JP2004035493A - 染毛料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、安全性に優れた中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を用い、染色力、染色色調持続力が高く、更に使用後の感触が滑らかである染毛料及び染毛方法を提供することにある。
【解決手段】中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を用いた染毛料において、多価金属イオンをともに配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができる。また、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンとを含有する染毛料において、酸を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力が向上し、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を用いた染毛料において、多価金属イオンをともに配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができる。また、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンとを含有する染毛料において、酸を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力が向上し、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は染毛料、特に中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の毛髪への保持性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛髪の色を変化させるための商品として、酸化染料を用いた永久染毛料、酸性染料等の染料を用いたヘアマニキュア、カラーリンス等の半永久染毛料、顔料等を用いた一時染毛料が市販されている。なかでも、髪の色を長期間にわたり変えたいという人々の要望に対しては、永久染毛料、半永久染毛料が用いられている。酸化染料を用いた永久染毛料は毛髪内部で低分子の色素前駆体を重合させて色調を出すために染毛力が高く、長期間にわたって色が持続するという長所を有している。しかしながら、頭皮等に対する刺激性を調べるためのパッチテストが必要で、染毛を行うまでに48時間程度のタイムラグがあり、手軽さがなく、また毛髪内SS結合の切断等の毛髪損傷を引き起こす。
【0003】
これに対して、半永久染毛料は、パッチテストは必要なく手軽に染められ、色にバリエーションをつけられ、毛髪に損傷を与えないという長所がある。従来、半永久染毛料には、主に酸性染料が用いられており、この場合、毛髪内部でカチオンにチャージしたアミノ酸残基に酸性染料をイオン結合させて染毛を成立させているために、毛髪への染色効果は非常に高い。しかしながら、この反面、酸性染料は皮膚の蛋白質ともイオン結合を形成してしまうために、皮膚に付着した際の汚れが落ちにくく、また、通常pH1.5〜4.5という強酸性の領域で用いられているために、髪を傷めるおそれがあり、皮膚に付着した場合には皮膚が荒れてしまうといった問題点があった。
一方で、中性染料、非イオン性染料、又は塩基性染料を用いた場合、これらの染料は皮膚の蛋白質とイオン結合を形成しないことから、手や頭皮を汚すことなく染毛を行うことが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を染毛料に用いた場合は、前記酸性染料を用いた場合と比較して毛髪への染色効果が弱いため、実用化するには不向きであり、半永久染毛料のほとんどの場合で、酸性染料が用いられているのが実情であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安全性に優れた中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を用い、染色力、染色色調持続力が高く、更に使用後の感触が滑らかである染毛料及び染毛方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を用いた染毛料において、多価金属イオンをともに配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができることを見出した。また、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料と、多価金属イオンとを含有する染毛料において、酸を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力が向上し、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第一の主題は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と、多価金属イオンとを含有することを特徴とする染毛料である。前記染毛料において、多価金属イオンを金属塩として0.01〜20.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、多価金属イオンはアルミニウムイオンであることが好適である。また、前記染毛料において、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を0.005〜8.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、酸及び/又はその塩を含有することが好適である。また、前記染毛料において、前記酸及び/又はその塩を0.01〜15.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、シリコーン類を含有することが好適である。また、前記染毛料において、前記シリコーン類を0.01〜60.0質量%含有することが好適である。
【0007】
また、本発明の第二の主題は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含有する第一組成物と、多価金属イオンを含有する第二組成物と、からなる用時混合型染毛料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態の詳細な説明を行う。
本発明にかかる染毛料に用いられる多価金属イオンとしては、何れのものを用いても良く、例えば、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、バリウム、ニッケル、鉄、亜鉛、銅、ビスマス、スズ、銀等の金属イオンが挙げられるが、特にアルミニウムイオンが好ましい。また、本発明において、前記多価金属イオンは金属塩として用いられることが好ましく、このような金属塩としては、例えば、塩化物塩、水酸化物塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の金属塩が挙げられる。これらの金属塩は、単独または二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は染毛料全量あたり0.01〜20.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5.0質量%である。0.01質量%未満では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果と色調持続効果が得られなくなる場合があり、また20質量%を超えると過剰量になり、毛髪内からの染料の流出を起こし色落ちや汚着の原因となる場合がある。
【0009】
本発明にかかる染毛料に用いられる中性染料、非イオン性染料は、具体的には、1−アミノ−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.5)、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.4)、1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCイエローNo.2)、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−メトキシ−5−ニトロベンゼン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2、3−(ジヒドロキシプロポキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロフェノール(HCイエローNo.11)、3−[(2−アミノエチル)アミノ]−1−メトキシ−4−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCイエローNo.9)、1−[(2−ウレイドエチル)アミノ]−4−ニトロベンゼン、4−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−3−ニトロ−1−トリフルオルメチル−ベンゼン(HCイエローNo.6)、1−クロル−2、4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.10)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−メチルベンゼン、1−クロル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロベンゼン(HCイエローNo.12)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−トリフルオルメチル−ベンゼン(HCイエローNo.13)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−ベンゾニトリル(HCイエローNo.14)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−ベンズアミド(HCイエローNo.15)、1−アミノ−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.7)、2−アミノ−4、6−ジニトロ−フェノール、2−エチルアミノ−4、6−ジニトロ−フェノール、4−アミノ−2−ニトロ−ジフェニルアミン(HCレッドNo.1)、1−アミノ−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCレッドNo.13)、1−アミノ−5−クロル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン、4−アミノ−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.3)、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロフェノール、2−ニトロ−4‘−ヒドロキシジフェニルアミン(HCオレンジNo.1)、1−[(2−アミノエチル)アミノ]−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ニトロベンゼン(HCオレンジNo.2)、4−(2、3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCオレンジNo.3)、1−アミノ−5−クロル−4−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.10)、5−クロル−1、4−[ジ(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.11)、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4、6−ジニトロ−フェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ−安息香酸、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]−安息香酸、2−クロル−6−メチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−クロル−6−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−ニトロフェノール、2−クロル−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロル−4−ニトロフェノール、4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−3−ニトロフェノール、2、5−ジアミノ−6−ニトロピリジン、1、2、3、4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン、7−アミノ−3、4−ジヒドロ−6−ニトロ−2H−1、4−ベンゾキサジン(HCレッドNo.14)、1、4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ニトロ−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−ベンゼン(HCブルーNo.2)、1−アミノ−3−メチル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.1)、4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCブルーNo.12)、4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.11)、1−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