JP2004018957A - 電着塗装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電着槽では、噴射管などを床に配置していたため、床に鉄係ゴミが堆積し、清掃作業が不可欠であった。
【解決手段】噴射管18、18を左右壁48、24に添わせた。この結果、底21には障害物が無くなった。そして、左右の最下段ノズル33B、33bからの噴流により、左右傾斜底部42、43上の鉄系ゴミ49・・・を矢印のごとく溝部45に押出す。この溝部45は図面表裏方向に傾斜しているため、図示せぬ排出孔へ鉄系ゴミ49を移動させることができる。
【効果】この結果、媒体を沈降して底21に至った鉄系ゴミ49・・・を底21に堆積させることなく、迅速に排出でき、従来実施していた床の清掃作業を、本発明によれば大幅に削減することができる。
【選択図】    図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電着塗装装置、すなわち電着槽に溶媒及び塗料からなる媒体を満たし、電着槽から媒体の一部を取出し、加圧し、濾過した後に噴射管を通じて電着槽内へ噴射することにより、媒体を流動化させ、このような媒体にワークを浸漬すると共にワークと電着槽に直流電流を流すことにより、ワークに塗装を施す電着塗装装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電着塗装装置に関する技術としては、例えば、実開平3−14162号公報「電着塗装装置」が知られている。この公報の第1図及び第2図を再掲して、従来の装置の説明を行う。ただし、符号は振り直した。
図11は実開平3−14162号公報第1図の再掲図であり、電着槽101に溶媒及び塗料からなる通電性溶液(以下、「媒体」という)102を満たし、電着槽101から媒体の一部を取出し、フィルタ103で濾過し、ポンプ104で加圧した後に噴射管105・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)を通じて電着槽101内へ噴射することにより、媒体102を流動化させ、このような媒体102にワークを浸漬すると共にワークと電着槽101に直流電流を流すことにより、ワークに塗装を施す電着塗装装置の断面図である。
【0003】
この装置は、さらに、電着槽101の壁の上部に上部開口部106、下部に下部開口部107を備え、これらの開口部106、107をドラフトチューブ108で連結し、このドラフトチューブ107にスクリュー109を介在させ、このスクリュー109を回転させて、上部開口部106から吸い込んだ媒体を、下部開口部107から放出することで、上下の撹拌流れを発生させることができる。これで、媒体の均質化を促し、ゴミが沈殿することを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記装置には次に述べる課題があることが判明した。
図12は実開平3−14162号公報第2図の再掲図であり、電着槽101の底111に5本の噴射管105・・・が配置されていること分かる。
【0005】
ところで、取扱うワークが車両ボティである場合は、布で拭いた際に車両ボディに繊維屑が付着し、溶接の際に車両ボディに溶接スパッタが付着し、これらの繊維屑や溶接スパッタ(鉄系ゴミ)は、その大部分は清掃により除去されるが、ある確率で除去漏れが発生する。
【0006】
このような車両ボディを前記電着槽101に投入すると、車両ボディから繊維屑や鉄系ゴミが脱落し、媒体に混入する。繊維屑は軽いので浮上し、容易に除去されるので問題にはならない。
一方、鉄系ゴミは媒体より遙かに重く、媒体中を沈下して電着槽101の底に溜まる。加えて、鉄系ゴミが芯(コア)となり、そこに塗料が付着することにより、塗料玉ができるが、この塗料玉は芯が鉄であるため、全体としては媒体より重くなり、やはり電着槽101の底に溜まる。
【0007】
噴射管105と105との間、すなわち、図12中、A、B、Cで示す箇所に鉄系ゴミや塗料玉が堆積し、これらは前記「上下の撹拌」作用を適用しても、排出することは困難である。そこで、定期的に電着槽101から媒体を抜き、主に人力により鉄系ゴミや塗料玉を除去する必要があり、この除去に係る清掃作業が大きな負担となる。
