JP2004033296A - ラケットフレーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガット張架部11の少なくとも一部は、ガット面に対して対称に配置された2つの中空分割材17、18からなるフレーム本体と、2つの中空分割材17、18の間に挟まれた1つの中間部材19とを備え、中間部材19にはガット21を挿通するためのガット孔19bが穿設され、中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅をW1、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下としている。中間部材は断面凸形状や断面ハート形状としている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラケットフレームに関し、特に、ラケットの反発性能や剛性などを改良するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラケットフレームは、軽量性、高剛性、高強度、耐久性等の性能が要求されており、その構成材料は繊維強化樹脂が主流となっている。通常、ラケットフレームは炭素繊維のような高強度、高弾性率の繊維で強化された熱硬化性樹脂から成形されている。この材料は剛性が高く優れたものであるが、衝撃を受けた時に振動が発生しやすく、人にテニスエルボ−等の傷害を与えやすい。近年、連続繊維にて強化を施した繊維強化熱可塑性樹脂製のラケットフレームも一部に見られ、熱可塑性樹脂の持つ靭性の高さを反映して、従来の熱硬化性樹脂製ラケットでは達しなかった耐衝撃性、振動減衰性などの特性が得られている。
しかし、一般に熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂と比較して、弾性率・強度の環境依存性が大きく、ラケットフレームの使用環境により、剛性等の特性が変化しやすいという欠点がある。
【0003】
また、スピンをかけるといったプレースタイルに対応するため、ラケットの操作性が重要視され、ますます軽量化(慣性モーメントの低減)が望まれるようになると共に、スピンをかける際にはフェイス面の幅広い部分を打点として、面上にボールを転がすように打撃することからスイートスポットの拡大も望まれるようになっている。
さらに、競技者向けには打球面の安定性が要求されており、そのためには所謂面内方向の剛性が重要な性能であることが判ってきた。
【0004】
上記した事項より、軽量、高剛性・高強度、高反発、高い面安定性でありながら、振動減衰性の良いラケットが望まれるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した視点より、従来から提案されているテニスラケットを考察すると、先ず第1に、フレームを2つの中空断面から形成しているラケットが提案されている。
例えば、特開昭63−309284号公報に開示されているラケットでは、図13に示すように、作業性向上やコスト削減のため、2つの中空分割材1とその間に挟まれた1つの中間部材2とより成り、中間部材2にはガット孔2aが穿設され、その両側はそれぞれ中空分割材1の側面に接続されている。
しかし、この形状では中間部材2のガット面側の端部2bが中空分割材1のガット面側の端部1aより突出して、あるいは、同一面上にあるため、ガットの可動範囲が大きくならず、反発性を大きく向上させることができない問題がある。
【0006】
また、特開平8−206256に開示されているラケットでは、図14に示すように、2本のパイプ3をガット懸架部で結合したフレームにすることによりガット孔3aの長さを最短とし、ガットの可動範囲を大きくして反発性を高めている。
しかし、この形状では、2本のパイプの結合部分が少ないため強度が低く、ボ−ル衝突時にフレームに捻れが発生した場合に損傷しやすい問題がある。
【0007】
第2に、フレーム内部にリブを設けているラケットが提案されている。
例えば、特開平11−290485号公報に開示されているラケットでは、図15に示すように、ガット面と平行に隣接するようにフレーム5内部にリブ5aを設け、側面方向の強度を向上させている。
しかし、この形状では強度向上の効果はあるが、ガットの可動範囲は一般的なラケットと同様であり反発性を飛躍的に向上させることはできない問題がある。同様なものとして、特開平2002−35170号公報に開示されたラケットも、フレーム内部にリブを設けて強度を向上させているが、反発性を飛躍的に向上させることはできない。
【0008】
第3に、スリーブ穴あるいはガット孔を偏向させているラケットが提案されている。
例えば、特開平11−9723号公報に開示されているラケットでは、図16に示すように、フレーム6のガット面側のガット孔6aを大きく開口させることによりガットの可動範囲を拡げて反発性を向上させている。
しかし、この形状では、フレーム6内部が大きな中空となると共に、ガット孔6aを大きく開口させているため、フレーム強度が低下する問題がある。
【0009】
