JP2004022112A - 不揮発性半導体メモリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速のページプログラムを可能とした不揮発性半導体メモリ装置を提供する。
【解決手段】電気的書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリセルを配列したセルアレイと、このセルアレイに、1ページのデータをページ内の複数のアドレス毎に書き込みを行う書き込み制御回路とを備え、書き込み制御回路は、1ページ分の複数のアドレス分の書き込み動作の繰り返しと、書き込み後の前記複数のアドレス分のベリファイ読み出し動作の繰り返しとを、全アドレスについてベリファイ読み出しの判定がパスするまで繰り返し、且つ書き込むべきセルがないアドレスについては前記書き込み動作及び書き込み後の前記ベリファイ読み出し動作をスキップするようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気的に書き込み及び消去が可能な不揮発性半導体メモリ装置(EEPROM)に係り、特にホットエレクトロン注入による書き込みを利用する不揮発性半導体メモリ装置の書き込み方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMフラッシュメモリのうち、NOR型フラッシュメモリでは、ホットエレクトロン注入による書き込みが用いられる。図16は、この様なフラッシュメモリでのメモリセルMCの書き込み時のバイアス条件を示している。メモリセルMCは、シリコン基板100のp型ウェル101に、トンネル絶縁膜102を介して浮遊ゲート103が形成され、この上にゲート間絶縁膜104を介して制御ゲート105が形成された積層ゲート構造を有する。制御ゲート105に自己整合されてソース,ドレイン106,107が形成されている。制御ゲート105はワード線に接続され、ドレイン107はカラムゲートを介してビット線に接続される。ソース106は共通ソース線に接続される。
【0003】
データ書き込み時は、図16に示すように、p型ウェル101及びソース106を0Vとし、制御ゲート105に書き込み用電圧10Vを与え、ドレイン107に5V(“0”データの場合)、又はVss(“1”データの場合)を与える。これにより、メモリセルMCはオンして、“0”書き込みの時には大きなドレイン電流(書き込み電流)Iprgが流れ、この電流によって発生したホットエレクトロンが、制御ゲート−チャネル間の高電界によって浮遊ゲート103に注入トラップされる。
【0004】
浮遊ゲートに電子がトラップされたしきい値電圧の高い状態が例えば、データ“0”(書き込み状態)である。データ消去は、制御ゲート105とp型ウェル101の間に、p型ウェル101が正となる極性の消去電圧を印加して、浮遊ゲート103の電子をFNトンネル電流によりチャネル側に放出させることにより行われる。即ち、浮遊ゲートの電子が放出されたしきい値電圧の低い状態が、データ“1”(消去状態)となる。
【0005】
データ書き込み及び消去に用いられる高電圧は、チャージポンプを用いた昇圧回路により発生される。昇圧回路のうち、書き込み時にドレイン電圧を与える部分は、上述のようにホットエレクトロン生成のために大きな電流を供給する必要がある。しかし一般に、チャージポンプ回路は、電流供給能力が小さい。従って、ホットエレクトロン注入を利用する書き込み方式では、ドレイン電圧を与える昇圧回路部の電流供給能力によって、同時に書き込みを行うことの出来るビット数(セル数)が決まり、通常4〜16ビットに制限される。
【0006】
従って、1ページ分(例えば、64ビット)のデータ書き込みを自動的に行うページプログラム機能を実現する場合にも、チップ外部からは1ページ分の書き込みデータをロードするが、チップ内部ではページ内アクセスを行って、1カラムアドレス(例えば8ビット)ずつの書き込みが実行されるようにする。その事情を具体的に説明する。
【0007】
図17は、フラッシュメモリでよく用いられる自動書き込み機能の基本的なフローチャートである。自動書き込みとは、書き込みコマンドと書き込みアドレス/データを受けつけた後、内部電位やセンスアンプをチップが自動制御して書き込みおよびベリファイをおこなう機能である。書き込みコマンドと書き込みアドレス/データを受けつけた後、チップが書き込み禁止(プロテクト)状態にあるか否かを判定し(S1)、禁止状態でない場合に書き込みセットアップ(S2)を経て、書き込み(S3)が実行される。書き込み後、ベリファイセットアップ(S4)を経て、所望のデータが書かれたかどうかをベリファイ読み出しにより判定する(S5)。
【0008】
ベリファイ判定での書き込まれるべきデータと書き込みデータの一致検出はビット毎に行われ、全ビットがパスでなければ、次の書き込みデータを決定して(S6)、書き込みとベリファイ動作を繰り返す。ここで、書き込みデータの決定とは、“0”書き込みが完了したビットについては、次のサイクルではメモリセルのドレインに書き込み用電圧がかからないように、書き込みデータ転送の制御を行うことを言う。
【0009】
図18は、この様な自動書き込みフローにおけるワード線WL及びビット線BLの電位変化を示している。書き込みやベリファイ読み出しのセットアップ(S2,S4)は主に、ワード線WLに印加する書き込み用電圧が安定化するまでの待ち時間であり、電源制御回路性能にもよるが、書き込み時間とほぼ同じ程度の時間を要することが多い。
【0010】
図17のフローでは、任意の1アドレスに対する書き込みのみ示している。書き込みコマンド入力時に連続する複数アドレス分のデータを入力、ラッチし、それらすべてについて同様に自動書き込みを行うページプログラムの場合には、書き込みのフローは図19のようになる。これは、書き込み/ベリファイのループをアドレス毎に行う方式である。
【0011】
