JP2018104218A - 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 - Google Patents

塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 Download PDF

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Abstract

【課題】板状の基材を上下方向に保持したフローコート法による基材への塗布膜の形成で、塗布液の流下方向の縁となる下辺側で、塗布膜の膜厚を薄くすることが可能な塗布方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の塗布膜付基材の製法は、塗布対象の基材を傾けるか、垂直にした状態で基材を保持し、前記基材の少なくとも一方の主面上の上辺側で、塗布膜を形成するための塗布液を吐出する主ノズルを略水平方向に相対移動させながら、前記主ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備えるものであり、前記主塗布液が、前記主塗布液の吐出位置から前記基材の主面上の下辺側に渡って、液膜として保持された状態で、主面上の下辺側に、前記主塗布液に対して希釈性のある溶剤を塗布する工程を備えること。【選択図】図1

Description

本発明は、塗布膜付基材、特に自動車の窓ガラスに適した塗布膜付基材、及びその製法に関する。
ガラス板等の基材、特に自動車用窓ガラスの表面には、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽、撥水性、防曇性の付与を目的に塗布膜が設けられる。このような塗布膜として、上下方向に保持した板状の基材の上縁にノズルを介して塗布液を流し出すフローコート法により基材に塗布液を塗布し、乾燥することにより塗布膜を形成する方法がとられている(例えば、特許文献1〜4)。
特開平7−291666号公報 特開2007−191322号公報 特開2007−176443号公報 特開2011−256060号公報
上述のようなフローコート法、すなわち、塗布対象の板状の基材を傾けるか、垂直にした状態で基材を上下方向に保持し、前記基材の少なくとも一方の主面上の上辺側で、塗布膜を形成するための塗布液を吐出する主ノズルを水平方向又は略水平方向等横方向に基材に対して相対移動させながら、前記主ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備える塗布膜付基材の製法では、塗布液が基材の上辺側から下辺側へと流れていくので、塗布膜の膜厚分布は、上辺側から下辺側に向けて漸次膜厚が厚くなるものとなりやすい。
基材を上下方向に保持したフローコート法にあっては、塗布液の流下方向で、膜厚が漸次厚くなる。さらには、下辺側は、基材の主面上を流動する塗布液の縁となることから、塗布液の液溜りが生じやすくなる。この塗布方法では、下辺側の膜厚が厚いものとなりやすいので、塗布液の乾燥、固化の過程で、塗布膜の下辺側でクラックが生じやすくなる。下辺側にクラックが生じると、そのクラックを起点にして、塗布膜全体にわたって、ヒビや割れが生じやすくなる。
本発明は、板状の基材を上下方向に保持したフローコート法による基材への塗布膜の形成であっても、塗布液の流下方向の縁となる下辺側で、塗布膜の膜厚を薄くすることが可能な塗布方法、ひいては、自動車のドアの開閉可能な窓ガラスに適した塗布膜付基材を提供することを課題とする。
本発明の塗布膜付基材の製法は、塗布対象の基材を傾けるか、垂直にした状態で基材を保持し、前記基材の少なくとも一方の主面上の上辺側で、“塗布膜を形成するための塗布液(以下、「主塗布液」と表記)”を吐出する主ノズルを略水平方向に相対移動させながら、前記主ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備えるものであり、
前記主塗布液が、前記主塗布液の吐出位置から前記基材の主面上の下辺側に渡って、液膜として保持された状態で、主面上の下辺側に、前記主塗布液に対して希釈性のある第二の溶剤(以下、「第二副塗布液」と表記)を塗布する工程を備えることを特徴とする。
本発明の塗布膜付基材の製法の要旨は、フローコート法による塗布で形成された、主塗布液による液膜が基材の主面に保持された状態で、下辺側に第二副塗布液を塗布し、下辺側での主塗布液による液膜の厚みを薄くすることで、形成される塗布液の下辺側の厚みを薄くするというものである。下辺側は、基材の主面上を流動する主塗布液の縁となることから、塗布液の液溜りが生じやすいものとはなるが、第二副塗布液を下辺側に塗布することで、液溜りによる問題を回避しやすくなる。その結果、塗布膜の下辺側では、クラックが生じにくいものとなり、ひいては、塗布膜の外観品質の向上につながるという効果が生じる。尚、本発明における「少なくとも一方の主面」の「主面」とは、基材の面全体のことで、「少なくとも一方」とは、基材の片側だけでも、両面でもよい、ということを意味している。
また、本発明の塗布膜付基材の製法は、さらには、主塗布液を前記基材の主面上に吐出する前に、“主塗布液に対して希釈性のある第一の溶剤(以下、「第一副塗布液」と表記)”を吐出する副ノズルを、前記副ノズルを略水平方向に相対移動させながら、前記副ノズルから前記第一副塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備えるものとし、前記主ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程は、前記主面上に前記溶剤による液膜が保持された状態で行うものとすることが好ましい。
