JP2004042449A - 画像形成装置、画像形成方法および記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面印刷の見やすさを損ねることなく、ユーザが瞬時に表裏区別ができ、かつ「裏写り」による見にくさを低減する、低コストな画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成装置において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する合成手段3を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成装置において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する合成手段3を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、地肌に画像合成することで、裏紙を使う際の表裏をわかりやすくしたり、裏写りによる表面の読みづらさを低減したりできる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
経費削減や環境保護のため、一度印刷が行われた用紙の裏面を、再利用して印刷を行うことがある。この再利用印刷物をユーザが受け取ったとき、どちらが表面(再利用印刷面)か、裏面(不用な印刷がなされた面)か、区別しにくい問題が生じる。この問題を解決する従来例として、特許第3212144号では、表面(再利用印刷面)の端部に、「*」などのマークや、「表」などの文字を合成印刷することで表裏区別を行わせていた。
【0003】
また、このような裏紙利用時は、もちろんのこと両面印刷を行う場合、裏面の印刷が表面から透けて見え、これが表面印刷を見にくくする「裏写り」と呼ぶ問題もあった。この問題を解決する従来例として、特許第2978012号では、裏面の印刷情報を利用して、表面の印刷情報に改変を加える手段が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来例(特許第3212144号)で合成されるマークや文字は非常に小さなものであり、ユーザが表裏区別を一瞬でできるようなものではなかった。合成マーク/文字を小さなものとしたのは、これが表面印刷のじゃまにならないようにするためであるが、そのためかえって表裏区別の容易性を低くしていた。このように従来例には、表裏区別の容易性と表面印刷の見やすさとが相反すると言う考え方しかなかった。
【0005】
また、他の従来例(特許第2978012号)では、両面印刷された原稿をコピーする際、ある面をスキャンして得た印刷情報に、その裏面の印刷情報がうっすらと混入してしまうのをいかに除去するかと言う、コピー機に適用される技術であり、プリンタに適用することはできない。印刷情報が初めからトナー(インク)を載せない領域において、その真裏がトナー(インク)を載せる領域であった場合の「裏写り」に対し、この従来例は何も効果を発揮しないからである。
【0006】
そこで本発明は上記欠点に鑑み、表面印刷の見やすさを損ねることなく、ユーザが瞬時に表裏区別ができ、かつ「裏写り」による見にくさを低減する、低コストな画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成装置において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する合成手段を備えた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明では、前記所定パターンは、周期的パターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明では、前記所定パターンは、格子状パターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明では、前記所定パターンは、単色のパターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明では、前記合成手段は、前記本来の画像情報の可視画像が形成されない領域で、かつ前記本来の画像情報の可視画像に接合させずに前記所定パターン画像を重畳する請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明では、前記周期的パターンは、水平方向、垂直方向とも2〜3mmのピッチである請求項2の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明では、画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成方法において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する画像形成方法を最も主要な特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、請求項7記載の画像形成方法を、コンピュータで実行するためのプログラムを記録した記録媒体を最も主要な特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。画像データ入力部1は、コピー機であれば、原稿をスキャンしてデジタル画像データを得る部分、プリンタやファクシミリであれば、ネットワークを介して画像データを受信する部分である。ここで得た画像データを、画像データ作成部2で画像ビットマップデータに変換する。コピー機であれば、入出力デバイスに依存した補正、変形(アフィン変換)など、プリンタであれば、ページ記述言語からのレンダリング処理、ファクシミリであれば、復号化処理などをここで行う。