【0008】
さらには、車両ボディに電着槽101でゴミが付着(再付着)すれば、塗膜に欠陥として現れるため、この欠陥は補修、手直しを要する。この補修、手直し作業は、工数の増加を招き、生産性の低下に繋がるため、ゴミの対策は極めて重要である。
【0009】
すなわち、車両ボディはある確率で繊維屑や鉄系ゴミを電着槽に持ち込むことは避けられないので、その後に電着槽内で、ゴミを作り出さない(塗料の凝集を極力防止し、塗料の沈降を極力防止する。)、ゴミを拡散させない(ゴミを効率よく集める。)、及びゴミを取り除く(電着槽から迅速にゴミを排出する)の3つの要素を強化することが必要となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、電着槽内で、ゴミを作り出さず、ゴミを拡散させず、ゴミを迅速に取り除くことのできる電着塗装装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、電着槽に溶媒及び塗料からなる媒体を満たし、電着槽から前記媒体の一部を取出し、加圧し、濾過した後に噴射管を通じて電着槽内へ噴射することにより、媒体を流動化させ、このような媒体にワークを浸漬すると共にワークと電着槽に直流電流を流すことにより、ワークに塗装を施す電着塗装装置において、電着槽は、底とワークの出槽側壁とワークの入槽側壁と左右壁とからなる上面開放箱体とし、媒体の大部分をワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ流すようにし、噴射管を左右壁に添わせて配置し、底は、左右壁から電着槽の中央へ下がる左右傾斜底部にて構成し、これらの谷部に媒体を取出す排出孔を設けたことを特徴とする。
【0012】
従来、電着槽の底の上に配置していた噴射管を、請求項1では左右壁に添わせて配置した。これにより、電解槽の底には障害物が無くなった。加えて、電着槽の底を左右傾斜底部で構成することにより、鉄系ゴミなどの重いゴミが谷部へ容易に移動できるようにした。すなわち、重いゴミを左右傾斜底部、そして谷部を介して排出孔に集めることができ、電着槽の底に重いゴミが堆積するという不具合を解消することができる。
【0013】
すなわち、請求項1によれば、ゴミを拡散させない(ゴミを効率よく集める。)、及びゴミを取り除く(電着槽から迅速にゴミを排出する)ことが達成できる。
加えて、ゴミが床に堆積しないため電着槽の底の清掃作業を大幅に減らすことができる。
【0014】
請求項2では、左右傾斜底部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ下り勾配にしたことを特徴とする。
電着槽の底を、略V字断面にしつつ全体としてもワークの入槽側壁へ下り勾配にした。この結果、重いゴミをワークの入槽側壁側へ容易に送ることができる。
【0015】
請求項3では、左右傾斜底部間の谷部を、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ延びる溝部にすると共に、この溝部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ流路断面積が増大するように構成したことを特徴とする。
重いゴミの堆積量の増加に応じて、溝部の流路断面積を増大させたので、溝部でゴミを円滑に送ることができる。
【0016】
請求項4では、噴射管は、縦パイプと、この縦パイプに間隔をおいて配置した複数個のノズルとからなり、この複数個のノズルは、液面近くの媒体をワークの出槽側壁又はワークの入槽側壁へ押出す最上段ノズルと、媒体をワークの入槽側壁へ流動させる中段ノズルと、左右傾斜底部に溜まるゴミを前記谷部へ押出す最下段ノズルで構成することを特徴とする。
【0017】
最上段ノズルで軽いゴミをワークの出槽側壁又はワークの入槽側壁へ送る。そこにオーバーフロー槽を設けておけば、オーバーフロー槽に軽いゴミを容易に集めることができる。
最下段ノズルで重いゴミを底の谷部へ押出す。
中段ノズルで媒体をワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ大きく流動させる。この中段ノズルの発生する流れで、ワークに付着しているゴミや再付着したゴミをワークから剥がすことができる。