また、特許第2534963号公報に開示されているラケットでは、図17に示すように、フレーム8内部のスリーブ9のガット孔9aをガット面側に向けてテーパー状に傾斜させていることによりガットの可動範囲を拡げて、反発性を向上させている。
しかし、フレーム8自体は内部が大きな中空となっており強度が十分でないと共に、スリーブ9の肉厚の範囲内でしかガットの可動範囲を設定できず、反発性を大幅に向上させることはできない問題がある。
【0010】
また、上記各公報に開示された手段以外にも、反発性を向上させる下記の手段がある。
▲1▼重量を付加し慣性モーメントを増大させる。
▲2▼フェイス面積を大きくし、ガット可動範囲を大きくする。
▲3▼フレームの面内剛性を上げる。
▲4▼フレームを高弾性にする。
しかしながら、▲1▼は操作性の低下を伴い、▲2▼はフェイス面積が大きくなることで重量及び慣性モーメントが増加し、操作性が低下し、▲3▼は積層構造にしたり補強部を設ける等して断面形状の変更を伴い成形性が悪くなり、▲4▼は強度が低下する問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、剛性を高め、かつ、反発性能を飛躍的に向上させると共に、振動減衰性も併せ持ったラケットを提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ガット張架部の少なくとも一部に、ガット孔を中心軸線に穿設した中間部材と、該中間部材の両側で且つガット面に対して対称に配置される2つの対称形状の中空分割材とからなる反発促進部を設け、これら両側の中空分割材は上記中間部材よりもガット面側のフレーム内面に突出させ、上記中間部材のガット孔より引き出されるガットの両側に空隙をあけて配置していることを特徴とするラケットフレームを提供している。
【0013】
上記構成とすると、ガット面側において、中間部材が両側分割材よりも窪んだ位置に配置されるため、該中間部材のガット穴から引き出されるガットが両側分割材の間の空間で可動でき、ガットの有効長さを大とできる。その結果、フレームのフェイス面積を大きくすることなく、反発性を向上させ、かつ、スイートスポットを広げることができる。
【0014】
上記中間部材から引き出されるガットが上記両側の中空分割材の間で可動できる空間を広くすることが好ましく、フレーム外面からフレーム内面までの厚み寸法をT1、上記中間部材の厚み寸法をT2とすると、T2/T1の値を1以下としている。なお、T2/T1を0.3〜0.7が好ましい。
また、上記中間部材を挟む両側の中空分割材間の最短距離をW1、該両側の中空分割材のフレーム内面側の先端間の距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下としている。なお、W1/W2を0.3〜0.7とすることが好ましい。
【0015】
さらに、上記フレーム本体を2つの中空分割材で構成することにより、各中空分割材の対向する面が、フレーム全体としてみればフレーム内に2つのリブを架け渡した役割を果たし、面内剛性を向上させることができる。
このようにフレーム剛性を高めることで、打球時のフレーム変形が抑制されてエネルギーロスが小さくなり、反発性や面安定性の向上に貢献する。
【0016】
なお、ガット穴を通す中間部材自体が両側の中空分割材の間で回動できる構成となれば、必ずしも中間部材を両側の中空分割材のフレーム厚さ方向の長さを小さくして両側中空分割材より窪ませる必要はない。
即ち、中間部材と両側中空分割材との間でガット面側に向けて拡大する空間を存在させることによっても、ガットの有効可動長さを大とすることができる。
よって、本発明は、ガット張架部の少なくとも一部に、ガット孔を中心軸線に穿設した中間部材と、該中間部材の両側で且つガット面に対して対称に配置される2つの対称形状の中空分割材とからなる反発促進部を設け、 上記中間部材を挟む両側の中空分割材間の最短距離をW1、該両側の中空分割材のフレーム内面側の先端間の距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下としていることを特徴とするラケットフレームも提供している。
【0017】
上記ガット張架部の両側の各中空分割材は、その長手方向両端を1つの大径中空材からなるヘッド本体から分岐させて一体成形している。
即ち、チューブにプリプレグを積層し、あるいは樹脂を含浸させた繊維を巻き付けて予備成形のレイアップを形成する際に、2本のチューブを用い、1つの大径中空部からなるヘッド本体となる部分では上記2本のチューブを束ねてその外周にプリプレグ等を巻き付け、中空分割材を設ける反発促進部では2本のチューブに夫々プリプレグ等を巻き付けてでレイアップを成形している。
このレイアップを金型のキャビテイに挿入する際に、中空分割材の間に上記中間部材を押し込んだ状態でラケットフレームを成形している。
なお、ガット張架部を全長に亙って中空分割材の間に中間部材を介在させた反発促進部としても良い。かつ、別個に成形した反発促進部を1つの大径中空材からなるヘッド部の間に後付けで介在させて一体的に連結してもよい。
【0018】
上記中間部材は、繊維強化樹脂、樹脂単体、金属あるいはこれらの複合材からなり、上記両側の中空分割材は繊維強化樹脂あるいは樹脂単体からなる。
