JP2004022942A - 基板搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができるとともに、基板搬送における搬送タクトの効率化を図る。
【解決手段】回路基板(1)を搬送経路に沿って搬送する基板搬送手段(基板搬送部2)である。基板検知手段(基板検知センサ6)がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから基板認識手段(制御部5)が回路基板の通過を認識するまでのセンサ遅延時間を設定する遅延時間設定手段(制御部5)が備えられている。そして、遅延時間設定手段は、回路基板が搬送経路に沿ってスリット12がセンサ領域を通過するように搬送された際に、スリットのセンサ領域の通過に基づいて基板検知手段がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから再びセンサオン状態となるまでに測定されるスリットに対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】回路基板(1)を搬送経路に沿って搬送する基板搬送手段(基板搬送部2)である。基板検知手段(基板検知センサ6)がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから基板認識手段(制御部5)が回路基板の通過を認識するまでのセンサ遅延時間を設定する遅延時間設定手段(制御部5)が備えられている。そして、遅延時間設定手段は、回路基板が搬送経路に沿ってスリット12がセンサ領域を通過するように搬送された際に、スリットのセンサ領域の通過に基づいて基板検知手段がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから再びセンサオン状態となるまでに測定されるスリットに対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を設定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板を搬送する基板搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えばIC、抵抗、コンデンサ等の電子部品を回路基板に搭載する装置として電子部品搭載装置が知られており、この電子部品搭載装置には、回路基板を搬送経路に沿って搬送する基板搬送装置が備えられている。
【0003】
基板搬送装置には、搬入・搬出される回路基板を検知する基板検知センサが設けられ、基板搬送装置は、基板検知センサの検知結果に基づいて、前記回路基板の前端や後端(終端)を認識して回路基板が搬送される搬送路を制御することで、例えば前工程の搬送装置から所定位置への回路基板の搬入や所定位置から後工程の搬送装置への基板の搬出を行うようになっている。
なお、基板検知センサは、例えば搬送路に照射される光のうち、前記搬送路を搬送される回路基板で反射された光を受光し、受光した光の光量変化によって、センサ信号の出力状態が切り換えられる光学式のセンサである。
【0004】
ここで、回路基板として、例えば図4に示すように、所定数の小型基板310によって一枚の回路基板が形成された略矩形状の集合基板(割基板)300が知られている。
この集合基板300は、回路基板の搬送方向に沿って複数の小型基板310が略平行に並んで形成されているとともに、隣合う小型基板310どうしが各々の長手方向に沿った両端部どうしを接続するようにして形成されている。つまり、集合基板300には、例えば電子部品の搭載後等に所定数の小型基板310に分割可能となるように、隣合う小型基板310どうしの間に略矩形状のスリット320が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような集合基板300を基板搬送装置によって搬送すると、集合基板300のスリット320の部分では光を反射しないため、基板検知センサは、そのセンサ領域をスリットが通過する間反射光を受光できずに、センサ信号を出力しないようになっている。
そのため、基板搬送装置は、集合基板300をその後端まで搬送し終わったと判断する、いわゆる基板後端の誤認識をしてしまい、搬送エラーや誤動作等を引き起こす虞があった。
【0006】
そこで、センサ信号が所定時間出力されなくても集合基板300の後端であると誤認識しないように、集合基板300の後端の認識を遅延させるセンサ遅延時間を設定する必要があった。
具体的には、センサ遅延時間は、例えば図5に示すように、集合基板300の搬送距離が入力されることで、予め設定された所定の搬送速度に基づいて搬送時間が演算されて設定されるようになっている。そして、例えば、スリット320の搬送方向に沿った幅が10mmである場合には、幅10mmのスリット320にてセンサ信号が出力されないと想定される時間よりもセンサ遅延時間が長くなるように、例えばセンサ遅延時間としての搬送距離を20mmに設定するようになっている。
これにより、設定されたセンサ遅延時間、すなわち基板300を20mm搬送するのにかかる時間よりも長い間センサ信号が出力されない場合には、基板搬送装置は、集合基板300を後端まで搬送し終わったと判断する。一方、センサ遅延時間よりも短い時間センサ信号が出力されない場合、すなわち、例えばスリット320にて集合基板300を10mm搬送する間センサ信号が出力されない場合には、基板搬送装置は、前記スリット320におけるセンサ信号の出力結果を無視することで集合基板300の後端の誤認識を防止するようになっている。
【0007】
ところで、センサ遅延時間は、スリット320における搬送時間を基準にして設定されるようになっているが、このセンサ遅延時間を、スリット320における搬送時間よりもあまりにも長くしてしまうと、集合基板300の搬送動作にタイムラグが生じて、集合基板300の搬送における搬送タクトが低下してしまうといった問題がある。また、タイムラグを生じさせないように、センサ遅延時間を前記スリット320における搬送時間よりもわずかに長くなるように設定しても、集合基板300の種類や、搬送路を構成する搬送ベルトの摩耗状態等によって、搬送速度が常時一定にはならないために、スリット320における実際の搬送時間がセンサ遅延時間よりも長くなってしまう場合があり、この場合に集合基板300の後端の誤認識をしてしまう虞があった。
また、集合基板300のスリット320だけでなく、集合基板300上に設けられた回路パターンやコーティング等によっても集合基板300の後端の誤認識を行ってしまうといった問題もある。
このように、センサ遅延時間を適正な値に設定することは難しく、その作業が煩雑なものとなっている。
【0008】
本発明の課題は、搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができるとともに、回路基板の搬送における搬送タクトの効率化を図ることができる基板搬送装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
回路基板(1)を搬送経路に沿って搬送する基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)であって、
前記搬送経路の所定位置における前記回路基板の有無を検知する基板検知手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化した際に、前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識する基板認識手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記基板認識手段が前記回路基板の通過を認識するまでの遅延時間を設定する遅延時間設定手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してからの経過時間を測定する時間測定手段(例えば、タイマー55)とを備え、
前記基板認識手段は、前記遅延時間が設定されている場合に、前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記時間測定手段により測定される経過時間が前記遅延時間と等しくなるまでに前記基板検知手段の検知結果が再び回路基板有りに変化しなければ前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識し、
前記遅延時間設定手段は、前記基板検知手段に検知されない非検知領域(例えば、スリット12)を有する複数の略同形状の回路基板を順次搬送する場合に、少なくとも一枚の前記回路基板が前記搬送経路に沿って前記非検知領域が所定位置を通過するように搬送された際に、前記非検知領域の前記所定位置の通過に基づいて前記検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから、再び回路基板有りとなるまでの前記時間測定手段に測定される非検知領域に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから基板認識手段が回路基板の通過を認識するまでの遅延時間を設定する遅延時間設定手段が備えられている。そして、基板検知手段に検知されない非検知領域を有する複数の略同形状の回路基板を順次搬送する場合に、回路基板が搬送経路に沿って非検知領域が所定位置を通過するように搬送された際に、非検知領域の所定位置の通過に基づいて検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから再び回路基板有りとなるまでの時間測定手段に測定される非検知領域に対応する経過時間に基づいて、遅延時間が遅延時間設定手段により設定される。すなわち、遅延時間は、回路基板の搬送時に測定される非検知領域に対応する経過時間を目安として、この非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように自動的に設定される。これにより、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作が生じにくくされる。
また、遅延時間が非検知領域に対応する経過時間に基づいて設定されることにより、遅延時間が非検知領域に対応する経過時間に対してあまりにも長くならないため、回路基板が搬送される際に、例えば回路基板の後工程の搬送手段への搬出後に新たな回路基板の前工程の搬送手段からの搬入がスムーズに行われることになる。つまり、回路基板の搬送動作におけるタイムラグが小さくされ搬送タクトが効率化される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)は、前記遅延時間を設定した後に、前記回路基板(1)が搬送された際に、前記非検知領域(例えば、スリット12)に対応する経過時間に基づいて、設定された前記遅延時間を補正することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、遅延時間を設定した後に、回路基板が搬送された際に、非検知領域に対応する経過時間に基づいて、設定された遅延時間が遅延時間設定手段により補正される。すなわち、例えば、回路基板を一枚搬送することにより設定される遅延時間は、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作等を生じさせないために、例えば長めに設定された所定の時間を非検知領域に対応する経過時間に加算することで、非検知領域に対応する経過時間に対して予め長めに設定されるようになっている。
そこで、遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板が順次搬送された際に、複数回測定される非検知領域に対応する経過時間のうち、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるとともに回路基板を一枚搬送した際に設定された遅延時間よりも短くなるように、前記加算される所定の時間が短くされることにより、設定された遅延時間がより適正な値となるように補正されることになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)に設定される前記遅延時間の設定中、前記遅延時間の補正中、前記遅延時間の補正後であることを示す表示データを出力する状態データ出力手段(例えば、制御部5)を備えていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、遅延時間設定手段に設定される遅延時間の設定中、遅延時間の補正中、遅延時間の補正後であることを示す表示データを出力する状態データ出力手段が備えられている。すなわち、出力される表示データが遅延時間の設定中であることを示すものならば、遅延時間が適正な値に未だ設定されていない状態であることが例えばモニタ等の表示手段に表示され、回路基板の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることがオペレータに対して報知される。また、前記表示データが遅延時間の補正中であることを示すものならば、遅延時間がより適正な値に補正されている状態であることが前記表示手段に表示され、回路基板の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることがオペレータに対して報知される。さらに、前記表示データが遅延時間の補正後であることを示すものならば、遅延時間が最も適正な値に設定されている状態であることが前記表示手段に表示され、回路基板の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることがオペレータに対して報知される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間を設定するために搬送される前記回路基板(1)の枚数を設定する枚数設定手段(例えば、制御部5)を備え、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)は、前記回路基板を前記枚数設定手段に設定された枚数搬送する際に、前記設定された枚数の回路基板の各々の前記非検知領域(例えば、スリット12)に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、回路基板を枚数設定手段に設定された枚数搬送する際に、設定された枚数の回路基板の各々の非検知領域に対応する経過時間に基づいて、遅延時間が遅延時間設定手段により設定される。これにより、例えば搬送される回路基板の設定枚数を多くすることで、非検知領域に対応する経過時間の測定結果が多く得られることになる。そして、これらの測定結果に基づいて、例えば非検知領域に対応する経過時間の平均値を算出して、この算出された経過時間の平均値にできる限り近づけられるように且つ、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように遅延時間が算出されることで、適正な値の遅延時間が設定される。
