できる。ウレタンで強化されないアクリル系樹脂材料、ウレタンで強化されたアクリル系樹脂材料、フッ素系材料、シリコーン系材料のうちの有機材料(アルコキシシランとn−プロピルアルコールとアルミニウムキレート化合物との混合材料)、シリコーン系材料のうちの無機材料(シリコーンガラス)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、セラミック系樹脂。
【0033】
また、保護膜を保護用フィルムの表面に設けるための作業は、塗布作業でもよく、スプレー等による吹き付け作業でもよく、シートからの転写作業でもよく、保護膜の材料等に応じた任意な作業でよい。
【0034】
さらに、タイル本体自体の材料及び構造も任意であり、タイル本体の全部がプラスチックで形成されてもよく、一部にプラスチック以外の材料が用いられてもよい。
【0035】
また、保護用フィルムは透明又は半透明でもよく、あるいは、着色されたものでもよく、模様が表示されたものでよい。
【0036】
保護用フィルムが着色されたものであると、タイル本体を着色する必要がなくなり、また、模様が表示されたものであると、タイル本体に模様を表示する必要がなくなる。
【0037】
保護用フィルムの前述した上面部分が透明又は半透明である場合には、この上面部分の裏面に印刷や貼り付け等によって表示物を表示してもよい。これによると、この表示物を保護用フィルムを通してプラスチックタイルの上面において視認することができ、このプラスチックタイルを表示物付きのタイルとすることができる。
【0038】
また、保護用フィルムの上面部分が透明又は半透明である場合には、この上面部分とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材を介入してもよい。これによっても、表示物を保護用フィルムを通してプラスチックタイルの上面において視認することができ、このプラスチックタイルを表示物付きのタイルとすることができる。
【0039】
このようにプラスチックタイルを表示物付きのタイルとする場合であって、保護用フィルムの上面部分を半透明とする場合には、この上面部分を着色された又は白濁した半透明としてもよい。
【0040】
また、表示物は、文字でもよく、絵文字でもよく、絵でもよく、図形でもよく、模様でもよく、これらのうちの少なくとも2つが複合されたものでもよい。
【0041】
さらに、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離し、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に被せる場合であって、剥離された保護用フィルムの上面部分の裏面に表示物が表示されていた場合には、新保護用フィルムの上面部分の裏面に表示物が表示されていなくてもよく、表示されていてもよい。剥離された保護用フィルムの代わりに用いる新保護用フィルムが、表示物が表示されているフィルムである場合には、この表示物は、剥離された保護用フィルムに表示されていたものと同じでもよく、異なるものでもよい。
【0042】
また、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離し、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に被せる場合であって、剥離された保護用フィルムの上面部分とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材が介入されていた場合には、剥離された保護用フィルムの代わりに用いる新保護用フィルムの上面とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材を介入してもよく、介入しなくてもよい。表示部材を介入する場合には、この表示部材は、剥離された前の保護用フィルムについて使用されていたものでもよく、別の表示部材でもよい。
【0043】
また、以上説明した本発明に係るプラスチックタイルは、プラスチックタイル敷き床の所有者が所有権を保有する買い取り型でもよく、あるいは、リース契約又はレンタル契約の対象物となるものでもよい。
【0044】
プラスチックタイルが後者であると、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業や、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に被せる作業、さらには、剥離した保護用フィルムを粉砕処理等して新保護用フィルムの生産のために再利用する作業を、一元的かつ総合的に実施できるようになる。
【0045】
本発明に係るプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法は、以上説明したプラスチックタイルの複数個が床下地面に取り外し自在に置かれることにより仕上げられているプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法であって、前記複数個のプラスチックタイルのうち、少なくとも1個のプラスチックタイルの保護用フィルムが損耗したときに、この保護用フィルムがタイル本体に被せられているプラスチックタイルを前記床下地面から取り外す作業工程と、この取り外された箇所に、予め保護用フィルムがタイル本体に剥離自在に被せられたプラスチックタイルを取り外し自在に置く作業工程と、前記取り外されたプラスチックタイルの保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業工程と、このタイル本体に新保護用フィルムを剥離自在に被せる作業工程とを有することを特徴するものである。
【0046】
このメインテナンス方法によると、保護用フィルムが損耗した少なくとも1個のプラスチックタイルが生じたとき、このプラスチックタイルを床下地面から取り外し、このプラスチックタイルが取り外された床下地面の箇所に、予め保護用フィルムが被せられている別のプラスチックタイルを交換用プラスチックタイルとして取り外し自在に置くため、その箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムを実質的に補修したのと同じになり、この補修作業を容易かつ短時間で行える。また、保護用フィルムが損耗したために床下地面から取り外されたプラスチックタイルからは保護用フィルムが剥離され、このプラスチックタイルのタイル本体には新保護用フィルムが剥離自在に被せられるため、このプラスチックタイルの損耗した部分は、容易に補修される。
【0047】
なお、保護用フィルムが損耗したプラスチックタイルを床下地面から取り外す作業は、保護用フィルムの損耗量が予め決められていた一定量に達したときに行ってもよく、あるいは、予め決められていた一定期間が経過したときに行ってもよく、あるいは、不定期に行ってもよい。
【0048】
また、以上説明したメインテナンス方法は、各種の態様で保護用フィルムが損耗した場合に適用でき、その一例は、プラスチックタイルの上を人々が歩行したために保護用フィルムが消耗した場合である。他の例は、プラスチックタイルの上を物体が引きずられたり落下したために保護用フィルムが損傷した場合である。
【0049】
プラスチックタイルの上を人々が歩行したために保護用フィルムが消耗する場合において、プラスチックタイル敷き床のうちの歩行量の多い箇所に配置されているプラスチックタイルの保護用フィルムは、歩行量の少ない箇所に配置されているプラスチックタイルよりも、早期に消耗する。このため、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムが消耗したとき、このプラスチックタイルを床下地面から取り外し、この箇所に、予め保護用フィルムがタイル本体に剥離可能に被せられた交換用プラスチックタイルを取り外し自在に置くことは、プラスチックタイル敷き床全体をメインテナンスする上で、このメインテナンスを有効かつ効率的に行えることになる。
【0050】
このように、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムが消耗したときに、このプラスチックタイルを床下地面から取り外すようにした場合において、このプラスチックタイルは、初めから歩行量の多い箇所に配置されていてもよく、あるいは、歩行量の多い箇所に配置される前は歩行量の少ない箇所に配置され、そして、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルと交換されて歩行量の少ない箇所から歩行量の多い箇所へ配置されていてもよい。
【0051】
床下地面から取り外されたプラスチックタイルが後者である場合には、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルと歩行量の少ない箇所に配置されていたプラスチックタイルは、交換されるため、これらのプラスチックタイルの保護用フィルムの消耗量を平均化できることになり、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムを新保護用フィルムに代えるまでの期間を遅らせることができる。
【0052】
また、本発明に係るメインテナンス方法では、保護用フィルムが損耗したために床下地面から取り外されたプラスチックタイルについては、タイル本体から保護用フィルムが剥離されるとともに、このタイル本体に新保護用フィルムが剥離可能に被せられるため、このプラスチックタイルは、保護用フィルムが損耗したプラスチックタイルと交換するための交換用プラスチックタイルとして再使用できることになる。
【0053】
このため、本発明に係るメインテナンス方法によると、タイル本体を再び使用するためのリサイクルシステムを作ることができる。
【0054】
なお、交換用プラスチックタイルを再使用するプラスチックタイル敷き床は、この交換用プラスチックタイルのタイル本体がもともと使用されていたプラスチックタイル敷き床でもよく、他のプラスチックタイル敷き床でもよい。
【0055】
以上の本発明に係るメインテナンス方法において、床下地面から取り外されたプラスチックタイルの保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業と、このタイル本体に新保護用フィルムを剥離自在に被せる作業は、一般的には、プラスチックタイル製造工場又はプラスチックタイル補修工場で行うことができる。これにより、損耗した保護用フィルムを新保護用フィルムに代える作業を、多数のプラスチックタイルについて効率的に行えることになる。
【0056】
また、プラスチックタイルがリース契約又はレンタル契約の対象物になっている場合には、複数のプラスチックタイル敷き床から取り外された多数のプラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場からプラスチックタイル製造工場又はプラスチックタイル補修工場へ搬入する作業や、損耗した保護用フィルムに代わって新保護用フィルムをタイル本体に剥離可能に被せることにより多数のプラスチックタイルを交換用プラスチックタイルとする作業、さらには、これらの交換用プラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場へ搬出するまで保管しておく作業や、この搬出するための作業を、一元的かつ総合的に管理されたシステムの作業として低コストで効率的に行えることになる。
【0057】
以上説明した本発明は、大きさ及び形状が標準型となった標準型プラスチックタイルと、標準型プラスチックタイルとは大きさ及び/又は形状が異なる異形型プラスチックタイルとの両方に適用できる。
【0058】
さらに、本発明は、店舗の床や、事務所の床、公共施設の床、展示場の床等の各種の床に用いられるプラスチックタイルに適用できる。また、その床は建物の床でもよく、地下街等の構築物の床でもよい。また、その床は、電気配線等が内部に敷設される二重床でもよい。さらに、その床は、プラスチックタイルだけで仕上げられる床でもよく、プラスチックタイルと、カーペットタイルや泥除去マット等のプラスチックタイル以外の床仕上げ部材とで仕上げられる床でもよい。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明するプラスチックタイル敷き床は、コンビニエンスストアの床である。
