JP4049631B2 - ラケットフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラケットフレームに関し、詳しくは、テニス、バトミントン、スカッシュ等のスポーツ用のラケットフレーム、特に硬式テニスに好適なラケットフレームに関し、特に、反発性能を低下させずに、振動減衰性の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラケットフレームの打球面の面外方向に厚みを持たせた所謂「厚ラケ」が提供されており、該厚ラケを必要とするユーザーは、女性やシニア層といった少ないカで飛び性能を要求する層で、軽量で飛び性能の良いラケットが求められている。このため、ラケットの製法も比強度が高くて設計自由度の高い繊維強化樹脂が主流となっている。
【0003】
ところが、テニスラケットが軽くなった場合、打球時に、テニスボールによりテニスラケットに負荷される衝撃が大きくなり、不快な振動を感じると共に、衝撃が肘に伝わりやすく、テニスエルボーの原因になる。そのため、軽量かつ振動吸収性の高いラケットが望まれている。
【0004】
昨今、280g以下の軽量ラケット等が出現しており、さらには250g以下というような軽量ラケットも設計されている。このような軽量ラケットにおいて、ラケットフレームの構造体となるカーボン繊維強化樹脂量がわずか4〜5g変化するだけで、耐久性が非常に大きく変わることが判明している。
従って、軽量ラケットにおいて、強度等との兼ね合いより、軽量化と振動減衰性・衝撃吸収性の両立させるために、振動減衰材を装着したラケットフレームが多数提案されている。
【0005】
例えば、特公昭52−13455号では、テニスラケットのグリップエンドに、先端に錘を取り付けた鋼ワイヤの基端をフレームに埋設した細長い弾性部材からなる片持ち梁型のダンバーを取り付けることが提案されている。また、特開昭52−156031号では、テニスラケットのスロート部に基部を固定し、該基部より首部を介して本体を連結し、該本体を振動させることが提案されている。さらに、特開昭62−192182号では、フレーム本体に、自由端部に質量体が装着されたロッドを粘弾性部材で、支持してなる振動吸収体を設定したラケットフレームの振動吸収装置が提案されている。
また、特開2000−24140号では、振動重錘を備え、該振動重錘はグリップエンドを取り囲む可撓製キャップの空洞内に受容され、該重錘がグリップエンドから距離をおいて存在する振動緩衝装置が提案されており、打撃用具のグリップ部分の自由端に振動の波腹の近傍に装着されている。
【0006】
さらに、本出願人は、特開2000−157649号において、ラケットフレームに発生する振動振幅の大きい位置の近傍に、質量体を粘弾性体で接続して配置し、フレーム厚み方向・幅方向に配置することにより、各振動モードの減衰に寄与させることを提案している。
また、特開2001−37916号において、ラケットフレームの少なくとも一部のストリング孔に、振動吸収材を装着することにより、ストリングのみならずフレームの振動も減衰させることを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公昭52−13455号、特開昭52−156031号、特開昭62−192182号は、ラケットの特定の振動モード(特に面外1次)の減衰にしか寄与せず、ラケットフレーム本体の物性に影響しない錘があるため、重量が増加する問題があった。また、スイング時に邪魔になったり、反発性能等の向上に寄与するものもないという問題がある。
また、特開2000−24140号は、各振動モードの減衰に寄与するものであるが、エンドキャップの構造自体も蓋体を有する構造とはしにくいため、中空体内に発生した破片による音鳴りの対策が不充分である上に、反発性能の向上には寄与せず、補助錘によって固有振動数を調整するもので、重量が大きく増加するという問題がある。
【0008】
さらに、特開2000−157649号および特開2001−37916号は、前記提案よりは重量増加がなく、振動減衰性に優れるいるが、さらなる振動減衰機能の向上が求められている。