特に、搬送される回路基板の設定枚数をより多くすることで、遅延時間を設定する際に目安となる非検知領域に対応する経過時間の測定結果がより多く得られ、遅延時間がより適正な値に設定されることになる。従って、回路基板の搬送動作におけるタイムラグがより小さくされて搬送タクトがより効率化される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)に設定された前記遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段(例えば、制御部5)を備えていることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、遅延時間設定手段に設定された遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段が備えられている。これにより、設定された遅延時間が例えばモニタ等の表示手段に表示され、表示された値に設定された遅延時間で回路基板の搬送が行われている状態であることがオペレータに対して報知される。
特に、例えば、オペレータが気付かないうちに搬送エラーや誤動作等により不適切な値に遅延時間が設定された場合等に、オペレータに対して回路基板の搬送における作業性が悪化していることが報知される。このとき、回路基板の非検知領域の位置によっては、例えば基板検知手段が備えられる位置を変更することで基板検知手段による回路基板の有無の検知を好適に行うことが可能となるため、基板検知手段の位置の変更を促すこともできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる基板搬送装置を一般的な電子部品搭載装置に適用した場合について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、電子部品搭載装置の要部構成を示すブロック図であり、図2は、図1の電子部品搭載装置に備わる基板搬送部の概略を説明するための平面図であり、図3は、図1の電子部品搭載装置によるセンサ遅延時間設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0020】
本実施の形態で例示される電子部品搭載装置100は、例えば図1及び図2に示すように、前工程搬送装置(図示略)より複数の略同形状の回路基板1を順次搬入して、この搬入された回路基板1に所定の電子部品(図示略)を搭載し、電子部品が搭載された回路基板1を後工程搬送装置(図示略)に搬出するものであり、基板搬送部2と、部品搭載部3と、部品供給部4と、制御部5とを備えて構成されている。
【0021】
先ず、基板搬送部2は、例えば、上流(図2における左側)の前工程搬送装置から搬送されてくる回路基板1を取り込むように搬送する(搬入する)INバッファ搬送部(以下、INバッファという。)21と、このINバッファ21から搬送される回路基板1に部品搭載部3により電子部品を搭載する部分上で回路基板1を搬送するセンターバッファ搬送部(以下、センターバッファという。)22と、このセンターバッファ22から、電子部品が搭載された回路基板1を下流(図2における右側)の後工程搬送装置に搬出するOUTバッファ搬送部(以下、OUTバッファという。)23とを備えている。
【0022】
ここで、回路基板1は、例えば、携帯電話等の携帯端末に適用される略矩形状の小型基板11が複数(例えば、4つ)接続されることによって一枚の略矩形状の回路基板が形成された集合基板(割基板)である。
小型基板11は、各々の長手方向が基板の搬送方向に沿って略平行に並んで形成されているとともに、隣合う小型基板11どうしが各々の長手方向に沿った両端部どうしを接続するようにして形成されている。
つまり、回路基板1には、例えば電子部品の搭載後等に複数の小型基板11に分割可能となるように、隣合う小型基板どうし11,11の間に回路基板1を上下に貫通する略矩形状のスリット12が設けられている。
すなわち、回路基板1には、例えば4つの小型基板11,…と、隣合う小型基板どうし11,11の間に設けられた例えば3箇所の略同形状のスリット12,…が設けられている。そして、上記のように構成される回路基板1は、小型基板11の部分が基板検知センサ(基板検知手段;詳細後述)6により検知される部分となっており、スリット12の部分が基板検知センサ6により検知されない部分(非検知領域)となっている。
【0023】
INバッファ21は、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ211と、搬送レール212,212と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルトは、例えば、上面で回路基板1の搬送方向に平行な両側部を支持するように搬送方向に略平行に2本で対となって設けられており、所定方向に回転することで回路基板1を搬送する。
搬送用モータ211は、例えば、搬送ベルトを回転させるために駆動するものである。また、搬送レール212,212は、例えば、前記搬送ベルトを挟むように搬送方向に沿って2本で対となって設けられている。
そして、搬送レール212,212よって挟まれた内側の部分によって搬送経路が構成されており、制御部5の制御下で搬送用モータ211を回転駆動させることで搬送ベルトを回転させて、搬送ベルト上の回路基板1を搬送経路に沿って搬送するようになっている。
【0024】
基板検知センサ6は、例えば搬送される回路基板1の有無を検知するための光学式のセンサであり、搬送経路に照射される光のうち、搬送経路に沿って搬送される回路基板1で反射された光を受光し、受光した光の光量変化に基づき、センサ信号の出力状態が切り換えられるようになっている。
具体的には、例えば基板検知センサ6は、そのセンサ領域(搬送経路の所定位置)に回路基板1、特に小型基板11が存在することで前記回路基板1を検知して制御部5にセンサ信号を出力し、前記センサ領域に小型基板11が存在しないことで回路基板1を検知せずに制御部5にセンサ信号を出力しないようになっている。
なお、基板検知センサ6がセンサ信号を制御部5に対して出力している状態をセンサオン状態(回路基板有り)という一方で、センサ信号を制御部5に対して出力していない状態をセンサオフ状態(回路基板無し)という。
【0025】
この基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、奥側)の搬送レール212の前工程搬送装置側に設けられたINセンサ61と、このINセンサ61が取付られた搬送レール212とは異なる方(例えば、手前側)の搬送レール212のセンターバッファ22側に設けられたWAITセンサ62とを備えている。
INセンサ61は、例えば前工程搬送装置からこの電子部品搭載装置100への回路基板1の受け渡しの際に前工程搬送装置よりINバッファ21に搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。
WAITセンサ62は、例えば前工程搬送装置から搬送されてくる回路基板1のセンターバッファ22への受け渡しの際にセンターバッファ22に搬送されていく回路基板1を検知するためのものである。そして、このWAITセンサ62がセンサオフ状態からセンサオン状態となることにより、制御部5がINバッファ21の搬送用モータ211を制御してこの搬送用モータ211の回転を停止させることで、センターバッファ22に回路基板1を受け渡す前に回路基板1をINバッファ21で一旦待機させるようになっている。
なお、回路基板1がセンターバッファ22へ搬出されて、WAITセンサ62を通過してしまってWAITセンサ62がセンサオン状態からセンサオフ状態となった場合には、制御部5によって、前工程搬送装置の制御手段(図示略)に対してこの電子部品搭載装置100への回路基板1の搬入を要請する信号が出力されるようになっている。
【0026】
また、センターバッファ22は、上記INバッファ21と同様に、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ221と、搬送レール222,222と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルト、搬送用モータ221、搬送レール222,222は、上記INバッファ21に備わるものと略同様の構成となっている。
【0027】
また、基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、手前側)の搬送レール222のOUTバッファ23側に設けられたSTOPセンサ63を備えている。
STOPセンサ63は、例えばINバッファ21よりセンターバッファ22に搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。そして、例えば、STOPセンサ63がセンサオフ状態からセンサオン状態となった場合には、部品搭載部3により電子部品が回路基板1に搭載される際に前記回路基板1を固定するため、制御部5によって、図示しない基板固定部に対してセンターバッファ22上の所定位置への回路基板1の固定を要請する信号が出力されるようになっている。
また、例えば、回路基板1がOUTバッファ23へ搬出されて、STOPセンサ63を通過してしまってSTOPセンサ63がセンサオン状態からセンサオフ状態となった場合には、INバッファ21よりセンターバッファ22へと新たに搬送される回路基板1の搬送を止めるために、制御部5によって、図示しないストッパに対してセンターバッファ22上の所定の位置での回路基板1の搬送のストップを要請する信号が出力されるようになっている。
【0028】
OUTバッファ23は、上記INバッファ21及びセンターバッファ22と同様に、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ231と、搬送レール232,232と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルト、搬送用モータ231、搬送レール232,232は、上記INバッファ21及びセンターバッファ22に備わるものと略同様の構成となっている。
【0029】
また、基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、手前側)の搬送レール232のセンターバッファ22側に設けられたC.OUTセンサ64と、このC.OUTセンサ64が設けられた搬送レール232とは異なる方(例えば、奥側)の搬送レール232の後工程搬送装置側に設けられたOUTセンサ65とを備えている。
C.OUTセンサ64は、例えばセンターバッファ22からOUTバッファ23への回路基板1の受け渡しの際にセンターバッファ22より搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。そして、例えば、C.OUTセンサ64がセンサオフ状態からセンサオン状態となった場合には、センターバッファ22に回路基板1を搬入するために、制御部5によって、INバッファ21の搬送用モータ211に対してINバッファ21からセンターバッファ22への回路基板1の搬入を要請する信号が出力されるようになっている。
OUTセンサ65は、例えばOUTバッファ23の搬送経路上の回路基板1の有無を検知するためのものである。そして、例えば、OUTセンサ65がセンサオン状態からセンサオフ状態となることにより、制御部5の制御下でのセンターバッファ22からOUTバッファ23への回路基板1の受け渡しが可能な状態となるようになっている。
【0030】
なお、上記した各々の基板検知センサ6は、それぞれのセンサ領域を搬送経路に沿って搬送される回路基板1のスリット12が通過するような位置に設けられている。
さらに、基板検知センサ6の各々は、回路基板1の搬送を邪魔しない範囲内で、搬送レール212、222、232に設けられる位置が調整自在となっている。
【0031】
また、部品搭載部3は、例えば、基板搬送部2のセンターバッファ22に搬入される回路基板1の所定の場所に、部品供給部4より供給される電子部品を搭載するためのものである。
なお、部品供給部4は、例えば、部品搭載部3に対して電子部品を複数種類供給可能となっている。
【0032】
一方、制御部5は、電子部品搭載装置100を遠隔制御可能な制御装置700の制御下で、基板搬送部2、部品搭載部3、部品供給部4の各部を統括的に制御するためのものであるが、特に、基板搬送部2による回路基板1の搬送を制御するようになっている。
具体的には、制御部5は、例えば、CPU51、RAM52、ROM53、I/F(インターフェース)54、タイマー(時間測定手段)55、INバッファ用モータドライバ56、センターバッファ用モータドライバ57、OUTバッファ用モータドライバ58等を備えている。
【0033】
このうち、CPU51は、例えば、ROM53に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM52の作業領域に展開し、このプログラムに従った各種処理を実行する。
例えば、CPU51は、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化した際に、基板検知センサ6のセンサ領域を回路基板1が通過したと認識する、すなわち回路基板1の搬送方向に沿った後側の端部(以下、後端という。)を認識する基板認識手段を構成しているが、回路基板1の搬送時にセンサ遅延時間設定プログラムを実行することで、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから回路基板1の通過を認識するまでのセンサ遅延時間(遅延時間)を設定するセンサ遅延時間設定処理を行う。
このように、CPU51は、センサ遅延時間を設定する遅延時間設定手段を構成している。
なお、CPU51による回路基板1の基板検知センサ6のセンサ領域の通過の認識は、具体的には、センサ遅延時間が設定されている場合、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからタイマー55により測定される経過時間が前記設定されたセンサ遅延時間と等しくなるまでに、基板検知センサ6が再びセンサオン状態に変化しない場合に行われるようになっている。