このような多様のノズルを共通の縦パイプに集約することで、設備の簡素化を図ることができる。
【0018】
そして、請求項4では、多様のノズル、特に中段ノズルで電着槽内に大きな流れを形成することができ、この流れでゴミの沈降を防止することができ、電着槽内でのゴミの発生を防止することができる。
【0019】
請求項5では、ワークの出槽側壁は、媒体の液面面積を増大させるべく上部が外寄り、下部が内寄りになるように傾斜させ、ワークの入槽側壁は、ワークの出槽側壁とほぼ平行になるように傾斜させたことを特徴とする。
【0020】
請求項5はワークの入槽側壁の下に排出孔を設けた場合に有効である。すなわち、ワークの入槽側壁は上部が内寄り、下部が外寄りとなるため、ワークの出槽側壁側から流動してきた媒体は、ワークの入槽側壁により下向き流れとなる。そこに排出孔を設けておけば、媒体の排出が円滑に行うことができる。電着槽内部における媒体の大きな流れを安定化させることができる。
すなわち、請求項5によれば、安定化した大きな流れによって、ゴミを迅速に排出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
また、「ワークの入槽側壁」は電着槽へワークを入れる側の壁、「ワークの出槽側壁」は同出側の壁、「右壁」はワークの出槽側壁から見たときの右壁、「左壁」は同左壁を意味する。
【0022】
図1は本発明に係る電着塗装装置の縦断面図であり、電着塗装装置10は、電着槽11に溶媒及び塗料からなる媒体12を満たし、電着槽11の最下部に設けた排出孔13から太い配管14を通じて媒体11の一部を取出し、第1ポンプ15で加圧し、第1フィルタ16で濾過した後に、電着槽11内に水平に延ばしたヘッダ17に吹込み、このヘッダ17から上向きに分岐した複数本の噴射管18・・・を通じて電着槽11内へ噴射することにより、媒体12を流動化させ、このような媒体12にワーク19を浸漬すると共にワーク19と電着槽11に図示せぬ給電手段により直流電流を流すことにより、ワーク19に塗装を施す装置である。
【0023】
なお、電着槽11は、底21とワークの出槽側壁22とワークの入槽側壁23と右壁24と左壁(手前につき不図示)とからなる上面開放箱体であり、図示するごとくワークの出槽側壁22に出槽側オーバーフロー槽25を備え、ワークの入槽側壁23に入槽側オーバーフロー槽26を備える。
そして、ワークの出槽側壁22を越えたオーバーフロー媒体を集める出槽側オーバーフロー槽25の排水管27に第2ポンプ28及び第2フィルタ29を介設した上で、前記ヘッダ17に連結する。
【0024】
また、ワークの入槽側壁23を越えたオーバーフロー媒体を集める入槽側オーバーフロー槽26の排水管31は前記第1ポンプ15に連結する。
しかし、前入槽側オーバーフロー槽25、26で集める媒体は比較的少量であり、多くは排出孔13を通って電着槽11から流出する。
【0025】
次に、本発明で採用した噴射管及びそこに付設したノズルの詳細を順に説明する。
図2は本発明で採用したベンチュリー型ノズルの断面図であり、このノズル33は、縦パイプ34から分岐したジェット管35と、このジェット管35を囲うベンチュリー管36とを基本構成とし、ベンチュリー管36は中央若しくは基部を絞った特殊なラッパ管であり、絞り部37に通孔38・・・を開けてなる。
【0026】
物理則により、流れが水平であって位置のエネルギーの差は考慮する必要がないときには、動圧(速度の二乗に比例する圧力要素)と静圧(速度に無関係な圧力要素)との和は一定になる。
矢印▲1▼のごとくジェット管35から媒体を高速で噴射すると、絞り部37が最も断面積が小さいため、媒体の速度が最高になり、動圧が増えた分だけ、静圧が減少する。この静圧の減少が絞り部37の圧力低下を招き、矢印▲2▼、▲2▼のごとくベンチュリー管36外側の媒体を管内に吸引することとなる。
この結果、矢印▲3▼の流れを、矢印▲4▼、▲4▼で囲ってなる円柱状の噴流を発生させることができる。この噴流は、直進性に富み且つ容易には広がらないため槽内の遠くの媒体をも流動化させる効果を発揮する。
【0027】