【0009】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、できるだけ重量を増加させることなく振動減衰性を高めると共に、反発性能にも優れたラケットフレームを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、打球面を囲むガット張架部、二股状のスロート部、シャフト部及びグリップ部を連続させ、上記ガット張架部とスロート部との連結箇所の間にヨークを取り付けてなるラケットフレームにおいて、
上記ガット張架部の左右枠部の一方から他方へと上記打球面に張架されるガットに接触させずに粘弾性材からなる振動減衰材が架け渡されて装着され、あるいは/および、上記ヨークから離れた位置の上記スロート部の左右枠部の一方から他方へと粘弾性材からなる振動減衰材が架け渡されて装着されていることを特徴とするラケットフレームを提供している。
【0011】
上記構成として、ガット張架部あるいはスロート部に粘弾性材からなる振動減衰材を架橋すると、あたかもダブルヨークの特異な外観を呈し、このダブルヨーク状に取り付ける部材を粘弾性材からなる振動減衰材としていることで、振動減衰性を高めることが出来ると同時に、振動減衰機能をラケットフレームに付加していることを一見して認識させることができる。
即ち、粘弾性材の両端をガット張架部あるいはスロート部の左右両側枠に外嵌固定して面接触させているため、フレームに発生する振動を粘弾性材からなる振動減衰材に伝え、該振動減衰材を共振させ、その粘弾性特性により左右両側枠からバランス良く吸収することができる。また、重錘等の質量付加材を用いておらず、余分な重量が付加されないため、極力、軽量性を維持しながら、振動減衰性を高めることができる。
【0012】
また、ガット張架部あるいは/およびスロート部に振動減衰材を装着するため、反発性能も向上させることができる。即ち、極力少量の重量で、振動減衰性を高めると共に、付加された少量の重量増を反発性能の向上に結びつけることができる。さらに、ラケットフレームとは異なる材質である粘弾性材を上記のように連結することで、フレームと粘弾性材との接合面にも、ラケットフレーム変形時に発生する剪断力を集中させて振動減衰性を高めることもできる。
また、ガット張架部に装着する場合でも、ガットと接触させないため、反発性能を損なわせることはない。
なお、粘弾性材の両端が、各スロート部あるいはガット張架部の左右両側枠に固定する位置は、左右対称位置としていることが好ましい。即ち、粘弾性材は、バランスの点より、左右対称、かつ打球面に対しても対称に装着されることが好ましい。
【0013】
ラケットフレームの1次モードの振幅の大きい部分は、ラケットフレームのトップ、グリップ、フレーム中央部であるが、グリップ端からガット張架部のトップ端までの長さ方向の略中央のフレーム中央部付近、即ち、ヨークよりも打球面側で且つ最もヨーク側で横方向に張架されるガット(最下端の横方向ガット位置)よりもヨーク側に配置すると、効果的に振動を減衰することができる。
なお、ガット張架部のトップ付近だと振りぬきにくくなったり、グリップ部はプレーヤーが握る部分に近いため、効果が低減される。
【0014】
具体的には、上記振動減衰材はフレーム全長Lに対してグリップエンドより0.3L以上0.6L未満の範囲内の上記ガット張架部あるいはスロート部に装着されることが好ましい。
振動減衰材は各振動モードの腹(振幅の大きいところ)に設置することが良いと考えられ、一般的に面外1次の振動モードの腹はグリップエンドより0.3L〜0.7Lの範囲付近に存在し、面外2次の振動モードはグリップエンドより0.1L〜0.4Lの範囲、グリップエンドより0.6L〜0.9Lの範囲付近に存在する。よって、面外1次、面外2次の振動を効果的に減衰させるにはグリップエンドより0.3L〜0.6Lの範囲内に粘弾性材を配置することが好ましい。
【0015】
全長Lに対しグリップエンドから0.3L以上0.6L未満としたのは、0.3Lより小さい位置だと面外1次と面外2次の両方のモードの節に近くなり減衰効果が小さくなる上に、グリップ部となるため装着が難しいためである。一方、0.6Lを越えると、バランスが大きくなり操作性が悪くなりやすいためである。 また0.3L以上0.6L未満の範囲内に配置したとき、効果的に重心周りに重量が集中するため、重量(WT)/バランス(BP)を上げずに最も効率よく反発係数を増大することができる。よって、出来るだけモーメントを増加させることなく、振動減衰性・反発性能を向上させることができる。