【0019】
上記繊維強化樹脂としては、連続繊維あるいは短繊維を含有した熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が、上記樹脂としては、繊維強化されていない熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
具体的には、熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0020】
また、繊維強化樹脂に用いられる強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる繊維が使用できる。例えば、カーボン繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維等が挙げられる。また金属繊維を用いてもよい。軽量で高強度であることからカーボン繊維が好ましい。これらの強化繊維は、長繊維、短繊維の何れであっても良く、これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。強化繊維の形状や配列については限定されず、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マット状、織物(クロス)状、組み紐状などいずれの形状・配列でも使用可能である。
【0021】
上記金属としては、アルミ、チタン、マグネシウム等の軽量金属あるいはそれぞれの金属が主成分となる合金等が挙げられる。
【0022】
上記中間部材は、断面凸形状、断面ハート形状等のフレーム外面側が突出した形状とする一方、
上記両側の中空分割材は各中空分割材の対向面は上記中間部材と嵌合する形状としている。
【0023】
上記中間部材と上記中空分割材との接合は、接着剤あるいは/および機械的接合手段により接合している。
つまり、上記2つの中空分割材と上記中間部材との接合面に接着材を介在させて接合するか、上記中間部材を上記2つの中空分割材により係止狭持させる等により機械的に接合するか、あるいは、上記接着剤と上記機械的接合手段とを併用する方法が用いられる。
【0024】
なお、上記接着剤としては、可撓性の高いものが好ましく、エポキシ系の他、ウレタン系の接着剤やシアノアクリレート等の瞬間接着剤等が挙げられる。
また、上記機械的接合手段について補足すると、粘着性を有する材料や化学的結合力を介せずに接合する手段であり、接合させる物同士の形状等の違いや変化の組み合わせにより結合させる手段である。具体的には、ガットの張架により中間部材をフレーム本体に押付けて接合したり、凹凸嵌合、ネジ止め、はめ合わせ、噛み合わせ、引っかけ係止、ボルト・ナット、バネ等が挙げられる。
【0025】
上記中間部材と上記中空分割材との接合面に粘弾性材を介在させることが好ましい。
上記粘弾性材の厚みは0.5mm以上4mm以下、周波数は10Hz、温度0℃から10℃の条件で測定された複素弾性率E*は2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下としている。
【0026】
上記のように、2つの中空分割材と中間部材の間に粘弾性材を介在させることにより、ボールがガット面に衝突した際に、ガットが通された中間部材へ伝達された力が上記粘弾性材のバネの役割によりガットの反発力が促進され打球の反発性が向上する。
かつ、ボールがガット面に衝突した際に中間部材へ伝達された衝撃力が、上記粘弾性材の弾性により吸収され振動を抑制することができる。
つまり、粘弾性材がダイナミックダンパ−的役割を果たすものと考えられる。
【0027】
なお、粘弾性材の弾性については、10Hzの周波数で温度が0℃〜10℃の測定条件で測定された複素弾性率に着目し、2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下の時に反発性能、振動減衰性が向上することが確認された。
【0028】
上記中間部材は断面凸形状とし、その横軸部をフレーム外面側に配置すると共に、両側の2つの中空分割材の対向面には上記中間部材の横軸部と嵌合する段状凹部を設けて上記中間部材を挟持する形状とし、
上記中間部材の横軸部と段状凹部との間に上記粘弾性材を介在させている。
【0029】
上記構成とすると、上記中間部材と上記中空分割材が凹凸嵌合されながら挟持されるので、接合強度が安定する利点がある。
また、負荷が加わりやすい上記中間部材の横軸部と段状凹部との間に上記粘弾性材を介在させているので、粘弾性材の効果を高めることができる。さらに好ましくは、上記粘弾性材をガット面と垂直となる接合面に介在させることで、ボールがガット面に衝突する際にガットに対して負荷される面内方向のテンションを上記粘弾性材で効果的に反発させて、打球の反発力をより向上させることができると同時に、フレーム本体への衝撃の伝達を粘弾性材で効果的に吸収することができる。
【0030】
上記両側の中空分割材と上記中間部材とからなる反発促進部の1つ当たりの長さは、フレーム長さ方向に対して、2cm以上15cm以下とし、さらに好ましくは、3cm以上7cm以下としている。