【0034】
また、CPU51は、例えば、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化する毎に、経過時間測定プログラムを実行することで、タイマー55を制御して、前記センサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間、すなわちセンサオフ状態となっている時間を測定する経過時間測定処理を行う。特に、この経過時間測定処理では、CPU51は、例えば、基板検知センサ6が、そのセンサ領域を通過する回路基板1のスリット12の部分を検知して、センサオフ状態からセンサオン状態に変化してから再びセンサオン状態となるまでの経過時間であるスリット12に対応するセンサオフ時間を測定するようになっている。
このように、CPU51は、経過時間を測定する時間測定手段を構成している。
【0035】
さらに、CPU51は、センサ遅延時間設定処理における各種状態を示す表示データを出力する状態データ出力手段を構成しており、例えば、センサ遅延時間の設定中であることを示す表示データや、センサ遅延時間の補正中であることを示す表示データや、センサ遅延時間の補正後であることを示す表示データ等を制御装置700に対して出力するようになっている。
【0036】
また、CPU51は、センサ遅延時間設定処理において設定されるセンサ遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段を構成しており、例えば、最大の値に設定されているセンサ遅延時間を示す表示データや、適正な値に設定されているセンサ遅延時間を示す表示データ等を制御装置700に対して出力するようになっている。
【0037】
また、RAM52は、CPU51によって実行される各種プログラム及びこれらプログラムの実行に必要な諸データの作業領域等として用いられ、ROM53の記憶内容等を一時的に保存する。
ROM53は、例えば、電子部品搭載装置100全体を制御するためのシステムプログラムや、基板搬送部2によって搬送される回路基板1の搬送速度等を制御するための搬送システムプログラムや、センサ遅延時間を設定するためのセンサ遅延時間設定プログラムや、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間を測定するための経過時間測定プログラム等を格納しているとともに、例えば、センサ遅延時間の設定中やセンサ遅延時間の補正中やセンサ遅延時間の補正後であることを示す表示データや、設定されているセンサ遅延時間を示す表示データや、上記プログラムの実行に必要な諸データ等を格納している。
なお、RAM52及びROM53は、例えば半導体メモリなどにより構成されている。
【0038】
また、INバッファ用モータドライバ56、センターバッファ用モータドライバ57、OUTバッファ用モータドライバ58は、各々対応する搬送用モータ211、221、231に電気的に接続されている。
そして、CPU51は、例えば回路基板1の搬送時に、各々のモータドライバ56〜58を介して各々対応する搬送用モータ211〜231に対して、回転速度に関する速度信号等を出力する。
【0039】
なお、制御装置700は、I/F54を介して電子部品搭載装置100に電気的に接続されており、例えば、回路基板1の搬送状態を表示可能なモニタ(表示手段)710を備えている。
【0040】
次に、上記構成の電子部品搭載装置100の基板搬送部2によって回路基板1が搬送される際のセンサ遅延時間設定処理について、図3を参照して説明する。
【0041】
先ず、電子部品踏査装置100の電源が入れられ、基板搬送部2による回路基板1の搬送が開始されると、制御部5は、搬送されている回路基板1が一枚目の回路基板1であるのかどうかを判定する(ステップS1)。
ここで、制御部5は、前記回路基板1が一枚目の回路基板1であると判定すると(ステップS1;Yes)、センサ遅延時間を設定中であることを示す、例えば「スキャン中」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS2)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「スキャン中」と表示する。
【0042】
その後、制御部5は、センサ遅延時間設定プログラムを実行して、センサ遅延時間を設定可能な範囲内で最大の値に設定する(ステップS3)。
【0043】
そして、制御部5は、回路基板1の搬送中に、搬送される回路基板1の前端(搬送方向に沿って下流側の小型基板11の前端エッジ)を検出しているのかどうか、すなわち基板検知センサ6がセンサオフ状態からセンサオン状態となっているのかどうかを判定する(ステップS4)。
ここで、制御部5は、回路基板1の前端を検出していると判定した場合には(ステップS4;Yes)、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを開始する(ステップS5)。具体的には、回路基板1のスキャンでは、基板検知センサ6が、例えば回路基板1の小型基板11等を検知することで制御部5に対してセンサ信号を出力するセンサオン状態となる。一方で、例えば回路基板1のスリット12等で基板検知センサ6が基板を検知していない場合には制御部5に対してセンサ信号を出力しないセンサオフ状態となる。
そして、制御部5は、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化すると、その状態となる毎に、経過時間測定プログラムを実行して、センサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間をタイマー55によって測定するようになっている。
すなわち、回路基板1が搬送される際に、基板検知センサ6は、そのセンサ領域を回路基板1のスリット12の部分が通過する際に、センサオン状態からセンサオフ状態に変化して再びセンサオン状態となり、このとき、このスリット12に対応するセンサオフ時間が、制御部5によって測定されることになる。
なお、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間は、例えばROM53内のセンサオフ時間格納領域(図示略)等に格納されるようになっている。
【0044】
そして、制御部5は、基板検知センサ6による回路基板1のスキャン中に、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからタイマー55により測定されている時間、すなわち回路基板1が検知されていない時間(センサオフ時間)が予め最大の値に設定されているセンサ遅延時間に比べて長くなっているかどうかを判定する(ステップS6)。
ここで、制御部5は、前記回路基板1が検知されていない時間がセンサ遅延時間よりも長くなっていないと判定した場合には(ステップS6;No)、搬送経路上の回路基板1の後端の認識を遅延させた状態、すなわち、基板検知センサ6が検知できない非検知領域であるスリット12が基板検知センサ6のセンサ領域を通過中であるが、未だ一枚目の回路基板1を搬送している状態であると認識する。
一方、制御部5は、前記回路基板1が検知されていない時間がセンサ遅延時間よりも長くなっていると判定した場合には(ステップS6;Yes)、一枚目の回路基板1を搬送し終わったと判断して、搬送される回路基板(搬送方向に沿って上流側の小型基板11)1の後端の基板検知センサ6のセンサ領域の通過を認識(回路基板1の後端の検出の確定)して(ステップS7)、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを終了する(ステップS8)。
【0045】
その後、制御部5は、前記センサオフ時間格納領域に格納されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を設定する(ステップS9)。
具体的には、例えば、回路基板1を一枚搬送することにより、3箇所のスリット12に対応するセンサオフ時間が各々前記センサオフ時間格納領域に格納されることになる。そして、制御部5は、例えば、前記格納された3つのスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算することにより算出された値をセンサ遅延時間として設定する。
【0046】
このように、回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を自動的に設定して、この設定されたセンサ遅延時間を2枚目以降の回路基板1の搬送時に適用することができる。
しかしながら、回路基板1を一枚搬送しただけでは、センサ遅延時間を適正な値に設定する上で目安となるスリット12に対応するセンサオフ時間の測定結果が少なく、回路基板1の搬送時における搬送エラーや誤動作等を生じさせないために、例えば長めに設定された所定の時間を最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算することで、このスリット12に対応するセンサオフ時間に対して予め長めにセンサ遅延時間が設定されるようになっている。
このため、回路基板1の搬送時に搬送エラーや誤動作を起こさないとともに回路基板1の搬送における搬送タクトを効率化できるように、センサ遅延時間を適正な値に設定することができない可能性がある。
そこで、電子部品搭載装置100の基板搬送部2が複数の回路基板1を順次搬送することで、スリット12に対応するセンサオフ時間を複数回測定することができ、これらの複数回の測定結果に基づいて、制御部5は、設定されたセンサ遅延時間の補正を行うようになっている。
【0047】
具体的には、基板搬送部2が複数の回路基板1を搬送する際に、制御部5は、搬送されている回路基板1が一枚目の回路基板1ではないと判定した場合には(ステップS1;No)、センサ遅延時間の補正中であることを示す、例えば、「センサオフ時間の安定待ち状態」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS11)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサオフ時間の安定待ち状態」と表示する。
【0048】
次に、制御部5は、例えば周知の統計的な方法によって、回路基板1が搬送されることで測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間が安定しているのかどうか判定する(ステップS12)。
ここで、制御部5は、スリット12に対応するセンサオフ時間が安定していないと判定すると(ステップS12;No)、例えば上記一枚目の回路基板1の搬送時と同様な処理を行って、スリット12に対応するセンサオフ時間を測定していくとともに、回路基板1の後端が基板検知センサ6のセンサ領域を通過して、基板検知センサ6により回路基板1が検知されていない時間(センサオフ時間)が設定されたセンサ遅延時間よりも長くなった場合に、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを終了する(ステップS13〜17)。
【0049】
そして、制御部5は、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、一枚目の回路基板1の搬送時に設定されたセンサ遅延時間の補正を行う(ステップS18)。
具体的には、センサ遅延時間の補正は、例えば、複数回測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるとともに回路基板1を一枚搬送した際に設定されたセンサ遅延時間よりも短くなるように、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算される所定の時間を短くすることにより行われる。
【0050】
なお、センサ遅延時間の補正は、例えば、回路基板1を所定枚数(例えば、5枚)搬送する毎に段階的に行われるようになっている。
すなわち、先ず、回路基板1を所定枚数搬送することにより測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間が補正される。その後、補正されたセンサ遅延時間での回路基板1の所定枚数の搬送後、この搬送時に測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、前記補正されたセンサ遅延時間よりも短くなるようにセンサ遅延時間が再度補正される。
そして、上記のような動作を、制御部5が、例えば、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間がある程度のバラツキはあるが所定の値に対して統計的有意差をもって安定した値となっていると判定するまで、順次繰り返していく。
つまり、回路基板1の搬送枚数の増加に伴って、スリット12に対応するセンサオフ時間は前記所定の値に対して安定した値となっていくため、前記所定の値に対してセンサ遅延時間をできる限り近づけるとともに測定された最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりは長くなるように、この最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算される所定の時間が短くされていくことにより、センサ遅延時間がより適正な値に補正されることになる。
【0051】
そして、例えば、制御部5は、上記のようにしてセンサ遅延時間が補正されている間に、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間が安定していると判定した場合には(ステップS12;Yes)、センサ遅延時間の補正後であることを示す、例えば「センサオフ時間の安定完了状態」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS21)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサオフ時間の安定完了状態」と表示する。
【0052】
さらに、制御部5は、このときに設定されているセンサ遅延時間を「センサ遅延時間」として確定して、確定された「センサ遅延時間」を示す表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS22)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサ遅延時間」の具体的な数値を表示する。
