JPH11260717A - レジスト塗布方法およびレジスト塗布装置 - Google Patents

レジスト塗布方法およびレジスト塗布装置

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JPH11260717A
JPH11260717A JP17816898A JP17816898A JPH11260717A JP H11260717 A JPH11260717 A JP H11260717A JP 17816898 A JP17816898 A JP 17816898A JP 17816898 A JP17816898 A JP 17816898A JP H11260717 A JPH11260717 A JP H11260717A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジスト液の滴下量を少なくした場合であっ
ても塗布した膜の膜厚を均一な所定厚さに調整すること
ができるレジスト塗布方法およびレジスト塗布装置を提
供すること。 【解決手段】 被処理基板Wを回転させつつ被処理基板
の略中央にレジスト液を供給して、レジスト液を被処理
基板Wの径方向外方に拡げながら塗布し、レジスト液供
給停止後、好ましくはレジスト液供給停止直後に、被処
理基板Wの回転速度を一旦減速して膜厚を整え、その
後、被処理基板Wの回転速度を上げて残余のレジスト液
を振り切る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
被処理基板にレジスト液を塗布するレジスト塗布方法お
よびレジスト塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイスの製造プロセスに
おけるフォトリソグラフィー工程においては、半導体ウ
エハ(以下、「ウエハ」という)の表面にレジスト膜を
形成するレジスト塗布処理と、レジスト塗布後のウエハ
に対して露光処理を行った後に当該ウエハを現像する現
像処理とが行われている。このレジスト塗布処理におい
ては、ウエハ表面にレジスト液を均一に塗布するための
方法としてスピンコーティング法等が多用されている。
【0003】図16は、このスピンコーティング法の概
要を示すものである。例えばスピンチャック141によ
り真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で、図
示しない回転駆動手段によりスピンチャック141と共
にウエハWを回転させ、ウエハWの上方に配置されたレ
ジストノズル142からウエハW表面の中央にレジスト
液を滴下する。滴下されたレジスト液は、遠心力によっ
てウエハWの径方向外方に向かって広がり、その後レジ
スト液の滴下は停止するが、回転速度を落としつつ回転
を継続してウエハWの表面に広がったレジスト液の振り
切り乾燥を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
製造コストの削減等の理由によりレジスト消費量を減ら
すこと、すなわち、各ウエハに対するレジスト液の滴下
量を減らすことが要望されている。
【0005】従来、各ウエハへのレジスト液の滴下量が
比較的多い場合には、塗布した膜の膜厚調整は容易であ
り、膜厚を均一にすることができる。しかし、上述した
ように、各ウエハへのレジスト液の滴下量を減らした場
合、図16に示した従来のスピンコーティング法では、
ウエハ全面にレジスト液を塗布することができたとして
も、塗布した膜の膜厚の調整が難しく、膜厚を均一にす
ることが困難である。
【0006】特に、レジスト液の滴下量が各ウエハ当た
り1.0mlあるいはそれ以下である場合、滴下したレ
ジスト液がウエハの径方向外方に十分に拡がる前に、レ
ジスト液の乾燥が速く進行するため、塗布した膜の膜厚
分布は、ウエハの外周部が中央部に比べて薄くなるとい
った問題があり、塗布した膜の膜厚の調整が難しく、膜
厚を均一でかつ所定の厚さにすることが困難である。
【0007】塗布する膜の膜厚の調整方法として、従
来、(a)レジスト液の吐出速度を下げる方法、(b)
レジスト吐出時のウエハ回転数を高くする方法がある。
しかし、上記(a)の方法にあっては、レジスト液の吐
出状態が不安定になるという問題点があり、上記(b)
の方法にあっては、ウエハの回転数を高くするにも塗布
装置の性能としての限界があり、また、レジスト液の乾
燥が著しく、膜厚の調整量が少ないという問題点があ
る。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、レジスト液の滴下量を少なくした場合であって
も塗布した膜の膜厚を均一な所定厚さに調整することが
できるレジスト塗布方法およびレジスト塗布装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によれば、被処理基板を回転さ
せつつ被処理基板の略中央にレジスト液を供給して、レ
ジスト液を被処理基板の径方向外方に拡げながら塗布す
る工程と、レジスト液供給停止後に、被処理基板の回転
速度を一旦減速して膜厚を整える工程と、その後、被処
理基板の回転速度を上げて残余のレジスト液を振り切る
工程とを具備することを特徴とするレジスト塗布方法が
提供される。
【0010】本発明の第2の観点によれば、被処理基板
の表面に、その表面を濡らすための液剤を供給する工程
と、液剤が供給された被処理基板を回転させつつ被処理
基板の略中央にレジスト液を供給して、レジスト液を被
処理基板の径方向外方に拡げながら塗布する工程と、レ
ジスト液供給停止後に、被処理基板の回転速度を一旦減
速して膜厚を整える工程と、その後、被処理基板の回転
速度を上げて残余のレジスト液を振り切る工程とを具備
することを特徴とするレジスト塗布方法が提供される。
【0011】本発明の第3の観点によれば、被処理基板
を第1の回転速度で回転させつつ被処理基板の略中央に
レジスト液を供給して、レジスト液を被処理基板の径方
向外方に拡げながら塗布する工程と、レジスト液の供給
停止後、被処理基板の回転速度を第1の回転速度より遅
い第2の回転速度に減速して膜厚を整える工程と、被処
理基板の回転速度を、第2の回転速度より速い第3の回
転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る工程
とを具備することを特徴とするレジスト塗布方法が提供
される。
【0012】本発明の第4の観点によれば、被処理基板
を第1の回転速度で回転させつつ被処理基板の略中央に
レジスト液を供給して、レジスト液を被処理基板の径方
向外方に拡げながら塗布する工程と、レジスト液の供給
停止後、被処理基板の回転速度を第1の回転速度より遅
い第2の回転速度に減速して膜厚を整える工程と、被処
理基板の回転速度を、第2の回転速度より速い第3の回
転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る工程
とを具備し、前記第2の回転速度で膜厚を整える際に、
減速の際の加速度、減速した時間、および減速した際の
回転数をパラメータとして膜厚を制御することを特徴と
するレジスト塗布方法が提供される。