図3は本発明に係る噴射管の全体図であり、噴射管18は、ヘッダ17に立てた縦パイプ34と、この縦パイプ34に上下に間隔をおいて配置した複数個のノズル(図2の符号33)とからなり、この複数個のノズルは、図面ほぼ左又は右に指向させた最上段ノズル33T(Tは最上段を示す添え字である。)と、図手前、斜め下へ指向させた最下段ノズル33B(Bは最下段を示す。)と、これら最上段ノズル33Tと最下段ノズル33Bとの間に3段配置した中段ノズル33M・・・(Mは中段を示す。)とからなる。
【0028】
図4は図3の4−4線断面図であり、最上段ノズル33Tは媒体の流れ線39に対する角度θ1を10〜15°程度に定める。なお、流れ線39は、図1に示した右壁に平面視で平行な線である。
図5は図3の5−5線断面図であり、中段ノズル33Mは媒体の流れ線39に対する角度θ2を40〜50°程度に定める。
図6は図3の6−6線断面図であり、最下段ノズル33Bは媒体の流れ線39に対する角度θ3を80〜95°程度に定める。
【0029】
図7(a)〜(c)は本発明での各ノズルのレイアウト図である。
(a)は最上段ノズル33Tのレイアウトを示す平面図であり、ワークの入槽側壁23側からワークを槽内へ挿入するため(図1参照)、繊維屑並びに鉄係ゴミは、ワークの入槽側壁23寄りのエリアAに大部分が落下する。そのため、右壁24に添って7本の噴射管18・・・を配置したときには、ワークの入槽側壁23寄りの5本を入槽側オーバーフロー槽26に臨ませ、残りの2本を出槽側オーバーフロー槽25に臨ませる。そうすれば、後述の理由により、エリアAに浮遊する繊維屑を迅速に入槽側オーバーフロー槽26へ排出させることができる。エリアBに浮遊する繊維屑は出槽側オーバーフロー槽25へ排出させるまでに時間が掛かるが、エリアBでは繊維屑の量が少ないため実害はない。
【0030】
後述の図9に示すとおりに、中段ノズル33M・・・で白抜き矢印で表す大きな流れがワークの出槽側壁22からワークの入槽側壁23へ形成されている。図7(a)に戻って、エリアBの噴射管18・・・(全4本)のノズル33T・・・(全4個)は、上述の白抜き矢印とは逆の流れになる。すなわち、エリアBを拡大すると、前記白抜きの矢印(槽内の大きな流れ)の妨げになる。
槽内の大きな流れを生かしつつ、繊維屑を迅速に出槽側オーバーフロー槽25に排出するには、エリアAの長さを大きく、エリアBの長さを小さくすることが有効である。そこで、エリアA長さ:エリアB長さは、8:2〜6:4に設定する。これにより、エリアAにおける繊維屑の迅速な排出と、エリアBにおける実害のない排出との双方が達成できる。
【0031】
(b)は中段ノズル33Mのレイアウトを示す平面図であり、中段ノズル33Mの全てをワークの入槽側壁23に指向させる。これにより、ワークの出槽側壁22からワークの入槽側壁23への媒体の大きな流れを発生させる。
(c)は最下段ノズル33Bのレイアウトを示す平面図であり、最下段ノズル33Bの全てを中央の谷部41に指向させる。これにより、左右傾斜底部42、43に沿った谷部41に向かう強い流れを発生させる。
【0032】
図8(a)、(b)は本発明に係る電着槽の底の構造説明図である。
(a)は電着槽11の縦断面略図であり、右壁24の下縁44が水平に対して角度θ4だけ傾斜しており、左右傾斜底部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ下り勾配にしたことを示す。加えて、谷部41の底が水平に対して角度θ5だけ傾斜させたことを示す。
【0033】
(b)は、(a)のb−b断面図、c−c断面図及びd−d断面図であり、実線で示すb−b断面図で、底の詳細を説明すると、左右壁48、24から電着槽の中央へ下がる左右傾斜底部42、43にて、底を略V字断面に形成する。
そして、左右傾斜底部間の谷部41を、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ延びる溝部45にする。この溝部45の流路断面積を、b−b断面ではSb、c−c断面でSc、d−d断面でSdとした場合に、Sb<Sc<Sdにする。
【0034】