−[メチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.10)、1−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCブルーNo.9)、1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.2)、1−メチルアミノ−4−[メチル−(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.6)、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]−5−ジメチルアミノ−安息香酸(HCブルーNo.13)、1、4−ジ[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−9、10−アンスラキノン、1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチルアミノ−9、10−アンスラキノン(CI61505;ディスパース・ブルーNo.3)、2−[(2−アミノエチル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(HCオレンジNo.5)、1−ヒドロキシ−4−[(4−メチル−2−スルホ−フェニル)アミノ]−9、10−アンスラキノン、1−[(3−アミノプロピル)アミノ]−4−メチルアミノ−9、10−アンスラキノン(HCブルーNo.8)、1−[(3−アミノプロピル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(HCレッドNo.8)、1、4−ジアミノ−2−メトキシ−9、10−アンスラキノン(CI62015;ディスパース・レッドNo.11;ソルベント・バイオレットNo.26)、1、4−ジヒドロキシ−5、8−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(CI62500;ディスパース・ブルーNo.7;ソルベント・ブルーNo.69)、1−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−メチル−4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−ベンゼン(CI11210;ディスパース・レッドNo.17)、4−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−メチルベンゼン(HCイエローNo.7)、2、6−ジアミノ−3−[(ピリジン−3−イル)アゾ]−ピリジン、2−[(4−(アセチルアミノ)フェニル)アゾ]−4−メチルフェノール(CI11855;ディスパース・イエローNo.3)、1,4,5,8−テトラアミノ−9,10−アントラセンジオン(ディスパース・ブルーNo.1、CI64500、Lowadene Blue 1)、2,2’−[[4−[(4−アミノフェニル)アゾ]フェニル]イミノ]ビスエタノール (ディスパース・ブラックNo.9、Lowadene Black 9)等が挙げられる。
【0010】
また、本発明にかかる染毛料に用いられる塩基性染料としては、例えばアンモニウム基、カルベニウム基等を有する染料が挙げられ、さらに具体的には、9−(ジメチルアミノ)−ベンゾ[a]フェノキサジ−7−イウム−クロライド(CI51175;ベーシック・ブルーNo.6)、ジ[4−(ジエチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI42595;ベーシック・ブルーNo.7)、3、7−ジ(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウム−クロライド(CI52015;ベーシック・ブルーNo.9)、ジ[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(フェニルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI44045;ベーシック・ブルーNo.26)、2−[(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)アゾ]−6−メトキシ−3−メチル−ベンゾチアゾリウム−硫酸メチル(CI11154;ベーシック・ブルーNo.41)、8−アミノ−2−ブロム−5−ヒドロキシ−4−イミノ−6−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アミノ]−1(4H)−ナフタリノン−クロライド(CI56059;ベーシック・ブルーNo.99)、ビス[4−(ジメチルアミノ)−フェニル][4−(メチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42535;ベーシック・バイオレットNo.1)、トリス(4−アミノ−3−メチルフェニル)−カルベニウム−クロライド(CI42520;ベーシック・バイオレットNo.2)、トリス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42555;ベーシック・バイオレットNo.3)、2−[3、6−(ジエチルアミノ)ジベンゾピラニウム−9−イル]−安息香酸−クロライド(CI45170;ベーシック・バイオレットNo.10)、ジ(4−アミノフェニル)(4−アミノ−3−メチルフェニル)カルベニウム−クロライド(CI42510;ベーシック・バイオレットNo.14)、1、3−ビス[(2、4−ジアミノ−5−メチルフェニル)アゾ]−3−メチルベンゼン(CI21010;ベーシック・ブラウンNo.4)、1−[(4−アミノフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12250;ベーシック・ブラウンNo.16)、1−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12251;ベーシック・ブラウンNo.17)、3、7−ジアミノ−2、8−ジメチル−5−フェニル−フェナジニウム−クロライド(CI50240;ベーシック・レッドNo.2)、1、4−ジメチル−5−[(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ]−1、2、4−トリアゾリウム−クロライド(CI11055;ベーシック・レッドNo.22)、2−ヒドロキシ−1−[(2−メトキシフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−ナフタリン−クロライド(CI12245;ベーシック・レッドNo.76)、2−[2((2、4−ジメトキシフェニル)アミノ)エテニル]−1、3、3−トリメチル−3H−インドール−1−イウム−クロライド(CI48055;ベーシック・イエローNo.11)、3−メチル−1−フェニル−4−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アゾ]−ピラゾール−5−オン−クロライド(CI12719;ベーシック・イエローNo.57)、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]フェニルカルベニウム−硫酸水素塩(1:1)(CI42040;ベーシック・グリーンNo.1)等が挙げられる。
【0011】
これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料は、単独又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、全組成中に0.005〜8.0質量%が好ましく、されに好ましくは0.02〜4.0質量%である。0.005質量%以下では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果が得られなくなる場合があり、また、8.0質量%を超えると過剰量の染料が色落ちや汚着の原因となる場合がある。
なお、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を毛髪内部へと浸透させるキャリア成分としてはベンジルアルコール等を用いることができ、また、ベンジルアルコールを可溶化させるための溶媒としては、エチルアルコール等を用いることができる。なお、本発明にかかる染毛料において、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンが組成物中で不溶性物質を形成してしまうような場合があり、このような場合は、適宜溶媒を調製する必要がある。この場合、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上が、組成物中8.0質量%以下であれば、水−アルコール系の溶媒で染料、多価金属イオンの種類に応じて適宜調整することができる。
【0012】
本発明の染毛料において、酸及び/又はその塩を配合することが好適である。酸及び/又はその塩を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力を向上させることができる。本発明で用いられる酸及び/又はその塩としては、有機酸、無機酸及び/又はその塩が用いられる。有機酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、レブリン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、ピロリドンカルボン酸、グルタミン酸、酢酸、ギ酸等が挙げられ、無機酸としては、例えばリン酸、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩(アミノジヒドロキシメチルプロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等が例示される)等が挙げられる。
【0013】
これらの酸及び/又はその塩の配合量としては、染毛料全量に対して0.01〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。配合量が0.01質量%未満の場合は染色力、染色色調持続力の向上が充分に認められず、配合量が概ね15.0質量%を超えると染毛料の安定性に支障があるので好ましくない。
また、これらの酸及び/又はその塩を配合する場合は、水酸化ナトリウム等の塩基を用いて、染毛料全体のpHを適宜調整する必要がある。特に染毛料全体のpHが5.0以下となるような場合は、染料による染色力が低くなる場合があるので好ましくない。
【0014】
本発明にかかる染毛料において、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を大幅に向上させることができ、さらに毛髪の損傷の防止にも有効である。
ここで、本発明にかかる染毛料中に配合されうるシリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン等を挙げることができる。より詳細には、例えば以下のようなものが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を選択することができる。
【0015】
【化1】
(kは、3〜650の整数)
で表されるジメチルポリシロキサン。
【0016】
【化2】
(lは、1〜500の整数)
【0017】
【化3】
(m,nは、その和が1〜500の整数)
で表されるメチルフェニルポリシロキサン。
【0018】
【化4】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を示し、oは1〜100、好ましくは20〜30の整数を、pは1〜20、好ましくは2〜10の整数を、qは0〜50、好ましくは20〜30の整数を、rは0〜50、好ましくは20〜30の整数をそれぞれ示す。)で表されるポリエーテル変性ポリシロキサン。
【0019】
【化5】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは1〜20000、tは1〜50の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0020】
【化6】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは1〜20000、tは1〜50の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0021】
【化7】
(式中、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、uは1〜500、好ましくは1〜250の整数を、vは1〜50、好ましくは1〜30の整数をそれぞれ示す。)で表されるエポキシ変性ポリシロキサン。
【0022】
【化8】
(xは1〜400、好ましくは1〜250の整数を示す。)で表されるフッ素変性ポリシロキサン。
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
(式中、R4は存在しないか、または炭素数1〜4のアルキレン基を示し、y、zは、それぞれ1〜500、好ましくは1〜200の整数を示す。)で表されるアルコール変性ポリシロキサン。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
(式中、R5は炭素数2〜18のアルキル基、R6は存在しないか、または炭素数1〜4のアルキレン基、R7は炭素数10〜16のアルキル基を示し、a,bは、それぞれ1〜500、好ましくは1〜200の整数を示す。)で表されるアルキル変性ポリシロキサン。
【0027】
【化13】
(式中、R8はメチル基または一部がフェニル基を表し、R9はメチル基または水酸基を表す。cは、3000〜20000の整数を示す。)で表される高分子シリコーン。
【0028】
これらのシリコーンのうち、特にアミノ変性ポリシロキサン(例えば東レ・