【0013】本発明の第5の観点によれば、回転する被
処理基板にレジスト液を供給して塗布するレジスト塗布
装置であって、被処理基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、
前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、前記レジスト
液供給時に被処理基板を保持した基板保持部材を所定速
度で回転させ、レジスト液供給停止後に基板保持部材の
回転速度を膜厚を整えることが可能な速度に一旦減速
し、その後基板保持部材の回転速度を上げて残余のレジ
スト液を振り切るように基板保持部材の回転を制御する
制御手段とを具備することを特徴とするレジスト塗布装
置が提供される。
【0014】本発明の第6の観点によれば、回転する被
処理基板にレジスト液を供給して塗布するレジスト塗布
装置であって、被処理基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、
前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
ジスト液供給に先立ってその表面を濡らすための液剤を
供給する液剤ノズルと、前記基板保持部材に保持された
被処理基板の略中央にレジスト液を供給するレジスト液
ノズルと、前記液剤供給時および前記レジスト液供給時
にそれぞれ被処理基板を保持した基板保持部材を所定速
度で回転させ、レジスト液供給終了後に基板保持部材の
回転速度を膜厚を整えることが可能な速度に一旦減速
し、その後基板保持部材の回転速度を上げて残余のレジ
スト液を振り切るように基板保持部材の回転を制御する
制御手段とを具備することを特徴とするレジスト塗布装
置が提供される。
【0015】本発明の第7の観点によれば、回転する被
処理基板にレジスト液を供給して塗布するレジスト塗布
装置であって、被処理基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、
前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、レジスト液供
給時に被処理基板を保持した基板保持部材を第1の回転
速度で回転させ、レジスト液の供給停止後、基板保持部
材の回転速度を第1の回転速度より遅く、膜厚を整える
ことが可能な第2の回転速度に一旦減速し、その後、基
板保持部材の回転速度を、第2の回転速度より速い第3
の回転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る
ように基板保持部材の回転を制御する制御手段とを具備
することを特徴とするレジスト塗布方法が提供される。
【0016】本発明の第8の観点によれば、回転する被
処理基板にレジスト液を供給して塗布するレジスト塗布
装置であって、被処理基板を保持する基板保持部材と、
前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、
前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、レジスト液供
給時に被処理基板を保持した基板保持部材を第1の回転
速度で回転させ、レジスト液の供給停止後、基板保持部
材の回転速度を第1の回転速度より遅く、膜厚を整える
ことが可能な第2の回転速度に一旦減速し、その後、基
板保持部材の回転速度を、第2の回転速度より速い第3
の回転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る
ように基板保持部材の回転を制御し、かつ前記第2の回
転速度で膜厚を整える際に、減速の際の加速度、減速し
た時間、および減速した際の回転数を膜厚制御のパラメ
ータとする制御手段とを具備することを特徴とするレジ
スト塗布装置が提供される。
【0017】以上のような構成によれば、レジスト液を
供給しながら被処理基板を回転してレジスト塗布を行
い、レジスト液供給終了後に被処理基板の回転速度を減
速するが、その減速の際の加速度により基板上のレジス
ト液に中心へ向かう力が作用し、しかも、被処理基板の
回転が低速であることからレジスト液の乾燥が遅く、結
果として膜厚を整える機能が発揮される。すなわち、こ
の減速によって作用する内側へ向かう力により、基板外
方へ飛散するレジスト量が抑制され、外周部にも中央部
と同様にレジストが保持されることとなり、レジスト液
の供給量を少なくした場合であっても、レジスト膜の厚
さを被処理基板全域に亘って均一にすることができる。
したがって、レジスト液の消費量の削減に、極めて有益
である。
【0018】また、上記第2の観点および第6の観点に
よれば、レジスト塗布に先立って、被処理基板の表面
に、その表面を濡らすための液剤、例えばシンナーを供
給するので、レジストがより拡散しやすくなり、結果と
してより少量のレジスト液量で均一なレジスト膜を形成
することができ、より一層レジストの消費量を削減する
ことができる。また、レジスト膜を薄く形成することも
可能となる。
【0019】さらに、第4の観点および第8の観点によ
れば、減速した第2の回転速度で膜厚を整える際に、減
速の際の加速度、減速した時間、および減速した際の回
転数をパラメータとして膜厚を制御するので、膜厚調整
の自由度が高い。この場合に、さらに、第2の回転速度
から第3の回転速度に回転速度を上げる際の加速度を制
御することによって膜厚調整の自由度を一層高めること
ができる。
【0020】以上のような本発明の第1ないし第8の観
点において、レジスト液の供給を停止した直後に被処理
基板の回転速度を減速することにより、レジストの乾燥
をより一層抑制することができ、膜厚の調整を一層容易
に行うことができるとともに、表面のむらを防止するこ
ともできる。実際には、レジスト液の供給の停止と同時
に被処理基板の回転速度を減速させることは困難である
ため、レジストの吐出終了から減速開始までの時間が±
100msec以内とすることが好ましい。
【0021】また、減速した際の回転速度は1000r
pm以下であれば、膜厚調整機能を有効に発揮させるこ
とができる。特に減速した際の回転速度が500rpm
であれば、レジストの乾燥がほとんど進行せず、膜厚調
整機能を一層有効に発揮させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。図1ないし図3は、各々本発明の実施
の形態が採用された半導体ウエハ(以下、「ウエハ」と
いう)の塗布現像処理システム1の全体構成の図であっ
て、図1は平面、図2は正面、図3は背面をそれぞれ示
している。
【0023】この塗布現像処理システム1は、図1に示
すように、被処理基板としてウエハWをウエハカセット
CRで複数枚、例えば25枚単位で外部からシステムに
搬入したり、あるいはシステムから搬出したり、ウエハ
カセットCRに対してウエハWを搬入・搬出したりする
ためのカセットステーション10と、塗布現像工程の中
で1枚ずつウエハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処