【0053】
また、センサ遅延時間が確定した後は、制御部5は、上記と同様にして、回路基板1の前端を検出することで基板検知センサ6のセンサ領域に回路基板1が存在することを認識する(ステップS23)。
さらに、制御部5は、基板検知センサ6により回路基板1が検知されない時間(センサオフ時間)が前記確定されたセンサ遅延時間よりも長くなっていると判定することで(ステップS24;Yes)、回路基板1の後端を認識して基板検知センサ6のセンサ領域に回路基板1が存在しないことを認識する(ステップS25)。
【0054】
以上のように、本実施の形態の電子部品搭載装置100によれば、回路基板1の通過を認識するまでのセンサ遅延時間を、回路基板1の搬送時に測定される回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算することにより、センサ遅延時間を適正な値に自動的に設定することができる。これにより、回路基板1の搬送時における搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができる。
また、一枚目の回路基板1を搬送することでセンサ遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板1を順次搬送した際に、複数回測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるとともに回路基板1を一枚搬送した際に設定されたセンサ遅延時間よりも短くなるようにして、設定されたセンサ遅延時間をより適正な値となるように補正することができる。
このようにして、センサ遅延時間がスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて適正な値に設定されることにより、センサ遅延時間はスリット12に対応するセンサオフ時間に対してあまりにも長くならないため、回路基板1を搬送する際に、例えば回路基板1の後工程搬送装置への搬出後に新たな回路基板1の前工程搬送装置からの搬入をスムーズに行うことができる。つまり、回路基板1の搬送動作におけるタイムラグを小さくして搬送タクトを効率化することができる。
【0055】
さらに、センサ遅延時間の設定中に、例えば「スキャン中」とモニタ710に表示して、回路基板1の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることを、また、センサ遅延時間の補正中に、例えば「センサオフ時間の安定待ち状態」とモニタ710に表示して、回路基板1の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることを、さらに、センサ遅延時間の補正後に、例えば「センサオフ時間の安定完了状態」をモニタ710に表示して、回路基板1の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることを、それぞれオペレータに対して報知して認識させることができる。
また、確定された「センサ遅延時間」をモニタ710に表示して、表示された値に設定されたセンサ遅延時間で回路基板1の搬送が行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間が安定するまで、設定されるセンサ遅延時間を補正するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、制御部5は、センサ遅延時間を設定するために搬送される回路基板1の枚数を設定可能とし、回路基板1を設定された枚数搬送する際に、設定された枚数の回路基板1の各々のスリット12に対応するセンサオフ時間を測定した結果に基づいて、センサ遅延時間を設定するようにしても良い。すなわち、例えば搬送される回路基板1の設定枚数を多くすることにより、スリット12に対応するセンサオフ時間の測定結果が多く得られ、これらの測定結果に基づいてセンサ遅延時間が設定されることになる。特に、搬送される回路基板1の設定枚数を例えば、1枚から5枚、さらに10枚へとより多くすることにより、センサ遅延時間をより適正な値に設定して、回路基板1の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトを効率化することができる。
また、センサ遅延時間は、例えば、搬送エラーや誤動作等が生じたことで測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間を除くものとして、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間の平均値を算出し、この算出されたセンサオフ時間の平均値にできる限り近づけられるように且つ、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるようにセンサ遅延時間が算出されることで、適正な値のセンサ遅延時間が設定されるようになっている。
【0057】
さらに、上記実施の形態では、センサ遅延時間の補正の後、確定されたセンサ遅延時間の表示データを制御装置700に対して出力するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば一枚目の回路基板1が搬送されている際に最大に設定されているセンサ遅延時間の表示データを制御装置700に出力するようにしても良い。これにより、制御装置700のモニタ710に最大に設定されているセンサ遅延時間が表示されることになり、オペレータに対して回路基板1の搬送における搬送タクトが低下していることを認識させることができる。
また、例えば、オペレータが気付かないうちに搬送エラーや誤動作等により不適切な値にセンサ遅延時間が設定された場合等に、オペレータに対して回路基板1の搬送における作業性が悪化していることを報知できる。このとき、回路基板1のスリット12の位置によっては、例えば基板検知センサ6が備えられる位置を変更することで基板検知センサ6による回路基板1の有無の検知を好適に行うことが可能となるため、基板検知センサ6の位置の変更を促すこともできる。
【0058】
さらに、上記実施の形態では、回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間を測定することで、このセンサオフ時間に基づいてセンサ遅延時間を設定するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、回路基板1上に設けられる回路パターンやコーティング等の部分も基板検知センサ6に検知されずに、センサ信号が出力されない場合があり、この場合にも回路基板1の後端の誤認識を行う可能性がある。しかしながら、回路基板1の搬送時に、上記回路パターンやコーティング等の部分にもセンサ遅延時間の設定及び補正を対応させることができ、上記したような回路基板1であっても搬送タクトを効率化することができる。
加えて、上記実施の形態では、本発明にかかる基板搬送装置を一般的な電子部品搭載装置100に適用した場合について例示したが、これに限られるものではなく、例えば、電子部品実装ライン(電子部品実装システム)を構成する他の工程、すなわち回路基板1に半田ペーストを印刷する工程や回路基板1に接着剤を塗布する工程や半田を溶融するリフロー工程に適用するようにしても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、電子部品搭載装置100に基板搬送部2と制御部5とが備えられ、前記制御部5が基板搬送部2とともに電子部品搭載装置100全体を制御するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば基板搬送部2にこの基板搬送部2を制御するための制御手段を別に設けるようにしても良い。
さらに、上記実施の形態では、設定されるセンサ遅延時間を算出する方法として、3つのスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算する方法を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間を設定されているセンサ遅延時間から減算することによりセンサ遅延時間と前記センサオフ時間との差を算出し、この差が所定割合だけ小さくなるように前記設定されているセンサ遅延時間から所定割合に相当する時間を減算する方法であっても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、回路基板1に設けられるスリット12を略同形状とするようにしたが、これに限られるものではなく、スリット12の寸法は回路基板1よりも小さい寸法であれば任意である。例えば、複数のスリット12が各々異なる寸法で設けられている回路基板1を搬送する場合には、搬送方向に沿った幅が最も大きいスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間が設定されるようになっている。
さらに、設定されるセンサ遅延時間の設定中、前記センサ遅延時間の補正中、前記センサ遅延時間の補正後であることを示す表示データや、設定されたセンサ遅延時間を示す表示データを、電子部品搭載装置100を制御する制御装置700に出力するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、電子部品搭載装置100に設けられる図示しない表示装置に対して出力するようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、遅延時間を、回路基板の搬送時に測定される非検知領域に対応する経過時間を目安として、この非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように、適正な値に自動的に設定することができる。これにより、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができる。また、回路基板を搬送する際に、例えば回路基板の後工程の搬送手段への搬出後に新たな回路基板の前工程の搬送手段からの搬入をスムーズに行うことができる。つまり、回路基板の搬送動作におけるタイムラグを小さくして搬送タクトを効率化することができる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板を順次搬送した際に、複数回測定された非検知領域に対応する経過時間のうち、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるとともに設定された遅延時間よりも短くなるようにして、設定された遅延時間をより適正な値となるように補正することができる。従って、回路基板の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトをより効率化させることができる。
【0063】
請求項3に記載の発明によれば、出力される表示データが遅延時間の設定中であることを示すものならば、回路基板の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。また、前記表示データが遅延時間の補正中であることを示すものならば、回路基板の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。さらに、前記表示データが遅延時間の補正後であることを示すものならば、回路基板の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【0064】
請求項4に記載の発明によれば、例えば搬送される回路基板の設定枚数を多くすることで、非検知領域に対応する経過時間の測定結果を多く得ることができ、これらの測定結果に基づいて、適正な値の遅延時間を設定することができる。特に、搬送される回路基板の設定枚数をより多くすることで、遅延時間をより適正な値に設定することができ、回路基板の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトをより効率化させることができる。
【0065】
請求項5に記載の発明によれば、設定された遅延時間を例えばモニタ等の表示手段に表示して、表示された値に設定された遅延時間で回路基板の搬送が行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施の形態として例示される電子部品搭載装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の電子部品搭載装置に備わる基板搬送部の概略を説明するための平面図である。
【図3】図1の電子部品搭載装置によるセンサ遅延時間設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】従来の電子部品搭載装置の基板搬送装置により搬送される回路基板の一例を説明するための図である。
【図5】図4の回路基板を基板搬送装置により搬送する場合に基板検知センサより出力されるセンサ信号の出力状態を示す図である。
【符号の説明】
100 電子部品搭載装置
1 回路基板
11 小型基板
12 スリット(非検知領域)
2 基板搬送部(基板搬送装置)
5 制御部(基板認識手段、時間設定手段、時間測定手段、枚数設定手段、状態データ出力手段、時間データ出力手段)
51 CPU
55 タイマー(時間測定手段)
6 基板検知センサ(基板検知手段)
61 INセンサ(基板検知手段)
62 WAITセンサ(基板検知手段)
63 STOPセンサ(基板検知手段)
64 C.OUTセンサ(基板検知手段)
65 OUTセンサ(基板検知手段)
700 制御装置
710 モニタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板を搬送する基板搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えばIC、抵抗、コンデンサ等の電子部品を回路基板に搭載する装置として電子部品搭載装置が知られており、この電子部品搭載装置には、回路基板を搬送経路に沿って搬送する基板搬送装置が備えられている。
【0003】
基板搬送装置には、搬入・搬出される回路基板を検知する基板検知センサが設けられ、基板搬送装置は、基板検知センサの検知結果に基づいて、前記回路基板の前端や後端(終端)を認識して回路基板が搬送される搬送路を制御することで、例えば前工程の搬送装置から所定位置への回路基板の搬入や所定位置から後工程の搬送装置への基板の搬出を行うようになっている。