最初のアドレスに対して、図17のフローと同様に書き込み/ベリファイを行い、ベリファイをパスするまで書き込みを繰り返す。ステップS5でパスすると、最終アドレスか否かを判定し(S7)、最終アドレスでなければアドレスをひとつカウントアップし(S8)、同様に書き込み/ベリファイを行う。この繰り返しを、ページ内のすべてのアドレスについて、書き込みがパスするまで行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図19に示す従来のページプログラムのシーケンスでは、アドレス毎に書き込みセットアップが必要になり、ページプログラムに時間がかかる。
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、高速のページプログラムを可能とした不揮発性半導体メモリ装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る不揮発性半導体メモリ装置は、電気的書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリセルを配列したセルアレイと、前記セルアレイに、1ページのデータをページ内の複数のアドレス毎に書き込みを行う書き込み制御回路とを備え、前記書き込み制御回路は、1ページ分の複数のアドレス分の書き込み動作の繰り返しと、書き込み後の前記複数のアドレス分のベリファイ読み出し動作の繰り返しとを、全アドレスについてベリファイ読み出しの判定がパスするまで繰り返し、且つ書き込むべきセルがないアドレスについては前記書き込み動作及び書き込み後の前記ベリファイ読み出し動作をスキップするようにしたことを特徴とする。
【0014】
この発明によると、書き込みシーケンスとベリファイ読み出しシーケンスをそれぞれの中でアドレス更新するように別々に設けて、既にベリファイ読み出し動作で判定をパスしたアドレスをスキップすることによって、高速のページプログラムが可能になる。
【0015】
この発明に係る不揮発性半導体メモリ装置は、より具体的には、電気的書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリセルを配列したセルアレイと、前記セルアレイのワード線を選択するロウデコーダと、前記セルアレイのビット線を選択するカラムゲートと、前記カラムゲートにより選択されるビット線に接続されてデータを検知するセンスアンプと、書き込み時及び書き込み後のベリファイ読み出し時に前記ロウデコーダを介して選択されたワード線に駆動電圧を印加した状態で、前記カラムゲートをオンして選択されたビット線にデータ電圧の供給による書き込み及びビット線データの前記センスアンプへの転送によるベリファイ読み出しを行う書き込み制御回路とを備え、前記書き込み制御回路は、1ページ分の書き込みデータを保持して前記カラムゲートにより選択されるビット線にデータ電圧を供給すると共に、ベリファイ読み出し時の前記センスアンプの出力によりデータ電圧の前記ビット線への転送を制御する転送ゲートを有するデータ制御回路と、前記カラムゲートを順次オン駆動するための1ページ内のアドレス信号を順次発生する機能を有し且つ、ベリファイ読み出しの判定出力により制御されて書き込みの必要のないアドレスをスキップして1ページ内のアドレス信号を順次出力するように構成されたアドレス制御回路とを有することを特徴とする。
【0016】
この発明において好ましくは、書き込み制御回路は、セルアレイのブロック単位で消去を行う消去シーケンスにおいて消去対象ブロックのメモリセルを全て書き込み状態に設定する消去前書き込み動作においても機能するようにする。或いはまた、書き込み制御回路は、セルアレイのブロック単位で消去を行う消去シーケンスにおいて消去後の過消去状態のメモリセルに弱い書き込みを行って消去しきい値分布を狭くするための消去しきい値分布縮小動作においても機能するようにする。
【0017】
この発明において好ましくは、書き込み制御回路は、1ページ内の同一アドレスについての複数回の書き込み動作について、選択されたワード線に与える書き込み電圧パルスを順次ステップアップして行う。
【0018】
書き込み制御回路を構成するデータ制御回路は、例えば、1ページ分のデータラッチと、各データラッチの保持データとベリファイ読み出しデータとの比較により判定出力を出すベリファイ判定用ゲートと、このベリファイ判定用ゲートの出力により活性、非活性が制御されて前記データラッチの保持データの転送を制御する転送用ゲートとを備えて構成される。
【0019】
また書き込み制御回路を構成するアドレス制御回路は、例えば、順次アドレス信号を出力するための、1ページ内の複数アドレスに対応する数のアドレス制御ユニットにより構成され、各アドレス制御ユニットは、クロックにより制御されてアドレス信号を出力するためのアドレスラッチと、クロック及びベリファイ読み出しの判定出力により制御されて、アドレスが選択されたことを示す制御信号を出力するためのフリップフロップと、それぞれ前段ユニットの前記制御信号が入力されて前記アドレスラッチ及びフリップフロップへのクロック入力を制御して、ベリファイ読み出しの判定出力がパスであるときにアドレス信号出力をスキップさせるためのクロックイネーブル回路とを備えて構成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図6は、この発明の実施の形態によるNOR型フラッシュメモリのページプログラムのシーケンスを示している。この実施の形態では基本的に、アドレスを更新して書き込みのみを繰り返す書き込みシーケンス171と、アドレスを更新してベリファイ読み出しのみを繰り返すベリファイシーケンス172とが設けられる。但し、各シーケンス171,172のアドレス更新は、単純なインクリメントではなく、アドレス毎のベリファイ読み出し判定結果のパス(Pass),フェイル(Fail)に基づき、”Pass”となったアドレスをスキップするようにしている。
【0021】