シリコーンSM−8702C:東レ・シリコーン社製、APS−20EM−735、APS−20DMS、APS−10DMS:信越化学工業株式会社製)、高分子シリコーン(例えばG−40−EM735、G−10DMS、G−20DMS:信越化学工業株式会社製)、メチルフェニルポリシロキサン(例えばシリコーンKF56:信越化学株式会社製)、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体<E.O(平均付加モル数、以下同様)=20〜30>(例えばシリコーンSC−9450:信越化学株式会社製)から成る群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン類を用いると、使用感や染着性が改善されるのみならず、安定性の点でも極めて優れた染毛料が得られる。
また、高分子シリコーンの具体例として、他にゴム状ジメチルポリシロキサン(重合度c=5000〜8000:信越化学株式会社製)が挙げられるが、その他のシリコーン類でも構わない。
【0029】
本発明にかかる染毛料におけるこれらのシリコーン類の配合量は、組成物全体に対して0.01〜5.0質量%が好ましい。組成物全体に対して0.01質量%未満の配合量では、所望の使用感向上効果が得られない場合があり、また、5.0質量%を超えて配合すると、かえってべたついた使用感が生じて染毛料の使用感が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0030】
本発明の染毛料において、使用性向上、可溶化の目的で、或いは染料を毛髪内部へと浸透させるキャリア成分として、有機溶媒を配合することができる。このような有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドン、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。なお、有機溶媒の配合量としては、染毛料あたり0.5〜20.0質量%が好適であり、1.0〜12.0質量%がさらに好適である。
【0031】
本発明の染毛料においては、上記成分の他にも、界面活性剤、保湿剤、油性成分、アルコール類等の、通常染毛料に配合されるような原料を使用目的に合わせて適宜配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等のポリオキシエチレン系界面活性剤;オクチルポリグリコシド等のアルキルポリグリコシド類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル等のポリグリセリン系界面活性剤類;マルチトールヒドロキシアルキルエーテル、ソルビトールアルキルエーテル等の糖アルコールエーテル類、脂肪酸ジエタノールアミド類等の非イオン界面活性剤;高級脂肪酸塩類、リン酸エステル類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤等が挙げられ、また、分散、可溶化剤として、両親媒性物質や界面活性剤を本発明染毛料に配合することが可能であり、このようなものとしては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
【0032】
保湿剤としては、例えばグリセリン、ポリエチレングリコール、コンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸塩、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸、ラクトース、オリゴ糖等が挙げられる。
油性成分としては、例えばラノリン、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、高級脂肪酸、トリグリセライド、エステル油等が挙げられる。
【0033】
アルコール類としては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられ、高級アルコール類としては、例えばベンジルアルコール、2−エチルへキシルアルコール、2−へキシルデシルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等が挙げられる。
【0034】
さらに、本発明の染毛料においては、上記成分の他にも、コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクプロテイン加水分解物、エラスチン加水分解物、大豆蛋白加水分解物等の蛋白質加水分解物及びこれらの四級化塩;フエナセチン、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩、EDTA及びその塩、パラベン類、スズ酸塩類等の金属イオン封鎖剤及び防腐剤;ポリ(ジメチルアリルアンモニウムハライド)型カチオン性高分子、ポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及び牛脂脂肪酸より得られるタロイルアミンの縮合生成物型であるカチオン性高分子、ポリエチレングリコール,エピクロルヒドリン、プロピレンアミン、ヤシ油脂肪より得られるココイルアミンの縮合生成物型であるカチオン高分子、ビニルピロリドン、ジメチルアミノメタアクリレート共重合体型カチオン高分子、第4級窒素含有セルロースエーテル型カチオン高分子等のカチオン高分子類を配合することもできる。
【0035】
本発明の染毛料としては、種々の使用態様の組成物とすることができる。例えば液体染毛料、ジェル状染毛料、泡状染毛料、クリーム状染毛料等の種々の使用態様のものとすることができる。
例えば、ジェル状染毛料の場合には、本発明の中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンの金属塩に加えて、界面活性剤、種々の増粘剤、乳濁剤、コンディショニング剤、油脂類、保湿剤、高級脂肪酸エステル、グリセリン、ポリエチレングリコール等の保湿剤、ジメチルポリシロキサン等の高分子シリコーン、水溶性シリコーン、殺菌剤、香料、紫外線防止剤、蛋白質誘導体、植物抽出物等の種々の添加剤を併用することもできる。前記増粘剤としてはノニオン増粘剤が好ましく、例えば寒天、グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム等のグアガム誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キシログルカン等が好適に使用できる。中でもヒドロキシエチルセルロース、寒天が好適である。
【0036】
また、本発明にかかる染毛料は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含む第一組成物と、多価金属イオンを含む第二組成物とからなる用時混合型染毛料とすることもできる。すなわち染毛を行う時に、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含む前記第一組成物と、多価金属イオンを含む前記第二組成物を混合した後、毛髪へと適用する使用態様のもの(用時混合型染毛料)とすることも可能である。また、特に一剤型染毛料中に増粘剤を配合するような場合には、多価金属イオンによる増粘剤の分解がおこってしまい、このような場合は、用時混合型染毛料とすることによれば、多価金属イオンと増粘剤は適用時まで別々に配合することができるので、増粘剤の分解を妨げることができ、これにより染毛料の粘度安定性を向上することができるため好適である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明について、具体的な実施例を示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、配合量は特に断らない限り質量%で示す。
[評価方法]
実施例の説明に先立ち、本発明において用いられた評価方法について説明する。本発明者らは、得られた染毛料の(1)染色力、(2)手触り、(3)染色色調持続力、(4)皮膚汚着性について評価を行った。
【0038】
(1)染色力の評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪した後の乾燥染色ストランドを、未処理の白髪人毛ストランドに対する染色力として、専門パネラー20人による肉眼判定に付した。評価は以下の評価点に基づいて平均点を求め、4段階で表示を行った。
【0039】
評価点
+3 非常によい。
+2 良い。
+1 やや良い。
0 普通。
−1 やや悪い。
−2 悪い。
−3 非常に悪い。
【0040】
評価結果の表示
◎ +2以上
○ +1以上、+2未満
△ −1以上、+1未満
× −1未満
【0041】
(2)手触りの評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪した後、乾燥染色ストランドの手触り感を専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0042】
(3)染色色調持続力の評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪して乾燥染色ストランドを作成した。このストランドを市販シャンプーによって1分間洗浄する作業を7回繰り返し、終了後の染色ストランドの色調を専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0043】
(4)皮膚汚着性の評価
皮膚上にサンプル適量(小豆大)を直径約2cmになるように塗布し、1分間放置し、水洗した後の皮膚汚着性を、専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0044】
[多価金属イオンの配合]
本発明者らは、まず、染料として中性、非イオン性、塩基性の染料を用い、多価金属イオンであるアルミニウムイオンを塩化アルミニウム・6水和物として配合した一剤型ジェル状染毛料を調製し、その評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
(製法) (1)と(8)を(14)に完全に溶解させたものに(12)と(13)を均一混合した(11)を添加し混合した。得られた溶液に(2)〜(5)又は(6)〜(7)を溶解した一部の(14)と添加し、さらに(9)(10)を添加混合してジェル状染毛料を得た。なお、(9)、(10)は染毛料全体のpHが6.0となるように調整して配合された。
【0046】
前記表1より明らかなように、多価金属イオンの金属塩である塩化アルミニウム・6水和物を配合することにより、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の染色力、染色色調持続力は、該多価金属イオンを配合していないものと比較し、著しく向上する。
【0047】
つづいて、本発明者らは本発明の染毛料について、多価金属イオンの金属塩である塩化アルミニウム・6水和物の配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適な金属塩の配合量について検討を行った。結果を表2に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0048】
【表2】
【0049】
前記表2から明らかなように、塩化アルミニウム・6水和物は0.01質量%より効果を発揮しはじめ、特に0.1〜10.0質量%において高い効果を示すが、25.0質量%を超えるとむしろ悪影響が出る。従って、多価金属イオンの好適な配合量は、金属塩として0.01〜20.0質量%程度であり、特に好適には0.1〜10.0質量%である。なお、上記試験例においては、中性染料、非イオン性染料を用いた結果が示してあるが、塩基性染料を用いた場合も同様の結果が得られた。
【0050】
[染料の配合量]
次に本発明者らは、本発明の染毛料について、さらに中性、非イオン性、塩基性染料の配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適な染料の配合量について検討を行った。結果を表3に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0051】
【表3】
【0052】
前記表3より明らかなように、本発明にかかる染毛料において、塩基性染料の配合量が0.005質量%以下では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果が得られなくなる。また、8.0質量%を超えると過剰量の染料が皮膚への汚着の原因となりはじめる。なお、上記試験例においては、塩基性染料を用いた結果が示してあるが、中性染料、非イオン性染料を用いた場合も同様の結果が得られた。従って、中性、非イオン性、塩基性染料の配合量としては0.005〜8.0質量%が好ましい。
【0053】
[酸の配合]
つづいて本発明者らは本発明の染毛料へさらに酸を配合した一剤型染毛料を調製し、酸の配合と染色力、染色色調持続力との関係について検討を行った。結果を表4に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0054】
【表4】
【0055】
前記表4より明らかなように、本発明にかかる染毛料にさらに酸を配合することにより染色力、染色色調持続力が向上する。また、表には示していないが酸の配合量が0.01質量%以下では酸の配合による染色力、染色色調持続力の向上が明確に認められず、酸の配合量が概ね15質量%を超えると染毛料の安定性に支障があるので好ましくない。また、酸の配合量が概ね0.1〜10.0質量%の範囲では特に効果が発揮される。したがって、酸の配合量としては0.01〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。
【0056】
[シリコーンの配合]
さらに本発明者らは、本発明の染毛料へシリコーンを配合した一剤型染毛料を調製し、シリコーンの配合と使用感との関係について検討を行った。以下、試験に用いたシリコーンを化14〜16に、結果を表5に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0057】