なお、基板検知センサは、例えば搬送路に照射される光のうち、前記搬送路を搬送される回路基板で反射された光を受光し、受光した光の光量変化によって、センサ信号の出力状態が切り換えられる光学式のセンサである。
【0004】
ここで、回路基板として、例えば図4に示すように、所定数の小型基板310によって一枚の回路基板が形成された略矩形状の集合基板(割基板)300が知られている。
この集合基板300は、回路基板の搬送方向に沿って複数の小型基板310が略平行に並んで形成されているとともに、隣合う小型基板310どうしが各々の長手方向に沿った両端部どうしを接続するようにして形成されている。つまり、集合基板300には、例えば電子部品の搭載後等に所定数の小型基板310に分割可能となるように、隣合う小型基板310どうしの間に略矩形状のスリット320が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したような集合基板300を基板搬送装置によって搬送すると、集合基板300のスリット320の部分では光を反射しないため、基板検知センサは、そのセンサ領域をスリットが通過する間反射光を受光できずに、センサ信号を出力しないようになっている。
そのため、基板搬送装置は、集合基板300をその後端まで搬送し終わったと判断する、いわゆる基板後端の誤認識をしてしまい、搬送エラーや誤動作等を引き起こす虞があった。
【0006】
そこで、センサ信号が所定時間出力されなくても集合基板300の後端であると誤認識しないように、集合基板300の後端の認識を遅延させるセンサ遅延時間を設定する必要があった。
具体的には、センサ遅延時間は、例えば図5に示すように、集合基板300の搬送距離が入力されることで、予め設定された所定の搬送速度に基づいて搬送時間が演算されて設定されるようになっている。そして、例えば、スリット320の搬送方向に沿った幅が10mmである場合には、幅10mmのスリット320にてセンサ信号が出力されないと想定される時間よりもセンサ遅延時間が長くなるように、例えばセンサ遅延時間としての搬送距離を20mmに設定するようになっている。
これにより、設定されたセンサ遅延時間、すなわち基板300を20mm搬送するのにかかる時間よりも長い間センサ信号が出力されない場合には、基板搬送装置は、集合基板300を後端まで搬送し終わったと判断する。一方、センサ遅延時間よりも短い時間センサ信号が出力されない場合、すなわち、例えばスリット320にて集合基板300を10mm搬送する間センサ信号が出力されない場合には、基板搬送装置は、前記スリット320におけるセンサ信号の出力結果を無視することで集合基板300の後端の誤認識を防止するようになっている。
【0007】
ところで、センサ遅延時間は、スリット320における搬送時間を基準にして設定されるようになっているが、このセンサ遅延時間を、スリット320における搬送時間よりもあまりにも長くしてしまうと、集合基板300の搬送動作にタイムラグが生じて、集合基板300の搬送における搬送タクトが低下してしまうといった問題がある。また、タイムラグを生じさせないように、センサ遅延時間を前記スリット320における搬送時間よりもわずかに長くなるように設定しても、集合基板300の種類や、搬送路を構成する搬送ベルトの摩耗状態等によって、搬送速度が常時一定にはならないために、スリット320における実際の搬送時間がセンサ遅延時間よりも長くなってしまう場合があり、この場合に集合基板300の後端の誤認識をしてしまう虞があった。
また、集合基板300のスリット320だけでなく、集合基板300上に設けられた回路パターンやコーティング等によっても集合基板300の後端の誤認識を行ってしまうといった問題もある。
このように、センサ遅延時間を適正な値に設定することは難しく、その作業が煩雑なものとなっている。
【0008】
本発明の課題は、搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができるとともに、回路基板の搬送における搬送タクトの効率化を図ることができる基板搬送装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1及び図2に示すように、
回路基板(1)を搬送経路に沿って搬送する基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)であって、
前記搬送経路の所定位置における前記回路基板の有無を検知する基板検知手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化した際に、前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識する基板認識手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記基板認識手段が前記回路基板の通過を認識するまでの遅延時間を設定する遅延時間設定手段(例えば、制御部5)と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してからの経過時間を測定する時間測定手段(例えば、タイマー55)とを備え、
前記基板認識手段は、前記遅延時間が設定されている場合に、前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記時間測定手段により測定される経過時間が前記遅延時間と等しくなるまでに前記基板検知手段の検知結果が再び回路基板有りに変化しなければ前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識し、
前記遅延時間設定手段は、前記基板検知手段に検知されない非検知領域(例えば、スリット12)を有する複数の略同形状の回路基板を順次搬送する場合に、少なくとも一枚の前記回路基板が前記搬送経路に沿って前記非検知領域が所定位置を通過するように搬送された際に、前記非検知領域の前記所定位置の通過に基づいて前記検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから、再び回路基板有りとなるまでの前記時間測定手段に測定される非検知領域に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから基板認識手段が回路基板の通過を認識するまでの遅延時間を設定する遅延時間設定手段が備えられている。そして、基板検知手段に検知されない非検知領域を有する複数の略同形状の回路基板を順次搬送する場合に、回路基板が搬送経路に沿って非検知領域が所定位置を通過するように搬送された際に、非検知領域の所定位置の通過に基づいて検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから再び回路基板有りとなるまでの時間測定手段に測定される非検知領域に対応する経過時間に基づいて、遅延時間が遅延時間設定手段により設定される。すなわち、遅延時間は、回路基板の搬送時に測定される非検知領域に対応する経過時間を目安として、この非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように自動的に設定される。これにより、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作が生じにくくされる。
また、遅延時間が非検知領域に対応する経過時間に基づいて設定されることにより、遅延時間が非検知領域に対応する経過時間に対してあまりにも長くならないため、回路基板が搬送される際に、例えば回路基板の後工程の搬送手段への搬出後に新たな回路基板の前工程の搬送手段からの搬入がスムーズに行われることになる。つまり、回路基板の搬送動作におけるタイムラグが小さくされ搬送タクトが効率化される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)は、前記遅延時間を設定した後に、前記回路基板(1)が搬送された際に、前記非検知領域(例えば、スリット12)に対応する経過時間に基づいて、設定された前記遅延時間を補正することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、遅延時間を設定した後に、回路基板が搬送された際に、非検知領域に対応する経過時間に基づいて、設定された遅延時間が遅延時間設定手段により補正される。すなわち、例えば、回路基板を一枚搬送することにより設定される遅延時間は、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作等を生じさせないために、例えば長めに設定された所定の時間を非検知領域に対応する経過時間に加算することで、非検知領域に対応する経過時間に対して予め長めに設定されるようになっている。
そこで、遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板が順次搬送された際に、複数回測定される非検知領域に対応する経過時間のうち、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるとともに回路基板を一枚搬送した際に設定された遅延時間よりも短くなるように、前記加算される所定の時間が短くされることにより、設定された遅延時間がより適正な値となるように補正されることになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項2に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)に設定される前記遅延時間の設定中、前記遅延時間の補正中、前記遅延時間の補正後であることを示す表示データを出力する状態データ出力手段(例えば、制御部5)を備えていることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、遅延時間設定手段に設定される遅延時間の設定中、遅延時間の補正中、遅延時間の補正後であることを示す表示データを出力する状態データ出力手段が備えられている。すなわち、出力される表示データが遅延時間の設定中であることを示すものならば、遅延時間が適正な値に未だ設定されていない状態であることが例えばモニタ等の表示手段に表示され、回路基板の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることがオペレータに対して報知される。また、前記表示データが遅延時間の補正中であることを示すものならば、遅延時間がより適正な値に補正されている状態であることが前記表示手段に表示され、回路基板の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることがオペレータに対して報知される。さらに、前記表示データが遅延時間の補正後であることを示すものならば、遅延時間が最も適正な値に設定されている状態であることが前記表示手段に表示され、回路基板の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることがオペレータに対して報知される。
【0015】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間を設定するために搬送される前記回路基板(1)の枚数を設定する枚数設定手段(例えば、制御部5)を備え、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)は、前記回路基板を前記枚数設定手段に設定された枚数搬送する際に、前記設定された枚数の回路基板の各々の前記非検知領域(例えば、スリット12)に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、回路基板を枚数設定手段に設定された枚数搬送する際に、設定された枚数の回路基板の各々の非検知領域に対応する経過時間に基づいて、遅延時間が遅延時間設定手段により設定される。これにより、例えば搬送される回路基板の設定枚数を多くすることで、非検知領域に対応する経過時間の測定結果が多く得られることになる。そして、これらの測定結果に基づいて、例えば非検知領域に対応する経過時間の平均値を算出して、この算出された経過時間の平均値にできる限り近づけられるように且つ、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように遅延時間が算出されることで、適正な値の遅延時間が設定される。
特に、搬送される回路基板の設定枚数をより多くすることで、遅延時間を設定する際に目安となる非検知領域に対応する経過時間の測定結果がより多く得られ、遅延時間がより適正な値に設定されることになる。従って、回路基板の搬送動作におけるタイムラグがより小さくされて搬送タクトがより効率化される。
【0017】
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板搬送装置(例えば、基板搬送部2)において、
前記遅延時間設定手段(例えば、制御部5)に設定された前記遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段(例えば、制御部5)を備えていることを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、遅延時間設定手段に設定された遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段が備えられている。これにより、設定された遅延時間が例えばモニタ等の表示手段に表示され、表示された値に設定された遅延時間で回路基板の搬送が行われている状態であることがオペレータに対して報知される。
特に、例えば、オペレータが気付かないうちに搬送エラーや誤動作等により不適切な値に遅延時間が設定された場合等に、オペレータに対して回路基板の搬送における作業性が悪化していることが報知される。このとき、回路基板の非検知領域の位置によっては、例えば基板検知手段が備えられる位置を変更することで基板検知手段による回路基板の有無の検知を好適に行うことが可能となるため、基板検知手段の位置の変更を促すこともできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる基板搬送装置を一般的な電子部品搭載装置に適用した場合について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、電子部品搭載装置の要部構成を示すブロック図であり、図2は、図1の電子部品搭載装置に備わる基板搬送部の概略を説明するための平面図であり、図3は、図1の電子部品搭載装置によるセンサ遅延時間設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0020】
