JP2004039828A - 塗布膜形成方法およびプリウェット剤 - Google Patents

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志手 英男
Kosuke Yoshihara
吉原 孝介
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Abstract

【課題】プリウェット方式を前提として、使用する溶剤の好適な条件を明らかにすることにより、塗布液の使用量を少なくすることができる塗布膜形成方法、及びプリウェット剤を提供することを目的とする。
【解決手段】前記被処理基板に供給される塗布液を溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上のプリウェット剤を、前記被処理基板の表面に供給する工程(ST3)と、前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程(ST4)と、前記プリウェット剤が供給された被処理基板を回転させつつ、前記被処理基板の略中央に塗布液を供給し、前記塗布液を被処理基板の径方向外方に拡げて塗布膜を形成する工程(ST5)とを含むことを特徴としている。
【選択図】   図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の被処理基板にレジスト液等の塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布膜形成方法および塗布液を塗布する前に被処理基板に供給するプリウェット剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の表面にレジスト液(塗布液)を供給してレジスト膜(塗布膜)を形成し、レジスト塗布後のウエハに対して所定のパターンに対応して露光処理を行なった後に当該ウエハのレジスト膜に形成された露光パターンを現像するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により所定のパターンを形成するためのマスクとしてレジストパターンが形成される。
そして、上記工程のうちレジスト塗布処理においては、ウエハ表面にレジスト液を均一に塗布するための方法としてスピンコーティング法が多用されている。
【0003】
図7は、このスピンコーティング法の概要を示すものである。例えばスピンチャック141により真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で、図示しない回転駆動手段によりスピンチャック141とともにウエハWを回転させ、ウエハWの上方に配置されたレジストノズル142からウエハW表面の中央にレジスト液(塗布液)を滴下する。滴下されたレジスト液(塗布液)は、遠心力によってウエハWの径方向外方に向かって拡がり、ウエハWの表面全体にレジスト膜(塗布膜)が形成される。その後レジスト液(塗布液)の滴下を停止し、ウエハの回転を継続してウエハWの表面の余分なレジスト液を振り切って膜厚を整えるとともに乾燥を行う。
【0004】
しかしながら、従来のスピンコーティングの場合、ウエハの略中心にレジスト液(塗布液)を滴下し、ウエハを回転させた際の遠心力によりレジスト液(塗布液)を拡散させているため、中心位置よりも周速が著しく大きい外周部から相当量のレジスト液(塗布液)が飛散され、実際にレジスト膜(塗布膜)となる量は供給したレジスト液の10〜20%程度であり、レジスト消費量が著しく多くなってしまう。
したがって、近時、製造コストの削減等の観点からレジスト消費量を減らすこと、すなわち各ウエハに対するレジスト液(塗布液)の滴下量を減らすことが要望されている。
【0005】
このための方法として、レジスト液(塗布液)の滴下前にシンナー等の溶剤(プリウェット剤)を基板に滴下し、レジスト液(塗布液)の拡散を容易にして、レジスト(塗布液)供給量を減少させる方法(プリウェット方式)が提案されている(特開平7−320999号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、塗布液の拡散を容易にして塗布液の供給量を減少させるという効果は、溶剤の種類によって異なり、使用する溶剤によっては必ずしも十分な効果が得られなかった。
かかる課題を解決するには、どのような性質を持つ溶剤がプリウェット剤として最適であるかを解明することが重要であるが、本発明の出願前には明らかにされてはいなかった。
【0007】
本発明者等は、どのような性質を持つ溶剤がプリウェット剤として最適であるかを、種々検討を行った。その結果、塗布液の供給量を減少させる要因として、プリウェット剤の揮発性が関係し、この揮発性は溶剤のもつ粘性率に大きく関係していることを知見した。また、この粘性率がプリウェット剤の被処理基板における分布にも影響を与えることを知見した。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、プリウェット方式を前提として、使用する溶剤の好適な条件を明らかにすることにより、塗布液の使用量を少なくすることができる塗布膜形成方法、及びプリウェット剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明にかかる塗布膜形成方法は、被処理基板の表面に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法において、前記被処理基板に供給される塗布液を溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上のプリウェット剤を、前記被処理基板の表面に供給する工程と、前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程と、前記プリウェット剤が供給された被処理基板を回転させつつ、前記被処理基板の略中央に塗布液を供給し、前記塗布液を被処理基板の径方向外方に拡げて塗布膜を形成する工程とを含むことを特徴としている。