理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理ステーシ
ョン11と、この処理ステーション11に隣接して設け
られる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡
しするためのインターフェイス部12とを一体に接続し
た構成を有している。
【0024】前記カセットステーション10では、図1
に示すように、カセット載置台20上の位置決め突起2
0aの位置に、複数個例えば4個までのウエハカセット
CRが、夫々のウエハ出入口を処理ステーション11側
に向けてX方向に一列に載置され、このカセット配列方
向(X方向)およびウエハカセットCR内に収納された
ウエハのウエハ配列方向(Z方向:垂直方向)に移動可
能なウエハ搬送体21が各ウエハカセットCRに選択的
にアクセスするようになっている。
【0025】さらにこのウエハ搬送体21は、θ方向に
回転自在に構成されており、後述するように処理ステー
ション11側の第3の処理ユニット群G3の多段ユニッ
ト部に属するアライメントユニット(ALIM)および
イクステンションユニット(EXT)にもアクセスでき
るようになっている。
【0026】前記処理ステーション11には、図1に示
すように、ウエハ搬送装置を備えた垂直搬送型の主ウエ
ハ搬送機構22が設けられ、その周りに全ての処理ユニ
ットが1組または複数の組に亙って多段に配置されてい
る。
【0027】主ウエハ搬送機構22は、図3に示すよう
に、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上
下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持
体49はモータ(図示せず)の回転軸に接続されてお
り、このモータの回転駆動力によって、前記回転軸を中
心としてウエハ搬送装置46と一体に回転し、それによ
りこのウエハ搬送装置46は、θ方向に回転自在となっ
ている。なお筒状支持体49は前記モータによって回転
される別の回転軸(図示せず)に接続するように構成し
てもよい。
【0028】ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前
後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これ
らの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハ
Wの受け渡しを実現している。
【0029】また、図1に示すように、この例では、5
つの処理ユニット群G1、G2、G3、G4、G5が配置可
能な構成であり、第1および第2の処理ユニット群
1、G2の多段ユニットは、システム正面(図1におい
て手前)側に配置され、第3の処理ユニット群G3の多
段ユニットはカセットステーション10に隣接して配置
され、第4の処理ユニット群G4の多段ユニットはイン
ターフェイス部12に隣接して配置され、第5の処理ユ
ニット群G5の多段ユニットは背面側に配置されること
が可能である。
【0030】図2に示すように、第1の処理ユニット群
1では、カップCP内でウエハWをスピンチャックに
載せて所定の処理を行う2台のスピンナ型処理ユニッ
ト、例えばレジスト塗布装置ユニット(COT)および
現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられて
いる。第2の処理ユニット群G2でも、2台のスピンナ
型処理ユニット、例えばレジスト塗布装置ユニット(C
OT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段
に重ねられている。これらレジスト塗布装置ユニット
(COT)は、レジスト液の排液が機械的にもメンテナ
ンスの上でも面倒であることから、このように下段に配
置するのが好ましい。しかし、必要に応じて適宜上段に
配置することももちろん可能である。
【0031】図3に示すように、第3の処理ユニット群
3では、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を
行うオーブン型の処理ユニット、例えば冷却処理を行う
クーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高
めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユ
ニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニッ
ト(ALIM)、イクステンションユニット(EX
T)、露光処理前の加熱処理を行うプリベーキングユニ
ット(PREBAKE)および露光処理後の加熱処理を
行うポストベーキングユニット(POBAKE)が、下
から順に例えば8段に重ねられている。
【0032】第4の処理ユニット群G4でも、オーブン
型の処理ユニット、例えばクーリングユニット(CO
L)、イクステンション・クーリングユニット(EXT
COL)、イクステンションユニット(EXT)、クー
リングユニット(COL)、プリベーキングユニット
(PREBAKE)およびポストベーキングユニット
(POBAKE)が下から順に、例えば8段に重ねられ
ている。
【0033】このように処理温度の低いクーリングユニ
ット(COL)、イクステンション・クーリングユニッ
ト(EXTCOL)を下段に配置し、処理温度の高いベ
ーキングユニット(PREBAKE)、ポストベーキン
グユニット(POBAKE)およびアドヒージョンユニ
ット(AD)を上段に配置することで、ユニット間の熱
的な相互干渉を少なくすることができる。もちろん、ラ
ンダムな多段配置としてもよい。
【0034】前記インターフェイス部12は、図1に示
すように、奥行方向(X方向)については、前記処理ス
テーション11と同じ寸法を有するが、幅方向について
はより小さなサイズに設定されている。そしてこのイン
ターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアッ
プカセットCRと、定置型のバッファカセットBRが2
段に配置され、他方、背面部には周辺露光装置23が配
置され、さらに、中央部には、ウエハ搬送体24が設け
られている。このウエハ搬送体24は、X方向、Z方向
に移動して両カセットCR、BRおよび周辺露光装置2
3にアクセスするようになっている。前記ウエハ搬送体
24は、θ方向にも回転自在となるように構成されてお
り、前記処理ステーション11側の第4の処理ユニット
群G4の多段ユニットに属するイクステンションユニッ
ト(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ
受け渡し台(図示せず)にもアクセスできるようになっ
ている。
【0035】また前記塗布現像処理システム1では、図
1に示すように、記述の如く主ウエハ搬送機構22の背
面側にも破線で示した第5の処理ユニット群G5の多段
ユニットが配置できるようになっているが、この第5の
処理ユニット群G5の多段ユニットは、案内レール25
に沿って主ウエハ搬送機構22からみて、側方へシフト