【0016】
このビットマップデータに、所定のパターン画像を重畳合成するのが合成部3である。プリントエンジン4は、合成部3で得られた画像データに基づき用紙上に可視画像を形成する。制御部5は、以上各部の動作タイミングや動作モードを制御する部分である。操作パネル6は、各種の入力を行い、また装置の状態表示を行う部分である。
【0017】
図3は制御部による合成部に対する制御内容を示すフローチャートである。まず操作パネル6や外部機器からの指定によって、該当ページに対して強制的に合成を行うモードであるか否かを判定する(S1)。「Yes」であれば、合成onとなり、「No」であれば、片面印刷済みの裏紙が通常格納された給紙トレーが選択されているか否かを判定する(S2)。「Yes」であれば、合成onとなり、「No」であれば、両面印刷時の裏面ページの印刷であるか否かを判定する(S3)。「No」であれば、合成offとなり(S4)、「Yes」であれば、合成onとなる (S5) 。
【0018】
印刷前に裏面が印刷済みであるか否かをスキャンし判定する機能を持ったプリントエンジンであれば、その判定結果をS1、S2に置換することができる。また、S3の判定は、当然、両面印刷機能を持ったプリントエンジンのみで行われる。ここでは、両面印刷の裏面に合成するとしたが、表面に合成してもよいし、両面に合成してもよい。
【0019】
図4に画像合成の例を示す。同図(a)に示す本来の画像情報に、縦横の罫線パターンを合成した画像が同図(b)に示される。裏紙を再利用した場合、このパターンを合成した面が今回利用する面を表している。地肌全面にパターンを重畳しているので、今回利用する面がどちらか、ユーザは一瞬で判断することができる。重畳パターンは、後述のように今回利用面の印字を読みづらくするものではなく、また、そもそも裏紙を再利用するのは、あまり高い品質を要求されないテンポラリな印刷である場合が多く、本来の画像に別の画像パターンを合成してもあまり問題となるものではない。
【0020】
次に「裏写り」妨害低減に関して説明する。裏紙再利用時、地肌に裏面の印刷画像が透けて見えると表面が読みづらい。これは地肌の中で、裏面にトナー(インク)を載せた領域(薄色付き)と、載せない領域(色なし)のコントラストが知覚されるからである。ここにパターンを重畳すると、コントラスト自体に変化はなくとも、人間の視覚特性としてそのコントラストを障害と感じなくなる。本発明は、この特性を利用して「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減している。
【0021】
通常の印刷画像は、文字/罫線など水平・垂直線の成分を多く含んでいるので、裏面から透けて見えてくる像も同様である可能性が大きい。合成パターンをこれに合わせ、水平・垂直線による格子状パターンとすれば、網点パターンなどに比べ、「裏写り」妨害低減効果がさらに大きくなる。
【0022】
同様に裏面から透けて見えてくる像の色は、グレーである可能性が大きい。合成パターンをこれに合わせ、黒単色パターンとすれば、同効果がさらに大きくなる。また黒色インク(トナー)は、他の色より通常安価であると言うメリットも合わせて得られる。
【0023】
次に合成の視覚的妨害低減に関して説明する。合成パターンの色を、本来の画像色と別色とすれば本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくできる。
【0024】
また人間が画像を見る際、特異な部分や非周期的な部分には注意を向けるが、均一な部分や周期的な部分にはあまり注目しないと言う傾向がある。この傾向を利用し合成パターンを周期的なものとすれば、これが本来の画像情報に対し視覚的妨害を及ぼす可能性を小さくすることができる。またこの周期は用紙上2mm〜3mmの間が最も望ましいことを実験により確認した。このピッチは、通常の文字(10ポイント程度)間/行間ピッチの1/2程度に相当する。また、合成パターンが周期的であれば簡易な回路で合成画像を作成できる。
【0025】
図2は図1に示す合成部の回路例を示す図である。フリップフロップ11、12、6ビットカウンタ13、14、ノアゲート15、オアゲート16、18、アンドゲート17を有する。
【0026】