【0031】
つまり、上記2つの中空分割材に上記中間部材を介在させた部分が15cmを越えて長すぎると、打球時にフレームが捻れやすく強度が低下し、打球時のエネルギーロスが増えて反発性が向上しなくなるからである。また、2cmより短いと反発促進部を設けたことによる反発性能が増加の効果が少ないことによる。
したがって、上記2つの中空分割材に中間部材を介在させた部分をフレームに多く設けたい場合は、分割して数カ所配置することが好適である。
【0032】
具体的には、上記反発促進部をガット張架部の全周、あるいは、ガット面を時計面とみてトップ位置を12時とすると、3時位置と9時位置とを含む位置、あるいは、12時位置にガット張架部に所要間隔をあけて介在させていると好適である。
なお、上述したように、捻れ強度を考慮して反発促進部の長さに上限を設けているので、反発促進部をガット張架部に分割して複数設ける場合は、ところどころに上記2つの中空分割材を連結している連結部を設けるのが好ましい。
また、複数の反発促進部を局部的に複数設ける場合には、連結部最小長さは、5mm〜20mmとするのが好ましい。5mmより短いと強度が低下し、20mmより長いと所望の位置に局部的に反発促進部を設けることが困難となるため、設計自由度が低くなるからである。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のテニスラケット10を示し、ガット張架部11、スロート部12、シャフト部13、グリップ部14を連続的に形成し、スロート部12の両側枠の間の先端にヨーク15を設けている。
【0034】
ガット張架部11のフレーム本体21は、図7に示すような、強化繊維として炭素繊維を用いた熱硬化性繊維強化樹脂からなる1つの中空断面材より構成していると共に、ガット張架部11の3時・9時位置には、図2に示すような断面構造を有する反発促進部16を部分的に設けている。
なお、反発促進部16は、フレーム長さ方向に対して、2cm以上15cm以下の長さとしており、本実施形態では3cmとして、3時位置と9時位置に夫々連結部(1つの中空断面材)を介して3個ずつ設けている。
【0035】
反発促進部16は、ガット面に対して対称に配置された2つの中空分割材17、18の間に1つの中間部材19を粘弾性材20を介して挟んでいる。
詳しくは、中間部材19は断面凸形状として、その中央にガット21を挿通するためのガット孔19bが穿設され、両側に突出した横軸部19c、19dを2つの中空分割材17、18に設けられた断面L字状の凹み部17b、18bに嵌合して挟持されている。そして、中間部材19と2つの中空分割材17、18との接合面のうち、ガット面と垂直となる面に粘弾性材20を介在させている。
【0036】
上記中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅をW1、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下に設定している。
かつ、中間部材19のガット面側の端部19aは、中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aよりも窪んだ位置であるフレーム外面側に位置し、中空分割材17、18のガット面方向の厚さをT1とし、中間部材19のガット面方向の厚さをT2とした場合、T2/T1の値を1以下に設定している。
本実施形態ではT2/T1=0.5としている。
【0037】
また、中間部材19の面外方向の幅をL1とし、横軸部19c、19dの厚さをL2とした場合、L1の値は5mm以上12mm以下に、L2の値は2mm以上5mm以下に設定している。
さらに、粘弾性材20の厚さをL3とした場合、L3の値は0.5mm以上4mm以下とし、本実施形態では2mmとしている。
【0038】
また、粘弾性材20の材質は、スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いており、周波数が10Hz、温度が0〜10℃の条件で測定された複素弾性率E*は2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下とすると好適であり、本実施形態では、E*は5.07×107dyn/cm2としている。
【0039】
中間部材19と中空分割材17、18との接合は、接着剤を用いると共に、中空分割材17、18同士の挟持力およびガット21の張架による中間部材19の中空分割材17、18の切欠部17b、18bへの押付力とにより行っている。なお、上記接着材の材質は、可撓性の高いものが好ましく、エポキシ系の他、ウレタン系の接着剤や瞬間接着剤等が好適に用いられる。
【0040】
中間部材19の材質は、繊維強化樹脂、樹脂単体、金属あるいはこれらの複合材からなり、本実施形態では、66ナイロンに炭素繊維を重量パーセント22%含有したもの(NY66+CF22%)を用いている。
中空分割材17、18の材質は、本実施形態では、カーボン繊維強化エポキシ樹脂を用いている。
【0041】