【0060】
図1は、このコンビニエンスストアの床の全体平面図である。この床はコンクリート壁1とガラス壁2とで囲まれているとともに、ガラス壁2の一部に設けられた出入口3で出入りがなされる。床下地面はコンクリートの打設で形成されており、この床下地面に多数のプラスチックタイル20と1個の泥除去マット100とを床下地面に接着せずに単に置くことにより、床がプラスチックタイル敷き床として仕上げられている。したがって、これらのプラスチックタイル20と泥除去マット100は置き敷き型のものとなっていて、床下地面から取り外し自在である。
【0061】
なお、図1で示された全部のプラスチックタイル20は、平面形状が正四角形であって、大きさ及び形状が標準型となった標準型プラスチックタイルとなっているが、床の全体平面形状が三角形や台形等の異形となっている場合には、標準型プラスチックタイル20と、平面形状が三角形や長方形等となっていて、大きさ及び/又は形状が標準形プラスチックタイル20と異なる異形型プラスチックタイルとが用いられて、床が仕上げられる。
【0062】
以上のプラスチックタイル20と泥除去マット100は、リース契約又はレンタル契約の対象物となっている。
【0063】
図1で示された床の上には各種の設置物が設置されており、これらの設置物には、コンクリート壁1に沿って並べられた商品棚4〜7と、コンクリート壁1から離れて設置された商品棚8〜11と、ワゴン型の商品陳列台12、13と、出入口3に近接して配置された会計用のカウンタ14とがある。
【0064】
図2は、床下地面15に置かれているときのプラスチックタイル20の縦断面図である。プラスチックタイル20は、タイル本体30と、このタイル本体30の表面に剥離自在に被せられた保護用フィルム40とからなる。タイル本体30は、塩化ビニルを主要材料とするものであり、下から順番に下地層21、ガラス不織布層22、中間層23、表層24を積層固着して形成されている。保護用フィルム40はポリエチレンテレフタレートで形成されている。保護用フィルム40は、これ以外に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の任意な合成樹脂で形成してもよい。
【0065】
図3には、タイル本体30に被せる前の保護用フィルム40が示されている。この保護用フィルム40は、平面形状が正四角形となっている上面部分40Aと、この上面部分40Aの各辺において、上面部分40Aとそれぞれが接続された4個の側面部分40Bと、これらの側面部分40Bの上面部分40Aとは反対側の各辺において、側面部分40Bとそれぞれが接続された4個の下面部分40Cとからなる。上面部分40Aはタイル本体30の上面30Aと、側面部分40Bはタイル本体の側面30Bと、それぞれ対応する大きさ及び形状となっており、それぞれの下面部分40Cは、4個の下面部分40Cを合わせてもタイル本体30の下面30Cよりも小さい大きさとなっている。
【0066】
なお、それぞれの下面部分40Cを、これらの下面部分40Cを合わせると、タイル本体30の下面30Cと同じ大きさになる大きさとしてもよい。保護用フィルム40は、フィルム素材からの打ち抜き加工で形成され、また、上面部分40Aと側面部分40Bとの境界線及び側面部分40Cと下面部分40Cとの境界線は、折り曲げ加工され、これにより、保護用フィルム40は、これらの境界線が折り曲げ線となって折り曲げ自在となっている。
【0067】
タイル本体30に被せられる前の保護用フィルム40の所定の裏面、例えば、上面部分40Aの裏面と側面部分40Bの裏面には、加熱されると接着性が生ずる加熱性接着剤が塗布される。この加熱性接着剤は、熱可塑性樹脂であるアクリル酸エステルを含有するものであり、加熱性接着剤は、これ以外にアクリルエマルジヨン糊を用いることができる。
【0068】
このように所定の裏面に加熱性接着剤が塗布された保護用フィルム40を、それぞれの折り曲げ線で折り曲げながらタイル本体30に被せ、これにより、上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aと、側面部分40Bをタイル本体30の側面30Bと、下面部分40Cをタイル本体30Cの下面30Cとそれぞれ対面接触させた後、図4に示すとおり、タイル本体30と保護用フィルム40からなるプラスチックタイル20を、ローラ式加熱加圧装置における互いに対向配置された一対の加熱回転ローラ45の間を通過させる。これにより、保護用フィルム40をタイル本体30に加圧するとともに、加熱性接着剤を加熱し、この接着剤によって保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定する。
【0069】
なお、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定することは、一対の加熱回転ローラ45による加熱性接着剤の昇温温度を調整することや、保護用フィルム40の裏面に塗布する加熱性接着剤の量を調整することにより行える。
【0070】
以上のように、保護用フィルム40の裏面に加熱性接着剤を塗布する作業や、この保護用フィルム40をタイル本体30に被せる作業、さらには、図4のように一対のローラ45で加熱性接着剤を加熱しながら保護用フィルム40をタイル本体30に加圧することにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定する作業は、図5で示したプラスチックタイル製造工場Aにおいて行われる。この工場Aでは、このようにして前述した標準型プラスチックタイルと異形型プラスチックタイルが多数生産され、これらのプラスチックタイルは、それぞれプラスチックタイル敷き床の現場Bに運ばれるとともに、これらの現場Bの床下地面に取り外し自在に置かれて床を仕上げるために用いられる。
【0071】
図5で示した複数の現場Bのうちの一つが、図1で示したコンビニエンスストアである。
【0072】
図1で示したコンビニエンスストアでは、出入口3に近接した箇所に泥除去マット100が配置されているため、店舗に入る人が泥除去マット100の上を歩くことにより、その人の履物に付着していた泥やほこりの多くは泥除去マット100で除去される。しかし、それでも履物に付着していた少しの泥やほこりは、その履物と共に多数のプラスチックタイル20が配置されているコンビニエンスストアの内部に侵入する。このため、コンビニエンスストアの新規開店後、これらのプラスチックタイル20の保護用フィルム40の上面部分40Aが次第に消耗し始める。
【0073】
この上面部分40Aの消耗量は、多数のプラスチックタイル20のうち、歩行量の多い箇所である会計カウンタ14に近いエリアCに配置されているプラスチックタイル20Aで大きく、出入口3から遠いために歩行量の少ない箇所となっている商品棚6、7に近いエリアDに配置されているプラスチックタイル20Bで小さい。
【0074】
エリアCに配置されているプラスチックタイル20Aの保護用フィルム40の上面部分40Aの消耗量が一定量に達したとき、又はこの上面部分40Aの消耗量が一定量まで達していないが、予め決められていた一定期間が経過したときに、エリアCのプラスチックタイル20AとエリアDのプラスチックタイル20Bを床下地面から取り外し、プラスチックタイル20AをエリアDへ、プラスチックタイル20BをエリアCへ配置し、これらのプラスチックタイル20Aと20Bの交換を行う。この交換作業は、プラスチックタイル20A、20Bを床下地面に取り外し自在に置くことにより行う。
【0075】
これにより、エリアCで上面部分40Aが大きく消耗した保護用フィルム40について、そのコンビニエンスストアの現場で保護用フィルム40を実質的に補修したのと同じになり、この補修作業を、コンビニエンスストア全体又はコンビニエンスストア内の所定区域を一定時間又は一定期間の間、立ち入り禁止にすることなく、短時間のうちに容易に行える。
【0076】
以上のように、エリアCとDのプラスチックタイル20Aと20Bの交換を行ってから期間が経過し、これらのプラスチックタイル20A、20Bの保護用フィルム40の上面部分40Aの消耗が、そのコンビニエンスストアの床で使用されている他のプラスチックタイル20と交換できない程進行したときには、図5の工場Aで予め製造されている交換用プラスチックタイル20を、プラスチックタイル20A、20Bと同じ個数だけ図1のコンビニエンスストアに運ぶ。そして、プラスチックタイル20A、20Bを床下地面から取り外し、この代わりに、交換用プラスチックタイル20を床下地面に置く。
【0077】
なお、工場Aからコンビニエンスストアへ予め多数の交換用プラスチックタイル20を運んでおいて保管しておき、これらの交換用プラスチックタイル20のうちの必要個数だけを用いることにより、以上と同じ作業を行ってもよい。
【0078】
また、図1で示されたプラスチックタイル20A、20B又はプラスチックタイル20A、20B以外のプラスチックタイル20のうち、例えば、プラスチックタイル敷き床に置かれた物を引きずったために保護用フィルム40の上面部分40Aが損傷したプラスチックタイル20が生じたときにも、このプラスチックタイル20を交換用プラスチックタイル20と交換する。
【0079】
これらの作業を行うことにより、コンビニエンスストアの床で使用されていたプラスチックタイル20の保護用フィルム40を、その保護用フィルム40を補修する作業をコンビニエンスストアの床で実際には行っていないが、その床で補修したのと実質的に同じになる。しかも、コンビニエンスストアの営業を続けながら、これらの作業を短時間のうちに容易に行える。
【0080】
そして、床下地面から取り外されたプラスチックタイル20は工場Aに運ばれ、この工場Aにおいて、損耗した保護用フィルム40をタイル本体30から剥離する作業が手作業又は機械による自動作業として行われる。そして、保護用フィルム40が剥離されたタイル本体30には、工場Aにおいて新保護用フィルムが被せられ、この被せ作業は、前述と同じく、裏面に加熱性接着剤を塗布した新保護用フィルムをタイル本体30に被せることにより行われ、これによって得られたプラスチックタイルを図4の一対の加熱回転ローラ45の間に通すことにより、新保護用フイルムをタイル本体30に剥離自在に固定する。
【0081】
このようにして工場Aで製造されたプラスチックタイルは、図5のそれぞれの現場Bに交換用プラスチックタイルとして運ばれるまで、工場Aで保管されている。そして、現場Bにおいて、保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗したプラスチックタイルが生じたときには、その現場Bへ交換用プラスチックタイルが運ばれ、保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗したプラスチックタイルと交換される。
【0082】
以上説明したように本実施形態に係るプラスチックタイル20は、タイル本体30に保護用フィルム40を剥離可能に被せたものとなっているため、保護用フィルム40が損耗したときには、この保護用フィルム40をタイル本体30から剥離することができ、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に被せることにより、損耗した保護用フィルム40を補修したのと実質的に同じになり、この補修作業を容易に行える。
【0083】
また、保護用フィルム40は、タイル本体30の上面30Aに被せられる上面部分40Aと、タイル本体30の側面30Bに被せられる側面部分40Bを有しているため、それぞれのプラスチックタイル20が図2に示すように床下地面15に置かれてプラスチックタイル敷き床を形成し、これらのプラスチックタイル20が互いに密接して並設されると、互いに隣接するプラスチックタイル20の保護用フィルム40の側面部分40B同士が突き合わせられる。プラスチックタイル敷き床の端部に配置されるプラスチックタイル20については、このプラスチックタイル20の保護用フィルム40の側面部分40Bがプラスチックタイル敷き床の外周縁部を形成する壁等の仕切り部に当接する。このため、それぞれのプラスチックタイル20の保護用フィルム40がタイル本体30に対して剥離可能となっていても、言い換えると、加熱性接着剤によるタイル本体30へのプラスチックタイル40の接着力が小さくても、保護用フィルム40がタイル本体30から剥離するのを有効に防止できる。