【0016】
また、通常、プレーヤーはラケット打球面の中央で打撃するが、その際、励起される振動モードはフレーム面外2次およびガットの振動である。この時の励起される面外2次の固有振動数は軽量化が進んだ昨今のラケットフレームでは500〜600Hzである。また、オフセンター打撃時に励起されるのはフレーム面外1次振動であり、昨今のラケットフレームでは100〜200Hzである。
【0017】
上記振動減衰材となる粘弾性材の曲げ弾性率は100MPa以上1500MPa未満としていることが好ましい。
上記範囲としているのは、曲げ弾性率が100MPa未満になると柔らか過ぎるため、固有振動数の大きい面外2次の振動どころか比較的固有振動数の小さい面外1次の振動まで合わなくなるためである。一方、1500MPaを越えると硬くなり過ぎ、固有振動数の小さい面外1次の振動どころか比較的固有振動数の大きい面外2次の振動まで合わなくなるためである。
【0018】
粘弾性材としては、上記曲げ弾性率を有するゴム、樹脂、エラストマー等からなる材料であれば良く、ナイロン等の熱可塑性樹脂が好ましい。特に、ナイロンの1種であるポリエーテルブロックアミド(PEBAX)、ポリスチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体(HYBRAR)、ポリエステルエラストマー(HYTREL)等が好ましい。
【0019】
また、上記振動減衰材は4g以上16g未満であることが好ましい。
上記範囲としているのは、4gより軽い重量では粘弾性材を共振させるのが難しく充分な減衰性を得にくいためである。一方、16gを越えると、重量・慣性モーメントが大きくなり、その結果操作性が悪くなりやすいためである。なお、粘弾性材の装着個数は、1個あるいは複数個とすることができる。
【0020】
具体的には、上記ガット張架部に装着する上記振動減衰材は、該ガット張架部の左右枠部に夫々外嵌固定する左右取付部と、該左右取付部を連結する架橋部とを一体成形した成形品からなり、該ガット張架部に装着する上記振動減衰材の上記架橋部はガット面の表裏両面と所要寸法をあける表裏両側部に分割され、これら表裏両側部間の空隙をガット挿通穴とし、上記ヨークに通す縦方向のガットを全て上記ガット挿通穴に挿通させている。
なお、さらに、ガット張架部で分割した形状とせず、シート状のものを打球面の両側にガットと接触しないように2枚配置してもよい。
また、挿通させるガットの本数と同数のガット挿通穴を設け、各ガット挿通穴に1本ずつガットを挿通させる構成としても良い。
また、スロート部の左右枠間に装着する際は、ガット挿通穴を設ける必要がないため、中実の棒状、シート状、中空のチューブ状等とすることもできる。
【0021】
本発明のラケットフレームでは、縦方向に張架されるガットの長さが340mm以上420mm未満であることが好ましい。
このように、縦方向のガットの長さを長くすると反発係数が増大し、ヨークの位置も下がるので、重量/バランスを増加させずに効率よく反発係数を向上させることが出来る。縦方向の全てのガット長さが上記範囲であると非常に反発性能に優れるが、縦方向のガットの少なくとも1本以上が上記範囲であれば良く、長いガットが多いほど反発性能が向上する。
上記範囲としているのは、340mmよりも短いと、充分な反発性能を得にくいためである。一方、420mmよりも長いと、それに応じてヨークの長さが短くなり、面内剛性が低下し、面安定性が悪くなりやすいためである。
【0022】
上記振動減衰材の両側がスロート部あるいはガット張架部との接触面積の合計は20cm2以上とすると共振性を高めて、振動減衰性を向上させることが出来る。また、振動減衰材の架橋部の長さは60mm以上とすると、架橋部による振動減衰性能を高めることが出来る。
【0023】
振動減衰材は、少なくとも、ガット張架部あるいはスロート部の厚み方向内面及び幅方向両面に外嵌固着させることが好ましい。また、振動減衰材と左右取付部が取り付けられるスロート部あるいはガット張架部には凹部を設け、振動減衰材の左右取付部を嵌合固着し、ガット張架部あるいはスロート部の表面と段差なく取り付けてもよいし、凹部を設けずにガット張架部あるいはスロート部の任意の位置に取り付けてもよい。