【化14】
(kは25の整数を示す。)で表されるジメチルポリシロキサン。
【0058】
【化15】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは10000、tは10の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0059】
【化16】
(式中、R8、R9はメチル基を表し、cは8000の整数を示す。)で表される高分子シリコーン。
【0060】
【表5】
前記表5より明らかなように、本発明にかかる染毛料にさらにシリコーンを配合することにより手触り感、すなわち使用後の毛髪の感触が向上する。
【0061】
つづいて本発明者らは、さらにシリコーンの配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適なシリコーンの配合量について検討を行った。結果を表6に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0062】
【表6】
【0063】
前記表6より、シリコーンの配合量が0.01質量%以下ではシリコーンの配合による手触り感の向上が明確に認められず、シリコーンの配合量が概ね60.0質量%を超える場合にも手触り感が劣る傾向にあり、シリコーンの配合量が0.1〜20.0質量%の範囲で特に効果を発揮する。したがって、シリコーンの配合量としては0.01〜60.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20.0質量%である。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の好適な配合例について説明する。なお、配合量は特に断らない限り質量%で示す。
配合例1 染毛料(一剤型)
2−アルキル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 2.0
イソステアリン酸 0.5
HCブルーNo.2 0.1
ベーシックブルーNo.99 0.1
HCイエローNo.4 0.1
流動パラフィン 35.0
セチル−2−エチルヘキサノエート 3.0
グリセリン 5.0
香料 0.2
リン酸 0.05
リン酸水素二ナトリウム 0.5
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0065】
配合例2 染毛料(一剤型)
オバゾリン662−N(有効成分30%) 4.0
オレイン酸 0.5
イソパラフィン 20.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
ジメチコーン(20cs) 5.0
香料 0.2
メチルパラベン 0.1
HCレッドNo.1 0.5
HCオレンジNo.1 0.5
2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール 0.5
ディスパースブラックNo.9 0.5
塩化アルミニウム・6水和物 2.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0066】
配合例3 染毛料(一剤型)
2−アルキル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 2.5
イソステアリン酸 4.0
ベーシックブラウンNo.16 1.0
ベーシックレッドNo.76 1.0
ベーシックブルーNo.99 1.0
ベーシックイエローNo.57 1.0
イソパラフィン 20.0
プロピレングリコール 1.0
ジグリセリン 1.0
グリコール酸 3.0
ジメチルポリシロキサン化14 4.0
アミノ変性シリコーン化15 1.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0067】
配合例4 染毛料(一剤型)
キシログルカン 1.0
寒天 2.0
HCオレンジNo.2 0.4
ベンジルアルコール 8.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
エタノール 20.0
グリコール酸 1.5
水酸化ナトリウム 適 量
乳酸ナトリウム 0.3
リジン 0.5
アルギニン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0068】
配合例5 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 12.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.5
グリコール酸 2.0
水酸化ナトリウム 適 量
HCオレンジNo.2 0.001
加水分解小麦タンパク 0.5
イオン交換水 to40.0
第2剤
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
寒天 2.0
HCオレンジNo.2 0.4
HCレッドNo.10 0.1
ベンジルアルコール 4.0
エタノール 8.0
乳酸ナトリウム 0.5
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0069】
配合例6 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 20.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
ベンジルアルコール 8.0
グリコール酸 1.0
水酸化ナトリウム 適 量
加水分解コラーゲン(魚由来) 0.5
ベーシックブラウンNo.4 適 量
イオン交換水 to40.0
第2剤
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
寒天 1.0
エタノール 4.0
メチルパラベン 0.1
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0070】
配合例7 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 12.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.5
グリコール酸 2.0
水酸化ナトリウム 適 量
ベーシックレッドNo.22 0.001
イオン交換水 to40.0
第2剤
キシログルカン 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
ベーシックレッドNo.22 0.4
ベーシックイエローNo.11 0.1
ベンジルアルコール 4.0
エタノール 8.0
乳酸ナトリウム 0.5
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0071】
配合例8 カラーリンス(用時混合型)
第1剤
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イソステアリルアルコール 0.5
ステアリルアルコール 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
グリコール酸 1.5
水酸化ナトリウム 適 量
乳酸ナトリウム 0.7
ベンジルアルコール 2.0
エタノール 2.0
ジプロピレングリコール 2.0
香料 0.5
イオン交換水 to40.0
第2剤
カルボキシビニルポリマー 3.0
HCオレンジNo.1 0.4
HCレッドNo.10 0.1
ベンジルアルコール 8.0
ジプロピレングリコール 15.0
水酸化ナトリウム 0.03
イオン交換水 to60.0
<製法>
第1剤の製法:イオン交換水に塩化アルミニウム・6水和物、グリコール酸、乳酸ナトリウムを溶解し、70℃で塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを溶解する。次にベンジルアルコールとジプロピレングリコールを添加混合し、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコールを添加する。溶解を確認した後ホモミキサー処理を行ない、50℃以下に冷却してエタノールと香料を添加する。
第2剤の製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0072】
配合例9 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 8.0
ベーシックブルーNo.99 0.01
ベーシックイエローNo.57 0.01
ベーシックバイオレットNo.14 0.01
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 15.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.2
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
アミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
1,3−ブチレングリコールにセタノールを加え、70℃で加熱して溶解した後、α−オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加える(油相パーツ)。別途、イオン交換水に塩化アルミニウム、70℃でヒドロキシプロピルセルロースを溶解する(水相パーツ)。水相パーツに油相パーツを加え、されにベンジルアルコール、エタノール、最後にイオン交換水に溶解した染料を加えて混合する。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0073】
配合例10 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 8.0
ディスパースブルーNo.7 0.01
HCイエローNo.14 0.01
ベーシックバイオレットNo.14 0.01
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 20.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.4
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
アミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0074】
配合例11 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 5.0
HCブルーNo.8 0.01
HCオレンジNo.3 0.02
HCレッドNo.1 0.01
エタノール 10.0
硫酸第1鉄 0.5
セタノール 3.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
化14のジメチルポリシロキサン 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0075】
配合例12 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
ベンジルアルコール 3.0
ベーシックブラウンNo.4 0.03
ベーシックブルーNo.99 0.03
ベーシックバイオレットNo.14 0.02
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 15.0
塩化カルシウム・2水和物 0.8
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
化16の高分子シリコーン 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8
化14のジメチルポリシロキサン 4.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0076】
配合例13 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
ベンジルアルコール 8.0
ディスパースブラックNo.9 0.03
ディスパースブルーNo.1 0.03
HCイエローNo.13 0.05
HCレッドNo.10 0.02
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 15.0
塩化マグネシウム・6水和物 1.0
セタノール 3.0
α−オレフィンスルホン酸 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8
化14のジメチルポリシロキサン 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 2.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる染毛料、染毛方法によれば、優れた安全性を有する中性染料、非イオン性染料、塩基性染料おいて、多価金属イオンを配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができる。また、酸を配合することにより染毛能力、染色色調持続力がより向上し、さらにシリコーンを配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は染毛料、特に中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の毛髪への保持性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、毛髪の色を変化させるための商品として、酸化染料を用いた永久染毛料、酸性染料等の染料を用いたヘアマニキュア、カラーリンス等の半永久染毛料、顔料等を用いた一時染毛料が市販されている。なかでも、髪の色を長期間にわたり変えたいという人々の要望に対しては、永久染毛料、半永久染毛料が用いられている。酸化染料を用いた永久染毛料は毛髪内部で低分子の色素前駆体を重合させて色調を出すために染毛力が高く、長期間にわたって色が持続するという長所を有している。しかしながら、頭皮等に対する刺激性を調べるためのパッチテストが必要で、染毛を行うまでに48時間程度のタイムラグがあり、手軽さがなく、また毛髪内SS結合の切断等の毛髪損傷を引き起こす。