この好ましい態様では、第一副塗布液をフローコート法で塗布にして、“第一副塗布液による液膜(以下、「下地液膜」と表記)”を基材に形成し、下地液膜上に主塗布液をフローコート法で塗布して、主塗布液による液膜が形成される。下地液膜も、塗布を始める上辺側から下辺側に向けて漸次膜厚が厚くなる。この下地液膜は、この上に塗布される主塗布液を希釈していくことになるので、主塗布液を塗布した後は、基材上の塗布液中の固形分濃度は、塗布を始める上辺側から下辺側に向けて漸次減少する。
結果、基材に塗布された塗布液を乾燥及び固化させた後に形成される塗布膜の膜厚は上辺側から下辺側に向けて漸次膜厚が厚くなるものとはならず、比較的フラットな膜厚分布を有する塗布膜を形成できるようになる。また、下辺側において、塗布膜の膜厚が厚くなるのを抑制しやすいものとなる。
さらには、主ノズルの吐出位置を調整することで、塗布膜付基材の非塗布領域を、副ノズルの吐出位置を調整することで、塗布膜の膜厚徐変部(塗布を始める上辺側から下辺側に向けて膜厚が漸次厚くなる領域)と、塗布膜の膜厚分布が比較的フラットな部位とを任意に設定することができる。また、下地液膜上に塗布された主塗布液は、下地液膜が形成された領域だけに塗り広がるので、基材上に形成される下地液膜の形成領域を、主塗布液の塗布領域とすることができる。例えば、基材の主面上の側辺側に下地液膜を形成しなかった場合、下地液膜を形成しなかった主面の側辺側領域を塗布膜の非塗布領域とすることができる。
本発明の塗布膜付基材は、前記の方法で製造することができ、自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用されるものであり、前記ドアの上部フレームの収納部内に前記基材が収納される領域は、塗布膜が非塗布領域となっている塗布膜付基材において、
前記塗布膜は、塗布膜を形成するための塗布液を吐出するノズルを基材に対して相対移動させながら前記ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を経て形成されたものであり、
前記塗布膜は、塗布膜の上辺側周縁部において、前記非塗布領域に向かって、膜厚が徐々に小さくなる第一膜厚徐変部を有し、前記膜厚徐変部の開始位置は、塗布膜の上辺側周縁部から鉛直方向に、5〜200mmの範囲にあって、塗布膜の上辺側周縁部と膜厚徐変部の開始位置とは略平行な関係にあり、
さらには、前記塗布膜は、塗布膜の下辺側において、下辺側に向って、膜厚が徐々に小さくなる第二膜厚徐変部と、第二膜厚徐変部と下辺との間に下辺側平坦部とを有することを特徴とする。
塗布膜の機能性を発揮させるためには、塗布膜のほとんどの領域では、一定の膜厚があることが好ましい。しかしながら、非塗布領域近くの塗布膜は、光学的な歪を抑制するために、膜厚が分布していることが好ましい。具体的には、塗布膜の上辺側周縁部において、前記非塗布領域に向かって、膜厚が徐々に小さくなる第一膜厚徐変部を有しているものとしている。また、この塗布膜付基材は、塗布膜の下辺側を、第二膜厚徐変部と、第二膜厚徐変部と下辺との間に下辺側平坦部とすることで、下辺側周縁部での塗布膜の膜厚を薄いものとしている。そのため、下辺側で、クラックが発生し難くなり、ひいては、塗布膜の外観品質を向上せしめる。
前記の方法では、基材下辺側にあっては、塗布された主塗布液の大部分が、第二副塗布液によって押し流されて基材から除去される。基材上には、除去しきれなかった主塗布液が残り、これに起因して概略平坦な膜厚分布を有する下辺側平坦部が形成されることになる。そして、主塗布液と第二副塗布液とによる液膜の表面張力によって、前記下辺側平坦部と、膜厚を薄くする処理をされなかった塗布膜領域との膜厚を調整するように、第二膜厚徐変部が形成されるようになる。
第一膜厚徐変部の開始位置は、塗布膜の上辺側周縁部から鉛直方向に、好ましくは5〜150mm、より好ましくは5〜50mmの範囲にあって、塗布膜の上辺側周縁部と膜厚徐変部の開始位置とは略平行な関係とする。200mm超では、膜の性能を確保する範囲が狭くなってしまうという傾向がある。
また、基材の主面と第一膜厚徐変部の塗布膜と成す角を、0.0005〜0.02°、さらには0.0005〜0.015°、またさらには0.0015〜0.002°とすることが好ましい。0.0005°未満では、膜厚が薄く性能が低下する傾向があるし、0.02°超では、膜厚が厚くなるため、膜とガラス面との境界でひっかかりが生じやすくなることや、膜歪みが生じやすくなる、という傾向がある。
本発明の塗布膜付基材の製法は、自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用される塗布膜付基材において下辺側の塗布膜の膜厚が厚くなるのを抑制できるので、クラックの発生を抑制しやすく、塗布膜の外観品質の向上に奏功する。また、前記塗布膜の形成を、片側とする場合、自動車用途にあっては、塗布膜の形成は、車内側面とすることが、特に有用である。
基材2に対して、主ノズル50、副ノズル60を水平方向に相対移動させなら、主塗布液、副塗布液を吐出する状態を模式的に表したものである。 基材2を側辺2b側から観察したもので、主ノズル50、副ノズルを基材2に対して相対移動させるときの各ノズルの配置位置を模式的に表したものである。 基材2を側辺2b側から観察したもので、下地液膜62上に、主塗布液による液膜52を形成したときの状態を模式的に表したものである。 本発明の塗布膜付基材例を模式的に表したものである。 図4のXY断面の形状につき、上辺側を模式的に表したものである。 基材の主面上の側辺側に塗布膜の非塗布領域を形成する場合の、主ノズル50、副ノズル60の基材2に対して相対移動させながら主塗布液、副塗布液を吐出する状態を模式的に表したものである。 基材2に対して、主ノズル50、副ノズル60を水平方向に相対移動させなら、主塗布液、副塗布液を吐出する状態につき、図6とは別の態様を模式的に表したものである。 基材2に対して、主ノズル50、副ノズル60を水平方向に相対移動させなら、主塗布液、副塗布液を吐出する状態につき、図6とは別の態様を模式的に表したものである。 側辺側に非塗布領域4を有する塗布膜付基材1を模式的に表したものである。 塗布膜付基材1がドアの上部フレームの収納部内に収納される際の構造の要部を概略的に示す図である。 塗布膜付基材1がドアの側部フレームの収納部内に収納される際の構造の要部を概略的に示す図である。 図4のXY断面の形状につき、下辺側を模式的に表したものである。