できるように構成されている。したがって、この第5の
処理ユニット群G5の多段ユニットを図示の如く設けた
場合でも、前記案内レール25に沿ってスライドするこ
とにより、空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構
22に対して背後からメンテナンス作業が容易に行える
ようになっている。なお第5の処理ユニット群G5の多
段ユニットは、そのように案内レール25に沿った直線
状のスライドシフトに限らず、図1中の一点鎖線の往復
回動矢印で示したように、システム外方へと回動シフト
させるように構成しても、主ウエハ搬送機構22に対す
るメンテナンス作業のスペース確保が容易である。
【0036】次に、本実施形態におけるレジスト塗布装
置ユニット(COT)について説明する。図4および図
5は、レジスト塗布装置ユニット(COT)の全体構成
を示す略断面図および略平面図である。
【0037】このレジスト塗布装置ユニット(COT)
の中央部には環状のカップCPが配置され、カップCP
の内側にはスピンチャック52が配置されている。スピ
ンチャック52は真空吸着によってウエハWを固定保持
した状態で駆動モータ54によって回転駆動される。駆
動モータ54は、ユニット底板50に設けられた開口5
0aに昇降移動可能に配置され、たとえばアルミニウム
からなるキャップ状のフランジ部材58を介してたとえ
ばエアシリンダからなる昇降駆動手段60および昇降ガ
イド手段62と結合されている。駆動モータ54の側面
にはたとえばSUSからなる筒状の冷却ジャケット64
が取り付けられ、フランジ部材58は、この冷却ジャケ
ット64の上半部を覆うように取り付けられている。
【0038】レジスト塗布時、フランジ部材58の下端
58aは、開口50aの外周付近でユニット底板50に
密着し、これによってユニット内部が密閉される。スピ
ンチャック52と主ウエハ搬送機構22の保持部材48
との間でウエハWの受け渡しが行われる時は、昇降駆動
手段60が駆動モータ54ないしスピンチャック52を
上方へ持ち上げることでフランジ部材58の下端がユニ
ット底板50から浮くようになっている。
【0039】ウエハWの表面にレジスト液を供給するた
めのレジストノズル86は、レジスト供給管88を介し
てレジスト供給部(後述する)に接続されている。この
レジストノズル86はレジストノズルスキャンアーム9
2の先端部にノズル保持体100を介して着脱可能に取
り付けられている。このレジストノズルスキャンアーム
92は、ユニット底板50の上に一方向(Y方向)に敷
設されたガイドレール94上で水平移動可能な垂直支持
部材96の上端部に取り付けられており、図示しないY
方向駆動機構によって垂直支持部材96と一体にY方向
に移動するようになっている。
【0040】また、レジストノズルスキャンアーム92
は、レジストノズル待機部90でレジストノズル86を
選択的に取り付けるためにY方向と直角なX方向にも移
動可能であり、図示しないX方向駆動機構によってX方
向にも移動するようになっている。
【0041】さらに、レジストノズル待機部90でレジ
ストノズル86の吐出口が溶媒雰囲気室の口90aに挿
入され、中で溶媒の雰囲気に晒されることで、ノズル先
端のレジスト液が固化または劣化しないようになってい
る。また、複数本のレジストノズル86が設けられ、例
えばレジスト液の種類に応じてそれらのノズルが使い分
けられるようになっている。
【0042】また、レジストノズルスキャンアーム92
の先端部(ノズル保持体100)には、ウエハ表面への
レジスト液の供給に先立ってウエハ表面にウエハ表面を
濡らすための溶剤例えばシンナーを供給する溶剤ノズル
101が取り付けられている。この溶剤ノズル101は
図示しない溶剤供給管を介して溶剤供給部(後述する)
に接続されている。溶剤ノズル101とレジストノズル
86はレジストノズルスキャンアーム92のY移動方向
に沿う直線上に各々の吐出口が位置するように取り付け
られている。
【0043】さらに、ガイドレール94上には、レジス
トノズルスキャンアーム92を支持する垂直支持部材8
6だけでなく、リンスノズルスキャンアーム120を支
持しY方向に移動可能な垂直支持部材122も設けられ
ている。このリンスノズルスキャンアーム120の先端
部にはサイドリンス用のリンスノズル124が取り付け
られている。Y方向駆動機構(図示せず)によってリン
スノズルスキャンアーム120およびリンスノズル12
4はカップCPの側方に設定されたリンスノズル待機位
置(実線の位置)とスピンチャック52に設置されてい
るウエハWの周辺部の真上に設定されたリンス液吐出位
置(点線の位置)との間で並進または直線移動するよう
になっている。
【0044】図6はレジスト塗布装置ユニット(CO
T)の制御系の構成を示す図である。制御部130は、
レジスト塗布装置ユニット(COT)内の各部を制御す
るもので、例えば駆動モータ54の駆動を制御する他、
レジスト供給部131や溶剤供給部132等を制御す
る。具体的には、制御部130は、駆動モータ54の回
転速度を数段階、例えば後述するようにレジスト塗布時
に3段階に制御する。また、制御部130は、レジスト
供給部131からレジストノズル86へのレジスト液の
供給や、溶剤供給部132から溶剤ノズル101への溶
剤、例えばシンナーの供給を制御している。
【0045】次に、このように構成されたレジスト塗布
装置ユニット(COT)におけるレジスト塗布の動作を
説明する。主ウエハ搬送機構22の保持部材48によっ
てレジスト塗布装置ユニット(COT)内のカップCP
の真上までウエハWが搬送されると、そのウエハWは、
例えばエアシリンダからなる昇降駆動手段60および昇
降ガイド手段62によって上昇してきたスピンチャック
52によって真空吸着される。主ウエハ搬送機構22は
ウエハWをスピンチャック52に真空吸着せしめた後、
保持部材48をレジスト塗布装置ユニット(COT)内
から引き戻し、レジスト塗布装置ユニット(COT)へ
のウエハWの受け渡しを終える。
【0046】次いで、スピンチャック52はウエハWが
カップCP内の定位置まで下降し、駆動モータ54によ
ってスピンチャック52の回転駆動が開始される。その
後、レジストノズル待機部90からのノズル保持体10
0の移動が開始される。このノズル保持体100の移動
はY方向に沿って行われる。
【0047】溶剤ノズル101の吐出口がスピンチャッ
ク52の中心(ウエハWの中心)上に到達したところ
で、溶剤、例えばシンナーを、回転するウエハWの表面
に供給する。ウエハ表面に供給された溶剤は遠心力によ
ってウエハ中心からその周囲全域にむらなく広がる。
【0048】続いて、ノズル保持体100は、レジスト
ノズル86の吐出口がスピンチャック52の中心(ウエ
ハWの中心)上に到達するまでY方向に移動され、レジ
ストノズル86の吐出口からレジスト液が、回転するウ
エハWの表面の中心に滴下されてウエハ表面へのレジス
ト塗布が行われる。
【0049】本実施の形態では、制御部130によりウ
エハWの回転数(即ち、駆動モータ54の回転数)を制
御し、図7にも示す、以下の(a)〜(c)の工程を実
施する。 (a) ウエハWを第1の回転速度で回転させながら、