即ち書き込みシーケンス171では、書き込みセットアップと、ベリファイ判定の結果が”Fail”であるアドレス選択とを行って(S11)、書き込みが行われる(S12)。最終アドレスか否かの判定を行って(S13)、最終アドレスでなければ、ベリファイ読み出し判定をパスしていない次のアドレスを選択し(S14)、そのアドレスの書き込みを行う(S12)。これにより、ページ内の全アドレスの書き込みが終了すると、次にベリファイシーケンス172に移行する。
【0022】
ベリファイシーケンス172では、ベリファイセットアップと、ベリファイ判定結果がFailであるアドレス選択とを行い(S21)、ベリファイ読み出しが行われる(S22)。そのベリファイ読み出しの結果に応じて、次の書き込みデータを決定する(S23)。そして最終アドレスになったか否かを判定し(S24)、最終アドレスでなければ、次のFailのアドレスを選択して(S25)、そのアドレスについて同様にベリファイ読み出しを行う(S22)。この動作を最終アドレスまで繰り返した後、全アドレスのベリファイ結果がPassかFailかを判定し(S26)、1アドレスでもFailであれば、再度書き込みシーケンス171に戻り、全アドレスがパスになるまで同様の書き込み/ベリファイを繰り返す。
【0023】
この様なシーケンスのページプログラムを行うと、従来の図17のシーケンスに比べて、書き込み/ベリファイのセットアップ回数を減らすことができる。図17のシーケンスでは、アドレスを更新する毎に、書き込みとベリファイ読み出しにセットアップが必要であるが、図6の場合には、書き込みを全アドレスについて連続的に実行し、同様にベリファイ読み出しを全アドレスについて連続的に実行するため、アドレス更新毎のセットアップが必要ないからである。従ってセットアップ時間が長いときは、このシーケンスが有利になる。
【0024】
更に、図6のシーケンスでは、書き込み/ベリファイそれぞれのシーケンスでページ内の全てのアドレスを選択実行することなく、ベリファイ判定が“Pass”となったアドレスをスキップして、“Fail”のアドレスについてのみ、書き込み/ベリファイを行う。即ち書き込みシーケンス171では、ステップS11では、ベリファイ判定結果が“Fial”である最初のアドレスを選択し、ステップS14では単純なアドレス更新ではなく、ベリファイ判定結果が“Pass”であるアドレスをスキップして、次の“Fail”のアドレスを選択する。ベリファイシーケンス172でも同様に、ステップS21ではベリファイ判定結果が“Fial”である最初のアドレスを選択し、ステップS25では、ベリファイ判定結果が“Pass”であるアドレスをスキップして、次の“Fail”のアドレスを選択する。
【0025】
もし、図6の各シーケンス171,172で書き込み/ベリファイを全アドレスについて実行するようにすると、例えば1ページ内のあるアドレスだけ書き込みが遅く、書き込み/ベリファイ読み出しを何度も繰り返さなければならないときに、必要のないアドレスも書き込み/ベリファイ読み出しを実行することになり、所要時間が延びてしまう。この実施の形態では、既にPassになったアドレスをスキップすることによって、無駄な書き込み/ベリファイ時間がなくなり、高速のページプログラムが可能になる。
【0026】
図1は、上述したページ書き込みフローを実現するページプログラム制御機能を備えたフラッシュメモリのブロックダイアグラムである。コマンドインターフェース7は、チップイネーブル信号/CE、ライトイネーブル信号/WE、出力イネーブル信号/OE等の制御信号の他、データ端子I/Oやアドレス端子から、データ/アドレスと共に供給されるコマンドを受け付ける。このコマンドをデコードして、インターフェース7は、シーケンスを開始するトリガ信号をステートマシン8に送る。
【0027】
ステートマシン8は、入力されたアドレスがプロテクト状態にあるかどうかのチェックをプロテクトレジスタ10の値と比較して、実行可能であれば、アドレス制御回路6やデータ制御回路5、内部電源制御回路11の出力制御信号を変化させて自動書き込み、あるいは消去動作のシーケンス制御を行う。
【0028】
メモリセルアレイ1は、消去バイアスが同時にかかる単位(通常、p型ウェルを共有するメモリセル範囲)を消去ブロックとして、複数ブロックにより構成される。メモリセルアレイ1のワード線を選択するためにロウデコーダ2が設けられ、ビット線を選択するためにカラムゲート3が設けられている。セルデータは、センスアンプ5に送られて出力される。書き込みや消去、ベリファイなどのためのバイアス印加時間は各々のシーケンス毎にタイマ9を動作させて制御する。
【0029】
図2は、メモリセルアレイ1とカラムゲート3の部分を詳しく示している。メモリセルアレイ1は、ビット線BLとワード線WLが交差して配設され、この各交差部に図16に示したメモリセルMCが配置される。この例では、ビット線BLは、奇数番ビット線BLoと偶数番ビット線BLeにより構成されている。カラムゲート3は、奇数番のビット線BLoと偶数番のビット線BLeとを選択するカラムゲート部31と、更にその中から1本のビット線を選択するカラムゲート部32との2段ツリー構成となっている。
【0030】
カラムゲートドライバ33は、カラムアドレスの下位2ビットをデコードした信号PAGE<0:3>を受けて、カラムゲート部32を制御するカラム選択信号CG1<0:3>を出力し、カラムゲートドライバ34は、上位1ビットをデコードした信号ADD<2>を受けて、カラムゲート部31を制御するカラム選択信号CG0<0:1>を出力する。
【0031】
ページプログラムのページ長を4アドレス分として、カラム選択信号CG1<0:3>は、1ページ内の4アドレスで順次活性化されるものである。即ち、ワード線を選択するロウアドレスを固定し、ビット線の奇遇を選択するカラム選択信号CG0を固定した状態で、カラム選択信号CG1を順次活性にするように、アドレス制御をすれば、ページプログラムが実現できることになる。なお図2では、ページ内の4アドレスに対応する4つのカラム選択信号CG1でそれぞれ選択される1ビットのビット線範囲のみ示しているが、実際には、1アドレスで複数ビット(例えば、8ビット)が同時に選択されるように構成される。