本実施の形態で例示される電子部品搭載装置100は、例えば図1及び図2に示すように、前工程搬送装置(図示略)より複数の略同形状の回路基板1を順次搬入して、この搬入された回路基板1に所定の電子部品(図示略)を搭載し、電子部品が搭載された回路基板1を後工程搬送装置(図示略)に搬出するものであり、基板搬送部2と、部品搭載部3と、部品供給部4と、制御部5とを備えて構成されている。
【0021】
先ず、基板搬送部2は、例えば、上流(図2における左側)の前工程搬送装置から搬送されてくる回路基板1を取り込むように搬送する(搬入する)INバッファ搬送部(以下、INバッファという。)21と、このINバッファ21から搬送される回路基板1に部品搭載部3により電子部品を搭載する部分上で回路基板1を搬送するセンターバッファ搬送部(以下、センターバッファという。)22と、このセンターバッファ22から、電子部品が搭載された回路基板1を下流(図2における右側)の後工程搬送装置に搬出するOUTバッファ搬送部(以下、OUTバッファという。)23とを備えている。
【0022】
ここで、回路基板1は、例えば、携帯電話等の携帯端末に適用される略矩形状の小型基板11が複数(例えば、4つ)接続されることによって一枚の略矩形状の回路基板が形成された集合基板(割基板)である。
小型基板11は、各々の長手方向が基板の搬送方向に沿って略平行に並んで形成されているとともに、隣合う小型基板11どうしが各々の長手方向に沿った両端部どうしを接続するようにして形成されている。
つまり、回路基板1には、例えば電子部品の搭載後等に複数の小型基板11に分割可能となるように、隣合う小型基板どうし11,11の間に回路基板1を上下に貫通する略矩形状のスリット12が設けられている。
すなわち、回路基板1には、例えば4つの小型基板11,…と、隣合う小型基板どうし11,11の間に設けられた例えば3箇所の略同形状のスリット12,…が設けられている。そして、上記のように構成される回路基板1は、小型基板11の部分が基板検知センサ(基板検知手段;詳細後述)6により検知される部分となっており、スリット12の部分が基板検知センサ6により検知されない部分(非検知領域)となっている。
【0023】
INバッファ21は、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ211と、搬送レール212,212と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルトは、例えば、上面で回路基板1の搬送方向に平行な両側部を支持するように搬送方向に略平行に2本で対となって設けられており、所定方向に回転することで回路基板1を搬送する。
搬送用モータ211は、例えば、搬送ベルトを回転させるために駆動するものである。また、搬送レール212,212は、例えば、前記搬送ベルトを挟むように搬送方向に沿って2本で対となって設けられている。
そして、搬送レール212,212よって挟まれた内側の部分によって搬送経路が構成されており、制御部5の制御下で搬送用モータ211を回転駆動させることで搬送ベルトを回転させて、搬送ベルト上の回路基板1を搬送経路に沿って搬送するようになっている。
【0024】
基板検知センサ6は、例えば搬送される回路基板1の有無を検知するための光学式のセンサであり、搬送経路に照射される光のうち、搬送経路に沿って搬送される回路基板1で反射された光を受光し、受光した光の光量変化に基づき、センサ信号の出力状態が切り換えられるようになっている。
具体的には、例えば基板検知センサ6は、そのセンサ領域(搬送経路の所定位置)に回路基板1、特に小型基板11が存在することで前記回路基板1を検知して制御部5にセンサ信号を出力し、前記センサ領域に小型基板11が存在しないことで回路基板1を検知せずに制御部5にセンサ信号を出力しないようになっている。
なお、基板検知センサ6がセンサ信号を制御部5に対して出力している状態をセンサオン状態(回路基板有り)という一方で、センサ信号を制御部5に対して出力していない状態をセンサオフ状態(回路基板無し)という。
【0025】
この基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、奥側)の搬送レール212の前工程搬送装置側に設けられたINセンサ61と、このINセンサ61が取付られた搬送レール212とは異なる方(例えば、手前側)の搬送レール212のセンターバッファ22側に設けられたWAITセンサ62とを備えている。
INセンサ61は、例えば前工程搬送装置からこの電子部品搭載装置100への回路基板1の受け渡しの際に前工程搬送装置よりINバッファ21に搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。
WAITセンサ62は、例えば前工程搬送装置から搬送されてくる回路基板1のセンターバッファ22への受け渡しの際にセンターバッファ22に搬送されていく回路基板1を検知するためのものである。そして、このWAITセンサ62がセンサオフ状態からセンサオン状態となることにより、制御部5がINバッファ21の搬送用モータ211を制御してこの搬送用モータ211の回転を停止させることで、センターバッファ22に回路基板1を受け渡す前に回路基板1をINバッファ21で一旦待機させるようになっている。
なお、回路基板1がセンターバッファ22へ搬出されて、WAITセンサ62を通過してしまってWAITセンサ62がセンサオン状態からセンサオフ状態となった場合には、制御部5によって、前工程搬送装置の制御手段(図示略)に対してこの電子部品搭載装置100への回路基板1の搬入を要請する信号が出力されるようになっている。
【0026】
また、センターバッファ22は、上記INバッファ21と同様に、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ221と、搬送レール222,222と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルト、搬送用モータ221、搬送レール222,222は、上記INバッファ21に備わるものと略同様の構成となっている。
【0027】
また、基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、手前側)の搬送レール222のOUTバッファ23側に設けられたSTOPセンサ63を備えている。
STOPセンサ63は、例えばINバッファ21よりセンターバッファ22に搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。そして、例えば、STOPセンサ63がセンサオフ状態からセンサオン状態となった場合には、部品搭載部3により電子部品が回路基板1に搭載される際に前記回路基板1を固定するため、制御部5によって、図示しない基板固定部に対してセンターバッファ22上の所定位置への回路基板1の固定を要請する信号が出力されるようになっている。
また、例えば、回路基板1がOUTバッファ23へ搬出されて、STOPセンサ63を通過してしまってSTOPセンサ63がセンサオン状態からセンサオフ状態となった場合には、INバッファ21よりセンターバッファ22へと新たに搬送される回路基板1の搬送を止めるために、制御部5によって、図示しないストッパに対してセンターバッファ22上の所定の位置での回路基板1の搬送のストップを要請する信号が出力されるようになっている。
【0028】
OUTバッファ23は、上記INバッファ21及びセンターバッファ22と同様に、例えば、搬送ベルト(図示省略)と、搬送用モータ231と、搬送レール232,232と、基板検知センサ6とを備えている。
このうち、搬送ベルト、搬送用モータ231、搬送レール232,232は、上記INバッファ21及びセンターバッファ22に備わるものと略同様の構成となっている。
【0029】
また、基板検知センサ6として、例えば、いずれか一方(例えば、手前側)の搬送レール232のセンターバッファ22側に設けられたC.OUTセンサ64と、このC.OUTセンサ64が設けられた搬送レール232とは異なる方(例えば、奥側)の搬送レール232の後工程搬送装置側に設けられたOUTセンサ65とを備えている。
C.OUTセンサ64は、例えばセンターバッファ22からOUTバッファ23への回路基板1の受け渡しの際にセンターバッファ22より搬送されてくる回路基板1を検知するためのものである。そして、例えば、C.OUTセンサ64がセンサオフ状態からセンサオン状態となった場合には、センターバッファ22に回路基板1を搬入するために、制御部5によって、INバッファ21の搬送用モータ211に対してINバッファ21からセンターバッファ22への回路基板1の搬入を要請する信号が出力されるようになっている。
OUTセンサ65は、例えばOUTバッファ23の搬送経路上の回路基板1の有無を検知するためのものである。そして、例えば、OUTセンサ65がセンサオン状態からセンサオフ状態となることにより、制御部5の制御下でのセンターバッファ22からOUTバッファ23への回路基板1の受け渡しが可能な状態となるようになっている。
【0030】
なお、上記した各々の基板検知センサ6は、それぞれのセンサ領域を搬送経路に沿って搬送される回路基板1のスリット12が通過するような位置に設けられている。
さらに、基板検知センサ6の各々は、回路基板1の搬送を邪魔しない範囲内で、搬送レール212、222、232に設けられる位置が調整自在となっている。
【0031】
また、部品搭載部3は、例えば、基板搬送部2のセンターバッファ22に搬入される回路基板1の所定の場所に、部品供給部4より供給される電子部品を搭載するためのものである。
なお、部品供給部4は、例えば、部品搭載部3に対して電子部品を複数種類供給可能となっている。
【0032】
一方、制御部5は、電子部品搭載装置100を遠隔制御可能な制御装置700の制御下で、基板搬送部2、部品搭載部3、部品供給部4の各部を統括的に制御するためのものであるが、特に、基板搬送部2による回路基板1の搬送を制御するようになっている。
具体的には、制御部5は、例えば、CPU51、RAM52、ROM53、I/F(インターフェース)54、タイマー(時間測定手段)55、INバッファ用モータドライバ56、センターバッファ用モータドライバ57、OUTバッファ用モータドライバ58等を備えている。
【0033】
このうち、CPU51は、例えば、ROM53に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムをRAM52の作業領域に展開し、このプログラムに従った各種処理を実行する。
例えば、CPU51は、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化した際に、基板検知センサ6のセンサ領域を回路基板1が通過したと認識する、すなわち回路基板1の搬送方向に沿った後側の端部(以下、後端という。)を認識する基板認識手段を構成しているが、回路基板1の搬送時にセンサ遅延時間設定プログラムを実行することで、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してから回路基板1の通過を認識するまでのセンサ遅延時間(遅延時間)を設定するセンサ遅延時間設定処理を行う。
このように、CPU51は、センサ遅延時間を設定する遅延時間設定手段を構成している。
なお、CPU51による回路基板1の基板検知センサ6のセンサ領域の通過の認識は、具体的には、センサ遅延時間が設定されている場合、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからタイマー55により測定される経過時間が前記設定されたセンサ遅延時間と等しくなるまでに、基板検知センサ6が再びセンサオン状態に変化しない場合に行われるようになっている。
【0034】
また、CPU51は、例えば、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化する毎に、経過時間測定プログラムを実行することで、タイマー55を制御して、前記センサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間、すなわちセンサオフ状態となっている時間を測定する経過時間測定処理を行う。特に、この経過時間測定処理では、CPU51は、例えば、基板検知センサ6が、そのセンサ領域を通過する回路基板1のスリット12の部分を検知して、センサオフ状態からセンサオン状態に変化してから再びセンサオン状態となるまでの経過時間であるスリット12に対応するセンサオフ時間を測定するようになっている。
このように、CPU51は、経過時間を測定する時間測定手段を構成している。
【0035】
さらに、CPU51は、センサ遅延時間設定処理における各種状態を示す表示データを出力する状態データ出力手段を構成しており、例えば、センサ遅延時間の設定中であることを示す表示データや、センサ遅延時間の補正中であることを示す表示データや、センサ遅延時間の補正後であることを示す表示データ等を制御装置700に対して出力するようになっている。
【0036】
また、CPU51は、センサ遅延時間設定処理において設定されるセンサ遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段を構成しており、例えば、最大の値に設定されているセンサ遅延時間を示す表示データや、適正な値に設定されているセンサ遅延時間を示す表示データ等を制御装置700に対して出力するようになっている。
【0037】
また、RAM52は、CPU51によって実行される各種プログラム及びこれらプログラムの実行に必要な諸データの作業領域等として用いられ、ROM53の記憶内容等を一時的に保存する。
ROM53は、例えば、電子部品搭載装置100全体を制御するためのシステムプログラムや、基板搬送部2によって搬送される回路基板1の搬送速度等を制御するための搬送システムプログラムや、センサ遅延時間を設定するためのセンサ遅延時間設定プログラムや、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間を測定するための経過時間測定プログラム等を格納しているとともに、例えば、センサ遅延時間の設定中やセンサ遅延時間の補正中やセンサ遅延時間の補正後であることを示す表示データや、設定されているセンサ遅延時間を示す表示データや、上記プログラムの実行に必要な諸データ等を格納している。