本発明の具体的な実施態様を以下に詳述する。
1.塗布膜付基材の製法に使用される材料例
<基材例>
本発明の塗布膜付基材の製法に使用される板状の基材は、例えば、ガラス基材の場合には、建築用や車両用の窓や鏡に使用されているフロ−ト法、又は、ロ−ルアウト法で製造されたソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、表示装置のカバーガラスや基板ガラスに使用されているソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等無機質の透明性がある板ガラスを使用できる。当前記板ガラスには、無色のもの、着色のもの共に使用可能である。
板状の基材の形状は、特に限定されるものではないが、上辺2a、側辺2b、2c、下辺2dを備えるものが好適に使用される。各辺は、より大きな基材から切断されて形成された切断面であり、その切断面は、研削や研磨が施されていてもよい。また、基材として、平板も、湾曲している板も、どちらも使用することができる。湾曲している基材の場合、塗布膜の形成は、凸面側としてもよいが、当該基材が自動車用の窓ガラスとして使用されるときは、凹面側が室内側面となるので、塗布膜の形成は、凹面側面とすることが好ましいものとなる。さらには、風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の各種強化ガラスの他に網入りガラスも使用できる。さらには、ホウケイ酸塩ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス、低膨張結晶化ガラス、ゼロ膨張結晶化ガラス、TFT用ガラス、PDP用ガラス、光学フィルター用基材ガラス等の各種ガラス基材を用いることができる。
また、ガラス板基材以外にポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂板基材を使用してもよい。
<主塗布液例>
主塗布液は、基材への塗布後に、乾燥及び固化させることで塗布膜が形成せしめるものであり、塗布膜となる固形分または硬化性化合物と溶媒とを備えるものであれば限定されるものではない。
主塗布液としては、例えば、自動車用の被膜形成で一般的に用いられるアルコキシド化合物を加水分解及び重縮合反応させてオリゴマーを有する塗布液やポリシラザンなどの酸化ケイ素を主成分とする被膜を形成するものなどが用いられる。その他にもエポキシやウレタンなどの被膜を形成する塗布液が挙げられる。
<第一副塗布液、第二副塗布液>
第一、第二副塗布液は、主塗布液を希釈する機能を有するものであり、主塗布液の種類により選択される。第一、第二副塗布液は、前記主塗布液を硬化または相分離させることなく希釈できる溶媒で、且つ前記基材との濡れ性が高い、即ち接触角が30°以下のものが好ましく用いられる。尚、前記接触角は、JIS R 3257(1999年)の静滴法に準拠した方法によって求めることができる。
主塗布液の溶媒と、第一、第二副塗布液とは、それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が近いほど好ましい。主塗布液と第一副塗布液とのSP値の差、及び主塗布液と第二副塗布液とのSP値の差、それぞれとも、1.5(cal/cm1/2未満であることが好ましい。このSP値の差が1.5(cal/cm1/2以上の場合、主塗布液中の固形分が溶解できなくなって、固形分の析出または、液の相分離が生じやすくなる。前記SP値の差は、好ましくは1.0(cal/cm1/2以下、より好ましくは0.5(cal/cm1/2以下が望ましい。主塗布液の溶媒と第一、第二副塗布液は同一の物質であってもよい。
なお、SP値は、一般的に知られる溶解度パラメーターで、溶解性や相溶性の指標となる。SP値は、液体の蒸発熱から計算する方法や、分子構造に基づいて算出するHansen法やHoy法、Small法、Fedorの推算法等が知られている。本発明においては、例えばR.F.Fedors:Polym.Eng.Sci.,14(2),147−154(1974)に記載されている、分子構造から算出するFedorの推算法を用いた。なお、本発明に関して規定しているSP値は25℃の測定条件で求めた値である。
第一、第二副塗布液は、基材との濡れ性が高いものが好ましい。基材の濡れ性は、基材に対す接触角が30°以下が好ましい。さらには20°以下が好ましい。接触角が大きい場合、副塗布液の液膜が分裂し易く、塗布液を大量に要するため、好ましくない。
第一、第二副塗布液は、主塗布液の種類により選択される。例えば、主塗布液がポリシラザン(メルクパフォーマンスマテリアルズ製NP110)の場合、主塗布液中の溶媒としてキシレン(SP値:9.1(cal/cm1/2)を用いており、副塗布液として、SP値が等しいキシレン(SP値:9.1(cal/cm1/2)やn−ヘキサン(SP値:7.2(cal/cm1/2)、シクロヘキサノン(SP値:9.8(cal/cm1/2)、2−ヘプタン(SP値:8.5(cal/cm1/2)などが好ましい。
2.塗布膜の形成
<主ノズル、副ノズルについて>
主ノズルおよび副ノズルに使用されるノズルは、主塗布液、第一副塗布液を吐出できるものであれば、特に制限されるものではない。単数のノズル、複数本のノズルが並列された複合ノズル、幅が広いスリット状の吐出口を有するスリットノズル等が使用される。主、副ノズル径は、0.5mmφ〜5mmφが好ましく、1mmφ〜2mmφがより好ましい。副塗布液を塗布する場合、液割れを生じさせてはならないため、副ノズルのノズル径は主ノズルよりも太い方が好ましい。