図9は本発明に係る電着槽のワークの入槽側壁の傾斜向き説明図であり、ワークの出槽側壁22は、媒体の液面面積を増大させるべく上部46が外寄り(図右)、下部47が内寄り(図左)になるように傾斜させ、ワークの入槽側壁23は、ワークの出槽側壁22とほぼ平行になるように傾斜させたことを特徴とする。すなわち、ワークの出槽側壁22の傾斜角をθ6、ワークの入槽側壁23傾斜角をθ7としたときに、θ7はθ6と等しいか又はほぼ等しくする。
この結果、白抜き矢印で示した流れは、ワークの入槽側壁23により下向き流れになり、排出孔13から円滑に排出させることができる。
【0035】
図10は本発明に係る電着槽の要部の横断面図であり、噴射管18、18を右壁24及び左壁48に添わせて配置し、左右壁48、24から電着槽の中央へ下がる左右傾斜底部42、43にて、略V字断面に形成したことを示す。
【0036】
先ず、噴射管18、18を左右壁48、24に添わせたので、底21には障害物が無くなった。そして、左右の最下段ノズル33B、33bからの噴流により、左右傾斜底部42、43上の鉄系ゴミ49・・・を矢印のごとく溝部45に押出すことができる。この溝部45は図面表裏方向に傾斜しているため、図示せぬ排出孔へ鉄系ゴミ49を移動させることができる。
【0037】
この結果、媒体を沈降して底21に至った鉄系ゴミ49・・・を底21に堆積させることなく、迅速に排出でき、従来実施していた床の清掃作業を、本発明によれば大幅に削減することができる。
【0038】
尚、噴射管に付設するノズルはベンチュリー型ノズルが望ましいが、その他のコーンノズルなどの汎用ノズルに変更することは差し支えない。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では左右壁に添わせて配置した。これにより、電解槽の底には障害物が無くなった。加えて、電着槽の底を左右傾斜底部で構成することにより、鉄系ゴミなどの重いゴミが谷部へ容易に移動できるようにした。すなわち、重いゴミを左右傾斜底部、そして谷部を介して排出孔に集めることができ、電着槽の底に重いゴミが堆積するという不具合を解消することができる。
【0040】
すなわち、請求項1によれば、ゴミを拡散させない(ゴミを効率よく集める。)、及びゴミを取り除く(電着槽から迅速にゴミを排出する)ことが達成できる。
加えて、ゴミが床に堆積しないため電着槽の底の清掃作業を大幅に減らすことができる。
【0041】
請求項2では、左右傾斜底部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ下り勾配にしたことを特徴とする。すなわち、電着槽の底を、略V字断面にしつつ全体としてもワークの入槽側壁へ下り勾配にした。この結果、重いゴミをワークの入槽側壁側へ容易に送ることができる。
【0042】
請求項3では、左右傾斜底部間の谷部を、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ延びる溝部にすると共に、この溝部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ流路断面積が増大するように構成したことを特徴とする。
重いゴミの堆積量の増加に応じて、溝部の流路断面積を増大させたので、溝部でゴミを円滑に送ることができる。
【0043】
請求項4では、噴射管は、縦パイプと、この縦パイプに間隔をおいて配置した複数個のノズルとからなり、この複数個のノズルは、液面近くの媒体をワークの出槽側壁又はワークの入槽側壁へ押出す最上段ノズルと、媒体をワークの入槽側壁へ流動させる中段ノズルと、左右傾斜底部に溜まるゴミを谷部へ押出す最下段ノズルで構成することを特徴とする。
【0044】
最上段ノズルで軽いゴミをワークの出槽側壁又はワークの入槽側壁へ送る。そこにオーバーフロー槽を設けておけば、オーバーフロー槽に軽いゴミを容易に集めることができる。
最下段ノズルで重いゴミを底の谷部へ押出す。
中段ノズルで媒体をワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ大きく流動させる。この中段ノズルの発生する流れで、ワークに付着しているゴミや再付着したゴミをワークから剥がすことができる。
このような多様のノズルを共通の縦パイプに集約することで、設備の簡素化を図ることができる。