なお、RAM52及びROM53は、例えば半導体メモリなどにより構成されている。
【0038】
また、INバッファ用モータドライバ56、センターバッファ用モータドライバ57、OUTバッファ用モータドライバ58は、各々対応する搬送用モータ211、221、231に電気的に接続されている。
そして、CPU51は、例えば回路基板1の搬送時に、各々のモータドライバ56〜58を介して各々対応する搬送用モータ211〜231に対して、回転速度に関する速度信号等を出力する。
【0039】
なお、制御装置700は、I/F54を介して電子部品搭載装置100に電気的に接続されており、例えば、回路基板1の搬送状態を表示可能なモニタ(表示手段)710を備えている。
【0040】
次に、上記構成の電子部品搭載装置100の基板搬送部2によって回路基板1が搬送される際のセンサ遅延時間設定処理について、図3を参照して説明する。
【0041】
先ず、電子部品踏査装置100の電源が入れられ、基板搬送部2による回路基板1の搬送が開始されると、制御部5は、搬送されている回路基板1が一枚目の回路基板1であるのかどうかを判定する(ステップS1)。
ここで、制御部5は、前記回路基板1が一枚目の回路基板1であると判定すると(ステップS1;Yes)、センサ遅延時間を設定中であることを示す、例えば「スキャン中」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS2)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「スキャン中」と表示する。
【0042】
その後、制御部5は、センサ遅延時間設定プログラムを実行して、センサ遅延時間を設定可能な範囲内で最大の値に設定する(ステップS3)。
【0043】
そして、制御部5は、回路基板1の搬送中に、搬送される回路基板1の前端(搬送方向に沿って下流側の小型基板11の前端エッジ)を検出しているのかどうか、すなわち基板検知センサ6がセンサオフ状態からセンサオン状態となっているのかどうかを判定する(ステップS4)。
ここで、制御部5は、回路基板1の前端を検出していると判定した場合には(ステップS4;Yes)、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを開始する(ステップS5)。具体的には、回路基板1のスキャンでは、基板検知センサ6が、例えば回路基板1の小型基板11等を検知することで制御部5に対してセンサ信号を出力するセンサオン状態となる。一方で、例えば回路基板1のスリット12等で基板検知センサ6が基板を検知していない場合には制御部5に対してセンサ信号を出力しないセンサオフ状態となる。
そして、制御部5は、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化すると、その状態となる毎に、経過時間測定プログラムを実行して、センサオン状態からセンサオフ状態に変化してからの経過時間をタイマー55によって測定するようになっている。
すなわち、回路基板1が搬送される際に、基板検知センサ6は、そのセンサ領域を回路基板1のスリット12の部分が通過する際に、センサオン状態からセンサオフ状態に変化して再びセンサオン状態となり、このとき、このスリット12に対応するセンサオフ時間が、制御部5によって測定されることになる。
なお、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間は、例えばROM53内のセンサオフ時間格納領域(図示略)等に格納されるようになっている。
【0044】
そして、制御部5は、基板検知センサ6による回路基板1のスキャン中に、基板検知センサ6がセンサオン状態からセンサオフ状態に変化してからタイマー55により測定されている時間、すなわち回路基板1が検知されていない時間(センサオフ時間)が予め最大の値に設定されているセンサ遅延時間に比べて長くなっているかどうかを判定する(ステップS6)。
ここで、制御部5は、前記回路基板1が検知されていない時間がセンサ遅延時間よりも長くなっていないと判定した場合には(ステップS6;No)、搬送経路上の回路基板1の後端の認識を遅延させた状態、すなわち、基板検知センサ6が検知できない非検知領域であるスリット12が基板検知センサ6のセンサ領域を通過中であるが、未だ一枚目の回路基板1を搬送している状態であると認識する。
一方、制御部5は、前記回路基板1が検知されていない時間がセンサ遅延時間よりも長くなっていると判定した場合には(ステップS6;Yes)、一枚目の回路基板1を搬送し終わったと判断して、搬送される回路基板(搬送方向に沿って上流側の小型基板11)1の後端の基板検知センサ6のセンサ領域の通過を認識(回路基板1の後端の検出の確定)して(ステップS7)、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを終了する(ステップS8)。
【0045】
その後、制御部5は、前記センサオフ時間格納領域に格納されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を設定する(ステップS9)。
具体的には、例えば、回路基板1を一枚搬送することにより、3箇所のスリット12に対応するセンサオフ時間が各々前記センサオフ時間格納領域に格納されることになる。そして、制御部5は、例えば、前記格納された3つのスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算することにより算出された値をセンサ遅延時間として設定する。
【0046】
このように、回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間を自動的に設定して、この設定されたセンサ遅延時間を2枚目以降の回路基板1の搬送時に適用することができる。
しかしながら、回路基板1を一枚搬送しただけでは、センサ遅延時間を適正な値に設定する上で目安となるスリット12に対応するセンサオフ時間の測定結果が少なく、回路基板1の搬送時における搬送エラーや誤動作等を生じさせないために、例えば長めに設定された所定の時間を最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算することで、このスリット12に対応するセンサオフ時間に対して予め長めにセンサ遅延時間が設定されるようになっている。
このため、回路基板1の搬送時に搬送エラーや誤動作を起こさないとともに回路基板1の搬送における搬送タクトを効率化できるように、センサ遅延時間を適正な値に設定することができない可能性がある。
そこで、電子部品搭載装置100の基板搬送部2が複数の回路基板1を順次搬送することで、スリット12に対応するセンサオフ時間を複数回測定することができ、これらの複数回の測定結果に基づいて、制御部5は、設定されたセンサ遅延時間の補正を行うようになっている。
【0047】
具体的には、基板搬送部2が複数の回路基板1を搬送する際に、制御部5は、搬送されている回路基板1が一枚目の回路基板1ではないと判定した場合には(ステップS1;No)、センサ遅延時間の補正中であることを示す、例えば、「センサオフ時間の安定待ち状態」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS11)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサオフ時間の安定待ち状態」と表示する。
【0048】
次に、制御部5は、例えば周知の統計的な方法によって、回路基板1が搬送されることで測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間が安定しているのかどうか判定する(ステップS12)。
ここで、制御部5は、スリット12に対応するセンサオフ時間が安定していないと判定すると(ステップS12;No)、例えば上記一枚目の回路基板1の搬送時と同様な処理を行って、スリット12に対応するセンサオフ時間を測定していくとともに、回路基板1の後端が基板検知センサ6のセンサ領域を通過して、基板検知センサ6により回路基板1が検知されていない時間(センサオフ時間)が設定されたセンサ遅延時間よりも長くなった場合に、基板検知センサ6による回路基板1のスキャンを終了する(ステップS13〜17)。
【0049】
そして、制御部5は、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、一枚目の回路基板1の搬送時に設定されたセンサ遅延時間の補正を行う(ステップS18)。
具体的には、センサ遅延時間の補正は、例えば、複数回測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるとともに回路基板1を一枚搬送した際に設定されたセンサ遅延時間よりも短くなるように、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算される所定の時間を短くすることにより行われる。
【0050】
なお、センサ遅延時間の補正は、例えば、回路基板1を所定枚数(例えば、5枚)搬送する毎に段階的に行われるようになっている。
すなわち、先ず、回路基板1を所定枚数搬送することにより測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間が補正される。その後、補正されたセンサ遅延時間での回路基板1の所定枚数の搬送後、この搬送時に測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、前記補正されたセンサ遅延時間よりも短くなるようにセンサ遅延時間が再度補正される。
そして、上記のような動作を、制御部5が、例えば、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間がある程度のバラツキはあるが所定の値に対して統計的有意差をもって安定した値となっていると判定するまで、順次繰り返していく。
つまり、回路基板1の搬送枚数の増加に伴って、スリット12に対応するセンサオフ時間は前記所定の値に対して安定した値となっていくため、前記所定の値に対してセンサ遅延時間をできる限り近づけるとともに測定された最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりは長くなるように、この最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に加算される所定の時間が短くされていくことにより、センサ遅延時間がより適正な値に補正されることになる。
【0051】
そして、例えば、制御部5は、上記のようにしてセンサ遅延時間が補正されている間に、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間が安定していると判定した場合には(ステップS12;Yes)、センサ遅延時間の補正後であることを示す、例えば「センサオフ時間の安定完了状態」の表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS21)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサオフ時間の安定完了状態」と表示する。
【0052】
さらに、制御部5は、このときに設定されているセンサ遅延時間を「センサ遅延時間」として確定して、確定された「センサ遅延時間」を示す表示データを制御装置700に対して出力する(ステップS22)。
このとき、制御装置700は、前記表示データが入力されることにより、例えば、モニタ710に「センサ遅延時間」の具体的な数値を表示する。
【0053】
また、センサ遅延時間が確定した後は、制御部5は、上記と同様にして、回路基板1の前端を検出することで基板検知センサ6のセンサ領域に回路基板1が存在することを認識する(ステップS23)。
さらに、制御部5は、基板検知センサ6により回路基板1が検知されない時間(センサオフ時間)が前記確定されたセンサ遅延時間よりも長くなっていると判定することで(ステップS24;Yes)、回路基板1の後端を認識して基板検知センサ6のセンサ領域に回路基板1が存在しないことを認識する(ステップS25)。
【0054】
以上のように、本実施の形態の電子部品搭載装置100によれば、回路基板1の通過を認識するまでのセンサ遅延時間を、回路基板1の搬送時に測定される回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算することにより、センサ遅延時間を適正な値に自動的に設定することができる。これにより、回路基板1の搬送時における搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができる。
また、一枚目の回路基板1を搬送することでセンサ遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板1を順次搬送した際に、複数回測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるとともに回路基板1を一枚搬送した際に設定されたセンサ遅延時間よりも短くなるようにして、設定されたセンサ遅延時間をより適正な値となるように補正することができる。
このようにして、センサ遅延時間がスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて適正な値に設定されることにより、センサ遅延時間はスリット12に対応するセンサオフ時間に対してあまりにも長くならないため、回路基板1を搬送する際に、例えば回路基板1の後工程搬送装置への搬出後に新たな回路基板1の前工程搬送装置からの搬入をスムーズに行うことができる。つまり、回路基板1の搬送動作におけるタイムラグを小さくして搬送タクトを効率化することができる。
【0055】
さらに、センサ遅延時間の設定中に、例えば「スキャン中」とモニタ710に表示して、回路基板1の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることを、また、センサ遅延時間の補正中に、例えば「センサオフ時間の安定待ち状態」とモニタ710に表示して、回路基板1の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることを、さらに、センサ遅延時間の補正後に、例えば「センサオフ時間の安定完了状態」をモニタ710に表示して、回路基板1の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることを、それぞれオペレータに対して報知して認識させることができる。