【0010】
前記したように、プリウェット剤が前記被処理基板に供給される塗布液を溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上である場合には、塗布液が供給されるまで十分なプリウェット効果を維持させることができ、塗布液の使用量を少なくすることができる。
即ち、プリウェット剤が前記被処理基板に供給される塗布液が溶解する溶剤でない場合には、塗布液を被処理基板全面に拡げることが難しい。また、粘性率が2.0cP未満のプリウェット剤は揮発し易く、塗布液が供給されるまでに揮発し、十分なプリウェット効果を得ることができず、多量の塗布液を必要とする。
【0011】
ここで、前記プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)以下であることが望ましい。
プリウェット剤の揮発性は、粘性率が高くなれば抑制される。したがって、よりプリウェット効果を得ようとする場合には、粘性率は高いほど良い。しかしながら、プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)を超えると、プリウェット剤が被処理基板の表面全面に拡がりにくくなり、被処理基板全面にわたって十分なプリウェット効果が得られない虞がある。そのため、前記プリウェット剤の粘性率は3.5cP(センチポイズ)以下であることが好ましい。
【0012】
また、プリウェット剤の蒸気圧も揮発性を決定する要因の一つであり、プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHg以下であることが望ましい。
即ち、プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHgを超えるとプリウェット剤は揮発し易く、塗布液が供給されるまでに揮発し、十分なプリウェット効果を得ることができず、多量の塗布液を必要とする。
【0013】
更に、前記プリウェット剤が単一の溶剤から構成されていることが望ましく、前記プリウェット剤が、シクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートから選択される少なくとも1種であることが望ましい。
本発明にかかる塗布膜形成方法の場合には、前記プリウェット剤が単一の溶剤、あるいは単一の溶剤に揮発抑制物質を混合した混合液であっても良い。しかし、混合液の場合、混合液を製造するための装置を必要とすることから、プリウェット剤が単一の溶剤からなることが好ましい。この単一の溶剤からなるプリウェット剤として、シクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートを挙げることができる。
【0014】
また、前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程において、静止した前記被処理基板の表面上に前記プリウェット剤を供給した後、前記被処理基板を回転させることにより前記プリウェット剤を前記被処理基板の表面に拡げることが望ましい。
また、回転する前記被処理基板の表面上に前記プリウェット剤を供給した後、前記被処理基板の回転により前記プリウェット剤を前記被処理基板の表面に拡げても良く、更に、前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程において、前記被処理基板の表面に前記プリウェット剤を散布することにより前記被処理基板の表面に拡げても良い。
【0015】
また、上記目的を達成するためになされた本発明にかかるプリウェット剤は、被処理基板に塗布液を供給することによって塗布膜を形成する塗布膜形成方法における、前記塗布液の供給前に被処理基板の表面に供給されるプリウェット剤において、前記プリウェット剤が、前記塗布液が溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上であることを特徴としている。
このようにプリウェット剤が前記被処理基板に供給される塗布液が溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上である場合には、前記したように、塗布液が供給されるまで十分なプリウェット効果を維持させることができ、塗布液の使用量を少なくすることができる。
【0016】
また、前記プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)以下であることが望ましく、前記プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHg以下であることが望ましい。
更に、前記プリウェット剤が、単一の溶剤から構成されていることが望ましく、前記プリウェット剤が、シクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートから選択される少なくとも1種であることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の塗布膜形成方法を実施するためのレジスト塗布ユニットを搭載したレジスト塗布現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0018】