【0084】
また、保護用フィルム40は、タイル本体30の下面30Cに被せられる下面部分40Cを有しているため、プラスチックタイル20を床下地面15に置くと、保護用フィルム40の下面部分40Cがタイル本体30の下面30Cで押さえられ、また、プラスチックタイル20の上に乗る人の重量でも下面部分40Cは押さえられるため、保護用フィルム40がタイル本体30から剥離するのを一層有効に防止できることになる。
【0085】
さらに、保護用フィルム40の上面部分40Aによってタイル本体30の上面30Aが覆われるため、保護用フィルム40の上面部分40Aを着色したり、上面部分40Aに模様等を表示しておくことにより、タイル本体30を着色したり、タイル本体30に模様等を表示しておく必要がなくなる。このため、タイル本体30の製造の容易化、低コスト化を図ることができる。
【0086】
また、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定するための接着剤は、加熱されると接着力が生ずる加熱性接着剤であるため、保護用フィルム40をタイル本体30に被せただけでは、保護用フィルム40はタイル本体30に固定されない。このため、タイル本体30に対する保護用フィルム40の位置を正しい位置へ変更する作業を行え、タイル本体30に対して保護用フィルム40を位置決めした後、接着剤を加熱する作業を行うことにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できる。
【0087】
また、本実施形態における加熱性接着剤の加熱作業は、一対のローラ45で保護用フィルム40をタイル本体30に加圧しながら行われるため、この加圧力により、保護用フィルム40の上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aに、これらの間に隙間が発生することなく固定できる。
【0088】
また、前述したように、保護用フィルム40の上面部分40Aの裏面と側面部分40Bの裏面とに加熱性接着剤を塗布し、下面部分40Cに加熱性接着剤を塗布しない場合には、タイル本体30から保護用フィルム40を剥離する際、保護用フィルム40の端部側である下面部分40Cより、保護用フィルム40を容易に剥離することができる。
【0089】
また、プラスチックタイル敷き床の現場Bでは、保護用フィルム40が損耗したプラスチックタイル20が生じたときに、このプラスチックタイル20を床下地面15から取り外し、この箇所に、予めタイル本体30に保護用フィルム40が剥離可能に被せられたプラスチックタイル20を置くため、この箇所における損耗した保護用フィルム40が実質的に短時間で補修されたのと同じになり、プラスチックタイル敷き床の現場であるコンビニエンスストアは、一定期間又は一定時間休業する必要はない。
【0090】
また、損耗した保護用フィルム40に代わって新保護用フィルムをタイル本体30に被せるために工場Aへ送られるプラスチックタイル20のうち、この直前まで歩行量の少ない箇所Dに配置されていたプラスチックタイル20Aは、初めは歩行量の多い箇所Cに配置されており、次いで、歩行量の少ない箇所Dに配置されていたプラスチックタイル20Bと交換されているため、これらのプラスチックタイル20Aと20Bの損耗量を平均化できるとともに、プラスチックタイル20Aの保護用フィルム40を新保護用フィルムに代えるまでの期間を遅らせることができる。
【0091】
さらに、それぞれのプラスチックタイル20はリース契約又はレンタル契約の対象物となっているため、損耗した保護用フィルム40をタイル本体30から剥離する作業や、このタイル本体30に新保護用フィルムを被せる作業などの保護用フィルム40を補修するための作業に関するシステムを、一元的かつ総合的に管理されたシステムとして完成させることができる。
【0092】
また、それぞれのプラスチックタイル20をリース契約又はレンタル契約の対象物とすることにより、多数のプラスチックタイル20をそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場Bからプラスチックタイル製造工場Aへ搬入する作業や、損耗した保護用フィルムに代わって新保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に被せることにより、多数のプラスチックタイル20を交換用プラスチックタイルとして再生させる作業、さらには、これらの交換用プラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場Bへ搬出するまで保管しておく作業や、この搬出するための作業を、一元的かつ総合的に管理されたシステムの作業として低コストで効率的に行えることになる。また、タイル本体30から剥離されて損耗している保護用フィルム40を新保護用フィルム生産用の材料とするための作業も、一元的かつ総合的に管理されたシステムの中の作業として低コストで効率的に行える。
【0093】
また、工場Aでは、損耗した保護用フィルム40に代わって新保護用フィルムがタイル本体30に剥離可能に被せられるため、タイル本体30は交換用プラスチックタイルのタイル本体として再び使用され、タイル本体30のリサイクルシステムを作ることができる。
【0094】
図6は、裏面に加熱性接着剤が塗布された保護用フィルム40を加熱しながらタイル本体30に加圧するための別実施形態を示す。この実施形態では、加熱下盤46と加熱上盤47とを備えるプレス式加熱加圧装置が用いられる。加熱下盤46の上に、加熱性接着剤が塗布されている保護用フィルム40を被せたタイル本体30を載せ、次いで加熱上盤47を下降させることにより、保護用フィルム40及び加熱性接着剤を加熱しながらタイル本体30に加圧する。これにより、加熱性接着剤で保護用フィルム40がタイル本体30に剥離可能に固定されたプラスチックタイル20ができあがる。
【0095】
この実施形態によると、加熱上盤47を1回上下動させるだけで、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できるため、図4で示したローラ式加熱加圧装置よりも作業効率を向上させることができる。
【0096】
図7の実施形態では、タイル本体30を、ローラ式加熱加圧装置を構成する一対の加熱回転ローラ48の間に通すときに、保護用フィルムのための素材となっているロール式のフィルム素材50もタイル本体30の上に被せて一対のローラ48の間に通すことにより、平坦状となっているこのフィルム素材50を、フィルム素材50の裏面に塗布されている加熱性接着剤でタイル本体30に剥離可能に固定するようにしている。また、フィルム素材50はロール部51から連続的に繰り出され、これにより、一対のローラ48の間に間隔を開けて送り込まれる複数のタイル本体30にフィルム素材60が剥離可能に順次固定される。
【0097】
それぞれのタイル本体30に剥離可能に固定されたフィルム素材50は、この後、切断装置によって切断加工され、また、折り曲げ装置によって折り曲げ加工され、これにより、フィルム素材50から、図3と同様に、それぞれのタイル本体30の上面30Aと側面80Bと下面30Cに被せられた保護用フィルムができあがる。
【0098】
この実施形態によると、複数のタイル本体30に保護用フィルムを剥離可能に被せるための作業を連続作業として行える。
【0099】
図8の実施形態では、保護用フィルムの素材がチューブ状フィルム素材52となっている。このチューブ状フィルム素材52は、加熱されると収縮する加熱収縮性の性質を有するポリエチレンテレフタレート(PET)であり、このような性質を有する限りにおいて、チューブ状フィルム素材52の材料はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)でもよい。
【0100】
予めタイル本体30はチューブ状フイルム素材52の内部に収納され、この後、この状態でタイル本体30とチューブ状素材52が、図7の実施形態と同じく、ローラ式加熱加圧装置を構成する一対の加熱回転ローラ48の間に通されることにより、フィルム素材52が収縮してタイル本体30に密着する。この後、タイル本体30からはみ出しているフィルム素材52の切断加工や折り曲げ加工等が行われることにより、フィルム素材52は、タイル本体30の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有する保護用フィルムとなる。
【0101】
この実施形態によると、タイル本体30を内部に収納したチューブ状フィルム素材52を加熱するという簡単な作業により、保護用フィルムを、タイル本体30の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有するものとすることができる。
【0102】
なお、この実施形態においては、チューブ状フィルム素材52を一対の回転加熱ローラ48で加熱すると、このフィルム素材52はタイル本体30に剥離可能に密着するため、保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に固定するために、加熱性接着剤を用いてもよく、用いなくてもよい。
【0103】
図9の実施形態では、保護用フィルム40の上面部分40Aの表面に保護膜60が設けられている。この保護膜60は、ウレタンで強化されたアクリル系樹脂材料によるものである。保護膜60は、これ以外に、ウレタンで強化されないアクリル系樹脂材料、フッ素系材料、シリコーン系材料のうちの有機材料(アルコキシシランとn−プロピルアルコールとアルミニウムキレート化合物との混合材料)、シリコーン系材料のうちの無機材料(シリコーンガラス)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、セラミック系樹脂でもよく、任意な材料を選択できる。
【0104】
保護用フィルム40の上面部分40Aの表面に保護膜60を設ける作業は、図5で示した工場Aにおいて、保護膜60の材料に応じて塗布や吹き付け等の作業によって行われる。
【0105】
この実施形態によると、保護用フィルム40の損耗する部分となっている上面部分40Aが保護膜60で保護されるため、保護用フィルム40を工場Aで新保護用フィルムに代えなければならない程に上面部分40Aが損耗するまでの期間を遅らせることができ、また、保護用フィルム40の強度がそれ程大きくない場合には、保護用フィルム40の上面部分40Aの強度を確保できる。
【0106】
図10の実施形態で示されたコンビニエンスストアのプラスチックタイル敷き床は、図1と同じく、多数のプラスチックタイル20によって仕上げられているが、その一部のプラスチックタイルは、上面に表示物である文字70が表示されたプラスチックタイル20Cとなっている。図11は、この表示物付きプラスチックタイル20Cを示す。このプラスチックタイル20Cの保護用フィルム40は透明又は半透明であり、タイル本体30の上面30Aと対面する上面部分40Aの裏面には、印刷や文字フィルムの貼り付けによる文字70が設けられている。
【0107】
この実施形態によると、プラスチックタイル敷き床を仕上げるための床仕上げ材となっているプラスチックタイル20Cを、広告やお知らせ等の通知事項を通知するための媒体として利用できる。
【0108】
プラスチックタイル20Cを図5で示した工場Aに運び、文字70が設けられている保護用フィルム40を新保護用フィルムに代えるときは、この新保譲用フィルムは、上面部分の裏面に文字70と同じ文字が設けられたものでもよく、他の文字が設けられたものでもよく、文字以外の表示物が設けられたものでもよく、表示物が設けられていないものでもよい。
【0109】