<ノズルの操作と塗布液の基材への塗布>
主ノズル、副ノズルを用いた、基材への主塗布液、第一副塗布液への塗布について、図面を用いて説明する。図1は、上辺2a、側辺2b、側辺2c、下辺2dを有する自動車の窓ガラスとして用いられる基材2に対して、主ノズル50、副ノズル60を横方向に基材2の主面の傾斜した上辺2aの略平行に相対移動させなら、主塗布液、第一副塗布液を吐出する状態を模式的に表したものである。この図では基材2が上下方向に保持され静置された状態で主ノズル50、主ノズル50の下方の位置の副ノズル60が横方向に相対移動された状態を表している。主ノズル50、及び副ノズル60を基材2に対して相対移動させる際は、ノズルの吐出口が対向する辺(図1の場合は、上辺2a)から間隔を塗布液が吐出されない領域として空け、且つ対向する辺に略平行に沿うように基材に対して相対移動させることで、塗布膜の非塗布領域を形成することがきる。
尚、基材2が正方形、長方形等矩形の場合は、ひとつの辺を上辺側として基材を上下方向に保持し、主ノズル50、副ノズル60を上辺側とした辺に対して、水平方向又は略水平方向に相対移動させる。この態様は、塗布膜付基材が、表示装置用の基材や、建材として使用される場合に有効となる。
図2は、基材2を側辺2b側から観察したもので、主ノズル50、副ノズルを基材2に対して相対移動させるときの各ノズルの配置位置を模式的に表したものである。図3は、基材2を側辺2b側から観察したもので、下地液膜62上に、主塗布液による液膜52を形成したときの状態を模式的に表したものである。
図1〜図3に示すように、上下方向に保持された板状の基材の上面(基材2の主面の上辺2a側の領域)にて、副ノズル60を、基材2に対して、相対移動させながら、すなわち、下地液膜62の最上辺61(膜厚徐変部の最下辺61)に沿って副ノズル60を横方向に相対移動しながら、副塗布液を吐出する。副塗布液は重力によってガラス主面を基材2の下辺2d側に流れていく。この際に生じる下地液膜の膜厚は、下方ほど、厚くなる。下地液膜62の最上辺61(図1に破線で示す)は、塗布膜の膜厚分布が比較的フラットな部位の始点となる位置であり、塗布膜の見栄えからすると、基材2の上辺2aとは、略平行の関係とすることが好ましい。
下地液膜62が基材2に保持された状態で、主ノズル50を、基材2に対して、相対移動させながら、すなわち、膜厚徐変部の最上辺51(図1に実線で示す)に沿って主ノズル60を横方向に相対移動しながら、主塗布液を吐出する。この際、主ノズル50からの主塗布液の吐出を、副塗布液を塗布した領域外、例えば、主ノズル50を相対移動させる位置を、下地膜62が形成されていない領域(最上辺61と上辺2aとの間)で行えば、塗布膜の最上辺の部位(図面にあっては、膜厚徐変部の最上辺51に相当する。)の形状(見切り形状とも呼ばれる)が滑らか線形状とすることができ、塗布膜付基材の見栄えを向上できる。
主塗布液は、重力によってガラス主面を基材2の下辺2d側に流れていく。この際に生じる主塗布液の液膜52の膜厚は、下方ほど、厚くなる。下地液膜62と、主塗布液の液膜52は混ざり合うので、塗布膜を形成するための塗布液中の固形分の濃度は、下方ほど薄くなる。その結果、膜厚徐変部の最上辺51と膜厚徐変部の最下辺61との間にある膜の膜厚分布(「第1の膜厚分布」とする)と、膜厚徐変部の最下辺61から、基材の下辺2d側にある膜の膜厚分布(第2の膜厚分布)とする)は異なるものとなる。尚、図1に示す通り、基材の上辺2aと膜厚徐変部の最上辺51との間は、塗布膜が形成されない非塗布領域4となる。
各ノズルの基材2に対する相対移動、及び各塗布液の吐出は、基材の上辺2a側だけでもよいし、図6〜図8に示すように、主ノズル50及び副ノズル60からなる群から選ばれる少なくとも一つを基材2に対して縦方向に相対移動させる工程を含む方法としても良い。それらの相対移動の軌跡は、図6〜図8の各図で示す、破線、実線の矢印で示したようになる。
例えば、図6は、基材の主面上の側辺側にも塗膜の非塗布領域を形成する場合の、主ノズル50、副ノズル60の基材2に対して相対移動させながら主塗布液、副塗布液を吐出する状態を模式的に表したものである。副ノズル60を、側辺2cから任意の間隔を副塗布液が吐出されない領域として空けて、基材2の下辺側から側辺2cに沿うように基材2に対して相対移動させながら副塗布液を吐出する。その後、基材の上辺2a側から任意の間隔を副塗布液が吐出されない領域として空けて、上辺2aに沿うように副ノズル60を基材2に対して相対移動ささながら副塗布液を吐出し、さらに、側辺2bから任意の間隔を副塗布液が吐出されない領域として空けて、基材2の上辺側から側辺2bに沿うように基材2に対して相対移動させながら副塗布液を吐出して、下地液膜を形成する。下地液膜が形成された後、主ノズル50を基材の上辺2a側から任意の間隔を主塗布液が吐出されない領域として空けて、上辺2aに沿うように主ノズル50を基材2に対して相対移動ささながら主塗布液を吐出する。このような塗布方法とすることで側辺2b、2c側に非塗布領域4を形成することできる。ここでの任意の間隔は、塗布膜付基材1が、膜厚徐変部31、非塗布領域4が所定の領域を形成するように設けられる。これらの所定の領域の大きさ等は、塗布膜付基材1が説明される箇所にて説明される。
基材の主面上の側辺側にも塗膜の非塗布領域を形成する場合の態様として、図7に示すように主ノズル50を副ノズル60と同様の軌跡で基材2に対して相対移動させる態様としてもよいし、図8に示すように側辺2b側、側辺2c側にて各ノズルを基材2に対して縦方向に相対移動させて基材の側辺2b、2c側に液を吐出した後に、基材の上辺2a側にて各ノズルを基材2に対して横方向に相対移動させて基材に液を吐出する方法としても良い。下地液膜上に塗布された主塗布液は、下地液膜が形成された領域だけに塗り広がるので、側辺2b、2c側に非塗布領域4を有する塗布膜付基材を効率良く製造するためには、図6に示す方法がより好ましい。