このレジスト塗布現像処理システム1は搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる図示しない露光装置との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0019】
上記カセットステーション10は、被処理体としてのウエハWを複数枚例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で他のシステムからこのシステムへ搬入またはこのシステムから他のシステムへ搬出したり、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0020】
このカセットステーション10においては、図1に示すように、カセットCを戴置する戴置台20上に図中X方向にそって複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて一列に戴置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は戴置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、この搬送アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理ユニット群G に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0021】
上記処理ステーション11は、ウエハWに対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中にウエハ搬送機構22が設けられ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理ユニット群に分かれており、各処理ユニット群は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
【0022】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側にウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。
【0023】
ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0024】
また、図1に示すように、この実施の形態においては、4個の処理ユニット群G ,G ,G ,G が搬送路22aの周囲に配置されており、処理ユニット群G は必要に応じて配置可能となっている。
【0025】
これらのうち、第1および第2の処理ユニット群G ,G はシステム正面(図1において手前)側に並列に配置され、第3の処理ユニット群G はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理ユニット群G はインターフェイス部12に隣接して配置されている。また、第5の処理ユニット群G は背面部に配置可能となっている。
【0026】
第1の処理ユニット群G では、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に戴置してウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(COT)および同様にカップCP内でレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理ユニット群G も同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0027】
第3の処理ユニット群G においては、図3に示すように、ウエハWを戴置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うオドヒージョンユニット(AD)、ウエハWの位置あわせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段重ねられている。なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにクーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
【0028】
第4の処理ユニット群G も、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0029】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理ユニット群G を設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の処理ユニット群G を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0030】
上記インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)の長さが処理ステーション11と同じであり、図1、図2に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24は、ウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。また、このウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理ユニット群G に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0031】