2つのカウンタ13、14とオアゲート18で合成画像を作っているカウンタ13、14は、フリーカウント動作を行い、64クロックに、1クロックだけキャリーRCを立てる。カウンタ13は水平方向の画素クロックHCLKで、カウンタ14は、垂直方向のラインクロックVCLKで動作する。オアゲート16で両キャリーのORを取ることで、2.7mmピッチ、線幅42μmの水平/垂直の格子状罫線パターン画像が得られる(プリントエンジンの解像度が600dpiの場合)。
【0027】
次に合成の制限に関して説明する。図2でパターン画像と本来の画像との合成を行うオアゲート18の前段には、合成に制限を加える回路を設けてある。これは本来の画像データDATAを、フリップフロップ11、12で2画素クロックディレーさせ、注目画素に対し左右1画素の参照ウインドウを作り、左右いずれかの画素がオンであれば、注目画素への合成は禁止する回路(ノアゲート15、アンドゲート17)である。
【0028】
この効果を図5で説明する。これは合成画像を拡大して示したものである。1つの正方形が1つの画素を、グレーの正方形が本来の画像の画素を、白抜きの正方形が合成パターン画素を、それぞれ表している。本来の画像と接合しないよう、1画素のすきまを設けてパターン合成している。これは、合成パターンが本来の画像情報に与える妨害をより小さくするための措置である。
【0029】
図2の回路例では、注目画素に対し左右の画素のみ参照していたが、これは説明を簡略化するためであり、図5に示すように、左右、上下、斜め方向いずれかの画素が本来onであれば、注目画素への合成は禁止するのが望ましい。また画像データは2値で説明したが多値であってもかもわない。また合成画像はカウンタで作成しなくても、1周期分の合成画像データを納めたメモリからフェッチする方法であってもよい。
【0030】
以上説明した実施形態以外に、合成パターンが周期を持たないものであっても、複数種用意された中から選択して使用してもよい。また合成は、画像データ上で行う例を説明したが、同一面に対する複数回印刷によって用紙上で行ってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5の画像形成装置においては、所定のパターン画像の重畳が用紙全面なので、ユーザが印刷表裏面の区別を一瞬で行うことができる。また、「裏写り」が出る地肌部に上記所定パターン画像を重畳しているので、「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減することができる。
【0032】
請求項2、6の画像形成装置においては、所定パターンが周期的なので、パターン重畳による表面印刷への視覚的妨害が小さい。また、小規模の回路(低コスト)で装置を構成することができる。
【0033】
請求項3の画像形成装置においては、所定(格子状)パターンと、裏面から透けて見える模様のパターンが類似している可能性が大きいので、「裏写り」による表面印刷の見にくさをより低減することができる。
【0034】
請求項4の画像形成装置においては、所定パターンが黒色単色ならば、インク(トナー)が他の色より通常安価なので、パターン画像重畳を低コストで行うことができる。また、裏面から透けて見える模様の色も黒色である可能性が大きいので、「裏写り」による表面印刷の見にくさをより低減することができる。さらに、所定パターンを本来の画像の色と別の単色とすれば、本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくすることができる。
【0035】
請求項5の画像形成装置においては、所定パターンを、本来の画像と接合しないよう重畳させるので、本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくすることができる。
【0036】
請求項7の画像形成方法においては、所定のパターン画像の重畳が用紙全面なので、ユーザが印刷表裏面の区別を一瞬で行うことができる。また、「裏写り」が出る地肌部に上記所定パターン画像を重畳しているので、「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減することができる。
【0037】
請求項8の記録媒体を利用すれば、画像形成装置に請求項1記載の発明の作用、効果をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図2】合成部の回路例を示す図である。
【図3】合成判定のフローチャートを示す図である。
【図4】合成画像例を示す図である。
【図5】合成画像例の拡大図である。
【符号の説明】
1 画像データ入力部
2 画像データ作成部
3 合成部(合成手段)
4 プリントエンジン
5 制御部
6 操作パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、コピー機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関し、特に、地肌に画像合成することで、裏紙を使う際の表裏をわかりやすくしたり、裏写りによる表面の読みづらさを低減したりできる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