レジストノズル86からウエハWの略中央にレジスト液
を滴下してウエハWの径方向外方に拡げながら塗布す
る。 (b) 次いで、レジスト液の滴下終了後、ウエハWの
回転速度を所定時間だけ第1の回転速度より遅くかつ下
記の第3の回転速度より遅い第2の回転速度に減速す
る。 (c) その後、ウエハWの回転速度を、第2の回転速
度より速い第3の回転速度まで加速して、残余のレジス
ト液を振り切る。
【0050】ここで、(a)の工程と、(c)の工程と
は、従来と略同様であり、第1の回転速度は、例えば、
4500rpmであり、第3の回転速度は、例えば、3
000rpmである。第3の回転速度は、このように、
通常、第1の回転速度よりも遅いが、第1の回転速度よ
りも速い場合もあり得る。(b)の工程は、本実施の形
態特有のものであり、レジスト液の滴下終了直後からウ
エハの回転速度を所定時間だけ第2の回転速度に減速
し、ウエハWの膜厚、特にウエハWの外周部の膜厚を調
整する。
【0051】これは、低速の第2の回転速度に減速した
際には、この減速の際の加速度により半導体ウエハW上
のレジスト液に中心へ向かう力が作用し、しかも、被処
理基板の回転が低速であることからレジスト液の乾燥が
遅く、結果として膜厚を整える機能が発揮されるからで
ある。すなわち、この減速によって作用する内側へ向か
う力により、ウエハW外方へ飛散するレジスト量が抑制
され、外周部にも中央部と同様にレジストが保持される
こととなる。
【0052】従来のスピンコーティング法(レジスト液
の滴下終了後上記のように減速せず残余のレジスト液の
振り切りを行う法)では、半導体ウエハWへのレジスト
液の滴下量を少なくした場合には、滴下したレジスト液
がウエハの径方向外方に十分に拡がる前に、レジスト液
の乾燥が速く進行するため、塗布した膜の膜厚分布は、
ウエハの外周部が中央部に比べて薄くなり、塗布した膜
の膜厚の調整が難しいといった不都合があった。
【0053】これに対して、本実施の形態に係るスピン
コーティング法では、上述のように、塗布中に第2の回
転速度に減速することにより、ウエハWの膜厚を調整す
ることができ、ウエハWの外周部の膜厚を厚くすること
ができる。そのため、塗布したレジスト液は、ウエハW
の外周部にも中央部と同様に溜まることになり、レジス
ト膜をウエハW全域にわたって均一で且つ所定の厚みに
分布させることができる。したがって、各ウエハWへの
レジスト液の滴下量を少なくした場合であっても、塗布
した膜の膜厚を均一でかつ所定の厚みに調整することが
できる。したがって、レジスト液の消費量の削減に極め
て有益である。
【0054】ここで、図8に示すように、第2の回転速
度をR2、第1の回転速度から第2の回転速度に減速す
る際の加速度をAccel2、第2の回転速度に保持す
る時間をT2とした場合に、これらR2、Accel
2、T2を変化させることにより、膜厚を調整すること
ができる。したがって、これらをパラメータとして膜厚
を制御することにより、自由度の高い膜厚調整を行うこ
とができる。具体的には、R2が小さいほど、Acce
l2が大きいほど、さらにはT2が長いほど、外周部に
保持されるレジスト量が多くなり、その分だけウエハW
の外周部の膜厚が厚くなると考えられる。
【0055】また、第2の回転速度から第3の回転速度
に加速する際の加速度Accel3を変化させることに
よっても膜厚を調整することができる。すなわち、第2
の回転速度R2での回転終了後、レジストはまだ乾燥し
ていないため、Accel3を変化させることにより膜
厚が変化する。具体的には、Accel3を低くするほ
ど、ウエハ外周部の膜厚を厚くすることができる。した
がって、上記パラメータに加えてAccel3をもパラ
メータとして膜厚を制御することにより、一層自由度の
高い膜厚調整を行うことができる。なお、図8のR1は
第1の回転速度、R3は第3の回転速度である。
【0056】この場合に、膜厚を整える機能を有効に発
揮させる観点から、第2の回転速度は1000rpm以
下が好ましい。特に、第2の回転速度が500rpm以
下であれば、レジストの乾燥がほとんど進行せず、膜厚
調整の自由度が極めて高い。また、このようにレジスト
の乾燥がほとんど進行しないから、レジスト吐出終了時
にノズル先端から液ダレが生じてもこれを吸収し、膜厚
変動や塗布むらの発生を抑制することが可能であるし、
レジストの吐出動作にばらつきが生じて吐出終了が多少
ばらついた場合でも膜厚調整機能が有効に発揮されて膜
厚のばらつきを抑制することが可能である。さらに好ま
しくは、100〜200rpm程度である。なお、第2
の回転速度でウエハWを回転する保持時間T2は特に制
限はないが、1秒前後で十分である。ただし必要に応じ
て長くしたり短くしたりしてもよく、例えば、3秒まで
の適宜の時間に設定される。また、Accel2も特に
制限はないが、膜厚調整効果をより高めるためには、極
力高い加速度で早く減速させることが好ましい。また、
第1の回転速度は塗布方式によっては一定であるとは限
らず、レジスト吐出中にウエハ回転速度を変えることも
あるが、レジスト吐出終了時点での回転速度を第1の回
転速度とし、それよりも低い速度に減速すればよい。
【0057】ウエハの回転速度を減速するタイミング
は、通常レジスト吐出が終了した後であるが、図9に示
すように、レジストの吐出終了直後であることが好まし
い。つまり、レジスト吐出工程の時間T1とレジストの
実吐出時間T1’が等しく、したがってレジストの吐出
終了とほぼ同時に減速することが好ましい。吐出終了後
高い回転数を保っていると、レジストの乾燥が進行し、
膜厚調整機能を有効に発揮させることができなくなる場
合が生じるが、レジスト液の供給を停止した直後に被処
理基板の回転速度を減速することにより、レジストの乾
燥を抑制することができ、膜厚の調整を一層容易に行う
ことができるとともに、表面のむらを防止することもで
きる。
【0058】実際には、レジスト吐出工程の時間T1と
レジストの実吐出時間T1’が同一になるように調整す
ることは困難であるため、 T1−T1’=±100msec の範囲内とすることが好ましい。ここで、レジスト吐出
工程の開始とレジストの実吐出の開始が同時であると仮
定すると、図10に示すように、レジストの実吐出終了
から減圧ステップ開始までの時間を±100msec以
内とすればよい。
【0059】このような精度の制御であれば、現状の塗
布装置で十分対応可能である。具体的には、レジスト吐
出量を2.0mlとし、ポンプレシピをディスペンス量
2.0ml、ディスペンスレート1.04ml/sec
とした場合、レシピ上のレジスト吐出時間T1が2.0
secであるのに対し、実吐出時間T1’が1.975
secとなり、十分に±100msec以内となること
が確認された。
【0060】上述したように、このようなレジストの塗
布に先立ってシンナー等の溶剤で半導体ウエハW表面の
表面全体を濡らす、いわゆるプリウエット処理を行うこ
とにより、レジストがより拡散しやすくなり、結果とし
てより少量のレジスト液量で均一なレジスト膜を形成す
ることができ、より一層レジストの消費量を削減するこ
とができる。
【0061】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態