【0032】
書き込み時には、データ制御回路5から出力される書き込みデータPRGBiが、“0”書き込みの時にHとなる。書き込みデータPRGBi=HによりオンとなるトランジスタQ0により、内部電源制御回路11から出力される昇圧電圧Vppが、カラムゲート3で選択されたビット線に供給される。これが、図16に示したようにメモリセルMCのドレインへのデータ電圧になる。“1”書き込みの場合、書き込みデータPRGBi=Lとなる。またベリファイ読み出しや通常の読み出し動作時は、書き込みデータPRGBiはすべてLとなり、選択されたビット線はセンスアンプ4に接続されてデータセンスが行われる。
【0033】
データ制御回路5は、ページプログラム時は、1ページ分のデータがロードされ、これを書き込みが終了するまで保持する。そして、データ制御回路5では、ベリファイ読み出しの結果、書き込むべきデータ“0”に対してベリファイ読み出しデータが“0”となった場合には、“Pass”のベリファイ判定フラグを出力すると同時に、以後、保持データが“0”であつても、書き込みデータPRGi=L(即ち、ドレインに書き込み電圧を与えない)を出力するように、データ転送が制御されることになる。
【0034】
図3は、その様なデータ制御回路5の1ビットデータ部分の構成を示している。データラッチ51が、I/O端子から供給された書き込みデータを保持する。NORゲート53は、データラッチ51の保持データの転送制御用ゲートであり、これが活性の時、書き込みデータが”0”(ラッチデータが“L”)であれば、PRGBi=Hが、書き込みデータが“1”(ラッチデータが“H”)であれば、PRGBi=Lが出力される。これにより図2に示したトランジスタQ0のオンオフが制御され、“0”書き込みセルのドレインにはVpp=5Vが、“1”書き込みセルのドレインには、Vppが供給されず、Vssが与えられる。
【0035】
EX・NORゲート52は、センスアンプ出力SAOUT<i>とデータラッチ51の保持データの比較を行うベリファイ判定用ゲートである。ベリファイ読み出しの結果、書き込みデータとセンスアンプ出力とが一致していれば、そのビットについては“Pass”であり、EX・NORゲート52は、ベリファイ判定出力VFYOK<i>=Hを出力する。VFYOK<i>は、NORゲート53の活性化信号でもある。即ちVFYOK<i>=Hになると、NORゲート53が非活性になり、その後ラッチ51の保持データに拘わらず、書き込みデータPRGBi=Lとなる。すべてのビットについて、VFYOK<i>=Hになれば、そのアドレスについては書き込みが完了したことになる。
【0036】
図4は、アドレス制御回路6の構成例である。アドレス制御回路6は、ページプログラム時に、1ページ内の4アドレス(0番地〜3番地)をアクセスするアドレス信号PAGE<0>〜<3>をクロックCLKに従って順次出力するための、4つのアドレス制御ユニット6−0〜6−3により構成されている。但しこの実施の形態で特徴的なことは、各アドレス制御ユニット6−0〜6−3がデータ制御回路5から出力されるベリファイ判定出力VFYOKにより制御されて、既にベリファイをパスしたアドレスをスキップするように構成されていることである。
【0037】
図5は、その様なアドレススキップを可能とするように構成されたアドレス制御ユニット6−iの具体構成を示している。アドレス制御ユニット6−iは、リセット信号RSTによりアドレス信号PAGE<i>を非選択状態(=L)に設定し、クロックCLKによりアドレス信号PAGE<i>を順次選択状態(=H)に設定するためのアドレスラッチ61を有する。アドレスラッチ61は、NORゲートG10と、クロックトインバータG11により構成されている。
【0038】
アドレス制御ユニット6−iはまた、アドレス信号PAGE<i>に同期して、順次次のアドレスのアドレス制御ユニットを活性化するための制御信号PRGDIS<i>を出力する、NOR型フリップフロップ62を有する。即ち、アドレス制御ユニット6−iは、図4に示すように、0番地用のアドレス制御ユニット6−0が出力する制御信号PRGDIS<0>は、1〜3番地用のアドレス制御ユニット6−1〜6−3の活性化用端子DIS<0>に入り、1番地用のアドレス制御ユニット6−1が出力する制御信号PRGDIS<1>は、2,3番地用のアドレス制御ユニット6−2,6−3の活性化用端子DIS<1>に入り、2番地用のアドレス制御ユニット6−2が出力する制御信号PRGDIS<2>は、3番地用のアドレス制御ユニット6−3の活性化用端子DIS<2>に入る、というように順次リンクされている。
【0039】
全てのアドレス制御ユニット6−iに3つずつの活性化用端子DIS<0>−<2>を設けているのは、製造上これらの回路を同じにすることが有利だからである。そして、0番地用のアドレス制御ユニット6−0の活性化用端子DIS<0>−<2>にはVDDを入力して常にクロックイネーブル状態とする。1番地用,2番地用のアドレス制御ユニット6−1,6−2においても、それぞれ1つ、2つの活性化用端子には、VDDを入力している。
【0040】
上述した活性化用端子DIS<0>−<2>は、ANDゲートG1の入力端子に接続されており、これらがオール“H”のときに、クロックCLKは、クロックトインバータG2を介してクロックイネーブル回路63を活性化するようになっている。クロックイネーブル回路63は、リセット信号RSTとANDゲートG1の出力の反転信号が入るNORゲートG3と、クロックトインバータG4により構成されている。
【0041】