図12は、別実施形態に係る表示物付きプラスチックタイル20Dを示す。このプラスチックタイル20Dは、タイル本体30と、透明又半透明となっている保護用フィルム40と、タイル本体30の上面30Aと保護用フィルム40の上面部分40Aとの間に介入され、文字70が表示された表示部材80とからなり、この表示部材80は、合成樹脂製フィルム又は紙等の薄い材料で形成されている。
【0110】
この実施形態によっても、文字70が保護用フィルム40の透明又は半透明の上面部分40Aを通してプラスチックタイル20Dの上面において視認できるため、プラスチックタイル20Dを広告やお知らせ等の通知事項を通知するための媒体として利用できる。
【0111】
プラスチックタイル20Dの保護用フィルム40を図5で示した工場Aで新保護用フィルムに代えるときは、タイル本体80と新保護用フィルムとの間に、表示部材80をそのまま介入してもよく、文字70と異なる文字が表示された表示部材を介入してもよく、文字以外の表示物が表示された表示部材を介入してもよく、表示部材を介入しなくてもよい。
【0112】
この実施形態によると、文字等の表示物は、保護用フィルム40とは別部材となっている表示部材80に表示されるため、表示物付きプラスチックタイルであっても保護用フィルム40に表示物を設ける必要がなく、保護用フィルム40の製造が容易となる。
【0113】
なお、保護用フィルム40の上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aに加熱性接着材で剥離可能に固定するためには、表示部材80の大きさを上面30Aよりも小さくすればよい。また、表示部材80の大きさを上面30Aと同じにした場合であっても、保護用フィルム40の側面部分40Bをタイル本体30の側面30Bに加熱性接着材で剥離自在に接着することにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によると、プラスチックタイルの上面が損耗した場合にその補修作業を容易に行えるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラスチックタイルを用いて仕上げられたプラスチックタイル敷き床であるコンビニエンスストアの床の全体を示す平面図である。
【図2】床下地面に置かれているときを示すプラスチックタイルの縦断面図である。
【図3】タイル本体に被せられる前の保護用フィルムを示す斜視図である。
【図4】加熱性接着剤が塗布された保護用フィルムをタイル本体にローラ式加熱加圧装置により剥離自在に固定する作業を示す図である。
【図5】図4の作業等が行われるプラスチックタイル製造工場とプラスチックタイル敷き床の作業現場との間でプラスチックタイルが運搬されることを示す概念図である。
【図6】加熱性接着剤が塗布された保護用フィルムをタイル本体にプレス式加熱加圧装置により剥離自在に固定する作業の実施形態を示す図である。
【図7】保護用フィルムのための素材となっているロール式のフィルム素材と、タイル本体とをローラ式加熱加圧装置に送り込むことにより、複数のタイル本体を連続的に処理できるようにした作業の実施形態を示す図である。
【図8】保護用フィルムのための素材を加熱されると収縮する材料からなるチューブ状の素材とした場合であって、ローラ式加熱加圧装置でタイル本体に保護用フィルムを剥離可能に固定するための作業の実地形態を示す図である。
【図9】保護用フィルムの上面部分の表面に保護膜を設けた実施形態を示す図2と同様の図である。
【図10】一部のプラスチックタイルが表示物付きタイルとなっている実施形態を示す図1と同様の図である。
【図11】図10で示された表示物付きプラスチックタイルを示す図3と同様の図である。
【図12】表示物付きプラスチックタイルの別実施形態を示す図3と同様の図である。
【符号の説明】
15 床下地面
20 プラスチックタイル
20C,20D 表示物付きプラスチックタイル
30 タイル本体
30A 上面
30B 側面
30C 下面
40 保護用フィルム
40A 上面部分
40B 側面部分
40C 下面部分
52 チューブ状フィルム素材
60 保護膜
70 表示物である文字
80 表示部材
A プラスチックタイル製造工場
B プラスチックタイル敷き床の現場
C 歩行量の多い箇所
D 歩行量の少ない箇所
【発明の属する技術分野】
本発明は、床を仕上げるために床下地面に置かれるプラスチックタイル及び複数個のプラスチックタイルによって仕上げられるプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法に係り、店舗、事務所、公共施設、展示場等の各種の床に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
多数のプラスチックタイルをコンクリートの打設等で形成された床下地面に多数敷くことにより仕上げられるプラスチックタイル敷き床は、清掃の容易性や清潔感から店舗や飲食店、さらには事務所、公共施設等の各種建物に採用されている。特開平8−4264号公報には、床下地面に単に置くだけの置き敷き型であって取り外し自在となっているプラスチックタイルが示されている。
【0003】
プラスチックタイルの上面には、艶出しや強度を確保するために、ワックス剤等の塗布作業や吹き付け作業によって保護膜が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
人が出入りしたり往来したりする場所に敷かれているプラスチックタイルの上面は、靴等の履物によって次第に消耗し、また、物体が引きずられたり落下したりすると、損傷する。このように、プラスチックタイルの上面に設けられている保護膜が損耗した場合に、その保護膜を補修するためには、従来では、残余の保護膜を剥離した後に新保護膜のための塗布作業や吹き付け作業を行って、均一厚さの保護膜をプラスチックタイルの上面に設けなければならず、この作業に多くの手間と時間がかかっていた。
【0005】
本発明の目的は、上面が損耗した場合にその補修作業を容易に行えるようになるプラスチックタイルを提供するところ、及びそのプラスチックタイルを用いて仕上げられているプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラスチックタイルは、床下地面に取り外し自在に置かれるプラスチックタイルにおいて、タイル本体と、少なくともこのタイル本体の上面に被せられている上面部分を有している保護用フィルムとを含んで形成され、この保護用フィルムが前記タイル本体に対して剥離可能となっていることを特徴とするものである。
【0007】
このプラスチックタイルによると、タイル本体の上面には保護用フィルムが被せられているため、プラスチックタイルの損耗はこの保護用フィルムで生じ、保護用フィルムはタイル本体に対しては剥離自在であるため、保護用フィルムが損耗した場合には、この保護用フィルムを剥離した後、新保護用フィルムをタイル本体に被せる作業を行うことにより、プラスチックタイルの上面が補修されたことになる。このため、この補修作業を容易に行えることになり、プラスチックタイルを再使用できる。
【0008】
なお、ここでいう保護用フィルムの損耗とは、保護用フィルムが摩滅して消耗することでもよく、大きな荷重を受けて損傷することでもよい。
【0009】
また、新保護用フィルムはタイル本体の上面に剥離不能に固着してもよく、あるいは、この新保護用フィルムをタイル本体の上面に剥離自在に被せてもよい。
【0010】
新保護用フィルムを後者とすると、新保護用フィルムが損耗した場合に、上述と同じく、新保護用フィルムをタイル本体から剥離できるため、プラスチックタイルの上面の補修作業を容易に行える。
【0011】
また、保護用フィルムは、タイル本体の上面に被せられる上面部分だけからなるものでもよく、あるいは、上面部分と、この上面部分と接続され、タイル本体の側面に被せられる側面部分とを有するものでもよい。
【0012】
保護用フィルムを後者とした場合には、プラスチックタイル敷き床を仕上げるために複数のプラスチックタイルが床下地面に互いに密接して並設されたときに、互いに隣接するプラスチックタイルの保護用フィルムの側面部分同士が突き合わせられ、プラスチックタイル敷き床の端部に配置されるプラスチックタイルについては、このプラスチックタイルの保護用フィルムの側面部分がプラスチックタイル敷き床の外周縁部を形成する壁等の仕切り部に当接するため、それぞれのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体に対して剥離自在となっていても、プラスチックタイル敷き床で使用中において、これらのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体から剥離するのを有効に防止できる。
【0013】
さらに、保護用フィルムは、上面部分と側面部分だけからなるものでもよく、あるいは、上面部分と、側面部分と、この側面部分と接続され、タイル本体の下面に被せられる下面部分とを有するものでもよい。
【0014】
保護用フィルムを後者とした場合には、プラスチックタイルを床下地面に置くと、保護用フィルムの下面部分がタイル本体の下面で押さえられるため、それぞれのプラスチックタイルの保護用フィルムがタイル本体に対して剥離自在となっていても、保護用フィルムがタイル本体から剥離するのを一層有効に防止できることになる。
【0015】
保護用フィルムは任意な合成樹脂材料で形成でき、例えば、以下のうちの一つから選択できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)。
【0016】
また、タイル本体に剥離自在に被せられる前の保護用フィルムは任意な形状、形態のものでよく、例えば、予めタイル本体と対応する形状、寸法に切断加工、折り曲げ加工されたものでもよく、あるいは、初めはロール部等から繰り出される平坦状のフィルム素材となっていて、タイル本体に剥離自在に被せられた後に切断加工、折り曲げ加工されるものでもよく、あるいは、初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものでもよい。
【0017】
保護用フィルムが初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものになっていると、タイル本体の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有する保護用フィルムを容易に得られる。
【0018】
また、このように保護用フィルムが初めはチューブ状フィルム素材となっていて、後にタイル本体が内部に収納されるものになっている場合には、このチューブ状フィルムを、加熱されると収縮する加熱収縮性の材料で形成することが好ましい。
【0019】
これによると、タイル本体が内部に収納されたこのチューブ状フィルム素材を加熱することにより、このチューブ状フィルム素材を容易に保護用フィルムとすることができる。
【0020】
なお、このチューブ状フィルムを加熱されると収縮する加熱収縮性の材料で形成する場合におけるこの材料の一例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、他の例は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)であり、任意な加熱収縮性材料でよい。
【0021】
また、保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に被せるには、任意な固定手段を用いて保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定してよい。この固定手段の一例は、接着剤である。
【0022】
なお、保護用フィルムを上述したチューブ状フィルム素材から形成する場合のように、タイル本体に保護用フィルムを被せると、それだけで保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定したことになる場合には、固定手段を用いる必要はない。
【0023】
保護用フィルムをタイル本体に接着剤で剥離自在に固定する場合において、この接着剤は常温で接着性を有するものでもよく、あるいは、加熱されると接着性が生ずる加熱性接着剤でもよい。