【0003】
これに対して、半永久染毛料は、パッチテストは必要なく手軽に染められ、色にバリエーションをつけられ、毛髪に損傷を与えないという長所がある。従来、半永久染毛料には、主に酸性染料が用いられており、この場合、毛髪内部でカチオンにチャージしたアミノ酸残基に酸性染料をイオン結合させて染毛を成立させているために、毛髪への染色効果は非常に高い。しかしながら、この反面、酸性染料は皮膚の蛋白質ともイオン結合を形成してしまうために、皮膚に付着した際の汚れが落ちにくく、また、通常pH1.5〜4.5という強酸性の領域で用いられているために、髪を傷めるおそれがあり、皮膚に付着した場合には皮膚が荒れてしまうといった問題点があった。
一方で、中性染料、非イオン性染料、又は塩基性染料を用いた場合、これらの染料は皮膚の蛋白質とイオン結合を形成しないことから、手や頭皮を汚すことなく染毛を行うことが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を染毛料に用いた場合は、前記酸性染料を用いた場合と比較して毛髪への染色効果が弱いため、実用化するには不向きであり、半永久染毛料のほとんどの場合で、酸性染料が用いられているのが実情であった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安全性に優れた中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を用い、染色力、染色色調持続力が高く、更に使用後の感触が滑らかである染毛料及び染毛方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行った結果、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料を用いた染毛料において、多価金属イオンをともに配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができることを見出した。また、これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料と、多価金属イオンとを含有する染毛料において、酸を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力が向上し、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第一の主題は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と、多価金属イオンとを含有することを特徴とする染毛料である。前記染毛料において、多価金属イオンを金属塩として0.01〜20.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、多価金属イオンはアルミニウムイオンであることが好適である。また、前記染毛料において、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を0.005〜8.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、酸及び/又はその塩を含有することが好適である。また、前記染毛料において、前記酸及び/又はその塩を0.01〜15.0質量%含有することが好適である。また、前記染毛料において、シリコーン類を含有することが好適である。また、前記染毛料において、前記シリコーン類を0.01〜60.0質量%含有することが好適である。
【0007】
また、本発明の第二の主題は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含有する第一組成物と、多価金属イオンを含有する第二組成物と、からなる用時混合型染毛料である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態の詳細な説明を行う。
本発明にかかる染毛料に用いられる多価金属イオンとしては、何れのものを用いても良く、例えば、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、バリウム、ニッケル、鉄、亜鉛、銅、ビスマス、スズ、銀等の金属イオンが挙げられるが、特にアルミニウムイオンが好ましい。また、本発明において、前記多価金属イオンは金属塩として用いられることが好ましく、このような金属塩としては、例えば、塩化物塩、水酸化物塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩等の金属塩が挙げられる。これらの金属塩は、単独または二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は染毛料全量あたり0.01〜20.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5.0質量%である。0.01質量%未満では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果と色調持続効果が得られなくなる場合があり、また20質量%を超えると過剰量になり、毛髪内からの染料の流出を起こし色落ちや汚着の原因となる場合がある。
【0009】
本発明にかかる染毛料に用いられる中性染料、非イオン性染料は、具体的には、1−アミノ−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.5)、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.4)、1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCイエローNo.2)、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−メトキシ−5−ニトロベンゼン、2−アミノ−3−ニトロフェノール、1−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2、3−(ジヒドロキシプロポキシ)−3−メチルアミノ−4−ニトロベンゼン、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロフェノール(HCイエローNo.11)、3−[(2−アミノエチル)アミノ]−1−メトキシ−4−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCイエローNo.9)、1−[(2−ウレイドエチル)アミノ]−4−ニトロベンゼン、4−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−3−ニトロ−1−トリフルオルメチル−ベンゼン(HCイエローNo.6)、1−クロル−2、4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−5−ニトロベンゼン(HCイエローNo.10)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−メチルベンゼン、1−クロル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロベンゼン(HCイエローNo.12)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−1−トリフルオルメチル−ベンゼン(HCイエローNo.13)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−ベンゾニトリル(HCイエローNo.14)、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロ−ベンズアミド(HCイエローNo.15)、1−アミノ−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.7)、2−アミノ−4、6−ジニトロ−フェノール、2−エチルアミノ−4、6−ジニトロ−フェノール、4−アミノ−2−ニトロ−ジフェニルアミン(HCレッドNo.1)、1−アミノ−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCレッドNo.13)、1−アミノ−5−クロル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン、4−アミノ−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.3)、4−アミノ−3−ニトロフェノール、4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−ニトロフェノール、2−ニトロ−4‘−ヒドロキシジフェニルアミン(HCオレンジNo.1)、1−[(2−アミノエチル)アミノ]−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ニトロベンゼン(HCオレンジNo.2)、4−(2、3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCオレンジNo.3)、1−アミノ−5−クロル−4−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.10)、5−クロル−1、4−[ジ(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCレッドNo.11)、2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4、6−ジニトロ−フェノール、4−エチルアミノ−3−ニトロ−安息香酸、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]−安息香酸、2−クロル−6−メチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−クロル−6−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−ニトロフェノール、2−クロル−6−エチルアミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−6−クロル−4−ニトロフェノール、4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−3−ニトロフェノール、2、5−ジアミノ−6−ニトロピリジン、1、2、3、4−テトラヒドロ−6−ニトロキノキサリン、7−アミノ−3、4−ジヒドロ−6−ニトロ−2H−1、4−ベンゾキサジン(HCレッドNo.14)、1、4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン、1−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−ニトロ−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−ベンゼン(HCブルーNo.2)、1−アミノ−3−メチル−4−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.1)、4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCブルーNo.12)、4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.11)、1−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−[メチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.10)、1−[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−4−[エチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン−塩酸塩(HCブルーNo.9)、1−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−4−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.2)、1−メチルアミノ−4−[メチル−(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−2−ニトロベンゼン(HCブルーNo.6)、2−[(4−アミノ−2−ニトロフェニル)アミノ]−5−ジメチルアミノ−安息香酸(HCブルーNo.13)、1、4−ジ[(2、3−ジヒドロキシプロピル)アミノ]−9、10−アンスラキノン、1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチルアミノ−9、10−アンスラキノン(CI61505;ディスパース・ブルーNo.3)、2−[(2−アミノエチル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(HCオレンジNo.5)、1−ヒドロキシ−4−[(4−メチル−2−スルホ−フェニル)アミノ]−9、10−アンスラキノン、1−[(3−アミノプロピル)アミノ]−4−メチルアミノ−9、10−アンスラキノン(HCブルーNo.8)、1−[(3−アミノプロピル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(HCレッドNo.8)、1、4−ジアミノ−2−メトキシ−9、10−アンスラキノン(CI62015;ディスパース・レッドNo.11;ソルベント・バイオレットNo.26)、1、4−ジヒドロキシ−5、8−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9、10−アンスラキノン(CI62500;ディスパース・ブルーNo.7;ソルベント・ブルーNo.69)、1−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−メチル−4−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−ベンゼン(CI11210;ディスパース・レッドNo.17)、4−[(4−アミノフェニル)アゾ]−1−[ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−メチルベンゼン(HCイエローNo.7)、2、6−ジアミノ−3−[(ピリジン−3−イル)アゾ]−ピリジン、2−[(4−(アセチルアミノ)フェニル)アゾ]−4−メチルフェノール(CI11855;ディスパース・イエローNo.3)、1,4,5,8−テトラアミノ−9,10−アントラセンジオン(ディスパース・ブルーNo.1、CI64500、Lowadene Blue 1)、2,2’−[[4−[(4−アミノフェニル)アゾ]フェニル]イミノ]ビスエタノール (ディスパース・ブラックNo.9、Lowadene Black 9)等が挙げられる。