このように構成されるレジスト塗布現像処理システム1においては、ウエハカセットCRから処理前のウエハWを1枚ずつウエハ搬送機構21によって取り出し、処理ステーション11のアライメントユニット(ALIM)へ搬入する。次いで、ここで位置決めされたウエハWを主ウエハ搬送機構22により搬出し、アドヒージョンユニット(AD)に搬入してアドヒージョン処理を施す。このアドヒージョン処理の終了後、ウエハWを主ウエハ搬送機構22により搬出し、クーリングユニット(COL)に搬送して、ここで冷却する。次いで、ウエハWをレジスト塗布ユニット(COT)に搬送してレジスト塗布を行い、さらに、ホットプレートユニット(HP)でプリベーク処理を行って、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を介して、インターフェイス部12に搬送し、そこからウエハ搬送機構24により隣接する露光装置に搬送する。さらに、露光装置にて露光処理のなされたウエハWを、ウエハ搬送機構24によりインターフェイス部12、エクステンションユニット(EXT)を介して処理ステーション11に搬送する。処理ステーション11において、主ウエハ搬送機構22によりウエハWをホットプレートユニット(HP)に搬送してポストエクスボージャー処理を施し、さらに現像ユニット(DEV)に搬送して現像処理を施した後、ホットプレートユニット(HP)でポストベーク処理を行い、クーリングユニット(COL)において冷却した後、エクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に搬送する。以上のようにして所定の処理がなされたウエハWをウエハ搬送機構22がウエハカセットCRに収納する。
【0032】
次に、本発明の塗布膜形成方法を実施するためのレジスト塗布ユニット(COT)について図4および図5を参照しながら説明する。
このレジスト塗布ユニット(COT)は、主ウエハ搬送機構22の保持部材48が進入するための開口50aを有するケーシング50を有し、その中にウエハWを収容する収容容器であるカップCPが設けられ、そのカップ内にウエハWを真空吸着によって水平に保持するスピンチャック51が設けられている。このスピンチャック51は、カップCPの下方に設けられたパルスモータなどの駆動モータ52によって回転可能となっており、その回転速度も任意に制御可能となっている。カップCPの底部の中央寄りの部分には排気管53が接続され、また外側よりの部分には排液管54が接続されている。そして、排気管53からカップCP内の気体が排気されるとともに、排液管54からは塗布処理にともなって飛散したレジスト液や溶剤が排出される。なお、スピンチャック51は図示しないエアシリンダー等の昇降機構により昇降可能となっている。
【0033】
スピンチャック51の上方には、スピンチャック51の直上位置と退避位置との間で移動可能に噴頭60が設けられており、この噴頭60はアーム61を介して駆動機構70に連結され、駆動機構70により図4および図5に示したX方向、Y方向およびZ方向に移動されるようになっている。なお、噴頭60はアーム61に対して着脱自在となっている。
【0034】
噴頭60は、ベース部材62を有し、プリウェット剤を供給するプリウェット剤供給ノズル80と塗布液であるレジスト液を供給するレジスト液供給ノズル90とを近接させた状態でベース部材61に取り付けた構造を有している。
【0035】
このプリウェット剤は、レジスト液が溶解可能な溶剤とその溶剤の揮発を抑制する揮発抑制物質とが混合された混合液、あるいはまたレジスト液が溶解可能な溶剤のみから構成されている。
ここで、レジスト液が溶解可能な溶剤とは、レジスト液の溶媒であってもよいが、それに限らずレジスト液が溶解可能なものであればよいことはいうまでもない。
【0036】
また、前記プリウェット剤として、粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上のものが用いられる。粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上であるプリウェット剤の場合には、レジスト液が供給されるまで十分なプリウェット効果を維持することができ、レジスト液の使用量を少なくすることができる。一方、前記プリウェット剤の粘性率は、3.5cP(センチポイズ)以下のものが用いられる。
プリウェット剤の揮発性は、粘性率が高くなればなるほど抑制される。したがって、よりプリウェット効果を得ようとする場合には、粘性率は高いほど良い。しかしながら、プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)を超えると、プリウェット剤が被処理基板の表面全面に拡がりにくくなり、被処理基板の全面において十分なプリウェット効果が得られない虞がある。そのため、前記プリウェット剤の粘性率は3.5cP(センチポイズ)以下であることが好ましい。
【0037】
また、プリウェット剤の蒸気圧も揮発性を決定する要因の一つであり、蒸気圧が、5.0mmHg以下のプリウェット剤が用いられる。
即ち、プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHgを超えるとプリウェット剤は揮発し易く、レジスト液が供給されるまでに揮発し、十分なプリウェット効果を得ることができず、多量のレジスト液を必要とする。
【0038】