【0024】
接着剤を加熱性接着剤とした場合には、保護用フィルム又はタイル本体又はこれらの良好に加熱性接着剤を塗布した後に、タイル本体に保護用フィルムを被せただけではタイル本体に保護用フィルムは固定されないため、タイル本体に対する保護用フィルムの位置変更を行うことが可能になって、保護用フィルムをタイル本体に対して位置決めすることができる。そして、この後、保護用フィルムとタイル本体を加熱することにより、加熱性接着剤で保護用フィルムはタイル本体に剥離自在に固定される。
【0025】
このように保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に固定する場合における加熱性接着剤としては、例えば、アクリル酸エステル等の熱可塑性樹脂からなるものや、アクリルエマルジョン糊を用いることができ、この他に、任意な加熱性接着剤を用いることができる。
【0026】
また、加熱性接着剤は、保護用フィルムの全面をタイル本体に固定するために用いてもよく、あるいは、保護用フィルムの一部をタイル本体に固定するために用いてもよい。
【0027】
後者とする場合の一例は、保護用フィルムが、前述した上面部分と側面部分と下面部分とからなる場合において、上面部分と側面部分のみを加熱性接着剤でタイル本体に固定し、下面部分をタイル本体に固定しないことである。これによると、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業を行う場合において、タイル本体に対して固定されていない自由状態となっている下面部分から、保護用フィルムをタイル本体に対して分離することができ、この剥離作業を容易に行える。
【0028】
また、加熱性接着剤に付与する加熱温度を調整することによってこの接着剤の接着力を調整し、これにより保護用フィルムのタイル本体からの剥離作業を容易に行えるようにしてもよい。
【0029】
さらに、タイル本体から保護用フィルムを容易に剥離できるようにするためには、使用する加熱性接着剤の量を調整してもよい。
【0030】
また、保護用フィルムの表面には、保護膜を設けてもよく、設けなくてもよい。
【0031】
保護用フィルムの表面に保護膜を設けておくと、保護用フィルムが保護されるため、保護用フィルムが損耗するまでの期間を遅らせることができるとともに、保護用フィルムの強度がそれ程大きくない場合には、保護用フィルムの強度を確保できる。
【0032】
保護膜は任意な材料によるものでよく、例えば、以下のうちの一つから選択できる。ウレタンで強化されないアクリル系樹脂材料、ウレタンで強化されたアクリル系樹脂材料、フッ素系材料、シリコーン系材料のうちの有機材料(アルコキシシランとn−プロピルアルコールとアルミニウムキレート化合物との混合材料)、シリコーン系材料のうちの無機材料(シリコーンガラス)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、セラミック系樹脂。
【0033】
また、保護膜を保護用フィルムの表面に設けるための作業は、塗布作業でもよく、スプレー等による吹き付け作業でもよく、シートからの転写作業でもよく、保護膜の材料等に応じた任意な作業でよい。
【0034】
さらに、タイル本体自体の材料及び構造も任意であり、タイル本体の全部がプラスチックで形成されてもよく、一部にプラスチック以外の材料が用いられてもよい。
【0035】
また、保護用フィルムは透明又は半透明でもよく、あるいは、着色されたものでもよく、模様が表示されたものでよい。
【0036】
保護用フィルムが着色されたものであると、タイル本体を着色する必要がなくなり、また、模様が表示されたものであると、タイル本体に模様を表示する必要がなくなる。
【0037】
保護用フィルムの前述した上面部分が透明又は半透明である場合には、この上面部分の裏面に印刷や貼り付け等によって表示物を表示してもよい。これによると、この表示物を保護用フィルムを通してプラスチックタイルの上面において視認することができ、このプラスチックタイルを表示物付きのタイルとすることができる。
【0038】
また、保護用フィルムの上面部分が透明又は半透明である場合には、この上面部分とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材を介入してもよい。これによっても、表示物を保護用フィルムを通してプラスチックタイルの上面において視認することができ、このプラスチックタイルを表示物付きのタイルとすることができる。
【0039】
このようにプラスチックタイルを表示物付きのタイルとする場合であって、保護用フィルムの上面部分を半透明とする場合には、この上面部分を着色された又は白濁した半透明としてもよい。
【0040】
また、表示物は、文字でもよく、絵文字でもよく、絵でもよく、図形でもよく、模様でもよく、これらのうちの少なくとも2つが複合されたものでもよい。
【0041】
さらに、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離し、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に被せる場合であって、剥離された保護用フィルムの上面部分の裏面に表示物が表示されていた場合には、新保護用フィルムの上面部分の裏面に表示物が表示されていなくてもよく、表示されていてもよい。剥離された保護用フィルムの代わりに用いる新保護用フィルムが、表示物が表示されているフィルムである場合には、この表示物は、剥離された保護用フィルムに表示されていたものと同じでもよく、異なるものでもよい。
【0042】
また、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離し、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に被せる場合であって、剥離された保護用フィルムの上面部分とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材が介入されていた場合には、剥離された保護用フィルムの代わりに用いる新保護用フィルムの上面とタイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材を介入してもよく、介入しなくてもよい。表示部材を介入する場合には、この表示部材は、剥離された前の保護用フィルムについて使用されていたものでもよく、別の表示部材でもよい。
【0043】
また、以上説明した本発明に係るプラスチックタイルは、プラスチックタイル敷き床の所有者が所有権を保有する買い取り型でもよく、あるいは、リース契約又はレンタル契約の対象物となるものでもよい。
【0044】
プラスチックタイルが後者であると、損耗した保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業や、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体に剥離自在に被せる作業、さらには、剥離した保護用フィルムを粉砕処理等して新保護用フィルムの生産のために再利用する作業を、一元的かつ総合的に実施できるようになる。
【0045】
本発明に係るプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法は、以上説明したプラスチックタイルの複数個が床下地面に取り外し自在に置かれることにより仕上げられているプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法であって、前記複数個のプラスチックタイルのうち、少なくとも1個のプラスチックタイルの保護用フィルムが損耗したときに、この保護用フィルムがタイル本体に被せられているプラスチックタイルを前記床下地面から取り外す作業工程と、この取り外された箇所に、予め保護用フィルムがタイル本体に剥離自在に被せられたプラスチックタイルを取り外し自在に置く作業工程と、前記取り外されたプラスチックタイルの保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業工程と、このタイル本体に新保護用フィルムを剥離自在に被せる作業工程とを有することを特徴するものである。
【0046】
このメインテナンス方法によると、保護用フィルムが損耗した少なくとも1個のプラスチックタイルが生じたとき、このプラスチックタイルを床下地面から取り外し、このプラスチックタイルが取り外された床下地面の箇所に、予め保護用フィルムが被せられている別のプラスチックタイルを交換用プラスチックタイルとして取り外し自在に置くため、その箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムを実質的に補修したのと同じになり、この補修作業を容易かつ短時間で行える。また、保護用フィルムが損耗したために床下地面から取り外されたプラスチックタイルからは保護用フィルムが剥離され、このプラスチックタイルのタイル本体には新保護用フィルムが剥離自在に被せられるため、このプラスチックタイルの損耗した部分は、容易に補修される。
【0047】
なお、保護用フィルムが損耗したプラスチックタイルを床下地面から取り外す作業は、保護用フィルムの損耗量が予め決められていた一定量に達したときに行ってもよく、あるいは、予め決められていた一定期間が経過したときに行ってもよく、あるいは、不定期に行ってもよい。
【0048】
また、以上説明したメインテナンス方法は、各種の態様で保護用フィルムが損耗した場合に適用でき、その一例は、プラスチックタイルの上を人々が歩行したために保護用フィルムが消耗した場合である。他の例は、プラスチックタイルの上を物体が引きずられたり落下したために保護用フィルムが損傷した場合である。
【0049】
プラスチックタイルの上を人々が歩行したために保護用フィルムが消耗する場合において、プラスチックタイル敷き床のうちの歩行量の多い箇所に配置されているプラスチックタイルの保護用フィルムは、歩行量の少ない箇所に配置されているプラスチックタイルよりも、早期に消耗する。このため、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムが消耗したとき、このプラスチックタイルを床下地面から取り外し、この箇所に、予め保護用フィルムがタイル本体に剥離可能に被せられた交換用プラスチックタイルを取り外し自在に置くことは、プラスチックタイル敷き床全体をメインテナンスする上で、このメインテナンスを有効かつ効率的に行えることになる。
【0050】
このように、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムが消耗したときに、このプラスチックタイルを床下地面から取り外すようにした場合において、このプラスチックタイルは、初めから歩行量の多い箇所に配置されていてもよく、あるいは、歩行量の多い箇所に配置される前は歩行量の少ない箇所に配置され、そして、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルと交換されて歩行量の少ない箇所から歩行量の多い箇所へ配置されていてもよい。
【0051】
床下地面から取り外されたプラスチックタイルが後者である場合には、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルと歩行量の少ない箇所に配置されていたプラスチックタイルは、交換されるため、これらのプラスチックタイルの保護用フィルムの消耗量を平均化できることになり、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルの保護用フィルムを新保護用フィルムに代えるまでの期間を遅らせることができる。
【0052】
また、本発明に係るメインテナンス方法では、保護用フィルムが損耗したために床下地面から取り外されたプラスチックタイルについては、タイル本体から保護用フィルムが剥離されるとともに、このタイル本体に新保護用フィルムが剥離可能に被せられるため、このプラスチックタイルは、保護用フィルムが損耗したプラスチックタイルと交換するための交換用プラスチックタイルとして再使用できることになる。