各塗布液の吐出時において、各ノズルが側辺2b、2cに近い位置にあるとき(例えば、側辺から垂直方向に0〜10mmの位置にあるとき)は、各ノズルの向きを、基材の内側方向に向ける等の操作を行って、各ノズルからの液の吐出方向を基材2の内側方向となるように傾きを設けることが好ましい。こうすることにより、主塗布液、副塗布液の塗布対象面の裏側に液が回りこむことを防止しやすくなる。
各ノズルの相対移動のスピード、基材2に対する各塗布液の吐出角度、基材2と各ノズルの吐出口との距離、液の吐出圧は、吐出される液の粘度、各ノズルからの液の吐出量、基材2の設置角度、液塗布時の液割れの発生度合い、形成される塗布膜の光学的な歪み、膜厚などを考慮して適宜決定される。
尚、塗布液を塗布するときは、板状の基材2は、図1、6、7、8に示したように基材2の側辺2c、2dが水平方向を示す基準線7に対して垂直となる状態(基準線71に沿うような状態)で保持されることが好ましい。このように保持することで、塗布液の塗布面から反対側の面に塗布液が回り込むことを防止しやすくなる。また、板状の基材2が湾曲している場合、図2、図3に示したように基材2の側辺2c、2dの上部が水平方向を示す基準線7に対して垂直になる状態で基材を保持することが好ましい。このように保持することで、塗布液のスムーズな流下が生じ、塗布効率が上がる。尚、図1、2、3、6、7、8には、水平方向を示す基準線7に対して垂直な方向を示す補助線71も合わせて示している。
以上では、主塗布膜を塗布する前に、第一副塗布液を用いて下地液膜を形成する方法を述べた。比較的フラットな膜厚分布を有する塗布膜を形成するためには、この方法とすることが好ましいことは言うまでもない。しかしながら、第一副塗布液を用いて下地液膜を形成することなしに、主塗布液を基材2に塗布する方法としてもよい。この場合、主塗布液の吐出位置、すなわち最上辺51から下辺2dに向って漸次膜厚が厚くなる膜構造、すなわち第一膜厚徐変部31が、第二膜厚徐変部の開始位置まで広がる構造となる。
<下辺2d側の基材2主面周縁部への第二副塗布液の塗布>
主塗布液による液膜52が、主塗布液の吐出位置、すなわち最上辺51から、基材2の主面上の下辺2d側の縁に渡って保持された状態で、主面上の下辺側に、第二副塗布液を塗布する。第二副塗布液が塗布された領域では、液膜52の大部分が基材から除去され、前項で説明したとおり、第二膜厚徐変部と、第二膜厚徐変部と下辺との間に下辺側膜厚平坦部が形成される。第二副塗布液は、主塗布液、第一副塗布液の塗布と同様に、ノズルから吐出することで、塗布エリアに塗布することができる。第二塗布液の基材2への塗布は、第二塗布液を吐出するためのノズルを下辺2dと略平行に相対移動させながら、第二塗布液を基材に吐出する方法とすることが好ましい。第二塗布液を吐出するためのノズルは 主ノズル50、副ノズル60と同様の構造のものとしてよい。またその他の方法として、第二副塗布液がしみ込んだ布を基材2の塗布エリアに払拭させる方法としてもよい。
図12に、図4に示した塗布膜付機材1のXY断面の形状につき、下辺側を模式的に表したものを示す。塗布膜付基材1は、下辺2d側に、第二膜厚徐変部の開始位置63を備える第二膜厚徐変部33、下辺側膜厚平坦部の開始位置64(第二膜厚徐変部の終点部でもある)から、下辺2dの縁に渡って、膜厚分布が概略平坦な下辺側平坦部34を備えている。下辺側平坦部34の膜厚は、0.1μm〜2μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満の下辺側平坦部34を形成することが難しく、他方、膜厚が1.5μm超の膜厚平坦部34を得ようとすると、塗布膜の形成過程で下辺2d側で液溜りが生じることがあり、膜厚平坦部34の平滑性が悪くなることがある。これらを考慮すると、下辺側平坦部34の膜厚は、0.3μm〜1.5μmとしてもよい。
また、第二膜厚徐変部33の開始位置63は、第二副塗布液の塗布領域に依存する。開始位置63は、基材の下辺2d(図12の場合、基材2の主面と下辺2dとの境界、すなわち主面の縁を基点に考える)から鉛直方向に、1〜60mmの範囲になるように、第二副塗布液が塗布されることが好ましい。開始位置63が、下辺2dから鉛直方向に1mm未満となるようにすることが難しいものであり、他方、開始位置63が、下辺2dから鉛直方向に60mm超の場合、塗布膜3が本来発揮すべき機能を奏する領域が狭いものとなりやすい。これらを考慮すると、開始位置63は、基材の下辺2dから鉛直方向に、好ましくは3〜57mm、さらに好ましくは5〜55mmの範囲になるように、第二副塗布液が塗布されることが好ましい。
主塗布液と第二副塗布液とによる液膜の表面張力によって、前記下辺側平坦部と、膜厚を薄くする処理をされなかった塗布膜領域との膜厚を調整するように、第二膜厚徐変部が形成されるようになることから、下辺側膜厚平坦部の開始位置64は、開始位置63の位置と、「主塗布液の溶媒と、第二副塗布液とのSP値の差」とに依存することになる。開始位置64は、開始位置63から下辺2dに向って鉛直方向に好ましくは0.1〜55mm、より好ましくは0.5〜50mm、さらに好ましくは1〜20mmの位置とされる。
<塗布後の工程>
主塗布液の基材2への塗布後は、副塗布液の溶剤、主塗布液の溶媒を蒸発させる乾燥工程、基材2に塗布された塗布液を塗布膜とするための固化工程が行われる。これら工程の前に基材2に塗布された塗布液の均質性を向上させるためのレベリング工程を設けてもよい。レベリング工程では、基材2を水平または傾けて、一定時間保持(例えば、室温で1〜20分間程度)される。
前記乾燥工程は、基材2の室温保持や、基材2に塗布された塗布液を加熱することで行ってもよいし、前記固化工程と同時に行ってもよい。前記固化工程は、前記固形分の種類に応じて、加熱、UV照射、過熱水蒸気の付与等が適宜選択される。
3.塗布膜付基材の構成について