【0024】
ラケットフレームのフレーム本体は繊維強化樹脂、樹脂単体、金属、木材又はこれらの複合材から形成することができる。特に、プリプレグの積層体を中空パイプ状としたものから形成することが好ましい。繊維強化樹脂に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられるが、強度と剛性の点より、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ系樹脂が好ましい。強化繊維としては、一般に高性能強化繊維として用いられる繊維が使用でき、軽量で高強度であることからカーボン繊維が好ましい。また、連続繊維が好ましく、繊維の配置形態等は適宜設定可能である。なお、マンドレルにフィラメントワインデイングで強化繊維を巻き付けてレイアップを形成しておき、これを金型内に配置してリムナイロン等の熱可塑性樹脂を充填して形成したラケットフレームとすることもできる。粘弾性材を装着したラケットフレームの重量は200g〜280gが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は本発明の第1実施形態に係るラケットフレーム11を示す。ラケットフレーム11は、硬式テニス用であり、打球面Fを囲むガット張架部13、二股状のスロート部14(14A、14B)、シャフト部15、グリップ部16を繊維強化樹脂製のパイプにより連続して構成している。ガット張架部13は、別部材からなるヨーク17をスロート側でラケットフレーム11と連続して打球面Fを囲む環状としている。
【0026】
ラケットフレーム11には、打球面Fに張架するガットと接触させない状態で、ガット張架部13の左右枠13A、13Bの間を架橋するように、その一方から他方へと、粘弾性材からなる振動減衰材20を、ダブルヨーク状に装着している。
【0027】
振動減衰材20を構成する粘弾性材は、ナイロンの1種であるポリエーテルブロックアミドを用いて形成され、曲げ弾性率が730MPaである。
また、振動減衰材20は、フレーム全長Lに対してグリップエンド16aより0.3L〜0.6Lの範囲内に配置される。
本実施形態では、ヨーク17よりも打球面F側に、ヨーク17とは間隔をあけて配置され、ガット張架部13の左右枠13A、13Bと連結される位置は、0.46Lとしている。振動減衰材20は、左右対称、かつ打球面Fに対しても対称となるように配置されている。また、本実施形態では、縦方向に張架されるガットの長さは240mm〜400mmである。
【0028】
図2に示すように、振動減衰材20は、ガット張架部13の左右枠13A、13Bに夫々外嵌固定する左右取付部20Aa、20Abと、打球面Fの表裏両面に間隔をかけて配置され左右取付部20Aa、20Abを連結する架橋部20Bとを一体的に成形している。
【0029】
架橋部20Bは打球面(ガット面)Fの表裏両面と所要寸法をあける表裏両側部20Ba、20Bbに分割され、これら表裏両側部20Ba、20Bb間の空隙をガット挿通穴21としている。ガット挿通穴21は、略楕円形状であり、ガット挿通穴21には、ヨークに通す縦方向のガット(本実施形態では計10本)が全て挿通される構成としている。ガット挿通穴21は略楕円形状であるため、架橋部20Bの表裏両側部20Ba、20Bbの厚みは、架橋部20Bの中央へいくに従い薄くなっており、中央部での厚みt1は2mmとしている。
【0030】
振動減衰材20の架橋部20Bの長さは135mm、架橋部20Bの幅W1は14.85mm、ガット挿通穴の長さH1は115.0mm、振動減衰材20とガット張架部13との接合面積の合計は28cm2、振動減衰材20とガット張架部13とが接触する左右取付部20Aの厚みt2は1mmである。また、振動減衰材20の重量は10gである。
【0031】
図3に示すように、振動減衰材20は、ガット張架部13の厚み方向内面13a及び幅方向両面13b、13c、及び厚み方向外面13dと接触し連結されている。具体的には、振動減衰材20と連結されるガット張架部13には、左右取付部20Aの形状に合わせた凹部13eが設けられている。凹部13eの外周面と左右取付部20Aの内周面を接触させて接着剤により装着している。凹部13eの深さは、左右取付部20Aの厚みと同一であり、振動減衰材20が装着された状態において、ガット張架部13の表面と、振動減衰材20の表面との間には段差が生じない構成としている。