【0045】
請求項5では、ワークの出槽側壁は、媒体の液面面積を増大させるべく上部が外寄り、下部が内寄りになるように傾斜させ、ワークの入槽側壁は、ワークの出槽側壁とほぼ平行になるように傾斜させたことを特徴とする。
【0046】
ワークの入槽側壁の下に排出孔を設けた場合には、有効である。すなわち、ワークの入槽側壁は上部が内寄り、下部が外寄りとなるため、ワークの出槽側壁側から流動してきた媒体は、ワークの入槽側壁により下向き流れとなる。そこに排出孔を設けておけば、媒体の排出が円滑に行うことができる。電着槽内部における媒体の大きな流れも安定化する。
すなわち、請求項5によれば、安定化した大きな流れによって、ゴミを迅速に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電着塗装装置の縦断面図
【図2】本発明で採用したベンチュリー型ノズルの断面図
【図3】本発明に係る噴射管の全体図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】本発明での各ノズルのレイアウト図
【図8】本発明に係る電着槽の底の構造説明図
【図9】本発明に係る電着槽のワークの入槽側壁の傾斜向き説明図
【図10】本発明に係る電着槽の要部の横断面図
【図11】実開平3−14162号公報第1図の再掲図
【図12】実開平3−14162号公報第2図の再掲図
【符号の説明】
10…電着塗装装置、11…電着槽、12…媒体、13…排出孔、17…ヘッダ、18…噴射管、19…ワーク、21…電着槽の底、22…電着槽のワークの出槽側壁、23…電着槽のワークの入槽側壁、24…電着槽の右壁、33…ノズル、33T…最上段ノズル、33M…中段ノズル、33B…最下段ノズル、34…縦パイプ、41…左右傾斜底部間の谷部、42…左傾斜底部、43…右傾斜底部、45…溝部、48…電着槽の左壁、49…鉄系ゴミ。

Claims (5)

  1. 電着槽に溶媒及び塗料からなる媒体を満たし、電着槽から前記媒体の一部を取出し、加圧し、濾過した後に噴射管を通じて電着槽内へ噴射することにより、媒体を流動化させ、このような媒体にワークを浸漬すると共にワークと電着槽に直流電流を流すことにより、ワークに塗装を施す電着塗装装置において、
    前記電着槽は、底とワークの出槽側壁とワークの入槽側壁と左右壁とからなる上面開放箱体とし、前記媒体の大部分をワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ流すようにし、前記噴射管を左右壁に添わせて配置し、
    前記底は、前記左右壁から電着槽の中央へ下がる左右傾斜底部にて構成し、これらの谷部に媒体を取出す排出孔を設けたことを特徴とする電着塗装装置。
  2. 前記左右傾斜底部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ下り勾配にしたことを特徴とする請求項1記載の電着塗装装置。
  3. 前記左右傾斜底部間の谷部を、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ延びる溝部にすると共に、この溝部は、ワークの出槽側壁からワークの入槽側壁へ流路断面積が増大するように構成したことを特徴とする請求項1記載の電着塗装装置。
  4. 前記噴射管は、縦パイプと、この縦パイプに間隔をおいて配置した複数個のノズルとからなり、この複数個のノズルは、液面近くの媒体をワークの出槽側壁又はワークの入槽側壁へ押出す最上段ノズルと、媒体をワークの入槽側壁へ流動させる中段ノズルと、前記左右傾斜底部に溜まるゴミを前記谷部へ押出す最下段ノズルで構成することを特徴とした請求項1記載の電着塗装装置。
  5. 前記ワークの出槽側壁は、媒体の液面面積を増大させるべく上部が外寄り、下部が内寄りになるように傾斜させ、前記ワークの入槽側壁は、前記ワークの出槽側壁とほぼ平行になるように傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の電着塗装装置。
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