本発明の塗布膜付基材の製法によると、基材の主面上に塗布膜の非塗布領域を備える塗布膜付形成基材をしやすい。このような塗布膜付形成基材は、自動車のドアの開閉可能な窓ガラス(例えば、自動車のサイドドアに設置される上下にスライド可能な窓ガラス)として好適に使用できる。このようなドアには、窓ガラスのフレームがあり、ドア上方には、窓ガラスを収納するための収納部8(ランチャンネル)がある。窓ガラスが収納される領域は、塗布膜が非塗布領域となっていることが好ましい。以下に本発明の塗布膜付基材を、図面を用いて説明する。図4は、塗布膜付基材を塗布膜が形成された主面側から観察したときの模式図である。図5は、塗布膜付基材1をXYに切断したときの断面要部を模式的に表したものである。
塗布膜3において、第1の膜厚分布を形成する部位は、塗布膜の上辺2a側周縁部において、非塗布領域4に向かって、膜厚が徐々に小さくなる第一膜厚徐変部31に相当する。第一膜厚徐変部31の開始位置は、塗布膜の上辺側周縁部から鉛直方向に、5〜200mmの範囲にあって、短ければ短い程好ましい。0〜5mm未満の場合、基材の主面と膜厚徐変部の塗布膜と成す角が大きくなり、膜厚徐変部の光学歪みが生じやすく、塗膜の見栄えが悪くなる傾向がある。また、塗布膜の上辺側周縁部と膜厚徐変部の開始位置とは略平行な関係とし、基材の主面と膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.0005〜0.02°にあることが好ましい。基材の主面と膜厚徐変部の塗布膜と成す角は、表面粗さ測定機(小坂研究所製サーフコーダーET4000A等)を用いて、膜厚徐変部の種々位置での膜厚を測定し、膜厚徐変部の最上辺51からの距離と膜厚との関係から角度を求めることができる。
塗布膜3において、膜厚徐変部以外、すなわち、膜厚上辺部の最下辺61より下部の領域(図5中の破線よりも下の領域)を膜主部32とする。この膜主部32において、その膜厚は、好ましくは、2.5〜5.5μm、より好ましくは、3.5〜5.0μmとされる。2.5μm未満では、塗布膜の機能に膜厚依存性がある場合に、所望の性能を得にくくなり、5.5μm超では塗布膜3に光学的な歪みや、クラックが生じやすくなる。また、膜主部32の膜厚の標準偏差は、好ましくは0.5以下、より好ましくは、0.3以下とされる。0.5を超えると光学的な歪みが生じやすくなる為、日本工業規格JIS R3211(1998年改正版)の透視歪み試験および二重像試験を満足しないという傾向があるからである。
尚、本発明において、膜厚徐変部の開始位置、すなわち、膜厚徐変部の最下辺61位置は、第一膜厚徐変部31と非塗布領域4との境界域から鉛直方向に、距離と膜厚との関係をグラフ化した後、膜厚主部32の中央部における切片と、第一膜厚徐変部31における切片とが交わる位置として定義づけることができる。また、膜厚の標準偏差は、膜厚主部32の任意の10箇所(各任意点は近接しすぎないように選択する)の膜厚を測定し、標準偏差の公式を用いて求めることができる。
塗布膜付基材1が、自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用される場合、非塗布領域4は、図10に示すようにドアの上部フレームの収納部(ランチャンネル)8に収納される領域となる。図10は、塗布膜付基材1がドアの上部フレームの収納部内に収納される際の構造の要部を概略的に示す図で、前記ランチャンネル8は、断面略コ字状の構造を備えている。図10に示される塗布膜付基材1の端面は、図4に示したXYに基材1を切断した場合に現れる断面を表したものである。
基材1の厚さ方向両側から摺動可能に挟持する一対のシールリップ81と外側リップ82とを有し、シールリップ81は非塗布領域4と接する構造となっている。図10では、第一膜厚徐変部31がランチャンネル8に収納されない構造を示したが、第一膜厚徐変部31の一部も、ドアの上部フレームの収納部内に収納される領域となってもよい。その場合、第一膜厚徐変部31の一部でドアの上部フレームに収納される領域は、第一膜厚徐変部31開始位置から、0(超)〜10mmが好ましく、0(超)〜5mmがより好ましい。この構成とすれば、第2の膜厚分布を形成する部位を多めに設定することができる。 塗布膜付基材1は、ドアの側辺フレームの収納部内に前記基材が収納される領域にも塗布膜の非塗布領域を備えるものであってもよい。
さらに、図4に示した塗布膜付基材1の別の態様である、側辺2b、2c側に非塗布領域4を有する塗布膜付基材1を説明する。図9は、該塗布膜付基材1を塗布膜が形成された主面側から観察したときの模式図を示すものである。塗布膜付基材1が自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用される場合、側辺2b、2c側の非塗布領域4は、ドアの側部フレームの収納部(ランチャンネル)8に収納される領域となる。図11は、塗布膜付基材1がドアの側部フレームの収納部内に収納される際の構造の要部を概略的に示す図で、前記ランチャンネル8は、断面略コ字状の構造を備えている。そして、基材1の厚さ方向両側から摺動可能に挟持する一対のシールリップ81と外側リップ82とを有し、シールリップ81は非塗布領域4と接する構造となっている。尚、図11に示される塗布膜付基材1の端面は、図9に示したvwに基材1を切断した場合に現れる断面を表したものである。
自動車のドア内を上下方向に移動させて基材(ガラス)の開閉を行う仕様においては、塗布膜付基材の側辺部は、上辺部よりも当業者には懸念されてこなかった。なぜなら、塗布膜付基材においてシールリップ81と接する部位に関しては、側辺領域にある塗布膜3は、塗布膜が基材2から剥離することのない程度の強度を有していれば、塗布膜3の当該部位に傷がついたとしても、その傷は車両の使用者に視認されることはないからである。しかしながら、塗布膜3の表面は、基材表面よりも滑り性が劣るので、塗布膜付基材1のスムーズな昇降を求めた場合、側辺2b、2c側に非塗布領域4を有する塗布膜付基材1は好ましい構造のものとなる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。実施例および比較例で得られた塗布膜付基材については、次の<1>、<2>の評価を行った。