【0032】
ラケットフレーム11は、繊維強化樹脂製の中空パイプからなり、カーボン繊維からなる強化繊維をマトリクス樹脂のエポキシ樹脂で含浸しているプリプレグの積層体からなる。
【0033】
上記のように、ラケットフレーム11には、振動減衰材20の両端がガット張架部13の両サイド13A、13Bと連結するように、振動減衰材20がラケットフレームに装着されている。このため、ラケットフレーム11の両サイドがら伝わる振動を、振動減衰材20を構成する粘弾性材の弾性によりバランス良く吸収することができ、ラケットフレーム11と振動減衰材20とで動吸振器の役割を果たし、帯材20Bも振動しやすいため、より振動減衰性を高めることができる。
【0034】
また、打球面Fの近傍であるガット張架部13に装着されるため、反発性能も向上させることができる。即ち、極力少量の重量で、振動減衰性を高めると共に、付加された少量の重量増を反発性能の向上に結びつけることができる。なお、縦方向に張架されるガットの長さが340mm以上420mm未満となるような構成とし、さらに反発性能を向上させることもできる。
【0035】
図4(A)(B)は第2実施形態を示し、ラケットフレーム11には、左右の各スロート部14A、14Bの一方から他方へと、粘弾性材からなる振動減衰材30が、ヨーク17とは離れた位置で装着されている。振動減衰材30は、フレーム全長Lに対してグリップエンド16aより0.36Lの位置で連結されている。振動減衰材30も、上記第1実施形態と同様に、左右取付部30Aと架橋部30Bを有し、ガットは挿通されないものの、架橋部30Bにもガット挿通穴31が設けられている。
【0036】
図5(A)(B)の第1参考例に示すように、ヨーク17の幅方向両面17b、17cの各面上にシート状の振動減衰材35A、35Bを完全に重ねて、それぞれ配置することもできる。また、図5(C)に示すように、ヨーク17の幅方向面の一部と、シート状の振動減衰材35’重ねて、振動減衰材35’の一部を打球面側で自由に振動できるように配置することもできる。
【0037】
また、図6(A)の第2参考例に示すように、シート状とした2つの粘弾性材からなる振動減衰材40A、40Bを、ガットgと接触しないように、打球面の一方側と他方側に分割してガット張架部13に装着することもできる。図6(B)に示すように、振動減衰材40A’と振動減衰材40B’とを、ヨーク17の上下方向で、ガット張架部13とスロート部14A、14Bのそれぞれに架け渡して装着することもできる。なお、ガット張架部、スロート部共に、複数個の粘弾性材を装着することができる。図6(C)に示すように、ラケットフレーム11に凹部を設けず、ガット張架部13の厚み方向内面13aに粘弾性材40”を直接接触して装着することもできる。また、図6(D)に示すように、ラケットフレーム11に凹部を設けず、ガット張架部13の幅方向両面13b、13cに粘弾性材40”を直接接触して装着することもできる。
【0038】
図7(A)に示すように、粘弾性材からなる振動減衰材50の架橋部50Bには、左側に1つの挿通穴51Aと右側に1つの挿通穴51Bを設けても良い。図7(B)に示すように、振動減衰材50’ の架橋部50B’には、挿通させるガットの本数と同数のガット挿通穴51’を設けても良い。また、スロート部に装着する場合は、図7(C)に示すように、内部に中空部52を有する振動減衰材50”を用いることもできる。
【0039】
以下、本発明のラケットフレームの実施例、比較例について詳述する。
まず、ラケットフレームの厚み28mm,幅13〜14.5mmの断面形状を持ち、フェイス面積が125.11in2であるラケットを成形した。実施例、比較例共に同一形状のテニスラケットとした。
【0040】
具体的には、66ナイロンチューブにCFブリプレグ(東レT300,700,800,M46J)を積層し,鉛直状の積層体を成型した。この時,ナイロンチューブにφ14.5のマンドレルを芯材とした。プリプレグ角度は0,22,30,90°とし,積層した。金型を150℃に昇温し、内層ナイロンチューブ内は9kgf/cm2空気により加圧保持した。その時間は30分間とした。このラケットフレームに下記の表1に記載のように、粘弾性材あるいはダイナミックダンパーを装着した。