【0053】
このため、本発明に係るメインテナンス方法によると、タイル本体を再び使用するためのリサイクルシステムを作ることができる。
【0054】
なお、交換用プラスチックタイルを再使用するプラスチックタイル敷き床は、この交換用プラスチックタイルのタイル本体がもともと使用されていたプラスチックタイル敷き床でもよく、他のプラスチックタイル敷き床でもよい。
【0055】
以上の本発明に係るメインテナンス方法において、床下地面から取り外されたプラスチックタイルの保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業と、このタイル本体に新保護用フィルムを剥離自在に被せる作業は、一般的には、プラスチックタイル製造工場又はプラスチックタイル補修工場で行うことができる。これにより、損耗した保護用フィルムを新保護用フィルムに代える作業を、多数のプラスチックタイルについて効率的に行えることになる。
【0056】
また、プラスチックタイルがリース契約又はレンタル契約の対象物になっている場合には、複数のプラスチックタイル敷き床から取り外された多数のプラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場からプラスチックタイル製造工場又はプラスチックタイル補修工場へ搬入する作業や、損耗した保護用フィルムに代わって新保護用フィルムをタイル本体に剥離可能に被せることにより多数のプラスチックタイルを交換用プラスチックタイルとする作業、さらには、これらの交換用プラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場へ搬出するまで保管しておく作業や、この搬出するための作業を、一元的かつ総合的に管理されたシステムの作業として低コストで効率的に行えることになる。
【0057】
以上説明した本発明は、大きさ及び形状が標準型となった標準型プラスチックタイルと、標準型プラスチックタイルとは大きさ及び/又は形状が異なる異形型プラスチックタイルとの両方に適用できる。
【0058】
さらに、本発明は、店舗の床や、事務所の床、公共施設の床、展示場の床等の各種の床に用いられるプラスチックタイルに適用できる。また、その床は建物の床でもよく、地下街等の構築物の床でもよい。また、その床は、電気配線等が内部に敷設される二重床でもよい。さらに、その床は、プラスチックタイルだけで仕上げられる床でもよく、プラスチックタイルと、カーペットタイルや泥除去マット等のプラスチックタイル以外の床仕上げ部材とで仕上げられる床でもよい。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明するプラスチックタイル敷き床は、コンビニエンスストアの床である。
【0060】
図1は、このコンビニエンスストアの床の全体平面図である。この床はコンクリート壁1とガラス壁2とで囲まれているとともに、ガラス壁2の一部に設けられた出入口3で出入りがなされる。床下地面はコンクリートの打設で形成されており、この床下地面に多数のプラスチックタイル20と1個の泥除去マット100とを床下地面に接着せずに単に置くことにより、床がプラスチックタイル敷き床として仕上げられている。したがって、これらのプラスチックタイル20と泥除去マット100は置き敷き型のものとなっていて、床下地面から取り外し自在である。
【0061】
なお、図1で示された全部のプラスチックタイル20は、平面形状が正四角形であって、大きさ及び形状が標準型となった標準型プラスチックタイルとなっているが、床の全体平面形状が三角形や台形等の異形となっている場合には、標準型プラスチックタイル20と、平面形状が三角形や長方形等となっていて、大きさ及び/又は形状が標準形プラスチックタイル20と異なる異形型プラスチックタイルとが用いられて、床が仕上げられる。
【0062】
以上のプラスチックタイル20と泥除去マット100は、リース契約又はレンタル契約の対象物となっている。
【0063】
図1で示された床の上には各種の設置物が設置されており、これらの設置物には、コンクリート壁1に沿って並べられた商品棚4〜7と、コンクリート壁1から離れて設置された商品棚8〜11と、ワゴン型の商品陳列台12、13と、出入口3に近接して配置された会計用のカウンタ14とがある。
【0064】
図2は、床下地面15に置かれているときのプラスチックタイル20の縦断面図である。プラスチックタイル20は、タイル本体30と、このタイル本体30の表面に剥離自在に被せられた保護用フィルム40とからなる。タイル本体30は、塩化ビニルを主要材料とするものであり、下から順番に下地層21、ガラス不織布層22、中間層23、表層24を積層固着して形成されている。保護用フィルム40はポリエチレンテレフタレートで形成されている。保護用フィルム40は、これ以外に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の任意な合成樹脂で形成してもよい。
【0065】
図3には、タイル本体30に被せる前の保護用フィルム40が示されている。この保護用フィルム40は、平面形状が正四角形となっている上面部分40Aと、この上面部分40Aの各辺において、上面部分40Aとそれぞれが接続された4個の側面部分40Bと、これらの側面部分40Bの上面部分40Aとは反対側の各辺において、側面部分40Bとそれぞれが接続された4個の下面部分40Cとからなる。上面部分40Aはタイル本体30の上面30Aと、側面部分40Bはタイル本体の側面30Bと、それぞれ対応する大きさ及び形状となっており、それぞれの下面部分40Cは、4個の下面部分40Cを合わせてもタイル本体30の下面30Cよりも小さい大きさとなっている。
【0066】
なお、それぞれの下面部分40Cを、これらの下面部分40Cを合わせると、タイル本体30の下面30Cと同じ大きさになる大きさとしてもよい。保護用フィルム40は、フィルム素材からの打ち抜き加工で形成され、また、上面部分40Aと側面部分40Bとの境界線及び側面部分40Cと下面部分40Cとの境界線は、折り曲げ加工され、これにより、保護用フィルム40は、これらの境界線が折り曲げ線となって折り曲げ自在となっている。
【0067】
タイル本体30に被せられる前の保護用フィルム40の所定の裏面、例えば、上面部分40Aの裏面と側面部分40Bの裏面には、加熱されると接着性が生ずる加熱性接着剤が塗布される。この加熱性接着剤は、熱可塑性樹脂であるアクリル酸エステルを含有するものであり、加熱性接着剤は、これ以外にアクリルエマルジヨン糊を用いることができる。
【0068】
このように所定の裏面に加熱性接着剤が塗布された保護用フィルム40を、それぞれの折り曲げ線で折り曲げながらタイル本体30に被せ、これにより、上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aと、側面部分40Bをタイル本体30の側面30Bと、下面部分40Cをタイル本体30Cの下面30Cとそれぞれ対面接触させた後、図4に示すとおり、タイル本体30と保護用フィルム40からなるプラスチックタイル20を、ローラ式加熱加圧装置における互いに対向配置された一対の加熱回転ローラ45の間を通過させる。これにより、保護用フィルム40をタイル本体30に加圧するとともに、加熱性接着剤を加熱し、この接着剤によって保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定する。
【0069】
なお、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定することは、一対の加熱回転ローラ45による加熱性接着剤の昇温温度を調整することや、保護用フィルム40の裏面に塗布する加熱性接着剤の量を調整することにより行える。
【0070】
以上のように、保護用フィルム40の裏面に加熱性接着剤を塗布する作業や、この保護用フィルム40をタイル本体30に被せる作業、さらには、図4のように一対のローラ45で加熱性接着剤を加熱しながら保護用フィルム40をタイル本体30に加圧することにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定する作業は、図5で示したプラスチックタイル製造工場Aにおいて行われる。この工場Aでは、このようにして前述した標準型プラスチックタイルと異形型プラスチックタイルが多数生産され、これらのプラスチックタイルは、それぞれプラスチックタイル敷き床の現場Bに運ばれるとともに、これらの現場Bの床下地面に取り外し自在に置かれて床を仕上げるために用いられる。
【0071】
図5で示した複数の現場Bのうちの一つが、図1で示したコンビニエンスストアである。
【0072】
図1で示したコンビニエンスストアでは、出入口3に近接した箇所に泥除去マット100が配置されているため、店舗に入る人が泥除去マット100の上を歩くことにより、その人の履物に付着していた泥やほこりの多くは泥除去マット100で除去される。しかし、それでも履物に付着していた少しの泥やほこりは、その履物と共に多数のプラスチックタイル20が配置されているコンビニエンスストアの内部に侵入する。このため、コンビニエンスストアの新規開店後、これらのプラスチックタイル20の保護用フィルム40の上面部分40Aが次第に消耗し始める。
【0073】
この上面部分40Aの消耗量は、多数のプラスチックタイル20のうち、歩行量の多い箇所である会計カウンタ14に近いエリアCに配置されているプラスチックタイル20Aで大きく、出入口3から遠いために歩行量の少ない箇所となっている商品棚6、7に近いエリアDに配置されているプラスチックタイル20Bで小さい。
【0074】
エリアCに配置されているプラスチックタイル20Aの保護用フィルム40の上面部分40Aの消耗量が一定量に達したとき、又はこの上面部分40Aの消耗量が一定量まで達していないが、予め決められていた一定期間が経過したときに、エリアCのプラスチックタイル20AとエリアDのプラスチックタイル20Bを床下地面から取り外し、プラスチックタイル20AをエリアDへ、プラスチックタイル20BをエリアCへ配置し、これらのプラスチックタイル20Aと20Bの交換を行う。この交換作業は、プラスチックタイル20A、20Bを床下地面に取り外し自在に置くことにより行う。
【0075】
これにより、エリアCで上面部分40Aが大きく消耗した保護用フィルム40について、そのコンビニエンスストアの現場で保護用フィルム40を実質的に補修したのと同じになり、この補修作業を、コンビニエンスストア全体又はコンビニエンスストア内の所定区域を一定時間又は一定期間の間、立ち入り禁止にすることなく、短時間のうちに容易に行える。
【0076】
以上のように、エリアCとDのプラスチックタイル20Aと20Bの交換を行ってから期間が経過し、これらのプラスチックタイル20A、20Bの保護用フィルム40の上面部分40Aの消耗が、そのコンビニエンスストアの床で使用されている他のプラスチックタイル20と交換できない程進行したときには、図5の工場Aで予め製造されている交換用プラスチックタイル20を、プラスチックタイル20A、20Bと同じ個数だけ図1のコンビニエンスストアに運ぶ。そして、プラスチックタイル20A、20Bを床下地面から取り外し、この代わりに、交換用プラスチックタイル20を床下地面に置く。
【0077】
なお、工場Aからコンビニエンスストアへ予め多数の交換用プラスチックタイル20を運んでおいて保管しておき、これらの交換用プラスチックタイル20のうちの必要個数だけを用いることにより、以上と同じ作業を行ってもよい。
【0078】
また、図1で示されたプラスチックタイル20A、20B又はプラスチックタイル20A、20B以外のプラスチックタイル20のうち、例えば、プラスチックタイル敷き床に置かれた物を引きずったために保護用フィルム40の上面部分40Aが損傷したプラスチックタイル20が生じたときにも、このプラスチックタイル20を交換用プラスチックタイル20と交換する。
【0079】