また、確定された「センサ遅延時間」をモニタ710に表示して、表示された値に設定されたセンサ遅延時間で回路基板1の搬送が行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施の形態では、測定されるスリット12に対応するセンサオフ時間が安定するまで、設定されるセンサ遅延時間を補正するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、制御部5は、センサ遅延時間を設定するために搬送される回路基板1の枚数を設定可能とし、回路基板1を設定された枚数搬送する際に、設定された枚数の回路基板1の各々のスリット12に対応するセンサオフ時間を測定した結果に基づいて、センサ遅延時間を設定するようにしても良い。すなわち、例えば搬送される回路基板1の設定枚数を多くすることにより、スリット12に対応するセンサオフ時間の測定結果が多く得られ、これらの測定結果に基づいてセンサ遅延時間が設定されることになる。特に、搬送される回路基板1の設定枚数を例えば、1枚から5枚、さらに10枚へとより多くすることにより、センサ遅延時間をより適正な値に設定して、回路基板1の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトを効率化することができる。
また、センサ遅延時間は、例えば、搬送エラーや誤動作等が生じたことで測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間を除くものとして、測定されたスリット12に対応するセンサオフ時間の平均値を算出し、この算出されたセンサオフ時間の平均値にできる限り近づけられるように且つ、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間よりも長くなるようにセンサ遅延時間が算出されることで、適正な値のセンサ遅延時間が設定されるようになっている。
【0057】
さらに、上記実施の形態では、センサ遅延時間の補正の後、確定されたセンサ遅延時間の表示データを制御装置700に対して出力するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば一枚目の回路基板1が搬送されている際に最大に設定されているセンサ遅延時間の表示データを制御装置700に出力するようにしても良い。これにより、制御装置700のモニタ710に最大に設定されているセンサ遅延時間が表示されることになり、オペレータに対して回路基板1の搬送における搬送タクトが低下していることを認識させることができる。
また、例えば、オペレータが気付かないうちに搬送エラーや誤動作等により不適切な値にセンサ遅延時間が設定された場合等に、オペレータに対して回路基板1の搬送における作業性が悪化していることを報知できる。このとき、回路基板1のスリット12の位置によっては、例えば基板検知センサ6が備えられる位置を変更することで基板検知センサ6による回路基板1の有無の検知を好適に行うことが可能となるため、基板検知センサ6の位置の変更を促すこともできる。
【0058】
さらに、上記実施の形態では、回路基板1のスリット12に対応するセンサオフ時間を測定することで、このセンサオフ時間に基づいてセンサ遅延時間を設定するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、回路基板1上に設けられる回路パターンやコーティング等の部分も基板検知センサ6に検知されずに、センサ信号が出力されない場合があり、この場合にも回路基板1の後端の誤認識を行う可能性がある。しかしながら、回路基板1の搬送時に、上記回路パターンやコーティング等の部分にもセンサ遅延時間の設定及び補正を対応させることができ、上記したような回路基板1であっても搬送タクトを効率化することができる。
加えて、上記実施の形態では、本発明にかかる基板搬送装置を一般的な電子部品搭載装置100に適用した場合について例示したが、これに限られるものではなく、例えば、電子部品実装ライン(電子部品実装システム)を構成する他の工程、すなわち回路基板1に半田ペーストを印刷する工程や回路基板1に接着剤を塗布する工程や半田を溶融するリフロー工程に適用するようにしても良い。
【0059】
また、上記実施の形態では、電子部品搭載装置100に基板搬送部2と制御部5とが備えられ、前記制御部5が基板搬送部2とともに電子部品搭載装置100全体を制御するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば基板搬送部2にこの基板搬送部2を制御するための制御手段を別に設けるようにしても良い。
さらに、上記実施の形態では、設定されるセンサ遅延時間を算出する方法として、3つのスリット12に対応するセンサオフ時間のうち、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間に近づけるように、このスリット12に対応するセンサオフ時間に所定の時間を加算する方法を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、最も長いスリット12に対応するセンサオフ時間を設定されているセンサ遅延時間から減算することによりセンサ遅延時間と前記センサオフ時間との差を算出し、この差が所定割合だけ小さくなるように前記設定されているセンサ遅延時間から所定割合に相当する時間を減算する方法であっても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、回路基板1に設けられるスリット12を略同形状とするようにしたが、これに限られるものではなく、スリット12の寸法は回路基板1よりも小さい寸法であれば任意である。例えば、複数のスリット12が各々異なる寸法で設けられている回路基板1を搬送する場合には、搬送方向に沿った幅が最も大きいスリット12に対応するセンサオフ時間に基づいて、センサ遅延時間が設定されるようになっている。
さらに、設定されるセンサ遅延時間の設定中、前記センサ遅延時間の補正中、前記センサ遅延時間の補正後であることを示す表示データや、設定されたセンサ遅延時間を示す表示データを、電子部品搭載装置100を制御する制御装置700に出力するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、電子部品搭載装置100に設けられる図示しない表示装置に対して出力するようにしても良い。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、遅延時間を、回路基板の搬送時に測定される非検知領域に対応する経過時間を目安として、この非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるように、適正な値に自動的に設定することができる。これにより、回路基板の搬送時における搬送エラーや誤動作を生じにくくすることができる。また、回路基板を搬送する際に、例えば回路基板の後工程の搬送手段への搬出後に新たな回路基板の前工程の搬送手段からの搬入をスムーズに行うことができる。つまり、回路基板の搬送動作におけるタイムラグを小さくして搬送タクトを効率化することができる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、遅延時間を設定した後に、例えば、複数の回路基板を順次搬送した際に、複数回測定された非検知領域に対応する経過時間のうち、最も長い非検知領域に対応する経過時間よりも長くなるとともに設定された遅延時間よりも短くなるようにして、設定された遅延時間をより適正な値となるように補正することができる。従って、回路基板の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトをより効率化させることができる。
【0063】
請求項3に記載の発明によれば、出力される表示データが遅延時間の設定中であることを示すものならば、回路基板の搬送に時間がかかり搬送タクトが低下している状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。また、前記表示データが遅延時間の補正中であることを示すものならば、回路基板の搬送をより効率的な搬送タクトで行うために遅延時間が補正されている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。さらに、前記表示データが遅延時間の補正後であることを示すものならば、回路基板の搬送が最も効率的な搬送タクトで行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【0064】
請求項4に記載の発明によれば、例えば搬送される回路基板の設定枚数を多くすることで、非検知領域に対応する経過時間の測定結果を多く得ることができ、これらの測定結果に基づいて、適正な値の遅延時間を設定することができる。特に、搬送される回路基板の設定枚数をより多くすることで、遅延時間をより適正な値に設定することができ、回路基板の搬送動作におけるタイムラグをより小さくして搬送タクトをより効率化させることができる。
【0065】
請求項5に記載の発明によれば、設定された遅延時間を例えばモニタ等の表示手段に表示して、表示された値に設定された遅延時間で回路基板の搬送が行われている状態であることをオペレータに対して報知して認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された一実施の形態として例示される電子部品搭載装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の電子部品搭載装置に備わる基板搬送部の概略を説明するための平面図である。
【図3】図1の電子部品搭載装置によるセンサ遅延時間設定処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】従来の電子部品搭載装置の基板搬送装置により搬送される回路基板の一例を説明するための図である。
【図5】図4の回路基板を基板搬送装置により搬送する場合に基板検知センサより出力されるセンサ信号の出力状態を示す図である。
【符号の説明】
100 電子部品搭載装置
1 回路基板
11 小型基板
12 スリット(非検知領域)
2 基板搬送部(基板搬送装置)
5 制御部(基板認識手段、時間設定手段、時間測定手段、枚数設定手段、状態データ出力手段、時間データ出力手段)
51 CPU
55 タイマー(時間測定手段)
6 基板検知センサ(基板検知手段)
61 INセンサ(基板検知手段)
62 WAITセンサ(基板検知手段)
63 STOPセンサ(基板検知手段)
64 C.OUTセンサ(基板検知手段)
65 OUTセンサ(基板検知手段)
700 制御装置
710 モニタ
Claims (5)
- 回路基板を搬送経路に沿って搬送する基板搬送装置であって、
前記搬送経路の所定位置における前記回路基板の有無を検知する基板検知手段と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化した際に、前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識する基板認識手段と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記基板認識手段が前記回路基板の通過を認識するまでの遅延時間を設定する遅延時間設定手段と、
前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してからの経過時間を測定する時間測定手段とを備え、
前記基板認識手段は、前記遅延時間が設定されている場合に、前記基板検知手段の検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから前記時間測定手段により測定される経過時間が前記遅延時間と等しくなるまでに前記基板検知手段の検知結果が再び回路基板有りに変化しなければ前記所定位置を前記回路基板が通過したと認識し、
前記遅延時間設定手段は、前記基板検知手段に検知されない非検知領域を有する複数の略同形状の回路基板を順次搬送する場合に、少なくとも一枚の前記回路基板が前記搬送経路に沿って前記非検知領域が所定位置を通過するように搬送された際に、前記非検知領域の前記所定位置の通過に基づいて前記検知結果が回路基板有りから回路基板無しに変化してから、再び回路基板有りとなるまでの前記時間測定手段に測定される非検知領域に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1に記載の基板搬送装置において、
前記遅延時間設定手段は、前記遅延時間を設定した後に、前記回路基板が搬送された際に、前記非検知領域に対応する経過時間に基づいて、設定された前記遅延時間を補正することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項2に記載の基板搬送装置において、
前記遅延時間設定手段に設定される前記遅延時間の設定中、前記遅延時間の補正中、前記遅延時間の補正後であることを示す表示データを出力する状態データ出力手段を備えていることを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板搬送装置において、
前記遅延時間を設定するために搬送される前記回路基板の枚数を設定する枚数設定手段を備え、
前記遅延時間設定手段は、前記回路基板を前記枚数設定手段に設定された枚数搬送する際に、前記設定された枚数の回路基板の各々の前記非検知領域に対応する経過時間に基づいて、前記遅延時間を設定することを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板搬送装置において、
前記遅延時間設定手段に設定された前記遅延時間を示す表示データを出力する時間データ出力手段を備えていることを特徴とする基板搬送装置。
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CN112009974A (zh) * | 2019-05-29 | 2020-12-01 | 德国邮政股份公司 | 用于监视和/或维护输送机系统的方法以及输送机系统 |
-
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