【0041】
【表1】
【0042】
(実施例1)
上記第1実施形態と同様の構成とし、粘弾性材はPEBAX7233(ATOCHEM社製)(曲げ弾性率730MPa)を使用し、架橋部の中央の肉厚は1.0mm、重量10gとして、0.46Lの位置でガット張架部に接着した。
【0043】
(実施例2)
上記第2実施形態と同様の構成とした。グリップエンドより250mm(0.36L)の位置でスロート部に粘弾性材を装着した。重量7gとした。
(実施例3)
粘弾性材は12−NYLON(東レ社製「リルサンAMN 0」)(曲げ弾性率1100MPa)を使用した。その他は実施例1と同様とした。
(実施例4)
粘弾性材はPEBAX5533(ATOCHEM社製)(曲げ弾性率160MPa)を使用した。その他は実施例1と同様とした。
(実施例5)
架橋部の中央の肉厚を0.7mm、重量7gとした。その他は実施例1と同様とした。
(実施例6)
架橋部の中央の肉厚を3.0mm、重量14gとした。その他は実施例1と同様とした。
(実施例7)
粘弾性材は6−NYLON(ユニチカ社製)(曲げ弾性率2500MPa)を使用した。その他は実施例1と同様とした。
(実施例8)
粘弾性材はPEBAX4033(ATOCHEM社製)(曲げ弾性率84MPa)を使用した。その他は実施例1と同様とした。
(実施例9)
架橋部の中央の肉厚を0.3mm、重量3gとした。その他は実施例1と同様とした。
(実施例10)
架橋部の中央の肉厚を5.0mm、重量18gとした。その他は実施例1と同様とした。
【0044】
(比較例1)
粘弾性材を装着しなかった。その他、ダイナミックダンパー等の振動減衰材も装着せず、上記ラケットフレームのみとした。
【0045】
(比較例2)
ラケットフレームの打球面を時計面と見てトップ位置を12時とすると、3時と9時部分[グリップエンドより500mm(0.71L)]に、タングステンのメタルシートとセプトン(スチレン系熱可塑性エラストマー)の母体からなる2層構造のダンバー10g(片側5g)を装着した。
【0046】
上記実施例及び比較例のラケットフレームについて、後述する方法により、振動減衰率、反発係数、実打テストを行った。評価結果を表1に示す。曲げ弾性率は、ASTM D790に準じて測定した。
【0047】
(慣性モーメント測定)
図8に示すように、上記ラケットフレームに所要の付属部品を取り付け、実施例及び比較例の各テニスラケットTRを慣性モーメント測定器で、テニスラケットTRのグリップを上端として吊り下げ、スイング周期Tsを測定した。下記の数式により、テニスラケットの操作性の指標となる、グリップ端を支点とする打球面外へのスイング方向の慣性モーメントの値Isを計算した。
グリップ端を支点とする打球面外へのスイング方向:Is[g・cm2]
Is=M×g×h(Ts/2/π)2
なお、ここで回転の中心はプレーヤーの握り手に対してラケットが回転しようとする点を意味する。Mはラケットの重量、gは重力、hは回転中心から重心までの距離である。
【0048】
(面外1次振動減衰率の測定)
各実施例及び比較例のラケットフレームを図9(A)に示すようにガット張架部13の上端を紐81で吊り下げ、ガット張架部13とスロート部14との一方の連続点に加速度ピックアップ計83をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、図9(B)に示すように、ガット張架部13とスロート部14の他方の連続点をインパクトハンマー85で加振した。インパクトハンマー85に取り付けられたフォースピックアップ計で計測した入力振動(F)と加速度ピックアップ計83で計測した応答振動(α)をアンプ86A、86Bを介して周波数解析装置87(ヒューレットパッカード社製、ダイナミックシングルアナライザーHP3562A)に入力して解析した。解析で得た周波数領域での伝達関数を求め、テニスラケットの振動数を得た。振動減衰比(ζ)は下式より求め、面外1次振動減衰率とした。各実施例及び比較例のラケットフレームについて測定された平均値を上記表に示す。
【0049】
ζ=(1/2)×(Δω/ωn)
To=Tn/√2
【0050】