経費削減や環境保護のため、一度印刷が行われた用紙の裏面を、再利用して印刷を行うことがある。この再利用印刷物をユーザが受け取ったとき、どちらが表面(再利用印刷面)か、裏面(不用な印刷がなされた面)か、区別しにくい問題が生じる。この問題を解決する従来例として、特許第3212144号では、表面(再利用印刷面)の端部に、「*」などのマークや、「表」などの文字を合成印刷することで表裏区別を行わせていた。
【0003】
また、このような裏紙利用時は、もちろんのこと両面印刷を行う場合、裏面の印刷が表面から透けて見え、これが表面印刷を見にくくする「裏写り」と呼ぶ問題もあった。この問題を解決する従来例として、特許第2978012号では、裏面の印刷情報を利用して、表面の印刷情報に改変を加える手段が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来例(特許第3212144号)で合成されるマークや文字は非常に小さなものであり、ユーザが表裏区別を一瞬でできるようなものではなかった。合成マーク/文字を小さなものとしたのは、これが表面印刷のじゃまにならないようにするためであるが、そのためかえって表裏区別の容易性を低くしていた。このように従来例には、表裏区別の容易性と表面印刷の見やすさとが相反すると言う考え方しかなかった。
【0005】
また、他の従来例(特許第2978012号)では、両面印刷された原稿をコピーする際、ある面をスキャンして得た印刷情報に、その裏面の印刷情報がうっすらと混入してしまうのをいかに除去するかと言う、コピー機に適用される技術であり、プリンタに適用することはできない。印刷情報が初めからトナー(インク)を載せない領域において、その真裏がトナー(インク)を載せる領域であった場合の「裏写り」に対し、この従来例は何も効果を発揮しないからである。
【0006】
そこで本発明は上記欠点に鑑み、表面印刷の見やすさを損ねることなく、ユーザが瞬時に表裏区別ができ、かつ「裏写り」による見にくさを低減する、低コストな画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成装置において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する合成手段を備えた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明では、前記所定パターンは、周期的パターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明では、前記所定パターンは、格子状パターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明では、前記所定パターンは、単色のパターンである請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明では、前記合成手段は、前記本来の画像情報の可視画像が形成されない領域で、かつ前記本来の画像情報の可視画像に接合させずに前記所定パターン画像を重畳する請求項1の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明では、前記周期的パターンは、水平方向、垂直方向とも2〜3mmのピッチである請求項2の画像形成装置を主要な特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明では、画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成方法において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する画像形成方法を最も主要な特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、請求項7記載の画像形成方法を、コンピュータで実行するためのプログラムを記録した記録媒体を最も主要な特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。画像データ入力部1は、コピー機であれば、原稿をスキャンしてデジタル画像データを得る部分、プリンタやファクシミリであれば、ネットワークを介して画像データを受信する部分である。ここで得た画像データを、画像データ作成部2で画像ビットマップデータに変換する。コピー機であれば、入出力デバイスに依存した補正、変形(アフィン変換)など、プリンタであれば、ページ記述言語からのレンダリング処理、ファクシミリであれば、復号化処理などをここで行う。
【0016】
このビットマップデータに、所定のパターン画像を重畳合成するのが合成部3である。プリントエンジン4は、合成部3で得られた画像データに基づき用紙上に可視画像を形成する。制御部5は、以上各部の動作タイミングや動作モードを制御する部分である。操作パネル6は、各種の入力を行い、また装置の状態表示を行う部分である。
【0017】