これらの作業を行うことにより、コンビニエンスストアの床で使用されていたプラスチックタイル20の保護用フィルム40を、その保護用フィルム40を補修する作業をコンビニエンスストアの床で実際には行っていないが、その床で補修したのと実質的に同じになる。しかも、コンビニエンスストアの営業を続けながら、これらの作業を短時間のうちに容易に行える。
【0080】
そして、床下地面から取り外されたプラスチックタイル20は工場Aに運ばれ、この工場Aにおいて、損耗した保護用フィルム40をタイル本体30から剥離する作業が手作業又は機械による自動作業として行われる。そして、保護用フィルム40が剥離されたタイル本体30には、工場Aにおいて新保護用フィルムが被せられ、この被せ作業は、前述と同じく、裏面に加熱性接着剤を塗布した新保護用フィルムをタイル本体30に被せることにより行われ、これによって得られたプラスチックタイルを図4の一対の加熱回転ローラ45の間に通すことにより、新保護用フイルムをタイル本体30に剥離自在に固定する。
【0081】
このようにして工場Aで製造されたプラスチックタイルは、図5のそれぞれの現場Bに交換用プラスチックタイルとして運ばれるまで、工場Aで保管されている。そして、現場Bにおいて、保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗したプラスチックタイルが生じたときには、その現場Bへ交換用プラスチックタイルが運ばれ、保護用フィルム40の上面部分40Aが損耗したプラスチックタイルと交換される。
【0082】
以上説明したように本実施形態に係るプラスチックタイル20は、タイル本体30に保護用フィルム40を剥離可能に被せたものとなっているため、保護用フィルム40が損耗したときには、この保護用フィルム40をタイル本体30から剥離することができ、この代わりに新保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に被せることにより、損耗した保護用フィルム40を補修したのと実質的に同じになり、この補修作業を容易に行える。
【0083】
また、保護用フィルム40は、タイル本体30の上面30Aに被せられる上面部分40Aと、タイル本体30の側面30Bに被せられる側面部分40Bを有しているため、それぞれのプラスチックタイル20が図2に示すように床下地面15に置かれてプラスチックタイル敷き床を形成し、これらのプラスチックタイル20が互いに密接して並設されると、互いに隣接するプラスチックタイル20の保護用フィルム40の側面部分40B同士が突き合わせられる。プラスチックタイル敷き床の端部に配置されるプラスチックタイル20については、このプラスチックタイル20の保護用フィルム40の側面部分40Bがプラスチックタイル敷き床の外周縁部を形成する壁等の仕切り部に当接する。このため、それぞれのプラスチックタイル20の保護用フィルム40がタイル本体30に対して剥離可能となっていても、言い換えると、加熱性接着剤によるタイル本体30へのプラスチックタイル40の接着力が小さくても、保護用フィルム40がタイル本体30から剥離するのを有効に防止できる。
【0084】
また、保護用フィルム40は、タイル本体30の下面30Cに被せられる下面部分40Cを有しているため、プラスチックタイル20を床下地面15に置くと、保護用フィルム40の下面部分40Cがタイル本体30の下面30Cで押さえられ、また、プラスチックタイル20の上に乗る人の重量でも下面部分40Cは押さえられるため、保護用フィルム40がタイル本体30から剥離するのを一層有効に防止できることになる。
【0085】
さらに、保護用フィルム40の上面部分40Aによってタイル本体30の上面30Aが覆われるため、保護用フィルム40の上面部分40Aを着色したり、上面部分40Aに模様等を表示しておくことにより、タイル本体30を着色したり、タイル本体30に模様等を表示しておく必要がなくなる。このため、タイル本体30の製造の容易化、低コスト化を図ることができる。
【0086】
また、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離自在に固定するための接着剤は、加熱されると接着力が生ずる加熱性接着剤であるため、保護用フィルム40をタイル本体30に被せただけでは、保護用フィルム40はタイル本体30に固定されない。このため、タイル本体30に対する保護用フィルム40の位置を正しい位置へ変更する作業を行え、タイル本体30に対して保護用フィルム40を位置決めした後、接着剤を加熱する作業を行うことにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できる。
【0087】
また、本実施形態における加熱性接着剤の加熱作業は、一対のローラ45で保護用フィルム40をタイル本体30に加圧しながら行われるため、この加圧力により、保護用フィルム40の上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aに、これらの間に隙間が発生することなく固定できる。
【0088】
また、前述したように、保護用フィルム40の上面部分40Aの裏面と側面部分40Bの裏面とに加熱性接着剤を塗布し、下面部分40Cに加熱性接着剤を塗布しない場合には、タイル本体30から保護用フィルム40を剥離する際、保護用フィルム40の端部側である下面部分40Cより、保護用フィルム40を容易に剥離することができる。
【0089】
また、プラスチックタイル敷き床の現場Bでは、保護用フィルム40が損耗したプラスチックタイル20が生じたときに、このプラスチックタイル20を床下地面15から取り外し、この箇所に、予めタイル本体30に保護用フィルム40が剥離可能に被せられたプラスチックタイル20を置くため、この箇所における損耗した保護用フィルム40が実質的に短時間で補修されたのと同じになり、プラスチックタイル敷き床の現場であるコンビニエンスストアは、一定期間又は一定時間休業する必要はない。
【0090】
また、損耗した保護用フィルム40に代わって新保護用フィルムをタイル本体30に被せるために工場Aへ送られるプラスチックタイル20のうち、この直前まで歩行量の少ない箇所Dに配置されていたプラスチックタイル20Aは、初めは歩行量の多い箇所Cに配置されており、次いで、歩行量の少ない箇所Dに配置されていたプラスチックタイル20Bと交換されているため、これらのプラスチックタイル20Aと20Bの損耗量を平均化できるとともに、プラスチックタイル20Aの保護用フィルム40を新保護用フィルムに代えるまでの期間を遅らせることができる。
【0091】
さらに、それぞれのプラスチックタイル20はリース契約又はレンタル契約の対象物となっているため、損耗した保護用フィルム40をタイル本体30から剥離する作業や、このタイル本体30に新保護用フィルムを被せる作業などの保護用フィルム40を補修するための作業に関するシステムを、一元的かつ総合的に管理されたシステムとして完成させることができる。
【0092】
また、それぞれのプラスチックタイル20をリース契約又はレンタル契約の対象物とすることにより、多数のプラスチックタイル20をそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場Bからプラスチックタイル製造工場Aへ搬入する作業や、損耗した保護用フィルムに代わって新保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に被せることにより、多数のプラスチックタイル20を交換用プラスチックタイルとして再生させる作業、さらには、これらの交換用プラスチックタイルをそれぞれのプラスチックタイル敷き床の現場Bへ搬出するまで保管しておく作業や、この搬出するための作業を、一元的かつ総合的に管理されたシステムの作業として低コストで効率的に行えることになる。また、タイル本体30から剥離されて損耗している保護用フィルム40を新保護用フィルム生産用の材料とするための作業も、一元的かつ総合的に管理されたシステムの中の作業として低コストで効率的に行える。
【0093】
また、工場Aでは、損耗した保護用フィルム40に代わって新保護用フィルムがタイル本体30に剥離可能に被せられるため、タイル本体30は交換用プラスチックタイルのタイル本体として再び使用され、タイル本体30のリサイクルシステムを作ることができる。
【0094】
図6は、裏面に加熱性接着剤が塗布された保護用フィルム40を加熱しながらタイル本体30に加圧するための別実施形態を示す。この実施形態では、加熱下盤46と加熱上盤47とを備えるプレス式加熱加圧装置が用いられる。加熱下盤46の上に、加熱性接着剤が塗布されている保護用フィルム40を被せたタイル本体30を載せ、次いで加熱上盤47を下降させることにより、保護用フィルム40及び加熱性接着剤を加熱しながらタイル本体30に加圧する。これにより、加熱性接着剤で保護用フィルム40がタイル本体30に剥離可能に固定されたプラスチックタイル20ができあがる。
【0095】
この実施形態によると、加熱上盤47を1回上下動させるだけで、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できるため、図4で示したローラ式加熱加圧装置よりも作業効率を向上させることができる。
【0096】
図7の実施形態では、タイル本体30を、ローラ式加熱加圧装置を構成する一対の加熱回転ローラ48の間に通すときに、保護用フィルムのための素材となっているロール式のフィルム素材50もタイル本体30の上に被せて一対のローラ48の間に通すことにより、平坦状となっているこのフィルム素材50を、フィルム素材50の裏面に塗布されている加熱性接着剤でタイル本体30に剥離可能に固定するようにしている。また、フィルム素材50はロール部51から連続的に繰り出され、これにより、一対のローラ48の間に間隔を開けて送り込まれる複数のタイル本体30にフィルム素材60が剥離可能に順次固定される。
【0097】
それぞれのタイル本体30に剥離可能に固定されたフィルム素材50は、この後、切断装置によって切断加工され、また、折り曲げ装置によって折り曲げ加工され、これにより、フィルム素材50から、図3と同様に、それぞれのタイル本体30の上面30Aと側面80Bと下面30Cに被せられた保護用フィルムができあがる。
【0098】
この実施形態によると、複数のタイル本体30に保護用フィルムを剥離可能に被せるための作業を連続作業として行える。
【0099】
図8の実施形態では、保護用フィルムの素材がチューブ状フィルム素材52となっている。このチューブ状フィルム素材52は、加熱されると収縮する加熱収縮性の性質を有するポリエチレンテレフタレート(PET)であり、このような性質を有する限りにおいて、チューブ状フィルム素材52の材料はポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)でもよい。
【0100】
予めタイル本体30はチューブ状フイルム素材52の内部に収納され、この後、この状態でタイル本体30とチューブ状素材52が、図7の実施形態と同じく、ローラ式加熱加圧装置を構成する一対の加熱回転ローラ48の間に通されることにより、フィルム素材52が収縮してタイル本体30に密着する。この後、タイル本体30からはみ出しているフィルム素材52の切断加工や折り曲げ加工等が行われることにより、フィルム素材52は、タイル本体30の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有する保護用フィルムとなる。
【0101】
この実施形態によると、タイル本体30を内部に収納したチューブ状フィルム素材52を加熱するという簡単な作業により、保護用フィルムを、タイル本体30の上面と側面と下面に被せられた上面部分と側面部分と下面部分を有するものとすることができる。
【0102】
なお、この実施形態においては、チューブ状フィルム素材52を一対の回転加熱ローラ48で加熱すると、このフィルム素材52はタイル本体30に剥離可能に密着するため、保護用フィルムをタイル本体30に剥離可能に固定するために、加熱性接着剤を用いてもよく、用いなくてもよい。
【0103】