即ち、クロックイネーブル回路63は、リセット信号RSTによりリセットされ、活性化端子DIS<0>−<2>がオール“H”であり且つ、クロックCLKが“H”になったときに、イネーブル信号CLKEN<i>=“H”を出力する。そして、このクロックイネーブル信号CLKEN<i>により、ANDゲートG7,G8が活性になると、クロックCLKがフリップフロップ62及びアドレスラッチ61に転送されるようになっている。
【0042】
更に、1ページ内で書き込みベリファイがパスになっているアドレスをスキップするために重要な要素として、フリップフロップ62のNORゲートG6には、クロックCLKと共に、データ制御回路5から出力されるベリファイ判定信号VFYOK<i>を入力する端子が設けられている。これにより、ベリファイ判定信号VFYOK<i>=“H”であるアドレスについては、クロックCLKの入力に拘わらず、フリップフロップ62の出力が“L”に固定され、制御信号PRGDIS<i>=“H”を出力する。またアドレスラッチ61も、クロックCLKの入力に拘わらず、非選択状態即ちPAGE<i>=“L”を出力するようになっている。
【0043】
これにより、次のようなアドレススキップが行われる。例えば2番地がベリファイ“Pass”であった場合には、制御ユニット6−2は、PAGE<2>=“L”,PRGDIS<2>=“H”の状態を保持し、1番地用の制御ユニット6−1がPAGE<1>=“H”を出力した後、次のクロックでは、3番地用の制御ユニット6−3が、アドレス信号PAGE<3>=“H”を出力する。
【0044】
具体的に、ページプログラム時のアドレス制御回路6の動作を、タイミング図を用いて説明する。
図7は、ページ内のどのアドレスもベリファイをパスしていない状態、つまりVFYOK<0:3>がすべて“L”のときのタイミングチャートである。この場合は単純にページ内各アドレスを選択していく。始めにリセットパルスRSTが“H”になると(時刻t0)、全てのアドレス制御ユニット6−iでアドレスラッチ61がリセットされ、アドレス信号PAGE<0:3>=“L”の全非選択状態になる。
【0045】
このとき同時に、全てのアドレス制御ユニット6−iでフリップフロップ62がセットされ、制御信号PRGDIS<0:3>=“L”になる。この信号は各アドレスにおいて書き込みあるいはベリファイを実行すべきかどうかを決定する活性化用信号であり、前述のように、当該アドレスより後のアドレス制御ユニットに入力される。
【0046】
アドレスセット用のクロックCLKは、図7のフローのアドレスセット時に発生されるパルスである。最初のクロックCLKが“H”になると(時刻t1)、0番地対応のアドレス制御ユニット6−0において、クロックイネーブル信号CLKEN<0>が“H”となり、これを受けて、アドレスラッチ61は、アドレス信号PAGE<0>=“H”を出力する。即ち、アドレス0番地を選択する。そして、クロックCLKが“L”になったときに、フリップフロップ62がリセットされ、アドレス0番地は選択済みを示す制御信号PRGDIS<0>=“H”を出力する。この間、1〜3番地のアドレス制御ユニット6−1〜6−3では、クロックイネーブル回路63がCLKEN<1>〜<3>=“L”を保持し、非選択状態である。
【0047】
アドレス制御ユニット6−0が出力する制御信号PRGDIS<0>=“H”は、アドレス制御ユニット6−1〜6−3の活性化端子に入っているから、これにより、1番地のアドレス制御ユニット6−1がクロックイネーブル状態になる。従って、次にクロックCLKが“H”になると(時刻t2)、1番地対応のアドレス制御ユニット6−1において、クロックイネーブル信号CLKEN<1>が“H”となり、これを受けて、アドレスラッチ61は、アドレス信号PAGE<1>=“H”を出力する。即ち、アドレス1番地を選択する。そして、クロックCLKが“L”になったときに、フリップフロップ62がリセットされ、アドレス1番地は選択済みを示す制御信号PRGDIS<1>=“H”を出力する。以下同様に、時刻t3,t4でクロックCLKが“H”になり、2番地,3番地が順次選択される。
【0048】
次に、図8は、2番地が既にベリファイ判定結果で“Pass”となっている場合のタイミング図である。このとき、2番地対応のアドレス制御ユニット6−2では、VFYOK<2>=“H”によって、フリップフロップ62がセットされており、クロックCLKによらず、アドレス信号PAGE<2>=“L”,制御信号PRGDIS<2>=“H”を保持する。
【0049】
リセットパルスRSTが“H”になると(時刻t0)、全てのアドレス制御ユニット6−iでアドレスラッチ61がリセットされ、アドレス信号PAGE<0:3>=“L”の全非選択状態になる。その後、クロックCLKにより順次、アドレスPAGE<0>,<1>が“H”になり、制御信号PRGDIS<0>,<1>が“H”になることは、図7と同様である。
【0050】
時刻t3でクロックCLKが“H”になるときには、VFYOK<2>=“H”により既に制御信号PRGDIS<2>=“H”となっているので、アドレス制御ユニット6−2のクロックイネーブルCLKEN<2>と同時に、アドレス制御ユニット6−3のクロックイネーブルCLKEN<3>も“H”になる。これにより、アドレス制御ユニット6−3が活性化され、PAGE<3>=“H”が出力される。即ちアドレス2番地は、PAGE<2>=“L”のままタイミング遅延が一切ないままにスキップされて、アドレス3番地が選択される。
以上のアドレス制御を書き込み、ベリファイそれぞれについて行うことにより、図7のページプログラムフローが実現できることになる。
【0051】
図2のようなアレイ構成をとり、ページ内アドレス(カラムの下位アドレス)をカラムゲートツリーのひとつに割り当てておくと、図7のフローにしたがったページプログラムの場合、ワード線遷移のセットアップ時間をページ分でシェアできるため高速に書き込みを行うことができる。しかも、ある特定アドレスでベリファイ判定結果が何度も“Fail”になったとしても、一度“Pass”となったアドレスについては書き込み/ベリファイ読み出しは実行しないでスキップする。従って、特定アドレスで書き込みが遅い場合にも、全体の書き込み時間が延びることはなく、短時間でページプログラムを行うことが可能となる。