図3は制御部による合成部に対する制御内容を示すフローチャートである。まず操作パネル6や外部機器からの指定によって、該当ページに対して強制的に合成を行うモードであるか否かを判定する(S1)。「Yes」であれば、合成onとなり、「No」であれば、片面印刷済みの裏紙が通常格納された給紙トレーが選択されているか否かを判定する(S2)。「Yes」であれば、合成onとなり、「No」であれば、両面印刷時の裏面ページの印刷であるか否かを判定する(S3)。「No」であれば、合成offとなり(S4)、「Yes」であれば、合成onとなる (S5) 。
【0018】
印刷前に裏面が印刷済みであるか否かをスキャンし判定する機能を持ったプリントエンジンであれば、その判定結果をS1、S2に置換することができる。また、S3の判定は、当然、両面印刷機能を持ったプリントエンジンのみで行われる。ここでは、両面印刷の裏面に合成するとしたが、表面に合成してもよいし、両面に合成してもよい。
【0019】
図4に画像合成の例を示す。同図(a)に示す本来の画像情報に、縦横の罫線パターンを合成した画像が同図(b)に示される。裏紙を再利用した場合、このパターンを合成した面が今回利用する面を表している。地肌全面にパターンを重畳しているので、今回利用する面がどちらか、ユーザは一瞬で判断することができる。重畳パターンは、後述のように今回利用面の印字を読みづらくするものではなく、また、そもそも裏紙を再利用するのは、あまり高い品質を要求されないテンポラリな印刷である場合が多く、本来の画像に別の画像パターンを合成してもあまり問題となるものではない。
【0020】
次に「裏写り」妨害低減に関して説明する。裏紙再利用時、地肌に裏面の印刷画像が透けて見えると表面が読みづらい。これは地肌の中で、裏面にトナー(インク)を載せた領域(薄色付き)と、載せない領域(色なし)のコントラストが知覚されるからである。ここにパターンを重畳すると、コントラスト自体に変化はなくとも、人間の視覚特性としてそのコントラストを障害と感じなくなる。本発明は、この特性を利用して「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減している。
【0021】
通常の印刷画像は、文字/罫線など水平・垂直線の成分を多く含んでいるので、裏面から透けて見えてくる像も同様である可能性が大きい。合成パターンをこれに合わせ、水平・垂直線による格子状パターンとすれば、網点パターンなどに比べ、「裏写り」妨害低減効果がさらに大きくなる。
【0022】
同様に裏面から透けて見えてくる像の色は、グレーである可能性が大きい。合成パターンをこれに合わせ、黒単色パターンとすれば、同効果がさらに大きくなる。また黒色インク(トナー)は、他の色より通常安価であると言うメリットも合わせて得られる。
【0023】
次に合成の視覚的妨害低減に関して説明する。合成パターンの色を、本来の画像色と別色とすれば本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくできる。
【0024】
また人間が画像を見る際、特異な部分や非周期的な部分には注意を向けるが、均一な部分や周期的な部分にはあまり注目しないと言う傾向がある。この傾向を利用し合成パターンを周期的なものとすれば、これが本来の画像情報に対し視覚的妨害を及ぼす可能性を小さくすることができる。またこの周期は用紙上2mm〜3mmの間が最も望ましいことを実験により確認した。このピッチは、通常の文字(10ポイント程度)間/行間ピッチの1/2程度に相当する。また、合成パターンが周期的であれば簡易な回路で合成画像を作成できる。
【0025】
図2は図1に示す合成部の回路例を示す図である。フリップフロップ11、12、6ビットカウンタ13、14、ノアゲート15、オアゲート16、18、アンドゲート17を有する。
【0026】
2つのカウンタ13、14とオアゲート18で合成画像を作っているカウンタ13、14は、フリーカウント動作を行い、64クロックに、1クロックだけキャリーRCを立てる。カウンタ13は水平方向の画素クロックHCLKで、カウンタ14は、垂直方向のラインクロックVCLKで動作する。オアゲート16で両キャリーのORを取ることで、2.7mmピッチ、線幅42μmの水平/垂直の格子状罫線パターン画像が得られる(プリントエンジンの解像度が600dpiの場合)。
【0027】
次に合成の制限に関して説明する。図2でパターン画像と本来の画像との合成を行うオアゲート18の前段には、合成に制限を加える回路を設けてある。これは本来の画像データDATAを、フリップフロップ11、12で2画素クロックディレーさせ、注目画素に対し左右1画素の参照ウインドウを作り、左右いずれかの画素がオンであれば、注目画素への合成は禁止する回路(ノアゲート15、アンドゲート17)である。
【0028】
この効果を図5で説明する。これは合成画像を拡大して示したものである。1つの正方形が1つの画素を、グレーの正方形が本来の画像の画素を、白抜きの正方形が合成パターン画素を、それぞれ表している。本来の画像と接合しないよう、1画素のすきまを設けてパターン合成している。これは、合成パターンが本来の画像情報に与える妨害をより小さくするための措置である。
【0029】