上記ラケットフレームの形成方法は、図3(A)(B)(C)に示すように、2本の内圧充填用のチューブ23、24を用い、反発促進部16を形成する位置では1本づつ個別に繊維強化樹脂材25を巻き付ける一方、反発促進部16を設けないフレーム本体21では2本の内圧チューブ23、24をまとめた外周面に繊維強化樹脂25を巻き付けてレイアップ27を作製する。
次いで、図3(D)に示すように、このレイアップ27の内圧チューブ23、24の1本づつ個別に繊維強化樹脂材25を巻き付けた箇所に、中間部材19を挟んだ状態で金型26のキャビティ26a内に充填し、金型26を型締して、150℃、20分間の加熱を行うと同時に2本のチューブ23、24内に6〜9kgf/cm2の空気圧あるいは窒素圧力を付加する。成形後には内圧チューブ23、24を引き抜くことが好ましい。
【0042】
図4は第2実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、本実施形態のテニスラケット30では、図2に示す反発促進部16の設定位置を、ガット張架部31のトップ位置に部分的に設けて金型内で一体成形している点である。
反発促進部16の長さは、フレーム長さ方向に対して3cmとして、3つ設けている。
なお、反発促進部16の構造・材質等や、その他の部位の構造・材質等は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0043】
図5は第3実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、本実施形態のラケット40は、反発促進部16をガット張架部41に等間隔をあけて全周に設けている点である。
個々の反発促進部16の長さは、フレーム長さ方向に対して、5cmとしており、隣接する反発促進部16間の距離は、ガット孔間隔の1cmとして、15個の反発促進部16に分割配置されている。
なお、反発促進部16の構造・材質等や、その他の部位の構造・材質等は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0044】
図6は第4実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、反発促進部16’の中間部材19と2つの中空分割材17、18との間に粘弾性材を介在させていない点である。
なお、他の構造・材質等は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0045】
図7(A)(B)は第5実施形態を示す。
第5実施形態では、中間部材19’の形状を断面ハート形状とし、その中心部にガット穴19b’を設けている。両側の中空分割材17’、18’の対向面は中間部材19’の形状に密着するように円弧形状の凹み部17b’、18b’を設け、接着剤を介して固着している。なお、粘弾性材を介在させてもよい。
【0046】
上記断面ハート形状の中間部材19’は、その最大厚み寸法をβ(前記T2と対応)、最大幅寸法をα(前記W1と対応)、図示の曲率をγとすると、βは3〜8、αは5〜10,γはR2〜R50としている。
また、α/βは0.6〜3.0としている。
さらに、両側の中空分割材17’、18’の厚さT1と上記中間部材19’の厚みβとの比は上記第1実施形態と同様としている。
一例として、α=8mm、β=5mm、γ=R4、W1=5mm、W2=10mm、T1=12mm、T2=5mmとすると好適である。
【0047】
上記中間部材19’の形状を断面ハート形状とすると、断面凸形状の場合と比較して、応力が集中しずらい利点があると共に軽量化を図ることもできる。
これい対して断面凸形状とすると、両側の中空分割材との間に粘弾性材等からなる減衰材を介在できる面積が大となるため、減衰効果を高めることができると共にスプリング効果も高く反発性を大とすることができる。
【0048】
次に、上記した第1〜第4実施形態のテニスラケットの物性等を評価すべく、以下の実施例、比較例を作成し、ガット張架部の側面と打球面の剛性、反発係数、振動(面外方向1次減衰率、面外方向2次減衰率)を測定し、更に、実打テストを行った。
【0049】
実施例1〜9および比較例1のテニスラケットは、すべて略同一形状とし、ラケット全長を698.5mmとし、打球面の面積を110平方インチとした。
【0050】
(実施例1)
実施例1は第1実施形態に該当し、ガット張架部11の3時、9時部分に反発促進部16を設け、そのフレーム方向の長さを夫々3cmとしている。
中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅W1は5mm、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離W2は10mm(W1/W2=0.5)とし、また、中空分割材17、18のガット面方向の厚みT1は12mm、中間部材19のガット面方向の厚さT2は6mm(T2/T1=0.5)とした。また、フレームの面外方向の厚みは24mmとした。
【0051】
中間部材19の材質は66ナイロンに炭素繊維を重量パーセント22%含有したもの(NY66+CF22%)としている。