【0052】
以上のようにこの実施の形態のページプログラムにおいては、既に書き込みベリファイ判定が“Pass”となったアドレスをスキップした。一方、あるアドレスの書き込みデータビットがオール“1”の場合、即ち“0”書き込みビットがないアドレスについては、書き込み/ベリファイ動作が必要ではないから、この様なアドレスはスキップすることが、ページプログラムの高速化にとって好ましい。そのためには、アドレス制御回路6におけるベリファイ判定信号VFYOK<i>に代わって、書き込みデータビットのAND出力を入力すればよい。
【0053】
或いはまた、既に書き込みベリファイ判定が“Pass”となったアドレスをスキップすると共に、“0”書き込みビットがないアドレスについてもスキップするようにすれば、より好ましい。その様なアドレス制御ユニット6−iの構成を、図5に対応させて図9に示す。図5と異なる点は、データビットがオール“1”であることを検出するANDゲートG21を備え、その出力とベリファイ判定出力VFYOK<i>とをORゲートG22に入力し、その出力をフリップフロップ62のNORゲートG6に入力していることである。これにより、より高速のページプログラムが可能になる。
【0054】
次に、この実施の形態のNOR型フラッシュメモリでの消去シーケンスを説明する。データ消去は通常、消去ブロック単位で一括消去が行われるが、データ消去のシーケンス内には、消去動作に先立って、消去すべきブロック内のデータを予めオール“0”の状態に設定する“消去前書き込み”のサブシーケンスがあり、また消去後に、“0”データのしきい値分布幅を縮小するための“消去セルしきい値分布縮小”のサブシーケンスがある。これらのサブシーケンスにおいて、上述したページプログラム時と同様のアドレススキップを行うことが有効になる。
【0055】
図10は、消去シーケンスを示している。消去コマンドを受け付けて消去実行を確認した後(S21)、まず”0”/”1”データが混在するブロック内のすべてのメモリセルを書き込み状態(”0”データ記憶状態)にする、いわゆる消去前書き込みのサブシーケンス(S22)がある。ブロック内のデータをオール“0”とした後、ブロックの一括消去を行う(S23)。そして更に、ブロック内の消去しきい値分布幅を縮小する弱書き込みのサブシーケンスを実行する(S24)。複数ブロックの消去を行う場合には、最終ブロック確認(S25)、ブロックアドレスの更新(S26)を行って、以上のシーケンスを最終ブロックまで繰り返すことになる。
【0056】
図11は、図10のフローにおける消去前書き込みサブシーケンスS22と、消去セルしきい値分布縮小サブシーケンスS24のフローを示し、図12は、消去サブシーケンスS23のフローを示している。以下、これらのサブシーケンスを具体的に説明する。
【0057】
消去前書き込みサブシーケンスでは、図11に示すように、先にベリファイ読み出しシーケンス201を実行し、その後全アドレスのベリファイ読み出し判定がパスでない場合に、“0”書き込みのシーケンス202を行う。即ち、ロウ/カラムアドレスの初期化、ベリファイラッチの初期化を経て、ブロック内最終アドレスを確認し(S101)、ベリファイセットアップとベリファイ判定が“Fail”である最初のアドレス選択とを行って(S102)、ベリファイ読み出しを行う(S103)。このベリファイ読み出しの結果、“0”データが確認されたビットには“1”書き込みを行うべく、書き込みデータを決定する(S104)。そして、ページ内最終アドレスを確認し(S105)、最終アドレスでなければ、次のベリファイ“Fail”のアドレスを選択して(S106)、同様のベリファイ読み出しを繰り返す。
【0058】
最終アドレスを確認し(S105)、ページ内全アドレスが全て“0”であるか否かの判定を行い(S107)、“1”データがある場合に、消去前書き込みのシーケンス202に移る。即ち、書き込みセットアップを行い、ベリファイが“Fail”である最初のアドレスを選択し(S109)、“0”書き込みを行う(S110)。そして、ページ内最終アドレスを確認し(S111)、次のFailアドレスを選択して(S112)、以下最終アドレスになるまで、同様の書き込みを繰り返す。ページ内最終アドレスまで書き込みを行って(S111)、ベリファイ読み出しのシーケンス201に戻る。ブロック内の全アドレスがオール“0”状態になるまで、ページアドレスを更新して(S108)、同様の動作を繰り返す。
【0059】
以上のように、消去前書き込みサブシーケンスにおいても、先のページプログラムにおけると同様に、既に“Pass”しているアドレスをスキップすることによって、高速化が図られる。
【0060】
ブロック消去は、ブロック内の全メモリセルに消去バイアスをかけて一括消去を行う。具体的にこのブロック消去のサブシーケンスS23は、図12に示すように、ロウ/カラムアドレスの初期化、ベリファイラッチの初期化を経て、ブロック内最終アドレスを確認し(S201)、アドレス毎に消去ベリファイ読み出しを行う(S203)。即ち、ページ内最終アドレスを確認し(S204)、ベリファイ結果が“Fail”であるアドレスを選択して(S205)、消去ベリファイ読み出しを繰り返す。ページ内全アドレスのベリファイ読み出しを行ったことを確認して(S204)、ページ内全アドレスのベリファイ判定(S207)が“Pass”でなければ、即ちオール“1”でなければ、消去セットアップ(S208)を行い、消去バイアスを与えて(S209)、ブロック消去を行う。この動作を、順次ページを選択して(S206)、ブロック内がオール“1”の消去状態が確認されるまで繰り返す。
【0061】