では、レジスト液の供給を停止した直後に第2の回転速
度に減速したが、必ずしも供給停止直後に減速する必要
はない。ただし、上述したようにレジスト液の供給を停
止した直後に減速したほうが、膜厚調整機能をより有効
に発揮することができ、より省レジストを促進すること
ができる。また、上記実施の形態ではシンナーによるプ
リウエット処理を行ったが、プリウエット処理を行わな
い場合でも本発明の効果を奏することができる。
【0062】さらに、上記実施の形態では、半導体ウエ
ハにレジスト液を塗布する塗布装置について説明した
が、半導体ウエハ以外の他の被処理基板、例えばLCD
基板にレジスト液を塗布する場合にも本発明を適用する
ことができる。
【0063】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。こ
こでは、8インチのシリコンウエハをスピンチャックに
セットし、ウエハの回転を開始し、その1秒後にウエハ
にシンナーを2.0cc供給し、2000rpmで1秒
間プリウエット処理を行った。その後、ウエハの回転速
度を3500rpmまで上げ(加速度10000rpm/se
c)、その状態でレジスト液を供給した。
【0064】まず、レジスト液の供給量を1.5ccお
よび0.5ccとし、レジスト液供給後、従来通り20
00rpmに減速し、その後振り切り乾燥した場合に
は、ウエハの膜厚分布は図8に示すようになった。すな
わち、レジスト液供給量が1.5ccの場合にはほぼ均
一なレジスト膜厚が得られたが、0.5ccの場合には
ウエハ周縁部のレジスト膜厚が中心部に比較して著しく
薄くなった。
【0065】次に、レジスト液供給量を0.5ccと
し、レジスト液供給後、本発明の範囲内である100r
pmまで減速し(加速度30000rpm/sec)、その回
転数を1.0secおよび1.5sec保持した後、回
転数を上げて振り切り乾燥した。このようにレジスト液
供給後に1000rpm以下の遅い速度まで減速するこ
とにより、膜厚調整機能が発揮され、図9のようにレジ
スト膜厚は均一化することが確認された。特に、保持時
間のより長い1.5secの場合には、より良好な膜厚
均一性が得られた。
【0066】次に、良好な膜厚均一性が得られた100
rpmで1.5secの条件で減速処理した場合におけ
る、ウエハ面内での膜厚ばらつきおよび50枚塗布後の
トータルの膜厚ばらつきについて調査した。塗布は、レ
ジスト温度を22.2℃、カップ内の温度および湿度を
23.0℃、45.0%とし、以下の表1に示す条件で
行った。
【0067】
【表1】
【0068】すなわち、ウエハの回転を開始し(工程
1)、その1秒後シンナーをウエハの中心に供給し(工
程2)、シンナーの供給を停止して2000rpmで
1.0秒間保持し(工程3)、その後ウエハの回転速度
を3500rpmに上昇させてレジスト液をウエハの中
心に供給し(工程4)、レジスト液を停止してウエハの
回転数を100rpmに減速し、その状態を1.5se
cの間保ち(工程5)、その後回転数を2390rpm
に上げて振り切り乾燥を行った。
【0069】その結果、ウエハ面内およびトータルのレ
ジスト膜厚のばらつきは表2および図10に示すように
なり、ウエハ面内および50枚トータルの膜厚ばらつき
が小さいことが確認された。
【0070】
【表2】
【0071】次に、第2の回転速度を種々変化させてそ
の効果を把握した結果について説明する。レジスト吐出
の際のウエハの回転数を4000rpm、加速度を10
000rpm/sec、レジスト吐出時間を1.5se
c、レジスト振切りの際の回転速度を3000rpm、
加速度を10000rpm/sec、時間を20.0s
ec、レジストの吐出量を1.5mlに設定し、レジス
ト吐出終了後、レジスト振切りまでの1.0secの間
の回転速度を種々変化させた。なお、その際の加速度を
30000rpm/secとした。その結果を図14に
示す。
【0072】吐出終了後の回転速度が3000rpmの
場合には、レジスト吐出後から振切り乾燥している場合
であるが、その際の回転速度が3000rpmより高い
場合、レジストは3000rpmの場合より過大に振り
切られ、膜厚は薄くなる。逆に、3000rpmより低
い場合は膜厚が厚くなる。ただし、2000rpm近傍
を境に、それより遅くなると膜厚はまた薄くなってい
く。さらに回転速度が500rpmの場合、3000r
pmの場合とほぼ同じ膜厚となる。このことから、50
0rpm以下の回転速度ではレジスト膜に対する乾燥・
振切りの効果は全くないことがわかる。したがって、レ
ジスト吐出終了後、500rpm以下に減速することに
より、膜厚調整機能を有効に発揮させることができ、上
述したような効果が得られる。すなわち、レジストの乾
燥がほとんど進行していないため、膜厚調整の自由度が
極めて高く、レジスト吐出終了時にノズル先端から液ダ
レが生じてもこれを吸収することができ、レジストの吐
出動作にばらつきが生じて吐出終了が多少ばらついた場
合でも膜厚調整機能が有効に発揮されて膜厚のばらつき
を抑制することが可能となる。
【0073】レジスト吐出のばらつきに関して、実際に
レジスト用のエアオペレーションバルブの動作にばらつ
きが生じ、吐出終了がmsecオーダーで遅れた場合に
ついて説明する。図15は、そのような場合に上述と同
様にレジスト吐出終了後にウエハの回転速度を変化させ
た結果を示す。この図に示すように、レジスト吐出終了
が遅延することにより、膜厚に対して影響があるが、レ
ジスト吐出終了後、500rpm以下に減速すれば、膜
厚のばらつきがほとんどないことが確認された。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被処理基板を回転してレジスト塗布を行うにあたり、レ
ジスト液供給終了後、被処理基板の回転速度を減速する
ことにより、膜厚を整える機能が発揮され、外周部にも
中央部と同様にレジストが保持されることとなり、レジ
スト液の供給量を少なくした場合であっても、レジスト
膜の厚さを被処理基板全域に亘って均一にすることがで
きる。したがって、レジスト液の消費量の削減に、極め
て有益である。
【0075】また、レジスト塗布に先立って、被処理基
板の表面に、その表面を濡らすための液剤、例えばシン
ナーを供給することにより、レジストがより拡散しやす
くなり、結果としてより少量のレジスト液量で均一なレ
ジスト膜を形成することができ、より一層レジストの消
費量を削減することができる。また、レジスト膜を薄く
形成することも可能となる。
【0076】さらに、減速した第2の回転速度で膜厚を
整える際に、減速の際の加速度、減速した時間、および
減速した際の回転数をパラメータとして膜厚を制御する
ので、膜厚調整の自由度が高い。この場合に、さらに、
第2の回転速度から第3の回転速度に回転速度を上げる
際の加速度を制御することによって膜厚調整の自由度を
一層高めることができる。
【0077】さらにまた、レジスト液の供給を停止した
直後に被処理基板の回転速度を減速することにより、レ
ジストの乾燥をより一層抑制することができ、膜厚の調
整を一層容易に行うことができるとともに、表面のむら