(面外2次振動減衰率の測定)
ラケットフレームを図9(C)に示すようにガット張架部13上端を紐81で吊り下げ、スロート部14とシャフト部15との連続点に加速度ピックアップ計83をフレーム面に垂直に固定した。この状態で、加速度ピックアップ計83の裏側のフレームをインパクトハンマー85で加振した。そして、面外1次振動減衰率と同等の方法で減衰率を算出し、面外2次振動減衰率とした。各実施例及び比較例のラケットフレームについて測定された平均値を上記表に示す。
【0051】
(反発係数の測定)
反発係数は、図10に示すように、実施例及び比較例のラケットフレーム1を垂直状態でフリーとなるようにグリップ部を柔らかく吊り下げて、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きい程、ボールの飛びが良いことを示している。打球面の中心(フェイスセンター)での反発係数、フェイスセンターから80mm下の位置(X)での反発係数、(X)位置から50cm横の位置での反発係数を測定し、3回の平均値を表2に記載した。即ち、1本のラケットフレームにつき合計3点の反発係数を測定した。
【0052】
(実打評価)
ラケットの振動・飛び・操作性についてアンケート調査を行った。5点満点(多い程良い)で採点し、中・上級者(テニス歴10年以上、現在も週3日以上プレーする条件を満たす女性)50名の採点結果の平均値をとった。
【0053】
表1に示すように、まず、比較例1、2、実施例2、4において、配置位置を比較した。比較例2においては、打球面の中心付近であり物理的に本発明の橋渡し構造にすることは出来ないので、メタルシートと2重構造となる動吸振器を左右に装着した。実施例1は、ガットに触れないよう架橋構造とした。実施例2は橋渡し構造をグリップエンドから全長の36%の位置に配置した。左右のスパンの関係で短くなり軽くなった。
【0054】
比較例1以外は、動吸振器の効果が見られるため、比較例1よりも各振動モードでの減衰率が向上した。また、動吸振器の重量増加もあり、反発性能も向上した。比較例2はフレームのトップよりの配置のためスイング方向の慣性モーメントが大きくなり、操作性が悪くなった。
【0055】
比較例2、実施例3を比較すると橋渡し構造の方が減衰率が良くなっており、実施例4も面外2次の減衰率が比較例よりも良く、試打結果からも良好であることが確認された。従って、好ましい配置は全長Lに対しグリップエンドから0.3L以上0.6L未満の位置であることがわかった。
【0056】
実施例1,3,4,7,8においては、粘弾性材の振れ易さを同一重量(10g)での曲げ弾性率の違いで比較した。実施例7,8の様に曲げ弾性率がやや高いものや、やや低いものは、実施例1、3、4に比べると、減衰性はやや劣るものの、比較例1に比べると振動減衰性は優れていた。実施例3程度の曲げ弾性率になると、面外1次の減衰性が向上し、実施例5程度に低くなると面外2次の減衰性が向上することが判った。従って、曲げ弾性率は100MPa以上1500MPa未満が好ましいことが確認できた。
【0057】
実施例1,5,6,9,10においては、同一粘弾性材(PB7233)での重量の違いで比較した。実施例9のように肉厚が薄く軽いものはラケットフレームと振動数が合いにくいと考えられるため、面外1次/2次とも、実施例1、5、6、10ほどには減衰率は向上しなかったが、比較例1と比べると非常に優れていた。また、重量が10gの比較例2ほどの減衰性は得られていないが、重量が3gであることから、軽量でありながら、優れた振動減衰性を実現していることが確認できた。
【0058】
実施例1、5、6、10のように肉厚を厚くしていくと減衰率が向上していくが、実施例10のように重くなると減衰の効果が非常に優れる結果となったが、慣性モーメントが増大し、操作性がやや悪くなった。従って、好ましい振動減衰材の重量は4g以上16g未満であることが確認できた。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、粘弾性材の両端が左右の各スロート部と連結するように、あるいは、粘弾性材の両端がガット張架部の両サイドと連結するように、粘弾性材をラケットフレームに装着している。このため、フレームの両サイドがら伝わる振動を、曲げ弾性率が規定された粘弾性材の弾性によりバランス良く吸収することができ、フレームと粘弾性材とで動吸振器の役割を果たし、振動減衰性を高めることができる。