次に、消去セルしきい値分布縮小サブシーケンスS24を具体的に説明する。NOR型フラッシュメモリの場合、過消去状態のメモリセルがあるとこのセルが非選択時にもセル電流を流してしまい、誤読み出しの原因となる。消去セルしきい値分布縮小サブシーケンスS24は、しきい値が低くなりすぎた過消去のセルに対して弱い書き込みを行うものであり、そのフローは、消去前書き込みのフローと同じ、図11となる。
【0062】
図13は、消去セルしきい値分布縮小サブシーケンス(弱書き込みサブシーケンス)を備えた消去シーケンスによるメモリセルのしきい値分布の遷移を示したものである。前述したように消去前書き込みサブシーケンスにより、“0”,“1”データが混在した初期状態から、ブロック内のすべてのメモリセルしきい値が書き込み状態(“0”データ状態)になる。Vpvは、書き込みベリファイ電圧を示している。そして消去サブシーケンスでブロック内のメモリセルを一括消去して、オール“1”状態にする。Vevは、消去ベリファイ電圧である。最後に、過消去セルに対する書き込みサブシーケンスで過消去状態のメモリセルに対し弱い書き込みを行い、メモリセルしきい値の下限Voevを保証する。
【0063】
この様な過消去セル書き込みサブシーケンスについても、消去前書き込みと同じシーケンスを用いることができる。消去前書き込みサブシーケンス時よりも書き込み量を抑えるために、ワード線バイアスのみ通常の書き込み時より低く設定することが多い。例えば通常書き込み時のワード線バイアスが10Vなら、過消去セル書き込み時は3〜5Vをワード線に印加するといった具合である。
【0064】
過消去セル書き込みでは、書き込みすぎ(オーバープログラム)により消去ベリファイ電圧Vev以上にしきい値を変動させてはならない。そこで同じアドレスに何回か書き込み、書き込みを重ねる毎に書き込み時のワード線電圧をあげていくステップアップ書き込みを行うことがある。
【0065】
図14は、その様なステップアップ書き込みを行うワード線(WL)電圧源のレベル遷移を示した波形である。各アドレスでベリファイと書き込み(過消去セル書き込み)を繰り返している。最初のベリファイでFailしたときは書き込み時のWLレベルを低く(例えば3V)設定し、同じアドレスでベリファイをFailするたびにその次の書き込みでは印加するWL電圧を、2回目は3.5V、3回目は4Vといったようにステップアップする。
このようにWLレベルを頻繁に遷移させるステップアップ書き込みでは、書き込み動作とベリファイ動作のそれぞれの中でアドレス更新を行うことによってWLセットアップ回数を減らすことのできるこの発明のページ書き込み方式は非常に有効である。
【0066】
上述したステップアップ書き込みは、過消去セルに対する弱書き込みシーケンスのみならず、先に説明した通常の書き込みシーケンスや、消去前書き込みシーケンスにも同様に適用が可能である。またステップアップ書き込みは、ひとつのメモリセルに2ビット以上のデータを記憶させる多値記憶メモリの書き込みに適用しても有効である。NOR型フラッシュメモリにおける多値メモリ書き込みは、図15に示すように、しきい値の低いデータから順に書き込みをおこなう。しきい値とデータの対応はさまざまであるが、例えばしきい値の低いほうから”11”,”01”,”10”,”00”という4値を割り当てたとする。
【0067】
このとき、図15に示すように、初期状態ではしきい値の低い消去状態(データ”11”)であり、”01”を書き込むサブシーケンスが書き込み1、次に”10”を書き込むサブシーケンスが書き込み2、次に”00”を書き込むサブシーケンスを書き込み3となる。これらの書き込み1,2,3それぞれに、図6のページプログラムを使うと、書き込み用電源レベル遷移の回数をページ分シェアすることにより、書き込み時間の短縮を図ることができる。
【0068】
多値情報をI/Oに割り付けるかアドレスに割り付けるか、”01”書き込み時に”10”、”00”も同時に”01”レベルまで書き込むか、といった多値情報の記憶方法や書き込み方法にはさまざまなバリエーションがある。しかし、ワード線電圧が同じである書き込みは、カラムゲートを切り替えて複数アドレス分まとめて書き込み、ベリファイを行うというページプログラムは、どのような場合にも適用することが可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、1ページ分の複数アドレスのデータ書き込みを、高速に行うことができる不揮発性半導体メモリが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態によるフラッシュメモリの構成を示す図である。
【図2】同フラッシュメモリのセルアレイ及びカラムゲート部の構成を示す図である。
【図3】同フラッシュメモリのデータ制御回路の構成を示す図である。
【図4】同フラッシュメモリのアドレス制御回路の構成を示す図である。
【図5】同アドレス制御回路の一つのアドレス制御ユニットの構成を示す図である。
【図6】同実施の形態のページプログラムのフローを示す図である。
【図7】同ページプログラムのアドレス選択の基本動作タイミングを示す図である。
【図8】同ページプログラムのアドレススキップがある場合の動作タイミングを示す図である。
【図9】アドレス制御ユニットの他の構成を示す図である。
【図10】同実施の形態のブロック消去のフローを示す図である。
【図11】同ブロック消去の消去前書き込み及び消去セルしきい値分布縮小書き込みのサブシーケンスを示す図である。
【図12】同ブロック消去の消去シーケンスを示す図である。
【図13】消去前書き込み及び消去セルしきい値分布縮小書き込みによるしきい値変化を示す図である。
【図14】ステップアップ書き込み方式を説明するための図である。
【図15】4値記憶の場合の書き込み方式を説明するための図である。
【図16】NOR型フラッシュメモリの書き込み時のセルのバイアス状態を示す図である。
【図17】従来の書き込みの基本シーケンスを示す図である。
【図18】書き込み及びベリファイの読み出しのワード線及びビット線電位変化を示す図である。