を防止することもできる。
【0078】さらにまた、減速した際の回転速度を10
00rpm以下とすることにより、膜厚調整機能を有効
に発揮させることができる。特に減速した際の回転速度
が500rpmであれば、レジストの乾燥がほとんど進
行せず、膜厚調整機能を一層有効に発揮させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体ウエハの塗
布現像処理システムの全体構成の平面図。
【図2】図1に示す塗布現像処理システムの正面図。
【図3】図1に示す塗布現像処理システムの背面図。
【図4】図1に示した塗布現像処理システムに装着した
レジスト塗布装置の全体構成の断面図。
【図5】図4に示したレジスト塗布装置の平面図。
【図6】図4に示したレジスト塗布装置の制御系の構成
を示す図。
【図7】図4に示したレジスト塗布装置の回転制御の状
態を示すグラフ。
【図8】膜厚制御のためのパラメータを示すグラフ。
【図9】レジストの実吐出終了と減速開始のタイミング
を説明するための図。
【図10】レジストの実吐出終了と減速開始のタイミン
グを説明するための図。
【図11】従来の塗布方法を採用した場合のレジスト量
1.5ccおよび0.5ccの場合のウエハ面内のレジ
スト膜厚分布を示す図。
【図12】本発明の塗布方法を採用した場合のレジスト
量0.5ccの場合のウエハ面内のレジスト膜厚分布を
示す図。
【図13】本発明を採用した場合におけるレジスト膜厚
のウエハ面内およびウエハ間の膜厚ばらつきを示す図。
【図14】レジスト吐出後のウエハの回転速度を種々変
化させた場合における、レジスト吐出終了後のウエハ回
転数とレジスト膜厚との関係を示す図。
【図15】レジスト吐出後のウエハの回転速度を種々変
化させた場合における、レジスト吐出終了後のウエハ回
転数とレジスト吐出終了の遅延時間がレジスト膜厚に及
ぼす影響との関係を示す図。
【図16】従来のレジスト塗布装置の概略構成図。
【符号の説明】
52……スピンチャック 54……駆動モータ(回転駆動手段) 86……レジストノズル 101……溶剤ノズル 130……制御部 W……半導体ウエハ(被処理基板)

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板を回転させつつ被処理基板の
    略中央にレジスト液を供給して、レジスト液を被処理基
    板の径方向外方に拡げながら塗布する工程と、 レジスト液供給停止後に、被処理基板の回転速度を一旦
    減速して膜厚を整える工程と、 その後、被処理基板の回転速度を上げて残余のレジスト
    液を振り切る工程とを具備することを特徴とするレジス
    ト塗布方法。
  2. 【請求項2】 被処理基板の表面に、その表面を濡らす
    ための液剤を供給する工程と、 液剤が供給された被処理基板を回転させつつ被処理基板
    の略中央にレジスト液を供給して、レジスト液を被処理
    基板の径方向外方に拡げながら塗布する工程と、 レジスト液供給停止後に、被処理基板の回転速度を一旦
    減速して膜厚を整える工程と、 その後、被処理基板の回転速度を上げて残余のレジスト
    液を振り切る工程とを具備することを特徴とするレジス
    ト塗布方法。
  3. 【請求項3】 前記レジスト液の供給を停止した直後に
    被処理基板の回転速度を減速することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のレジスト塗布方法。
  4. 【請求項4】 レジストの吐出終了から減速開始までの
    時間が±100msec以内であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のレジスト塗布方法。
  5. 【請求項5】 前記液剤は、被処理基板を回転しつつ被
    処理基板の略中央に供給されることを特徴とする請求項
    2に記載のレジスト塗布方法。
  6. 【請求項6】 前記被処理基板の表面を濡らす液剤は、
    シンナーであることを特徴とする請求項2または請求項
    5に記載のレジスト塗布方法。
  7. 【請求項7】 前記減速した回転速度は、1000rp
    m以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6
    に記載のレジスト塗布方法。
  8. 【請求項8】 前記減速した回転速度は、500rpm
    以下であることを特徴とする請求項7に記載のレジスト
    塗布方法。
  9. 【請求項9】 被処理基板を第1の回転速度で回転させ
    つつ被処理基板の略中央にレジスト液を供給して、レジ
    スト液を被処理基板の径方向外方に拡げながら塗布する
    工程と、 レジスト液の供給停止後、被処理基板の回転速度を第1
    の回転速度より遅い第2の回転速度に減速して膜厚を整
    える工程と、 被処理基板の回転速度を、第2の回転速度より速い第3
    の回転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る
    工程とを具備することを特徴とするレジスト塗布方法。
  10. 【請求項10】 被処理基板を第1の回転速度で回転さ
    せつつ被処理基板の略中央にレジスト液を供給して、レ
    ジスト液を被処理基板の径方向外方に拡げながら塗布す
    る工程と、 レジスト液の供給停止後、被処理基板の回転速度を第1
    の回転速度より遅い第2の回転速度に減速して膜厚を整
    える工程と、 被処理基板の回転速度を、第2の回転速度より速い第3
    の回転速度まで加速して、残余のレジスト液を振り切る
    工程とを具備し、 前記第2の回転速度で膜厚を整える際に、減速の際の加
    速度、減速した時間、および減速した際の回転数をパラ
    メータとして膜厚を制御することを特徴とするレジスト
    塗布方法。
  11. 【請求項11】 さらに、前記第2の回転速度から前記
    第3の回転速度に回転速度を上げる際の加速度を制御す
    ることを特徴とする請求項10に記載のレジスト塗布方
    法。
  12. 【請求項12】 前記第2の回転速度は、1000rp
    m以下であることを特徴とする請求項9ないし請求項1
    1のいずれか1項に記載のレジスト塗布方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の回転速度は、500rpm
    以下であることを特徴とする請求項12に記載のレジス
    ト塗布方法。
  14. 【請求項14】 さらに、レジスト塗布に先立って、被
    処理基板の表面に、その表面を濡らすための液剤を供給
    する工程を具備することを特徴とする請求項9ないし請
    求項13のいずれか1項に記載のレジスト塗布方法。
  15. 【請求項15】 前記レジスト液の供給を停止した直後
    に被処理基板の回転速度を減速することを特徴とする請
    求項9ないし請求項14のいずれか1項に記載のレジス
    ト塗布方法。
  16. 【請求項16】 レジストの吐出終了から度減速開始ま