このプリウェット剤として、単一の溶剤から構成されているシクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートを挙げることができる。また混合液からなるものとして、レジスト液を構成する溶剤に、水、メチルアルコール、エチルアルコール等の揮発抑制物質を混合し、上記した所定の粘性率にしても良い。より好ましくは、更に上記蒸気圧以下に設定するのが良い。
【0039】
また噴頭60には、レジスト液供給ノズル90から吐出されるレジスト液の温度が一定になるように温度調節するために温度調節流体を循環するチューブ65a,65b、および、プリウェット剤供給ノズル80から吐出される溶剤の温度が一定になるように温度調節するために温度調節流体を循環するチューブ66a,66bが設けられている。チューブ65aはレジスト液供給ノズル90に連続する配管の周囲に設けられて往路を構成し、チューブ65bは復路を構成している。また、チューブ66aはプリウェット剤供給ノズル80に連続する配管の周囲に設けられて往路を構成し、チューブ66bは復路を構成している。
【0040】
上記プリウェット剤供給ノズル80は、プリウェット剤供給配管81を介して中間タンク83に接続されており、プリウェット剤供給配管81にはバルブ82が設けられている。また、中間タンク83にはその中に溶剤を供給する溶剤供給配管84と揮発抑制物質を供給する揮発抑制物質供給配管86とが接続されており、これら配管84、86にはそれぞれバルブ85および87が設けられている。
そして、溶剤および揮発抑制物質が配管84、86を介して中間タンク83内に供給される場合、図示しない撹拝機構により撹拝されて混合液となり、中間タンク83内にはこの混合液が貯留された状態となる。
【0041】
この図4に示した実施形態は、プリウェット剤としてレジスト液が溶解可能な溶剤とその溶剤の揮発を抑制する揮発抑制物質とが混合された混合液が用いられる場合を示している。
一方、プリウェット剤として単一の溶剤から構成されている場合には、配管86、バルブ87を設ける必要はない。
また、配管86、バルブ87が設けられた装置において、バルブ87が閉じられ、プリウェット剤のみが配管84を介して中間タンク83内に供給しても良い。
なお、この中間タンク83内の液体は、中間タンク83内に窒素(N )ガス等の圧送ガスを供給することによってプリウェット剤供給配管81およびプリウェット剤供給ノズル80を介してウエハW上に供給される。この場合にN ガスの加圧力を制御することによって溶剤の流量が制御される。
【0042】
レジスト液供給ノズル90は、レジスト液供給配管91を介してレジスト液を収容するレジスト液タンク92に連通されている。このレジスト液供給配管91には、サックバックバルブ93、エアーオペレーションバルブ94、レジスト液中の気泡を分離除去するための気泡除去機構95、フィルタ96およびベローズポンプ97が下流側からその順に設けられている。このベローズポンプ97は伸縮可能に構成され、この伸縮が制御されることにより所定量のレジスト液がレジスト液供給ノズル90を介してウエハWの表面に供給される。このベローズポンプ97により極めて少量のレジスト液の供給量制御が可能となる。この駆動部は、一端がベローズポンプ97の一端に取り付けられたネジ98aと、このネジに螺合されるナット98bとからなるボールネジ機構98と、このナット98bを回転させることによりネジ98aを直線動させるステッピングモータ99とにより構成されている。
【0043】
上記レジスト液供給系に設けられたサックバックバルブ93は、レジスト液供給ノズル90からのレジスト液吐出後、レジスト液供給ノズル90先端内壁部に表面張力によって残留しているレジスト液をレジスト液供給ノズル90に引き戻し、これによって残留レジスト液の固化を阻止するためのものである。
【0044】
図5に示すように、ケーシング50内のカップCPの外側部分には、基本的に同一の構造を有する4つの噴頭60を保持可能な保持部55が設けられている。保持部55には各ノズルのノズルロを乾燥固化させないように、各ノズルのノズルロを溶剤雰囲気に置くための挿入部(図示せず)が設けられている。各噴頭60は、取り付け部63によりアーム61の先端部に取り付け可能となっており、それぞれ異なる種類のレジスト液を供給できるようになっている。そして、これらのうち選択された一つがアーム61に取り付けられて保持部55から取り出される。上述したように、アーム61は駆動機構70により三次元移動、すなわちX、Y、Z方向への移動が可能であり、保持部55から取り出されてアーム61に装着された噴頭60が、処理に際してウエハWの直上の所定位置まで移動される。
なお、ここでは、プリウェット剤供給ノズル80とレジスト液供給ノズル90とを噴頭60に取り付け、この噴頭60を4つ準備して保持部55に設けているが、1つまたはそれ以上のプリウェット剤供給ノズル80をアーム61に直接固定し、噴頭60にはレジスト液供給ノズル90のみを設けるようにしてもよい。
【0045】
次に、このように構成されるレジスト塗布ユニット(COT)における処理について図6の工程図を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
主ウエハ搬送機構22の保持部材48によってケーシング50の開口50aを通ってレジスト塗布ユニット(COT)内のカップCPの真上までウエハWが搬送されると、そのウエハWは、図示しない昇降機構によって上昇してきたスピンチャック51によって真空吸着される。主ウエハ搬送機構22はウエハWをスピンチャック51に真空吸着せしめた後、保持部材48をレジスト塗布ユニット(COT)内から引き戻し、レジスト塗布ユニット(COT)へのウエハWの受け渡しを終える(ST1)。