【0060】
また、重錘等の質量付加材を用いておらず、余分な重量が付加されないため、極力、軽量性を維持しながら、振動減衰性を高めることができる。さらに、打球面近傍であるガット張架部あるいは/及びスロート部に装着されるため、反発性能も向上させることができる。即ち、極力少量の重量の粘弾性材を装着することで、振動減衰性を高めると共に、できるだけモーメントを増加させず操作性も良好とし、付加された少量の重量増を適切な位置とすることで優れた反発性能をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)は、本発明のラケットフレームの概略図である。
【図2】 粘弾性材からなる振動減衰材を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は図2(A)のC−C線断面図、(D)は図2(A)のD−D線断面図、(E)は図2(A)のE−E線断面図、(F)は図2(A)のF−F線断面図である。
【図3】 (A)は振動減衰材の装着状況の断面図、(B)は振動減衰材のガット挿通穴とガットの関係を示す図である。
【図4】 (A)(B)は振動減衰材のスロート部への装着された状態を示す図である。
【図5】 (A)(B)は、振動減衰材をヨークと完全に重ねて配置した参考例1の図、(C)は、振動減衰材とヨークの一部を重ねて配置した図である。
【図6】 (A)は第2参考例を示し、(B)(C)(D)は粘弾性材とラケットフレームとの装着状況の他の形態を示す図である。
【図7】 (A)(B)(C)は粘弾性材の他の形態を示す図である。
【図8】 スイング方向の慣性モーメントの測定方法を示す図である。
【図9】 (A)(B)(C)はラケットフレームの振動減衰率の測定方法を示す概略図である。
【図10】 反発係数の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
11 ラケットフレーム
13(13A、13B) ガット張架部
14(14A、14B) スロート部
15 シャフト部
16 グリップ部
16a グリップエンド
17 ヨーク
20 振動減衰材
20A 左右取付部
20B 架橋部
21 ガット挿通穴
Claims (6)
- 打球面を囲むガット張架部、二股状のスロート部、シャフト部及びグリップ部を連続させ、上記ガット張架部とスロート部との連結箇所の間にヨークを取り付けてなるラケットフレームにおいて、
上記ガット張架部の左右枠部の一方から他方へと上記打球面に張架されるガットに接触させずに粘弾性材からなる振動減衰材が架け渡されて装着され、あるいは/および、上記ヨークから離れた位置の上記スロート部の左右枠部の一方から他方へと粘弾性材からなる振動減衰材が架け渡されて装着されていることを特徴とするラケットフレーム。 - 上記振動減衰材はフレーム全長Lに対してグリップエンドより0.3L以上0.6L未満の範囲内の上記ガット張架部あるいはスロート部に装着されている請求項1に記載のラケットフレーム。
- 上記振動減衰材となる粘弾性材の曲げ弾性率は100MPa以上1500MPa未満である請求項1または請求項2に記載のラケットフレーム。
- 上記振動減衰材は4g以上16g未満である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
- 上記ガット張架部に装着する上記振動減衰材は、該ガット張架部の左右枠部に夫々外嵌固定する左右取付部と、該左右取付部を連結する架橋部とを一体成形した成形品からなり、該ガット張架部に装着する上記振動減衰材の上記架橋部はガット面の表裏両面と所要寸法をあける表裏両側部に分割され、これら表裏両側部間の空隙をガット挿通穴とし、上記ヨークに通す縦方向のガットを全て上記ガット挿通穴に挿通させている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
- 上記縦方向に張架されるガットの長さが340mm以上420mm未満である請求項5に記載のラケットフレーム。
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