粘弾性材20の材質はスチレンブタジエンゴム(SBR)で、その厚さL3は2mmとし、周波数が10Hz、温度が0〜10℃の条件で測定された複素弾性率E*は5.07×107dyn/cm2としている。
また、テニスラケットの重量WTは253gであり、そのバランス点(重心)BPは、ラケット全長を698.5mmとすると、グリップエンドから361mmの位置としている。
【0052】
(実施例2)
実施例2は第2実施形態に該当し、ガット張架部31のトップ部分に反発促進部16を設け、そのフレーム方向の長さを3cmとして3個設けている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0053】
(実施例3)
実施例3は第3実施形態に該当し、ガット張架部41の全周に等間隔をあけて反発促進部16を15個設け、夫々の反発促進部16のフレーム方向の長さは、5cmとし、隣接する反発促進部16の間隔は1cmとしている。 他の構成は実施例1と同様である。
【0054】
(実施例4)
実施例4は第4実施形態に該当し、粘弾性材20を備えていない反発促進部16’をガット張架部の3時、9時部分に設け、そのフレーム方向の長さを夫々3cmとしている。
中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅W1は5mm、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離W2は10mm(W1/W2=0.5)とし、また、中空分割材17、18のガット面方向の厚みT1は12mm、中間部材19のガット面方向の厚さT2は6mm(T2/T1=0.5)としている。
中間部材19の材質は66ナイロンに炭素繊維を重量パーセント22%含有したもの(NY66+CF22%)としている。
【0055】
(実施例5)
実施例5は第1実施形態に該当し、中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅W1を5mm、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離W2を15mm(W1/W2=0.33)としている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0056】
(実施例6)
実施例6は第1実施形態に該当し、中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅W1を5mm、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離W2を6mm(W1/W2=0.83)としている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0057】
(実施例7)
実施例7は第1実施形態に該当し、中間部材19のガット面側の端部19aの面外方向の幅W1を3mm、2つの中空分割材17、18のガット面側の端部17a、18aでの互いの距離W2を10mm(W1/W2=0.33)としている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0058】
(実施例8)
実施例8は第1実施形態に該当し、粘弾性材20の厚さL3を1mmとしている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0059】
(実施例9)
実施例9は第1実施形態に該当し、粘弾性材20の厚さL3を4mmとしている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0060】
(比較例1)
比較例1は、ガット張架部の全周が図8に示す1つの中空分割材50からなる通常のラケットであり、反発促進部を設けていないものである。
ガット孔50aのガット面側の端部の面外方向の幅W1と、中空分割材50のガット面側の端部の距離W2とは同じ5mmであり、また、中空分割材50のガット面方向の厚みT1(T2)は12mm(T2/T1=1)としている。
他の構成は実施例1と同様である。
【0061】
実施例および比較例のテスト結果を下記の表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
(打球面剛性の測定)
打球面剛性(面外方向の剛性)測定は、図9に示すように、実施例及び比較例のテニスラケットを水平に配置し、そのガット張架部11のトップ11tを受け治具51(R15)で支持すると共に、トップ11tから340mm離れた位置で、スロート部12の両側からヨーク15にかけた位置を受け治具52(R15)で支持した。この状態で、受け治具61より受け治具52の方向へ170mm離れた位置に対して、加圧具53(R10)により上方より784Nの荷重を加えて、荷重時の変位から、バネ定数を算出し、打球面剛性を測定した。
【0064】
(側圧剛性の測定)
側圧剛性の測定は、図10に示すように、実施例及び比較例のテニスラケットを横向きで打球面Fを垂直方向として、テニスラケットを保持している。この状態で上方のガット張架部11のサイド11sに対して、平板Pにより、784Nの荷重を加えて、荷重時の変位から、バネ定数を算出し、側圧剛性を測定した。