【図19】従来のページ書き込みのシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1…セルアレイ、2…ロウデコーダ、3…カラムゲート、4…センスアンプ、5…データ制御回路、6…アドレス制御回路、7…コマンドインターフェース、8…ステートマシーン、9…タイマ、10…プロテクトレジスタ、11…内部電圧制御回路、51…データラッチ、52…ベリファイ判定用ゲート、53…転送用ゲート、6−i…アドレス制御ユニット、61…アドレスラッチ、62…フリップフロップ、63…クロックイネーブル回路。

Claims (9)

  1. 電気的書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリセルを配列したセルアレイと、
    前記セルアレイに、1ページのデータをページ内の複数のアドレス毎に書き込みを行う書き込み制御回路とを備え、
    前記書き込み制御回路は、
    1ページ分の複数のアドレス分の書き込み動作の繰り返しと、書き込み後の前記複数のアドレス分のベリファイ読み出し動作の繰り返しとを、全アドレスについてベリファイ読み出しの判定がパスするまで繰り返し、且つ
    書き込むべきセルがないアドレスについては前記書き込み動作及び書き込み後の前記ベリファイ読み出し動作をスキップするようにした
    ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  2. 前記書き込むべきセルがないアドレスは、ベリファイ読み出し動作で判定をパスしたアドレスである
    ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  3. 電気的書き込み及び消去が可能な不揮発性メモリセルを配列したセルアレイと、
    前記セルアレイのワード線を選択するロウデコーダと、
    前記セルアレイのビット線を選択するカラムゲートと、
    前記カラムゲートにより選択されるビット線に接続されてデータを検知するセンスアンプと、
    書き込み時及び書き込み後のベリファイ読み出し時に前記ロウデコーダを介して選択されたワード線に駆動電圧を印加した状態で、前記カラムゲートをオンして選択されたビット線にデータ電圧の供給による書き込み及びビット線データの前記センスアンプへの転送によるベリファイ読み出しを行う書き込み制御回路とを備え、
    前記書き込み制御回路は、
    1ページ分の書き込みデータを保持して前記カラムゲートにより選択されるビット線にデータ電圧を供給すると共に、ベリファイ読み出し時の前記センスアンプの出力によりデータ電圧の前記ビット線への転送を制御する転送ゲートを有するデータ制御回路と、
    前記カラムゲートを順次オン駆動するための1ページ内のアドレス信号を順次発生する機能を有し且つ、ベリファイ読み出しの判定出力により制御されて書き込みの必要のないアドレスをスキップして1ページ内のアドレス信号を順次出力するように構成されたアドレス制御回路とを有する
    ことを特徴とする不揮発性半導体メモリ装置。
  4. 前記書き込み制御回路は、前記セルアレイのブロック単位で消去を行う消去シーケンスにおいて消去対象ブロックのメモリセルを全て書き込み状態に設定する消去前書き込み動作においても機能する
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  5. 前記書き込み制御回路は、前記セルアレイのブロック単位で消去を行う消去シーケンスにおいて消去後の過消去状態のメモリセルに弱い書き込みを行って消去しきい値分布を狭くするための消去しきい値分布縮小動作においても機能する
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  6. 前記書き込み制御回路は、1ページ内の同一アドレスについての複数回の書き込み動作について、選択されたワード線に与える書き込み電圧パルスを順次ステップアップして行う
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  7. 前記セルアレイは、一つのメモリセルが2ビット以上の多値記憶を行うものである
    ことを特徴とする請求項1又は3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  8. 前記データ制御回路は、
    1ページ分のデータラッチと、
    各データラッチの保持データとベリファイ読み出しデータとの比較により判定出力を出すベリファイ判定用ゲートと、
    このベリファイ判定用ゲートの出力により活性、非活性が制御されて前記データラッチの保持データの転送を制御する転送用ゲートとを有する
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
  9. 前記アドレス制御回路は、順次アドレス信号を出力するための、1ページ内の複数アドレスに対応する数のアドレス制御ユニットにより構成され、各アドレス制御ユニットは、
    クロックにより制御されてアドレス信号を出力するためのアドレスラッチと、
    クロック及びベリファイ読み出しの判定出力により制御されて、アドレスが選択されたことを示す制御信号を出力するためのフリップフロップと、
    それぞれ前段ユニットの前記制御信号が入力されて前記アドレスラッチ及びフリップフロップへのクロック入力を制御して、ベリファイ読み出しの判定出力がパスであるときにアドレス信号出力をスキップさせるためのクロックイネーブル回路とを有する
    ことを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体メモリ装置。
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