<1>塗布膜の膜厚および膜厚分布の測定
小坂研究所製サーフコーダーET4000Aを用いて、塗布膜付基材の塗膜の膜厚を測定した。
<2>塗布膜時基材の光学的歪み、クラックの有無の確認
目視観察にて、塗布膜付基材の塗膜にクラックや歪みや着色や白濁(塗布膜中で紫外線吸収剤が凝集等により均一に分散されていない)等の外観上の不具合がないかどうか確認した。
実施例1
1)基材の準備
厚み3.1mm、サイズ943mm×512mm、曲げ率2500Rの湾曲した自動車ドアガラスとして使用されるガラスを基材2とした。
2)主塗布液の準備
トリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN460(BASF社製)を2.2g、TINUVIN477を0.6g、TINUVIN292を0.6g、溶媒として2−ヘプタノンを19.4g、メチ
ルエチルケトンを19.4g混合し、30分間攪拌し、攪拌したものにスリップ剤(信越化学工業株式会社製 KP109)を0.2g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(以下、MMB)で希釈されたSi−O−B結合を含むエポキシ樹脂組成物(ニットーボーメディカル株式会社製)を48.5g、MMBで希釈された固形分20wt%のスズドープ酸化インジウム(ITO)分散剤(三菱マテリアル株式会社製)を9.1g混合し、30分間攪拌し、紫外線・赤外線吸収塗布液を得、これを主塗布液とした。
3)第一副塗布液、第二副塗布液の準備
第一副塗布液、第二副塗布液として、主塗布液の溶媒と同一の2−ヘプタノンを用いた。この液は、第一副塗布液として基材に塗布しても、主塗布液を塗布するまでに揮発はせず、液割れも生じないものであった。
4)第一副塗布液および主塗布液の基材への塗布
基材を研磨し洗浄し乾燥させた後、図1に示したように基材2の側辺2c、2dが水平方向を示す基準線7に対して垂直となる状態、加えて、図2、図3に示したように基材2の側辺2c、2dの上部が水平方向を示す基準線7に対して垂直となる状態(基準線71に沿うような状態)で基材を立てかけて保持し、副ノズル60を基材の上辺2aから鉛直方向に15mm下方で、上辺2aの形状に略平行に沿うように100mm/秒の速度で相対移動をし、2mmφの吐出口を備える副ノズル60から流量を5g/秒として第一副塗布液を吐出し、基材に第一副塗布液を塗布した。
基材2に第一副塗布液が保持された状態で、主ノズル50を基材の上辺2aから鉛直方向に10mm下方で、上辺2aの形状に略平行に沿うように100mm/秒の速度で相対移動をし、2mmφの吐出口を備える主ノズル50から流量を2g/秒として主塗布液を吐出し、基材に主塗布液を塗布した。
主塗布液による液膜52が、主塗布液の吐出位置、すなわち最上辺51から、基材2の主面上の下辺2d側の縁に渡って保持された状態で、5分間静置後、主面上の下辺2dから鉛直方向に5mm上方に副ノズル60を設置し、下辺2dの形状に略平行に沿うように250mm/秒の速度で相対移動をし、吐出口から、流量を2.5g/秒にて、第二副塗布液を吐出し、基材に第二副塗布液を塗布した。
5)塗布された塗布液のレベリング工程、および乾燥工程と固化工程
塗布工程の後、下辺側の側辺が垂直になる状態で基材を立てかけて保持し、20分間レベリングさせた後に、上記基材の表面温度を180℃まで5分間予備加熱する。予備加熱工程の後に、180℃で10分間上記基材を過熱水蒸気に曝すことにより上記塗膜を硬化させ、塗布膜を形成し、塗布膜付基材を得た。
得られた塗布膜付基材1は、上辺2a側に非塗布領域4が形成され、見切り形状(膜厚徐変部の最上辺51に相当)が滑らかな曲線状で見栄えの良いものであった。また、主ノズル50と副ノズル60を相対移動させた間は、膜厚徐変部となり、基材2の主面と第一膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.001°、下辺側平坦部の膜厚は、0.8μm(開始位置63は、下辺2dから鉛直方向に5mmの位置、開始位置64は、開始位置63から下辺2dに向って鉛直方向に1mmの位置)であった。また、その他の塗布膜形成領域の膜厚は、3.5〜4.5μmで、比較的フラットな膜形状で、膜厚の標準偏差は0.19であった。また、塗布膜は、クラック、歪み、着色、白濁が目視では発見しづらく、見栄えの良いものであった。
実施例2
第一副塗布液を基材2に塗布しない以外は、実施例1と同様の操作をし、塗布膜付基材1を得た。塗布膜3は、最上辺51から開始位置63に向って漸次膜厚が上昇するものとなった(最上辺51から開始位置63までが第一膜厚徐変部となる)。基材2の主面と第一膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.001°、下辺側平坦部の膜厚は、0.8μm(開始位置63は、下辺2dから鉛直方向に5mmの位置、開始位置64は、開始位置63から下辺2dに向って鉛直方向に1mmの位置)であった。塗布膜は、クラック、歪み、着色、白濁が目視では発見しづらく、見栄えの良いものであった。
比較例1
第二副塗布液を塗布しなかった以外は、実施例2と同様の操作をし、塗布膜付基材1を得た。塗布膜の下辺2d側でクラックが観測された。
1 塗布膜付基材
2 基材
3 塗布膜
31 第一膜厚徐変部
32 膜主部
33 第二膜厚徐変部
4 非塗布領域
50 主ノズル
51 膜厚徐変部の最上辺
52 主塗布液による液膜
60 副ノズル
61 膜厚徐変部の最下辺
62 副塗布液
63 第二膜厚徐変部の開始位置
64 下辺側膜厚平坦部の開始位置