【0065】
(反発係数の測定)
反発係数は、図11に示すように、実施例及び比較例のテニスラケットに、ガットを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きい程、ボールの飛びが良いことを示している。このような方法で、反発係数を測定した。
【0066】
(面外1次振動減衰率の測定)
図12(A)に示すように、各実施例及び比較例のテニスラケットにおいて、ガット張架部11の上端を紐61で吊り下げ、ガット張架部11とスロート部12との一方の連続点に加速度ピックアップ計63をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、図12(B)に示すように、ガット張架部11とスロート部12の他方の連続点をインパクトハンマー65で加振した。インパクトハンマー65に取り付けられたフォースピックアップ計で計測した入力振動(F)と加速度ピックアップ計63で計測した応答振動(α)をアンプ66A、66Bを介して周波数解析装置67(ヒューレットパッカード社製、ダイナミックシングルアナライザーHP3562A)に入力して解析した。解析で得た周波数領域での伝達関数を求め、テニスラケットの振動数を得た。振動減衰比(ζ)は下式より求め、面外1次振動減衰率とした。測定は、各実施例および比較例毎に、各テニスラケットについて測定した。
【0067】
ζ=(1/2)×(Δω/ωn)
To=Tn/√2
【0068】
(面外2次振動減衰率の測定)
図12(C)に示すように、各実施例及び比較例のテニスラケットにおいて、ガット張架部11の上端を紐61で吊り下げ、スロート部12とシャフト部13との連続点に加速度ピックアップ計63をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、加速度ピックアップ計63の裏側のフレームをインパクトハンマー65で加振した。そして、面外1次振動減衰率と同等の方法で減衰率を算出し、面外2次振動減衰率とした。測定は、各実施例および比較例毎に、各テニスラケットについて測定した。
【0069】
(実打テストの方法)
実施例及び比較例のテニスラケットを用いて実打テストを行った。実打テストは一般プレイヤー50人により、下記の項目につき5点法で評価してもらい、50人の平均値を算出している。
振動 : 有る 1−2−3−4−5 無い
飛び : 悪い 1−2−3−4−5 良い
【0070】
上記表1に示す結果から明らかなように、反発促進部16、16’を設けた実施例1〜10は反発促進部16、16’を設けなかった比較例1に比べて、打球面、側圧ともに剛性が優れている共に、反発係数も大きくボールの反発性が良好であることが分かる。
さらに、振動減衰率も面外1次、面外2次ともに、実施例1〜9が比較例1に比べて大きく、振動減衰性に優れていることが分かる。
また、実打テストにおいても、飛び性、振動減衰性ともに、実施例1〜9が比較例1に比べて優れていることが確認された。
【0071】
以下に各実施例同士を考察すると、粘弾性材19を備えていない実施例4に比べ、粘弾性材19を備えている実施例1〜3、5〜9は、反発性や振動減衰性に優れていることが分かる。
また、粘弾性材19の厚みL3を1mmに薄くしている実施例8よりも、他の実施例の方が振動減衰性に優れ、特に、厚みL3を4mmに厚くしている実施例9は振動減衰性に優れている。
また、反発促進部16の配置位置を異ならせている実施例1〜3を比較すると、大きな優劣は無いものの、反発促進部16を全周に設けている実施例3が全ての項目において優れていると言える。
さらに、実施例5が他の実施例に比べて実打テストの飛びの評価が高いことより、W1/W2を小さくした方が反発性が良好であるといえる。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ガット張架部の少なくとも一部に反発促進部を設けて、上記W1/W2を1以下として、打球時にガットが面外方向へ振動する際に上記中空分割材に干渉しにくくなるので、ガットの可動範囲が拡がり反発性を向上させることができる。
また、T2/T1の値を1以下としているので、張り架けられたガットの可動部分の長さを長くとることができ、フェイス面積を大きくすることなく反発性を向上させ、かつ、スイートスポットを広くすることが可能となる。
さらに、フレームを2つの中空分割材で構成していることで、フレーム全体としてみればフレーム内に2つのリブを架け渡した役割を果たし、剛性を向上させることができる。このフレーム剛性の向上により、打球時のフレーム変形が抑制されてエネルギーロスが小さくなり、反発性や面安定性の向上に貢献する。
【0073】
また、2つの中空分割材と中間部材との間に粘弾性材を介在させることにより、粘弾性材のバネの役割によりガットの反発力が促進され打球の反発性がより向上し、かつ、打球時の衝撃力が粘弾性材の弾性により吸収され振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のラケットフレームの正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】(A)はレイアップの要部斜視図、(B)はB−B線断面図、(C)はC−C線断面図、(D)はレイアップを金型へ充填した平面図である。