【0047】
次いで、スピンチャック51はウエハWがカップCP内の低位置になるまで下降される。次いで、駆動モータ52によってスピンチャック51を1000rpm程度の回転速度で回転させ、ウエハWの温度を均一にする(ST2)。
【0048】
その後、スピンチャック51の回転を停止させ、駆動機構70によって噴頭60をY方向に沿ってウエハWの直上位置まで移動させ、プリウェット剤供給ノズル80の吐出口がスピンチャック51の中心(ウエハWの中心)上に到達したところで、レジスト液が溶解する所定のプリウェット剤(単一の溶剤、またはレジスト液が溶解する所定の溶剤とその溶剤の揮発を抑制する揮発抑制物質との混合液)を静止しているウエハW表面の略中心に供給する(ST3)。
この際に、単一の溶剤のみからなるプリウェット剤をウエハW表面の略中心に供給する場合には、バルブ85のみを開き、溶剤供給配管84を介して溶剤を中間タンク83に供給し、バルブ85を閉じる。
【0049】
一方、混合液からなるプリウェット剤を供給する場合には、バルブ85および87を開き、溶剤供給配管84および揮発抑制物質供給配管86を介して所望の割合で溶剤および揮発抑制物質を中間タンク83に供給し、バルブ85および87を閉じて図示しない撹拝機構により撹拝することにより所定量の混合液が形成される。
【0050】
中間タンク83内で形成され貯留されているプリウェット剤はN ガス等の圧送ガスによりプリウェット剤供給配管81およびプリウェット剤供給ノズル80を介してウエハW上に圧送される。この場合にN ガスの加圧力を制御することによってプリウェット剤の流量が制御される。
【0051】
このようにしてプリウェット剤を供給した後、好ましくは1000rpm以下の所定の回転速度でウエハWを回転させる(ST4)。これにより、ウエハW表面に供給されたプリウェット剤は遠心力によってウエハWの中心からその周囲に拡散し、ウエハWの全面に供給される。
なお、スプレーを用いてウエハ全面にプリウェット剤を塗布しても良い。このスプレーはウエハWを回転しながら行っても良く、あるいはウエハWを停止した状態で行っても良い。
【0052】
続いて、駆動機構70によりレジスト液供給ノズル90の吐出口がスピンチャック51の中心(ウエハWの中心)上に到達するまで噴頭60をY方向に移動し、ウエハWの回転速度を所定値まで上昇させて、レジスト液供給ノズル90の吐出口からレジスト液を回転するウエハW表面の略中心に供給し、遠心力によりレジスト液を外方に拡散させ、ウエハW表面へのレジスト塗布を行う。(ST5)。
このとき、所定のプリウェット剤がウエハW表面に塗布されているため、濡れ性が向上し、少量のレジスト液でウエハW表面の全面にレジスト塗布を行うことができる。
また、レジスト塗布の際の回転速度は、200mmウエハの場合には2000〜6000rpm、300mmウエハの場合には1000〜4000rpmであることが好ましい。
【0053】
このようにしてウエハWを回転させながらレジスト液を供給した後、レジスト液の供給を停止した後に、ウエハWの回転速度を減速する(ST6)。これにより、膜厚調整機能が発揮され、ウエハW面内の膜厚が均一化される。
このような効果を奏するのは、ウエハWの回転速度を減速した際には、この減速の際の加速度により半導体ウエハW上のレジスト液に中心へ向かう力が作用し、しかも、被処理基板の回転が低速であることからレジスト液の乾燥が遅く、結果として膜厚を整える機能が発揮されるからである。すなわち、この減速によって作用する内側へ向かう力により、ウエハW外方へ飛散するレジスト量が抑制され、外周部にも中央部と同様にレジストが保持されてレジスト膜の膜厚がより均一化することとなる。この際の回転速度は50〜1000rpmが好ましい。特に、500rpm以下であれば、レジストの乾燥がほとんど進行せず、膜厚調整の自由度が高い。この際の保持時間は、例えば、3秒までの適宜の時間に設定される。なお、このST6工程は必須なものではなく、必要に応じて行われる。
【0054】
その後、ウエハWの回転速度を上昇させて、残余のレジスト液を振り切る(ST7)。この際の回転速度は、200mmウエハの場合には1500〜4000rpm、300mmウエハの場合には1000〜3000rpmであることが好ましい。
【0055】
その後、ウエハWの回転を継続させレジスト膜の乾燥を行う(ST8)。この際の回転速度は、200mmウエハの場合には1000〜2000rpm、300mmウエハの場合には500〜1500rpmであることが好ましい。この工程を所定時間行った後、レジスト塗布工程が終了する。
【0056】
【実施例】
次に、前記したレジスト塗布ユニット(COT)を用いてプリウェット剤の評価実験を行った。この評価は、ウエハの全面を覆うのに必要なレジストの最小吐出量を測定することによって、評価を行った。
評価の対象となるプリウェット剤として、シクロヘキサノン(実施例1)、EL(乳酸エチル:実施例2)、MMP(メチル−3−メトキシプロピネート:実施例3)、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル:比較例1)、PEGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:比較例2)、OK−73(PGME:PGMEA=7:3の混合液:比較例3)、OK−73+純水(OK−73:純水=5:2(純水16.7質量%)の混合液:実施例4)、酢酸ブチル(比較例4)、MAK(2−ヘプタノン:比較例5)の全9種を用いた。
【0057】