【0010】
また、本発明にかかる染毛料に用いられる塩基性染料としては、例えばアンモニウム基、カルベニウム基等を有する染料が挙げられ、さらに具体的には、9−(ジメチルアミノ)−ベンゾ[a]フェノキサジ−7−イウム−クロライド(CI51175;ベーシック・ブルーNo.6)、ジ[4−(ジエチルアミノ)フェニル][4−(エチルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI42595;ベーシック・ブルーNo.7)、3、7−ジ(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウム−クロライド(CI52015;ベーシック・ブルーNo.9)、ジ[4−(ジメチルアミノ)フェニル][4−(フェニルアミノ)ナフチル]カルベニウム−クロライド(CI44045;ベーシック・ブルーNo.26)、2−[(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)アゾ]−6−メトキシ−3−メチル−ベンゾチアゾリウム−硫酸メチル(CI11154;ベーシック・ブルーNo.41)、8−アミノ−2−ブロム−5−ヒドロキシ−4−イミノ−6−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アミノ]−1(4H)−ナフタリノン−クロライド(CI56059;ベーシック・ブルーNo.99)、ビス[4−(ジメチルアミノ)−フェニル][4−(メチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42535;ベーシック・バイオレットNo.1)、トリス(4−アミノ−3−メチルフェニル)−カルベニウム−クロライド(CI42520;ベーシック・バイオレットNo.2)、トリス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]カルベニウム−クロライド(CI42555;ベーシック・バイオレットNo.3)、2−[3、6−(ジエチルアミノ)ジベンゾピラニウム−9−イル]−安息香酸−クロライド(CI45170;ベーシック・バイオレットNo.10)、ジ(4−アミノフェニル)(4−アミノ−3−メチルフェニル)カルベニウム−クロライド(CI42510;ベーシック・バイオレットNo.14)、1、3−ビス[(2、4−ジアミノ−5−メチルフェニル)アゾ]−3−メチルベンゼン(CI21010;ベーシック・ブラウンNo.4)、1−[(4−アミノフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12250;ベーシック・ブラウンNo.16)、1−[(4−アミノ−3−ニトロフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−2−ナフトール−クロライド(CI12251;ベーシック・ブラウンNo.17)、3、7−ジアミノ−2、8−ジメチル−5−フェニル−フェナジニウム−クロライド(CI50240;ベーシック・レッドNo.2)、1、4−ジメチル−5−[(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ]−1、2、4−トリアゾリウム−クロライド(CI11055;ベーシック・レッドNo.22)、2−ヒドロキシ−1−[(2−メトキシフェニル)アゾ]−7−(トリメチルアンモニオ)−ナフタリン−クロライド(CI12245;ベーシック・レッドNo.76)、2−[2((2、4−ジメトキシフェニル)アミノ)エテニル]−1、3、3−トリメチル−3H−インドール−1−イウム−クロライド(CI48055;ベーシック・イエローNo.11)、3−メチル−1−フェニル−4−[(3−(トリメチルアンモニオ)フェニル)アゾ]−ピラゾール−5−オン−クロライド(CI12719;ベーシック・イエローNo.57)、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]フェニルカルベニウム−硫酸水素塩(1:1)(CI42040;ベーシック・グリーンNo.1)等が挙げられる。
【0011】
これら中性染料、非イオン性染料、塩基性染料は、単独又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、全組成中に0.005〜8.0質量%が好ましく、されに好ましくは0.02〜4.0質量%である。0.005質量%以下では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果が得られなくなる場合があり、また、8.0質量%を超えると過剰量の染料が色落ちや汚着の原因となる場合がある。
なお、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を毛髪内部へと浸透させるキャリア成分としてはベンジルアルコール等を用いることができ、また、ベンジルアルコールを可溶化させるための溶媒としては、エチルアルコール等を用いることができる。なお、本発明にかかる染毛料において、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンが組成物中で不溶性物質を形成してしまうような場合があり、このような場合は、適宜溶媒を調製する必要がある。この場合、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上が、組成物中8.0質量%以下であれば、水−アルコール系の溶媒で染料、多価金属イオンの種類に応じて適宜調整することができる。
【0012】
本発明の染毛料において、酸及び/又はその塩を配合することが好適である。酸及び/又はその塩を配合することによりさらに染色力、染色色調持続力を向上させることができる。本発明で用いられる酸及び/又はその塩としては、有機酸、無機酸及び/又はその塩が用いられる。有機酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、レブリン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マレイン酸、マンデル酸、ピロリドンカルボン酸、グルタミン酸、酢酸、ギ酸等が挙げられ、無機酸としては、例えばリン酸、硫酸、塩酸、硝酸等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩(アミノジヒドロキシメチルプロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール等が例示される)等が挙げられる。
【0013】
これらの酸及び/又はその塩の配合量としては、染毛料全量に対して0.01〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。配合量が0.01質量%未満の場合は染色力、染色色調持続力の向上が充分に認められず、配合量が概ね15.0質量%を超えると染毛料の安定性に支障があるので好ましくない。
また、これらの酸及び/又はその塩を配合する場合は、水酸化ナトリウム等の塩基を用いて、染毛料全体のpHを適宜調整する必要がある。特に染毛料全体のpHが5.0以下となるような場合は、染料による染色力が低くなる場合があるので好ましくない。
【0014】
本発明にかかる染毛料において、さらにシリコーン類を配合することにより使用後の毛髪の感触を大幅に向上させることができ、さらに毛髪の損傷の防止にも有効である。
ここで、本発明にかかる染毛料中に配合されうるシリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン等を挙げることができる。より詳細には、例えば以下のようなものが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を選択することができる。
【0015】
【化1】
(kは、3〜650の整数)
で表されるジメチルポリシロキサン。
【0016】
【化2】
(lは、1〜500の整数)
【0017】
【化3】
(m,nは、その和が1〜500の整数)
で表されるメチルフェニルポリシロキサン。
【0018】
【化4】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は水酸基を示し、oは1〜100、好ましくは20〜30の整数を、pは1〜20、好ましくは2〜10の整数を、qは0〜50、好ましくは20〜30の整数を、rは0〜50、好ましくは20〜30の整数をそれぞれ示す。)で表されるポリエーテル変性ポリシロキサン。
【0019】
【化5】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは1〜20000、tは1〜50の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0020】
【化6】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは1〜20000、tは1〜50の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0021】
【化7】
(式中、R3は炭素数1〜3のアルキレン基を示し、uは1〜500、好ましくは1〜250の整数を、vは1〜50、好ましくは1〜30の整数をそれぞれ示す。)で表されるエポキシ変性ポリシロキサン。
【0022】
【化8】
(xは1〜400、好ましくは1〜250の整数を示す。)で表されるフッ素変性ポリシロキサン。
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
(式中、R4は存在しないか、または炭素数1〜4のアルキレン基を示し、y、zは、それぞれ1〜500、好ましくは1〜200の整数を示す。)で表されるアルコール変性ポリシロキサン。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
(式中、R5は炭素数2〜18のアルキル基、R6は存在しないか、または炭素数1〜4のアルキレン基、R7は炭素数10〜16のアルキル基を示し、a,bは、それぞれ1〜500、好ましくは1〜200の整数を示す。)で表されるアルキル変性ポリシロキサン。
【0027】
【化13】
(式中、R8はメチル基または一部がフェニル基を表し、R9はメチル基または水酸基を表す。cは、3000〜20000の整数を示す。)で表される高分子シリコーン。
【0028】
これらのシリコーンのうち、特にアミノ変性ポリシロキサン(例えば東レ・
シリコーンSM−8702C:東レ・シリコーン社製、APS−20EM−735、APS−20DMS、APS−10DMS:信越化学工業株式会社製)、高分子シリコーン(例えばG−40−EM735、G−10DMS、G−20DMS:信越化学工業株式会社製)、メチルフェニルポリシロキサン(例えばシリコーンKF56:信越化学株式会社製)、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体<E.O(平均付加モル数、以下同様)=20〜30>(例えばシリコーンSC−9450:信越化学株式会社製)から成る群より選ばれる少なくとも1種のシリコーン類を用いると、使用感や染着性が改善されるのみならず、安定性の点でも極めて優れた染毛料が得られる。
また、高分子シリコーンの具体例として、他にゴム状ジメチルポリシロキサン(重合度c=5000〜8000:信越化学株式会社製)が挙げられるが、その他のシリコーン類でも構わない。
【0029】
本発明にかかる染毛料におけるこれらのシリコーン類の配合量は、組成物全体に対して0.01〜5.0質量%が好ましい。組成物全体に対して0.01質量%未満の配合量では、所望の使用感向上効果が得られない場合があり、また、5.0質量%を超えて配合すると、かえってべたついた使用感が生じて染毛料の使用感が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0030】
本発明の染毛料において、使用性向上、可溶化の目的で、或いは染料を毛髪内部へと浸透させるキャリア成分として、有機溶媒を配合することができる。このような有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドン、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、桂皮アルコール、アニスアルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−ジメチルフェネチルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。なお、有機溶媒の配合量としては、染毛料あたり0.5〜20.0質量%が好適であり、1.0〜12.0質量%がさらに好適である。