図2の回路例では、注目画素に対し左右の画素のみ参照していたが、これは説明を簡略化するためであり、図5に示すように、左右、上下、斜め方向いずれかの画素が本来onであれば、注目画素への合成は禁止するのが望ましい。また画像データは2値で説明したが多値であってもかもわない。また合成画像はカウンタで作成しなくても、1周期分の合成画像データを納めたメモリからフェッチする方法であってもよい。
【0030】
以上説明した実施形態以外に、合成パターンが周期を持たないものであっても、複数種用意された中から選択して使用してもよい。また合成は、画像データ上で行う例を説明したが、同一面に対する複数回印刷によって用紙上で行ってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5の画像形成装置においては、所定のパターン画像の重畳が用紙全面なので、ユーザが印刷表裏面の区別を一瞬で行うことができる。また、「裏写り」が出る地肌部に上記所定パターン画像を重畳しているので、「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減することができる。
【0032】
請求項2、6の画像形成装置においては、所定パターンが周期的なので、パターン重畳による表面印刷への視覚的妨害が小さい。また、小規模の回路(低コスト)で装置を構成することができる。
【0033】
請求項3の画像形成装置においては、所定(格子状)パターンと、裏面から透けて見える模様のパターンが類似している可能性が大きいので、「裏写り」による表面印刷の見にくさをより低減することができる。
【0034】
請求項4の画像形成装置においては、所定パターンが黒色単色ならば、インク(トナー)が他の色より通常安価なので、パターン画像重畳を低コストで行うことができる。また、裏面から透けて見える模様の色も黒色である可能性が大きいので、「裏写り」による表面印刷の見にくさをより低減することができる。さらに、所定パターンを本来の画像の色と別の単色とすれば、本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくすることができる。
【0035】
請求項5の画像形成装置においては、所定パターンを、本来の画像と接合しないよう重畳させるので、本来の画像情報に対する視覚的妨害を小さくすることができる。
【0036】
請求項7の画像形成方法においては、所定のパターン画像の重畳が用紙全面なので、ユーザが印刷表裏面の区別を一瞬で行うことができる。また、「裏写り」が出る地肌部に上記所定パターン画像を重畳しているので、「裏写り」による表面印刷の見にくさを低減することができる。
【0037】
請求項8の記録媒体を利用すれば、画像形成装置に請求項1記載の発明の作用、効果をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図2】合成部の回路例を示す図である。
【図3】合成判定のフローチャートを示す図である。
【図4】合成画像例を示す図である。
【図5】合成画像例の拡大図である。
【符号の説明】
1 画像データ入力部
2 画像データ作成部
3 合成部(合成手段)
4 プリントエンジン
5 制御部
6 操作パネル
Claims (8)
- 画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成装置において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳する合成手段を備えたことを特徴とした画像形成装置。
- 前記所定パターンは、周期的パターンであることを特徴とした請求項1の画像形成装置。
- 前記所定パターンは、格子状パターンであることを特徴とした請求項1の画像形成装置。
- 前記所定パターンは、単色のパターンであることを特徴とした請求項1の画像形成装置。
- 前記合成手段は、前記本来の画像情報の可視画像が形成されない領域で、かつ前記本来の画像情報の可視画像に接合させずに前記所定パターン画像を重畳することを特徴とした請求項1の画像形成装置。
- 前記周期的パターンは、水平方向、垂直方向とも2〜3mmのピッチであることを特徴とした請求項2の画像形成装置。
- 画像情報を用紙に可視画像として形成出力する画像形成方法において、用紙の表裏両面に可視画像が形成された状態で出力される場合、本来の画像情報に、所定パターン画像を用紙全面重畳することを特徴とした画像形成方法。
- コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、請求項7記載の画像形成方法を、コンピュータで実行するためのプログラムを記録したことを特徴とした記録媒体。
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-
2002
- 2002-07-11 JP JP2002203138A patent/JP2004042449A/ja not_active Withdrawn
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