また、この評価実験は、ウエハ直径:300mm、レジスト液:EL溶剤KrFレジスト(粘度7cP程度)、レジスト滴下時間:1.0sec、レジスト滴下時回転数:3000rpm、プリウェット剤滴下時間:2.0sec、プリウェット剤滴下量:70ml/min、プリウェット剤温度:23℃とした。
そして、この評価実験では、プリウェット剤の粘性率(23℃)と、各プリウェット剤を塗布した後に、ウエハの全面を覆うのに必要なレジストの最小吐出量を測定した。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004039828
【0059】
この実験によれば、OK−73(比較例3)の結果とOK−73+純水(実施例4)の結果を比較すると、OK−73+純水の場合の方が、レジスト最小吐出量が大きく減少していることが判る。これは、水素結合を有する物質である純水がOK−73の揮発を抑制する揮発抑制物質となり、その結果溶剤が一様にウエハ表面上に拡がって、レジスト吐出量が低く抑えられたためである。
【0060】
また、表1の結果から明らかなように、粘性率が2cP(センチポイズ)未満になるとレジスト吐出量が低く抑えられないことが認められた。
これは、粘性率が低くなるほど溶剤の揮発性が高くなるため、レジスト液を塗布する前にプリウェット剤(溶剤)が揮発してしまい、レジスト液をウエハ上全面に拡散し難くなる。その結果、拡散させるのに多量のレジスト液を必要とし、レジスト吐出量を低く抑えることができないためと推察される。
このような結果から、プリウェット剤の粘性率は、粘性率が2cP以上であることが望ましい。
【0061】
ただし、プリウェット剤に適した溶剤を検討する上で、揮発性を低く抑えるために粘性率が高いほど良いというわけはなく、粘性率が高いほどプリウェット剤はウエハ上で拡がり難いという性質があることに配慮する必要がある。
ここで、OK−73+純水(実施例4)の粘性率は3.46cPとなり、この実験での溶剤中一番高い粘性率であったが、溶剤の拡がりにおける問題はなく、レジスト吐出量も0.5mlに抑えることができた。即ち、粘性率が3.50cp以下であれば、ウエハ上にプリウェット剤を問題なく拡散できることを確認した。
【0062】
以上のように、プリウェット剤を、その粘性率が2.00cP以上3.50cP以下のものから選択することによって、レジスト液の使用量をより少なく抑えることができる。
【0063】
ここで、プリウェット剤としては、粘性率が2.00cP以上、3.50cP以下の溶剤で典型的にはシンナーが用いられ、例えば、シクロヘキサノン、EL(乳酸エチル)、MMP(メチル−3−メトキシプロピネート)、OK73+純水(OK−73:純水=5:2)から選択される少なくとも1種が用いられる。なお、粘性率が2.00cP以上、3.50cP以下であれば、もちろんレジスト液が溶解する他の溶剤であってもよい。
【0064】
また、プリウェット剤の揮発性を決定する要因の一つとして蒸気圧がある。
前記したシクロヘキサノン(実施例1)の20℃での蒸気圧は、3.95mmHg、EL(乳酸エチル:実施例2)の20℃での蒸気圧は2.70mmHg、MMP(メチル−3−メトキシプロピネート:実施例3)の20℃での蒸気圧は1.80mmHgである。
これらいずれのプリウェット剤も、その蒸気圧が、4.0mmHg以下である。プリウェット剤の蒸気圧が、4.0mmHg以下の場合、プリウェット剤は揮発し難く、塗布液が供給されるまでに揮発することなく、十分なプリウェット効果を得ることができる。
なお、前記したPGME(比較例1)の20℃での蒸気圧は、7.60mmHgであり、十分なプリウェット効果を得ることができない。このことから、プリウェット剤の蒸気圧が5.0mmHg以下であれば、十分なプリウェット効果を得ることができるものと考えられる。
【0065】
また、例えば、蒸気圧5mmHg以下の薬液(例えば、PGMEA)に、5mmHgを超える蒸気圧を持つ液体(例えば、純水)を混合したプリウェット剤を用いても良い。この場合、混合液の粘性率が2.0cP以上になるように混合することが好ましい。
これは、混合液には、蒸気圧5mmHg以下の薬液が含まれていることから、その薬液が揮発し難く、十分なプリウェット効果を得ることができる。更に粘性率が2.0cP以上であれば、プリウェット剤を被処理基板の表面全体に十分に拡げることができる。
【0066】
また、上記実施例では2液を混合したが、蒸気圧5mmHg以下の液体を含む3液を混合しても良い。この場合も混合液の粘性率が2.0cP以上になることが望ましい。
【0067】
なお、本発明は、上記実施の形態のようなレジスト塗布ユニット(COT)に限定されない。例えば、混合液を使用しないのであれば、揮発抑制物質供給配管86やバルブ87や図示しない攪拌機構を設置する必要がないのはいうまでもない。また、混合液を使用する場合には、必ずしも中間タンク83内で混合する必要はなく、他の混合機構を設置して、プリウェット剤供給ノズル80から混合液を供給するものであっても良い。
【0068】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、塗布液としてレジスト液を用いた場合について示したが、必ずしもレジスト液に限らず反射防止膜や層間絶縁膜等を形成する塗布液等、他の塗布液であってもよい。また、上記実施の形態では、被処理基板として半導体ウエハを用いた場合について示したが、半導体ウエハに限らず、例えばLCD基板やマスク用レチクル基板等他の被処理基板であってもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる塗布膜形成方法およびプリウェット剤によれば、プリウェット剤の揮発が抑制されるため、塗布液を塗布する際にプリウェット剤の残存量が多く、十分なプリウェット効果を得ることができ、塗布液の使用量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布膜形成方法を実施するためのレジスト塗布ユニットを搭載した半導体ウエハのレジスト塗布現像処理システムの全体構成の平面図である。