【0031】
本発明の染毛料においては、上記成分の他にも、界面活性剤、保湿剤、油性成分、アルコール類等の、通常染毛料に配合されるような原料を使用目的に合わせて適宜配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体等のポリオキシエチレン系界面活性剤;オクチルポリグリコシド等のアルキルポリグリコシド類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル等のポリグリセリン系界面活性剤類;マルチトールヒドロキシアルキルエーテル、ソルビトールアルキルエーテル等の糖アルコールエーテル類、脂肪酸ジエタノールアミド類等の非イオン界面活性剤;高級脂肪酸塩類、リン酸エステル類、アルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤等が挙げられ、また、分散、可溶化剤として、両親媒性物質や界面活性剤を本発明染毛料に配合することが可能であり、このようなものとしては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。
【0032】
保湿剤としては、例えばグリセリン、ポリエチレングリコール、コンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸塩、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸、ラクトース、オリゴ糖等が挙げられる。
油性成分としては、例えばラノリン、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、高級脂肪酸、トリグリセライド、エステル油等が挙げられる。
【0033】
アルコール類としては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられ、高級アルコール類としては、例えばベンジルアルコール、2−エチルへキシルアルコール、2−へキシルデシルアルコール、2−デシルテトラデシルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール等が挙げられる。
【0034】
さらに、本発明の染毛料においては、上記成分の他にも、コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物、シルクプロテイン加水分解物、エラスチン加水分解物、大豆蛋白加水分解物等の蛋白質加水分解物及びこれらの四級化塩;フエナセチン、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩、EDTA及びその塩、パラベン類、スズ酸塩類等の金属イオン封鎖剤及び防腐剤;ポリ(ジメチルアリルアンモニウムハライド)型カチオン性高分子、ポリエチレングリコール、エピクロルヒドリン、プロピレンアミン及び牛脂脂肪酸より得られるタロイルアミンの縮合生成物型であるカチオン性高分子、ポリエチレングリコール,エピクロルヒドリン、プロピレンアミン、ヤシ油脂肪より得られるココイルアミンの縮合生成物型であるカチオン高分子、ビニルピロリドン、ジメチルアミノメタアクリレート共重合体型カチオン高分子、第4級窒素含有セルロースエーテル型カチオン高分子等のカチオン高分子類を配合することもできる。
【0035】
本発明の染毛料としては、種々の使用態様の組成物とすることができる。例えば液体染毛料、ジェル状染毛料、泡状染毛料、クリーム状染毛料等の種々の使用態様のものとすることができる。
例えば、ジェル状染毛料の場合には、本発明の中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と多価金属イオンの金属塩に加えて、界面活性剤、種々の増粘剤、乳濁剤、コンディショニング剤、油脂類、保湿剤、高級脂肪酸エステル、グリセリン、ポリエチレングリコール等の保湿剤、ジメチルポリシロキサン等の高分子シリコーン、水溶性シリコーン、殺菌剤、香料、紫外線防止剤、蛋白質誘導体、植物抽出物等の種々の添加剤を併用することもできる。前記増粘剤としてはノニオン増粘剤が好ましく、例えば寒天、グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム等のグアガム誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、キシログルカン等が好適に使用できる。中でもヒドロキシエチルセルロース、寒天が好適である。
【0036】
また、本発明にかかる染毛料は、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含む第一組成物と、多価金属イオンを含む第二組成物とからなる用時混合型染毛料とすることもできる。すなわち染毛を行う時に、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含む前記第一組成物と、多価金属イオンを含む前記第二組成物を混合した後、毛髪へと適用する使用態様のもの(用時混合型染毛料)とすることも可能である。また、特に一剤型染毛料中に増粘剤を配合するような場合には、多価金属イオンによる増粘剤の分解がおこってしまい、このような場合は、用時混合型染毛料とすることによれば、多価金属イオンと増粘剤は適用時まで別々に配合することができるので、増粘剤の分解を妨げることができ、これにより染毛料の粘度安定性を向上することができるため好適である。
【0037】
【実施例】
以下、本発明について、具体的な実施例を示して説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、配合量は特に断らない限り質量%で示す。
[評価方法]
実施例の説明に先立ち、本発明において用いられた評価方法について説明する。本発明者らは、得られた染毛料の(1)染色力、(2)手触り、(3)染色色調持続力、(4)皮膚汚着性について評価を行った。
【0038】
(1)染色力の評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪した後の乾燥染色ストランドを、未処理の白髪人毛ストランドに対する染色力として、専門パネラー20人による肉眼判定に付した。評価は以下の評価点に基づいて平均点を求め、4段階で表示を行った。
【0039】
評価点
+3 非常によい。
+2 良い。
+1 やや良い。
0 普通。
−1 やや悪い。
−2 悪い。
−3 非常に悪い。
【0040】
評価結果の表示
◎ +2以上
○ +1以上、+2未満
△ −1以上、+1未満
× −1未満
【0041】
(2)手触りの評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪した後、乾燥染色ストランドの手触り感を専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0042】
(3)染色色調持続力の評価
白髪人毛ストランド2g程度にサンプル0.5gを均一に塗布し、15分間染色処理し、シャンプー、リンスを用いて洗髪して乾燥染色ストランドを作成した。このストランドを市販シャンプーによって1分間洗浄する作業を7回繰り返し、終了後の染色ストランドの色調を専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0043】
(4)皮膚汚着性の評価
皮膚上にサンプル適量(小豆大)を直径約2cmになるように塗布し、1分間放置し、水洗した後の皮膚汚着性を、専門パネラー20人に判定してもらった。評価は前記染色力の評価に準じた。
【0044】
[多価金属イオンの配合]
本発明者らは、まず、染料として中性、非イオン性、塩基性の染料を用い、多価金属イオンであるアルミニウムイオンを塩化アルミニウム・6水和物として配合した一剤型ジェル状染毛料を調製し、その評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
(製法) (1)と(8)を(14)に完全に溶解させたものに(12)と(13)を均一混合した(11)を添加し混合した。得られた溶液に(2)〜(5)又は(6)〜(7)を溶解した一部の(14)と添加し、さらに(9)(10)を添加混合してジェル状染毛料を得た。なお、(9)、(10)は染毛料全体のpHが6.0となるように調整して配合された。
【0046】
前記表1より明らかなように、多価金属イオンの金属塩である塩化アルミニウム・6水和物を配合することにより、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の染色力、染色色調持続力は、該多価金属イオンを配合していないものと比較し、著しく向上する。
【0047】
つづいて、本発明者らは本発明の染毛料について、多価金属イオンの金属塩である塩化アルミニウム・6水和物の配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適な金属塩の配合量について検討を行った。結果を表2に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0048】
【表2】
【0049】
前記表2から明らかなように、塩化アルミニウム・6水和物は0.01質量%より効果を発揮しはじめ、特に0.1〜10.0質量%において高い効果を示すが、25.0質量%を超えるとむしろ悪影響が出る。従って、多価金属イオンの好適な配合量は、金属塩として0.01〜20.0質量%程度であり、特に好適には0.1〜10.0質量%である。なお、上記試験例においては、中性染料、非イオン性染料を用いた結果が示してあるが、塩基性染料を用いた場合も同様の結果が得られた。
【0050】
[染料の配合量]
次に本発明者らは、本発明の染毛料について、さらに中性、非イオン性、塩基性染料の配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適な染料の配合量について検討を行った。結果を表3に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0051】
【表3】
【0052】
前記表3より明らかなように、本発明にかかる染毛料において、塩基性染料の配合量が0.005質量%以下では毛髪に残る色素量が極端に少なくなり、十分な染毛効果が得られなくなる。また、8.0質量%を超えると過剰量の染料が皮膚への汚着の原因となりはじめる。なお、上記試験例においては、塩基性染料を用いた結果が示してあるが、中性染料、非イオン性染料を用いた場合も同様の結果が得られた。従って、中性、非イオン性、塩基性染料の配合量としては0.005〜8.0質量%が好ましい。
【0053】
[酸の配合]
つづいて本発明者らは本発明の染毛料へさらに酸を配合した一剤型染毛料を調製し、酸の配合と染色力、染色色調持続力との関係について検討を行った。結果を表4に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0054】
【表4】
【0055】
前記表4より明らかなように、本発明にかかる染毛料にさらに酸を配合することにより染色力、染色色調持続力が向上する。また、表には示していないが酸の配合量が0.01質量%以下では酸の配合による染色力、染色色調持続力の向上が明確に認められず、酸の配合量が概ね15質量%を超えると染毛料の安定性に支障があるので好ましくない。また、酸の配合量が概ね0.1〜10.0質量%の範囲では特に効果が発揮される。したがって、酸の配合量としては0.01〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0質量%である。
【0056】
[シリコーンの配合]
さらに本発明者らは、本発明の染毛料へシリコーンを配合した一剤型染毛料を調製し、シリコーンの配合と使用感との関係について検討を行った。以下、試験に用いたシリコーンを化14〜16に、結果を表5に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0057】
【化14】
(kは25の整数を示す。)で表されるジメチルポリシロキサン。
【0058】
【化15】
(式中、R2は水酸基、メチル基又はメトキシ基を示し、sは10000、tは10の整数をそれぞれ示す。)で表されるアミノ変性ポリシロキサン。
【0059】
【化16】
(式中、R8、R9はメチル基を表し、cは8000の整数を示す。)で表される高分子シリコーン。
【0060】
【表5】
前記表5より明らかなように、本発明にかかる染毛料にさらにシリコーンを配合することにより手触り感、すなわち使用後の毛髪の感触が向上する。
【0061】
つづいて本発明者らは、さらにシリコーンの配合量を変化させた一剤型染毛料を調製し、好適なシリコーンの配合量について検討を行った。結果を表6に示す。なお、製法は前記試験例1〜4に準じた。
【0062】
【表6】
【0063】
前記表6より、シリコーンの配合量が0.01質量%以下ではシリコーンの配合による手触り感の向上が明確に認められず、シリコーンの配合量が概ね60.0質量%を超える場合にも手触り感が劣る傾向にあり、シリコーンの配合量が0.1〜20.0質量%の範囲で特に効果を発揮する。したがって、シリコーンの配合量としては0.01〜60.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20.0質量%である。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の好適な配合例について説明する。なお、配合量は特に断らない限り質量%で示す。
配合例1 染毛料(一剤型)
2−アルキル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 2.0