7 水平方向を示す基準線



























Claims (16)

  1. 塗布対象の板状の基材を上下方向に保持し、前記基材の少なくとも一方の主面上の上辺側で、塗布膜を形成するための塗布液を吐出する主ノズルを横方向に基材に対して相対移動させながら、前記主ノズルから前記塗布液を主塗布液として、前記基材の主面上に吐出する工程を備える塗布膜付基材の製法において、
    前記主塗布液による液膜が、前記主塗布液の吐出位置から前記基材の主面上の下辺側に渡って保持された状態で、主面上の下辺側に、前記主塗布液の希釈用溶剤を第二副塗布液として塗布する工程とを備えることを特徴とする塗布膜付基材の製法。
  2. 第二副塗布液を、基材の下辺から、基材の下辺の鉛直方向に1〜60mmの範囲に渡って塗布することを特徴とする請求項1に記載の塗布膜付基材の製法。
  3. 前記主塗布液を前記基材の主面上に吐出する前に、前記主塗布液の希釈用溶剤を第一副塗布液として吐出する副ノズルを用い、前記副ノズルを横方向に基材に対して相対移動させながら、前記副ノズルから前記第一副塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備え、
    前記主ノズルから前記主塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程は、前記主面上に前記第一副塗布液による液膜が保持された状態で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布膜付基材の製法。
  4. 前記主ノズルからの前記主塗布液の吐出を、前記副塗布液を塗布した領域外で行うことを特徴とする請求項3に記載の塗布膜付基材の製法。
  5. 主塗布液の溶媒の溶解度パラメーター(SP値)と、第一副塗布液のSP値との差が、1.5(cal/cm1/2未満であることを特徴とする請求項3又は4に記載の塗布膜付基材の製法。
  6. 主塗布液の溶媒と、第一副塗布液が同一の物質であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
  7. 主ノズル、及び副ノズルを基材に対して相対移動させる際は、塗布液が吐出されない領域として基材の対向する辺と間隔を空け、且つ対向する辺に沿うように基材に対して相対移動させることで、基材の少なくとも一つの辺側に塗布膜の非塗布領域を形成することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
  8. 副ノズルの吐出口を、塗布液が吐出されない領域として基材の側辺及び上辺から間隔を空け、且つ対向する辺に沿うように3辺を基材に対して相対移動させながら副塗布液を基材の主面に吐出する工程、と
    主ノズルの吐出口を、塗布液が吐出されない領域として基材の上辺から間隔を空け、且つ対向する上辺に沿うように基材に対して相対移動させながら主塗布液を基材の主面に吐出する工程とを
    備えることで、基材の上辺側と側辺側とに塗布膜の非塗布領域を形成することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
  9. 主塗布液の溶媒の溶解度パラメーター(SP値)と、第二副塗布液のSP値との差が、1.5(cal/cm1/2未満であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
  10. 塗布対象の板状の基材が湾曲しており、塗布膜を形成するための主塗布液及び副塗布液を湾曲した基材の凹面側面に吐出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
  11. 自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用される塗布膜付基材において、前記ドアの上部フレームの収納部に前記基材が収納される領域は、塗布膜が非塗布領域となっており、
    前記塗布膜は、塗布膜の上辺側周縁部において、前記非塗布領域に向かって、膜厚が徐々に小さくなる第一膜厚徐変部を有し、前記膜厚徐変部の開始位置は、塗布膜の上辺側周縁部から鉛直方向に、5〜200mmの範囲にあって、塗布膜の上辺側周縁部と膜厚徐変部の開始位置とは略平行な関係にあり、
    さらには、前記塗布膜は、塗布膜の下辺側において、下辺側に向って、膜厚が徐々に小さくなる第二膜厚徐変部と、第二膜厚徐変部と下辺との間に下辺側平坦部とを有することを特徴とする塗布膜付基材。
  12. 基材の主面と第一膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.0005〜0.02°にあることを特徴とする請求項11に記載の塗布膜付基材。
  13. 第一膜厚徐変部、第二膜厚徐変部、及び下辺側平坦部以外の領域の膜厚が2.5〜5.5μmであり、前記領域の膜厚の標準偏差が0.5以下である請求11又は12に記載の塗布膜付基材。
  14. 前記ドアの側部フレームの収納部に前記基材が収納される領域は、塗布膜が非塗布領域となっていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の塗布膜付基材。
  15. 下辺側平坦部の膜厚が0.5〜1.5μmであることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の塗布膜付基材。
  16. 第二膜厚徐変部の開始位置が基材の下辺から鉛直方向に、1〜60mmの範囲にあることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の塗布膜付基材。






































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