    での時間が±100msec以内であることを特徴とす
    る請求項9ないし請求項14のいずれか1項にに記載の
    レジスト塗布方法。
  17. 【請求項17】 回転する被処理基板にレジスト液を供
    給して塗布するレジスト塗布装置であって、 被処理基板を保持する基板保持部材と、 前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、 前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
    ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、 前記レジスト液供給時に被処理基板を保持した基板保持
    部材を所定速度で回転させ、レジスト液供給終了後に基
    板保持部材の回転速度を膜厚を整えることが可能な速度
    に一旦減速し、その後基板保持部材の回転速度を上げて
    残余のレジスト液を振り切るように基板保持部材の回転
    を制御する制御手段とを具備することを特徴とするレジ
    スト塗布装置。
  18. 【請求項18】 回転する被処理基板にレジスト液を供
    給して塗布するレジスト塗布装置であって、 被処理基板を保持する基板保持部材と、 前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、 前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
    ジスト液供給に先立ってその表面を濡らすための液剤を
    供給する液剤ノズルと、 前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
    ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、 前記液剤供給時および前記レジスト液供給時にそれぞれ
    被処理基板を保持した基板保持部材を所定速度で回転さ
    せ、レジスト液供給停止後に基板保持部材の回転速度を
    膜厚を整えることが可能な速度に一旦減速し、その後基
    板保持部材の回転速度を上げて残余のレジスト液を振り
    切るように基板保持部材の回転を制御する制御手段とを
    具備することを特徴とするレジスト塗布装置。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、前記レジスト液の供
    給を停止した直後に被処理基板の回転速度を減速するこ
    とを特徴とする請求項17または請求項18に記載のレ
    ジスト塗布装置。
  20. 【請求項20】 前記制御手段は、レジストの吐出終了
    から減速ステップ開始までの時間が±100msec以
    内となるように制御することを特徴とする請求項17ま
    たは請求項18に記載のレジスト塗布装置。
  21. 【請求項21】 前記制御手段は、基板保持部材の回転
    速度を減速する際に、1000rpm以下とすることを
    特徴とする請求項15ないし請求項18に記載のレジス
    ト塗布装置。
  22. 【請求項22】 前記制御手段は、基板保持部材の回転
    速度を減速する際に、500rpm以下とすることを特
    徴とする請求項19に記載のレジスト塗布装置。
  23. 【請求項23】 回転する被処理基板にレジスト液を供
    給して塗布するレジスト塗布装置であって、 被処理基板を保持する基板保持部材と、 前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、 前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
    ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、 レジスト液供給時に被処理基板を保持した基板保持部材
    を第1の回転速度で回転させ、レジスト液の供給停止
    後、基板保持部材の回転速度を第1の回転速度より遅
    く、膜厚を整えることが可能な第2の回転速度に一旦減
    速し、その後、基板保持部材の回転速度を、第2の回転
    速度より速い第3の回転速度まで加速して、残余のレジ
    スト液を振り切るように基板保持部材の回転を制御する
    制御手段とを具備することを特徴とするレジスト塗布方
    法。
  24. 【請求項24】 回転する被処理基板にレジスト液を供
    給して塗布するレジスト塗布装置であって、 被処理基板を保持する基板保持部材と、 前記基板保持部材を速度可変に回転させる回転手段と、 前記基板保持部材に保持された被処理基板の略中央にレ
    ジスト液を供給するレジスト液ノズルと、 レジスト液供給時に被処理基板を保持した基板保持部材
    を第1の回転速度で回転させ、レジスト液の供給停止
    後、基板保持部材の回転速度を第1の回転速度より遅
    く、膜厚を整えることが可能な第2の回転速度に一旦減
    速し、その後、基板保持部材の回転速度を、第2の回転
    速度より速い第3の回転速度まで加速して、残余のレジ
    スト液を振り切るように基板保持部材の回転を制御し、
    かつ前記第2の回転速度で膜厚を整える際に、減速の際
    の加速度、減速した時間、および減速した際の回転数を
    膜厚制御のパラメータとする制御手段と、を具備するこ
    とを特徴とするレジスト塗布装置。
  25. 【請求項25】 前記制御手段は、さらに、前記第2の
    回転速度から前記第3の回転速度に回転速度を上げる際
    の加速度を制御することを特徴とする請求項24に記載
    のレジスト塗布方法。
  26. 【請求項26】 前記制御手段は、前記第2の回転速度
    を1000rpm以下とすることを特徴とする請求項2
    3ないし請求項25のいずれか1項に記載のレジスト塗
    布装置。
  27. 【請求項27】 前記制御手段は、前記第2の回転速度
    を500rpm以下とすることを特徴とする請求項26
    に記載のレジスト塗布装置。
  28. 【請求項28】 前記制御手段は、前記レジスト液の供
    給を停止した直後に被処理基板の回転速度を減速するこ
    とを特徴とする請求項23ないし請求項27のいずれか
    1項に記載のレジスト塗布装置。
  29. 【請求項29】 前記制御手段は、レジストの吐出終了
    から減速ステップ開始までの時間が±100msec以
    内となるように制御することを特徴とする請求項23な
    いし請求項27のいずれか1項に記載のレジスト塗布装
    置。
  30. 【請求項30】 前記基板保持部材に保持された被処理
    基板の略中央にレジスト液供給に先立ってその表面を濡
    らすための液剤を供給する液剤ノズルをさらに有するこ
    とを特徴とする請求項23ないし請求項29のいずれか
    1項に記載のレジスト塗布装置。
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