イソステアリン酸 0.5
HCブルーNo.2 0.1
ベーシックブルーNo.99 0.1
HCイエローNo.4 0.1
流動パラフィン 35.0
セチル−2−エチルヘキサノエート 3.0
グリセリン 5.0
香料 0.2
リン酸 0.05
リン酸水素二ナトリウム 0.5
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0065】
配合例2 染毛料(一剤型)
オバゾリン662−N(有効成分30%) 4.0
オレイン酸 0.5
イソパラフィン 20.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
ジメチコーン(20cs) 5.0
香料 0.2
メチルパラベン 0.1
HCレッドNo.1 0.5
HCオレンジNo.1 0.5
2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール 0.5
ディスパースブラックNo.9 0.5
塩化アルミニウム・6水和物 2.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0066】
配合例3 染毛料(一剤型)
2−アルキル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン 2.5
イソステアリン酸 4.0
ベーシックブラウンNo.16 1.0
ベーシックレッドNo.76 1.0
ベーシックブルーNo.99 1.0
ベーシックイエローNo.57 1.0
イソパラフィン 20.0
プロピレングリコール 1.0
ジグリセリン 1.0
グリコール酸 3.0
ジメチルポリシロキサン化14 4.0
アミノ変性シリコーン化15 1.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0067】
配合例4 染毛料(一剤型)
キシログルカン 1.0
寒天 2.0
HCオレンジNo.2 0.4
ベンジルアルコール 8.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
エタノール 20.0
グリコール酸 1.5
水酸化ナトリウム 適 量
乳酸ナトリウム 0.3
リジン 0.5
アルギニン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0068】
配合例5 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 12.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.5
グリコール酸 2.0
水酸化ナトリウム 適 量
HCオレンジNo.2 0.001
加水分解小麦タンパク 0.5
イオン交換水 to40.0
第2剤
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
寒天 2.0
HCオレンジNo.2 0.4
HCレッドNo.10 0.1
ベンジルアルコール 4.0
エタノール 8.0
乳酸ナトリウム 0.5
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0069】
配合例6 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 20.0
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
ベンジルアルコール 8.0
グリコール酸 1.0
水酸化ナトリウム 適 量
加水分解コラーゲン(魚由来) 0.5
ベーシックブラウンNo.4 適 量
イオン交換水 to40.0
第2剤
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
寒天 1.0
エタノール 4.0
メチルパラベン 0.1
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0070】
配合例7 染毛料(用時混合型)
第1剤
エタノール 12.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.5
グリコール酸 2.0
水酸化ナトリウム 適 量
ベーシックレッドNo.22 0.001
イオン交換水 to40.0
第2剤
キシログルカン 1.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
ベーシックレッドNo.22 0.4
ベーシックイエローNo.11 0.1
ベンジルアルコール 4.0
エタノール 8.0
乳酸ナトリウム 0.5
イオン交換水 to60.0
<製法>
製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られた染毛料は、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0071】
配合例8 カラーリンス(用時混合型)
第1剤
塩化アルミニウム・6水和物 1.0
イソステアリルアルコール 0.5
ステアリルアルコール 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
グリコール酸 1.5
水酸化ナトリウム 適 量
乳酸ナトリウム 0.7
ベンジルアルコール 2.0
エタノール 2.0
ジプロピレングリコール 2.0
香料 0.5
イオン交換水 to40.0
第2剤
カルボキシビニルポリマー 3.0
HCオレンジNo.1 0.4
HCレッドNo.10 0.1
ベンジルアルコール 8.0
ジプロピレングリコール 15.0
水酸化ナトリウム 0.03
イオン交換水 to60.0
<製法>
第1剤の製法:イオン交換水に塩化アルミニウム・6水和物、グリコール酸、乳酸ナトリウムを溶解し、70℃で塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを溶解する。次にベンジルアルコールとジプロピレングリコールを添加混合し、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコールを添加する。溶解を確認した後ホモミキサー処理を行ない、50℃以下に冷却してエタノールと香料を添加する。
第2剤の製法は常法によった。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0072】
配合例9 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 8.0
ベーシックブルーNo.99 0.01
ベーシックイエローNo.57 0.01
ベーシックバイオレットNo.14 0.01
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 15.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.2
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
アミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
1,3−ブチレングリコールにセタノールを加え、70℃で加熱して溶解した後、α−オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を加える(油相パーツ)。別途、イオン交換水に塩化アルミニウム、70℃でヒドロキシプロピルセルロースを溶解する(水相パーツ)。水相パーツに油相パーツを加え、されにベンジルアルコール、エタノール、最後にイオン交換水に溶解した染料を加えて混合する。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0073】
配合例10 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 8.0
ディスパースブルーNo.7 0.01
HCイエローNo.14 0.01
ベーシックバイオレットNo.14 0.01
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 20.0
塩化アルミニウム・6水和物 0.4
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
アミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0074】
配合例11 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 2.0
ベンジルアルコール 5.0
HCブルーNo.8 0.01
HCオレンジNo.3 0.02
HCレッドNo.1 0.01
エタノール 10.0
硫酸第1鉄 0.5
セタノール 3.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
化14のジメチルポリシロキサン 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 0.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0075】
配合例12 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
ベンジルアルコール 3.0
ベーシックブラウンNo.4 0.03
ベーシックブルーNo.99 0.03
ベーシックバイオレットNo.14 0.02
ベーシックレッドNo.22 0.01
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 15.0
塩化カルシウム・2水和物 0.8
セタノール 1.0
α−オレフィンスルホン酸 0.5
化16の高分子シリコーン 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8
化14のジメチルポリシロキサン 4.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 1.0
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0076】
配合例13 カラーリンス(一剤型)
ヒドロキシエチルセルロース 1.5
ベンジルアルコール 8.0
ディスパースブラックNo.9 0.03
ディスパースブルーNo.1 0.03
HCイエローNo.13 0.05
HCレッドNo.10 0.02
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 15.0
塩化マグネシウム・6水和物 1.0
セタノール 3.0
α−オレフィンスルホン酸 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.8
化14のジメチルポリシロキサン 2.0
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.1
化15のアミノ変性シリコーン 2.5
イオン交換水 残 余
<製法>
製法は、前記配合例9に準じた。
なお、以上のようにして得られたカラーリンスは、優れた染色性、使用性、染色持続力、安全性を有していた。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる染毛料、染毛方法によれば、優れた安全性を有する中性染料、非イオン性染料、塩基性染料おいて、多価金属イオンを配合することにより、その染色力、染色色調持続力を向上することができる。また、酸を配合することにより染毛能力、染色色調持続力がより向上し、さらにシリコーンを配合することにより使用後の毛髪の感触を向上させることができる。
Claims (9)
- 中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上と、多価金属イオンとを含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項1に記載の染毛料において、多価金属イオンを金属塩として0.01〜20.0質量%含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項1又は2に記載の染毛料において、多価金属イオンはアルミニウムイオンであることを特徴とする染毛料。
- 請求項1から3のいずれかに記載の染毛料において、中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を0.005〜8.0質量%含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項1から4のいずれかに記載の染毛料において、酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項5に記載の染毛料において、前記酸及び/又はその塩を0.01〜15.0質量%含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項1から6のいずれかに記載の染毛料において、シリコーン類を含有することを特徴とする染毛料。
- 請求項7に記載の染毛料において、前記シリコーン類を0.01〜60.0質量%含有することを特徴とする染毛料。
- 中性染料、非イオン性染料、塩基性染料の中から選択される1種又は2種以上を含有する第一組成物と、
多価金属イオンを含有する第二組成物と、
からなる用時混合型染毛料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002196196A JP2004035493A (ja) | 2002-07-04 | 2002-07-04 | 染毛料 |
Applications Claiming Priority (1)
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