【図4】第2実施形態のラケットフレームの正面図である。
【図5】第3実施形態のラケットフレームの正面図である。
【図6】第4実施形態の断面図である。
【図7】第5実施形態を示し、(A)がラケットフレームの反発促進部の断面図、(C)は中間部材の断面図である。
【図8】比較例1の断面図である。
【図9】打球面剛性の測定方法を示す概略図である。
【図10】側圧剛性の測定方法を示す概略図である。
【図11】反発係数の測定方法を示す概略図である。
【図12】(A)〜(C)はラケットフレームの振動減衰率の測定方法を示す概略図である。
【図13】従来例1を示す断面図である。
【図14】従来例2を示す断面図である。
【図15】従来例3を示す断面図である。
【図16】従来例4を示す断面図である。
【図17】従来例5を示す断面図である。
【符号の説明】
10 テニスラケット
11 ガット張架部
12 スロート部
13 シャフト部
14 グリップ部
15 ヨーク部
16 反発促進部
17、18 中空分割材
19 中間部材
19b ガット孔
20 粘弾性材
21 ガット
Claims (11)
- ガット張架部の少なくとも一部に、ガット孔を中心軸線に穿設した中間部材と、該中間部材の両側で且つガット面に対して対称に配置される2つの対称形状の中空分割材とからなる反発促進部を設け、これら両側の中空分割材は上記中間部材よりもガット面側のフレーム内面に突出させ、上記中間部材のガット孔より引き出されるガットの両側に空隙をあけて配置していることを特徴とするラケットフレーム。
- 上記両側の中空分割材のフレーム外面からフレーム内面までの厚み寸法をT1、上記中間部材の厚み寸法をT2とすると、T2/T1の値を1以下としている請求項1に記載のラケットフレーム。
- 上記中間部材を挟む両側の中空分割材間の最短距離をW1、該両側の中空分割材のフレーム内面側の先端間の距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下としている請求項1または請求項2に記載のラケットフレーム。
- ガット張架部の少なくとも一部に、ガット孔を中心軸線に穿設した中間部材と、該中間部材の両側で且つガット面に対して対称に配置される2つの対称形状の中空分割材とからなる反発促進部を設け、
上記中間部材を挟む両側の中空分割材間の最短距離をW1、該両側の中空分割材のフレーム内面側の先端間の距離をW2とした場合、W1/W2の値を1以下としていることを特徴とするラケットフレーム。 - 上記ガット張架部の両側の各中空分割材の長手方向両端は、1つの大径中空材からなるヘッド本体から分岐させて一体成形している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
- 上記中間部材は、繊維強化樹脂、樹脂単体、金属あるいはこれらの複合材からなり、断面凸形状、断面ハート形状等のフレーム外面側が突出した形状とする一方、
上記両側の中空分割材は樹脂あるいは繊維強化樹脂からなり、各中空分割材の対向面は上記中間部材と嵌合する形状としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のラケットフレーム。 - 上記中間部材と上記中空分割材との接合は、接着剤あるいは/および機械的接合手段により接合している請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
- 上記中間部材と上記中空分割材との接合面に粘弾性材を介在させており、
上記粘弾性材の厚みは0.5mm以上4mm以下、周波数は10Hz、温度0℃から10℃の条件で測定された複素弾性率E*は2.0×107dyn/cm2以上1.0×1010dyn/cm2以下としている請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のラケットフレーム。 - 上記中間部材は断面凸形状とし、その横軸部をフレーム外面側に配置すると共に、両側の2つの中空分割材の対向面には上記中間部材の横軸部と嵌合する段状凹部を設けて上記中間部材を挟持する形状とし、
上記中間部材の横軸部と段状凹部との間に上記粘弾性材を介在させている請求項8に記載のラケットフレーム。 - 上記両側の中空分割材と上記中間部材とからなる反発促進部の1つ当たりの長さは、フレーム長さ方向で2cm以上15cm以下としている請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
- 上記反発促進部をガット張架部の全周、あるいは、ガット面を時計面とみてトップ位置を12時とすると、3時位置と9時位置とを含む位置、あるいは、12時位置にガット張架部に所要間隔をあけて介在させている請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
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