【図2】図1に示す塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1に示す塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】図1に示したレジスト塗布現像処理システムに装着したレジスト塗布ユニットの全体構成を示す概略図である。
【図5】図4に示したレジスト塗布ユニットの平面図である。
【図6】レジスト塗布ユニットにおける処理工程を示す工程図である。
【図7】従来のレジスト塗布装置の概略構成図である。
【符号の説明】
51  スピンチャック
52  駆動モータ
60  噴頭
70  駆動機構
80  プリウェット剤供給ノズル
90  レジスト液供給ノズル
W   半導体ウエハ(被処理基板)

Claims (13)

  1. 被処理基板の表面に塗布液を供給して塗布膜を形成する塗布膜形成方法において、
    前記被処理基板に供給される塗布液を溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上のプリウェット剤を、前記被処理基板の表面に供給する工程と、
    前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程と、
    前記プリウェット剤が供給された被処理基板を回転させつつ、前記被処理基板の略中央に塗布液を供給し、前記塗布液を被処理基板の径方向外方に拡げて塗布膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする塗布膜形成方法。
  2. 前記プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)以下であることを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成方法。
  3. 前記プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHg以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された塗布膜形成方法。
  4. 前記プリウェット剤が、単一の溶剤から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された塗布膜形成方法。
  5. 前記プリウェット剤が、シクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の塗布膜形成方法。
  6. 前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程において、
    静止した前記被処理基板の表面上に前記プリウェット剤を供給した後、前記被処理基板を回転させることにより前記プリウェット剤を前記被処理基板の表面に拡げることを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成方法。
  7. 前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程において、
    回転する前記被処理基板の表面上に前記プリウェット剤を供給した後、前記被処理基板の回転により前記プリウェット剤を前記被処理基板の表面に拡げることを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成方法。
  8. 前記プリウェット剤を前記被処理基板表面の全面に拡げる工程において、
    前記被処理基板の表面に前記プリウェット剤を散布することにより前記被処理基板の表面に拡げることを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成方法。
  9. 被処理基板に塗布液を供給することによって塗布膜を形成する塗布膜形成方法における、前記塗布液の供給前に被処理基板の表面に供給されるプリウェット剤において、
    前記プリウェット剤が、前記塗布液が溶解する溶剤であって、かつその粘性率が2.0cP(センチポイズ)以上であることを特徴とするプリウェット剤。
  10. 前記プリウェット剤の粘性率が、3.5cP(センチポイズ)以下であること特徴とする請求項9に記載されたプリウェット剤。
  11. 前記プリウェット剤の蒸気圧が、5.0mmHg以下であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載されたプリウェット剤。
  12. 前記プリウェット剤が、単一の溶剤から構成されていることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載されたプリウェット剤。
  13. 前記プリウェット剤が、シクロヘキサノン、乳酸エチル、メチル‐3‐メトキシプロピネートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項12に記載のプリウェット剤。
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