図9の実施形態では、保護用フィルム40の上面部分40Aの表面に保護膜60が設けられている。この保護膜60は、ウレタンで強化されたアクリル系樹脂材料によるものである。保護膜60は、これ以外に、ウレタンで強化されないアクリル系樹脂材料、フッ素系材料、シリコーン系材料のうちの有機材料(アルコキシシランとn−プロピルアルコールとアルミニウムキレート化合物との混合材料)、シリコーン系材料のうちの無機材料(シリコーンガラス)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、セラミック系樹脂でもよく、任意な材料を選択できる。
【0104】
保護用フィルム40の上面部分40Aの表面に保護膜60を設ける作業は、図5で示した工場Aにおいて、保護膜60の材料に応じて塗布や吹き付け等の作業によって行われる。
【0105】
この実施形態によると、保護用フィルム40の損耗する部分となっている上面部分40Aが保護膜60で保護されるため、保護用フィルム40を工場Aで新保護用フィルムに代えなければならない程に上面部分40Aが損耗するまでの期間を遅らせることができ、また、保護用フィルム40の強度がそれ程大きくない場合には、保護用フィルム40の上面部分40Aの強度を確保できる。
【0106】
図10の実施形態で示されたコンビニエンスストアのプラスチックタイル敷き床は、図1と同じく、多数のプラスチックタイル20によって仕上げられているが、その一部のプラスチックタイルは、上面に表示物である文字70が表示されたプラスチックタイル20Cとなっている。図11は、この表示物付きプラスチックタイル20Cを示す。このプラスチックタイル20Cの保護用フィルム40は透明又は半透明であり、タイル本体30の上面30Aと対面する上面部分40Aの裏面には、印刷や文字フィルムの貼り付けによる文字70が設けられている。
【0107】
この実施形態によると、プラスチックタイル敷き床を仕上げるための床仕上げ材となっているプラスチックタイル20Cを、広告やお知らせ等の通知事項を通知するための媒体として利用できる。
【0108】
プラスチックタイル20Cを図5で示した工場Aに運び、文字70が設けられている保護用フィルム40を新保護用フィルムに代えるときは、この新保譲用フィルムは、上面部分の裏面に文字70と同じ文字が設けられたものでもよく、他の文字が設けられたものでもよく、文字以外の表示物が設けられたものでもよく、表示物が設けられていないものでもよい。
【0109】
図12は、別実施形態に係る表示物付きプラスチックタイル20Dを示す。このプラスチックタイル20Dは、タイル本体30と、透明又半透明となっている保護用フィルム40と、タイル本体30の上面30Aと保護用フィルム40の上面部分40Aとの間に介入され、文字70が表示された表示部材80とからなり、この表示部材80は、合成樹脂製フィルム又は紙等の薄い材料で形成されている。
【0110】
この実施形態によっても、文字70が保護用フィルム40の透明又は半透明の上面部分40Aを通してプラスチックタイル20Dの上面において視認できるため、プラスチックタイル20Dを広告やお知らせ等の通知事項を通知するための媒体として利用できる。
【0111】
プラスチックタイル20Dの保護用フィルム40を図5で示した工場Aで新保護用フィルムに代えるときは、タイル本体80と新保護用フィルムとの間に、表示部材80をそのまま介入してもよく、文字70と異なる文字が表示された表示部材を介入してもよく、文字以外の表示物が表示された表示部材を介入してもよく、表示部材を介入しなくてもよい。
【0112】
この実施形態によると、文字等の表示物は、保護用フィルム40とは別部材となっている表示部材80に表示されるため、表示物付きプラスチックタイルであっても保護用フィルム40に表示物を設ける必要がなく、保護用フィルム40の製造が容易となる。
【0113】
なお、保護用フィルム40の上面部分40Aをタイル本体30の上面30Aに加熱性接着材で剥離可能に固定するためには、表示部材80の大きさを上面30Aよりも小さくすればよい。また、表示部材80の大きさを上面30Aと同じにした場合であっても、保護用フィルム40の側面部分40Bをタイル本体30の側面30Bに加熱性接着材で剥離自在に接着することにより、保護用フィルム40をタイル本体30に剥離可能に固定できる。
【0114】
【発明の効果】
本発明によると、プラスチックタイルの上面が損耗した場合にその補修作業を容易に行えるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラスチックタイルを用いて仕上げられたプラスチックタイル敷き床であるコンビニエンスストアの床の全体を示す平面図である。
【図2】床下地面に置かれているときを示すプラスチックタイルの縦断面図である。
【図3】タイル本体に被せられる前の保護用フィルムを示す斜視図である。
【図4】加熱性接着剤が塗布された保護用フィルムをタイル本体にローラ式加熱加圧装置により剥離自在に固定する作業を示す図である。
【図5】図4の作業等が行われるプラスチックタイル製造工場とプラスチックタイル敷き床の作業現場との間でプラスチックタイルが運搬されることを示す概念図である。
【図6】加熱性接着剤が塗布された保護用フィルムをタイル本体にプレス式加熱加圧装置により剥離自在に固定する作業の実施形態を示す図である。
【図7】保護用フィルムのための素材となっているロール式のフィルム素材と、タイル本体とをローラ式加熱加圧装置に送り込むことにより、複数のタイル本体を連続的に処理できるようにした作業の実施形態を示す図である。
【図8】保護用フィルムのための素材を加熱されると収縮する材料からなるチューブ状の素材とした場合であって、ローラ式加熱加圧装置でタイル本体に保護用フィルムを剥離可能に固定するための作業の実地形態を示す図である。
【図9】保護用フィルムの上面部分の表面に保護膜を設けた実施形態を示す図2と同様の図である。
【図10】一部のプラスチックタイルが表示物付きタイルとなっている実施形態を示す図1と同様の図である。
【図11】図10で示された表示物付きプラスチックタイルを示す図3と同様の図である。
【図12】表示物付きプラスチックタイルの別実施形態を示す図3と同様の図である。
【符号の説明】
15 床下地面
20 プラスチックタイル
20C,20D 表示物付きプラスチックタイル
30 タイル本体
30A 上面
30B 側面
30C 下面
40 保護用フィルム
40A 上面部分
40B 側面部分
40C 下面部分
52 チューブ状フィルム素材
60 保護膜
70 表示物である文字
80 表示部材
A プラスチックタイル製造工場
B プラスチックタイル敷き床の現場
C 歩行量の多い箇所
D 歩行量の少ない箇所
Claims (14)
- 床下地面に取り外し自在に置かれるプラスチックタイルにおいて、タイル本体と、少なくともこのタイル本体の上面に被せられている上面部分を有している保護用フィルムとを含んで形成され、この保護用フィルムが前記タイル本体に対して剥離可能となっていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項1に記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フィルムは、前記上面部分と接続され、前記タイル本体の側面に被せられる側面部分を有していることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項2に記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フィルムは、前記側面部分と接続され、前記タイル本体の下面に被せられる下面部分を有していることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項3に記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フィルムは、前記タイル本体を内部に収納したチューブ状フィルム素材によって形成されていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項4に記載のプラスチックタイルにおいて、前記チューブ状フィルム素材は加熱されると収縮する加熱収縮性の材料からなり、前記タイル本体が内部に収納されたこのチューブ状フィルム素材が加熱されることにより、このチューブ状フィルム素材が前記保護用フィルムとなっていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用プラスチックタイルは、加熱されると接着性が生ずる加熱性接着剤で前記タイル本体に剥離自在に固定されていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フィルムの前記上面部分の表面には、保護膜が設けられていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フイルムの前記上面部分は透明又は半透明であり、この上面部分の裏面には表示物が表示されていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求頃1〜7のいずれかに記載のプラスチックタイルにおいて、前記保護用フィルムの前記上面部分は透明又は半透明であり、この上面部分と前記タイル本体の上面との間に、表示物が表示された表示部材が介入されていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチックタイルは、リース契約又はレンタル契約の対象物となっていることを特徴とするプラスチックタイル。
- 請求頃1〜10のいずれかに記載のプラスチックタイルの複数個が床下地面に取り外し自在に置かれることにより仕上げられているプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法であって、前記複数個のプラスチックタイルのうち、少なくとも1個のプラスチックタイルの保護用フィルムが損耗したときに、この保護用フィルムがタイル本体に被せられているプラスチックタイルを前記床下地面から取り外す作業工程と、この取り外された箇所に、予め保護用フィルムがタイル本体に剥離自在に被せられたプラスチックタイルを取り外し自在に置く作業工程と、前記取り外されたプラスチックタイルの保護用フィルムをタイル本体から剥離する作業工程と、このタイル本体に新保護用フィルムを剥離自在に被せる作業工程とを有することを特徴するプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法。
- 請求項11に記載のプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法において、前記取り外されたプラスチックタイルは、前記プラスチックタイル敷き床のうちの歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルであることを特徴とするプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法。
- 請求項12に記載のプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法において、前記取り外されたプラスチックタイルは、歩行量の多い箇所に配置される前は歩行量の少ない箇所に配置されており、このプラスチックタイルは、歩行量の多い箇所に配置されていたプラスチックタイルと交換されて歩行量の少ない箇所から歩行量の多い箇所へ配置されていたことを特徴とするプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法。
- 請求項9〜13のいずれかに記載のプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法において、前記新保護用フィルムがタイル本体に剥離自在に被せられたプラスチックタイルは、保護用フィルムが損耗したプラスチックタイルと交換されるための交換用プラスチックタイルとして再使用されることを特徴とするプラスチックタイル敷き床のメインテナンス方法。
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